説明

駆動ユニット及び走行玩具

【課題】
発電モータとフライホイールを組み合わせることにより、発電と同時にフライホイールを蓄勢することができる駆動ユニットを提供する。
【解決手段】
駆動ユニット1は、ユニット本体2と、ユニット本体2に回動可能に設けられた駆動軸8と、ユニット本体2に設けられ、駆動軸8に歯車群10を介して動力を伝達するフライホイール31と、ユニット本体2に設けられ、前記歯車群10の内の一つの歯車27に連係された発電モータ32とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フライホイールと発電モータを内蔵し、フライホイールの蓄勢と同時に発電モータを駆動させて発電させる駆動ユニット、及びフライホイールと発電モータを内蔵し、フライホイールの蓄勢と同時に発電モータを駆動させて充電させた充電部の放電により電子部品を作動させるようにした走行玩具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、充電式の駆動ユニットは、駆動軸を回転させると、これと連動する発電モータも回転してコンデンサに充電を行い、このコンデンサの放電により発電モータを回転させて、駆動軸を駆動するものが存在した。また、従来、充電式の走行玩具は、駆動輪を回転させると、これと連動する発電モータも回転してコンデンサに充電を行い、このコンデンサの放電により発電モータを回転させて、走行するものが存在した(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−31796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した充電式の駆動ユニットは、コンデンサの充電を駆動軸の回転で行っていたため、充電量が小さく、駆動時間が短いという問題点があった。また、上記した充電式の走行玩具は、コンデンサの充電を駆動輪の回転で行っていたため、充電量が小さく、走行距離が短いという問題点があった。上記した充電式の走行玩具は、発電モータのみによって走行するので、走行するための動力性能が低く、そのため、走行距離及び走行時間が短く、すぐに停止してしまうという問題点があった。
【0005】
本願発明は、上記問題点に鑑み案出したものであって、発電モータとフライホイールを組み合わせることにより、発電と同時にフライホイールを蓄勢することができ、駆動時間が長く、さらに動力性能を高めることができる駆動ユニットを提供することを第1の目的とする。また、発電モータとフライホイールを組み合わせることにより、発電と同時にフライホイールを蓄勢することができ、発電モータとフライホイールの動力により、動力性能が高く、走行距離及び走行時間が長い走行玩具を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1記載の駆動ユニットは、上記第1の目的を達成するため、ユニット本体と、ユニット本体に回動可能に設けられた駆動軸と、ユニット本体に設けられ、駆動軸に歯車群を介して動力を伝達するフライホイールと、ユニット本体に設けられ、前記歯車群の内の一つの歯車に連係された発電モータとを有することを特徴とする。
【0007】
本願請求項2記載の駆動ユニットは、上記第1の目的を達成するため、ユニット本体には、取付板が固定されており、当該取付板には、前記歯車群が回動可能に取り付けられ、一方の面側に発電モータが設けられ、他方の面側にフライホイールが設けられていることを特徴とする。
【0008】
本願請求項3記載の走行玩具は、上記第2の目的を達成するため、玩具本体には、請求項1又は2記載の駆動ユニットと電子基板が設けられ、前記電子基板には、前記駆動ユニットの発電モータによって発電された電気を充電する充電部と、前記充電部に充電された電気の放電により駆動する電子部品とを備え、駆動ユニットの駆動軸には駆動輪が取り付けられ、玩具本体には、両端に車輪が取り付けられた車軸が回動可能に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本願請求項4記載の走行玩具は、上記第2の目的を達成するため、前記電子部品は、前記充電部に充電された電気の放電により発光する発光素子であることを特徴とする。
【0010】
本願請求項5記載の走行玩具は、上記第2の目的を達成するため、玩具本体には、前記充電部に充電された電気の放電により発音する発音体が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本願請求項6記載の走行玩具は、上記第2の目的を達成するため、玩具本体と、玩具本体の前部に回動可能に設けられた前輪と、玩具本体の後部に回動可能に設けられた後輪と、玩具本体に設けられ、前輪及び後輪の少なくとも一方に歯車群を介して動力を伝達するフライホイールと、玩具本体に設けられ、前輪及び後輪の少なくとも一方の回転により発電する発電モータと、玩具本体に設けられ、前記発電モータによって発電された電気を充電する充電部と、玩具本体に設けられ、前記充電部に充電された電気の放電により駆動する電子部品とを有することを特徴とする。
【0012】
本願請求項7記載の走行玩具は、上記第2の目的を達成するため、前記発電モータは、前記歯車群の内の一つの歯車に連係されていることを特徴とする。
【0013】
本願請求項8記載の走行玩具は、上記第2の目的を達成するため、前記電子部品は、前記充電部に充電された電気の放電により発光する発光素子であることを特徴とする。
【0014】
本願請求項9記載の走行玩具は、上記第2の目的を達成するため、玩具本体には、前記充電部に充電された電気の放電により発音する発音体が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本願発明に係る駆動ユニットは、ユニット本体と、ユニット本体に回動可能に設けられた駆動軸と、ユニット本体に設けられ、駆動軸に歯車群を介して動力を伝達するフライホイールと、ユニット本体に設けられ、前記歯車群の内の一つの歯車に連係された発電モータとを有する。
【0016】
本願発明に係る駆動ユニットは、駆動軸を強制的に回転させると、歯車群を介してフライホイールが回転し、駆動軸を解放すると、このフライホイールが動力源となって、歯車群を介して駆動軸を回転させることができる。また、歯車群の回転によって、発電モータを駆動することができるので、発電モータが発電を行い、この発電によって発生した電力により各電子部品を作動させることができる。このように、本願発明に係る駆動ユニットは、フライホイールを蓄勢するのと略同時に発電を行い、機械的エネルギーと電気的エネルギーを略同時に発生させることができ、走行玩具に搭載した場合に走行玩具の動力性能を高め、各電子部品を駆動して興趣ある構成にすることができるという効果がある。
【0017】
本願発明に係る駆動ユニットは、ユニット本体には、取付板が固定されており、当該取付板には、前記歯車群が回動可能に取り付けられ、一方の面側に発電モータが設けられ、他方の面側にフライホイールが設けられている。本願発明に係る駆動ユニットは、取付板の両側に、重量のあるフライホイールと発電モータを配置したため、重量バランスが取れた構成にすることができるという効果がある。
【0018】
本願発明に係る走行玩具は、玩具本体に上記駆動ユニットと電子基板が設けられ、前記電子基板に、前記駆動ユニットの発電モータによって発電された電気を充電する充電部と、前記充電部に充電された電気の放電により駆動する電子部品とを備え、駆動ユニットの駆動軸には駆動輪が取り付けられ、玩具本体には、両端に車輪が取り付けられた車軸が回動可能に設けられている。
【0019】
本願発明に係る走行玩具は、玩具本体を把持し、駆動輪を接地させて回転させると、駆動軸、歯車群を介してフライホイールが回転し、玩具本体を離すと、このフライホイールが動力源となって、歯車群、駆動軸を介して駆動輪が回転し走行することができる。また本願発明に係る走行玩具は、歯車群の回転によって、発電モータを駆動することができるので、発電モータが発電を行い、この発電によって発生した電気を充電部が充電する一方、玩具本体を離すことによって、充電部に充電された電気の放電により電子部品及び発電モータが駆動し、フライホイールの機械的エネルギーと発電モータの電気的エネルギーにより、走行時間及び走行距離を向上させることができるという効果がある。
【0020】
本願発明に係る走行玩具は、玩具本体と、玩具本体の前部に回動可能に設けられた前輪と、玩具本体の後部に回動可能に設けられた後輪と、玩具本体に設けられ、前輪及び後輪の少なくとも一方に歯車群を介して動力を伝達するフライホイールと、玩具本体に設けられ、前輪及び後輪の少なくとも一方の回転により発電する発電モータと、玩具本体に設けられ、前記発電モータによって発電された電気を充電する充電部と、玩具本体に設けられ、前記充電部に充電された電気の放電により駆動する電子部品とを有する。
【0021】
本願発明に係る走行玩具は、玩具本体を把持し、前輪及び後輪を接地させて回転させると、歯車群を介してフライホイールが回転し、玩具本体を離すと、このフライホイールが動力源となって、歯車群を介して前輪又は後輪が回転し走行することができる。また、本願発明に係る走行玩具は、前輪及び後輪の少なくとも一方の回転によって発電モータを駆動することができるので、発電モータが発電を行い、この発電によって発生した電気を充電部が充電する一方、玩具本体を離すことによって、充電部に充電された電気の放電により電子部品及び発電モータが駆動し、フライホイールの機械的エネルギーと発電モータの電気的エネルギーにより、走行時間及び走行距離を向上させることができるという効果がある。
【0022】
本願発明に係る走行玩具は、前記発電モータは、前記歯車群の内の一つの歯車に連係されているので、前輪又は後輪のみで、フライホイールと発電モータを駆動させることができ、簡単な構造にすることができるという効果がある。
【0023】
本願発明に係る走行玩具は、充電部の放電により、電子部品を作動させることができるという効果がある。例えば、前記電子部品がLED等の発光素子である場合には、走行中に、充電部に充電された電気の放電により発光させることができる。また、本願発明に係る走行玩具は、玩具本体に発音体を設けることができ、前記充電部に充電された電気の放電により走行中発音体を発音させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願発明に係る駆動ユニットの一つの実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】本願発明に係る駆動ユニットの組立説明図であって、(a)は左側面図、(b)は右側面図、(c)は正面図、(d)は底面図である。
【図3】本願発明に係る駆動ユニットの使用説明図であって、(a)は左側面図、(b)は右側面図、(c)は平面図、(d)は斜視図である。
【図4】本願発明に係る走行玩具の電気構成を示す回路図である。
【図5】本願発明に係る走行玩具の説明図であって、(a)が正面図、(b)が側面図、(c)が平面図である。
【図6】本願発明に係る走行玩具の全体図であって、(a)が平面図、(b)が底面図、(c)が側面図、(d)が透視斜視図、(e)が斜視図である。
【図7】図5の走行玩具の取付構成を示す斜視図である。
【図8】走行玩具の利用形態を示す説明図である。
【図9】他の駆動ユニットの説明図であって、(a)は左側面図、(b)は正面図、(c)は右側面図、(d)は底面図、(e)は一部省略した底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1,5に示すように、駆動ユニット1は、ユニット本体2と、ユニット本体2に回動可能に設けられた駆動軸8と、ユニット本体2に設けられ、駆動軸8に歯車群10を介して動力を伝達するフライホイール31と、ユニット本体2に設けられ、前記歯車群10の内の一つの歯車25に連係された発電モータ32とを有する。
【0026】
駆動ユニット1は、駆動軸8を強制的に回転させると、歯車群10を介してフライホイール31が回転する。駆動軸8を解放すると、このフライホイール31が動力源となって、歯車群10を介して駆動軸8を回転させることができる。また、歯車群10の回転によって、発電モータ32を駆動することができるので、発電モータ32が発電を行い、この発電によって発生した電力により各電子部品51,55〜58を作動させることができる。このように、駆動ユニット1は、フライホイール31を蓄勢するのと略同時に発電を行い、機械的エネルギーと電気的エネルギーを略同時に発生させることができ、走行玩具41に搭載した場合に走行玩具41の動力性能を高め、各電子部品を駆動して興趣ある構成にすることができる。
【0027】
駆動ユニット1は、ユニット本体2に取付板5が固定されている。当該取付板5には、前記歯車群10が回動可能に取り付けられ、一方の面6側に発電モータ32が設けられ、他方の面7側にフライホイール31が設けられている。駆動ユニット1は、取付板5の両側に、重量のあるフライホイール31と発電モータ32を配置したため、重量バランスが取れた構成にすることができる。
【0028】
図5,7に示すように、走行玩具41は、玩具本体42に上記駆動ユニット1と電子基板50が設けられている。前記電子基板50には、前記駆動ユニット1の発電モータ32によって発電された電気を充電する充電部52と、前記充電部52に充電された電気の放電により駆動する電子部品51とを備えている(図4参照)。駆動ユニット1の駆動軸8には駆動輪40が取り付けられている。玩具本体42には、両端に車輪45,45が取り付けられた車軸43が回動可能に設けられている。
【0029】
走行玩具41は、玩具本体42を把持し、駆動輪40を接地させて回転させると、駆動軸8、歯車群10を介してフライホイール31が回転し、玩具本体42を離すと、このフライホイール31が動力源となって、歯車群10、駆動軸8を介して駆動輪40が回転し走行することができる。また走行玩具41は、歯車群10の回転によって、発電モータ32を駆動することができるので、発電モータ32が発電を行い、この発電によって発生した電気を充電部52が充電する一方、玩具本体42を離すことによって、充電部52に充電された電気の放電により電子部品51及び発電モータ32が駆動し、フライホイール31の機械的エネルギーと発電モータ32の電気的エネルギーにより、走行時間及び走行距離を向上させることができる。
【0030】
走行玩具41は、玩具本体42と、玩具本体42の前部に回動可能に設けられた前輪45と、玩具本体42の後部に回動可能に設けられた後輪40と、玩具本体42に設けられ、前輪45及び後輪40の少なくとも一方に歯車群10を介して動力を伝達するフライホイール31と、玩具本体42に設けられ、前輪45及び後輪40の少なくとも一方の回転により発電する発電モータ32と、玩具本体42に設けられ、前記発電モータ32によって発電された電気を充電する充電部52と、玩具本体42に設けられ、前記充電部52に充電された電気の放電により駆動する電子部品51,55〜58とを有する(図4参照)。
【0031】
走行玩具41は、玩具本体42を把持し、前輪45及び後輪40を接地させて回転させると、歯車群10を介してフライホイール31が回転し、玩具本体42を離すと、このフライホイール31が動力源となって、歯車群10を介して前輪45及び後輪40の少なくとも一方が回転し走行することができる。また、走行玩具41は、前輪45及び後輪40の少なくとも一方の回転によって発電モータ32を駆動することができるので、発電モータ32が発電を行い、この発電によって発生した電気を充電部52が充電する一方、玩具本体42を離すことによって、充電部52に充電された電気の放電により電子部品51,55〜58及び発電モータ32が駆動し、フライホイール31の機械的エネルギーと発電モータ32の電気的エネルギーにより、走行時間及び走行距離を向上させることができる。
【0032】
走行玩具41は、前記発電モータ32が、前記歯車群10の内の一つの歯車25に連係されているので、前輪45又は後輪40のみで、フライホイール31と発電モータ32を駆動させることができ、簡単な構造にすることができる。
【0033】
走行玩具41は、充電部52の放電により、電子部品51,55〜58を作動させることができる。例えば、前記電子部品55〜58がLED等の発光素子である場合には、走行中に、充電部52に充電された電気の放電により発光させることができる。また、走行玩具41は、玩具本体42に発音体47を設けることができ、前記充電部52に充電された電気の放電により電子部品51を駆動して走行中発音体47を発音させることができる。
【0034】
さらに駆動ユニット1について詳細に説明する。図1,5に示すように、駆動ユニット1は、ケース(ユニット本体)2を有し、内部に取付板5が取り付けられている。ケース(ユニット本体)2は、右半体3と左半体4に2分割され、右半体3と左半体4が接合されてネジ等により固定されて形成されている。前記取付板5は、この右半体3と左半体4に挟み込まれるようにしてケース(ユニット本体)2に固定されている。
【0035】
取付板5には、増速歯車群10と、フライホイール31と、発電モータ32が取り付けられている。即ち、取付板5の一方の面(右面)6側には、第1の増速歯車群11が設けられ、取付板5の他方の面(左面)7側には、第2の増速歯車群21が設けられている。図2に示すように、第1の増速歯車群11は、第1の回転軸12に固定された第1の小歯車13及び第1の平歯車14と、第2の回転軸15に固定され、第1の平歯車14と噛み合う第2の小歯車16と第2の平歯車17と、第3の回転軸18に固定され、第2の平歯車17と噛み合う第3の小歯車19とからなる。第1の回転軸12、第2の回転軸15及び第3の回転軸18は、取付板5に回動可能にとりつけられている。
【0036】
第2の増速歯車群21は、前記第3の回転軸18に固定された第4の平歯車22と、ホイール軸23に固定され、第4の平歯車22と噛み合うホイール歯車25と、モータ軸33に固定され、ホイール歯車25と噛み合うモータ歯車27とからなる。ホイール軸23は、取付板5に回動可能に取り付けられ、取付板5の他方の面(左面)7側に配置されたフライホイール31が固定して取り付けられている。また、モータ軸33は、取付板5の一方の面(右面)6側に固定された発電モータ32の回転軸であって、取付板5の他方の面(左面)7側に突出し、この突出部にモータ歯車27が固定して取り付けられている。
【0037】
ケース(ユニット本体)2には、駆動軸8が回動可能に設けられている。駆動軸8には、駆動歯車9が固定されている。駆動軸8は、取付板5に形成された略U字状の切り欠き5aに差し込まれ、駆動歯車9が取付板5に回動可能に設けられた前記第1の小歯車13と噛み合うようになっている。駆動ユニット1は、取付板5の両側に、重量のあるフライホイール31と発電モータ32を配置したため、重量バランスが取れた構成になっているが、さらに増速歯車群10を第1の増速歯車群11と第2の増速歯車群21に分割し、第1の増速歯車群11を取付板5の一方の面6側に配置し、第2の増速歯車群21を取付板5の他方の面7側に配置したので、より一層バランスがとれた構成となっている。
【0038】
駆動ユニット1は、ケース(ユニット本体)2から突出する駆動軸8を一方に回転させると、駆動歯車9,第1の小歯車13,第1の平歯車14,第2の小歯車16,第2の平歯車17,第3の小歯車19,第3の回転軸18,第4の平歯車22,ホイール歯車25を介して回転が増速されて、フライホイール31が高速回転を行う。フライホイール31が高速回転を行うので、ホイール歯車25の回転がモータ歯車27に伝達されて、モータ軸33が高速回転を行い、発電モータ32が発電する。
【0039】
本実施の形態では、前記駆動ユニット1は、発電モータ32がフライホイール31を回転させる歯車群10のホイール歯車25に連係された形となっており、第4の平歯車22にホイール歯車25を噛み合わせ、ホイール歯車25にモータ歯車27を噛み合わせるようにしたが、噛み合わせる順番を替え、第4の平歯車22にモータ歯車27を噛み合わせ、モータ歯車27にホイール歯車25を噛み合わせるようにしても良い。実施の形態では、ケース(ユニット本体)2の略中央にフライホイール31が位置していたが、このようにすると、ケース(ユニット本体)2の略中央に発電モータ32が位置することになり、フライホイール31と発電モータ32の位置を変更することができる。
【0040】
上記駆動ユニット1は、図4乃至7に示すように、走行玩具41の車台(玩具本体)42に組み込まれて使用される。車台(玩具本体)42は、前部に前軸(車軸)43が回動可能に取り付けられている。前軸43の両側には、前輪45,45が設けられている。前記駆動ユニット1は、車台(玩具本体)42の後部に組み込まれ、ネジ、係止爪等の固定手段により車台(玩具本体)42に固定される。駆動軸8の両側には、後輪(駆動輪)40,40が取り付けられている。
【0041】
車台(玩具本体)42は、前部に収容凹部46が形成され、当該収容凹部46内にスピーカー等の発音体47が収納され、さらに電子基板50が配置される。電子基板50には、所定の音を内蔵したIC51、前記発電モータ32が発電した電気を充電するコンデンサー52が設けられている。また、車台(玩具本体)42には、図8(a)に示すように、所定形状のボディ48aが取り付けられる。ボディ48aのフロント部の両側には、ヘッドライトとして、一対のLED55,56が設けられている。また、ボディ48aのトップ部には、警告灯として、一対のLED57,58が設けられている。ちなみに、ボディ48aはパトカー形状であるが、救急車形状のボディ48b、トラック形状のボディ48c、バス形状のボディ48d、電車形状のボディ48e等、ボディを様々な形状に形成することができる。
【0042】
走行玩具41は、車台(玩具本体)42を把持し、後輪(駆動輪)40,40を接地させて、車台(玩具本体)42を前方に移動させると、後輪(駆動輪)40,40が前方に回転し、駆動軸8、駆動歯車9,第1の小歯車13,第1の平歯車14,第2の小歯車16,第2の平歯車17,第3の小歯車19,第3の回転軸18,第4の平歯車22,ホイール歯車25を介して回転が増速されて、フライホイール31が高速回転を行う。フライホイール31が高速回転を行うので、ホイール歯車25の回転がモータ歯車27に伝達されて、モータ軸33が高速回転を行い、発電モータ32が発電する。
【0043】
発電モータ32が発電すると、一対のヘッドライト(LED)55,56が点灯し、コンデンサー52に充電される。車台(玩具本体)42を離すと、走行玩具41は、フライホイール31が高速回転を行っているので、前方に走行を行う。また、コンデンサー52が充電されているので、これの放電により、警告灯(LED)57,58が点灯し、略同時にIC51に記憶された所定のメロディーが発音体47から流れる。さらに、コンデンサー52の放電により、発電モータ32が回転し、あたかもハイブリッドカーの如く、走行玩具41は、フライホイール31と発電モータ32の2つの動力が協力して駆動軸8を回転させることになり、フライホイール31で走行する以上に走行時間、走行距離を伸ばすことができる。フライホイール31と発電モータ32の回転が停止すると、走行玩具41は停止し、一対のヘッドライト(LED)55,56及び警告灯(LED)57,58が消灯し、所定のメロディーが発音体47から流れるのを停止する。
【0044】
なお、図9に示すように、駆動ユニット1のモータ歯車27を大歯車27aとし、ホイール歯車25を小歯車25aとした場合には、発電モータ32の回転数が少ないため、発電量、即ちコンデンサー52の充電量が少なく、そのため、走行玩具1の走行距離が極めて短かく、電子部品51,55〜58の駆動時間も短かった。本実施の形態では、駆動ユニット1は、ホイール歯車25とモータ歯車27を略同じ小歯車とし、回転を伝達する第4の平歯車22を大歯車とすることにより、ホイール歯車25とモータ歯車27が高速回転を行い、発電モータ32の回転数が大きくなり、コンデンサー52の充電量を十分に確保することができ、走行玩具1の走行時間、走行距離、電子部品の駆動時間を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本願発明は、充電式駆動ユニット及び充電式自動車玩具として利用可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 駆動ユニット
2 ケース(ユニット本体)
3 右半体
4 左半体
5 取付板
5a 切り欠き
6 一方の面(右面)
7 他方の面(左面)
8 駆動軸
9 駆動歯車
10 増速歯車群
11 第1の増速歯車群
12 第1の回転軸
13 第1の小歯車
14 第1の平歯車
15 第2の回転軸
16 第2の小歯車
17 第2の平歯車
18 第3の回転軸
19 第3の小歯車
21 第2の増速歯車群
22 第4の平歯車
23 ホイール軸
25 ホイール歯車
27 モータ歯車
31 フライホイール
32 発電モータ
33 モータ軸
40 駆動輪(後輪)
41 走行玩具
42 車台(玩具本体)
43 前軸(車軸)
45 車輪(前輪)
46 収容凹部
47 発音体
48 ボディ
50 電子基板
51 IC
52 コンデンサー(充電部)
55 LED
56 LED
57 LED
58 LED

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット本体と、
ユニット本体に回動可能に設けられた駆動軸と、
ユニット本体に設けられ、駆動軸に歯車群を介して動力を伝達するフライホイールと、
ユニット本体に設けられ、前記歯車群の内の一つの歯車に連係された発電モータと、
を有することを特徴とする駆動ユニット。
【請求項2】
ユニット本体には、取付板が固定されており、
当該取付板には、前記歯車群が回動可能に取り付けられ、一方の面側に発電モータが設けられ、他方の面側にフライホイールが設けられていることを特徴とする請求項1記載の駆動ユニット。
【請求項3】
玩具本体には、
請求項1又は2記載の駆動ユニットと電子基板が設けられ、
前記電子基板には、前記駆動ユニットの発電モータによって発電された電気を充電する充電部と、前記充電部に充電された電気の放電により駆動する電子部品とを備え、
駆動ユニットの駆動軸には駆動輪が取り付けられ、
玩具本体には、両端に車輪が取り付けられた車軸が回動可能に設けられていることを特徴とする走行玩具。
【請求項4】
前記電子部品は、前記充電部に充電された電気の放電により発光する発光素子であることを特徴とする請求項3記載の走行玩具。
【請求項5】
玩具本体には、前記充電部に充電された電気の放電により発音する発音体が設けられていることを特徴とする請求項3又は4記載の走行玩具。
【請求項6】
玩具本体と、
玩具本体の前部に回動可能に設けられた前輪と、
玩具本体の後部に回動可能に設けられた後輪と、
玩具本体に設けられ、前輪及び後輪の少なくとも一方に歯車群を介して動力を伝達するフライホイールと、
玩具本体に設けられ、前輪及び後輪の少なくとも一方の回転により発電する発電モータと、
玩具本体に設けられ、前記発電モータによって発電された電気を充電する充電部と、
玩具本体に設けられ、前記充電部に充電された電気の放電により駆動する電子部品と、
を有することを特徴とする走行玩具。
【請求項7】
前記発電モータは、前記歯車群の内の一つの歯車に連係されていることを特徴とする請求項6記載の走行玩具。
【請求項8】
前記電子部品は、前記充電部に充電された電気の放電により発光する発光素子であることを特徴とする請求項6又は7記載の走行玩具。
【請求項9】
玩具本体には、前記充電部に充電された電気の放電により発音する発音体が設けられていることを特徴とする請求項6、7又は8記載の走行玩具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate