説明

香粧品用香料組成物

【課題】
食用ホオズキ様の香気を付与させた香粧品用香料を提供し、該香粧品用香料を用いて食用ホオズキ様の香気を付与させた製品を提供すること。
【解決手段】
ホオズキの成分として報告されている各種エステル類などの香気成分を用いてべース調合香料を作成し、アネトフラン、テアスピラン、ローズフラン、ゲラニルメチルエーテル、ホモフラネオールメチルエーテルなどの特定のエーテル類を添加することで、優れたホオズキ様のフルーティーな香りを醸し出すことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香粧品用香料組成物に関するものであり、特に食用ホオズキの優れたフルーティー香気を有する香粧品香料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に知られているホオズキは、オレンジ色の観賞用ホオズキであり、ナス目ナス科ホオズキ属に分類されている。これらは、Physalis alkekengiL. var. franchetii は、英名;Chinese lantern plant)といわれ世界中には約80種が存在している。鑑賞用以外に、切花は、盆のお供え物としての需要が多く日本の文化とは切り離せないものとなっている。食用ホオズキは、旬は秋で、直径2cm から3cm 位の実が黄色くなると食べ頃を迎える。もともと、ヨーロッパでは古くから栽培されている南米熱帯原産の食用ホオズキPhysalis pruinosa,( Strawberry tomato, Husk tomato)は、南米、中国などで食用とされており、最近、日本においても、2月のバレンタインデイのプレゼントとして食用ホオズキにチョコレートをまぶした製品などに使用され話題となってきている.
ヨーロッパでは、フルーツとしてポピュラーであり、生食として食されるほか、ドライフルーツなどにも加工されており高級フルーツや製菓用などにも使用されている。ストローベリートマト食用ホオズキは、プチトマトと似た食感があり話題となっている。
ホオズキや食用ホオズキの香気成分としはethyl caporoateをはじめとしたエステル類のほかいくつかのメチルエーテル類が存在する事が知られている(非特許文献1)が、ホオズキ様香気を有するフルーティーな香りが香粧品様香料として使用された例はこれまでに無い。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】稲畑ら、香料244,2009, 45
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、観賞用ホオズキや食用ホオズキ(以下、まとめてホオズキとする)のフルーツ様香気を香粧品香料に応用した各種香粧品、医薬部外品、雑貨を提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、ホオズキの成分として報告されている各種エステル類などの香気成分を用いてべース調合香料を作成し、これに特定のエーテル類を加えることにより、さらにホオズキらしさが再現できることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の内容を含むものである。
[1]ホオズキ様香気を有する香粧品用香料組成物。
[2]ホオズキの香気成分を含有する前記[1]に記載の香粧品用香料組成物
[3]香気成分が食用ホオズキ由来のものである前記[2]に記載の香粧品用香料組成物。
[4]エーテル類を含むことを特徴とする前記[1]に記載の香粧品用香料組成物。
[5]エーテル類として、アネトフラン、テアスピラン、ローズフラン、ゲラニルメチルエーテル、ホモフラネオールメチルエーテルから選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する前記[4]に記載の香粧品用香料組成物。
[6]前記[5]記載のエーテル類を、0.1ppm〜1%含有する事を特徴とする香粧品用香料組成物。
[7]食用ホオズキの香気成分又は抽出物を含む香粧品香料組成物への香気の付与方法。
[8]アネトフラン、テアスピラン、ローズフラン、ゲラニルメチルエーテル、ホモフラネオールメチルエーテルから選ばれる1種又は2種以上の化合物を用いるホオズキ様香粧品用香料組成物への香気付与方法。
[9]香気が、瑞々しさ感、艶やかさ感、柔らかい質感から選ばれる1種以上の香質感であることを特徴とする前記[7]又は[8]記載の香気の付与方法。
[10]前記[1]〜[6]に記載の香粧品用香料組成物を配合することを特徴とする化粧品、医薬部外品、雑貨。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ホオズキ様のフルーツ香気を有した香粧品用香料組成物が得られ、本香料組成物を応用した各種化粧品、医薬部外品、雑貨を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の香粧品用香料組成物は、アネトフラン、テアスピラン、ローズフラン、ゲラニルメチルエーテル、ホモフラネオールメチルエーテルから選ばれる少なくとも1つの化合物を添加することを特徴としている。ベースとなる香料組成物にこれらのアネトフラン、テアスピラン、ローズフラン、ゲラニルメチルエーテル、ホモフラネオールメチルエーテルを添加することで、優れたホオズキ様のフルーティーな香りを醸し出すことができる。
【0008】
アネトフランは、別名Dill etherとも言われ、セリ科の植物であるディルの精油成分中の約10〜15%程度含まれている事が知られている。また。ディル種子から得られた精油から単離する事も可能である。あるいは、anetofuranを含有するディルの精油を用いる事も可能である。また、ワインラクトンと類似の構造であるので化学合成によって得る事も可能である。本発明においては、ラセミ体でも光学活性体でも使用することができるが好ましくは天然精油中のものと同じ(+)−体を用いるほうが良い。
【0009】
テアスピランは、分子内にスピロ環を有する化合物でキイチゴ、お茶、ラズベリー、パッションフルーツ、グアバ、紅茶、バラの花の香気成分として報告されている。本化合物は、化学合成によって光学活性体を得る事もできるが、市販のラセミ体のものを入手する事もできる。
ローズフランは、ブルガリア産バラの精油、バラの花の香気成分として知られており、市販品を入手して使用する事が可能である。
【0010】
ゲラニルメチルエーテルは、香粧品用原料として知られており、化学合成または市販品としても容易に入手可能である。
ホモフラネオールは、メロン、醤油などから特徴成分として単離同定されている。本化合物は、市販品を入手する事も容易である。
【0011】
また、アネトフラン、テアスピラン、ローズフラン、ゲラニルメチルエーテル、ホモフラネオールメチルエーテルは、これまでホオズキの香気成分として見出されたという報告はない。
【0012】
ベースとなる香料組成物にアネトフラン、テアスピラン、ローズフラン、ゲラニルメチルエーテル、ホモフラネオールメチルエーテルなどのエーテル類(以下、本発明の特定のエーテル類という)を添加すると、ベースとなる香料組成物に比較して香気に瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感のあるナチュラル感を付与することができる。その添加濃度は、本発明の香粧品用香料組成物中の最終濃度として0.1ppm〜5000ppmであることが好ましく、さらに、1ppm〜100ppmであることが好ましく、特に5ppm〜50ppmであることが好ましい。
【0013】
本発明の特定のエーテル類の配合量が少なすぎる場合には本発明の効果が発揮されない場合があり、一方、多すぎる場合には香気のバランスが悪くなり、単にフルーティー感が強くなるだけで、食用ホオズキの持っている瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感のあるナチュラル感とはかけ離れてしまうことがある。
本発明に係る香粧品用香料組成物が有するホオズキ様のフルーティーな香気は、他にはない独特なフルーツ香を形成しているものである。
すなわち、本発明においては、ベース香粧品用香料組成物に、本発明の特定のエーテル類を単独または、より好ましくは2種類以上組み合わせて添加することによって、香粧品用香料組成物へ香気を付与することができ、特に瑞々しさ感、艶やかさ感、柔らかい質感などのやさしくナチュラルな香質感を付与することができる。
【0014】
なお、本発明において、ベース香粧品用香料組成物とは、ホオズキ様フルーティ香気や香気の骨格となる調合香料のことをいい、最終製品に使用する調合香料の骨格をなすものであるが、それらに、本発明の特定のエーテル類を添加する事で、ホオズキ香調のキャラクターを付与するために使用する調合香料のことをいう。
本発明のホオズキ様香粧品用香料組成物においては、ベースとなる香料組成物すなわちベース香料組成物を用いることができる。ベース香料組成物としては、エステル様フルーティ香気を有するものが好ましく、例えばオクタン酸エチル、ヘキサン酸エチル、オクタン酸メチル、オクタン酸ブチル、ドデカン酸エチル、3−ヒドロキシヘキサン酸エチル、3−ヒドロキシオクタン酸エチル、ヘキサノール、オクタノール、シトロネロール、ゲラニオール、ベンジルメチルエーテル、γ―ヘキサラクトン、γ―オクタラクトン、メシフラン、ゲラニオール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ロジノール、ゲラニルアセテート、シトロネリルアセテートなどが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0015】
また、本発明に係るホオズキ様香粧品用香料組成物の製造方法としては、上記ベース香料組成物に対して、本発明の特定のエーテル類を添加すること以外には特に制限はなく、通常の方法を採用することが出来る。
【0016】
本発明のホオズキ様香粧品用香料組成物には、香りのバランスを損なわない限りに、エタノール、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、プロピレングリコール、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート、グリセリン、トリアセチン、トリエチルシトレートなどの溶媒を用いてもよい。また、必要に応じて、可溶化剤、安定化剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、着色料など公知のフレグランス調製物が配合可能である。
【0017】
また、本発明の香粧品用香料組成物を得るために用いられる他の香料成分としては、天然香料でも合成香料でも良く、例えばネロリドール、ゲラニルアセトン、ダマスコン、4-ターピネオール、ベータヨノン、p−メンタン−3,8−ジオール、ムスク−T、アセチルセドレン、セドリルメチルエーテル、10−ウンデセナール、ウンデカナール、2−メチルウンデカナール、n−オクタナール、n−ノナナール、ドデカナール、γ−ウンデカラクトン、3−メチル−3−フェニルグリシド酸エチル、ヘプタン酸アリル、シクロヘキサデセノン、α−アミルシンナミックアルデヒド、アネトール、バクダノール、ボルネオール、酢酸シンナミル、シトロネロール、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、プロピオン酸トリシクロデセニル、サリチル酸シクロヘキシル、ダマセノン、ダマスコン、アンスラニル酸ジメチル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、α−ダイナスコン、カプロン酸エチル、エチルリナロール、桂皮酸エチル、ガラクソリド、ゲラニオール、ゲラニルニトリル、ジヒドロジャスモン酸メチル、サリチル酸cis−3−ヘキセニル、ヨノン、イソ−E−スーパー、イソオイゲノール、シスジャスモン、シトラール、レボサンドール、リリアール、l−ローズオキサイド、メチルナフチルケトン、メチルヨノン、ムスクT、イソ吉草酸フェニルプロピル、サンダルマイソール、サンダローレ、プロピオン酸スチラリル、テサロン、アセチルセドレン、トナライド、β−ナフトールメチルエーテルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0018】
更には、ホオズキ様香気を基調とするベース香料組成物に、本発明の特定のエーテル類を添加することにより、より一層瑞々しさ、艶やかさ、柔らかい質感のあるナチュラルな香気を付与されたホオズキ様香粧品用香料組成物が得られる。
本発明に係る香粧品用香料組成物は、香水、オーデコロン、ローション、ミルク、ファンデーションなどの化粧品;石鹸、ボディソープなどの身体洗浄剤;シャンプー、リンス、トリートメントなどの毛髪用化粧品などに応用が可能である。
また、入浴剤、染毛剤などの医薬部外品;室内芳香剤、エアゾール式芳香剤、線香、衣類などの雑貨などに使用する事もできる。
前記化粧品、医薬部外品または雑貨などに対する本発明の香粧品用香料組成物の添加量は特に限定されず、各種化粧品、医薬部外品または雑貨において、通常の香粧品用香料組成物の添加量と同等量、すなわち、通常化粧品、医薬部外品、雑貨等に対して0.001〜100質量%程度、配合(添加)することができる。
【実施例】
【0019】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。配合量は特に記載しない限り、質量部を示す。
【0020】
(ベース香料処方例1)
下記の処方に従って、ベース香料組成物を調製した。
(成分) 質量部
オクタン酸エチル 340.0
オクタノール 120.0
ヘキサン酸エチル 110.0
ベンジルメチルエーテル 50.0
メシフラン 35.0
オクタン酸メチル 25.0
オクタン酸ブチル 20.0
ドデカンン酸エチル 20.0
ヘキサノール 10.0
γ−ヘキサラクトン 5.0
γ−オクタラクトン 1.0
シトロネロール 10.0
ゲラニオール 10.0
3−ヒドロキシヘキサンン酸エチル 10.0
3−ヒドロキシオクタン酸エチル 5.0
ジプロピレングリコール 残分
合 計 1000.0
【0021】
(ベース香料処方例2)
(成分) 質量部
オクタン酸エチル 300.0
オクタノール 100.0
ヘキサン酸エチル 100.0
ベンジルメチルエーテル 50.0
メシフラン 35.0
オクタン酸メチル 125.0
オクタン酸ブチル 80.0
ドデカン酸エチル 20.0
シス−3−ヘキセノール 5.0
γ−ヘキサラクトン 5.0
γ−オクタラクトン 1.0
シトロネロール 15.0
ゲラニオール 20.0
3−ヒドロキシヘキサンン酸エチル 10.0
3−ヒドロキシオクタン酸エチル 5.0
ジプロピレングリコール 残分
合 計 1000.0
【0022】
(実施例1) ホオズキ様香粧品用香料組成物の調製
ベース香料処方例1にアネトフランを1.0質量部、テアスピランを2.0質量部及びローズフランを2.0質量部加えて標題の香料組成物を調製した。
【0023】
(実施例2) ホオズキ様香粧品用香料組成物の調製
ベース香料処方例2に、ゲラニルメチルエーテルを0.1質量部、ホモフラネオールメチルエーテル を3.0質量部加えて標題の香料組成物を調製した。
【0024】
(実施例3) ホオズキ様香粧品用香料組成物の調製
ベース香料処方例1にテアスピランを2.0質量部、ゲラニルメチルエーテルを0.1質量部、ホモフラネオールメチルエーテルを0.1質量部加えて標題の香料組成物を調製した。
【0025】
(実施例4) 化粧水
(配 合 成 分) (質量%)
エチルアルコール 5
グリセリン 1
1,3−ブチレングリコール 5
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.2
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.03
トリメチルグリシン 1
ポリアスパラギン酸ナトリウム 0.1
α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム 0.1
チオタウリン 0.1
イリス根エキス 0.1
EDTA3ナトリウム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.05
水酸化カリウム 0.02
実施例1の香料組成物 0.01
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
合計 100.0
上記成分を用いて常法により化粧水を得た。
【0026】
(実施例5) クリーム
(配 合 成 分) (質量%)
ステアリン酸 10.0
ステアリルアルコール 4.0
ステアリン酸ブチル 8.0
ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.0
ビタミンEアセテート 0.5
ビタミンAパルミテート 0.1
マカデミアナッツ油 1.0
茶実油 3.0
グリセリン 4.0
1,2−ペンタンジオール 3.0
ヒアルロン酸ナトリウム 1.0
水酸化カリウム 2.0
アスコルビン酸グルコシド 2.0
L−アルギニン塩酸塩 0.01
エデト酸三ナトリウム 0.05
実施例2の香料組成物 0.1
防腐剤 適量
精製水 残余
合計 100.0
上記成分を用いて常法によりクリームを得た。
【0027】
(実施例6) 乳液
(配 合 成 分) (質量%)
スクワラン 5.0
オレイルオレート 3.0
ワセリン 2.0
ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8
POE(20)オレイルエーテル 1.2
月見草油 0.5
1,3−ブチレングリコール 4.5
エタノール 3.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.1
L−アルギニンL−アスパラギン酸塩 0.01
エデト酸塩 0.05
実施例2の香料組成物 0.05
防腐剤 適量
精製水 残余
合計 100.0
上記成分を用いて常法により乳液を得た。
【0028】
(実施例7) ヘアトリートメント
(配 合 成 分) (質量%)
ジメチルポリシロキサン(20cs) 10.0
ステアリルジヒドロキシプロピルジモニウムオリゴ糖 1.2
ヒドロキシエチルウレア 0.4
パルミチン酸オクチル 0.3
クエン酸 適 量
セタノール 1.0
硬化ナタネ油アルコール 4.5
塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 3.0
安息香酸ナトリウム 適 量
グリセリン 22.0
イソプレングリコール 10.0
実施例3の香料組成物 0.5
精製水 残 余
合計 100.0
上記成分を常法によって混合し、ヘアリンスを調製した。
【0029】
(実施例8) ヘアシャンプー
(配 合 成 分) (質量%)
POEラウリル硫酸トリエタノールアミン塩 10.0
ラウリン酸ジエタノールアミド 1.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 5.0
エチレングリコールジステアレート 3.0
プロピレングリコール 2.0
安息香酸ナトリウム 0.5
ヒドロキシエチルウレア 10.0
乳酸 0.4
乳酸アンモニウム 0.2
色剤 適量
実施例1の香料組成物 0.5
精製水 残余
合計 100.0
上記成分を常法によって混合し、ヘアシャンプーを調製した。
【0030】
(実施例9) 浴剤
(配 合 成 分) (質量%)
炭酸水素ナトリウム 70.0
無水硫酸ナトリウム 28.8
実施例例2の香料組成物 1.0
色素Y−202−1 0.2
香料組成物を除いた成分をV型ミキサーにて均一になるまで攪拌した後、香料組成物を加え、さらに均一になるまで充分に攪拌して浴剤を得た。
【0031】
(実施例10) 石鹸
(配 合 成 分) (質量%)
ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム 700
パーム脂肪酸グルタミン酸ナトリウム 300
セタノール 60
水 80
EDTA2ナトリウム 1.5
酸化チタン 2.0
実施例2の香料組成物 2.0
上記成分を用いて常法により化粧石鹸を調製した。
【0032】
(実施例11) ゲル芳香剤
(配 合 成 分) (質量%)
カラギーナン 3.0
プロピレングリコール 2.0
プロピルパラベン 0.3
実施例2の香料組成物 5.0
イオン交換水 89.7
カラギーナン、プロピレングリコール及びプロピルパラベンを混合して攪拌しながらイオン交換水を加え、これを穏やかに攪拌しながら約80℃になるまで加熱した。その後、約65℃とし、これをホモジナイザーを用いて3000rpm で攪拌しながら、実施例2の香料組成物を加えて均一な相とした後、所定の容器に流し込み、自然冷却して芳香剤を得た。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明のホオズキ様フルーティー香気を有する香粧品用香料組成物は、香水、化粧品、身体洗浄剤、毛髪用化粧料、室内用芳香剤などの香粧品や入浴剤、染毛剤などの医薬部外品などに使用する事ができ、嗜好性を向上させることができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホオズキ様香気を有する香粧品用香料組成物。
【請求項2】
ホオズキの香気成分を含有する請求項1に記載の香粧品用香料組成物
【請求項3】
香気成分が食用ホオズキ由来のものである請求項2に記載の香粧品用香料組成物。
【請求項4】
エーテル類を含むことを特徴とする請求項1に記載の香粧品用香料組成物。
【請求項5】
エーテル類として、アネトフラン、テアスピラン、ローズフラン、ゲラニルメチルエーテル、ホモフラネオールメチルエーテルから選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する請求項4に記載の香粧品用香料組成物。
【請求項6】
請求項5記載のエーテル類を、0.1ppm〜1%含有する事を特徴とする香粧品用香料組成物。
【請求項7】
食用ホオズキの香気成分又は抽出物を含む香粧品香料組成物への香気の付与方法。
【請求項8】
アネトフラン、テアスピラン、ローズフラン、ゲラニルメチルエーテル、ホモフラネオールメチルエーテルから選ばれる1種又は2種以上の化合物を用いるホオズキ様香粧品用香料組成物への香気付与方法。
【請求項9】
香気が、瑞々しさ感、艶やかさ感、柔らかい質感から選ばれる1種以上の香質感であることを特徴とする請求項7又は8記載の香気の付与方法。
【請求項10】
請求項1〜6に記載の香粧品用香料組成物を配合することを特徴とする化粧品、医薬部外品、雑貨。

【公開番号】特開2012−211099(P2012−211099A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77267(P2011−77267)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000169466)高砂香料工業株式会社 (194)
【Fターム(参考)】