説明

首振り式剃刀

【解決手段】ホルダの頭部の支持部6と剃刀ヘッド7の被支持部10との間に弾性板12のみを介在させ、支持部6の環状部6aの内周部で弾性板12の環状部12aの外周部を支持するとともに、弾性板12の環状部12aの内周部に剃刀ヘッド7の被支持部10を挿着している。
【効果】剃刀ヘッド7を中立位置Pに対し弾性板12の弾性に抗して移動可能に支持する簡単な支持構造により、使用時に剃刀ヘッド7を中立位置Pに対し弾性板12の弾性に抗して三次元方向の移動位置に移動させ得るばかりではなく、剃刀ヘッド7の使用時にクッション機能を果たし、首振り式剃刀の使い勝手を良くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刃体を組み付けた剃刀ヘッドがホルダの頭部に対し弾性に抗して首振りし得る首振り式剃刀に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1で開示された安全かみそりでは、刃体を有する替刃ユニットが、ジョイントの両ジャーナル軸受間で支持され、中立位置に対しその両ジャーナル軸受を中心に弾性に抗して揺動するばかりでなく、柄に対し枢動軸により支持されたジョイントが、中立位置に対しその枢動軸を中心に弾性に抗して替刃ユニットとともに揺動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−22388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、両ジャーナル軸受を中心とする揺動方向や枢動軸を中心とする揺動方向毎に揺動支持構造を必要とし、その揺動支持構造が複雑になっていた。
この発明は、首振り式剃刀において、刃体を組み付けた剃刀ヘッドをホルダの頭部に対する中立位置に対し弾性に抗して移動し得る支持構造を簡単にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
後記実施形態(図1〜2に示す第1実施形態、図3〜4に示す第2実施形態、図5(a)に示す第3実施形態、図5(b)に示す第4実施形態、図5(c)に示す第5実施形態、図5(d)に示す第6実施形態、図6(a)に示す第7実施形態、図6(b)に示す第8実施形態図、図6(c)に示す第9実施形態、図7〜14に示す第10実施形態及びその別例)の図面の符号を援用して本発明を説明する。
【0006】
請求項1の発明にかかる首振り式剃刀(第1〜10実施形態に対応)においては、ホルダ(1)の頭部(3)に設けた支持部(6)と、刃体(9)を組み付けた剃刀ヘッド(7)に設けた被支持部(10)との間に弾性部(12)を介在させ、この剃刀ヘッド(7)はその弾性部(12)により付勢されて静止する中立位置(P)に対しその弾性部(12)の付勢力に抗して移動した移動位置を取り得る。請求項1の発明では、剃刀ヘッド(7)を弾性部(12)により支持することができるので、剃刀ヘッド(7)を中立位置(P)に対し弾性に抗して移動可能に支持する支持構造を簡単にすることができる。
【0007】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)は前記頭部(3)の支持部(6)に支持された外周部を有している。請求項2の発明では、弾性部(12)の外周部が頭部(3)の支持部(6)に支持されているので、弾性部(12)においてその外周部よりも内側を撓ませることができる。
【0008】
請求項2の発明を前提とする請求項3の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)はその外周部よりも内側で剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)を支持している。請求項3の発明では、弾性部(12)において撓み易くした外周部の内側で被支持部(10)を支持したので、剃刀ヘッド(7)を弾性に抗して移動させ易くするとともに中立位置(P)に復帰させ易い。
【0009】
請求項3の発明を前提とする請求項4の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記弾性部は弾性板(12)である。請求項4の発明では、弾性部を板状にしたので、弾性板(12)においてその外周部の内側を撓ませ易い。
【0010】
請求項4の発明を前提とする請求項5の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)はその弾性板(12)の厚み方向の両側のうち少なくとも一方側に支持されている。請求項5の発明では、剃刀ヘッド(7)を弾性板(12)の厚み方向へ弾性に抗して移動させ易くするとともに中立位置(P)に復帰させ易い。
【0011】
請求項1から請求項5の発明のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項6の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記頭部(3)の支持部(6)は環状に配設された環状部(6a)を有し、前記弾性部(12)はその支持部(6)の環状部(6a)の内周と前記剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)の外周との間の支持孔(11)でその内周及び外周に沿って環状に配設された環状部(12a)を有している。ちなみに、頭部(3)の支持部(6)の環状部(6a)については、第16の発明のように環状に連続させること以外に、複数の支持部(6a)を環状に配設させてもよい。また、弾性部(12)の環状部(12a)については、第17の発明のように環状に連続させること以外に、複数の弾性部(12)を環状に配設させてもよい。請求項6の発明では、その支持孔(11)で弾性部(12)の環状部(12a)を撓ませることができる。
【0012】
請求項1から請求項6の発明のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項7の発明(第10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)は変形のし難さを指す難変形度の異なる複数の撓み許容部(43,44,45)を有している。請求項7の発明では、剃刀ヘッド(7)の首振り方向に応じて弾性部(12)の難変形度を変えて剃り味を変更することができる。
【0013】
請求項7の発明を前提とする請求項8の発明(第10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)の各撓み許容部(43,44,45)は互いに隣接して並設されている。請求項8の発明では、難変形度の異なる複数の撓み許容部(43,44,45)を有する弾性部(12)を容易に設けることができる。
【0014】
請求項8の発明を前提とする請求項9の発明(第10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)の各撓み許容部(43,44,45)は剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)の外周で環状に並設されている。請求項9の発明では、難変形度の異なる複数の撓み許容部(43,44,45)を有する弾性部(12)を容易に設けることができる。
【0015】
請求項9の発明を前提とする請求項10の発明(第10実施形態に対応)にかかる弾性部(12)において、相対向する撓み許容部(43,44,45)は同じ難変形度を有している。請求項10の発明では、剃刀ヘッド(7)の同じ首振り方向で弾性部(12)の難変形度を同じにして良好な剃り味を得ることができる。
【0016】
請求項1から請求項10の発明のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項11の発明(第10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)は剃刀ヘッド(7)の中立位置(P)から移動位置への移動に従って変形する撓み許容部(19)を有し、その撓み許容部(19)の移動位置の難変形度はその撓み許容部(19)の中立位置(P)の難変形度より高くなっている。請求項11の発明では、首振りの始めに剃り味を柔らかくするとともに、首振りの終わりに剃刀ヘッド(7)を安定させて、剃り味を向上させることができる。
【0017】
請求項1から請求項11の発明のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項12の発明(第10実施形態に対応)にかかるホルダ(1)において、頭部(3)は把持部(2)と連続して設けられ、この把持部(2)は頭部(3)の弾性部(12)と一体成形されて露出する指当部(5)を有している。請求項12の発明では、弾性部(12)と指当部(5)とを有するホルダ(1)を容易に成形することができる。
【0018】
請求項1から請求項12の発明のうちいずれか一つの請求項の発明を前提とする請求項13の発明(第10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)は20以上60以下の範囲のショアA硬度を有している。請求項13の発明では、弾性部(12)を適度な難変形度にして使用時の剃り味を向上させることができる。
【0019】
請求項6の発明を前提とする請求項14の発明(第10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)は、剃刀ヘッド(7)の中立位置(P)で、支持部(6)の環状部(6a)と剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)との間の支持孔(11)内に配置されている。請求項14の発明では、使用時に弾性部(12)を不用意に触れて剃刀ヘッド(7)の首振りを邪魔したりすることがなく、剃刀の使い勝手を良くすることができる。
【0020】
請求項14の発明を前提とする請求項15の発明(第10実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)は、刃体(9)を組み付けた刃体組付部(8)から延びる第一の連結部(16)と、前記弾性部(12)を前記頭部(3)の支持部(6)との間で介在させた第二の連結部(13)と、それらの連結部(13,16)を互いに支持する結合部(37,39,40,41,42)とを有し、この第二の連結部(13)において刃体組付部(8)側に対し弾性部(12)を挟む反対側の端部は、剃刀ヘッド(7)の中立位置(P)で、前記支持孔(11)内に配置されている。請求項15の発明では、使用時に剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)の第二の連結部(13)を不用意に触れて剃刀ヘッド(7)の首振りを邪魔したりすることがなく、剃刀の使い勝手を良くすることができる。
【0021】
次に、請求項以外の技術的思想について実施形態の図面の符号を援用して説明する。
請求項6の発明を前提とする第16の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記頭部(3)の支持部(6)の環状部(6a)は環状に連続している。第16の発明では、支持部(6)の連続した環状部(6a)に弾性部(12)の環状部(12a)を支持して、支持孔(11)で弾性部(12)の環状部(12a)を撓ませることができる。
【0022】
請求項6の発明または第16の発明を前提とする第17の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)の環状部(12a)は環状に連続している。第17の発明では、弾性部(12)の連続した環状部(12a)を支持部(6)の環状部(6a)に支持して、支持孔(11)で弾性部(12)の環状部(12a)を撓ませることができる。
【0023】
請求項1から請求項6の発明のうちいずれか一つの請求項の発明、または第16の発明または第17の発明を前提とする第18の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド(7)は複数の移動位置を取り得る。第18の発明では、簡単な支持構造で、剃刀ヘッド(7)を中立位置(P)に対し弾性に抗して複数の移動位置に移動させることができる。
【0024】
請求項6の発明または第16の発明または第17の発明を前提とする第19の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)は前記弾性部(12)の環状部(12a)の内周で延びる延設部(14)を有し、この弾性部(12)はこの延設部(14)の延設方向に沿う軸線(13a)の方向、またはその軸線(13a)に交差する方向(X,Y,Zなど)へ移動して撓み得る。第19の発明では、剃刀ヘッド(7)を中立位置(P)に対し弾性に抗して三次元方向の移動位置に移動させることができる。
【0025】
第19の発明を前提とする第20の発明(第1〜10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)は撓み許容部(19)を有している。例えば、この撓み許容部(19)は、前記延設部(14)の軸線(13a)の外周で環状に連続して延びる突条部(20)と、その突条部(20)の内側で環状に連続して延びる溝部(21)とを有している。第20の発明では、弾性部(12)の環状部(12a)を撓み許容部(19)により撓み易くすることができる。
【0026】
請求項1から請求項6の発明のうちいずれか一つの請求項の発明、または第16〜20の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第21の発明(第7実施形態に対応)において、前記弾性部(12)は、前記頭部(3)の支持部(6)と剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)とに対し互いに分離して別々に設けられてその支持部(6)及び被支持部(10)に対し連結されている。第21の発明では、弾性部(12)と頭部(3)の支持部(6)と剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)とを成形し易い。
【0027】
請求項1から請求項6の発明のうちいずれか一つの請求項の発明、または第16〜21の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第22の発明(第1〜10実施形態に対応)にかかる剃刀ヘッド(7)において、被支持部(10)は、刃体(9)を組み付けた刃体組付部(8)から延びる連結部(16,23)と、前記弾性部(12)を前記頭部(3)の支持部(6)との間で介在させた連結部(13)とを有し、それらの連結部(13,16,23)を互いに支持する結合部(14a,18a、16a、22b,23,24,25,26、31,34、35、37,39,40,41,42)を有している。第22の発明では、剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)を成形し易い。
【0028】
第22の発明を前提とする第23の発明(第1〜6,10実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)における両連結部(13,16,23)は、結合部(14a,18a、16a、22b,23,24,25,26,37,39,40,41,42)で互いに着脱不能に支持されている。第23の発明では、剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)を成形し易い。
【0029】
第23の発明を前提とする第24の発明(第7〜9実施形態及び10実施形態の別例に対応)において、前記剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)における両連結部(13,16)は、結合部(31,34、35、37,39,40,41,42)で着脱可能に支持されている。第24の発明では、剃刀ヘッド(7)において刃体(9)を組み付けた組付部(8)を交換することができる。
【0030】
第24の発明を前提とする第25の発明(第7実施形態及び10実施形態の別例に対応)にかかる結合部において、両連結部(13,16)のうち一方の連結部(16)に設けた係止凹部(31a,41)と他方の連結部(13)に設けた係止凸部(34a,40a)とが互いに着脱される。第25の発明では、結合部の両連結部(13,16)を係止凹部(31a,41)と係止凸部(34a,40a)とにより着脱することができる。
【0031】
第24の発明または第25の発明を前提とする第26の発明(第8,9実施形態に対応)にかかる結合部(35)において、両連結部(13,16)のうち一方の連結部(13)と他方の連結部(16)とが磁力により互いに取着される。第26の発明では、両連結部(13,16)を結合部(35)で磁力により互いに取着したりその磁力に抗して互いに離脱させたりすることができる。
【0032】
第24の発明または第25の発明を前提とする第27の発明(第7,9実施形態及び10実施形態の別例に対応)にかかる結合部(31,34,35、37,39,40,41,42)において、両連結部(13,16)のうち一方の連結部(13)と他方の連結部(16)とを互いに着脱させる操作部(32,15)を設けている。第27の発明では、結合部(31,34,35、37,39,40,41)で両連結部(13,16)を操作部(32,15)により着脱させることができる。
【0033】
請求項1から請求項6の発明のうちいずれか一つの請求項の発明、または第16〜27の発明のうちいずれか一つの発明を前提とする第28の発明(第1〜6,8,9実施形態、第10実施形態及びその別例に対応)において、前記弾性部(12)は、前記頭部(3)の支持部(6)と剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)とをインサートした金型内のキャビティに材料を供給して成形されている。第28の発明では、弾性部(12)を頭部(3)の支持部(6)及び剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)に対し一体的に取着することができる。
【0034】
請求項9の発明を前提とする第29の発明(第10実施形態に対応)において、前記弾性部(12)の各撓み許容部は、剃刀ヘッド(7)における刃体(9)の刃先(9a)の延設方向に沿う左右方向(Y)で相対向する左右両側の撓み許容部(43)と、その刃先(9)の延設方向(Y)に対し交差する上下方向(Z)で相対向する上下両側の撓み許容部(44)と、この左右両側の撓み許容部(43)と上下両側の撓み許容部(44)との間の四隅部において対角方向で相対向する四隅部の撓み許容部(45)とを有し、この四隅部の撓み許容部(45)の難変形度は、この左右両側の撓み許容部(43)の難変形度や、この上下両側の撓み許容部(44)の難変形度よりも高くなっている。第29の発明では、剃刀ヘッド(7)が左右方向(Y)と上下方向(Z)とで首振りし易くして首振り動作を安定させることができる。
【0035】
第29の発明を前提とする第30の発明(第10実施形態に対応)において、前記左右両側の撓み許容部(43)は同じ難変形度を有し、上下両側の撓み許容部(44)は同じ難変形度を有し、四隅部の撓み許容部(45)は同じ難変形度を有している。第30の発明では、剃刀ヘッド(7)の同じ首振り方向で弾性部(12)の難変形度を同じにして良好な剃り味を得ることができる。
【0036】
請求項11の発明を前提とする第31の発明(第10実施形態に対応)において、前記撓み許容部(19)の難変形度は、剃刀ヘッド(7)が中立位置(P)から移動位置に移動するに従い高くなる。第31の発明では、首振りの始めに剃り味を柔らかくするとともに、首振りの終わりに剃刀ヘッド(7)を安定させて、剃り味を向上させることができる。
【0037】
請求項1の発明を前提とする第32の発明(第10実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)は、刃体(9)を組み付けた刃体組付部(8)から延びる第一の連結部(16)と、前記弾性部(12)を前記頭部(3)の支持部(6)との間で介在させた第二の連結部(13)と、それらの連結部(13,16)を互いに支持する結合部(37,39,40,41,42)とを有し、この結合部(37,39,40,41,42)は、それらの連結部(13,16)が所定の位置関係にある場合にのみ、それらの連結部(13,16)を互いに支持し得る。第32の発明では、剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)において各連結部(13,16)の結合可能位置を限定して、ホルダ(1)に対する剃刀ヘッド(7)の向きを一定にすることができる。
【0038】
請求項1の発明を前提とする第33の発明(第10実施形態に対応)において、前記剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)は、刃体(9)を組み付けた刃体組付部(8)から延びる第一の連結部(16)と、前記弾性部(12)を前記頭部(3)の支持部(6)との間で介在させた第二の連結部(13)と、それらの連結部(13,16)を互いに着脱可能に支持する結合部(37,39,40,41,42)とを有し、この第一の連結部(16)は、刃体組付部(8)側に対し弾性部(12)を挟む反対側で、第二の連結部(13)から離間するように突出する操作部(16b)を有している。第33の発明では、操作部(16b)により剃刀ヘッド(7)をホルダ(1)に対し容易に着脱することができる。
【0039】
請求項12の発明を前提とする第34の発明(第10実施形態に対応)において、前記把持部(2)は頭部(3)の支持部(6)と一体成形された主体部(4)を有し、前記指当部(5)はこの主体部(4)から露出している。第34の発明では、弾性部(12)と指当部(5)と主体部(4)とを有するホルダ(1)を容易に成形することができる。
【0040】
請求項15の発明を前提とする第35の発明(第10実施形態に対応)にかかる第一の連結部(16)において刃体組付部(8)側に対し弾性部(12)を挟む反対側の端部は、剃刀ヘッド(7)の中立位置(P)で、前記支持孔(11)内に配置されている。第35の発明では、使用時に剃刀ヘッド(7)の被支持部(10)の第一の連結部(16)を不用意に触れて剃刀ヘッド(7)の首振りを邪魔したりすることがなく、剃刀の使い勝手を良くすることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明は、首振り式剃刀において、刃体(9)を組み付けた剃刀ヘッド(7)をホルダ(1)の頭部(3)に対する中立位置(P)に対し弾性に抗して移動し得る支持構造を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】(a)は第1実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す斜視図であり、(b)は同じく背面図であり、(c)は同じく正面図であり、(d)は同じく側面図である。
【図2】(a)は第1実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す図1(b)の部分拡大図であり、(b)は同じく図1(d)の部分拡大図であり、(c)は(b)の部分断面図である。
【図3】(a)は第2実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す斜視図であり、(b)は同じく背面図であり、(c)は同じく正面図であり、(d)は同じく側面図である。
【図4】(a)は第2実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す図3(b)の部分拡大図であり、(b)は同じく図3(d)の部分拡大図であり、(c)は(b)の部分断面図である。
【図5】(a)は第3実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す部分断面図であり、(b)は第4実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す部分断面図であり、(c)は第5実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す部分断面図であり、(d)は第6実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す部分断面図である。
【図6】(a)は第7実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す部分断面図であり、(b)は第8実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す部分断面図であり、(c)は第9実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す部分断面図である。
【図7】(a)は第10実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す斜視図であり、(b)は同じく背面図であり、(c)は同じく正面図であり、(d)は同じく側面図である。
【図8】(a)は第10実施形態にかかる首振り式剃刀において中立状態を示す図7(b)の部分拡大図であり、(b)は同じく図7(d)の部分拡大図であり、(c)は同じく部分平面図である。
【図9】(a)は第10実施形態にかかる首振り式剃刀において中立位置の剃刀ヘッドにキャップを取り付けた状態を示す部分側面図であり、(b)は同じく部分平面図である。
【図10】(a)は第10実施形態にかかる首振り式剃刀の中立状態において側面側を示す図8(b)の部分断面図であり、(b)は同じく平面側を示す図8(c)の部分断面図であり、(c)は第10実施形態の別例にかかる首振り式剃刀の中立状態において平面側を示す部分断面図である。
【図11】(a)は第10実施形態にかかる首振り式剃刀において上方への傾動状態を示す部分側面図であり、(b)は同じく部分背面図であり、(c)は同じく側面側を示す部分断面図である。
【図12】(a)は第10実施形態にかかる首振り式剃刀において下方への傾動状態を示す部分側面図であり、(b)は同じく部分背面図であり、(c)は同じく側面側を示す部分断面図である。
【図13】(a)は第10実施形態にかかる首振り式剃刀において前後方向への押圧状態を示す部分側面図であり、(b)は同じく部分背面図であり、(c)は同じく側面側を示す部分断面図である。
【図14】(a)は第10実施形態にかかる首振り式剃刀において左右方向への傾動状態を示す部分平面図であり、(b)は同じく部分背面図であり、(c)は同じく平面側を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
まず、本発明の第1実施形態にかかる首振り式剃刀について不使用時の中立状態を基本として図1〜2を参照して説明する。
図1に示すホルダ1は、上下方向Zへ細長く延設された把持部2と、その把持部2の上端部に設けられた頭部3とを有している。把持部2は、硬質樹脂により成形された主体部4と、軟質樹脂により成形されてその主体部4の外側に露出する指当部5とを有している。頭部3は、硬質樹脂により把持部2の主体部4とともに主体部4と同一材で一体成形された支持部6を有している。なお、把持部2の主体部4や頭部3の支持部6を硬質樹脂以外の硬質材により形成し、指当部5を軟質樹脂以外の軟質材により形成してもよい。
【0044】
支持部6には円環状に連続する環状部6aが形成されている。図1及び図2(a)(b)に示す剃刀ヘッド7は、刃体9を組み付けた刃体組付部8と、その刃体組付部8から頭部3の支持部6に向けて延びる円柱状の被支持部10とを有している。図2(c)に示すように、支持部6の環状部6aの内周と、剃刀ヘッド7の被支持部10の外周との間の支持孔11には、弾性板12(弾性部)が介在されている。支持部6の環状部6aの外周は上下方向Zで剃刀ヘッド7の刃体組付部8よりも上方へ突出している。
【0045】
被支持部10は、筒部14(延設部)と底部15とを有する連結部13と、刃体組付部8の刃台8aから突出する一対の腕部17,18を有する連結部16とからなる。一対の腕部17,18は、筒部14の内側で、筒部14の延設方向に沿う軸線13aを中心に回動しない状態でその軸線13aの方向のみに案内されながら挿着されている。一方の腕部17は、底部15の内側に当接されて、連結部16の前後方向Xへの移動を規制している。他方の腕部18の先端部には係止鉤部18a(結合部)が形成されている。筒部14には係止孔14a(結合部)が形成されている。係止鉤部18aは、係止孔14aに係入されて、連結部13からの連結部16の不用意な離脱を阻止している。そのため、両連結部13,16は互いに着脱不能になる。連結部13の筒部14及び底部15や、連結部16の両腕部17,18も、硬質樹脂により成形されている。
【0046】
弾性板12は、頭部3の支持部6と剃刀ヘッド7における被支持部10の連結部13とをインサートした金型内のキャビティにゴム材またはゴム材以外の軟質材を供給して成形され、支持孔11で支持部6の環状部6aの内周と連結部13の筒部14の外周とに沿って円環状に連続する環状部12aを有している。このような弾性板12の成形後に、前述したように刃体組付部8が被支持部10に挿着される。環状部12aの外周部は支持部6の環状部6aの内周部に面接触されて成形時の熱や圧力により取着されている。被支持部10は、環状部12aに対しその厚み方向(前後方向X)の両側へ貫通されて支持されている。環状部12aの内周部は被支持部10の筒部14の外周部に面接触されて成形時の熱や圧力により取着されている。環状部12aには撓み許容部19が形成されている。撓み許容部19は、筒部14の延設方向に沿う軸線13aの外周で環状に連続して延びる突条部20と、その突条部20の内側で環状に連続して延びる溝部21とを有している。突条部20を刃体組付部8から離れる向きへ軸線13aに沿って突出させているが、逆に刃体組付部8に接近する向きへ軸線13aに沿って突出させてもよい。環状部12aを含む弾性板12は、略均一の厚み(0.1〜3mm)を有している。弾性板12の環状部12aにおいて撓み許容部19の厚みを撓み許容部19以外の部分の厚みよりも小さくして、撓み易くしてもよい。撓み許容部19において突条部20の突出寸法は0.3〜5mmになっている。
【0047】
剃刀ヘッド7は弾性板12により図2(b)(c)に示す中立位置Pで保持される。使用時にその中立位置Pで剃刀ヘッド7の刃体組付部8などに力が与えられると、弾性板12は、複数の移動位置、例えば、被支持部10の筒部14の軸線13aの方向、または、その軸線13aに交差する方向、すなわち、左右方向Yに沿う軸線を中心に回動する方向、上下方向Zに沿う軸線を中心に回動する方向、前後方向Xや左右方向Yや上下方向Zやそれらを組み合わせた斜め方向へ移動して撓み得る。従って、剃刀ヘッド7を中立位置Pに対し弾性に抗して三次元方向の移動位置に移動させることができる。
【0048】
図3〜4に示す第2実施形態においては、図3(a)(b)(c)(d)が第1実施形態の図1(a)(b)(c)(d)に対応するとともに、図4(a)(b)(c)が第1実施形態の図2(a)(b)(c)に対応し、特に下記の点で第1実施形態と異なる。
【0049】
・ 剃刀ヘッド7の被支持部10において、第1実施形態の連結部16(一対の腕部17,18)を変更している。連結部16は、連結部13の筒部14の内側で、筒部14の延設方向に沿う軸線13aを中心に回動しない状態でその軸線13aの方向のみに案内されながら挿入されて底部15の内側に対し超音波振動で発生する内部摩擦熱により熱溶着されている。そのため、その熱溶着部16a(結合部)により、両連結部13,16は互いに着脱不能になる。
【0050】
・ 弾性板12において、環状部12aの外周部が支持部6の環状部6aにくい込んで成形されているとともに、環状部12aの内周部が連結部13の筒部14の外周にくい込んで成形されている。
【0051】
・ 剃刀ヘッド7の被支持部10において、連結部13の筒部14と底部15とが別々に形成されて互いに嵌着されているとともに、底部15が筒部14よりも大径に形成され、底部15の外周部が筒部14から突出して弾性板12の環状部12aに面している。
【0052】
図5(a)に示す第3実施形態、図5(b)に示す第4実施形態、図5(c)に示す第5実施形態及び図5(d)に示す第6実施形態は、それぞれ、第1実施形態の図2(c)に対応し、特に下記の点で第1実施形態と異なる。
【0053】
第3〜6実施形態において、剃刀ヘッド7は互いに分離された刃体組付部8と被支持部10とからなる。刃体組付部8の刃台22において上枠部22aと下枠部22bとの間には連結部としての帯板部23がアーチ状に架設されている。被支持部10は、筒状をなし、両端面側で開放されている。被支持部10の両端面側の外周縁部には切欠き24(結合部)が形成されているとともに、切欠き24の下方でその外周縁部の左右両側には上下一対の突起25,26が形成されている。被支持部10の一端面側において、刃台22の帯板部23が切欠き24に係入されているとともに、刃台22の下枠部22b(結合部)が上下両突起25,26(結合部)間に係入され、刃台22の下枠部22bが被支持部10に対し超音波振動で発生する内部摩擦熱により熱溶着されている。そのため、被支持部10と刃台22とは互いに着脱不能になる。被支持部10の他端面側で同様にして被支持部10と刃台22とを互いに着脱不能に熱溶着してもよい。その場合には、突条部20が刃体組付部8に接近する向きへ突出する。
【0054】
第3〜5実施形態においては、支持部6の環状部6aの内周部に形成された切欠き27に弾性板12の環状部12aの外周部がくい込んで成形されているとともに、被支持部10の外周部に形成された切欠き28に環状部12aの内周部がくい込んで成形されている。第3〜4実施形態の弾性板12の外周部及び内周部においては、くい込み部29以外にそのくい込み部29から延びて面接触された延設部30が形成されている。第5実施形態の弾性板12の外周部及び内周部においては、くい込み部29のみが形成されている。
【0055】
第6実施形態の弾性板12において、環状部12aの外周部は支持部6の環状部6aの内周部に面接触されて取着されているとともに、環状部12aの内周部は被支持部10の外周部に面接触されて取着されている。第3〜5実施形態の弾性板12は被支持部10の軸線10aを中心とする点対称に形成されているが、第6実施形態の弾性板12は、環状部12aの外周部を含む面や環状部12aの内周部を含む面が被支持部10の軸線10aに対し斜めに交差する非対称に形成されている。
【0056】
図6(a)に示す第7実施形態、図6(b)に示す第8実施形態及び図6(c)に示す第9実施形態は、それぞれ、第1実施形態の図2(c)に対応し、特に下記の点で第1実施形態と異なる。
【0057】
第7実施形態の支持部6及び連結部13はそれぞれ二つ割りに形成され、支持部6及び連結部13と分離されて形成された弾性板12がそれらに挟持されている。連結部16に設けられた係止腕31は、結合部としての係止凹部31aを有し、連結部13に挿入されている。連結部13に設けられた操作ボタン32(操作部)と連結部16の係止腕31との間に操作ばね33が嵌め込まれている。操作ボタン32に取着された片持ち梁状の係止腕34はその自由端部に結合部としての係止凸部34aを有している。係止腕34の係止凸部34aが係止腕31の係止凹部31aに係入されて、両連結部13,16の離脱を阻止している。操作ボタン32を操作ばね33の弾性力に抗して押すと、連結部13に設けられた凹部36の斜面36aに係止腕34の係止凸部34aが当接し、係止腕34が撓んで係止凹部31aと係止凸部34aとの係止が解除され、連結部16の係止腕31が操作ボタン32の押圧力と操作ばね33の弾性力とにより連結部13から離脱する。そのため、両連結部13,16は互いに着脱可能になる。
【0058】
第8実施形態の剃刀ヘッド7の被支持部10においては、第2実施形態と同様に連結部16が連結部13の筒部14の内側に挿入されているとともに、連結部13の底部15が筒部14よりも大径に形成されている。連結部13の底部15と連結部16との相対向部において、N極の磁石35とS極の磁石35とのうち一方が連結部13側に埋設されているとともに他方が連結部16側に埋設されている。磁石35(結合部)の磁力に抗して剃刀ヘッド7の刃体組付部8を引くと、刃体組付部8は、連結部13の筒部14の内周と連結部16の外周との間で、筒部14の延設方向に沿う軸線13aを中心に回動しない状態でその軸線13aの方向のみに案内されながら軸線13aの方向のみに案内されて、両連結部13,16を分離することができる。連結部16を連結部13に挿入すると、同様に軸線13aの方向のみに案内されて、連結部16側の磁石35が連結部13側の磁石35に接近しただけでそれらの磁石35の磁力により連結部16を連結部13に吸着することができる。そのため、両連結部13,16は互いに着脱可能になる。そのほか、第8実施形態の弾性板12も第2実施形態と同様である。剃刀ヘッド7において刃体組付部8にキャップ(図示せず)が被せてある場合にはそのキャップを刃体組付部8とともに引いて、両連結部13,16を分離することができる。刃体組付部8を替刃ケース(図示せず)に挿入する際にその替刃ケースを刃体組付部8とともに引いて、両連結部13,16を分離することができる。
【0059】
第9実施形態の連結部13においては、第8実施形態と異なり、筒部14に対し底部15をスライドすることができ、底部15にはN極の磁石35とS極の磁石35とが互いに並べて埋設されている。底部15がばね(図示せず)により付勢された中立位置では、第8実施形態と同様に連結部16を連結部13に吸着することができる。例えば手指により底部15を筒部14に対しばねの弾性力に抗してスライドさせると、磁石35の反発力により両連結部13,16を分離することができる。その手指を底部15から離すと、ばねの弾性力により底部15が中立位置に戻る。そのため、両連結部13,16は互いに着脱可能になる。なお、このばねを省略して筒部14に対し底部15をそれらの摩擦抵抗に抗してスライドさせてもよい。
【0060】
なお、吸着磁力は磁石35と鉄などの磁性体との間で生じるようにしてもよい。
次に、本発明の第10実施形態及びその別例にかかる首振り式剃刀について不使用時の中立状態を基本として図7〜14を参照して説明する。
【0061】
図7に示すホルダ1は、上下方向Zへ細長く延設された把持部2と、その把持部2の上端部に設けられた頭部3とを有している。把持部2は、硬質樹脂により成形された主体部4と、軟質樹脂またはゴム材またはゴム材以外の軟質材により成形されてその主体部4の外側に露出する指当部5とを有している。頭部3は、硬質樹脂により把持部2の主体部4とともに主体部4と同一材で一体成形された支持部6を有している。
【0062】
図7,8及び図10(a)(b)に示す支持部6には上辺部と下辺部と左辺部と右辺部とにより略四角形の環状に連続する環状部6aが形成されている。上辺部と下辺部と左辺部と右辺部とはそれぞれ外側へ緩やかな曲線により膨らみ、上辺部と左辺部との間の隅部や、上辺部と右辺部との間の隅部や、下辺部と左辺部との間の隅部や、下辺部と右辺部との間の隅部も、外側へ緩やかな曲線により膨らんで、上辺部と下辺部と左辺部と右辺部とに滑らかに連続している。ちなみに、上辺部及び下辺部の内側で左辺部と右辺部との間の左右方向Yの間隔のうち最大の間隔は約27.5mmに設定され、左辺部及び右辺部の内側で上辺部と下辺部との間の上下方向Zの間隔のうち最大の間隔は約21.0mmに設定されている。
【0063】
図7,8に示す剃刀ヘッド7は、刃体9を組み付けた刃体組付部8と、その刃体組付部8から頭部3の支持部6に向けて延びる被支持部10とを有している。図10(a)(b)に示すように、支持部6の環状部6aの内周と、剃刀ヘッド7の被支持部10の外周との間の支持孔11には、弾性板12(弾性部)が介在されている。支持部6の環状部6aの外周上端は上下方向Zで剃刀ヘッド7の刃体組付部8よりも上方へ突出している。
【0064】
剃刀ヘッド7の被支持部10は、筒部14(延設部)と底部15(端部)とを有する連結部13と、刃体組付部8の刃台8aから突出する連結部16とからなる。連結部13の筒部14は上壁部と下壁部と左壁部と右壁部とにより四角筒状をなす。連結部16も上壁部と下壁部と左壁部と右壁部と底部(端部)とにより有底四角筒状をなす。この連結部13内には前側の刃体組付部8側で開口された連結孔37が形成されて底部15で窓口15aにより開放されている。この連結孔37において、筒部14の上壁部の内側には窓口15a側から刃体組付部8側へ向けて前後方向Xに延びる左右両案内突条38が形成されているとともに、この左右両案内突条38間に位置決め溝39が形成され、また、底部15には窓口15a側から刃体組付部8側へ向けて前後方向Xに延びる片持ち梁状の左右両係止腕部40が形成されている。この連結部16の左右両壁部には係止孔41(係止凹部、結合部)が形成されているとともに、この連結部16の上壁部の外側には前後方向Xに延びる位置決め突条42が形成されている。ちなみに、連結部13の筒部14の上壁部及び下壁部の外側でその左右方向Yの長さは約17.0mmに設定され、連結部13の筒部14の左壁部及び右壁部の外側でその上下方向Zの長さは約10.5mmに設定されている。
【0065】
この連結部16は前記連結部13の連結孔37に挿入される。その挿入状態で、連結部16の位置決め突条42(結合部)は連結部13の位置決め溝39(結合部)に挿入され、連結部16は筒部14の延設方向に沿う軸線13aを中心に回動しない状態でその軸線13aの方向のみに案内されながら連結部13の連結孔37(結合部)に挿着される。連結部16の底部は、連結部13の底部15に当接されて前後方向Xへの移動が規制されるとともに、その底部15の窓口15aで露出してその底部15と略面一になっている。連結部13の左右両係止腕部40(結合部)はそれらの係止鉤部40a(係止凸部)で連結部16の左右両係止孔41に係入され、連結部13からの連結部16の不用意な離脱が阻止されている。そのため、両連結部13,16は互いに着脱不能になる。連結部13の筒部14及び底部15や、連結部13の左右両係止腕部40も、硬質樹脂により成形されている。
【0066】
弾性板12は、頭部3の支持部6と剃刀ヘッド7における被支持部10の連結部13とをインサートした金型内のキャビティに指当部5と同じ材料(軟質樹脂またはゴム材またはゴム材以外の軟質材)を供給して成形され、支持孔11で支持部6の環状部6aの内周と連結部13の筒部14の外周とに沿って環状に連続する環状部12aを有している。ホルダ1において頭部3と連続して設けられた把持部2は、頭部3の支持部6と一体成形された主体部4と、頭部3の弾性板12と一体成形されて主体部4から露出する指当部5とを有している。指当部5には滑り止め機能を持たせたり感触を良くしたりするための各種形状の凹凸が形成されている。例えば、この弾性板12及び指当部5はスチレン系熱可塑性エラストマからなり、物性として、20以上60以下の範囲のショアA硬度を有している。図7(b)に示すように、ホルダ1において、弾性板12と一体成形されて主体部4の外側に露出する指当部5は、頭部3に隣接する把持部2の背側で左右非対称に露出しているため、その把持部2の背側は左右両側で互いに異なる構成になっている。すなわち、溝部4bを有する左右両主体部4のうち、溝部4bが分断されている主体部4間に露出している指当部5aはエラストマで成形されているため、その分断部分に指が触れると、その指当部5aに指の腹が面接触して滑り止めとなり、また、溝部4bが連続している主体部4は滑り易い。ホルダ1において主体部4の上下両側には吊下用フックに対する引掛孔として利用することができる貫通孔4aが形成されている。上側の貫通孔4aには軟質樹脂の指当部5の一部が露出している。
【0067】
このような弾性板12の成形後に、前述したように刃体組付部8が被支持部10に挿着される。環状部12aの外周部は支持部6の環状部6aの内周部に面接触されて成形時の熱や圧力により取着されている。被支持部10は、環状部12aに対しその厚み方向(前後方向X)の両側へ貫通されて支持されている。環状部12aの内周部は被支持部10の筒部14の外周部に面接触されて成形時の熱や圧力により取着されている。環状部12aには撓み許容部19が形成されている。撓み許容部19は、筒部14の延設方向に沿う軸線13aの外周で環状に連続して延びる突条部20と、その突条部20の内側で環状に連続して延びる溝部21とを有している。弾性板12は、支持部6の環状部6aと剃刀ヘッド7の被支持部10との間の支持孔11において、環状部6aの前後両内周縁部で区画された内側領域S内に配置されている。剃刀ヘッド7の被支持部10において連結部13の底部15及び連結部16の底部は、刃体組付部8側に対し弾性板12を挟む反対側で、支持孔11の内側領域S内に配置されている。
【0068】
突条部20を刃体組付部8から離れる向きへ軸線13aに沿って突出させているが、逆に刃体組付部8に接近する向きへ軸線13aに沿って突出させてもよい。環状部12aを含む弾性板12は、略均一の厚み(0.1〜3mm)を有している。弾性板12の環状部12aにおいて撓み許容部19の厚みを撓み許容部19以外の部分の厚みよりも小さくして、撓み易くしてもよい。撓み許容部19において突条部20の突出寸法は0.3〜5mmになっている。
【0069】
弾性板12の撓み許容部19は、剃刀ヘッド7における刃体9の刃先9aの延設方向に沿う左右方向Yで相対向する左右両側の撓み許容部43と、その刃先9aの延設方向に対し交差する上下方向Zで相対向する上下両側の撓み許容部44と、この左右両側の撓み許容部43と上下両側の撓み許容部44との間の四隅部において対角方向で相対向する四隅部の撓み許容部45とを有している。支持孔11において、支持部6の環状部6aの内周形状と被支持部10の連結部13の外周形状とは略相似形状となっており、支持部6の上辺部と連結部13の上壁部との間の間隔と、支持部6の下辺部と連結部13の下壁部との間の間隔と、支持部6の左辺部と連結部13の左壁部との間の間隔と、支持部6の右辺部と連結部13の右壁部との間の間隔とは、互いに略等しく設定され、各撓み許容部43,44,45の突条部20及び溝部21はそれらの間隔の略中央位置でそれらの辺部及び壁部に沿って互いに隣接して配設されている。ちなみに、支持部6と被支持部10との間で弾性板12の左右方向Y及び上下方向Zの幅は約5.0mmに設定されている。
【0070】
弾性板12の各撓み許容部43,44,45の変形のし難さを指す難変形度(弾性度)については互いに異なる。例えば、四隅部の撓み許容部45は、左右両側の撓み許容部43や上下両側の撓み許容部44よりも短く、しかも、それらの撓み許容部43,44の四隅部で支点部として湾曲しているため、四隅部の撓み許容部45の難変形度は、左右両側の撓み許容部43の難変形度や上下両側の撓み許容部44の難変形度よりも高く変形しにくくなっている。また、左右両側の撓み許容部43は互いに同じ長さを有しているために互いに同じ難変形度を有しているとともに、上下両側の撓み許容部44は互いに同じ長さを有しているために互いに同じ難変形度を有している。
【0071】
次に、使用時の首振り動作について説明する。
剃刀ヘッド7は弾性板12により図8(a)(b)(c)及び図10(a)に示す中立位置Pで保持される。その中立位置Pでは、図7(d)に示すように、剃刀ヘッド7における皮膚接触面がホルダ1の延設方向に対しなす角度θが約10度に設定され、また、剃刀ヘッド7の被支持部10において連結部13の底部15及び連結部16の底部は、刃体組付部8側に対し弾性板12を挟む反対側で、支持孔11の内側領域S内に配置されている。使用時にその中立位置Pで剃刀ヘッド7の刃体組付部8などに力が与えられると、剃刀ヘッド7において刃体組付部8と被支持部10とは一体となって移動して弾性板12を押圧する。弾性板12は、複数の移動位置、例えば、被支持部10の筒部14の軸線13aの方向、または、その軸線13aに交差する方向、すなわち、左右方向Yに沿う軸線を中心に回動する方向、上下方向Zに沿う軸線を中心に回動する方向、前後方向Xや左右方向Yや上下方向Zやそれらを組み合わせた斜め方向へ移動して撓み得る。従って、剃刀ヘッド7を中立位置Pに対し弾性に抗して三次元方向の移動位置に移動させることができる。
【0072】
例えば、図11に示すように剃刀ヘッド7が上方へ傾動する場合や、図12に示すように剃刀ヘッド7が下方へ傾動する場合には、主に、上下両側の撓み許容部44が共に変形する。また、例えば、図13に示すように剃刀ヘッド7が後方へ押された場合には、主に、上下両側の撓み許容部44及び左右両側の撓み許容部43が共に変形する。また、例えば、図14に示すように剃刀ヘッド7が右方へ傾動する場合や、図示しないが剃刀ヘッド7が左方へ傾動する場合には、主に、左右両側の撓み許容部43が共に変形する。それらの場合に、四隅部の撓み許容部45は上下両側の撓み許容部44及び左右両側の撓み許容部43より変形しにくい。しかも、それらの撓み許容部43,44,45の形態は変形が進むにつれて変形しにくい形態に変化するため、それらの撓み許容部43,44,45の複数の移動位置の難変形度は、それらの撓み許容部43,44,45の中立位置Pの難変形度より高くなり、例えば、それらの撓み許容部43,44,45の難変形度は剃刀ヘッド7が中立位置Pから複数の移動位置に移動するに従い高くなる。ちなみに、剃刀ヘッド7は、中立位置Pから上方へ約30度(ホルダ1の延設方向に対し約40度)で傾動し、中立位置Pから下方へ最大約30度で傾動し、中立位置Pから左右方向へ約25度で傾動し、中立位置Pから後方へ0.1〜5.0mm、好ましくは0.1〜2.0mm押されて移動する。
【0073】
なお、被支持部10や弾性板12を頭部3の背側から指で押さえて使用すると、使用者の意図に合わせて剃刀ヘッド7の首振りを抑制することができる。
図9に示すように、剃刀ヘッド7にその下方からキャップ46を被せた場合にも、キャップ46と頭部3の支持部6との間の隙間の範囲でのみ剃刀ヘッド7が移動し得る。キャップ46を被せた剃刀ヘッド7の移動範囲は、キャップ46を被せない剃刀ヘッド7の移動範囲より小さい。図示しないが、剃刀ヘッド7にその上方からキャップ46を被せることもできる。
【0074】
図10(c)に示す第10実施形態の別例では、図10(a)の二点鎖線で示すように、連結部13の底部15の窓口15aで露出する連結部16の底部が操作部16bとして連結部13の底部15から離間するように突出している。連結部13の左右両係止腕部40の係止鉤部40aの形態を第10実施形態と比較して変更したため、その操作部16bを押せば、係止鉤部40aが係止孔41に対し係脱してそれらの連結部13,16を互いに着脱することができる。係止孔41に対する係止鉤部40aの係脱抵抗については、弾性板12を損傷しない適度なものに設定することが好ましい。なお、第10実施形態の別例においても第8実施形態や第9実施形態のように各連結部13,16の着脱係止構造として磁石を利用してもよい。
【0075】
本実施形態は下記の効果を有する。
(1) ホルダ1の頭部3の支持部6と剃刀ヘッド7の被支持部10との間に介在させた弾性板12のみにより剃刀ヘッド7を支持するので、剃刀ヘッド7を中立位置Pに対し弾性板12の弾性に抗して移動可能に支持する支持構造を簡単にすることができる。
【0076】
(2) 支持部6の環状部6aの内周部で弾性板12の環状部12aの外周部を支持するとともに、弾性板12の環状部12aの内周部に剃刀ヘッド7の被支持部10を挿着した簡単な支持構造により、使用時に剃刀ヘッド7を中立位置Pに対し弾性板12の弾性に抗して三次元方向の移動位置に移動させ得るばかりではなく、剃刀ヘッド7の使用時に弾性板12の環状部12aの弾性によるクッション機能を果たし、首振り式剃刀の使い勝手を良くすることができる。
【0077】
(3) 第1〜9実施形態において、弾性板12の環状部12aには円環状の突条部20及び溝部21とを有する撓み許容部19を形成したので、弾性板12の環状部12aを三次元方向へ平均的に撓み易くするばかりではなく、剃刀ヘッド7の使用時に撓み許容部19によるクッション機能をより一層果たすことができる。しかも、撓み許容部19において円環状の突条部20が筒部14の軸線13aに沿う方向へ突出しているので、環状部12aは、軸線13aに直交する方向(左右方向Yや上下方向Zなど)よりも軸線13aの方向(前後方向X)へ撓み易くなる。また、前後方向Xの軸線13aに直交する軸線(左右方向Yや上下方向Zなどの軸線)とその軸線13aとの交点を中心点として、ボールジョイントなどのユニバーサルジョイントと同様な機能を果たすため、環状部12aはより一層三次元方向へ平均的に撓み易くなる。
【0078】
(4) 第10実施形態及びその別例において、弾性板12の環状部12aには環状の突条部20及び溝部21とを有する撓み許容部19が左右両側の撓み許容部43と上下両側の撓み許容部44と四隅部の撓み許容部45とにより略四角形の環状に並設されているので、ボールジョイントなどのユニバーサルジョイントと同様な機能を果たすばかりでなく、四隅部の撓み許容部45の難変形度を左右両側の撓み許容部43の難変形度や上下両側の撓み許容部44の難変形度より高くしたり、左右両側の撓み許容部43や上下両側の撓み許容部44や四隅部の撓み許容部45でそれぞれ同じ難変形度にしたり、剃刀ヘッド7が中立位置Pから移動位置に移動するに従いそられの難変形度を高くしたりして、剃り味を容易に変更することができる。
【0079】
(5) 剃刀ヘッド7の被支持部10において刃体組付部8側の連結部16と弾性板12側の連結部13とが所定の位置関係、すなわち、連結部16の位置決め突条42を連結部13の位置決め溝39に挿入し得る場合にのみ、それらの連結部13,16を互いに支持し得るので、剃刀ヘッド7の被支持部10において各連結部13,16の結合可能位置を限定して、ホルダ1に対する剃刀ヘッド7の向きを一定にすることができる。
【0080】
(6) ホルダ1の上下両貫通孔4aのうち、上側の貫通孔4aを吊下用フックに引掛ければ、剃刀ヘッド7を上にして保持し易い。また、下側の貫通孔4aを吊下用フックに引掛ければ、剃刀ヘッド7を下にして保持し易い。上下両貫通孔4aを吊下用フックに引掛けることもできる。また、この貫通孔4a(引掛孔)に軟質樹脂の指当部5の一部を露出させれば、この指当部5が吊下用フックに接触して滑り止め機能を果たし、吊下状態が安定する。
【0081】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ 弾性部としては、ゴム材により成形した弾性板12以外に、発泡材や粘性体内包部材やコイルばねや板ばねなどを利用してもよい。
【0082】
・ 支持部6としては、円環状や四角形以外に、三角形や楕円形などの環状でもよく、また、環状以外に、一部が切り欠かれた例えばU状であってもよい。
・ 弾性部としては、弾性板12の環状部12aに複数の貫通孔を等間隔で環状に並設してもよい。
【0083】
・ 弾性部としては、支持部上で膨らむ半球状であってもよい。
・ 弾性部に該当する部分を薄肉にしてより撓み易くしてもよい。
・ 第1〜9実施形態にかかる円環状の弾性板12において、厚みに変化を持たせたり、突条部20の形状を変更したり、弾性板12に対する被支持部10を支持位置を偏心させたりして、弾性板12の周囲で変形のし難さを指す難変形度(弾性度)を変えるようにしてもよい。また、第10実施形態にかかる環状の弾性板12においても、同様にして弾性板12の周囲で変形のし難さを指す難変形度(弾性度)を変えるようにしてもよい。
【0084】
・ 頭部3の支持部6と剃刀ヘッド7の被支持部10との間に一または複数の薄板部を設けて、前後方向Xに沿う軸線13aを中心とする回動方向へ弾性板12の環状部12aが撓むことを規制してもよい。その薄板部を設けても、前後方向Xに沿う軸線13aを中心とする回動方向以外の方向へ弾性板12の環状部12aが撓むことは許容する。
【0085】
・ 弾性部としては、環状部12aの内周が内板部により互いに繋がった円形状の弾性板12であってよく、その場合にはこの内板部における前後方向Xの片側に被支持部の端部を連結することができる。
【0086】
・ 第3〜6実施形態において、刃体組付部8の帯板部23を被支持部10の切欠き24に係入する際に帯板部23を挟持する両係止腕を切欠き24に設けてもよく、その際は帯板部23が両係止腕間から抜けない。
【0087】
・ 第8実施形態において、連結部13の筒部14の外周と連結部16の内周との間で一方にN極の磁石35を設けるとともに他方にS極の磁石35を設けてもよい。
・ 第1,8,9実施形態において、連結部13の一部または全部を透明にしたり連結部13に窓孔を設けたりすれば、連結部13の外側から連結部13を通して連結部16を見ながら両連結部13,16を互いに連結することができる。
【0088】
・ ポンプ機能を持たせた弾性部により、液状やジェル状のシェービングエイドを剃刀ヘッドに供給するようにしてもよい。例えば、使用時の首振りに合わせてシェービングエイドが皮膚面や剃刀ヘッドに供給されたり、使用直前に剃刀ヘッドを手で動かして、剃刀ヘッドにシェービングエイドを供給してから剃り始めてもよい。
【0089】
・ 第10実施形態において、キャップ46に係止腕を設け、キャップ46を剃刀ヘッド7に被せた際にそのキャップ46の係止腕を頭部3の支持部6に係止して、剃刀ヘッド7の首振りを規制するようにしてもよい。
【0090】
・ 頭部3と剃刀ヘッド7との間に係脱し得る切替部材を設けて、剃刀ヘッド7を首振り可能状態と首振り不能状態とに切り替えることができるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1…ホルダ、2…把持部、3…頭部、5…指当部、6…支持部、6a…支持部の環状部、7…剃刀ヘッド、8…刃体組付部、9…刃体、10…剃刀ヘッドの被支持部、11…支持部の支持孔、12…弾性板(弾性部)、12a…弾性板の環状部、13,16…連結部、19,43,44,45…撓み許容部、P…中立位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルダの頭部に設けた支持部と、刃体を組み付けた剃刀ヘッドに設けた被支持部との間に弾性部を介在させ、この剃刀ヘッドはその弾性部により付勢されて静止する中立位置に対しその弾性部の付勢力に抗して移動した移動位置を取り得ることを特徴とする首振り式剃刀。
【請求項2】
前記弾性部は前記頭部の支持部に支持された外周部を有していることを特徴とする請求項1に記載の首振り式剃刀。
【請求項3】
前記弾性部はその外周部よりも内側で剃刀ヘッドの被支持部を支持していることを特徴とする請求項2に記載の首振り式剃刀。
【請求項4】
前記弾性部は弾性板であることを特徴とする請求項3に記載の首振り式剃刀。
【請求項5】
前記剃刀ヘッドの被支持部はその弾性板の厚み方向の両側のうち少なくとも一方側に支持されていることを特徴とする請求項4に記載の首振り式剃刀。
【請求項6】
前記頭部の支持部は環状に配設された環状部を有し、前記弾性部はその支持部の環状部の内周と前記剃刀ヘッドの被支持部の外周との間の支持孔でその内周及び外周に沿って環状に配設された環状部を有していることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一つの請求項に記載の首振り式剃刀。
【請求項7】
前記弾性部は変形のし難さを指す難変形度の異なる複数の撓み許容部を有していることを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一つの請求項に記載の首振り式剃刀。
【請求項8】
前記弾性部の各撓み許容部は互いに隣接して並設されていることを特徴とする請求項7に記載の首振り式剃刀。
【請求項9】
前記弾性部の各撓み許容部は剃刀ヘッドの被支持部の外周で環状に並設されていることを特徴とする請求項8に記載の首振り式剃刀。
【請求項10】
前記弾性部において相対向する撓み許容部は同じ難変形度を有していることを特徴とする請求項9に記載の首振り式剃刀。
【請求項11】
前記弾性部は剃刀ヘッドの中立位置から移動位置への移動に従って変形する撓み許容部を有し、その撓み許容部の移動位置の難変形度はその撓み許容部の中立位置の難変形度より高くなっていることを特徴とする請求項1から請求項10のうちいずれか一つの請求項に記載の首振り式剃刀。
【請求項12】
前記ホルダにおいて頭部は把持部と連続して設けられ、この把持部は頭部の弾性部と一体成形されて露出する指当部を有していることを特徴とする請求項1から請求項11のうちいずれか一つの請求項に記載の首振り式剃刀。
【請求項13】
前記弾性部は、20以上60以下の範囲のショアA硬度を有していることを特徴とする請求項1から請求項12のうちいずれか一つの請求項に記載の首振り式剃刀。
【請求項14】
前記弾性部は、剃刀ヘッドの中立位置で、支持部の環状部と剃刀ヘッドの被支持部との間の支持孔内に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の首振り式剃刀。
【請求項15】
前記剃刀ヘッドの被支持部は、刃体を組み付けた刃体組付部から延びる第一の連結部と、前記弾性部を前記頭部の支持部との間で介在させた第二の連結部と、それらの連結部を互いに支持する結合部とを有し、
この第二の連結部において刃体組付部側に対し弾性部を挟む反対側の端部は、剃刀ヘッドの中立位置で、前記支持孔内に配置されている
ことを特徴とする請求項14に記載の首振り式剃刀。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−254280(P2012−254280A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−15613(P2012−15613)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【出願人】(000001454)株式会社貝印刃物開発センター (123)