説明

香料組成物

本発明は、脂肪酸臭、特に短鎖脂肪酸臭(例えば、酪酸臭)をマスキングするのに特に有用な香料組成物、消費者製品(当該香料組成物を含む洗浄及び/又は処理用組成物など)、並びに当該組成物及び消費者製品の製造及び使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、臭気のマスキングに有用な香料組成物、このような組成物を含む洗浄及び/又は処理用組成物、並びにその製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、衣類のような物品が、出来る限り清潔であることを好む。こうした消費者は、典型的に、洗浄済み又は処理済み物品の臭気をかかる物品の清潔度と結び付けて考える。このため、洗浄及び/又は処理用組成物の有効性は、消費者の観点から、典型的には当該組成物によって洗浄又は処理された物品に対し、当該組成物が与えるにおいと直接結び付けられる。本出願人らは、エステラーゼ類及びリパーゼ類のようなある種の物質が、不快な脂肪酸臭、特に短鎖脂肪酸臭(酪酸臭など)を発生させることを確認した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような物質は、特に効果的な洗浄剤であり得る。残念ながら、消費者は典型的に、このような作用物質の使用から生じる臭気を清浄度不足と結び付けて考える。このため、脂肪酸臭をマスクする香料組成物、当該組成物を含む洗浄及び/又は処理用組成物、並びにその製造及び使用方法に対する必要性は依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、脂肪酸臭のマスキングに有用な香料組成物、当該組成物を含む洗浄及び/又は処理用組成物、並びにその製造及び使用方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
定義
本明細書で使用する時、消費者製品としては、物品並びに洗浄及び処理用組成物が挙げられる。
【0006】
本明細書で使用する時、「洗浄及び/又は処理用組成物」という用語は、指示がない限り、錠剤、粒状又は粉末形態の万能又は「強力」洗浄剤、特に洗濯洗剤;液体、ゲル又はペースト形態の万能洗浄剤、特にいわゆる強力液体タイプ;液体高級布地用洗剤;手洗い食器洗浄剤又は軽質食器洗浄剤、特に高起泡タイプのもの;種々の錠剤、粒状、液体並びに家庭及び企業での使用のためのリンス補助型を含む機械食器洗浄剤;抗菌ハンドウォッシュタイプ、洗濯バー、うがい薬、義歯クリーナー、車又はカーペット用シャンプー、浴室クリーナーを含む液体洗浄剤及び消毒剤;ヘアシャンプー及びヘアリンス;シャワージェル及び泡バス及び金属クリーナー;並びに、漂白添加物質及び「染み用スティック」又は前処理タイプのような洗浄補助剤を含む。
【0007】
本明細書で使用する時、「表1の香料構成成分」は、本明細書中に見出される表1に列挙された香料構成成分を意味する。
【0008】
本明細書で使用する「独立して、〜から成る群から選択される」なる言い回しは、引用されるマルクーシュ群から選択される部分又は要素が同じか、異なるか、又は任意の要素の混合物であってもよいことを意味する。
【0009】
本明細書で使用する時、冠詞「a」及び「an」は、仕様書又は請求項で使用される時には、特許請求され又は記載される1以上のものを意味するものと理解される。
【0010】
本出願の試験方法の項で開示する試験方法を用いて、本出願人らの発明のパラメータの各値を求めなければならない。
【0011】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は全て、前記構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源類に存在し得る不純物類、例えば残留溶媒類又は副生成物類は除外される。
【0012】
百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、重量で計算される。百分率及び比率は全て、特に指示しない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0013】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数の限定は、あらゆるより小さい数値の限定を、あたかもそのようなより小さい数値の限定がここに明確に書かれているかのように包含すると理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように包含する。
【0014】
全ての引用された文書は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれる。任意の文書の引用は、それが本発明に関して先行技術であるということの承認として解釈されるべきではない。
【0015】
香料組成物
本明細書で開示する香料組成物は、臭気、特に脂肪酸臭、より具体的には短鎖脂肪酸臭(酪酸の臭気など)をマスキングするのに特に有用であり、当該香料組成物は特に洗剤粉末内で有用である。
【0016】
発明の1つの態様では、該香料組成物は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、更に又は90%の1以上の香料構成成分を含み、該1以上の香料構成成分が、0より大きく、5.8E−22g(350ダルトン)以下、約1.7E−22g(100ダルトン)〜約5.8E−22g(350ダルトン)、約2.1E−22g(130ダルトン)〜約4.4E−22g(270ダルトン)、又は更に約2.3E−22g(140ダルトン)〜約3.8E−22g(230ダルトン)、の分子量を有し、該1以上の香料構成成分の少なくとも80%、85%、90%、又は更に95%が、少なくとも2.4、約2.75〜約8.0又は更には約2.9〜約6.0のClogPを有し、該香料組成物が、少なくとも2.4、約2.75〜約8.0、又は更に約2.9〜約6.0の範囲内のClogPを有する該1以上の香料構成成分、を少なくとも5%、15%、25%、35%、45%、55%、65%、75%、85%、又は更に95%含む。本発明の該態様では、該1以上の香料構成成分は、シッフ塩基、エーテル、フェノール、ケトン、アルコール、エステル、ラクトン、アルデヒド、ニトリル、天然油又はこれらの混合物から成る群から選択されてよい。上述した如く、本発明の特定の態様では、該1以上の香料構成成分は、表1の香料構成成分、又は更に表1の香料構成成分1〜28を含んでよい。
【0017】
本発明の別の態様では、該香料組成物は、下記表1に列挙された構成成分及びこれらの混合物から成る群から選択される香料構成成分を、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は更に90%で含む。
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

本発明の別の態様では、該香料組成物は、上記表1に列挙された香料構成成分1〜28及びこれらの混合物から成る群から選択される香料構成成分を、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は更に90%で含む。
該香料組成物の上述した態様のいずれにおいても、該香料組成物は、次式を有するエステル香料構成成分を含んでよい。
【化1】

【0018】
[式中、R及びRは独立して、少なくともα炭素を含み、且つβ及び/又はγ炭素を有してもよい。R及びRは、各々独立して、次の特性の1以上を有する任意の有機部分であることができる。R及び/若しくはRのα、β又はγ位の少なくとも1つに、分岐又はペンダント環を有する。R及び/若しくはRのα又はβ位の少なくとも1つに、分岐又はペンダント環を有する。又は、R及び/若しくはRのα位に、第三級炭素原子を少なくとも1つ有する。]理論に束縛されるものではないが、該香料エステルが、エステル結合を加水分解させることができる酵素(例えば、EC3.1.1に分類される酵素類(リパーゼ類など))の存在下にある場合には、上述の香料エステル特性により、香料エステルの安定性が向上し、従って香料組成物安定性が高まると考えられている。このようなエステル香料類は、本出願の実施例8に開示される方法に従って試験した場合、80%未満、50%未満及び更には20%未満の分解特性を示すことができる。
【0019】
上述した本発明の態様のいずれにおいても、該香料組成物は典型的に、酢酸、フェニルメチルエステル;ベンゼンエタノール;ブタン酸、2−メチル−、エチルエステル;4H−ピラン−4−オン、2−エチル−3−ヒドロキシ−;ベンズアルデヒド、4−ヒドロキシ−3−メトキシ−;ベンズアルデヒド、3−エトキシ−4−ヒドロキシ−;3−ヘキセン−1−オル、アセテート、(Z)−;ブタン酸、2−メチル−、1−メチルエチルエステル;3−デカノン、1−ヒドロキシ−;2−ヘプタノン;ベンズアルデヒド;プロパンニトリル、3−(3−ヘキセニルオキシ)−、(Z)−;2−ブタノン、4−フェニル−;2−ヘキセン−1−オル;2(3H)−フラノン、5−ブチルジヒドロ−から成る群から選択される香料構成成分を約5%以下含有するか、又は場合により全く含有しない。
【0020】
本明細書に開示される香料組成物を製造するのに好適な香料材料は、次の供給者から入手してもよい。Argeville Kantcheff GmbH(ネロタール(Nerotal)45、D6200 ヴィースバーデン、ドイツ)、Biolandes Parfumerie(プラスカシエ通り(Route de Plascassier)44、BP156−06336 グラース(Grasse)CEDEX、フランス)、カプア(CAPUA) s.r.l.(産業地区89052、カンポ・カラブロ(レッジョ・カラブリア県)、イタリア)、シャラボー社(イブ−エマニュエル・ボードイン通り(Avenue Yves-Emmanuel Baudoin)10、グラース(Grasse)06130、フランス)、ドローム・インターナショナル社(Drom International Inc)(カムデン・コート2776、イリノイ州ライル60532、米国)、フレグランス・リソース社(クラーク・ストリート275、キーポート 私書箱110、ニュージャージー州07735、米国)、フィルメニッヒ社(ジュヌス通り(Route Des Jeunes)1、ジュネーブCH−1211、スイス)、フィルメニッヒ社(私書箱5880、プリンストン、ニュージャージー州08543、米国)、ジボダン・フランス社(ヴァン通り(Voie des Bans)19〜23、BP98 95101、アルジャントゥーユ、CEDEX、フランス)、ジボダンS.A.本社(BP985、パルフュメリエ通り(Chemin de la Parfumerie)1214、バーニア、スイス)、ヘンケル・カーゲーアーアー(Henkel KgaA) CFC、芳香剤部門(ヘンケル通り67、D−40191、デュッセルドルフ、ドイツ)、インターナショナル・フレーバー&フレグランス(IFF)(リーベルゲルヴェグ(Liebergerweg)72−98、私書箱309 1200 AH、ヒルフェルスム、オランダ)、IFF(フランス)47(ルー・ヴィクトル・ユゴー92270、ボア・コロンブ、フランス)、インターナショナル・フレーバー&フレグランス(IFF)(ダクサ(Daksa)12580、ベニカルロ(カステリョン)、スペイン)、インターナショナル・フレーバー&フレグランス(IFF)(クリエイティブ・センター650、ステートHWY、36 ハズレット、ニュージャージー州07730、米国)、カンチェフ(Kantcheff) GmbH(ネロタール(Nerotal)45、D6200 ヴィースバーデン、ドイツ)、ヴェ・マン・フィスSA(フランス、620グラース(Grasse)通り、06620バール・シュル・ルー、フランス)、マン社(コンコルド・ハウス、バルコム(Balcombe)・ロード、ヘイワード・ヘルス、サセックス、RH16 1NS)、ミレニアム141(ルー(Rue)・セント・ランバート、Bte2、1200、ブリュッセル、ベルギー)、ミレニアム(私書箱389、ジャクソンビル、フロリダ州32201−0389、米国)、ノビル(Noville)2B、カーディガン・ロード、リッチモンド、サリー(Surrey)、TW10、6BJ)、ノビル(Noville)3(エンパイア・ブルーバード、サウス・ハッケンサック、ニュージャージー州07606−1806、米国)、PFWアロマ・ケミカルズ・B.V.、Nijverheidsweg、60、私書箱414 3770、AK、バーネベルド、オランダ)、シムライズGmbH(ミューレンフェルド通り、D−37603、ホルツミンデン、ドイツ)、クエストインターナショナル(私書箱2、ナーデン・ブッサム、オランダ)、クエストインターナショナルフレグランスカンパニー400(インターナショナル・ドライブ、私書箱901、マウント・オリーブ、ニュージャージー州07828、米国)、クエストインターナショナル(アシュフォード、ケント、TN24、0LT、英国)、ローディア・オーガニック・ファイン社(Rhodia Organique Fine Ltd)(私書箱46、セントアンドリュース・ロード、アヴォンマウス、ブリストル、BS11、9YF)、曽田香料株式会社(曽田ビルディングNo.、〒103東京都中央区日本橋本町4丁目15−9、日本)、シナローム40(ルー(Rue)・ラスペイル、BP20 92270、ボア・コロンブ、フランス)、高砂インターナショナル11(ボルボ・ドライブ、ロックレイ、ニュージャージー州、07647−0932、米国)、及び高砂インターナショナル(ネーデルランド、B.V.、グーイメール(Gooimeer)、9 1411 DD、ナーデン、オランダ)。
【0021】
香料組成物の製造方法
本発明の香料組成物は、香料原材料(典型的には、液体である)を混合することによって調製してよい。特定の香料原材料は固形物であり、残りの香料と均質化させるためにはゆっくりと加熱する必要がある。該香料ブレンドは、かなりの割合の希釈剤(例えば、ジプロピレングリコール)、酸化防止剤又は可溶化物質をも含むことができる。主として親水性のマトリックス(例えば、水性液体洗浄剤)内に香料を分散させるために、界面活性剤濃度が低い場合には、可溶化剤が特に好都合であり得る。
【0022】
香料デリバリー方法
香料組成物についての上述した態様のいずれも、他の物質と混ぜ合わせて、次のいずれかのデリバリーシステムを作成してよい。デンプン封入物デリバリーシステム、多孔質担体物質デリバリーシステム、コーティングされた多孔質担体物質デリバリーシステム、マイクロカプセル封入デリバリーシステム。上述したデリバリーシステムを作成する好適な方法は、次の米国特許第6,458,754号;同5,656,584号、同6,172,037号、同5,955,419号及び同5,691,383号、並びにWIPO公開公報、PCT国際公開特許WO94/28017、同WO98/41607、同WO98/52527の1以上の中に見出しえる。このようなデリバリーシステムは、単独で、互いに組み合わせて、又は更には、原液のままでの噴霧又は消費者製品内での混合された本発明の香料組成物と組み合わせて使用することができる。
【0023】
消費者製品
本出願人らの発明の第1の態様では、本出願人らの発明は、少なくとも0.05重量%、又は更に約0.05重量%〜約30重量%の本発明の香料組成物を含む消費者製品を含み、該組成物の任意の残部が1以上の補助物質であり、当該消費者製品は、脂肪酸臭、又は脂肪酸臭若しくはその組み合わせを発生させる物質を含有してもよい。
【0024】
本出願人らの発明の第2の態様では、本出願人らの発明は、約0.05〜約5重量%、約0.05〜約2重量%、約0.05〜約1重量%の該香料組成物を含む洗浄及び/若しくは処理用組成物及び脂肪酸臭、酪酸のような脂肪酸臭を発生させる物質(例えば、リパーゼ)、又は脂肪酸臭若しくは脂肪酸臭を発生させる物質の組み合わせを含み、該組成物の任意の残部は1以上の補助物質である。
【0025】
本出願人らの発明における該第1及び第2態様では、脂肪酸臭を発生させる該物質は、次のように分類される酵素類から成る群から選択されてよい。EC番号3.1(エステル結合を加水分解可能な酵素類)、EC番号3.1.1(カルボン酸エステル結合を加水分解可能な酵素類)、EC番号3.1.1.3(リパーゼ類)、EC番号3.1.1.50(ワックスエステル加水分解酵素)及びEC番号3.1.1.74(クチナーゼ類)。EC3.1.1.3リパーゼ類の例としては、WIPO公開公報、PCT国際公開特許WO00/60063、同WO99/42566、同WO02/062973、同WO97/04078、同WO97/04079及び米国特許第5,869,438号に記載されているようなものが挙げられる。リパーゼ類の例としては、リペックス(LIPEX)(登録商標)、リポラーゼ・ウルトラ(LIPOLASE ULTRA)(登録商標)及びリポプライム(LIPPOPRIME)(登録商標)及びリポラーゼ(LIPOLASE)(登録商標)(ノボザイムズ社(Novozymes)の登録商品名)、及びアレアリオ製薬会社(Areario Pharmaceutical Co. Ltd.)(名古屋、日本)から入手可能なリポラーゼ・P「アマノ(登録商標)」(LIPASE P "AMANO")、東洋醸造(株)(田方郡、日本)より市販されているアマノ−CES(AMANO-CES)(登録商標)が挙げられ、更には、U.S.バイオケミカル社(U.S. Biochemical Corp.)(米国)、ダイオシンス社(Diosynth Co.)(オランダ)からのクロモバクター・ビスコスム・リパーゼ類(Chromobacter viscosum lipases)、並びに他のリパーゼ類(シュードモナス・グラディオリなど)が挙げられる。追加の有用なリパーゼ類は、WIPO公開公報、PCT国際公開特許WO2004/101759、同2004/101760及び同2004/101763に開示されている。
【0026】
補助物質
本発明の目的には必須でないが、以下に例示される補助剤の非限定的なリストは、本組成物において使用するのに適しており、例えば、クリーニング性能を補助若しくは向上させるために、洗浄されるべき基材の処理のために、又は着色剤、染料などを用いる場合と同様に洗浄組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の特定の実施形態に組み込まれてよい。このような追加的成分の明確な性質、及びそれを組み込む濃度は、組成物の物理的形態及び使用されるべき洗浄作業の性質に依存する。好適な補助物質としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移行防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、予備形成過酸類、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、発泡抑制剤、染料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。下記の開示に加え、このようなその他の補助剤の適した例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、米国特許第6,306,812B1号及び米国特許第6,326,348B1号に見出され、これらを本明細書に参考として組み込む。
【0027】
上述の如く、該補助成分は、本出願人らの組成物にとって必須ではない。従って、本出願人らの組成物のある種の実施形態は、以下の補助物質(界面活性剤、ビルダー、キレート剤、染料移行防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、予備形成過酸類、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、発泡抑制剤、染料、構造弾性化剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、溶媒及び/又は顔料)の1以上を含有しない。しかしながら、1以上の補助剤が存在する場合、当該1以上の補助剤は、以下に詳細に記載されるように存在してもよい。
【0028】
漂白剤 − 本発明の洗浄組成物は、1以上の漂白剤を含んでよい。漂白触媒類以外の好適な漂白剤としては、光漂白剤、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素供給源、予備形成過酸及びこれらの混合物が挙げられる。一般的に、漂白剤が使用される場合、本発明の組成物は、標記洗浄組成物の約0.1重量%〜約50重量%又は更に約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤を含んでよい。好適な漂白剤の例としては、次のものが挙げられる。
【0029】
(1)光漂白剤、例えばスルホン化亜鉛フタロシアニン、
(2)予備形成過酸類。好適な予備形成過酸類としては、過カルボン酸類及び塩類、過炭酸類及び塩類、ペルイミド酸類及び塩類、ペルオキシ一硫酸類及び塩類(例えば、オキシゾーン(Oxzone)(登録商標))並びにこれらの混合物から成る群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限定されない。好適な過カルボン酸類としては、化学式R−(C=O)O−O−Mを有する疎水性及び親水性過酸類が挙げられる。[式中、Rはアルキル基であり、所望により分岐しており、前記過酸が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、前記過酸が親水性の場合には、6個未満の炭素原子、又は更に4個未満の炭素原子を有し、Mは、対イオン(例えば、ナトリウム、カリウム又は水素)である。]
(3)アルカリ金属塩類、例えば過ホウ酸塩(通常は、一又は四−水和物)、過炭酸塩、過硫酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩のナトリウム塩類及びこれらの混合物を含む、過酸化水素供給源(例えば、無機過水和物塩類)。発明の1つの態様では、前記無機過水和物塩は、過ホウ酸塩、過炭酸塩のナトリウム塩及びこれらの混合物から成る群から選択される。無機過水和物塩(用いた場合)は、典型的には、全組成物の0.05〜40重量%、又は1〜30重量%の量で存在し、且つ典型的には、当該組成物中へ結晶固形物(コーティングされていてもよい)として組み込まれる。好適なコーティングとしては、無機塩(アルカリ金属ケイ酸塩、炭酸塩若しくはホウ酸塩又はこれらの混合物など)、又は有機物質(水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸など)が挙げられる。及び、
(4)R−(C=O)−Lを有する漂白活性化剤類。[式中、Rはアルキル基であり、所望により分岐しており、前記漂白活性化剤が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、前記漂白活性化剤が親水性の場合、6個未満の炭素原子、又は更に4個未満の炭素原子を有し、Lが、脱離基である。]好適な脱離基の例は、安息香酸及びその誘導体(特に、ベンゼンスルホネート)である。好適な漂白活性化剤類としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。好適な漂白活性化剤類は、PCT国際公開特許WO98/17767にも開示される。いかなる好適な漂白活性化剤も使用してもよいが、発明の1つの態様では、標記洗浄組成物は、NOBS、TAED又はこれらの混合物を含んでよい。
【0030】
過酸及び/又は漂白活性化剤(存在する場合)は、一般に、組成物を基準にして、約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%又は更に約0.6〜約10重量%の量で、組成物中に存在する。1以上の疎水性過酸類又はその前駆体は、1以上の親水性過酸又はその前駆体と組み合わせて使用してもよい。
【0031】
過酸化水素供給源及び過酸又は漂白活性化剤の量は、有効酸素(過酸化物供給源より供給される)対過酸のモル比が、1:1〜35:1、又は更に2:1〜10:1となるように選択してよい。
【0032】
界面活性剤 − 本発明による洗浄組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含んでよく、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双極性界面活性剤、半極性非イオン性界面活性剤及びこれらの混合物から選択されることができる。界面活性剤(存在する場合)は、典型的には、標記組成物の約0.1重量%〜約60重量%、約1重量%〜約50重量%又は更に約5重量%〜約40重量%の濃度で存在する。
【0033】
ビルダー類 − 本発明の洗剤組成物は、1以上の洗剤ビルダー又はビルダー系を含んでよい。ビルダーを使用する場合、標記組成物は、典型的には、標記組成物の少なくとも約1重量%、約5重量%〜約60重量%、又は更に約10重量%〜約40重量%のビルダーを含む。ビルダー類には、ポリホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩、アルカリ金属シリケート、アルカリ土類及びアルカリ金属の炭酸塩、アルミノシリケートビルダーポリカルボキシレート化合物、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとのコポリマー、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の様々なアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩、並びに、例えばメリト酸、コハク酸、クエン酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸などのポリカルボキシレート、並びにこれらの可溶性塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
キレート化剤 − 本明細書の洗浄組成物は、キレート剤を含有してもよい。好適なキレート剤としては、銅、鉄及び/又はマンガンキレート剤及びこれらの混合物が挙げられる。キレート剤を使用する場合、標記組成物は、標記組成物の約0.005重量%〜約15重量%、又は更に約3.0重量%〜約10重量%のキレート剤を含んでよい。
【0035】
染料移行防止剤 − 本発明の洗浄組成物はまた、1以上の染料移行防止剤を含んでもよい。好適な高分子染料移行防止剤には、ポリビニルピロリドンポリマー類、ポリアミンN−オキシドポリマー類、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー類、ポリビニルオキサゾリドン類及びポリビニルイミダゾール類、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。標記組成物中に存在する場合、該染料移行防止剤は、該組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、又は更に約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在してよい。
【0036】
増白剤 − 本発明の洗浄組成物は、洗浄される物品に色合いを付けることもできる追加成分(例えば、蛍光光沢剤)を含有することもできる。好適な蛍光増白剤濃度としては、約0.01重量%、約0.05重量%、約0.1重量%又は更には約0.2重量%の低い濃度から、0.5重量%又は更に0.75重量%の高い濃度までが挙げられる。
【0037】
分散剤 − 本発明の組成物はまた、分散剤を含むことができる。好適な水溶性有機物質類としては、ホモポリマー又はコポリマーの酸類又はそれらの塩類が挙げられ、それらのうちのポリカルボン酸は、互いに炭素原子2個を超えない程度に離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0038】
酵素類 − 洗浄組成物は、クリーニング性能及び/又は布地ケア効果を提供する1以上の酵素を含むことができる。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ類、ペルオキシダーゼ類、プロテアーゼ類、セルラーゼ類、キシラナーゼ類、リパーゼ類、ホスホリパーゼ類、エステラーゼ類、クチナーゼ類、ペクチナーゼ類、マンナナーゼ類、ペクテートリアーゼ類、ケラチナーゼ類、レダクターゼ類、オキシダーゼ類、フェノールオキシダーゼ類、リポキシゲナーゼ類、リグニナーゼ類、プルラナーゼv、タンナーゼ類、ペントサナーゼ類、マラナーゼ類、β−グルカナーゼ類、アラビノシダーゼ類、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ類、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含んでよい酵素反応混液である。洗浄組成物中に存在する場合、上述した酵素類は、組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更に約0.001重量%〜約0.5重量%の濃度の酵素タンパク質で存在してよい。
【0039】
酵素安定剤 − 種々の技法によって、洗剤で使用する酵素類を安定化させることができる。本明細書に用いられる酵素類は、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給する、最終組成物中のカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源の存在によって安定化させることができる。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、更に安定性を改善するために、可逆性蛋白質分解酵素抑制剤(ホウ素化合物など)を添加することができる。
【0040】
触媒金属錯体 − 本出願人らの洗浄組成物は、触媒金属錯体を含むことができる。金属含有漂白触媒の1つの種類は、銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンの陽イオンのような、限定された漂白触媒活性の遷移金属陽イオン、亜鉛又はアルミニウムの陽イオンのような、漂白触媒活性をほとんど又は全くもたない補助金属陽イオン、並びに触媒金属および補助金属の陽イオンに対して限定された安定度定数を有する金属イオン封鎖剤、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)及びそれらの水溶性の塩類を含む触媒系である。このような触媒は、米国特許第4,430,243号に開示される。
【0041】
所望する場合、本明細書の組成物はマンガン化合物を用いて触媒作用され得る。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野で周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0042】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、米国特許第5,595,967号に記載される。このようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び米国特許第5,595,967号に教示されているような、既知の手順によって容易に調製される。
【0043】
本明細書の組成物は、また、配位子の遷移金属錯体(例えば、ビスピドン(bispidone)(PCT国際公開特許WO05/042532A1)及び/又は大多環状剛性配位子(「MRL」と略される)を適切に含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び工程は、水性洗浄媒体において、少なくとも1億分の1のオーダーの活性MRL種を提供するように調整することができ、典型的には、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更に約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0044】
本遷移金属漂白触媒における好適な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。好適な遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、PCT国際公開特許WO00/32601、及び米国特許第6,225,464号にて教示される手順によって容易に調製される。
【0045】
溶媒 − 好適な溶媒としては、水及び他の溶媒(例えば、親油性流体)が挙げられる。好適な親油性流体の例としては、シロキサン類、他のシリコーン類、炭化水素類、グリコールエーテル類、例えばグリセリンエーテル類などのグリセリン誘導類体、ペルフルオロ化アミン類、ペルフルオロ化及びハイドロフルオロエーテル溶媒類、低揮発性の非フッ素化有機溶媒類、ジオール溶媒類、環境に優しいその他の溶媒類、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0046】
洗浄及び/又は処理用組成物の製造方法
本発明の洗浄及び/又は処理用組成物は、いかなる適切な形態にも処方化することができ、配合者によって選択される任意のプロセスによって調製され、プロセスの非限定例は、本出願人らの実施例及び米国特許第5,879,584号、同5,691,297号、同5,574,005号、同5,569,645号、同5,565,422号、同5,516,448号、同5,489,392号、及び同5,486,303号に記載される。
【0047】
使用方法
本発明は、原位置(例えば、表面又は布地)の臭気の洗浄、処理及び/又はマスキングする方法で構成される。このような方法は、所望により原位置の洗浄及び/又はすすぎ洗いすること、次に本出願人らの香料組成物又は当該組成物を含有する消費者製品の実施形態を、純形態又は洗浄溶液内で希釈させて、少なくとも原位置の一部と接触させること、続いて所望により当該原位置をすすぎ洗いする工程で構成される。前記原位置は、前述のすすぎ工程の前に洗浄工程にさらされてもよい。本発明の目的上、洗浄することは、擦ること及び機械的攪拌を含むが、これらに限定されない。当業者に理解されるように、本発明の消費者製品の態様は、洗濯用途に用いるのに理想的に適している。それ故に、本発明は布地を洗濯するための方法を含む。この方法は、洗濯されるべき布地を本出願人の洗浄及び/又は処理用組成物の少なくとも1つの実施形態、洗浄添加物、又はこれらの混合物を含む洗浄洗濯溶液と接触させる工程を含む。前記布地には、通常の消費者の使用条件で洗濯可能なほとんどあらゆる布地が含まれる。溶液は、好ましくは約8〜約10.5のpHを有する。前記消費者製品は、溶液中で約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用してよい。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水対布地の比率は、典型的には約1:1〜約30:1である。
【0048】
試験方法
1.)ClogP:香料構成成分のClogPは、米国特許第6,916,769号に記載される手順に従って決定され、且つ香料組成物について、該香料構成成分の少なくとも80%がある種のClogP値を有すると記載及び/又は列挙される場合には、例えば、列挙された香料構成成分の10分の8又は5分の4等が列挙されたClogPを有していることを意味する。
【0049】
実施例1:本発明による香料組成物
【表2】

【0050】
実施例2:本発明による組成物を用いて製造した香料
【表3−1】

【表3−2】

次の洗剤組成物において、酵素濃度は、全組成物100グラムあたりの純酵素の百分率として与えられ、香料構成成分は、本発明並びに/又は上記実施例1及び2による香料である。実施例3〜6で使用される香料は、本発明の香料組成物、例えば、実施例1及び2の香料組成物である。特に指定しない限り、実施例3〜6の組成物の残部は、水及び少量成分(例えば、泡抑制剤など)である。実施例3〜6の成分識別の略号は、次の通り。
【表4】

【0051】
実施例3:漂白強力洗濯洗剤組成物は、次の通り調製される。
【表5】

【0052】
実施例4:次式を有する洗濯顆粒物及び錠剤を調製した。
【表6】

【0053】
実施例5:次の粒状洗剤が調製された。
【表7】

【0054】
実施例6:次の液体洗剤処方が調製された。
【表8】

【0055】
実施例7:実施例3〜6の組成物は、次のように使用される。
【0056】
各組成物は、各々の溶媒の一定量と混ぜ合わされて、各組成物を約500ppm〜約15,000ppm含む別々の溶液となる。物品(衣類又は硬い表面を含む)は、各溶液と接触させられる。前記物品が衣類の場合、溶媒対布地の質量比は、約1:1〜約100:1であり、溶液温度は、約5℃〜約90℃である。次に、前記物品を所望により洗浄し及び/又はすすぎ洗いする。結果として得られる物品の臭気、外観及び/又は色は改良され及び/又は維持される。
【0057】
実施例8
香料エステル安定性は、次の方法で分析した。本出願にて開示された香料エステル類のブレンドを、香料エステルの原材料(本出願に開示されている)を同等重量%にて混合することにより調製した。得られる香料を0.3%濃度にて、液体洗剤(タイド(TIDE)(登録商標)の商標名で販売されている)に添加する。エステル分解を20〜25℃にて保管後0及び24時間にて監視する(製品内及び洗浄溶液内(上記液体洗剤1.5gを水1リットルに加えて調製する)の両方にて行う)。得られる液体及び溶液のエステル含有量は、例えば、ジャヌス・ポーリスジン(Janusz Pawliszyn)著、「固相微量抽出応用(Application of Solid Phase Microextraction)」(RS.C、第26章、349〜457頁、1999年)に記載されているような標準ヘッドスペースのガスクロマトグラフィー法によって分析される。具体的には、ヘッドスペース固相微量抽出(SPME)は、熱脱着GC/MS分析に引き続いて実施される。SPME繊維は、100%のポリジメチルシロキサン(PDMS)でコーティングされている。前記繊維上の高分子フィルムの厚さは、100ミクロンである。試料を、ヘッドスペース20mLの隔膜シール付きバイアル瓶内に入れ、分析前に60分間平衡させる。サンプリングのために、繊維を前記試料バイアル瓶のヘッドスペース内に置き、20分間吸収させる。次に、前記試料をGCカラム内に、240℃にて5分間、インジェクター内に注入する。この作業のために使用するGC/MSシステムは、6890GCと組み合わされた5973MS(両方ともアジレント・テクノロジー社(Agilent technologies)製)である。PRM構成成分の分離は、1ミクロンのPDMS相でコーティングした60m×250ミクロン内径キャピラリーカラムを使用して達成される。香料エステル類は、80%未満、50%未満、更には20%未満の分解特性を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料組成物であって、少なくとも10%、好ましくは20%、より好ましくは30%の1以上の香料構成成分を含み、好ましくは、該1以上の香料構成成分が、エーテル類、フェノール類、ケトン類、アルコール類、エステル類、ラクトン類、アルデヒド類、ニトリル類、天然油類、シッフ塩基類又はこれらの混合物から成る群から選択され、該1以上の香料構成成分が、0より大きく、5.8E−22g(350ダルトン)以下、好ましくは1.7E−22〜5.8E−22g(100〜350ダルトン)、より好ましくは2.1E−22〜4.4E−22g(130〜270ダルトン)、最も好ましくは2.3E−22g〜3.8E−22g(140ダルトン〜230ダルトン)、の分子量を有し、該1以上の香料構成成分の少なくとも80%が、少なくとも2.4、好ましくは2.75〜8.0、より好ましくは2.9〜6.0のClogPを有し、該香料組成物が、少なくとも2.4のClogPを有する該1以上の香料構成成分、好ましくは、2.75〜8.0のClogPを有する該1以上の香料構成成分、より好ましくは、2.9〜6.0のClogPを有する該1以上の香料構成成分、を少なくとも5%含む、香料組成物。
【請求項2】
該1以上の香料構成成分が、エステル香料構成成分を含み、該エステル香料構成成分が次式を有する、請求項1に記載の香料組成物。
【化1】

[式中、R1及びR2は、独立して、α、β及び/又はγ炭素を含み、該R1及びR2が、各々独立して、R1及び/又はR2のα、β又はγ位の少なくとも1つに、分岐又はペンダント環を有する有機部分であり、該エステル香料構成成分が、R1及び/又はR2のα又はβ位の少なくとも1つに、分岐又はペンダント環を有し、より好ましくは、該エステル香料構成成分が、R1及び/又はR2のα位に少なくとも1つの第三級炭素原子を有する。]
【請求項3】
該組成物が、表1の香料構成成分又はこれらの混合物から成る群から選択される該香料構成成分、好ましくは、表1の香料構成成分の1〜28及びこれらの混合物から成る群から選択される香料構成成分、を少なくとも10%含む、請求項1又は2に記載の香料組成物。
【請求項4】
該香料組成物が、デンプンによりカプセル封入されるか、コーティングされた若しくはコーティングされていない多孔質担体物質内に充填されるか、又はマイクロカプセルに封入された、請求項1〜3のいずれか1項に記載の香料組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の香料組成物と好ましくは脂肪酸臭を発生させる物質及び/又は脂肪酸臭、好ましくはEC番号3.1に分類される酵素、とを含む消費者製品。
【請求項6】
該消費者製品が、補助洗浄又は処理用組成物成分を含む、請求項4に記載の消費者製品。
【請求項7】
原位置の臭気を洗浄、処理及び/又はマスキングする方法であって、所望により該原位置を洗浄及び/又はすすぎ洗いすること、該原位置を請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物又は消費者製品と接触させること、続いて所望により該原位置を洗浄及び/又はすすぎ洗いすること、を含む方法。

【公表番号】特表2008−521974(P2008−521974A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543572(P2007−543572)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【国際出願番号】PCT/US2005/042942
【国際公開番号】WO2006/058297
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】