説明

飲食物提供システム

【課題】飲食物を異なる温度範囲に管理して提供するシステムを提供する。
【解決手段】飲食物を包装し、一定の温度範囲A並びに一定の温度範囲Bに管理し、上記温度範囲AとBそれぞれに異なって、内容物に含有する成分の人体へ異なる作用を効果的にあたえる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物を包装し、その包装した内容物を、異なる温度範囲に管理して提供することによって、その内容物に含有する成分の人体への作用につき、異なる温度範囲ごとに異なる作用を効果的並びに効率的に提供することを明示して提供する飲食物提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷凍食品や所謂レトルト食品など、販売時に、0℃以下や常温で販売し、購入者が家に戻って暖めて食する食料はあった。しかし、これらの商品は、販売時温度と購入者が暖めて食するときの温度差において、その商品の成分の人体への作用について、異なるという内容物を提供しているものではなかった。また、店舗では、購入者がそのまま食すことができない温度で販売されていて、購入者自らが家で暖める必要があった。
【0003】
缶コーヒーやペットボトル入りお茶飲料などの飲料水で、それらを販売する店舗では、冷たくして提供される場合と、暖めて提供される場合があり、いずれの場合にも、購入者がそのまま購入時に飲用することができる飲料が提供されている。しかし、缶コーヒーやペットボトル入りお茶飲料など、提供する温度範囲が異なるものを販売していても、それらの飲料が含有する成分の人体への作用は、特に温度差によって異なったものではなく、それらのメーカーも異なる温度範囲で提供することで、異なる人体への作用を明示して販売するものはなかった。
【0004】
例えば、ショウガ(Zingber officinale)は、広く食用に用いられてきた。日本では、8世紀ころからショウガの栽培が行なわれており、今日に至るまで、薬用や食用として利用されている。ショウガの薬用の利用法としては、生薬として漢方薬に配合されることが多い。民間療法としては、風邪の治療として生姜湯が用いられることも知られている。また、食品としては、摩り下ろしたりきざんだりして薬味やお吸い物などに使われている。その他、寿司に添えられるガリや紅ショウガとして用いられたり、魚や肉の煮物に使われ、匂い消しや香辛料として用いられたりする。また、生姜飴、生姜糖、ショウガシロップ、冷やし飴、ジンジャーエールなど甘味と併せて嗜好品にも用いられている。
【0005】
ショウガの生薬としての活用法としては、生のまま乾燥させたものを生姜(ショウキョウ)と呼び、灰をかけて蒸してから乾燥させたものは乾姜(カンキョウ)と呼ばれていて、新陳代謝機能促進、芳香性健胃薬、食欲増進、鎮吐、悪寒発熱などに用いられている。また、中薬(漢方薬)としては、生姜は「表面の熱を取り去る」といわれており、暑気払いなどに用いられる。一方、乾姜は「中を温める」といわれ、体を中から温めるのに用いられている((非特許文献1参照、非特許文献2参照)。
【0006】
ショウガの栄養成分はそれほど多くないが、辛味成分や精油成分に人体に作用する成分が有ることが判ってきており、辛味成分では、ジンゲロール(gingerol)類、ジンゲロールの加熱によって生成されるショウガオール(shogaol)類などが知られている(非特許文献3参照)。
【0007】
ジンゲロール(gingerol)とは、6-ジンゲロール、8-ジンゲロール、10-ジンゲロール等を含む。ジンゲロールには、血流上昇作用、脂肪細胞分化促進作用、抗酸化作用の作用が認められている。医薬品としては、消化薬、緩下剤、鎮咳剤、制酸薬の原料として使用される。また、最近では、血糖値の抑制効果や、動脈硬化性疾患(脳卒中や心筋梗塞など)の発症リスクを高めるメタボリックシンドローム(MetS;内臓脂肪症候群)の予防効果も期待されている。
【0008】
ショウガオール(shogaol)には、血行促進作用(特許文献1)、体臭抑制効果(特許文献2)、抗酸化効果(非特許文献9)、保湿効果(非特許文献10)等を有することが知られている。また、ショウガオール及びジンゲロールの生体内での代謝経路も研究されており、代謝産物の構造が報告されている(非特許文献11及び12)。
【0009】
生のショウガ、生姜、乾姜それぞれのジンゲロール、ショウガオールの含有量に関しては、生ショウガでは殆どがジンゲロールで、ショウガオールは微量しか含まれないのに対して、生姜、乾姜では、ショウガオールの量が増えてジンゲロールの量が減ることが分かってきている(非特許文献4)。また、生のショウガを加熱することで、生のショウガに含有するジンゲロールが、ショウガオールに変化していくこともわかってきている。
【0010】
生ショウガ汁1g中では、ジンゲロール(0.155mg)、ショウガオール(0.001mg)であるのに対し、生ショウガ汁を115℃で2時間攪拌しながら加熱し、果糖ブドウ糖液糖を添加処理したもの1g中では、ジンゲロール(0.114mg)、ショウガオール(0.053mg)となり、ジンゲロールとショウガオールの比は、生ショウガ汁がジンゲロール:ショウガオール=155:1であるのに対し、生ショウガ汁を加熱処理したものではジンゲロール:ショウガオール=2.15:1となり、ショウガオールの割合が増えているのが確認できている。加えて、生のショウガのジンゲロールが、ショウガオールに変化していく温度は、20℃〜100℃というデータも出ている。さらに120℃辺りでの加熱により、より効率的に短時間で、ジンゲロールがショウガオールに変化するというデータもある。(特許文献3及び特許文献4)
【0011】
上述したデータなどから、ジンゲロールとショウガオールの成分を、双方共に、バランスよく得ることを目指す場合には、20℃〜60℃で加熱することで、そのような結果が得られることも分かってきた。
【0012】
ジンゲロール、ショウガオールの成分の構造は、唐辛子の辛味成分であるカプサイシン(capsicin)と類似していて、カプサイシン受容体に結合することも知られている。ショウガの体を温める作用については、ジンゲロール、ショウガオール共に活性があるが、ショウガオールの方が強い活性を示すことも研究発表されている。(非特許文献8参照)。
【0013】
また、ショウガの抗胃潰瘍作用(非特許文献5)、鎮吐作用(非特許文献6)、抗炎症作用(非特許文献7)などは、ジンゲロール、ショウガオールに活性があることが報告されている。
【0014】
市販されている常温のショウガシロップを、購入者が家で熱いお湯などに溶かして飲用することで、ショウガオールが得られるチャンスはある。しかし、例えば、ビジネスマンなどが外出時に、購入した商品をその場で、ジンゲロールまたはショウガオールのいずれかの作用を選択して飲用することはできなかった。また、家に持ち帰ってお湯を沸かし、その後に飲用するのでは、利便性、即時性欠けていた。加えて、購入者自らがお湯に溶かす飲用方法では、シロップの量や、お湯の温度などが、毎回同じに管理することは難しく、ショウガの成分のある一定の作用を、毎回同じように得ることは困難であった。
【0015】
特に、これまでの飲食物提供システムでは、包装容器に包装された飲食物、例えば、ショウガ(ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキス)を含有する飲食物を、購入者が店舗で購入する場合、ジンゲロールの作用を優位に導き出す温度で提供できる状態を状態1とし、ショウガオールの作用を優位に導き出す温度で提供できる状態を状態2とし、ジンゲロール及びショウガオール双方の作用を優位に導き出す温度で提供できる状態を状態3とすると、上記飲食物を上記状態1、2、3中のいずれかの状態又は上記状態1、2、3中のいずれか2つの状態での購入を、その場で、その時の購入者の希望に応じて選択可能とする飲食物提供システムはなかった。
【特許文献1】特開平6−183959号公報(発明の詳細な説明)
【特許文献2】米国特許6264928号(発明を実施するための最良の形態)
【特許文献3】特開2008-189571号(発明の詳細な説明)
【特許文献4】特開2010-124786号(発明を実施するための最良の形態)
【非特許文献1】中薬大辞典、小学館
【非特許文献2】中薬大辞典、小学館
【非特許文献3】YoshikawaM.et al, Yakugaku zasshi(1993)
【非特許文献4】ConnellD.W.et al, Food. Technol. Aust(1969)
【非特許文献5】YamaharaJ.et al, J of Ethnopharmacology(1998)
【非特許文献6】KawaiT.et al, Planta Medica(1994)
【非特許文献7】KiuchiF.et al, Chem. Pharm. Bull.(1992)
【非特許文献8】QiruongH.et al, Yakugaku zasshi(1990)
【非特許文献9】Kikuzaki,H.et al.,J.Food Sci.,58,6,1407-1410(1993)
【非特許文献10】鈴木正人監修、「新しい化粧品機能素材300 上巻」、シーエムシー出版(2002)
【非特許文献11】Takahashi,H.etal.,Phytochemistry,34,1497-1500(1993)
【非特許文献12】Lee,S.S.,Arch.Pharm.Res.,18,136-137(1995)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明者は、例えば、包装容器に包装されたショウガ(ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキス)を含有する飲食物を、購入者が店舗で購入する際に、その場で、購入者の希望に応じて、包装容器に包装された状態で、ジンゲロールの作用を導き出す温度でも提供可能とし、並びに、ショウガオールの作用を導き出す温度でも提供可能とし、並びに、ジンゲロール及びショウガオール双方の作用を導き出す温度でも提供可能とする飲食物提供システムを提供することにある。
【0017】
本願第一番目の発明によれば、内容物を包装容器に包装するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Aで提供することによって、上記温度範囲Aの状態の内容物に含有する成分の人体への作用aが上記温度範囲Aとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Bで提供することによって、上記温度範囲Bの状態の内容物に含有する成分の人体への作用bが上記温度範囲Bとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップとを有することを特長とする。
【0018】
本願第二番目の発明によれば、内容物を包装容器に包装するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Aで提供することによって、上記温度範囲Aの状態の内容物に含有する成分の人体への作用aが上記温度範囲Aとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Bで提供することによって、上記温度範囲Bの状態の内容物に含有する成分の人体への作用bが上記温度範囲Bとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Cで提供することによって、上記温度範囲Cの状態の内容物に含有する成分の上記人体への作用a及び上記人体への作用bの双方が上記温度範囲Cとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップとを有することを特長とする。
【0019】
本願第三番目の発明によれば、本願第一番目の発明において、上記一定の温度範囲Aが-10℃から60℃で、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃であることを特長とする。
【0020】
本願第四番目の発明によれば、本願第二番目の発明において、上記一定の温度範囲Aが-10℃から30℃、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃、上記一定の温度範囲Cが20℃から60℃であることを特長とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、包装容器に包装された飲食物、例えば、ショウガ(ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキス)を含有する飲食物を、購入者が店舗で購入する場合、ジンゲロールの作用を優位に導き出す温度で提供できる状態を状態1とし、ショウガオールの作用を優位に導き出す温度で提供できる状態を状態2とし、ジンゲロール及びショウガオール双方の作用を優位に導き出す温度で提供できる状態を状態3とすると、上記飲食物を上記状態1、2、3中のいずれかの状態又は上記状態1、2、3中のいずれか2つの状態での購入を、その場で、その時の購入者の希望に応じて選択可能とする飲食物提供システムが提供でき、外出中のビジネスマンやビジネスウーマンに対し、一アイテムの健康飲食物で、それぞれの体調改善目的に合った作用を提供することが可能となる。
【0022】
また、本発明に係る飲食物提供システムによれば、上述してきたショウガ成分を含有する飲食物に限らず、飲食物に含有する成分が、その飲食物の温度が変化することによって、その成分の特長も変化し、それによって人体への作用も変化するような成分を含有する飲食物であれば、どのような飲食物も同様の効果を提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明で言う「内容物を包装容器に包装するステップ」(以下包装ステップという)とは、内容物を包装容器に包装することによって、飲食物として製品化する最終工程を言う。また、包装素材及び包装の方法については、特に限定するものではない。従って、包装素材としては、例えば、紙素材、鉄素材、アルミ素材、プラスチック素材、ガラス素材、陶磁器素材、発泡スチロール素材等、どのような素材でもよい。同様に、包装方法においても、食品の保護を追及した包装(殺菌、真空・密着、無菌充填、二酸化炭素ガス置換、脱酸素剤封入、エタノール等徐放剤封入、酸素高遮断性など)、利便性を追求した包装(食品再加熱用、お湯入れ適性、電子レンジ加熱適性、直火加熱適性、加熱機能付きなど)、快適性を追求した包装(表示機能を追求した包装、リユース性包装など)、調製処理機能を備えた包装(水分変化関連包装、通気・排気・ガス関連包装、二酸化炭素発生剤、エタノール蒸気発生剤封入包装など)などの技術を活用したもの、及びこれら以外の包装方法でもよい。
【0024】
また、上記包装ステップとは、飲食物として製品化する最終工程として、内容物に含有される重要な成分(例えば人体の健康改善に寄与するような成分)が、取り扱い方によって劣化したり破壊されたりするのを避けるための取扱い手段をも含むものである。上記取扱い手段とは、例えば、内容物全体または内容物の成分それぞれについての、適切な温度管理や、酸化防止管理や、鮮度維持管理などがある。
【0025】
例えば、内容物にショウガ成分を含有させる場合、ショウガ成分のジンゲロールは、摩り下ろしたり、千切りにしたり、ミキサーに掛けたりすることで、その表面積が大きくなれば、空気中で酸化してその成分が減少していくことが分かっている。即ち、ここで、上記包装ステップには、内容物にショウガ成分を含有する場合、例えば、できるだけ製品完成の最終工程近くで、ショウガ粉砕に係る作業を行うことで、ジンゲロールの減少を防ぐ手段またはショウガ粉砕後、それらが酸化しないよう、例えば真空状態で保存しておく手段等も含まれている。
【0026】
本発明で言う「上記包装した内容物を、一定の温度範囲Aで提供することによって、上記温度範囲Aの状態の内容物に含有する成分の人体への作用aが上記温度範囲Aとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップ」(以下提供温度範囲Aステップという)とは、内容物が含有する成分が、それを提供する温度の相違によって、複数の異なる人体への作用がみられる場合に、当該複数の異なる人体への作用中の一の作用につき、できるだけその作用を優位に働かせることを目的とし、上記一の作用の適切又は最適な提供温度範囲Aを定めるステップである。上記「できるだけ優位に」とは、例えば、上記提供温度範囲Aステップで、提供温度範囲を定めるにあたっては、当該温度範囲A内で提供することで、上記一の作用につき、できるだけ効果的及び/又は効率的及び/又は作用時間が長期間継続及び/又は即効性等の利点が顕著になるようにすることである。その他、上記「できるだけ優位に」とは、副作用の有無についての観点、即ち、できるだけ副作用が起きないようにする、と言うことも含まれる。
【0027】
また、上記提供温度範囲Aステップで定められる上記温度範囲Aは、基本的に、上記内容物を構成する成分によって、その適正範囲が決まる。従って、上記温度範囲Aの温度範囲は、特に限られた値の範囲ということではない。
【0028】
同様に、本発明で言う「上記包装した内容物を、一定の温度範囲Bで提供することによって、上記温度範囲Bの状態の内容物に含有する成分の人体への作用bが上記温度範囲Bとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップ」(以下提供温度範囲Bステップという)とは、内容物が含有する成分が、それを提供する温度の相違によって、複数の異なる人体への作用がみられる場合に、当該複数の異なる人体への作用中の一の作用につき、できるだけその作用を優位に働かせることを目的とし、上記一の作用の適切又は最適な提供温度範囲Bを定めるステップである。上記「できるだけ優位に」とは、例えば、上記提供温度範囲Bステップで、提供温度範囲を定めるにあたっては、当該温度範囲B内で提供することで、上記一の作用につき、できるだけ効果的及び/又は効率的及び/又は作用時間が長期間継続及び/又は即効性等の利点が顕著になるようにすることである。その他、上記「できるだけ優位に」とは、副作用の有無についての観点、即ち、できるだけ副作用が起きないようにする、と言うことも含まれる。
【0029】
また、上記提供温度範囲Bステップで定められる上記温度範囲Bは、基本的に、上記内容物を構成する成分によって、その適正範囲が決まる。従って、上記温度範囲Bの温度範囲は、特に限られた値の範囲ということではない。
【0030】
尚、本発明が言う「上記包装した内容物を、一定の温度範囲Cで提供することによって、上記温度範囲Cの状態の内容物に含有する成分の上記人体への作用a及び上記人体への作用bの双方が上記温度範囲Cとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップ」(以下提供温度範囲Cステップという)も、上記提供温度範囲Aステップ及び上記提供温度範囲Bステップと同様の考え方に基づくものであるので、説明は省く。
【0031】
また、上記提供温度範囲Cステップで定められる上記温度範囲Cは、基本的に、上記内容物を構成する成分によって、その適正範囲が決まる。従って、上記温度範囲Cの温度範囲は、特に限られた値の範囲ということではない。
【0032】
本願第三番目の発明では、「上記一定の温度範囲Aが-10℃から60℃で、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃であることを特長とする請求項1に記載の飲食物提供システム。」としているが、上記一定の温度範囲Aと上記一定の温度範囲Bは、これに限るものではない。例えば、好ましくは、上記一定の温度範囲Aが、0℃〜40℃で、上記一定の温度範囲Bが、60℃〜100℃、最も好ましくは、上記一定の温度範囲Aが、0℃〜20℃で、上記一定の温度範囲Bが、70℃〜100℃とする。また、本願第三番目の発明以降の発明においては、主に、本願第5番目の発明に記載されている「上記内容物に、ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキスが含有されていることを特長とする」を受けるものである。
【0033】
本願第四番目の発明で、「上記一定の温度範囲Aが-10℃から30℃、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃、上記一定の温度範囲Cが20℃から60℃であることを特長とする請求項2に記載の飲食物提供システム。」としているが、上記一定の温度範囲Aと上記一定の温度範囲Bと一定の温度範囲Cは、これに限るものではない。例えば、好ましくは、上記一定の温度範囲Aが、0℃〜20℃で、上記一定の温度範囲Bが、60℃〜100℃、上記一定の温度範囲Cが、21℃〜59℃、最も好ましくは、上記一定の温度範囲Aが、0℃〜10℃で、上記一定の温度範囲Bが、70℃〜100℃、上記一定の温度範囲Cが、30℃〜60℃とする。
【0034】
本願第5番目の発明で言う、「ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキスのショウガ」において、ショウガの種類については特に限定するものではない。また、ショウガを生のままで活用するのか、生のショウガを干して活用するのか、或いは、生のショウガを機械的又は天日干しで極度に乾燥させて活用するのかは、特に限定するものではない。但し、ショウガ成分の一つであるジンゲロールの作用を主に提供することを目的とした提供温度範囲を定める場合には、生のショウガまたは生のショウガを干したものをショウガ成分の一部または全体として活用することがよい。その理由としては、ショウガを極度に乾燥させていくと、ジンゲロールが減少し、ショウガオールが増加してくるからである。
【0035】
ここで、本願第三番目の発明で言う、「上記一定の温度範囲Aが-10℃から60℃で、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃であることを特長とする請求項1に記載の飲食物提供システム。」を、本願第5番目の発明で言う、「ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキスのショウガ」を含有する内容物として説明する。
前述したように、ショウガ成分であるジンゲロールとショウガオールの含量は、生の状態か乾燥させた状態か、或いは常温の状態か加熱した状態かで、変化する。本願第三番目以降の発明においては、特に、内容物を包装した飲食物を、異なる温度で管理提供することで、ジンゲロールとショウガオールの含量変化も管理し、複数の特定温度範囲に対してなる複数のショウガ成分の状態に基づき、人体への異なる作用を提供することを可能とするものである。
【0036】
本願第三番目の発明で言う、「上記一定の温度範囲Aが-10℃から60℃で、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃であることを特長とする請求項1に記載の飲食物提供システム」とは、例えば、飲食物の内容物がショウガ成分(ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキスのショウガ)でなる場合、上記一定の温度範囲Aが-10℃から60℃では、ジンゲロールの人体への作用を優位とする温度範囲として設定なされていて、また、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃では、ショウガオールの人体への作用を優位とする温度範囲と設定なされていて、購入者それぞれが、購入者の今の体調を鑑み、上記一定の温度範囲Aで管理されている飲食物か、または、上記一定の温度範囲Bで管理されている飲食物かのいずれかを選択可能とする飲食物提供システムを実現している。ここで、上記一定の温度範囲Aと上記一定の温度範囲Bの温度管理の方法は、特に限定するものではない。例えば、上記一定の温度範囲Aは、冷蔵庫内で管理され、上記一定の温度範囲Bは保温庫または保温ケースで管理されている。
尚、ジンゲロール及びショウガオールに係る、それぞれの人体への作用については、前述している。また、ジンゲロールが加熱されることでショウガオールに変化していく、その変化の温度に関しても前述している。
【0037】
本願第四番目の発明で言う、上記一定の温度範囲Aが-10℃から30℃、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃、上記一定の温度範囲Cが20℃から60℃であることを特長とする請求項2記載の飲食物提供システム」とは、例えば、飲食物の内容物がショウガ成分(ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキスのショウガ)でなる場合、上記一定の温度範囲Aが-10℃から30℃では、ジンゲロールの人体への作用を優位とする温度範囲として設定なされていて、また、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃では、ショウガオールの人体への作用を優位とする温度範囲と設定なされていて、また、上記一定の温度範囲Cが20℃から60℃では、ジンゲロールとショウガオール双方の人体への作用を優位とする温度範囲として設定なされていて、購入者それぞれが、購入者の今の体調を鑑み、上記一定の温度範囲Aで管理されている飲食物か、または、上記一定の温度範囲Bで管理されている飲食物か、または、上記一定の温度範囲Cで管理されている飲食物のいずれかを選択可能とする飲食物提供システムを実現している。こで、上記一定の温度範囲Aと上記一定の温度範囲Bと上記一定の温度範囲Cの温度管理の方法は、特に限定するものではない。例えば、上記一定の温度範囲Aは、冷蔵庫内で管理され、上記一定の温度範囲Bは保温庫または保温ケースで管理され、上記一定の温度範囲Cは常温で管理されている。
【0038】
また、上記一定の温度範囲Aと上記一定の温度範囲Bと上記一定の温度範囲Cの温度管理の方法については、例えば、電子レンジにより温度範囲を設定し、飲食物を管理加熱する方法や、内容物を包装する方法において、加熱機能付包装技術を活用し、飲食物を管理加熱する方法などでもよい。即ち、上記一定の温度範囲Aと上記一定の温度範囲Bと上記一定の温度範囲Cの温度管理の方法については、特に限定するものではない。
【0039】
また、本願第5番目の発明で言う「ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキスのショウガ」において、生のショウガ、生のショウガを干したもの、生のショウガを極度に乾燥させたもの等中の一またはそれら幾つかを混合したものでも良い。また、生のショウガ、生のショウガを干したもの、生のショウガを極度に乾燥させたもの等を、冷やした状態及び/又は常温状態及び/又は加熱した状態で、一部または全部において活用することでもよい。また、常温管理の方法や冷す方法や加熱の方法も、特に限定するものではない。
【0040】
本願第六番目の発明において、「上記内容物にショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁が含有されている場合、上記ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁の濃度が、0.05重量%から50重量%であることを特長とし」とあるが、本発明において、上記ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁の濃度が、0.05重量%から50重量%に限るものではない。上記第六番目の発明は、飲食物としての全量が160g〜180gの飲料水として想定したものであり、製品となる飲食物が、例えば、さらさらとした飲み物であるのか、多少とろみのある果汁ジュースのようなものであるのか、ジェル上の飲食物であるのか、またはジャムなどの固形物に近いものか、また、あるいはその飲食物の全量がどのくらいなのかにによっても、上記ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁の濃度の適正が、変わってくる。
【0041】
また、本願の第六番目の発明において、「上記ショウガ抽出エキスの濃度が、0.005重量%から30重量%であることを特長とする」とあるが、本発明において、上記ショウガ抽出エキスの濃度が、0.005重量%から30重量%に限るものではない。これに関しても、飲食物としての全量が160g〜180gの飲料水として想定したものであり、製品となる飲食物が、例えば、さらさらとした飲み物であるのか、多少とろみのある果汁ジュースのようなものであるのか、ジェル上の飲食物であるのか、またはジャムなどの固形物に近いものか、また、あるいはその飲食物の全量がどのくらいなのかにによっても、上記ショウガ抽出エキスの濃度の適正が、変わってくる。
【0042】
本願第3番目の発明以降においては、内容物中、人体に作用する成分を含有する主たる成分として、ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキスを想定したものであるが、当該含有物または成分に加えて、本願第7番目の発明では、紅茶飲料を、また本願第9番目の発明では、リンゴ果汁を含有させている。
【0043】
本願第7番目の発明の紅茶飲料の含有については、紅茶飲料は、爽快感があり飲みやすいこと、また、紅茶葉由来の紅茶葉由来ポリフェノールには、抗酸化作用、血圧上昇抑制作用などがあることが知られており、ショウガ成分の効用と併せた効果を、購入者へ提供することができる。なお、「紅茶」とは茶樹Cameria
sinensisの茶葉を発酵させて製茶させたものを意味し、紅茶であれば特に品種は問わない。ここで、紅茶飲料を作るにあたって、紅茶葉の種類を特に限定するものでもない。また、紅茶葉から紅茶飲料を製造するにあたっても、その製造方法は、特に限定するものでもない。即ち、既存周知の紅茶飲料製造方法でもよい。
【0044】
また、紅茶飲料を作るにあたって、茶ポリフェノール以外のポリフェノールを更に含んでいてもよい。特に香味の点において紅茶飲料との相性がよい、りんごポリフェノールが好ましい。りんごポリフェノールは少量の添加で効果があり、添加した際に渋苦味が低い。
【0045】
例えば、紅茶飲料とショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁とを主な含有物または成分とする場合には、紅茶飲料とショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁の重量比は、4:1〜200:1、好ましくは、10:1〜100:1、最も好ましくは52:1〜80:1である。但し、本発明において紅茶飲料とショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁の重量比は、上記範囲に特に限定するものではない。
【0046】
本願第9番目の発明のリンゴ果汁の含有については、リンゴ酸の爽快感とショウガの爽快感が融合し、特別な爽快感の飲料が出来上がる。次に、リンゴ果汁を含有させる意味及び特性であるが、リンゴ果汁に含まれる食物線維のペクチンは、整腸作用があるといわれる。また、リンゴ果汁に多く含まれるリンゴ酸には、ブドウ糖(グルコース)の代謝で生成されるオキサロ酢酸と同様、TCA回路の代謝を促進し、脂肪の分解(β-酸化)を、促進すると考えられる。即ち、当該リンゴ果汁の人体への作用と、ショウガ成分の特性である新陳代謝機能促進や脂肪細胞分化促進作用と相まって、ダイエット効果も期待できる飲食物として提供可能である。また、リンゴは、体を冷やす果物には属さないと分類されている為、ショウガ成分の特性である体を温める効果も維持できる。また、ショウガ含有飲食物には、飲用しやすくするために糖分を加える製品が多い。一方、飲食物に含有させる種々の糖分中でも、ショ糖を中心としたものでは、カロリーが高く、肥満を気にする女性には注意が必要となる。しかし、リンゴ果汁に含有する糖質は、果糖を中止としていて、ショ糖を中心とした糖分よりカロリーが低い。これら、リンゴ果汁とショウガを合わせることで、冷え性改善やダイエット効果、免疫力向上、風邪の症状改善効果など、特に忙しい、ビジネスウーマン、ビジネスマンに対する健康管理の要望に応えられる商品となる。
夏季には、冷やして又は常温で、冬には暖めて飲用することが可能である。即ち、それぞれの温度範囲による提供で、それぞれの人体への作用を提供することが可能となる。加えて、リンゴ果汁には、抗酸化力の高いポリフェノールである「エピカテキン」が含まれている。リンゴの抗酸化力は水や熱に強く、加熱するとその効果が約9倍に増すことが明らかとなっている。
【0047】
尚、リンゴ果実に存在する糖質の主なものは、ブドウ糖、果糖、ショ糖で、生育後期からでんぷんの消失に伴って次第に増加してくるが、収穫期から貯蔵中にかけてショ糖の減少、還元糖(特に果糖)の増加、全糖としては減少する。その他、微量のマンノ−ス、ガラクト−ス、アラビノ−ス、キシロ−ス、ガラクトロン酸、グルコン酸、ミオイシト−ル、糖リン酸、ソルビットなどの存在が知られている。また、リンゴ果実に存在する有機酸の主なものはリンゴ酸で、このほか小量のクエン酸など数十種類が含まれていると言われる。
【0048】
ここで、リンゴ果汁を作るにあたって、リンゴの種類を特に限定するものでもない。また、リンゴ果汁を作成するときに、リンゴ果汁100%のものを用いてもよいし、水を加えることでもよい。リンゴ果汁に水を加える場合には、水は、リンゴ果汁に対し50重量%以下がよい。但し、リンゴ果汁100%とするかまたはリンゴ果汁に水を加えるときの水の重量%を、特に限定するものではない。
【0049】
例えば、リンゴ果汁とショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁とを主な成分とする場合には、リンゴ果汁とショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁の重量比は、4:1〜200:1、好ましくは、10:1〜100:1、最も好ましくは52:1〜80:1である。但し、リンゴ果汁とショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁の重量比を、上記範囲に特に限定するものではない。
【0050】
以上のようにして得られる本発明の飲食物提供システムにおいては、内容物を包装し、その包装した内容物を、異なる温度範囲に管理して提供することによって、その内容物に含有する成分の人体への作用につき、異なる温度範囲ごとに異なる作用を効果的並びに効率的に提供することを明示して提供することを可能とするシステムを提供することができる。
【0051】
本発明に係る飲食物提供システムにおいては、例えば、ショウガを含有した飲食物において、冷え性対策、風邪症状対策、肥満対策等のニーズ及び市場規模は大きく、又飲食物の形状としても、健康飲料水、健康ドリンク、ジェル飲食物など適用範囲は大きい。また本発明に係る飲食物提供システムにおいては、その含有物がショウガ以外のものでも、成分が温度によって変化するようなものであれば、どのようなものでも本発明システムが活用でき、今後発見される飲食可能な成分または成分特性においても、その活用が期待される。
【0052】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、これにより本発明はなんら限定されるものではない。
【実施例】
【0053】
実施例1(紅茶飲料及びショウガ成分を含有する飲食物の飲食物提供システム)
まず、紅茶葉から紅茶飲料を作成する。紅茶葉1重量部に対し、60〜95℃の高温水を1〜5重量部加え、30秒〜5分間蒸らした後、紅茶飲料となる水溶液をろ過などにより取り出す。当該水溶液に、甘味料として、例えば、高甘味度甘味料や糖アルコールを加味する。高甘味度甘味料と糖アルコールを組み合わせる場合は、その質量比率が糖アルコール:高甘味度甘味料=1:0.00005〜1:0.5であることが好ましい。さらに好ましくは、糖アルコール:高甘味度甘味料=1:0.0008〜1:0.02であり、特に好ましくは、糖アルコール:高甘味度甘味料=1:0.002〜1:0.007である。これらの工程により、紅茶飲料を作る。次に、生ショウガを搾汁し生ショウガ汁を得る。当該ショウガ汁を得る工程は、本実施例1における飲食物を製造する工程中の最終工程において行い、当該ショウガ汁を得てからできる限り短時間の内に、即ちショウガ汁の酸化が進まないうちに、上記紅茶飲料と混合することが望ましい。尚、上記紅茶飲料と上記ショウガ汁の重要比は、前述したものでよい。上記混合した飲食物を、包装容器に包装し、実施例1の飲食物を完成させる。尚、包装容器の素材や、包装方法に関しては、前述したとおりである。
【0054】
上記実施例1の飲食物を、店舗において、提供温度範囲を管理して提供・販売する。第一番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をジンゲロールの提供とし、上記実施例1の飲食物を、0℃〜20℃の温度範囲で管理し提供するようになされ、第二番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をショウガオールの提供とし、上記実施例1の飲食物を、60℃〜100℃の温度範囲で管理し提供するようになされている。尚、上記第一番目の提供温度範囲の管理の方法は、冷蔵庫又は常温でおこなうようになされ、上記第二番目の提供温度範囲の管理の方法は、保温庫又は保温ボックス又は電子レンジでおこなうようになされている。
【0055】
実施例2(紅茶飲料及びショウガ成分を含有する飲食物の飲食物提供システム2)
上記実施例1の飲食物を、店舗において、実施例1とはことなる提供温度範囲を管理して提供・販売する。第一番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をジンゲロールの提供とし、上記実施例1の飲食物を、0℃〜10℃の温度範囲で管理し提供するようになされ、第二番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をショウガオールの提供とし、上記実施例1の飲食物を、70℃〜100℃の温度範囲で管理し提供するようになされ、第三番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をジンゲロール及びショウガオール双方の提供とし、上記実施例1の飲食物を、30℃〜60℃の温度範囲で管理し提供するようになされている。尚、上記第一番目の提供温度範囲の管理の方法は、冷蔵庫でおこなうようになされ、上記第二番目の提供温度範囲の管理の方法は、保温庫又は保温ボックス又は電子レンジでおこなうようになされ、上記第三番目の提供温度範囲の管理の方法は、保温庫又は保温ボックスでおこなうようになされている。
【0056】
実施例3(リンゴ果汁及びショウガ成分を含有する飲食物の飲食物提供システム)
まず、リンゴ果汁を作る。リンゴ果実を実質的に無酸素雰囲気下で破砕及び/又は搾汁して搾汁液を得る一方、その搾汁残渣から酵素反応により生成させたリンゴフレーバを回収して該搾汁液に加え、リンゴ果汁を作る。次に、生ショウガを搾汁し生ショウガ汁を得る。当該ショウガ汁を得る工程は、本実施例1における飲食物を製造する工程中の最終工程において行い、当該ショウガ汁を得てからできる限り短時間の内に、即ちショウガ汁の酸化が進まないうちに、上記紅茶飲料と混合することが望ましい。尚、上記リンゴ果汁と上記ショウガ汁の重要比は、前述したものでよい。上記混合した飲食物を、包装容器に包装し、実施例3の飲食物を完成させる。尚、包装容器の素材や、包装方法に関しては、前述したとおりである。
【0057】
上記実施例3の飲食物を、店舗において、提供温度範囲を管理して提供・販売する。第一番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をジンゲロールの提供とし、上記実施例3の飲食物を、0℃〜20℃の温度範囲で管理し提供するようになされ、第二番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をショウガオールの提供とし、上記実施例3の飲食物を、60℃〜100℃の温度範囲で管理し提供するようになされている。尚、上記第一番目の提供温度範囲の管理の方法は、冷蔵庫又は常温でおこなうようになされ、上記第二番目の提供温度範囲の管理の方法は、保温庫又は保温ボックス又は電子レンジでおこなうようになされている。
【0058】
実施例4(リンゴ果汁及びショウガ成分を含有する飲食物の飲食物提供システム2)
上記実施例3の飲食物を、店舗において、実施例1とはことなる提供温度範囲を管理して提供・販売する。第一番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をジンゲロールの提供とし、上記実施例3の飲食物を、0℃〜10℃の温度範囲で管理し提供するようになされ、第二番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をショウガオールの提供とし、上記実施例3の飲食物を、70℃〜100℃の温度範囲で管理し提供するようになされ、第三番目の提供温度範囲の管理の方法は、その目的をジンゲロール及びショウガオール双方の提供とし、上記実施例3の飲食物を、30℃〜60℃の温度範囲で管理し提供するようになされている。尚、上記第一番目の提供温度範囲の管理の方法は、冷蔵庫でおこなうようになされ、上記第二番目の提供温度範囲の管理の方法は、保温庫又は保温ボックス又は電子レンジでおこなうようになされ、上記第三番目の提供温度範囲の管理の方法は、保温庫又は保温ボックスでおこなうようになされている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を包装容器に包装するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Aで提供することによって、上記温度範囲Aの状態の内容物に含有する成分の人体への作用aが上記温度範囲Aとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Bで提供することによって、上記温度範囲Bの状態の内容物に含有する成分の人体への作用bが上記温度範囲Bとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップとを有することを特長とする飲食物提供システム。
【請求項2】
内容物を包装容器に包装するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Aで提供することによって、上記温度範囲Aの状態の内容物に含有する成分の人体への作用aが上記温度範囲Aとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Bで提供することによって、上記温度範囲Bの状態の内容物に含有する成分の人体への作用bが上記温度範囲Bとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップと、上記包装した内容物を、一定の温度範囲Cで提供することによって、上記温度範囲Cの状態の内容物に含有する成分の上記人体への作用a及び上記人体への作用bの双方が上記温度範囲Cとは異なる温度範囲で提供するより優位に働くように提供するステップとを有することを特長とする飲食物提供システム。
【請求項3】
上記一定の温度範囲Aが-10℃から60℃で、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃であることを特長とする請求項1記載の飲食物提供システム。
【請求項4】
上記一定の温度範囲Aが-10℃から30℃、上記一定の温度範囲Bが40℃から120℃、上記一定の温度範囲Cが20℃から60℃であることを特長とする請求項2記載の飲食物提供システム。
【請求項5】
上記内容物に、ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁及び/又はショウガ抽出エキスが含有されていることを特長とする請求項1、2、3又は4記載の飲食物提供システム。
【請求項6】
上記内容物にショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁が含有されている場合、上記ショウガ粉砕物及び/又はショウガ絞り汁の濃度が、0.05重量%から50重量%であることを特長とし、上記内容物にショウガ抽出エキスが含有されている場合、上記ショウガ抽出エキスの濃度が、0.005重量%から30重量%であることを特長とする請求項1、2、3又は4に記載の飲食物提供システム。
【請求項7】
上記内容物に、さらに紅茶飲料を含有することを特長とする請求項5又は6記載の飲食物提供システム。
【請求項8】
上記内容物に、さらにリンゴ酸を含有することを特長とする請求項5、6又は7記載の飲食物提供システム。
【請求項9】
上記内容物に、さらにリンゴ果汁を含有し、且つ上記内容物の糖分の80%以上はリンゴ果汁に含有する糖質であることを特長とする請求項5、6、7又は8記載の飲食物提供システム。
【請求項10】
上記内容物に含有されているリンゴ果汁の濃度は、30重量%以上であることを特長とする請求項5、6、7、8又は9記載の飲食物提供システム。

【公開番号】特開2012−75389(P2012−75389A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224010(P2010−224010)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(593134254)
【Fターム(参考)】