説明

駐車場案内システム

【課題】車両のユーザが車両とは異なる移動手段の出発時刻に間に合うように中継施設に到着することができる駐車場を案内する。
【解決手段】駐車場案内システム10は、車両移動区間と非車両移動区間とを組み合わせて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索処理部37と、探索した経路において車両移動区間と非車両移動区間とを中継する中継施設を特定する中継施設特定部38と、特定した中継施設の近辺に存在する複数の駐車場を特定する駐車場特定部39と、特定した複数の駐車場のうち、車両とは異なる移動手段の出発時刻から少なくとも駐車所要時間と徒歩所要時間とを差し引いた時刻に車両が入場することができる駐車場を推奨駐車場として案内する駐車場案内部40と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両によって移動する車両移動区間と車両とは異なる移動手段によって移動する非車両移動区間とを組み合わせた経路において車両移動区間と非車両移動区間とを中継する中継施設の近辺に存在する駐車場を案内する駐車場案内システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、異なる移動手段によって移動する移動区間(例えば、車両によって移動する移動区間、徒歩によって移動する移動区間、公共交通機関によって移動する移動区間など)を組み合わせた経路を探索する技術(マルチモーダル経路探索技術)が考えられている。そして、このような経路探索の際に、異なる移動区間を中継する中継施設(例えば、駅など)の近辺に存在する駐車場を案内する技術が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−165810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、経路案内の目的地に予定時刻に到着するためには、中継施設(例えば駅)における移動手段(例えば電車)の出発時刻に遅れないように当該中継施設に到着する必要がある。
しかしながら、例えば、中継施設の近辺に存在する駐車場として案内された駐車場が大規模である場合には、車両が当該駐車場に入場してから空スペースを見つけて駐車を完了するまでに要する時間(駐車所要時間)や、車両が駐車を完了してから当該車両のユーザが中継施設に到着するまでの時間(徒歩所要時間)が無視できないほどかかる場合が考えられる。また、例えば駐車場から中継施設までのルートや中継施設の構造(例えば駅構内の構造)が複雑である場合に、このような事情まで考慮して上記の徒歩所要時間を推測することは困難である。
【0005】
そこで、本発明の目的は、車両によって移動する車両移動区間と車両とは異なる移動手段によって移動する非車両移動区間とを組み合わせた経路において車両移動区間と非車両移動区間とを中継する中継施設の近辺に存在する駐車場を案内する場合に、車両のユーザが車両とは異なる移動手段の出発時刻に間に合うように中継施設に到着することができる駐車場を案内する駐車場案内システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の駐車場案内システムによれば、経路探索手段は、車両によって移動する車両移動区間と車両とは異なる移動手段によって移動する非車両移動区間とを組み合わせて出発地から目的地までの経路を探索する。中継施設特定手段は、経路探索手段が探索した経路において車両移動区間と非車両移動区間とを中継する中継施設を特定する。駐車場特定手段は、中継施設特定手段が特定した中継施設の近辺に存在する複数の駐車場を特定する。駐車場案内手段は、駐車場特定手段が特定した複数の駐車場のうち、車両とは異なる移動手段の出発時刻から少なくとも車両が駐車場に入場してから駐車を完了するまでに要する所要時間と車両が駐車を完了してから当該車両のユーザが中継施設に到着するまでに要する所要時間とを差し引いた時刻に車両が入場することができる駐車場を推奨駐車場として案内する。
【0007】
これにより、中継施設の近辺に存在する駐車場のうち、車両とは異なる移動手段の出発時刻から少なくとも駐車所要時間(車両が駐車場に入場してから駐車を完了するまでに要する所要時間)と徒歩所要時間(車両が駐車を完了してから当該車両のユーザが中継施設に到着するまでに要する所要時間)とを差し引いた時刻に車両が入場することができる駐車場(推奨駐車場)が案内されるようになり、従って、当該駐車場に駐車した車両のユーザは、車両とは異なる移動手段の出発時刻に間に合うように中継施設に到着することができるようになる。
【0008】
また、請求項2の駐車場案内システムによれば、駐車場案内手段は、推奨駐車場が複数存在する場合には、これら複数の推奨駐車場のうち過去に利用した駐車場を優先して案内する。
これにより、複数の推奨駐車場のうち過去に利用した駐車場が優先して案内されるようになり、ユーザにとって一層最適な駐車場を案内することができる。
【0009】
また、請求項3の駐車場案内システムによれば、駐車場案内手段は、推奨駐車場の中に過去に利用した駐車場が存在しない場合には、全ての推奨駐車場を案内する。
これにより、推奨駐車場の中に過去に利用した駐車場が存在しない場合であっても、ユーザは、案内された複数の推奨駐車場の中から最適な駐車場を選択することができる。
【0010】
また、請求項4の駐車場案内システムによれば、駐車場案内手段は、推奨駐車場が複数存在する場合には、案内する駐車場を、予め設定された優先条件に基づいて選定する。
これにより、複数の推奨駐車場から優先条件に合致する駐車場を優先して案内することができ、ユーザにとって一層最適な駐車場を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係るものであり、駐車場案内システムの構成を概略的に示すブロック図
【図2】駐車所要時間の計測・記憶処理の内容を示すフローチャート
【図3】徒歩所要時間の計測・記憶処理の内容を示すフローチャート
【図4】マルチモーダル経路探索・駐車場案内処理の内容を示すフローチャート
【図5】案内駐車場決定処理の内容を示すフローチャート
【図6】駐車場利用履歴情報のリスト型の表示態様を示す図
【図7】駐車場利用履歴情報の地図型の表示態様を示す図
【図8】詳細情報の表示態様を示す図
【図9】本発明の第2実施形態に係る図4相当図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1から図8を参照しながら説明する。図1に示すように、駐車場案内システム10は、ナビゲーション装置11と、情報センター31と、携帯端末51とを備える。
まず、ナビゲーション装置11の構成について説明する。
車載機器であるナビゲーション装置11は、例えば自動車などの車両に搭載され、制御装置12、位置検出部13、RTC14(Real Time Clock)、地図データ入力部15、操作スイッチ部16、記憶部17、表示器18、音声コントローラ19、リモコンセンサ20、通信部21などを備えている。
【0013】
制御装置12は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。ナビゲーション装置11は、制御装置12のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、駐車所要時間計測・記憶部22(駐車所要時間を計測し記憶する手段)をソフトウェアによって仮想的に実現する。
位置検出部13は、方位センサ13a、ジャイロセンサ13b(ジャイロスコープ)、距離センサ13c、GPS受信器13dなどを有しており、ナビゲーション装置11が搭載された車両(自車両)の現在位置を検出する。方位センサ13aは、車両の方位を検出する。ジャイロセンサ13bは、車両の回転角度を検出する。距離センサ13cは、車両の走行距離を検出する。GPS受信器13dは、GPS(Global Positioning System)により車両の現在位置を測位するために、図示しないGPS衛星から送信される電波を受信する。
RTC14は、例えば日付や時刻など時間に関する情報を取得するための計時手段である。RTC14は、図示しない発信器が出力したクロックパルスのパルス数をカウントし、カウントしたカウント値が基準値に到達すると単位時間を示す単位時間信号を生成する。そして、RTC14は、生成した単位時間信号に基づいて端末時刻を生成する。
【0014】
地図データ入力部15は、地図データ記憶部15aから地図データを取得する。地図データ記憶部15aに記憶されている地図データは、複数のノードおよびノード同士をつなぐリンクにより形成された道路データ、背景データ、目印データ、マップマッチング用データ、目的地データ、交通情報を道路データに変換するためのテーブルデータなどの各種のデータを含んでいる。また、この地図データに含まれる道路データは、道路の種類(例えば、国道、高速道路、一般道路、細街路など)ごとに区別して記憶されている。この地図データには、地名、道路名、駐車場名、交通機関の中継施設(例えば、電車の乗降施設である駅)の名称や、これら各地点、各道路、各駐車場、各中継施設の位置などの情報が含まれている。
地図データ記憶部15aに記憶されている地図データは、図示しないドライブ装置によって地図データ入力部15に読み取られる。地図データ記憶部15aとしては、例えばDVDやCDなどの大容量記憶媒体、メモリカードあるいはハードディスクドライブなどの記憶媒体が用いられる。
【0015】
操作スイッチ部16は、表示器18の画面の近傍に設けられているメカニカルスイッチや、表示器18の画面に設けられているタッチパネルスイッチなどから構成されている。ユーザは、操作スイッチ部16の各スイッチを用いて、経路案内の目的地の設定、当該目的地への到着希望時刻の設定、表示器18の画面や表示態様の切り替え(例えば、地図縮尺の変更、メニュー画面の選択、経路の探索、経路案内の開始、現在位置の修正、音量の調整など)を行う各種のコマンドの入力を行う。これにより、ナビゲーション装置11は、ユーザの指示に従って作動する。リモコンセンサ20は、リモコン20aとの間でコマンドなどの送受信を行う。リモコン20aには、複数の操作スイッチが設けられている。リモコン20aの操作スイッチを操作することにより、リモコン20aからリモコンセンサ20を経由して各種の指令信号が制御装置12へ送信される。操作スイッチ部16およびリモコン20aは、何れの操作によっても制御装置12に同一の機能を実行させることができる。
【0016】
記憶部17は、例えば着脱可能なフラッシュメモリカードやハードディスクドライブによって構成されており、各種の情報を記憶する。なお、記憶部17は、例えばナビゲーション装置11の制御装置12に設けられているRAMやEEPROM、あるいは地図データ記憶部15aなどと共用してもよい。表示器18は、例えば液晶や有機ELなどのカラーディスプレイを有している。表示器18の画面には、車両の現在位置周辺の地図が各種縮尺で表示されるとともに、この地図表示に重ねて車両の現在位置および進行方向を示す現在地マークが表示される。また、目的地までの経路案内を実行する場合には、表示器18の画面には経路案内用の画面が表示される。
【0017】
音声コントローラ19は、車載スピーカ19aに接続している。音声コントローラ19は、制御装置12から入力した音声出力信号を車載スピーカ19aへ出力する。音声出力信号に基づいて車載スピーカ19aから出力される音声は、案内に関する音声、操作説明に関する音声、盗難防止機能の動作中であることを報知する音声、音声認識結果に応じたトークバック音声などである。
【0018】
制御装置12は、車両が走行経路に沿って移動可能とするために、表示器18の画面に現在地周辺の道路地図を表示するとともに、現在地マークを道路に重ねて表示する。この場合、車両の走行に伴って現在地マークの表示は、表示器18に表示された地図上を移動する。表示器18に表示された地図は、車両の現在位置に応じてスクロールされる。このとき、制御装置12は、車両の現在位置を道路上にあわせるマップマッチングを実施する。
通信部21は、例えば無線の通信回線61を経由して、情報センター31および携帯端末51との間でデータ通信を行う。即ち、通信部21は、各種のデータの送信機能および受信機能を有する。
駐車所要時間計測・記憶部22は、RTC14によって得られる端末時刻に基づいて駐車所要時間(ナビゲーション装置11が搭載された車両が駐車場に入場してから駐車を完了するまでに要する所要時間)を計測し、計測した駐車所要時間を記憶部17に記憶する。
【0019】
次に、情報センター31の構成について説明する。
情報センター31は、制御装置32、通信部33、駐車場情報データベース34、交通機関情報データベース35、駐車場利用履歴データベース36などを備えている。
制御装置32は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。情報センター31は、制御装置32のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、マルチモーダル経路探索処理部37(経路探索手段に相当)、中継施設特定部38(中継施設特定手段に相当)、駐車場特定部39(駐車場特定手段に相当)、駐車場案内部40(駐車場案内手段に相当)をソフトウェアによって仮想的に実現する。
通信部33は、例えば無線の通信回線61を経由して、各車両のナビゲーション装置11との間でデータ通信を行う。即ち、通信部33は、各種のデータの送信機能および受信機能を有する。
【0020】
駐車場情報データベース34は、駐車場情報(駐車場に関する各種の情報)を蓄積するデータベースである。この駐車場情報データベース34には、例えば、駐車場の名称、駐車場の所在地、駐車場の種類(例えば、立体駐車場、機械式駐車場、平置き式駐車場など)、予約可/不可情報(予約が可能であるか否かを示す情報)、満空情報(満車状態であるか空車状態であるかを示す情報)、駐車場から最寄りの中継施設までの所要時間(徒歩による所要時間)、利用料金、駐車場のお勧め度など、駐車場に関する各種の情報が駐車場ごとに対応付けられて蓄積されるようになっている。また、駐車場情報データベース34に蓄積される駐車場情報は、外部から得られる各種の情報(例えば、駐車場の管理者が入力する情報、他の情報センターから受信される情報、大衆やマスコミなどから投稿される口コミ情報など)に基づいて、リアルタイムで最新の情報に更新されるようになっている。
【0021】
交通機関情報データベース35は、交通機関情報(交通機関に関する各種の情報)を蓄積するデータベースである。この交通機関情報データベース35には、例えば、交通機関の種類(例えば鉄道など)、交通機関の中継施設(例えば駅など)の名称および所在地、交通機関の時刻表データ、交通機関の移動手段(例えば電車など)が発着するホームの番号など、交通機関に関する各種の情報が当該交通機関の中継施設ごとに対応付けられて蓄積されるようになっている。また、交通機関情報データベース35に蓄積される交通機関情報も、外部から得られる各種の情報(例えば、交通機関の運営者が入力する情報、他の情報センターから受信される情報など)に基づいて、リアルタイムで最新の情報に更新されるようになっている。
【0022】
駐車場利用履歴データベース36は、各車両のユーザが実際に利用した駐車場(利用駐車場)に関する各種の情報(駐車場利用履歴情報)を蓄積するデータベースである。この駐車場利用履歴データベース36には、詳しくは後述するようにしてナビゲーション装置11から転送される駐車場利用履歴情報が駐車場ごとに対応付けられて蓄積されるようになっている。また、この駐車場利用履歴データベース36に蓄積されている駐車場利用履歴情報は、ナビゲーション装置11から随時転送される駐車場利用履歴情報に基づいて最新の情報に更新されるようになっている。
【0023】
マルチモーダル経路探索処理部37は、車両によって移動する車両移動区間と車両とは異なる移動手段(例えば電車など)によって移動する非車両移動区間とを組み合わせて出発地から目的地までの経路を探索する。
中継施設特定部38は、マルチモーダル経路探索処理部37が探索した経路において車両移動区間と非車両移動区間とを中継する中継施設(例えば駅など)を特定する。
駐車場特定部39は、中継施設特定部38が特定した中継施設の近辺に存在する複数の駐車場を特定する。
駐車場案内部40は、駐車場特定部39が特定した複数の駐車場のうち、車両とは異なる移動手段(例えば電車など)の出発時刻から少なくとも駐車所要時間と徒歩所要時間とを差し引いた時刻に車両が入場することができる駐車場を推奨駐車場として案内する。
【0024】
次に、携帯端末51の構成について説明する。
携帯端末51は、車両のユーザが所有する例えば携帯電話機や携帯情報端末などで構成される。この携帯端末51は、制御装置52、通信部53、位置検出部54、RTC55、記憶部56などを備えている。
制御装置52は、図示しないCPU、ROMおよびRAMを有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。携帯端末51は、制御装置52のCPUにおいて制御プログラムを実行することにより、徒歩所要時間計測・記憶部57(徒歩所要時間を計測し記憶する手段)をソフトウェアによって仮想的に実現する。
【0025】
通信部53は、例えば無線の通信回線61を経由して、ナビゲーション装置11との間でデータ通信を行う。即ち、通信部53は、各種のデータの送信機能および受信機能を有する。
位置検出部54は、ナビゲーション装置11が備える位置検出部13と同様の構成であり、携帯端末51の現在位置を検出する。
RTC55は、ナビゲーション装置11が備えるRTC14と同様の構成であり、生成した単位時間信号に基づいて端末時刻を生成する。
【0026】
記憶部56は、例えば携帯端末51の制御装置52に設けられているRAMやEEPROMによって構成されており、各種の情報を記憶する。
徒歩所要時間計測・記憶部57は、RTC55によって得られる端末時刻に基づいて徒歩所要時間(車両が駐車を完了してから当該車両のユーザが中継施設に到着するまでに要する所要時間)を計測し、計測した徒歩所要時間を記憶部56に記憶する。
【0027】
次に、上記構成の駐車場案内システム10の動作について説明する。
(駐車所要時間の計測・記憶処理)
この処理は、車両が駐車場に入場した場合に、当該車両に搭載されたナビゲーション装置11の制御装置12が、主として駐車所要時間計測・記憶部22によって駐車所要時間を計測し記憶する処理である。
即ち、図2に示すように、ナビゲーション装置11の制御装置12は、当該ナビゲーション装置11が搭載された車両が駐車場に入場したか否かを監視している(ステップA1)。この場合、制御装置12は、位置検出部13によって検出される車両の現在位置が駐車場の敷地内に進入した場合に、車両が駐車場に入場したと判断するように構成されている。なお、車両が駐車場に入場したか否かを監視する手段は、このような手段に限られるものではない。例えば、駐車場の入口に入場監視用の端末(ゲート端末)を設置し、制御装置12は、このゲート端末との通信が確立した場合に、車両が駐車場に入場したと判断するように構成してもよい。
【0028】
制御装置12は、車両が駐車場に入場すると(ステップA1:YES)、RTC14が生成する端末時刻に基づいて駐車所要時間の計測を開始する(ステップA2)。そして、制御装置12は、車両が駐車を完了したか否かを監視する(ステップA3)。この場合、制御装置12は、車両のエンジンが停止した場合(図示しないエンジン制御装置からエンジン停止信号を受信した場合)に、車両が駐車を完了したと判断するように構成されている。なお、車両が駐車を完了したか否かを監視する手段は、このような手段に限られるものではない。例えば、制御装置12は、車両のドアが開いた場合(車両の停車後にドアスイッチがオン状態からオフ状態に切り換わった場合)に、車両が駐車を完了したと判断するように構成してもよい。
制御装置12は、車両が駐車を完了すると(ステップA3:YES)、駐車所要時間の計測を終了する(ステップA4)。そして、制御装置12は、計測した駐車所要時間を記憶部17に記憶(保存)し(ステップA5)、この駐車所要時間の計測・記憶処理を終了する。
【0029】
(徒歩所要時間の計測・記憶処理)
この処理は、車両が駐車場に駐車を完了した場合に、当該車両のユーザが所有する携帯端末51の制御装置52が、主として徒歩所要時間計測・記憶部57によって徒歩所要時間を計測し記憶する処理である。
【0030】
即ち、図3に示すように、携帯端末51の制御装置52は、当該携帯端末51を所有するユーザが乗車する車両が駐車を完了したか否かを監視している(ステップB1)。この場合、携帯端末51は、監視対象となる車両(当該車両に搭載されたナビゲーション装置11)を登録可能に構成されている。そして、携帯端末51の制御装置52は、監視対象となる車両(ナビゲーション装置11)から駐車完了信号を受信すると、監視対象となる車両が駐車を完了したと判断するように構成されている。駐車完了信号は、ナビゲーション装置11の制御装置12が、車両が駐車を完了したと判断した場合(ステップA3:YES)に、駐車を完了した旨を外部に報知するために送信する信号である。なお、車両が駐車を完了したか否かを監視する手段は、このような手段に限られるものではない。例えば、携帯端末51に駐車完了の旨を入力するための駐車完了ボタンを設け、制御装置52は、ユーザが当該駐車完了ボタンを手動操作した場合に、車両が駐車を完了したと判断するように構成してもよい。
【0031】
制御装置52は、車両が駐車を完了すると(ステップB1:YES)、RTC55が生成する端末時刻に基づいて徒歩所要時間の計測を開始する(ステップB2)。そして、制御装置52は、ユーザが中継施設に到着したか否かを監視する(ステップB3)。この場合、制御装置52は、位置検出部54によって検出される携帯端末51の現在位置が中継施設の敷地内に進入した場合に、ユーザが中継施設に到着したと判断するように構成されている。なお、ユーザが中継施設に到着したか否かを監視する手段は、このような手段に限られるものではない。例えば、駅構内の改札機を携帯端末51と通信可能に構成し、制御装置52は、改札機との通信が確立した場合に、ユーザが中継施設(駅)に到着したと判断するように構成してもよい。また、制御装置52は、位置検出部54によって検出される携帯端末51の現在位置が所定速度(少なくとも通常想定される人の移動速度以上の速度であり、例えば、通常想定される電車の移動速度)以上で移動を開始した場合や、位置検出部54によって検出される携帯端末51の現在位置が線路に沿って移動を開始した場合などに、ユーザが中継施設(駅)に到着したと判断するように構成してもよい。また、携帯端末51に中継施設に到着した旨を入力するための到着ボタンを設け、制御装置52は、ユーザが到着ボタンを手動操作した場合に、ユーザが中継施設(駅)に到着したと判断するように構成してもよい。
【0032】
制御装置52は、ユーザが中継施設に到着したと判断すると(ステップB3:YES)、徒歩所要時間の計測を終了する(ステップB4)。そして、制御装置52は、計測した徒歩所要時間を記憶部56に記憶(保存)するとともに(ステップB5)、計測した徒歩所要時間をナビゲーション装置11に転送し(ステップB6)、この徒歩所要時間の計測・記憶処理を終了する。
【0033】
(駐車場利用履歴情報の記憶・編集・転送処理)
この処理は、ナビゲーション装置11の制御装置12が、当該ナビゲーション装置11が搭載された車両が実際に駐車した駐車場に関する各種の情報を駐車場利用履歴情報として記憶し、編集し、転送する処理である。
【0034】
まず、駐車場利用履歴情報を記憶する処理について説明する。
即ち、制御装置12は、上述の駐車所要時間の計測・記憶処理によって得られた駐車所要時間、および、上述の徒歩所要時間の計測・記憶処理によって得られた徒歩所要時間(携帯端末51から転送された徒歩所要時間)を、駐車場利用履歴情報として記憶部17に記憶する。なお、この駐車場利用履歴情報には、ユーザによる手動操作によって付加情報(駐車した駐車場の名称、所在地、種類、予約可/不可情報、電話番号、利用料金、お好み設定、お勧め度、コメントなど)を入力することが可能である。また、この駐車場利用履歴情報には、ユーザによる手動操作によって優先条件情報を設定することが可能である。この優先条件情報は、後述する案内駐車場決定処理において、案内駐車場として決定する駐車場の優先条件を特定する情報である。優先条件としては、例えば、駐車場が空車状態であること、予約可の駐車場であること、お好み設定がされていること、お勧め度が所定レベル以上であること、利用料金が格安であること、などを設定可能である。これら駐車所要時間、徒歩所要時間、付加情報、優先条件情報は駐車場ごとに対応付けられて記憶される。
【0035】
次に、駐車場利用履歴情報を編集する処理について説明する。
即ち、制御装置12は、ユーザが操作スイッチ部16を介して編集の開始操作を入力すると、記憶部17に記憶されている駐車場利用履歴情報を選択可能に表示器18に表示する。この駐車場利用履歴情報の表示態様としては、種々の表示態様を採用することができ、例えば、図6に示すようにリスト型の表示態様であってもよいし、図7に示すように地図型の表示態様であってもよい。そして、表示された駐車場利用履歴情報のうち何れか1つの駐車場をユーザが操作スイッチ部16を介して選択すると、制御装置12は、その選択された駐車場に対応する駐車場利用履歴情報を、図8に示すように詳細情報として表示する。この詳細情報は、表示器18の画面上で編集可能であり、ユーザは、編集したい項目を選択してその内容を編集することが可能である。ユーザが駐車場利用履歴情報(詳細情報)を編集すると、制御装置12は、その編集内容を記憶部17に記憶されている駐車場利用履歴情報に反映させ、当該駐車場利用履歴情報を更新する。なお、「お勧め度」については、制御装置12は、ユーザが手動入力した情報を参照するように構成してもよいし、駐車場情報データベース34に蓄積されている情報を参照するように構成してもよい。
【0036】
次に、駐車場利用履歴情報を情報センター31へ転送する処理について説明する。
即ち、制御装置12は、記憶部17に記憶した駐車場利用履歴情報を所定のタイミングで情報センター31に転送する。駐車場利用履歴情報を転送するタイミングは、例えば定期的なタイミングを予め設定しておいてもよいし、ユーザが転送を実行するための操作をナビゲーション装置11に入力したタイミングで転送するように構成してもよいし、駐車場利用履歴情報が更新・編集されたタイミングで転送するように構成してもよい。要は、制御装置12は、記憶部17に記憶した駐車場利用履歴情報を情報センター31に随時転送する構成であればよい。
【0037】
一方、情報センター31の制御装置32は、ナビゲーション装置11から駐車場利用履歴情報を受信すると、その受信した駐車場利用履歴情報を駐車場利用履歴データベース36に蓄積する。なお、制御装置32は、受信した駐車場利用履歴情報を、ユーザごと(換言すれば、車両ごと、もしくは、ナビゲーション装置11ごと)に対応付けて蓄積するように構成してもよいし、ユーザごとに対応付けることなく共有情報として蓄積するように構成してもよい。
【0038】
(マルチモーダル経路探索・駐車場案内処理)
この処理は、ナビゲーション装置11において目的地などが設定された場合に、情報センター31の制御装置32が、車両によって移動する車両移動区間と例えば電車(車両とは異なる移動手段)によって移動する電車移動区間(非車両移動区間)とを組み合わせた経路を探索するとともに、その探索された経路において車両移動区間と電車移動区間とを中継する駅(中継施設)の近辺に存在する駐車場を案内する処理である。
【0039】
即ち、図4に示すように、ナビゲーション装置11の制御装置12は、目的地が設定(ステップC1)され、さらに、その目的地への到着希望時刻が設定(ステップC2)されると、それら設定された目的地および到着希望時刻を特定する情報(設定情報)と、車両(ナビゲーション装置11)の現在位置、つまり、経路案内の出発地を特定する情報(出発地特定情報)と、これら設定情報および出発地特定情報の送信元であるナビゲーション装置11を特定する情報(送信元特定情報)とを情報センター31へ送信する(ステップC3)。
【0040】
情報センター31の制御装置32は、ナビゲーション装置11から設定情報、出発地特定情報および送信元特定情報を受信すると(ステップD1)、マルチモーダル経路探索処理を実行する(ステップD2)。このマルチモーダル経路探索処理では、制御装置32は、ナビゲーション装置11から受信した設定情報および出発地特定情報に基づいて経路案内の出発地、目的地および到着希望時刻を特定し、その目的地に到着希望時刻に到着することができる経路を探索する。このとき、制御装置32は、車両によって移動する車両移動区間と電車によって移動する電車移動区間とを組み合わせて出発地から目的地までの経路を探索する。
制御装置32は、マルチモーダル経路探索処理によって経路を探索すると、その探索した経路において車両移動区間と電車移動区間とを中継する駅(利用駅)を特定する(ステップD3)。そして、制御装置32は、案内駐車場決定処理を実行する(ステップD4)。
【0041】
ここで、この案内駐車場決定処理の内容について図5を参照しながら説明する。
即ち、制御装置32は、特定した利用駅の近辺に存在する複数の駐車場を探索(特定)する(ステップE1)。この場合、制御装置32は、利用駅の近辺に存在する駐車場として、その利用駅から所定距離(例えば、500メートル)以内の範囲に存在する駐車場を特定するように構成されている。
【0042】
そして、制御装置32は、特定した複数の駐車場から推奨駐車場を特定する(ステップE2)。即ち、制御装置32は、特定した複数の駐車場のそれぞれについて、駐車場情報データベース34、交通機関情報データベース35および駐車場利用履歴データベース36にそれぞれ蓄積されている各種の情報に基づいて、特定した利用駅における電車の出発時刻から、駐車所要時間と、徒歩所要時間と、余裕時間(例えば渋滞状況、天候状況などに起因して発生する誤差を考慮した時間であり、任意に設定される時間)とを差し引いた時刻を駐車場到着基準時刻として演算する。そして、制御装置32は、演算した駐車場到着基準時刻までに車両が入場することができる駐車場(当該駐車場への推定到着時刻が駐車到着基準時刻よりも前となる駐車場)を選出し、選出した駐車場を推奨駐車場として特定する。
【0043】
次に、制御装置32は、特定した推奨駐車場の数N1が「0」であるか否かを判断する(ステップE3)。制御装置32は、特定した推奨駐車場の数N1が「0」である場合、つまり、推奨駐車場が全く存在しない場合(ステップE3:YES)には、詳しくは後述するステップE8の処理を実行する。一方、制御装置32は、特定した推奨駐車場の数N1が「0」でない場合(ステップE3:NO)には、特定した推奨駐車場の数N1が「1」であるか否かを判断する(ステップE4)。制御装置32は、特定した推奨駐車場の数N1が「1」である場合(ステップE4:YES)には、詳しくは後述するステップE8の処理を実行する。一方、制御装置32は、特定した推奨駐車場の数N1が「1」でない場合、つまり、複数の推奨駐車場が特定された場合(ステップE4:NO)には、以下に示すように、推奨駐車場の絞り込みを行う。
【0044】
即ち、制御装置32は、まず、特定した複数の推奨駐車場の中に過去に利用した駐車場が含まれているか否かを判断する(ステップE5)。制御装置32は、特定した複数の推奨駐車場の中に過去に利用した駐車場が含まれていない場合(ステップE5:NO)には、詳しくは後述するステップE8の処理を実行する。一方、制御装置32は、特定した複数の推奨駐車場の中に過去に利用した駐車場が含まれている場合(ステップE5:YES)には、過去に利用した駐車場の数N2が「1」であるか否かを判断する(ステップE6)。制御装置32は、過去に利用した駐車場の数N2が「1」である場合(ステップE6:YES)には、詳しくは後述するステップE8の処理を実行する。一方、制御装置32は、過去に利用した駐車場の数N2が「1」でない場合、つまり、過去に利用した駐車場が複数である場合(ステップE6:NO)には、優先条件に基づいて推奨駐車場の絞り込み(選定)を行う(ステップE7)。即ち、例えば、優先条件として「駐車場が空車状態であること」が設定されている場合には、制御装置32は、複数の推奨駐車場のうち現時点において空車状態である駐車場を優先して選定する。このとき、選定される駐車場の数は、設定されている優先条件や駐車場の状況に応じて異なり、単数である場合もあるし複数である場合もある。
【0045】
次に、ステップE8の処理の内容について説明する。この処理は、設定情報などを送信したナビゲーション装置11に対して返送する案内駐車場を決定するための処理である。
即ち、特定した推奨駐車場の数N1が「0」である場合(ステップE3:YES)には、制御装置32は、案内駐車場を決定することなく、この案内駐車場の決定処理を終了する。
【0046】
特定した推奨駐車場の数N1が「1」である場合(ステップE4:YES)には、制御装置32は、その推奨駐車場を案内駐車場として決定する。
特定した複数の推奨駐車場の中に過去に利用した駐車場が含まれていない場合(ステップE5:NO)には、制御装置32は、全ての推奨駐車場を案内駐車場として決定する。つまり、この場合、案内駐車場は複数となる。
【0047】
過去に利用した駐車場の数N2が「1」である場合(ステップE6:YES)には、制御装置32は、その過去に利用した駐車場を案内駐車場として決定する。
優先条件に基づいて推奨駐車場の絞り込みを行った場合(ステップE7)には、制御装置32は、その絞り込んだ駐車場を案内駐車場として決定する。
【0048】
以上のようにして案内駐車場を決定すると、制御装置32は、この案内駐車場決定処理(ステップD4)を終了する。案内駐車場決定処理を終了すると、制御装置32は、ステップD2によって探索した経路、ステップD3によって特定した利用駅、ステップD4で決定した案内駐車場を含む返送情報を生成し(ステップD5)、その生成した返送情報を送信元であるナビゲーション装置11に送信する(ステップD6)。なお、上記の案内駐車場決定処理において案内駐車場を決定できなかった場合(推奨駐車場が全く存在しない場合、つまり、ステップE3にて「YES」の場合)には、該当する案内駐車場が存在しない旨のメッセージデータを返送情報に含むようにするとよい。また、上記の案内駐車場決定処理において全ての推奨駐車場を案内駐車場として決定した場合(推奨駐車場が複数であり且つそれら複数の推奨駐車場の中に過去に利用した駐車場が全く存在しない場合、つまり、ステップE5にて「NO」の場合)には、該当する案内駐車場が複数である旨のメッセージデータを返送情報に含むようにするとよい。
【0049】
一方、ナビゲーション装置11の制御装置12は、情報センター31から返送情報を受信(ステップC4)すると、その返送情報に含まれる経路(情報センター31にてステップD2によって探索された経路)を案内経路として設定し(ステップC5)、その案内経路に従って車両の経路案内を実施する(ステップC6)。この経路案内に際し、受信した返送情報に含まれる利用駅に車両が接近すると、制御装置12は、受信した返送情報に含まれる案内駐車場を表示器18に表示して案内する。なお、制御装置12は、情報センター31における案内駐車場決定処理において案内駐車場が決定されなかった場合(ステップE3にて「YES」の場合)には、受信した返送情報に含まれるメッセージデータに基づいて、該当する案内駐車場が存在しない旨を報知する。また、制御装置12は、情報センター31における案内駐車場決定処理において全ての推奨駐車場が案内駐車場として決定された場合(ステップE5にて「NO」の場合)には、受信した返送情報に含まれるメッセージデータに基づいて、該当する案内駐車場が複数である旨を報知する。これらメッセージの報知処理は、例えばナビゲーション装置11が備える表示器18による表示出力や車載スピーカ19aによる音声出力によって実行することができる。また、制御装置12は、該当する案内駐車場が複数である旨を報知する場合には、例えば後述する第2実施形態に示すように、複数の推奨駐車場のうち何れか1つの駐車場を案内駐車場として決定するための処理を実行する。
【0050】
以上に説明したように本実施形態によれば、利用駅(中継施設)の近辺に存在する駐車場のうち、当該利用駅における電車(車両とは異なる移動手段)の出発時刻から少なくとも駐車所要時間と徒歩所要時間とを差し引いた時刻(駐車場到着基準時刻)に車両が入場することができる駐車場(推奨駐車場)が案内されるようになり、従って、当該駐車場に駐車した車両のユーザは、車両とは異なる移動手段である電車の出発時刻に間に合うように中継施設である利用駅に到着することができるようになる。
また、推奨駐車場が複数存在する場合には、これら複数の推奨駐車場のうち過去に利用した駐車場が優先して案内されるので、ユーザにとって一層最適な駐車場を案内することができる。
【0051】
また、推奨駐車場の中に過去に利用した駐車場が存在しない場合には、全ての推奨駐車場が案内されるので、ユーザは、案内された複数の推奨駐車場の中から最適な駐車場を選択することができる。
また、推奨駐車場が複数存在する場合には、予め設定された優先条件に基づいて案内駐車場が選定される。これにより、複数の推奨駐車場から優先条件に合致する駐車場を優先して案内することができ、ユーザにとって一層最適な駐車場を案内することができる。
【0052】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9を参照しながら説明する。本実施形態は、マルチモーダル経路探索・駐車場案内処理の内容が上述の第1実施形態と異なる。
即ち、図9に示すように、情報センター31の制御装置32は、利用駅を特定(ステップD3)すると、上述の案内駐車場決定処理(ステップD4参照)に代わり推奨駐車場特定処理(ステップF4)を実行する。この推奨駐車場特定処理では、制御装置32は、上述のステップE1,E2と同様の処理を実行する。即ち、制御装置32は、特定した利用駅の近辺に存在する複数の駐車場を探索し、さらに、探索した複数の駐車場から推奨駐車場を特定する。
【0053】
以上のようにして推奨駐車場を特定すると、制御装置32は、この推奨駐車場特定処理(ステップF4)を終了する。案内駐車場決定処理を終了すると、制御装置32は、ステップD2によって探索した経路、ステップD3によって特定した利用駅、ステップF4で特定した推奨駐車場を含む返送情報を生成し(ステップD5)、その生成した返送情報を送信元であるナビゲーション装置11に送信する(ステップD6)。なお、上記の推奨駐車場特定処理において推奨駐車場を特定できなかった場合(該当する推奨駐車場が全く存在しない場合)には、該当する推奨駐車場が存在しない旨のメッセージデータを返送情報に含むようにするとよい。
【0054】
一方、ナビゲーション装置11の制御装置12は、情報センター31から返送情報を受信(ステップC4)すると、その返送情報に含まれる経路(情報センター31にてステップD2によって探索された経路)を案内経路として設定する(ステップC5)。また、制御装置12は、受信した返送情報に含まれる推奨駐車場を選択可能に表示器18に表示する(ステップG6)。この推奨駐車場の表示態様としては、種々の表示態様を採用することができ、例えば、図6に示すようにリスト型の表示態様であってもよいし、図7に示すように地図型の表示態様であってもよい。
【0055】
そして、表示された推奨駐車場のうち何れか1つの駐車場をユーザが操作スイッチ部16を介して選択すると、制御装置12は、その選択された推奨駐車場を案内駐車場として決定する(ステップG7)。
制御装置12は、ステップC5にて設定した案内経路に従って車両の経路案内を実施する(ステップC8)。この経路案内に際し、受信した返送情報に含まれる利用駅に車両が接近すると、制御装置12は、ステップG7にて決定した案内駐車場を表示器18に表示して案内する。
【0056】
以上に説明した本実施形態は、上述の第1実施形態が案内駐車場を情報センター31にて決定する実施形態であるのに対し、案内駐車場をナビゲーション装置11にて決定する実施形態である。本実施形態によっても、利用駅(中継施設)の近辺に存在する駐車場のうち、当該利用駅における電車(車両とは異なる移動手段)の出発時刻から少なくとも駐車所要時間と徒歩所要時間とを差し引いた時刻(駐車場到着基準時刻)に車両が入場することができる駐車場(推奨駐車場)が案内されるようになり、従って、当該駐車場に駐車した車両のユーザは、車両とは異なる移動手段である電車の出発時刻に間に合うように中継施設である利用駅に到着することができるようになる。
また、推奨駐車場が複数存在する場合には、ナビゲーション装置11にてユーザが選択した駐車場が案内されるようになり、ユーザにとって一層最適な駐車場を案内することができる。
【0057】
(その他の実施形態)
本発明は、上述した各実施形態にのみ限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張することができる。
駐車所要時間計測・記憶部22を携帯端末51に設け、駐車所要時間の計測処理および記憶処理を携帯端末51で実行するように構成してもよい。この場合、車両が駐車場に入場してから当該車両のユーザが中継施設に到着するまでの時間、つまり、駐車所要時間と徒歩所要時間とを合算した時間(駐車・徒歩所要時間)をまとめて計測し記憶する構成としてもよい。
中継施設としては、駅に限られるものではなく、例えば、船乗り場、飛行場など種々の交通機関の中継施設が考えられる。
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【符号の説明】
【0058】
図面中、10は駐車場案内システム、37はマルチモーダル経路探索処理部(経路探索手段)、38は中継施設特定部(中継施設特定手段)、39は駐車場特定部(駐車場特定手段)、40は駐車場案内部(駐車場案内手段)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両によって移動する車両移動区間と前記車両とは異なる移動手段によって移動する非車両移動区間とを組み合わせて出発地から目的地までの経路を探索する経路探索手段と、
前記経路探索手段が探索した前記経路において前記車両移動区間と前記非車両移動区間とを中継する中継施設を特定する中継施設特定手段と、
前記中継施設特定手段が特定した前記中継施設の近辺に存在する複数の駐車場を特定する駐車場特定手段と、
前記駐車場特定手段が特定した複数の前記駐車場のうち、前記車両とは異なる移動手段の出発時刻から少なくとも前記車両が駐車場に入場してから駐車を完了するまでに要する所要時間と前記車両が駐車を完了してから当該車両のユーザが前記中継施設に到着するまでに要する所要時間とを差し引いた時刻に前記車両が入場することができる駐車場を推奨駐車場として案内する駐車場案内手段と、
を備えることを特徴とする駐車場案内システム。
【請求項2】
前記駐車場案内手段は、前記推奨駐車場が複数存在する場合には、これら複数の推奨駐車場のうち過去に利用した駐車場を優先して案内することを特徴とする請求項1記載の駐車場案内システム。
【請求項3】
前記駐車場案内手段は、前記推奨駐車場の中に過去に利用した駐車場が存在しない場合には、全ての前記推奨駐車場を案内することを特徴とする請求項2記載の駐車場案内システム。
【請求項4】
前記駐車場案内手段は、前記推奨駐車場が複数存在する場合には、案内する駐車場を、予め設定された優先条件に基づいて選定することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の駐車場案内システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−202920(P2012−202920A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−69887(P2011−69887)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】