説明

飼育動物用動脈硬化抑制飼料

【課題】本発明は、飼育動物の生活習慣病を予防し改善しょうとするもので、適切な漢方の生薬を含有する飼育動物用動脈硬化抑制飼料を提供する。
【解決手段】何首烏、銀杏葉及び甘草に含まれている生薬成分又は抽出エキス成分を含有してなることを特徴とする。また、牛肉、鶏肉又は羊肉由来の肉のエキス分を加えたことを特徴とする。また、ブルーム値200以上のゼラチンを加えてゲル化したグミ状ゼリーを形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼育動物のコレステロールを抑制し、動脈硬化等の生活習慣病の予防又は改善に効果のある飼料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
犬猫を初めとする各種のペットやその他の飼育動物が、各家庭の内外や檻などの囲いの中で飼育されており、その飼育動物毎に飼料が製品化されている。このような飼料は一般的に富栄養飼料であり、囲いの中又は鎖で繋がれて運動が制限された状態での給餌は、飼育動物を必然的に肥満ならしめ、人間と同様に様々な生活習慣病を引き起こす。
【0003】
富栄養飼料の摂取に起因する生活習慣病としては、血清コレステロールの増加、高脂血症とそれに伴う動脈硬化が挙げられ、飼育動物の健康を損なう一因になっている。特に愛玩動物の健康体維持については、飼い主の家族全員が心身を悩まさせているのが現状である。
【0004】
この問題に対して、ガン、細菌、ウィルスなどから、家畜やペットを守る有効な手段が先行技術として開示されている(文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−122014公報(〔0002〜0017〕、〔図1〕)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記先行技術は、栗及びきのこ類から濃縮エキスを抽出した残渣を有効に利用して、ガン、細菌、ウィルスなどから、家畜やペットを守ることについては、有効であるが、ペットの肥満に起因する動脈硬化を防ぐ具体的な方法は未だ開示されていない。
【0007】
本発明は、これらの問題を解決したものであって、飼育動物の生活習慣病を予防し改善しょうとするもので、適切な漢方の生薬を含有する飼育動物用動脈硬化抑制飼料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に係る飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、何首烏、銀杏葉及び甘草に含まれている生薬成分又は抽出エキス成分を含有してなることを特徴とする。
【0009】
本発明に含有される何首烏とは、タデ科のツルドクダミの塊状になった肥大根を乾燥したものであり、アントラキノン、タンニン等を含有しており、コレステロール降下作用、動脈硬化の抑制作用、抗高脂血症、瀉下作用、抗ウイルス作用等を有する。また、銀杏葉とは、イチョウの葉を乾燥したものであり、フラボノイド、テルペノイド(ビロバライド、ギンコライド)等を含有しており、イチョウだけに含まれるギンコライドは、血液を流れやすくし、血小板が固まるのを抑え、血栓を防ぐ作用を有し記憶力増進や脳内血流改善に効果があり、また、フラボノイドは毛細血管を保護して強化する作用を有し、さらに、銀杏葉はコレステロール低下作用、血圧降下作用、肝機能を高める作用等を有する。また、甘草とは、マメ科のウラルカンゾウの根と根茎を乾燥したものであり、グリチルチン、サポニン等を含有し、肝臓保護、抗炎症、消化性潰瘍、コレステロール低下、抗アレルギー作用等を有する。なお、何首烏、銀杏葉及び甘草に含まれる各生薬は、日本薬局方に掲載されている局方生薬であり、その効能効果は厚生労働省により医薬品として認定されているものである。
【0010】
そこで、本発明に係る飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、上述の3つすべての生薬の生薬成分又は抽出エキス成分を含有していることにより、これを食する飼育動物の動脈硬化、高脂血症、血清コレステロールの増加を予防改善することができるので、飼育動物は、生活習慣病を予防改善することができ、健康を促進し維持することができる。また、抽出エキス成分を用いた場合には、生薬に比べ量的に僅少で効果があるので、飼料本体の食味、食感等の品質に影響を与えることが少ない。
【0011】
請求項2に係る飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、請求項1に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料に牛肉、鶏肉又は羊肉由来の肉のエキス分を加えたことを特徴とする。
【0012】
この構成である、飼育動物用動脈硬化抑制飼料に、牛肉、鶏肉又は羊肉由来の肉のエキスを、加えることにより、飼育動物用動脈硬化抑制飼料が、牛肉、鶏肉又は羊肉由来の肉のにおいや味等の肉由来の食味を呈するので、飼育動物、特に元来肉食動物である犬猫は食欲が増進し、本発明の飼育動物用動脈硬化抑制飼料をよく食べるので、健康の促進維持を図ることができる。
【0013】
請求項3に係る飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、請求項1又は2に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料にブルーム値200以上のゼラチンを加えてゲル化したグミ状ゼリーを形成したことことを特徴とする。
【0014】
この構成をとることにより、本発明の請求項3の飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、請求項1又は請求項2に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料にブルーム値200以上のゼラチンを加えて溶かしゲル化したグミ状ゼリーである。ブルーム値が200以上のゼラチンを使用しているため大変硬く、噛み応えがあり、犬や猫などの飼育動物は、肉食動物としての顎や歯を鍛えることができ、食物に対する咀嚼能力を高めることができる。また、ゼラチンは、牛などの動物の骨、皮、筋などにあるコラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質からできている。よって、本発明の飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、犬や猫などの本来肉食である飼育動物にとって、動物性たんぱく質を豊富に含んでいるので、植物性たんぱく質を摂取した場合に比べて消化吸収によい。したがって、飼育動物のえさに本発明の飼育動物用動脈硬化抑制飼料を与えることによって、飼育動物たちは、顎や歯を鍛えることができ、また、飼育動物が生きていく上で必要なコラーゲンやエラスチンなどの動物性たんぱく質を摂取することもできるので、飼育動物が健康的な生活を送ることができる。
【0015】
請求項4に係る飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、請求項1に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料において、前記飼育動物用動脈硬化抑制飼料を芯材にして、牛肉、鶏肉又は羊肉由来の肉のエキス分を含む嗜好性食欲増進層を付着又は積層して被覆させたことを特徴とする。
【0016】
この構成をとることにより、牛肉、鶏肉又は羊肉由来の肉のエキス分を含んだ嗜好性食欲増進層を設けて、牛肉、鶏肉又は羊肉由来の肉のにおいや味等の肉の食味を呈ことができ、飼育動物、特に元来肉食動物である犬猫は食欲が増進し、本発明の飼育動物用動脈硬化抑制飼料をよく食べるので、健康の促進維持を図ることができる。また、嗜好性食欲増進層のエキスが、表面又は表層に含まれるので全体として量的に少なくすることが可能であり、量が少ない割に食欲増進効果が大きい。また、本発明の飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、芯材を変更せずに、飼育動物の嗜好に合わせて牛肉、鶏肉又は羊肉由来のエキスを適宜選択することができるので、エキスの需要に合わせて必要な種類のエキスを必要な量だけ製造すればよく、芯材はエキスの種類にかかわらず同じものを用いることができるので、原材料及び設備の無駄を省くことも可能となる。
【0017】
請求項5に係る飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、請求項3に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料の外観形状が、大腿骨又は上腕骨のような骨状を呈していること特徴とする。
【0018】
本発明の請求項5の飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、ゼラチンを含んだ飼育動物用動脈硬化抑制飼料を、大腿骨および上腕骨のような骨の形状の型に入れて固化して製造できる。これにより、大腿骨および上腕骨のような骨の形状を呈する。よって、犬や猫など肉食の飼育動物は、該飼料を、本能的に食欲を増進して、摂食することになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る請求項1に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料によれば、これを食する飼育動物の動脈硬化の因になる、高脂血症、血清コレステロールの増加を予防改善することができるので、飼育動物は、動脈硬化が抑制され、健康を促進し維持することに貢献し、健全な生活を享受できる。
【0020】
本発明に係る請求項2、4に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料によれば、飼育動物、特に元来肉食動物である犬猫は食欲がより増進し、本発明の飼育動物用動脈硬化抑制飼料をよく食べるので、健康を促進維持することができる。
【0021】
本発明に係る請求項3に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料によれば、犬や猫などの本来肉食である飼育動物にとって、顎や歯を鍛えて咀嚼能力を向上でき、また、必須アミノ酸のもとになるコラーゲンやエラスチンなどの動物性たんぱく質を摂取することができるので、飼育動物が健康的な生活を送ることができる。
【0022】
本発明に係る請求項5に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料によれば、犬や猫など肉食の飼育動物は、本能的に骨の形状によって食欲を増すことが考えられ、食欲の増進、摂取量の向上に貢献する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係わる飼育動物用動脈硬化抑制飼料を実施するための形態について説明する。本発明に係わる飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、何首烏、銀杏葉及び甘草の3つの生薬すべてに含まれている生薬成分又は抽出エキス成分を含有しており、それを飼料に混合したものである。生薬である何首烏とは、タデ科のツルドクダミの塊状になった肥大根を乾燥させたものであり、銀杏葉とは、イチョウの葉を乾燥させたものであり、甘草とは、マメ科のウラルカンゾウの根と根茎を乾燥させたものである。本発明に係わる飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、これらの生薬を細かく挽いて粉末にして、もしくは乾燥物のまま、飼料に混合して製造する場合と、生薬成分を水又はアルコール等の有機溶媒などにより可溶性成分を抽出した抽出エキスを飼料に添加して製造する場合とがある。生薬を混合又は添加する元の飼料は、対象となる飼育動物によって異なり、一般に用いるもの、例えば、牛や馬には牧草、乾草であり、豚にはトウモロコシ、小麦、大豆かす、犬には主に穀物や肉類からなる市販のドックフード、ネコには主に穀物、肉類や魚介類からなる市販のキャットフードを用いるのがよい。
【0024】
何首烏には、アントラキノン、タンニン等を含有しており、コレステロール降下作用、動脈硬化の抑制作用、抗高脂血症、瀉下作用、抗ウイルス作用等を有する。また、銀杏葉には、フラボノイド、テルペノイド(ビロバライド、ギンコライド)等を含有しており、イチョウだけに含まれるギンコライドは、血液を流れやすくし、血小板が固まるのを抑え、血栓を防ぐ作用を有し記憶力増進や脳内血流改善に効果があり、また、フラボノイドは毛細血管を保護して強化する作用を有し、さらに、銀杏葉はコレステロール低下作用、血圧降下作用、肝機能を高める作用等を有する。また、甘草には、グリチルチン、サポニン等を含有し、肝臓保護、抗炎症、消化性潰瘍、コレステロール低下、抗アレルギー作用等を有する。
【0025】
したがって、本発明に係わる飼育動物用動脈硬化抑制飼料を食する飼育動物は、コレステロールが低下され、高脂血症を防ぎ、血小板が固まるのを抑えて血液を流れやすくなって血栓を防ぎ、毛細血管を保護して血圧が下ることによって、動脈硬化が抑制される。また、肝機能を高められて肝臓が保護される。また、ウイルスに対する抵抗が強くなる。また、アレルギー反応を防ぐこともできる。よってこれらのことにより、飼育動物は、健康に生活することができる。なお、何首烏、銀杏葉及び甘草の抽出エキスを用いた場合には、何首烏、銀杏葉及び甘草の乾燥物を挽いたものより、有効成分が濃縮されているので、より生薬の効能を発揮できることになる。したがって、本発明に係わる飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、体調を崩して食欲のない飼育動物に少量を用いて効果を出すこともできる。
【0026】
また、飼育動物の一日当たりの生薬の摂取量は、飼育動物の年齢・体重・症状・疾患の程度により適宜決定されるが、日本薬局方に掲載されている、人間が服用する分量に準拠して摂取すればよい。例えば、一日当たり生薬等価量として、0.1〜0.25g/kg体重程度とされ、一日に2回に分けて摂取するのがよい。なお、通常、何首烏、銀杏葉及び甘草は、生薬としても抽出エキスとしても用いられるが、銀杏葉には、ギンコール酸が含まれており、銀杏中毒とならないように長時間煮込みすぎないように注意する必要がある。
【0027】
さらに、上述の飼育動物用動脈硬化抑制飼料を芯材にして、牛肉、鶏肉又は羊肉由来のエキスのうち少なくとも一つを含む層を芯材に付着させることによっても飼育動物が、元来、犬猫のように肉食獣であれば、肉食獣本来の本能を刺激して食欲を増進させることができる。このことによって、飼育動物は、飼育動物用動脈硬化抑制飼料に含まれている何首烏、銀杏葉及び甘草の生薬成分又は抽出エキスを十分取得することができて、健康な生活をおくることができることになる。なお、付着のみならず、牛肉、鶏肉又は羊肉由来のエキスのうち少なくとも一つを含む層を積層させることももちろんできる。また、本発明の飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、芯材を変更せずに、飼育動物の嗜好に合わせて牛肉、鶏肉又は羊肉由来のエキスを適宜選択することができるので、エキスの需要に合わせて必要な種類のエキスを必要な量だけ製造すればよく、芯材はエキスの種類にかかわらず同じものを用いることができるので、原材料及び設備の無駄を省くことも可能となる。
【0028】
また、本発明に係る飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、飼育動物用動脈硬化抑制飼料にブルーム値200以上のゼラチンを加えて用いてゲル化したグミ状ゼリーを形成することになる。グミ状ゼリーは、加熱して溶かしたゼラチンに砂糖を加えて、冷却することで固化して作ることができる。グミ状ゼリーの形状は、冷却時に、様々な形状の型に入れることによって様々な形状を作ることができるし、グミ状ゼリーの塊を作った後に、型で抜いても様々な形状を作ることができる。大腿骨又は上腕骨のような骨状、丸型、棒状の形状をしたものが扱いやすいが、骨状をしたものが、元来肉食獣である犬や猫の食欲を増進させる形状と考えられる。また、本発明に係る飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、飼育動物用動脈硬化抑制飼料を細かく砕いて、溶かしたゼラチンと混合させて冷却して形成してもよいし、飼育動物用動脈硬化抑制飼料を、ゼラチンでコーティングしてもよい。ゼラチンは、牛などの動物の骨、皮、筋などにあるコラーゲンやエラスチンなどの動物性たんぱく質からできており、また、ブルーム値が200以上のゼラチンを用いるので、グミ状ゼリーにすれば大変硬い飼育動物用動脈硬化抑制飼料なる。なお、ゼラチンは砂糖を加えることによって硬化するが、飼育動物用動脈硬化抑制飼料のカロリーをなるべく少なくする場合には、目的の硬さが発揮される量の中で、加える砂糖の量をなるべく少なくするのがよい。また、肉食のペット、特に犬の食欲は、においによって増進させられるので、牛、豚、馬、鶏などの肉でエキスを作り、そのエキスをグミ状ゼリーに含ませた飼育動物用動脈硬化抑制飼料を作ることもできる。もちろん、猫に対しても有効であるが、猫に用いる場合には、魚などの魚介類で作ったエキスが、猫に必要なタウリンを豊富に含んでおり、好適である。なお、ブルーム値とは、ゼリー強度を示すもので、ゼラチンの6.67重量%水溶液を規定のカップに入れ10±0.1℃の恒温層で16〜18時間冷却ゼリー化して、ブルーム式ゼリー強度計のプランジャー(直径12.7mm)を4mmだけゼリー中に押し込むのに要する散弾の重さ(g)を測り、この重量をブルーム値として表わしたものである。よって、ブルーム値が大きいゼラチンを用いるほど、硬い弾力を有するゼリーとなる。
【0029】
ブルーム値200以上のゼラチンを用いてゲル化したグミ状ゼリーの飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、大変硬いので、噛み応えがあり、犬や猫などのペットは、肉食動物としての顎や歯を鍛えることができ、顎の力や歯の衰えを防ぎ、ペットの健康維持に役立つことになる。また、犬や猫などの本来肉食である飼育動物にとって、動物性たんぱく質を豊富に含んでいるので消化吸収されやすい。該飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、なお、該飼育動物用動脈硬化抑制飼料の形状を大腿骨又は上腕骨ような骨の形状をすることによって、犬や猫など肉食の飼育動物は、本能的に食欲を増すことが考えられる。
【0030】
飼育動物用動脈硬化抑制飼料は、飼育動物が摂食しやすい形状であって、粉状、バラ状、塊状があり、塊状には骨状、丸型、棒状、板状などの形状がある。
【0031】
また、製造方法について説明すると、本発明に係わる飼育動物用動脈硬化抑制飼料の一つは、何首烏、銀杏葉、甘草を乾燥後に細かく挽いて粉末にして、もしくは乾燥物のまま、飼料に混合して製造する。生薬を混合する元の飼料は、対象となる飼育動物によって異なり、一般に用いるもの、例えば、牛や馬には牧草、乾草であり、豚にはトウモロコシ、小麦、大豆かす、犬には主に穀物や肉類からなる市販のドックフード、ネコには主に穀物、肉類や魚介類からなる市販のキャットフードを用いるのがよい。また、別の態様では、何首烏、銀杏葉及び甘草の抽出エキスを、これらの生薬から、生薬成分を水又はアルコール等の有機溶媒などにより可溶性成分を抽出し、上述のもとの飼料に添加して製造する。また、さらに別の態様では、上述の二つの飼育動物用動脈硬化抑制飼料を芯材にして、牛肉、鶏肉又は羊肉由来のエキスのうち少なくとも一つを含む層を芯材に付着又は積層させることによっても製造できる。この場合の飼育動物用動脈硬化抑制飼料の対象は、元来肉食獣である犬や猫であるので、芯材は、小麦粉、肉類、魚類に生薬成分又は抽出エキスを添加混合したものであって、骨状、丸型、棒状、板状の形状をなしている。その芯材に、牛肉、鶏肉又は羊肉由来のエキスを付着又は積層させて製造することもできるし、もちろん、小麦粉、肉類、魚類に生薬成分又は抽出エキスを単に添加混合しても製造できる。
【0032】
また、何首烏、銀杏葉、甘草を乾燥後に細かく挽いて粉末にして、もしくは乾燥物のまま、上述の元の飼料に混合して製造したもの、何首烏、銀杏葉及び甘草の抽出エキスを、これらの生薬から、生薬成分を水又はアルコール等の有機溶媒などにより可溶性成分を抽出し、上述の元の飼料に添加して製造したもの、又は、小麦粉、肉類、魚類に生薬成分又は抽出エキスを単に添加混合しても製造したもの、を細かく砕いて、溶かしたゼラチンンと混合させて冷却して形成してもグミ状ゼリーを製造できるし、また、何首烏、銀杏葉、甘草を乾燥後に細かく挽いて粉末にして、もしくは乾燥物のまま、上述の元の飼料に混合して製造したもの、何首烏、銀杏葉及び甘草の抽出エキスを、これらの生薬から、生薬成分を水又はアルコール等の有機溶媒などにより可溶性成分を抽出し、上述の元の飼料に添加して製造したもの、又は、小麦粉、肉類、魚類に生薬成分又は抽出エキスを単に添加混合しても製造したもの、をゼラチンでコーティングして形成してもグミ状ゼリーを製造できる。グミ状ゼリーの形成は、冷却時に、様々な形状の型に入れることによって様々な形状を作ることができる。
【0033】
また、何首烏、銀杏葉、甘草を乾燥後に細かく挽いた生薬成分、又は何首烏、銀杏葉、甘草の抽出エキスを、公知の医薬用担体、例えば乳糖、でんぷん、ショ糖、グルコース、脂肪酸グリセリド、アミノ酸、アルブミン等を組み合わせて用いて製剤化することもできる。また、必要に応じて、安定化剤、潤沢材、乳化剤、結合剤等の添加剤あるいは着色剤を加えて製剤化することもできる。該製剤化した錠剤は円型、円柱形、骨状等の形状をなしており、例えば、犬や猫の場合には、市販のドライペットフードに近似した外観をなすことによって、市販のドライペットフードに混合させて摂食させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
飼育動物分野で、特に高齢飼育動物に対する医療部門で広く利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
何首烏、銀杏葉及び甘草に含まれている生薬成分又は抽出エキス成分を含有してなることを特徴とする飼育動物用動脈硬化抑制飼料。
【請求項2】
前記飼育動物用動脈硬化抑制飼料に牛肉、鶏肉又は羊肉由来の肉のエキス分を加えたことを特徴とする請求項1に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料。
【請求項3】
前記飼育動物用動脈硬化抑制飼料にブルーム値200以上のゼラチンを加えてゲル化したグミ状ゼリーを形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料。
【請求項4】
前記飼育動物用動脈硬化抑制飼料を芯材にして、牛肉、鶏肉又は羊肉由来の肉のエキス分を含む嗜好性食欲増進層を付着又は積層して被覆させたことを特徴とする請求項1に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料。
【請求項5】
請求項3に記載の飼育動物用動脈硬化抑制飼料の外観形状が、大腿骨又は上腕骨のような骨状を呈していることを特徴とする飼育動物用動脈硬化抑制飼料。