説明

駆動用集積回路および電子機器

【課題】端子数が少なく、かつ、画像信号および制御信号を高速に受信して電気光学装置を駆動することができ、さらに耐ノイズ性に優れた駆動用集積回路を提供する。
【解決手段】 レシーバー61、62および63は、差動形式の画像信号GD、画素クロックPCLKおよび時間多重制御信号CDを各々受信する。画像信号受信部31は、レシーバー62により受信された画素クロックPCLKによりレシーバー61により受信された画像信号をサンプリングし、電気光学装置を駆動する画像信号VIDを発生する。受信バッファー32は、レシーバー62により受信された画素クロックPCLKによりレシーバー61により受信された時間多重制御信号をサンプリングして記憶する。駆動制御部33は、同期信号検知部301、コマンド検知部302により、受信バッファー32内の時間多重制御信号に含まれる同期信号、コマンドを検知し、電気光学装置の駆動制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネル等の電気光学装置に好適な駆動用集積回路、これを用いた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、液晶パネル等の電気光学装置は、複数の信号線と複数の走査線との各交差に対応して画素回路が設けられている。このような電気光学装置では、1本の走査線に対応付けられた全ての画素回路に対する画像信号の書き込みを一水平走査期間内に完了させる必要がある。このため、電気光学装置を利用した電子機器として、高速な差動インターフェイスを介して画像信号を受信して電気光学装置を駆動する駆動用集積回路を備えたものが各種提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−238892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の駆動用集積回路は、画像信号を差動インターフェイスを介して受信する一方、同期信号等の制御信号をシングルエンド形式のシリアルインターフェイスを介して受信し、電気光学装置の駆動を行っていた。このため、従来の駆動用集積回路は、端子数が多く、またノイズによる誤動作が発生し易いという問題があった。また、従来の駆動用集積回路は、端子数が多く、ノイズによる誤動作が発生し易いため、駆動用集積回路を搭載するための基板の設計および製造が難しいという問題があった。
【0005】
この発明は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、端子数が少なく、かつ、電気光学装置を駆動するのに必要な画像信号および制御信号を高速に受信して電気光学装置を駆動することができ、さらに耐ノイズ性に優れた駆動用集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係る駆動用集積回路は、差動形式の画素クロックを受信する第1のレシーバーと、前記画素クロックに同期した差動形式の画像信号を受信する第2のレシーバーと、前記画素クロックに同期した差動形式の信号であって、複数種類の制御信号を時間多重化した時間多重制御信号を受信する第3のレシーバーと、前記第1のレシーバーにより受信された画素クロックに同期して、前記第2のレシーバーを介して画像信号を受信し、電気光学装置を駆動する画像信号を発生するとともに、前記第1のレシーバーにより受信された画素クロックに同期して、前記第3のレシーバーを介して時間多重制御信号を受信し、前記時間多重制御信号から前記複数種類の制御信号を各々抽出し、前記電気光学装置の駆動制御を行う制御回路とを具備する。
【0007】
かかる発明によれば、駆動用集積回路に対して供給する制御信号を差動形式の信号とすることができるので、ノイズ耐性の向上、駆動用集積回路での取り込みミスの低減、転送速度の向上を図ることができる。また、複数種類の制御信号を時間多重した信号を駆動用集積回路に供給すればよいので、駆動用集積回路に対して信号を伝送するための信号線数の低減、駆動用集積回路の端子数の低減が可能になる。
【0008】
好ましい態様において、前記制御回路は、前記制御信号として前記電気光学装置の垂直同期のタイミングを指示する制御信号を前記時間多重制御信号から抽出して、前記電気光学装置に対する垂直同期信号を発生する手段を具備する。
【0009】
また、他の好ましい態様において、前記制御回路は、前記制御信号として前記電気光学装置の水平同期のタイミングを指示する制御信号を前記時間多重制御信号から抽出して、前記電気光学装置に対する水平同期信号を発生する手段を具備する。
【0010】
これらの態様によれば、上位装置から垂直同期または水平同期のタイミングを指示する制御信号を時間多重制御信号の一部として駆動用集積回路に供給することにより、電気光学装置の水平同期または垂直同期を行わせることができる。また、これらの態様において、水平同期または垂直同期のタイミングを指示する制御信号は差動形式の信号として駆動用集積回路に伝送されるので、伝送過程において制御信号にノイズが重畳したとしても、駆動用集積回路では、ノイズをキャンセルした状態でその制御信号を受信することができる。従って、ノイズの影響により誤ったタイミングで水平同期または垂直同期が行われるのを防止することができる。
【0011】
他の好ましい態様において、前記制御回路は、垂直走査期間内または水平走査期間内における前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、抽出したコマンドが示す駆動態様で前記電気光学装置の駆動制御を行う手段を具備する。
【0012】
具体例を挙げると、前記電気光学装置は、前記画像信号に基づく階調電圧が印加される画素電極および共通電極と、前記画素電極および共通電極間に挟まれた電気光学素子とを各々有する複数の画素回路を有し、前記制御回路は、前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、前記画素電極および共通電極間に与える階調電圧の極性を指示するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、抽出したコマンドが示す極性の階調電圧を前記画素電極および共通電極間に印加させるための前記電気光学装置の制御を行う。
【0013】
他の具体例では、前記電気光学装置は、前記画像信号に基づく階調電圧が印加される画素電極および共通電極と、前記画素電極および共通電極間に挟まれた電気光学素子とを各々有する複数の画素回路を有し、前記制御回路は、前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、階調反転を指示するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、前記画像信号が示す階調を反転させた階調を示す階調電圧を前記画素電極および共通電極間に印加させるための前記電気光学装置の制御を行う。
【0014】
他の具体例では、前記制御回路は、前記電気光学装置の駆動態様を指定する制御信号として、上下反転表示を指示するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、前記画像信号が示す画像を上下反転させた画像を前記電気光学装置に表示させるための制御を行う。
【0015】
他の具体例では、前記制御回路は、前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、左右反転表示を指示するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、前記画像信号が示す画像を左右反転させた画像を前記電気光学装置に表示させるための制御を行う。
【0016】
これらの態様によれば、各種の制御信号を時間多重した時間多重制御信号を一対の信号線を介して駆動用集積回路に供給することにより、駆動用集積回路に電気光学装置の多彩な駆動制御を行わせることができる。
【0017】
他の好ましい態様において、前記制御回路は、前記電気光学装置の駆動条件の周期的な更新制御を行う手段と、前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、周期的な更新制御の対象である駆動条件の内容を指定する同期化コマンドを抽出し、前記周期的な更新制御の対象である駆動条件の内容を、抽出した同期化コマンドが示す内容に設定する同期化手段とを具備する。
【0018】
この態様によれば、同期化コマンドを駆動用集積回路に供給することにより、駆動用集積回路によって行われる周期的な更新制御の対象である駆動条件の内容を、所望の内容に設定することができる。
【0019】
この態様の具体例として、次の態様がある。
すなわち、前記電気光学装置は、互いに交差する複数の走査線および複数の信号線を有するとともに、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各交差に対応して各々配置された複数の画素回路を有する画素部と、一垂直走査期間内に前記複数の走査線を順次選択し、選択した走査線と前記複数の信号線との各交差に対応付けられた複数の画素回路を前記複数の信号線に接続する走査線駆動回路とを具備し、前記駆動用集積回路は、前記複数の信号線を複数の配線ブロックに分け、配線ブロック毎に、一水平走査期間内に当該配線ブロックに属する各信号線を順次選択し、選択した信号線に階調電圧を印加する信号線駆動回路を具備し、前記駆動用集積回路の制御回路は、前記複数の配線ブロックにおける配線ブロック内の複数の信号線への階調電圧の印加順序の周期的な更新制御を実行する手段と、前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、前記複数の信号線への階調電圧の印加順序を指定する同期化コマンドを抽出し、前記周期的な更新制御の対象である複数の信号線への階調電圧の印加順序を、抽出した同期化コマンドが示す印加順序に設定する同期化手段とを具備する。
【0020】
この態様によれば、同期化コマンドを駆動用集積回路に供給することにより、駆動用集積回路において行われる周期的な更新制御の対象である複数の信号線への階調電圧の印加順序を、同期化コマンドが示す印加順序に設定することができる。
【0021】
他の好ましい態様において、前記コマンドは、駆動条件の種類を示すアドレスと、その駆動条件における駆動内容を示すデータとからなり、前記制御回路は、所定のアドレスを有するコマンドのみを前記時間多重制御信号から抽出する。
【0022】
この態様において、制御回路は、所定のアドレスを有するコマンドのみを時間多重制御信号から抽出するので、ノイズ耐性をさらに高めることができる。
【0023】
他の好ましい態様において、前記制御回路は、電気光学装置の駆動態様を指定する付加信号と水平同期信号とを連続させた制御信号を抽出して、前記電気光学装置に水平同期信号を供給するとともに、当該水平同期信号により開始される水平走査期間の次の水平走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での前記電気光学装置の駆動制御を行う。また、他の好ましい態様において、前記制御回路は、電気光学装置の駆動態様を指定する付加信号と水平同期信号とを連続させた制御信号を抽出して、前記電気光学装置に水平同期信号を供給するとともに、当該水平同期信号により開始される水平走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での前記電気光学装置の駆動制御を行う。
【0024】
これらの態様において、付加信号は、例えば電気光学装置に設けられた複数の走査線のうち駆動対象とする走査線を指定する信号である。これらの態様によれば、付加信号の送信により、水平走査期間に同期して行われる駆動制御の内容を切り換えることができる。
【0025】
他の好ましい態様において、前記制御回路は、電気光学装置の駆動態様を指定する付加信号と垂直同期信号とを連続させた制御信号を抽出して、前記電気光学装置に垂直同期信号を供給するとともに、当該垂直同期信号により開始される垂直走査期間の次の垂直走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での前記電気光学装置の駆動制御を行う。また、他の好ましい態様において、前記制御回路は、電気光学装置の駆動態様を指定する付加信号と垂直同期信号とを連続させた制御信号を抽出して、前記電気光学装置に垂直同期信号を供給するとともに、当該垂直同期信号により開始される垂直走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での前記電気光学装置の駆動制御を行う。これらの態様によれば、付加信号の送信により、垂直走査期間に同期して行われる駆動制御の内容を切り換えることができる。
【0026】
他の好ましい態様において、前記制御回路は、各種のコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、抽出したコマンドに従って前記電気光学装置を駆動する手段を具備し、前記電気光学装置の垂直同期のタイミングを指示するコマンドが抽出されるのに応じて、前記電気光学装置に対して垂直同期信号を出力する。
【0027】
また、他の好ましい態様において、前記制御回路は、各種のコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、抽出したコマンドに従って前記電気光学装置を駆動する手段を具備し、前記電気光学装置の垂直同期のタイミングを指示するコマンドが抽出されるのに応じて、前記電気光学装置に対して垂直同期信号を出力する。
【0028】
これらの態様では、水平同期信号または垂直同期信号の発生を指令する制御信号をも含む広い範囲の制御信号をコマンドとして駆動用集積回路に供給することができる。
【0029】
他の好ましい態様において、前記制御回路は、前記第2のレシーバーによる一水平走査期間分の画像信号の受信が一水平走査期間の途中で終了した場合に、次の水平走査期間が開始されるまで前記第2のレシーバーに対する電力供給を停止する手段を具備する。
【0030】
この態様によれば、画像信号の供給が行われない期間内の第2のレシーバーへの電力供給を断ち、駆動用集積回路の消費電力を低減することができる。
【0031】
次に、本発明に係る電子機器は、電気光学装置と、前記電気光学装置の駆動制御を行う上記各種の駆動用集積回路と、前記駆動用集積回路に対して前記画素クロック、画像信号および時分割多重制御信号を供給するホストCPUとを具備する。
【0032】
かかる発明によれば、駆動用集積回路におけるノイズ耐性の向上、取り込みミスの低減、ホストCPUから駆動用集積回路への制御信号の転送速度の向上を図ることができる。また、複数種類の制御信号を時間多重した信号を駆動用集積回路に供給すればよいので、ホストCPUから駆動用集積回路に対して信号を伝送するための信号線数の低減、駆動用集積回路の端子数の低減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の第1実施形態である駆動用集積回路が適用される投射型表示装置の構成を示す模式図である。
【図2】同実施形態において電気光学装置と駆動用集積回路とがフレキシブル回路基板を介して接続された状態を示す斜視図である。
【図3】同実施形態における電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【図4】同電気光学装置の画素回路の構成を示す回路図である。
【図5】同実施形態による駆動用集積回路の構成を示すブロック図である。
【図6】同駆動用集積回路の制御回路およびレシーバー部の構成を示すブロック図である。
【図7】同制御回路のパターンジェネレーターに記憶された選択パターンデータの内容を例示する図である。
【図8】同電気光学装置の動作を示すタイムチャートである。
【図9】同実施形態において行われる配線ブロック内の複数の信号線への階調電圧の印加順序の更新制御の様子を例示する図である。
【図10】同実施形態においてホストCPUから駆動用集積回路へ送られる各種の信号の波形を示すタイムチャートである。
【図11】同実施形態においてホストCPUから駆動用集積回路へ水平同期信号およびコマンドが送られる様子を示すタイムチャートである。
【図12】この発明の第2実施形態においてホストCPUから駆動用集積回路へ水平同期信号とともに付加信号が送られる様子を示すタイムチャートである。
【図13】この発明の第3実施形態においてホストCPUから駆動用集積回路へ水平同期信号とともに付加信号が送られる様子を示すタイムチャートである。
【図14】この発明の適用例である他の電子機器の形態(パーソナルコンピューター)を示す斜視図である。
【図15】この発明の適用例である他の電子機器の形態(携帯電話機)を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
<第1実施形態>
図1は、この発明の第1実施形態である駆動用集積回路の適用例である投射型表示装置(3板式のプロジェクター)4000の構成を示す模式図である。この投射型表示装置4000は、相異なる表示色R、G、Bに各々対応する3個の電気光学装置100(100R,100G,100B)を含んでいる。照明光学系4001は、照明装置(光源)4002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置100Rに供給し、緑色成分gを電気光学装置100Gに供給し、青色成分bを電気光学装置100Bに供給する。各電気光学装置100は、照明光学系4001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調する光変調器(ライトバルブ)として機能する。投射光学系4003は、各電気光学装置100からの出射光を合成して投射面4004に投射する。
【0035】
図2は投射型表示装置4000における1個の電気光学装置100に対する信号伝送系の構成を示す図である。図2に示すように、投射型表示装置4000は、この発明の第1実施形態である駆動用集積回路200の搭載されたフレキシブル回路基板300を有している。電気光学装置100は、このフレキシブル回路基板300および駆動用集積回路200を介して、図示しないホストCPUに接続されている。ここで、駆動用集積回路200は、ホストCPUからフレキシブル回路基板300を介して画像信号および駆動制御のための各種の制御信号を受信し、フレキシブル回路基板300を介して電気光学装置100を駆動する装置である。
【0036】
図3は、電気光学装置100の構成を示すブロック図である。図3に示すように、電気光学装置100は、画素部10と、走査線駆動回路22と、J個のデマルチプレクサー57[11]〜57[J]とを有する。
【0037】
画素部10には、相互に交差するM本の走査線12とN本の信号線14とが形成されている(M,Nは自然数)。複数の画素回路PIXは、各走査線12と各信号線14との交差に対応して設けられており、縦M行×横N列の行列状に配列されている。
【0038】
図4は、各画素回路PIXの構成を示す回路図である。図4に示すように、各画素回路PIXは、液晶素子42と選択スイッチ44とを含んでいる。液晶素子42は、相対向する画素電極421および共通電極423と両電極間の液晶425とで構成された電気光学素子である。画素電極421と共通電極423との間の印加電圧に応じて液晶425の透過率が変化する。なお、以下の説明では便宜的に、画素電極421が共通電極423と比較して高電位である場合の液晶素子42の印加電圧を正極性と表記し、画素電極421が低電位である場合の印加電圧を負極性と表記する。
【0039】
選択スイッチ44は、走査線12にゲートが接続されたNチャネル型の薄膜トランジスターで構成され、液晶素子42(画素電極421)と信号線14との間に介在して両者の電気的な接続(導通/非導通)を制御する。従って、画素回路PIX(液晶素子42)は、選択スイッチ44がON状態であるときの信号線14の電圧(後述の階調電圧VG)に応じた階調を表示する。
以上が図3における各画素回路PIXの構成である。
【0040】
図3において、走査線駆動回路22とM本の走査線12との間には、走査線駆動回路22が出力する走査信号G[1]〜G[M]をM本の走査線12の各々に出力するか否かを切り換えるためのM個のANDゲート23[1]〜23[M]が設けられている。ここで、M個のANDゲート23[1]〜23[M]のうち奇数番目の各ANDゲート23[m](mは奇数)にはイネーブル信号EN1が与えられ、偶数番目の各ANDゲート23[m](mは偶数)にはイネーブル信号EN2が与えられる。
【0041】
走査線駆動回路22は、内部水平同期信号HSが出力されるのに応じて、各走査線12に対する走査信号G[1]〜G[M]を一水平走査期間Hずつ順次アクティブレベルとする。この内部水平同期信号HSはイネーブル信号EN1およびEN2とともにフレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200から供給される。
【0042】
イネーブル信号EN1およびEN2がいずれもアクティブレベルである場合、走査線駆動回路22が出力する走査信号G[1]〜G[M]はANDゲート23[1]〜23[M]を各々介してM本の走査線12に出力される。従って、M本の走査線12が順次選択される。
【0043】
これに対し、イネーブル信号EN1がアクティブレベル、イネーブル信号EN2が非アクティブレベルである場合、奇数番目の走査線12に対してのみ走査信号G[m](m)(mは奇数)が出力される。また、イネーブル信号EN1が非アクティブレベル、イネーブル信号EN2がアクティブレベルである場合、偶数番目の走査線12に対してのみ走査信号G[m](m)(mは偶数)が出力される。これらの場合は、走査線12が1本おきに順次選択される。
【0044】
ここで、第m行に対応した走査信号G[m]がアクティブレベルであり、当該行に対応した走査線が選択されている期間は、第m行のN個の画素回路PIXの各選択スイッチ44がON状態となり、これらの選択スイッチ44を各々介してN本の信号線14が第m行のN個の画素回路PIXの各画素電極421に各々接続される。
【0045】
画素部10内のN本の信号線14は、相隣接するK本(Kは2以上の自然数)を単位としてJ個の配線ブロックB[1]〜B[J]に区分されている(J=N/K)。デマルチプレクサー57[11]〜57[J]は、このJ個の配線ブロックB[1]〜B[J]に各々対応している。
【0046】
デマルチプレクサー57[j](j=1〜J)の各々は、K個のスイッチ58[1]〜58[K]により構成されている。デマルチプレクサー57[j](j=1〜J)の各々において、K個のスイッチ54[1]〜54[K]の各々の一方の接点は共通接続されている。そして、デマルチプレクサー57[j](j=1〜J)の各々のK個のスイッチ54[1]〜54[K]の一方の接点の共通接続点は、J本の信号線15に各々接続されている。このJ本の信号線15は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200に接続されている。また、デマルチプレクサー57[j](j=1〜J)の各々において、K個のスイッチ54[1]〜54[K]の各々の他方の接点は、当該デマルチプレクサー57[j]に対応した配線ブロックB[j]を構成するK本の信号線14に各々接続されている。
【0047】
各デマルチプレクサー57[j](j=1〜J)のK個のスイッチ58[1]〜58[K]のON/OFFは、K個の選択信号SELb[1]〜SELb[K]により各々切り換えられる。このK個の選択信号SELb[1]〜SELb[K]は、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200から供給される。ここで、例えば1個の選択信号SELb[k]がアクティブレベル、他のK−1個の選択信号SELb[k’](k’≠k)が非アクティブレベルである場合には、デマルチプレクサー57[j](j=1〜J)に各々属するJ個のスイッチ58[k]のみがONとなる。従って、デマルチプレクサー57[j](j=1〜J)の各々は、J本の信号線15上の信号線駆動信号C[1]〜C[J]を各配線ブロックB[1]〜B[J]のk番目の信号線14に各々出力する。
以上が電気光学装置100の構成である。
【0048】
図5は駆動用集積回路200の構成を示すブロック図である。なお、この図では、駆動用集積回路200の役割の理解を容易にするため、フレキシブル回路基板300を介して駆動用集積回路200と接続されたホストCPU400が図示されている。
【0049】
図5に示すように、駆動用集積回路200は、信号線駆動回路24と、制御回路30と、レシーバー部60とを有する。上述したように、電気光学装置100の画素部10内のN本の信号線14は、J個の配線ブロックB[1]〜B[J]に区分されている。駆動用集積回路200内の信号線駆動回路24には、このJ個の配線ブロックB[1]〜B[J]に各々対応付けて、J個の駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]と、J個のマルチプレクサー53[1]〜53[J]とが設けられている。また、信号線駆動回路24には、画像信号記憶部51が設けられている。この画像信号記憶部51は、1ラインを構成するN画素分のデジタル形式の画像信号VIDを各々記憶するN個のレジスター(図示略)を含む。このN個のレジスターは、J個の配線ブロックB[1]〜B[J]に対応付けて、各々K(=N/J)個のレジスターからなるレジスターブロック52[1]〜52[J]に区分されている。
【0050】
マルチプレクサー53[j](j=1〜J)の各々は、K個のスイッチ54[1]〜54[K]により構成されている。ここで、j番目の配線ブロックB[j]に対応した1個のマルチプレクサー53[j]に着目すると、K個のスイッチ54[1]〜54[K]の各々の一方の接点には、j番目のレジスターブロック52[j]に記憶されたK画素分の画像信号の各々がK本の信号線17を各々介して供給される。また、このK個のスイッチ54[1]〜54[K]の各々の他方の接点は、1本の信号線16に共通接続され、同信号線16を介してj番目の駆動電圧発生回路56[j]の入力端子に接続されている。
【0051】
各マルチプレクサー53[j](j=1〜J)のK個のスイッチ54[1]〜54[K]のON/OFFは、制御回路30が出力するK個の選択信号SELa[1]〜SELa[K]により各々切り換えられる。ここで、1個の選択信号SELa[k]がアクティブレベル、他のK−1個の選択信号SELa[k’](k’≠k)が非アクティブレベルである場合には、マルチプレクサー53[j](j=1〜J)に各々属するJ個のスイッチ54[k]のみがONとなる。従って、マルチプレクサー53[j](j=1〜J)の各々は、各々に対応するレジスターブロック52[j]に記憶された水平方向K画素分の画像信号のうちk番目の画素の画像信号を画像信号D[j]として選択し、信号線16を介して各々に対応した駆動電圧発生回路56[j]に供給する。
【0052】
駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]は、プリチャージ電圧を発生する機能と、信号線16を介して供給される画像信号D[1]〜D[J]に各々対応した階調電圧を発生する機能とを有する。駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]は、一水平走査期間Hをプリチャージ期間TPREと書込期間TWRTとに分け、プリチャージ期間TPREはプリチャージ電圧を、書込期間TWRTは画像信号D[1]〜D[J]に応じた階調電圧を信号線駆動信号C[1]〜C[J]としてJ本の信号線15に各々出力する。このJ本の信号線15は、フレキシブル回路基板300上に形成されており、上述した電気光学装置100内のデマルチプレクサー57[11]〜57[J]の入力端子に各々接続されている。
【0053】
レシーバー部60は、ホストCPU400から差動シリアルインターフェイスを介して画像信号および各種の制御信号を受信し、制御回路30に引き渡す回路である。制御回路30は、レシーバー部60の受信信号に基づいて、信号線駆動回路24および電気光学装置100内の各回路の制御を行う回路である。
【0054】
図6はレシーバー部60と制御回路30の構成を示すブロック図である。レシーバー部60は、各々差動増幅器により構成された3種類のレシーバー61、62および63を有している。本実施形態において、ホストCPU400(図5参照)は、各色に対応した電気光学装置100の駆動用集積回路200に対して、差動形式の画素クロックPCLKを供給するとともに、この画素クロックPCLKに同期して、差動形式の画像信号GDと差動形式の時間多重制御信号CDを供給する。駆動用集積回路200では、レシーバー61が差動形式の画素クロックPCLKを、レシーバー62が差動形式の画像信号GDを、レシーバー63が差動形式の時間多重制御信号GDを各々受信する。
【0055】
制御回路30は、画像信号受信部31と、受信バッファー32と、駆動制御部33と、パターンジェネレーター35とを有する。パターンジェネレーター35は、水平走査期間Hをプリチャージ期間TPREと書込期間TWRTとに分け、期間毎に異なった態様で、選択信号SELa[1]〜SELa[K]および選択信号SELb[1]〜SELb[K]の切り換え制御を行う回路である。
【0056】
各水平走査期間Hのプリチャージ期間TPREにおいて、パターンジェネレーター35は、選択信号SELa[1]〜SELa[K]を非アクティブレベル(Lレベル)、選択信号SELb[1]〜SELb[K]をアクティブレベル(Hレベル)とする。
【0057】
また、各水平走査期間Hの書込期間TWRTにおいて、パターンジェネレーター35は、配線ブロックB[1]〜B[J]の各々のK本の信号線14への階調電圧の印加を順次行わせるための選択信号SELa[1]〜SELa[K]および選択信号SELb[1]〜SELb[K]の切り換え制御を行う。
【0058】
この書込期間TWRT内における選択信号の切換制御を可能にするため、パターンジェネレーター35は、例えばK種類を選択パターンデータを記憶している。図7はこのK種類の選択パターンデータの内容を例示するものである。K種類の選択パターンデータには、0からK−1までのパターン番号PNが各々対応付けられている。
【0059】
個々の選択パターンデータは、書込期間TWRTにおいて配線ブロックB[1]〜B[K]の各々を構成するK本の信号線14への階調電圧の印加順序を指定するデータである。例えばパターン番号PN=「0」に対応した選択パターンデータは、書込期間TWRT内の最初の階調電圧印加期間U[1]に各配線ブロックの1番目の信号線14への階調電圧の印加を、2番目の階調電圧印加期間U[2]に2番目の信号線14への階調電圧の印加を、…、最後の階調電圧印加期間U[K]にK番目の信号線14への階調電圧の印加を行うことを指示している。また、パターン番号PN=「1」に対応した選択パターンデータは、書込期間TWRT内の最初の階調電圧印加期間U[1]に各配線ブロックのK番目の信号線14への階調電圧の印加を、2番目の階調電圧印加期間U[2]に1番目の信号線14への階調電圧の印加を、…、最後の階調電圧印加期間U[K]にK−1番目の信号線14への階調電圧の印加を行うことを指示している。
【0060】
パターンジェネレーター35は、各水平走査期間Hの書込期間TWRTにおいて、駆動制御部33から与えられるパターン番号PNに対応した選択パターンデータに従って、選択信号SELa[1]〜SELa[K]および選択信号SELb[1]〜SELb[K]を変化させる。
【0061】
駆動制御部33は、パターンジェネレーター35に対して与えるパターン番号PNを例えば内部水平同期信号HSおよび内部垂直同期信号VSの発生に同期して周期的に更新する。
【0062】
図6において、画像信号受信部31は、駆動制御部33による制御の下、レシーバー62が受信した画像信号GDをレシーバー61が受信した画素クロックPCLKの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの各々によりサンプリングし、画像信号VIDとして画像信号記憶部51(図5参照)へ出力する。受信バッファー32は、レシーバー63が受信した時間多重制御信号CDをレシーバー61が受信した画素クロックPCLKの立ち上がりエッジによりサンプリングし、サンプリングした時間多重制御信号CDのビット列を過去所定ビット数だけ記憶するバッファーである。
【0063】
駆動制御部33は、同期信号検知部301と、コマンド検知部302と、駆動条件レジスター部303とを有する。駆動条件レジスター部303は、電気光学装置100に関する各種の駆動条件を示すデータを記憶する複数の駆動条件レジスターの集合体である。駆動制御部33は、この駆動条件レジスター部303内の各駆動条件レジスターの記憶内容が示す駆動条件に従って電気光学装置100および信号線駆動回路24の駆動制御を行う。
【0064】
同期信号検知部301およびコマンド検知部302は、受信バッファー32に格納される時間多重制御信号のビット列を監視し、監視結果に基づいて動作する回路である。ここで、ホストCPU400が駆動用集積回路200に供給する時間多重制御信号は、電気光学装置100の駆動制御のための垂直同期信号VSYNC、水平同期信号HSYNCといった同期信号を示すビット列と、その他の駆動制御のためのコマンドを示すビット列とを時間多重した信号である。垂直同期信号VSYNCを示すビット列、水平同期信号HSYNCを示すビット列、各種のコマンドを示すビット列は、互いに非同一の関係にある。
【0065】
同期信号検知部301は、受信バッファー32に垂直同期信号VSYNCを示すビット列が格納されたのを検知したときに内部垂直同期信号VSを出力する。また、同期信号検知部301は、受信バッファー32に水平同期信号HSYNCを示すビット列が格納されたのを検知したときに内部水平同期信号HSを出力する。
【0066】
駆動制御部33は、同期信号検知部301が内部水平同期信号HSを出力する都度、画像信号受信部31に画素クロックPCLKの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジに同期した画像信号GDの取り込みを開始させ、1ライン分(N画素分)の各画素の画像信号VIDの画像信号記憶部51への転送を行わせる。画像信号記憶部51では、このN画素分の画像信号VIDが各々K画素分の画像信号からなるJ個のブロックに区分され、上述したレジスターブロック52[1]〜52[J]に各々格納される。
【0067】
コマンド検知部302は、受信バッファー32に何らかのコマンドを示すビット列が格納されたか否かの監視を行う。ここで、1つのコマンドは、駆動条件の種類を示す情報、具体的には駆動条件レジスター部303におけるいずれかの駆動条件レジスターを指定するアドレスと、駆動条件の内容を示す情報、具体的にはそのアドレスにより指定された駆動条件レジスターに格納すべきデータとにより構成されている。コマンド検知部302は、駆動条件レジスター部303のいずれかの駆動条件レジスターのアドレスを示すビット列とそれに続くデータのビット列が受信バッファー32に格納されたのを検知したとき、その検知したデータを受信バッファー32から読み出し、検知したアドレスにより指定された駆動条件レジスター部303内の駆動条件レジスターに書き込む。
【0068】
時間多重制御信号の一部としてホストCPU400から供給されるコマンドの中には、コマンド検知部302により検知されて駆動条件レジスター部303に格納された後、直ちに実行される即時実行コマンドの他に、駆動条件レジスター部303への格納後に発生する最初の内部水平同期信号HSに同期して実行される水平同期実行コマンドと、駆動条件レジスター部303への格納後に発生する最初の内部垂直同期信号VSに同期して実行される垂直同期実行コマンドとが含まれる。
【0069】
水平同期実行コマンドの例として、上述したイネーブル信号EN1およびEN2の発生を指令するコマンドがある。このコマンドは、発生させるイネーブル信号の種別を示すデータを含む。駆動制御部33は、このコマンドが検知され、このコマンドのデータが駆動条件レジスター部303に格納された場合、その直後の内部水平同期信号HSから始まる各水平走査周期において、駆動条件レジスター部303に格納された当該コマンドのデータに従い、イネーブル信号EN1およびEN2の一方または両方を発生する。
【0070】
垂直同期実行コマンドの例として、階調反転表示、上下反転表示、左右反転表示といった電気光学装置100の表示態様を指示するコマンドがある。このコマンドは、表示態様を指定するデータを含む。駆動制御部33は、このコマンドがコマンド検知部302により検知され、このコマンドのデータが駆動条件レジスター部303に格納された場合、その直後の内部垂直同期信号VSから始まる各垂直走査周期において、駆動条件レジスター部303に格納された当該コマンドのデータに従い、電気光学装置100の表示制御を行う。
【0071】
例えば階調反転表示を指示するデータが駆動条件レジスター部303に設定された場合、駆動制御部33は、その直後の内部垂直同期信号VSから始まる各垂直走査周期において、駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]に対して供給する階調反転指示信号INV1をアクティブレベルとする。これにより駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]は、書込期間TWRTにおいて、画像信号により指定される階調を反転させた階調に対応した階調電圧を出力する。これにより階調反転表示が実現される。
【0072】
また、上下反転表示を指示するデータが駆動条件レジスター部303に設定された場合、駆動制御部33は、その直後の内部垂直同期信号VSから始まる各垂直走査周期において、電気光学装置100の走査線駆動回路22に対して与える上下反転指示信号INV2をアクティブレベルとする。これにより走査線駆動回路22は、M本の走査線12を通常とは逆の順序で選択する。これにより上下反転表示が実現される。
【0073】
また、左右反転表示を指示するデータが駆動条件レジスター部303に設定された場合、駆動制御部33は、その直後の内部垂直同期信号VSから始まる各垂直走査周期において、画像信号記憶部51に与える左右反転指示信号INV3をアクティブレベルとする。これにより画像信号記憶部51は、水平走査期間の最初の画素の画像信号VIDを走査線上の画素列における最後の画素に対応付けられたレジスターに書き込み、水平走査期間の2番目の画素の画像信号VIDを走査線上の画素列における最後から2番目の画素に対応付けられたレジスターに書き込み、…という具合に、各画素の画像信号VIDを、水平方向における並びを逆にして、画像信号記憶部51内の該当する各レジスターに書き込む。これにより左右反転表示が実現される。
【0074】
また、垂直同期実行コマンドの他の例として、階調電圧の極性を指示する極性指示コマンドがある。この極性指示コマンドは、階調電圧の極性を指示するデータを含む。駆動制御部33は、この極性指示コマンドが検知され、そのデータが駆動条件レジスター部303に格納された場合、その直後の内部垂直同期信号VSから始まる垂直走査周期において、駆動制御部33は、駆動条件レジスター部303に格納された当該極性指示コマンドのデータに対応した極性信号POLを電気光学装置100に供給する。
【0075】
また、垂直同期実行コマンドの他の例として、駆動条件の周期的な更新制御の同期化、具体的には階調電圧の印加順序の周期的な更新制御の同期化を指示する同期化コマンドがある。この同期化コマンドは、パターン番号PNの初期値をデータとして含む。駆動制御部33は、この同期化コマンドが検知されて駆動条件レジスター部303にそのデータが格納された場合、その直後の内部垂直同期信号VSから始まる垂直走査周期において、パターンジェネレーター35に供給するパターン番号PNを駆動条件レジスター部303に格納された当該同期化コマンドのデータに初期化する。以後、駆動制御部33は、この初期値から、内部水平同期信号HSまたは内部垂直同期信号VSに同期して周期的にパターン番号PNを更新する。
以上が制御回路30の構成である。
【0076】
図8は電気光学装置100の動作例を示すタイムチャートである。図8には、ある垂直走査期間V1内における各部の波形と、その次の垂直走査期間V2内の各部の波形が例示されている。図8に示す例において、駆動用集積回路200から供給される極性信号POLは、垂直走査期間V1では負極性(−)を指示しており、垂直走査期間V2では正極性(+)を指示している。ここで、極性信号POLが負極性(−)を指示する垂直走査期間V1では、正の電圧が上述した共通電極423に印加され、極性信号POLが正極性(+)を指示する垂直走査期間V2では、負の電圧が上述した共通電極423に印加される。
【0077】
上下反転指示信号INV2が非アクティブレベルの場合、走査線駆動回路22は、各垂直走査期間において、制御回路30の駆動制御部33が内部水平同期信号HSを発生するのに同期して、M本の走査線12を通常の順序で順次選択し、選択した走査線12に対応した走査信号G[j]を一水平走査期間Hに亙ってアクティブレベルであるHレベルとする。一方、上下反転指示信号INV2がアクティブレベルの場合、走査線駆動回路22は、各垂直走査期間において、M本の走査線12を通常の順序とは逆の順序で順次選択する。
【0078】
各水平走査期間Hのプリチャージ期間TPREにおいて、制御回路30のパターンジェネレーター35は、選択信号SELa[1]〜SELa[K]を全てLレベルとして、マルチプレクサー53[1]〜53[J]の全てのスイッチ54[1]〜54[K]をOFFにするとともに、選択信号SELb[1]〜SELb[K]を全てHレベルとして、デマルチプレクサー57[1]〜57[J]の全てのスイッチ58[1]〜58[K]をONにする。また、各水平走査期間Hのプリチャージ期間TPREにおいて、駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]は、極性信号POLが示す極性のプリチャージ電圧を出力する。1個の駆動電圧発生回路56[j]が出力したプリチャージ電圧はデマルチプレクサー57[j]のK個のスイッチ58[1]〜58[J]を各々介して配線ブロックB[j]のK本の信号線14に印加される。従って、プリチャージ期間TPREにおいて、画素部10の全ての信号線14にプリチャージ電圧が印加される。
【0079】
各水平走査期間Hの書込期間TWRTにおいて、パターンジェネレーター35は、その時点におけるパターン番号PNに対応した選択パターンデータに従って選択信号SELa[1]〜SELa[K]および選択信号SELb[1]〜SELb[K]を変化させる。
【0080】
図8の下段左側には、垂直走査期間V1のある水平走査期間H(例えば垂直走査期間V1内のm番目の水平走査期間Hとする。)内に発生する選択信号SELa[1]〜SELa[K]および選択信号SELb[1]〜SELb[K]の波形が例示されている。この例では、階調電圧印加期間U[1]において、選択信号SELa[1]およびSELb[1]の組のみがHレベルとされ、マルチプレクサー53[1]〜53[J]におけるスイッチ54[1]と、デマルチプレクサー57[1]〜57[J]におけるスイッチ58[1]がONになる。この結果、レジスターブロック52[1]〜52[J]の各々における1番目の画素の画像信号VIDがマルチプレクサー53[1]〜53[J]のスイッチ54[1]を各々通過し、画像信号D[1]〜D[J]として駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]に各々供給される。この時点において、極性信号POLは負極性(−)を指示している。従って、駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]は、例えば階調反転指示信号INV1が非アクティブレベルの場合、基準電位VREFに対して負極性の範囲で、各々に供給される画像信号D[1]〜D[J]の指定階調に応じた階調電圧VGを各々出力する。駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]が各々出力する階調電圧VGは、デマルチプレクサー57[1]〜57[J]におけるスイッチ58[1]を各々通過し、信号線駆動信号C[1]〜C[J]として配線ブロックB[1]〜B[J]の各々の1番目の信号線14に印加される。
【0081】
階調電圧印加期間U[2]では、選択信号SELa[2]およびSELb[2]の組のみがHレベルとされ、マルチプレクサー53[1]〜53[J]におけるスイッチ54[2]と、デマルチプレクサー57[1]〜57[J]におけるスイッチ58[2]がONになる。この結果、レジスターブロック52[1]〜52[J]の各々における2番目の画素の画像信号VIDに応じた各階調電圧VGが発生され、デマルチプレクサー57[1]〜57[J]におけるスイッチ58[2]を各々通過し、信号線駆動信号C[1]〜C[J]として配線ブロックB[1]〜B[J]の各々の2番目の信号線14に印加される。
【0082】
以下、同様であり、階調電圧印加期間U[3]では各レジスターブロックにおける3番目の画素の画像信号に応じた各階調電圧VGが各配線ブロックの3番目の信号線14に印加され、階調電圧印加期間U[4]では各レジスターブロックにおける4番目の画素の画像信号に応じた各階調電圧VGが各配線ブロックの4番目の信号線14に印加され、…、最後の階調電圧印加期間U[K]では各レジスターブロックにおけるK番目の画素の画像信号に応じた各階調電圧VGが各配線ブロックのK番目の信号線14に印加される。
以上が垂直走査期間V1のm番目の水平走査期間H内における各部の動作である。
【0083】
図8の下段右側には、垂直走査期間V1の次の垂直走査期間V2の同じ水平走査期間H(すなわち、垂直走査期間V2内のm番目の水平走査期間H)内に発生する選択信号SELa[1]〜SELa[K]および選択信号SELb[1]〜SELb[K]の波形が示されている。
【0084】
この例では、垂直走査期間V2におけるm番目の水平走査期間Hにパターンジェネレーター35に与えられるパターン番号PNは、垂直走査期間V1におけるm番目の水平走査期間Hにパターンジェネレーター35に与えられるパターン番号PNと異なったものとなる。このため、垂直走査期間V2のm番目の水平走査期間Hの書込期間TWRTでは、垂直走査期間V1のm番目の水平走査期間Hの書込期間TWRTとは異なった順序で、各配線ブロックのK本の信号線14への階調電圧の印加が行われる。
【0085】
図8の下段右側に示す例では、書込期間TWRTの階調電圧印加期間U[1]では、各レジスターブロックにおけるK番目の画素の画像信号に応じた各階調電圧VGが各配線ブロックのK番目の信号線14に印加され、階調電圧印加期間U[2]では各レジスターブロックにおける1番目の画素の画像信号に応じた各階調電圧VGが各配線ブロックの1番目の信号線14に印加され、…、最後の階調電圧印加期間U[K]では各レジスターブロックにおけるK−1番目の画素の画像信号に応じた各階調電圧VGが各配線ブロックのK−1番目の信号線14に印加される。
【0086】
なお、垂直走査期間V2においては、極性信号POLは正極性(+)を指示しているので、駆動電圧発生回路56[1]〜56[J]は、基準電位VREFに対して正極性の範囲で、各々に供給される画像信号の指定階調に応じた階調電圧VGを各々出力する。
【0087】
以上のように、垂直走査期間V1のm番目の水平走査期間Hと垂直走査期間V2のm番目の水平走査期間Hとでは、異なる順序で、各配線ブロックのK本の信号線14への階調電圧の印加が行われる。このように本実施形態において各配線ブロックのK本の信号線14への階調電圧の印加の順序は、垂直走査期間の切り換わりに応じて変更されるが、それだけでなく、水平走査期間Hの切り換わりに応じて変更される。図9は、各配線ブロック内のK本の信号線14への階調電圧の印加順序の変化の様子を例示するものである。図9において、縦方向は水平走査期間Hの遷移方向に対応しており、横方向は水平走査期間H内に発生するK個の階調電圧印加期間U[1]〜U[K]の並びに対応している。図9に示す例では、同一の垂直走査周期内において、配線ブロック内の各信号線14に階調電圧の印加が行われる順序は、水平走査期間Hが切り換わる毎に1番ずつ後方へローテートシフトされる。また、図9に示す例において、各垂直走査期間内の同一水平走査期間Hに着目すると、配線ブロック内の各信号線14に階調電圧の印加が行われる順序は、垂直走査期間が切り換わる毎に1番ずつ後方へローテートシフトされる。
【0088】
従って、複数の水平走査期間および複数の垂直走査期間を通じて見た場合に、各信号線14間で、一水平走査期間内における階調電圧の印加順序の時間平均値が均一化される。従って、電気光学装置単体として見た場合、表示ムラが軽減される。
【0089】
図10は、本実施形態においてホストCPU400から駆動用集積回路200へ送られる各種の信号の波形を示すタイムチャートである。また、図11は、本実施形態においてホストCPU400から駆動用集積回路200へ水平同期信号HSYNCおよびコマンドが送られる様子を示すタイムチャートである。以下、これらの図を参照し、本実施形態の動作を説明する。
【0090】
本実施形態において、ホストCPU400から駆動用集積回路200に時間多重制御信号CDの一部として供給される各種の制御信号は、24ビットのビット長を各々有している。ホストCPU400は、駆動用集積回路200に供給すべき制御信号がある場合に、この制御信号を構成する24ビットのデジタル信号を画素クロックPCLKに同期させて駆動用集積回路200に送信する。
【0091】
図10(a)に示すように、水平同期信号HSYNCは、22ビットの連続した“1”と、その後に続く2ビットの“0”とからなるデジタル信号である。また、垂直同期信号VSYNCは、23ビットの連続した“1”と、その後に続く1ビットの“0”とからなるデジタル信号である。
【0092】
水平同期信号HSYNCである24ビットのデジタル信号がホストCPU400から時間多重制御信号CDの一部として駆動用集積回路200に送信されると、この水平同期信号HSYNCは駆動用集積回路200の受信バッファー32に格納される。同期信号検知部301は、この受信バッファー32内の24ビットの水平同期信号HSYNCを検知し、その後の画素クロックPCLKの立ち上がりエッジ、すなわち、水平同期信号HSYNCの先頭ビットに同期した画素クロックPCLKから数えて25番目の画素クロックPCLKの立ち上がりエッジに同期して、画素クロックPCLKの1周期分のパルス幅を持った内部水平同期信号HSを出力する。
【0093】
同様に、垂直同期信号VSYNCである24ビットのデジタル信号がホストCPU400から駆動用集積回路200に送信されると、この垂直同期信号VSYNCは駆動用集積回路200の受信バッファー32に格納される。同期信号検知部301は、この受信バッファー32内の24ビットの垂直同期信号HSYNCを検知し、その後の画素クロックPCLKの立ち上がりエッジに同期して、画素クロックPCLKの1周期分のパルス幅を持った内部垂直同期信号VSを出力する。
【0094】
図10(b)には水平同期信号HSYNCの送信後に行われる画像信号GDの送信の様子が示されている。ホストCPU400は、24個の画素クロックPCLKに同期させて24ビットの水平同期信号HSYNCを送信した後、この水平同期信号HSYNCの送信開始タイミングから数えて26番目の画素クロックPCLKの立ち上がりエッジから一水平走査期間分の画像信号GDの送信を開始する。さらに詳述すると、ホストCPU400は、26番目の画素クロックPCLKの立ち上がりエッジを跨ぐ期間を利用して最初の画素の画像信号GDを送信し、26番目の画素クロックPCLKの立ち下がりエッジを跨ぐ期間を利用して2番目の画素の画像信号GDを送信し、27番目の画素クロックPCLKの立ち上がりエッジを跨ぐ期間を利用して3番目の画素の画像信号GDを送信し、…という具合に、画素クロックPCLKの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジの両方に同期させて、一水平走査期間内に駆動すべき各画素の画像信号GDを送信する。
【0095】
駆動用集積回路200において、画像信号受信部31は、駆動制御部33が内部水平同期信号HSを発生した後の最初の画素クロックPCLKの立ち上がりエッジから画像信号GDの取り込みを開始する。そして、画像信号受信部31は、取り込んだ画像信号GDを画像信号VIDとして画像信号記憶部51に供給する。左右反転指示信号INV3が非アクティブレベルの場合、画像信号記憶部51は、画像信号受信部31から供給される1ライン分の各画素の画像信号VIDをレジスターブロック52[1]〜52[J]に通常の並び順に従って格納する。一方、左右反転指示信号INV3がアクティブレベルの場合、画像信号記憶部51は、画像信号受信部31から供給される1ライン分の各画素の画像信号VIDをレジスターブロック52[1]〜52[J]に通常の並び順とは逆の並び順に従って格納する。駆動用集積回路200では、このようにして画像信号記憶部51のレジスターブロック52[1]〜52[J]に格納された画像信号を用いて電気光学装置100の駆動制御が行われる。
【0096】
また、図11に示すように、ホストCPU400から駆動用集積回路200に送られる時間多重制御信号CDは、各種のコマンドを示す24ビットのデジタル信号を含む。この24ビットのデジタル信号がホストCPU400から駆動用集積回路200に送信されると、このコマンドを示すデジタル信号は駆動用集積回路200の受信バッファー32に格納される。コマンド検知部302は、この受信バッファー32内の24ビットのコマンドを検知すると、その後の画素クロックPCLKの立ち上がりエッジ、すなわち、コマンドの先頭ビットに同期した画素クロックPCLKから数えて25番目の画素クロックPCLKの立ち上がりエッジに同期して、コマンドのデータをコマンドのアドレスが示す駆動条件レジスター部303内の駆動条件レジスターに格納する。これにより駆動用集積回路200では、時間多重制御信号から抽出されたコマンドに従った駆動制御が行われる。
【0097】
以上説明したように、本実施形態によれば、駆動用集積回路200に対する制御信号を差動形式の信号とすることができるので、ノイズ耐性の向上、駆動用集積回路200での取り込みミスの低減、転送速度の向上を図ることができる。また、複数種類の制御信号を時間多重した信号を駆動用集積回路200に供給すればよいので、駆動用集積回路200に対して信号を伝送するための信号線数の低減、駆動用集積回路の端子数の低減が可能になる。
【0098】
また、本実施形態によれば、駆動用集積回路200は、垂直同期信号VSYNCおよび水平同期信号HSYNCを時間多重制御信号CDから抽出することができる。従って、本実施形態によれば、時間多重制御信号CDを供給するホストCPU400が駆動用集積回路200によって行われる電気光学装置100の駆動制御を水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCに同期化させることができる。また、本実施形態では、水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCが差動形式の信号として駆動用集積回路200に伝送され、駆動用集積回路200では、差動増幅器であるレシーバー63がこの差動形式の水平同期信号HSYNCおよび垂直同期信号VSYNCを受信する。従って、伝送過程において水平同期信号HSYNCまたは垂直同期信号VSYNCにノイズが重畳したとしても、駆動用集積回路200では、そのノイズをキャンセルした状態で、水平同期信号HSYNCまたは垂直同期信号VSYNCを受信することができる。
【0099】
また、本実施形態によれば、駆動用集積回路200は、電気光学装置100の駆動態様を指定する各種のコマンドを時間多重制御信号CDから抽出して、抽出したコマンドが示す駆動態様で電気光学装置100の駆動制御を行う。従って、本実施形態によれば、駆動用集積回路200に電気光学装置100の多彩な駆動制御を行わせることができる。
【0100】
また、本実施形態において、駆動用集積回路200の制御回路30は、電気光学装置100の駆動条件の周期的な更新制御を行う駆動制御部33を有している。また、駆動制御部33のコマンド検知部302は、電気光学装置100の駆動態様を指定するコマンドとして、周期的な更新制御の対象である駆動条件の内容を指定する同期化コマンドを抽出する機能を有している。そして、駆動制御部33は、この同期化コマンドが抽出された場合に、周期的な更新制御の対象である駆動条件の内容を、抽出した同期化コマンドが示す内容に設定する手段を有する。従って、本実施形態によれば、ホストCPU400は、複数の電気光学装置100の駆動制御を行う複数の駆動用集積回路200に同期化コマンドを供給することにより、各駆動用集積回路200によって行われる周期的な更新制御の対象である駆動条件の内容を、所望の内容に設定することができる。具体的には、各駆動用集積回路200において行われる階調電圧の印加順序の周期的な更新制御を同期化(パターン番号PNを同じ値に同時に初期化)することができる。従って、各駆動用集積回路200間で、パターン番号PNに不一致が生じるのを防止し、表示画像に色付きが生じるのを防止することができる。
【0101】
以下、この色つき防止の効果について詳しく説明する。
まず、色つきの発生原因について説明する。配線ブロック内の各信号線への階調電圧の印加順序の更新制御を例えば垂直走査周期に同期して行うと、複数の垂直走査期間を通じて見た場合に、各画素回路の液晶の透過率が各信号線間で均一化される。このため、電気光学装置の表示画像に現れる表示ムラが軽減される。各信号線への階調電圧の印加順序の更新を水平走査周期に同期して行う場合も同様である。このように、1個の電気光学装置に着目した場合には、各信号線への階調電圧の印加順序の更新を行う技術は、表示ムラを軽減する効果を奏する。
【0102】
しかしながら、例えば投射型表示装置のように、複数の電気光学装置(液晶ライトバルブ)を用いて画像表示を行う電子機器において、各電気光学装置では、互いに独立して駆動回路の駆動条件の更新制御、具体的には配線ブロック内の各信号線への階調電圧の印加順序の更新制御を実行する。従って、各液晶ライトバルブ間で階調電圧の印加順序の更新制御にいわば位相ずれが発生し、ある水平走査周期において、R色に対応した液晶ライトバルブでは、配線ブロック内の各信号線を例えば第1信号線、第2信号線、第3信号線、第4信号線という順に選択して階調電圧を印加するのに対し、同じ水平走査期間にG色に対応した液晶ライトバルブでは、配線ブロック内の各信号線を第3信号線、第4信号線、第1信号線、第2信号線という順に選択して階調電圧を印加する場合も起こり得る。
【0103】
この場合、R色に対応した液晶ライトバルブとG色に対応した液晶ライトバルブとでは、一水平走査期間内における第1信号線への階調電圧の印加タイミングと第3信号線への階調電圧の印加タイミングと位置関係が逆になっている。このため、例えば投射画像における第1信号線に対応した部分に関しては、G色よりR色が強調され易くなり、第3信号線に対応した部分に関しては、R色よりG色が強調され易くなる、といったことが起こり得る。このように配線ブロック内の各信号線への階調電圧の印加順序がR、G、Bの各色に対応した各液晶ライトバルブ間で異なると、各信号線に対応した投射画像の色バランスが信号線間で異なり、投射画像に色つきが発生するのである。
【0104】
本実施形態の場合、上述したようにホストCPU400は、各色に対応した複数の電気光学装置100の駆動制御を行う複数の駆動用集積回路200に対して一斉に同期化コマンドを送り、階調電圧の印加順序を決定するパターン番号PNを初期化することができる。従って、ホストCPU400は、この各駆動用集積回路200への同期化コマンドの送信を、例えば階調電圧の印加順序の更新制御の周期の整数倍の周期で繰り返すことにより、各駆動用集積回路200間で階調電圧の印加順序に不一致が生じるのを防止し、色つきの発生を防止することができる。
【0105】
<第2実施形態>
本実施形態は、上記第1実施形態において、駆動用集積回路200の制御回路30が、電気光学装置100の駆動態様を指定する付加信号と水平同期信号HSYNCとを連続させた制御信号を時間多重制御信号CDから抽出して内部水平同期信号HSを発生し、この内部水平同期信号HSから始まる水平走査期間の次の水平走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での電気光学装置100の駆動を開始するようにしたものである。
【0106】
図12は、本実施形態においてホストCPU400から駆動用集積回路200へ水平同期信号HSYNCとともに、水平同期信号HSYNCに連続した2ビットの付加信号が送られる様子を示している。本実施形態において、この2ビットの付加信号は、上記第1実施形態における水平同期実行コマンドとしての役割を果たす。具体的には、2ビットの付加信号は、電気光学装置100に設けられた複数の走査線12のうち駆動対象とする走査線12を指定する信号、すなわち、イネーブル信号EN1およびEN2の発生を指示する信号である。
【0107】
図12(a)に示す例では、水平同期信号HSYNCを示す24ビットのビット列に続く第25ビットが“1”、第26ビットが“0”となっている。従って、駆動用集積回路200の制御回路30は、この水平同期信号HSYNCおよび付加信号を受信した後、次の水平同期信号HSYNCを受信して内部水平同期信号HSを発生するときに、イネーブル信号EN1をアクティブレベルとし、イネーブル信号EN2を非アクティブレベルとしている。
【0108】
図12(b)に示す例では、水平同期信号HSYNCを示す24ビットのビット列に続く第25ビットが“0”、第26ビットが“1”となっている。従って、駆動用集積回路200の制御回路30は、この水平同期信号HSYNCおよび付加信号を受信した後、次の水平同期信号HSYNCを受信して内部水平同期信号HSを発生するときに、イネーブル信号EN1を非アクティブレベルとし、イネーブル信号EN2をアクティブレベルとしている。
【0109】
なお、図示を省略したが、水平同期信号HSYNCを示す24ビットのビット列に続く第25ビットおよび第26ビットの両方を“1”とする場合もある。その場合、駆動用集積回路200の制御回路30は、この水平同期信号HSYNCおよび付加信号を受信した後、次の水平同期信号HSYNCを受信して内部水平同期信号HSを発生するときに、イネーブル信号EN1およびEN2の両方をアクティブレベルとする。
【0110】
付加信号を水平同期信号HSYNCとともに駆動用集積回路200に送信することを可能にするためには、次の条件が満たされねばならない。すなわち、水平同期信号HSYNCと付加信号とからなるビット列が、垂直同期信号VSYNCや各種のコマンドを示すビット列を含んでいてはならないという条件である。この条件が満たされていれば、駆動用集積回路200の制御回路30は、時間多重制御信号から付加信号を伴う水平同期信号HSYNC、垂直同期信号VSYNCおよび各種のコマンドの各々を他と誤ることなく抽出することができる。
従って、本実施形態においても上記第1実施形態と同様な効果が得られる。
【0111】
<第3実施形態>
本実施形態も、上記第2実施形態と同様、駆動用集積回路200の制御回路30が、電気光学装置100の駆動態様を指定する付加信号と水平同期信号HSYNCとを連続させた制御信号を時間多重制御信号CDから抽出するようにしたものである。
【0112】
上記第2実施形態における駆動用集積回路200の制御回路30は、付加信号を伴う水平同期信号HSYNCを時間多重制御信号から抽出したとき、その水平同期信号HSYNCの抽出により発生させた水平走査期間の次の水平走査期間に、当該付加信号が示す駆動態様での電気光学装置100の駆動制御を開始した。
【0113】
これに対し、本実施形態における駆動用集積回路200の制御回路30は、付加信号を伴う水平同期信号HSYNCを時間多重制御信号から抽出したとき、その水平同期信号HSYNCの抽出により発生させた水平走査期間に、当該付加信号が示す駆動態様での電気光学装置100の駆動制御を開始する。
【0114】
図13は、本実施形態においてホストCPU400から駆動用集積回路200へ水平同期信号HSYNCとともに水平同期信号HSYNCに連続した2ビットの付加信号が送られる様子を示している。上記第2実施形態と同様、この2ビットの付加信号は、上記第1実施形態におけるイネーブル信号EN1およびEN2の発生を指示する信号である。
【0115】
図13(a)に示す例では、水平同期信号HSYNCを示す24ビットのビット列に続く第25ビットが“1”、第26ビットが“0”となっている。従って、駆動用集積回路200の制御回路30は、この水平同期信号HSYNCおよび付加信号を受信して内部水平同期信号HSを発生したときに、イネーブル信号EN1をアクティブレベルとし、イネーブル信号EN2を非アクティブレベルとしている。
【0116】
図13(b)に示す例では、水平同期信号HSYNCを示す24ビットのビット列に続く第25ビットが“0”、第26ビットが“1”となっている。従って、駆動用集積回路200の制御回路30は、この水平同期信号HSYNCおよび付加信号を受信して内部水平同期信号HSを発生したときに、イネーブル信号EN1を非アクティブレベルとし、イネーブル信号EN2をアクティブレベルとしている。
本実施形態においても上記第1および第2実施形態と同様な効果が得られる。
【0117】
<変形例>
以上、この発明の第1〜第3実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下の変形が可能である。
【0118】
(1)上記第1実施形態では、内部水平同期信号HSの発生を指示するコマンドおよび内部垂直同期信号VSを指示するコマンドを設け、駆動制御部33では、コマンド検知部302がこれらのコマンドを含む各種のコマンドを時間多重制御信号から抽出するようにしてもよい。この態様は、同期信号検知部301を駆動制御部33に設ける必要がなくなるという利点がある。
【0119】
(2)上記第2および第3実施形態では、駆動用集積回路200の制御回路30が、付加信号を伴う水平同期信号HSYNCからなる制御信号を受信し得るようにしたが、駆動用集積回路200の制御回路30が、付加信号を伴う垂直同期信号VSYNCからなる制御信号を受信し得るようにしてもよい。例えば、制御回路30が、電気光学装置100の駆動態様を指定する付加信号と垂直同期信号VSYNCとを連続させた制御信号を時間多重制御信号CDから抽出して内部垂直同期信号VSを発生し、この内部垂直同期信号VSから始まる垂直走査期間の次の垂直走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での電気光学装置100の駆動を行う態様が考えられる。また、他の態様として、制御回路30が、電気光学装置100の駆動態様を指定する付加信号と垂直同期信号VSYNCとを連続させた制御信号を時間多重制御信号CDから抽出して内部垂直同期信号VSを発生し、この内部垂直同期信号VSから始まる垂直走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での電気光学装置100の駆動を行う態様が考えられる。付加信号により指示する駆動制御の例としては、階調電圧の極性の制御、パターン番号PNの同期化制御等が考えられる。
【0120】
(3)上記第1実施形態において、レシーバー62に対する電源電流の経路にスイッチを設け、一水平走査期間分の画像信号の画像信号受信部31への格納が一水平走査期間の途中で終了した場合に、上記スイッチをOFFにして、次の水平走査期間が開始されるまでレシーバー62に対する電力供給を停止する手段を制御回路30に設けてもよい。この態様によれば、画像信号の供給が行われない期間内のレシーバー62への電力供給を断ち、駆動用集積回路200の消費電力を低減することができる。
【0121】
(4)液晶素子42は電気光学素子の例示に過ぎない。本発明に適用される電気光学素子について、自身が発光する自発光型と外光の透過率や反射率を変化させる非発光型(例えば液晶素子42)との区別や、電流の供給によって駆動される電流駆動型と電界(電圧)の印加によって駆動される電圧駆動型との区別は不問である。例えば、有機EL素子,無機EL素子,LED(Light Emitting Diode),電界電子放出素子(FE(Field−Emission)素子),表面伝導型電子放出素子(SE(Surface conduction Electron emitter)素子),弾道電子放出素子(BS(Ballistic electron Emitting)素子),電気泳動素子、エレクトロクロミック素子など様々な電気光学素子を利用した電気光学装置100に本発明は適用される。すなわち、電気光学素子は、電流の供給や電圧(電界)の印加といった電気的な作用に応じて階調(透過率や輝度などの光学的な特性)が変化する電気光学物質(例えば液晶425)を利用した被駆動素子(典型的には、階調信号に応じて階調が制御される表示素子)として包括される。
【0122】
<応用例>
この発明は、投射型表示装置以外の各種の電子機器に利用され得る。図14および図15は、この発明の適用対象となる電子機器の具体的な形態を例示するものである。
【0123】
図14は、電気光学装置を採用した可搬型のパーソナルコンピューターの斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置100と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを具備する。
【0124】
図15は、携帯電話機の斜視図である。携帯電話機3000は、複数の操作ボタン3001およびスクロールボタン3002と、各種の画像を表示する電気光学装置100とを備える。スクロールボタン3002を操作することによって、電気光学装置100に表示される画面がスクロールされる。本発明はこのような携帯電話機にも適用可能である。
【0125】
なお、本発明が適用される電子機器としては、図1、図14および図15に例示した機器のほか、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistants),デジタルスチルカメラ,テレビ,ビデオカメラ,カーナビゲーション装置,車載用の表示器(インパネ),電子手帳,電子ペーパー,電卓,ワードプロセッサー,ワークステーション,テレビ電話,POS端末,プリンター,スキャナー,複写機,ビデオプレーヤ,タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。
【符号の説明】
【0126】
100,100R,100G,100B……電気光学装置、200……駆動用集積回路、300……フレキシブル回路基板、400……ホストCPU、10……画素部、PIX……画素回路、12……走査線、14……信号線、22……走査線駆動回路、24……信号線駆動回路、30……制御回路、42……液晶素子、44……選択スイッチ、57[1]〜57[J]……デマルチプレクサー、56[1]〜56[J]……駆動電圧発生回路、53[1]〜53[J]……マルチプレクサー、52[1]〜52[J]……レジスターブロック、51……画像信号記憶部、60……レシーバー部、61,62,63……レシーバー、31……画像信号受信部、32……受信バッファー、33……駆動制御部、301……同期信号検知部、302……コマンド検知部、303……駆動条件レジスター部、35……パターンジェネレーター。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動形式の画素クロックを受信する第1のレシーバーと、
前記画素クロックに同期した差動形式の画像信号を受信する第2のレシーバーと、
前記画素クロックに同期した差動形式の信号であって、複数種類の制御信号を時間多重化した時間多重制御信号を受信する第3のレシーバーと、
前記第1のレシーバーにより受信された画素クロックに同期して、前記第2のレシーバーを介して画像信号を受信し、電気光学装置を駆動する画像信号を発生するとともに、前記第1のレシーバーにより受信された画素クロックに同期して、前記第3のレシーバーを介して時間多重制御信号を受信し、前記時間多重制御信号から前記複数種類の制御信号を各々抽出し、前記電気光学装置の駆動制御を行う制御回路と
を具備することを特徴とする駆動用集積回路。
【請求項2】
前記制御回路は、前記制御信号として前記電気光学装置の垂直同期のタイミングを指示する制御信号を前記時間多重制御信号から抽出して、前記電気光学装置に対する垂直同期信号を発生する手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の駆動用集積回路。
【請求項3】
前記制御回路は、前記制御信号として前記電気光学装置の水平同期のタイミングを指示する制御信号を前記時間多重制御信号から抽出して、前記電気光学装置に対する水平同期信号を発生する手段を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の駆動用集積回路。
【請求項4】
前記制御回路は、垂直走査期間内または水平走査期間内における前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、抽出したコマンドが示す駆動態様で前記電気光学装置の駆動制御を行う手段を具備することを特徴とする請求項1または2に記載の駆動用集積回路。
【請求項5】
前記電気光学装置は、前記画像信号に基づく階調電圧が印加される画素電極および共通電極と、前記画素電極および共通電極間に挟まれた電気光学素子とを各々有する複数の画素回路を有し、
前記制御回路は、前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、前記階調電圧の極性を指示するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、抽出したコマンドが示す極性の階調電圧を前記画素電極および共通電極間に印加させるための前記電気光学装置の制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の駆動用集積回路。
【請求項6】
前記電気光学装置は、前記画像信号に基づく階調電圧が印加される画素電極および共通電極と、前記画素電極および共通電極間に挟まれた電気光学素子とを各々有する複数の画素回路を有し、
前記制御回路は、前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、階調反転を指示するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、前記画像信号が示す階調を反転させた階調を示す階調電圧を前記画素電極および共通電極間に印加させるための前記電気光学装置の制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の駆動用集積回路。
【請求項7】
前記制御回路は、前記電気光学装置の駆動態様を指定する制御信号として、上下反転表示を指示するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、前記画像信号が示す画像を上下反転させた画像を前記電気光学装置に表示させるための制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の駆動用集積回路。
【請求項8】
前記制御回路は、前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、左右反転表示を指示するコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、前記画像信号が示す画像を左右反転させた画像を前記電気光学装置に表示させるための制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の駆動用集積回路。
【請求項9】
前記制御回路は、
前記電気光学装置の駆動条件の周期的な更新制御を行う手段と、
前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、周期的な更新制御の対象である駆動条件の内容を指定する同期化コマンドを抽出し、前記周期的な更新制御の対象である駆動条件の内容を、抽出した同期化コマンドが示す内容に設定する同期化手段と
を具備することを特徴とする請求項4に記載の駆動用集積回路。
【請求項10】
前記電気光学装置は、
互いに交差する複数の走査線および複数の信号線を有するとともに、前記複数の走査線と前記複数の信号線との各交差に対応して各々配置された複数の画素回路を有する画素部と、
一垂直走査期間内に前記複数の走査線を順次選択し、選択した走査線と前記複数の信号線との各交差に対応付けられた複数の画素回路を前記複数の信号線に接続する走査線駆動回路とを具備し、
前記駆動用集積回路は、
前記複数の信号線を複数の配線ブロックに分け、配線ブロック毎に、一水平走査期間内に当該配線ブロックに属する各信号線を順次選択し、選択した信号線に階調電圧を印加する信号線駆動回路を具備し、
前記駆動用集積回路の制御回路は、
前記複数の配線ブロックにおける配線ブロック内の複数の信号線への階調電圧の印加順序の周期的な更新制御を実行する手段と、
前記電気光学装置の駆動態様を指定するコマンドとして、前記複数の信号線への階調電圧の印加順序を指定する同期化コマンドを抽出し、前記周期的な更新制御の対象である複数の信号線への階調電圧の印加順序を、抽出した同期化コマンドが示す印加順序に設定する同期化手段と
を具備することを特徴とする請求項4に記載の駆動用集積回路。
【請求項11】
前記コマンドは、駆動条件の種類を示すアドレスと、その駆動条件における駆動内容を示すデータとからなり、
前記制御回路は、所定のアドレスを有するコマンドのみを前記時間多重制御信号から抽出することを特徴とする請求項4乃至10のいずれか1項に記載の駆動用集積回。
【請求項12】
前記制御回路は、電気光学装置の駆動態様を指定する付加信号と水平同期信号とを連続させた制御信号を抽出して、前記電気光学装置に水平同期信号を供給するとともに、当該水平同期信号により開始される水平走査期間の次の水平走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での前記電気光学装置の駆動制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の駆動用集積回路。
【請求項13】
前記制御回路は、電気光学装置の駆動態様を指定する付加信号と水平同期信号とを連続させた制御信号を抽出して、前記電気光学装置に水平同期信号を供給するとともに、当該水平同期信号により開始される水平走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での前記電気光学装置の駆動制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の駆動用集積回路。
【請求項14】
前記付加信号が前記電気光学装置に設けられた複数の走査線のうち駆動対象とする走査線を指定する情報であることを特徴とする請求項12または13に記載の駆動用集積回路。
【請求項15】
前記制御回路は、電気光学装置の駆動態様を指定する付加信号と垂直同期信号とを連続させた制御信号を抽出して、前記電気光学装置に垂直同期信号を供給するとともに、当該垂直同期信号により開始される垂直走査期間の次の垂直走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での前記電気光学装置の駆動制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の駆動用集積回路。
【請求項16】
前記制御回路は、電気光学装置の駆動態様を指定する付加信号と垂直同期信号とを連続させた制御信号を抽出して、前記電気光学装置に垂直同期信号を供給するとともに、当該水平同期信号により開始される垂直走査期間に、当該制御信号に含まれる付加信号が示す駆動態様での前記電気光学装置の駆動制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の駆動用集積回路。
【請求項17】
前記制御回路は、各種のコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、抽出したコマンドに従って前記電気光学装置を駆動する手段を具備し、前記電気光学装置の垂直同期のタイミングを指示するコマンドが抽出されるのに応じて、前記電気光学装置に対して垂直同期信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の駆動用集積回路。
【請求項18】
前記制御回路は、各種のコマンドを前記時間多重制御信号から抽出して、抽出したコマンドに従って前記電気光学装置を駆動する手段を具備し、前記電気光学装置の垂直同期のタイミングを指示するコマンドが抽出されるのに応じて、前記電気光学装置に対して垂直同期信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の駆動用集積回路。
【請求項19】
前記制御回路は、前記第2のレシーバーによる一水平走査期間分の画像信号の受信が一水平走査期間の途中で終了した場合に、次の水平走査期間が開始されるまで前記第2のレシーバーに対する電力供給を停止する手段を具備することを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の駆動用集積回路。
【請求項20】
電気光学装置と、
前記電気光学装置の駆動制御を行う請求項1乃至19のいずれか1項に記載の駆動用集積回路と、
前記駆動用集積回路に対して前記画素クロック、画像信号および時分割多重制御信号を供給するホストCPUと
を具備することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−189756(P2012−189756A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−52603(P2011−52603)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】