説明

飲食物搬送装置

【課題】搬送路上で飲食物を載置した複数の飲食物容器を飲食客に圧迫感を与えないよう搬送することのできる飲食物搬送装置を提供すること。
【解決手段】客席Kと調理場Cとに亘って設けられた無端状の搬送路9を備え、飲食物を載置する複数の飲食物容器3を搬送路9上に載置することで、飲食物を客席Kと調理場Cとの間で循環搬送する飲食物搬送装置1であって、搬送路9上を搬送されている飲食物容器3を検知する検知手段12と、検知手段12によって検知された飲食物容器3と飲食物容器3の次に搬送路9上を搬送されてくる飲食物容器3との間隔を所定距離L以上に保持する間隔保持手段11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無端状の搬送路を備え、飲食物を載置する複数の飲食物容器を搬送路上に載置することで、飲食物を客席と調理場との間で循環搬送する飲食物搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の飲食物搬送装置は、無端状の搬送路に寿司(飲食物)が盛られた皿(飲食物皿)を載置し、この皿を客席と調理場との間で循環搬送している。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−17547号公報(第3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の飲食物搬送装置にあっては、調理者が新たな寿司(飲食物)を投入しようと、既に搬送路上を搬送されている複数の皿(飲食物容器)間に新たな寿司を載置した皿を載置することがあり、これにより搬送路上で隣り合う皿間の間隔が極端に小さくなってしまうばかりか、後続の皿が隣り合う皿に乗上げてしまった状態で客席に向けて搬送されてしまい、飲食客に圧迫感を与えてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、搬送路上で飲食物を載置した複数の飲食物容器を飲食客に圧迫感を与えないよう搬送することのできる飲食物搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の飲食物搬送装置は、
無端状の搬送路を備え、飲食物を載置する複数の飲食物容器を前記搬送路上に載置することで、前記飲食物を客席と調理場との間で循環搬送する飲食物搬送装置であって、
前記搬送路上を搬送されている前記飲食物容器を検知する検知手段と、該検知手段によって検知された前記飲食物容器と該飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔を所定距離以上に保持する間隔保持手段と、を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、検知手段によって検知された飲食物容器と、この飲食物容器の次に搬送路上を搬送されてくる飲食物容器の間隔を間隔保持手段によって確実に所定距離以上に離間させることで、飲食客に圧迫感を与えないよう、複数の飲食物容器を整然と間隔を空けて搬送することができる。
【0007】
本発明の飲食物搬送装置は、
前記検知手段は、検知手段によって検知された前記飲食物容器と該飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔を検知し、前記間隔保持手段は、前記検知手段によって検知された前記飲食物容器と該飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔が所定距離以内であれば、前記検知手段によって検知された前記飲食物容器と該飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔を所定距離以上に離間させることを特徴としている。
この特徴によれば、検知手段が検知した飲食物容器と、この飲食物容器の次に搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔が所定距離以内のときのみ、間隔保持手段により検知手段が検知した飲食物容器と、この飲食物容器の次に搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔を所定距離以上に離間させることで、間隔保持手段の駆動に伴う電力消費を抑えることができる。
【0008】
本発明の飲食物搬送装置は、
前記間隔保持手段は、水平回動により前記搬送路上に配置された後に前記検知手段によって検知された前記飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器に当接することで、前記検知手段によって検知された前記飲食物容器と次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔を所定距離以上に離間させるレバーを有することを特徴としている。
この特徴によれば、レバーが水平方向から飲食物容器と当接するので、レバーが飲食物容器に載置されている飲食物に当接することがなく、飲食物を衛生的に保つことができる。
【0009】
本発明の飲食物搬送装置は、
前記搬送路は前記客席と前記調理場とに亘って設けられており、前記客席と前記調理場との間は、前記客席からの視界を遮る仕切体により仕切られており、前記間隔保持手段は、前記調理場に配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、仕切体によって調理場における間隔保持手段が複数の飲食物容器の間隔を所定距離以上に離間させている状態を、客席の飲食客から隠蔽することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施例1における飲食物搬送装置を示す平面図である。
【図2】調理場側における循環搬送路の一部拡大平面図である。
【図3】図2における循環搬送路のA−A断面図である。
【図4】(a)は、レバーが寿司皿の搬送を停止させた状態を示す平面図であり、(b)は、レバーが寿司皿の搬送の停止を解除した状態を示す平面図である。
【図5】(a)は、実施例2における赤外線センサが2枚の寿司皿の糸底を検知した状態を示す平面図であり、(b)は、レバーが寿司皿の搬送を停止させた状態を示す平面図であり、(c)は、レバーが寿司皿の搬送の停止を解除した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る飲食物搬送装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0012】
実施例1に係る飲食物搬送装置につき、図1から図4を参照して説明する。以下、図2、図4(a)及び図4(b)の紙面上下方向、図3の紙面左右方向を循環搬送路の左右幅方向として説明する。
【0013】
図1の符号1は、飲食物を搬送するための飲食物搬送装置である。この飲食物搬送装置1は、例えば回転寿司店等の飲食店において、料理人が調理を行う調理場Cと飲食客が飲食を行う店内Kとに亘って延設された支持台(図示せず)の上部に設けられており、料理人が調理した飲食物としての寿司が載置された飲食物容器としての複数の寿司皿3を店内の飲食客に循環搬送して寿司を提供する装置である。
【0014】
図1に示すように、飲食物搬送装置1には、店内K側に平面視櫛歯状に3つの島部4a、4b、4cが形成された、無端状の本発明における搬送路としての循環搬送路9と、各島部4a、4b、4cを囲むように設けられた飲食カウンタ5及び飲食テーブル6と、飲食カウンタ5及び飲食テーブル6で飲食客が着座する客席7と、が設けられている。
【0015】
また、各島部4a、4b、4cでは、飲食カウンタ5及び飲食テーブル6と客席7とで飲食客が飲食可能となっている。店内Kと調理場Cとの間には、飲食カウンタ5及び客席7から調理場C内への視線を遮るための、本発明における仕切体としての壁Wが設けられており、循環搬送路9に載置された寿司皿3は、壁Wに設けられた複数の開口8を通過して店内の各島部4a、4b、4cにほぼ一定速度にて搬送されて、飲食客に提供されるようになっている。尚、循環搬送路9の調理場C側は、調理者が調理した寿司を載置した寿司皿3を循環搬送路9に投入するための投入部10に構成されている。
【0016】
循環搬送路9は、互いに相対移動可能に連結された公知のクレセントチェーンコンベア9a(図2参照)によって形成されており、これらクレセントチェーンコンベア9aをほぼ一定速度にて移動するように駆動する図示しない駆動モータが、循環搬送路9の内部の適宜位置に設けられており、駆動モータ及びクレセントチェーンコンベア9aによって飲食物搬送装置1が構成されている。
【0017】
飲食物搬送装置1を形成するクレセントチェーンコンベア9aは、投入部10で寿司の載置された寿司皿3が投入されると、先ず、寿司皿3を図1に示す店内Kの右端の島部4aに搬送し、この島部4aの先端部まで搬送した後に、折り返して再び島部4aの根元部分である調理場C側まで戻り、次いで中央の島部4bに搬送されるようになっており、最終的に左端の島部4cまで搬送された後に、飲食客に飲食されなかった場合には再び調理場Cに戻るようになっている。
【0018】
尚、本実施例における寿司皿3は、隣り合う寿司皿3,3との間隔を所定間隔L(図4(b)参照、本実施例では寿司皿3の直径と略同寸である15センチ)以上離間した状態で島部4a,4b,4cをクレセントチェーンコンベア9aによって搬送されるようになっている。具体的には、図1及び図2に示すように、投入部10における循環搬送路9の左右両端部には、クレセントチェーンコンベア9aによって隣り合って搬送される寿司皿3,3の間隔をL以上離間させるための一対のレバー11,11が配置されている。
【0019】
これらレバー11,11は、本発明における間隔保持手段として、上下方向を向く枢軸11aによって循環搬送路9の左右側部に枢支されている。枢軸11aは、循環搬送路9下に設けられた図示しないモータに接続されており、レバー11,11は、該モータが駆動することによって枢軸11a周りに水平方向に回動可能となっている。
【0020】
また、レバー11,11は、待機状態においてクレセントチェーンコンベア9aを左右両側方から挟むように、寿司皿3の搬送方向に沿って配置されている。このため、レバー11,11の待機状態においては、寿司皿3は、クレセントチェーンコンベア9aの駆動によって抵抗なくレバー11,11間を島部4aに向けて搬送されるようになっている。尚、レバー11,11は、図3に示すように、寿司皿3の周端縁部と略同一の高さ位置となるように配置されている。
【0021】
図2及び図3に示すように、循環搬送路9のレバー11,11よりも僅かに下流側には、本実施例における検知手段としての赤外線センサ12が設けられている。この赤外線センサ12は、循環搬送路9の左右両側部に埋設された、赤外線を発する発光部12aと赤外線を受光する受光部12bとから構成されており、赤外線はクレセントチェーンコンベア9aの上方を左右幅方向に横断するようになっている。このように構成された赤外線センサ12は、発光部12aと受光部12bと間の赤外線が寿司皿3の糸底3aによって遮られることによって寿司皿3を検知するようになっている。
【0022】
そして、レバー11,11は、赤外線センサ12が寿司皿3を検知することによって前記モータの正転駆動によって水平回動し、先端部がクレセントチェーンコンベア9aの上方に配置されるようになっている。尚、赤外線センサ12が寿司皿3を検知しなくなると、レバー11,11は、前記モータの逆転駆動によって水平回動し再び前記待機状態となる。
【0023】
次に、投入部10においてこれらレバー11,11及び赤外線センサ12によって隣り合う寿司皿3,3の間隔の離間動作について説明する。先ず、図2及び図4(a)に示すように、複数の寿司皿3が、隣り合う寿司皿3,3間の間隔が近接した状態でクレセントチェーンコンベア9a上を搬送されてくると、赤外線センサ12は、先頭の寿司皿3の糸底3aが発光部12aと受光部12bと間の赤外線を遮ることで先頭の寿司皿3を検知する。そして、レバー11,11は、前記モータの正転駆動によって先端部がクレセントチェーンコンベア9aの上方に配置される。
【0024】
これらレバー11,11は、赤外線センサ12によって先頭の寿司皿3の検知が継続している間は、先端部がクレセントチェーンコンベア9aの上方に配置された状態を維持する。この間にクレセントチェーンコンベア9a上を搬送されてくる次の寿司皿3があれば、この寿司皿3の周端縁部がレバー11,11に当接する。
【0025】
このため、周端縁部がレバー11,11に当接している次の寿司皿3は、クレセントチェーンコンベア9aが駆動しているにもかかわらずレバー11,11によって搬送が強制的に停止され、周端縁部がレバー11,11に当接している寿司皿3と赤外線センサ12によって検知されている先頭の寿司皿3との間隔が開いていく。
【0026】
先頭の寿司皿3がクレセントチェーンコンベア9a上を搬送されていくことで赤外線センサ12によって検知されなくなると、レバー11,11は前記モータの逆転駆動によって水平回動して待機状態となる。このとき、直前までレバー11,11が周端縁部に当接することで搬送が停止されられていた寿司皿3は、先頭の寿司皿3との間で所定間隔Lだけ離間した状態でクレセントチェーンコンベア9a上での搬送が再開される。
【0027】
以降、赤外線センサ12で寿司皿3が検知される度に前記モータの正転駆動によってレバー11,11の先端部がクレセントチェーンコンベア9aの上方に配置される。そして、赤外線センサ12で検知されている寿司皿3と、この寿司皿3の次に搬送されてくる寿司皿3とは、間隔を所定間隔Lだけ離間させた状態でクレセントチェーンコンベア9a上を搬送されるようになっている。
【0028】
このように、投入部10にて隣り合う寿司皿3,3との間隔を所定間隔L以上離間させた状態でこれら寿司皿3を店内Kの島部4a,4b,4cにかけて搬送することで、飲食客に寿司皿3を整然と搬送されているように視認させ、圧迫感を与えないようにする。
【0029】
尚、赤外線センサ12で検知されている寿司皿3と該寿司皿3の次に搬送されている寿司皿3との間隔が所定間隔L以上離間している場合には、次に搬送されている寿司皿3の周端縁部がレバー11,11に当接する前に赤外線センサ12にて寿司皿3が検知されなくなることでレバー11,11が待機状態にもどるので、両寿司皿3,3は、間隔を維持されたままクレセントチェーンコンベア9a上を搬送される。
【0030】
以上、本実施例における飲食物搬送装置1にあっては、循環搬送路9上を搬送されている寿司皿3を検知する赤外線センサ12と、赤外線センサ12によって検知された寿司皿3と寿司皿3の次に循環搬送路9上を搬送されてくる寿司皿3との間隔を所定間隔L以上に保持する間隔保持手段と、を備えるので、赤外線センサ12によって検知された寿司皿3と、この寿司皿3の次に循環搬送路9上を搬送されてくる寿司皿3の間隔を間隔保持手段によって確実に所定間隔L以上に離間させることで、飲食客に圧迫感を与えないよう、複数の寿司皿3を整然と間隔を空けて搬送することができる。
【0031】
また、間隔保持手段は、水平回動により循環搬送路9上に配置された後に赤外線センサ12によって検知された寿司皿3の次に循環搬送路9上を搬送されてくる寿司皿3に当接することで、赤外線センサ12によって検知された寿司皿3と次に循環搬送路9上を搬送されてくる寿司皿3との間隔を所定間隔L以上に離間させるレバー11,11を有するので、レバー11,11が寿司皿3に載置されている飲食物に当接することがなく、飲食物を衛生的に保つことができる。
【0032】
また、循環搬送路9は店内Kと調理場Cとに亘って設けられており、店内Kと調理場Cとの間は、客席7からの視界を遮る壁Wにより仕切られており、レバー11,11は、調理場Cに配置されているので、壁Wによって調理場Cにおけるレバー11,11が複数の寿司皿3の間隔を所定間隔L以上に離間させている状態を店内Kの飲食客から隠蔽することができる。
【実施例2】
【0033】
次に、実施例2に係る飲食物搬送装置につき、図5を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する構成を省略する。
【0034】
図5(a)に示すように、実施例2における赤外線センサ13の発光部13a及び受光部13bは、寿司皿3の搬送方向を向く幅寸法が寿司皿3の直径、つまり所定間隔Lと略同一寸法に形成されている。この発光部13aと受光部13bとの間は、発光部13aと受光部13bとの間の赤外線によって寿司皿3の搬送方向の略全長に亘って寿司皿3を2枚まで検知可能な検知領域14に形成されている。
【0035】
本実施例における前記モータは、赤外線センサ13が検知領域14にて寿司皿3が検知されない、若しくは寿司皿3が1枚のみ検知されている場合は駆動しないようになっている。つまり、検知領域14にて寿司皿3が検知されない、若しくは寿司皿3が1枚のみ検知されている場合は、レバー11,11の先端部がクレセントチェーンコンベア9aの上方に配置されない。
【0036】
一方、図5(a)及び図5(b)に示すように、赤外線センサ13が検知領域14にて寿司皿3を2枚検知した場合、つまり、赤外線センサ13が両寿司皿3,3間の間隔を所定間隔L以内だと検知した場合には、前記モータが正転駆動し、レバー11,11の先端部がクレセントチェーンコンベア9aの上方に配置される。そして、赤外線センサ13にて検知された2枚の寿司皿3,3のうち、後に赤外線センサ13にて検知された方の寿司皿3の周端縁部にレバー11,11が当接することで、後に赤外線センサ13にて検知された方の寿司皿3の搬送が強制的に停止され、先に赤外線センサ13にて検知された方の寿司皿3と後に赤外線センサ13にて検知された方の寿司皿3との間隔が開いていく。
【0037】
つまり、本実施例における赤外線センサ13は、隣り合う寿司皿3,3の間隔が所定間隔L未満であれば検知領域14にてこれら2枚の寿司皿3,3を検知するようになっており、後に赤外線センサ13に検知された方の寿司皿3の搬送をレバー11,11によって停止させることで、これら寿司皿3,3の間隔を所定間隔Lまで離間させるようになっている。
【0038】
尚、図5(c)に示すように、先に赤外線センサ13に検知された方の寿司皿3が搬送されていくことによって赤外線センサ13に検知されなくなると、前記モータは、逆転駆動することによってレバー11,11を水平回動させて待機状態とし、後に赤外線センサ13に検知された方の寿司皿3の搬送を再開させる。
【0039】
以上、本実施例における飲食物搬送装置1にあっては、赤外線センサ13は、赤外線センサ13によって検知された寿司皿3とこの寿司皿3の次に循環搬送路9上を搬送されてくる寿司皿3との間隔を検知し、レバー11,11は、赤外線センサ13によって検知された寿司皿3とこの寿司皿3の次に循環搬送路9上を搬送されてくる寿司皿3との間隔が所定間隔L以内であれば、赤外線センサ13によって検知された寿司皿3とこの寿司皿3の次に循環搬送路9上を搬送されてくる寿司皿3との間隔を所定間隔L以上に離間させるので、赤外線センサ13が検知した寿司皿3と、この寿司皿3の次に循環搬送路9上を搬送されてくる寿司皿3との間隔が所定間隔L以内のときのみ、レバー11,11により赤外線センサ13が検知した寿司皿3と、この寿司皿3の次に循環搬送路9上を搬送されてくる寿司皿3との間隔を所定間隔L以上に離間させることで、レバー11,11の駆動に伴う電力消費を抑えることができる。
【0040】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0041】
例えば、前記実施例では、飲食物容器として寿司を載置した寿司皿3を循環搬送路9上にて搬送したが、寿司皿3の上には寿司以外の各種飲食物の他、それらの見本が載置されていてもよく、また飲食物容器は、ビールを注いだジョッキや汁物が注がれた御椀等、或いはそれらを載せたトレイであってもよい。
【0042】
また前記実施例では、循環搬送路9が、全体を平面視櫛歯状に3つの島部4a、4b、4cが形成された形態とされ、壁Wで仕切られた店内Kと調理場Cとに亘って設けられているが、循環搬送路9が、店内Kにおいて全体又はその一部が環状になるよう形成され、飲食カウンタ5又は飲食テーブル6が循環搬送路9を囲むように設けられるとともに、環状部内方に調理場Cが設けられていてもよい。この場合、調理場Cの調理者が調理した寿司は、調理場Cからその周囲の環状に形成された循環搬送路9に投入される。
【0043】
また、前記実施例では、赤外線センサ12,13によって寿司皿3の糸底3aを検知することでレバー11,11を水平回動させた後、これらレバー11,11に次に搬送されてくる寿司皿3の端縁部と当接させ、次に搬送されてくる寿司皿3の搬送を停止させることで寿司皿3,3間の間隔を離間させたが、寿司の値段が記憶されたRFIDタグを寿司皿3に内蔵し、これらRFIDタグからタグリーダによって寿司の値段を読み取ることで会計等を行っている店舗においては、クレセントチェーンコンベア9a上を搬送されている寿司皿3のRFIDタグを読み取り可能な位置にRFIDタグを読み取り可能な検知手段としてのタグリーダを設け、このタグリーダによってRFIDタグに記憶されている情報を読み取ることによってレバー11,11を水平回動させて隣り合う寿司皿3,3間の間隔を離間させるようにしてもよい。
【0044】
また、前記実施例では、水平回動したレバー11,11を寿司皿3の端縁部に当接させることによって寿司皿3の搬送を停止させ、隣り合う寿司皿3,3間の間隔を所定距離以上に離間させたが、循環搬送路9の左右幅方向から寿司皿3の端縁部に当接する当接体を備え、この当接体と寿司皿3との間に生じる摩擦力によって寿司皿3の搬送速度を低下させることで隣り合う寿司皿3間の感覚を所定距離以上に離間させるようにしてもよい。
【0045】
また、前記実施例では、寿司皿3が赤外線センサ12で検知されなくなるまでレバー11,11の先端部を循環搬送路9上に配置し、次の寿司皿3の搬送を強制的に停止させたが、寿司皿3が赤外線センサ12で検知された時点からタイマによる計時を行い、該タイマが所定時間計時することによってレバー11,11を前記モータの逆転駆動によって水平回動させ待機状態となるようにしてもよい。
【0046】
また前記実施例では、循環搬送路9のレバー11,11よりも僅かに下流側に検知手段としての赤外線センサ12を設け、赤外線センサ12で寿司皿3が検知されることでレバー11,11の先端部を循環搬送路9上に配置し、次の寿司皿3の搬送を強制的に停止させたが、循環搬送路9の赤外線センサ12よりも下流側にレバー11を設け、赤外線センサ12で寿司皿3が検知された時点からタイマによる計時を行うとともにレバー11,11の先端部を循環搬送路9上に配置させ、寿司皿3の搬送を強制的に停止させるとともに前記タイマの所定時間の計時によってレバー11,11を待機状態として寿司皿3の搬送を再開するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 飲食物搬送装置
3 寿司皿(飲食物容器)
5 飲食カウンタ
6 飲食テーブル
7 客席
9 循環搬送路(搬送路)
11 レバー(間隔保持手段)
12 赤外線センサ(検知手段)
13 赤外線センサ(検知手段)
C 調理場
K 店内
W 壁(仕切体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端状の搬送路を備え、飲食物を載置する複数の飲食物容器を前記搬送路上に載置することで、前記飲食物を客席と調理場との間で循環搬送する飲食物搬送装置であって、
前記搬送路上を搬送されている前記飲食物容器を検知する検知手段と、該検知手段によって検知された前記飲食物容器と該飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔を所定距離以上に保持する間隔保持手段と、を備えることを特徴とする飲食物搬送装置。
【請求項2】
前記検知手段は、検知手段によって検知された前記飲食物容器と該飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔を検知し、前記間隔保持手段は、前記検知手段によって検知された前記飲食物容器と該飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔が所定距離以内であれば、前記検知手段によって検知された前記飲食物容器と該飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔を所定距離以上に離間させることを特徴とする請求項1に記載の飲食物搬送装置。
【請求項3】
前記間隔保持手段は、水平回動により前記搬送路上に配置された後に前記検知手段によって検知された前記飲食物容器の次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器に当接することで、前記検知手段によって検知された前記飲食物容器と次に前記搬送路上を搬送されてくる飲食物容器との間隔を所定距離以上に離間させるレバーを有することを特徴とする請求項1または2に記載の飲食物搬送装置。
【請求項4】
前記搬送路は前記客席と前記調理場とに亘って設けられており、前記客席と前記調理場との間は、前記客席からの視界を遮る仕切体により仕切られており、前記間隔保持手段は、前記調理場に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の飲食物搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−105911(P2012−105911A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−258668(P2010−258668)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(390010319)株式会社石野製作所 (85)
【Fターム(参考)】