説明

香りが付けられる装身具の製造方法

【課題】香りの付けられる装身具において、装飾体の一部のみに香りの付けられる孔の形成できる素材をもちいることによって、自由なデザインの展開でき、かつ香水などを塗布した場合においても液体の漏れなどの心配のない香りの付けられる装身具を提供する。
【解決手段】装身具が孔の形成できる素材で作られた装飾体を設置することのできるスペースを持った装飾体に、孔の形成できる素材で作られた装飾体とを設置し結合させた装身具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は香りが付けられる装身具において、その機能性とデザイン性を高め、香りが付けられる装身具を誰でも安全に抵抗感なく身に着けられるようにするための、香りを付けられる装身具の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
装身具に香りを付けるという試みは以前から行われていて、装身具を製造する際に貴金属素材に意図的に孔を設け、そこへ香水など香りのする液体を入れるという方法がとられている。
【0003】
特許公開平5−179374のように、装身具を形成する貴金属素材を微細な球状にして、焼成をするという方法が提案されている。この製法をすることによって、その孔に香水などが入り、香りが付けられる装身具の製造が可能ということである。
【0004】
しかしながら、特許公開平5−179374は、完成した装身具のデザイン部分全体がこの製造方法によって作られているため、自由なデザインで作れない、孔を残す必要があることから装飾体を完全な鏡面にすることができない、強度が小さいため宝石がセッティングできないなどの製造上の問題や、装飾体や下部に香水が漏れ出したりするという問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許公開平5−179374
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は前述した問題点を解決するものであり、香りが付けられる装身具において、そのデザインに対して完全な鏡面研磨が可能であり、香水の漏れなどもすることがなく、宝石などのセッティングも可能な香りの付けられる装身具の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、この発明は一つのデザインの装飾体において、香りが付けられる部分を装飾体の一部分のみとし、前述の問題点を解決し自由なデザインで製造をすることができることを特徴とするものである。
【0008】
この発明は一つのデザインの装身具において、香りの付けられる部分が装飾体の一部分に限られていることを特徴とする。
【0009】
この発明の装飾体の一部分の香りの付けられる部分は特許公開平5−179374の焼成材料か、装飾体に孔を設けることのできる素材を使用していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、香りの付けられる装身具において、鏡面研磨ができない、香水が漏れる、宝石がセッティングできないという問題点を取り除き、自由なデザインで製造可能な、着ける人も安心できる香りの付けられる装身具を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明の香りの付けられる装身具である。
図1に示すように、香りの付けられる装身具10は装飾体1と、香りの付けられる部分2から形成されている。
【0013】
香りの付けられる装身具10は貴金属もしくは金属製であり、指輪やイヤリング、ブローチ、ブレスレットなど全ての装身具で作ることができる。
【0014】
装飾体1は一般的に使用されている素材なので、鏡面研磨や宝石のセッティングなどのあらゆる加工ができる。
【0015】
香りの付けられる部分2は孔が形成できる素材なので、香水などの香りのする液体を浸み込ませることができるが、鏡面加工などはできない。
【0016】
図2は本発明の実施形態を示す図である。
図2に示すように、装身具10は装飾体1と装飾体2とで形成されている。
【0017】
図2のように、装飾体1には装飾体2を設置するためのスペース3があらかじめ設けられていて、装飾体1と装飾体2はそれぞれ異なる製法で別々に作られる。
【0018】
装飾体1に設けられた装飾体2を設置するスペース3に、装飾体2を設置する。
【0019】
装飾体1に設けられた装飾体2を設置するスペース3は、装飾体2の大きさよりも若干大きめに作られていて、装飾体2を設置した後、その周囲の装飾体1の地金部分を装飾体2側に押し寄せて両者を固定する。
【0020】
装飾体1と装飾体2の固定方法は、上述した方法の他に、装飾体1と2をレーザーで溶接したり、装飾体2の孔をふさがない程度の微量のろう材を使用したろう付けなどをしたり、装飾体1に設けた装飾体2を設置するスペース3と装飾体2の大きさをほぼ同じ程度に制作して、強制的に挿入させて固定させるなどの方法がある。
【0021】
このような工程を経て製造された装身具10は、一般的な装身具と同じようなデザインが展開でき、強度も十分で、さらに香りも付けられる機能的なものとなった。
【産業上の利用可能性】
【0022】
この発明の香りが付けられる装身具は、自由なデザインが展開できることとなり、鏡面仕上げや宝石のセッティングが可能になった。さらには、香水などの液体が漏れ出す心配もほとんどなくなり、多くの装身具愛好家に抵抗感なく装着してもらえるものであり、装身具市場に新たに付加価値の高い製品を提供できるものである。
【符号の説明】
【0023】
1 装飾体1
2 装飾体2
3 装飾体2設置スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾体の一部分のみに孔を形成できる材料を用いた香りの付けられる装身具の製造方法。
【請求項2】
孔を形成できる素材と装飾体本体の大部分が接合されている請求項1に記載の装身具の製造方法。
【請求項3】
孔を形成できる素材と装飾体本体の一部分が接合されている請求項1に記載の装身具の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−45507(P2011−45507A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196047(P2009−196047)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(591043101)株式会社内藤貴金属製作所 (14)
【Fターム(参考)】