説明

駆動源搭載機器の盗難防止装置

【目的】駆動源搭載機器の盗難防止装置の機能を活用し、機器の運転履歴を容易に取得できるようにした装置を提供する。
【解決手段】駆動源(電動モータ22)と、駆動源が搭載される機器(小型電動車10)と、機器の動作を制御すると共に、機器の運転履歴を記憶する機器制御手段(制御ECU32)と、ID情報が格納される電子キー(30)が操作されるとき、電子キーからID情報を取得して認証用のID情報と一致するか否か判定し、取得したID情報が認証用のID情報と一致すると判定するとき、機器制御手段に駆動源の始動を許可することで機器の盗難を防止する認証手段(認証ECU34)とを備える駆動源搭載機器の盗難防止装置において、認証手段は、機器制御手段によって記憶された運転履歴を取得すると共に、電子キーが操作されるとき、取得した運転履歴を電子キーに送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は駆動源搭載機器の盗難防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駆動源搭載機器の盗難防止装置としては、下記特許文献1に記載されるように、ID情報が格納される電子キーが操作されるとき、そのID情報をイモビライザ制御部に送信し、認証用のID情報と照合し、照合が成立した(認証した)ときに限り、その電子キーによる駆動源の始動を許可することで盗難を防止するようにしたもの(いわゆるイモビライザ)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−90908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、駆動源搭載機器の運転履歴はその制御装置に記憶されるが、運転履歴を取得するには読み取り専用機を機器の付近まで持ってきて制御装置に接続する必要があり、容易に運転履歴を取得することができなかった。また、機器が複数の使用者によって共同利用される場合、使用者ごとの運転履歴を把握することもできなかった。
【0005】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、駆動源搭載機器の盗難防止装置の機能を活用し、機器の運転履歴を容易に取得できるようにした装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1にあっては、駆動源と、前記駆動源が搭載される機器と、前記機器の動作を制御すると共に、前記機器の運転履歴を記憶する機器制御手段と、ID情報が格納される電子キーが操作されるとき、前記電子キーから前記ID情報を取得して認証用のID情報と一致するか否か判定し、前記取得したID情報が前記認証用のID情報と一致すると判定するとき、前記機器制御手段に前記駆動源の始動を許可することで前記機器の盗難を防止する認証手段とを備える駆動源搭載機器の盗難防止装置において、前記認証手段は、前記機器制御手段によって記憶された運転履歴を取得すると共に、前記電子キーが操作されるとき、前記取得した運転履歴を前記電子キーに送信する如く構成した。
【0007】
また、請求項2に係る駆動源搭載機器の盗難防止装置にあっては、前記認証手段は前記認証用のID情報を複数有し、前記電子キーから取得したID情報が前記複数のID情報の内のいずれかと一致するとき、前記機器制御手段に前記駆動源の始動を許可すると共に、前記機器制御手段は前記運転履歴をID情報ごとに記憶する如く構成した。
【発明の効果】
【0008】
請求項1にあっては、駆動源と、駆動源が搭載される機器と、機器の動作を制御すると共に、機器の運転履歴を記憶する機器制御手段と、ID情報が格納される電子キーが操作されるとき、電子キーからID情報を取得して認証用のID情報と一致するか否か判定し、取得したID情報が認証用のID情報と一致すると判定するとき、機器制御手段に駆動源の始動を許可することで機器の盗難を防止する認証手段とを備える駆動源搭載機器の盗難防止装置において、認証手段は、機器制御手段によって記憶された運転履歴を取得すると共に、電子キーが操作されるとき、取得した運転履歴を電子キーに送信する如く構成、即ち、機器の盗難防止装置において認証動作が行われる際に機器の運転履歴を電子キーを介して取り出す如く構成したので、読み取り専用機を機器の付近まで持ってきて機器に接続する手間を要することなく、容易に機器の運転履歴を取得することができる。
【0009】
また、機器制御手段自体が故障してしまい、読み取り専用機で機器の運転履歴を取り出すことができなくなった場合でも、電子キーから少なくとも故障前に送信された運転履歴を取り出すことができる。
【0010】
請求項2に係る駆動源搭載機器の盗難防止装置にあっては、認証手段は認証用のID情報を複数有し、電子キーから取得したID情報が複数のID情報の内のいずれかと一致するとき、機器制御手段に駆動源の始動を許可すると共に、機器制御手段は運転履歴をID情報ごとに記憶する如く構成したので、複数のID情報それぞれに対応する電子キーを準備することで、機器を複数の使用者によって共同利用させることができると共に、使用者ごとの運転履歴を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の実施例に係る駆動源搭載機器の盗難防止装置をそれが搭載される小型電動車まで含めて全体的に示す概略図である。
【図2】図1に示す小型電動車の操作部を示す正面図である。
【図3】図1に示す駆動源搭載機器の盗難防止装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示す駆動源搭載機器の盗難防止装置の動作を示すフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に即してこの発明に係る駆動源搭載機器の盗難防止装置を実施するための形態について説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、この発明の実施例に係る駆動源搭載機器の盗難防止装置をそれが搭載される小型電動車まで含めて全体的に示す概略図である。
【0014】
図1において符号1は、この発明の実施例に係る駆動源搭載機器の盗難防止装置を示す。以下、駆動源搭載機器として小型電動車を例にとって説明する。
【0015】
図1において、符号10は小型電動車を示す。小型電動車10は、4個の車輪12(図1において1個見えず)で支持された車体フレーム14と、車体フレーム14上に設けられ、使用者(操作者)Pが着座すべきシート16と、使用者Pに手動操作自在な操作部20とを備えた、一人乗りの比較的小型な電動車、より正確には電動車椅子であり、高齢者などの使用に適した、人が歩く速度と同じ程度の低速で走行する移動体である。
【0016】
シート16の下部には、車輪(正確には後輪)12を駆動する電動モータ22と、電動モータ22に動作電源を供給するバッテリ24が格納される。尚、電動モータ22は、具体的にはDCブラシレスモータからなる。
【0017】
図2は、図1に示す小型電動車10の操作部20の正面図である。
【0018】
図2に示す如く、操作部20は、ダッシュボード20aから左右にループしつつ突出させられたハンドル20bと、同様に左右に突出させられた走行・停止指示用の走行レバー20cと、ダッシュボード20aに配置され、時速1km/hから6km/hの間で無段階に速度を設定可能な速度設定ノブ20dと、小型電動車10の進行方向指示(前進あるいは後進指示)を入力して進行方向を前後に切り換える前進・後進切り換えスイッチ20eと、ホーン(図示せず)を動作させるホーンスイッチ20fと、バッテリ24から電動モータ22への通電をオン・オフする電源スイッチ20gなどを備える。
【0019】
走行レバー20cの近傍には、走行スイッチ20hが配置される。走行スイッチ20hは、走行レバー20cが使用者Pによって操作されて走行指示がなされたときにオン信号を出力し、停止指示のときにオン信号の出力を終了する。また、速度設定ノブ20dの付近には、使用者Pの操作によって速度設定ノブ20dで設定された速度に応じた信号(速度指示)を出力する速度設定ノブセンサ20iが配設される。
【0020】
尚、小型電動車10の詳細は、本出願人が先に提案した特開2007−112363号公報に記載されているので、これ以上の説明は省略する。
【0021】
図3は、上記した小型電動車10の盗難防止装置1の構成を示すブロック図である。
【0022】
盗難防止装置1は、ID情報(後述)を格納する電子キー30と、小型電動車10に設けられて電動モータ22の動作を制御する電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「制御ECU」という)32と、小型電動車10に設けられて電子キー30の認証を行う電子制御ユニット(Electronic Control Unit。以下「認証ECU」という)34とを備える。尚、制御ECU32と認証ECU34は共に、図2に示す如く、小型電動車10の適宜位置、具体的には、操作部20のダッシュボード20aの内部に配置される。
【0023】
制御ECU32は、CPU32a、メモリ(具体的には不揮発性メモリからなるEEPROM)32bなどを備えたマイクロ・コンピュータからなる。制御ECU32には、前進・後進切り換えスイッチ20eを介して使用者Pからの進行方向指示が入力される。制御ECU32にはさらに、走行スイッチ20hを介して使用者Pからの走行指示が入力されると共に、速度設定ノブセンサ20iを介して速度指示が入力される。制御ECU32は、これらの指示に応じて電動モータ22などの動作を制御し、小型電動車10の走行を制御する。
【0024】
具体的には、使用者Pは、前進・後進切り換えスイッチ20eで進行方向を選択すると共に、速度設定ノブ20dで走行速度を選択する。そして、使用者Pがハンドル20bを把持しつつ、左右いずれか(あるいは双方)の走行レバー20cを握り込むことで小型電動車10の走行速度が決定されて走行する一方、離すと小型電動車10は停止する。
【0025】
制御ECU32は、メモリ32bに小型電動車10の運転履歴を記憶する。具体的には、図示の如く、運転履歴として小型電動車の運転時間と走行距離と故障情報をID情報(後述)ごとに記憶する。運転時間は適宜なタイマによって計測される。走行距離は車輪回転センサ(図示せず)などで計測される。また、故障情報とは例えばモータ過回転やバッテリ電圧低下といった小型電動車10の走行中に生じ得る様々な故障内容をいう。
【0026】
認証ECU34は、制御ECU32と同様、CPU34a、認証用のID情報を格納するメモリ(具体的には不揮発性メモリからなるEEPROM)34bなどを備えたマイクロ・コンピュータからなる。認証用のID情報としては、複数の使用者のために複数記憶される(図で「ID:A」、「ID:B」、「ID:C」と示す)。尚、ID情報は実際には、数桁の文字列からなる。
【0027】
認証ECU34は、電子キー30に格納されたID情報を読み込む(受信する)と共に、メモリ34bに記憶された各種情報を電子キーに書き込む(送信する)ためのリーダ/ライタ34cを備える。また、認証ECU34はLED(発光ダイオード)からなる表示灯34dを備える。
【0028】
上記の如く構成された認証ECU34は、制御ECU32と通信線36を介して接続される。通信線36を介して前記した運転履歴の情報が制御ECU32のメモリ32bから認証ECU34のメモリ34bに送信される。また、後述する始動許可信号も通信線36を介して認証ECU34から制御ECU32に送信される。尚、制御ECU32と認証ECU34には、前記したバッテリ24が電力線40を介して接続され、バッテリ24から動作電源が供給される。
【0029】
電子キー30は、CPU30aと、ID情報(具体的には、電子キー30を携行している使用者Pを識別する識別情報(ユーザID)や小型電動車10の機種や製品番号などを識別する識別情報(製品ID))や前記した運転履歴を記憶するためのメモリ30bと、ID情報を近距離無線通信(RFID(Radio Frequency Identification))でリーダ/ライタ34cと送受信するためのアンテナ30cを備える。電子キー30は、樹脂材から製作されてその内部に前記したCPU30aなどが内蔵される。尚、電子キー30は持ち運び容易な名刺サイズのカード状を呈する。電子キー30は複数の使用者PのためにID情報がそれぞれ異なるものが複数用意される。
【0030】
ここで、電子キー30と認証ECU34の間の認証動作について詳説すると、認証ECU34にバッテリ24から動作電源が供給されている状態において、電子キー30がリーダ/ライタ34cに使用者Pによって近接されると(かざされると)、リーダ/ライタ34cは電子キー30に向けて電磁波を出力(発信)する。
【0031】
リーダ/ライタ34cから電磁波が出力されると、電子キー30は内蔵されたコイル(図示せず)の電磁誘導によって発電し、CPU30aを起動する。即ち、電子キー30は、内部に電池などの電源を備えず、リーダ/ライタ34cからの電磁波による電磁誘導によって動作電源が供給される。
【0032】
電子キー30は動作電源が供給されると、メモリ30bに記憶されたID情報をアンテナ30cを介してリーダ/ライタ34cに出力する。認証ECU34は、電子キー30からID情報を取得し、取得したID情報がメモリ34bに格納された認証用のID情報の内のいずれかと一致するか否か判定する(認証を実行する)。
【0033】
ID情報が一致するとき、認証ECU34はリーダ/ライタ34cにかざされた電子キー30が小型電動車10に対して正規のキーであると判定し、始動許可信号を制御ECU32に送信する。それにより、制御ECU32は電動モータ22の始動を許可の状態とする。即ち、この状態において電源スイッチ20gをオンするとバッテリ24から電動モータ22への通電がオンされると共に、走行レバー20cが握り込まれると実際に電動モータ22が駆動する。
【0034】
一方、ID情報が一致しないときは、認証ECU34は電子キー30が正規の電子キーではないと判断し、始動許可信号を制御ECU32に送信せず、そのため電源スイッチ20gをオンしたとしてもバッテリ24から電動モータ22への通電がなされず、走行レバー20cが握り込まれたとしても電動モータ22は駆動しない。
【0035】
このように、認証ECU34は電子キー30のID情報が認証用のID情報と一致した場合に電動モータ22の始動を許可する一方、一致しない場合は電動モータ22の始動を不許可とすることで小型電動車10の盗難防止を可能とするような盗難防止機能を備える。
【0036】
この発明に係る駆動源搭載機器の盗難防止装置1において特徴的なことは、制御ECU32のメモリ32bに記憶された運転履歴を認証動作が行われるに際して電子キー30を介して取り出し、電子キー30に保存された運転履歴を必要に応じて読み取り専用機42で読み取るように構成したことにある。以下、この発明に係る駆動源搭載機器の盗難防止装置1の動作について詳説する。
【0037】
図4は、その動作を示すフロー・チャートである。図示のプログラムは認証ECU34によって起動されるごとに一度だけ実行される。尚、認証ECU34は適宜なスイッチがオンされるとバッテリ24からの電力が供給されて起動する。
【0038】
以下説明すると、まずS10において表示灯34dを点灯させる。この点灯は認証ECU34が起動状態であることを使用者Pに認識させるためのものである。次いでS12に進み、制御ECU32のメモリ32bから運転履歴を読み込む。運転履歴はID情報ごとに記憶されているが、全ての運転履歴を読み込む。読み込まれた運転履歴はメモリ34bに保存される。
【0039】
次いでS14に進み、読み込まれた運転履歴に新たな故障情報が含まれているか否か判断する。S14で肯定される場合はS16に進み、表示灯34dを点滅させる。これは使用者Pに注意喚起するためである。
【0040】
S14で否定される場合はS16をスキップしてS18に進み、電子キー30の読み込みを待機するモードに移行させる。次いでS20に進み、電子キー30がリーダ/ライタ34c付近で操作されたか否か判断する。
【0041】
S20で肯定されるとS22に進み、認証が成立した否か判断する。即ち、前述したように、電子キー30が操作されることによって電子キー30のID情報を取得し、取得した電子キー30のID情報と認証用のいずれかのID情報が一致するか否か判断する。
【0042】
S22で肯定されると、S24に進んで制御ECU32に始動許可信号を送信する。次いでS26に進み、認証ECU34のメモリ34bの運連履歴を電子キー30に書き込む(送信する)。具体的には、ID情報ごとに記憶された運転履歴の内、認証成立となったID情報に対応する運転履歴のみを電子キー30のメモリ30bに書き込む。例えば電子キーA(ID情報A)によって認証が成立したならば、ID情報Aに対応する運転履歴のみを電子キー30のメモリ30bに書き込む。以降はプログラムを終了し、認証ECU34自体もオフする。
【0043】
尚、S20やS22で否定されるときには、S28に進んで認証ECU34が起動されてから所定時間(例えば30sec)経過したか否か判断し、否定される場合にはS18に戻ると共に、肯定される場合にはプログラムを終了し、認証ECU34自体もオフする。
【0044】
電子キー30のメモリ30bに保存された運転履歴は必要に応じて読み取り専用機42で読み取られる。具体的には、読み取り専用機42は電子キー30のメモリ情報を読み込むリーダ42aを備え、運転履歴を確認したいとき(特に運転履歴に新たな故障情報が含まれたとき)、電子キー30をそのリーダ42a付近で操作することで運転履歴が読み取られ、読み取り専用機42のモニタなどに表示される。
【0045】
上記した如く、この実施例にあっては、駆動源(電動モータ22)と、前記駆動源が搭載される機器(小型電動車10)と、前記機器の動作を制御すると共に、前記機器の運転履歴を記憶する機器制御手段(制御ECU32)と、ID情報(A,B,C)が格納される電子キー(30)が操作されるとき、前記電子キーから前記ID情報を取得して認証用のID情報(A,B,C)と一致するか否か判定し、前記取得したID情報が前記認証用のID情報と一致すると判定するとき、前記機器制御手段に前記駆動源の始動を許可することで前記機器の盗難を防止する認証手段(認証ECU34)とを備える駆動源搭載機器の盗難防止装置(1)において、前記認証手段は、前記機器制御手段によって記憶された運転履歴を取得すると共に、前記電子キーが操作されるとき、前記取得した運転履歴を前記電子キーに送信する(S20、S26)如く構成した。
【0046】
即ち、機器の盗難防止装置において認証動作が行われる際に機器の運転履歴を電子キーを介して取り出す如く構成したので、読み取り専用機を機器の付近まで持ってきて機器に接続する手間を要することなく、容易に機器の運転履歴を取得することができる。
【0047】
また、機器制御手段自体が故障してしまい、読み取り専用機で機器の運転履歴を取り出すことができなくなった場合でも、電子キーから少なくとも故障前に送信された運転履歴を取り出すことができる。
【0048】
また、前記認証手段は前記認証用のID情報を複数有し、前記電子キーから取得したID情報が前記複数のID情報の内のいずれかと一致するとき、前記機器制御手段に前記駆動源の始動を許可すると共に、前記機器制御手段は前記運転履歴をID情報ごとに記憶する如く構成した。
【0049】
それにより、機器を複数の使用者によって共同利用させることができると共に、使用者ごとの運転履歴を把握することができる。
【0050】
尚、上記において駆動源搭載機器として電動モータを搭載した小型電動車を例にとって説明したが、エンジンを搭載した船外機であっても良い。また、搭載される駆動源によって機器が移動しないもの、例えばエンジン発電機であっても良い。
【0051】
また、上記において認証成立となったID情報に対応する運転履歴のみを電子キーのメモリに書き込むようにしたが、全てのID情報の運転履歴を書き込むようにしても良い。
【0052】
また、電子キーは接触型であっても良い。要するに有線ではなく、無線で通信を行えるものであって認証動作の際に電子キーを介して容易に運転履歴を取り出すことができる通信手法を備えるものであれば良い。また、電子キーを携帯電話に内蔵させても良い。
【0053】
また、駆動源搭載機器の停止後、認証ECUを一時的に起動させ、電子キーを操作して停止後における運転履歴を取り出すようにしても良い。
【符号の説明】
【0054】
1:盗難防止装置、10:小型電動車、12:車輪、14:車体フレーム、16:シート、20:操作部、22:電動モータ、24:バッテリ、30:電子キー、32:制御ECU、34:認証ECU、36:通信線、40:電力線、42:読み取り専用機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と、前記駆動源が搭載される機器と、前記機器の動作を制御すると共に、前記機器の運転履歴を記憶する機器制御手段と、ID情報が格納される電子キーが操作されるとき、前記電子キーから前記ID情報を取得して認証用のID情報と一致するか否か判定し、前記取得したID情報が前記認証用のID情報と一致すると判定するとき、前記機器制御手段に前記駆動源の始動を許可することで前記機器の盗難を防止する認証手段とを備える駆動源搭載機器の盗難防止装置において、前記認証手段は、前記機器制御手段によって記憶された運転履歴を取得すると共に、前記電子キーが操作されるとき、前記取得した運転履歴を前記電子キーに送信することを特徴とする駆動源搭載機器の盗難防止装置。
【請求項2】
前記認証手段は前記認証用のID情報を複数有し、前記電子キーから取得したID情報が前記複数のID情報の内のいずれかと一致するとき、前記機器制御手段に前記駆動源の始動を許可すると共に、前記機器制御手段は前記運転履歴をID情報ごとに記憶することを特徴とする請求項1記載の駆動源搭載機器の盗難防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−121449(P2011−121449A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−279930(P2009−279930)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】