駐車券
【課題】ユーザが自己の車両を所定の駐車場に駐車することを許可してもらうために前記ユーザが駐車料金を支払って購入する新規な駐車券を提供する。
【解決手段】駐車券80は、印刷面を表面に有する表示シート82の層と、粘着層200と、セパレータ84の層とがそれらの順に積層されて構成されており、粘着層は、セパレータの表面に剥離不能にまたは容易には剥離しないように塗布されるとともに、その粘着層は、表示シートの裏面に剥離可能にまたは容易に剥離するように接着され、駐車券の発行後、ユーザにより、表示シートのうちの一部が、粘着層から剥がされることによって、その粘着層のうちの一部が露出し、ユーザにより、その露出部が、前記車両の窓ガラス裏面に貼り付けられ、それにより、印刷面を車外から前記窓ガラスを通して視認することが可能である状態で前記窓ガラスの裏面に貼り付けられる。
【解決手段】駐車券80は、印刷面を表面に有する表示シート82の層と、粘着層200と、セパレータ84の層とがそれらの順に積層されて構成されており、粘着層は、セパレータの表面に剥離不能にまたは容易には剥離しないように塗布されるとともに、その粘着層は、表示シートの裏面に剥離可能にまたは容易に剥離するように接着され、駐車券の発行後、ユーザにより、表示シートのうちの一部が、粘着層から剥がされることによって、その粘着層のうちの一部が露出し、ユーザにより、その露出部が、前記車両の窓ガラス裏面に貼り付けられ、それにより、印刷面を車外から前記窓ガラスを通して視認することが可能である状態で前記窓ガラスの裏面に貼り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のための複数の駐車位置を有する前払い式の無人駐車場を管理する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、設備コストがかからず管理が容易で十分に採算がとれる自転車を対象とした駐車場を管理する技術を開示している。この技術によれば、駐車場に、不正駐車を行った自転車の出庫を阻止するための装置を設置せずに済むため、必要な設備コストが低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−242537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された技術では、ユーザは、発券機に対し、駐車に先立って駐車料金を支払うために、ユーザ識別番号を発券機に入力しなければならず、面倒であった。また、それに伴い、発券機は、ユーザ識別番号を入力する機能と、入力されたユーザ識別番号を表すデータを記録する機能と、その記録されたデータを外部に出力する機能とを有するように設計しなければならず、発券機の設備コストを低減させるにも限界があった。
【0005】
このような事情を背景とし、本発明は、駐車場を利用するユーザの負担を軽減するとともに、発券機の設備コストを低減させることが容易である駐車場管理方法を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
【0007】
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
【0008】
(1) 自動車のための複数の駐車位置を有する日貸し・前払い式の無人駐車場を管理する駐車場管理方法であって、
前記駐車場には、前記複数の駐車位置について共通に使用される発券機は設置されているが、不正駐車を行った車両の出庫を阻止するための装置は設置されておらず、
前記発券機は、駐車券を発行する機能に加えて駐車料金の精算機能も有するが、釣銭機能も通信機能も有せず、
その発券機は、駐車に先立って前記駐車券を発行するために、ユーザが前記駐車料金を硬貨のみで支払うことは要求するが、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報の入力も、前記複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も要求せず、
その発券機は、
硬貨が投入される硬貨投入口と、
前記駐車料金が支払われるごとに、1枚ずつ、駐車券を発行し、その駐車券に、前記ユーザの前記駐車場への入庫日を印刷するプリンタと
を含み、
前記駐車券は、
前記発券機による発行後、ユーザにより、駐車車両の室内に、前記駐車券の印刷内容を車外から前記駐車車両の窓ガラスを通して視認することが可能である位置に配置され、
当該駐車場管理方法は、
前記駐車車両を対象車両として、その対象車両の室内に配置されている少なくとも1枚の駐車券の画像を前記対象車両の外部からカメラによって撮影する撮影工程と、
その撮影日と、その撮影された画像を表す画像データと、前記対象車両の車両番号と、前記駐車場の位置とを、互いに関連付けて、送信装置を用いて、管理センタの受信装置に送信する送信工程と、
前記受信装置が、前記撮影日と前記画像データと前記車両番号と前記駐車場の位置とを互いに関連付けて受信する受信工程と、
前記発券機との通信を行うことなく、前記受信装置が受信した画像データに基づき、前記受信装置が受信した車両番号により特定される対象車両の駐車が不正駐車であるか否かを判定する判定工程と、
複数人の担当員のそれぞれの現在位置に関する情報と、前記駐車場の位置に関する情報とに基づき、前記複数人の担当員のうち、前記不正駐車が行われていると判定された駐車場に出動させる担当員を選択する選択工程と
を含み、
前記判定工程は、
前記受信した画像データにより、前記対象車両の室内に前記駐車券が1枚のみ配置されているか否かを判定し、前記駐車券が1枚のみ配置されている場合に、前記撮影日と、前記受信した画像データにより表される駐車券に印刷されている前記入庫日とが互いに一致するか否かを判定し、一致する場合に、前記対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第1部分判定工程を含む駐車場管理方法。
【0009】
(2) 前記判定工程は、さらに、
前記受信した画像データにより、前記対象車両の室内に前記駐車券が複数枚配置されているか否かを判定し、前記駐車券が複数枚配置されている場合に、前記受信した画像データにより、前記複数枚の駐車券に同じ入庫日が印刷されているか否かを判定し、同じ入庫日が印刷されている場合に、前記撮影日が、前記入庫日から、前記複数枚の駐車券の枚数と同数の日が経過する期間内に存在するか否かを判定し、存在すれば、前記対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第2部分判定工程を含む(1)項に記載の駐車場管理方法。
【0010】
(3) 自動車のための複数の駐車位置を有する前払い式の無人駐車場を管理する駐車場管理方法であって、
前記駐車場には、前記複数の駐車位置について共通に使用される発券機は設置されているが、不正駐車を行った車両の出庫を阻止するための装置は設置されておらず、
前記発券機は、駐車券を発行する機能に加えて駐車料金の精算機能も有するが、釣銭機能も通信機能も有せず、
その発券機は、駐車に先立って前記駐車券を発行するために、ユーザが前記駐車料金を硬貨のみで支払うことは要求するが、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報の入力も、前記複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も要求せず、
その発券機は、
硬貨が投入される硬貨投入口と、
前記駐車料金が支払われるごとに、1枚ずつ、駐車券を発行し、その駐車券に、前記ユーザの前記駐車場への入庫日時を印刷するプリンタと
を含み、
前記駐車券は、
前記発券機による発行後、ユーザにより、駐車車両の室内に、前記駐車券の印刷内容を車外から前記駐車車両の窓ガラスを通して視認することが可能である位置に配置され、
当該駐車場管理方法は、
前記駐車車両を対象車両として、その対象車両の室内に配置されている少なくとも1枚の駐車券の画像を前記対象車両の外部からカメラによって撮影する撮影工程と、
その撮影日時と、その撮影された画像を表す画像データと、前記対象車両の車両番号と、前記駐車場の位置とを、互いに関連付けて、送信装置を用いて、管理センタの受信装置に送信する送信工程と、
前記受信装置が、前記撮影日時と前記画像データと前記車両番号と前記駐車場の位置とを互いに関連付けて受信する受信工程と、
前記発券機との通信を行うことなく、前記受信装置が受信した画像データに基づき、前記受信装置が受信した車両番号により特定される対象車両の駐車が不正駐車であるか否かを判定する判定工程と、
複数人の担当員のそれぞれの現在位置に関する情報と、前記駐車場の位置に関する情報とに基づき、前記複数人の担当員のうち、前記不正駐車が行われていると判定された駐車場に出動させる担当員を選択する選択工程と
を含み、
前記判定工程は、
前記受信した画像データにより、前記対象車両の室内に前記駐車券が1枚のみ配置されているか否かを判定し、前記駐車券が1枚のみ配置されている場合に、前記撮影日時が、前記受信した画像データにより表される駐車券に印刷されている前記入庫日時から所定時間が経過するまでの駐車許可時間帯内に存在するか否かを判定し、存在する場合に、前記対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第1部分判定工程を含む駐車場管理方法。
【0011】
(4) 前記駐車券は、ユーザにより、駐車車両の内部からその車両の透明な窓ガラスの裏面に、前記駐車券の印刷内容を車外から前記窓ガラスを通して視認することが可能であるように貼り付けられる(1)ないし(3)項のいずれかに記載の駐車場管理方法。
【0012】
(5) 前記駐車券は、前記プリンタによって印刷される印刷面を表面に有する表示シートの層と、粘着層と、セパレータの層とがそれらの順に積層されて構成されており、前記駐車券は、前記粘着層を利用して、前記窓ガラス裏面に貼り付けられる(4)項に記載の駐車場管理方法。
【0013】
(6) 前記駐車券は、前記粘着層のうち、前記表示シートのうちの一部が前記セパレータからユーザによって剥がされることによって露出した部分を利用して、前記窓ガラス裏面に貼り付けられる(5)項に記載の駐車場管理方法。
【0014】
(7) 前記粘着層は、前記表示シートの裏面に塗布され、その粘着層は、前記セパレータの表面に剥離可能に接着される(4)または(5)項に記載の駐車場管理方法。
【0015】
(8) 前記粘着層は、前記セパレータの表面に塗布され、その粘着層は、前記表示シートの裏面に剥離可能に接着される(4)または(5)項に記載の駐車場管理方法。
【0016】
(9) (1)ないし(8)項のいずれかに記載の駐車場管理方法を実行するためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【0017】
(10) (9)項に記載のプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体。
【0018】
この記録媒体は種々な形式を採用可能であり、例えば、フレキシブル・ディスク等の磁気記録媒体、CD、CD−ROM等の光記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、ROM等のアンリムーバブル・ストレージ等のいずれかを採用し得るが、それらに限定されない。
【0019】
(11) ユーザが自己の車両を所定の駐車場に駐車することを許可してもらうために前記ユーザが駐車料金を支払って購入する駐車券であって、
当該駐車券の両面のうちの一方に印刷面が形成され、
その印刷面に、前記車両の入庫日時、前記駐車場の名称等、前記ユーザの駐車の内容を特定する事項と、当該駐車券を購入するために前記ユーザが前記駐車料金を支払ったことを証明する領収書とが印刷され、
当該駐車券は、前記印刷面を表面に有する表示シートの層と、粘着層と、セパレータの層とがそれらの順に積層されて構成されており、
前記粘着層は、前記セパレータの表面に剥離不能にまたは容易には剥離しないように塗布されるとともに、その粘着層は、前記表示シートの裏面に剥離可能にまたは容易に剥離するように接着され、
前記駐車券の発行後、前記ユーザにより、前記表示シートのうちの一部が、前記粘着層から剥がされることによって、その粘着層のうちの一部が露出し、前記ユーザにより、その露出部が、前記車両の窓ガラス裏面に貼り付けられ、それにより、前記印刷面を車外から前記窓ガラスを通して視認することが可能である状態で前記窓ガラスの裏面に貼り付けられる駐車券。
【0020】
ユーザが購入した駐車券を、所定の駐車場での駐車中に、駐車場管理者が目視によって確認可能とするために、駐車券を、駐車車両の窓ガラスの裏面に貼り付けることがユーザに要求される場合がある。
【0021】
本項に係る駐車券は、それ自体に粘着層を有していて、印刷面を有する表示シートを裏板であるセパレータから部分的に剥がすと、粘着層が部分的に露出し、その露出部を用いて、当該駐車券を窓ガラス裏面に貼り付けることができる。
【0022】
窓ガラスへの貼り付け状態においては、粘着層およびセパレータの全体が、窓ガラスとの貼り付け位置から垂れ下がり、その垂れ下がり部からさらに、表示シートが垂れ下がる。この際、セパレータには、当該駐車券の重量全部を支持するために、テンションが発生するが、当該駐車券によれば、セパレータが、切曲げ部を介して窓ガラスに貼り付けられないため、セパレータに応力が集中する部位が発生せずに済む。
【0023】
よって、当該駐車券によれば、窓ガラスへの貼り付け後に、当該駐車券のうちの一部が応力集中によって予定外に破断して落下し、駐車場管理者が当該駐車券を、ユーザがそれを実際に購入したにもかかわらず、そのことを確認できないという事態が発生せずに済む。その結果、当該駐車券によれば、接着に対する信頼性が向上する。
【0024】
さらに、当該駐車券によれば、表層である表示シートの表面に領収書が印刷されており、ユーザがその領収書を特定の部署に提出することが必要である場合には、ユーザは、その表示シートの全体をセパレータから剥がすが、この際、粘着層はセパレータに残存するため、領収書の裏面が粘性を有せずに済む。その結果、当該駐車券によれば、領収書としての機能を損なうことなく、窓ガラスへの貼り付けが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、前払い式の無人駐車場において、駐車に先立って駐車券を発行するために、ユーザが、駐車料金を硬貨のみで発券機に支払うとともに、その発行された駐車券を、ユーザが、駐車しようとする自己の車両の室内に、車外から目視できるように配置されることを条件に、発券機を、釣銭機能も通信機能も有せず、また、ユーザに対し、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報の入力も、複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も要求しないように設計することが可能になる。
【0026】
よって、本発明によれば、発券機の機能のさらなる単純化が容易となり、発券機の設備コストをさらに低減させることが容易となる。さらに、本発明によれば、駐車場を利用しようとするユーザは、駐車に先立って駐車券を発行するために、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報の入力も、複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も行わずに済むから、ユーザの負担が増加せずに済む。
【0027】
さらに、本発明によれば、駐車券が、駐車車両の室内に置かれるため、天候によって損傷することも、紛失することもない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に従う駐車場管理方法が実施される無人駐車場の一例を示す平面図である。
【図2】図2は、図1に示す駐車場に設置される発券機を示す正面図である。
【図3】図3は、図2に示す発券機を、扉が開いている状態で示す斜視図である。
【図4】図4は、図2に示す発券機の部品構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図4に示すコンピュータによって実行される発券・精算プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図6】図6(a)は、図2に示す発券機によって発行される駐車券の一例を示す正面図であり、図6(b)は、その駐車券を、発行直後の状態と、一部が剥がされて折り曲げられた状態とで示す縦断面図である。
【図7】図7(a)は、図6に示す駐車券を、駐車車両のフロントガラスの裏面に貼り付けられた状態で示す側面断面図であり、図7(b)は、その駐車券を、それの表示シートの一部がセパレータから剥がされて折り曲げられた状態で示す斜視図である。
【図8】図8は、駐車車両のフロントガラスを撮影した画像の一例であって、そのフロントガラスの裏面に、図6に示す駐車券が1枚のみ貼り付けられているものを示す図である。
【図9】図9は、駐車車両のフロントガラスを撮影した画像の別の例であって、そのフロントガラスの裏面に、図6に示す駐車券が5枚貼り付けられているものを示す図である。
【図10】図10は、前記駐車場管理方法を実施するために作業する複数人の担当員が携帯する携帯電話と管理センタとがネットワークを介して接続されている様子を示す図である。
【図11】図11は、図10に示す管理センタに設置されている通信・情報処理関連機器を示すブロック図である。
【図12】図12は、前記駐車場管理方法を実施するために各担当員が行うべき作業を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図11に示す制御装置のコンピュータによって実行される駐車場管理プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図14】図14は、図11に示す不正駐車リストメモリに記憶される不正駐車リストの内容の一例を示す図である。
【図15】図15は、図11に示す制御装置のコンピュータによって実行される担当員派遣プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図16】図16は、図11に示す地図データベースメモリに記憶される地図データベースの内容の一例を示す図である。
【図17】図17は、図11に示す制御装置のコンピュータによって実行される地図データベース更新プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図18】図18は、本発明の第2実施形態に従う駐車場管理方法が実施される駐車場の一例を示す斜視図である。
【図19】図19(a)は、図18に示す監視ユニットの構成を示すブロック図であり、図19(b)は、図19(a)に示すカメラによって撮像される画像の一例を示す図である。
【図20】図20は、本発明の第3実施形態に従う駐車場管理方法を実施するために使用される駐車券を示す正面図である。
【図21】図21は、図20に示す駐車券が取り出される原反を示す側面断面図である。
【図22】図22は、図20に示す駐車券を、駐車車両のフロントガラスの裏面に貼り付けられている状態で示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1には、本発明の第1実施形態に従う駐車場管理方法(以下、単に「管理方法」という。)が実施される駐車場10が平面図で示されている。その駐車場10は、同時に、複数台の自動車の駐車を可能にする複数の駐車位置(駐車スペース)を有する。この駐車場10の唯一の入出庫口12(入庫口でもあるし出庫口でもある)の近傍位置に、1台の発券機(一般には、「精算機」ともいう。)20が、複数の駐車位置に共通に、集中発券機として設置されている。この駐車場10は、専従者がおらず、運転者であるユーザが駐車料金の支払いを発券機20に対して行う無人式である。
【0031】
この駐車場10の敷地には、2種類の駐車区画が存在する。それは、各車両のユーザに対し、1日単位で駐車スペースを貸し出すための区画(一時預り区画または日貸し用区画)と、各車両のユーザに対し、事前の契約を前提に、1月単位で駐車スペースを貸し出すための区画(月極用区画)とである。本管理方法は、一時預り区画について実施される。以下、単に「駐車場10」というときには、この駐車場10のうち、一時預り区画、すなわち、本管理方法が実施されるエリアのみを意味する。
【0032】
本明細書の全体を通じて、「1日」という用語は、狭義には、ある日の午前0時0分から午後11時59分までの24時間を意味し、また、広義には、ある日のある時刻から、翌日の同じ時刻までの24時間を意味し、また、場合によっては、狭義の「1日」における通常の日貸し駐車時間帯(例えば、午前9時から午後5時までの時間帯を含む時間帯)を意味する。すなわち、「1日」という用語は、必ずしも、24時間を意味せず、24時間より短い時間を意味することが可能である。
【0033】
駐車場10を利用するために、ユーザである運転者は、自己の車両を運転して、隣接道路から入出庫口12に進入し、引き続いて運転して発券機20を素通りし、さらに、自己の車両を、自身で選択したいずれかの駐車スペース(駐車位置)まで運転してそこに駐車する。その後、ユーザは、自己の車両から降りて、入出庫口12にある発券機20まで歩いていき、そこで駐車料金を発券機20に対して支払う。
【0034】
ユーザは、駐車料金の支払いと引き換えに、領収書付きの駐車券を発券機20から受け取る。その後、後に詳述するように、ユーザは、その駐車券を持って、自己の車両に戻り、その駐車券を、自己の車両のフロントガラス(前記(3)項における「窓ガラス」の一例であるが、その「窓ガラス」は、フロントガラスに限定されない)の裏面に貼り付ける。その駐車券は、駐車車両の室内に置かれるため、雨風に曝されることはないし、紛失することもない。
【0035】
この駐車場10は、複数の駐車位置を有する日貸し・前払い式の無人駐車場であって、車両の出庫を阻止する(駐車場10からの退出を阻止する)ための装置(例えば、ゲート開閉装置や、車止め装置(例えば、フラップや出没具))を有せず、かつ、ユーザが前記複数の駐車位置のうちのいずれかを自由に選んで自己の車両を駐車することが可能である(選択された駐車位置は、発券機20によって監視されない)。このように構成された駐車場10を管理するために本管理方法が実施される。
【0036】
図2には、発券機20のみが拡大されて正面図で示されている。概略的に説明するに、この発券機20は、料金精算機能は有するが釣銭機能も通信機能も有しない。この発券機20は、ユーザが駐車料金を、紙幣ではなく硬貨のみで支払うことを要求する。また、この発券機20は、ユーザに対し、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報(例えば、車両番号)の入力も、複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も、要求しない。
【0037】
この発券機20は、縦長で箱状を成すケーシング22に扉24がそれの一側辺において開閉可能に取り付けられて構成されている。図3には、この発券機20の内部構成が、扉24が開いている状態で、斜視図で示されている。図4には、この発券機20の部品構成がブロック図で示されている。
【0038】
図3に示すように、この発券機20は、硬貨処理ユニット30と、金庫32と、制御基板34と、表示器36と、駐車券を印刷して発行するプリンタ40とを有するように構成されている。それら部品のうち、硬貨処理ユニット30のみが、扉24の背面に取り付けられ、残りの部品は、ケーシング22に取り付けられている。
【0039】
図3に示すように、プリンタ40には、印刷前の連続シートが巻き付けられて収容されるローラ42が装着されている。プリンタ40は、そのローラ42から1枚分の長さずつ送り込まれる連続シートに対して印刷を行い、その後、連続シートを随時、カッタ(図示しない)によってカットしてその連続シートから1枚分の駐車券を切り離す。
【0040】
前記カッタは、切刃(図示しない)を有し、その切刃を連続シートの幅方向に移動させて連続シートを幅方向に切断する。また、前記カッタは、連続シートを幅方向に完全に切断する方式を採用したり、幅方向における一部のみ残して連続シートを幅方向に切断する方式を採用することが可能である。
【0041】
図2および図4に示すように、硬貨処理ユニット30は、硬貨投入口50と、返却レバー52と、硬貨セレクタ(投入された硬貨の種類の判別と、投入された硬貨が偽造硬貨でないか否かの判別とを行う)54と、硬貨返却口56とを有する。投入された硬貨のうち、硬貨返却口56からユーザに返却されなかったものは、金庫32に収容される。図5に示すように、硬貨セレクタ54に制御基板34がデータ通信可能に接続されており、その制御基板34は、硬貨セレクタ54から、投入された硬貨の種類(硬貨の単位と、偽造硬貨であるか否かの情報とを含む)と枚数を表す信号を受信する。
【0042】
図2に示すように、扉24の前面には、表示器36(例えば、液晶ディスプレイ)の画面からの表示光が透過する透過窓60と、硬貨投入口50、返却レバー52および硬貨返却口56と、プリンタ40によって印刷されて排出される駐車券を排出するための排出口64toが配置されている。透過窓60は、外部から表示器36への直接アクセスを阻止することによって表示器36を機械的に保護する機能も有する。
【0043】
制御基板34は、コンピュータ70を主体として構成されており、図5にフローチャートで表されている発券・精算プログラムをコンピュータ70に実行させる。この制御基板34は、時計72を内蔵しており、常に現在日時(入庫日時)を取得可能となっている。
【0044】
コンピュータ70は、その発券・精算プログラムを繰り返し実行する。各回の実行時には、まず、ステップS1において、駐車するためにユーザが支払うことが必要な駐車料金の額が表示器36の画面上に表示される。次に、ステップS2において、硬貨セレクタ54からの信号に基づき、ユーザによる硬貨の投入が待たれる。硬貨の投入があると、ステップS3において、硬貨セレクタ54からの信号に基づき、投入された硬貨が適正であるか否か、すなわち、投入された硬貨が偽造硬貨でなく、かつ、合計金額が、表示された駐車料金の額以上であるか否かが判定される。
【0045】
投入された硬貨が、偽造硬貨であるか、または料金不足である場合には、ステップS3の判定がNOとなり、ステップS4において、硬貨セレクタ54に対し、投入された硬貨を返却する指令が出される。以上で、この発券・精算プログラムの今回の実行が終了する。
【0046】
これに対し、投入された硬貨が、偽造硬貨ではなく、かつ、料金不足でもない場合には、ステップS3の判定がYESとなり、ステップS5において、時計72を用いて、現在日時が入庫日時として取得される。続いて、ステップS6において、プリンタ40により、図6に示す駐車券80が、その取得された入庫日時を含む情報をを表示するように、印刷される。その後、ステップS7において、印刷された駐車券80が排出口64を通過して排出され、その駐車券80は、ユーザに受領される。以上で、この発券・精算プログラムの今回の実行が終了する。
【0047】
なお付言するに、制御基板34は、コンピュータ70と同じ機能をシーケンサ(シーケンス制御)によって実現する形式とすることが可能である。
【0048】
図6(a)には、駐車券80が正面図で示される一方、図6(b)には、その駐車券80が縦断面図で示されている。この駐車券80は、表層としての表示シート(印刷用紙)82と、中間層としての粘着層83(糊の層)と、裏層としてのセパレータ(分離シート、剥離紙)84とがそれらの順に積層されて構成されている。粘着層83は、表示シート82の裏面に、容易には剥離しないように、塗布されており、表示シート82をセパレータ84の表面から剥がした状態では、粘着層83の糊は、セパレータ84の表面には付着しない。
【0049】
図6(a)に示すように、1枚分の駐車券80においては、表示シート82の外周が、セパレータ84の外周より内側に位置するようになっている。ローラ42に巻き付けられる原反は、連続したセパレータ84に、隙間を隔てて一列に並んだ複数枚の表示シート82(空白の状態)が接着されて構成されている。
【0050】
プリンタ40における連続シート(連続したセパレータ84)は、前記カッタにより切断され、その切断は、表示シート82間の隙間の位置において行われ、表示シート82に対する切断は行われない。一方、セパレータ84のうち、表示シート82間の隙間において露出する部分の表面には糊が付着していない。
【0051】
したがって、本実施形態によれば、連続シートの切断時に、前記切刃に粘着層83の糊が付着せずに済み、担当員による前記カッタのメンテナンスの頻度が減少し、ひいては、担当員にかかる人件費が低減される。
【0052】
図6(a)に示すように、この駐車券80は、領収書としての役割も兼ねている。そのため、この駐車券80の表示シート82の表面上には、プリンタ40により、「駐車券/領収書」という文字列と、入庫日時を表す文字・数字列と、駐車料金の額を表す文字・数字列と、この駐車券80が有効である時間帯の終了時刻を表す文字・数字列と、この駐車券80が有効である駐車場10を特定するための文字列とが印刷される。
【0053】
なお付言するに、図6(a)に示す駐車券80の例においては、駐車券80が有効である時間帯の終了時刻が翌日午前6時である。この例においては、ある日の午前6時から、翌日の午前6時までの時間帯が、ユーザによる駐車が許可される時間帯となっている。
【0054】
この表示シート82には、さらに、「駐車券/領収書」という文字列のすぐ上方に、両端を有する(閉じていない)切断線90が存在する。その切断線90は、ユーザが、表示シート82のうちの一部を、残りの部分はセパレータ84に接着されたままで、セパレータ84から剥がすことを可能にするために存在する。図6(b)に示すように、ユーザが、表示シート82の一部(切断線90によって包囲される領域)をセパレータ84から剥がして、切断線90の両端をつなぐ直線に沿って折り曲げると、その結果形成される折曲げ部92の表面(粘着層83のうち、その折曲げ部92の裏面に塗布されている部分)が、糊面として露出する。図7(a)には、その折曲げ部92が斜視図で示されている。
【0055】
本実施形態においては、ユーザによる駐車が不正駐車ではないことを証明するために、ユーザは、硬貨投入と引き換えに受領した駐車券80を、図7(b)に示すように、駐車車両のフロントガラス100の裏面に貼付することを要求される。そのため、ユーザは、図7(a)に示すように、駐車券80のうちの指定箇所(切断線90によって包囲された領域であって、最終的に折曲げ部92となる部分)を局部的に剥がして折り曲げたうえで、その折曲げ部92の表面を、図7(b)に示すように、駐車車両のフロントガラス100の裏面に貼付する。これにより、図8に示すように、駐車券80の内容(特に、入庫日時と、この駐車券80が有効である駐車場10の表示)を、外部からいつでも目視することが可能となる。
【0056】
ときには、ユーザは、自己の車両を、同じ日貸し式駐車場10に複数日連続して駐車することが必要となる。この場合には、ユーザは、連続した駐車期間の初日に、駐車券80を、ほぼ同じ日時に、駐車日数と同じ枚数分、購入するとともに、図9に示すように、それら購入した複数枚の駐車券80(図9に示す例においては、5日分の駐車券80)を全部、自己の車両のフロントガラス100の裏面に貼付することを要求される。
【0057】
初日の日付をX、駐車券80の枚数をYとすると、X日からY日間(駐車許可期間)が経過するまでの期間、すなわち、X日から、(X+(Y−1))日までの期間は、ユーザが駐車することが許可される。
【0058】
本実施形態においては、駐車場10に駐車されている各車両が不正駐車をしているか否かを判断するために、担当員が、駐車場10に駐車車両が存在する限りにおいて毎日、少なくとも1回、例えば、駐車車両が最大である可能性が高い時間帯(例えば、正午を含む前後2時間)に、今回の駐車場10に出向く。その担当員は、担当している駐車場および駐車車両に関する情報を取得し、その情報を、図10に示すように、自己の携帯電話(前記(1)項における「送信装置」の一例であり、また、携帯端末の一例)100を介して、管理センタ102に連絡する。管理センタ102は、複数人の担当員を使用して、他の駐車場を含む複数の駐車場を管理している。
【0059】
図10は、複数人の担当員の携帯電話100が、ネットワーク104を介して、管理センタ102と通信可能に接続されていることを示している。図11には、その管理センタ102が、本管理方法を実施するために使用する複数の機器が示されている。管理センタ102は、送信部および受信部を含む通信装置(前記(1)項における「受信装置」の一例)110と、制御装置112と、不正駐車リストを記憶する不正駐車リストメモリ114と、地図データベースを記憶する地図データベースメモリ116とを有している。制御装置112は、コンピュータ120を有している。通信装置110と制御装置112とは、互いにデータ通信可能に接続され、また、制御装置112と、不正駐車リストメモリ114および地図データベースメモリ116とは、互いにデータ通信可能に接続されている。
【0060】
図12には、担当員が行う作業がフローチャートで表されている。担当員は、携帯電話100から管理センタ102にメッセージを送信するために、まず、ステップS21において、今回のメッセージの宛先である管理センタ102のアドレスを携帯電話100に入力する。次に、ステップS22において、担当員は、自分が担当している駐車場10を特定するための情報(例えば、地名、番地、ID番号など)を今回のメッセージにキー入力する。
【0061】
続いて、ステップS23において、担当員は、担当している駐車場10に駐車されている各駐車車両ごとに、駐車車両の車両番号(ナンバプレート上の番号)を、今回のメッセージにキー入力する。その後、ステップS24において、担当員は、携帯電話100に内蔵されたカメラ(図示しない)により、各駐車車両のフロントガラス100を撮影する。その駐車車両のフロントガラス100に駐車券80が貼り付けられている場合には、もちろん、その駐車券80が写るように、フロントガラス100を撮影する。
【0062】
続いて、ステップS25において、担当員が前記カメラで駐車券80と共にフロントガラス100を撮影した撮影日と同日に、駐車場10を特定するための情報(駐車場位置情報)と、駐車車両の車両番号と、前記カメラによって撮影された画像を表す画像データと、前記カメラが駐車券80と共にフロントガラス100を撮影した撮影日時とを、互いに関連付けて、管理センタ102に送信する。
【0063】
図13には、管理センタ102において、制御装置112のコンピュータ120が実行する駐車場管理プログラムがフローチャートで概念的に表されている。
【0064】
この駐車場管理プログラムは、繰り返し実行され、各回の実行時には、まず、ステップS41において、いずれかの担当員からメッセージを受信するのが待たれる。受信したならば、ステップS42において、受信されたメッセージの送信元を表す情報から、そのメッセージの送信者である今回の担当員が特定される。続いて、ステップS43において、受信されたメッセージのうちの駐車場位置情報から、今回の対象駐車場10の位置が特定される。その後、ステップS44において、受信されたメッセージのうちの車両番号から、今回の対象車両が特定される。
【0065】
続いて、ステップS45において、今回のメッセージのうちの画像データに対する画像解析(パターン認識)が行われる。この画像解析においては、まず、今回の画像データから、駐車券画像を表すデータが抽出される。駐車券80は、形状、印刷内容等、基本的な幾何学的特徴が事前に分かっているから、もと画像データから駐車券画像データを抽出することが容易である。その後、抽出された駐車券画像データによって表される駐車券80の枚数が取得される。図8に示す例については、駐車券80の枚数が1枚であると解析され、また、図9に示す例においては、駐車券80の枚数が5枚であると解析される。
【0066】
続いて、各駐車券80に印刷されている入庫日時と、駐車場の場所とが解析される。いずれの解析結果も、制御装置112のメモリ(図示しない)に保存される。具体的には、各画像データごとに、駐車券80の枚数と、各駐車券80に印刷されている入庫日付と、駐車場の場所とが保存される。駐車券80が複数枚存在する場合には、画像上において駐車券80が並ぶ順序で駐車券80に番号が付され、各番号に関連付けて、入庫日時と、駐車場の場所とが保存される。
【0067】
ステップS45が終了すると、ステップS45aにおいて、撮影された駐車券80に印刷されている駐車場が、担当者から受信した駐車場と一致するか否か、すなわち、印刷されている駐車場が適切であるか否かが判定される。今回は、適切ではないと仮定すると、ステップS45aの判定がNOとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。その後、ステップS48において、今回の対象車両が不正駐車しているという内容が反映されるように、図14に示す不正駐車リストが更新される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0068】
これに対し、今回は、印刷されている駐車場が適切であると仮定すると、ステップS45aの判定がYESとなり、ステップS46に移行する。
【0069】
このステップS46においては、撮影された駐車券80の枚数が0枚であるか否か、すなわち、対象車両のフロントガラス100に駐車券80が1枚も貼り付けられていないか否かが判定される。今回は、0枚であると仮定すると、ステップS46の判定がYESとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。その後、ステップS48において、今回の対象車両が不正駐車しているという内容が反映されるように、図14に示す不正駐車リストが更新される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0070】
これに対し、今回は、撮影された駐車券80の枚数が0枚ではないと仮定すると、ステップS46の判定がNOとなり、ステップS49に移行する。
【0071】
このステップS49においては、撮影された駐車券80の枚数が1枚であるか否かが判定される。今回は、1枚であると仮定すると、ステップS49の判定がYESとなり、ステップS50において、前記メモリから、対応する駐車券80についての入庫日付が読み込まれ、
【0072】
続いて、ステップS48において、読み込まれた入庫日時のうち日付の部分(以下、「入庫日」という。)が、本日(これは、担当員が前記カメラで、駐車券80と共にフロントガラス100を撮影した日でもあり、担当員がその撮影データを管理センタ110に送信した日でもある)の日付と一致しないか否かが判定される。
【0073】
今回は、一致しないと仮定すると、ステップS51の判定がYESとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。
【0074】
すなわち、本実施形態においては、ステップS47およびS49ないしS52が、フロントガラス100に駐車券80が1枚しか貼り付けられていない場合に、その駐車券80の撮影日と、その駐車券80に印刷されている入庫日とが互いに一致するか否かを判定し、一致する場合に、対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第1部分判定工程を構成しているのである。
【0075】
その後、ステップS48において、今回の対象車両が不正駐車しているという内容が反映されるように、不正駐車リストが更新される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0076】
なお付言するに、図6(a)に示す駐車券80の例においては、翌日の午前6時までの駐車が可能であるが、担当員は、午前0時から午前6時までの時間帯に駐車場10に出向くことはないから、フロントガラス100の裏面に貼り付けられている駐車券80に印刷されている入庫日の日付と、担当員がその駐車券80を撮影してその画像データを管理センタ102に送信した日の日付とを互いに比較しても、問題はない。
【0077】
これに対し、今回は、入庫日が本日の日付と一致すると仮定すると、ステップS48の判定がNOとなり、ステップS52において、対象車両が不正駐車をしていないと判定される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0078】
以上、撮影された駐車券80の枚数が1枚である場合を説明したが、複数枚である場合には、ステップS49の判定がNOとなり、ステップS53において、前記メモリから、対応する複数枚の駐車券80についての入庫日付が読み込まれ、続いて、ステップS54において、すべての駐車券80について読み込まれた入庫日時のうち日付の部分(以下、「入庫日」という。)が互いに一致しないか否かが判定される。
【0079】
今回は、一致しないと仮定すると、ステップS54の判定がYESとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。
【0080】
これに対し、今回は、すべての駐車券80のについて読み込まれた入庫日が互いに一致すると仮定すると、ステップS54の判定がNOとなり、ステップS55に移行する。
【0081】
このステップS54においては、入庫日Xから、複数枚の駐車券80の枚数と同数の日が経過する期間(駐車許可期間)Yの終了日(X+(Y−1))が駐車終了日として計算される。続いて、ステップS56において、その計算された駐車終了日が、本日(これは、担当員が前記カメラで、駐車券80と共にフロントガラス100を撮影した日でもあり、担当員がその撮影データを管理センタ110に送信した日でもある)より前であるか否か、すなわち、本日より前に、駐車許可期間が終了したか否かが判定される。
【0082】
今回は、駐車終了日が本日より前であると仮定すると、ステップS56の判定がYESとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。
【0083】
その後、ステップS48において、今回の対象車両が不正駐車しているという内容が反映されるように、不正駐車リストが更新される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0084】
これに対し、今回は、駐車終了日が本日より前ではないと仮定すると、ステップS56の判定がNOとなり、ステップS52において、対象車両が不正駐車をしていないと判定される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0085】
すなわち、本実施形態においては、ステップS47およびS53ないしS56が、フロントガラス100に駐車券80が複数枚貼り付けられている場合に、それら複数枚の駐車券80に同じ入庫日が印刷されているか否かを判定し、同じ入庫日が印刷されている場合に、駐車券80の撮影日が、入庫日から、複数枚の駐車券80の枚数と同数の日が経過する期間内に存在するか否かを判定し、存在すれば、対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第2部分判定工程を構成しているのである。
【0086】
図14に示すように、不正駐車リストは、案件番号ごとに、不正駐車している車両の車両番号と、その車両が駐車している駐車場10と、不正駐車が発見された日と、その不正駐車に対する処理が完了したか否かをの情報とを、互いに関連付けて登録している。
【0087】
図15には、管理センタ102において、不正駐車の現場に担当員を派遣して不正駐車を停止させる対策を担当員に行わせるために、制御装置112のコンピュータ120が実行する担当員派遣プログラムがフローチャートで概念的に表されている。
【0088】
この担当員派遣プログラムは、繰り返し実行され、各回の実行時には、まず、ステップS81において、案件番号iが1にセットされる。次に、ステップS82において、不正駐車リストにおいて、案件番号iの現在値が割当てられた不正駐車案件が検索される。続いて、ステップS83において、検索された不正駐車案件に関連付けて記憶されている情報に基づき、今回の不正駐車案件が処理済であるか否かが判定される。
【0089】
今回は、処理済であると仮定すると、ステップS83の判定がYESとなり、ステップS84において、案件番号iが1だけインクリメントされる。その後、ステップS85において、案件番号iの現在値が最大値(不正駐車リストに現在登録されている不正駐車案件の総数)より大きいか否かが判定される。案件番号iの現在値が最大値より大きくはない場合には、ステップS85の判定がNOとなり、ステップS82に戻るが、大きい場合には、ステップS85の判定がYESとなり、この担当員派遣プログラムの今回の実行が終了する。
【0090】
これに対し、検索された今回の不正駐車案件が処理済ではないと仮定すると、ステップS83の判定がNOとなり、ステップS86において、地図データベースメモリ116に記憶されている地図データベースのうち、今回の対象駐車場10の近傍(例えば、今回の対象駐車場10から半径5km以内の地区)を表す部分(図16参照)が、今回の対象エリアとして選択され、その対象エリアにアクセスされる。
【0091】
続いて、ステップS87において、今回の対象エリア内に存在する複数人の担当員の各々について、その所在地と今回の対象駐車場10との直線距離Dが計算される。例えば、図16に示す例においては、担当員Aの所在地と今回の対象駐車場10との直線距離Dが、DAで表されている。その後、ステップS88において、それら担当員のうち、その所在地と今回の対象駐車場10との直線距離Dが最小であるものが、今回の対象駐車場10に派遣すべき担当員に選択される。
【0092】
続いて、ステップS89において、その選択された担当員の携帯電話100に電話がかけられ、これにより、今回の担当員に対し、今回の対象駐車場10に出動し、不正駐車の停止を促す対策(例えば、不正駐車をしている車両に貼紙をして、不正駐車であることの告知ををする)を講ずるこことを指示する。その後、ステップS84に移行する。
【0093】
図17には、管理センタ102において、複数の担当員との通信により、各担当員の最新の所在地を反映するように、図16に示す地図データベースを更新するために、制御装置112のコンピュータ120が実行する地図データベース更新プログラムがフローチャートで概念的に表されている。
【0094】
この地図データベース更新プログラムは、繰り返し実行され、各回の実行時には、まず、ステップS101において、担当員番号jが1にセットされる。次に、ステップS102において、担当員番号jの現在値を割当てられた担当員の携帯電話100に電話がかけられる。その携帯電話100は、GPS機能を有していて、各担当員は、管理センタ102から電話があると、自分の所在地をそのGPS機能を用いて測定し、その結果を、携帯電話100を通して管理センタ102に報告する。
【0095】
続いて、ステップS103において、管理センタ102は、今回の担当員の携帯電話100から、その担当員の所在地を表す情報を受信する。その後、ステップS104において、今回の担当員の所在地が反映されるように、地図データベースを更新する。その後、ステップS105において、担当員番号jが1だけインクリメントされる。続いて、ステップS106において、担当員番号jの現在値が最大値(その日に出動可能な担当員の総数)より大きいか否かが判定される。担当員番号jの現在値が最大値より大きくはない場合には、ステップS106の判定がNOとなり、ステップS102に戻るが、大きい場合には、ステップS106の判定がYESとなり、この地図データベース更新プログラムの今回の実行が終了する。
【0096】
本実施形態においては、セパレータ84の裏面に、ブラックマークが、表示シート82ごとに、かつ、それの先頭位置に対応する位置に予め印刷されている。プリンタ40は、センサ(図示しない)により、そのブラックマークを光学的に読み取ることにより、これから印刷しようとする表示シート82の先頭位置を検出し、印刷を開始する。したがって、プリンタ40は、ローラ42の最新の交換時期からの、表示シート82の使用枚数(消費枚数)をカウントできる。また、表示シート82の枚数の最大値(使用前のローラ42に巻き付けられている表示シート82の枚数)は既知であるから、表示シート82の使用枚数のカウント値(使用枚数カウント値)から、表示シート82の残量を計算することが可能である。
【0097】
本実施形態においては、制御基板34が、プリンタ40からの信号に基づき、プリンタ40の前記センサがセパレータ84の裏面上のブラックマークを読み取るごとに、前記使用枚数カウント値を、前記最大値からカウントダウンし、それにより、そのカウントダウン後のカウント値(表示シート82の残量)を表示器36の画面上に常時表示する。これにより、担当員は、発券機20の扉24を開けて内部を調べなくても、表示器36を見るだけで、ローラ42の交換というメンテナンスの要否を判断することが可能となり、担当員の負担が軽減される。
【0098】
さらに、本実施形態においては、制御基板34が、硬貨セレクタ54からの信号に基づき、駐車券80の購入履歴(駐車券80の購入日時および投入硬貨の金額に関する履歴)を、表示器36内のリムーバル・メモリ(図示しない)に記録する。担当者は、そのリムーバル・メモリを表示器36から取り外して自己のPCに装着し、そのPCにおいて、駐車券80の購入履歴を確認し、ひいては、金庫32に収容されているはずである硬貨の総額を予想することが可能である。
【0099】
さらに、本実施形態においては、制御基板34が、表示シート82の残量が不足していたり、発券機20が故障すると、表示器36の画面のバックグラウンド光の色を、例えば、通常の色である緑から、警告を意味する赤に変更する。これにより、担当者は、発券機20の扉24を開けて内部を調べなくても、表示器36を見るだけで、発券機20のメンテナンスの要否を判断することが可能となり、担当員の負担が軽減される。
【0100】
ところで、本実施形態においては、駐車券80を、駐車車両の室内において、駐車券80の印刷内容を車外から目視できるように配置する位置の一例として、フロントガラス100の裏面が選択されている。したがって、ユーザがフロントガラス100の背後にサンシェードを配置する場合でも、駐車券80からの反射光がそのサンシェードによって遮られずに済み、常時、駐車券80を車外から観察することができる。これに対し、駐車券80を駐車車両の室内のダッシュボードの上面に置くようにユーザに要求することも可能であり、この場合には、ユーザは駐車券80をダッシュボードの上面に貼付することは不可欠ではなく、単に置くだけでよい。
【0101】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、図12に示すステップS24が、前記(1)項における「撮影工程」の一例を構成し、同図に示すステップS25が、同項における「送信工程」の一例を構成し、図13に示すステップS41が、同項における「受信工程」の一例を構成し、同図におけるステップS42ないしS56が、同項における「判定工程」の一例を構成し、それらステップのうち、ステップS47ないしS52が、同項における「第1部分判定工程」の一例を構成し、図15に示すステップS81ないしS89が、同項における「選択工程」の一例を構成しているのである。
【0102】
さらに、本実施形態においては、図13におけるステップS47、S48およびS52ないしS56が、前記(2)項における「第2部分判定工程」の一例を構成しているのである。
【0103】
なお付言するに、本実施形態においては、駐車場10を1日単位でユーザに貸し出すようになっているが、24時間より短い連続時間(例えば、3時間とか、6時間とか、半日)の単位でユーザに貸し出す態様(時間貸し)で本発明を実施することが可能である。
【0104】
この態様においては、図13に示すプログラムのうち、ステップS51が、駐車券80の撮影日時(これは、管理センタ34が携帯電話100から受信する)が、その駐車券80に印刷されている入庫日時から所定時間(例えば、6時間)が経過するまでの駐車許可時間帯内に存在するか否かを判定し、存在する場合に、対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定するステップに変更される。
【0105】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素が多いため、共通する要素については、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0106】
第1実施形態においては、駐車場10に駐車している各車両の車両番号および各車両のフロントガラス100の裏面に貼り付けられている駐車券80に関する情報が、担当員によって取得され、その情報が、管理センタ102に送信される。
【0107】
これに対し、本実施形態においては、図18に示すように、駐車場10の略中央に、門型のフレーム140が設置され、そのフレーム140の中央に監視ユニット150が装着されている。この監視ユニット150は、図19(a)に示すように、駐車場10の全体を撮像可能なカメラ152と、管理センタ102との通信を行う通信部154とを備えている。
【0108】
カメラ152は、ズーム機能およびパン機能を有し、また、管理センタ102から遠隔操作可能である。カメラ152の倍率、アングルおよび撮影タイミングは、管理センタ102によって自由に決定することができる。図19(b)には、カメラ152により、1台の車両について撮影された画像の一例が示されている。この画像には、対象車両の車両番号と駐車券80とが含まれている。
【0109】
カメラ152は、通信部154にデータ通信可能に接続されており、カメラ152によって生成された画像データが通信部154に転送され、その通信部154は、その画像データを管理センタ102に無線または有線で送信する。管理センタ102においては、受信した画像データを、前述のパターン認識技術によって解析し、その画像データから、車両番号と、駐車券80に印刷されている内容(少なくとも、入庫日時と、駐車場の場所)とを抽出する。
【0110】
本実施形態によれば、画像データの取得およびその画像データの管理センタ102への送信が、担当員の介入なしで行われるため、さらなる省力化が可能となる。
【0111】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、監視ユニット150が、カメラ152を用いて自動的に撮像する工程が、前記(1)項における「撮影工程」の一例を構成し、また、監視ユニット150が、その撮像データを自動的に管理センタ102に送信する工程が、同項における「送信工程」の一例を構成しているのである。
【0112】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1または第2実施形態と共通する要素が多いため、共通する要素については、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0113】
第1および第2実施形態においては、図6に示すように、1枚の駐車券80が、表示シート82の層と、粘着層と、セパレータ84の層とがそれらの順に積層されて構成され、さらに、粘着層が表示シート82の裏面に、容易には剥離しないように、塗布される。表示シート82の全体をセパレータ84から剥がすと、表示シート82の裏面に粘着層が存在する。また、ローラ42に巻き付けて収容するために、セパレータ84の連続シート上に、複数枚の表示シート82が相互に間隔をあけて接着されて、この原反から1枚の駐車券80を取り出すために、セパレータ84の連続シートが切断される。
【0114】
これに対し、本実施形態においては、図20には正面図で、図21には縦断面図で示すように、1枚の駐車券80が、表示シート82の層と、粘着層200と、セパレータ84の層とがそれらの順に積層されて構成され、さらに、粘着層200がセパレータ84の表面に剥離不能(または容易には剥離しないように)塗布される。表示シート82の全体をセパレータ84から剥がすと、セパレータ84の表面に粘着層200が存在する。また、ローラ42に巻き付けて収容するために、表示シート82の連続シート上に、複数枚のセパレータ84が相互に間隔をあけて接着されて、この原反から1枚の駐車券80を取り出すために、表示シート82の連続シートが、前記カッタの切刃により、各切断線202において切断される。
【0115】
図20に示すように、駐車券80については、表示シート82の上部に、それを幅方向に横切る切取り線(パーフォレーション、ミシン目)204が、前記原反のローラ42への装填前から形成されている。この切取り線204は、表示シート82のみに形成され(貫通し)、少なくともセパレータ84には形成されない(貫通しない)。
【0116】
1枚の駐車券80が原反から切り離されてプリンタ40によって印刷され、その後、ユーザに排出されると、ユーザは、表示シート82のうち、切取り線204より上方の部分210をセパレータ84から剥がす。これにより、粘着層200のうち、残る表示シート82によって被覆されていない部分が露出する。その後、ユーザは、図22に示すように、露出した粘着層200をフロントガラス100の裏面に貼り付ける。
【0117】
ところで、第1および第2実施形態においては、折曲げ部92がフロントガラス100の裏面に貼り付けられるが、その折曲げ部92は、図6(a)に示すように、表示シート82から切り曲げられ、その切曲げ位置に応力が集中し易い。そのため、ユーザが駐車券80をフロントガラス100の裏面に貼り付けた後、折曲げ部92が、表示シート82の他の部分から切り離され、その結果、折曲げ部92のみがフロントガラス100の裏面に残って、表示シート82の他の部分(肝心の印刷部分)が落下してしまう可能性があった。
【0118】
これに対し、本実施形態によれば、駐車券80がフロントガラス100の裏面に貼り付けられている状態において、駐車券80の重量全部を支持するセパレータ84に、切欠きや切曲げ部といった応力が集中し易い部位が存在しないから、駐車券80のうち、フロントガラス100の裏面に貼り付けられている部分が、表示シート82の他の部分から切り離されてしまう可能性がない。
【0119】
よって、本実施形態によれば、ユーザが駐車券80をフロントガラス100の裏面に貼り付けた後、駐車券80のうち肝心な印刷部分が落下せずに済む。
【0120】
さらに、本実施形態によれば、ユーザが駐車を終えて自己の車両を駐車場10から出庫させた後、駐車券80を領収書として使用することが必要である場合、ユーザは、表示シート82をセパレータ84から剥がす。このとき、粘着層200は、セパレータ84に残留するため、表示シート82、すなわち、領収書として機能するシートの裏面が粘着性を有せずに済む。
【0121】
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のための複数の駐車位置を有する前払い式の無人駐車場を管理する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、設備コストがかからず管理が容易で十分に採算がとれる自転車を対象とした駐車場を管理する技術を開示している。この技術によれば、駐車場に、不正駐車を行った自転車の出庫を阻止するための装置を設置せずに済むため、必要な設備コストが低減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−242537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された技術では、ユーザは、発券機に対し、駐車に先立って駐車料金を支払うために、ユーザ識別番号を発券機に入力しなければならず、面倒であった。また、それに伴い、発券機は、ユーザ識別番号を入力する機能と、入力されたユーザ識別番号を表すデータを記録する機能と、その記録されたデータを外部に出力する機能とを有するように設計しなければならず、発券機の設備コストを低減させるにも限界があった。
【0005】
このような事情を背景とし、本発明は、駐車場を利用するユーザの負担を軽減するとともに、発券機の設備コストを低減させることが容易である駐車場管理方法を提供することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
【0007】
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
【0008】
(1) 自動車のための複数の駐車位置を有する日貸し・前払い式の無人駐車場を管理する駐車場管理方法であって、
前記駐車場には、前記複数の駐車位置について共通に使用される発券機は設置されているが、不正駐車を行った車両の出庫を阻止するための装置は設置されておらず、
前記発券機は、駐車券を発行する機能に加えて駐車料金の精算機能も有するが、釣銭機能も通信機能も有せず、
その発券機は、駐車に先立って前記駐車券を発行するために、ユーザが前記駐車料金を硬貨のみで支払うことは要求するが、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報の入力も、前記複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も要求せず、
その発券機は、
硬貨が投入される硬貨投入口と、
前記駐車料金が支払われるごとに、1枚ずつ、駐車券を発行し、その駐車券に、前記ユーザの前記駐車場への入庫日を印刷するプリンタと
を含み、
前記駐車券は、
前記発券機による発行後、ユーザにより、駐車車両の室内に、前記駐車券の印刷内容を車外から前記駐車車両の窓ガラスを通して視認することが可能である位置に配置され、
当該駐車場管理方法は、
前記駐車車両を対象車両として、その対象車両の室内に配置されている少なくとも1枚の駐車券の画像を前記対象車両の外部からカメラによって撮影する撮影工程と、
その撮影日と、その撮影された画像を表す画像データと、前記対象車両の車両番号と、前記駐車場の位置とを、互いに関連付けて、送信装置を用いて、管理センタの受信装置に送信する送信工程と、
前記受信装置が、前記撮影日と前記画像データと前記車両番号と前記駐車場の位置とを互いに関連付けて受信する受信工程と、
前記発券機との通信を行うことなく、前記受信装置が受信した画像データに基づき、前記受信装置が受信した車両番号により特定される対象車両の駐車が不正駐車であるか否かを判定する判定工程と、
複数人の担当員のそれぞれの現在位置に関する情報と、前記駐車場の位置に関する情報とに基づき、前記複数人の担当員のうち、前記不正駐車が行われていると判定された駐車場に出動させる担当員を選択する選択工程と
を含み、
前記判定工程は、
前記受信した画像データにより、前記対象車両の室内に前記駐車券が1枚のみ配置されているか否かを判定し、前記駐車券が1枚のみ配置されている場合に、前記撮影日と、前記受信した画像データにより表される駐車券に印刷されている前記入庫日とが互いに一致するか否かを判定し、一致する場合に、前記対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第1部分判定工程を含む駐車場管理方法。
【0009】
(2) 前記判定工程は、さらに、
前記受信した画像データにより、前記対象車両の室内に前記駐車券が複数枚配置されているか否かを判定し、前記駐車券が複数枚配置されている場合に、前記受信した画像データにより、前記複数枚の駐車券に同じ入庫日が印刷されているか否かを判定し、同じ入庫日が印刷されている場合に、前記撮影日が、前記入庫日から、前記複数枚の駐車券の枚数と同数の日が経過する期間内に存在するか否かを判定し、存在すれば、前記対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第2部分判定工程を含む(1)項に記載の駐車場管理方法。
【0010】
(3) 自動車のための複数の駐車位置を有する前払い式の無人駐車場を管理する駐車場管理方法であって、
前記駐車場には、前記複数の駐車位置について共通に使用される発券機は設置されているが、不正駐車を行った車両の出庫を阻止するための装置は設置されておらず、
前記発券機は、駐車券を発行する機能に加えて駐車料金の精算機能も有するが、釣銭機能も通信機能も有せず、
その発券機は、駐車に先立って前記駐車券を発行するために、ユーザが前記駐車料金を硬貨のみで支払うことは要求するが、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報の入力も、前記複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も要求せず、
その発券機は、
硬貨が投入される硬貨投入口と、
前記駐車料金が支払われるごとに、1枚ずつ、駐車券を発行し、その駐車券に、前記ユーザの前記駐車場への入庫日時を印刷するプリンタと
を含み、
前記駐車券は、
前記発券機による発行後、ユーザにより、駐車車両の室内に、前記駐車券の印刷内容を車外から前記駐車車両の窓ガラスを通して視認することが可能である位置に配置され、
当該駐車場管理方法は、
前記駐車車両を対象車両として、その対象車両の室内に配置されている少なくとも1枚の駐車券の画像を前記対象車両の外部からカメラによって撮影する撮影工程と、
その撮影日時と、その撮影された画像を表す画像データと、前記対象車両の車両番号と、前記駐車場の位置とを、互いに関連付けて、送信装置を用いて、管理センタの受信装置に送信する送信工程と、
前記受信装置が、前記撮影日時と前記画像データと前記車両番号と前記駐車場の位置とを互いに関連付けて受信する受信工程と、
前記発券機との通信を行うことなく、前記受信装置が受信した画像データに基づき、前記受信装置が受信した車両番号により特定される対象車両の駐車が不正駐車であるか否かを判定する判定工程と、
複数人の担当員のそれぞれの現在位置に関する情報と、前記駐車場の位置に関する情報とに基づき、前記複数人の担当員のうち、前記不正駐車が行われていると判定された駐車場に出動させる担当員を選択する選択工程と
を含み、
前記判定工程は、
前記受信した画像データにより、前記対象車両の室内に前記駐車券が1枚のみ配置されているか否かを判定し、前記駐車券が1枚のみ配置されている場合に、前記撮影日時が、前記受信した画像データにより表される駐車券に印刷されている前記入庫日時から所定時間が経過するまでの駐車許可時間帯内に存在するか否かを判定し、存在する場合に、前記対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第1部分判定工程を含む駐車場管理方法。
【0011】
(4) 前記駐車券は、ユーザにより、駐車車両の内部からその車両の透明な窓ガラスの裏面に、前記駐車券の印刷内容を車外から前記窓ガラスを通して視認することが可能であるように貼り付けられる(1)ないし(3)項のいずれかに記載の駐車場管理方法。
【0012】
(5) 前記駐車券は、前記プリンタによって印刷される印刷面を表面に有する表示シートの層と、粘着層と、セパレータの層とがそれらの順に積層されて構成されており、前記駐車券は、前記粘着層を利用して、前記窓ガラス裏面に貼り付けられる(4)項に記載の駐車場管理方法。
【0013】
(6) 前記駐車券は、前記粘着層のうち、前記表示シートのうちの一部が前記セパレータからユーザによって剥がされることによって露出した部分を利用して、前記窓ガラス裏面に貼り付けられる(5)項に記載の駐車場管理方法。
【0014】
(7) 前記粘着層は、前記表示シートの裏面に塗布され、その粘着層は、前記セパレータの表面に剥離可能に接着される(4)または(5)項に記載の駐車場管理方法。
【0015】
(8) 前記粘着層は、前記セパレータの表面に塗布され、その粘着層は、前記表示シートの裏面に剥離可能に接着される(4)または(5)項に記載の駐車場管理方法。
【0016】
(9) (1)ないし(8)項のいずれかに記載の駐車場管理方法を実行するためにコンピュータによって実行されるプログラム。
【0017】
(10) (9)項に記載のプログラムをコンピュータ読取り可能に記録した記録媒体。
【0018】
この記録媒体は種々な形式を採用可能であり、例えば、フレキシブル・ディスク等の磁気記録媒体、CD、CD−ROM等の光記録媒体、MO等の光磁気記録媒体、ROM等のアンリムーバブル・ストレージ等のいずれかを採用し得るが、それらに限定されない。
【0019】
(11) ユーザが自己の車両を所定の駐車場に駐車することを許可してもらうために前記ユーザが駐車料金を支払って購入する駐車券であって、
当該駐車券の両面のうちの一方に印刷面が形成され、
その印刷面に、前記車両の入庫日時、前記駐車場の名称等、前記ユーザの駐車の内容を特定する事項と、当該駐車券を購入するために前記ユーザが前記駐車料金を支払ったことを証明する領収書とが印刷され、
当該駐車券は、前記印刷面を表面に有する表示シートの層と、粘着層と、セパレータの層とがそれらの順に積層されて構成されており、
前記粘着層は、前記セパレータの表面に剥離不能にまたは容易には剥離しないように塗布されるとともに、その粘着層は、前記表示シートの裏面に剥離可能にまたは容易に剥離するように接着され、
前記駐車券の発行後、前記ユーザにより、前記表示シートのうちの一部が、前記粘着層から剥がされることによって、その粘着層のうちの一部が露出し、前記ユーザにより、その露出部が、前記車両の窓ガラス裏面に貼り付けられ、それにより、前記印刷面を車外から前記窓ガラスを通して視認することが可能である状態で前記窓ガラスの裏面に貼り付けられる駐車券。
【0020】
ユーザが購入した駐車券を、所定の駐車場での駐車中に、駐車場管理者が目視によって確認可能とするために、駐車券を、駐車車両の窓ガラスの裏面に貼り付けることがユーザに要求される場合がある。
【0021】
本項に係る駐車券は、それ自体に粘着層を有していて、印刷面を有する表示シートを裏板であるセパレータから部分的に剥がすと、粘着層が部分的に露出し、その露出部を用いて、当該駐車券を窓ガラス裏面に貼り付けることができる。
【0022】
窓ガラスへの貼り付け状態においては、粘着層およびセパレータの全体が、窓ガラスとの貼り付け位置から垂れ下がり、その垂れ下がり部からさらに、表示シートが垂れ下がる。この際、セパレータには、当該駐車券の重量全部を支持するために、テンションが発生するが、当該駐車券によれば、セパレータが、切曲げ部を介して窓ガラスに貼り付けられないため、セパレータに応力が集中する部位が発生せずに済む。
【0023】
よって、当該駐車券によれば、窓ガラスへの貼り付け後に、当該駐車券のうちの一部が応力集中によって予定外に破断して落下し、駐車場管理者が当該駐車券を、ユーザがそれを実際に購入したにもかかわらず、そのことを確認できないという事態が発生せずに済む。その結果、当該駐車券によれば、接着に対する信頼性が向上する。
【0024】
さらに、当該駐車券によれば、表層である表示シートの表面に領収書が印刷されており、ユーザがその領収書を特定の部署に提出することが必要である場合には、ユーザは、その表示シートの全体をセパレータから剥がすが、この際、粘着層はセパレータに残存するため、領収書の裏面が粘性を有せずに済む。その結果、当該駐車券によれば、領収書としての機能を損なうことなく、窓ガラスへの貼り付けが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、前払い式の無人駐車場において、駐車に先立って駐車券を発行するために、ユーザが、駐車料金を硬貨のみで発券機に支払うとともに、その発行された駐車券を、ユーザが、駐車しようとする自己の車両の室内に、車外から目視できるように配置されることを条件に、発券機を、釣銭機能も通信機能も有せず、また、ユーザに対し、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報の入力も、複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も要求しないように設計することが可能になる。
【0026】
よって、本発明によれば、発券機の機能のさらなる単純化が容易となり、発券機の設備コストをさらに低減させることが容易となる。さらに、本発明によれば、駐車場を利用しようとするユーザは、駐車に先立って駐車券を発行するために、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報の入力も、複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も行わずに済むから、ユーザの負担が増加せずに済む。
【0027】
さらに、本発明によれば、駐車券が、駐車車両の室内に置かれるため、天候によって損傷することも、紛失することもない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に従う駐車場管理方法が実施される無人駐車場の一例を示す平面図である。
【図2】図2は、図1に示す駐車場に設置される発券機を示す正面図である。
【図3】図3は、図2に示す発券機を、扉が開いている状態で示す斜視図である。
【図4】図4は、図2に示す発券機の部品構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図4に示すコンピュータによって実行される発券・精算プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図6】図6(a)は、図2に示す発券機によって発行される駐車券の一例を示す正面図であり、図6(b)は、その駐車券を、発行直後の状態と、一部が剥がされて折り曲げられた状態とで示す縦断面図である。
【図7】図7(a)は、図6に示す駐車券を、駐車車両のフロントガラスの裏面に貼り付けられた状態で示す側面断面図であり、図7(b)は、その駐車券を、それの表示シートの一部がセパレータから剥がされて折り曲げられた状態で示す斜視図である。
【図8】図8は、駐車車両のフロントガラスを撮影した画像の一例であって、そのフロントガラスの裏面に、図6に示す駐車券が1枚のみ貼り付けられているものを示す図である。
【図9】図9は、駐車車両のフロントガラスを撮影した画像の別の例であって、そのフロントガラスの裏面に、図6に示す駐車券が5枚貼り付けられているものを示す図である。
【図10】図10は、前記駐車場管理方法を実施するために作業する複数人の担当員が携帯する携帯電話と管理センタとがネットワークを介して接続されている様子を示す図である。
【図11】図11は、図10に示す管理センタに設置されている通信・情報処理関連機器を示すブロック図である。
【図12】図12は、前記駐車場管理方法を実施するために各担当員が行うべき作業を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図11に示す制御装置のコンピュータによって実行される駐車場管理プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図14】図14は、図11に示す不正駐車リストメモリに記憶される不正駐車リストの内容の一例を示す図である。
【図15】図15は、図11に示す制御装置のコンピュータによって実行される担当員派遣プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図16】図16は、図11に示す地図データベースメモリに記憶される地図データベースの内容の一例を示す図である。
【図17】図17は、図11に示す制御装置のコンピュータによって実行される地図データベース更新プログラムを概念的に表すフローチャートである。
【図18】図18は、本発明の第2実施形態に従う駐車場管理方法が実施される駐車場の一例を示す斜視図である。
【図19】図19(a)は、図18に示す監視ユニットの構成を示すブロック図であり、図19(b)は、図19(a)に示すカメラによって撮像される画像の一例を示す図である。
【図20】図20は、本発明の第3実施形態に従う駐車場管理方法を実施するために使用される駐車券を示す正面図である。
【図21】図21は、図20に示す駐車券が取り出される原反を示す側面断面図である。
【図22】図22は、図20に示す駐車券を、駐車車両のフロントガラスの裏面に貼り付けられている状態で示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のうちのいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1には、本発明の第1実施形態に従う駐車場管理方法(以下、単に「管理方法」という。)が実施される駐車場10が平面図で示されている。その駐車場10は、同時に、複数台の自動車の駐車を可能にする複数の駐車位置(駐車スペース)を有する。この駐車場10の唯一の入出庫口12(入庫口でもあるし出庫口でもある)の近傍位置に、1台の発券機(一般には、「精算機」ともいう。)20が、複数の駐車位置に共通に、集中発券機として設置されている。この駐車場10は、専従者がおらず、運転者であるユーザが駐車料金の支払いを発券機20に対して行う無人式である。
【0031】
この駐車場10の敷地には、2種類の駐車区画が存在する。それは、各車両のユーザに対し、1日単位で駐車スペースを貸し出すための区画(一時預り区画または日貸し用区画)と、各車両のユーザに対し、事前の契約を前提に、1月単位で駐車スペースを貸し出すための区画(月極用区画)とである。本管理方法は、一時預り区画について実施される。以下、単に「駐車場10」というときには、この駐車場10のうち、一時預り区画、すなわち、本管理方法が実施されるエリアのみを意味する。
【0032】
本明細書の全体を通じて、「1日」という用語は、狭義には、ある日の午前0時0分から午後11時59分までの24時間を意味し、また、広義には、ある日のある時刻から、翌日の同じ時刻までの24時間を意味し、また、場合によっては、狭義の「1日」における通常の日貸し駐車時間帯(例えば、午前9時から午後5時までの時間帯を含む時間帯)を意味する。すなわち、「1日」という用語は、必ずしも、24時間を意味せず、24時間より短い時間を意味することが可能である。
【0033】
駐車場10を利用するために、ユーザである運転者は、自己の車両を運転して、隣接道路から入出庫口12に進入し、引き続いて運転して発券機20を素通りし、さらに、自己の車両を、自身で選択したいずれかの駐車スペース(駐車位置)まで運転してそこに駐車する。その後、ユーザは、自己の車両から降りて、入出庫口12にある発券機20まで歩いていき、そこで駐車料金を発券機20に対して支払う。
【0034】
ユーザは、駐車料金の支払いと引き換えに、領収書付きの駐車券を発券機20から受け取る。その後、後に詳述するように、ユーザは、その駐車券を持って、自己の車両に戻り、その駐車券を、自己の車両のフロントガラス(前記(3)項における「窓ガラス」の一例であるが、その「窓ガラス」は、フロントガラスに限定されない)の裏面に貼り付ける。その駐車券は、駐車車両の室内に置かれるため、雨風に曝されることはないし、紛失することもない。
【0035】
この駐車場10は、複数の駐車位置を有する日貸し・前払い式の無人駐車場であって、車両の出庫を阻止する(駐車場10からの退出を阻止する)ための装置(例えば、ゲート開閉装置や、車止め装置(例えば、フラップや出没具))を有せず、かつ、ユーザが前記複数の駐車位置のうちのいずれかを自由に選んで自己の車両を駐車することが可能である(選択された駐車位置は、発券機20によって監視されない)。このように構成された駐車場10を管理するために本管理方法が実施される。
【0036】
図2には、発券機20のみが拡大されて正面図で示されている。概略的に説明するに、この発券機20は、料金精算機能は有するが釣銭機能も通信機能も有しない。この発券機20は、ユーザが駐車料金を、紙幣ではなく硬貨のみで支払うことを要求する。また、この発券機20は、ユーザに対し、ユーザ識別番号の入力も、ユーザの車両についての車両識別情報(例えば、車両番号)の入力も、複数の駐車位置のうちユーザが選択するものの特定も、要求しない。
【0037】
この発券機20は、縦長で箱状を成すケーシング22に扉24がそれの一側辺において開閉可能に取り付けられて構成されている。図3には、この発券機20の内部構成が、扉24が開いている状態で、斜視図で示されている。図4には、この発券機20の部品構成がブロック図で示されている。
【0038】
図3に示すように、この発券機20は、硬貨処理ユニット30と、金庫32と、制御基板34と、表示器36と、駐車券を印刷して発行するプリンタ40とを有するように構成されている。それら部品のうち、硬貨処理ユニット30のみが、扉24の背面に取り付けられ、残りの部品は、ケーシング22に取り付けられている。
【0039】
図3に示すように、プリンタ40には、印刷前の連続シートが巻き付けられて収容されるローラ42が装着されている。プリンタ40は、そのローラ42から1枚分の長さずつ送り込まれる連続シートに対して印刷を行い、その後、連続シートを随時、カッタ(図示しない)によってカットしてその連続シートから1枚分の駐車券を切り離す。
【0040】
前記カッタは、切刃(図示しない)を有し、その切刃を連続シートの幅方向に移動させて連続シートを幅方向に切断する。また、前記カッタは、連続シートを幅方向に完全に切断する方式を採用したり、幅方向における一部のみ残して連続シートを幅方向に切断する方式を採用することが可能である。
【0041】
図2および図4に示すように、硬貨処理ユニット30は、硬貨投入口50と、返却レバー52と、硬貨セレクタ(投入された硬貨の種類の判別と、投入された硬貨が偽造硬貨でないか否かの判別とを行う)54と、硬貨返却口56とを有する。投入された硬貨のうち、硬貨返却口56からユーザに返却されなかったものは、金庫32に収容される。図5に示すように、硬貨セレクタ54に制御基板34がデータ通信可能に接続されており、その制御基板34は、硬貨セレクタ54から、投入された硬貨の種類(硬貨の単位と、偽造硬貨であるか否かの情報とを含む)と枚数を表す信号を受信する。
【0042】
図2に示すように、扉24の前面には、表示器36(例えば、液晶ディスプレイ)の画面からの表示光が透過する透過窓60と、硬貨投入口50、返却レバー52および硬貨返却口56と、プリンタ40によって印刷されて排出される駐車券を排出するための排出口64toが配置されている。透過窓60は、外部から表示器36への直接アクセスを阻止することによって表示器36を機械的に保護する機能も有する。
【0043】
制御基板34は、コンピュータ70を主体として構成されており、図5にフローチャートで表されている発券・精算プログラムをコンピュータ70に実行させる。この制御基板34は、時計72を内蔵しており、常に現在日時(入庫日時)を取得可能となっている。
【0044】
コンピュータ70は、その発券・精算プログラムを繰り返し実行する。各回の実行時には、まず、ステップS1において、駐車するためにユーザが支払うことが必要な駐車料金の額が表示器36の画面上に表示される。次に、ステップS2において、硬貨セレクタ54からの信号に基づき、ユーザによる硬貨の投入が待たれる。硬貨の投入があると、ステップS3において、硬貨セレクタ54からの信号に基づき、投入された硬貨が適正であるか否か、すなわち、投入された硬貨が偽造硬貨でなく、かつ、合計金額が、表示された駐車料金の額以上であるか否かが判定される。
【0045】
投入された硬貨が、偽造硬貨であるか、または料金不足である場合には、ステップS3の判定がNOとなり、ステップS4において、硬貨セレクタ54に対し、投入された硬貨を返却する指令が出される。以上で、この発券・精算プログラムの今回の実行が終了する。
【0046】
これに対し、投入された硬貨が、偽造硬貨ではなく、かつ、料金不足でもない場合には、ステップS3の判定がYESとなり、ステップS5において、時計72を用いて、現在日時が入庫日時として取得される。続いて、ステップS6において、プリンタ40により、図6に示す駐車券80が、その取得された入庫日時を含む情報をを表示するように、印刷される。その後、ステップS7において、印刷された駐車券80が排出口64を通過して排出され、その駐車券80は、ユーザに受領される。以上で、この発券・精算プログラムの今回の実行が終了する。
【0047】
なお付言するに、制御基板34は、コンピュータ70と同じ機能をシーケンサ(シーケンス制御)によって実現する形式とすることが可能である。
【0048】
図6(a)には、駐車券80が正面図で示される一方、図6(b)には、その駐車券80が縦断面図で示されている。この駐車券80は、表層としての表示シート(印刷用紙)82と、中間層としての粘着層83(糊の層)と、裏層としてのセパレータ(分離シート、剥離紙)84とがそれらの順に積層されて構成されている。粘着層83は、表示シート82の裏面に、容易には剥離しないように、塗布されており、表示シート82をセパレータ84の表面から剥がした状態では、粘着層83の糊は、セパレータ84の表面には付着しない。
【0049】
図6(a)に示すように、1枚分の駐車券80においては、表示シート82の外周が、セパレータ84の外周より内側に位置するようになっている。ローラ42に巻き付けられる原反は、連続したセパレータ84に、隙間を隔てて一列に並んだ複数枚の表示シート82(空白の状態)が接着されて構成されている。
【0050】
プリンタ40における連続シート(連続したセパレータ84)は、前記カッタにより切断され、その切断は、表示シート82間の隙間の位置において行われ、表示シート82に対する切断は行われない。一方、セパレータ84のうち、表示シート82間の隙間において露出する部分の表面には糊が付着していない。
【0051】
したがって、本実施形態によれば、連続シートの切断時に、前記切刃に粘着層83の糊が付着せずに済み、担当員による前記カッタのメンテナンスの頻度が減少し、ひいては、担当員にかかる人件費が低減される。
【0052】
図6(a)に示すように、この駐車券80は、領収書としての役割も兼ねている。そのため、この駐車券80の表示シート82の表面上には、プリンタ40により、「駐車券/領収書」という文字列と、入庫日時を表す文字・数字列と、駐車料金の額を表す文字・数字列と、この駐車券80が有効である時間帯の終了時刻を表す文字・数字列と、この駐車券80が有効である駐車場10を特定するための文字列とが印刷される。
【0053】
なお付言するに、図6(a)に示す駐車券80の例においては、駐車券80が有効である時間帯の終了時刻が翌日午前6時である。この例においては、ある日の午前6時から、翌日の午前6時までの時間帯が、ユーザによる駐車が許可される時間帯となっている。
【0054】
この表示シート82には、さらに、「駐車券/領収書」という文字列のすぐ上方に、両端を有する(閉じていない)切断線90が存在する。その切断線90は、ユーザが、表示シート82のうちの一部を、残りの部分はセパレータ84に接着されたままで、セパレータ84から剥がすことを可能にするために存在する。図6(b)に示すように、ユーザが、表示シート82の一部(切断線90によって包囲される領域)をセパレータ84から剥がして、切断線90の両端をつなぐ直線に沿って折り曲げると、その結果形成される折曲げ部92の表面(粘着層83のうち、その折曲げ部92の裏面に塗布されている部分)が、糊面として露出する。図7(a)には、その折曲げ部92が斜視図で示されている。
【0055】
本実施形態においては、ユーザによる駐車が不正駐車ではないことを証明するために、ユーザは、硬貨投入と引き換えに受領した駐車券80を、図7(b)に示すように、駐車車両のフロントガラス100の裏面に貼付することを要求される。そのため、ユーザは、図7(a)に示すように、駐車券80のうちの指定箇所(切断線90によって包囲された領域であって、最終的に折曲げ部92となる部分)を局部的に剥がして折り曲げたうえで、その折曲げ部92の表面を、図7(b)に示すように、駐車車両のフロントガラス100の裏面に貼付する。これにより、図8に示すように、駐車券80の内容(特に、入庫日時と、この駐車券80が有効である駐車場10の表示)を、外部からいつでも目視することが可能となる。
【0056】
ときには、ユーザは、自己の車両を、同じ日貸し式駐車場10に複数日連続して駐車することが必要となる。この場合には、ユーザは、連続した駐車期間の初日に、駐車券80を、ほぼ同じ日時に、駐車日数と同じ枚数分、購入するとともに、図9に示すように、それら購入した複数枚の駐車券80(図9に示す例においては、5日分の駐車券80)を全部、自己の車両のフロントガラス100の裏面に貼付することを要求される。
【0057】
初日の日付をX、駐車券80の枚数をYとすると、X日からY日間(駐車許可期間)が経過するまでの期間、すなわち、X日から、(X+(Y−1))日までの期間は、ユーザが駐車することが許可される。
【0058】
本実施形態においては、駐車場10に駐車されている各車両が不正駐車をしているか否かを判断するために、担当員が、駐車場10に駐車車両が存在する限りにおいて毎日、少なくとも1回、例えば、駐車車両が最大である可能性が高い時間帯(例えば、正午を含む前後2時間)に、今回の駐車場10に出向く。その担当員は、担当している駐車場および駐車車両に関する情報を取得し、その情報を、図10に示すように、自己の携帯電話(前記(1)項における「送信装置」の一例であり、また、携帯端末の一例)100を介して、管理センタ102に連絡する。管理センタ102は、複数人の担当員を使用して、他の駐車場を含む複数の駐車場を管理している。
【0059】
図10は、複数人の担当員の携帯電話100が、ネットワーク104を介して、管理センタ102と通信可能に接続されていることを示している。図11には、その管理センタ102が、本管理方法を実施するために使用する複数の機器が示されている。管理センタ102は、送信部および受信部を含む通信装置(前記(1)項における「受信装置」の一例)110と、制御装置112と、不正駐車リストを記憶する不正駐車リストメモリ114と、地図データベースを記憶する地図データベースメモリ116とを有している。制御装置112は、コンピュータ120を有している。通信装置110と制御装置112とは、互いにデータ通信可能に接続され、また、制御装置112と、不正駐車リストメモリ114および地図データベースメモリ116とは、互いにデータ通信可能に接続されている。
【0060】
図12には、担当員が行う作業がフローチャートで表されている。担当員は、携帯電話100から管理センタ102にメッセージを送信するために、まず、ステップS21において、今回のメッセージの宛先である管理センタ102のアドレスを携帯電話100に入力する。次に、ステップS22において、担当員は、自分が担当している駐車場10を特定するための情報(例えば、地名、番地、ID番号など)を今回のメッセージにキー入力する。
【0061】
続いて、ステップS23において、担当員は、担当している駐車場10に駐車されている各駐車車両ごとに、駐車車両の車両番号(ナンバプレート上の番号)を、今回のメッセージにキー入力する。その後、ステップS24において、担当員は、携帯電話100に内蔵されたカメラ(図示しない)により、各駐車車両のフロントガラス100を撮影する。その駐車車両のフロントガラス100に駐車券80が貼り付けられている場合には、もちろん、その駐車券80が写るように、フロントガラス100を撮影する。
【0062】
続いて、ステップS25において、担当員が前記カメラで駐車券80と共にフロントガラス100を撮影した撮影日と同日に、駐車場10を特定するための情報(駐車場位置情報)と、駐車車両の車両番号と、前記カメラによって撮影された画像を表す画像データと、前記カメラが駐車券80と共にフロントガラス100を撮影した撮影日時とを、互いに関連付けて、管理センタ102に送信する。
【0063】
図13には、管理センタ102において、制御装置112のコンピュータ120が実行する駐車場管理プログラムがフローチャートで概念的に表されている。
【0064】
この駐車場管理プログラムは、繰り返し実行され、各回の実行時には、まず、ステップS41において、いずれかの担当員からメッセージを受信するのが待たれる。受信したならば、ステップS42において、受信されたメッセージの送信元を表す情報から、そのメッセージの送信者である今回の担当員が特定される。続いて、ステップS43において、受信されたメッセージのうちの駐車場位置情報から、今回の対象駐車場10の位置が特定される。その後、ステップS44において、受信されたメッセージのうちの車両番号から、今回の対象車両が特定される。
【0065】
続いて、ステップS45において、今回のメッセージのうちの画像データに対する画像解析(パターン認識)が行われる。この画像解析においては、まず、今回の画像データから、駐車券画像を表すデータが抽出される。駐車券80は、形状、印刷内容等、基本的な幾何学的特徴が事前に分かっているから、もと画像データから駐車券画像データを抽出することが容易である。その後、抽出された駐車券画像データによって表される駐車券80の枚数が取得される。図8に示す例については、駐車券80の枚数が1枚であると解析され、また、図9に示す例においては、駐車券80の枚数が5枚であると解析される。
【0066】
続いて、各駐車券80に印刷されている入庫日時と、駐車場の場所とが解析される。いずれの解析結果も、制御装置112のメモリ(図示しない)に保存される。具体的には、各画像データごとに、駐車券80の枚数と、各駐車券80に印刷されている入庫日付と、駐車場の場所とが保存される。駐車券80が複数枚存在する場合には、画像上において駐車券80が並ぶ順序で駐車券80に番号が付され、各番号に関連付けて、入庫日時と、駐車場の場所とが保存される。
【0067】
ステップS45が終了すると、ステップS45aにおいて、撮影された駐車券80に印刷されている駐車場が、担当者から受信した駐車場と一致するか否か、すなわち、印刷されている駐車場が適切であるか否かが判定される。今回は、適切ではないと仮定すると、ステップS45aの判定がNOとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。その後、ステップS48において、今回の対象車両が不正駐車しているという内容が反映されるように、図14に示す不正駐車リストが更新される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0068】
これに対し、今回は、印刷されている駐車場が適切であると仮定すると、ステップS45aの判定がYESとなり、ステップS46に移行する。
【0069】
このステップS46においては、撮影された駐車券80の枚数が0枚であるか否か、すなわち、対象車両のフロントガラス100に駐車券80が1枚も貼り付けられていないか否かが判定される。今回は、0枚であると仮定すると、ステップS46の判定がYESとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。その後、ステップS48において、今回の対象車両が不正駐車しているという内容が反映されるように、図14に示す不正駐車リストが更新される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0070】
これに対し、今回は、撮影された駐車券80の枚数が0枚ではないと仮定すると、ステップS46の判定がNOとなり、ステップS49に移行する。
【0071】
このステップS49においては、撮影された駐車券80の枚数が1枚であるか否かが判定される。今回は、1枚であると仮定すると、ステップS49の判定がYESとなり、ステップS50において、前記メモリから、対応する駐車券80についての入庫日付が読み込まれ、
【0072】
続いて、ステップS48において、読み込まれた入庫日時のうち日付の部分(以下、「入庫日」という。)が、本日(これは、担当員が前記カメラで、駐車券80と共にフロントガラス100を撮影した日でもあり、担当員がその撮影データを管理センタ110に送信した日でもある)の日付と一致しないか否かが判定される。
【0073】
今回は、一致しないと仮定すると、ステップS51の判定がYESとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。
【0074】
すなわち、本実施形態においては、ステップS47およびS49ないしS52が、フロントガラス100に駐車券80が1枚しか貼り付けられていない場合に、その駐車券80の撮影日と、その駐車券80に印刷されている入庫日とが互いに一致するか否かを判定し、一致する場合に、対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第1部分判定工程を構成しているのである。
【0075】
その後、ステップS48において、今回の対象車両が不正駐車しているという内容が反映されるように、不正駐車リストが更新される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0076】
なお付言するに、図6(a)に示す駐車券80の例においては、翌日の午前6時までの駐車が可能であるが、担当員は、午前0時から午前6時までの時間帯に駐車場10に出向くことはないから、フロントガラス100の裏面に貼り付けられている駐車券80に印刷されている入庫日の日付と、担当員がその駐車券80を撮影してその画像データを管理センタ102に送信した日の日付とを互いに比較しても、問題はない。
【0077】
これに対し、今回は、入庫日が本日の日付と一致すると仮定すると、ステップS48の判定がNOとなり、ステップS52において、対象車両が不正駐車をしていないと判定される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0078】
以上、撮影された駐車券80の枚数が1枚である場合を説明したが、複数枚である場合には、ステップS49の判定がNOとなり、ステップS53において、前記メモリから、対応する複数枚の駐車券80についての入庫日付が読み込まれ、続いて、ステップS54において、すべての駐車券80について読み込まれた入庫日時のうち日付の部分(以下、「入庫日」という。)が互いに一致しないか否かが判定される。
【0079】
今回は、一致しないと仮定すると、ステップS54の判定がYESとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。
【0080】
これに対し、今回は、すべての駐車券80のについて読み込まれた入庫日が互いに一致すると仮定すると、ステップS54の判定がNOとなり、ステップS55に移行する。
【0081】
このステップS54においては、入庫日Xから、複数枚の駐車券80の枚数と同数の日が経過する期間(駐車許可期間)Yの終了日(X+(Y−1))が駐車終了日として計算される。続いて、ステップS56において、その計算された駐車終了日が、本日(これは、担当員が前記カメラで、駐車券80と共にフロントガラス100を撮影した日でもあり、担当員がその撮影データを管理センタ110に送信した日でもある)より前であるか否か、すなわち、本日より前に、駐車許可期間が終了したか否かが判定される。
【0082】
今回は、駐車終了日が本日より前であると仮定すると、ステップS56の判定がYESとなり、ステップS47において、今回の対象車両が不正駐車していると判定される。
【0083】
その後、ステップS48において、今回の対象車両が不正駐車しているという内容が反映されるように、不正駐車リストが更新される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0084】
これに対し、今回は、駐車終了日が本日より前ではないと仮定すると、ステップS56の判定がNOとなり、ステップS52において、対象車両が不正駐車をしていないと判定される。以上で、この駐車場管理プログラムの今回の実行が終了する。
【0085】
すなわち、本実施形態においては、ステップS47およびS53ないしS56が、フロントガラス100に駐車券80が複数枚貼り付けられている場合に、それら複数枚の駐車券80に同じ入庫日が印刷されているか否かを判定し、同じ入庫日が印刷されている場合に、駐車券80の撮影日が、入庫日から、複数枚の駐車券80の枚数と同数の日が経過する期間内に存在するか否かを判定し、存在すれば、対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定する第2部分判定工程を構成しているのである。
【0086】
図14に示すように、不正駐車リストは、案件番号ごとに、不正駐車している車両の車両番号と、その車両が駐車している駐車場10と、不正駐車が発見された日と、その不正駐車に対する処理が完了したか否かをの情報とを、互いに関連付けて登録している。
【0087】
図15には、管理センタ102において、不正駐車の現場に担当員を派遣して不正駐車を停止させる対策を担当員に行わせるために、制御装置112のコンピュータ120が実行する担当員派遣プログラムがフローチャートで概念的に表されている。
【0088】
この担当員派遣プログラムは、繰り返し実行され、各回の実行時には、まず、ステップS81において、案件番号iが1にセットされる。次に、ステップS82において、不正駐車リストにおいて、案件番号iの現在値が割当てられた不正駐車案件が検索される。続いて、ステップS83において、検索された不正駐車案件に関連付けて記憶されている情報に基づき、今回の不正駐車案件が処理済であるか否かが判定される。
【0089】
今回は、処理済であると仮定すると、ステップS83の判定がYESとなり、ステップS84において、案件番号iが1だけインクリメントされる。その後、ステップS85において、案件番号iの現在値が最大値(不正駐車リストに現在登録されている不正駐車案件の総数)より大きいか否かが判定される。案件番号iの現在値が最大値より大きくはない場合には、ステップS85の判定がNOとなり、ステップS82に戻るが、大きい場合には、ステップS85の判定がYESとなり、この担当員派遣プログラムの今回の実行が終了する。
【0090】
これに対し、検索された今回の不正駐車案件が処理済ではないと仮定すると、ステップS83の判定がNOとなり、ステップS86において、地図データベースメモリ116に記憶されている地図データベースのうち、今回の対象駐車場10の近傍(例えば、今回の対象駐車場10から半径5km以内の地区)を表す部分(図16参照)が、今回の対象エリアとして選択され、その対象エリアにアクセスされる。
【0091】
続いて、ステップS87において、今回の対象エリア内に存在する複数人の担当員の各々について、その所在地と今回の対象駐車場10との直線距離Dが計算される。例えば、図16に示す例においては、担当員Aの所在地と今回の対象駐車場10との直線距離Dが、DAで表されている。その後、ステップS88において、それら担当員のうち、その所在地と今回の対象駐車場10との直線距離Dが最小であるものが、今回の対象駐車場10に派遣すべき担当員に選択される。
【0092】
続いて、ステップS89において、その選択された担当員の携帯電話100に電話がかけられ、これにより、今回の担当員に対し、今回の対象駐車場10に出動し、不正駐車の停止を促す対策(例えば、不正駐車をしている車両に貼紙をして、不正駐車であることの告知ををする)を講ずるこことを指示する。その後、ステップS84に移行する。
【0093】
図17には、管理センタ102において、複数の担当員との通信により、各担当員の最新の所在地を反映するように、図16に示す地図データベースを更新するために、制御装置112のコンピュータ120が実行する地図データベース更新プログラムがフローチャートで概念的に表されている。
【0094】
この地図データベース更新プログラムは、繰り返し実行され、各回の実行時には、まず、ステップS101において、担当員番号jが1にセットされる。次に、ステップS102において、担当員番号jの現在値を割当てられた担当員の携帯電話100に電話がかけられる。その携帯電話100は、GPS機能を有していて、各担当員は、管理センタ102から電話があると、自分の所在地をそのGPS機能を用いて測定し、その結果を、携帯電話100を通して管理センタ102に報告する。
【0095】
続いて、ステップS103において、管理センタ102は、今回の担当員の携帯電話100から、その担当員の所在地を表す情報を受信する。その後、ステップS104において、今回の担当員の所在地が反映されるように、地図データベースを更新する。その後、ステップS105において、担当員番号jが1だけインクリメントされる。続いて、ステップS106において、担当員番号jの現在値が最大値(その日に出動可能な担当員の総数)より大きいか否かが判定される。担当員番号jの現在値が最大値より大きくはない場合には、ステップS106の判定がNOとなり、ステップS102に戻るが、大きい場合には、ステップS106の判定がYESとなり、この地図データベース更新プログラムの今回の実行が終了する。
【0096】
本実施形態においては、セパレータ84の裏面に、ブラックマークが、表示シート82ごとに、かつ、それの先頭位置に対応する位置に予め印刷されている。プリンタ40は、センサ(図示しない)により、そのブラックマークを光学的に読み取ることにより、これから印刷しようとする表示シート82の先頭位置を検出し、印刷を開始する。したがって、プリンタ40は、ローラ42の最新の交換時期からの、表示シート82の使用枚数(消費枚数)をカウントできる。また、表示シート82の枚数の最大値(使用前のローラ42に巻き付けられている表示シート82の枚数)は既知であるから、表示シート82の使用枚数のカウント値(使用枚数カウント値)から、表示シート82の残量を計算することが可能である。
【0097】
本実施形態においては、制御基板34が、プリンタ40からの信号に基づき、プリンタ40の前記センサがセパレータ84の裏面上のブラックマークを読み取るごとに、前記使用枚数カウント値を、前記最大値からカウントダウンし、それにより、そのカウントダウン後のカウント値(表示シート82の残量)を表示器36の画面上に常時表示する。これにより、担当員は、発券機20の扉24を開けて内部を調べなくても、表示器36を見るだけで、ローラ42の交換というメンテナンスの要否を判断することが可能となり、担当員の負担が軽減される。
【0098】
さらに、本実施形態においては、制御基板34が、硬貨セレクタ54からの信号に基づき、駐車券80の購入履歴(駐車券80の購入日時および投入硬貨の金額に関する履歴)を、表示器36内のリムーバル・メモリ(図示しない)に記録する。担当者は、そのリムーバル・メモリを表示器36から取り外して自己のPCに装着し、そのPCにおいて、駐車券80の購入履歴を確認し、ひいては、金庫32に収容されているはずである硬貨の総額を予想することが可能である。
【0099】
さらに、本実施形態においては、制御基板34が、表示シート82の残量が不足していたり、発券機20が故障すると、表示器36の画面のバックグラウンド光の色を、例えば、通常の色である緑から、警告を意味する赤に変更する。これにより、担当者は、発券機20の扉24を開けて内部を調べなくても、表示器36を見るだけで、発券機20のメンテナンスの要否を判断することが可能となり、担当員の負担が軽減される。
【0100】
ところで、本実施形態においては、駐車券80を、駐車車両の室内において、駐車券80の印刷内容を車外から目視できるように配置する位置の一例として、フロントガラス100の裏面が選択されている。したがって、ユーザがフロントガラス100の背後にサンシェードを配置する場合でも、駐車券80からの反射光がそのサンシェードによって遮られずに済み、常時、駐車券80を車外から観察することができる。これに対し、駐車券80を駐車車両の室内のダッシュボードの上面に置くようにユーザに要求することも可能であり、この場合には、ユーザは駐車券80をダッシュボードの上面に貼付することは不可欠ではなく、単に置くだけでよい。
【0101】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、図12に示すステップS24が、前記(1)項における「撮影工程」の一例を構成し、同図に示すステップS25が、同項における「送信工程」の一例を構成し、図13に示すステップS41が、同項における「受信工程」の一例を構成し、同図におけるステップS42ないしS56が、同項における「判定工程」の一例を構成し、それらステップのうち、ステップS47ないしS52が、同項における「第1部分判定工程」の一例を構成し、図15に示すステップS81ないしS89が、同項における「選択工程」の一例を構成しているのである。
【0102】
さらに、本実施形態においては、図13におけるステップS47、S48およびS52ないしS56が、前記(2)項における「第2部分判定工程」の一例を構成しているのである。
【0103】
なお付言するに、本実施形態においては、駐車場10を1日単位でユーザに貸し出すようになっているが、24時間より短い連続時間(例えば、3時間とか、6時間とか、半日)の単位でユーザに貸し出す態様(時間貸し)で本発明を実施することが可能である。
【0104】
この態様においては、図13に示すプログラムのうち、ステップS51が、駐車券80の撮影日時(これは、管理センタ34が携帯電話100から受信する)が、その駐車券80に印刷されている入庫日時から所定時間(例えば、6時間)が経過するまでの駐車許可時間帯内に存在するか否かを判定し、存在する場合に、対象車両の駐車が不正駐車ではないと判定するステップに変更される。
【0105】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1実施形態と共通する要素が多いため、共通する要素については、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0106】
第1実施形態においては、駐車場10に駐車している各車両の車両番号および各車両のフロントガラス100の裏面に貼り付けられている駐車券80に関する情報が、担当員によって取得され、その情報が、管理センタ102に送信される。
【0107】
これに対し、本実施形態においては、図18に示すように、駐車場10の略中央に、門型のフレーム140が設置され、そのフレーム140の中央に監視ユニット150が装着されている。この監視ユニット150は、図19(a)に示すように、駐車場10の全体を撮像可能なカメラ152と、管理センタ102との通信を行う通信部154とを備えている。
【0108】
カメラ152は、ズーム機能およびパン機能を有し、また、管理センタ102から遠隔操作可能である。カメラ152の倍率、アングルおよび撮影タイミングは、管理センタ102によって自由に決定することができる。図19(b)には、カメラ152により、1台の車両について撮影された画像の一例が示されている。この画像には、対象車両の車両番号と駐車券80とが含まれている。
【0109】
カメラ152は、通信部154にデータ通信可能に接続されており、カメラ152によって生成された画像データが通信部154に転送され、その通信部154は、その画像データを管理センタ102に無線または有線で送信する。管理センタ102においては、受信した画像データを、前述のパターン認識技術によって解析し、その画像データから、車両番号と、駐車券80に印刷されている内容(少なくとも、入庫日時と、駐車場の場所)とを抽出する。
【0110】
本実施形態によれば、画像データの取得およびその画像データの管理センタ102への送信が、担当員の介入なしで行われるため、さらなる省力化が可能となる。
【0111】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、監視ユニット150が、カメラ152を用いて自動的に撮像する工程が、前記(1)項における「撮影工程」の一例を構成し、また、監視ユニット150が、その撮像データを自動的に管理センタ102に送信する工程が、同項における「送信工程」の一例を構成しているのである。
【0112】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。ただし、本実施形態は、第1または第2実施形態と共通する要素が多いため、共通する要素については、重複した説明を省略し、異なる要素についてのみ詳細に説明する。
【0113】
第1および第2実施形態においては、図6に示すように、1枚の駐車券80が、表示シート82の層と、粘着層と、セパレータ84の層とがそれらの順に積層されて構成され、さらに、粘着層が表示シート82の裏面に、容易には剥離しないように、塗布される。表示シート82の全体をセパレータ84から剥がすと、表示シート82の裏面に粘着層が存在する。また、ローラ42に巻き付けて収容するために、セパレータ84の連続シート上に、複数枚の表示シート82が相互に間隔をあけて接着されて、この原反から1枚の駐車券80を取り出すために、セパレータ84の連続シートが切断される。
【0114】
これに対し、本実施形態においては、図20には正面図で、図21には縦断面図で示すように、1枚の駐車券80が、表示シート82の層と、粘着層200と、セパレータ84の層とがそれらの順に積層されて構成され、さらに、粘着層200がセパレータ84の表面に剥離不能(または容易には剥離しないように)塗布される。表示シート82の全体をセパレータ84から剥がすと、セパレータ84の表面に粘着層200が存在する。また、ローラ42に巻き付けて収容するために、表示シート82の連続シート上に、複数枚のセパレータ84が相互に間隔をあけて接着されて、この原反から1枚の駐車券80を取り出すために、表示シート82の連続シートが、前記カッタの切刃により、各切断線202において切断される。
【0115】
図20に示すように、駐車券80については、表示シート82の上部に、それを幅方向に横切る切取り線(パーフォレーション、ミシン目)204が、前記原反のローラ42への装填前から形成されている。この切取り線204は、表示シート82のみに形成され(貫通し)、少なくともセパレータ84には形成されない(貫通しない)。
【0116】
1枚の駐車券80が原反から切り離されてプリンタ40によって印刷され、その後、ユーザに排出されると、ユーザは、表示シート82のうち、切取り線204より上方の部分210をセパレータ84から剥がす。これにより、粘着層200のうち、残る表示シート82によって被覆されていない部分が露出する。その後、ユーザは、図22に示すように、露出した粘着層200をフロントガラス100の裏面に貼り付ける。
【0117】
ところで、第1および第2実施形態においては、折曲げ部92がフロントガラス100の裏面に貼り付けられるが、その折曲げ部92は、図6(a)に示すように、表示シート82から切り曲げられ、その切曲げ位置に応力が集中し易い。そのため、ユーザが駐車券80をフロントガラス100の裏面に貼り付けた後、折曲げ部92が、表示シート82の他の部分から切り離され、その結果、折曲げ部92のみがフロントガラス100の裏面に残って、表示シート82の他の部分(肝心の印刷部分)が落下してしまう可能性があった。
【0118】
これに対し、本実施形態によれば、駐車券80がフロントガラス100の裏面に貼り付けられている状態において、駐車券80の重量全部を支持するセパレータ84に、切欠きや切曲げ部といった応力が集中し易い部位が存在しないから、駐車券80のうち、フロントガラス100の裏面に貼り付けられている部分が、表示シート82の他の部分から切り離されてしまう可能性がない。
【0119】
よって、本実施形態によれば、ユーザが駐車券80をフロントガラス100の裏面に貼り付けた後、駐車券80のうち肝心な印刷部分が落下せずに済む。
【0120】
さらに、本実施形態によれば、ユーザが駐車を終えて自己の車両を駐車場10から出庫させた後、駐車券80を領収書として使用することが必要である場合、ユーザは、表示シート82をセパレータ84から剥がす。このとき、粘着層200は、セパレータ84に残留するため、表示シート82、すなわち、領収書として機能するシートの裏面が粘着性を有せずに済む。
【0121】
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが自己の車両を所定の駐車場に駐車することを許可してもらうために前記ユーザが駐車料金を支払って購入する駐車券であって、
当該駐車券の両面のうちの一方に印刷面が形成され、
その印刷面に、前記車両の入庫日時、前記駐車場の名称等、前記ユーザの駐車の内容を特定する事項と、当該駐車券を購入するために前記ユーザが前記駐車料金を支払ったことを証明する領収書とが印刷され、
当該駐車券は、前記印刷面を表面に有する表示シートの層と、粘着層と、セパレータの層とがそれらの順に積層されて構成されており、
前記粘着層は、前記セパレータの表面に剥離不能にまたは容易には剥離しないように塗布されるとともに、その粘着層は、前記表示シートの裏面に剥離可能にまたは容易に剥離するように接着され、
前記駐車券の発行後、前記ユーザにより、前記表示シートのうちの一部が、前記粘着層から剥がされることによって、その粘着層のうちの一部が露出し、前記ユーザにより、その露出部が、前記車両の窓ガラス裏面に貼り付けられ、それにより、前記印刷面を車外から前記窓ガラスを通して視認することが可能である状態で前記窓ガラスの裏面に貼り付けられる駐車券。
【請求項1】
ユーザが自己の車両を所定の駐車場に駐車することを許可してもらうために前記ユーザが駐車料金を支払って購入する駐車券であって、
当該駐車券の両面のうちの一方に印刷面が形成され、
その印刷面に、前記車両の入庫日時、前記駐車場の名称等、前記ユーザの駐車の内容を特定する事項と、当該駐車券を購入するために前記ユーザが前記駐車料金を支払ったことを証明する領収書とが印刷され、
当該駐車券は、前記印刷面を表面に有する表示シートの層と、粘着層と、セパレータの層とがそれらの順に積層されて構成されており、
前記粘着層は、前記セパレータの表面に剥離不能にまたは容易には剥離しないように塗布されるとともに、その粘着層は、前記表示シートの裏面に剥離可能にまたは容易に剥離するように接着され、
前記駐車券の発行後、前記ユーザにより、前記表示シートのうちの一部が、前記粘着層から剥がされることによって、その粘着層のうちの一部が露出し、前記ユーザにより、その露出部が、前記車両の窓ガラス裏面に貼り付けられ、それにより、前記印刷面を車外から前記窓ガラスを通して視認することが可能である状態で前記窓ガラスの裏面に貼り付けられる駐車券。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−35615(P2012−35615A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255482(P2010−255482)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【分割の表示】特願2010−176590(P2010−176590)の分割
【原出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(596054009)株式会社ワイティーエム (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【分割の表示】特願2010−176590(P2010−176590)の分割
【原出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(596054009)株式会社ワイティーエム (6)
【Fターム(参考)】
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