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首の皮膚の老化現象を改善するための美容セット及びこれを使用する美容方法
説明

首の皮膚の老化現象を改善するための美容セット及びこれを使用する美容方法

【課題】首部分の皮膚のたるみ、しわ、きめ、肌の明度低下などの老化現象を効果的に改善することを可能とする美容セット及びこれを使用した美容方法の提供。
【解決手段】(A)保湿剤、皮膜剤、非乳化性架橋型シリコーン、及び酵母エキスを配合した皮膚外用剤、(B)ケイヒエキス、エラスチンペプチド、ライチ種子エキス、及びL−アスコルビン酸又はその誘導体からなる群から選択される1種又は2種以上を配合した経口用組成物、を組み合わせたことを特徴とする美容セット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤と経口用組成物を組み合わせてなる美容セットに関する。さらに詳しくは、首のたるみ、しわ、きめ、肌の明度低下などの皮膚の老化現象を改善するために使用される首の皮膚の老化現象を改善する美容セット及びこれを使用する美容方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より加齢とともに増加する皮膚の老化現象を改善することに対する関心は高く、皮膚のたるみを改善するためにはポリビニルアルコールやトリメチルシロキシケイ酸等の皮膜剤によってはり感を付与する方法(特許文献1)やシソ科タイム属などの植物抽出物を使用し、たるみを防ぎ、はり感を向上させる皮膚外用剤が知られている(特許文献2)。
【0003】
また、非乳化性架橋型シリコーンと、成膜収縮率が20%以下のポリウレタンを主成分として含む成膜収縮率が20%以下の皮膜形成性ポリマー、液状油分、水を含有することを特徴とするしわ改善用皮膚外用剤が知られている(特許文献3)。
【0004】
さらに、たるみ改善を目的とする経口用組成物としては、2種類以上のムコ多糖に、コラーゲン部分分解物とコエンザイムQ10を加え、これら3種の成分を有効成分とすることにより、肌の老化による皮膚のしわ、たるみ、くすみ、きめの変化等を防止できることが知られている(特許文献4)。
【0005】
しかしながら、従来の皮膚外用剤や経口用組成物は、顔の老化現象を改善することを主な目的としたものであって、首の皮膚の老化現象つまりたるみ、しわ、きめ、肌の明度を改善するものではなかった。
【0006】
そして、首の皮膚は顔の皮膚よりも薄く、伸びやすい傾向にある。また、首の皮膚は皮下組織や筋肉と密着していないため、首を動かす度に伸縮の度合いが大きい。このため、首の皮膚は、顔の皮膚よりしわやたるみ、きめの粗さや肌のくすみが生じやすい。したがって、従来の皮膚外用剤や経口用組成物を適用しても、首の皮膚のたるみ、しわ、きめ、肌の明度の改善に十分な効果を得ることはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−101520号公報
【特許文献2】特開2000−86486号公報
【特許文献3】特開2006−62995号公報
【特許文献4】特開2006−143671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、特定成分を含有する皮膚外用剤と特定成分を含有する経口用組成物を併用することにより、首部分の皮膚のたるみ、しわ、きめ、肌の明度低下などの老化現象を効果的に改善することを可能とする美容セット及びこれを使用した美容方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、下記(A)と(B)を組み合わせたことを特徴とする、首の皮膚の老化現象を改善するための美容セットである。
(A)保湿剤、皮膜剤、非乳化性架橋型シリコーン、及び酵母エキスを配合した皮膚外用剤
(B)ケイヒエキス、エラスチンペプチド、ライチ種子エキス、及びL−アスコルビン酸又はその誘導体からなる群から選択される1種又は2種以上を配合した経口用組成物
【0010】
第2の発明は、前記(A)皮膚外用剤が、(a)保湿剤を1〜30質量%、(b)皮膜剤を0.1〜5質量%、(c)非乳化性架橋型シリコーンを1〜7質量%、及び(d)酵母エキスを0.01〜1質量%含有することを特徴とする美容セットである。
【0011】
第3の発明は、前記美容セットを使用する美容方法であって、少なくとも1日1回以上、前記(A)皮膚外用剤を首部の皮膚に塗布して首部をマッサージし、且つ少なくとも1日1回以上、前記(B)経口用組成物を摂取することを特徴とする首の皮膚の老化現象を改善するための美容方法である。
【0012】
第4の発明は、前記首の皮膚の老化現象を改善するための美容セットが、首の皮膚の、たるみ、しわ、きめ、及び肌の明度からなる群の1種又は2種以上を改善することを特徴とする美容セットである。
【0013】
第5の発明は、前記首の皮膚の老化現象を改善するための美容方法が、首の皮膚の、たるみ、しわ、きめ、及び肌の明度からなる群の1種又は2種以上を改善することを特徴とする美容方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明の首の皮膚の老化現象を改善するための美容セット及びこれを使用する美容方法によれば、首の皮膚の角層水分量を増加し、きめを整えるとともに、首のたるみやしわを効果的に改善し、さらに肌の明度を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の美容方法におけるマッサージの一実施形態を説明する図
【図2】a群、b群の各層の水分量の変化を示すグラフ
【図3】a群、b群のきめの整い度の変化を示すグラフ
【図4】b群の(ア)試験開始前の首の肌の状態、(イ)試験開始後6週間の首の肌の状態(図面代用写真)
【図5】a群、b群の肌の明るさ(L値)の変化を示すグラフ
【図6】b群のアンケートの結果を示すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0016】
(A)皮膚外用剤
本発明に用いる皮膚外用剤には、保湿剤、皮膜剤、非乳化性架橋型シリコーン、及び酵母エキスを配合する。
【0017】
保湿剤としては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、グルコース、マルトース、蔗糖、フラクトース、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉、分解糖還元アルコール等の単糖、2糖もしくはオリゴ糖及びそれらの誘導体、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、イソプレングリコール、ポリグルタミン酸ナトリウム、アルキレンオキシド誘導体{例えばPOE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(25)POP(40)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(45)POP(34)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジ メチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル}等が挙げられる。なお、上記のPOEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレン、POBはポリオキシブチレンの略である。保湿剤の配合量は、組成物全量に対し、5〜30質量%、好ましくは10〜20質量%である。5質量%未満では肌に与える保湿効果が十分でなく、30質量%を超えると使用性が悪くなる傾向にある。
【0018】
皮膜剤は、酢酸ビニルエマルジョン、ビニルピロリドン・酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等の水系エマルジョン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸系・メタアクリル酸系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルピロリドン系樹脂、セルロース誘導体樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、シリコーン系樹脂、メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体、カチオン化セルロース、ポリ塩化ジメチルメチレン等、従来から用いられている水溶性の皮膜剤の他、トリメチルシロキシケイ酸、アクリル酸アルキル・メタクリル酸トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル共重合体、3−[トリス(トリメチルシロキシ)シリル]プロピルカルバミド酸プルラン、ビニルピロリドン−C20α−オレフィン共重合体(エイコセン)、アクリルシリコンデンドリマー、トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸、及びポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体等、油溶性の皮膜剤を使用することができ、皮膚外用剤の剤型に応じて適宜選択できるが、好ましくはポリビニルアルコール系樹脂である。皮膜剤の配合量は、組成物全量に対し、0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%である。0.1質量%未満では肌にはり感を与える効果が十分でなく、5質量%を超えると使用性が悪くなる傾向にある。
【0019】
非乳化性架橋型シリコーンは、シリコーン鎖の一部を架橋した架橋型シリコーンでそれ自体油と水を乳化する機能を持たないものである。非乳化性であることは、水及び油と共に架橋型シリコーンを配合した組成物をホモミキサー等を用いて高速撹拌したときに、乳化しないか、乳化した場合でも、乳化粒子径が50μm以上で大きく、乳化物をしばらく放置させたときに乳化状態が保たれないことで確認できる。
【0020】
本発明に用いられる非乳化性の架橋型シリコーンとしては、例えば、メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー(以下、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーという。)、部分長鎖アルキル化メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー(以下、ビニルジメチコン/アルキルジメチコンクロスポリマーという。)、メチルハイドロジェンポリシロキサンとアルケンとの反応によるクロスポリマー(以下、ジメチコンクロスポリマーという。)等が挙げられる。本発明においては、上記3種のクロスポリマーからなる群より選択される1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0021】
本発明においては、前記ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーは、INCI名ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーあるいはポリシリコーン−11と称されるものが該当する。また、ジメチコンクロスポリマーは、INCI名ジメチコンクロスポリマーと称されるものが該当する。また、ビニルジメチコン/アルキルジメチコンクロスポリマーのうち、ラウリル化メチルハイドロジェンポリシロキサンとメチルビニルポリシロキサンとの反応によるクロスポリマー(以下、ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマーという。)は、INCI名ビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマーと称されるものが該当する。
【0022】
非乳化性架橋型シリコーンの含有量は、皮膚外用剤全量中1〜7質量%であることが好ましい。含有量が1質量%未満では本発明の充分な効果が得られにくく、また、7質量%を越えて配合しても効果の増強はみられず、かえってべたつきを生じるようになってくる。
【0023】
本発明においては、皮膚外用剤を調製するに際して、非乳化性架橋型シリコーンを、前記液状油分で膨潤された膨潤物(ゲル状組成物)で配合することが好ましい。これにより優れた効果を有する皮膚外用剤を安定に調製することができる。
【0024】
INCI名ジメチコンクロスポリマーと称されるものの膨潤物としては、市販品を用いることが可能であり、例えば、DC9040(ジメチコンクロスポリマー、デカメチルシクロペンタシロキサンの混合物で架橋物は12%)、DC9041(ジメチコンクロスポリマー、ジメチコン5mPa・sの混合物で架橋物は16%)、DC9045(ジメチコンクロスポリマー、デカメチルシクロペンタシロキサンの混合物で架橋物は12.5%)(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)等が挙げられる。
【0025】
酵母エキスの酵母としては、サッカロミセス属(Saccharomyces)に属する菌類(酵母)、例えばビール酵母、清酒酵母、パン酵母等が用いられる。ただしこれら例示に限定されるものでない。酵母エキスは、これら酵母が自己消化による分解、タンパク質分解酵素による分解、酸加水分解による分解等により得られる酵母分解物をそのまま酵母エキスとして用いてもよく、あるいは酵母分解物より常法により酵母抽出液を得、それを酵母エキスとして用いてもよい。酵母エキスは市販品を用いてもよく、例えば「バイオダインEMPP」(日本ジェネティクス社製)等として市販されている。酵母エキスの配合量は、組成物全量に対し、0.01〜1質量%、好ましくは0.01〜0.5質量%である。
【0026】
本発明に用いる皮膚外用剤は、上記した必須構成成分の他に、通常、化粧料や皮膚外用剤において配合される他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤型に応じて製造することができる。
【0027】
(B)経口用組成物
本発明に用いる経口用組成物は、ケイヒエキス、エラスチンペプチド、ライチ種子エキス、及びL−アスコルビン酸又はその誘導体からなる群から選択される1種又は2種以上を配合する。
【0028】
ケイヒエキスは、ケイヒを水又は有機溶媒で常法により抽出した成分である。ケイヒは、クスノキ科植物クスノキ(Cinnamomum)属に属するケイ(Cinnamomum cassia)の樹皮から調製される。また使用部位として限定されるものではなく、ケイの枝から調製されるケイシエキスを用いてもよい。ケイヒエキスは、常法により得ることができ、例えばその起源となる植物を抽出溶媒とともに常温又は加熱して浸漬または加熱還流した後、濾過し濃縮して得ることができる。抽出溶媒としては通常抽出に用いられる溶媒であれば任意に用いることができる。本発明におけるケイヒエキスには、市販品のケイヒエキス(商品名「ケイヒエキスV」日本粉末薬品株式会社)を使用できる。本発明においては、経口用組成物の味と本発明の効果を考慮すると、1日1回分の経口用組成物中に原生薬換算20〜500mgを配合することが好ましい。
【0029】
エラスチンペプチドは、カツオ、マグロ等の魚類や豚等の家畜類の動脈球から血液、脂質、可溶性タンパク質及びコラーゲン質を除去することによって得られる不溶性タンパク質混合物を酵素分解あるいは無機酸溶液による酸分解することによりペプチド化し、水溶性にしたものである。但し、製造法はこれに限定されるものではない。本発明に用いるエラスチンペプチドは、市販品のエラスチンペプチド(商品名「カツオエラスチン」林兼産業株式会社)を使用することができる。本発明においては、経口用組成物の味と本発明の効果を考慮すると、1日1回分の経口用組成物中にエラスチンペプチド3〜300mgを配合することが好ましい。
【0030】
ライチ種子エキスは、果実ライチの種子エキスであり、アントシアニン、フラボノイド、ポリフェノールが含まれており、コラーゲンやヒアルロン酸の働きをサポートし、メラニン色素形成を抑制する作用があるといわれている。該エキスは、ライチの種子を水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン、二酸化炭素などをそのまま単一溶媒で用いるか、2種類以上を任意に混合して用いて、エキスを製造することができる。本発明に用いるライチ種子エキスは、市販品のライチ種子エキス(商品名「ライチ種子エキスWSP」オリザ油化株式会社)を使用することができる。本発明においては、経口用組成物の味と本発明の効果を考慮すると、1日1回分の経口用組成物中に原生薬換算30〜3000mgを配合することが好ましい。
【0031】
L−アスコルビン酸は、一般にビタミンCといわれ、その強い還元作用によりメラニン還元作用を有するため、美白効果を奏する。L−アスコルビン酸誘導体としては、例えばL−アスコルビン酸モノリン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸エステルなどのL−アスコルビン酸モノエステル類や、L−アスコルビン酸−2−グルコシドなどのL−アスコルビン酸グルコシド類、あるいはこれらの塩などが挙げられる。本発明において、L−アスコルビン配合量又はその誘導体の配合量は、経口用組成物の味と本発明の効果を考慮すると、1日1回分の経口用組成物中に10〜2000mgを配合することが好ましい。
【0032】
本発明に用いる(B)経口用組成物の形態としては、例えば、カプセル状、液体状、固形状、顆粒状、粉状、ペースト状、ゲル状など任意に選択することができる。また、上記の必須構成成分の他に食品、医薬品に用いられる他の成分、例えば、賦形剤、呈味剤、機能性素材、着色剤、保存剤、増粘剤、結合剤、崩壊剤、分散剤、安定化剤、ゲル化剤、酸化防止剤、界面活性剤、保存剤、pH調整剤、金属イオン封鎖剤等、食品や医薬品に使用される公知のものを適宜選択して配合することができる。pH調整剤としては塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、及びホウ酸などの無機酸、乳酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、コハク酸ナトリウム、シュウ酸、グルコン酸、フマル酸、プロピオン酸、酢酸、アスパラギン酸、イプシロン−アミノカプロン酸、グルタミン酸、及びアミノエチルスルホン酸などの有機酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウムなどの無機塩基、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、及びリジンなどの有機塩基の他、グルコノラクトン、酢酸アンモニウムなどが挙げられる。製剤のpHとしては5.5〜8、好ましくは6〜7.5に調整することが好ましい。金属イオン封鎖剤としてはEDTAナトリウム、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸などが例示される。
【0033】
本発明にかかる美容セットは、(A)皮膚外用剤と(B)経口用組成物を組み合わせたものである。美容セットは、医薬品、医薬部外品、化粧品等の分野にて、皮膚に適用することを目的とした皮膚外用剤と、医薬品、食品等の分野で経口摂取される経口用組成物とを組み合わせたものであって、これらを同時または連続して使用することによって、単独での使用では得られなかった優れた効果を奏するものである。
【0034】
本発明にかかる美容方法は、前記美容セットを使用して行う美容方法であって、少なくとも1日1回以上、(A)皮膚外用剤を首部の皮膚に塗布して首部をマッサージし、且つ少なくとも1日1回以上、(B)経口用組成物を摂取することを特徴とする首のたるみ、しわ、きめ、肌の明度を改善するための美容方法である。
【0035】
少なくとも1日1回以上、(A)皮膚外用剤を首部の皮膚に塗布して首部をマッサージを行う。皮膚外用剤は、少なくとも1日1回塗布する。1回の塗布量は適宜決定されるが、0.5〜2gが好ましい。また、1回使用分の適量がパウチパックに充填されていることが好ましい。
【0036】
皮膚外用剤の塗布は、右の指先にパール粒1個分の量(約0.6g)を取り、左側の首になじませる。次に左手の指先にパール粒1個分の量を取り、右側の首になじませる。残りの全量を指先に取り、デコルテ全体になじませる。
【0037】
首部のマッサージは、指全体をフィットさせながら、首の中央から外側へ、しわをのばすようなイメージで大きく円を描く(図1(ア))。次に、手のひら全体で下から上に向かって首もとの肌をすり上げる。これを左右各6回ずつに分けて行い(図1(イ))、両手で首を包み込んで、皮膚外用剤を肌にしっかりなじませる。更に、首後ろの筋肉を、下から上に向かって3回に分けてゆっくりと、左右の4本の指でプレスする(図1(ウ))。
【0038】
なお、マッサージの方法は、特に限定されるものではなく、首の皮膚のたるみ、しわ、きめ、肌の明度を改善する効果があるマッサージ方法であれば、他のマッサージ方法を適用することも可能である。
【0039】
(B)経口用組成物は、少なくとも1日1回以上摂取する。経口用組成物の摂取回数や性状は特に限定されるものではないが、1回の摂取量は1〜3gとし、1回の摂取がゼリー状のタブレットで1〜3粒を目安とすることが好ましい。
【0040】
以上の美容方法を継続的に繰り返すことにより、好ましくは少なくとも4〜6週間繰り返すことにより、首の皮膚のたるみ、しわ、きめ、肌の明度が改善される。
【実施例】
【0041】
以下実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例における配合量は特に断りのない限り質量%で示す。
【0042】
(A)皮膚外用剤
以下に示す処方で美容液(クリーム状の水中油型乳化組成物)を常法により得た。

<美容液>
(配合成分) (質量%)
イオン交換水 残余
ダイナマイトグリセリン 8
1,3−ブチレングリコール 7
ポリエチレングリコール 0.5
(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/VP)コポリマー 1.2
ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸ソルビタン 1.5
ジメチルポリシロキサン 5
非乳化性架橋型シリコーンの膨潤物(注1) 35 (注2)
ポリビニルアルコール 0.5
酵母エキス(注3) 0.1
防腐剤 0.4
香料 0.05
金属イオン封鎖剤 適量
pH調整剤 適量
(合計) 100

注1:東レ・ダウコーニング株式会社製 商品名「DC9041」(非乳化性架橋型シリコーン 16%)を使用
注2:非乳化性架橋型シリコーン 5.6%相当
注3:日本ジェネティクス社製 商品名「バイオダインEMPP」を使用

【0043】
(B)経口用組成物
以下に示す処方でゼリー状タブレットを常法により得た。

<ゼリー状タブレット(1錠分)>
(配合成分) mg
「素錠」
エラスチンペプチド(注4) 37.5
ライチ種子エキス(注5)(原生薬換算) 250
ケイヒエキス(注6)(原生薬換算) 25
白糖 140
水飴 328
寒天末 9.6
香料 1
精製水 156.4
「賦形剤」
精製白糖 480
精製水 26
アラビアゴム末 5
水飴 19
色素 11
L−アスコルビン酸(注7) 60

注4:林兼産業株式会社製 商品名「カツオエラスチン」を使用
注5:オリザ油化株式会社製 商品名「ライチ種子エキスWSP」を使用
注6:日本粉末薬品株式会社製 商品名「ケイヒエキスパウダーV」を使用
注7:第一ファインケミカル株式会社製 商品名「ビスコリン100M」を使用

【0044】
<試験方法>
下記のヒト試験により、本発明の美容セットを使用した美容方法を検証し、首の皮膚のたるみ、しわ、きめ、肌の明度を改善する効果を確認した。
「ヒト試験方法」
40歳以上50歳未満で首に横じわが認められる女性モニター62名を用い、(A)皮膚外用剤のみを使用する31名(a群)と、(A)皮膚外用剤と(B)経口用組成物を併用、すなわち美容セットを使用する31名(b群)に分け、6週間の使用を行った。
【0045】
a群では、首に上記処方の(A)皮膚外用剤(液状美容液)を1日1回夜に塗布しマッサージを行う。皮膚外用剤の塗布は、右の指先にパール粒1個分の量(約0.6g)を取り、左側の首になじませる。次に左手の指先にパール粒1個分の量を取り、右側の首になじませる。マッサージは、指全体をフィットさせながら、首の中央から外側へ、しわをのばすようなイメージで大きく円を描く(図1(ア))。次に、手のひら全体で下から上に向かって首もとの肌をすり上げる。これを左右各6回ずつに分けて行い(図1(イ))、両手で首を包み込んで、皮膚外用剤を肌にしっかりなじませる。更に、首後ろの筋肉を、下から上に向かって3回に分けてゆっくりと、左右の4本の指でプレスする(図1(ウ))。
【0046】
b群では、a群と同様に首に上記処方の(A)皮膚外用剤(液状美容液)を塗布し毎日マッサージを行うとともに、上記処方の(B)経口用組成物(ゼリー状タブレット)を毎日、1日1回夕食後に2錠を6週間摂取した。
【0047】
a群、b群について、試験開始前と開始後において首の皮膚について各種評価のための測定を行った。得られたデータは、収集したサンプルに基づいて群間に違いがあるか検証するために統計処理を行った。検定結果で示された有意確率(p)が5%未満(p<0.05)であれば、検定に用いたデータ項目(変数という)間に有意差があるという。pが10%未満(p<0.1)であれば、検定に用いたデータ項目(変数)間に有意な傾向差があるという。尚、グラフ中に、p<0.05は*、P<0.01は**、P<0.001は***として表記する。
【0048】
<角層水分量>
角層中の水分量(電気容量(a.u.))を皮膚水分量測定機(コルネオメータ:Corneometer CM 825〔Courage+Khazaka社〕)で測定した(図2)。試験開始前後の差の検定は、paired t検定を採用した。図2は、a群およびb群での角質水分量の変化を示すグラフであり、両群とも角層の水分量が有意に増加(p<0.05)することが確認された。
【0049】
<きめの整い度>
肌のきめの整い度を肌計測器(商品名「スキンビジオムII」株式会社資生堂)を使用して計測した。きめ画像解析は、専用のマイクロスコープで撮影された肌表面のきめ画像を2値化して皮丘・皮溝に分離した後、それらの形状特徴を算出した。算出結果と画像の視感判定結果を元に回帰分析をおこない、きめの状態を評価する式を開発。きめが放射状に細かく整っている状態からきめが乱れて不鮮明となり皮丘が不定形となる状態までを得点化した。試験開始前後の差の検定は、paired t検定を採用した。図3は、a群とb群のきめの整い度の変化を示すグラフであり、b群では、試験開始後6週間できめの整い度が有意に向上(p<0.05)することが確認できた。また、図4は、b群のモニターの(ア)試験開始前と(イ)試験開始後の首の肌の状態を写真撮影(下段は首部の拡大写真)したものであるが、試験開始後6週間できめが整い皮膚のたるみ、しわ、きめ、肌の明度が改善されていることが確認できる。
【0050】
<肌の明るさ>
肌の明るさを分光測色計(ミノルタ(株):現コニカミノルタセンシング(株)製CM-2002)により測定し、明度(L値)により評価した(図5)。試験開始前後の差の検定は、paired t検定を採用した。図5から、試験開始後6週間においてb群で肌の明るさが有意に向上(p<0.05)していることが確認された。
【0051】
<アンケートによる評価>
b群について、試験開始から1、2、4、及び6週間経過後に、試験開始前の状態と比較して「首の深い横じわ」、「首の浅い横じわ」、「首のはりのなさ」、「首のたるみ」、「首のくすみ」、「首の肌荒れ感」、「首の肌の乾燥感」、「首の肌のやわらかさ」、「首の肌のしっとりさ」、「首の肌のふっくらさ」、「首の肌の滑らかさ」について、どのように感じられるかを調査するためのアンケートをVAS法(visual analogue scale法)により行った(図6)。試験開始前後の群間差の検定は、Mann-WhitneyのU検定を採用した。図6に示すように、すべての評価項目において試験開始前に比べて試験後は首のたるみあるいは肌の状態が有意に改善されることが確認された。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)と(B)を組み合わせたことを特徴とする、首の皮膚の老化現象を改善するための美容セット。
(A)保湿剤、皮膜剤、非乳化性架橋型シリコーン、及び酵母エキスを配合した皮膚外用剤
(B)ケイヒエキス、エラスチンペプチド、ライチ種子エキス、及びL−アスコルビン酸又はその誘導体からなる群から選択される1種又は2種以上を配合した経口用組成物
【請求項2】
前記(A)皮膚外用剤が、(a)保湿剤を1〜30質量%、(b)皮膜剤を0.1〜5質量%、(c)非乳化性架橋型シリコーンを1〜7質量%、及び(d)酵母エキスを0.01〜1質量%含有することを特徴とする請求項1記載の美容セット。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の美容セットを使用する美容方法であって、少なくとも1日1回以上、前記(A)皮膚外用剤を首部の皮膚に塗布して首部をマッサージし、且つ少なくとも1日1回以上、前記(B)経口用組成物を摂取することを特徴とする首の皮膚の老化現象を改善するための美容方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の首の皮膚の老化現象を改善するための美容セットが、首の皮膚の、たるみ、しわ、きめ、及び肌の明度からなる群から選択された1種又は2種以上を改善することを特徴とする美容セット。
【請求項5】
請求項3に記載の首の皮膚の老化現象を改善するための美容方法が、首の皮膚の、たるみ、しわ、きめ、及び肌の明度からなる群から選択された1種又は2種以上を改善することを特徴とする美容方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−246372(P2011−246372A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−119900(P2010−119900)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】