首振り具を備えたマッサージ器
【課題】 従来のような円周に沿うような方向への刺激ではなく、これとは略直角方向へのリニアな刺激、すなわち腟などの内壁を擦る（あるいは掻く）ようなサスリ刺激を与えることが出来るマッサージ器を提供する。
【解決手段】 ケースの内部に納められたモータの回転軸に、回転運動をリニアな往復運動に変換する変換機が取り付けられており、この変換機の出力部に首振り具が設けられており、この首振り具が前記ケースの外部に突出するように設けられている、首振り具を備えたマッサージ器とした。
【解決手段】 ケースの内部に納められたモータの回転軸に、回転運動をリニアな往復運動に変換する変換機が取り付けられており、この変換機の出力部に首振り具が設けられており、この首振り具が前記ケースの外部に突出するように設けられている、首振り具を備えたマッサージ器とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明はリニアな往復運動により新感覚の擦りを行なうことが出来る、首振り具を備えたマッサージ器（感覚鍛練具である）に係り、特に腟のような器官に挿入してこれを内側から擦ったり叩いたりするためのマッサージ器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
陰茎を模した形状の腟内に挿入するマッサージ器としては、内部にバイブレータを内蔵するものや、単なる棒状のものなど様々なタイプのものが従来より提案されている。この内、腟内に挿入する柔軟な素材から成る挿入部とモータや電池やスイッチを納めたハンドル部とから成るものでは、前記モータの回転軸に延設された緩やかなカーブを有する回転杆が前記挿入部内にあり、前記モータの回転に伴なって首を振るような回転を行ない、これが挿入部にも首振り運動を生じさせるように構成されている。
【０００３】
なお前記バイブレータは一般的に偏心重錘を有するモータによって構成されているものであり、このモータに電池とスイッチとが接続されている。またあるものでは更に前記モータの動きを細かく制御するためのコントローラが接続されている。
【特許文献１】特表２００３−５１４６０８
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら上述のような単なる棒状のものでは挿入感しか与えることが出来ない。また内部にバイブレータを内蔵するものでは振動刺激しか与えることが出来ない。また上述した腟内に挿入する柔軟な素材から成る挿入部とモータや電池やスイッチを納めたハンドル部とから成るマッサージ器では、前記モータの回転方向への刺激を挿入部を通して腟内壁に伝えることが出来るのであるが、腟内壁に加えられる恰かも円周に沿うような方向のみの刺激だけでは単調なものになりやすく、マッサージの効果も限定的なものに止まると言う問題がある。
【０００５】
そこでこの発明は上述した円周に沿うような方向への刺激ではなく、腟などの内壁を擦る、掻く、叩くと言うような往復刺激を与えることの出来るマッサージ器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題は、ケースの内部に納められたモータの回転軸に、回転運動を往復運動に変換する変換機が取り付けられており、この変換機の出力部に首振り具が設けられており且つこの首振り具が前記ケースの先端部となるように前記ケースに首振り自在に設けられていることを特徴とする、首振り具を備えたマッサージ器とすることにより達成される。なお上述した柔軟な素材から成る挿入部とモータや電池やスイッチを納めたハンドル部とから成るマッサージ器にこの発明を適用する場合で、回転杆を備えたものでは、この回転杆を変換機の入力部としてそのまま利用することが出来る。
【０００７】
前記モータの回転軸から出力される回転は円運動であるが、これを前記変換機に通すことによりリニアな往復運動を出力させることができる。従ってこの往復運動を利用するようにすれば、前記ケースの先端部に設けられている首振り具に往復運動（首振り運動）を起こさせることが出来、この首振り具が腟などの内壁に対して擦ったり叩いたりするような刺激を与えることが可能となり、効果的なマッサージ効果が得られるのである。
【０００８】
次に上述したような首振り具を備えたマッサージ器に於いて、前記首振り具が前記ケースに首振り自在に軸止されているものとすることが出来る。首振り具に往復運動が加えられた際には、首振り具はこの軸を回動中心として往復運動（首振り運動）を行なうのである。
【０００９】
なおこの場合、前記ケースに前記首振り具が複数個設けられているものとしてもよい。これ等の複数個の首振り具がケースの先端部で一斉に往復運動（首振り運動）を起こすのであり、これにより一層複雑な刺激を与えることが可能となり効果的なマッサージ効果を得ることが出来る。
【００１０】
また請求項１の首振り具を備えたマッサージ器に於いて、前記変換機がモータの回転軸に取り付けられた回転円板の偏心軸にその一端部が係止された往復杆であり、この往復杆の他端部が前記出力部であるものとすることが出来る。往復杆の一端部と回転円板の偏心軸とでカムを構成しており、この運動が往復杆の他端部の出力部に往復運動として取り出される。
【００１１】
また請求項１の首振り具を備えたマッサージ器に於いて、前記首振り具に柔軟な素材から成るカバーが掛けられているものとすることが出来る。このカバーにはゴム素材のもの、プラスチック素材のもの、布素材のものなどで柔軟なものが任意に利用可能である。腟などの内壁に触れる首振り具が前記カバーで覆われているため当たりがソフトなものと成り、効果的なマッサージ作用が得られる。或いは好みのカバーに交換し得るように、カバーを首振り具に対して着脱自在とするなどもよい。このような構成であるため腟などの内壁に対してはこのカバーの裏側から擦る（掻く、叩く）ようになる。従ってこのようなカバーを介しての当たりはソフトなものであり、やはり心地良いものである。
【００１２】
なお例えばマッサージ器が、腟内に挿入する柔軟な素材から成る挿入部と、モータや電池やスイッチを納めたハンドル部とから成り、モータの回転軸に延設された緩やかなカーブを有する回転杆が前記挿入部内にあり、前記モータの回転に伴なって首を振るような回転を行なう構成のものでは、この挿入部を前記カバーとする構成が可能である。すなわちこのカバーは前記回転杆と前記首振り具との双方を覆うものであり、前記回転杆の回転運動に伴なって前記カバー（挿入部）に首振り運動を生じて腟などの内壁をすりこぎのようにマッサージし、またこのカバーの内側でリニアな往復運動を行なう前記首振り具の作用が前記カバーを介して腟などの内壁をマッサージすることに成るのである。
【００１３】
また請求項１の首振り具を備えたマッサージ器に於いて、このマッサージ器にバイブレータが設けられているものとすることが出来る。前記バイブレータとしては偏心重錘を有するモータに電池とスイッチとが接続されているものなどを例に上げることが出来る。この場合モータの回転によって偏心重錘が回転するが、偏心重錘であるが故に振動を発生するのである。これによればバイブレーション（振動刺激）を加えつつ、この発明の往復運動（首振り運動）によるマッサージ効果を与えることが可能であり、相乗効果を上げることが出来るのである。
【００１４】
なおこのマッサージ器本体から分岐する突出部を設けて、そこにバイブレータを納めた構成とすることが可能である。またこの突出部はこのマッサージ器本体とは別の身体部位をマッサージする目的に使用し得るように構成することが可能である。
【発明の効果】
【００１５】
この発明は、腟のような器官に挿入してこれを内側から擦るためのマッサージ器（感覚鍛練具である）のケースの先端部に、往復運動（首振り運動）を行なう首振り具が設けられているものとした。これによって従来のような腟の内壁円周に沿うような方向への刺激ではなく、これとは略直角方向へのリニアな刺激すなわち腟などの内壁に対して擦ったり叩いたりするような刺激を与えることが可能となり、新感覚を与えることに成功している。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
第１実施形態
図１はこの発明の第１実施形態のマッサージ器（感覚鍛練具である）を表したものである。腟のようなトンネル状の器官に挿入可能な形状のケース１の先端部に設けた開口部から首振り具を突出させ、且つ開口部から図の縦方向へ出入自由と成るように設けて成るものである。
【００１７】
このケース１は、その底部に、図示しないコントローラ兼電池ボックスを取り付けることが出来る接続部１０が設けられている。この接続部１０より先方にはモータ５が納められている。このモータ５のシャフトにはピニオンギア５０が取り付けられており、このピニオンギア５０に噛合させてクラウンギア４が納められている。なおケース１は縦２分割に成型されて成るものであり、これ等を合わせてネジ孔１２で止めてケース１が組み立てられている。またモータ５のリード線５１は、接続部１０の壁面に開孔された通孔１１から引き出されて、上述したコントローラ兼電池ボックスに接続されている。電池ボックスには乾電池が収納されている。またコントローラはモータ５の回転数を制御するための、すなわち後述するように首振り具の往復運動数を制御するためのスライダックを備えている（図示せず）。
【００１８】
前記ピニオンギア５０は特殊な形状のものである。すなわち回転軸４０の周りに軸をずらすようにして偏心環４３が形成されている。往復杆３の下端部（図１の下側の端部）には箱体３０が設けられており、この側面部に縦長の円形の開孔部３１が設けられている。そしてこの箱体３０が前記偏心環４３にはめ込まれており、また開孔部３１に前記回転軸４０（ピンである）が収まるように、往復杆３とクラウンギア４とが組み付けられている。
【００１９】
従ってモータ５の回転に伴ってクラウンギア４が回転すると、偏心環４３が回転軸４０の周りを回転してこれに填っている箱体３０を往復運動させる。この時に開孔部３１とこれに納められた回転軸４０とがガイドとなって、箱体３０すなわち往復杆３をぶれることなく往復運動させるのである。
【００２０】
さてケース１の先端部の開口部には首振り具２が、開口部から出入自在に取り付けられている。この首振り具２は前記往復杆３の上端部（図１の上側の端部）に設けられている。なお首振り具２の移動距離は往復杆３のストロークの範囲内であって、首振り具２はケース１の先端部の開口部からは外れないようになっている。なお符号６は鎖線で表わしたカバーを指しており、ケース１と首振り具２とを覆うための薄いラテックス製のものである。このカバー６には蛇腹部などを設けて伸縮がより行ないやすいようにすることも可能である。
【００２１】
前記モータ５が回転して前記往復杆３が往復運動を始めると、往復杆３が首振り具２を押したり引いたりする。従って首振り具２はケース１の先端部の開口部に在ってリニアな往復運動を行なうのである。この結果このケース１が腟などの器官の内にあれば、往復運動を行なう往復杆３によって、腟の内壁を擦る、あるいは掻くと言うような刺激が与えられることになり、今までにない感覚のマッサージ効果を与えることが出来るのである。なおこの実施形態の首振り具２の形状は任意である。
【００２２】
第２実施形態
図２はこの発明の第２実施形態のマッサージ器（感覚鍛練具である）を表したものである。腟のようなトンネル状の器官に挿入可能な形状のケース１３の先端部に設けた開口部に首振り具７を突出させ且つ開口部で図の横方向に首振り自由と成るように設けて成るものである。
【００２３】
このケース１３は、その底部に図示しないコントローラ兼電池ボックスを取り付けることが出来る接続部１０が設けられている。この接続部１０より先方にはモータ５が納められている。このモータ５のシャフトにはピニオンギア５０が取り付けられており、このピニオンギア５０に噛合させてクラウンギア４が納められている。このクラウンギア４は後述するギヤ列４１の一部をなしている。なおケース１３は縦２分割に成型されたものであり、これ等を合わせてケース１３が組み立てられている。またモータ５のリード線５１は、接続部１０の壁面に開孔された通孔１１から引き出されて、上述したコントローラ兼電池ボックスに接続されている。電池ボックスには乾電池が収納されている。コントローラは後述する首振り具７の横方向の往復運動数を制御するためのスライダックを備えている（図示せず）。
【００２４】
前記クラウンギア４から始まるギヤ列４１はピニオンギヤ４４が最後段のものとなっている。このピニオンギヤ４４の回転軸にはカム４２が偏心状態に取り付けられている。このカム４２は、ケース１３の先端部の開口部に回動軸７１を以て回動自在に取り付けられている首振り具７の、下端部（図２の下側の端部）に設けられたリング７０にはめ込まれている。
【００２５】
従ってモータ５の回転に伴ってクラウンギア４が回転すると、この回転運動がギヤ列４１を介してピニオンギヤ４４とそのカム４２の回転運動となり、これがカム４２とリング７０とによる変換機を介することにより、首振り具７の横方向の首振り運動（往復運動）となるのである。このことによってリニアな刺激すなわち腟などの内壁に対して擦ったり掻いたり叩いたりするような刺激を与えることが出来るのである。
【００２６】
第３実施形態
図３はこの発明の第３実施形態のマッサージ器の連結杆７５回りを表わしたものである。この実施形態の感覚鍛練具は、上述した第２実施形態の首振り具７に改良を加えたものである。
【００２７】
すなわちリング７０を図３の連結杆７５（上端部が２又に形成されて成る）に代えると共に、２又の各々を２つ設けた首振り具７２の各々に係合させて成るものである。首振り具７２は上述した首振り具７を左右に２分割したようなものであり各々独立した首振り具として成型されており、各々回動軸７３を以てケース１３の先端部に設けた開口部に首振り自由と成るように取り付けられたものである。この首振り具７２には回動軸７３の下方（図３の下方）に連結杆７５の前記２又用の挿入溝が設けられており、ここに挿入された前記２又に設けられているガイド孔７４に、前記挿入溝内に取り付けたピン７６がはめ込まれている。
【００２８】
従って連結杆７５の運動が、ガイド孔７４とピン７６との係合構成によって、回動軸７３に軸支された左右の首振り具７２，７２を、互いに遠ざかったり近付いたりする横方向の往復運動（首振り運動）に変換される。これにより腟などの内壁の両側部位に対して擦る、掻く、叩くと言うような往復刺激を与えることが出来るのである。なお符号６０は鎖線で表わしたカバーを指しており、ケース１３と首振り具７２，７２とを覆うための薄いラテックス製のものである。また各々の首振り具７２，７２を異なる連結杆７５を設けて別々に接続するようにしたり、首振り具７２を３以上設けてより複雑な動作をさせるようにすることも可能である。
【００２９】
第４実施形態
次に図４はこの実施形態のマッサージ器（感覚鍛練具である）を表わしたものである。このものは上述した第２実施形態のマッサージ器のケース１３の側面部に、ここから分岐する突出部８が設けられている点に特徴を有する。この突出部８はこのマッサージ器本体とは別の身体部位をマッサージするために設けられている。
【００３０】
更に前記突出部８にはバイブレータが設けられている。すなわち突出部８内にはモータ５２が納められており、このモータ５２のシャフト５３に偏心重錘５４が取り付けられている。このモータ５２の配線先並びにスイッチなどの制御部には、例えば上述したコントローラ兼電池ボックスを利用するなどすればよい。
【００３１】
モータ５２をＯＮ状態にすると、偏心重錘５４が回転するシャフト５３に偏って固定されているために振動を発する。この振動は直接的には突出部８を震えさせるが、ケース１３側に及ぶこともある。
【００３２】
なおこのようなバイブレータはケース１３側に設けることも、更には前記首振り具７側に設けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【００３３】
この発明のマッサージ器の首振り具は、腟などのトンネル状の器官の内壁以外にも、例えば背中などの皮膚表面を擦る（あるいは掻く、叩く）目的のものとして使用したり構成することが可能である。また首振り具は縦と横との２つの往復運動を組み合わせたより複雑な運動を行うものとする構成も可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】 第１実施形態の分解側面図である。
【図２】 第２実施形態の分解側面図である。
【図３】 第３実施形態の模式図である。
【図４】 第４実施形態の説明図である。
【符号の説明】
【００３５】
１ ケース
１０ 接続部
１１ 通孔
１２ ネジ孔
１３ ケース
２ 首振り具
３ 往復杆
３０ 箱体
３１ 開口部
４ クラウンギア
４０ 回転軸
４１ ギヤ列
４２ カム
４３ 偏心環
４４ ピニオンギヤ
５ モータ
５０ ピニオンギア
５１ リード線
５２ モータ
５３ シャフト
５４ 偏心重錘
６ カバー
７ 首振り具
７０ リング
７１ 回動軸
７２ 首振り具
７３ 回動軸
７４ ガイド孔
７５ 連結杆
７６ ピン
８ 突出部
【技術分野】
【０００１】
この発明はリニアな往復運動により新感覚の擦りを行なうことが出来る、首振り具を備えたマッサージ器（感覚鍛練具である）に係り、特に腟のような器官に挿入してこれを内側から擦ったり叩いたりするためのマッサージ器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
陰茎を模した形状の腟内に挿入するマッサージ器としては、内部にバイブレータを内蔵するものや、単なる棒状のものなど様々なタイプのものが従来より提案されている。この内、腟内に挿入する柔軟な素材から成る挿入部とモータや電池やスイッチを納めたハンドル部とから成るものでは、前記モータの回転軸に延設された緩やかなカーブを有する回転杆が前記挿入部内にあり、前記モータの回転に伴なって首を振るような回転を行ない、これが挿入部にも首振り運動を生じさせるように構成されている。
【０００３】
なお前記バイブレータは一般的に偏心重錘を有するモータによって構成されているものであり、このモータに電池とスイッチとが接続されている。またあるものでは更に前記モータの動きを細かく制御するためのコントローラが接続されている。
【特許文献１】特表２００３−５１４６０８
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら上述のような単なる棒状のものでは挿入感しか与えることが出来ない。また内部にバイブレータを内蔵するものでは振動刺激しか与えることが出来ない。また上述した腟内に挿入する柔軟な素材から成る挿入部とモータや電池やスイッチを納めたハンドル部とから成るマッサージ器では、前記モータの回転方向への刺激を挿入部を通して腟内壁に伝えることが出来るのであるが、腟内壁に加えられる恰かも円周に沿うような方向のみの刺激だけでは単調なものになりやすく、マッサージの効果も限定的なものに止まると言う問題がある。
【０００５】
そこでこの発明は上述した円周に沿うような方向への刺激ではなく、腟などの内壁を擦る、掻く、叩くと言うような往復刺激を与えることの出来るマッサージ器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題は、ケースの内部に納められたモータの回転軸に、回転運動を往復運動に変換する変換機が取り付けられており、この変換機の出力部に首振り具が設けられており且つこの首振り具が前記ケースの先端部となるように前記ケースに首振り自在に設けられていることを特徴とする、首振り具を備えたマッサージ器とすることにより達成される。なお上述した柔軟な素材から成る挿入部とモータや電池やスイッチを納めたハンドル部とから成るマッサージ器にこの発明を適用する場合で、回転杆を備えたものでは、この回転杆を変換機の入力部としてそのまま利用することが出来る。
【０００７】
前記モータの回転軸から出力される回転は円運動であるが、これを前記変換機に通すことによりリニアな往復運動を出力させることができる。従ってこの往復運動を利用するようにすれば、前記ケースの先端部に設けられている首振り具に往復運動（首振り運動）を起こさせることが出来、この首振り具が腟などの内壁に対して擦ったり叩いたりするような刺激を与えることが可能となり、効果的なマッサージ効果が得られるのである。
【０００８】
次に上述したような首振り具を備えたマッサージ器に於いて、前記首振り具が前記ケースに首振り自在に軸止されているものとすることが出来る。首振り具に往復運動が加えられた際には、首振り具はこの軸を回動中心として往復運動（首振り運動）を行なうのである。
【０００９】
なおこの場合、前記ケースに前記首振り具が複数個設けられているものとしてもよい。これ等の複数個の首振り具がケースの先端部で一斉に往復運動（首振り運動）を起こすのであり、これにより一層複雑な刺激を与えることが可能となり効果的なマッサージ効果を得ることが出来る。
【００１０】
また請求項１の首振り具を備えたマッサージ器に於いて、前記変換機がモータの回転軸に取り付けられた回転円板の偏心軸にその一端部が係止された往復杆であり、この往復杆の他端部が前記出力部であるものとすることが出来る。往復杆の一端部と回転円板の偏心軸とでカムを構成しており、この運動が往復杆の他端部の出力部に往復運動として取り出される。
【００１１】
また請求項１の首振り具を備えたマッサージ器に於いて、前記首振り具に柔軟な素材から成るカバーが掛けられているものとすることが出来る。このカバーにはゴム素材のもの、プラスチック素材のもの、布素材のものなどで柔軟なものが任意に利用可能である。腟などの内壁に触れる首振り具が前記カバーで覆われているため当たりがソフトなものと成り、効果的なマッサージ作用が得られる。或いは好みのカバーに交換し得るように、カバーを首振り具に対して着脱自在とするなどもよい。このような構成であるため腟などの内壁に対してはこのカバーの裏側から擦る（掻く、叩く）ようになる。従ってこのようなカバーを介しての当たりはソフトなものであり、やはり心地良いものである。
【００１２】
なお例えばマッサージ器が、腟内に挿入する柔軟な素材から成る挿入部と、モータや電池やスイッチを納めたハンドル部とから成り、モータの回転軸に延設された緩やかなカーブを有する回転杆が前記挿入部内にあり、前記モータの回転に伴なって首を振るような回転を行なう構成のものでは、この挿入部を前記カバーとする構成が可能である。すなわちこのカバーは前記回転杆と前記首振り具との双方を覆うものであり、前記回転杆の回転運動に伴なって前記カバー（挿入部）に首振り運動を生じて腟などの内壁をすりこぎのようにマッサージし、またこのカバーの内側でリニアな往復運動を行なう前記首振り具の作用が前記カバーを介して腟などの内壁をマッサージすることに成るのである。
【００１３】
また請求項１の首振り具を備えたマッサージ器に於いて、このマッサージ器にバイブレータが設けられているものとすることが出来る。前記バイブレータとしては偏心重錘を有するモータに電池とスイッチとが接続されているものなどを例に上げることが出来る。この場合モータの回転によって偏心重錘が回転するが、偏心重錘であるが故に振動を発生するのである。これによればバイブレーション（振動刺激）を加えつつ、この発明の往復運動（首振り運動）によるマッサージ効果を与えることが可能であり、相乗効果を上げることが出来るのである。
【００１４】
なおこのマッサージ器本体から分岐する突出部を設けて、そこにバイブレータを納めた構成とすることが可能である。またこの突出部はこのマッサージ器本体とは別の身体部位をマッサージする目的に使用し得るように構成することが可能である。
【発明の効果】
【００１５】
この発明は、腟のような器官に挿入してこれを内側から擦るためのマッサージ器（感覚鍛練具である）のケースの先端部に、往復運動（首振り運動）を行なう首振り具が設けられているものとした。これによって従来のような腟の内壁円周に沿うような方向への刺激ではなく、これとは略直角方向へのリニアな刺激すなわち腟などの内壁に対して擦ったり叩いたりするような刺激を与えることが可能となり、新感覚を与えることに成功している。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
第１実施形態
図１はこの発明の第１実施形態のマッサージ器（感覚鍛練具である）を表したものである。腟のようなトンネル状の器官に挿入可能な形状のケース１の先端部に設けた開口部から首振り具を突出させ、且つ開口部から図の縦方向へ出入自由と成るように設けて成るものである。
【００１７】
このケース１は、その底部に、図示しないコントローラ兼電池ボックスを取り付けることが出来る接続部１０が設けられている。この接続部１０より先方にはモータ５が納められている。このモータ５のシャフトにはピニオンギア５０が取り付けられており、このピニオンギア５０に噛合させてクラウンギア４が納められている。なおケース１は縦２分割に成型されて成るものであり、これ等を合わせてネジ孔１２で止めてケース１が組み立てられている。またモータ５のリード線５１は、接続部１０の壁面に開孔された通孔１１から引き出されて、上述したコントローラ兼電池ボックスに接続されている。電池ボックスには乾電池が収納されている。またコントローラはモータ５の回転数を制御するための、すなわち後述するように首振り具の往復運動数を制御するためのスライダックを備えている（図示せず）。
【００１８】
前記ピニオンギア５０は特殊な形状のものである。すなわち回転軸４０の周りに軸をずらすようにして偏心環４３が形成されている。往復杆３の下端部（図１の下側の端部）には箱体３０が設けられており、この側面部に縦長の円形の開孔部３１が設けられている。そしてこの箱体３０が前記偏心環４３にはめ込まれており、また開孔部３１に前記回転軸４０（ピンである）が収まるように、往復杆３とクラウンギア４とが組み付けられている。
【００１９】
従ってモータ５の回転に伴ってクラウンギア４が回転すると、偏心環４３が回転軸４０の周りを回転してこれに填っている箱体３０を往復運動させる。この時に開孔部３１とこれに納められた回転軸４０とがガイドとなって、箱体３０すなわち往復杆３をぶれることなく往復運動させるのである。
【００２０】
さてケース１の先端部の開口部には首振り具２が、開口部から出入自在に取り付けられている。この首振り具２は前記往復杆３の上端部（図１の上側の端部）に設けられている。なお首振り具２の移動距離は往復杆３のストロークの範囲内であって、首振り具２はケース１の先端部の開口部からは外れないようになっている。なお符号６は鎖線で表わしたカバーを指しており、ケース１と首振り具２とを覆うための薄いラテックス製のものである。このカバー６には蛇腹部などを設けて伸縮がより行ないやすいようにすることも可能である。
【００２１】
前記モータ５が回転して前記往復杆３が往復運動を始めると、往復杆３が首振り具２を押したり引いたりする。従って首振り具２はケース１の先端部の開口部に在ってリニアな往復運動を行なうのである。この結果このケース１が腟などの器官の内にあれば、往復運動を行なう往復杆３によって、腟の内壁を擦る、あるいは掻くと言うような刺激が与えられることになり、今までにない感覚のマッサージ効果を与えることが出来るのである。なおこの実施形態の首振り具２の形状は任意である。
【００２２】
第２実施形態
図２はこの発明の第２実施形態のマッサージ器（感覚鍛練具である）を表したものである。腟のようなトンネル状の器官に挿入可能な形状のケース１３の先端部に設けた開口部に首振り具７を突出させ且つ開口部で図の横方向に首振り自由と成るように設けて成るものである。
【００２３】
このケース１３は、その底部に図示しないコントローラ兼電池ボックスを取り付けることが出来る接続部１０が設けられている。この接続部１０より先方にはモータ５が納められている。このモータ５のシャフトにはピニオンギア５０が取り付けられており、このピニオンギア５０に噛合させてクラウンギア４が納められている。このクラウンギア４は後述するギヤ列４１の一部をなしている。なおケース１３は縦２分割に成型されたものであり、これ等を合わせてケース１３が組み立てられている。またモータ５のリード線５１は、接続部１０の壁面に開孔された通孔１１から引き出されて、上述したコントローラ兼電池ボックスに接続されている。電池ボックスには乾電池が収納されている。コントローラは後述する首振り具７の横方向の往復運動数を制御するためのスライダックを備えている（図示せず）。
【００２４】
前記クラウンギア４から始まるギヤ列４１はピニオンギヤ４４が最後段のものとなっている。このピニオンギヤ４４の回転軸にはカム４２が偏心状態に取り付けられている。このカム４２は、ケース１３の先端部の開口部に回動軸７１を以て回動自在に取り付けられている首振り具７の、下端部（図２の下側の端部）に設けられたリング７０にはめ込まれている。
【００２５】
従ってモータ５の回転に伴ってクラウンギア４が回転すると、この回転運動がギヤ列４１を介してピニオンギヤ４４とそのカム４２の回転運動となり、これがカム４２とリング７０とによる変換機を介することにより、首振り具７の横方向の首振り運動（往復運動）となるのである。このことによってリニアな刺激すなわち腟などの内壁に対して擦ったり掻いたり叩いたりするような刺激を与えることが出来るのである。
【００２６】
第３実施形態
図３はこの発明の第３実施形態のマッサージ器の連結杆７５回りを表わしたものである。この実施形態の感覚鍛練具は、上述した第２実施形態の首振り具７に改良を加えたものである。
【００２７】
すなわちリング７０を図３の連結杆７５（上端部が２又に形成されて成る）に代えると共に、２又の各々を２つ設けた首振り具７２の各々に係合させて成るものである。首振り具７２は上述した首振り具７を左右に２分割したようなものであり各々独立した首振り具として成型されており、各々回動軸７３を以てケース１３の先端部に設けた開口部に首振り自由と成るように取り付けられたものである。この首振り具７２には回動軸７３の下方（図３の下方）に連結杆７５の前記２又用の挿入溝が設けられており、ここに挿入された前記２又に設けられているガイド孔７４に、前記挿入溝内に取り付けたピン７６がはめ込まれている。
【００２８】
従って連結杆７５の運動が、ガイド孔７４とピン７６との係合構成によって、回動軸７３に軸支された左右の首振り具７２，７２を、互いに遠ざかったり近付いたりする横方向の往復運動（首振り運動）に変換される。これにより腟などの内壁の両側部位に対して擦る、掻く、叩くと言うような往復刺激を与えることが出来るのである。なお符号６０は鎖線で表わしたカバーを指しており、ケース１３と首振り具７２，７２とを覆うための薄いラテックス製のものである。また各々の首振り具７２，７２を異なる連結杆７５を設けて別々に接続するようにしたり、首振り具７２を３以上設けてより複雑な動作をさせるようにすることも可能である。
【００２９】
第４実施形態
次に図４はこの実施形態のマッサージ器（感覚鍛練具である）を表わしたものである。このものは上述した第２実施形態のマッサージ器のケース１３の側面部に、ここから分岐する突出部８が設けられている点に特徴を有する。この突出部８はこのマッサージ器本体とは別の身体部位をマッサージするために設けられている。
【００３０】
更に前記突出部８にはバイブレータが設けられている。すなわち突出部８内にはモータ５２が納められており、このモータ５２のシャフト５３に偏心重錘５４が取り付けられている。このモータ５２の配線先並びにスイッチなどの制御部には、例えば上述したコントローラ兼電池ボックスを利用するなどすればよい。
【００３１】
モータ５２をＯＮ状態にすると、偏心重錘５４が回転するシャフト５３に偏って固定されているために振動を発する。この振動は直接的には突出部８を震えさせるが、ケース１３側に及ぶこともある。
【００３２】
なおこのようなバイブレータはケース１３側に設けることも、更には前記首振り具７側に設けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【００３３】
この発明のマッサージ器の首振り具は、腟などのトンネル状の器官の内壁以外にも、例えば背中などの皮膚表面を擦る（あるいは掻く、叩く）目的のものとして使用したり構成することが可能である。また首振り具は縦と横との２つの往復運動を組み合わせたより複雑な運動を行うものとする構成も可能である。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】 第１実施形態の分解側面図である。
【図２】 第２実施形態の分解側面図である。
【図３】 第３実施形態の模式図である。
【図４】 第４実施形態の説明図である。
【符号の説明】
【００３５】
１ ケース
１０ 接続部
１１ 通孔
１２ ネジ孔
１３ ケース
２ 首振り具
３ 往復杆
３０ 箱体
３１ 開口部
４ クラウンギア
４０ 回転軸
４１ ギヤ列
４２ カム
４３ 偏心環
４４ ピニオンギヤ
５ モータ
５０ ピニオンギア
５１ リード線
５２ モータ
５３ シャフト
５４ 偏心重錘
６ カバー
７ 首振り具
７０ リング
７１ 回動軸
７２ 首振り具
７３ 回動軸
７４ ガイド孔
７５ 連結杆
７６ ピン
８ 突出部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ケースの内部に納められたモータの回転軸に、回転運動を往復運動に変換する変換機が取り付けられており、この変換機の出力部に首振り具が設けられており且つこの首振り具が前記ケースの先端部となるように前記ケースに首振り自在に設けられていることを特徴とする、首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項２】
前記首振り具が前記ケースに首振り自在に軸止されている、請求項１に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項３】
前記ケースに前記首振り具が複数個設けられている、請求項２に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項４】
前記変換機が、モータの回転軸に取り付けられた回転円板の偏心軸にその一端部が係止された往復杆であり、この往復杆の他端部が前記出力部である、請求項１に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項５】
前記首振り具に柔軟な素材から成るカバーが掛けられている、請求項１に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項６】
このマッサージ器にバイブレータが設けられている、請求項１に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項１】
ケースの内部に納められたモータの回転軸に、回転運動を往復運動に変換する変換機が取り付けられており、この変換機の出力部に首振り具が設けられており且つこの首振り具が前記ケースの先端部となるように前記ケースに首振り自在に設けられていることを特徴とする、首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項２】
前記首振り具が前記ケースに首振り自在に軸止されている、請求項１に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項３】
前記ケースに前記首振り具が複数個設けられている、請求項２に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項４】
前記変換機が、モータの回転軸に取り付けられた回転円板の偏心軸にその一端部が係止された往復杆であり、この往復杆の他端部が前記出力部である、請求項１に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項５】
前記首振り具に柔軟な素材から成るカバーが掛けられている、請求項１に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【請求項６】
このマッサージ器にバイブレータが設けられている、請求項１に記載の首振り具を備えたマッサージ器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図２】
【図３】
【図４】
【公開番号】特開２００６−２３９３６０（Ｐ２００６−２３９３６０Ａ）
【公開日】平成１８年９月１４日（２００６．９．１４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−９９６７０（Ｐ２００５−９９６７０）
【出願日】平成１７年３月２日（２００５．３．２）
【出願人】（５０４４１８３８３）有限会社メルシー (7)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年９月１４日（２００６．９．１４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年３月２日（２００５．３．２）
【出願人】（５０４４１８３８３）有限会社メルシー (7)
【Ｆターム（参考）】
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