飾り枠
【課題】一枚の薄板から複数の枠を取出し組み立てることのできる飾り枠を提供する。
【解決手段】略方形状の開口部11を備えた薄板状の飾枠20と、飾枠の内周裏面側に設けられる内枠30と、飾枠の外周裏面側に設けられる外枠10とからなり、飾枠20は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁22と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁23とを備え、内枠30は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁32と、外周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる外裏縁33を備えると共に、外裏縁33の表面側に形成される接合代34を飾枠の内飾縁22の裏面側に固着してなり、外枠10は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁12を備えると共に、内裏縁12の表面側に形成される接合代13を飾枠の外飾縁23の裏面側に固着してなる。
【解決手段】略方形状の開口部11を備えた薄板状の飾枠20と、飾枠の内周裏面側に設けられる内枠30と、飾枠の外周裏面側に設けられる外枠10とからなり、飾枠20は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁22と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁23とを備え、内枠30は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁32と、外周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる外裏縁33を備えると共に、外裏縁33の表面側に形成される接合代34を飾枠の内飾縁22の裏面側に固着してなり、外枠10は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁12を備えると共に、内裏縁12の表面側に形成される接合代13を飾枠の外飾縁23の裏面側に固着してなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は写真や絵画などの周縁部を飾る飾り枠に関し、特に一枚の薄板から形成可能な飾り枠に関する。
【背景技術】
【0002】
写真や絵画などの周縁部を飾る飾り枠は、薄板状の基板の中央部に開口を設けて、写真や絵画などの全周を囲む枠状に形成される。また、その見栄えをよくするためにそれぞれ開口の大きさの異なる複数の枠を組み合わせて段差を設けたものが知られている。このように段差を設けた飾り枠としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【特許文献1】特開平11−262435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、複数の枠を組み合わせて段差を設けるためには、各枠を固定するためにそれぞれ固定代が必要となるため、一枚の薄板から各枠を形成することができず、材料を無駄にしていた。また、各枠はそれぞれ重なり合うように形成されるため、販売時など組立前において各枠を一つにまとめて梱包した際に、厚みが大きく扱いにくいという問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、一枚の薄板から複数の枠を取出し組み立てることのできる飾り枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る飾り枠は、略方形状の開口部を備えた薄板状の飾枠と、該飾枠の内周裏面側に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の内枠と、上記飾枠の外周裏面側に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の外枠とを重ね合わせてなる飾り枠であって、
上記飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、
上記内枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる外裏縁を備えると共に、該外裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の内飾縁の裏面側に固着してなり、
上記外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、該内裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることを特徴として構成されている。
【0006】
また、本発明に係る飾り枠は、略方形状の開口部を備えた薄板状の飾枠と、該飾枠の外周側の裏面に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の外枠とを重ね合わせてなる飾り枠であって、
上記飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、
上記外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、該内裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることを特徴として構成されている。
【0007】
さらに、本発明に係る飾り枠は、上記飾縁及び裏縁はいずれも表面または裏面に対して45度の角度に傾斜させてなることを特徴として構成されている。
【0008】
さらにまた、本発明に係る飾り枠は、上記飾枠の内飾縁の内周側端部と上記内枠の外裏縁の内周側端部と、上記飾枠の内飾縁の外周側端部と上記内枠の外裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置され、
上記飾枠の外周縁の内周側端部と上記外枠の内裏縁の内周側端部と、上記飾枠の外飾縁の外周側端部と上記外枠の内裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置されることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る飾り枠によれば、飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、内枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる外裏縁を備えると共に、外裏縁の表面側に形成される接合代を飾枠の内飾縁の裏面側に固着してなり、外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、内裏縁の表面側に形成される接合代を飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることにより、一枚の薄板を切断して内枠と飾枠と外枠を形成してこれらを重ね合わせた飾り枠を形成することができ、材料を無駄にしないようにできると共に、組立前は一枚の薄板の状態とすることができるので、可搬性もよくすることができる。
【0010】
また、本発明に係る飾り枠によれば、飾縁及び裏縁はいずれも表面または裏面に対して45度の角度に傾斜させてなることにより、接合代の幅をいずれも各枠の厚みと同じとすることができ、各枠を確実に固着することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る飾り枠によれば、飾枠の内飾縁の内周側端部と内枠の外裏縁の内周側端部と、飾枠の内飾縁の外周側端部と内枠の外裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置され、飾枠の外周縁の内周側端部と外枠の内裏縁の内周側端部と、飾枠の外飾縁の外周側端部と外枠の内裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置されることにより、各枠の縁部を構成する斜面を互い違いに配置することができ、確実に固着できると共に、見栄えのよい飾り枠とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の飾り枠の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。図1には本実施形態における飾り枠の正面図を、図2には図1のA−A断面図を示している。これら各図に示すように、本実施形態における飾り枠は、方形状の開口部11の周囲に内側から順にそれぞれ薄板状の内枠30と飾枠20と外枠10とが互いに縁部で重なり合うように配置されて構成されている。内枠30は、外周縁部を飾枠20の内周縁部の裏面側に重ね合わせてあり、外枠10は、内周縁部を飾枠20の外周縁部の裏面側に重ね合わせてある。
【0013】
飾り枠を構成する各枠について説明する。最も内周側に設けられる内枠30は、中央に方形状の開口部31を有し、内周縁は表面側に向かって傾斜する斜面からなる内飾縁32として形成されている。内飾縁32は、内枠30の表面に対して45度の角度をなす斜面であって、内枠30の内周縁の全周に渡って形成されている。また、内枠30の外周縁は裏面側に向かって傾斜する斜面からなる外裏縁33として形成されている。外裏縁33は、内枠30の裏面に対して45度の角度をなす斜面であって、内枠30の外周縁の全周に渡って形成されている。このように内枠30には内飾縁32と外裏縁33が形成されていることにより、図2に示すように内枠30の断面は略平行四辺形状となっている。
【0014】
内枠30の外側に設けられる飾枠20は、中央に方形状の開口部21を有し、内周縁は表面側に向かって傾斜する斜面からなる内飾縁22として形成されている。内飾縁22は、飾枠20の表面に対して45度の角度をなす斜面であって、飾枠20の内周縁の全周に渡って形成されている。このように内周縁には表面側に傾斜する内飾縁22が形成されているので、飾枠20は内飾縁22の裏面側に相当する部分が表面よりも内側まで平面状となっており、この部分が内枠30の外裏縁33の裏面側に相当する平面状の接合代34に当接し接着されることによって、内枠30が飾枠20に対して固着されている。
【0015】
また、飾枠20の外周縁は表面側に向かって傾斜する斜面からなる外飾縁23として形成されている。外飾縁23は、飾枠20の表面に対して45度の角度をなす斜面であって、飾枠20の外周縁の全周に渡って形成されている。このように外周縁には表面側に傾斜する外飾縁23が形成されているので、飾枠20は外飾縁23の裏面側に相当する部分が表面よりも外側まで平面状となっており、この部分が外枠10を固着するための接合代24として形成されている。
【0016】
飾枠20の外側に設けられる外枠10は、中央に方形状の開口部11を有し、内周縁は裏面側に向かって傾斜する斜面からなる内裏縁12として形成されている。内裏縁12は、外枠10の裏面に対して45度の角度をなす斜面であって、外枠10の内周縁の全周に渡って形成されている。このため外枠10において内裏縁12の裏面側に相当する部分は表面よりも内側まで平面状となっており、この部分が飾枠20の接合代24に当接し接着されることによって、外枠10が飾枠20に対して固着されている。
【0017】
次に、飾り枠の組立について説明する。図3には飾り枠の組立前状態の正面図を、図4には図3のA−A断面図を示している。飾り枠の組立前においては、この状態で運搬等される。これらの図に示すように、飾り枠の各枠は一枚の薄板からなる基板1を切断することによって形成される。基板1は方形状に形成された厚紙またはプラスチック板からなり、中央部には内枠30の開口部31となる開口2が形成される。この開口2の各辺は、基板1の厚さ方向において内側に向かう下り傾斜状の斜面を形成するよう45度の角度で斜め方向に切断される。これによって内枠30の内飾縁32が形成される。
【0018】
基板1は開口2より外側において、内枠30の外周及び飾枠20の内周に相当するように方形状に切断されて、第1切断部3が形成される。ここでも、開口2の形成と同様に基板1が45度の角度で斜め方向に切断され、その傾斜方向は開口2と同じ向きとされる。これによって、内枠30の外裏縁33と接合代34、及び飾枠20の内飾縁22が形成される。
【0019】
さらに基板1は、第1切断部3よりも外側において飾枠20の外周及び外枠10の内周に相当するように切断されて、第2切断部4が形成される。ここでも、開口2や第1切断部3の形成と同様に基板1が45度の角度で斜め方向に切断され、その傾斜方向は開口2及び第1切断部3とは反対方向、すなわち基板1の厚さ方向において外側に向かう下り傾斜状の斜面を形成するように斜め方向に切断される。これによって、飾枠20の外飾縁23と接合代24、及び外枠10の内裏縁12が形成される。
【0020】
図5には、飾り枠の分解断面図を示している。内枠30は、第1切断部3が上述のように切断されていることにより、飾枠20の表面側に向かって取り外すことができ、取り外した内枠30は、その接合代34を飾枠20に対し裏面側から当接させ、接着により固着する。また外枠10は、第2切断部4が上述のように切断されていることにより、飾枠20の表面側に向かって取り外すことができ、取り外した外枠10は、飾枠20の接合代24に対し裏面側から当接させ、接着により固着する。
【0021】
これにより、飾枠20の内飾縁21の内周側端部と内枠30の外裏縁33の内周側端部は、内外方向略同位置に配置され、飾枠20の内飾縁22の外周側端部と内枠30の外裏縁33の外周側端部も、内外方向略同位置に配置されることになる。また、飾枠20の外飾縁23の内周側端部と外枠10の内裏縁12の内周側端部は、内外方向略同位置に配置され、飾枠20の外飾縁23の外周側端部と外枠10の内裏縁12の外周側端部も、内外方向略同位置に配置されることになる。
【0022】
このように本実施形態における飾り枠は、一枚の基板1を多重に斜め切断することによって内枠30と飾枠20及び外枠10を形成しているので、材料に無駄が出ないようにすることができると共に、組立前においては各枠を一枚の板状にして収容しておくことができ、可搬性にも優れている。
【0023】
図6は、本実施形態における飾り枠の使用状態を示した断面図である。この図に示すように、内枠30と飾枠20及び外枠10から構成される飾り枠の裏面側にはその略全面を覆うように上方開放状の裏板40が設けられている。さらに裏板40にはスタンド50が取付けられており、飾り枠及び裏板40を後方から支えるようにしている。これによって飾り枠及び裏板40は、傾斜状に立脚した状態となる。裏板40は上方開放状であるので、写真60を上方から挿入し、表面を開口部11から露出させるようにして飾り枠に納めることができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態に限られるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。本実施形態では、飾り枠を内枠30と飾枠20及び外枠10の3つの枠から構成したが、2つの枠から構成することもできる。すなわち、図3及び図4に示す第1切断部3を開口2として、飾枠20及び外枠10を図1及び図2と同様に重ね合わせることにより、2つの枠からなる飾り枠を構成することができる。
【0025】
また、飾り枠の使用形態は、図6に示したようなスタンド50を設けるものには限られず、写真を納める一般的な台紙としても用いることができる。さらには、木製額縁の中に納める中額縁としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態における飾り枠の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】組立前の飾り枠の正面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】飾り枠の分解断面図である。
【図6】本実施形態における飾り枠の使用状態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 基板
2 開口
3 第1切断部
4 第2切断部
10 外枠
11 開口部
12 内裏縁
20 飾枠
21 開口部
22 内飾縁
23 外飾縁
24 接合代
30 内枠
31 開口部
32 内飾縁
33 外裏縁
34 接合代
【技術分野】
【0001】
本発明は写真や絵画などの周縁部を飾る飾り枠に関し、特に一枚の薄板から形成可能な飾り枠に関する。
【背景技術】
【0002】
写真や絵画などの周縁部を飾る飾り枠は、薄板状の基板の中央部に開口を設けて、写真や絵画などの全周を囲む枠状に形成される。また、その見栄えをよくするためにそれぞれ開口の大きさの異なる複数の枠を組み合わせて段差を設けたものが知られている。このように段差を設けた飾り枠としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【特許文献1】特開平11−262435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、複数の枠を組み合わせて段差を設けるためには、各枠を固定するためにそれぞれ固定代が必要となるため、一枚の薄板から各枠を形成することができず、材料を無駄にしていた。また、各枠はそれぞれ重なり合うように形成されるため、販売時など組立前において各枠を一つにまとめて梱包した際に、厚みが大きく扱いにくいという問題があった。
【0004】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、一枚の薄板から複数の枠を取出し組み立てることのできる飾り枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る飾り枠は、略方形状の開口部を備えた薄板状の飾枠と、該飾枠の内周裏面側に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の内枠と、上記飾枠の外周裏面側に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の外枠とを重ね合わせてなる飾り枠であって、
上記飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、
上記内枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる外裏縁を備えると共に、該外裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の内飾縁の裏面側に固着してなり、
上記外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、該内裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることを特徴として構成されている。
【0006】
また、本発明に係る飾り枠は、略方形状の開口部を備えた薄板状の飾枠と、該飾枠の外周側の裏面に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の外枠とを重ね合わせてなる飾り枠であって、
上記飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、
上記外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、該内裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることを特徴として構成されている。
【0007】
さらに、本発明に係る飾り枠は、上記飾縁及び裏縁はいずれも表面または裏面に対して45度の角度に傾斜させてなることを特徴として構成されている。
【0008】
さらにまた、本発明に係る飾り枠は、上記飾枠の内飾縁の内周側端部と上記内枠の外裏縁の内周側端部と、上記飾枠の内飾縁の外周側端部と上記内枠の外裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置され、
上記飾枠の外周縁の内周側端部と上記外枠の内裏縁の内周側端部と、上記飾枠の外飾縁の外周側端部と上記外枠の内裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置されることを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る飾り枠によれば、飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、内枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる外裏縁を備えると共に、外裏縁の表面側に形成される接合代を飾枠の内飾縁の裏面側に固着してなり、外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、内裏縁の表面側に形成される接合代を飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることにより、一枚の薄板を切断して内枠と飾枠と外枠を形成してこれらを重ね合わせた飾り枠を形成することができ、材料を無駄にしないようにできると共に、組立前は一枚の薄板の状態とすることができるので、可搬性もよくすることができる。
【0010】
また、本発明に係る飾り枠によれば、飾縁及び裏縁はいずれも表面または裏面に対して45度の角度に傾斜させてなることにより、接合代の幅をいずれも各枠の厚みと同じとすることができ、各枠を確実に固着することができる。
【0011】
さらに、本発明に係る飾り枠によれば、飾枠の内飾縁の内周側端部と内枠の外裏縁の内周側端部と、飾枠の内飾縁の外周側端部と内枠の外裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置され、飾枠の外周縁の内周側端部と外枠の内裏縁の内周側端部と、飾枠の外飾縁の外周側端部と外枠の内裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置されることにより、各枠の縁部を構成する斜面を互い違いに配置することができ、確実に固着できると共に、見栄えのよい飾り枠とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の飾り枠の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。図1には本実施形態における飾り枠の正面図を、図2には図1のA−A断面図を示している。これら各図に示すように、本実施形態における飾り枠は、方形状の開口部11の周囲に内側から順にそれぞれ薄板状の内枠30と飾枠20と外枠10とが互いに縁部で重なり合うように配置されて構成されている。内枠30は、外周縁部を飾枠20の内周縁部の裏面側に重ね合わせてあり、外枠10は、内周縁部を飾枠20の外周縁部の裏面側に重ね合わせてある。
【0013】
飾り枠を構成する各枠について説明する。最も内周側に設けられる内枠30は、中央に方形状の開口部31を有し、内周縁は表面側に向かって傾斜する斜面からなる内飾縁32として形成されている。内飾縁32は、内枠30の表面に対して45度の角度をなす斜面であって、内枠30の内周縁の全周に渡って形成されている。また、内枠30の外周縁は裏面側に向かって傾斜する斜面からなる外裏縁33として形成されている。外裏縁33は、内枠30の裏面に対して45度の角度をなす斜面であって、内枠30の外周縁の全周に渡って形成されている。このように内枠30には内飾縁32と外裏縁33が形成されていることにより、図2に示すように内枠30の断面は略平行四辺形状となっている。
【0014】
内枠30の外側に設けられる飾枠20は、中央に方形状の開口部21を有し、内周縁は表面側に向かって傾斜する斜面からなる内飾縁22として形成されている。内飾縁22は、飾枠20の表面に対して45度の角度をなす斜面であって、飾枠20の内周縁の全周に渡って形成されている。このように内周縁には表面側に傾斜する内飾縁22が形成されているので、飾枠20は内飾縁22の裏面側に相当する部分が表面よりも内側まで平面状となっており、この部分が内枠30の外裏縁33の裏面側に相当する平面状の接合代34に当接し接着されることによって、内枠30が飾枠20に対して固着されている。
【0015】
また、飾枠20の外周縁は表面側に向かって傾斜する斜面からなる外飾縁23として形成されている。外飾縁23は、飾枠20の表面に対して45度の角度をなす斜面であって、飾枠20の外周縁の全周に渡って形成されている。このように外周縁には表面側に傾斜する外飾縁23が形成されているので、飾枠20は外飾縁23の裏面側に相当する部分が表面よりも外側まで平面状となっており、この部分が外枠10を固着するための接合代24として形成されている。
【0016】
飾枠20の外側に設けられる外枠10は、中央に方形状の開口部11を有し、内周縁は裏面側に向かって傾斜する斜面からなる内裏縁12として形成されている。内裏縁12は、外枠10の裏面に対して45度の角度をなす斜面であって、外枠10の内周縁の全周に渡って形成されている。このため外枠10において内裏縁12の裏面側に相当する部分は表面よりも内側まで平面状となっており、この部分が飾枠20の接合代24に当接し接着されることによって、外枠10が飾枠20に対して固着されている。
【0017】
次に、飾り枠の組立について説明する。図3には飾り枠の組立前状態の正面図を、図4には図3のA−A断面図を示している。飾り枠の組立前においては、この状態で運搬等される。これらの図に示すように、飾り枠の各枠は一枚の薄板からなる基板1を切断することによって形成される。基板1は方形状に形成された厚紙またはプラスチック板からなり、中央部には内枠30の開口部31となる開口2が形成される。この開口2の各辺は、基板1の厚さ方向において内側に向かう下り傾斜状の斜面を形成するよう45度の角度で斜め方向に切断される。これによって内枠30の内飾縁32が形成される。
【0018】
基板1は開口2より外側において、内枠30の外周及び飾枠20の内周に相当するように方形状に切断されて、第1切断部3が形成される。ここでも、開口2の形成と同様に基板1が45度の角度で斜め方向に切断され、その傾斜方向は開口2と同じ向きとされる。これによって、内枠30の外裏縁33と接合代34、及び飾枠20の内飾縁22が形成される。
【0019】
さらに基板1は、第1切断部3よりも外側において飾枠20の外周及び外枠10の内周に相当するように切断されて、第2切断部4が形成される。ここでも、開口2や第1切断部3の形成と同様に基板1が45度の角度で斜め方向に切断され、その傾斜方向は開口2及び第1切断部3とは反対方向、すなわち基板1の厚さ方向において外側に向かう下り傾斜状の斜面を形成するように斜め方向に切断される。これによって、飾枠20の外飾縁23と接合代24、及び外枠10の内裏縁12が形成される。
【0020】
図5には、飾り枠の分解断面図を示している。内枠30は、第1切断部3が上述のように切断されていることにより、飾枠20の表面側に向かって取り外すことができ、取り外した内枠30は、その接合代34を飾枠20に対し裏面側から当接させ、接着により固着する。また外枠10は、第2切断部4が上述のように切断されていることにより、飾枠20の表面側に向かって取り外すことができ、取り外した外枠10は、飾枠20の接合代24に対し裏面側から当接させ、接着により固着する。
【0021】
これにより、飾枠20の内飾縁21の内周側端部と内枠30の外裏縁33の内周側端部は、内外方向略同位置に配置され、飾枠20の内飾縁22の外周側端部と内枠30の外裏縁33の外周側端部も、内外方向略同位置に配置されることになる。また、飾枠20の外飾縁23の内周側端部と外枠10の内裏縁12の内周側端部は、内外方向略同位置に配置され、飾枠20の外飾縁23の外周側端部と外枠10の内裏縁12の外周側端部も、内外方向略同位置に配置されることになる。
【0022】
このように本実施形態における飾り枠は、一枚の基板1を多重に斜め切断することによって内枠30と飾枠20及び外枠10を形成しているので、材料に無駄が出ないようにすることができると共に、組立前においては各枠を一枚の板状にして収容しておくことができ、可搬性にも優れている。
【0023】
図6は、本実施形態における飾り枠の使用状態を示した断面図である。この図に示すように、内枠30と飾枠20及び外枠10から構成される飾り枠の裏面側にはその略全面を覆うように上方開放状の裏板40が設けられている。さらに裏板40にはスタンド50が取付けられており、飾り枠及び裏板40を後方から支えるようにしている。これによって飾り枠及び裏板40は、傾斜状に立脚した状態となる。裏板40は上方開放状であるので、写真60を上方から挿入し、表面を開口部11から露出させるようにして飾り枠に納めることができる。
【0024】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態に限られるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。本実施形態では、飾り枠を内枠30と飾枠20及び外枠10の3つの枠から構成したが、2つの枠から構成することもできる。すなわち、図3及び図4に示す第1切断部3を開口2として、飾枠20及び外枠10を図1及び図2と同様に重ね合わせることにより、2つの枠からなる飾り枠を構成することができる。
【0025】
また、飾り枠の使用形態は、図6に示したようなスタンド50を設けるものには限られず、写真を納める一般的な台紙としても用いることができる。さらには、木製額縁の中に納める中額縁としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態における飾り枠の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】組立前の飾り枠の正面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】飾り枠の分解断面図である。
【図6】本実施形態における飾り枠の使用状態を示した断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 基板
2 開口
3 第1切断部
4 第2切断部
10 外枠
11 開口部
12 内裏縁
20 飾枠
21 開口部
22 内飾縁
23 外飾縁
24 接合代
30 内枠
31 開口部
32 内飾縁
33 外裏縁
34 接合代
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略方形状の開口部を備えた薄板状の飾枠と、該飾枠の内周裏面側に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の内枠と、上記飾枠の外周裏面側に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の外枠とを重ね合わせてなる飾り枠であって、
上記飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、
上記内枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる外裏縁を備えると共に、該外裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の内飾縁の裏面側に固着してなり、
上記外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、該内裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることを特徴とする飾り枠。
【請求項2】
略方形状の開口部を備えた薄板状の飾枠と、該飾枠の外周側の裏面に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の外枠とを重ね合わせてなる飾り枠であって、
上記飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、
上記外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、該内裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることを特徴とする飾り枠。
【請求項3】
上記飾縁及び裏縁はいずれも表面または裏面に対して45度の角度に傾斜させてなることを特徴とする請求項1記載の飾り枠。
【請求項4】
上記飾枠の内飾縁の内周側端部と上記内枠の外裏縁の内周側端部と、上記飾枠の内飾縁の外周側端部と上記内枠の外裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置され、
上記飾枠の外飾縁の内周側端部と上記外枠の内裏縁の内周側端部と、上記飾枠の外飾縁の外周側端部と上記外枠の内裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置されることを特徴とする請求項3記載の飾り枠。
【請求項1】
略方形状の開口部を備えた薄板状の飾枠と、該飾枠の内周裏面側に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の内枠と、上記飾枠の外周裏面側に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の外枠とを重ね合わせてなる飾り枠であって、
上記飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、
上記内枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる外裏縁を備えると共に、該外裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の内飾縁の裏面側に固着してなり、
上記外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、該内裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることを特徴とする飾り枠。
【請求項2】
略方形状の開口部を備えた薄板状の飾枠と、該飾枠の外周側の裏面に設けられ略方形状の開口部を備えた薄板状の外枠とを重ね合わせてなる飾り枠であって、
上記飾枠は内周縁を表面側に向かって傾斜させてなる内飾縁と、外周縁を表面側に向かって傾斜させてなる外飾縁とを備え、
上記外枠は内周縁を裏面側に向かって傾斜させてなる内裏縁を備えると共に、該内裏縁の表面側に形成される接合代を上記飾枠の外飾縁の裏面側に固着してなることを特徴とする飾り枠。
【請求項3】
上記飾縁及び裏縁はいずれも表面または裏面に対して45度の角度に傾斜させてなることを特徴とする請求項1記載の飾り枠。
【請求項4】
上記飾枠の内飾縁の内周側端部と上記内枠の外裏縁の内周側端部と、上記飾枠の内飾縁の外周側端部と上記内枠の外裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置され、
上記飾枠の外飾縁の内周側端部と上記外枠の内裏縁の内周側端部と、上記飾枠の外飾縁の外周側端部と上記外枠の内裏縁の外周側端部と、はそれぞれ内外方向略同位置に配置されることを特徴とする請求項3記載の飾り枠。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2007−143607(P2007−143607A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338681(P2005−338681)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(390023191)ハクバ写真産業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(390023191)ハクバ写真産業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]