説明

駐車場玩具

【課題】ユーザ自身の操作により、所望する駐車スペースに車両玩具を誘導すること。
【解決手段】外力を受けて動く車両玩具Tを駐車スペース10に案内する駐車場玩具100は、車両玩具の走行路11脇に駐車スペースが形成された盤面1と、盤面に設けられ、走行路を走行する車両玩具が突き当たる突当部2と、盤面に設けられ、走行路を走行する車両玩具が突当部に突き当たった際に、車両玩具を付勢力によって移動方向と逆方向に押し返す押返部3と、盤面に設けられ、押返部により押し返された車両玩具の一方の側面を押圧して駐車スペースに導く案内部4と、駐車スペースに進入した車両玩具を所定位置で停止させるストッパ5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場玩具として、複数台の自動車玩具を駐車する駐車スペースを備えたフロアが、複数階に亘って設けられたものがある。
このような駐車場玩具は、鉛直軸に沿って昇降可能なターンテーブルと、ターンテーブルの周りに設けられた複数の駐車スペースと、ターンテーブルを鉛直軸回りに回転させるテーブル回転手段と、ターンテーブルを鉛直軸に沿って昇降させるテーブル昇降手段と、自動車玩具を駐車する階数及び駐車場番号(当該階上に設けられた駐車スペースを特定する番号)を指定するダイヤルと、等を備えている。
そして、ターンテーブル上に自動車玩具を載置した状態で、テーブル昇降手段及びテーブル回転手段でターンテーブルを昇降及び回転させることで、ユーザが予めダイヤルで指定した階数及び駐車場番号に相当する駐車場所に向けて自動車玩具を搬送することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−293259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の駐車場玩具のユーザは、一旦ダイヤルで階数及び駐車場番号を指定すると、特定の駐車スペースに向けて自動車玩具が搬送される様子を眺めるだけである。つまり、ユーザ自身の操作を介して自動車玩具を駐車スペースまで誘導させたいと願うユーザに対して、物足りなさや興趣性の欠如等を感じさせることがある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザ自身の操作により、所望する駐車スペースに車両玩具を誘導することができる駐車場玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、外力を受けて動く車両玩具を駐車スペースに案内する駐車場玩具において、
前記車両玩具の走行路脇に駐車スペースが形成された盤面と、
前記盤面に設けられ、前記走行路を走行する車両玩具が突き当たる突当部と、
前記盤面に設けられ、前記走行路を走行する車両玩具が前記突当部に突き当たった際に、前記車両玩具を付勢力によって移動方向と逆方向に押し返す押返部と、
前記盤面に設けられ、前記押返部により押し返された前記車両玩具の一方の側面を押圧して前記駐車スペースに導く案内部と、
前記駐車スペースに進入した前記車両玩具を所定位置で停止させるストッパと、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駐車場玩具において、
前記押返部と前記案内部とを一体形成したことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の駐車場玩具において、
前記突当部は、前記押返部を兼ねていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の駐車場玩具において、
前記案内部は、前記走行路を走行する車両玩具の前記突当部への突き当たりを阻害しない第1の位置と、前記押返部により押し返された前記車両玩具を前記駐車スペースに導く第2の位置との間で移動自在とされ、
前記案内部を前記第2の位置に移動するように付勢する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力に抗して前記案内部を前記第1の位置に係止するロック機構と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の駐車場玩具において、
前記ロック機構は、
前記突当部に車両玩具が突き当たって前記突当部が移動した際に、ロックが解除されることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の駐車場玩具において、
前記ロック機構は、
前記突当部に設けられた係止片と、
前記案内部に設けられた被係止片と、を備え、
前記係止片は、前記案内部の移動に伴う前記被係止片の移動経路上に位置して前記被係止片を係止すると共に、前記突当部に前記車両玩具が突き当たって前記突当部が移動した際に前記被係止片の移動経路上から退避して前記被係止片の係止を解除することを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の駐車場玩具において、
前記駐車スペースの路面は、前記車両玩具の進入方向下流側に向かうにつれて下方に傾斜するように形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の駐車場玩具において、
前記駐車スペースの路面には、前記車両玩具の進入方向上流側に前記車両玩具が戻ることを防止する段部が形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の駐車場玩具において、
前記車両玩具が載置される載置部を有し、前記載置部に載置された前記車両玩具を前記突当部に向けて加速する加速装置を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の駐車場玩具において、
前記走行路に向けて下方に傾斜するスロープを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の駐車場玩具において、
前記盤面に設けられ、前記突当部、前記押返部及び前記案内部を支持するケース体を備え、
前記ケース体は、前記押返部により前記車両玩具を押し返す方向に沿って移動自在に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、走行路を走行する車両玩具が突当部に突き当たると、押返部は、車両玩具を付勢力によって移動方向と逆方向に押し返す。そして、案内部は、押返部により押し返された車両玩具の一方の側面を押圧して、車両玩具を駐車スペースに導く。駐車スペースに進入した車両玩具は、ストッパにより所定位置で停止する。
これにより、ユーザ自身の操作により、車両玩具を突当部に突き当てることで、所望する駐車スペースに車両玩具を誘導することができる。
よって、ユーザ自身の操作を介して車両玩具を駐車スペースまで誘導させたいと願うユーザに満足感を与え、興趣性を高めることができる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、押返部と案内部とを一体形成することで、一つの付勢力によって押返部と案内部とを同時に動かすことができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、突当部は押返部を兼ねているので、部品点数を減らすことができる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、付勢部材とロック機構を備えることにより、車両玩具が突当部に突き当たるまでは案内部は第1の位置にあり、突当部に突き当たった後は、付勢部材の付勢により第2の位置に移動して車両玩具を駐車スペースに案内することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、ロック機構は、突当部に車両玩具が突き当たって突当部が移動した際にロックが解除されるので、車両玩具の突当部への突き当てによる突当部の移動をトリガーとして案内部を動かすことができる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、係止片は、案内部の移動に伴う被係止片の移動経路上に位置して被係止片を係止すると共に、突当部に車両玩具が突き当たって突当部が移動した際に被係止片の移動経路上から退避して被係止片の係止を解除する。
これにより、車両玩具の突当部への突き当てによる突当部の移動をトリガーとして案内部を動かすことができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、駐車スペースの路面は、車両玩具の進入方向下流側に向かうにつれて下方に傾斜するように形成されているので、車両玩具が駐車スペースから飛び出すのを抑えることができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、駐車スペースの路面には段部が形成されているので、車両玩具が駐車スペースから飛び出すのを抑えることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、加速装置を備えることにより、ユーザは載置部に車両玩具を載置して加速装置を動作させることで車両玩具を突当部に向けて加速することができる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、スロープを備えることにより、ユーザはスロープの上方に車両玩具を載置するだけで車両玩具を突当部に向けて加速することができる。
【0027】
請求項11に記載の発明によれば、ケース体は車両玩具を押し返す方向に移動自在に設けられているので、ケース体を移動させることにより、所望する駐車スペースに車両玩具を収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】駐車場玩具の上方からの斜視図。
【図2】押返部及び案内部をロックした状態におけるケース体の内部を下面側から見た図。
【図3】押返部及び案内部のロックを解除した状態におけるケース体の内部を下面側から見た図。
【図4】押圧片をケース体から取り外した状態におけるケース体を下面側から見た図。
【図5】ロック機構を説明するための模式図であり、(a)はロックしたときの状態を示す図、(b)はロックを解除したときの状態を示す図。
【図6】加速装置の上方からの斜視図。
【図7】加速装置の下方からの斜視図。
【図8】自動車玩具の駐車スペースへの収容動作を説明する図。
【図9】自動車玩具の駐車スペースへの収容動作を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、駐車場玩具について説明する。
<駐車場玩具の全体構成>
駐車場玩具は、外力を受けて動く車両玩具を駐車スペースに案内して遊ぶ玩具である。具体的には、車両玩具は、手で押すことにより動く自動車玩具である。
図1は、駐車場玩具100の上方からの斜視図である。
図1に示すように、駐車場玩具100は、盤面1と、突当部2と、押返部3と、案内部4と、ストッパ5と、加速装置6とを備えている。
【0030】
(盤面、ストッパ)
図1に示すように、盤面1は、駐車場玩具100の土台の上面に形成されている。盤面1は、高速道路のサービスエリアを模して形成されている。盤面1には、複数の駐車スペース10が並んで形成されている。複数の駐車スペース10の入口には、自動車玩具Tを走行させる走行路11が形成されている。従って、駐車スペース10は、走行路11の脇に形成されており、駐車スペース10の並び方向と走行路11の延びる方向が一致している。
駐車スペース10には、自動車玩具Tの進入方向下流側に向かうにつれて路面が低くなるような傾斜面が形成されている。駐車スペース10の傾斜面には、自動車玩具Tの進入方向上流側に自動車玩具Tが戻ることを防止する段部13が形成されている。
駐車スペース10は、自動車玩具T一台毎に仕切部14によって仕切られている。仕切部14は、駐車スペース10に進入してきた自動車玩具Tの両側面に対向するように配置され、隣接する駐車スペース10を仕切るものである。
駐車スペース10において、進入してくる自動車玩具Tの先端(前面か後面のいずれか)に対向する位置には、駐車スペース10に進入してきた自動車玩具Tを所定位置で停止させるストッパ5が設けられている。ストッパ5は、盤面1上に設けられた突起であり、仕切部14と一体形成されている。
【0031】
(突当部)
図1に示すように、突当部2は、ケース体7に支持され、このケース体7は、盤面1に設けられている。すなわち、突当部2は、ケース体7を介して間接的に盤面1に設けられている。突当部2は、走行路11の延長線上に配置されている。突当部2は、走行路11を走行してきた自動車玩具Tの前面(前進してきた場合)又は後面(バックしてきた場合)を突き当てる部分である。突当部2に自動車玩具Tが突き当たると、それがトリガーとなり、押返部3及び案内部4が動作することで、自動車玩具Tが駐車スペース10に収容される。
【0032】
ケース体7は、駐車スペース10の前に形成された走行路11に沿って、スライド移動自在に設けられている。ケース体7は、走行路11に沿った複数の位置で位置決めできるように構成されている。ケース体7の位置を変えることにより、押返部3及び案内部4の位置も変わるので、自動車玩具Tを収容する駐車スペース10を変えることができる。
図1においては、ケース体7を番号「1」の位置に合わせることで番号「1」の駐車スペース10に自動車玩具Tを駐車させることができ、ケース体7を番号「2」の位置に合わせることで番号「2」の駐車スペース10に自動車玩具Tを駐車させることができ、ケース体7を番号「3」の位置に合わせることで番号「3」の駐車スペース10に自動車玩具Tを駐車させることができ、ケース体7を番号「4」の位置に合わせることで番号「4」の駐車スペース10に自動車玩具Tを駐車させることができる。
なお、ケース体7の位置合わせは、図2、図3に示すように、ケース体7に設けられた位置決め片70の一端部に形成された突部70aが盤面1における各位置に形成された凹部(図示略)に嵌り込むことにより、ユーザがクリック感を感じることで実現できる。
【0033】
図2は、押返部3及び案内部4をロックした状態におけるケース体7の内部を下面側から見た図である。図3は、押返部3及び案内部4のロックを解除した状態におけるケース体7の内部を下面側から見た図である。図4は、突当部2の構成を示すために、押返部3及び案内部4が形成された押圧片9をケース体7から取り外した状態におけるケース体7を下面側から見た図である。
図4に示すように、ケース体7の内部には、突当部2が一直線方向A(以下、A方向とする)に沿って往復移動できるように配置されている。突当部2は、ケース体7に形成された複数のガイド片71に案内される。突当部2には、移動方向であるA方向に沿って長孔21が形成されている。長孔21には、ネジ22が通されており、このネジ22は、ケース体7に固定されている。これにより、突当部2は、長孔21の長さ分だけA方向に往復移動自在となっている。
【0034】
突当部2は、バネ(図示略)により、A方向に沿って自動車玩具Tの移動方向(自動車玩具Tが突当部2に突入してくる方向)と逆方向に付勢されている。従って、自動車玩具Tが突当部2に突き当たり、その衝撃により突当部2はバネの付勢力(バネ力)に抗して自動車玩具Tの移動方向に移動するが、その後バネの付勢力により自動車玩具Tの移動方向と逆方向に移動して元の位置に戻る。
突当部2には、A方向に直交する方向に延出して押返部3及び案内部4の移動を規制する係止片81が形成されている。係止片81は、押返部3及び案内部4が形成された押圧片9に形成された被係止片82と併せてロック機構8を構成する。
係止片81は、被係止片82を係止して押圧片9の移動を阻止(ロック)する。一方、自動車玩具Tが突当部2に突き当たることにより、突当部2がバネの付勢力に抗して自動車玩具Tの移動方向に移動すると、被係止片82の係止を解除して押圧片9のロックを解除し、押圧片9を移動自在にする。
【0035】
(押返部、案内部)
図2〜図4に示すように、押返部3及び案内部4は、ともに押圧片9に一体形成されている。
押圧片9は、突当部2と同様、ケース体7に支持されている。すなわち、押返部3及び案内部4は、ケース体7を介して間接的に盤面1に設けられている。
押圧片9は、ケース体7に形成された軸部72に挿通され、軸部72回りに回転自在に設けられている。押圧片9は、突当部2の下方に重なるように配置されている。
押圧片9の一端には、付勢部材としてのバネ91の一端が連結されている。バネ91の他端は、ケース体7に固定されている。
押圧片9は、バネ91の付勢力により軸部72回りに回転し、押返部3により自動車玩具Tを押し返す駆動力を付与し、案内部4により自動車玩具Tが進む方向が案内される。これにより、案内部4は、バネ91の付勢力により駐車スペース10に向かう位置まで移動する。
従って、図2に示すように、押圧片9が第1の位置にあるときは、バネ91は自然長から伸びた状態となり、押圧片9が第2の位置にあるときは、バネ91は自然長の状態となる。
【0036】
押返部3と案内部4は、延在方向が直交するように形成され、押返部3と案内部4とが略L字状に形成されている。
押返部3は、走行路11を移動する自動車玩具Tが突当部2に突き当たった場合に、自動車玩具Tの前面(自動車玩具Tが前進してきた場合)又は後面(自動車玩具Tがバックしてきた場合)を付勢力によって、自動車玩具Tの移動方向と逆方向に押し返すものである。
案内部4は、走行路11を移動する自動車玩具Tが突当部2に突き当たった場合に、押返部3によって押し返された自動車玩具Tの一方の側面を押圧して駐車スペース10に導くものである。
【0037】
言い換えると、案内部4は、バネ91の付勢力により、図3に示すように、自動車玩具Tを駐車スペース10に導く第2の位置に位置するように付勢されているが、自動車玩具Tが突当部2に突き当たるまでは、図2に示すように、走行路11を走行する自動車玩具Tが突当部2に突き当たることを阻害しない第1の位置に留まるようにロック機構8によりロックされている。ここで、走行路11を走行する自動車玩具Tが突当部2に突き当たることを阻害しない第1の位置とは、案内部4が走行路11の脇で走行路11に沿うと共に、押返部3が突当部2における自動車玩具Tの突当面2aの面方向に沿うような位置をいう。このとき、押返部3は、突当部2の突当面2aよりもケース体7側に位置し、走行路11を走行する自動車玩具Tの突当部2への突き当たりを阻害しない位置にある。
【0038】
ロック機構8は、上述した突当部2の係止片81と、押圧片9の上面側に形成された被係止片82とを備えている。
被係止片82は、押圧片9における軸部72への挿通部94近傍に形成されている。
図5は、ロック機構を説明するための模式図である。
図5(a)に示すように、被係止片82は、押圧片を軸部72に挿通した際に、係止片81に当接して係止されることにより、バネ91の付勢力による軸部72回りの回転が規制される。
一方、図5(b)に示すように、自動車玩具Tが突当部2に突き当たることにより、突当部2がバネの付勢力に抗して移動した際に、係止片81は被係止片82と当接しない位置まで移動するため、被係止片82の係止が解除され、押圧片9はバネ91の付勢力によって軸部72回りに回転可能となる。
すなわち、係止片81は、突当部2に自動車玩具Tが突き当たっていない状態において、案内部4の移動に伴う被係止片82の移動経路上に位置して被係止片82を係止すると共に、突当部2に自動車玩具Tが突き当たって突当部2が移動した際に、被係止片82の移動経路上から退避して被係止片82の係止を解除する。
【0039】
(加速装置)
図1に示すように、盤面1における走行路11の始発位置には、加速装置6が設けられている。具体的に、加速装置6は、自動車玩具Tを突当部2に向けて加速するものであり、突当部2及び加速装置6は走行路11を介して一直線上に並んで配置されている。
図6は、加速装置6の上方からの斜視図である。図7は、加速装置6の下方からの斜視図である。
図1、図6、図7に示すように、加速装置6は、自動車玩具Tが載置される載置部61(載置台)と、載置部61を傾斜させる梃子部材62と、梃子部材62により傾斜した載置部61の下端部と走行路11とを繋ぐ傾斜路63と、載置部61を傾斜させる操作を行う操作部64とを備えている。
【0040】
載置部61は、表面が平面状に形成されており、通常の状態(傾斜させない状態)で上面に自動車玩具Tを載置することができるように形成されている。載置部61の上面には、自動車玩具Tの車輪をガイドする二本のガイド溝61aが平行に形成されている。
載置部61は、一端が盤面1に回転自在に連結されている。載置部61の裏面には、下方に突出する二つの突出片61bが形成されている。突出片61bには、載置部61の一端を中心に回転させて載置部61を傾斜させる梃子部材62の一端62aが当接している。
【0041】
梃子部材62は、その長手方向中央付近で盤面1に回転自在に支持され、一端62aと他端62bがその支持位置を中心に回転する。従って、梃子部材62の一端62aが上昇するように回転すれば他端62bは下降するように回転し、一端62aが下降するように回転すれば他端62bは上昇するように回転する。
梃子部材62の他端62bの上方には、操作部64が設けられている。操作部64は、上下方向に操作可能となるように盤面1に設けられている。操作部64は、ユーザの操作により下方に押し下げられた際に、梃子部材62の他端62bに当接して梃子部材62の他端62bを下方に押し下げるように回転させる。これにより、梃子部材62の一端62aが押し上げられるように回転して、載置部61を押し上げ、載置部61を傾斜させる。
【0042】
操作部64は、バネ65により常に上方に付勢されており、操作部64を押さえた手を離すと、操作部64はバネ65の付勢力により上方に移動する。その結果、操作部64による梃子部材62の他端62bの押さえつけが解除され、傾斜した載置部61を元の状態に戻すことができる。
図1に示すように、傾斜路63は、盤面1の上面に形成されている。傾斜路63の一端は、操作部64の操作により載置部61を傾斜させた際に、載置部61の最も低い端部につながるように形成され、傾斜路63の他端は、走行路11につながるように形成されている。また、載置部61が傾斜していない状態のときに、載置部61における傾斜路63と反対側の端部には、自動車玩具Tを載置部61に進入させる進入路16が形成されている。
以上の構成により、進入路16から進入させた自動車玩具Tを載置部61に載置し、自動車玩具Tを載置した載置部61を傾斜させると、自動車玩具Tは、重力の影響を受けて載置部61から傾斜路63を通って走行路11に進入し、突当部2に向かうことになる。
【0043】
<駐車の動作>
次に、上記の駐車場玩具100において、自動車玩具Tを駐車スペース10に駐車させる際の動作について説明する。
最初に、ユーザは、自動車玩具Tを進入路16から載置部61に進入させ、載置部61に自動車玩具Tを載置する。載置部61に自動車玩具Tを載置した後、ユーザは、操作部64を押下する。操作部64の押下により、梃子部材62の他端が押し下げられるように回転し、梃子部材62の一端62aが押し上げられるように回転する。梃子部材62の一端62aが押し上げられることにより、梃子部材62の一端62aは、載置部61を押し上げ、その結果、載置部61は傾斜する。
載置部61の傾斜により、自動車玩具Tは重力の影響を受けて載置部61上を加速しながら駆け下り、傾斜路63を通って走行路11に進入する。
図8に示すように、走行路11の先には、突当部2が存在するため、自動車玩具Tはやがて突当部2に突き当たる。自動車玩具Tが突当部2に突き当たると、突当部2は、バネの付勢力に抗して自動車玩具Tと共に同方向に移動する。突当部2が移動することで、突当部2に形成された係止片81も移動し、押圧片9に形成された被係止片82のロックを解除する。
【0044】
図9に示すように、被係止片82のロックが解除されると、押圧片9は、軸部72を中心に回転し、押返部3及び案内部4も軸部72回りに回転する。押圧片9の回転により、案内部4は自動車玩具Tの側面を押圧し、押返部3は自動車玩具Tの前面(又は後面)を自動車玩具Tの走行してきた方向と逆方向に押し返す。押返部3及び案内部4により、二方向から自動車玩具Tを押圧することにより、自動車玩具Tは、駐車スペース10に導かれ、駐車スペース10に進入する。
駐車スペース10に進入した自動車玩具Tは、路面が傾斜面とされているため、ストッパ5に向けて移動し、後面(又は前面)がストッパ5に当接することで停止する。
以上の動作により、自動車玩具Tを駐車スペース10に収容することができる。
なお、駐車スペース10の路面は傾斜面であるうえ、さらに段部13が形成されているので、駐車スペース10に収容された自動車玩具Tは、ユーザが外力を加えない限り、駐車スペース10から出ることはない。
【0045】
<作用効果>
以上のように、駐車場玩具100によれば、走行路11を走行する自動車玩具Tが突当部2に突き当たると、押返部3は、自動車玩具Tをバネの付勢力によって走行してきた方向と逆方向に押し返す。そして、案内部4は、押返部3により押し返された自動車玩具Tの一方の側面を押圧して、自動車玩具Tを駐車スペース10に導く。駐車スペース10に進入した自動車玩具Tは、ストッパ5により所定位置で停止する。
これにより、ユーザ自身の操作により、自動車玩具Tを突当部2に突き当てることで、所望する駐車スペース10に自動車玩具Tを誘導することができる。
よって、ユーザ自身の操作を介して自動車玩具Tを駐車スペース10まで誘導させたいと願うユーザに満足感を与え、興趣性を高めることができる。
【0046】
また、押返部3と案内部4とを押圧片9に一体形成することで、一つのバネ91の付勢力によって押返部3と案内部4とを同時に動かすことができる。
また、バネ91とロック機構8を備えることにより、自動車玩具Tが突当部2に突き当たるまでは押返部3及び案内部4は第1の位置にあり、突当部2に突き当たった後は、バネ91の付勢により第2の位置に移動して自動車玩具Tを駐車スペース10に案内することができる。
ここで、ロック機構8は、突当部2に自動車玩具Tが突き当たって突当部2が移動した際にロックが解除される。より具体的には、係止片81は、案内部4の移動に伴う被係止片82の移動経路上に位置して被係止片82を係止すると共に、突当部2に自動車玩具Tが突き当たって突当部2が移動した際に被係止片82の移動経路上から退避して被係止片82の係止を解除する。
よって、自動車玩具Tの突当部2への突き当てによる突当部2の移動をトリガーとして押返部3及び案内部4を動かすことができる。
【0047】
また、駐車スペース10の路面は、自動車玩具Tの進入方向下流側に向かうにつれて下方に傾斜するように形成されているので、自動車玩具Tが駐車スペース10から飛び出すのを抑えることができる。
また、駐車スペース10の路面には段部13が形成されているので、自動車玩具Tが駐車スペース10から飛び出すのを抑えることができる。
また、加速装置6を備えることにより、ユーザは載置部61に自動車玩具Tを載置して操作部64を押下する操作だけで自動車玩具Tを突当部2に向けて加速することができる。
また、ケース体7は自動車玩具Tを押し返す方向に移動自在に設けられているので、ケース体7を移動させることにより、所望する駐車スペース10に自動車玩具Tを収容することができる。
【0048】
<その他>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、発明の本質的部分を変更しない範囲内で自由に設計変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、車両玩具として自動車玩具を例に挙げたが、車輪が転がることにより移動する玩具であれば、他のものであってもよい。
また、突当部が押返部を兼ねるように構成してもよい。すなわち、自動車玩具が突当部に突き当たって突当部が元の位置に戻る際のバネの付勢力により自動車玩具を走行してきた方向と逆方向に押し返すように構成してもよい。この場合、バネ定数を小さくし、突当部に突き当たった際に自動車玩具が弾かれて突当部から離れないようにすることが望ましい。また、この場合には、押圧片に自動車玩具の側面を押圧する案内部を設ければ足りる。これにより、押圧片の構成をより簡易なものとし、突当部が押返部を兼ねることで、押返部を別個に設ける必要がなく、部品点数を減らすことができる。
【0049】
また、上記実施形態のように載置部を傾斜させるために、梃子部材や操作部を設けなくても、盤面に走行路に向けて下方に傾斜するスロープを設けるだけでもよい。この場合、ユーザがスロープの上方において自動車玩具を保持した状態から離すことにより、自動車玩具を加速することができる。これにより、ユーザはスロープの上方に自動車玩具を載置するだけで自動車玩具を突当部に向けて加速することができる。
また、加速装置は、バネ、ゴム等の付勢部材により自動車玩具の前面又は後面を付勢するようなものであってもよい。この場合、載置部を傾斜させる必要はない。
【符号の説明】
【0050】
1 盤面
2 突当部
3 押返部
4 案内部
5 ストッパ
6 加速装置
7 ケース体
8 ロック機構
9 押圧片
10 駐車スペース
11 走行路
13 段部
61 載置部
81 係止片(ロック機構)
82 被係止片(ロック機構)
91 バネ(付勢部材)
100 駐車場玩具
T 自動車玩具(車両玩具)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外力を受けて動く車両玩具を駐車スペースに案内する駐車場玩具において、
前記車両玩具の走行路脇に駐車スペースが形成された盤面と、
前記盤面に設けられ、前記走行路を走行する車両玩具が突き当たる突当部と、
前記盤面に設けられ、前記走行路を走行する車両玩具が前記突当部に突き当たった際に、前記車両玩具を付勢力によって移動方向と逆方向に押し返す押返部と、
前記盤面に設けられ、前記押返部により押し返された前記車両玩具の一方の側面を押圧して前記駐車スペースに導く案内部と、
前記駐車スペースに進入した前記車両玩具を所定位置で停止させるストッパと、
を備えることを特徴とする駐車場玩具。
【請求項2】
前記押返部と前記案内部とを一体形成したことを特徴とする請求項1に記載の駐車場玩具。
【請求項3】
前記突当部は、前記押返部を兼ねていることを特徴とする請求項1に記載の駐車場玩具。
【請求項4】
前記案内部は、前記走行路を走行する車両玩具の前記突当部への突き当たりを阻害しない第1の位置と、前記押返部により押し返された前記車両玩具を前記駐車スペースに導く第2の位置との間で移動自在とされ、
前記案内部を前記第2の位置に移動するように付勢する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢力に抗して前記案内部を前記第1の位置に係止するロック機構と、
を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の駐車場玩具。
【請求項5】
前記ロック機構は、
前記突当部に車両玩具が突き当たって前記突当部が移動した際に、ロックが解除されることを特徴とする請求項4に記載の駐車場玩具。
【請求項6】
前記ロック機構は、
前記突当部に設けられた係止片と、
前記案内部に設けられた被係止片と、を備え、
前記係止片は、前記案内部の移動に伴う前記被係止片の移動経路上に位置して前記被係止片を係止すると共に、前記突当部に前記車両玩具が突き当たって前記突当部が移動した際に前記被係止片の移動経路上から退避して前記被係止片の係止を解除することを特徴とする請求項4又は5に記載の駐車場玩具。
【請求項7】
前記駐車スペースの路面は、前記車両玩具の進入方向下流側に向かうにつれて下方に傾斜するように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の駐車場玩具。
【請求項8】
前記駐車スペースの路面には、前記車両玩具の進入方向上流側に前記車両玩具が戻ることを防止する段部が形成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の駐車場玩具。
【請求項9】
前記車両玩具が載置される載置部を有し、前記載置部に載置された前記車両玩具を前記突当部に向けて加速する加速装置を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の駐車場玩具。
【請求項10】
前記走行路に向けて下方に傾斜するスロープを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の駐車場玩具。
【請求項11】
前記盤面に設けられ、前記突当部、前記押返部及び前記案内部を支持するケース体を備え、
前記ケース体は、前記押返部により前記車両玩具を押し返す方向に沿って移動自在に設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の駐車場玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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