香料組成物及びそれを含む繊維製品用処理剤組成物

【課題】衣類への香料の吸着性を高め、着用中において人の印象を向上させる繊維製品用処理剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、香料成分(A)〜(E)から選ばれた少なくとも4つの香料成分を含有する繊維製品用処理剤組成物用香料組成物であって、(A)シトラール、ボージュナール、ヘリオトロピン、リリアール及びヘキシルシンナミックアルデヒドからなる群より選ばれた1種以上の香料成分(B)γ−メチルイオノン、β−イオノン及びスピロガルバノンからなる群より選ばれた1種以上の香料成分(C)γ−ウンデカラクトン及びクマリンからなる群より選ばれた1種以上の香料成分(D)サリチル酸ヘキシル、ジャスマサイクレン、ヘディオン、サリチル酸ベンジル及び酢酸ノピルからなる群より選ばれた1種以上の香料成分(E)ペオニール及びシトロネリルニトリルからなる群より選ばれた1種以上の香料成分を含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の香料成分を特定の配合比で含む香料組成物及びそれを含む繊維製品用処理剤組成物に関するものである。より詳細には、衣類への香料の吸着性を高め、着用中において人の印象を向上させる香料組成物及びそれを含む繊維製品用処理剤組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
香水を体につけることにより人の印象が変化する事は、従来より知られている。しかし、香水は香りが強く、好感度が低くなる方向に印象を変化させることがある。そのため香水の香り強さを弱めるため洗濯時に香水を入れ、衣類への香り付けを試みたが、香りが弱く香りつけ効果はなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、衣類への香料の吸着性を高め、着用中において人の印象を向上させる繊維製品用処理剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、下記の香料成分(A)〜(E)から選ばれた少なくとも4つの香料成分を含有する繊維製品用処理剤組成物用香料組成物であって、
(A)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
シトラール(Citral)、ボージュナール(Bourgeonal)、ヘリオトロピン(Heliotropin)、リリアール(Lilial)及びヘキシルシンナミックアルデヒド(Hexyl cinnamic aldehyde)
(B)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
γ−メチルイオノン(γ−Methyl ionone)、β−イオノン(β−ionone)及びスピロガルバノン(Spirogalbanone)
(C)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
γ−ウンデカラクトン(γ−undecalactone)及びクマリン(Coumarin)
(D)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
サリチル酸ヘキシル(Hexyl salicylate)、ジャスマサイクレン(Jasmacyclene)、ヘディオン(Hedione)、サリチル酸ベンジル(Benzyl salicylate)及び酢酸ノピル(Nopyl acetate)
(E)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
ペオニール(Peonile)及びシトロネリルニトリル(Citronellyl nitrile)
香料成分の含有量が下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たす、繊維製品用処理剤組成物用香料組成物を提供する。
(1)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.2〜1であり、香料成分(C)の含有量が0.7〜1.3であり、香料成分(D)の含有量が0.4〜1.5であり、香料成分(E)の含有量が0.05〜0.5である。
(2)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.1〜0.4であり、香料成分(C)の含有量が0〜0.1であり、香料成分(D)の含有量が0.9〜1.5であり、香料成分(E)の含有量が0.01〜0.2である。
(3)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.9〜1.5であり、香料成分(C)の含有量が1.5〜2であり、香料成分(D)の含有量が1〜2であり、香料成分(E)の含有量が0〜0.5である。
なお、含有量とは含有質量を示す。
【0005】
また、本発明は、前記香料組成物、及びカチオン性化合物を含む繊維製品用処理剤組成物であって、カチオン性化合物が下記式(I)、(II)及び(IV)で表される3級アミン化合物の中和物及び4級化物、並びに水溶性のカチオン性高分子化合物からなる群より選ばれる、繊維製品用処理剤組成物を提供する。
【化1】





(式中、R1は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数12から20の炭化水素基を表す。
2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
3は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数8から12の炭化水素基を表す。
4は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基を表す。
5は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)
【発明の効果】
【0006】
本発明の繊維製品用処理剤組成物を用いることにより、衣類への香料の吸着性を高め、着用中において人の印象を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、香料成分(A)〜(E)から選ばれた少なくとも4つの香料成分を含有する香料組成物、及びカチオン性化合物を含む。
香料成分(A)は、シトラール、ボージュナール、ヘリオトロピン、リリアール及びヘキシルシンナミックアルデヒドからなる群より選ばれる。香料成分(A)は単独の成分であってもよいし、2種以上の香料成分を混合したものであってもよい。
香料成分(B)は、γ−メチルイオノン、β−イオノン及びスピロガルバノンからなる群より選ばれる。香料成分(B)は単独の成分であってもよいし、2種の香料成分を混合したものであってもよい。好ましくは、香料成分(B)はスピロガルバノン(1−スピロ(4.5)−7−デセン−イル−4−ペンテン−1−オンと1−スピロ(4.5)−6−デセン−イル−4−ペンテン−1−オンの混合物)を含む。
香料成分(C)は、γ−ウンデカラクトン及びクマリンからなる群より選ばれる。香料成分(C)は単独の成分であってもよいし、2種の香料成分を混合したものであってもよい。好ましくは、香料成分(C)はγ−ウンデカラクトンを含む。
香料成分(D)は、サリチル酸ヘキシル、ジャスマサイクレン、ヘディオン、サリチル酸ベンジル及び酢酸ノピルからなる群より選ばれる。香料成分(D)は単独の成分であってもよいし、2種以上の香料成分を混合したものであってもよい。
香料成分(E)は、ペオニール及びシトロネリルニトリルからなる群より選ばれる。香料成分(E)は単独の成分であってもよいし、2種の香料成分を混合したものであってもよい。好ましくは、香料成分(D)はペオニールを含む。
【0008】
前記香料組成物において、各香料成分の含有量は下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たす。
(1)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量は0.2〜1(好ましくは、0.4〜0.6)であり、香料成分(C)の含有量は0.7〜1.3(好ましくは、1〜1.2)であり、香料成分(D)の含有量は0.4〜1.5(好ましくは、0.7〜0.9)であり、香料成分(E)の含有量は0.05〜0.5(好ましくは、0.3〜0.5)である。各香料成分の含有量を上記範囲とすることにより、前記繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人に明るい・前向きな印象を付与することができる。さらに、香料成分(B)中にスピロガルバノンを含み、かつ、香料組成物中にラビエノキシム(Labienoxime)((2,4,4,7−テトラメチル−6,8−ノナジエン−3−オンオキシム)を含み、スピロガルバノンとラビエノキシムの合計量が香料組成物中に0.1〜5質量%であると、繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人により明るい・前向きな印象を付与することができて好ましい。
(2)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量は0.1〜0.4(好ましくは、0.2〜0.3)であり、香料成分(C)の含有量は0〜0.1(好ましくは、0〜0.01)であり、香料成分(D)の含有量は0.9〜1.5(好ましくは、1.1〜1.4)であり、香料成分(E)の含有量は0.01〜0.2(好ましくは、0.05〜0.2)である。各香料成分の含有量を上記範囲とすることにより、前記繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人にエレガントな・上品な印象を付与することができる。さらに、香料成分(B)中にスピロガルバノンを含み、かつ、香料組成物がアンブロフィックス(ドデカヒドロ−3a、6、6、9a−テトラメチルナフト〔2、1−b〕フラン)を含み、スピロガルバノンとアンブロフィックスの合計量が香料組成物中に0.1〜5質量%であると、繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人によりエレガントな・上品な印象を付与することができて好ましい。
(3)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量は0.9〜1.5(好ましくは、1.1〜1.4)であり、香料成分(C)の含有量は1.5〜2(好ましくは、1.7〜1.9)であり、香料成分(D)の含有量は1〜2(好ましくは、1〜1.5)であり、香料成分(E)の含有量は0〜0.5(好ましくは、0〜0.01)である。各香料成分の含有量を上記範囲とすることにより、前記繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人に可憐な・魅惑的な印象を付与することができる。さらに、香料組成物がパチュリーオイル(Patchouli oil)及びラブダナムオイル(Labdanum oil)の1種又は2種を香料組成物中に0.1〜5質量%含有すると、繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人により可憐な・魅惑的な印象を付与することができて好ましい。
【0009】
本発明の繊維製品用処理剤組成物に配合される香料組成物の量は、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、好ましくは0.0001〜10質量%、より好ましくは0.001〜8質量%、特に好ましくは0.005〜5質量%である。0.0001質量%より少ないと印象向上効果が得られない場合がある。また、10質量%より多くなると香料組成物の香気の嗜好性が得られない場合があるばかりでなく経済的にも好ましくない。
【0010】
カチオン性化合物は、香料成分を繊維製品の表面に効率的に吸着させる作用を有する。カチオン性化合物としては、水溶性のカチオン性化合物及び水不溶性のカチオン性化合物が挙げられる。水溶性のカチオン性化合物を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。また、水不溶性のカチオン性化合物を単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。さらに、水溶性のカチオン性化合物と水不溶性のカチオン性化合物との混合物として用いてもよい。なお、本明細書において「水溶性」とは、25℃の水100gに1g以上溶解する場合をいい、「水不溶性」とは、25℃の水100gへの溶解度が1g未満である場合をいう。
繊維製品用処理剤組成物中の香料組成物とカチオン性化合物との質量比(香料組成物/カチオン性化合物)は、好ましくは0.5/99.5〜99.5/0.5、より好ましくは3/97〜97/3、さらに好ましくは5/95〜5/95である。前記質量比がこの範囲にあると、印象向上効果が大きくなる。
水溶性のカチオン性化合物としては、下記一般式(I)又は(II)で示される3級アミン化合物の中和物若しくは4級化物、又は水溶性のカチオン性高分子化合物が挙げられる。
【0011】
【化2】



(式中、R1は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数12から20の炭化水素基を表す。
2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
3は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数8から12の炭化水素基を表す。)
【0012】
1の炭素数12から20の炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。R1としては、炭素数14〜20の炭化水素基が好ましく、炭素数14〜20の直鎖又は分岐アルキル基又はアルケニル基がより好ましく、炭素数14〜18の直鎖アルキル基がさらに好ましい。
2としては、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が好ましく、メチル基、ヒドロキシエチル基がより好ましい。
3の炭素数8から12の炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。R3としては、デシル基、ドデシル基、デシロイルオキシエチル基が好ましい。
【0013】
上記3級アミン化合物の中和物を構成する酸は、特に限定されないが、好ましくは塩酸、硫酸、メチル硫酸などである。本発明の繊維製品用処理剤組成物において中和物を使用する態様としては、上記式(I)又は(II)で表される3級アミン化合物を予め酸で中和したものを繊維製品用処理剤組成物に添加してもよいし、酸を含有する繊維製品用処理剤組成物中に、上記3級アミン化合物を液状又は固体状で投入することによって中和物としてもよい。また、上記3級アミン化合物と酸とを同時に繊維製品用処理剤組成物に投入することによって中和物としてもよい。
上記3級アミン化合物の4級化物を調製するための4級化剤は、特に限定されないが、好ましくは塩化メチル、ジメチル硫酸などである。
【0014】
一般式(I)又は(II)で示される3級アミン化合物の中和物又は4級化物としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ステアロイルオキシエチル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N−ジデシロイルオキシエチル−N−ヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートなどが好ましく、中でも、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロライド、ステアロイルオキシエチル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−メチルアンモニウムメチルサルフェートが特に好ましい。
上記式(I)又は(II)で表される3級アミン化合物の中和物又は4級化物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、1〜20質量%とするのが好ましく、1.5〜16質量%とするのがさらに好ましい。上記3級アミン化合物の中和物又は4級化物の配合量を上記範囲とすることにより、香料成分を効率的に繊維へ吸着させることができ、且つ多量の配合が必要となって経済的でないケースを防止することができる。
【0015】
水溶性のカチオン性高分子化合物としては、カチオン化度が0.1%以上のものが好ましく(例えば、0.1〜35%)、特に2.5%以上が好ましい(例えば、2.5〜20%)。カチオン化度を上記範囲とすることにより、香料を効率的に繊維へ吸着させることができ、かつ、多量の配合が必要となって経済的でないケースを防止することができる。ここで、カチオン化度とは、高分子化合物がカチオン性モノマーの重合体、カチオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体、及びノニオン性重合体の一部をカチオン性基で変性又は置換したもの(カチオン化セルロースなど)の場合には下記式(1)により算出される値である。また、高分子化合物がカチオン性モノマーとアニオン性モノマーの共重合体、及びカチオン性モノマーとアニオン性モノマーとノニオン性モノマーの共重合体の場合には、下記式(2)により算出される値である。
カチオン化度(%)=X×Y×100 …式(1)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数]
カチオン化度(%)=X×(Y−Z)×100 …式(2)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数
Z:高分子化合物1g中に含まれるアニオン性基のモル数
(Zのアニオン性基とは、高分子鎖中のモノマー単位に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。具体的には、アクリル酸中のカルボン酸などである。ただし、カチオン性基の対イオンは含まない。)]
【0016】
カチオン化度の算出例として、下記一般式(III)で表されるMERQUAT280(NALCO社製)の場合を示す。
X:14(窒素原子の原子量)
Y:4.95×10-3(カチオン性基の1g中の重量:0.8gとカチオン性基の分子量より算出)
Z:2.78×10-3(アニオン性基の1g中の重量:0.2gとアニオン性基の分子量より算出)
式(2)より、
カチオン化度(%)=14×(4.95×10-3−2.78×10-3)×100=3.0
である。
【化3】

(MERQUAT280)
塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との質量比=80:20
なお、上記記載のカチオン化度の算出法によれば、ノニオン性モノマーの重合体やアニオン性モノマーの重合体のカチオン化度は0%となる。
【0017】
本発明で用いることのできる水溶性のカチオン性高分子化合物は、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される重量平均分子量が1,000〜5,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは5,000〜500,000である。水溶性のカチオン性高分子化合物の重量平均分子量を上記範囲とすることにより、本発明の繊維製品用処理剤組成物の粘度の上昇を抑えて使用性を優秀なものとすることが可能となる。
水溶性カチオン性高分子化合物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、1〜10質量%とするのが好ましい。水溶性カチオン性高分子化合物の配合量をこのような範囲のものとすることにより、香料の繊維製品への吸着効果を高めて、本発明の繊維製品用処理剤組成物の粘度の上昇を抑えて使用性の面で良好なものとすることができる。
【0018】
本発明で用いることのできる水溶性のカチオン性高分子化合物の具体例としては、MERQUAT100(NALCO社製)、アデカカチオエースPD−50(旭電化工業(株))、ダイドールEC−004、ダイドールHEC、ダイドールEC(大同化成工業(株)製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、MERQUAT550 JL5(NALCO社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、MERQUAT280(NALCO社製)等の塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリル酸共重合体、レオガードKGP(ライオン(株)製)等のカチオン化セルロース、LUVIQUAT−FC905(B・A・S・F社製)等の塩化イミダゾリニウム・ビニルピロリドン共重体、LUGALVAN−G15000(B・A・S・F社製)等のポリエチレンイミン、ポバールCM318((株)クラレ製)等のカチオン化ポリビニルアルコール、キトサン等のアミノ基を有する天然系の高分子誘導体、ジエチルアミノメタクリレート・エチレンオキシド等が付加された親水基を有するビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。中でも、塩化ジメチルジアリルアンモニウムの重合体、カチオン化セルロースが特に好ましい。
【0019】
水不溶性のカチオン性化合物としては、下記一般式(IV)で示される3級アミン化合物の中和物及び4級化物が好ましい。
【化4】

(式中、R4は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基を表す。
5は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)
【0020】
4の炭素数14から20の炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。R4としては、炭素数16〜20のエステル基又はアミド基で分断されてもよい炭化水素基が好ましく、炭素数18〜20のエステル基又はアミド基で分断されてもよい直鎖アルキル基又はアルケニル基がさらに好ましい。
5としては、R4と同じか、又はメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が好ましく、R4と同じか、又はメチル基、ヒドロキシエチル基がより好ましい。
上記式(IV)で表される3級アミン化合物の中和物を構成する酸及び4級化物を調製するための4級化剤は、式(I)及び(II)の3級アミン化合物について述べたのと同じである。
【0021】
一般式(IV)で表される水不溶性の3級アミン化合物の中和物又は4級化物としては、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジパルミチルジメチルアンモニウムクロライド、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル,N−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−メチル,N−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートなどが挙げられ、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、N,N−ジステアロイルオキシエチル−N−メチル,N−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェート、N,N−ジオレオイルオキシエチル−N−メチル,N−ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートが特に好ましい。
上記式(IV)で表される水不溶性の3級アミン化合物の中和物又は4級化物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、1〜20質量%とするのが好ましく、1.5〜16質量%とするのがさらに好ましい。水不溶性の3級アミン化合物の中和物又は4級化物の配合量をこのような範囲のものとすることにより、香料の繊維製品への吸着効果を高めるとともに、良好な柔軟性を繊維製品に付与でき、さらに繊維製品用処理剤組成物の粘度の上昇を抑えて使用性の面で良好なものとすることができる。
カチオン性化合物としては、式(I)又は式(IV)で表される3級アミン化合物の4級化物が好ましく、これらの混合物がより好ましい。
【0022】
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、さらにシリコーン化合物を含んでもよい。シリコーン化合物を含ませることにより、繰り返し処理時に香料成分の香りの持続性を向上させることが可能になる。本発明の繊維製品用処理剤組成物においては、上記シリコーン化合物として、一般的に繊維製品処理に使用されているシリコーン化合物を使用できる。具体的には、ジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、フッ素変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、ポリグリセロール変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、及びアミノ変性シリコーンなどが挙げられる。これらのシリコーン化合物は、単独で使用してもよく、又は2種以上の混合物として使用することもできる。上記シリコーン化合物の分子構造は、直鎖状であっても分岐や架橋していてもよい。また、変性シリコーン化合物は1種類の有機官能基により変性されていても構わないし、2種以上の有機官能基により変性されていてもよい。
シリコーン化合物の25℃における動粘度は、10〜100,000,000mm2/sであるのが好ましく、1,000〜100,000mm2/sであるのがより好ましい。動粘度がこのような範囲にあると、配合のし易さの点で好ましい。
【0023】
上記シリコーン化合物はオイルとして使用でき、また任意の乳化剤によって分散された乳化物としても使用できる。上記シリコーン化合物は、繰り返し処理時の香りの持続の観点から、好ましくはポリエーテル変性シリコーン、ジメチルシリコーン、アミノ変性シリコーン、及びアルキル変性シリコーンがよい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、アルキル(炭素数1〜3)シロキサンとポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜5が好ましい)の共重合体が挙げられる。このうち、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのランダム又はブロック共重合体など)の共重合体が好ましい。このようなものとして、下記一般式(V)又は(VI)で表される化合物が挙げられる。
【化5】

(V)
(式中、M、N、a及びbは平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基を表す。)
【化6】

(VI)
(式中、A、B、h、及びiは平均重合度であり、Rはアルキル基を表し、R’は水素又はアルキル基を表す。)
【0024】
一般式(V)において、Mは、好ましくは10〜10000、より好ましくは100〜300であり、Nは、好ましくは1〜1000、より好ましくは1〜100であり、かつM>Nであることが好ましい。aは、好ましくは2〜100、より好ましくは2〜50であり、bは、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜10である。Rとしては、水素又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。
一般式(V)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えばポリオキシアルキレンアリルエーテル等の、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。従って、ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、ポリエーテル変性シリコーン中の存在量として30ppm以下(−Hの量として)で存在していることが好ましい。
【0025】
一般式(VI)において、Aは5〜10000であることが好ましく、Bは2〜10000であることが好ましく、hは2〜100であることが好ましく、iは0〜50であることが好ましい。Rとしては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。R’としては、水素又は炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。また、一般式(VI)で表わされるブロック共重合体の重量平均分子量は、柔軟性及び滑らかさ付与の観点から15,000〜100,000,000であることが好ましい。
一般式(VI)で表される線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。
【0026】
上記ポリエーテル変性シリコーンの具体的な例としては、東レ・ダウ コーニング(株)製のSH3772M、SH3775M、SH3749、FZ−2161、FZ−2203、信越化学工業(株)製のKF6011、KF6012、KF6013、KF6016、KF6017、モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製のSILWET L-7001、TSF4450、TSF4452等が挙げられる。これらのポリエーテル変性シリコーンは、単独で用いてもよいし、又は2種以上の混合物として用いることもできる。
【0027】
上記以外のシリコーン化合物の具体的な例としては、以下のものが挙げられる。
[ジメチルシリコーン]
SH200C−1,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−5,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−30,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−60,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−100,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−1,000,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
[アミノ変性シリコーン]
BY16−849(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−853C(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−872(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−892(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−879B(東レ・ダウコーニング(株)製)
TSF4706(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製)
【0028】
[アルキル変性シリコーン]
SF8416(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−846(東レ・ダウコーニング(株)製)
AMS−C30(東レ・ダウコーニング(株)製)
SILSOFT034(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製)
[アミド・ポリエーテル変性シリコーン]
BY16−878(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−891(東レ・ダウコーニング(株)製)
上記シリコーン化合物の配合量は、特に制限されるものではなく、通常、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、好ましくは0.05〜20質量%、更に好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜8質量%である。シリコーン化合物の配合量が少ないと繰り返し処理による香料成分の香りの持続性向上効果が向上せず、多すぎると繊維製品処理剤組成物の粘度が上昇し、使用性が悪化する。
また、繊維製品用処理剤組成物中の香料組成物とシリコーン化合物との質量比(分香料組成物/シリコーン化合物)は、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは5/95〜95/5、さらに好ましくは10/90〜90/10である。前記質量比がこの範囲にあると、繰り返し処理時の残香性向上効果が大きくなる。
【0029】
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、芯物質が上記香料組成物であり、壁物質が、ポリアクリル酸系、ポリメタクリル酸系、メラミン系及びウレタン系高分子物質からなる群から選択された1種以上であるマイクロカプセルの形態で、上記香料組成物を含んでもよい。
芯物質である香料組成物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、好ましくは0.0001〜10質量%、より好ましくは0.001〜8質量%、特に好ましくは0.005〜5質量%である。0.0001質量%より少ないと印象向上効果が得られない場合がある。また、10質量%より多くなると香料組成物の香気の嗜好性が得られない場合があるばかりでなく経済的にも好ましくない。
内包される芯物質は、マイクロカプセル全量に対して、40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。配合量が多すぎるとマイクロカプセルの形成が困難となる場合があり、逆に少なすぎると適度な香り強度が得られず、印象向上効果が得られない。
尚、本発明の芯物質には、上記香料組成物以外に、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて酸化防止剤、防腐剤等の添加剤を、繊維製品用処理剤組成物における通常の使用量で配合することも可能である。
【0030】
マイクロカプセルの壁物質は、前記芯物質を安定にマイクロカプセル化することができる水不溶性の高分子物質である。本発明において、「水不溶性」とは、25℃の水100gへの溶解度が1g未満である場合をいう。前記水不溶性の高分子物質は、ポリエチレングリコールを標準物質としてゲルパーメーションクロマトグラフィ法で測定される重量平均分子量が1,000〜5,000,000であることが好ましく、より好ましくは3,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは5,000〜500,000である。水不溶性の高分子物質の重量平均分子量を上記範囲とすることにより、乾燥時の芯物質の揮発を抑え、効果を持続させることが可能となる。
水不溶性の高分子物質の具体例としては、ウレタン系、メラミン系、ポリビニル系、ポリアクリル酸系、ポリメタクリル酸系等の合成高分子物質や、油脂、ワックス等の油性膜形成物質などを挙げることができる。これらの水不溶性の高分子物質は、単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。水不溶性の高分子物質は、製造性、適度なカプセル壁の強度、コスト等を考慮して適宜選択される。
ウレタン系高分子は、多官能性イソシアネート化合物とポリオール若しくはポリアミン化合物との縮合反応により得られる。多官能性イソシアネート化合物としては、ポリフェニルイソシアネート、トルエンジイソシアネート等が挙げられる。ポリオール化合物としては、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。ポリアミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。ポリフェニルイソシアネートとヘキサメチレンジアミン、トルエンジイソシアネートとジエチレングリコールの組合せが好適に用いることができる。
【0031】
メラミン系高分子は、メラミンとホルムアルデヒドから誘導されるメチロールメラミンからなるプレポリマーを加熱硬化して得られる。
ポリアクリル酸系高分子を構成するモノマーとしては、アクリル酸、若しくはその低級アルキルエステル等が挙げられる。
ポリビニル系高分子を構成するモノマーとしては、エチレン、無水マレイン酸、スチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
ポリメタクリル酸系高分子を構成するモノマーとしては、メタアクリル酸、若しくはその低級アルキルエステル等が挙げられる。
油脂としては、硬化油、固形脂肪酸及び金属塩等が挙げられる。
ワックスとしては、密ロウ、木ロウ、パラフィン等が挙げられる。
水不溶性の高分子物質としては、ポリウレタン系高分子物質及びメラミン樹脂が好ましく、ポリフェニルイソシアネートとヘキサメチレンジアミンとから誘導されるポリウレタン系高分子物質及びメラミン樹脂がより好ましい。
前記壁物質の配合量は、その種類等により適宜選定できるが、通常マイクロカプセル全量に対して、5〜60質量%、特に10〜40質量%程度が好ましい。壁物質の配合量が少なすぎるとマイクロカプセルの形成が困難となる場合があり、逆に多すぎると相対的に芯物質の配合量が低下する。
尚、前記壁物質の膜形成を容易にするために、前記壁物質以外に、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて乳化剤、分散剤等を通常の使用量で配合することができる。
【0032】
上記マイクロカプセルの粒径は、特に制限されるものではなく、例えば単芯型構造のマイクロカプセルの場合、平均粒径は、好ましくは0.1〜100μm、より好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは0.5〜30μmである。平均粒径が小さすぎると乾燥後の香りの持続性が低下する場合があり、大きすぎると布に均一に付着しない。
【0033】
上記マイクロカプセルの製造方法は、本発明の効果を妨げない限り公知の方法を用いることができ、具体的には界面重合法、in−situ重合法などが挙げられる。
壁物質としてウレタン系高分子を使用する場合、界面重合法が好ましい。具体的には、一方の容器に適宜濃度の乳化剤水溶液を調製しておき、別の容器に香料組成物とポリイソシアネート化合物を投入する。次いで、前記2種類の溶液を高速撹拌機に充填した後、高速撹拌してO/Wエマルジョンを調製する。次いで、適宜濃度のポリアミン水溶液を入れて、常温で所定時間撹拌し、反応させてカプセル壁を硬化し、マイクロカプセルを調製することができる。
壁物質としてメラミン系高分子を使用する場合、in−situ重合法が好ましい。壁物質を芯物質の外側から形成させる方法が好適である。例えば、撹拌機を備えた容器にて必要に応じて乳化剤を溶解した適宜濃度の水溶液に、香料組成物を分散濃度が10〜40質量%になるように60〜80℃で分散させた後、撹拌によって芯物質が所定の粒径となるようにコントロールする。これとは別に、例えばメラミンとホルムアルデヒドとを質量比が3/1〜6/1となるように混合した後、60〜80℃で5〜20分間縮重合させて水溶性のプレポリマーを調製し、このプレポリマーを上記芯物質の分散液に投入する。次いで、クエン酸、硫酸、塩酸等の酸によりpHを2〜5に調製した後、60〜80℃で3〜6時間重合させることによってマイクロカプセルを調製することができる。
【0034】
壁物質としてポリアクリル酸系高分子又はポリメタクリル酸系高分子を使用する場合、in−situ重合法が好ましい。壁物質を芯物質側から形成させる方法が好適である。例えば、予めアクリル酸エチル、メタクリル酸エチル等のモノマーを芯物質に対して5〜30質量%、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等の重合開始剤を上記モノマーに対して0.1〜5質量%となるように芯物質に溶解する。これを撹拌機及び窒素導入管を備えた容器にて、上記芯物質の分散濃度が10〜40質量%になるように、必要に応じて乳化剤を溶解した適宜濃度の水溶液に20〜70℃で分散させた後、撹拌によって芯物質が所定の粒径となるようにコントロールする。この分散液を60〜80℃まで昇温した後、窒素を導入しながら3〜6時間重合させることによってマイクロカプセルを調製することができる。
カプセル壁の形成を容易にするために、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて乳化剤、分散剤等を通常の使用量で配合することができる。このような乳化剤又は分散剤としては、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩等のアニオン系乳化剤又は分散剤、ポリビニルアルコール等の非イオン系乳化剤又は分散剤等が挙げられる。
本発明の組成物中における(D)成分のマイクロカプセルの配合量は、好ましくは0.01〜10質量%である。より好ましくは0.01〜8質量%である。0.01質量%より少ないと香気持続性が乏しくなり印象向上効果が少なくなり、10質量%より多くなると香りの持続性が高すぎるため、印象が低下する。
【0035】
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、繊維製品用処理剤組成物に通常含まれる成分、例えば繊維製品用処理剤組成物の色調や臭いが劣化することを抑制する目的でジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤やヒドロキシエタンジホスホン酸などのキレート剤を繊維製品用処理剤組成物中に0〜1質量%、繊維製品用処理剤組成物で処理した布や衣類に抗菌性を付与したり、汗臭などの発生を抑制する目的で塩化ベンザルコニウムなどの抗菌剤を繊維製品用処理剤組成物中に0〜3質量%、繊維製品用処理剤組成物の防腐性を高めるためにイソチアゾロン液や2−ニトロー1,3−プロパンジオールなどの防腐剤を繊維製品用処理剤組成物中に0〜0.1質量%、繊維製品用処理剤組成物に好ましい色調を付与する目的で酸性染料や直接染料などを繊維製品用処理剤組成物中に0〜0.1質量%、繊維製品用処理剤組成物の分散安定性を付与する目的で、アルコールエトキシレートや硬化ひまし油のアルキレンオキシド付加物などの非イオン界面活性剤を繊維製品用処理剤組成物中に0〜5質量%、繊維製品用処理剤組成物自体の紫外線に対する安定性を向上させるために、或いは繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類に紫外線吸収効果を付与する目的でベンゾフェノン3などの紫外線吸収剤を繊維製品用処理剤組成物中に0〜3質量%、繊維製品用処理剤組成物の安定性やハンドリング性を向上させる目的でエタノールやグリセリンなどの水溶性溶剤を繊維製品用処理剤組成物中に0.05〜10質量%含有していてもよい。
【0036】
本発明の繊維製品用処理剤組成物は、25℃におけるpHが2.0〜7.0であるのが好ましい。なお、pHの測定は、pHメーターを使用し、本発明の繊維製品用処理剤組成物を希釈せずに行う。
本発明の繊維製品用処理剤組成物の25℃における粘度は、ハンドリング性がより向上するため、10〜1000mPa・sであるのが好ましい。尚、本発明の組成物の粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定することができる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物の調製方法は特に限定されないが、特に特開平2−68137号、特開平10−237762号公報、特開2003−96674号に開示されている、液晶転相乳化法が好ましい。香料組成物、柔軟化基剤であるカチオン性化合物、シリコーン化合物、及び使用する場合にはノニオン性界面活性剤を混合することにより油相を得て、さらに、該油相と、任意に水溶性である前記任意成分を含む水相の一部(以下、第一水相という。)とをカチオン性化合物の相転移温度(Tc)以上の温度で混合して、高濃度のカチオン性界面活性剤を含む液晶組成物を形成させ、次いで、該液晶組成物に残りの水相(以下、第二水相という。)を添加して液晶組成物をO/W型エマルションへ転相する。得られたエマルジョンを室温まで冷却するという方法により、本発明の繊維製品用処理剤組成物を配合することができる。
香料組成物をマイクロカプセルに封入し、繊維製品用処理剤組成物とする際は、カチオン性化合物、シリコーン化合物、ノニオン性界面活性剤(任意成分)、必要に応じてカプセルに封入されていない香料組成物を混合することにより油相を得て、さらに、該油相と任意に水溶性である前記任意成分を含む水相の一部(以下、第一水相という)とをカチオン性化合物の相転移温度(Tc)以上の温度で混合して、高濃度のカチオン性化合物を含む液晶組成物を形成させ、次いで、該液晶組成物に残りの水相(以下、第二水相という)を添加して液晶組成物をO/W型エマルションへ転相する、室温まで冷却する、その後、香料組成物を封入したマイクロカプセルを添加し攪拌するという方法により、本発明の繊維製品用処理剤組成物を配合することができる。
繊維製品用処理剤組成物を配合するその他の方法としては、(A)香料組成物、(C)シリコーン化合物、ノニオン界面活性剤(任意成分)及びイオン交換水を攪拌し、さらに(B)カチオン性化合物を添加し、十分に攪拌したサンプルに、(A)の乳化物粒子を添加し、攪拌するという方法でも本発明の繊維製品用処理剤組成物を配合することもできる。(A)香料組成物を(D)マイクロカプセルに封入し、繊維製品用処理剤組成物とする際には、(C)シリコーン化合物、ノニオン界面活性剤(任意成分)、必要に応じて(A)成分及びイオン交換水を攪拌し、さらに(B)カチオン性化合物を添加し、十分に攪拌したサンプルに、(A)香料組成物を封入した(D)マイクロカプセルを添加し、攪拌するという方法でも本発明の繊維製品用処理剤組成物を配合することもできる。
【0037】
本発明の繊維製品処理剤組成物の使用方法は、特に限定されないが、例えば洗濯のすすぎの段階ですすぎ水に本発明の繊維製品処理剤組成物を溶解させて処理を行ったり、たらいのような容器を用いて本発明の繊維製品処理剤組成物を水に溶解させ、更に衣料を入れて浸漬処理する方法があるが、その場合は適度な濃度に希釈して使用される。その場合、浴比(繊維製品1kgに対する水の量(リットル))は5〜50倍、特に10〜30倍であることが好ましい。浴比が小さいと繊維製品処理剤組成物が布に均一に吸着せず、ムラを生じ、香りが均一に布につかない。別の例として、トリガー容器やディスペンサー容器、エアゾール缶などに充填し、繊維製品に直接噴霧することにより使用することもできる。柔軟処理を行う際は、全使用水量に対し、繊維製品処理剤組成物が50ppm〜3000ppmとなるような量で使用するのが好ましく、さらに好ましくは100ppm〜2000ppmとなるような量で使用されるとよい。少なすぎると印象向上効果は少なく、大きすぎると香りすぎて印象が低下する場合がある。本繊維製品用処理剤組成物は、洗剤を用いて洗浄を行った後に使用しても印象向上効果が得られる。本発明の繊維製品用処理剤組成物は、繊維製品の原料が天然繊維でも合成繊維でも区別なく使用することができる。
【実施例】
【0038】
〔香料組成物〕
実施例で使用した香料組成物は以下のとおりである。
【表1】

【表1−2】

【0039】
〔カチオン性化合物〕
実施例で使用したカチオン性化合物は以下のとおりである。
【表2】

【0040】
〔シリコーン化合物〕
実施例で使用したシリコーン化合物は以下のとおりである。
【表3】

動粘度は、試料温度25℃にて粘度測定方法JIS K2283に従いウベローデ粘度計を用いて行った。
【0041】
[(C−1)の製造方法]
(CH33SiO(CH3CH3SiO)210(CH3HSiO)9Si(CH33で表されるハイドロジェンシロキサン828g、平均組成CH2=CHCH2O(CH2CH2O)9Hで表されるアリル化ポリエーテル210g、エチルアルコール726g及び塩化白金酸のClを中和したものを白金がアリル化ポリエーテルに対して重量で5ppmとなるように秤量して、反応温度80℃で攪拌し、5時間反応させた。反応終了後、減圧留去することにより、ポリエーテル変性シリコーンを得た。このポリエーテル変性シリコーン90gに対して、10gのジエチレングリコールモノブチルエーテルを添加して使用した。
【化7】

【0042】
〔マイクロカプセルの調製〕
(D−1)
芯物質 :香料組成物(A−2)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :アニオン
300mL容ビーカーに、イオン交換水200g、平均分子量が16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)5gを入れて溶解した。また、別の100mL容ビーカーには、香料組成物(A−2)55gとポリフェニルイソシアネート(商品名:PAPI−135、Dow Chemical製)8gを入れて混合し、芯物質溶液を調製した。次いで、500mL容ビーカーに、前記の二種類の溶液を入れ、ホモミキサーで5分間3000rpmの速度で攪拌し、O/Wエマルジョンを生成した。次いで、40wt%のヘキサメチレンジアミン水溶液75gを入れ、常温で400rpmで2時間攪拌してカプセル壁を反応硬化させて、硬化カプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルの水性分散液を調製した。このように生成されたマイクロカプセルの粒子径を、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−300V(島津製作所製)で測定した結果、平均粒子径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−2)の含有率は約59%であった。
【0043】
(D−2)
芯物質 :香料組成物(A−2)
壁物質 :メラミン系高分子
製造方法:in−situ重合法
乳化系 :アニオン
エチレン−無水マレイン酸共重合体(商品名:A−C573A、573P、ハネウェル社製)のナトリウム塩、及び平均分子量16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)を夫々5%含有する水溶液300gに、香料組成物(A−2)150gを加え、ホモミキサーで2,500rpmの速度で攪拌してO/Wエマルジョンを調製した。次に、別途、メラミン30g、35%のホルムアルデヒド水溶液100g、水350gに少量の水酸化ナトリウムを加えてpHを約9に調節した後、80℃で30分間攪拌して、メチロールメラミン水溶液を調製した。このメチロールメラミン水溶液を前記のO/Wエマルジョンに添加した。70℃で約2時間攪拌してカプセル壁を硬化し、硬化したカプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルが分散した水性分散液を調製した。マイクロカプセル(D−1)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒子径は約4μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−2)の含有率は約67%であった。
【0044】
(D−3)
芯物質 :香料組成物(A−2)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :非イオン
マイクロカプセル(D−1)の調製時に用いたポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩の代わりにポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGL05、日本合成化学製)を5g用いて、非イオン性マイクロカプセルが分散された水性分散液約340gを作製した。マイクロカプセル(D-1)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−2)の含有率は約59%であった。
【0045】
(D−4)
芯物質 :香料組成物(A−4)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :アニオン
300mL容ビーカーに、イオン交換水200g、平均分子量が16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)5gを入れて溶解した。また、別の100mL容ビーカーには、香料組成物(A−4)55gとポリフェニルイソシアネート(商品名:PAPI−135、Dow Chemical製)8gを入れて混合し、芯物質溶液を調製した。次いで、500mL容ビーカーに、前記の二種類の溶液を入れ、ホモミキサーで5分間3000rpmの速度で攪拌し、O/Wエマルジョンを生成した。次いで、40wt%のヘキサメチレンジアミン水溶液75gを入れ、常温で400rpmで2時間攪拌してカプセル壁を反応硬化させて、硬化カプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルの水性分散液を調製した。このように生成されたマイクロカプセルの粒子径を、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−300V(島津製作所製)で測定した結果、平均粒子径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−4)の含有率は約59%であった。
【0046】
(D−5)
芯物質 :香料組成物(A−4)
壁物質 :メラミン系高分子
製造方法:in−situ重合法
乳化系 :アニオン
エチレン−無水マレイン酸共重合体(商品名:A−C573A、573P、ハネウェル社製)のナトリウム塩、及び平均分子量16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)を夫々5%含有する水溶液300gに、香料組成物(A−4)150gを加え、ホモミキサーで2,500rpmの速度で攪拌してO/Wエマルジョンを調製した。次に、別途、メラミン30g、35%のホルムアルデヒド水溶液100g、水350gに少量の水酸化ナトリウムを加えてpHを約9に調節した後、80℃で30分間攪拌して、メチロールメラミン水溶液を調製した。このメチロールメラミン水溶液を前記のO/Wエマルジョンに添加した。70℃で約2時間攪拌してカプセル壁を硬化し、硬化したカプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルが分散した水性分散液を調製した。マイクロカプセル(D−3)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒子径は約4μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−4)の含有率は約67%であった。
【0047】
(D−6)
芯物質 :香料組成物(A−4)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :非イオン
マイクロカプセル(D−4)の調製時に用いたポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩の代わりにポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGL05、日本合成化学製)を5g用いて、非イオン性マイクロカプセルが分散された水性分散液約340gを作製した。マイクロカプセル(D−4)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−4)の含有率は約59%であった。
【0048】
(D−7)
芯物質 :香料組成物(A−6)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :アニオン
300mL容ビーカーに、イオン交換水200g、平均分子量が16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)5gを入れて溶解した。また、別の100mL容ビーカーには、香料組成物(A−6)55gとポリフェニルイソシアネート(商品名:PAPI−135、Dow Chemical製)8gを入れて混合し、芯物質溶液を調製した。次いで、500mL容ビーカーに、前記の二種類の溶液を入れ、ホモミキサーで5分間3000rpmの速度で攪拌し、O/Wエマルジョンを生成した。次いで、40wt%のヘキサメチレンジアミン水溶液75gを入れ、常温で400rpmで2時間攪拌してカプセル壁を反応硬化させて、硬化カプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルの水性分散液を調製した。このように生成されたマイクロカプセルの粒子径を、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−300V(島津製作所製)で測定した結果、平均粒子径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−6)の含有率は約59%であった。
【0049】
(D−8)
芯物質 :香料組成物(A−6)
壁物質 :メラミン系高分子
製造方法:in−situ重合法
乳化系 :アニオン
エチレン−無水マレイン酸共重合体(商品名:A−C573A、573P、ハネウェル社製)のナトリウム塩、及び平均分子量16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)を夫々5%含有する水溶液300gに、香料組成物(A−6)150gを加え、ホモミキサーで2,500rpmの速度で攪拌してO/Wエマルジョンを調製した。次に、別途、メラミン30g、35%のホルムアルデヒド水溶液100g、水350gに少量の水酸化ナトリウムを加えてpHを約9に調節した後、80℃で30分間攪拌して、メチロールメラミン水溶液を調製した。このメチロールメラミン水溶液を前記のO/Wエマルジョンに添加して、70℃で約2時間攪拌してカプセル壁を硬化し、硬化したカプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルが分散した水性分散液を調製した。マイクロカプセル(D−7)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒子径は約4μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−6)の含有率は約67%であった。
【0050】
(D−9)
芯物質 :香料組成物(A−6)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :非イオン
マイクロカプセル(D−7)の調製時に用いたポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩の代わりにポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGL05、日本合成化学製)を5g用いて、非イオン性マイクロカプセルが分散された水性分散液約340gを作製した。マイクロカプセル(D−7)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒径が約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−6)の含有率は約59%であった。
【0051】
<繊維製品用処理剤組成物の調製>
(実施例1〜12、18〜31、37〜50、56及び57、並びに比較例2及び3)
繊維製品用処理剤組成物600mlは、内径100mm及び高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(スリーワンモーター(新東科学(株)社製)、攪拌羽は、1枚の羽の長さが15mm、幅が約13mmのものを12本有するもの)を用い、次の手順により調製した。予め55℃に加温して溶融させた香料組成物、カチオン性化合物及びシリコーン化合物、並びにノニオン性界面活性剤(POEイソデシルエーテルEO60モル付加、実験室合成品*1)2%をガラス容器に取り、攪拌機にて、回転数を1000rpmにして攪拌した。次に、55℃に加温しておいたイオン交換水を2度に分けて油相に添加して攪拌した。ここで、イオン交換水の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで1回目のイオン交換水添加後に3分間、2回目のイオン交換水添加後に2分間行った。その後、室温まで冷却した。
*1:イソトリデシルアルコール「商品名:ルテンゾールTO3」(BASF社製)115g、触媒として40%KOH 1.25gを耐圧製反応容器に仕込み、常法により容器内を窒素置換した。触媒中の水分を100℃、2.7kPa以下で30分脱水してから温度を140℃まで昇温した。撹拌しながら0.25MPa以下でエチレンオキシド867.8gを付加反応させ、付加反応終了後、圧力が平衡になるまで熟成した。次に、温度60℃以下まで冷却し、精製水249gを添加後、80%酢酸を0.37gとエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(色調安定化のためのキレート剤)0.01gを添加し30分間分散させた。
【0052】
(実施例15〜17、34〜36及び53〜55)
繊維製品用処理剤組成物600mlは、内径100mm及び高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(スリーワンモーター(新東科学(株)社製)、攪拌羽は、1枚の羽の長さが15mm、幅が約13mmのものを12本有するもの)を用い、次の手順により調製した。予め55℃に加温して溶融させたカチオン性化合物及びシリコーン化合物、並びにノニオン性界面活性剤(POEイソデシルエーテルEO60モル付加、実験室合成品*1)2%をガラス容器に取り、攪拌機にて、回転数を1000rpmにして攪拌した。次に、55℃に加温しておいたイオン交換水を2度に分けて油相に添加して攪拌した。ここで、イオン交換水の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで1回目のイオン交換水添加後に3分間、2回目のイオン交換水添加後に2分間行った。その後、室温まで冷却した。次に(D)成分の乳化物粒子を添加し、スターラーで均一に分散するよう攪拌した。
【0053】
(実施例13、14、32、33、51及び52)
繊維製品用処理剤組成物600mlは、1000mlビーカーに香料組成物と予め30℃に加温したシリコーン化合物、ノニオン界面活性剤(TAG−90(POEトリデシルエーテル)、EO=7モル付加、ライオン(株)製)3%、及びイオン交換水を添加し、スターラーで1時間攪拌後、カチオン性化合物を添加し、さらに1時間攪拌した。なお、表中の値は、繊維製品用処理剤組成物の全量を基準とした香料組成物、カチオン性化合物及びシリコーン化合物の質量%を表す。但し、香料組成物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物中の香料成分の合計量として記載した。
【0054】
(比較例1、4及び5)
繊維製品用処理剤組成物600mlは、1000mlビーカーに香料組成物、ノニオン界面活性剤(TAG−90(POEトリデシルエーテル)、EO=7モル付加、ライオン(株)製)3%、及びイオン交換水を添加し、スターラーで1時間攪拌した。
【0055】
(印象評価1用評価布の調製:1回処理)
評価布A:5Lのビーカーに4Lの水道水を入れたものを準備した。そこに、繊維製品用処理剤組成物の濃度が1500ppm(繊維製品用処理剤組成物中の水も含む)となるように、実施例及び比較例の繊維製品用処理剤組成物を投入し分散させた。その中に、女性用シャツ(サラファインUVカット クルーネックT(長袖)Lサイズ、(株)ユニクロ製)2枚を入れ(浴比20倍(繊維製品1kgに対する水の量20L))、3分間攪拌した。その後、シャツを取り出し、二槽式洗濯機の脱水槽に入れて1分間脱水し、20℃65%RH下で1晩乾燥させた。
評価布B:5Lのビーカーに4Lの水道水を入れたものを準備した。そこに、女性用シャツ(サラファインUVカット クルーネックT(長袖)Lサイズ、(株)ユニクロ製)2枚を入れ(浴比20倍)、3分間攪拌した。その後、シャツを取り出し、二槽式洗濯機の脱水槽に入れて1分間脱水し、20℃65%RH下で1晩乾燥させた。
【0056】
(印象評価2用評価布の調製:繰り返し処理)
評価布C:5Lのビーカーに4Lの水道水を入れたものを準備した。そこに、繊維製品用処理剤組成物の濃度が1500ppm(繊維製品用処理剤組成物中の水も含む)となるように、実施例及び比較例の繊維製品用処理剤組成物を投入し分散させた。その中に、女性用シャツ(サラファインUVカット クルーネックT(長袖)Lサイズ、(株)ユニクロ製)2枚を入れ(浴比20倍)、3分間攪拌した。その後、シャツを取り出し、二槽式洗濯機の脱水槽に入れて1分間脱水し、20℃65%RH下で1晩乾燥させた。この処理を5回繰り返した。
評価布D:5Lのビーカーに4Lの水道水を入れたものを準備した。そこに、女性用シャツ(サラファインUVカット クルーネックT(長袖)Lサイズ、(株)ユニクロ製)2枚を入れ(浴比20倍)、3分間攪拌した。その後、シャツを取り出し、二槽式洗濯機の脱水槽に入れて1分間脱水し、20℃65%RH下で1晩乾燥させた。この処理を5回繰り返した。
【0057】
(評価方法1:1回処理)
25cm×18cmの女性の写真(画像ID.02001279、ブランド名hana、(株)データクラフト社製ImageNaviより抜粋)を用意し、処理した評価布A及び評価布Bの香りを嗅ぎながら、写真の女性の衣類から評価布A及びBの香りがしたときにどのような印象の人だと感じるかを女性30名(20〜30代女性、日本人、首都圏在住、既婚者、有職主婦)に回答してもらった。評価は下記の項目に対して、7段階評価(非常にそう思う7点、かなりそう思う6点、ややそう思う5点、どちらとも言えない4点、ややそう思わない3点、かなりそう思わない2点、非常にそう思わない1点)で点数をつけてもらった。
評価項目:a.明るい・前向きな印象、b.エレガントな・上品な印象、c.可憐な・魅惑的な印象
女性30名の結果について、{(評価布Aを嗅ぎながら写真の女性を評価した時の点数)−(評価布Bを嗅ぎながら写真の女性を評価した時の点数)}を求め、平均値を計算した。
【0058】
(評価方法2:繰り返し処理)
25cm×18cmの女性の写真(画像ID.02001279、ブランド名hana、(株)データクラフト社製ImageNaviより抜粋)を用意し、処理した評価布C及び評価布Dの香りを嗅ぎながら、写真の女性の衣類から評価布C及びDの香りがしたときにどのような印象の人だと感じるかを女性30名(20〜30代女性、日本人、首都圏在住、既婚者、有職主婦)に回答してもらった。評価は下記の項目に対して、7段階評価(非常にそう思う7点、かなりそう思う6点、ややそう思う5点、どちらとも言えない4点、ややそう思わない3点、かなりそう思わない2点、非常にそう思わない1点)で点数をつけてもらった。
評価項目:a.明るい・前向きな印象、b.エレガントな・上品な印象、c.可憐な・魅惑的な印象
女性30名の結果について、{(評価布Cを嗅ぎながら写真の女性を評価した時の点数)−(評価布Dを嗅ぎながら写真の女性を評価した時の点数)}を求め、平均値を計算した。
【0059】
【表4】

【0060】
【表5】

【0061】
【表6】

【0062】
【表7】

【0063】
【表8】

【0064】
【表9】

*実施例15〜17、34〜36及び53〜55はD成分のマイクロカプセル入り水溶液の配合量とその中に含まれるA成分の量を記載している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の香料成分(A)〜(E)から選ばれた少なくとも4つの香料成分を含有する繊維製品用処理剤組成物用香料組成物であって、
(A)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
シトラール、ボージュナール、ヘリオトロピン、リリアール及びヘキシルシンナミックアルデヒド
(B)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
γ−メチルイオノン、β−イオノン及びスピロガルバノン
(C)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
γ−ウンデカラクトン及びクマリン
(D)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
サリチル酸ヘキシル、ジャスマサイクレン、ヘディオン、サリチル酸ベンジル及び酢酸ノピル
(E)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
ペオニール及びシトロネリルニトリル
香料成分の含有量が下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たす、繊維製品用処理剤組成物用香料組成物。
(1)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.2〜1であり、香料成分(C)の含有量が0.7〜1.3であり、香料成分(D)の含有量が0.4〜1.5であり、香料成分(E)の含有量が0.05〜0.5である。
(2)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.1〜0.4であり、香料成分(C)の含有量が0〜0.1であり、香料成分(D)の含有量が0.9〜1.5であり、香料成分(E)の含有量が0.01〜0.2である。
(3)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.9〜1.5であり、香料成分(C)の含有量が1.5〜2であり、香料成分(D)の含有量が1〜2であり、香料成分(E)の含有量が0〜0.5である。
【請求項2】
請求項1に記載の香料組成物、及びカチオン性化合物を含む繊維製品用処理剤組成物であって、カチオン性化合物が下記式(I)、(II)及び(IV)で表される3級アミン化合物の中和物及び4級化物、並びに水溶性のカチオン性高分子化合物からなる群より選ばれる、繊維製品用処理剤組成物。
【化1】





(式中、R1は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数12から20の炭化水素基を表す。
2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
3は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数8から12の炭化水素基を表す。
4は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基を表す。
5は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)
【請求項3】
さらにポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチルシリコーン及びアルキル変性シリコーンからなる群より選ばれるシリコーン化合物を含む請求項2記載の繊維製品用処理剤組成物。
【請求項4】
芯物質が請求項1に記載の香料組成物であり、壁物質が、ポリアクリル酸系、ポリメタクリル酸系、メラミン系及びウレタン系高分子物質からなる群から選択された1種以上であるマイクロカプセルを含む請求項2又は3記載の繊維製品用処理剤組成物。

【公開番号】特開2013−6967(P2013−6967A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140963(P2011−140963)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】