駐車場情報提供システム、駐車場情報提供方法及びコンピュータプログラム
【課題】ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することを可能とした駐車場情報提供システム、駐車場情報提供方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】車両が駐車場で駐車を行う場合に、“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”とをプローブ情報としてプローブセンタ2へと送信する。一方、プローブ情報を受信したプローブセンタ2は、受信したプローブ情報に基づいて各駐車場に対して利用難易度を設定するとともに、ユーザの運転技術レベルを特定する。また、設定された駐車場の利用難易度やユーザの運転技術レベルに関する情報をプローブセンタ2から配信された車両3は、ユーザの運転技術レベルに対応した駐車場の案内を行うように構成する。
【解決手段】車両が駐車場で駐車を行う場合に、“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”とをプローブ情報としてプローブセンタ2へと送信する。一方、プローブ情報を受信したプローブセンタ2は、受信したプローブ情報に基づいて各駐車場に対して利用難易度を設定するとともに、ユーザの運転技術レベルを特定する。また、設定された駐車場の利用難易度やユーザの運転技術レベルに関する情報をプローブセンタ2から配信された車両3は、ユーザの運転技術レベルに対応した駐車場の案内を行うように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に関する情報を提供する駐車場情報提供システム、駐車場情報提供方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車載用のナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機などの携帯情報機器、パーソナルコンピュータ等では、地図情報として一般道路及び高速道路等の道路や施設名称等を各種記憶デバイスに記憶するか、又はサーバ等からダウンロードすることにより、利用者に対して所望のエリアの地図を表示することが可能となっている。
【0003】
更に、従来のナビゲーション装置等では地図を表示するのみでなく、利用者の利便性をより向上させる為に、予め地図情報に施設情報として記憶されている駐車場に関する情報に基づいて、車両を駐車する為の駐車場を案内することについても行われていた。例えば特開2001−349740号公報には、目的地付近の複数の駐車場の内から、自車の車幅、車高、車種の条件に合致する駐車場を抽出し、抽出された駐車場に関する情報として、駐車場の駐車料金や目的地に対する相対位置をユーザに案内する技術について記載されている。
【特許文献1】特開2001−349740号公報(第6−7頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来のナビゲーション装置では、予め地図情報に施設情報として記憶されている駐車場に関する情報に基づいて、ユーザに駐車場を案内する。尚、「施設情報として記憶されている駐車場に関する情報」とは、予め駐車場毎に規定された画一的な形式の情報であり、例えば駐車場の位置、駐車料金、利用可能時間、利用可能車種、駐車場の形態(平面型駐車場、地下駐車場、屋上駐車場、立体駐車場等)、駐車場内の通路の幅等の情報がある。
【0005】
しかしながら、上記従来のナビゲーション装置では、ユーザに適した駐車場を案内することができなかった。ここで、ユーザに適した駐車場を案内するためには、駐車場の利用し易さを考慮する必要がある。
以下の図22〜図25には車両の駐車対象となる複数パターンの駐車場の例を示す。例えば、図22に示す駐車場内の通路101の通路幅と図23に示す駐車場内の通路102の通路幅とを比較すると、図23に示す駐車場内の通路102の通路幅の方が狭い。従って、実際に車両を駐車する際には、図22に示す駐車場よりも図23に示す駐車場の方が切り返しを多く実行しなければならず、利用し難いと考えられる。また、図24や図25に示す駐車場内には駐車スペースの間に柱103や壁104が配置される。図24や図25に示す駐車場に対して車両を駐車する際には、柱103や壁104が障害となって駐車後にドアを十分な角度まで開放することができない場合がある。従って、図22に示す駐車場よりも図24や図25に示す駐車場の方が利用し難いと考えられる。
上記従来のナビゲーション装置では、考慮することが可能であったのが施設情報として記憶されている駐車場に関する情報のみであり、上記のような車両が駐車場で駐車を行う際の駐車場の利用し易さについて考慮することができなかった。その結果、ユーザに適した駐車場を案内することができなかった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができ、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することを可能とした駐車場情報提供システム、駐車場情報提供方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る駐車場情報提供システム(1)は、駐車場において駐車を実行した車両(3)に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得手段(20)と、前記駐車態様取得手段によって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定手段(20)と、前記利用難易度設定手段によって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供手段(33)と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る駐車場情報提供システム(1)は、請求項1に記載の駐車場情報提供システムであって、ユーザの運転技術を特定する運転技術特定手段(20)と、前記運転技術特定手段により特定された前記ユーザの運転技術と前記利用難易度設定手段(20)により設定された前記駐車場の利用難易度とに基づいて、前記ユーザの運転技術に対応する利用難易度が設定された駐車場を特定する駐車場特定手段(33)と、を有し、前記情報提供手段(33)は、前記駐車場特定手段により特定された前記駐車場に関する情報を前記ユーザに対して提供することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る駐車場情報提供システム(1)は、請求項又は請求項2に記載の駐車場情報提供システムであって、前記車両(3)が駐車を実行した駐車場の空車率を取得する空車率取得手段(33)を有し、前記利用難易度設定手段(20)は、前記空車率取得手段によって取得された前記駐車場の空車率に基づいて該駐車場の利用難易度を補正することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る駐車場情報提供方法は、駐車場において駐車を実行した車両(3)に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得ステップ(S22)と、前記駐車態様取得ステップによって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定ステップ(S31〜S34)と、前記利用難易度設定ステップによって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供ステップ(S55)と、を有することを特徴とする。
【0011】
更に、請求項5に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、駐車場において駐車を実行した車両(3)に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得機能(S22)と、前記駐車態様取得機能によって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定機能(S31〜S34)と、前記利用難易度設定機能によって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供機能(S55)と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前記構成を有する請求項1に記載の駐車場情報提供システムによれば、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができる。従って、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の駐車場情報提供システムによれば、ユーザの運転技術に対応した駐車場に関する情報をユーザに提供することが可能となる。従って、複数の駐車場候補がある場合であっても、その内からユーザが利用するのに適した駐車場を選別してユーザに情報提供することができるので、ユーザの利便性が向上する。その結果、運転技術の低いユーザや運転技術の高いユーザに対しても、それぞれに適切な運転支援を行うことが可能となる。
【0014】
また、請求項3に記載の駐車場情報提供システムによれば、駐車場の空車率に基づいて駐車場の利用難易度を補正するので、駐車場の空車率を考慮して、より正確な駐車場の利用難易度を設定することが可能となる。
【0015】
また、請求項4に記載の駐車場情報提供方法によれば、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができる。従って、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することができる。
【0016】
更に、請求項5に記載のコンピュータプログラムによれば、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができる。従って、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る駐車場情報提供システムについて具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1を示した概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1は、プローブ情報を収集し、収集したプローブ情報に基づく交通情報の作成・配信を行うプローブセンタ2と、プローブカーである車両3とから基本的に構成されている。
【0020】
ここで、プローブセンタ2は、全国各地を走行する各車両3から送信された“駐車場で駐車を行った際の駐車態様”等を含むプローブ情報を収集して蓄積するとともに、蓄積されたプローブ情報に対して統計処理を施すことにより各駐車場の利用難易度を設定し、設定した各駐車場の利用難易度に関する情報(以下、利用難易度情報という)を車両3に対して配信する情報配信センタである。
更に、プローブセンタ2は、同じく蓄積されたプローブ情報に対して統計処理を施すことにより、プローブ情報の送信元である車両3を運転するユーザの運転技術レベルを特定し、特定したユーザの運転技術レベルに関する情報(以下、運転技術レベル情報という)を車両3に対して送信することについても行う。
【0021】
ここで、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1においてプローブセンタ2が収集するプローブ情報は、車両3が駐車場で駐車を行った際の駐車態様である。そして、駐車態様としては、駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とが含まれる。
尚、「ドアの開閉角度」とは、ドアが開放されてから閉鎖されるまでの期間内での車体に対するドアの開閉角度を連続して検出した結果、検出される最大の角度である。
また、利用難易度とは、車両3が駐車場で駐車を行う際の利用し易さを「E(易)」〜「A(難)」の5段階で定義したものである。利用難易度は、後述のようにその駐車場で駐車した各車両3の駐車態様を収集し、統計処理を施すことにより設定される。
また、運転技術レベルとは、車両3を運転するユーザの運転技術を「E(低)」〜「A(高)」の5段階で定義したものである。運転技術レベルは、後述のように同一駐車場における各車両3の駐車態様の統計とレベル評価対象となるユーザが運転する車両の駐車態様との比較に基づいて設定される。
【0022】
また、車両3は全国の各道路を走行する車両であり、プローブカーとしてプローブセンタ2とともにプローブカーシステムを構成する。ここで、プローブカーシステムとは、車両をセンサとして情報を収集するシステムである。具体的には、車両が速度データをはじめ、ステアリング操作やシフト位置等の各システムの作動状況をGPS41の位置情報とともに予め車両に搭載された携帯電話機等の車両用の通信モジュール4(以下、単に通信モジュール4という)を介してプローブセンタ2に送信し、センタ側でその収集データを様々な情報として利用するシステムをいう。
ここで、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1において車両3が取得し、プローブセンタ2に対して送信するプローブ情報としては、特に、車両3が駐車場で駐車を行った際の“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”とが含まれる。そして、プローブセンタ2は車両3から送信された各情報に基づいて、地図情報に含まれる各駐車場の利用難易度の設定、並びにユーザの運転技術レベルの特定を行う。
【0023】
更に、車両3にはナビゲーション装置5が設置されている。ナビゲーション装置5は格納する地図データに基づいて自車位置周辺の地図を表示したり、駐車場等の施設を案内したり、設定された目的地までの経路の探索及び案内を行う車載機である。また、ナビゲーション装置5は、特に駐車場の案内を行う際に、プローブセンタ2から受信した各駐車場の利用難易度とユーザの運転技術とに基づいてユーザが利用するのに適当な駐車場を特定し、特定した駐車場を案内する。また、VICSセンタ(図示せず)から受信したVICS情報を利用者に対して案内することも行う。尚、ナビゲーション装置5の詳細な構成については後述する。
【0024】
続いて、駐車場情報提供システム1を構成するプローブセンタ2の構成について図2を用いてより詳細に説明する。図2は第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1の構成を示したブロック図である。
【0025】
プローブセンタ2は、図2に示すようにサーバ(駐車態様取得手段、利用難易度設定手段、運転技術特定手段)20と、サーバ20に接続された情報記録手段としてのプローブ情報DB24と、利用難易度情報DB25と、センタ地図情報DB26と、センタ通信装置27とを備える。
【0026】
サーバ20は、各車両3からプローブ情報を収集するとともにユーザの運転技術レベルを特定する運転技術レベル特定処理、蓄積されたプローブ情報に基づいて各駐車場の利用難易度を設定する利用難易度設定処理、設定された各駐車場の利用難易度に関する情報を車両3に対して配信する情報配信処理等のプローブセンタ2における各種制御を行う制御部である。そして、サーバ20の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、各種制御プログラムの他、後述の運転技術レベル特定処理プログラム(図9)、利用難易度設定処理プログラム(図10)、情報配信処理プログラム(図11)、利用難易度判定グラフ(図4)、運転技術レベル判定グラフ(図14)、運転技術レベル判定テーブル(図15)等が記憶されたROM23等の内部記憶装置を備えている。
【0027】
また、プローブ情報DB24は、全国を走行する各車両3から収集したプローブ情報を累積的に記憶する記憶手段である。尚、第1実施形態においては、車両3から収集されるプローブ情報として、特に各車両3が駐車場で駐車を行った際の“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”に関する情報が含まれる。
【0028】
以下に、図3を用いてプローブ情報DB24に記憶されるプローブ情報についてより詳細に説明する。図3はプローブ情報DB24に記憶されるプローブ情報の一例を示した図である。
図3に示すようにプローブ情報は、送信元の車両を識別する車両IDと、車両が駐車を行った駐車場を識別する施設IDと、車両が駐車場において駐車を完了した日時(即ち、プローブ情報が送信された日時)と、駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と、駐車後のドアの開閉角度とから構成される。例えば、図3に示すプローブ情報は、「ID:10012」の車両3が2008年9月15日の15時2分20秒に「ID:310012」の駐車場で駐車を完了し、駐車を完了するまでに3回の切り返しを実行し、駐車後のドアの開閉角度が43度だったことが記憶されている。また、「ID:13672」の車両3が2008年9月15日の15時3分46秒に「ID:475789」の駐車場で駐車を完了し、駐車を完了するまでに1回の切り返しを実行し、駐車後のドアの開閉角度が81度だったことが記憶されている。また、「ID:12876」の車両3が2008年9月15日の15時4分50秒に「ID:276933」の駐車場で駐車を完了し、駐車を完了するまでに5回の切り返しを実行し、駐車後のドアの開閉角度が62度だったことが記憶されている。また、「ID:12309」の車両3が2008年9月15日の15時14分23秒に「ID:110032」の駐車場で駐車を完了し、駐車を完了するまでに2回の切り返しを実行し、駐車後のドアの開閉角度が33度だったことが記憶されている。
【0029】
そして、サーバ20は、プローブ情報DB24に記憶されるプローブ情報の内、同一駐車場に駐車を行ったプローブ情報を抽出し、抽出された各プローブ情報とROM23に記憶される難易度判定グラフ(図4)に基づいて、プローブ情報毎にその駐車場の利用難易度を判定する。そして、サーバ20は同一の駐車場において判定された複数の利用難易度を統計して度数分布をとり、最も度数の多い最頻値の難易度をその駐車場の利用難易度として設定する。
更に、サーバ20は、車両3からプローブ情報が送信された場合に、同一駐車場に駐車を行ったプローブ情報を抽出し、抽出された各プローブ情報と新たに送信されたプローブ情報とを比較することにより、プローブ情報の送信元の車両を運転するユーザの運転技術レベルを特定する。
【0030】
ここで、図4を用いてROM23に記憶される難易度判定グラフについて説明する。図4はROM23に記憶される難易度判定グラフを示した図である。
図4に示すように難易度判定グラフは、横軸に切り返しの回数が設定され、縦軸にドアの開閉角度が設定される。また、難易度判定グラフには5つのエリアが設定され、各エリアに対してそれぞれ利用難易度(「E(易)」〜「A(難)」)が規定される。
そして、サーバ20は、プローブ情報毎の駐車場の利用難易度を判定する際には、以下の(A)及び(B)の処理を実行する。
(A)まず、サーバ20は、プローブ情報に含まれる“駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”に対応する点を難易度判定グラフ上にプロットする。
(B)次に、サーバ20は、プロットした点が属する範囲に規定された利用難易度を特定する。
【0031】
尚、利用難易度は、「E(易)」〜「A(難)」の5段階で定義される。また、図4に示すようにドアの開閉角度が同じであれば、切り返し回数が多いほど、難しい利用難易度が特定される。ここで、図22に示すような通路の広い駐車場に比べて図23に示すような通路の狭い駐車場の方が切り返し回数は多くなると予測される。従って、図4に示す難易度判定グラフによれば、通路の狭い駐車場に対してより高難度の利用難易度を設定することが可能となる。
【0032】
また、図4に示すように切り返し回数が同じであれば、ドアの開閉角度が小さいほど、難しい利用難易度が特定される。ここで、図22に示すような駐車スペースに隣接して障害物の無い駐車場に比べて、図24、図25に示すような駐車スペースに隣接して障害物(壁や柱)の有る駐車場はドアの開閉角度が小さくなると予測される。更に、駐車スペースから障害物までの距離が短いほど、ドアの開閉角度が小さくなると予測される。例えば、図5に示すように、駐車スペース28に駐車された車両3の左側方に壁29が位置する場合には、ドア30が壁29に接触しない角度までしか開放することができない。従って、駐車スペース28から壁29までの距離aが短いほどドア30の開閉角度θは小さくなり、駐車スペース28から壁29までの距離aが長いほどドア30の開閉角度θは大きくなると予測される。従って、図4に示す難易度判定グラフによれば、駐車スペースに接近して障害物が形成される駐車場に対してより高難度の利用難易度を設定することが可能となる。
【0033】
一方、利用難易度情報DB25は、サーバ20により設定される各駐車場の利用難易度に関する情報を記憶する記憶手段である。第1実施形態において駐車場の利用難易度に関する情報は、後述するようにプローブ情報DB24に記憶されたプローブ情報の統計処理に基づいて生成される。
ここで、駐車場の利用難易度に関する情報としては、駐車場を識別する施設ID、利用難易度等がある。
【0034】
以下に、図6を用いて利用難易度情報DB25に記憶される駐車場の利用難易度に関する情報についてより詳細に説明する。図6は利用難易度情報DB25に記憶される駐車場の利用難易度に関する情報の一例を示した図である。
図6に示すように駐車場の利用難易度に関する情報は、駐車場を識別する施設IDと、駐車場毎に設定された利用難易度とから構成される。例えば、図6に示す利用難易度に関する情報では、『ID:100001』の駐車場について、利用難易度として『E』が設定されている。また、『ID:100002』の駐車場について、利用難易度として『B』が設定されている。また、『ID:100003』の駐車場について、利用難易度として『B』が設定されている。また、『ID:100004』の駐車場について、利用難易度として『D』が設定されている。
【0035】
また、センタ地図情報DB26は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、駐車場を含む施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0036】
一方、センタ通信装置27は車両3とネットワーク8を介して通信を行う為の通信装置である。第1実施形態では、センタ通信装置27を介してプローブ情報や駐車場の利用難易度に関する情報やユーザの運転技術レベルに関する情報を各車両3との間で送受信する。
【0037】
次に、車両3に搭載されたナビゲーション装置5の概略構成について図7を用いて説明する。図7は第1実施形態に係るナビゲーション装置5の制御系を模式的に示すブロック図である。
図7に示すように第1実施形態に係るナビゲーション装置5は、自車の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(情報提供手段、駐車場特定手段)33と、操作者からの操作を受け付ける操作部34と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ36と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37と、プローブセンタ2やVICSセンタとの間で通信を行う通信モジュール4と、から構成されている。また、ナビゲーションECU33には、シフトレバーセンサ38及びドア開閉角度センサ39が接続されている。
【0038】
以下に、ナビゲーション装置5を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ジャイロセンサ44等からなり、現在の自車の位置、方位、自車の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ42は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の車輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより車輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置5が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置5が備える構成としても良い。
【0039】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録されたナビ地図情報DB46やナビ利用難易度情報DB47や運転技術レベル記憶DB48、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0040】
ここで、ナビ地図情報DB46は、基本的にプローブセンタ2の有するセンタ地図情報DB26と同様の構成を有しており、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、駐車場を含む施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0041】
また、ナビ利用難易度情報DB47は、プローブセンタ2から配信された駐車場の利用難易度に関する情報(図6参照)を記憶する記憶手段である。
【0042】
また、運転技術レベル記憶DB48は、プローブセンタ2から送信された自車を運転するユーザの運転技術レベル(「E(低)」〜「A(高)」の5段階で定義)に関する情報を記憶する記憶手段である。尚、サーバ20による自車の運転技術レベルの判定方法については後述する。
そして、ナビゲーションECU33は、駐車場の案内を行う際に、ナビ利用難易度情報DB47に記憶された駐車場の利用難易度に関する情報と運転技術レベル記憶DB48に記憶されたユーザの運転技術走行レベルを用いて、後述のように目的地や自車周辺にある多数の駐車場候補の中からユーザの運転技術に対応する駐車場を特定し、特定された駐車場の案内等を行う。
【0043】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの誘導経路を設定する誘導経路設定処理、駐車場にて駐車を行った場合にその駐車態様をプローブ情報としてプローブセンタ2に送信する駐車態様送信処理、プローブセンタ2から配信された駐車場の利用難易度に関する情報及びユーザの運転技術レベルに関する情報に基づいてユーザに適した駐車場の案内等を行う運転支援処理等のナビゲーション装置5の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データや後述の切り返し回数カウンタ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、後述の駐車態様送信処理プログラム(図8参照)、運転支援処理プログラム(図12参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0044】
また、シフトレバーセンサ38は、シフトレバー(図示せず)に内蔵され、シフト位置が「P(パーキング)」、「N(ニュートラル)」、「R(リバース)」、「D(ドライブ)」、「2(セカンド)」、「L(ロー)」のいずれの位置となっているかを検出可能とする。
【0045】
また、ドア開閉角度センサ39は、車両3のドアに配置され、ドアが開放された際に、開放されたドアの開閉角度を検出可能とする。
【0046】
続いて、前記構成を有する駐車場情報提供システム1を構成するナビゲーション装置5において実行する駐車態様送信処理プログラムについて図8に基づき説明する。図8は第1実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのフローチャートである。ここで、走行レベル特定処理プログラムはイグニションがONされた後に所定時間間隔(例えば200ms毎)で繰り返し実行され、自車が駐車場で駐車を行った場合に自車の駐車態様を含むプローブ情報をプローブセンタ2へと送信するプログラムである。尚、以下の図8及び図12にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーションECU33が備えているRAM52、ROM53等に記憶されており、CPU51により実行される。
【0047】
先ず、駐車態様送信処理プログラムでは、ステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は自車に関する車両情報を取得する。ここで、前記S1で取得される車両情報としては、自車の現在位置、自車方位に関する情報である。尚、自車の現在位置についてはGPS41を用いて検出する。また、自車方位についてはジャイロセンサ44を用いて検出する。
【0048】
次に、S2においてCPU51は、前記S1で取得した車両情報に基づいて、自車が走行中の道路から道路外の駐車場内へと進入したか否か判定する。
ここで、図13は車両3が駐車場61で後ろ向き駐車を行う場合の駐車態様の一例を示した図である。そして、第1実施形態では図13に示すように車両3の後輪車軸中央点の座標Xが道路62から駐車場61内へと移行した時に、車両3が駐車場内へと進入したと判定する。
【0049】
そして、自車が駐車場内へと進入したと判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。一方、自車が駐車場内へと進入していないと判定された場合(S2:NO)には、当該駐車態様送信処理プログラムを終了する。尚、自車が駐車場内へと進入したと判定された場合には、自車の進入した駐車場の施設IDについてナビ地図情報DB46から取得する。
【0050】
続いて、S3以降においてCPU51は、自車の駐車態様を特定する為に“自車の実行した切り返しの回数”のカウントと“ドアの開閉角度”の検出を開始する。尚、第1実施形態では前向き駐車と後ろ向き駐車の内、特に後ろ向き駐車による駐車態様のみを検出対象とする。
【0051】
具体的には、先ず、S3においてCPU51は、RAM52に設けられた切り返し回数カウンタのカウント値を初期化する。尚、切り返し回数カウンタは、駐車場に自車が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数をカウントするカウンタであり、後述のS6においてカウントアップされる。
【0052】
次に、S4においてCPU51は、シフトレバーセンサ38から送信される信号に基づいて、シフト位置が「R」に変更されたか否か、即ち後ろ向き駐車による駐車操作が開始されたか否かを判定する。
【0053】
そして、シフトポジションが「R」に変更されたと判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。一方、シフトポジションが「R」に変更されていないと判定された場合(S4:NO)には、シフトポジションが「R」に変更されるまで待機する。
【0054】
S5においてCPU51は、適切な方位(基本的には駐車スペースと平行となる方位)に車両方位を修正する為に行われる切り返し操作が実行されたか否かを判定する。具体的には、シフト位置が「R」から「D」に変更された後に車速センサ42から車輪速パルスの入力があった場合に、CPU51は自車において切り返し操作が行われたと判定する。また、その後において、シフト位置が「D」から「R」に変更され、車速センサ42から車輪速パルスの入力があった場合に、CPU51は自車において再度切り返し操作が行われたと判定する。また、ステアリングセンサ43によって、ステアリング角が左方向又は右方向の所定角度(例えば180度)からその逆方向への所定角度(例えば−180度)へと短時間で変化したことを検出した場合に、CPU51は自車において切り返し操作が行われたと判定しても良い。
【0055】
そして、切り返し操作が実行されたと判定された場合(S5:YES)には、S6へと移行する。そして、S6においてCPU51は、RAM52に設けられた切り返し回数カウンタのカウント値を読み出し、カウントアップする。その後、S7へと移行する。
それに対して、切り返し操作が実行されていないと判定された場合(S5:NO)には、S7へと移行する。
【0056】
次に、S7においてCPU51は、自車の駐車が完了したか否か判定する。具体的には、シフト位置が「P」に変更された場合又はACCがOFFされた場合に、自車の駐車が完了したと判定する。
【0057】
そして、自車の駐車が完了したと判定された場合(S7:YES)には、S8へと移行する。一方、自車の駐車が完了していないと判定された場合(S7:NO)には、S5へと戻る。
【0058】
S8においてCPU51は、ドア開閉角度センサ39から送信される信号に基づいて、自車のいずれかのドアが開放されたか否かを判定する。
【0059】
そして、いずれかのドアが開放されたと判定された場合(S8:YES)には、S9へと移行する。一方、いずれのドアも開放されていないと判定された場合(S8:NO)には、いずれかのドアが開放されるまで待機する。
【0060】
続いて、S9においてCPU51は、ドア開閉角度センサ39から送信される信号に基づいて、開放されたドアの開閉角度を検出する。尚、ドアの開閉角度は、既に図5を用いて説明したように、自車が駐車された駐車スペースの周囲に位置する障害物(他の駐車車両、壁、柱)の配置に大きく影響される。
【0061】
S10においてCPU51は、切り返し回数カウンタのカウント値(即ち、駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数)と、前記S9で検出した駐車後のドアの開閉角度と、自車を識別する車両IDと、自車の進入した駐車場の施設IDとをプローブセンタ2へとプローブ情報として送信する。
【0062】
次に、S11においてCPU51は、プローブセンタ2から送信(S25)されたユーザの運転技術レベルに関する情報を受信する。そして、受信したユーザの運転技術レベルに関する情報は、運転技術レベル記憶DB48に記憶される。尚、既に運転技術レベル記憶DB48にユーザの運転技術レベルに関する情報が記憶されている場合には、古い情報に対して新しい情報が上書きされる。また、運転技術レベルは、前記S10で送信した今回の駐車態様を含むプローブ情報に基づいて、サーバ20が判定する(S24)。
【0063】
次に、駐車場情報提供システム1を構成するプローブセンタ2において実行する運転技術レベル特定処理プログラムプについて図9に基づき説明する。図9は第1実施形態に係る運転技術レベル特定処理プログラムのフローチャートである。ここで、運転技術レベル特定処理プログラムは所定時間間隔(例えば200ms毎)で実行され、各車両3から送信されたプローブ情報を受信するとともにユーザの運転技術レベルを特定するプログラムである。尚、以下の図9乃至図11にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ20が備えているRAM22、ROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
【0064】
先ず、運転技術レベル特定処理プログラムでは、S21において、CPU21は全国を走行する各車両3からプローブ情報の送信があるか否か判定する。
【0065】
そして、プローブ情報の送信があると判定された場合(S21:YES)には、送信されるプローブ情報を受信する(S22)。そして、CPU21は受信したプローブ情報をプローブ情報DB24へと累積的に格納する(S23)。一方、プローブ情報の送信がないと判定された場合(S21:NO)には、当該運転技術レベル特定処理プログラムを終了する。尚、前記S22で受信するプローブ情報としては、送信元の車両を識別する車両IDと、車両が進入した駐車場を識別する施設IDと、駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と、駐車後のドアの開閉角度と、がある。尚、上記S22が駐車態様取得手段の処理に相当する。
【0066】
次に、S24においてCPU21は、前記S22で受信したプローブ情報と、プローブ情報DB24に格納されたプローブ情報とに基づいて、前記S22で受信したプローブ情報の送信元の車両を運転するユーザの運転技術レベルを特定する。
【0067】
以下に、図14及び図15を用いて前記S24におけるユーザの運転技術レベルの特定処理の詳細について説明する。
先ず、CPU21は、前記S22で受信したプローブ情報に含まれる“駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”に対応する点を図14に示す運転技術レベル判定グラフ上にプロットする。
尚、図14に示すように運転技術レベル判定グラフは、横軸に切り返しの回数が設定され、縦軸にドアの開閉角度が設定される。
その後、CPU21は、運転技術レベル判定グラフの原点からプロットした点までの距離Lを算出する。
その後、CPU21は、プローブ情報DB24に格納されたプローブ情報の内、同じ駐車場で駐車された車両の駐車態様を含むプローブ情報であって、且つ最近記憶された30個のプローブ情報を抽出する。
その後、抽出された30個のプローブ情報について同様に“駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”に対応する点を図14に示す運転技術レベル判定グラフ上にプロットし、距離Lを算出する。
そして、前記S22で受信したプローブ情報と抽出された30個のプローブ情報について、距離Lが短い順に順位を付ける。
その後、前記S22で受信したプローブ情報に付けられた順位と図15に示す運転技術レベル判定テーブルを用いて、ユーザの運転技術レベルを特定する。具体的には、図15に示すように、前記S22で受信したプローブ情報に付けられた順位が上位10%以上の順位であれば、運転技術レベルとして「A」が特定される。また、上位11%〜30%の順位であれば、運転技術レベルとして「B」が特定される。また、上位31%〜50%の順位であれば、運転技術レベルとして「C」が特定される。また、上位51%〜80%の順位であれば、運転技術レベルとして「D」が特定される。また、上位81%以下の順位であれば、運転技術レベルとして「E」が特定される。即ち、同一の駐車場に駐車した他の車両と比較して、“駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”が少なく、且つ“駐車後のドアの開閉角度”が大きいほど、そのユーザの運転技術レベルは高いと判定されることとなる。尚、上記S24が運転技術特定手段の処理に相当する。
【0068】
続いて、S25においてCPU21は、前記S22で受信したプローブ情報を送信した送信元の車両3に対して、前記S24で特定されたユーザの運転技術レベルに関する情報を送信する。その結果、ナビゲーション装置5は現在のユーザの運転技術レベルを把握することが可能となる。
【0069】
次に、駐車場情報提供システム1を構成するプローブセンタ2において実行する利用難易度設定処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は第1実施形態に係る利用難易度設定処理プログラムのフローチャートである。ここで、利用難易度設定処理プログラムは前回プログラムを実行した時から所定期間(例えば1ヶ月)経過後に実行され、各車両3から送信されたプローブ情報に基づいて地図情報に含まれる各駐車場の利用難易度を設定するプログラムである。
【0070】
以下の、S31〜S34の処理はセンタ地図情報DB26に記憶された地図情報に含まれる駐車場単位でループして実行し、地図情報に含まれる全駐車場に対する処理が終了するまで繰り返し行う。
【0071】
先ず、S31でCPU21は、プローブ情報DB24に記憶されたプローブ情報から、処理対象の駐車場での駐車態様を含むプローブ情報を抽出する。
【0072】
次に、S32でCPU21は、前記S31で抽出された各プローブ情報とROM23に記憶される難易度判定グラフ(図4)に基づいて、プローブ情報毎にその駐車場の利用難易度を判定する。尚、プローブ情報毎の駐車場の利用難易度の判定処理の詳細については、既に図4を用いて説明したので省略する。
【0073】
その後、S33でCPU21は、前記S32において判定された複数の利用難易度を統計して度数分布をとり、最も度数の多い最頻値の難易度を特定する。そして、S34においてCPU21は、特定された難易度をその駐車場の利用難易度として設定する。
例えば、図16に示す度数分布が形成された場合には、その駐車場の利用難易度は「C」に設定される。
その後、未処理の施設が残っている場合にはS31へと戻り、同様にしてS31〜S34の処理を行う。一方、地図情報に含まれる全駐車場に対するS31〜S34の処理が終了した場合には当該利用難易度設定処理プログラム終了する。尚、上記S31〜S34が利用難易度設定手段の処理に相当する。
また、第1実施形態ではプローブ情報毎の利用難易度を度数分布にした際の最頻値を駐車場の利用難易度として設定しているが、プローブ情報毎の利用難易度の算術平均値や中央値を駐車場の利用難易度として設定しても良い。
【0074】
次に、駐車場情報提供システム1を構成するプローブセンタ2において実行する情報配信処理プログラムについて図11に基づき説明する。図11は第1実施形態に係る情報配信処理プログラムのフローチャートである。ここで、情報配信処理プログラムは所定期間毎(例えば200ms)に実行され、上記利用難易度設定処理プログラム(図10)で設定された各駐車場の利用難易度に関する情報を各車両3に配信するプログラムである。
【0075】
先ず、情報配信処理プログラムでは、S41において、CPU21は全国を走行する各車両3から各駐車場の利用難易度に関する情報の配信要求があるか否か判定する。
【0076】
そして、駐車場の利用難易度に関する情報の配信要求があると判定された場合(S41:YES)には、要求のあった車両3に対し、駐車場の利用難易度に関する情報を配信する(S42)。尚、駐車場の利用難易度に関する情報を受信した車両3に搭載されたナビゲーション装置5は、受信した駐車場の利用難易度に関する情報に基づいて、後述の運転支援処理(図12)を行う。
【0077】
一方、駐車場の利用難易度に関する情報の配信要求がないと判定された場合(S41:NO)には、当該情報配信処理プログラムを終了する。
【0078】
次に、駐車場情報提供システム1を構成するナビゲーション装置5において実行する運転支援処理プログラムについて図12に基づき説明する。図12は第1実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。ここで、運転支援処理プログラムはイグニションがONされた後に所定時間間隔(例えば200ms毎)で実行され、プローブセンタ2から取得した駐車場の利用難易度に関する情報に基づいて運転支援を行うプログラムである。
【0079】
先ず、運転支援処理プログラムでは、S51においてCPU51はユーザに対して駐車場の案内を行うか否か判定する。尚、駐車場の案内を行う場合としては、自車が設定された目的地周辺に到着した場合や、ユーザによって現在地周辺にある駐車場を検索する為の所定の操作が行われた場合等がある。
【0080】
そして、駐車場の案内を行うと判定された場合(S51:YES)には、S52へと移行する。一方、駐車場の案内を行わないと判定された場合(S51:NO)には、当該運転支援処理を終了する。
【0081】
S52においてCPU51は、プローブセンタ2に対して配信要求を送信し、案内対象候補となる駐車場の利用難易度に関する情報を取得する。この配信要求には、案内対象候補となる駐車場を特定する為の条件が含まれる。尚、駐車場を特定する為の条件としては、例えば、所定地点から所定距離以内や、所定のエリア内等がある。例えば、自車が目的地周辺に到着した場合には、目的地から300m以内にある駐車場の情報を要求し、該当範囲内にある案内対象候補の駐車場の利用難易度に関する情報を取得する。また、ユーザによって現在地周辺にある駐車場を検索する為の所定の操作が行われた場合には、自車の現在位置から500m以内にある駐車場の情報を要求し、該当範囲内にある案内対象候補の駐車場の利用難易度に関する情報を取得する。尚、前記S52で取得した利用難易度に関する情報は、ナビ利用難易度情報DB47に格納される。
【0082】
更に、S53においてCPU51は、現在のユーザの運転技術レベルを運転技術レベル記憶DB48から取得する。
【0083】
次に、S54においてCPU51は、先ず、前記S52で取得した駐車場の利用難易度情報と、前記S53で取得した現在のユーザの運転技術レベルとを比較することにより、案内対象候補となる駐車場の中から現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場を特定する。
具体的には、図17に示すように、現在のユーザの運転技術レベルと同レベル又はそれ以下のレベルの利用難易度に設定された駐車場が特定される。例えば、現在のユーザの運転技術レベルが「A」に特定されている場合には、全ての利用難易度の駐車場が、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。また、現在のユーザの運転技術レベルが「B」に特定されている場合には、利用難易度が「B」〜「E」に設定された駐車場が、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。また、現在のユーザの運転技術レベルが「C」に特定されている場合には、利用難易度が「C」〜「E」に設定された駐車場が、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。また、現在のユーザの運転技術レベルが「D」に特定されている場合には、利用難易度が「D」又は「E」に設定された駐車場が、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。また、現在のユーザの運転技術レベルが「E」に特定されている場合には、利用難易度が「E」に設定された駐車場のみが、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。尚、上記S54が駐車場特定手段の処理に相当する。
【0084】
その後、S56においてCPU51は、前記S55で特定された駐車場に関する情報をユーザに案内する。具体的には、図18に示すように液晶ディスプレイ35に表示された地図上に、駐車場の位置を特定するマーク71を表示する。また、駐車料金、利用可能時間、利用可能車種等の情報を案内する情報ウィンドウ72を表示する。尚、上記S56が情報提供手段の処理に相当する。
【0085】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1及び駐車場情報提供システム1による駐車場情報提供方法及び駐車場情報提供システム1で実行されるコンピュータプログラムでは、車両が駐車場で駐車を行う場合に、“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”とをプローブ情報としてプローブセンタ2へと送信する(S10)。一方、プローブ情報を受信したプローブセンタ2は、受信したプローブ情報に基づいて各駐車場に対して利用難易度を設定する(S34)とともに、ユーザの運転技術レベルを特定する(S24)。また、設定された駐車場の利用難易度やユーザの運転技術レベルに関する情報をプローブセンタ2から配信された車両3は、ユーザの運転技術レベルに対応した駐車場の案内を行う(S55)ので、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができる。従って、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することができる。
また、ユーザの運転技術に対応した駐車場に関する情報をユーザに提供することが可能となるので、複数の駐車場候補がある場合であっても、その内からユーザが利用するのに適した駐車場を選別してユーザに情報提供することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
また、駐車場の利用難易度とユーザの運転技術レベルとを比較することによって、ユーザの運転技術レベルに合わせた駐車場を選別してユーザに情報提供することが可能となる。従って、運転技術の低いユーザや運転技術の高いユーザに対しても、それぞれに適切な運転支援を行うことが可能となる。
【0086】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る駐車場情報提供システムについて、図19乃至図21に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図18の第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0087】
この第2実施形態に係る駐車場情報提供システムの概略構成は、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第2実施形態に係る駐車場情報提供システムは、駐車場の空車率に基づいて駐車場の利用難易度を補正する点で第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1と異なっている。
【0088】
以下に、第2実施形態に係る駐車場情報提供システムを構成するナビゲーション装置において実行する駐車態様送信処理プログラムについて図19に基づき説明する。図19は第2実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのフローチャートである。
【0089】
先ず、駐車態様送信処理プログラムでは、S101において、CPU51は自車に関する車両情報を取得する。ここで、前記S101で取得される車両情報としては、自車の現在位置、自車方位に関する情報である。尚、自車の現在位置についてはGPS41を用いて検出する。また、自車方位についてはジャイロセンサ44を用いて検出する。
【0090】
次に、S102においてCPU51は、前記S101で取得した車両情報に基づいて、自車が走行中の道路から道路外の駐車場内へと進入したか否か判定する。
【0091】
そして、自車が駐車場内へと進入したと判定された場合(S102:YES)には、S103へと移行する。一方、自車が駐車場内へと進入していないと判定された場合(S102:NO)には、当該駐車態様送信処理プログラムを終了する。尚、自車が駐車場内へと進入したと判定された場合には、自車の進入した駐車場の施設IDについてナビ地図情報DB46から取得する。
【0092】
次に、S103においてCPU51は、車両が進入した駐車場の現在の空車率を取得する。尚、駐車場の空車率は、その駐車場の現在の駐車状況を管理するセンタや駐車場の管理システムから取得する。また、その駐車場の過去の駐車状況から空車率を推定し、推定結果から取得するようにしても良い。尚、上記S103が第1空車率取得手段の処理に相当する。
【0093】
また、S104以降の処理は、第1実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのS3以降の処理と同様の処理であるので説明は省略する。但し、S111では、CPU51は、切り返し回数カウンタのカウント値(即ち、駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数)と、前記S110で検出した駐車後のドアの開閉角度と、自車を識別する車両IDと、自車の進入した駐車場の施設IDとに加えて、前記S103で取得した自車が駐車を実行した駐車場の空車率についてもプローブセンタ2へとプローブ情報として送信する。
【0094】
次に、第2実施形態に係るプローブセンタ2において実行する利用難易度設定処理プログラムについて図20に基づき説明する。図20は第2実施形態に係る利用難易度設定処理プログラムのフローチャートである。
【0095】
以下の、S121〜S125の処理はセンタ地図情報DB26に記憶された地図情報に含まれる駐車場単位でループして実行し、地図情報に含まれる全駐車場に対する処理が終了するまで繰り返し行う。
【0096】
先ず、S121でCPU21は、プローブ情報DB24に記憶されたプローブ情報から、処理対象の駐車場での駐車態様及び空車率を含むプローブ情報を抽出する。
【0097】
次に、S122でCPU21は、前記S121で抽出された各プローブ情報とROM23に記憶される難易度判定グラフ(図4)に基づいて、プローブ情報毎にその駐車場の利用難易度を判定する。尚、プローブ情報毎の駐車場の利用難易度の判定処理の詳細については、既に図4を用いて説明したので省略する。
【0098】
その後、S123でCPU21は、前記S32において判定された利用難易度を駐車場の空車率に基づいて補正する。具体的には、空車率が所定割合(例えば50%)未満の状況下で取得した駐車態様に基づいて判定された利用難易度は、難易度のランクを1ランク易しくする。即ち、利用難易度が「B」と判定されたプローブ情報に含まれる空車率が所定割合(例えば50%)未満である場合には、そのプローブ情報に対して判定された利用難易度を「C」に補正する。これによって、混雑した状況下で駐車した場合の駐車態様に基づいて判定された利用難易度が、実際の難易度以上に難しいと判定されることを防止する。一方、空車率が所定割合(例えば50%)以上の状況下で取得した駐車態様に基づいて判定された利用難易度については、補正しない。
【0099】
次に、S124でCPU21は、前記S123において補正された後の複数の利用難易度を統計して度数分布をとり、最も度数の多い最頻値の難易度を特定する。そして、S125においてCPU21は、特定された難易度をその駐車場の利用難易度として設定する。
その後、未処理の施設が残っている場合にはS121へと戻り、同様にしてS121〜S125の処理を行う。一方、地図情報に含まれる全駐車場に対するS121〜S125の処理が終了した場合には当該利用難易度設定処理プログラム終了する。
【0100】
次に、第2実施形態に係るナビゲーション装置5において実行する運転支援処理プログラムについて図21に基づき説明する。図21は第2実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。
【0101】
先ず、運転支援処理プログラムでは、S131においてCPU51はユーザに対して駐車場の案内を行うか否か判定する。尚、駐車場の案内を行う場合としては、自車が設定された目的地周辺に到着した場合や、ユーザによって現在地周辺にある駐車場を検索する為の所定の操作が行われた場合等がある。
【0102】
そして、駐車場の案内を行うと判定された場合(S131:YES)には、S132へと移行する。一方、駐車場の案内を行わないと判定された場合(S131:NO)には、当該運転支援処理を終了する。
【0103】
S132においてCPU51は、プローブセンタ2に対して配信要求を送信し、案内対象候補となる駐車場の利用難易度に関する情報を取得する。尚、案内対象候補となる駐車場とは、例えば、自車が設定された目的地周辺に到着した場合には、目的地から300m以内にある全ての駐車場が該当する。また、ユーザによって現在地周辺にある駐車場を検索する為の所定の操作が行われた場合には、自車の現在位置から500m以内にある全ての駐車場が該当する。尚、前記S132で取得した利用難易度に関する情報は、ナビ利用難易度情報DB47に格納される。
【0104】
次に、S133においてCPU51は、案内対象候補となる駐車場の現在の空車率を取得する。尚、駐車場の空車率は、その駐車場の現在の駐車状況を管理するセンタや駐車場の管理システムから取得する。また、その駐車場の過去の駐車状況から空車率を推定し、推定結果から取得するようにしても良い。尚、上記S134が第2空車率取得手段の処理に相当する。
【0105】
続いて、S134においてCPU51は、前記S132で取得した案内対象候補となる駐車場に設定された利用難易度を、駐車場毎に駐車場の空車率に基づいて補正する。具体的には、空車率が所定割合(例えば50%)未満の駐車場の利用難易度は、難易度のランクを1ランク難しくする。即ち、利用難易度が「B」に設定されている駐車場の空車率が所定割合(例えば50%)未満である場合には、その駐車場に設定された利用難易度を「A」に補正する。即ち、駐車場が混雑しているときは空いているときよりも駐車スペースに余裕がなく、駐車することが難しくなると考えられるので、混雑している駐車場の利用難易度を本来の難易度よりも難しく推定することにより、ユーザの運転技術レベルとの正しい比較が行うことが可能となる。一方、空車率が所定割合(例えば50%)以上の駐車場に設定された利用難易度については、補正しない。尚、上記S134が利用難易度補正手段の処理に相当する。
【0106】
更に、S135においてCPU51は、現在のユーザの運転技術レベルを運転技術レベル記憶DB48から取得する。
【0107】
次に、S136においてCPU21は、前記S134で補正された後の駐車場の利用難易度情報と、前記S135で取得した現在のユーザの運転技術レベルとを比較することにより、案内対象候補となる駐車場の中から現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場を特定する。尚、具体的な駐車場の特定方法については第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0108】
その後、S137においてCPU51は、前記S136で特定された駐車場に関する情報をユーザに案内する。
【0109】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る駐車場情報提供システム及び駐車場情報提供システムによる駐車場情報提供方法及び駐車場情報提供システムで実行されるコンピュータプログラムでは、駐車場の空車率に基づいて駐車場の利用難易度を設定する(S121〜S125)ので、駐車場の空車率を考慮して、より正確な駐車場の利用難易度を設定することが可能となる。
また、駐車場の空車率に基づいて駐車場の利用難易度を補正し(S134)、補正後の利用難易度とユーザの運転技術レベルとを比較する(S136)ので、駐車場の空車率を考慮して、駐車場の利用難易度とユーザの運転技術レベルとの正しい比較が行うことが可能となる。従って、より正確にユーザの運転技術レベルに対応した駐車場を選別することが可能となる。
【0110】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、車両3が駐車場で駐車を行った際の“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”とをプローブ情報として、プローブセンタ2に送信し、プローブセンタ2は送信されたプローブ情報を統計処理することによって駐車場の難易度を設定することとしているが、“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”のいずれか一方のみをプローブ情報として送信しても良い。また、“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”以外の駐車態様に関する情報をプローブ情報としてプローブセンタ2に送信しても良い。例えば、駐車場に進入してから駐車を完了するまでの距離や時間等がある。
【0111】
また、プローブ情報として“切り返しの回数”の代わりに“切り返し度”をプローブセンタ2へ送信するようにしても良い。尚、切り返し度は、以下の式により算出する。
切り返し度=Σ(ハンドル切り角/前後移動距離)
【0112】
また、S4においてCPU51は、シフト位置が「R」に変更された場合に、後ろ向き駐車による駐車操作が開始されたと判定し、駐車態様の取得を開始することとしているが、S4の処理は省略しても良い。その場合には、駐車場へと進入した後に駐車態様の取得を開始する。
【0113】
また、前記S9及びS110でドアの開閉角度を検出する際において、複数のドアの開閉角度が検出された場合には、検出した複数のドアの開閉角度の内、最も角度が小さいドアの開閉角度をプローブ情報としてプローブセンタ2に送信する。
【0114】
また、駐車場の利用難易度は、空車率毎(例えば、空車率0%〜20%、20%〜40%、40%〜60%、60%〜80%、80%〜100%)に設定するようにしても良い。また、時間帯毎や曜日毎に設定しても良い。
【0115】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、図4に示す難易度判定グラフを用いて、プローブ情報毎の駐車場の利用難易度を判定しているが、難易度設定グラフの代わりにテーブルを用いても良い。
【0116】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、前向き駐車と後ろ向き駐車の内、特に後ろ向き駐車による駐車態様のみを対象として、駐車場の利用難易度の設定やユーザの運転技術レベルの特定を行っているが、前向き駐車についても対象に含めても良い。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】第1実施形態に係る運転支援システムを示した概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る運転支援システムの構成を示したブロック図である。
【図3】プローブ情報DBの記憶領域の一例を示した図である。
【図4】難易度判定グラフを示した図である。
【図5】車両のドアの開閉角度を示した図である。
【図6】利用難易度情報DBの記憶領域の一例を示した図である。
【図7】第1実施形態に係るナビゲーション装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図8】第1実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのフローチャートである。
【図9】第1実施形態に係る運転技術レベル特定処理プログラムのフローチャートである。
【図10】第1実施形態に係る利用難易度設定処理プログラムのフローチャートである。
【図11】第1実施形態に係る情報配信処理プログラムのフローチャートである。
【図12】第1実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。
【図13】車両が駐車場で後ろ向き駐車を行う場合の駐車態様の一例を示した図である。
【図14】運転技術レベル判定グラフを示した図である。
【図15】運転技術レベル判定テーブルを示した図である。
【図16】駐車場毎に生成される利用難易度の度数分布表を示した図である。
【図17】ユーザの運転技術レベルに対応する利用難易度を示した対応表である。
【図18】液晶ディスプレイに表示される駐車場の案内画面を示した図である。
【図19】第2実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのフローチャートである。
【図20】第2実施形態に係る利用難易度設定処理プログラムのフローチャートである。
【図21】第2実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。
【図22】駐車場の一例を示した図である。
【図23】駐車場の一例を示した図である。
【図24】駐車場の一例を示した図である。
【図25】駐車場の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0118】
1 駐車場情報提供システム
2 プローブセンタ
3 車両
20 サーバ
21 CPU
22 RAM
23 ROM
33 ナビゲーションECU
51 CPU
52 RAM
53 ROM
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に関する情報を提供する駐車場情報提供システム、駐車場情報提供方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車載用のナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機などの携帯情報機器、パーソナルコンピュータ等では、地図情報として一般道路及び高速道路等の道路や施設名称等を各種記憶デバイスに記憶するか、又はサーバ等からダウンロードすることにより、利用者に対して所望のエリアの地図を表示することが可能となっている。
【0003】
更に、従来のナビゲーション装置等では地図を表示するのみでなく、利用者の利便性をより向上させる為に、予め地図情報に施設情報として記憶されている駐車場に関する情報に基づいて、車両を駐車する為の駐車場を案内することについても行われていた。例えば特開2001−349740号公報には、目的地付近の複数の駐車場の内から、自車の車幅、車高、車種の条件に合致する駐車場を抽出し、抽出された駐車場に関する情報として、駐車場の駐車料金や目的地に対する相対位置をユーザに案内する技術について記載されている。
【特許文献1】特開2001−349740号公報(第6−7頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来のナビゲーション装置では、予め地図情報に施設情報として記憶されている駐車場に関する情報に基づいて、ユーザに駐車場を案内する。尚、「施設情報として記憶されている駐車場に関する情報」とは、予め駐車場毎に規定された画一的な形式の情報であり、例えば駐車場の位置、駐車料金、利用可能時間、利用可能車種、駐車場の形態(平面型駐車場、地下駐車場、屋上駐車場、立体駐車場等)、駐車場内の通路の幅等の情報がある。
【0005】
しかしながら、上記従来のナビゲーション装置では、ユーザに適した駐車場を案内することができなかった。ここで、ユーザに適した駐車場を案内するためには、駐車場の利用し易さを考慮する必要がある。
以下の図22〜図25には車両の駐車対象となる複数パターンの駐車場の例を示す。例えば、図22に示す駐車場内の通路101の通路幅と図23に示す駐車場内の通路102の通路幅とを比較すると、図23に示す駐車場内の通路102の通路幅の方が狭い。従って、実際に車両を駐車する際には、図22に示す駐車場よりも図23に示す駐車場の方が切り返しを多く実行しなければならず、利用し難いと考えられる。また、図24や図25に示す駐車場内には駐車スペースの間に柱103や壁104が配置される。図24や図25に示す駐車場に対して車両を駐車する際には、柱103や壁104が障害となって駐車後にドアを十分な角度まで開放することができない場合がある。従って、図22に示す駐車場よりも図24や図25に示す駐車場の方が利用し難いと考えられる。
上記従来のナビゲーション装置では、考慮することが可能であったのが施設情報として記憶されている駐車場に関する情報のみであり、上記のような車両が駐車場で駐車を行う際の駐車場の利用し易さについて考慮することができなかった。その結果、ユーザに適した駐車場を案内することができなかった。
【0006】
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができ、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することを可能とした駐車場情報提供システム、駐車場情報提供方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため本願の請求項1に係る駐車場情報提供システム(1)は、駐車場において駐車を実行した車両(3)に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得手段(20)と、前記駐車態様取得手段によって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定手段(20)と、前記利用難易度設定手段によって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供手段(33)と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る駐車場情報提供システム(1)は、請求項1に記載の駐車場情報提供システムであって、ユーザの運転技術を特定する運転技術特定手段(20)と、前記運転技術特定手段により特定された前記ユーザの運転技術と前記利用難易度設定手段(20)により設定された前記駐車場の利用難易度とに基づいて、前記ユーザの運転技術に対応する利用難易度が設定された駐車場を特定する駐車場特定手段(33)と、を有し、前記情報提供手段(33)は、前記駐車場特定手段により特定された前記駐車場に関する情報を前記ユーザに対して提供することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る駐車場情報提供システム(1)は、請求項又は請求項2に記載の駐車場情報提供システムであって、前記車両(3)が駐車を実行した駐車場の空車率を取得する空車率取得手段(33)を有し、前記利用難易度設定手段(20)は、前記空車率取得手段によって取得された前記駐車場の空車率に基づいて該駐車場の利用難易度を補正することを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る駐車場情報提供方法は、駐車場において駐車を実行した車両(3)に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得ステップ(S22)と、前記駐車態様取得ステップによって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定ステップ(S31〜S34)と、前記利用難易度設定ステップによって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供ステップ(S55)と、を有することを特徴とする。
【0011】
更に、請求項5に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、駐車場において駐車を実行した車両(3)に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得機能(S22)と、前記駐車態様取得機能によって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定機能(S31〜S34)と、前記利用難易度設定機能によって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供機能(S55)と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
前記構成を有する請求項1に記載の駐車場情報提供システムによれば、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができる。従って、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することができる。
【0013】
また、請求項2に記載の駐車場情報提供システムによれば、ユーザの運転技術に対応した駐車場に関する情報をユーザに提供することが可能となる。従って、複数の駐車場候補がある場合であっても、その内からユーザが利用するのに適した駐車場を選別してユーザに情報提供することができるので、ユーザの利便性が向上する。その結果、運転技術の低いユーザや運転技術の高いユーザに対しても、それぞれに適切な運転支援を行うことが可能となる。
【0014】
また、請求項3に記載の駐車場情報提供システムによれば、駐車場の空車率に基づいて駐車場の利用難易度を補正するので、駐車場の空車率を考慮して、より正確な駐車場の利用難易度を設定することが可能となる。
【0015】
また、請求項4に記載の駐車場情報提供方法によれば、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができる。従って、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することができる。
【0016】
更に、請求項5に記載のコンピュータプログラムによれば、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができる。従って、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る駐車場情報提供システムについて具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
(第1実施形態)
先ず、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1を示した概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1は、プローブ情報を収集し、収集したプローブ情報に基づく交通情報の作成・配信を行うプローブセンタ2と、プローブカーである車両3とから基本的に構成されている。
【0020】
ここで、プローブセンタ2は、全国各地を走行する各車両3から送信された“駐車場で駐車を行った際の駐車態様”等を含むプローブ情報を収集して蓄積するとともに、蓄積されたプローブ情報に対して統計処理を施すことにより各駐車場の利用難易度を設定し、設定した各駐車場の利用難易度に関する情報(以下、利用難易度情報という)を車両3に対して配信する情報配信センタである。
更に、プローブセンタ2は、同じく蓄積されたプローブ情報に対して統計処理を施すことにより、プローブ情報の送信元である車両3を運転するユーザの運転技術レベルを特定し、特定したユーザの運転技術レベルに関する情報(以下、運転技術レベル情報という)を車両3に対して送信することについても行う。
【0021】
ここで、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1においてプローブセンタ2が収集するプローブ情報は、車両3が駐車場で駐車を行った際の駐車態様である。そして、駐車態様としては、駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とが含まれる。
尚、「ドアの開閉角度」とは、ドアが開放されてから閉鎖されるまでの期間内での車体に対するドアの開閉角度を連続して検出した結果、検出される最大の角度である。
また、利用難易度とは、車両3が駐車場で駐車を行う際の利用し易さを「E(易)」〜「A(難)」の5段階で定義したものである。利用難易度は、後述のようにその駐車場で駐車した各車両3の駐車態様を収集し、統計処理を施すことにより設定される。
また、運転技術レベルとは、車両3を運転するユーザの運転技術を「E(低)」〜「A(高)」の5段階で定義したものである。運転技術レベルは、後述のように同一駐車場における各車両3の駐車態様の統計とレベル評価対象となるユーザが運転する車両の駐車態様との比較に基づいて設定される。
【0022】
また、車両3は全国の各道路を走行する車両であり、プローブカーとしてプローブセンタ2とともにプローブカーシステムを構成する。ここで、プローブカーシステムとは、車両をセンサとして情報を収集するシステムである。具体的には、車両が速度データをはじめ、ステアリング操作やシフト位置等の各システムの作動状況をGPS41の位置情報とともに予め車両に搭載された携帯電話機等の車両用の通信モジュール4(以下、単に通信モジュール4という)を介してプローブセンタ2に送信し、センタ側でその収集データを様々な情報として利用するシステムをいう。
ここで、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1において車両3が取得し、プローブセンタ2に対して送信するプローブ情報としては、特に、車両3が駐車場で駐車を行った際の“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”とが含まれる。そして、プローブセンタ2は車両3から送信された各情報に基づいて、地図情報に含まれる各駐車場の利用難易度の設定、並びにユーザの運転技術レベルの特定を行う。
【0023】
更に、車両3にはナビゲーション装置5が設置されている。ナビゲーション装置5は格納する地図データに基づいて自車位置周辺の地図を表示したり、駐車場等の施設を案内したり、設定された目的地までの経路の探索及び案内を行う車載機である。また、ナビゲーション装置5は、特に駐車場の案内を行う際に、プローブセンタ2から受信した各駐車場の利用難易度とユーザの運転技術とに基づいてユーザが利用するのに適当な駐車場を特定し、特定した駐車場を案内する。また、VICSセンタ(図示せず)から受信したVICS情報を利用者に対して案内することも行う。尚、ナビゲーション装置5の詳細な構成については後述する。
【0024】
続いて、駐車場情報提供システム1を構成するプローブセンタ2の構成について図2を用いてより詳細に説明する。図2は第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1の構成を示したブロック図である。
【0025】
プローブセンタ2は、図2に示すようにサーバ(駐車態様取得手段、利用難易度設定手段、運転技術特定手段)20と、サーバ20に接続された情報記録手段としてのプローブ情報DB24と、利用難易度情報DB25と、センタ地図情報DB26と、センタ通信装置27とを備える。
【0026】
サーバ20は、各車両3からプローブ情報を収集するとともにユーザの運転技術レベルを特定する運転技術レベル特定処理、蓄積されたプローブ情報に基づいて各駐車場の利用難易度を設定する利用難易度設定処理、設定された各駐車場の利用難易度に関する情報を車両3に対して配信する情報配信処理等のプローブセンタ2における各種制御を行う制御部である。そして、サーバ20の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU21、並びにCPU21が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM22、各種制御プログラムの他、後述の運転技術レベル特定処理プログラム(図9)、利用難易度設定処理プログラム(図10)、情報配信処理プログラム(図11)、利用難易度判定グラフ(図4)、運転技術レベル判定グラフ(図14)、運転技術レベル判定テーブル(図15)等が記憶されたROM23等の内部記憶装置を備えている。
【0027】
また、プローブ情報DB24は、全国を走行する各車両3から収集したプローブ情報を累積的に記憶する記憶手段である。尚、第1実施形態においては、車両3から収集されるプローブ情報として、特に各車両3が駐車場で駐車を行った際の“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”に関する情報が含まれる。
【0028】
以下に、図3を用いてプローブ情報DB24に記憶されるプローブ情報についてより詳細に説明する。図3はプローブ情報DB24に記憶されるプローブ情報の一例を示した図である。
図3に示すようにプローブ情報は、送信元の車両を識別する車両IDと、車両が駐車を行った駐車場を識別する施設IDと、車両が駐車場において駐車を完了した日時(即ち、プローブ情報が送信された日時)と、駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と、駐車後のドアの開閉角度とから構成される。例えば、図3に示すプローブ情報は、「ID:10012」の車両3が2008年9月15日の15時2分20秒に「ID:310012」の駐車場で駐車を完了し、駐車を完了するまでに3回の切り返しを実行し、駐車後のドアの開閉角度が43度だったことが記憶されている。また、「ID:13672」の車両3が2008年9月15日の15時3分46秒に「ID:475789」の駐車場で駐車を完了し、駐車を完了するまでに1回の切り返しを実行し、駐車後のドアの開閉角度が81度だったことが記憶されている。また、「ID:12876」の車両3が2008年9月15日の15時4分50秒に「ID:276933」の駐車場で駐車を完了し、駐車を完了するまでに5回の切り返しを実行し、駐車後のドアの開閉角度が62度だったことが記憶されている。また、「ID:12309」の車両3が2008年9月15日の15時14分23秒に「ID:110032」の駐車場で駐車を完了し、駐車を完了するまでに2回の切り返しを実行し、駐車後のドアの開閉角度が33度だったことが記憶されている。
【0029】
そして、サーバ20は、プローブ情報DB24に記憶されるプローブ情報の内、同一駐車場に駐車を行ったプローブ情報を抽出し、抽出された各プローブ情報とROM23に記憶される難易度判定グラフ(図4)に基づいて、プローブ情報毎にその駐車場の利用難易度を判定する。そして、サーバ20は同一の駐車場において判定された複数の利用難易度を統計して度数分布をとり、最も度数の多い最頻値の難易度をその駐車場の利用難易度として設定する。
更に、サーバ20は、車両3からプローブ情報が送信された場合に、同一駐車場に駐車を行ったプローブ情報を抽出し、抽出された各プローブ情報と新たに送信されたプローブ情報とを比較することにより、プローブ情報の送信元の車両を運転するユーザの運転技術レベルを特定する。
【0030】
ここで、図4を用いてROM23に記憶される難易度判定グラフについて説明する。図4はROM23に記憶される難易度判定グラフを示した図である。
図4に示すように難易度判定グラフは、横軸に切り返しの回数が設定され、縦軸にドアの開閉角度が設定される。また、難易度判定グラフには5つのエリアが設定され、各エリアに対してそれぞれ利用難易度(「E(易)」〜「A(難)」)が規定される。
そして、サーバ20は、プローブ情報毎の駐車場の利用難易度を判定する際には、以下の(A)及び(B)の処理を実行する。
(A)まず、サーバ20は、プローブ情報に含まれる“駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”に対応する点を難易度判定グラフ上にプロットする。
(B)次に、サーバ20は、プロットした点が属する範囲に規定された利用難易度を特定する。
【0031】
尚、利用難易度は、「E(易)」〜「A(難)」の5段階で定義される。また、図4に示すようにドアの開閉角度が同じであれば、切り返し回数が多いほど、難しい利用難易度が特定される。ここで、図22に示すような通路の広い駐車場に比べて図23に示すような通路の狭い駐車場の方が切り返し回数は多くなると予測される。従って、図4に示す難易度判定グラフによれば、通路の狭い駐車場に対してより高難度の利用難易度を設定することが可能となる。
【0032】
また、図4に示すように切り返し回数が同じであれば、ドアの開閉角度が小さいほど、難しい利用難易度が特定される。ここで、図22に示すような駐車スペースに隣接して障害物の無い駐車場に比べて、図24、図25に示すような駐車スペースに隣接して障害物(壁や柱)の有る駐車場はドアの開閉角度が小さくなると予測される。更に、駐車スペースから障害物までの距離が短いほど、ドアの開閉角度が小さくなると予測される。例えば、図5に示すように、駐車スペース28に駐車された車両3の左側方に壁29が位置する場合には、ドア30が壁29に接触しない角度までしか開放することができない。従って、駐車スペース28から壁29までの距離aが短いほどドア30の開閉角度θは小さくなり、駐車スペース28から壁29までの距離aが長いほどドア30の開閉角度θは大きくなると予測される。従って、図4に示す難易度判定グラフによれば、駐車スペースに接近して障害物が形成される駐車場に対してより高難度の利用難易度を設定することが可能となる。
【0033】
一方、利用難易度情報DB25は、サーバ20により設定される各駐車場の利用難易度に関する情報を記憶する記憶手段である。第1実施形態において駐車場の利用難易度に関する情報は、後述するようにプローブ情報DB24に記憶されたプローブ情報の統計処理に基づいて生成される。
ここで、駐車場の利用難易度に関する情報としては、駐車場を識別する施設ID、利用難易度等がある。
【0034】
以下に、図6を用いて利用難易度情報DB25に記憶される駐車場の利用難易度に関する情報についてより詳細に説明する。図6は利用難易度情報DB25に記憶される駐車場の利用難易度に関する情報の一例を示した図である。
図6に示すように駐車場の利用難易度に関する情報は、駐車場を識別する施設IDと、駐車場毎に設定された利用難易度とから構成される。例えば、図6に示す利用難易度に関する情報では、『ID:100001』の駐車場について、利用難易度として『E』が設定されている。また、『ID:100002』の駐車場について、利用難易度として『B』が設定されている。また、『ID:100003』の駐車場について、利用難易度として『B』が設定されている。また、『ID:100004』の駐車場について、利用難易度として『D』が設定されている。
【0035】
また、センタ地図情報DB26は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、駐車場を含む施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0036】
一方、センタ通信装置27は車両3とネットワーク8を介して通信を行う為の通信装置である。第1実施形態では、センタ通信装置27を介してプローブ情報や駐車場の利用難易度に関する情報やユーザの運転技術レベルに関する情報を各車両3との間で送受信する。
【0037】
次に、車両3に搭載されたナビゲーション装置5の概略構成について図7を用いて説明する。図7は第1実施形態に係るナビゲーション装置5の制御系を模式的に示すブロック図である。
図7に示すように第1実施形態に係るナビゲーション装置5は、自車の現在位置を検出する現在位置検出部31と、各種のデータが記録されたデータ記録部32と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU(情報提供手段、駐車場特定手段)33と、操作者からの操作を受け付ける操作部34と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ35と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ36と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ37と、プローブセンタ2やVICSセンタとの間で通信を行う通信モジュール4と、から構成されている。また、ナビゲーションECU33には、シフトレバーセンサ38及びドア開閉角度センサ39が接続されている。
【0038】
以下に、ナビゲーション装置5を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部31は、GPS41、車速センサ42、ステアリングセンサ43、ジャイロセンサ44等からなり、現在の自車の位置、方位、自車の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ42は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の車輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU33に出力する。そして、ナビゲーションECU33は発生するパルスを計数することにより車輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記5種類のセンサをナビゲーション装置5が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置5が備える構成としても良い。
【0039】
また、データ記録部32は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録されたナビ地図情報DB46やナビ利用難易度情報DB47や運転技術レベル記憶DB48、所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。
【0040】
ここで、ナビ地図情報DB46は、基本的にプローブセンタ2の有するセンタ地図情報DB26と同様の構成を有しており、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、駐車場を含む施設に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
【0041】
また、ナビ利用難易度情報DB47は、プローブセンタ2から配信された駐車場の利用難易度に関する情報(図6参照)を記憶する記憶手段である。
【0042】
また、運転技術レベル記憶DB48は、プローブセンタ2から送信された自車を運転するユーザの運転技術レベル(「E(低)」〜「A(高)」の5段階で定義)に関する情報を記憶する記憶手段である。尚、サーバ20による自車の運転技術レベルの判定方法については後述する。
そして、ナビゲーションECU33は、駐車場の案内を行う際に、ナビ利用難易度情報DB47に記憶された駐車場の利用難易度に関する情報と運転技術レベル記憶DB48に記憶されたユーザの運転技術走行レベルを用いて、後述のように目的地や自車周辺にある多数の駐車場候補の中からユーザの運転技術に対応する駐車場を特定し、特定された駐車場の案内等を行う。
【0043】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)33は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの誘導経路を設定する誘導経路設定処理、駐車場にて駐車を行った場合にその駐車態様をプローブ情報としてプローブセンタ2に送信する駐車態様送信処理、プローブセンタ2から配信された駐車場の利用難易度に関する情報及びユーザの運転技術レベルに関する情報に基づいてユーザに適した駐車場の案内等を行う運転支援処理等のナビゲーション装置5の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、演算装置及び制御装置としてのCPU51、並びにCPU51が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データや後述の切り返し回数カウンタ等が記憶されるRAM52、制御用のプログラムのほか、後述の駐車態様送信処理プログラム(図8参照)、運転支援処理プログラム(図12参照)等が記録されたROM53、ROM53から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ54等の内部記憶装置を備えている。
【0044】
また、シフトレバーセンサ38は、シフトレバー(図示せず)に内蔵され、シフト位置が「P(パーキング)」、「N(ニュートラル)」、「R(リバース)」、「D(ドライブ)」、「2(セカンド)」、「L(ロー)」のいずれの位置となっているかを検出可能とする。
【0045】
また、ドア開閉角度センサ39は、車両3のドアに配置され、ドアが開放された際に、開放されたドアの開閉角度を検出可能とする。
【0046】
続いて、前記構成を有する駐車場情報提供システム1を構成するナビゲーション装置5において実行する駐車態様送信処理プログラムについて図8に基づき説明する。図8は第1実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのフローチャートである。ここで、走行レベル特定処理プログラムはイグニションがONされた後に所定時間間隔(例えば200ms毎)で繰り返し実行され、自車が駐車場で駐車を行った場合に自車の駐車態様を含むプローブ情報をプローブセンタ2へと送信するプログラムである。尚、以下の図8及び図12にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーションECU33が備えているRAM52、ROM53等に記憶されており、CPU51により実行される。
【0047】
先ず、駐車態様送信処理プログラムでは、ステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU51は自車に関する車両情報を取得する。ここで、前記S1で取得される車両情報としては、自車の現在位置、自車方位に関する情報である。尚、自車の現在位置についてはGPS41を用いて検出する。また、自車方位についてはジャイロセンサ44を用いて検出する。
【0048】
次に、S2においてCPU51は、前記S1で取得した車両情報に基づいて、自車が走行中の道路から道路外の駐車場内へと進入したか否か判定する。
ここで、図13は車両3が駐車場61で後ろ向き駐車を行う場合の駐車態様の一例を示した図である。そして、第1実施形態では図13に示すように車両3の後輪車軸中央点の座標Xが道路62から駐車場61内へと移行した時に、車両3が駐車場内へと進入したと判定する。
【0049】
そして、自車が駐車場内へと進入したと判定された場合(S2:YES)には、S3へと移行する。一方、自車が駐車場内へと進入していないと判定された場合(S2:NO)には、当該駐車態様送信処理プログラムを終了する。尚、自車が駐車場内へと進入したと判定された場合には、自車の進入した駐車場の施設IDについてナビ地図情報DB46から取得する。
【0050】
続いて、S3以降においてCPU51は、自車の駐車態様を特定する為に“自車の実行した切り返しの回数”のカウントと“ドアの開閉角度”の検出を開始する。尚、第1実施形態では前向き駐車と後ろ向き駐車の内、特に後ろ向き駐車による駐車態様のみを検出対象とする。
【0051】
具体的には、先ず、S3においてCPU51は、RAM52に設けられた切り返し回数カウンタのカウント値を初期化する。尚、切り返し回数カウンタは、駐車場に自車が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数をカウントするカウンタであり、後述のS6においてカウントアップされる。
【0052】
次に、S4においてCPU51は、シフトレバーセンサ38から送信される信号に基づいて、シフト位置が「R」に変更されたか否か、即ち後ろ向き駐車による駐車操作が開始されたか否かを判定する。
【0053】
そして、シフトポジションが「R」に変更されたと判定された場合(S4:YES)には、S5へと移行する。一方、シフトポジションが「R」に変更されていないと判定された場合(S4:NO)には、シフトポジションが「R」に変更されるまで待機する。
【0054】
S5においてCPU51は、適切な方位(基本的には駐車スペースと平行となる方位)に車両方位を修正する為に行われる切り返し操作が実行されたか否かを判定する。具体的には、シフト位置が「R」から「D」に変更された後に車速センサ42から車輪速パルスの入力があった場合に、CPU51は自車において切り返し操作が行われたと判定する。また、その後において、シフト位置が「D」から「R」に変更され、車速センサ42から車輪速パルスの入力があった場合に、CPU51は自車において再度切り返し操作が行われたと判定する。また、ステアリングセンサ43によって、ステアリング角が左方向又は右方向の所定角度(例えば180度)からその逆方向への所定角度(例えば−180度)へと短時間で変化したことを検出した場合に、CPU51は自車において切り返し操作が行われたと判定しても良い。
【0055】
そして、切り返し操作が実行されたと判定された場合(S5:YES)には、S6へと移行する。そして、S6においてCPU51は、RAM52に設けられた切り返し回数カウンタのカウント値を読み出し、カウントアップする。その後、S7へと移行する。
それに対して、切り返し操作が実行されていないと判定された場合(S5:NO)には、S7へと移行する。
【0056】
次に、S7においてCPU51は、自車の駐車が完了したか否か判定する。具体的には、シフト位置が「P」に変更された場合又はACCがOFFされた場合に、自車の駐車が完了したと判定する。
【0057】
そして、自車の駐車が完了したと判定された場合(S7:YES)には、S8へと移行する。一方、自車の駐車が完了していないと判定された場合(S7:NO)には、S5へと戻る。
【0058】
S8においてCPU51は、ドア開閉角度センサ39から送信される信号に基づいて、自車のいずれかのドアが開放されたか否かを判定する。
【0059】
そして、いずれかのドアが開放されたと判定された場合(S8:YES)には、S9へと移行する。一方、いずれのドアも開放されていないと判定された場合(S8:NO)には、いずれかのドアが開放されるまで待機する。
【0060】
続いて、S9においてCPU51は、ドア開閉角度センサ39から送信される信号に基づいて、開放されたドアの開閉角度を検出する。尚、ドアの開閉角度は、既に図5を用いて説明したように、自車が駐車された駐車スペースの周囲に位置する障害物(他の駐車車両、壁、柱)の配置に大きく影響される。
【0061】
S10においてCPU51は、切り返し回数カウンタのカウント値(即ち、駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数)と、前記S9で検出した駐車後のドアの開閉角度と、自車を識別する車両IDと、自車の進入した駐車場の施設IDとをプローブセンタ2へとプローブ情報として送信する。
【0062】
次に、S11においてCPU51は、プローブセンタ2から送信(S25)されたユーザの運転技術レベルに関する情報を受信する。そして、受信したユーザの運転技術レベルに関する情報は、運転技術レベル記憶DB48に記憶される。尚、既に運転技術レベル記憶DB48にユーザの運転技術レベルに関する情報が記憶されている場合には、古い情報に対して新しい情報が上書きされる。また、運転技術レベルは、前記S10で送信した今回の駐車態様を含むプローブ情報に基づいて、サーバ20が判定する(S24)。
【0063】
次に、駐車場情報提供システム1を構成するプローブセンタ2において実行する運転技術レベル特定処理プログラムプについて図9に基づき説明する。図9は第1実施形態に係る運転技術レベル特定処理プログラムのフローチャートである。ここで、運転技術レベル特定処理プログラムは所定時間間隔(例えば200ms毎)で実行され、各車両3から送信されたプローブ情報を受信するとともにユーザの運転技術レベルを特定するプログラムである。尚、以下の図9乃至図11にフローチャートで示されるプログラムは、サーバ20が備えているRAM22、ROM23等に記憶されており、CPU21により実行される。
【0064】
先ず、運転技術レベル特定処理プログラムでは、S21において、CPU21は全国を走行する各車両3からプローブ情報の送信があるか否か判定する。
【0065】
そして、プローブ情報の送信があると判定された場合(S21:YES)には、送信されるプローブ情報を受信する(S22)。そして、CPU21は受信したプローブ情報をプローブ情報DB24へと累積的に格納する(S23)。一方、プローブ情報の送信がないと判定された場合(S21:NO)には、当該運転技術レベル特定処理プログラムを終了する。尚、前記S22で受信するプローブ情報としては、送信元の車両を識別する車両IDと、車両が進入した駐車場を識別する施設IDと、駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と、駐車後のドアの開閉角度と、がある。尚、上記S22が駐車態様取得手段の処理に相当する。
【0066】
次に、S24においてCPU21は、前記S22で受信したプローブ情報と、プローブ情報DB24に格納されたプローブ情報とに基づいて、前記S22で受信したプローブ情報の送信元の車両を運転するユーザの運転技術レベルを特定する。
【0067】
以下に、図14及び図15を用いて前記S24におけるユーザの運転技術レベルの特定処理の詳細について説明する。
先ず、CPU21は、前記S22で受信したプローブ情報に含まれる“駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”に対応する点を図14に示す運転技術レベル判定グラフ上にプロットする。
尚、図14に示すように運転技術レベル判定グラフは、横軸に切り返しの回数が設定され、縦軸にドアの開閉角度が設定される。
その後、CPU21は、運転技術レベル判定グラフの原点からプロットした点までの距離Lを算出する。
その後、CPU21は、プローブ情報DB24に格納されたプローブ情報の内、同じ駐車場で駐車された車両の駐車態様を含むプローブ情報であって、且つ最近記憶された30個のプローブ情報を抽出する。
その後、抽出された30個のプローブ情報について同様に“駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”に対応する点を図14に示す運転技術レベル判定グラフ上にプロットし、距離Lを算出する。
そして、前記S22で受信したプローブ情報と抽出された30個のプローブ情報について、距離Lが短い順に順位を付ける。
その後、前記S22で受信したプローブ情報に付けられた順位と図15に示す運転技術レベル判定テーブルを用いて、ユーザの運転技術レベルを特定する。具体的には、図15に示すように、前記S22で受信したプローブ情報に付けられた順位が上位10%以上の順位であれば、運転技術レベルとして「A」が特定される。また、上位11%〜30%の順位であれば、運転技術レベルとして「B」が特定される。また、上位31%〜50%の順位であれば、運転技術レベルとして「C」が特定される。また、上位51%〜80%の順位であれば、運転技術レベルとして「D」が特定される。また、上位81%以下の順位であれば、運転技術レベルとして「E」が特定される。即ち、同一の駐車場に駐車した他の車両と比較して、“駐車場に車両3が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”が少なく、且つ“駐車後のドアの開閉角度”が大きいほど、そのユーザの運転技術レベルは高いと判定されることとなる。尚、上記S24が運転技術特定手段の処理に相当する。
【0068】
続いて、S25においてCPU21は、前記S22で受信したプローブ情報を送信した送信元の車両3に対して、前記S24で特定されたユーザの運転技術レベルに関する情報を送信する。その結果、ナビゲーション装置5は現在のユーザの運転技術レベルを把握することが可能となる。
【0069】
次に、駐車場情報提供システム1を構成するプローブセンタ2において実行する利用難易度設定処理プログラムについて図10に基づき説明する。図10は第1実施形態に係る利用難易度設定処理プログラムのフローチャートである。ここで、利用難易度設定処理プログラムは前回プログラムを実行した時から所定期間(例えば1ヶ月)経過後に実行され、各車両3から送信されたプローブ情報に基づいて地図情報に含まれる各駐車場の利用難易度を設定するプログラムである。
【0070】
以下の、S31〜S34の処理はセンタ地図情報DB26に記憶された地図情報に含まれる駐車場単位でループして実行し、地図情報に含まれる全駐車場に対する処理が終了するまで繰り返し行う。
【0071】
先ず、S31でCPU21は、プローブ情報DB24に記憶されたプローブ情報から、処理対象の駐車場での駐車態様を含むプローブ情報を抽出する。
【0072】
次に、S32でCPU21は、前記S31で抽出された各プローブ情報とROM23に記憶される難易度判定グラフ(図4)に基づいて、プローブ情報毎にその駐車場の利用難易度を判定する。尚、プローブ情報毎の駐車場の利用難易度の判定処理の詳細については、既に図4を用いて説明したので省略する。
【0073】
その後、S33でCPU21は、前記S32において判定された複数の利用難易度を統計して度数分布をとり、最も度数の多い最頻値の難易度を特定する。そして、S34においてCPU21は、特定された難易度をその駐車場の利用難易度として設定する。
例えば、図16に示す度数分布が形成された場合には、その駐車場の利用難易度は「C」に設定される。
その後、未処理の施設が残っている場合にはS31へと戻り、同様にしてS31〜S34の処理を行う。一方、地図情報に含まれる全駐車場に対するS31〜S34の処理が終了した場合には当該利用難易度設定処理プログラム終了する。尚、上記S31〜S34が利用難易度設定手段の処理に相当する。
また、第1実施形態ではプローブ情報毎の利用難易度を度数分布にした際の最頻値を駐車場の利用難易度として設定しているが、プローブ情報毎の利用難易度の算術平均値や中央値を駐車場の利用難易度として設定しても良い。
【0074】
次に、駐車場情報提供システム1を構成するプローブセンタ2において実行する情報配信処理プログラムについて図11に基づき説明する。図11は第1実施形態に係る情報配信処理プログラムのフローチャートである。ここで、情報配信処理プログラムは所定期間毎(例えば200ms)に実行され、上記利用難易度設定処理プログラム(図10)で設定された各駐車場の利用難易度に関する情報を各車両3に配信するプログラムである。
【0075】
先ず、情報配信処理プログラムでは、S41において、CPU21は全国を走行する各車両3から各駐車場の利用難易度に関する情報の配信要求があるか否か判定する。
【0076】
そして、駐車場の利用難易度に関する情報の配信要求があると判定された場合(S41:YES)には、要求のあった車両3に対し、駐車場の利用難易度に関する情報を配信する(S42)。尚、駐車場の利用難易度に関する情報を受信した車両3に搭載されたナビゲーション装置5は、受信した駐車場の利用難易度に関する情報に基づいて、後述の運転支援処理(図12)を行う。
【0077】
一方、駐車場の利用難易度に関する情報の配信要求がないと判定された場合(S41:NO)には、当該情報配信処理プログラムを終了する。
【0078】
次に、駐車場情報提供システム1を構成するナビゲーション装置5において実行する運転支援処理プログラムについて図12に基づき説明する。図12は第1実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。ここで、運転支援処理プログラムはイグニションがONされた後に所定時間間隔(例えば200ms毎)で実行され、プローブセンタ2から取得した駐車場の利用難易度に関する情報に基づいて運転支援を行うプログラムである。
【0079】
先ず、運転支援処理プログラムでは、S51においてCPU51はユーザに対して駐車場の案内を行うか否か判定する。尚、駐車場の案内を行う場合としては、自車が設定された目的地周辺に到着した場合や、ユーザによって現在地周辺にある駐車場を検索する為の所定の操作が行われた場合等がある。
【0080】
そして、駐車場の案内を行うと判定された場合(S51:YES)には、S52へと移行する。一方、駐車場の案内を行わないと判定された場合(S51:NO)には、当該運転支援処理を終了する。
【0081】
S52においてCPU51は、プローブセンタ2に対して配信要求を送信し、案内対象候補となる駐車場の利用難易度に関する情報を取得する。この配信要求には、案内対象候補となる駐車場を特定する為の条件が含まれる。尚、駐車場を特定する為の条件としては、例えば、所定地点から所定距離以内や、所定のエリア内等がある。例えば、自車が目的地周辺に到着した場合には、目的地から300m以内にある駐車場の情報を要求し、該当範囲内にある案内対象候補の駐車場の利用難易度に関する情報を取得する。また、ユーザによって現在地周辺にある駐車場を検索する為の所定の操作が行われた場合には、自車の現在位置から500m以内にある駐車場の情報を要求し、該当範囲内にある案内対象候補の駐車場の利用難易度に関する情報を取得する。尚、前記S52で取得した利用難易度に関する情報は、ナビ利用難易度情報DB47に格納される。
【0082】
更に、S53においてCPU51は、現在のユーザの運転技術レベルを運転技術レベル記憶DB48から取得する。
【0083】
次に、S54においてCPU51は、先ず、前記S52で取得した駐車場の利用難易度情報と、前記S53で取得した現在のユーザの運転技術レベルとを比較することにより、案内対象候補となる駐車場の中から現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場を特定する。
具体的には、図17に示すように、現在のユーザの運転技術レベルと同レベル又はそれ以下のレベルの利用難易度に設定された駐車場が特定される。例えば、現在のユーザの運転技術レベルが「A」に特定されている場合には、全ての利用難易度の駐車場が、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。また、現在のユーザの運転技術レベルが「B」に特定されている場合には、利用難易度が「B」〜「E」に設定された駐車場が、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。また、現在のユーザの運転技術レベルが「C」に特定されている場合には、利用難易度が「C」〜「E」に設定された駐車場が、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。また、現在のユーザの運転技術レベルが「D」に特定されている場合には、利用難易度が「D」又は「E」に設定された駐車場が、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。また、現在のユーザの運転技術レベルが「E」に特定されている場合には、利用難易度が「E」に設定された駐車場のみが、現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場として特定される。尚、上記S54が駐車場特定手段の処理に相当する。
【0084】
その後、S56においてCPU51は、前記S55で特定された駐車場に関する情報をユーザに案内する。具体的には、図18に示すように液晶ディスプレイ35に表示された地図上に、駐車場の位置を特定するマーク71を表示する。また、駐車料金、利用可能時間、利用可能車種等の情報を案内する情報ウィンドウ72を表示する。尚、上記S56が情報提供手段の処理に相当する。
【0085】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1及び駐車場情報提供システム1による駐車場情報提供方法及び駐車場情報提供システム1で実行されるコンピュータプログラムでは、車両が駐車場で駐車を行う場合に、“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”とをプローブ情報としてプローブセンタ2へと送信する(S10)。一方、プローブ情報を受信したプローブセンタ2は、受信したプローブ情報に基づいて各駐車場に対して利用難易度を設定する(S34)とともに、ユーザの運転技術レベルを特定する(S24)。また、設定された駐車場の利用難易度やユーザの運転技術レベルに関する情報をプローブセンタ2から配信された車両3は、ユーザの運転技術レベルに対応した駐車場の案内を行う(S55)ので、駐車場に対して設定された利用難易度に基づいて駐車場に関する情報をユーザに提供することができる。従って、ユーザが利用するのに適した駐車場を案内することができる。
また、ユーザの運転技術に対応した駐車場に関する情報をユーザに提供することが可能となるので、複数の駐車場候補がある場合であっても、その内からユーザが利用するのに適した駐車場を選別してユーザに情報提供することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
また、駐車場の利用難易度とユーザの運転技術レベルとを比較することによって、ユーザの運転技術レベルに合わせた駐車場を選別してユーザに情報提供することが可能となる。従って、運転技術の低いユーザや運転技術の高いユーザに対しても、それぞれに適切な運転支援を行うことが可能となる。
【0086】
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係る駐車場情報提供システムについて、図19乃至図21に基づいて説明する。尚、以下の説明において上記図1乃至図18の第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1等の構成と同一符号は、前記第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1等の構成と同一あるいは相当部分を示すものである。
【0087】
この第2実施形態に係る駐車場情報提供システムの概略構成は、第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1とほぼ同じ構成である。また、各種制御処理も第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1とほぼ同じ制御処理である。
ただし、第2実施形態に係る駐車場情報提供システムは、駐車場の空車率に基づいて駐車場の利用難易度を補正する点で第1実施形態に係る駐車場情報提供システム1と異なっている。
【0088】
以下に、第2実施形態に係る駐車場情報提供システムを構成するナビゲーション装置において実行する駐車態様送信処理プログラムについて図19に基づき説明する。図19は第2実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのフローチャートである。
【0089】
先ず、駐車態様送信処理プログラムでは、S101において、CPU51は自車に関する車両情報を取得する。ここで、前記S101で取得される車両情報としては、自車の現在位置、自車方位に関する情報である。尚、自車の現在位置についてはGPS41を用いて検出する。また、自車方位についてはジャイロセンサ44を用いて検出する。
【0090】
次に、S102においてCPU51は、前記S101で取得した車両情報に基づいて、自車が走行中の道路から道路外の駐車場内へと進入したか否か判定する。
【0091】
そして、自車が駐車場内へと進入したと判定された場合(S102:YES)には、S103へと移行する。一方、自車が駐車場内へと進入していないと判定された場合(S102:NO)には、当該駐車態様送信処理プログラムを終了する。尚、自車が駐車場内へと進入したと判定された場合には、自車の進入した駐車場の施設IDについてナビ地図情報DB46から取得する。
【0092】
次に、S103においてCPU51は、車両が進入した駐車場の現在の空車率を取得する。尚、駐車場の空車率は、その駐車場の現在の駐車状況を管理するセンタや駐車場の管理システムから取得する。また、その駐車場の過去の駐車状況から空車率を推定し、推定結果から取得するようにしても良い。尚、上記S103が第1空車率取得手段の処理に相当する。
【0093】
また、S104以降の処理は、第1実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのS3以降の処理と同様の処理であるので説明は省略する。但し、S111では、CPU51は、切り返し回数カウンタのカウント値(即ち、駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数)と、前記S110で検出した駐車後のドアの開閉角度と、自車を識別する車両IDと、自車の進入した駐車場の施設IDとに加えて、前記S103で取得した自車が駐車を実行した駐車場の空車率についてもプローブセンタ2へとプローブ情報として送信する。
【0094】
次に、第2実施形態に係るプローブセンタ2において実行する利用難易度設定処理プログラムについて図20に基づき説明する。図20は第2実施形態に係る利用難易度設定処理プログラムのフローチャートである。
【0095】
以下の、S121〜S125の処理はセンタ地図情報DB26に記憶された地図情報に含まれる駐車場単位でループして実行し、地図情報に含まれる全駐車場に対する処理が終了するまで繰り返し行う。
【0096】
先ず、S121でCPU21は、プローブ情報DB24に記憶されたプローブ情報から、処理対象の駐車場での駐車態様及び空車率を含むプローブ情報を抽出する。
【0097】
次に、S122でCPU21は、前記S121で抽出された各プローブ情報とROM23に記憶される難易度判定グラフ(図4)に基づいて、プローブ情報毎にその駐車場の利用難易度を判定する。尚、プローブ情報毎の駐車場の利用難易度の判定処理の詳細については、既に図4を用いて説明したので省略する。
【0098】
その後、S123でCPU21は、前記S32において判定された利用難易度を駐車場の空車率に基づいて補正する。具体的には、空車率が所定割合(例えば50%)未満の状況下で取得した駐車態様に基づいて判定された利用難易度は、難易度のランクを1ランク易しくする。即ち、利用難易度が「B」と判定されたプローブ情報に含まれる空車率が所定割合(例えば50%)未満である場合には、そのプローブ情報に対して判定された利用難易度を「C」に補正する。これによって、混雑した状況下で駐車した場合の駐車態様に基づいて判定された利用難易度が、実際の難易度以上に難しいと判定されることを防止する。一方、空車率が所定割合(例えば50%)以上の状況下で取得した駐車態様に基づいて判定された利用難易度については、補正しない。
【0099】
次に、S124でCPU21は、前記S123において補正された後の複数の利用難易度を統計して度数分布をとり、最も度数の多い最頻値の難易度を特定する。そして、S125においてCPU21は、特定された難易度をその駐車場の利用難易度として設定する。
その後、未処理の施設が残っている場合にはS121へと戻り、同様にしてS121〜S125の処理を行う。一方、地図情報に含まれる全駐車場に対するS121〜S125の処理が終了した場合には当該利用難易度設定処理プログラム終了する。
【0100】
次に、第2実施形態に係るナビゲーション装置5において実行する運転支援処理プログラムについて図21に基づき説明する。図21は第2実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。
【0101】
先ず、運転支援処理プログラムでは、S131においてCPU51はユーザに対して駐車場の案内を行うか否か判定する。尚、駐車場の案内を行う場合としては、自車が設定された目的地周辺に到着した場合や、ユーザによって現在地周辺にある駐車場を検索する為の所定の操作が行われた場合等がある。
【0102】
そして、駐車場の案内を行うと判定された場合(S131:YES)には、S132へと移行する。一方、駐車場の案内を行わないと判定された場合(S131:NO)には、当該運転支援処理を終了する。
【0103】
S132においてCPU51は、プローブセンタ2に対して配信要求を送信し、案内対象候補となる駐車場の利用難易度に関する情報を取得する。尚、案内対象候補となる駐車場とは、例えば、自車が設定された目的地周辺に到着した場合には、目的地から300m以内にある全ての駐車場が該当する。また、ユーザによって現在地周辺にある駐車場を検索する為の所定の操作が行われた場合には、自車の現在位置から500m以内にある全ての駐車場が該当する。尚、前記S132で取得した利用難易度に関する情報は、ナビ利用難易度情報DB47に格納される。
【0104】
次に、S133においてCPU51は、案内対象候補となる駐車場の現在の空車率を取得する。尚、駐車場の空車率は、その駐車場の現在の駐車状況を管理するセンタや駐車場の管理システムから取得する。また、その駐車場の過去の駐車状況から空車率を推定し、推定結果から取得するようにしても良い。尚、上記S134が第2空車率取得手段の処理に相当する。
【0105】
続いて、S134においてCPU51は、前記S132で取得した案内対象候補となる駐車場に設定された利用難易度を、駐車場毎に駐車場の空車率に基づいて補正する。具体的には、空車率が所定割合(例えば50%)未満の駐車場の利用難易度は、難易度のランクを1ランク難しくする。即ち、利用難易度が「B」に設定されている駐車場の空車率が所定割合(例えば50%)未満である場合には、その駐車場に設定された利用難易度を「A」に補正する。即ち、駐車場が混雑しているときは空いているときよりも駐車スペースに余裕がなく、駐車することが難しくなると考えられるので、混雑している駐車場の利用難易度を本来の難易度よりも難しく推定することにより、ユーザの運転技術レベルとの正しい比較が行うことが可能となる。一方、空車率が所定割合(例えば50%)以上の駐車場に設定された利用難易度については、補正しない。尚、上記S134が利用難易度補正手段の処理に相当する。
【0106】
更に、S135においてCPU51は、現在のユーザの運転技術レベルを運転技術レベル記憶DB48から取得する。
【0107】
次に、S136においてCPU21は、前記S134で補正された後の駐車場の利用難易度情報と、前記S135で取得した現在のユーザの運転技術レベルとを比較することにより、案内対象候補となる駐車場の中から現在のユーザの運転技術レベルに対応する駐車場を特定する。尚、具体的な駐車場の特定方法については第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0108】
その後、S137においてCPU51は、前記S136で特定された駐車場に関する情報をユーザに案内する。
【0109】
以上詳細に説明した通り、第2実施形態に係る駐車場情報提供システム及び駐車場情報提供システムによる駐車場情報提供方法及び駐車場情報提供システムで実行されるコンピュータプログラムでは、駐車場の空車率に基づいて駐車場の利用難易度を設定する(S121〜S125)ので、駐車場の空車率を考慮して、より正確な駐車場の利用難易度を設定することが可能となる。
また、駐車場の空車率に基づいて駐車場の利用難易度を補正し(S134)、補正後の利用難易度とユーザの運転技術レベルとを比較する(S136)ので、駐車場の空車率を考慮して、駐車場の利用難易度とユーザの運転技術レベルとの正しい比較が行うことが可能となる。従って、より正確にユーザの運転技術レベルに対応した駐車場を選別することが可能となる。
【0110】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、車両3が駐車場で駐車を行った際の“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”とをプローブ情報として、プローブセンタ2に送信し、プローブセンタ2は送信されたプローブ情報を統計処理することによって駐車場の難易度を設定することとしているが、“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”のいずれか一方のみをプローブ情報として送信しても良い。また、“駐車場に進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数”と“駐車後のドアの開閉角度”以外の駐車態様に関する情報をプローブ情報としてプローブセンタ2に送信しても良い。例えば、駐車場に進入してから駐車を完了するまでの距離や時間等がある。
【0111】
また、プローブ情報として“切り返しの回数”の代わりに“切り返し度”をプローブセンタ2へ送信するようにしても良い。尚、切り返し度は、以下の式により算出する。
切り返し度=Σ(ハンドル切り角/前後移動距離)
【0112】
また、S4においてCPU51は、シフト位置が「R」に変更された場合に、後ろ向き駐車による駐車操作が開始されたと判定し、駐車態様の取得を開始することとしているが、S4の処理は省略しても良い。その場合には、駐車場へと進入した後に駐車態様の取得を開始する。
【0113】
また、前記S9及びS110でドアの開閉角度を検出する際において、複数のドアの開閉角度が検出された場合には、検出した複数のドアの開閉角度の内、最も角度が小さいドアの開閉角度をプローブ情報としてプローブセンタ2に送信する。
【0114】
また、駐車場の利用難易度は、空車率毎(例えば、空車率0%〜20%、20%〜40%、40%〜60%、60%〜80%、80%〜100%)に設定するようにしても良い。また、時間帯毎や曜日毎に設定しても良い。
【0115】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、図4に示す難易度判定グラフを用いて、プローブ情報毎の駐車場の利用難易度を判定しているが、難易度設定グラフの代わりにテーブルを用いても良い。
【0116】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、前向き駐車と後ろ向き駐車の内、特に後ろ向き駐車による駐車態様のみを対象として、駐車場の利用難易度の設定やユーザの運転技術レベルの特定を行っているが、前向き駐車についても対象に含めても良い。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】第1実施形態に係る運転支援システムを示した概略構成図である。
【図2】第1実施形態に係る運転支援システムの構成を示したブロック図である。
【図3】プローブ情報DBの記憶領域の一例を示した図である。
【図4】難易度判定グラフを示した図である。
【図5】車両のドアの開閉角度を示した図である。
【図6】利用難易度情報DBの記憶領域の一例を示した図である。
【図7】第1実施形態に係るナビゲーション装置の制御系を模式的に示すブロック図である。
【図8】第1実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのフローチャートである。
【図9】第1実施形態に係る運転技術レベル特定処理プログラムのフローチャートである。
【図10】第1実施形態に係る利用難易度設定処理プログラムのフローチャートである。
【図11】第1実施形態に係る情報配信処理プログラムのフローチャートである。
【図12】第1実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。
【図13】車両が駐車場で後ろ向き駐車を行う場合の駐車態様の一例を示した図である。
【図14】運転技術レベル判定グラフを示した図である。
【図15】運転技術レベル判定テーブルを示した図である。
【図16】駐車場毎に生成される利用難易度の度数分布表を示した図である。
【図17】ユーザの運転技術レベルに対応する利用難易度を示した対応表である。
【図18】液晶ディスプレイに表示される駐車場の案内画面を示した図である。
【図19】第2実施形態に係る駐車態様送信処理プログラムのフローチャートである。
【図20】第2実施形態に係る利用難易度設定処理プログラムのフローチャートである。
【図21】第2実施形態に係る運転支援処理プログラムのフローチャートである。
【図22】駐車場の一例を示した図である。
【図23】駐車場の一例を示した図である。
【図24】駐車場の一例を示した図である。
【図25】駐車場の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0118】
1 駐車場情報提供システム
2 プローブセンタ
3 車両
20 サーバ
21 CPU
22 RAM
23 ROM
33 ナビゲーションECU
51 CPU
52 RAM
53 ROM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場において駐車を実行した車両に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得手段と、
前記駐車態様取得手段によって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定手段と、
前記利用難易度設定手段によって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供手段と、を有することを特徴とする駐車場情報提供システム。
【請求項2】
ユーザの運転技術を特定する運転技術特定手段と、
前記運転技術特定手段により特定された前記ユーザの運転技術と前記利用難易度設定手段により設定された前記駐車場の利用難易度とに基づいて、前記ユーザの運転技術に対応する利用難易度が設定された駐車場を特定する駐車場特定手段と、を有し、
前記情報提供手段は、前記駐車場特定手段により特定された前記駐車場に関する情報を前記ユーザに対して提供することを特徴とする請求項1に記載の駐車場情報提供システム。
【請求項3】
前記車両が駐車を実行した駐車場の空車率を取得する空車率取得手段を有し、
前記利用難易度設定手段は、前記空車率取得手段によって取得された前記駐車場の空車率に基づいて該駐車場の利用難易度を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の駐車場情報提供システム。
【請求項4】
駐車場において駐車を実行した車両に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得ステップと、
前記駐車態様取得ステップによって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定ステップと、
前記利用難易度設定ステップによって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供ステップと、を有することを特徴とする駐車場情報提供方法。
【請求項5】
コンピュータに搭載され、
駐車場において駐車を実行した車両に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得機能と、
前記駐車態様取得機能によって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定機能と、
前記利用難易度設定機能によって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項1】
駐車場において駐車を実行した車両に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得手段と、
前記駐車態様取得手段によって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定手段と、
前記利用難易度設定手段によって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供手段と、を有することを特徴とする駐車場情報提供システム。
【請求項2】
ユーザの運転技術を特定する運転技術特定手段と、
前記運転技術特定手段により特定された前記ユーザの運転技術と前記利用難易度設定手段により設定された前記駐車場の利用難易度とに基づいて、前記ユーザの運転技術に対応する利用難易度が設定された駐車場を特定する駐車場特定手段と、を有し、
前記情報提供手段は、前記駐車場特定手段により特定された前記駐車場に関する情報を前記ユーザに対して提供することを特徴とする請求項1に記載の駐車場情報提供システム。
【請求項3】
前記車両が駐車を実行した駐車場の空車率を取得する空車率取得手段を有し、
前記利用難易度設定手段は、前記空車率取得手段によって取得された前記駐車場の空車率に基づいて該駐車場の利用難易度を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の駐車場情報提供システム。
【請求項4】
駐車場において駐車を実行した車両に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得ステップと、
前記駐車態様取得ステップによって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定ステップと、
前記利用難易度設定ステップによって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供ステップと、を有することを特徴とする駐車場情報提供方法。
【請求項5】
コンピュータに搭載され、
駐車場において駐車を実行した車両に関し、前記駐車場に前記車両が進入してから駐車を完了するまでに実行した切り返しの回数と駐車後のドアの開閉角度とを取得する駐車態様取得機能と、
前記駐車態様取得機能によって取得された前記車両の切り返しの回数及びドアの開閉角度に基づいて、前記駐車場に対して利用難易度を設定する利用難易度設定機能と、
前記利用難易度設定機能によって設定された前記駐車場の利用難易度に基づいて、前記駐車場に関する情報をユーザに対して提供する情報提供機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
【図19】
【図20】
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【図22】
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【図24】
【図25】
【公開番号】特開2010−91465(P2010−91465A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−262780(P2008−262780)
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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