説明

駆虫及び殺虫ピリミジン誘導体

活性成分としてピリミジン誘導体を含む新規駆除組成物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に新規駆虫及び殺虫組成物、より具体的には、活性成分としてピリミジン誘導体を含む組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
技術説明
ヒト及び動物集団における寄生生物による感染症の抑制は、重要な世界的試みである。原因となる生物は、線虫、条虫綱及び吸虫綱類又は原虫動物門の内部寄生生物メンバー、又は節足動物門の内部寄生生物メンバーに分類することができる。これらの生物は、胃、腸管、リンパ系、組織、肝臓、肺、心臓及び脳の感染の原因となる。例は、旋毛虫症、リンパ管フィラリア症、回旋糸状虫症、住血吸虫症、リーシュマニア症、トリパノソーマ症、ランブル鞭毛虫症、コクシジウム症及びマラリアを含む。節足動物門の外部寄生生物は、シラミ、ダニ(ticks)、ダニ(mites)、人を刺すハエ、ノミ及び蚊を含む。これらは、ヒト又は動物宿主に対する感染のための、内部寄生生物への運び屋及び中間宿主として働くことが多い。ある蠕虫病は公知の薬物で治療することができるが、耐性の進化的進行は、次世代駆虫薬における改善有効性に関する研究を更に必要とする。
【0003】
外部寄生生物、例えばノミ、ダニ(ticks)、人を刺すハエ等の規制は、ヒト及び動物の健康管理の重要な局面として理解されてきた。典型的治療は、局所的に例えば牛用の有名な浸液(dips)として適用され、実際にかかる治療は未だに広く使用されている。しかしながら、より研究の現代的な主眼は、動物に経口又は非経口的に投与することができ、そして寄生虫が治療動物の血液を取り込む場合に、個々の寄生虫を毒殺することによって外部寄生生物集団を抑制する、化合物に向けられてきた。
【0004】
内部寄生生物、特に腸寄生虫の抑制も、ヒト及び動物の健康官営の重要な局面である。多数の殺外部寄生生物薬及び殺内部寄生生物薬が使用されているが、活性スペクトルが制限されていること、反復治療の必要性、及び多くの例では寄生虫による耐性などの様々な問題に直面している。そのため、新規の殺内部寄生生物薬及び殺外部寄生生物薬の開発は、長期間に渡る幅広い範囲の寄生虫の安全かつ有効な治療を確実にするために必須である。上記の技術にもかかわらず、ペストの治療分野では未だに必要性が存在する。
【発明の開示】
【0005】
発明の簡単な概要
本発明に従い、ペストを治療することができる物質の新規組成物を提供する。組成物は、下記式I:
【0006】
【化1】

【0007】
[式中、
A及びBは独立に、H、Cl、C1-6アルキル、NRR'及びC1-6アルコキシを含む群より選ばれ;
Xは、ハロゲン、C1-6アルキル、-OH、C1-6アルコキシ、C1-6チオアルコキシ、-NRR'、-C02R、-CONRR'、-CN、-NO2及び-S02NRR'を含む群より選ばれ;
R及びR'は独立に、H、C1-6アルキル、又はそれらが結合するNと一緒になって、場合によりNR、OもしくはSの追加のヘテロ原子を含んでもよい5〜7員環を形成し;
Mは1又は2であり;
Nは1、2又は3であり;
M及びnがいずれも2の場合、ZはN、CH又はC-O-Rであり;
M及びnがいずれも2でない場合、ZはCH又はC-O-Rである。]
で表されるピリミジン誘導体を活性成分として含む。
【0008】
実施態様の詳細な説明
定義
実施態様の記載において、明確にするためにある専門用語を用いる。かかる専門用語は、記載の実施態様、及び類似の目的のために類似の方法で作用して類似の結果をもたらす全ての技術的等価物を包含する意図である。
【0009】
用語「アルキル」は、特に断らない限り、それ自体で又は別の置換基の一部として、完全飽和又はモノ-もしくはポリ不飽和でもよく、更に1〜6炭素原子を有するジ-及び多価ラジカルを含むことができる、直鎖もしくは分枝鎖、又は環状炭化水素ラジカル、又はそれらの組み合わせを意味する。飽和炭化水素ラジカルの例は、基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、シクロヘキシル、(シクロヘキシル)エチル、シクロプロピルメチル、例えばn-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル等の同族体及び異性体を含む。不飽和アルキル基は、1以上の二重結合又は三重結合を有する基である。不飽和アルキル基の例は、ビニル、2-プロペニル、クロチル、2-イソペンテニル、2-(ブタジエニル)、2,4-ペンタジエニル、3-(1,4-ペンタジエニル)、エチニル、1-及び3-プロピニル、3-ブチニル、及びより高級同族体及び異性体を含む。「低級アルキル」は、8以下の炭素原子を有するより短鎖のアルキル又は基である。
【0010】
用語「アルコキシ、アルキルアミノ」及び「アルキルチオ」エステルは、酸素原子、窒素原子又はイオウ原子によってそれぞれ分子の残余部分に結合したアルキル基を有する基を言う。同様に、用語「ジアルキルアミノ」は、慣用的感覚で使用され、-NR'R''(R'及びR''基は同一又は異なったアルキル基である)を言う。
【0011】
用語「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」は、特に断らない限り、それ自体で又は他の用語と組み合わせて、各々「アルキル」及び「ヘテロアルキル」の環状型を表す。加えて、ヘテロシクロアルキルについては、ヘテロ原子は、ヘテロ環が分子の残余部分に結合される位置を占めることができる。シクロアルキルの例は、シクロペンチル、シクロヘキシル、1-シクロヘキセニル、3-シクロヘキセニル、シクロヘプチル等を含む。ヘテロシクロアルキルの例は、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-モルホリニル、3-モルホリニル、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、テトラヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロチエン-3-イル、1-ピペラジニル、2-ピペラジニル等を含む。
【0012】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」とは、特に断らない限り、それ自体で又は別の置換基の一部として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0013】
更に、用語「フルオロアルキル」は、モノフルオロアルキル及びポリフルオロアルキルを含む意である。
【0014】
本明細書で用いる用語「ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)及びイオウ(S)を含む意である。
【0015】
用語「薬学的に許容される塩」とは、相対的に非毒性酸又は塩基で調製される活性化合物の塩を含む意であり、本明細書に記載の化合物に見られる特定の置換基に依拠する。本発明の化合物が相対的に酸性官能性を含む場合には、塩基付加塩は、かかる化合物の中性体と、希釈しないで又は好適な不活性溶媒中の所望の塩基の十分量とを接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ又はマグネシウム塩、又は類似の塩を含む。本発明の化合物が相対的に塩基性官能性を含む場合には、酸付加塩は、かかる化合物の中性体と、希釈しないで又は好適な不活性溶媒中の所望の酸の十分量とを接触させることによって得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、カルボン酸、炭酸一水素塩、リン酸、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、硫酸、硫酸一水素塩、ヨウ化水素酸、又は亜リン酸等から得られる塩、及び相対的に非毒性酸、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スべリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等から得られる塩を含む。アミノ酸塩、例えばアルギン酸塩等、有機酸、例えばグルクロン酸又はガラクツロン酸等の塩も含む(例えば、Berge他, (1977) J. Miami. Sci., 66: 1-19を参照されたい)。本発明のある特定の化合物は、化合物を塩基又酸付加塩のいずれかに変換することができる、塩基性及び酸性官能性を含む。
【0016】
化合物の中性体は、当該塩を塩基又は酸と接触させ、次いで親化合物を慣用的方法で単離することによって再生することができる。本化合物の親型は、特定の物理的性質、例えば極性溶媒中の溶解度、点で様々な塩体とは相違するが、その他の点では、当該塩は、本発明の目的のために、本化合物の親型と等価である。塩体に加えて、本発明は、プロドラッグ体である化合物を提供する。「プロドラッグ」の表現は、公知の直接的作用薬物の誘導体であって、当該薬物と比べて、送達特性が向上し、治療的評価が向上した誘導体を言い、酵素的、例えば血液中の加水分解又は化学的処理によって活性薬物に変換される[T. Higuchi and V. Stella, "Pro-drugs as Novel Delivery Systems, "Vol. 14 of the A. C. S. Symposium Series; Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, (1987); Notari, R. E., "Theory and Practiceof Prodrug Kinetics, "Metlaods in Enzyfnology, 112: 309-323 (1985); Bodor, N.,"Novel Approaches in Prodrug Design, "Drugs of the Future, 6 (3): 165-182 (1981); and Bundgaard, H., "Design of Prodrugs: Bioreversible-Derivatives for Various Functional Groups and Chemical Entities, "in Design of Prodrugs (H. Bundgaard, ed.), Elsevier, N. Y. (1985)を参照されたい]。プロドラッグは、化学的安定性の向上、患者受容及びコンプライアンスの向上、バイオアベイラビリティの向上、作用期間の延長、器官選択性の向上、製剤の改良(例えば水溶解性)、及び/又は副作用(例えば毒性)の減少の目的(複数)で調合される。本明細書で用いる「プロドラッグ」とは、このようなプロドラッグが対象に投与される場合に、式Iに従う活性親薬物をin vivoで放出する任意の共有結合担体である。式Iの化合物のプロドラッグは、化合物に存在する官能基を修飾することによって調製される。その修飾は、修飾が通常の操作又はin vivoで開裂して親化合物を生成する方法でなされる。プロドラッグは、特に限定されないが、ヒドロキシ、アミン又はメルカプト基が、対象に投与される場合に、開裂して各々遊離のヒドロキシ、アミン又はメルカプト基を生成する任意の基に結合する、式Iの化合物から得られる化合物を含む。選択された例は、特に限定されないが、アルコール及びアミン官能基の生加水分解性アミド、生加水分解性エステル、生加水分解性カルバメート、炭酸エステル、酢酸エステル、ギ酸エステル及び安息香酸エステルを含む。更に、プロドラッグは、アミノ酸残基又は2以上(例えば2、3又は4)のアミノ酸残基のポリペプチド鎖が、アミド又はエステル結合によって、式I及びIIの化合物の遊離のアミノ、ヒドロキシ又はカルボン酸基と共有結合する、化合物を含む。アミノ酸残基は、通常3文字記号によって表される20種の天然アミノ酸に限定されず、4-ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、デモシン、イソデモシン、3-メチルヒスチジン、ノルバリン、β-アラニン、γ-アミノ酪酸、シトルリン、ホモシステイン、ホモセリン、オルニチン及びメチオニン スルホンも含む。
【0017】
本発明のある化合物は、非溶媒和型、及び水媒和型を含む溶媒和型として存在することができる。一般的に、溶媒和型は、非溶媒和型と等価であり、本発明の範囲内に包含する意図である。本発明のある化合物は、多結晶又は非結晶質型として存在してもよい。一般的に、全ての物理的形状は、本発明によって考慮される使用に関しては等価であり、本発明の範囲内にあるものとする。
【0018】
本発明のある化合物は、不斉炭素原子(光学中心)又は二重結合を有する:ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何異性体及び個々の異性体は、全て本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0019】
本発明の化合物は、このような化合物を構成する1以上の原子に非天然型の同位元素群を含んでもよい。例えば、本化合物は、放射性同位元素、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)又は炭素-14(14C)で放射性同位元素標識をすることができる。本発明の化合物の全ての同位元素種は、放射活性であってもなくても、本発明の範囲内に包含されるものとする。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明の1実施態様は、下記式I:
【0021】
【化2】

【0022】
[式中、
A及びBは独立に、H、Cl、C1-6アルキル、NRR'及びC1-6アルコキシを含む群より選ばれ;
Xは、ハロゲン、C1-6アルキル、-OH、C1-6アルコキシ、C1-6チオアルコキシ、-NRR'、-C02R、-CONRR'、-CN、-NO2及び-S02NRR'を含む群より選ばれ;
R及びR'は独立に、H、C1-6アルキル、又はそれらが結合するNと一緒になって、場合によりNR、OもしくはSの追加のヘテロ原子を含んでもよい5〜7員環を形成し;
Mは1又は2であり;
Nは1、2又は3であり;
M及びnがいずれも2の場合、ZはN、CH又はC-O-Rであり;
M及びnがいずれも2でない場合、ZはCH又はC-O-Rである。]
で表される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
【0023】
本発明の第二実施態様は、式Iの化合物を含む組成物を提供する。本発明の別の実施態様は、式Iの化合物及び担体を含む。
【0024】
本発明の別の実施態様は、ヒトを含む哺乳動物植物又は農作物の寄生虫症の治療又は予防のプロセスであって、当該哺乳動物、植物又は農作物に上記化合物の有効量の投与を含む、前記プロセスを含む。
【0025】
本発明の更なる実施態様は、哺乳動物における寄生虫症の治療又は予防の医薬を調製するための、上記組成物の使用を含む
【0026】
本発明の更なる別の実施態様は、医薬として使用するための上記化合物を含む。
【0027】
本発明の目的は、寄生虫に対し広く使用される新規組成物を提供することである。
【0028】
本発明の更に別の目的は、新規組成物の使用により哺乳動物の寄生虫症を予防又は治療する方法を提供することである。
【0029】
本発明の更なる目的は、新規組成物を使用する医薬の製造方法を提供することである。
【0030】
これら及び他の目的は、当業者には容易に理解されるだろう。
【0031】
実際には、化合物の投与量は、約0.001〜100 mg/kg/動物体重の範囲であり、かかる総用量は一度に又は分割用量で、例えば1〜5日の比較的短期間で与えられる。そのような寄生虫の抑制は、単回投与で、0.02〜30 mg/kg体重を投与することにより動物でなされる。反復治療は、必要であれば再感染を防ぐために行われ、寄生虫の種類及び利用される農業技術に依拠する。これらの物質の動物への投与方法は、獣医分野では当業者に公知である。
【0032】
動物における駆虫剤として使用するためには、本発明の組成物は、経口又は注射のいずれかの内的、又は液体ドレンチ又はシャンプーとして局所的に投与することができる。これらの組成物は、カプセル剤、ボーラス剤又は錠剤のような単位剤形で経口的に投与することができる。カプセル剤及びボーラス剤は、担体ビヒクル例えばデンプン、タルク、スレアリン酸マグネシウム又はリン酸二カルシウムと混合された活性成分を含む。ドレンチは、通常、ベントナイト等の懸濁剤及び湿潤剤又は賦形剤を含む、活性成分の一般的に水での液剤、懸濁剤又は分散剤である。一般的に、ドレンチは消泡剤も含む。ドレンチ製剤は、一般的に、各活性化合物の約0.01〜10%重量を含む。好ましいドレンチ製剤は、各活性化合物の約0.05〜5.0%重量を含む。
【0033】
本発明の組成物を乾燥状態で投与するのが望ましい場合、活性化合物の所望量を含む、固体単位剤形、カプセル剤、ボーラス剤又は錠剤は使用される。これらの剤形は、活性成分を、好適に細分割された希釈剤、充填剤、崩壊剤及び/又は結合剤、例えばデンプン、乳糖、タルク、ステアリン酸マグネシウム、野菜ゴム等と丁寧にかつ均一に混合することにより、調製することができる。かかる単位投薬製剤は、その総重量に関して広く変動することができ、駆虫剤の量は、治療される宿主動物の種類、感染の重度及び種類、及び宿主の重量等の因子に依拠する。
【0034】
活性化合物が動物飼料を介して投与される場合に、飼料中に十分に分散されるか、又表面装飾として又はその後、完成飼料に添加することができるか又は場合により別個に与えることができるペレットの形態で使用される。あるいは、本発明の駆虫剤組成物は、動物に非経口的に、例えば例えば、活性成分が液体ビヒクルに溶解し分散される事象中で反芻内、筋肉内、気管内又は皮内注射によりに投与することができる。非経口投与としては、活性物質は、許容されるビヒクル、好ましくは様々な植物油、例えばピーナッツ油、綿実油等と好適に混合される。他の非経口ビヒクル、例えばソルケタール、プロピレングリコール、グリセロール型(glycerol formal)及び水溶性非経口製剤を用いる有機調製物も、様々な割合で組み合わせてよく使用される。選択される更に別の担体は、N-メチルピロリジン又は2-ピロリジンのいずれか及びこれらの混合物である。本製剤は、米国特許第5,773,442号にかなり詳細に記載されている。完成のために必要な程度において、この特許は、明らかに参考文献として組み込まれている。活性化合物又は化合物(複数)は、投与用の非経口製剤に溶解又は懸濁されている;かかる製剤は、一般的に各活性化合物の0.005〜5%重量を含む。
【0035】
実施態様の例では、担体は、プロピレングリコール(担体の1〜99パーセント重量)及びグリセロール形式(担体の99〜1パーセント重量)を含む。相対量は、60%プロピレングリコール及び40%グリセロール型である。
【0036】
本発明の組成物はまた、上で定義される同一の活性剤が「殺虫剤である飼料」として使用されるような更なる方法においても有用である。この方法では、動物の糞中に生存する寄生生物を抑制するために、化合物は、脊椎動物、特に温血動物に投与される。かかる生物は典型的には、卵又は幼虫段階の昆虫種である。
【0037】
本発明の組成物は、特に制限されないがヒト、牛、羊、鹿、馬、犬、猫、山羊、豚及び鳥を含む全動物中の蠕虫病の治療及び/予防のための駆虫剤として主に有用である。それらは、ダニ(ticks)、ダニ(mites)、シラミ、ノミ等による、これらの哺乳動物の寄生感染の予防及び治療にも有用である。かかる感染の治療において、本組成物は、個別に、又は互いにもしくは関連しない他の駆虫剤と組み合わせて使用することができる。
【0038】
本発明の正確な投薬量及び投与頻度は、多くの因子、例えば特に限定されないが、具体的な治療条件の厳しさ、年齢、体重、及び具体的患者(ヒト及び動物)の一般的健康状態、及び患者が受ける他の治療に依拠する。これらの因子は、当業者には周知であり、正確な投薬量及び投与頻度は、患者の血中の本発明の組成物の濃度及び/又は具体的治療条件に対する患者の反応をより厳密に測定することができる。
【0039】
本発明の組成物はまた、現地又は貯蔵庫のいずれかにおける作物を攻撃する農業ペストを駆除するために用いることができる。本発明の組成物は、成長植物又は収穫作物への、例えばスプレー、粉末(dusts)、懸濁液等として適用される。このような方法での本発明の組成物の適用技術は、農業分野の当業者に公知である。
【0040】
従って、本発明の方法は、幅広い寄生生物に対する保護に用いることができる、ことが理解できる。更に、現存の寄生虫を減らすことによって、現存の寄生感染を有する動物を保護でき、及び/又は寄生攻撃を予防することによって、寄生生物による攻撃に敏感な動物が得られる、ことに留意されたい。
【0041】
代表的な寄生生物は以下を含む:
扁形動物門:
吸虫綱、例えば、肝吸虫(Clonorchis)、棘口吸虫属(Echinostoms)、肝蛭(Fasciola hepatica)(肝吸虫)、肝蛭(Fasciola gigantica)、ラマでの肝吸虫(Fascioloides magna)、肥大吸虫属(Fasciolopsis)、メタゴニムス属(Metagonimus)、肺吸虫属(Paragonimus)、住血吸虫属(Schistosoma spp.);
線形動物門:
鉤虫(Ancylostoma)、住血線虫属(Angiostrongylus)、アニサキス属(Anisakis)、回虫属(Ascaris)、ブルギア属(Brugia)、ブノストムム属(Bunostomum)、クーペリア属(Cooperia)、シアトストムム属(Cyathostomum)、Cylicocyclus、ディクチオカウルス属(Dictyocaulus)(肺線虫)、ジペタロネーマ属(Dipetalonema)、Dirofilaria(心臓線虫)、Dracunculus(ドラクンクルス属)、Elaeophora、Gaigeria、グロボセファルス属ウロサブラタス(Globocephalus urosubulatus)、転胃虫属(Haemonchus)、Metastrongylus (肺線虫)、Muellerius (肺線虫)、Necator americanus、Nematodirus、腸結節虫属(Oesophagostomum)、オンコセルカ属(Onchoerca)、オステルタジア属(Ostertagia)、Parascaris、Protostrongylus (肺線虫)、セタリア属(Setaria)、Stephanofilaria、シンガムス属(Syngamus)、Teladorsagia、Toxascaris、トキソカラ属(Toxocara)、旋毛虫属(Trichinella)、毛様線虫属(Trichostrongylus)、ウンシナリア属ステノセファラ(Uncinaria stenocephala)、Wuchereria bancrofti(ブケレリア属バンクロフティ);
節足動物門:
甲殻類:
Argulus、ウオジラミ属(Caligus);
クモ類:
キララマダニ属アメリカナム(Amblyomma americanum)(ローンスターダニ)、キララマダニ属マカラタム(Amblyomma maculatum)(Gulf Coast tick)、ナガヒメダニ属ペルシカス(Argas persicus)(家禽ダニ)、ウシマダニ属ミクロプラス(Boophilus microplus)(牛ダニ)、Demodex bovis (牛ニキビダニ)、Demodex canis (犬ニキビダニ)、Dermacentor andersoni (Rocky Mountain spotted fever tick)、Dermacentor variabilis (アメリカ犬ダニ)、Dermanyssus gallinae (ニワトリダニ)、Ixodes ricinus (一般的ヒツジダニ)、トリヒゼンダニ属ガリナエ(Knemidokoptes gallinae)(羽毛をむしり取るダニ)、トリヒゼンダニ属ミュータンス(Knemidokoptes mutans)(鱗状脚ダニ)、オトビウス属メグニニ(Otobius megnini)(耳ダニ)、Psoroptes equi (疥癬ダニ)、Psoroptes ovis(疥癬ダニ)、Rhipicephalus sanguineus(クリイロコイタマダニ)、Sarcoptes scabiei (疥癬ダニ);
昆虫網:
ヤブカ(Aedes)(蚊)、Anopheles(蚊)、Culex(家蚊)(蚊)、Culiseta(蚊)、ボビコーラ属ボビス(Bovicola bovis)(牛の肌を刺すシラミ)、Callitroga hominivorax(クロバエ)、Chrysops spp.(メクラアブ)、Cimexlectularius(床害虫)、Ctenocephalis canis(犬ノミ)、Ctenocephalis fells(猫ノミ)、Culicoides spp.(ブヨ、サシチョウバエ、punkies又はno-see-ums)、ダマリニア属オビス(Damalinia ovis)(ヒツジの肌を刺すシラミ)、ヒフバエ属(Dermaobia spp.)(ウシバエ)、デルマトフィルス属(Dermatophilus spp.)(ノミ)、Gasterophilus haemorrhoidalis(鼻底ハエ)、Gasterophilus intestinalis(一般的馬尻ハエ)、Gasterophilus nasalis(顎ハエ)、Glossina spp.(ツェツェバエ)、Haematobia irritans(角ハエ、バッファローハエ)、Haematopinus asini(馬を吸うシラミ)、Haematopinus eurysternus (鼻の短い牛シラミ)、Haematopinus ovilius (体に付くシラミ)、Haematopinus suis (ブタシラミ)、Hydrotaea irritans (頭ハエ)、Hypoderma bovis (bomb fly)、Hypoderma lineatum (ウシバエ)、Linognathus ovillus (体に付くシラミ)、Linognathus pedalis (脚シラミ)、Linognathus vituli (鼻の長い牛シラミ)、キンバエ属(Lucilia spp.)(蛆虫)、Melophagus ovinus (ヒツジシラミバエ)、Oestrus ovis (nose hot fly)、Phormia regina (クロバエ)、Psorophora、Reduviid bugs (吸血昆虫)、Simulium spp. (ブヨ)、Solenopotes capillatus (小さな青ざめた牛シラミ(ittle blue cattle louse))、Stomoxys calcitrans (馬小屋ハエ)、Tabanus spp. (ウマバエ)。
【0042】
糞中で生存する寄生生物は、典型的には以下の虫の卵及び幼虫段階である:Musca domestica (イエバエ)、Musca autumnalis(顔ハエ)、Haematobia spp. (サシバエ、バッファローハエ及びその他)。
【0043】
発明の非限定的例は以下を含む:
a) 6-(4-フェニルピペリジン-1-イル) ピリミジン-2,4-ジアミン;
b) 6-[4-(4-メトキシフェニル) ピペリジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン;
c) 2,4-ジメトキシ-6-(4-フェニルピペリジン-1-イル) ピリミジン;
d) 4-メチル-6-(4-フェニルピペリジン-1-イル) ピリミジン-2-アミン;
e) 6-[4-(4-フルオロフェニル) ピペリジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン;
f) 1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-4-[3-(トリフルオロメチル) フェニル] ピペリジン-4-オール;
g) 6-(4-フェニルピペリジン-1-イル) ピリミジン-2,4-ジアミン;
h) 6-[4-4-メトキシフェニル) ピペラジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン;
i) 6-[4-(4-フルオロフェニル) ピペラジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン;
j) 6-(3-フェニルピロリジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン;
k) 6-(4-フェニルピペラジン-1-イル) ピリミジン-2,4-ジアミン・塩酸塩;
1) 2,4-ジメトキシ-6-(4-フェニルピペラジン-1-イル) ピリミジン;
m) 4-メチル-6-(4-フェニルピペラジン-1-イル) ピリミジン-2-アミン;
n) 1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-4-フェニルピペリジン-4-オール;
o) 1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-4-フェニルピペリジン-4-オール・塩酸塩;
p) 1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-4-(4-メトキシフェニル) ピペリジン-4-オール;
q) 1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-4-フェニルピペリジン-4-オール;
r) 1-(2-アミノ-6-メチルピリミジン-4-イル)-4-フェニルピペリジン-4-オール;
s) 1-(2-アミノ-6-メチルピリミジン-4-イル)-4-(4-フルオロフェニル) ピペリジン-4-オール;
t) 1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-3-フェニルピロリジン-3-オール;
u) 1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル) ピロリジン-3-オール;
v) 2,4-ジメトキシ-6-(4-フェニルアゼピン-1-イル) ピリミジン;
w) 4-メチル-6-[4-(3-クロロフェニル) アゼピン-1-イル) ピリミジン-2-アミン;
x) 4-メチル-6-(4-フェニル-4-メトキシアゼピン-1-イル) ピリミジン-2-アミン;及び
y) 2-メチル-6-(3-フェニルアゼチジン-1-イル) ピリミジン-4-アミン。
これらは表1に記載されている。
【0044】
【表1】

【0045】
以下の一般的合成手順は、本発明の化合物の製造に有用である。
【0046】
【化3】

【0047】
置換6-クロロピリミジン IIと式IIIの4-アリールシクロアルキルアミンとの反応は、本発明の化合物を与える。反応は、0℃〜150℃の温度で、第三級有機塩基及びヨウ化アルカリ土類金属の存在下で、好適な溶媒、例えば、ジメチルホルミアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル等中で行われる。ヨウ化アルカリ土類金属の非限定的例は、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム及びヨウ化カリウムを含む。第三級有機塩基の非限定的例は、トリエチルアミン、N-メチルピペリジン、4-ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロウンデカン等を含む。
【0048】
クロロピリミジンは、商業的に入手できるか又はJ. Org Chem., 1973, 38, 4386に記載の方法によって調製することができる。4-フェニルピペリジンは、商業的に入手できるか、又は公知の方法、例えばJ. Org. Chem., 1971, 36, 522に記載の方法により調製することができ;4-フェニルピペラジンも、商業的に入手できるか、又は公知の方法、例えばTetrahedron Lett., 1994, 34, 7331に記載の方法により調製することができる。3-フェニルピロリジンは公知であり、例えば、国際特許出願公開 WO01/55132号及びWO 97/09328号及びJ. Org. Chem., 1990, 55, 270に記載の方法により調製することができる。3-フェニルアゼチジンも公知であり、例えば、国際特許出願公開 WO01/07022号及びWO01/55132号に記載の方法により調製することができる。3-フェニルアゼピンは、例えば、米国特許第6,046,211号明細書に記載の方法により調製することができる。
【実施例】
【0049】
当業者であれば、先の記載を用いて本発明を最も十分な程度に実施することができると考えられる。以下の詳細な実施例は、本発明の様々なプロセスを実行する方法を記載するものであり、単なる例示として説明されているに過ぎず、先の開示を何ら限定するものではない。当業者は、先の方法及び技術から好適な変更を直ちに理解するだろう。
【0050】
実施例1 2の調製
【0051】
【化4】

【0052】
4-クロロ-2,6-ジアミノピリミジン (1, 289 mg, 2 mmol)、4-フェニルピペリジン (322 mg, 2.0 mmol)及びヨウ化カリウム (332 mg, 2 mmol)を、90℃で16時間、DMF (15 mL)中で加熱した。混合物を室温(rt)まで冷却した後、水を加えた。沈殿(50 mg)を濾過によって集めた。
物性: MS (ES+) m/z 270 (M+H)+; 1H NMR (CDC13) δ 7.4-7.1, 5.20, 4.7-4.3, 2.84, 2.73, 1.9-1.6.
【0053】
実施例2 2の塩酸塩の調製
化合物2 (30 mg)を0.5 M HClのMeOH (0.5 mL)で室温で10分間、処理した。混合物を濃縮し、残渣をMeOH/エーテルから再結晶した。白色沈殿(25 mg)を濾過によって集めた。
物性:MS (ES+) m/z 270 (M+H)+; 1H NMR (DMSO) δ 7.5-7.2, 5.32, 3.02, 2.85, 1.9-1.5.
【0054】
実施例3 4の調製
【0055】
【化5】

【0056】
4-クロロ-2,6-ジアミノピリミジン (1, 145 mg, 1 mmol)、4-(4-メトキシフェニル) ピペリジン・塩酸塩 (228 mg, 1 mmol)、ヨウ化カリウム (166 mg,1 mmol)及びトリエチルアミン (0.3 mL, 2 mmol)を90℃で16時間、DMF (10 mL)中で加熱した。混合物を室温まで冷却した後、水を加えた。茶色沈殿(35 mg)を濾過により集めた。
物性: MS (ES+) m/z 300 (M+H)+; 1H NMR (CDCl3) δ 7.13, 6.86, 5.20, 4.6-4.3, 2.84, 2.69, 1.9-1.6.
【0057】
実施例4 6の調製
【0058】
【化6】

【0059】
6-クロロ-2,4-ジメトキシピリミジン (5, 175 mg, 1mmol)、4-フェニルピペリジン (161 mg,1 mmol)及びトリエチルアミン (0.3 mL, 2 mmol)を110℃で1時間、ジメチルアセトアミド (DMA, 6 mL)中で加熱した。室温まで冷却後、反応混合物を飽和食塩水(20 mL)に注いだ。次いで、混合物をジエチルエーテル(20 mL)で抽出した。有機層を乾燥し(Na2SO4)、濃縮した。残渣をシルカゲルプレート上でクロマトグラフに付し、20%酢酸エチルのヘキサン溶液で溶出した。所望の化合物を油(100 mg)として単離した。
物性: MS (ES+) m/z 300 (M+H)+; 1H NMR (CDC13) δ 7.4-7.2, 5.55, 4.47, 3.92, 3.90, 2.93, 2.76, 2.0-1.6.
【0060】
実施例5 8の調製
【0061】
【化7】

【0062】
2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン (7, 144 mg,1 mmol)、4-フェニルピペリジン (161 mg,1 mmol)及びトリエチルアミン (0.2 mL, 1.5 mmol)を110℃で1時間、DMA (6 mL)中で加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を水 (20 mL)に注いだ。茶色沈殿 (125 mg)を濾過により集めた。
物性: MS (ES+) m/z 269 (M+H)+; 1H NMR (CDCl3) δ 7.4-7.2, 5.90, 4.8-4.5, 2.90, 2.77, 2.23, 2.0-1.6.
【0063】
実施例6 9の調製
【0064】
【化8】

【0065】
4-クロロ-2,6-ジアミノピリミジン(1, 289 mg, 2 mmol)、4-(4-フルオロフェニル) ピペリジン (358 mg, 2.0mmol)、トリエチルアミン (0.3 mL, 2 mmol)及びヨウ化カリウム (332 mg, 2 mmol)を90℃で16時間、DMF (15 mL)中で加熱した。混合物を室温まで冷却し、水を加えた。沈殿 (100 mg)を濾過により集めた。
物性: MS (ES+) m/z 288 (M+H)+; 1H NMR (CDC13)δ 7.2-7.0, 5.20, 4.6-4.3, 2.85, 2.69, 1.9-1.6.
【0066】
実施例7 10の調製
【0067】
【化9】

【0068】
4-クロロ-2,6-ジアミノピリミジン (1, 289 mg, 2mmol)、4-(3-トリフルオロメチルフェニル) ピペリジン-4-オール (490 mg, 2.0 mmol)、トリエチルアミン (0.3 mL, 2 mmol)及びヨウ化カリウム (332 mg, 2 mmol)を110℃で4時間、DMA (ジメチルアセトアミド, 6 mL)中で加熱した。混合物を室温まで冷却し、水を加えた。黄色沈殿(100 mg)を濾過によって集めた。
物性: MS (ES+) m/z 354 (M+H)+; 1H NMR (DMSO)δ 7.9-7.5, 5.66, 5.46, 5.33, 5.11, 4.07, 3.12, 1.9-1.6.
【0069】
実施例8 11の調製
【0070】
【化10】

【0071】
4-クロロ-2,6-ジアミノピリミジン(1, 288 mg, 2 mmol)、1-フェニルピペラジン (324 mg, 2 mmol)及びトリエチルアミン (0.4 mL, 3 mmol)を100℃で2時間、DMA (6 mL)中で加熱した。混合物を室温まで冷却し、反応混合物を水(20 mL)に注いだ。茶色沈殿(320 mg)を濾過によって集めた。
物性: MS (ES+) ,m/z 271 (M+H)+; 1H NMR(CDC13) δ 7.4-6.9, 5.19, 4.54, 4.36, 3.67, 3.23.
【0072】
実施例9 12の調製
【0073】
【化11】

【0074】
4-クロロ-2,6-ジアミノピリミジン(1, 288 mg, 2 mmol)、1-フェニルピペラジン (324 mg, 2 mmol)及びトリエチルアミン (0.4 mL, 3 mmol)を100℃で2時間、DMA (6 mL)中で加熱した。混合物を室温まで冷却し、反応混合物を水(20 mL)に注いだ。茶色沈殿(320 mg)を濾過によって集めた。
物性: MS (ES+) ,m/z 271 (M+H)+; 1H NMR(CDC13) δ 7.4-6.9, 5.19, 4.54, 4.36, 3.67, 3.23.
【0075】
実施例10 13の調製
【0076】
【化12】

【0077】
4-クロロ-2,6-ジアミノピリミジン(1, 144 mg, 1 mmol)、1-(4-フルオロ) フェニルピペラジン (177 mg, 1 mmol)及びトリエチルアミン (0.2 mL, 1.5 mmol)を100℃で2時間、DMA (3 mL)中で加熱した。混合物を室温まで冷却し、反応混合物を水(20 mL)に注いだ。茶色沈殿(150 mg)を濾過によって集めた。
物性: MS (ES+) m/z 289 (M+H)+; 1H NMR(CDCl3) δ 7.1-6.9, 5.18, 4.54, 4.37, 3.67, 3.13.
【0078】
実施例11 14の調製
【0079】
【化13】

【0080】
4-クロロ-2,6-ジアミノピリミジン (1, 288 mg, 2 mmol)、1-(4-メトキシ) フェニルピペラジン (384 mg, 2 mmol)及びトリエチルアミン (0.4 mL, 3 mmol)を100℃で2時間、DMA (6 mL)中で加熱した。混合物を室温まで冷却し、反応混合物を水(20 mL)に注いだ。茶色沈殿(450 mg)を濾過によって集めた。
物性: MS (ES+) m/z 301 (M+H)+; 1H NMR (CD30D) δ 6.95, 6.86, 5.18, 3.79, 3.64, 3.10.
【0081】
実施例12 15の調製
【0082】
【化14】

【0083】
4-クロロ-2,6-ジアミノピリミジン (1, 73 mg, 0.5 mmol)、3-フェニルピロリジン (82 mg, 0.55 mmol)及びトリエチルアミン (0.14 mL, 1 mmol)を90℃で6時間、DMA (2 mL)中で加熱した。混合物を室温まで冷却し、反応混合物を塩化メチレン水 (20 mL)及び飽和食塩水 (20 mL)に分配した。有機層を分離し、乾燥し(MgS04)、濃縮した。残渣をクロマトグラフィーに供し、5% MeOHの塩化メチレンで溶出し、15を白色固 (20 mg)として得た。
物性: MS (ES+) m/z 256 (M+H)+; 1H NMR (CD30D) δ 7.4-7.2, 5.04, 3.86, 3.64, 3. -3.4, 2.37, 2.09.
【0084】
実施例13 駆虫活性
Journal of Helminthology, 1984, 58,107に記載のH. contortus 幼虫発生試験に従い、化合物の駆虫活性を評価した。この試験では、化合物 2 (6-(4-フェニルピペリジン-1-イル) ピリミジン-2,4-ジアミン・塩酸塩)は、10 μMで、幼虫の運動の阻害を示した。
【0085】
実施例14 選択化合物の殺虫活性
選択化合物について、米国特許第5,859,188号明細書(Geary他, 1999)に記載の結合試験におけるその殺虫活性を評価した。評価結果を表2に示す。%阻害は、記載したように25μMでの放射線標識リガンドのパーセント置換を示す。
【0086】
ビード/膜調製物
96-ウェルプレートSPAを用いて、DAR-2ペチド (E又はSRPYSFGL-NH2)及びDrosophila2型アラトスタチン受容体(Dm4)結合試験を行った(Scintillation Proximity Assay)。予め調製した冷凍Dm4SHEP膜調製物(培養中、28℃に調整)を用い、0.547〜1.19 mg/mlの範囲のタンパク濃度とした(調製物で換算)。WGA(wheatgerm agglutinin) SPAビーズ(Amersham Pharmacia Biotech RPNQ0001)を用いて、試験緩衝液(20 mM Hepes, 10 mM MgCl2, pH 7.4)中で30分間、先ずインキュベートすることにより、試験用膜を調製した。ビーズを試験緩衝液中で50 mg/mlに先ず調整し、次いで、0.75 mlのビーズを0.375 μgの膜及び試験緩衝液に加え、最終体積1.875 mlを得た。混合物を室温で30分間、時々振とうしながらインキュベートし(5分毎に数回日ひっくり返した)、1200 RPMで10分間、遠心した。上清を除き、試験緩衝液を添加することにより、ビーズを総体積50 mlに再懸濁し、0.15 μg膜/20 μlの最終濃度を得た。
【0087】
結合試験
SPAで使用した96-ウェルプレートはWallac 1450-401であった。処理は全て2点で行った。未知物質を以下のように評価した。各ウェルに総体積100μlを加えた。添加した容量は、50 μl(又は総結合反復については60μl)試験緩衝液(20 mM Hepes, 10 mM MgCl2, pH 7.4)、10 μlの試験化合物、20 μlの先述の[125I]SRPYSFGL-NH2及び20 μlの先述の膜調製物(0.15 μg)であった。未知物質を溶解するためにDMSOを使用し、1%ウェルの最終濃度とした。用いたヨウ素化リガンドの濃度は0.08 nMであった(決定Kd濃度は以下を参照されたい)。[125I]SRPYSFGL-NH2をブロックする能力について、10 μMの開始濃度で、全ての未知物質を試験し、IC50値を計算するために、必要ならば、これらを同時に10、1、0.1、0.01、0.001、0.0001、0.00001及び0.000001 μMで滴定した。各試験においては、総結合(TB)反復及び非特異的結合(NSB)反復を標準値として実行した。TBウェルはブロッカーを含まず(緩衝液のみ)、NSBウェルは最終濃度10 μM SRPYSFGL-NH2を含んだ。特異的結合は典型的には93%以上であった。更に分析する前に、NSBを全ての結合値から差し引いた。全ての試験において、(未知物質ための上記濃度での)SRPYSFGL-NH2用標準IC50曲線を作成し、比較目的で分析した。SRPYSFGL-NH2のIC50値は、典型的には0.01 nMであった。未知物質の試験前に、追加試験を行い、これには飽和結合(SB)実験を含めた。SB試験は、8ヨウ素化リガンド濃度(0.004〜0.4 nM)を含み、Kd及びBmax値は各々、0.081 nM、10.02 pM/mg結合であった。反復調製物に従い、試験プレートをプラットフォームシェーカー(20 rpm)に5分間置き、Wallac 1450 Microbetaカウンターで連続的に20時間カウントした。12時間膜添加後のデータを分析に使用した。全てのデータ解析には、プリズム2.0及び3.0 (Graphpad Inc.)を使用した。上記の結合試験で、選択化合物の殺虫活性を評価した。評価結果を表2に示す。
【0088】
【表2】

【0089】
本発明を、詳細にかつその実施態様を参考にして記載してきたが、添付クレームの範囲を逸脱することなく、修正及び変更が可能である、ことは明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式I:
【化1】

[式中、
A及びBは独立に、H、Cl、C1-6アルキル、NRR'及びC1-6アルコキシを含む群より選ばれ;
Xは、ハロゲン、C1-6アルキル、-OH、C1-6アルコキシ、C1-6チオアルコキシ、-NRR'、-C02R、-CONRR'、-CN、-NO2及び-S02NRR'を含む群より選ばれ;
R及びR'は独立に、H、C1-6アルキル、又はそれらが結合するNと一緒になって、場合によりNR、OもしくはSの追加のヘテロ原子を含んでもよい5〜7員環を形成し;
mは1又は2であり;
nは1、2又は3であり;
m及びnがいずれも2の場合、ZはN、CH又はC-O-Rであり;
m及びnがいずれも2でない場合、ZはCH又はC-O-Rである。]
で表される化合物又はそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項2】
6-(4-フェニルピペリジン-1-イル) ピリミジン-2,4-ジアミン;
6-[4-(4-メトキシフェニル) ピペリジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン ;
2,4-ジメトキシ-6-(4-フェニルピペリジン-1-イル) ピリミジン;
4-メチル-6-(4-フェニルピペリジン-1-イル) ピリミジン-2-アミン;
6-[4-(4-フルオロフェニル) ピペリジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン;
1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-4-[3-(トリフルオロメチル) フェニル] ピペリジン-4-オール;
6-(4-フェニエウピペラジン-1-イル) ピリミジン-2,4-ジアミン;
6-[4-(4-メトキシフェニル) ピペラジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン;
6-[4-(4-フルオロフェニル) ピペラジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン;
6-(3-フェニルピロリジン-1-イル] ピリミジン-2,4-ジアミン;
6-(4-フェニルピペラジン-1-イル) ピリミジン-2,4-ジアミン・塩酸塩;
2,4-ジメトキシ-6-(4-フェニルピペラジン-1-イル) ピリミジン;
4-メチル-6-(4-フェニルピペラジン-1-イル) ピリミジン-2-アミン;
1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-4-フェニルピペリジン-4-オール;
1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-4-フェニルピペリジン-4-オール・塩酸塩;
1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-4-(4-メトキシフェニル) ピペリジン-4-オール;
1-(2,6-ジメトキシピリミジンピリミジン-4-イル)-4-フェニルピペリジン-4-オール;
1-(2-アミノ-6-メチルピリミジピリミジン-4イル)-4-フェニルピペリジン-4-オール;
1-(2-アミノ-6-メチルピリミジン-4-yl)-4-(4-フルオロフェニル) ピペリジン-4-オール;
1-(2,6-ジアミノピリミジン-4-イル)-3-フェニルピロリジン-3-オール;
1-(2,6-dジアミノピリミジン-4-イル)-3-(4-メトキシフェニル) ピロリジン-3-オール;
2,4-ジメトキシ-6-(4-フェニルアゼピン-1-イル) ピリミジン;
4-メチル-6-[4-(3-クロロフェニル) アゼピン-1-イル) ピリミジン-2-アミン ;
4-メチル-6-(4-フェニル-4-メトキシアゼピン-1-イル) ピリミジン-2-アミン;及び
2-メチル-6-(3-フェニルアゼチジン-1-イル) ピリミジン-4-アミン
からなる群より選ばれる請求項1記載の化合物又はそれらの薬学的に許容される塩。
【請求項3】
請求項1記載の化合物から選ばれる1〜3の化合物の有効量で哺乳動物を治療することを含む、哺乳動物における寄生虫症の予防方法。
【請求項4】
前記哺乳動物が、ヒト、牛、羊、鹿、馬、犬、猫、山羊、豚及び鳥から選ばれる、請求項3記載の方法。
【請求項5】
請求項2記載の化合物から選ばれる1〜3の化合物の有効量で哺乳動物を治療することを含む、哺乳動物における寄生虫症の予防方法。
【請求項6】
前記哺乳動物が、ヒト、牛、羊、鹿、馬、犬、猫、山羊、豚及び鳥から選ばれる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
請求項1記載の化合物から選ばれる1〜3の化合物の使用を含む、哺乳動物における寄生虫症を予防又は治療するために有用な医薬の製造方法。
【請求項8】
請求項2記載の化合物から選ばれる1〜3の化合物の使用を含む、哺乳動物における寄生虫症を予防又は治療するために有用な医薬の製造方法。
【請求項9】
請求項1の1〜3の化合物を含む組成物。
【請求項10】
請求項2の1〜3の化合物を含む組成物。
【請求項11】
請求項1記載の1〜3の化合物の有効量で、植物もしくは農作物、又はそれらが生育する土壌を処理することを含む、植物又は農作物における寄生虫症の予防又は治療方法。
【請求項12】
請求項2記載の1〜3の化合物の有効量で、植物もしくは農作物、又はそれらが生育する土壌を処理することを含む、植物又は農作物における寄生虫症の予防又は治療方法。

【公表番号】特表2007−501781(P2007−501781A)
【公表日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522428(P2006−522428)
【出願日】平成16年7月26日(2004.7.26)
【国際出願番号】PCT/IB2004/002482
【国際公開番号】WO2005/014573
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】