説明

馬券情報の提供システム

【課題】馬券購入者又は馬券購入予定者の競馬への興味を高まらせることのできる、競馬情報の提供システムを提供する。
【解決手段】競馬情報の提供システムは、競馬新聞の名称、予想担当者の氏名、レースの名称、及び予想担当者の予想情報を入力する予想情報入力手段と、入力した予想情報を記憶する予想情報記憶手段と、各馬券に対する予想担当者の予想情報を決定する馬券予想情報決定手段と、レース終了後、着順を入力する着順入力手段と、配当金を入力する配当金入力手段と、入力した着順情報と決定した各馬券に対する予想情報とが一致していた場合に、入力した配当金を予想情報記憶手段が記憶する予想情報と関連させて記憶する配当金情報記憶手段と、予想情報と配当金情報からユーザが希望する情報又は予め設定した情報を選択する情報選択手段と、選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する送信手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、馬券情報の提供システムなどに関する。より詳しく説明すると、本発明は、競馬新聞に掲載される馬券情報を独自のシステムにより分析して期待利益などの情報を提供することにより、競馬への関心を高めることができる馬券情報の提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
競馬レースでは、日本中央競馬会(略称「JRA」)などのレース開催者によって、レース毎の出走表が開催日の前日または前々日に公表される。そして、各レースの馬券の種類毎の中間オッズがレース前に公表される。
【0003】
馬券の購入者にとって、どのレースにおけるどの種類の馬券で何倍の配当が得られるかを知ることは、きわめて重大な関心事である。つまり、馬券の購入者は、いくらの投資でいくらの利益が得られるかという期待利益を予想した上で、馬券を購入する。
【0004】
従来、出走表や中間オッズなどの競馬情報は、新聞やテレビ(ラジオ)放送によって提供されていた。このような方法は、出走表のような比較的変動しない(変化のない)情報の提供には適している。しかし、中間オッズのように刻々変化または変動する情報を提供することはできない。そこで、特開2001−331611号公報に開示されるように、オンラインを用いた競馬新聞などの発行システムが提供されている。これによれば、時々刻々変化する中間オッズ情報などをリアルタイムに提供できる。しかしながら、"3連複"などに対する期待利益を算出することは困難である。
【0005】
特開2004−94860号公報(下記特許文献1)には、以下の競馬情報送受信システムが開示されている。すなわち、競馬情報送受信システム10は放送装置12および携帯情報端末14を含む。それぞれの携帯情報端末14は、携帯ゲーム機16と、それに接続されたカートリッジ18およびページャユニット20とを含む。放送装置12から出走表情報およびオッズ情報の競馬情報を放送し、その競馬情報がページャユニット20によって受信されデコードされ、携帯ゲーム機16に入力される。携帯ゲーム機16では、その競馬情報に従って出走表およびオッズデータを、それに設けられたLCD22に表示する。このような新規な競馬情報の提供手段によれば、オッズデータをリアルタイムに提供できる。しかしながら、"3連複"などに対する期待利益を算出することは困難である。
【0006】
一方、特開2004−54917号公報(下記特許文献2)には、使用者のインターネット接続ツール及びインターネット網を通じて使用者インターネット接続ツールと接続したウェブサーバ、及び上記ウェブサーバに連動して優勝確率を予想する為に必要な情報が保存された競走馬のデータベース及び騎手/調教師のデータベース、及び該当競走別各競走馬の優勝確率を計算する競走馬優勝確率計算簿、及び該当競走別の該当競技時刻の騎手/調教師の優勝確率を計算する騎手/調教師優勝確率計算簿、上記ウェブサーバに連動して上記競走馬の優勝確率計算簿と上記騎手/調教師優勝確率計算簿を制御する総合制御部を含んで構成されている点を特徴とするインターネット上での競馬優勝確率予想システム及びその方法が開示されている。しかしながら、このシステムは、基本的には、騎手と調教師の優勝確率のみを分析するものである。このようなシステムによっても、やはり"3連複"などに対する期待利益を算出することは困難である。
【0007】
【特許文献1】特開2004−94860号公報
【特許文献2】特開2004−54917号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、期待利益を計算することが困難な馬券についての期待利率をも提供できる競馬情報の提供システムを提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、ユーザの要求に応じた予想担当者ごとの期待利益情報を提供できる競馬情報の提供システムを提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、予想担当者ごと又は登録した購入馬券ごとの期待利益と当りの割合に関する情報を提供できる競馬情報の提供システムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、馬券購入者又は馬券購入予定者の競馬への興味を高まらせることのできる、競馬情報の提供システムを提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、馬券購入者又は馬券購入予定者が登録した馬券について、配当金を算出でき、競馬への興味を高まらせることのできる、競馬情報の提供システムを提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、競馬新聞をスキャナで取り込む際に、取り込みミスを少なくすることにより、迅速に競馬情報を提供できる競馬情報の提供システムを提供することを目的とする。奏することにより、馬券購入者などの興味をより高まらせることができることとなる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、基本的には、従来の競馬新聞の本命などの予想情報に基づいて、予め設定したか又はユーザが設定しうる当り設定に基づいて色々な馬券の期待確率を分析し、そのような期待確率に関する情報を提供することで、競馬への興味を起こさせることができるという知見に基づくものである。
【0015】
[1] 本発明の競馬情報の提供システムは、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、前記予想担当者が予想するレースの名称、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報(本命、対抗、単穴、及び連下のいずれか1つ以上を含む)を入力する予想情報入力手段と、前記予想情報入力手段が入力した予想情報を記憶する予想情報記憶手段と、前記予想情報に基づいて、各馬券に対する前記予想担当者の予想情報を決定する馬券予想情報決定手段と、前記レースが終了した後に、競馬の着順を入力する着順入力手段と、前記レースが終了した後に、配当金を入力する配当金入力手段と、前記着順入力手段が入力した着順情報と、前記馬券予想情報決定手段が決定した各馬券に対する予想情報とが一致していた場合に、前記配当金入力手段が入力した配当金を前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と関連させて記憶する配当金情報記憶手段と、前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが希望する情報又は予め設定した情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する送信手段と、を具備し、前記予想情報入力手段が、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、前記予想担当者が予想するレースの名称、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報(本命、対抗、単穴、及び連下のいずれか1つ以上を含む)を入力し、前記予想情報記憶手段が、前記予想情報手段が入力した予想情報を記憶し、前記馬券予想情報決定手段が前記予想情報に基づいて、各馬券に対する前記予想担当者の予想情報を決定し、前記着順入力手段が、前記レースが終了した後に、競馬の着順を入力し、前記配当金入力手段が、前記レースが終了した後に、配当金を入力し、前記配当金情報記憶手段が、前記着順入力手段が入力した着順情報と、前記馬券予想情報決定手段が決定した各馬券に対する予想情報とが一致していた場合に、前記配当金入力手段が入力した配当金を前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と関連させて記憶し、前記情報選択手段が、前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが希望する情報又は予め設定した情報を選択し、前記送信手段が、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する、馬券情報の提供システムに関する。
【0016】
本発明のシステムが、例えば、本命(通常、二重丸で記載される)のみを予想情報として取り込む場合は、その本命情報が、"馬券予想上情報決定手段が決定する予想情報"である。その場合、あるレースにおいて、予想のとおり本命が一着であったときには、配当金に関する情報も蓄積されることとなる。ただし、予想が外れた場合は、配当金0円情報が蓄積されることとなる。
【0017】
一方、本システムでは、本命のみならず様々な予想情報を蓄積することが望ましい。例えば、本命のみならず、対抗をも予想情報として取り込む場合は、その本命又は対抗が、馬券予想上情報決定手段が決定する予想情報となる。レース終了後の着順や配当金の情報は、本システムへ自動的に入力されるようにされていても良いし、クライアントから入力されるようにされていても良い。
【0018】
本システムでは、馬券予想情報決定手段が、たとえばある馬券とそれに対する予想情報を決定するので、期待利益を予想することが困難な馬券についても期待利益を予想できることとなる。このような決定手段は、あらかじめ馬券とそれに対する予想情報の割り当てを記憶したテーブルから適宜、馬券と予想情報とを抽出すればよい。このようなテーブルとしては、たとえば、単勝に対し、本命のみを予想情報とするというもの、本命と対抗のみを予想情報とするもの、本命と対抗を予想情報とするが、そのオッズは2:1とするものなどがあげられる。すなわち、通常の競馬新聞や競馬サイトでは、各予想担当者の本命などの予想情報が掲載される。しかし、本システムでは、馬券予想情報決定手段が、これらの予想情報を各馬券に割り振るので、競馬新聞などより一歩進んで、各馬券に対する、各予想担当者の馬券予想情報をも提供できることとなる。
【0019】
本システムでは、情報選択手段が、たとえばシステムに入力され(たとえば、メモリなどの記憶される)ユーザが希望する情報を選択して、送信手段が送信するので、ユーザが希望する情報を送信することができる。たとえばユーザが馬券購入者又は馬券購入予定者である場合、購入した又は購入する予定の馬券に関する情報を本システムに入力できる。この場合、その馬券に関する配当金情報を希望すれば、その馬券の配当金に関する情報を得ることができることとなる。
【0020】
[2] 競馬情報の提供システムの好ましい態様は、前記馬券予想情報決定手段は、"3連単"及び"3連複"のいずれか又は両方については、"本命、対抗及び単穴"を割り当てる上記の馬券情報の提供システムに関する。3連単に"本命、対抗及び単穴"を割り当てる具体例として、1着、2着、3着が"本命、対抗及び単穴"の順番であるものや、これらの順番を適宜入れ替えたものがあげられる。このような処理を予め登録しておくので、効果的に期待利益情報を得ることができることとなる。
【0021】
[3] 競馬情報の提供システムの好ましい態様は、前記馬券予想情報決定手段の当り情報について、本命、対抗、単穴、及び連下の割り当てに関するユーザからの設定情報を入力する馬券設定入力手段をさらに具備し、ユーザが設定した当り情報に基づいて、当りを設定できる、上記の馬券情報の提供システムに関する。この態様の馬券情報の提供システムによれば、例えば、単勝などの馬券の種類と、馬番(枠番)、購入金額情報などの情報を設定することで、ユーザが実際に購入した馬券と、各予想担当者の予想情報を比較等することができる。さらには、ユーザが実際に購入した馬券情報を蓄積できるので、ユーザの購入馬券の実績を様々な角度から分析できる。例えば、予想担当者が連下(大穴)などと予想している馬の馬券を購入した場合は、勝率が低いといった情報を入手できる。さらには、実際に馬券を購入しなくても、バーチャルな世界で、馬券を購入したかのような感覚を楽しむことができる。よって、この態様の、利用方法は、馬券購入ゲームのようにして利用できる。馬券を購入することに躊躇する者がいても、この利用態様で、競馬に慣れ親しんだ後であれば、比較的スムーズに馬券を購入することができることとなる。
【0022】
なお、この態様のより好ましい例として、ユーザが設定した当り情報に基づいて、当りを設定し、所定の値以上となった場合に、所定の表示をするような情報判断手段を有していても良い。例えば、利益が購入金額の10倍以上となった場合に、携帯電話への電子メールやウェブメールなどで、予想的中率が高いことを賞賛するメールを送っても良い。また、たとえば、連下の予想数と、連下を予想に含めて当った場合と、外れた場合の数を計算する手段を有し、そのような予想数が一定以上となり、その割合が所定以下となった場合に、事前に用意した解説・指導文、例えば、"連下狙いは高配当が望めるのですが、外れるケースが多いようですので注意してください。"が送信されるようにされていても良い。
【0023】
[4] 競馬情報の提供システムの好ましい態様は、前記情報選択手段における"ユーザが希望する情報"を入力する手段と、前記"ユーザが希望する情報"を記憶する手段をさらに具備する、上記の馬券情報の提供システムに関する。
【0024】
[5] 競馬情報の提供システムの好ましい態様は、前記送信手段は、コンテンツをウェブサイトにアップロードすることにより、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を閲覧可能とするか、予め登録されたユーザの携帯電話又はコンピュータに電子メール又はウェブメールを用いて前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する、上記の馬券情報の提供システムに関する。
【0025】
[6] 競馬情報の提供システムの好ましい態様は、前記"予め設定した情報"には、各予想者の本命、対抗、単穴、及び連下のいずれかひとつ以上に対する、オッズに関する情報を含む上記の馬券情報の提供システムに関する。
【0026】
[7] 競馬情報の提供システムの好ましい態様は、前記"予め設定した情報"には、各予想者の本命、対抗、単穴、及び連下のいずれかひとつ以上に対する、オッズの金額に応じた分類と、それぞれの分類における当りの割合に関する情報を含む上記の馬券情報の提供システムに関する。
【0027】
[8] 競馬情報の提供システムの好ましい態様は、前記"ユーザが希望する情報"には、オッズの金額に応じた分類と、それぞれの分類におけるユーザが選択した馬券に対する当りの割合に関する情報を含む上記の馬券情報の提供システムに関する。
【0028】
[9] 本発明のスキャナ装置は、競馬新聞をスキャナで読み込んで、競馬新聞から、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報を抽出するスキャナ装置であって、前記スキャナ装置には、各レースにおける"単穴"の数を算出する単穴の数算出手段を具備し、前記単穴の数算出手段が算出した各レースにおける単穴の数が、2つ以上、又は0個の場合には、誤認識を示す信号を出力する誤認識信号出力手段を具備するスキャナ装置に関する。競馬新聞で単穴は▲(黒三角)として記載されている。そして、競馬新聞をスキャナで読み込もうとした際に、ゴミや汚れなども、黒三角と認識してしまう。これでは、競馬新聞から自動的に、情報を抽出することはできない。そこで、競馬新聞からスキャナで情報を読み取る際に、各レースごとの情報であることを認識させ、そしてそのレースごとに単穴の数を算出させる。そして、単穴の数が2以上(又は0個)であれば、それはミススキャンの可能性が高いので、ディスプレイなどに警告を表示するための誤認識信号を出力する。これにより、スキャニングのミスを防止でき、適切な馬券情報を提供できることとなる。たとえば、CPUなどの制御部が、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、メモリなどに記憶された黒三角の数に関する情報を読み出して、黒三角の数を計算し、その数が1以外であれば、誤認識信号を出力するように処理するようにすればよい。そして、このような誤認識信号は、出力装置から出力され、たとえばモニタなどに表示される。
【0029】
[10] 本発明のスキャナ装置の好ましい態様は、前記スキャナ装置には、"本命"の数を算出する本命の数算出手段、又は"対抗"の数を算出する対抗の数算出手段をさらに具備し、各レースにおける本命の数、又は対抗の数が2つ以上、又は0個の場合には、誤認を示す信号を出力する上記に記載のスキャナ装置である。
【0030】
[11] 本発明のスキャナ装置の好ましい利用態様は、上記に記載のスキャナ装置を具備し、前記スキャナ装置で抽出した情報を提供する馬券情報の提供システムである。このようなシステムであれば、競馬新聞から自動的に馬券情報を抽出し、適切な情報をユーザに提供できる。そして、そのようなシステムの具体的な態様は、上記の[1]〜[7]に記載されたものを適宜利用することができる。
【発明の効果】
【0031】
予想情報が出ていても、たとえば3連単や3連複などは予想情報をどのように割り当てて期待利益を算出するか必ずしも明確ではない。しかし、本発明によれば、例えば本命、対抗、単穴をそれらに割り振るか、本命、対抗、連下(連下の場合は、連下の数だけ馬券を購入したものとして、得られた配当金を単穴連下の数で割る)をそれらに割り振るなど、馬券予想情報決定手段が予め設定した馬券情報に基づいて、当りを定めるので、期待利益を計算することが困難な馬券についての期待利率をも提供できる競馬情報の提供システムを提供することができる。さらには、情報選択手段が、予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが設定した情報に基づく当り情報を選択できるので、期待利益を計算することが困難な馬券についての期待利率をも提供できる競馬情報の提供システムを提供することができる。
【0032】
本発明のシステムでは、情報選択手段が、予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが設定した情報に基づく当り情報を選択できるので、たとえば、A新聞の担当者aの単穴連下を単勝とした場合の期待利益に関する情報など、ユーザの要望に応じた情報を提供できるので、本発明によれば、ユーザの要求に応じた予想担当者ごとの期待利益情報を提供できる競馬情報の提供システムを提供することができる。
【0033】
本発明のシステムでは、情報選択手段が、予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが設定した情報に基づく当り情報を選択できるので、本発明によれば、予想担当者ごと又は登録した購入馬券ごと期待利益と当りの割合に関する情報を提供できる競馬情報の提供システムを提供することができる。さらには、ユーザが実際に購入した馬券情報を蓄積できるので、ユーザの購入馬券の実績を様々な角度から分析できる。例えば、予想担当者が連下(大穴)などと予想している馬の馬券を購入した場合は、勝率が低いといった情報を入手できる。さらには、実際に馬券を購入しなくても、バーチャルな世界で、馬券を購入したかのような感覚を楽しむことができる。よって、この態様のシステムは、馬券購入ゲームのようにして利用できる。馬券を購入することに躊躇する者がいても、この利用態様で、競馬に慣れ親しんだ後であれば、比較的スムーズに馬券を購入することができることとなる。
【0034】
本発明によれば、馬券購入者が登録した馬券について、オッズの分類に応じた当りの割合情報などを提供できるので、競馬への興味を高まらせることのできる、競馬情報の提供システムを提供することができる。
【0035】
本発明によれば、上記のように様々な興味深い馬券情報を馬券購入者へ提供できるので、馬券購入者の競馬への興味を高まらせることのできる、競馬情報の提供システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の競馬情報の提供システム(本発明のシステム)について説明する。図1は、本発明のシステムの基本構造例を示す概念図である。図1に示されるとおり、本発明のシステム基本構造は、本発明のシステムを具備するサーバ1と、サーバからの情報を伝えるネットワーク2と、ネットワークに連結されたユーザのクライアントであるPC3、又は図示しない携帯電話などの情報受信手段によって構成される。そして.本発明のシステムからの情報は、上記のPCや受信手段によって閲覧される。本発明のシステムは、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、前記予想担当者が予想するレースの名称、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報(本命、対抗、単穴、及び連下のいずれか1つ以上を含む)を入力する予想情報入力手段と、前記予想情報入力手段が入力した予想情報を記憶する予想情報記憶手段と、前記予想情報に基づいて、各馬券に対する前記予想担当者の予想情報を決定する馬券予想情報決定手段と、前記レースが終了した後に、競馬の着順を入力する着順入力手段と、前記レースが終了した後に、配当金を入力する配当金入力手段と、前記着順入力手段が入力した着順情報と、前記馬券予想情報決定手段が決定した各馬券に対する予想情報とが一致していた場合に、前記配当金入力手段が入力した配当金を前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と関連させて記憶する配当金情報記憶手段と、前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが希望する情報又は予め設定した情報を選択する情報選択手段と、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する送信手段と、を具備する。
【0037】
なお、本発明のシステムは、パーソナルコンピュータなどのコンピュータであっても良いし、インターネットやイントラネットに連結されたコンピュータサーバなどであっても良い。このようなコンピュータは、たとえば、コンピュータを上記の各手段として機能させるプログラムを記憶したメインメモリと、情報をシステムに入力するための入力装置と、情報をシステム外に出力するための出力装置と、情報を一時的又は半永久的に記憶するデータベースなどの記憶装置と、各種演算処理を行う中央処理装置(CPU)とを具備するものとして構成される。
【0038】
そして、上記のような構成を備えるので、前記予想情報入力手段が、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、前記予想担当者が予想するレースの名称、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報(本命、対抗、単穴、及び連下のいずれか1つ以上を含む)を入力し、前記予想情報記憶手段が、前記予想情報入力手段が入力した予想情報を記憶し、前記馬券予想情報決定手段が前記予想情報に基づいて、各馬券に対する前記予想担当者の予想情報を決定し、前記着順入力手段が、前記レースが終了した後に、競馬の着順を入力し、前記配当金入力手段が、前記レースが終了した後に、配当金を入力し、前記配当金情報記憶手段が、前記着順入力手段が入力した着順情報と、前記馬券予想情報決定手段が決定した各馬券に対する予想情報とが一致していた場合に、前記配当金入力手段が入力した配当金を前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と関連させて記憶し、前記情報選択手段が、前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが希望する情報又は予め設定した情報を選択し、前記送信手段が、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する。このようにして、馬券の期待利益など様々な情報を提供することができることとなる。
【0039】
以下では、本明細書において用いられる用語について説明する。"馬番号"とは、出走馬一頭ずつにつけられた番号(馬がつけるゼッケン)を意味する。"枠番号"とは、通常1枠から8枠までの枠(通常2頭ごと)による番号を意味し(7頭以下の場合はその数まで)、通常騎手がかぶる帽子の色でその番号がわかる。なお、同じ枠番号の2頭が1着、2着になることを"ゾロ目"という。"当り"とは、予想が当ること(配当金が支払われる対象となること)を意味する。"オッズ"とは、馬券の払い戻し倍率を意味する。"払い戻し(配当金)"は、100円に対する払い戻し金額で発表、表示される金額を意味する。"勝馬"とは、基本的には1着馬のことを意味する。ただし、勝馬投票券からの勝ち馬とは複勝式を含めてその対象となるすべての馬のことも指す場合もある。この場合、出走馬が7頭以下のときは2着馬まで、8頭以上のときは3着馬までが勝ち馬とされる。"表裏"とは、順番が逆になっても当りのように逆の馬券も買う(選択する)ことを意味する。たとえば、単勝の場合には、1着が◎で2着が○と、1着が○で2着が◎の場合では別の馬券になる。よって、これら両方の馬券を購入(又は選択)することが表裏である。
【0040】
"馬券の種類"は、以下のとおりである。"単勝"とは、馬番号で一着になる馬を当てる馬券を意味する。"複勝"とは、馬番号で3着以内に入る馬を当てる馬券を意味する。ただし、出走馬が7頭の場合は2着までを意味する。"枠連"とは、1着と2着になる馬の枠番号の組合せを当てる馬券を意味する。"馬連"とは、1着と2着になる馬の馬番号の組合せを当てる馬券を意味する。"馬単"とは、1着、2着の馬番号を着順通りに当てる馬券を意味する。"ワイド"とは、馬番号で選んだ2頭が、いずれも3着までに入れば的中となる馬券を意味する。"3連複"とは、1着、2着及び3着の組合せを馬番号で当てる馬券を意味する。"3連単"とは、1着、2着及び3着となる馬を着順通りに当てる馬券を意味する。"本命"とは、通常競馬新聞などで、二重丸として記載されるものであり、一着に来る可能性が最も高いと予想されるものを意味する。"対抗"とは、通常競馬新聞などで、丸として記載されるものであり、本命の次に一着に来る可能性が高いと予想されるものを意味する。"単穴"とは、通常競馬新聞で、黒塗り三角として記載されるものであり、1着に来るかもしれない穴馬を意味する。"連下"とは、通常競馬新聞で、白塗り三角と記載されるものであり、2着、又は3着に来るかもしれないことを意味する。連下は、抑え、穴などともよばれることがある。
【0041】
以下では、本発明のシステムにおける各構成要件について説明する。"予想情報入力手段"は、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、前記予想担当者が予想するレースの名称、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報(本命、対抗、単穴、及び連下のいずれか1つ以上を含む)をシステムに入力するための手段である。予想情報入力手段は、上記の情報以外の情報をシステムに入力するものであっても良い。上記以外の情報として、レースの条件に関する情報があげられる。レースの条件に関する情報とは、例えば、芝/ダート、距離、グレード(出走可能な馬の獲得賞金の上限)、障害の有無、牝馬限定かどうか、ハンデ(ハンディキャップ)戦かどうか、ハンディキャップの種類、年齢制限、又は各馬券のオッズに関する情報などである。
【0042】
"予想情報入力手段"は、たとえば、OCRなどにより競馬新聞から予想情報を取り込み、その情報をシステムに入力できるようにすればよい。より具体的には、たとえば、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、このような動作をするように指示すればよい。この場合、予め、競馬新聞名、予想担当者の氏名、レース名、馬の名前などを登録しておき、それらに合致すれば自動的に競馬新聞名、予想担当者の氏名、レース名、馬の名前として認識(点検)するようにしておいても良い。一般的な競馬の予想は各記者が馬券に絡む可能性が高いと予想する順に◎、○、▲、及び△の印をつける。しかし、◎より自信がある場合の印や、たてえば、単穴(▲)より下で、連下(△)より上の注(例えば、★(黒星)、☆(白星)、二重三角、三角とその中に点が書かれたもの、及び×(バツ))など新聞によって独自の印が使われている場合がある。よって、これらの記号がある場合に、期待利益を算出することは困難となる。そこで、本発明のシステムでは、たとえばこれらの記号を無視しても良いし、所定の黒星、白星、バツについては、連下の一種ととらえても良いし、連下のうち50円分の馬券を購入したように(実際に50円の馬券を購入することはできない)期待利益を算出しても良い。
【0043】
なお、パーソナルコンピュータなど公知のクライアントを用いて、本発明のシステムに予想情報を入力してもよい。本発明のシステムは、たとえばインターネットに連結されたサーバやコンピュータなどであってもよい。
【0044】
また、"予想情報入力手段"は、競馬新聞をスキャナで読み込んで、競馬新聞から、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報を抽出するスキャナ装置であってもよい。このスキャナ装置は、各レースにおける"単穴"(すなわち、競馬新聞で黒三角の記号となっているもの)の数を算出する単穴の数算出手段を具備し、前記単穴の数算出手段が算出した各レースにおける単穴の数が、2つ以上又は0個か場合には、誤認識を示す信号を出力する誤認識信号出力手段を具備することが好ましい。このような出力信号により、たとえばパーソナルコンピュータのディスプレイに警告が表示されてもよいし、異常音により誤認識を知らせてもよい。競馬新聞で単穴は▲(黒三角)として記載されている。そして、競馬新聞をスキャナで読み込もうとした際に、ゴミや汚れなども、黒三角と認識してしまう。これでは、競馬新聞から自動的に、情報を抽出することはできない。そこで、競馬新聞からスキャナで情報を読み取る際に、各レースごとの情報であることを認識させ、そしてそのレースごとに単穴の数を算出させるのである。そして、単穴の数が2以上(又は0個)であれば、それはミススキャンの可能性が高いので、ディスプレイなどに警告を表示するための誤認識信号を出力する。これにより、スキャニングのミスを防止でき、適切な馬券情報を提供できることとなる。
【0045】
前記スキャナ装置には、"本命"の数を算出する本命の数算出手段、又は"対抗"の数を算出する対抗の数算出手段をさらに具備し、各レースにおける本命の数、又は対抗の数が2つ以上、又は0個の場合には、誤認を示す信号を出力するものであってもよい。
【0046】
"予想情報記憶手段"は、予想情報入力手段が入力した予想情報を記憶するための手段である。具体的には、先の予想情報をファイル、テーブル、又はデータベースなどの記録部により記憶するものがあげられる。データベースとして情報を記憶する場合、データを分類し・整理するデータモデルとして、階層データモデル、ネットワークデータモデル、リレーショナルデータモデルといった公知のデータモデルを用いることができる。これらの中でも、リレーショナルデータモデルが、データをアプリケーションから容易に独立させることができ、入力情報に応じた新たな表を容易に作成でき、データ操作が容易である点で特に好ましい。
【0047】
ここで、リレーショナルデータモデルとは、2次元の表(テーブル)の概念を利用し、表の縦一列を項目、横一列がレコードにあたるようにデータを管理するデータモデルである。射影、選択、結合、商などの演算処理を用いて表から任意のデータを取り出して、新しい表(ビュー表等)を作成することができる。また、複数の表からデータを抽出して新たな表を作成することもできる。表は、複数の組からなる。それぞれの組は、複数の情報からなり、行(ロー)を構成する。そして、表の縦の列には同じ属性のデータが整理され列(カラム)を構成する。それぞれの組には、管理のための数値(インデックス)等が振られており、複数の組の当該数値は、定義域(ドメイン)を構成していることが好ましい。インデックスを設定することは、データの記憶装置上の格納位置にすばやくたどりつけるため好ましい。インデックスが振られていない場合、データベースは、キーワードなどを利用して情報を検索できるように体系的に構成されていることが好ましい。リレーショナルデータベースの各指令は、たとえばSQLなどの言語で作成されればよい。
【0048】
リレーショナルデータベースの内容例は、たとえば、ある日のある競馬新聞に掲載されたデータを、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、前記予想担当者が予想するレースの名称、前記レースにおける前記予想担当者の予想情報(本命、対抗、単穴、及び連下を含む)、レースの条件に関する情報があげられる。レースの条件に関する情報とは、例えば、芝/ダート、距離、グレード(出走可能な馬の獲得賞金の上限)、障害の有無、牝馬限定かどうか、ハンデ(ハンディキャップ)戦かどうか、ハンディキャップの種類、年齢制限、及び各馬券のオッズなどを一覧表のような形式で記憶するものがあげられる。前記の予想情報をリレーショナルデータベースにより記憶するので、たとえば、あるレースに関するある馬への各誌の期待度(本命、対抗、単穴、連下が何個あるかなど)を分析するといった、ユーザのニーズに応じた情報を収集することができることとなる。そして、リレーショナルデータベースへの各指令情報は、たとえばSQLなどの文章を用いて作成すればよい。SQLを用いれば、様々なリレーショナルデータベースやテーブルなどを適切な条件で組み合わせる指令文を作成することにより、コンピュータなどを望んだ処理を行う各手段として機能させることができる。
【0049】
"馬券予想情報決定手段"は、予想情報に基づいて、各馬券に対する予想担当者の予想情報を決定する手段である。"馬券予想情報決定手段"は、たとえば前記予想情報記憶手段が記憶した記憶内容を読みだす読み出し手段を具備し、その読み出し手段が読み出した予想情報に基づいて、本発明のシステムが馬券予想情報を決定する。たとえば、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、メモリやデータベースから予想情報を読み出し、制御プログラムの指令(例えば、本命を単勝とするとの指令)に基づいて、(例えば、本命を単勝とするように)馬券予想情報を決定するように指示すればよい。馬券予想情報決定手段は、馬券の種類とその馬券の種類に対する予想情報を割り当てたテーブルを用意しておき、テーブルから馬券の種類と予想情報の割り当てを適宜選択するものであっても良い。この選択は、一義的になされるものであってもよいし、複数の選択肢を有するものとして選択されても良い。たとえば、単勝馬券であれば、"本命"のみを馬券予想としても良いし、"本命"のみならず"対抗"、"単穴"及び"大穴"などをそのまま当てはめることにより予想担当者の予想情報を決定してもよい。また、複勝馬券については、たとえば"本命"と"対抗"とを組合すテーブルを用いることにより、予想担当者の予想情報を決定できる。また複勝馬券について、"本命"と"対抗"とを組合すものと、"本命"と"連下"とを組合すものを予想馬券とするテーブルを用いる事により予想情報を決定できる。馬券予想情報決定手段は、"3連単"及び"3連複"のいずれか又は両方については、"本命、対抗及び単穴"を割り当てるようにしてもよいし、本命、対抗、連下を割り当てるようにしても良い。また、このような設定は、ユーザからの入力情報(例えば、単勝については"本命"のみを予想馬券とするといった情報)を記憶しておき、その入力情報を読み出して、読み出した情報に基づいて馬券予想情報を決定してもよい。先に説明したとおり、競馬新聞によっては、連下の数に齟齬が見られ、また本命、対抗、単穴、及び連下以外にも様々な記号が用いられる場合がある。そこで、これらの情報を踏まえた期待利益を計算することは困難であった。しかし、本発明のシステムによれば、ある法則をもって、期待利益に関する情報を提供できると共に、ユーザの設定による期待利益に関する情報をも提供できることとなる。よって、ユーザが深く関心を持つ情報を提供できると共に、競馬に関してさらに興味を増すこととなる。
【0050】
たとえば、本命、対抗、及び単穴による3連単一点買いや、ボックス買いなどが当りとなるように設定しても良い。また、本命と対抗の単勝を購入するように設定しても良い。本システムがウェブサイトや携帯電話のサイトとして閲覧可能な場合は、予め本命単勝、対抗単勝、本命・対抗・単穴の3連単などを選択できるようにしておき、それを選択することで馬券予想情報を決定したとしてもよい。このような選択は、一つのみ選択できても良いし、複数選択できても良い。また、所定の選択が可能な状態としておき、「実行」をクリックすると、馬券予想情報が本発明のシステムに送られるようにしておいても良い。なお、通常、本発明のシステムでは、あらゆる組合わせの馬券予想情報(それぞれの馬券に対して、本命、対抗、単穴、連下、又は無記入(前記の4つのどれでもない)の任意の組合わせ)を決定しておく。
【0051】
なお、このような馬券の種類と、その割り当てを、あらかじめテーブルに記憶させておき、それに基づいて馬券予想情報を決定してもよい。このようなテーブルとしては、先に説明したとおり、たとえば、単勝には、本命のみを割り当てる、本命と対抗のみを割り当てる、本命と対抗を割り当てるがオッズは2:1とするなどがあげられる。
【0052】
通常の競馬新聞では、◎、○、及び▲は1レースについて1頭にしかつけない。しかしながら、△は記者によって0〜6個程度つける(△は平均で3箇所程度である)。したがって、特に連下△の期待利益を算出することが困難となる。この場合例えば、連下が3個あった場合には、それぞれの馬券を100円ずつ購入したとして、その期待利益を算出すればよい。
【0053】
"着順入力手段"は、レースが終了した後に、競馬の着順を本発明のシステムに入力するための手段である。パーソナルコンピュータなどのクライアントからこれらの情報が本発明のシステムに入力されても良いし、自動的にこれらの情報が本発明のシステムに入力されるようにされていても良い。たとえば、これらコンピュータの入力装置から入力された情報を、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、本システムに入力されるように指示すればよい。なお、入力された情報は、好ましくは、リレーショナルデータベースにそのレースに関する情報と関連付けて登録される。
【0054】
"配当金入力手段"は、レースが終了した後に、配当金を本発明のシステムに入力するための手段である。パーソナルコンピュータなどのクライアントからこれらの情報が本発明のシステムに入力されても良いし、自動的にこれらの情報が本発明のシステムに入力されるようにされていても良い。たとえば、これらコンピュータの入力装置から入力された情報を、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、本システムに入力されるように指示すればよいなお、入力された情報は、好ましくは、リレーショナルデータベースにそのレースに関する情報と関連付けて登録される。
【0055】
"配当金情報記憶手段"は、前記着順入力手段が入力した着順情報と、前記馬券予想情報決定手段が決定した各馬券に対する予想情報とが一致していた場合に、前記配当金入力手段が入力した配当金を前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と関連させて記憶するための手段である。たとえば、ある日の第1レースで、A新聞で対抗とされていた馬が1着であり、その配当金が1000円であった場合、その第1レースに関してA新聞、単勝、対抗、について1000円の配当金情報が記憶される。なお、たとえば、その第1レースに関してA新聞、単勝について、本命、単穴、連下、(無記入)に対して0円の配当金情報が記憶されてもよい。たとえば、これらコンピュータの入力装置から入力された情報を、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、メモリやデータベースに記憶するように指示すればよい
【0056】
"情報選択手段"は、予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが希望する情報又は予め設定した情報を選択するための手段である。たとえば、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、メモリやデータベースに記憶されたこれらの情報を読み出し、出力等する情報を選択するように指示すればよい。なお、このようにして選択された情報は、メモリまたはデータベースなどに記憶されるように指示されてもよい。本発明のシステムの好ましい態様は、情報選択手段における"ユーザが希望する情報"を入力する手段と、"ユーザが希望する情報"を記憶する手段をさらに具備するものである。ユーザが希望する情報とは、たとえば、"レースAの予想者Aの予想に基づく単勝馬券に関する情報を提供せよ"、"レースAの予想者Aの予想に基づく単勝馬券の期待利益に関する情報を提供せよ"、"昼に午後のレースの予想情報を提供せよ"、"最も単勝の確率の低い予想者と次のレースにおけるその予想者の予想情報を提供せよ"、"ある予想者のある時期における連下の期待利益に関する情報を提供せよ"といったものである。この情報選択手段により、前記のリレーショナルデータベースから、所定の情報が選択されることとなる。すなわち、ユーザのクライアントからユーザが希望する情報に関する情報が、本発明のシステムに入力された場合、その入力情報にしたがって情報選択手段が提供する情報を選択する。そして、情報選択手段の読み出し回路などの読み出し手段は、記憶されている情報から、所定の情報を読み出す。このようにして読み出された情報は、情報選択手段の(一時的)記憶部によって記憶される。
【0057】
"情報選択手段"における"ユーザが希望する情報"には、たとえば、"単勝"のオッズの金額に応じた分類と、それぞれの分類におけるユーザが選択した馬券に対する当りの割合に関する情報を含むものであってもよい。このような例としては、以下のように分類し、以下のように表示されるものがあげられる。下記において、黒四角は当りを示し、白四角ははずれを示す。
【0058】
オッズの分類 ユーザが選択した馬券の当り
100〜 200円■■□□□
201〜 300円■■□□□□□□
301〜 400円■■■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□
401〜 500円■■□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
501〜 600円■□□□□□□□□□□□□□□□□
601〜 600円■□□□□□□□□□□□
601〜 700円□□□□□□□□□
701〜 800円□□□□□
801〜 900円■□□□□□
901〜1000円□□□□
【0059】
このような分析を通して、自分の買ったか、あるいは指定した馬券についてオッズがxx円以上の連下狙いをした時や、xx円以下の大本命を狙った時には、回収率が低くなっているから極端な連下狙いと大本命狙いの時には馬券を買わないようにした方が良いなどの自己分析ができ、競馬に関する興味をひきおこすことができる。なお、上記では当りの割合に関して表示したが、上記のオッズの分類における期待利益の平均値を表示するようにしても良い。
【0060】
一方、情報選択手段における "予め設定した情報"として、各予想者の本命、対抗、単穴、及び連下のいずれかひとつ以上に対する、例えば、"単勝"のオッズに関する情報を含むものがあげられる。予め設定した情報"には、各予想者の本命、対抗、単穴、及び連下のいずれかひとつ以上に対する、例えば、"単勝"のオッズの金額に応じた分類と、それぞれの分類における当りの割合に関する情報を含むものであってもよい。この分類の仕方は、上記と同様とすればよい。
【0061】
なお、ユーザが選択した馬券のオッズの分類分布と、それぞれの分類分布における当りの確率とを分析する分析手段と、馬券のオッズの分類分布と、それぞれの分類分布における当りの確率によって分類されるパターンを記憶するパターン記憶手段を有し、前記分析手段が分析したオッズ分類における分布パラメータが、前記パターン記憶手段が記憶するパターンのパラメータに含まれる場合に、予め設定したいくつかの数値範囲パターンに対応する情報を選択することは、本発明の好ましい別の実施の態様である。このような実施態様であれば、例えば、大穴狙いで、外れる確率が高いパターンと分析された場合、"大穴(連下)狙いでは勝率が低くなっている"といったような情報が選択され、後述する送信手段によりユーザの携帯電話やPCなどに送信されることとなる。
【0062】
"送信手段"は、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信するための手段である。たとえば、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、情報選択手段が選択した情報を出力装置などを用いて出力するように指示するか、メモリやデータベースに記憶されたこれらの情報を読み出して、それを出力装置などを用いて出力するように指示すればよい。送信手段は、コンテンツをウェブサイトにアップロードすることにより、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を閲覧可能とするものであってもよい。すなわち、本発明のシステムは、インターネット又イントラネットを用いたシステムであっても良い。また、送信手段は、予め登録されたユーザの携帯電話又はコンピュータに電子メール又はウェブメールを用いて情報を送信するものであっても良い。
【0063】
なお、本発明は、コンピュータを、上記の馬券情報の提供システムが有する各手段として機能させるためのプログラム又はそのようなプログラムを記憶した記録媒体(CD−ROM、DVD、MO、FDなど)であってもよい。また、本発明は、馬券情報の提供システムが有する各手段を具備するコンピュータであっても良い。また、本発明は、上記のコンピュータ、インターネットサーバなどが備える上記の馬券情報の提供システムが有する各手段による馬券情報の提供方法であってもよい。
【0064】
以下では、本発明の馬券情報の提供システムの動作例について説明する。本発明の馬券情報の提供システムは、予想情報入力手段が、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、前記予想担当者が予想するレースの名称、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報(本命、対抗、単穴、及び連下のいずれか1つ以上を含む)を馬券情報の提供システムに入力する。先に説明したように、これらの予想情報は、スキャナによって自動的に入力されるようにされていることが好ましい。たとえば、あるレースについて競馬新聞Aの予想者Aは、本命を馬A、対抗を馬B、単穴を馬C、連下(大穴)を馬D及び馬Eとしたとする。そして、この情報がスキャナによって本システムに入力される。
【0065】
次に、予想情報記憶手段が、予想情報手段が入力した予想情報を記憶する。たとえば、これらコンピュータの入力装置から入力された上記の情報を、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、予想情報をメモリやデータベースに記憶するように指示することにより記憶する。この記憶態様として、リレーショナルデータベースによるものがあげられる。たとえば、先の入力された競馬新聞Aの予想者Aは、本命を馬A、対抗を馬B、単穴を馬C、連下(大穴)を馬D及び馬Eとしたとする情報が記憶される。次に、馬券予想情報決定手段が、前記予想情報に基づいて、各馬券に対する前記予想担当者の予想情報を決定する。この決定の方法は、先に説明したとおりであり、たとえば単勝馬券であれば、本命、対抗、単穴、連下などを適宜割り当てて、複数種類の予想情報を決定すればよい。この予想情報は、予め設定しておくことが好ましい。例えば、単勝馬券については、本命と対抗のみを予想情報とするなどである。また、馬券の種類と、予想情報との割り当てからなるテーブルをあらかじめ作成しておき、そこから馬券の種類と予想情報の割り当てを選択してもよい。たとえば、3連単について、本命、対抗、及び単穴をこの順で、または対抗、本命、および単穴をこの順での2種類を選択するようにすればよい。先の例では、3連単として、馬A、馬B、及び馬Cの組合わせと、馬B、馬A及び馬Cの組合わせとが決定され馬券予想情報とされる。これらの選択は、たとえばSQL文章などで作成された指令文によりなされる。
【0066】
着順入力手段が、前記レースが終了した後に、競馬の着順を馬券情報の提供システムに入力する。たとえば、レースAの着順が、馬B、馬A、馬Cの順だったとする。すると、着順入力手段は、レースAの着順が、馬B、馬A、馬Cという情報を本システムに入力する。配当金入力手段が、レースが終了した後に、配当金を馬券情報の提供システムに入力する。たとえば、レースAの3連単についての配当金が500円という情報を本システムに入力する。これらの情報は、クライアントコンピュータなどから入力されてもよいし、情報発信局から、これらの情報を受け取って、分類し、自動的に馬券情報の提供システムに入力されるようにしても良い。
【0067】
馬券情報の提供システムの配当金情報記憶手段が、前記着順入力手段が入力した着順情報と、前記馬券予想情報決定手段が決定した各馬券に対する予想情報とが一致していた場合に、前記配当金入力手段が入力した配当金を前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と関連させて記憶する。たとえば、これらコンピュータの入力装置から入力された上記の情報を、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、メモリやデータベースに記憶するように指示することにより記憶する。
【0068】
情報選択手段が、前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが希望する情報又は予め設定した情報を選択する。たとえば、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、メモリやデータベースからこれらの情報を読み出すように指示すればよい。さらに読み出した情報は、メモリやデータベースに一時的又は半永久的に記憶するように指示すればよい。たとえば、ユーザが希望する情報が、レースAの予想者Aの予想情報に基づく3連単の配当金情報であった場合、購入と設定した2枚の馬券のうち1枚が当っていたので、配当金情報として500円の半分の250円という情報が選択される。このような配当金情報は、全配当金を購入した馬券の数で割ることで容易に算出される。また、購入量にウェイト差をおいた場合も、配当金情報を容易に算出できる。たとえば、先の例で、馬A、馬B、及び馬Cの組合わせと、馬B、馬A及び馬Cの組合わせに対して、2:1のウェイトがおかれていた場合は、300円分の馬券を購入して、500円分当たったわけであるから、配当金情報は500円割る3で、167円とすればよい。
【0069】
送信手段が、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する。たとえば、CPUなどが、メインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、上記の情報を出力装置などを用いて出力してもよいし、メモリやデータベースに記憶された情報を読み出して、出力装置を用いて出力するように指示してもよい。たとえば、上記の例では、レースAの予想者Aの予想情報に基づく3連単に関する配当金情報については、250円又は167円という情報が、ユーザの携帯電話に送信される。このように本発明の馬券情報の提供システムでは、ユーザに対し、ユーザの興味のわく情報を提供できる。
【0070】
なお、本発明の好ましい態様として、「xx新聞のAA記者は本命のオッズが1000円〜1100円の時の回収率は300%である。(100回中の30回的中)」といった情報を提供できるものがあげられる。すなわち、「ランダムにオッズ1000円の馬券を100回購入した場合に30回的中する確率は9000万分の1である」といった、情報のというような信頼性を伝える情報をも提供できるものである。このような確率は、例えば、オッズ1000円馬券を100回買って、30回的中すると回収率が300%になる。そしてたとえば、オッズが1000円の馬券が的中する確率は約13分の1とする。すると、30回連続で的中する確率は13の30乗分の1であるから、100回買って30回的中する組合せの数を用いることにより、9000万分の1という数値を求めることができる。
【0071】
また、回収率などの計算結果にしたがってグラフの色、太さ、濃さを変え、また表中の数字のフォントを変えることは本発明の好ましい別の実施態様である。このようなシステムは、たとえば、CPUなどが、メモリなどに記憶された回収率などの情報を読み出して、所定の回収率の場合にグラフの色を赤にするといったメインメモリ中の制御プログラムの指令を受け、色別のグラフを出力するというようにすればよい。グラフの太さや濃さを変える場合や、数字のフォントを変える場合も同様である。
【実施例1】
【0072】
(1)データの取り込み
以下、実施例を用いて本発明のシステムを具体的に説明する。まず、エーアイソフト(株)製のワンタッチOCR For Excelを用いて各社の競馬新聞の予想情報をエクセルに取り込んだ。この時に無印を意味する「…」の記号や紙面の汚れを▲等の記号と誤認識する事が多い。そこで、各競馬新聞の記号を読み込んで各記号を<1>、<2>、<3>等の競馬新聞の予想欄に使われない文字に対応付けて辞書を作成しておく。エクセルで取り込んだデータは小さいドットや汚れを誤認識した意味不明の文字と<1>、<2>、<3>・・・等の辞書登録した文字が並んだ状態になる。<1>、<2>及び<3>などの文字のみ取り出して、◎、○、▲などの文字に再度変換を行って予想データベースを完成する。小さいドットや汚れを▲と誤認識するのを完全に防ぐ事ができない場合は、各レースにおいて◎か●のどちらが存在しないか、又は2個以上存在する場合は誤認識である。○が無いか、2個以上ある場合は誤認識である。▲が無いか、又は2個以上ある場合は誤認識であるというチェックをかけ、ご認識がある場合は、異常を表示する。このようにして、データの修正を行って予想データベースを完成させる。
【0073】
なお、競馬新聞によっては、各レースの予想情報などの表記が他の競馬新聞のものと縦横が逆になっているものもある。そので、そのような競馬新聞に記載された情報をも適切に入手するため、自動で、又は指示を入力することにより、取り込んだ画像を90度回転させて情報を入力できるように設定した。また、各記号として90度回転させたものを含む辞書を作成し、その辞書を用いて予想情報を入力した。
【0074】
変換例については、例えば以下のとおりとすればよい。
--------------------------------------------------------
|新聞の印 | スキャナ取込後 | データベース化後|
--------------------------------------------------------
|自信の大本命 | <1> | ● |
|◎ | <2> | ◎ |
|○ | <3> | ○ |
|▲ | <5> | ▲ |
|△ | <6> | △ |
|☆ | <7> | ☆ |
|注 | <8> | 注 |
|× | <9> | × |
---------------------------------------------------------
【0075】
たとえば、二重丸(本命)については、いったん<2>に変換した後に、二重丸として表示すればよい。このように一端別の記号で記憶するので、本発明のシステムでは、ご認識を防止できる。特に、二重三角などの場合、単穴か連下かなど誤って認識する場合があるが、本発明のシステムでは、上記の変換を施し、その後にそれらの数を計算する手段を有するので、そのような誤認識を起こす事態を効果的に防止できる。なお、上記の例では、認識例に二重三角を入れていないが、二重三角をもスキャナ取り込み後に別の記号を割り与えるなどして、変換し、データベース化してもよい。
【0076】
(2)購入金額計算ロジック
たとえば、馬連(馬番連勝複式)の場合には下記のような予想テーブルと的中パターンのテーブルを作る(簡単のために小規模な例を示す)。
【0077】
[予想テーブル]
レース 新聞名 記者名 枝番 馬番 記号
1 A a 1 3 ◎
1 A a 2 5 ○
1 A a 3 7 ▲
1 B b 1 5 ◎
1 B b 2 3 ○
1 B b 3 4 ▲
【0078】
[馬連的中パターンテーブル]
コード 1着 2着 備考
UR001 ◎ ○ ◎−○の1点買い
UR001 ○ ◎ ◎−○の1点買い
UR002 ◎ ○ ◎○▲のボックス買い
UR002 ◎ ▲ ◎○▲のボックス買い
UR002 ○ ◎ ◎○▲のボックス買い
UR002 ○ ▲ ◎○▲のボックス買い
UR002 ▲ ◎ ◎○▲のボックス買い
UR002 ▲ ○ ◎○▲のボックス買い
UR003 ○ ▲ ○−▲の1点買い
UR003 ▲ ○ ○−▲の1点買い
【0079】
上記に関して、図2のように表示される画面を作製し、ユーザに選択させる。図2は、本発明のシステムの表示画面の一例である。図2に示される画面で◎−○(1点)を選択した場合には、上記の的中パターンテーブルのコードUR001を選択したことになる。
【0080】
一方、開催日情報や競馬場とその他のレースの条件とともに的中パターンのコードが、サーバに送られる。サーバでは、送られてきた各条件と、的中パターンのテーブルと予想テーブルをマッチングさせて、マッチしたデータの件数をレース番号と記者別に集計する。そして、その集計値に100をかけると購入金額になる。なお、馬番連勝複式の場合には1、2着が逆でも的中になるので購入金額を半分にする。馬単(馬番連勝単式)の場合には的中パターンのテーブルは以下のようになる。
【0081】
[馬単的中パターンテーブル]
コード 1着 2着 備考
UR001 ◎ ○ ◎=>○の1点買い
UR002 ◎ ○ ◎−○の表裏で2点買い
UR002 ○ ◎ ◎−○の表裏で2点買い
UR003 ◎ ○ ◎○▲のボックス買い
UR003 ◎ ▲ ◎○▲のボックス買い
UR003 ○ ◎ ◎○▲のボックス買い
UR003 ○ ▲ ◎○▲のボックス買い
UR003 ▲ ◎ ◎○▲のボックス買い
UR003 ▲ ○ ◎○▲のボックス買い
UR004 ○ ▲ ○=>▲の1点買い
UR005 ○ ▲ ○−▲の表裏で2点買い
UR005 ▲ ○ ○−▲の表裏で2点買い
【0082】
なお、図3は、単勝的中パターンテーブルの例を示す図である。図4は、複勝的中パターンテーブルの例を示す図である。図5は、馬連的中パターンテーブルの例を示す図である。これらと同様に、他の的中パターンについても、各割り当てに対してパターンコードをふって記憶させることが好ましい。
【0083】
(3)配当金額計算ロジック
配当金額を計算する時には2の各情報の他に下記のようなレース結果の着順のテーブルと配当金額のテーブルを用意する。
【0084】
[レース結果テーブル]
レース 1着馬番 1着枠番 2着馬番 2着枠番 3着馬番
1 1 1 4 2 6
2 6 3 8 4 16
3 1 1 2 2 3
4 2 1 3 3 8
【0085】
[配当テーブル]
レース 単勝 複勝1 複勝2 複勝3 馬連
1 600 150 130 180 1200
2 350 120 140 200 600
3 1200 330 120 160 3900
【0086】
購入金額の計算ロジックにレース結果のテーブルとの結合も追加する事で、的中した予想を絞り込む事ができる。これに配当金を掛け合わせて記者別に集計すると記者別の配当金額を得ることができる。
【0087】
本発明のシステムを用いれば、ユーザにとって興味深い様々な情報を瞬時に構築し、提供することができる。図6は、ある記者の馬券種毎の回収率を示す図である。図6は、より詳しく説明すると、ABC新聞のXX記者の馬券種別と印(および印の組合せ)毎の回収率を前記者の平均と比較したものである。図6において、馬連1〜4、及び馬単1〜4は、それぞれ的中パターンテーブルに登録した組合せに対応している。図6から、上の単勝のオッズと払戻のグラフで読み取れる傾向(人気薄=>人気馬へ流して高配当狙い)が当たって馬単1と馬単2で平均の回収率を上回っているのがわかる。本発明のシステムを用いれば、このように興味深い情報をユーザが自由に検索できる。
【0088】
図7は、本紙予想と他記者の複勝オッズ、及び払い戻しを比較した図である。回収率とは馬券の購入金額に対して何%が配当金として戻ってくるかを表すものである。なお、ここで、"本紙予想"とは、予め設定した記者(競馬新聞内で一番偉い記者)の予想を意味する。馬柱とは、各馬の最近の成績や持ちタイム等の情報が書かれた表を意味し、ここではそこに予想が掲載されている記者の事を意味する。TM(新聞によってはスタッフとも言う)とは、ここでは馬柱欄よりも小さい表に予想が書かれている記者の事を意味する。記者の立場、格は下記の順であるが予想の信頼性がこれと一致しているか調べたグラフである。図7から競馬新聞内での記者の格または担当と回収率には顕著な傾向は見られないことがわかる。このような情報は、ユーザにとって興味深い情報である。
【0089】
図8は、馬連に関する、記者別の平均金額分布を示す図である。より詳しくは、記者別、買い目のパターン別の馬連の平均オッズと払戻金の平均の分布を表すグラフを示す図である。図8において、横軸は金額帯を示し、縦軸は記者の人数を示している。マーカー付きの線は払戻を示し、マーカー無しの線はオッズを示している。例えば、パターン1の馬連払戻金の平均が500〜1000円の記者は約90人であり、パターン1の馬連払戻金の平均が1000〜1500円の記者は約20人である。オッズの分布が横に広がっていてピークが低いのに対して、払戻の分布はピークが高くなっている。どの印もオッズのピークよりも払戻のピークが金額の低い方に位置している。よって、連下狙いをするよりもオッズ本命〜単穴を狙った方が的中率が高くなりそうな事が推測できる。これは、ユーザにとってとても興味深い情報である。
【0090】
図9は、◎○▲(二重丸、丸、黒三角)の組合わせを用いて、予想が的中した予想者を検索するための命令文の例を示す図である。図中の指令文は、SQL文で書かれている。この文章を用いれば、本システムのリレーショナルデータベースから、予想が的中した予想者に関する情報を抽出できた。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、馬券購入者などに興味深い情報を提供できる情報提供システムとして利用されうる。本発明は特に、インターネットのウェブサイトや、携帯電話のサイトなどにおける情報提供サイトに用いられるシステムとして利用されうる。
【0092】
コンピュータを本発明のシステムとして機能させるプログラムを搭載したCD−ROM、DVDその他の記録媒体は、それを用いればコンピュータに本発明のプログラムをインストールさせることにより機能させることができるので、本発明はこのような記録媒体を販売することに利用されうる。
【0093】
本発明のシステムは、馬券購入者などに興味深い情報を提供できるので、本発明のシステムを利用すれば、インターネットを用いたネットゲーム、パーソナルコンピュータ用のゲームソフト、プレイステーション(登録商標)などのテレビゲーム用ソフト、並びに、任天堂DS(登録商標)やプレイステーションポータブル(登録商標)などの携帯ゲーム用ソフトを始めとするゲームの分野において好適に利用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】図1は、本発明の競馬情報の提供システムに関する基本構造例を示す概念図である。
【図2】図2は、本発明のシステムに関する表示画面の一例である。
【図3】図3は、単勝的中パターンテーブルの例を示す図である。
【図4】図4は、複勝的中パターンテーブルの例を示す図である。
【図5】図5は、馬連的中パターンテーブルの例を示す図である。
【図6】図6は、ある記者の馬券種毎の回収率を示す図である。
【図7】図7は、本紙予想と他記者の複勝オッズ、及び払い戻しを比較した図である。
【図8】図8は、馬連に関する、記者別の平均金額分布を示す図である。
【図9】図9は、◎○▲(二重丸、丸、黒三角)の組合わせを用いて、予想が的中した予想者を検索するための命令文の例を示す図である。
【符号の説明】
【0095】
1 サーバ
2 ネットワーク
3 パーソナルコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、前記予想担当者が予想するレースの名称、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報(本命、対抗、単穴、及び連下のいずれか1つ以上を含む)を入力する予想情報入力手段と、
前記予想情報入力手段が入力した予想情報を記憶する予想情報記憶手段と、
前記予想情報に基づいて、各馬券に対する前記予想担当者の予想情報を決定する馬券予想情報決定手段と、
前記レースが終了した後に、競馬の着順を入力する着順入力手段と、
前記レースが終了した後に、配当金を入力する配当金入力手段と、
前記着順入力手段が入力した着順情報と、前記馬券予想情報決定手段が決定した各馬券に対する予想情報とが一致していた場合に、前記配当金入力手段が入力した配当金を前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と関連させて記憶する配当金情報記憶手段と、
前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが希望する情報又は予め設定した情報を選択する情報選択手段と、
前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する送信手段と、
を具備し、
前記予想情報入力手段が、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、前記予想担当者が予想するレースの名称、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報(本命、対抗、単穴、及び連下のいずれか1つ以上を含む)を入力し、
前記予想情報記憶手段が、前記予想情報手段が入力した予想情報を記憶し、
前記馬券予想情報決定手段が前記予想情報に基づいて、各馬券に対する前記予想担当者の予想情報を決定し、
前記着順入力手段が、前記レースが終了した後に、競馬の着順を入力し、
前記配当金入力手段が、前記レースが終了した後に、配当金を入力し、
前記配当金情報記憶手段が、前記着順入力手段が入力した着順情報と、前記馬券予想情報決定手段が決定した各馬券に対する予想情報とが一致していた場合に、前記配当金入力手段が入力した配当金を前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と関連させて記憶し、
前記情報選択手段が、前記予想情報記憶手段が記憶する予想情報と、前記配当金情報記憶手段が記憶する配当金情報からユーザが希望する情報又は予め設定した情報を選択し、
前記送信手段が、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する、
馬券情報の提供システム。
【請求項2】
前記馬券予想情報決定手段は、"3連単"及び"3連複"のいずれか又は両方については、"本命、対抗及び単穴"を割り当てる請求項1に記載の馬券情報の提供システム。
【請求項3】
前記馬券予想情報決定手段の当り情報について、本命、対抗、単穴、及び連下の割り当てに関するユーザからの設定情報を入力する馬券設定入力手段をさらに具備し、
ユーザが設定した当り情報に基づいて、当りを設定できる、
請求項1に記載の馬券情報の提供システム。
【請求項4】
前記情報選択手段における"ユーザが希望する情報"を入力する手段と、前記"ユーザが希望する情報"を記憶する手段をさらに具備する、
請求項1に記載の馬券情報の提供システム。
【請求項5】
前記送信手段は、コンテンツをウェブサイトにアップロードすることにより、前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を閲覧可能とするか、
予め登録されたユーザの携帯電話又はコンピュータに電子メール又はウェブメールを用いて前記情報選択手段が選択したユーザが希望する情報又は予め設定した情報を送信する、
請求項1に記載の馬券情報の提供システム。
【請求項6】
前記"予め設定した情報"には、各予想者の本命、対抗、単穴、及び連下のいずれかひとつ以上に対する、オッズに関する情報を含む請求項1に記載の馬券情報の提供システム。
【請求項7】
前記"予め設定した情報"には、各予想者の本命、対抗、単穴、及び連下のいずれかひとつ以上に対する、オッズの金額に応じた分類と、それぞれの分類における当りの割合に関する情報を含む請求項1に記載の馬券情報の提供システム。
【請求項8】
前記"ユーザが希望する情報"には、オッズの金額に応じた分類と、それぞれの分類におけるユーザが選択した馬券に対する当りの割合に関する情報を含む請求項1に記載の馬券情報の提供システム。
【請求項9】
競馬新聞をスキャナで読み込んで、競馬新聞から、競馬新聞の名称、前記競馬新聞における予想担当者の氏名、及び前記レースにおける前記予想担当者の予想情報を抽出するスキャナ装置であって、
前記スキャナ装置には、各レースにおける"単穴"の数を算出する単穴の数算出手段を具備し、
前記単穴の数算出手段が算出した各レースにおける単穴の数が、2つ以上、又は0個の場合には、誤認識を示す信号を出力する誤認識信号出力手段を具備する
スキャナ装置。
【請求項10】
前記スキャナ装置には、"本命"の数を算出する本命の数算出手段、又は"対抗"の数を算出する対抗の数算出手段をさらに具備し、
各レースにおける本命の数、又は対抗の数が2つ以上、又は0個の場合には、誤認を示す信号を出力する
請求項9に記載のスキャナ装置。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のスキャナ装置を具備し、前記スキャナ装置で抽出した情報を提供する馬券情報の提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−209293(P2006−209293A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17868(P2005−17868)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(505032458)
【Fターム(参考)】