説明

駐車場用ICカード決済システム

【課題】ETC車載器等とICプリペイドカードとを組み合わせて構成し、出口で一旦停止することなくICプリペイドカードで駐車料金の決済を行うことができ、混雑・渋滞を防止できる駐車場用ICカード決済システムを提供する。
【解決手段】自動車に装備されたETC車載器22と駐車場の精算機32内のDSRC通信器36との間における無線通信を利用しデータの送受を行って決済処理を行い、ETC車載器は、ICプリペイドカード26を装着するICカード装着部24と、ICプリペイドカードに対して読み書きを行うリーダライタ23Bと、精算機内のDSRC通信器との間のデータの送受で、リーダライタを介してICプリペイドカードに対する情報の読出しまたは情報の書込みの指示、処理結果のDSRC通信器への送信、およびDSRC通信器からの決済完了の通知の受信を行う処理手段(ICチップ22−1)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は駐車場用ICカード決済システムに関し、特に、ETC車載器やITS車載器を搭載した自動車が駐車場で駐車料金の決済を行うとき当該ETC車載器等を利用してプリペイド型の非接触式ICカードによる駐車料金の決済を行えるようにした駐車場用ICカード決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車を有料駐車場に駐車した後に駐車を終了して当該自動車が駐車場出口の精算機で駐車料金の決済をプリペイド型の非接触式ICカードによって行う場合、精算機のカードタッチ部に当該ICカードをタッチすることが必要となる。そのため、利用者は、自動車を駐車場出口の精算機の設置箇所で一旦停止させ、精算のための所要の行為をとらなければならず、手間と時間がかかり、混雑・停滞を引き起こす原因となっている。一方、有料の高速道路の料金収受システムでは、現在、高速道路の入口および出口での混雑緩和のため、ETC車載器が利用されている。このETC車載器を搭載した自動車によれば、入口および出口で一旦停止する必要がなく、減速通過するだけで近距離無線通信によりクレジット型の接触式ICカード(いわゆる「ETCカード」。以後「ICクレジットカード」と記す。この場合ICチップを有しないクレジットカードも含むものとする。)を利用してクレジット決済を行うことができる。ところが、現在のETC車載器、あるいは、より進化した一般的なITS(Intelligent Transport Systems)車載器によれば、今のところ、ICクレジットカードのみが利用できるように設計されており、プリペイド型の非接触式ICカード(以後「ICプリペイドカード」と記す。)を利用した決済機能が付加されておらず、そのため、当該ICプリペイドカードを利用して支払いができない状態にある。
【0003】
なお、ETC車載器およびITS車載器のいずれも、無線通信方式としては、DSRC(スポット通信)が使用されている。この「DSRC(スポット通信)」とは、路側機と車載器の間での近距離の狭い範囲(数m〜30m程度)を対象とする5.8GHz帯を利用した双方向の無線通信方式であり、自動車と道路間での双方向の情報のやりとりを可能とするものである。
【0004】
また、本発明に関連する駐車場管理または決済システムとして、従来、下記の特許文献1〜3に記載された技術が知られている。
特許文献1に係る駐車場管理システムは、無線通信を利用した入出場管理機能を有する駐車場管理装置であって、入出場時にノンステップの通過を可能にし、かつ施設利用時の料金割引サービスを可能にする構成を有している。具体的に、車両側には車載器通信手段とICカード(情報担体、クレジットカード)を備え、車両側の車載器と駐車場の入口等に設置された無線通信部との間の無線通信を介して必要なデータの送受を行い、駐車場側では途中段階で発券処理部によって所定情報を記録した駐車券を発券しかつ事前精算に基づいて駐車料金の決済処理を行うように構成されている。使用されるICカードはクレジットカードである。
特許文献2に係る決済システム等は、利用者の利用意思を確認しながら無線通信を利用した決済を行うシステムであり、ICカードが着脱自在な車載器と、駐車場管理装置に接続された路側装置との間で無線通信を行い、駐車料金の決済に関して利用者の意思確認を行うための構成を開示している。この決済システムによれば、車載器通信によって、装着したICカードのID(固有情報)を送信し、サーバで決済する構成が記載されている。さらに、この決済システムでは、ICカードとプリペイドカードを区別し、車載器に装着されたICカードによる駐車料金の支払いに加え、条件に応じてプリペイドカードによる駐車料金の支払いについても言及している。但し、プリペイドカードによる支払いは、車載器を利用して行うものではない。
特許文献3に係る駐車場システムは、車載器通信に基づいて、ICカードを使って店舗で買い物した情報を送信し、これにより割り引き計算を行い、精算機で決済を行うようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−352611号公報
【特許文献2】特開2005−141633号公報
【特許文献3】特開2001−155200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、ICクレジットカードとは別に、鉄道や乗合バス等の公共交通機関の運営企業体が提供する交通ICカードとしてICプリペイドカードが流通し、大いに利用されている。そこで、近年では、従来より自動車等の車両に搭載されているETC車載器等を利用し、かつさらに非常に利用されている交通機関用のICプリペイドカードを利用して駐車場における駐車料金の決済を行えることが大いに望まれている。
また特許文献1〜3に記載された駐車場管理および決済のシステムでは、ICカードを装着した車載器の無線通信に基づく駐車料金の決済の仕方が開示されているが、車載器で使用されるICカードはクレジットカードであって、プリペイドカードではない。従って従来の技術では、ETC車載器やITS車載器の車載通信端末とICプリペイドカードとを組み合わせて構成された実用性の高い駐車料金の決済システムは提案されていない。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、ETC車載器やITS車載器の車載通信端末とICプリペイドカードとを組み合わせて構成し、駐車場の出口の精算機で一旦停止することなくICプリペイドカードで駐車料金の決済を容易にかつ迅速に行うことができ、混雑・渋滞を防止できる実用性の高い駐車場用ICカード決済システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る駐車場用ICカード決済システムは、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
【0009】
第1の駐車場用ICカード決済システム(請求項1に対応)は、車両に装備された車載通信端末と駐車場のゲートに設置された処理機器内の通信装置との間における近距離無線通信を利用しデータの送受を行って決済処理を行う駐車場ICカード決済システムであって、車載通信端末は、ICプリペイドカードを装着するICカード装着部と、ICカード装着部に装着されたICプリペイドカードに対して読み書きを行うリーダライタと、処理機器内の通信装置との間のデータの送受で、リーダライタを介してICプリペイドカードに対する情報の読出しまたは情報の書込みの指示、処理結果の通信装置への送信、および通信装置からの決済完了の通知の受信を行う処理手段と、を備える。
【0010】
上記の駐車場用ICカード決済システムでは、従来のETC車載器のごとき車載通信端末と近年大いに利用されている鉄道用等のプリペイド型の非接触式ICカードとを組み合わせることにより、有料駐車場の駐車料金の決済を近距離無線通信を利用して行うことが可能となり、駐車場の出入り口ゲートで自動車は停止することなく減速走行で駐車料金の支払いを行うことが可能となる。
【0011】
第2の駐車場用ICカード決済システム(請求項2に対応)は、上記の構成において、好ましくは、車載通信端末はETC車載器またはITS車載器であることを特徴とする。
【0012】
第3の駐車場用ICカード決済システム(請求項3に対応)は、上記の構成において、好ましくは、車載通信端末は、装着されたICクレジットカードを読み書きする他のリーダライタを備えることを特徴とする。
【0013】
第4の駐車場用ICカード決済システム(請求項4に対応)は、上記の構成において、好ましくは、処理機器は駐車場の出口ゲートに設置された精算機であることを特徴とする。
【0014】
第5の駐車場用ICカード決済システム(請求項5に対応)は、上記の構成において、好ましくは、通信装置はDSRC通信器であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、自動車等の車両移動体に搭載されたETC車載器やITS車載器等のの車載通信端末に、ICプリペイドカード用のカード装着部およびリーダライタを設け、さらにICプリペイドカードに対して所要情報の読み書きを行う応用ソフトを設けるようにしたため、ETC車載器等とICプリペイドカードとを組み合わせて駐車場の駐車料金を決済できる駐車場用ICカード決済システムを構築することができ、駐車場の出口の精算機で自動車等を一旦停止させることなくICプリペイドカードで駐車料金の決済を容易にかつ迅速に行うことができ、駐車場の出入り口の混雑・渋滞を防ぎ、実用性の高い駐車場用ICカード決済システムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】駐車場の入口ゲートでの入場管理機と自動車のETC車載器との関係を示す状況図である。
【図2】駐車場の出口ゲートでの精算機と自動車のETC車載器との関係を示す状況図である。
【図3】入場管理機と精算機とデータセンタとのシステム構成を示す図である。
【図4】本実施形態に係る駐車場用ICカード決済システムの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図4を参照して本発明に係る駐車場用ICカード決済システムの実施形態を説明する。図1は駐車場の入口ゲートでの状況図を示し、図2は駐車場の出口ゲートでの状況図を示し、図3は駐車場における入口ゲートおよび出口ゲートでの情報送受に基づく決済システムの構成を示し、図4は処理の流れを示している。
【0019】
図1において、有料駐車場10の入口ゲート11には入場管理機12が設置されている。入口ゲート11には開閉自在な入口ゲートバー13が配置されている。通常では閉状態にある入口ゲートバー13は、駆動装置14の動作によって矢印15のように開動作を行う。入場管理機12は、DSRC通信器16とコントローラ17と通信部18を内蔵している。DSRC通信器16は、駐車場10に入ろうとする自動車21との間で近距離通信による交信を行う通信手段である。コントローラ17は、DSRC通信器16が受信したデータを入力して処理すると共に、当該入力情報に基づいて上記の駆動装置14の動作を制御し、かつ必要なデータを通信部18を経由して後述するデータセンタ41の間で送受する機能を有している。なお、入場管理機12は、その他にメッセージ表示部、入力操作部等が備えられているが、図1ではそれらの図示は省略されている。
【0020】
他方、駐車場10に駐車を行う目的で、当該駐車場10の入口ゲート11を停止することなく通過(進行)しようとする自動車(一般的に車両)21の側においては、車両の運転席の前面ボード等に、アンテナ部を備えたETC車載器(またはITS車載器。一般的には車載通信端末。)22が装備されている。このETC車載器22は、図3に示すごとく、通常的には、ICチップ(マイコン)22−1とICクレジットカード専用のリーダライタ(R/W)23Aを備えている。しかし、本実施形態に係るETC車載器22の構成では、加えて、ICプリペイドカード用のリーダライタ(R/W)23Bを備えている。従って、ETC車載器22のICカード装着部24の1つのカード差込孔には、ICクレジットカードとICプリペイドカードのいずれかを挿入して装着することが可能な構成となっている。ICカード装着部24にICクレジットカードが装着されると、当該ICクレジットカードはリーダライタ23Aによって読み書きされる。またICカード装着部24にICプリペイドカードが装着されると、当該ICプリペイドカードはリーダライタ23Bによって読み書きされる。
【0021】
ETC車載器22は、図3に示すごとく、さらにDSRC通信機能部25を内蔵している。ETC車載器22は、内蔵されたDSRC通信機能部25によって、リーダライタ23A,23Bで読み書きするためのカード情報等を外部のDSRC通信器との間で、DSRC(スポット通信)の無線通信に基づき送受する機能を有している。本実施形態の場合には、自動車21では、駐車場10に駐車するための駐車料金の決済をETC車載器22およびICプリペイドカードを利用して行うので、ETC車載器22のICカード装着部24には例えば鉄道用のICプリペイドカード26が装着されている。かかる状態のETC車載器22を装備した自動車21が駐車場10の入口ゲート11の正面に来ると、入場管理機12のDSRC通信器16とETC車載器22のDSRC通信機能部25との間で、必要な情報の送受が行われ、所要の認定処理がなされることを条件に、入口ゲートバー13が開けられ、自動車21は駐車場10内に停止することなく進入することが可能となる。
【0022】
また上記のICチップ22−1内に組み込まれた処理手段(応用ソフト)に基づく処理機能として、ETC車載器22でリーダライタ23Bにより読み書き可能になるようにICカード装着部24に装着されたICプリペイドカードとの関係において、後述するように、外部に設置された駐車場10側の機器のDSRC通信器との間のデータの送受で、リーダライタ23Bに関連して装着されたICプリペイドカードに対して情報の読出しまたは情報の書込みの指示、処理結果の上記DSRC通信器への送信、および当該DSRC通信器からの決済完了の通知の受信を行うという機能を有している。
【0023】
次に、図2に示すように、有料駐車場10の出口ゲート31の付近には精算機32が設置されている。出口ゲート31には開閉自在な出口ゲートバー33が配置されている。通常では閉状態である出口ゲートバー33は、駆動装置34の動作によって矢印35のように開動作を行う。精算機32は、DSRC通信器36とコントローラ37と通信部38を内蔵している。DSRC通信器36は、上記のDSRC通信器16と同様に、駐車場10から出ようとする自動車21との間で近距離通信による交信を行う通信手段である。コントローラ37は、DSRC通信器36が受信したデータを入力して処理すると共に、当該入力情報に基づいて上記の駆動装置34の動作を制御し、かつ必要なデータを通信部38を経由してデータセンタ41との間で送受する機能を有している。なお、精算機32は、その他にメッセージ表示部、入力操作部等が備えられているが、図2ではそれらの図示は省略されている。
【0024】
図2において、自動車21側の構成は、前述した構成と同じである。ICプリペイドカード26が装着されたETC車載器22を装備する自動車21が駐車場10の出口ゲート31の正面に来ると、図2および図3に示すごとく、精算機32のDSRC通信器36とETC車載器22のDSRC通信機能部25との間で、DSRC(スポット通信)の無線通信に基づき必要な情報の送受が行われ、所要の認定処理および決済処理がなされることを条件に、出口ゲートバー33が開けられ、自動車21は停止することなく駐車場10の外に出ることが可能となる。
【0025】
図3に示すように、駐車場入口側の入場管理機12と駐車場出口側の精算機32は、それぞれ、各々の通信部18,38を介してデータセンタ41との間で、必要なデータ(情報)の送受を行うように通信可能に接続されている。データセンタ41は、周知の通信部を有すると共に、ICプリペイドカード26のICカードIDの管理41A、入場時刻/出場時刻の管理41B、および駐車料金とチャージ残存量の管理41Cを行う管理機能部を有している。
【0026】
次に、上記の図1〜図3、およびフローチャートを示す図4を参照して、本実施形態に係るICカード決済システムの全体の処理の流れを説明する。
【0027】
自動車21が有料駐車場10に入場する時、入場管理機12のDSRC通信器16に対して、自動車21のETC車載器22に装備されたICプリペイドカード26のICカードIDを、そのDSRC通信機能部25が送信する(ステップS101)。入場管理機12のDSRC通信器16は、自動車21のETC車載器22から送信されるICカードIDを受信する(ステップS102)。その後、入場管理機12は、コントローラ17で入場時刻を演算し(ステップS103)、さらに当該コントローラ17の指示に基づいて、通信部18を経由してデータセンタ41に対して入場時刻情報と共にICカードIDを送信する(ステップS104)。データセンタ41では、ICカードIDの管理41Aに基づき受信したICカードIDを確認し、認証して保持する(ステップS105)と共に、入場時刻/出場時刻の管理41Bに基づき自動車21の入場時刻を保持する(ステップS106)。
【0028】
上記の処理が終了した段階で、入場管理機12のコントローラ17は駆動装置14の動作を制御し、入口ゲートバー13を開く。この制御に係る処理ステップは図4では省略している。自動車21は駐車場10内に進行し、駐車を行う。
【0029】
その後、駐車状態に完了し、自動車21が有料駐車場10から出場する時、自動車21のETC車載器22のそのDSRC通信機能部25が、精算機32のDSRC通信器36に対して、自動車21のETC車載器22に装備されたICプリペイドカード26のICカードIDを送信する(ステップS201)。精算機32のDSRC通信器36は、自動車21のETC車載器22から送信されるICカードIDを受信する(ステップS202)。その後、精算機32は、コントローラ37で出場時刻を演算し(ステップS203)、さらに当該コントローラ37の指示の基で、通信部38を経由してデータセンタ41に対してICカードIDを参照してその入場時刻の問合せのメッセージを送信する(ステップS204)。データセンタ41では、問合せメッセージを受信し、ICカードIDを参照して自動車21の入場時刻に係るデータを精算機32の側に送信する(ステップS205)。精算機32の側では、入場時刻に係るデータを受信する(ステップS206)と、入出した入場時刻データと先の出場時刻データとに基づいて駐車料金を算出する(ステップS207)。
【0030】
その後、精算機32のDSRC通信器36からETC車載器22に対して駐車料金の金額データを送信する(ステップS301)。ETC車載器32では、リーダライタ23Bの読書き機能によって、セットされたICプリペイドカード26のチャージ量から駐車料金に相当するポイント分を減算する処理(ステップS302)が行われる。ステップS302の減算処理によって、自動車21の駐車料金の支払いについてICプリペイドカード26によって決済処理が完了する。当該決済処理が完了すると、コントローラ37は駆動装置34を動作させ、出口ゲートバー33を開く(ステップS303)。出口ゲートバー33が開いたので、自動車21は、停止することなく、出口ゲート31から出ることができる。
【0031】
上記のステップS101からステップS106までの間、ステップS201からステップS303までの間、自動車21は停止することなく減速した状態で、入口ゲート11と出口ゲート31を通過することができる。
【0032】
減算の結果のチャージ量は、ETC車載器32のDSRC通信機能部25を経由して精算機32のDSRC通信器36に送信される(ステップS401)。精算機32では、さらにコントローラ37および通信部38を介して、ICプリペイドカード26の減算情報(チャージ量)をデータセンタ41に送信する(ステップS402)。データセンタ41では、ICプリペイドカード26のICカードIDに関連して、駐車料金とチャージ残存量の管理41Cの基づいて、ICプリペイドカード26の残存量を記憶部に保存する(ステップS403)。
【0033】
上記の実施形態では、説明の便宜上、入口ゲート11の入場管理機12と出口ゲート31の精算機32を別々の機械として説明したが、入力管理機能と精算機能を有する1台の機械で構成することも可能である。
また1台のリーダライタを設けるように構成し、当該1台のリーダライタでICクレジットカードとICプリペイドカードの両方に対応するように構成することもできる。
【0034】
またETC車載器(またはITS車載器)22の構成については、次のように変更することができる。
ETC車載器22のICカード装着部24において、ICクレジットカード用のカード差込孔とICプリペイドカード用のカード差込孔とを設け、ICクレジットカードとICプリペイドカードが共に装着されるように構成することができる。この場合には、アプリケーションソフトの識別機能に基づき、ICクレジットカードは有料高速道路の料金収拾システムに用いられ、ICプリペイドカードは有料駐車場10の駐車料金決済システムに用いられるように構成される。
さらに、ICクレジットカードとICプリペイドカードを1枚のICカードとして形成し、当該1枚のICカードをクレジットカード用またはプリペイドカード用に使い分けるように構成することもできる。
【0035】
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る駐車場用のICカード決済システムは、ETC車載器等とICプリペイドカードを組み合わせ、近距離無線通信によってICプリペイドカードにより駐車料金の決済を行い、駐車料金の決済を容易化し、出入り口での混雑や渋滞の解消に利用される。
【符号の説明】
【0037】
10 駐車場
11 入口ゲート
12 入場管理機
13 入口ゲートバー
14 駆動装置
16 DSRC通信器
17 コントローラ
18 通信部
21 自動車(車両)
22 ETC車載器(車載通信端末)
22−1 ICチップ
23A リーダライタ
23B リーダライタ
24 ICカード装着部
25 DSRC通信機能部
26 ICプリペイドカード
31 出口ゲート
32 精算機
33 出口ゲート
34 駆動装置
36 DSRC通信器
37 コントローラ
38 通信部
41 データセンタ
41A ICカードIDの管理
41B 入場時刻/出場時刻の管理
41C 駐車料金とチャージ残存量の管理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に装備された車載通信端末と駐車場のゲートに設置された処理機器内の通信装置との間における近距離無線通信を利用しデータの送受を行って決済処理を行う駐車場ICカード決済システムにおいて、
前記車載通信端末は、
ICプリペイドカードを装着するICカード装着部と、
前記ICカード装着部に装着された前記ICプリペイドカードに対して読み書きを行うリーダライタと、
前記処理機器内の前記通信装置との間の前記データの送受で、前記リーダライタを介して前記ICプリペイドカードに対する情報の読出しまたは情報の書込みの指示、処理結果の前記通信装置への送信、および前記通信装置からの決済完了の通知の受信を行う処理手段と、
を備えることを特徴とする駐車場用ICカード決済システム。
【請求項2】
前記車載通信端末はETC車載器またはITS車載器であることを特徴とする請求項1記載の駐車場用ICカード決済システム。
【請求項3】
前記車載通信端末は、装着されたICクレジットカードを読み書きする他のリーダライタを備えることを特徴とする請求項1または2記載の駐車場用ICカード決済システム。
【請求項4】
前記処理機器は前記駐車場の出口ゲートに設置された精算機であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の駐車場用ICカード決済システム。
【請求項5】
前記通信装置はDSRC通信器であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の駐車場用ICカード決済システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−181742(P2012−181742A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45106(P2011−45106)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000004651)日本信号株式会社 (720)
【Fターム(参考)】