飽和脂肪酸分解剤
【課題】生体の脂肪細胞中に蓄積する飽和脂肪酸の分解促進と蓄積防止を目的とする飲食物及び飼料を自然界の材料から作ることによって提供する。
【解決手段】フランキア菌が共生している根茎部を含むハンノキを、25度乃至50度の条件下で7日から10日間発酵させた後、水蒸気蒸留やエタノール抽出で得られる抽出液、エキス又は粉末を、生体の脂肪細胞中に蓄積する飽和脂肪酸の分解促進と蓄積防止を目的とする健康食品、医薬部外品、医薬品、動物薬、機能性飼料用の飽和脂肪酸分解剤。
【解決手段】フランキア菌が共生している根茎部を含むハンノキを、25度乃至50度の条件下で7日から10日間発酵させた後、水蒸気蒸留やエタノール抽出で得られる抽出液、エキス又は粉末を、生体の脂肪細胞中に蓄積する飽和脂肪酸の分解促進と蓄積防止を目的とする健康食品、医薬部外品、医薬品、動物薬、機能性飼料用の飽和脂肪酸分解剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体内の飽和脂肪酸の合成蓄積を防止し内臓脂肪の分解を促進する飲食物並びに飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満と飽和脂肪酸の摂取とは密接な関係があると言われ肥満の解消には飽和脂肪酸の分解促進が重要な課題である。又、食材としての畜肉は脂肪酸バランスの良い物が強く求められている。
【0003】
前記課題を解決する為様々な体操や器具等も考案され大きなビジネス市場になっている。又生薬についても様々報告されていて一部商品化もされている。家畜についても放牧し青草を食べさす事により好結果の報告例がある。
【0004】
しかし、体操や器具を使う体操等は苦痛を伴うので老人や病弱な方々には取り入れ困難な面もある。生薬についてもより安全で安価で即効的な商品の提供が強く求められている。家畜の放牧による飼育法は狭い国土の日本では広く普及するとは考えられない。
【0005】
脂肪分解促進剤については、特許文献1〜7などに開示されているが、単に植物の抽出物を用いることでは不十分なことは、特許文献8〜9に開示されている消臭剤に関する技術から明らかである。
【特許文献1】特開2006−45120号公報
【特許文献2】特開2002−275078号公報
【特許文献3】特開2000−63227号公報
【特許文献4】特開平11−209299号公報
【特許文献5】特開平11−180869号公報
【特許文献6】特開平10−158181号公報
【特許文献7】特開平9−291039号公報
【特許文献8】特開平7−148235号公報
【特許文献9】特開平8−196609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
生体の脂肪細胞中に蓄積する飽和脂肪酸の分解促進と蓄積防止を目的とする飲食物及び飼料の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
フランキア菌が共生している根茎部を含むハンノキを発酵させ、この発酵物若しくは発酵物からの抽出物による飽和脂肪酸分解剤を含む飲食物及び飼料とする。つまり課題を解決する為の手段として発酵ハンノキ(抽出液、エキス又は粉末)を経口投与又は飼料に混入する事により解決を計ろうとする事を特徴とする飽和脂肪酸分解剤である。
【0008】
ハンノキの茎葉及び根茎(但し、根茎部は軽く洗浄して)を電動カッター等の切断手段で適宜大きさに細片化し、これを25度乃至50度の条件下で7日から10日間発酵させた後、飽和脂肪酸分解剤の製造に供する。上記発酵期間においては、表面を白色の菌糸が覆うように、有効細菌が活発に繁殖するため、適宜これを掻き混ぜながら発酵させ、有効細菌の繁殖を助長させるようにすることで発酵ハンノキを得る。
【発明の効果】
【0009】
発酵ハンノキを水蒸気蒸留して得られた発酵ハンノキ抽出液若しくは発酵ハンノキ抽出液の1000倍希釈水溶液を用いて家畜の糞尿臭の軽減化等について試験を行う中で内臓脂肪が短期間で激減するのを知見した。ブロイラーで4回、豚で3回試験したが同じ結果であった。人間にも有効であると考えモニターを募り試験しているが、内臓脂肪の減少、体脂肪率の減少、血糖値の減少、肝機能の向上等、好結果が得られている。
【0010】
カバノキ科ハンノキは反すう動物の粗飼料としても利用されているが内臓脂肪の蓄積防止効果等についての報告例はなく、ハンノキをフランキア菌で発酵さす事による効果の発現であり、この事は新知見である。
【0011】
生体の脂肪細胞中に蓄積された飽和脂肪酸を飲食物として発酵ハンノキ抽出物又はその粉末を摂る事により減少さす事が可能である。
【0012】
ハンノキを摂取した場合の安全性については、マウスを用いた急性経口毒性試験では、上限値として規定されている2000mg/kgの用量で死亡例が認められず、LD50値は2000mg/kg以上とされた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、カバノキ科ハンノキの主に茎葉部分をチップ化し、これにハンノキの根部に共生しているフランキア菌を植菌し、これを常温下で7日から10日間発酵させ、発酵ハンノキを得る。
【0014】
フランキア菌は好気性の菌なので適宜これを掻き混ぜながら発酵させ、ビニール等で覆いをして保温し、発酵を促す。全体に菌糸が回ったら発酵完了とする。
【0015】
発酵完了物はそのまま抽出に回しても良いが乾燥させ、保存し使用に備えた方が便利である。
【0016】
乾燥物は粉末にし、飼料混入用として使用できる。
【0017】
発酵完了物又は乾燥物を水で煮沸抽出して使用する。
【0018】
発酵完了物又は乾燥物を水蒸気蒸留法で抽出して水溶液とした発酵ハンノキ抽出液として使用する。
【0019】
発酵完了物又は乾燥物若しくは水蒸気蒸留抽出残渣をエタノールで抽出後エタノール分を飛散させエキスとして使用する。
【実施例】
【0020】
発酵ハンノキ抽出液(水蒸気蒸留)を1000倍に希釈し、ブロイラー(品種チャンキー)に4週間与えた後、と殺し解体調査したところ肉の重量が増え、脂肪量が減少し、脂肪分のうち不飽和脂肪酸が増えている結果を表1(と殺前の生体重各4kg)と表2(鶏肉脂肪分の分析結果)に示す。
【表1】
【表2】
【0021】
豚肉の食味試験として、出荷40日前から発酵ハンノキ抽出液を1日当たり20ml与えた豚肉を27人の試験者に評価してもらったところ、旨いと答えたもの85%、脂分がさらさらは78%、肉が柔らかいは63%、肉が臭わないは100%の結果であった。
【0022】
発酵ハンノキ抽出液を1日に約30mlを試飲しているモニターは50人ほどいて、夫々から「調子がいい。」「おなかが引っ込んだ気がする。」との定性的意見が聞かれている。そのうちのひとりの人間ドックの結果からCT計測法による内臓脂肪量測定結果を表3(CT計測法による内臓脂肪量測定結果)に示す。脂肪分の占める面積は全体的に下がっているが、なかでも内臓脂肪面積の低下が顕著である。
【表3】
【0023】
モニター30名によるハンノキエキス飲水の効果を表4(モニター30名によるハンノキエキス飲水の効果)に示す。
【表4】
【0024】
発酵ハンノキ抽出液を豚1頭1日あたり約20mlを50日間与え、豚の背脂肪を分析した結果を表5(ハンノキエキスの飲水が豚脂肪酸組成におよぼす影響)に示すとおり、明らかに飽和脂肪酸が減少し、不飽和脂肪酸が増加している。
【表5】
【産業上の利用可能性】
【0025】
健康飲料、特保食品、健康食品、医薬部外品、医薬品、動物薬、機能性飼料の原料として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】モニターのCT写真飲用前 内臓に多く飽和脂肪酸が蓄積している。
【図2】モニターのCT写真飲用18日後 ハンノキエキス飲用により脂肪の蓄積が減っている。
【図3】ブロイラーの水炊き後の写真 実験区 温度が下がっても不飽和脂肪酸が増えると固まらない。
【図4】ブロイラーの水炊き後の写真 対照区 温度が下がると飽和脂肪酸が凝集し固まる。
【図5】豚肉の水炊きした鍋の脂肪酸の凝集の様子 実験区 脂肪酸の凝集は対照区に比べ極端に少ない
【図6】豚肉の水炊きした鍋の脂肪酸の凝集の様子 対照区 脂肪酸が凝集している。
【技術分野】
【0001】
本発明は生体内の飽和脂肪酸の合成蓄積を防止し内臓脂肪の分解を促進する飲食物並びに飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満と飽和脂肪酸の摂取とは密接な関係があると言われ肥満の解消には飽和脂肪酸の分解促進が重要な課題である。又、食材としての畜肉は脂肪酸バランスの良い物が強く求められている。
【0003】
前記課題を解決する為様々な体操や器具等も考案され大きなビジネス市場になっている。又生薬についても様々報告されていて一部商品化もされている。家畜についても放牧し青草を食べさす事により好結果の報告例がある。
【0004】
しかし、体操や器具を使う体操等は苦痛を伴うので老人や病弱な方々には取り入れ困難な面もある。生薬についてもより安全で安価で即効的な商品の提供が強く求められている。家畜の放牧による飼育法は狭い国土の日本では広く普及するとは考えられない。
【0005】
脂肪分解促進剤については、特許文献1〜7などに開示されているが、単に植物の抽出物を用いることでは不十分なことは、特許文献8〜9に開示されている消臭剤に関する技術から明らかである。
【特許文献1】特開2006−45120号公報
【特許文献2】特開2002−275078号公報
【特許文献3】特開2000−63227号公報
【特許文献4】特開平11−209299号公報
【特許文献5】特開平11−180869号公報
【特許文献6】特開平10−158181号公報
【特許文献7】特開平9−291039号公報
【特許文献8】特開平7−148235号公報
【特許文献9】特開平8−196609号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
生体の脂肪細胞中に蓄積する飽和脂肪酸の分解促進と蓄積防止を目的とする飲食物及び飼料の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
フランキア菌が共生している根茎部を含むハンノキを発酵させ、この発酵物若しくは発酵物からの抽出物による飽和脂肪酸分解剤を含む飲食物及び飼料とする。つまり課題を解決する為の手段として発酵ハンノキ(抽出液、エキス又は粉末)を経口投与又は飼料に混入する事により解決を計ろうとする事を特徴とする飽和脂肪酸分解剤である。
【0008】
ハンノキの茎葉及び根茎(但し、根茎部は軽く洗浄して)を電動カッター等の切断手段で適宜大きさに細片化し、これを25度乃至50度の条件下で7日から10日間発酵させた後、飽和脂肪酸分解剤の製造に供する。上記発酵期間においては、表面を白色の菌糸が覆うように、有効細菌が活発に繁殖するため、適宜これを掻き混ぜながら発酵させ、有効細菌の繁殖を助長させるようにすることで発酵ハンノキを得る。
【発明の効果】
【0009】
発酵ハンノキを水蒸気蒸留して得られた発酵ハンノキ抽出液若しくは発酵ハンノキ抽出液の1000倍希釈水溶液を用いて家畜の糞尿臭の軽減化等について試験を行う中で内臓脂肪が短期間で激減するのを知見した。ブロイラーで4回、豚で3回試験したが同じ結果であった。人間にも有効であると考えモニターを募り試験しているが、内臓脂肪の減少、体脂肪率の減少、血糖値の減少、肝機能の向上等、好結果が得られている。
【0010】
カバノキ科ハンノキは反すう動物の粗飼料としても利用されているが内臓脂肪の蓄積防止効果等についての報告例はなく、ハンノキをフランキア菌で発酵さす事による効果の発現であり、この事は新知見である。
【0011】
生体の脂肪細胞中に蓄積された飽和脂肪酸を飲食物として発酵ハンノキ抽出物又はその粉末を摂る事により減少さす事が可能である。
【0012】
ハンノキを摂取した場合の安全性については、マウスを用いた急性経口毒性試験では、上限値として規定されている2000mg/kgの用量で死亡例が認められず、LD50値は2000mg/kg以上とされた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、カバノキ科ハンノキの主に茎葉部分をチップ化し、これにハンノキの根部に共生しているフランキア菌を植菌し、これを常温下で7日から10日間発酵させ、発酵ハンノキを得る。
【0014】
フランキア菌は好気性の菌なので適宜これを掻き混ぜながら発酵させ、ビニール等で覆いをして保温し、発酵を促す。全体に菌糸が回ったら発酵完了とする。
【0015】
発酵完了物はそのまま抽出に回しても良いが乾燥させ、保存し使用に備えた方が便利である。
【0016】
乾燥物は粉末にし、飼料混入用として使用できる。
【0017】
発酵完了物又は乾燥物を水で煮沸抽出して使用する。
【0018】
発酵完了物又は乾燥物を水蒸気蒸留法で抽出して水溶液とした発酵ハンノキ抽出液として使用する。
【0019】
発酵完了物又は乾燥物若しくは水蒸気蒸留抽出残渣をエタノールで抽出後エタノール分を飛散させエキスとして使用する。
【実施例】
【0020】
発酵ハンノキ抽出液(水蒸気蒸留)を1000倍に希釈し、ブロイラー(品種チャンキー)に4週間与えた後、と殺し解体調査したところ肉の重量が増え、脂肪量が減少し、脂肪分のうち不飽和脂肪酸が増えている結果を表1(と殺前の生体重各4kg)と表2(鶏肉脂肪分の分析結果)に示す。
【表1】
【表2】
【0021】
豚肉の食味試験として、出荷40日前から発酵ハンノキ抽出液を1日当たり20ml与えた豚肉を27人の試験者に評価してもらったところ、旨いと答えたもの85%、脂分がさらさらは78%、肉が柔らかいは63%、肉が臭わないは100%の結果であった。
【0022】
発酵ハンノキ抽出液を1日に約30mlを試飲しているモニターは50人ほどいて、夫々から「調子がいい。」「おなかが引っ込んだ気がする。」との定性的意見が聞かれている。そのうちのひとりの人間ドックの結果からCT計測法による内臓脂肪量測定結果を表3(CT計測法による内臓脂肪量測定結果)に示す。脂肪分の占める面積は全体的に下がっているが、なかでも内臓脂肪面積の低下が顕著である。
【表3】
【0023】
モニター30名によるハンノキエキス飲水の効果を表4(モニター30名によるハンノキエキス飲水の効果)に示す。
【表4】
【0024】
発酵ハンノキ抽出液を豚1頭1日あたり約20mlを50日間与え、豚の背脂肪を分析した結果を表5(ハンノキエキスの飲水が豚脂肪酸組成におよぼす影響)に示すとおり、明らかに飽和脂肪酸が減少し、不飽和脂肪酸が増加している。
【表5】
【産業上の利用可能性】
【0025】
健康飲料、特保食品、健康食品、医薬部外品、医薬品、動物薬、機能性飼料の原料として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】モニターのCT写真飲用前 内臓に多く飽和脂肪酸が蓄積している。
【図2】モニターのCT写真飲用18日後 ハンノキエキス飲用により脂肪の蓄積が減っている。
【図3】ブロイラーの水炊き後の写真 実験区 温度が下がっても不飽和脂肪酸が増えると固まらない。
【図4】ブロイラーの水炊き後の写真 対照区 温度が下がると飽和脂肪酸が凝集し固まる。
【図5】豚肉の水炊きした鍋の脂肪酸の凝集の様子 実験区 脂肪酸の凝集は対照区に比べ極端に少ない
【図6】豚肉の水炊きした鍋の脂肪酸の凝集の様子 対照区 脂肪酸が凝集している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カバノキ科ハンノキの共生菌であるフランキア菌でハンノキを発酵させた発酵ハンノキから製造することを特徴とする飽和脂肪酸分解剤の製造方法。
【請求項2】
前記の発酵ハンノキから抽出した発酵ハンノキ抽出物を含有する請求項1に記載の飽和脂肪酸分解剤の製造方法。
【請求項3】
前記の発酵ハンノキを粉末化させたものを含有する請求項1に記載の飽和脂肪酸分解剤の製造方法。
【請求項4】
カバノキ科ハンノキの共生菌であるフランキア菌でハンノキを発酵させた発酵ハンノキから製造することを特徴とする飽和脂肪酸分解剤。
【請求項1】
カバノキ科ハンノキの共生菌であるフランキア菌でハンノキを発酵させた発酵ハンノキから製造することを特徴とする飽和脂肪酸分解剤の製造方法。
【請求項2】
前記の発酵ハンノキから抽出した発酵ハンノキ抽出物を含有する請求項1に記載の飽和脂肪酸分解剤の製造方法。
【請求項3】
前記の発酵ハンノキを粉末化させたものを含有する請求項1に記載の飽和脂肪酸分解剤の製造方法。
【請求項4】
カバノキ科ハンノキの共生菌であるフランキア菌でハンノキを発酵させた発酵ハンノキから製造することを特徴とする飽和脂肪酸分解剤。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2009−91352(P2009−91352A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217621(P2008−217621)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(501167183)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(501167183)
【Fターム(参考)】
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