駐車場等用ゲート開閉制御装置
【課題】 ゲートを通過する車両や走行者等を認識するに当って、車両の影やヘッドライトの照明と云った平面的な画像に影響されることなく、予め設定された高さを超える物体を認識した場合にのみ、ゲートバーの閉作動を確実に停止させるように制御して、ゲートバーの誤作動と、ゲートバー及び車両の破損を防止する。
【解決手段】 撮像装置を構成する第1、第2のカメラ5A,5Bを用いて通路Tの特定エリアSAを撮像して、特定エリアSA内に於ける移動物体CR′の有無を検出するに当って、移動物体CR′の高さも一緒に検出して、その高さが設定値を上回っている場合は、ゲートバー1Aの閉作動を途中で中断する。
【解決手段】 撮像装置を構成する第1、第2のカメラ5A,5Bを用いて通路Tの特定エリアSAを撮像して、特定エリアSA内に於ける移動物体CR′の有無を検出するに当って、移動物体CR′の高さも一緒に検出して、その高さが設定値を上回っている場合は、ゲートバー1Aの閉作動を途中で中断する。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駐車場等への車両の入出庫を自動的に管理することができる駐車場管理装置に関するものであって、具体的には、CCDカメラやC−MOSカメラといった撮像装置を用いてゲート通過車両の安全監視を行うことができる駐車場等用ゲート開閉制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な駐車場管理装置では、例えば特開昭61−80385号公報等に見られるように、車両の入出庫に当って、ゲート入出口付近の前後に埋設されたループコイル等の車両検知器により、入庫又は出庫車両を検知するとゲートを開き、ゲート通過を別の車両検知器が検知すると、ゲートを閉じるように構成されている。
【0003】しかし、上述した構造の駐車場管理装置では、車両検知器の誤作動等が原因で車両がゲートバーを通過していないのにゲートバーが降下作動(閉作動)して、車両を破損したりゲートバーを破損する等の事故を引き起こす問題があった。
【0004】そこで本出願人は、先の特願平9−163436号の出願に見られるように、ループコイル等を用いた従来の車両検知器に代えて、撮像装置(CCDカメラ)を用いてゲート周辺を監視することにより、車両の入出庫の確認とゲートバーの開閉を制御する駐車場用自動管理装置を開発して、より安全で信頼性の高い装置の供給を可能にした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したCCDカメラのような撮像装置を用いた車両検知器は、物体(車両)を捉える場合に平面的な画像として処理を行い、物体の高さに関する情報を得ることができないため、ゲートを通過する車両を認識する場合に、例えば車両の影やヘッドライトの照明等が原因で判断ミスが発生し、ゲートバーの開閉制御に誤作動を誘発して、ゲートバーを間違って開閉作動してしまったり、車両にゲートバーを衝突させて破損させてしまったりする場合があり、また、車両以外の平面的な物体に対しても認識を誤る場合もあって、信頼性に欠ける問題があった。
【0006】従って本発明の技術的課題は、ゲートを通過する車両や走行者等を認識するに当って、車両の影やヘッドライトの照明と云った平面的な画像に影響されることなく、予め設定された高さを超える物体を認識した場合にのみ、ゲートバーの閉作動を確実に停止させるように制御して、ゲートバーの誤作動と、ゲートバー及び車両の破損を防止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決するために本発明で講じた手段は以下の如くである。
【0008】駐車場等の入出通路に設けたゲート開閉装置の付近に撮像装置を設置し、この撮像装置によって入出通路内の特定エリアを撮像して、撮像した画像情報に基づいて特定エリア内に於ける車両や歩行者等の移動物体の有無を検出することにより、ゲートの開閉制御を行うように構成した駐車場等用ゲート開閉制御装置であって、
【0009】(1) 上記の撮像装置によって特定エリア内に於ける移動物体の有無を検出するに当って、移動物体の高さも一緒に検出するように構成すると共に、移動物体の高さが予め設定した値以下の場合は、上記ゲート開閉装置によるゲートの閉作動を通常どおりに行い、予め設定した値を超える場合にはゲートの閉作動を途中で中断するように構成すること。(請求項1)
【0010】(2) 移動物体の高さの基準となる設定値を、ゲートバーが路面に対して水平に閉じた時の高さを基に設定すること。(請求項2)
【0011】(3) 駐車場等の入出通路の一側で、且つ、少くともゲート開閉装置よりも高い位置に、第1と第2の撮像カメラを上下に間隔をあけて一直線上に設置して、これ等両撮像カメラの設置高さと視野角を固定値にして両撮像カメラと移動物体との距離を割出すと共に、この割出した距離を利用して上記両撮像カメラの視野範囲内にある移動物体の最高の高さを求めるように構成すること。(請求項3)
【0012】
【作用】■ 上記(1)で述べた請求項1に係る手段によれば、撮像装置が特定エリア内に於ける移動物体の有無を検出する場合に、移動物体の高さも一緒に検出して、高さが設定値を超えた場合にのみ、ゲートバーの閉作動を途中で中断するように構成したため、例えば、車両の影やヘッドライトの照明等を車両と誤認する判断ミスを無くして、ゲートバーの開閉制御を正しく行うことができると共に、特定エリア内に設定値を超える高さの車両や歩行者、或は、自転車等の移動物体を認識した場合は、ゲートバーの閉作動を確実に中断して衝突や破損事故等の発生を未然に防止することを可能にする。
【0013】■ 上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、特定エリア内の移動物体の高さが、路面に対して平行に閉じたゲートバーの高さよりも高い場合に、ゲートバーの閉作動を途中で中断するため、移動物体が一般車両以外の歩行者、或は、自転車やバイク等である場合も、ゲートバーの閉作動を確実に中断して、衝突による各種事故を未然に防止することを可能にする。
【0014】■ 上記(3)で述べた請求項3に係る手段によれば、特定エリア内の移動物体の高さを、入出通路の一側に設けた上下2台の撮像カメラによって確認することができるものであるから、これ等2台の撮像カメラを例えば入出通路の一側に設けたゲートバー開閉装置を利用して設置することができるものであって、2台の撮像カメラの設置を既存の駐車場等に対しても極めて簡単に、且つ、低コストにて実施することを可能にする。
【0015】以上の如くであるから、上記(1)〜(3)の手段によって上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る駐車場等用ゲート開閉制御装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図1乃至図4は本発明が実施された駐車場の入庫口、又は、出庫口の構成図を示したものであって、図中、Tは入口又は出口の通路、SAは通路Tに設けた特定エリア(監視エリア)、RDとRD′はこの特定エリアSAの前後に設けた第1と第2のエリア、1は特定エリアSAの一側に設置したゲート開閉装置、1Aはこの開閉装置1によって開閉作動されるゲートバー、4は上記第1エリアRDの一側に設置した発券機又は駐車料金精算機であって、図示した通路Tが入庫通路である場合は発券機が設置され、出庫通路である場合は駐車料金精算機が設置される仕組に成っている。
【0017】5Aと5Bは上述したゲート開閉装置1を利用してその上側部に図9並びに図11に示すように上下に間隔をあけ、且つ、縦一列に設置した例えばCCDカメラ或はC−MOSカメラの如き第1及び第2の撮像カメラであって、これ等両カメラ5A,5Bの撮像視野は上述した第1、第2のエリアRD,RD′と特定エリアSAにおよんでいて、図1に示すように第1エリアRDに入った車両CRを両カメラ5A,5Bが撮像すると、入庫口の場合は発券機4が駐車券を発券し、また、出庫口の場合は駐車料金精算機4が料金精算可能な状態に成る仕組に成っていて、駐車券の抜き取り、或は、駐車料金の精算を済ませると、図2に示すようにゲート開閉装置1がゲートバー1Aを開いて、車両CRの入庫又は出庫を可能にするように構成されている。
【0018】また、上述した上下2台の撮像カメラ5A,5Bは、図2に示すように特定エリアSAを通過する車両CRの存在と、その進行方向を監視すると共に、後述する方法でその車両CRの高さを測定し、次いで、図3に示すように上述した第2エリアRD′を車両CRが通過したか否かを確認し、通過が確認されると上記ゲート開閉装置1によるゲートバー1Aの閉作動を開始して、この閉作動の過程で図4に示すように上記2台の撮像カメラ5A,5Bが上記特定エリアSAに車両CRやその他の物体が存在するか否かを確認する仕組に成っている。
【0019】上記2台の撮像カメラ5A,5Bによる撮像の結果、特定エリアSA内に物体の存在が確認されると、撮像された画像情報からその物体の高さが測定され、その高さが予め設定した高さ、具体的には、路面に対して水平に閉じたゲートバー1Aの高さよりも高い場合は、ゲートバー1Aの閉作動を途中で中断して警告等の処理を行い、また、その高さが閉じたゲートバー1Aの高さよりも低い場合は、ゲートバー1Aを通常どおり閉じるように構成されている。
【0020】図3は撮像カメラ5A,5Bが特定エリアSA内にある車両CRの影RTを撮像(認識)している状態を示したものであって、上述した従来の管理装置ではこの様な影RTを撮像した場合も、特定エリアSA内に車両CRが存在するとの判断ミスを犯してしまって、ゲートバー1Aの閉じ作動を中断することになるが、本発明ではこの様な影RTゃヘッドライトの照明等を確認した場合でも、その高さを検出して物体の存否を判断することができるため、ゲートバー1Aをいつものように閉作動することができる。
【0021】尚、図5と図6は2台の撮像カメラ5A,5BとしてCCDカメラを用いる場合と、C−MOSカメラを用いる場合の本発明の電気的構成を説明したブロック図であって、図中、6は制御部の中心を構成するCPU、7はバス、8はシステムプログラムや、請求項に記載した各手段を実行するためのプログラムを格納したり、送られて来る各種データ等を記憶するメモリ、図5に示した10はビデオ信号をデジタル化するための処理部、図5に示した14と図6に示した14Aは2台の撮像カメラ5A,5Bを交互に切り替え駆動するアナログ及びデジタル信号切り替えスイッチ、9はこのアナログ及びデジタル信号機の代えスイッチ14,14Aの切り替えタイミングや、ビデオ信号のデジタル化のタイミング(同期信号)を調整するタイミング・ジェネレータ制御処理部を示す。
【0022】更に図5と図6に於いて、11は不正データや警報データの記録等をランを通して送るLAN通信部で、これにホストコンピュータ13が接続されており、また、12は発券機(駐車料金精算機)4やゲート開閉装置1の作動を制御するためのシリアル通信部を示す。
【0023】次に、本発明に係る駐車場等用ゲート開閉制御装置による処理手順を図7に示したフローチャートに従って説明する。
【0024】始めのステップS1で車両CRが図1に示すように第1エリアRDに入ったことを画像処理によって検出すると、次のステップS2に進んで発券機4が駐車券(チケット)を発券するか、又は、駐車料金精算機4が料金精算可能な状態と成り、駐車券を引抜くか、或は、駐車料金の精算を済ませると、ステップS3に進んでゲートバー1Aが開いて入庫、又は、出庫可能な状態になる。
【0025】次のステップS4では、図2に示すように特定エリアSAを通過中の車両CRが監視され、次のステップS5で2台の撮像カメラ5A,5Bによる撮像の結果から物体(車両CR)の存在確認と、その進行方向及び距離と高さが計算され、次のステップS6に進む。
【0026】ステップS6では、図3に示すように車両CRが特定エリアSA、即ち、ゲート開閉装置1の近くを通り過ぎたか否かが画像処理で判定され、通過が確認されるとステップS8に進んでゲート開閉装置1によるゲートバー1Aの閉作動が開始されて、ステップS9以降の閉め過程に進むが、通過が確認されない場合は、ステップS7のゲート通過監視ループに進む。
【0027】ステップS9以降の閉め過程では、先ず、ステップS10で画像処理による通過車両(図4参照)の検出が成され、次いで、ステップS11でゲートバー1A付近の特定エリアSAに物体が存在するか否かが判定され、物体の存在が認められる場合は、距離及び高さが計算されて、次のステップS13でその高さが設定値、即ち、水平に閉じゲートバー1Aの高さよりも高いか低いか(上か下か)が判定され、高い場合はステップS16に進んでゲート開閉装置1によるゲートバー1Aの閉作動を途中で中断して、音や表示等による警告を行う。
【0028】また、上述したステップS11で特定エリアSAに物体が存在しないと判断された場合、及び、上述したステップS13で物体の高さが閉じたゲートバー1Aよりも低いと判断された場合は、ステップS14に進んでゲート閉じ完了信号があったか否かが判定され、信号ありの場合はそのまま処理を終え、なしの場合はステップS15のゲートバー閉め過程ループに進む。
【0029】次に、図8は上記図7に示したステップS5とS12で実行される物体とカメラ設置点との距離、及び、物体の高さ情報を計算するための処理手順を説明したフローチャートを示したものであって、先ず始めのステップS20で例えば図2に示すように2台の撮像カメラ5A,5Bで撮像したデータを画像処理し、次いで、ステップS21に進んで予め設定されているプログラム(環境設定テーブル)に従ってカメラ設置点から物体までの距離を計算した後、ステップS23に進んでこの計算した距離データS22を利用して物体の高さを計算し、高さデータS24を取出すことによって処理を終える。
【0030】次に、上述した2台の撮像カメラ5A,5B(カメラ1、カメラ2)による撮像データを画像処理することによって求められるカメラ設置点から物体までの距離と、物体の高さを求めるための具体的な計算方法を、図9乃至図11の記載と共に説明する。
【0031】図9は、物体CR′までの距離を求めるための説明図であって、先ず、上下2台の撮像カメラ5A,5Bの位置から垂直に落した点Oを原点とし、上段の撮像カメラ5A(以下第1カメラと云う)の高さをH1、下段の撮像カメラ5B(以下第2カメラと云う)の高さをH2とし、H1>H2の条件で上下に間隔をあけて固定し、更に、各カメラ5A,5Bの視野角を夫々θ1,θ2に定める。
【0032】図中、Hfは第1カメラ5Aの視野上端と、水平に閉じた状態のゲートバー1Aの先端との垂直距離で、点X1とX2は第1カメラ5Aと第2カメラ5Bの画像上の物体CR′の一番低い点を撮像するピクルス線と、各カメラ5A,5Bの視野下端の線に於ける点A及び点Cまでの距離を半径とした弧の交点の座標で、この時の半径の長さを夫々R1(第1カメラ5Aと点Cを結ぶ線の長さ)、R2(第2カメラ5Bと点Aを結ぶ線の長さ)とすると、R1とR2は夫々下記の式(1)で求めることができる。
【数1】
【0033】また、θup1とθup2は、各カメラ5A,5Bの夫々の視野上端から垂直軸(カメラ原点Oの線)までの角度、L1,L2は夫々のカメラ5A,5Bの視野下端から垂直軸までの距離であって、これ等は以下の式(2),(3)で求めることができる。
【数2】
【0034】次に、第1カメラ5Aと第2カメラ5Bの縦方向のピクセル数を夫々P1,P2として、図10に示す様に物体CR′を撮像しているピクセル番号(画像の下から数える)を夫々Pnum1,Pnum2とすると、図9に於いて第1カメラ5Aと第2カメラ5Bの同じ物体CR′の下端を撮像するピクセル番号Pnum1とPnum2は、以下の式(4)と(5)で示されるが、これ等の式は半径R1,R2の弧CDと弧AB(夫々のカメラ5A,5Bの撮像範囲内)を夫々画素で割ったものである。
【数3】
【0035】また、第1カメラ5Aから見た時の物体CR′までの距離Lobjは、次の式(6)で求めることができ、更に図9に示した角度θobj1は物体CR′の位置に依存するものであって、次の式(7)に依って示される。
Lobj=H1tan(θobj1+θup1−θ1)…(6)
θobj1=θ1×Pnum1/P1…(7)
【0036】同様に、第2カメラ5Bから見た場合の物体CR′までの距離Lobjは次の式(8)によって求められ、また、図9に示した角度θobj2は次の式(9)によって求められる。
Lobj=H2tan(θobj2+θup2−θ2)…(8)
θobj2=θ2×Pnum2/P2…(9)
【0037】以上の式(6)〜(9)により、物体CR′までの距離Lobjは以下の式(10)によって求めることができる。
【数4】
尚、上記の式(10)に於いてPnum1とPnum2は、物体CR′の下端を捕えた時のピクセル番号(図10R>0参照)である。
【0038】物体CR′の高さを求めるには、上述した式(10)を用いて算出した物体CR′までの距離Lobjを利用すことで、2台のカメラ5A,5Bの視野範囲内にある物体CR′の最高の高さを求めることができるが、図11はこの高さを求めるために用いる説明図であって、図中、角度θobjup1とθobjup2は、第1カメラ5Aと第2カメラ5Bの物体CR′の上部分を捕えるピクセル線とカメラ下端との角度であり、また、点Xup1とXup2は、各カメラ5A,5Bの夫々の物体CR′の一番高い点(画像上)を捕えるピクセル線と、各カメラ5A,5Bから視野下端の線に於ける点A、点Cまでの距離を半径とした弧の交点の座標で、この時の半径の長さは前述した式(1)で求めることができる。
【0039】更に、点Xpはカメラ5A,5Bから見た物体CR′の最高点と思われる点で、図11での夫々のピクセル線を縦方向をy軸、横方向をx軸として2次元で見て見ると、第1カメラ5Aと第2カメラ5Bのピクセル線は夫々次の式で示される。
y=α1x+H1 但しα1はピクセル線の傾き }…(11)
y=α2x+H2 但しα2はピクセル線の傾き
【0040】ここで、α1は第1カメラ5Aから上記の点Xup1を見たピクセル線の傾きは、tan(θup1+θobjup1−θ1)の値の負の逆数であるから、よって、 α1=−1/tan(θup1+θobjup1−θ1)…(12)
となり、α2も同様に、 α2=−1/tan(θup2+θobjup2−θ2)…(13)
となるから、結局、α1とα2は夫々次の式(14)で求めることができる。
【数5】
【0041】よって、上記の式(14)で求めたα1,α2と、図11に示したXd1(X1,X2)、Xd2(X2,Y2)を上述した式(11)に代入すると、(点Xd1のX1)=(点XD2のX2)=Lobjより点XD1のY1は、
【数6】
点XD2のY2は、
【数7】
で示され、この2式より交点Xp(Xp,Yp)を求めると、
【数8】
となり、式(17)より物体CR′の高さYpは以下の式で求めることができる。
【数9】
【0042】尚、2台のカメラ5A,5Bを用いて物体CR′の高さと距離を求める際に最低限必要な固定値は、夫々のカメラ5A,5Bの設置高さH1,H2と、視野角θ1,θ2であって、他のパラメータは各カメラ5A,5Bの設置角度により定まるものである。
【0043】また、物体CR′の距離と高さを求める時、先ず物体CR′の距離が必要となり、その距離Lobjは上述した式(10)により求めることができ、高さを求める時には距離算出の結果、Lobjより上述した式(18)を解くことによって求めることができる。
【0044】
【発明の効果】以上述べた次第で、本発明に係る駐車場等用ゲート開閉制御装置によれば、車両等の移動物体がゲート内にいる状態を撮像装置が監視し、移動物体の通過の状態とその高さを監視して、ゲート内に移動物体が残っていて、その高さが予め設定した設定値を上回る場合には、ゲートバーの閉作動を停止するため、車両等がゲート内を通過する際に、車両等へのゲートバーの衝突を防止して、車両及びゲートバーの破損を防止することができると共に、ヘッドライトの照明や夕日等による影と云った平面的な画像を誤認識して、ゲートバーを誤作動する問題を解決して、車両等の入出庫を安全、且つ、確実に管理できるものであって、撮像範囲を特定エリアのみに限定して処理速度と確実性を高めた点と相俟って、特に自動車の入出庫を自動で管理する駐車場に使用して洵に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両が本発明を実施したゲートの入り口部分に入って来た状態を説明した構成図である。
【図2】車両が本発明を実施したゲートの特定エリアに位置している状態を説明した構成図である。
【図3】車両が本発明を実施したゲートを通過している状態を説明した構成図である。
【図4】車両が本発明を実施したゲートを通過した状態を説明した構成図である。
【図5】撮像カメラとしてCCDカメラを用いた場合の本発明の電気的構成を説明したブロック図である。
【図6】撮像カメラとしてC−MOSカメラを用いた場合の本発明の電気的構成を説明したブロック図である。
【図7】本発明によるゲートの開閉処理の手順を説明したフローチャートである。
【図8】本発明による物体の距離と高さ情報を計算する過程を説明したフローチャートである。
【図9】物体との距離を求めるための説明図である。
【図10】2台のカメラが撮像した物体の図である。
【図11】物体の高さを求めるための説明図である。
【符号の説明】
T 通路
SA 特定エリア
CR 車両
CR′ 移動物体
1 ゲート開閉装置
1A ゲートバー
5A,5B 撮像カメラ
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駐車場等への車両の入出庫を自動的に管理することができる駐車場管理装置に関するものであって、具体的には、CCDカメラやC−MOSカメラといった撮像装置を用いてゲート通過車両の安全監視を行うことができる駐車場等用ゲート開閉制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な駐車場管理装置では、例えば特開昭61−80385号公報等に見られるように、車両の入出庫に当って、ゲート入出口付近の前後に埋設されたループコイル等の車両検知器により、入庫又は出庫車両を検知するとゲートを開き、ゲート通過を別の車両検知器が検知すると、ゲートを閉じるように構成されている。
【0003】しかし、上述した構造の駐車場管理装置では、車両検知器の誤作動等が原因で車両がゲートバーを通過していないのにゲートバーが降下作動(閉作動)して、車両を破損したりゲートバーを破損する等の事故を引き起こす問題があった。
【0004】そこで本出願人は、先の特願平9−163436号の出願に見られるように、ループコイル等を用いた従来の車両検知器に代えて、撮像装置(CCDカメラ)を用いてゲート周辺を監視することにより、車両の入出庫の確認とゲートバーの開閉を制御する駐車場用自動管理装置を開発して、より安全で信頼性の高い装置の供給を可能にした。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したCCDカメラのような撮像装置を用いた車両検知器は、物体(車両)を捉える場合に平面的な画像として処理を行い、物体の高さに関する情報を得ることができないため、ゲートを通過する車両を認識する場合に、例えば車両の影やヘッドライトの照明等が原因で判断ミスが発生し、ゲートバーの開閉制御に誤作動を誘発して、ゲートバーを間違って開閉作動してしまったり、車両にゲートバーを衝突させて破損させてしまったりする場合があり、また、車両以外の平面的な物体に対しても認識を誤る場合もあって、信頼性に欠ける問題があった。
【0006】従って本発明の技術的課題は、ゲートを通過する車両や走行者等を認識するに当って、車両の影やヘッドライトの照明と云った平面的な画像に影響されることなく、予め設定された高さを超える物体を認識した場合にのみ、ゲートバーの閉作動を確実に停止させるように制御して、ゲートバーの誤作動と、ゲートバー及び車両の破損を防止することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決するために本発明で講じた手段は以下の如くである。
【0008】駐車場等の入出通路に設けたゲート開閉装置の付近に撮像装置を設置し、この撮像装置によって入出通路内の特定エリアを撮像して、撮像した画像情報に基づいて特定エリア内に於ける車両や歩行者等の移動物体の有無を検出することにより、ゲートの開閉制御を行うように構成した駐車場等用ゲート開閉制御装置であって、
【0009】(1) 上記の撮像装置によって特定エリア内に於ける移動物体の有無を検出するに当って、移動物体の高さも一緒に検出するように構成すると共に、移動物体の高さが予め設定した値以下の場合は、上記ゲート開閉装置によるゲートの閉作動を通常どおりに行い、予め設定した値を超える場合にはゲートの閉作動を途中で中断するように構成すること。(請求項1)
【0010】(2) 移動物体の高さの基準となる設定値を、ゲートバーが路面に対して水平に閉じた時の高さを基に設定すること。(請求項2)
【0011】(3) 駐車場等の入出通路の一側で、且つ、少くともゲート開閉装置よりも高い位置に、第1と第2の撮像カメラを上下に間隔をあけて一直線上に設置して、これ等両撮像カメラの設置高さと視野角を固定値にして両撮像カメラと移動物体との距離を割出すと共に、この割出した距離を利用して上記両撮像カメラの視野範囲内にある移動物体の最高の高さを求めるように構成すること。(請求項3)
【0012】
【作用】
【0013】
【0014】
【0015】以上の如くであるから、上記(1)〜(3)の手段によって上述した技術的課題を解決して、前記従来の技術の問題点を解消することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る駐車場等用ゲート開閉制御装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図1乃至図4は本発明が実施された駐車場の入庫口、又は、出庫口の構成図を示したものであって、図中、Tは入口又は出口の通路、SAは通路Tに設けた特定エリア(監視エリア)、RDとRD′はこの特定エリアSAの前後に設けた第1と第2のエリア、1は特定エリアSAの一側に設置したゲート開閉装置、1Aはこの開閉装置1によって開閉作動されるゲートバー、4は上記第1エリアRDの一側に設置した発券機又は駐車料金精算機であって、図示した通路Tが入庫通路である場合は発券機が設置され、出庫通路である場合は駐車料金精算機が設置される仕組に成っている。
【0017】5Aと5Bは上述したゲート開閉装置1を利用してその上側部に図9並びに図11に示すように上下に間隔をあけ、且つ、縦一列に設置した例えばCCDカメラ或はC−MOSカメラの如き第1及び第2の撮像カメラであって、これ等両カメラ5A,5Bの撮像視野は上述した第1、第2のエリアRD,RD′と特定エリアSAにおよんでいて、図1に示すように第1エリアRDに入った車両CRを両カメラ5A,5Bが撮像すると、入庫口の場合は発券機4が駐車券を発券し、また、出庫口の場合は駐車料金精算機4が料金精算可能な状態に成る仕組に成っていて、駐車券の抜き取り、或は、駐車料金の精算を済ませると、図2に示すようにゲート開閉装置1がゲートバー1Aを開いて、車両CRの入庫又は出庫を可能にするように構成されている。
【0018】また、上述した上下2台の撮像カメラ5A,5Bは、図2に示すように特定エリアSAを通過する車両CRの存在と、その進行方向を監視すると共に、後述する方法でその車両CRの高さを測定し、次いで、図3に示すように上述した第2エリアRD′を車両CRが通過したか否かを確認し、通過が確認されると上記ゲート開閉装置1によるゲートバー1Aの閉作動を開始して、この閉作動の過程で図4に示すように上記2台の撮像カメラ5A,5Bが上記特定エリアSAに車両CRやその他の物体が存在するか否かを確認する仕組に成っている。
【0019】上記2台の撮像カメラ5A,5Bによる撮像の結果、特定エリアSA内に物体の存在が確認されると、撮像された画像情報からその物体の高さが測定され、その高さが予め設定した高さ、具体的には、路面に対して水平に閉じたゲートバー1Aの高さよりも高い場合は、ゲートバー1Aの閉作動を途中で中断して警告等の処理を行い、また、その高さが閉じたゲートバー1Aの高さよりも低い場合は、ゲートバー1Aを通常どおり閉じるように構成されている。
【0020】図3は撮像カメラ5A,5Bが特定エリアSA内にある車両CRの影RTを撮像(認識)している状態を示したものであって、上述した従来の管理装置ではこの様な影RTを撮像した場合も、特定エリアSA内に車両CRが存在するとの判断ミスを犯してしまって、ゲートバー1Aの閉じ作動を中断することになるが、本発明ではこの様な影RTゃヘッドライトの照明等を確認した場合でも、その高さを検出して物体の存否を判断することができるため、ゲートバー1Aをいつものように閉作動することができる。
【0021】尚、図5と図6は2台の撮像カメラ5A,5BとしてCCDカメラを用いる場合と、C−MOSカメラを用いる場合の本発明の電気的構成を説明したブロック図であって、図中、6は制御部の中心を構成するCPU、7はバス、8はシステムプログラムや、請求項に記載した各手段を実行するためのプログラムを格納したり、送られて来る各種データ等を記憶するメモリ、図5に示した10はビデオ信号をデジタル化するための処理部、図5に示した14と図6に示した14Aは2台の撮像カメラ5A,5Bを交互に切り替え駆動するアナログ及びデジタル信号切り替えスイッチ、9はこのアナログ及びデジタル信号機の代えスイッチ14,14Aの切り替えタイミングや、ビデオ信号のデジタル化のタイミング(同期信号)を調整するタイミング・ジェネレータ制御処理部を示す。
【0022】更に図5と図6に於いて、11は不正データや警報データの記録等をランを通して送るLAN通信部で、これにホストコンピュータ13が接続されており、また、12は発券機(駐車料金精算機)4やゲート開閉装置1の作動を制御するためのシリアル通信部を示す。
【0023】次に、本発明に係る駐車場等用ゲート開閉制御装置による処理手順を図7に示したフローチャートに従って説明する。
【0024】始めのステップS1で車両CRが図1に示すように第1エリアRDに入ったことを画像処理によって検出すると、次のステップS2に進んで発券機4が駐車券(チケット)を発券するか、又は、駐車料金精算機4が料金精算可能な状態と成り、駐車券を引抜くか、或は、駐車料金の精算を済ませると、ステップS3に進んでゲートバー1Aが開いて入庫、又は、出庫可能な状態になる。
【0025】次のステップS4では、図2に示すように特定エリアSAを通過中の車両CRが監視され、次のステップS5で2台の撮像カメラ5A,5Bによる撮像の結果から物体(車両CR)の存在確認と、その進行方向及び距離と高さが計算され、次のステップS6に進む。
【0026】ステップS6では、図3に示すように車両CRが特定エリアSA、即ち、ゲート開閉装置1の近くを通り過ぎたか否かが画像処理で判定され、通過が確認されるとステップS8に進んでゲート開閉装置1によるゲートバー1Aの閉作動が開始されて、ステップS9以降の閉め過程に進むが、通過が確認されない場合は、ステップS7のゲート通過監視ループに進む。
【0027】ステップS9以降の閉め過程では、先ず、ステップS10で画像処理による通過車両(図4参照)の検出が成され、次いで、ステップS11でゲートバー1A付近の特定エリアSAに物体が存在するか否かが判定され、物体の存在が認められる場合は、距離及び高さが計算されて、次のステップS13でその高さが設定値、即ち、水平に閉じゲートバー1Aの高さよりも高いか低いか(上か下か)が判定され、高い場合はステップS16に進んでゲート開閉装置1によるゲートバー1Aの閉作動を途中で中断して、音や表示等による警告を行う。
【0028】また、上述したステップS11で特定エリアSAに物体が存在しないと判断された場合、及び、上述したステップS13で物体の高さが閉じたゲートバー1Aよりも低いと判断された場合は、ステップS14に進んでゲート閉じ完了信号があったか否かが判定され、信号ありの場合はそのまま処理を終え、なしの場合はステップS15のゲートバー閉め過程ループに進む。
【0029】次に、図8は上記図7に示したステップS5とS12で実行される物体とカメラ設置点との距離、及び、物体の高さ情報を計算するための処理手順を説明したフローチャートを示したものであって、先ず始めのステップS20で例えば図2に示すように2台の撮像カメラ5A,5Bで撮像したデータを画像処理し、次いで、ステップS21に進んで予め設定されているプログラム(環境設定テーブル)に従ってカメラ設置点から物体までの距離を計算した後、ステップS23に進んでこの計算した距離データS22を利用して物体の高さを計算し、高さデータS24を取出すことによって処理を終える。
【0030】次に、上述した2台の撮像カメラ5A,5B(カメラ1、カメラ2)による撮像データを画像処理することによって求められるカメラ設置点から物体までの距離と、物体の高さを求めるための具体的な計算方法を、図9乃至図11の記載と共に説明する。
【0031】図9は、物体CR′までの距離を求めるための説明図であって、先ず、上下2台の撮像カメラ5A,5Bの位置から垂直に落した点Oを原点とし、上段の撮像カメラ5A(以下第1カメラと云う)の高さをH1、下段の撮像カメラ5B(以下第2カメラと云う)の高さをH2とし、H1>H2の条件で上下に間隔をあけて固定し、更に、各カメラ5A,5Bの視野角を夫々θ1,θ2に定める。
【0032】図中、Hfは第1カメラ5Aの視野上端と、水平に閉じた状態のゲートバー1Aの先端との垂直距離で、点X1とX2は第1カメラ5Aと第2カメラ5Bの画像上の物体CR′の一番低い点を撮像するピクルス線と、各カメラ5A,5Bの視野下端の線に於ける点A及び点Cまでの距離を半径とした弧の交点の座標で、この時の半径の長さを夫々R1(第1カメラ5Aと点Cを結ぶ線の長さ)、R2(第2カメラ5Bと点Aを結ぶ線の長さ)とすると、R1とR2は夫々下記の式(1)で求めることができる。
【数1】
【0033】また、θup1とθup2は、各カメラ5A,5Bの夫々の視野上端から垂直軸(カメラ原点Oの線)までの角度、L1,L2は夫々のカメラ5A,5Bの視野下端から垂直軸までの距離であって、これ等は以下の式(2),(3)で求めることができる。
【数2】
【0034】次に、第1カメラ5Aと第2カメラ5Bの縦方向のピクセル数を夫々P1,P2として、図10に示す様に物体CR′を撮像しているピクセル番号(画像の下から数える)を夫々Pnum1,Pnum2とすると、図9に於いて第1カメラ5Aと第2カメラ5Bの同じ物体CR′の下端を撮像するピクセル番号Pnum1とPnum2は、以下の式(4)と(5)で示されるが、これ等の式は半径R1,R2の弧CDと弧AB(夫々のカメラ5A,5Bの撮像範囲内)を夫々画素で割ったものである。
【数3】
【0035】また、第1カメラ5Aから見た時の物体CR′までの距離Lobjは、次の式(6)で求めることができ、更に図9に示した角度θobj1は物体CR′の位置に依存するものであって、次の式(7)に依って示される。
Lobj=H1tan(θobj1+θup1−θ1)…(6)
θobj1=θ1×Pnum1/P1…(7)
【0036】同様に、第2カメラ5Bから見た場合の物体CR′までの距離Lobjは次の式(8)によって求められ、また、図9に示した角度θobj2は次の式(9)によって求められる。
Lobj=H2tan(θobj2+θup2−θ2)…(8)
θobj2=θ2×Pnum2/P2…(9)
【0037】以上の式(6)〜(9)により、物体CR′までの距離Lobjは以下の式(10)によって求めることができる。
【数4】
尚、上記の式(10)に於いてPnum1とPnum2は、物体CR′の下端を捕えた時のピクセル番号(図10R>0参照)である。
【0038】物体CR′の高さを求めるには、上述した式(10)を用いて算出した物体CR′までの距離Lobjを利用すことで、2台のカメラ5A,5Bの視野範囲内にある物体CR′の最高の高さを求めることができるが、図11はこの高さを求めるために用いる説明図であって、図中、角度θobjup1とθobjup2は、第1カメラ5Aと第2カメラ5Bの物体CR′の上部分を捕えるピクセル線とカメラ下端との角度であり、また、点Xup1とXup2は、各カメラ5A,5Bの夫々の物体CR′の一番高い点(画像上)を捕えるピクセル線と、各カメラ5A,5Bから視野下端の線に於ける点A、点Cまでの距離を半径とした弧の交点の座標で、この時の半径の長さは前述した式(1)で求めることができる。
【0039】更に、点Xpはカメラ5A,5Bから見た物体CR′の最高点と思われる点で、図11での夫々のピクセル線を縦方向をy軸、横方向をx軸として2次元で見て見ると、第1カメラ5Aと第2カメラ5Bのピクセル線は夫々次の式で示される。
y=α1x+H1 但しα1はピクセル線の傾き }…(11)
y=α2x+H2 但しα2はピクセル線の傾き
【0040】ここで、α1は第1カメラ5Aから上記の点Xup1を見たピクセル線の傾きは、tan(θup1+θobjup1−θ1)の値の負の逆数であるから、よって、 α1=−1/tan(θup1+θobjup1−θ1)…(12)
となり、α2も同様に、 α2=−1/tan(θup2+θobjup2−θ2)…(13)
となるから、結局、α1とα2は夫々次の式(14)で求めることができる。
【数5】
【0041】よって、上記の式(14)で求めたα1,α2と、図11に示したXd1(X1,X2)、Xd2(X2,Y2)を上述した式(11)に代入すると、(点Xd1のX1)=(点XD2のX2)=Lobjより点XD1のY1は、
【数6】
点XD2のY2は、
【数7】
で示され、この2式より交点Xp(Xp,Yp)を求めると、
【数8】
となり、式(17)より物体CR′の高さYpは以下の式で求めることができる。
【数9】
【0042】尚、2台のカメラ5A,5Bを用いて物体CR′の高さと距離を求める際に最低限必要な固定値は、夫々のカメラ5A,5Bの設置高さH1,H2と、視野角θ1,θ2であって、他のパラメータは各カメラ5A,5Bの設置角度により定まるものである。
【0043】また、物体CR′の距離と高さを求める時、先ず物体CR′の距離が必要となり、その距離Lobjは上述した式(10)により求めることができ、高さを求める時には距離算出の結果、Lobjより上述した式(18)を解くことによって求めることができる。
【0044】
【発明の効果】以上述べた次第で、本発明に係る駐車場等用ゲート開閉制御装置によれば、車両等の移動物体がゲート内にいる状態を撮像装置が監視し、移動物体の通過の状態とその高さを監視して、ゲート内に移動物体が残っていて、その高さが予め設定した設定値を上回る場合には、ゲートバーの閉作動を停止するため、車両等がゲート内を通過する際に、車両等へのゲートバーの衝突を防止して、車両及びゲートバーの破損を防止することができると共に、ヘッドライトの照明や夕日等による影と云った平面的な画像を誤認識して、ゲートバーを誤作動する問題を解決して、車両等の入出庫を安全、且つ、確実に管理できるものであって、撮像範囲を特定エリアのみに限定して処理速度と確実性を高めた点と相俟って、特に自動車の入出庫を自動で管理する駐車場に使用して洵に好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両が本発明を実施したゲートの入り口部分に入って来た状態を説明した構成図である。
【図2】車両が本発明を実施したゲートの特定エリアに位置している状態を説明した構成図である。
【図3】車両が本発明を実施したゲートを通過している状態を説明した構成図である。
【図4】車両が本発明を実施したゲートを通過した状態を説明した構成図である。
【図5】撮像カメラとしてCCDカメラを用いた場合の本発明の電気的構成を説明したブロック図である。
【図6】撮像カメラとしてC−MOSカメラを用いた場合の本発明の電気的構成を説明したブロック図である。
【図7】本発明によるゲートの開閉処理の手順を説明したフローチャートである。
【図8】本発明による物体の距離と高さ情報を計算する過程を説明したフローチャートである。
【図9】物体との距離を求めるための説明図である。
【図10】2台のカメラが撮像した物体の図である。
【図11】物体の高さを求めるための説明図である。
【符号の説明】
T 通路
SA 特定エリア
CR 車両
CR′ 移動物体
1 ゲート開閉装置
1A ゲートバー
5A,5B 撮像カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駐車場等の入出通路に設けたゲート開閉装置の付近に撮像装置を設置し、この撮像装置によって入出通路内の特定エリアを撮像して、撮像した画像情報に基づいて特定エリア内に於ける車両や歩行者等の移動物体の有無を検出することにより、ゲートの開閉制御を行うように構成した駐車場等用ゲート開閉制御装置であって、上記の撮像装置によって特定エリア内に於ける移動物体の有無を検出するに当って、移動物体の高さも一緒に検出するように構成すると共に、移動物体の高さが予め設定した値以下の場合は、上記ゲート開閉装置によるゲートの閉作動を通常どおりに行い、予め設定した値を超える場合にはゲートの閉作動を途中で中断するように構成したことを特徴とする駐車場等用ゲート開閉制御装置。
【請求項2】 移動物体の高さの基準となる設定値を、ゲートバーが路面に対して水平に閉じた時の高さを基に設定したことを特徴とする請求項1記載の駐車場等用ゲート開閉制御装置。
【請求項3】 駐車場等の入出通路の一側で、且つ、少くともゲート開閉装置よりも高い位置に、第1と第2の撮像カメラを上下に間隔をあけて一直線上に設置して、これ等両撮像カメラの設置高さと視野角を固定値にして両撮像カメラと移動物体との距離を割出すと共に、この割出した距離を利用して上記両撮像カメラの視野範囲内にある移動物体の最高の高さを求めるように構成したことを特徴とする請求項1記載の駐車場等用ゲート開閉制御装置。
【請求項1】 駐車場等の入出通路に設けたゲート開閉装置の付近に撮像装置を設置し、この撮像装置によって入出通路内の特定エリアを撮像して、撮像した画像情報に基づいて特定エリア内に於ける車両や歩行者等の移動物体の有無を検出することにより、ゲートの開閉制御を行うように構成した駐車場等用ゲート開閉制御装置であって、上記の撮像装置によって特定エリア内に於ける移動物体の有無を検出するに当って、移動物体の高さも一緒に検出するように構成すると共に、移動物体の高さが予め設定した値以下の場合は、上記ゲート開閉装置によるゲートの閉作動を通常どおりに行い、予め設定した値を超える場合にはゲートの閉作動を途中で中断するように構成したことを特徴とする駐車場等用ゲート開閉制御装置。
【請求項2】 移動物体の高さの基準となる設定値を、ゲートバーが路面に対して水平に閉じた時の高さを基に設定したことを特徴とする請求項1記載の駐車場等用ゲート開閉制御装置。
【請求項3】 駐車場等の入出通路の一側で、且つ、少くともゲート開閉装置よりも高い位置に、第1と第2の撮像カメラを上下に間隔をあけて一直線上に設置して、これ等両撮像カメラの設置高さと視野角を固定値にして両撮像カメラと移動物体との距離を割出すと共に、この割出した距離を利用して上記両撮像カメラの視野範囲内にある移動物体の最高の高さを求めるように構成したことを特徴とする請求項1記載の駐車場等用ゲート開閉制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図8】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図9】
【図10】
【図8】
【図11】
【公開番号】特開平11−345390
【公開日】平成11年(1999)12月14日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−166014
【出願日】平成10年(1998)5月29日
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【公開日】平成11年(1999)12月14日
【国際特許分類】
【出願日】平成10年(1998)5月29日
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
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