説明

駐車場情報サーバ装置、駐車場情報収集装置、および駐車場関連情報提示装置

【課題】駐車場を探索するドライバに対して各駐車場の駐車のしやすさに関して情報提供を行う。
【解決手段】車両(1a、1b)に搭載される駐車場情報収集装置(100)は、車両走行時には走行速度と走行時間情報とを含む車両走行履歴情報を取得しておく。そして、車両が駐車した場合には、この車両走行履歴情報に基づいて、駐車した駐車場における駐車のしやすさを示す駐車容易度を算出し、駐車場識別情報とともにデータセンタ(2)のサーバ装置(300)へ送信する。また、サーバ装置では、送信される駐車場識別情報と駐車容易度とを受信して記録しておく。そして、車両に備えられている装置(200)から駐車場の検索条件を受信した場合には、この検索条件に合致する駐車場情報を検索し、検索結果に含まれる駐車容易度の平均値を算出して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のドライバに対して駐車場に関する駐車場情報を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のシステムは、目的地に付随する駐車場がない場合には、車両のドライバに対して駐車場に関する情報を提供する駐車場情報提供システムである。
具体的には、特許文献1に記載の駐車場情報提供システムでは、ドライバが駐車場を利用した場合、車両に搭載されている車載機が目的地と利用した駐車場との関係を示す駐車履歴情報をサーバ装置へと送信する。そして、このドライバが別の機会に、もしくは別のドライバがこの目的地付近の駐車場を探す際、サーバ装置は、車両から送信される目的地情報に基づいて過去に送信された駐車履歴情報から駐車場を検索する。これにより、目的地付近にある駐車場の位置情報を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−176500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両を駐車しようとするドライバは、駐車行為に時間をかけたくない場合や車両を巧く駐車させる自信が無いために、簡単に駐車することのできる駐車場を知りたい場合がある。
これに対し、特許文献1に記載の駐車場情報提供システムでは、単に駐車場の位置に関する情報を提供しているに過ぎないため、このようなドライバの要求を満たすことができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、駐車場を探索するドライバに対して駐車場についてより有益な情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、データセンタ等の遠隔地に備えられるサーバ装置において、駐車場を識別する駐車場識別情報と駐車場での車両の駐車に関する運転情報とを、駐車場に駐車した車両から受信し、受信した駐車場識別情報と運転情報とを駐車場情報として記憶する。そして、この駐車場情報に基づいて駐車場における駐車のしやすさを示す駐車しやすさ情報を算出し、駐車予定の車両に備えられた外部装置からの出力要求に応じて、算出した駐車しやすさ情報を出力する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、駐車場での車両の駐車に関する運転情報から駐車しやすさ情報を算出して出力することにより、駐車場を探索するドライバに対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に係る駐車場情報提供システム全体の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る駐車場情報収集装置100の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る駐車場情報収集装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る駐車場情報収集装置100における処理の一例を示すフロー図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200における処理の一例を示すフロー図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るサーバ装置300の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るサーバ装置300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るサーバ装置300における処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等部分は同一符号によって示す。
(駐車場情報提供システムの全体構成)
図1は、本実施形態に係る駐車場情報提供システム全体の構成の一例を示す図である。本実施形態に係る駐車場情報提供システムは、駐車場情報収集装置100と、駐車場関連情報提示装置200と、サーバ装置300とを含んで構成される。
【0009】
駐車場情報収集装置100は、各車両1a、1bにそれぞれ備えられる装置である。駐車場情報収集装置100は、各車両1a、1bが駐車場に駐車する際に、その駐車場の駐車のしやすさを示す駐車容易度を含む駐車場情報を収集し、サーバ装置300に送信する。
駐車場関連情報提示装置200は、各車両1a、1bにそれぞれ備えられる装置である。駐車場関連情報提示装置200は、車両1a、1bのドライバが駐車場を探索する際に、タッチパネル等から駐車予定日時や駐車予定位置等を入力すると、入力された駐車予定日時や駐車予定位置等を検索条件としてサーバ装置300に送信する。
【0010】
なお、図1では駐車場情報収集装置100と駐車場関連情報提示装置200は同じ車両に備えられているが、これらの装置は別々の車両にそれぞれ搭載されていてもよい。
サーバ装置300は、各車両1a、1bが駐車場に駐車した際に駐車場情報収集装置100から送信される駐車場情報を保持して蓄積する。また、図示されない他の車両に備えられている駐車場情報収集装置100からも、その車両が駐車場に駐車した際には、その駐車場の駐車容易度を含む駐車場情報がサーバ装置300に送信される。また、サーバ装置300は駐車場関連情報提示装置200から検索条件を受信すると、検索条件に合致する駐車場に関する駐車場関連情報を駐車場関連情報提示装置200に送信する。
【0011】
以下、各装置の構成について説明する。
(駐車場情報収集装置100の構成)
図2は、駐車場情報収集装置100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図2に示されるように、本実施形態に係る駐車場情報収集装置100は、GPS(Global Positioning System)ユニット110、車速センサ120、シフトポジションセンサ130、操舵角度センサ140、地図情報データベース150、車両走行履歴データベース160、制御装置170、車載機通信装置180を含んで構成される。また、これらの各構成は、CAN(Controller Area Network)やその他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができるようになっている。
【0012】
GPSユニット110は、図示しない複数の衛星通信から送信される電波を検出して、車両1a、1b(以下、総称して「車両1」という)の位置情報を取得する。GPSユニット110により取得された車両の位置情報は、制御装置170に送信される。
車速センサ120は、車両1の車速を検出する。車速センサ120により検出された車両1の車速情報は、制御装置170に送信される。
【0013】
シフトポジションセンサ130は、車両1のシフトポジションを検出する。シフトポジションセンサ130により検出された車両のシフトポジション情報は、制御装置170に送信される。
操舵角度センサ140は、車両1の操舵角度を検出する。操舵角度センサ140により検出された車両1の操舵角度情報は、制御装置170に送信される。
地図情報データベース150には、地図データが格納されている他、各道路の道路リンク情報などの道路情報が格納されており、制御装置170によって随時読み出されて利用される。
【0014】
車両走行履歴データベース160には、車両1の走行履歴に関するデータである車両走行履歴情報が格納されている。本実施形態においては、制御装置170によって、GPSユニット110、車速センサ120、シフトポジションセンサ130、操舵角度センサ140のそれぞれから取得された車両の位置、車速、シフトポジション、操舵角度に関する情報が車両走行履歴情報として車両走行履歴データベース160に記録される。また、車両走行履歴データベース160に格納された車両走行履歴情報は、制御装置170によって随時読み出されて利用される。
【0015】
なお、地図情報データベース150および車両走行履歴データベース160は、駐車場情報収集装置100の内部もしくは外部に備えられている図示しないRAMやROM等の記憶領域に記憶されるデータベースである。
制御装置170は、本実施形態に係る駐車場情報収集処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)171と、このROM171に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)172と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)173とから構成される。なお、動作回路としては、CPU172に代えて、又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0016】
車載機通信装置180は、車両外部に設置されたデータセンタ2のサーバ装置300と通信し、サーバ装置300と情報の授受を行う。
また、図3は、駐車場情報収集装置100の構成の一例を示す機能ブロック図である。図2の制御装置170がROM171に格納されたプログラムをCPU172により実行することにより、図3に示す各構成における処理が実現される。
【0017】
以下、図3に示す各構成について説明する。なお、以下の説明においては、適宜、図2に示す構成を用いながら説明する。
図3に示されるように、本実施形態に係る駐車場情報収集装置100は、処理開始判定部101、駐車完了判定部102、車両走行履歴情報取得部103、道路判定部104、駐車開始時刻算出部105、駐車容易度算出部106、運転スキル判定部107、および駐車場情報送信部108を有する。
【0018】
処理開始判定部101は、駐車場情報の収集処理を開始するかどうかを判定する。具体的には、前回の駐車場情報収集処理時に駐車完了判定部102によって駐車完了と判定されており、かつ、前回処理時の車両1の車両位置と現在の車両位置との間にあらかじめ設定された距離以上(例えば10m以上)の差異が無い場合は、駐車場情報収集処理を開始しないと判定し、それ以外の場合は、駐車場情報収集処理を開始すると判定する。
【0019】
なお、「前回の駐車場情報収集処理時に駐車完了判定部102によって駐車完了と判定されている」ことを判断するには、例えば駐車完了フラグを設け、駐車完了判定部102において駐車完了と判定した場合にはこの駐車完了フラグを“1”とし、処理開始判定部101において処理を開始すると判断した場合には、この駐車完了フラグを“0”とするようになっていればよい。
【0020】
このような仕組みにより、車両1の駐車が完了した際に一度だけ駐車場情報を生成して、データセンタ2のサーバ装置300に送信することができる。また、駐車場情報収集装置100においても無駄な処理を行うことがなく、処理量を抑えることができる。
駐車完了判定部102は、車両1の駐車が完了したかどうかを判定する。具体的には、シフトポジションセンサ130によって取得されるシフトポジション情報に基づいて判定を行う。例えば、シフトポジションが駐車シフトになっている場合に、駐車が完了したと判定することができる。
【0021】
なお、処理開始判定部101によって駐車場情報の収集処理を開始すると判定された後、駐車完了判定部102において車両1の駐車が完了したと判断されるまでは、後述する車両走行履歴情報取得部103にて車両走行履歴情報の収集処理が繰り返し実行される。また、駐車完了判定部102において車両1の駐車が完了したと判断された場合には、後述する駐車容易度算出部106において駐車容易度の算出処理が実行される。
【0022】
車両走行履歴情報取得部103は、車両1の位置情報と、走行速度と、走行時間情報とを含む車両走行履歴情報を取得する。本実施形態においては、車両1の位置情報はGPSユニット110で取得される。また、車両1の走行速度は車速センサ120で取得される。取得された車両1の位置情報、走行速度、走行時間情報は、車両走行履歴情報として車両走行履歴データベース160に記録されて保持される。
【0023】
また、本実施形態においては、車両走行履歴情報取得部103は、車両走行履歴情報として車両1のシフトポジションおよび操舵角をさらに取得する。なお、シフトポジションおよび操舵角は、それぞれ、シフトポジションセンサ130、操舵角度センサ140から取得され、位置情報、走行速度、および走行時間情報とともに車両走行履歴情報として車両走行履歴データベース160に記録される。
なお、車両走行履歴情報の取得処理は、駐車完了判定部102において車両1の駐車が完了したと判断されるまで繰り返し実行される。
【0024】
道路判定部104は、車両1の位置が道路上にあるか道路外にあるかを判定する。これは、後述する駐車開始時刻算出部105において駐車が開始された時刻を算出するために、車両1の位置が道路上にあるかもしくは道路外にあるかによって、車両1が駐車場の敷地内に入ったか否かを判断するからである。具体的には、道路判定部104は、例えば地図情報データベース150と駐車開始時刻算出部105から指定される車両1の位置を照合することによって、その指定位置が道路上であるのか道路外であるのかを判定する。
【0025】
駐車開始時刻算出部105は、駐車完了判定部102によって車両1の駐車が完了したと判断された場合に、車両走行履歴データベース160より取得した駐車完了前の車両走行履歴情報に基づいて、駐車が開始された時刻を算出する。なお、この算出された駐車開始時刻は、後述するように駐車容易度算出部106における駐車容易度を算出する際に利用される。
【0026】
具体的には、駐車開始時刻の算出は以下のようにして実行される。すなわち、車両走行履歴情報の車両1の位置情報を駐車完了判定時から過去へ遡って道路判定部104に順次入力していき、道路判定部104において車両1の位置が「道路外」(すなわち駐車場敷地内)の判定から「道路上」の判定に変わる時刻を駐車開始時刻として算出する。
また、本実施形態の駐車容易度算出部106では、この算出された駐車開始時刻を用いて、車両1の位置が駐車場内に入った時点を駐車開始時点として駐車容易度を算出する。これにより、駐車場内に入ってからの駐車完了までにかかった時間をより正確に算出することができる。
【0027】
また、駐車開始時刻算出部105は、駐車開始時刻を駐車完了判定時の車両1の位置からあらかじめ設定された距離だけ離れた位置(例えば100m圏内)に車両が入った時刻を駐車開始時刻としてもよい。つまり、この場合、駐車容易度算出部106は、駐車完了判定時の車両1の位置からあらかじめ設定された距離だけ離れた位置(例えば100m圏内)に車両が入った時刻から駐車完了時刻までの車両走行履歴に基づいて駐車容易度を算出することになる。これにより、駐車場周辺に到着してから駐車完了まで時間を把握することができる。実際に車両を駐車場に駐車する場合には、駐車場への到達のしやすさなどの周辺の状況も含めて駐車のしやすさを把握したい場合がある。このような場合に、より正確に駐車場容易度を算出することができる。
【0028】
駐車容易度算出部106は、車両走行履歴情報に基づいて、駐車場における駐車のしやすさを示す駐車容易度を算出する。本実施形態においては、駐車容易度算出部106は、車両1の駐車開始時点から駐車完了時点までの駐車時間、およびシフトポジションから求められる駐車開始時点から駐車完了時点までにおける車両1の切り返し回数を駐車容易度として算出する。
【0029】
より具体的には、駐車容易度算出部106は、駐車開始時刻算出部105によって算出された駐車開始時刻と駐車完了時刻(駐車完了判定時の時刻)との差分を駐車完了時間として算出する。また、駐車容易度算出部106は、車両走行履歴情報取得部103において車両走行履歴情報として保存されているシフトポジションの履歴から、駐車開始時点から駐車完了時点までに後進シフトと前進シフトを繰り返した回数を切り返し回数として算出する。
そして、駐車容易度算出部106は、算出した駐車完了時間と切り返し回数から最終的な駐車容易度を決定するが、例えば、これらの双方を駐車容易度として出力してもよいし、これらを用いたあらかじめ定められた計算式によって最終的な駐車容易度を算出するようになっていてもよい。
【0030】
運転スキル判定部107は、車両1のドライバの運転スキルを判定する。具体的には、例えば、車両走行履歴データベース160に記録されている走行速度、シフトポジション、操舵角等の車両走行履歴情報に基づいて、ドライバの運転スキルを、エキスパート、ノーマル、ビギナーの3段階に分けて判定する。例えば、走行速度の平均値があらかじめ設定された値以下である場合には、ビギナーである等と判定する。また、例えば、記録されているシフトポジションから駐車行為における切り返し回数を算出し、切り返し回数によって切り返し回数が少ないドライバほど運転スキルが高いと判定する、等の方法が考えられる。
【0031】
なお、運転スキルの判定に関しては、ドライバがあらかじめ駐車場情報収集装置100に登録しておき、この自己申告によって運転スキルを決定するといった方法でもよい。
駐車場情報送信部108は、車両1が駐車場に駐車したと判断された場合には、車両1が駐車した駐車場を識別する駐車場識別情報と、車両1が駐車した駐車場の駐車容易度を含む運転情報とを関連づけてサーバ装置300に送信する。
【0032】
なお、駐車場を特定する駐車場識別情報とは、駐車場を一意に識別できるものであればよい。例えば、駐車場の位置情報(例えば、駐車完了した時点におけるGPSユニット110より得られる駐車場位置)であってもよいし、駐車場にあらかじめ付与された駐車場ID等であってもよい。本実施形態においては、駐車場識別情報はGPSユニット110より得られる駐車場の位置情報であるとする。
【0033】
また、本実施形態においては、駐車場情報送信部108は、駐車場識別情報および駐車容易度(運転情報)に加えて、運転スキル判定部107によって判定された運転スキルも関連づけて送信する。これにより、ドライバが駐車場を探索する際に、サーバ装置300はそのドライバの運転スキルに応じた駐車場情報を提供することができる。
さらに、駐車場情報送信部108は、駐車場識別情報および駐車容易度(運転情報)に加えて、車両1の走行した曜日も関連づけて送信するようになっていてもよい。これにより、ドライバが駐車場を検索する際に、サーバ装置300は駐車する予定の駐車予定曜日に応じた駐車場情報を提供することができる。
【0034】
また、駐車場情報送信部108は、上記の情報に加えて、車両1を識別するための車両ID、駐車完了時刻(もしくは現在時刻)等の情報もサーバ装置300に送信するようになっていてもよい。
また、駐車場情報等の送信は、具体的には、車載機通信装置180を介してサーバ装置300に送信される。この時、駐車場識別情報(位置情報)、ドライバの運転スキル、走行曜日、駐車容易度等の各情報は共通の識別子を付与する等によって関連付けられていればよく、必ずしも同時にサーバ装置300に送信されなくともよい。
【0035】
(駐車場情報収集装置100の処理フロー)
以下、図4に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る駐車場情報収集装置100における処理について説明する。なお、駐車場情報収集装置100の処理は、あらかじめ設定された時間間隔ごとに繰り返し行われる。
まず、処理開始判定部101は、駐車場情報収集処理を開始するかどうかを判定する(ステップS101)。具体的には、前回の駐車場情報収集処理時に駐車完了判定部102によって駐車完了と判定されており、かつ、前回処理時の車両1の車両位置と現在の車両位置との間にあらかじめ設定された距離以上(例えば10m以上)の差異が無い場合は、駐車場情報収集処理を開始しないと判定し(ステップS101=No)、処理を終了する(END)。それ以外の場合は、駐車場情報収集処理を開始すると判定し(ステップS101=Yes)、ステップS102の処理へ進む。
【0036】
ステップS102では、駐車完了判定部102が、車両1の駐車が完了したかを判定する。具体的には、シフトポジションセンサ130によって取得されるシフトポジション情報が駐車シフトになっている場合には、駐車が完了したと判定し(ステップS102=YES)、ステップS104の処理へ進む。それ以外は、駐車が完了していないと判定し(ステップS102=NO)、車両走行履歴情報取得部103が、車両1の位置情報と、走行速度と、走行時間情報、シフトポジション、操舵角を含む車両走行履歴情報を取得して車両走行履歴データベース160に記録して(ステップS103)、終了する(END)。
【0037】
一方、ステップS104では、駐車容易度算出部106が、車両走行履歴データベース160より取得した駐車完了前の車両走行履歴情報に基づいて、駐車容易度を算出する。具体的には、駐車開始から駐車終了までの駐車完了時間およびその間における切り返し数(運転情報)を算出する。また、駐車容易度としては、駐車完了時の駐車位置よりあらかじめ設定された距離だけ離れた位置(例えば100m圏内)に車両が入った時刻から駐車完了時刻までの時間を駐車完了時間とし、もしくはこの間に後進シフトと前進シフトを繰り返した回数を切り返し回数として算出してもよい。
【0038】
次に、運転スキル判定部107は、ドライバの運転スキルを判定する(ステップS105)。運転スキルは、例えば、エキスパート、ノーマル、ビギナーなどの3段階に分けて判定する。
最後に、駐車場情報送信部108は、車両ID、駐車時刻・曜日、GPSユニット110より得られる駐車位置、ステップS104で駐車容易度算出部106が算出した駐車容易度(運転情報)、およびステップS105で運転スキル判定部107が判定したドライバの運転スキル情報を、車載機通信装置180を介してサーバ装置300に送信する(ステップS106)。
【0039】
(駐車場関連情報提示装置200の構成)
図5は、駐車場関連情報提示装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図5に示されるように、本実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200は、駐車場検索条件取得装置210、制御装置220、車載機通信装置230、駐車場関連情報表示装置240を含んで構成される。また、これらの各構成は、CAN(Controller Area Network)やその他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができるようになっている。
駐車場検索条件取得装置210は、ドライバの入力またはシステムの自動入力を受け付けることによって、入力された駐車予定位置、駐車予定日時・曜日、ドライバの運転スキル等の駐車場情報の検索条件を取得する。
【0040】
例えば、車両1を運転中のドライバが駐車場を探索したい場合は、現在位置を駐車予定位置とし、現在日時・曜日を駐車予定日時・曜日とし、自身の運転スキルとして「エキスパート」、「ノーマル」、「ビギナー」のいずれかを選択して入力する。また、外出を予定しているドライバが駐車場を検索しておく場合は、外出先の駐車予定位置、駐車予定日時・曜日、自身の運転スキルを入力すればよい。
【0041】
そして、これらの検索条件の入力は、例えば、車両1に備えられている駐車場関連情報提示装置200のタッチパネル等の入力インタフェースを介して行われるが、この場合、タッチパネルが駐車場検索条件取得装置210に該当する。なお、駐車場検索条件取得装置210において取得された検索条件は、一旦、RAM223に書き込まれた後、車載機通信装置230を介してサーバ装置300に送信される。
なお、ドライバの運転スキルは、ドライバが入力(自己申告)するのではなく、駐車場情報収集装置100の運転スキル判定部107においてドライバの車両走行履歴情報から自動的に判定されるようになっていてもよい。これにより、実際のドライバの運転スキルにより合致した駐車場が検索される。
【0042】
また、各検索条件の入力方法としては、ドライバが各検索項目を入力するようになっていてもよいが、簡便にするために、自動的に検索条件が取得されるようになっていてもよい。例えば、車両1を運転中のドライバが駐車場を検索する場合、ドライバが駐車場関連情報提示装置200のディスプレイ等に表示される「駐車場検索」ボタンを選択すると、図示しないGPSユニットから自動的に現在位置が読み出されてこれを駐車予定位置とし、あらかじめ設定されている現在日時・曜日を駐車予定日時・駐車予定曜日とし、ドライバの車両走行履歴情報から自動的に運転スキルが判定され、これらを検索条件とすることによってドライバの入力が省略されるようになっていてもよい。
【0043】
制御装置220は、本実施形態に係る駐車場情報提示処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)221と、このROM221に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)222と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)223とから構成される。なお、動作回路としては、CPU222に代えて、又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0044】
車載機通信装置230は、車両外部に設置されたデータセンタ2のサーバ装置300と通信し、サーバ装置300と情報の授受を行う。
駐車場関連情報表示装置240は、駐車場検索条件取得装置210において取得された検索条件に対する返信である検索結果がサーバ装置300から送信されてくるが、この検索結果を表示する。例えば、駐車場関連情報提示装置200のディスプレイ等が駐車場関連情報表示装置240に該当する。
【0045】
また、図6は、駐車場関連情報提示装置200の構成の一例を示す機能ブロック図である。図5の制御装置220がROM221に格納されたプログラムをCPU222により実行することにより、図6に示す各構成における処理が実現される。
以下、図6に示す各構成について説明する。なお、以下の説明においては、適宜、図5に示す構成を用いながら説明する。
図6に示されるように、本実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200は、検索条件送信部201、駐車場関連情報取得部202、および駐車場関連情報表示部203を有する。
【0046】
検索条件送信部201は、駐車場検索条件取得装置210が取得した駐車場情報検索条件を、車載機通信装置230を介してサーバ装置300に送信する。
駐車場関連情報取得部202は、サーバ装置300から返信される検索結果を、車載機通信装置230を介して受信する。この検索結果とは、駐車場検索条件取得装置210にてドライバが指定した検索条件に対する検索結果であるが、具体的には、例えば、駐車場識別情報と、各駐車場の駐車容易度である。なお、受信された検索結果は、一旦、RAM223等の記憶装置に記憶されて保持される。
駐車場関連情報表示部203は、駐車場関連情報取得部202で受信された検索結果を駐車場関連情報表示装置240によって表示する。具体的には、例えば、ドライバが入力した検索条件に合致する駐車場のIDや名称等と、各駐車場の駐車容易度をディスプレイ等に表示する。
【0047】
(駐車場関連情報提示装置200の処理フロー)
以下、図7に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係る駐車場関連情報提示装置200における処理について説明する。なお、駐車場関連情報提示装置200の処理は、あらかじめ設定された時間間隔ごとに繰り返し行われる。
まず、駐車場情報の検索要求が行われたか判断する(ステップS201)。検索要求が行われた場合には(ステップS201=YES)、ステップS202の処理に進む。具体的には、駐車場検索条件取得装置210が駐車場情報の検索条件を取得した場合(すなわち、ドライバが検索条件を入力した場合等)には、ステップS202へ進む。駐車場情報の検索要求が行われなかった場合(例えば、検索条件が取得されなかった場合)には、処理を終了する(END)。
【0048】
ステップS202では、検索条件送信部201は、ステップS201で駐車場検索条件取得装置210が取得した検索条件を、車載機通信装置230を介してサーバ装置300へと送信する。そして、これに対する返信として、駐車場関連情報取得部202は、車載機通信装置230を介してサーバ装置300から検索結果を受信する(ステップS203)。
最後に、駐車場関連情報表示部203において、駐車場関連情報表示装置240は、ステップS203で得られた検索結果を表示する(ステップS204)。
【0049】
(サーバ装置300の構成)
図8は、サーバ装置300のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図8に示されるように、本実施形態に係るサーバ装置300は、駐車場情報データベース310、駐車場区画データベース320、制御装置330、データセンタ通信装置340を含んで構成される。また、これらの各構成は、CAN(Controller Area Network)やその他の車載LANによって接続され、相互に情報の授受を行うことができるようになっている。
【0050】
駐車場情報データベース310は、車両1やその他の図示しない車両から駐車完了時に送信される駐車場情報が格納される。なお、これらの駐車場情報はデータセンタ通信装置340を介して受信されるものである。具体的には、駐車場情報データベース310には、駐車場情報として、車両ID、駐車日時・曜日、駐車場位置情報(駐車場識別情報)、ドライバの運転スキル、駐車容易度、等が記録される。また、格納された駐車場情報は、制御装置330によって必要に応じて読み出される。
駐車場区画データベース320には、駐車場IDに対応する駐車場の区画を表す位置座標が格納されている。
なお、駐車場情報データベース310および駐車場区画データベース320は、サーバ装置300の内部もしくは外部に備えられている図示しないRAMやROM等の記憶領域に記憶されるデータベースである。
【0051】
制御装置330は、本実施形態に係る駐車場情報検索処理を実行するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)331と、このROM331に格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)332と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)333とから構成される。なお、動作回路としては、CPU332に代えて、又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0052】
データセンタ通信装置340は、車両1やその他の図示しない車両から送信される駐車場情報を受信する。また、車両1から送信される駐車場情報の取得リクエスト情報(検索条件)を受信し、取得リクエストに応じた駐車場情報(検索結果)を車両1へ返信する。
また、図9は、サーバ装置300の構成の一例を示す機能ブロック図である。図8の制御装置330がROM331に格納されたプログラムをCPU332により実行することにより、図9に示す各構成における処理が実現される。
【0053】
以下、図9に示す各構成について説明する。なお、以下の説明においては、適宜、図8に示す構成を用いながら説明する。
図9に示されるように、本実施形態に係るサーバ装置300は、車載機情報受信判定部301、駐車場ID検索部302、駐車場情報記録部303、駐車場情報検索部304、平均駐車容易度算出部305、および駐車場関連情報出力部306を有する。
【0054】
車載機情報受信判定部301は、駐車場情報収集装置100の駐車場情報送信部108から送信される駐車場情報(駐車場位置情報および駐車容易度(運転情報)等)、もしくは駐車場関連情報提示装置200の検索条件送信部201から送信される駐車場情報の検索条件を受信する。また、車両1は、駐車場情報もしくは検索条件をサーバ装置300に送信する前に、これから送信するデータがいずれのデータであるのかを示す情報をあらかじめサーバ装置300に送信するが、車載機情報受信判定部301は、この情報を受信し、その内容に基づいて、その後に送信されてくるデータが駐車場情報であるのか、もしくは駐車場情報の検索条件(駐車場情報の取得リクエスト情報)であるのかを判定する。
【0055】
また、駐車場情報収集装置100から送信される駐車場情報、もしくは駐車場関連情報提示装置200から送信される検索条件のヘッダ部分等に、そのデータが駐車場情報であるか検索条件であるかを表す情報が格納されるようになっていてもよい。そして、車載機情報受信判定部301は、受信したデータのヘッダ部分等を解析することによって、送信されてきたデータが駐車場情報であるのか、もしくは駐車場情報の検索条件であるのかを判定するようになっていてもよい。
【0056】
この車載機情報受信判定部301での判定によって、受信したデータに対してどのような処理行うかが決定される。送信された情報が駐車場情報である場合には、後述する駐車場情報記録部303において駐車場情報の記録が実行される。一方、送信された情報が駐車場情報の検索条件である場合には、後述する駐車場情報検索部304において駐車場情報の検索が実行される。
【0057】
駐車場ID検索部302は、後述する駐車場情報記録部303において駐車場情報を記録する際、もしくは駐車場情報検索部304において駐車場情報を検索する際に、緯度・経度等で表されている位置情報に対応する駐車場IDを、駐車場区画データベース320を検索して取得する。
ただし、駐車場情報に含まれる駐車場位置情報や、検索条件に含まれる駐車予定位置については、あらかじめ駐車場情報収集装置100や駐車場関連情報提示装置200においてこれらを駐車場IDに変換してからサーバ装置300に出力するようになっていてもよい。この場合、駐車場ID検索部302における処理は省略される。これにより、サーバ装置300での処理負荷が軽減される。
【0058】
駐車場情報記録部303は、車両1から送信された駐車場情報を駐車場情報データベース310に記録する。駐車場情報としては、送信された駐車場位置情報から駐車場ID検索部302が検索した駐車場ID、駐車容易度(運転情報)、ドライバの運転スキル、車両ID、駐車日時・曜日等の情報が含まれる。
駐車場情報検索部304は、車載機情報受信判定部301が受信した検索条件に合致する駐車場情報を、駐車場情報データベース310を検索して抽出する。この検索の際の検索条件には、駐車を検討している駐車場所の位置情報を元に駐車場ID検索部302が出力した駐車場ID、駐車を予定している曜日や時刻、駐車予定のドライバの運転スキル情報等が含まれる。
【0059】
例えば、“駐車場ID=10101、駐車予定曜日=月曜、駐車予定時刻=13時00分、ドライバの運転スキル=ビギナー”、といった検索条件が与えられたとする。この場合、駐車場情報検索部304は、駐車場情報データベース310から、駐車場ID、駐車曜日、ドライバ運転スキルが同一であり、かつ、検索条件の駐車予定時刻との差分があらかじめ設定された時間以内(例えば30分以内である12時30分〜13時30分)である駐車時刻の駐車場情報を抽出する。
【0060】
また、駐車場IDは複数であってもよい。例えば、駐車場ID検索部302において駐車予定場所からあらかじめ設定された距離内に存在する駐車場のIDが複数出力されることにより、駐車場情報検索部304では複数の駐車場IDで検索処理が実行されるようになっていてもよい。これにより、ドライバの駐車場の選択の幅を広げつつも、駐車予定位置に近い駐車場の情報を提供することができる。
【0061】
平均駐車容易度算出部305は、駐車場情報検索部304が抽出した駐車場情報に含まれる駐車容易度の平均値を算出する。具体的には、駐車場情報検索部304が抽出した駐車場情報の駐車容易度(駐車完了時間、駐車切り返し回数)を、抽出された駐車場情報の数で除算することで各駐車場における駐車完了時間の平均値および駐車切り返し回数の平均値を算出する。
【0062】
駐車場関連情報出力部306は、駐車場情報検索部304における検索の結果を出力する。なお、本実施形態においては、駐車場関連情報出力部306は、データセンタ通信装置340を介して、平均駐車容易度算出部305での算出結果である平均駐車完了時間および平均駐車切り返し回数(駐車しやすさ情報)と、検索結果件数、駐車場ID(もしくは駐車場名称等)等の情報を、駐車場情報の取得リクエスト情報を送信してきた車両1へ出力する。
【0063】
(サーバ装置300の処理フロー)
以下、図10に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係るサーバ装置300における処理について説明する。なお、係るサーバ装置300の処理は、あらかじめ設定された時間間隔ごとに繰り返し行われる。
まず、ステップS301では、車載機情報受信判定部301が、車両1から送信された情報に基づいて、その後に、駐車場情報が送信されてくるのか、駐車場情報の検索のための検索条件が送信されてくるのかを判定する。駐車場情報が送信されてくると判定した場合にはステップS302の処理へと進み(ステップS301=NO)、駐車場情報の検索条件が送信されてくると判定した場合にはステップS303の処理へと進む(ステップS301=YES)。また、この判定の後に、車載機情報受信判定部301は駐車場情報または検索条件を受信する処理を行う。
【0064】
駐車場情報を受信した場合、ステップS302では、駐車場情報記録部303が、車両1から送信された駐車場情報を駐車場情報データベース310に記録する。
一方、検索条件を受信した場合、ステップS303では、駐車場情報検索部304は、駐車場情報の検索条件と合致する駐車場情報を、駐車場情報データベース310を検索して抽出する。そして、平均駐車容易度算出部305が、ステップS303で抽出された検索結果を用いて、平均駐車完了時間と平均駐車切り返し回数(駐車しやすさ情報)を算出する(ステップS304)。
最後に、駐車場関連情報出力部306は、データセンタ通信装置340を介して、ステップS304での算出結果(駐車しやすさ情報)を検索結果として車両1へ送信する(ステップS305)。
【0065】
(作用)
上記説明した駐車場情報提供システムは、駐車場情報収集装置において、車両走行時には車両の位置情報と走行時間情報とを含む車両走行履歴情報を取得しておく。そして、車両が駐車した場合には、この車両走行履歴情報に基づいて、駐車した駐車場における駐車のしやすさを示す駐車容易度を算出し、駐車場識別情報とともにサーバ装置へ送信する。また、サーバ装置では、駐車場情報収集装置から送信される駐車場識別情報と駐車容易度である運転情報とを受信して記録しておく。そして、車両に備えられている装置から、駐車予定位置および駐車予定時間を含む駐車場検索のための検索条件を受信した場合には、この検索条件に基づいて駐車場情報を検索する。そして、検索結果に含まれる駐車容易度の平均値を算出して、算出した平均値を駐車しやすさ情報として出力する。
これにより、駐車場を探索するドライバに対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができる。
【0066】
(変形例)
上記実施形態は、駐車場情報収集装置100は駐車容易度(駐車時間、切り返し回数)を算出し、サーバ装置300において、駐車しやすさ情報として駐車容易度の平均値を採用した場合の例である。しかし、駐車場情報収集装置100は車両走行履歴情報をそのままサーバ装置300に送信し、サーバ装置300において駐車容易度駐車時間、切り返し回数)およびその平均値が算出されるようになっていてもよい。この場合であっても、駐車場を探索するドライバに対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができるという効果を奏する。
【0067】
なお、上記実施形態においては、駐車場情報収集装置100と駐車場関連情報提示装置200は別々の装置として説明したが、一体となっていてもよい。
ここで、上記説明において、車載機情報受信判定部301は、駐車場情報受信部を構成する。駐車場情報検索部304および平均駐車容易度算出部305は、駐車しやすさ情報算出部を構成する。駐車場関連情報出力部306は、駐車しやすさ情報出力部を構成する。
【0068】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)サーバ装置300は、駐車場を識別する駐車場識別情報と駐車場での車両の駐車に関する運転情報とを車両から受信し、受信された駐車場識別情報と運転情報とを駐車場情報として記憶する。また、記憶しておいた駐車場情報に基づいて駐車場における駐車のしやすさを示す駐車しやすさ情報を算出し、駐車予定の車両に備えられた駐車場提示装置200からの出力要求に応じて、算出した駐車しやすさ情報を出力する。
これにより、駐車場を探索するドライバが運転する車両に対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができる。
【0069】
(2)運転情報は、車両の駐車開始時点から駐車完了時点までの駐車時間を含み、サーバ装置300は、駐車しやすさ情報として駐車時間の平均値を算出する。
これにより、駐車場を探索するドライバが運転する車両に対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができる。
(3)運転情報は、車両のシフトポジションから求められる駐車開始時点から駐車完了時点までにおける車両の切り返し回数を含み、サーバ装置は、駐車しやすさ情報として切り返し回数の平均値を算出する。
これにより、駐車場を探索するドライバが運転する車両に対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができる。
【0070】
(4)駐車場情報は、車両のドライバの運転スキルを示す運転スキル情報を含み、サーバ装置300は、駐車予定の車両のドライバの運転スキルに応じた駐車しやすさ情報を算出する。
これにより、ドライバが駐車場を探索する際に、サーバ装置300はそのドライバの運転スキルに応じた駐車場情報を提供することができる。
(5)駐車場情報は、車両が駐車場を走行した曜日を含み、サーバ装置300は、駐車予定の曜日に応じた駐車しやすさ情報を算出する。
これにより、ドライバが駐車場を検索する際に、サーバ装置300は駐車する予定の駐車予定曜日に応じた駐車場情報を提供することができる。
【0071】
(6)駐車場情報収集装置100は、車両の位置情報と、走行時間情報と、を含む車両走行履歴情報を取得し、取得した車両走行履歴情報に基づいて、駐車場における駐車のしやすさを示す駐車容易度を算出する。そして、車両が駐車場に駐車したと判断された場合には、駐車場を識別する駐車場識別情報と、駐車場の駐車容易度を含む運転情報とを関連づけてサーバ装置300に送信する。
これにより、駐車場を探索するドライバが運転する車両に対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができる。
【0072】
(7)駐車場情報収集装置100は、車両の駐車開始時点から駐車完了時点までの駐車時間に基づいて駐車容易度を算出する。
これにより、駐車場を探索するドライバが運転する車両に対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができる。
(8)駐車場情報収集装置100は、車両走行履歴情報として車両のシフトポジションをさらに取得し、取得したシフトポジションから求められる駐車開始時点から駐車完了時点までにおける車両の切り返し回数に基づいて駐車容易度を算出する。
これにより、駐車場を探索するドライバが運転する車両に対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができる。
【0073】
(9)駐車場情報収集装置100は、位置情報が示す車両の位置が駐車場から所定距離内となった時点を駐車開始時点として駐車容易度を算出する。
これにより、駐車場周辺に到着してから駐車完了まで時間を把握して駐車容易度を算出することができる。実際に車両を駐車場に駐車する場合には、駐車場への到達のしやすさなどの周辺の状況も含めて駐車のしやすさを把握したい場合がある。このような場合に、より正確に駐車場容易度を算出することができる。
【0074】
(10)駐車場情報収集装置100は、位置情報が示す車両の位置が駐車場内となった時点を駐車開始時点として駐車容易度を算出する。
これにより、駐車場情報収集装置100は、駐車場内に入ってからの駐車完了までにかかった時間をより正確に算出して駐車容易度を算出することができる。
(11)駐車場情報収集装置100は、車両のドライバの運転スキルを判定し、駐車場識別情報および運転情報に加えて、判定した運転スキルも関連づけて送信する。
これにより、ドライバの運転スキルごとに駐車場情報を分別することができる。
【0075】
(12)駐車場情報収集装置100は、車両走行履歴情報として車両の走行した曜日をさらに取得し、駐車場識別情報および運転情報に加えて、車両の走行した曜日も関連づけて送信する。
これにより、車両が駐車場に駐車した曜日ごとに駐車場情報を分別することができる。
(13)駐車場関連情報提示装置200は、車両の駐車予定位置を含む駐車場情報の検索条件を取得し、取得した検索条件を駐車場情報サーバ装置に送信する。また、送信した検索条件に対する返信である検索結果をサーバ装置300から受信し、受信した検索結果を表示する。
これにより、駐車場を探索するドライバが運転する車両に対して各駐車場の駐車のしやすさに関する情報提供を行うことができる。
【符号の説明】
【0076】
1a、1b 車両
2 データセンタ
100 駐車場情報収集装置
101 処理開始判定部
102 駐車完了判定部
103 車両走行履歴情報取得部
104 道路判定部
105 駐車開始時刻算出部
106 駐車容易度算出部
107 運転スキル判定部
108 駐車場情報送信部
110 GPSユニット
120 車速センサ
130 シフトポジションセンサ
140 操舵角度センサ
150 地図情報データベース
160 車両走行履歴データベース
170 制御装置
171 ROM
172 CPU
173 RAM
180 車載機通信装置
200 駐車場関連情報提示装置
201 検索条件送信部
202 駐車場関連情報取得部
203 駐車場関連情報表示部
210 駐車場検索条件取得装置
220 制御装置
221 ROM
222 CPU
223 RAM
230 車載機通信装置
240 駐車場関連情報表示装置
300 サーバ装置
301 車載機情報受信判定部
302 検索部
303 駐車場情報記録部
304 駐車場情報検索部
305 平均駐車容易度算出部
306 駐車場関連情報出力部
310 駐車場情報データベース
320 駐車場区画データベース
330 制御装置
331 ROM
332 CPU
333 RAM
340 データセンタ通信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を識別する駐車場識別情報および前記駐車場での運転情報を含む駐車場情報を受信する駐車場情報受信部と、
受信した前記駐車場情報を記憶する駐車場情報記録部と、
前記駐車場情報に基づいて前記駐車場における駐車のしやすさを示す駐車しやすさ情報を算出する駐車しやすさ情報算出部と、
駐車場識別情報を含む要求信号を受信すると要求先に前記駐車しやすさ情報を出力する駐車しやすさ情報出力部と、
を有する駐車場情報サーバ装置。
【請求項2】
前記運転情報は、前記車両の駐車開始時点から駐車完了時点までの駐車時間を含み、
前記駐車しやすさ情報算出部は、駐車しやすさ情報として前記駐車時間の平均値を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の駐車場情報サーバ装置。
【請求項3】
前記運転情報は、前記車両のシフトポジションから求められる駐車開始時点から駐車完了時点までにおける前記車両の切り返し回数を含み、
前記駐車しやすさ情報算出部は、駐車しやすさ情報として前記切り返し回数の平均値を算出すること
を特徴とする請求項1に記載の駐車場情報サーバ装置。
【請求項4】
前記駐車場情報は、前記車両のドライバの運転スキルを示す運転スキル情報を含み、
前記駐車しやすさ情報算出部は、運転スキルに応じた前記駐車しやすさ情報を算出する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の駐車場情報サーバ装置。
【請求項5】
前記駐車場情報は、駐車場を走行した曜日を含み、
前記駐車しやすさ情報算出部は、駐車予定の曜日に応じた前記駐車しやすさ情報を算出する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の駐車場情報サーバ装置。
【請求項6】
車両に搭載されて、請求項1から5のいずれか一項に記載の駐車場情報サーバ装置と通信する駐車場情報収集装置であって、
前記車両の位置情報と、走行時間情報と、を含む車両走行履歴情報を取得する車両走行履歴情報取得部と、
前記車両走行履歴情報に基づいて、駐車場における駐車のしやすさを示す駐車容易度を算出する駐車容易度算出部と、
前記車両が駐車場に駐車したと判断された場合には、前記駐車場を識別する駐車場識別情報と、前記駐車場の前記駐車容易度を含む運転情報と、を関連づけて前記駐車場情報サーバ装置に送信する駐車場情報送信部と、
を有することを特徴とする駐車場情報収集装置。
【請求項7】
前記駐車容易度算出部は、前記車両の駐車開始時点から駐車完了時点までの駐車時間に基づいて前記駐車容易度を算出することを特徴とする請求項6に記載の駐車場情報収集装置。
【請求項8】
前記車両走行履歴情報取得部は、前記車両走行履歴情報として前記車両のシフトポジションをさらに取得し、
前記駐車容易度算出部は、前記シフトポジションから求められる駐車開始時点から駐車完了時点までにおける前記車両の切り返し回数に基づいて前記駐車容易度を算出する
ことを特徴とする請求項6に記載の駐車場情報収集装置。
【請求項9】
前記駐車容易度算出部は、前記位置情報が示す前記車両の位置が前記駐車場から所定距離内となった時点を前記駐車開始時点として前記駐車容易度を算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の駐車場情報収集装置。
【請求項10】
前記駐車容易度算出部は、前記位置情報が示す前記車両の位置が前記駐車場内となった時点を前記駐車開始時点として前記駐車容易度を算出することを特徴とする請求項7又は8に記載の駐車場情報収集装置。
【請求項11】
前記車両のドライバの運転スキルを判定する運転スキル判定部をさらに有し、
前記駐車場情報送信部は、前記駐車場識別情報および前記運転情報に加えて、前記運転スキルも関連づけて送信する
ことを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の駐車場情報収集装置。
【請求項12】
前記車両走行履歴情報取得部は、前記車両走行履歴情報として前記車両の走行した曜日をさらに取得し、
前記駐車場情報送信部は、前記駐車場識別情報および前記運転情報に加えて、前記車両の走行した曜日も関連づけて送信する
ことを特徴とする請求項6から11のいずれか一項に記載の駐車場情報収集装置。
【請求項13】
車両に搭載されて、請求項1から5のいずれか一項に記載の駐車場情報サーバ装置と通信する駐車場関連情報提示装置であって、
前記車両の駐車予定位置を含む駐車場情報の検索条件を取得し、前記検索条件を前記駐車場情報サーバ装置に送信する検索条件送信部と、
前記検索条件に対する返信である駐車場関連情報を前記駐車場情報サーバ装置から受信する駐車場関連情報取得部と、
受信された前記検索結果を表示する駐車場関連情報表示部と、
を有することを特徴とする駐車場関連情報提示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−8157(P2013−8157A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139743(P2011−139743)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】