駐車場管理システム
【課題】大規模な駐車場で利用者が駐車位置に戻るときに、その駐車位置へ迷わず容易に到着できる駐車場管理システムを提供すること。
【解決手段】駐車場入口で入場する車両に駐車券発行機21で自動車のナンバー情報に紐付けして駐車スペースTSの各々の駐車位置情報を記録した駐車券を発行し、事前精算機60で駐車位置情報出力要求があった場合に、事前精算機60の表示画面60Aに表示された駐車位置を示す情報の表示出力か、事前精算機60に読み込まれた駐車券CKへの駐車位置を示す情報の印字出力か、事前精算機60のレシートプリンタによる出力である駐車位置情報出力手段を設ける。
【解決手段】駐車場入口で入場する車両に駐車券発行機21で自動車のナンバー情報に紐付けして駐車スペースTSの各々の駐車位置情報を記録した駐車券を発行し、事前精算機60で駐車位置情報出力要求があった場合に、事前精算機60の表示画面60Aに表示された駐車位置を示す情報の表示出力か、事前精算機60に読み込まれた駐車券CKへの駐車位置を示す情報の印字出力か、事前精算機60のレシートプリンタによる出力である駐車位置情報出力手段を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大規模な駐車場で、利用者に駐車スペースの位置を案内するための技術に関するものであって、具体的には、多数の駐車スペースを有する大規模駐車場において、利用者が駐車スペースの位置を失念してしまった場合でも、簡単な操作で駐車スペース情報を提供できるように工夫した駐車場管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
大規模な駐車場において、利用者が自分の車を駐車させた駐車スペースの位置を失念してしまう場合があるが、この様な場合でも、容易に駐車スペースを確認することを可能にしたシステムとして、従来より、以下の如き各種方式のものが存在する。
【0003】
例えば特許文献1には、媒体への記録方式として、大規模な駐車場で利用者が駐車位置に戻るときに駐車位置まで迷わず容易に到着できるように、駐車位置データが書き込まれた非接触ICカードをゲートに設けられた非接触ICカード検知部に検知させて、表示用矢印による指示音声による誘導によって、駐車位置まで利用者を誘導する駐車位置案内システムが開示されている。
【0004】
また、例えば特許文献2では同様の課題に対して、上記媒体への記録方式として、駐車券に自車情報記憶手段と自車情報案内手段と駐車情報受信手段を備え、駐車券発行時刻記録手段は駐車券を発行した時刻を自車情報記憶手段及び駐車情報記憶装置に記録し、駐車位置判定手段は、車両検出手段から送られてくるデータを用いて、駐車場に入場した車両がどの駐車領域に駐車したか判定して、結果を駐車情報記憶手段に記録し、駐車情報記憶手段の内容は規定されたタイミングで駐車情報送信手段によって駐車情報受信手段に送られ、駐車情報受信手段は自車情報記憶手段に駐車位置情報を記録し、自車情報記憶手段の内容は自車情報案内手段によって確認することができるように構成した駐車位置確認装置が開示されている。
【0005】
また、例えば特許文献3では同様の課題に対して、ナンバープレー認識方式として、駐車場の入口ゲートには撮像装置が設けられ、この撮像装置により車両のナンバープレートの車番が撮像され、その車番が駐車券発行装置の発行する駐車券に記録される。駐車場内には撮像装置が設けられ、これらの撮像装置が車両のナンバープレートから車番を識別し、車両がどのブロックに駐車されたかを確認する。その後、駐車場へ戻って来た運転者が自車位置確認装置に駐車券を挿入すると、撮像装置で確認された結果に基づき車両の位置が表示されるように構成した、確認装置が開示されている。
【0006】
また、例えば特許文献4では同様の課題に対して、画像追尾方式として、駐車フロアを撮像カメラによって撮像し、この駐車場画像を画像処理装置で所定時間毎に取り込むと共に画像処理して移動中の車両を検知し、検知された前記車両の位置情報に基づいて、その位置に対応した位置を管理コンピュータの駐車場マップ上に登録し、駐車場マップを前記所定時間毎に更新しながら車両の位置をトラッキングして、駐車位置及び空車位置を管理する技術が開示されている。
【0007】
また、例えば特許文献5では同様の課題に対して、駐車券に印字する方式として、空車区画を分かりやすく案内して効率よい入庫を行い、出庫に際して駐車位置を見失うことのない駐車管理システムを提供するために、駐車区画数に対応する数のセンサを備えて入出庫車を検出し、検出信号をI/Fを介してコンピュータに入力して解析し、電光掲示板等の表示装置に満車又は空車の表示、空車の場合は空き車庫の番号も表示し、更に、発券機により階ごとの空き車庫の番号を印字した駐車整理券を発券するか、又は、空き車庫にマークを付した駐車場案内図を記載した駐車整理券を発券するように構成した技術が開示されている。
【0008】
更に、例えば特許文献6では同様の課題に対して、駐車位置表示する方式として、駐車場内での車両を特定し、駐車位置を認識するため、駐車場に駐車される車両の位置を認識する駐車位置認識装置に、駐車場内に設置されてナンバープレートから進入車両を特定する車両特定装置と駐車場のフロアを周期的に撮像する撮像カメラとが設けられ、トラッキング認識装置は撮像カメラの撮像を基に、車両をほぼ平面的形状にパターン化して車両パターンの特徴を抽出しかつその移動経路を追跡し、新たな撮像の位置と前の撮像の位置とが一致する場合にその車両の位置を駐車位置として認識し、車両・駐車位置照合装置は、車両特定装置の位置で認識された車両パターン特徴と駐車位置で認識された車両パターン特徴とが一致するものを検索し、駐車位置とナンバープレートとを照合して特定車両の駐車位置を求めるというものであり、外部からナンバープレート情報の入力を基に、これに対応する車両の駐車位置を求め、その駐車位置を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−216297号公報
【特許文献2】特開平10−116399号公報
【特許文献3】特開2000−56493号公報
【特許文献4】特開平4−290199号公報
【特許文献5】特開平10−124581号公報
【特許文献6】特開平8−96297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記特許文献1に記載の駐車位置案内システムには、高価な非接触ICカードを利用しているため、初期導入費用やランニングコストも高くなるといった問題があり、また、前記特許文献2に記載の駐車位置確認装置には、非接触ICカードよりも更に高価な電池駆動式の通信機能とデータ記憶機能を持った端末であり、券媒体としての安価な駐車券では実現できないといった問題点を備えていた。
【0011】
更に、前記特許文献3に記載の自車位置確認装置には、自車位置確認装置が必要でコストアップは避けられず、表示方法としてもブロック毎の駐車位置のみの表示のため詳細な駐車位置は利用者が自分で探さなければならず、利用者にとって利便性の良いシステムとは言い難いといった問題点があり、また、前記特許文献4に記載の管理装置には、駐車場全体画像で車両の移動を追尾して車両の実駐車時間を計測する技術であり、大規模駐車場で利用者が駐車した場所を見つけ出すのを補助するといった技術に関するものではないといった問題点を有し、また、前記特許文献5に記載の駐車場管理システムでは、必ずしも利用者が推奨された空き車庫に駐車するとは限らないし、複数の空きの場合にはその何れかに駐車したのかを後で失念するという問題点の解消には至っていないといった問題を有していた。
【0012】
また、前記特許文献6に記載の駐車位置認識装置には、利用者に必ずナンバープレートの入力を求めるという煩雑さがある。更に、駐車位置を表示して音声案内しても、利用者が駐車位置にたどり着くまでにまた忘れてしまうこともあり、利用者にとって完全に利便性を向上させた発明とは言い難い。また、多目的ターミナルや空きスペース表示板を設けることで、管理機器全体のコストが上昇してしまうという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1) 上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係る駐車場管理システムは、駐車場入口で入場する車両に入場時刻を記録した駐車券を発行する駐車券発行機と、駐車場入口で車両のナンバーを撮像するシステムと、駐車スペースに駐車した車両のナンバーを撮像するカメラと、駐車場内や駐車場の近隣で駐車料金の精算が可能な事前精算機と、駐車場入口の車両のナンバーの画像と駐車スペースに駐車した車両のナンバーの画像を少なくとも一時的に保管するサーバと、車両のナンバー画像からナンバー情報を読み取るナンバー読み取りシステムとを有する駐車場管理システムであって、
前記ナンバー情報に紐付けして駐車スペースの各々の駐車位置情報を記録し、前記事前精算機で駐車車両を特定する情報の入力とともに、駐車位置情報出力要求があった場合に、前記駐車位置情報を出力する駐車位置情報出力手段を有することを特徴としている。
【0014】
(2) また、本発明の請求項2に係る駐車場管理システムは、前記(1)の駐車場管理システムおいて、前記駐車車両を特定する情報の入力および駐車位置情報出力要求は、利用者が前記事前精算機のキー入力装置からの車両ナンバー情報の入力、若しくは、前記駐車券発行機が発行した駐車券の読み込み、のいずれかに続く駐車位置情報出力要求入力によって行われ、前記駐車位置情報出力手段は、前記事前精算機の表示画面に表示された駐車位置を示す情報の表示出力か、または/及び、前記事前精算機に読み込まれた駐車券への駐車位置を示す情報の印字出力か、または/及び、前記事前精算機のレシートプリンタによる駐車位置を示す情報の印字出力であることを特徴としている。
【0015】
(3) また、本発明の請求項3に係る駐車場管理システムは、前記(1)または(2)に記載の駐車場管理システムおいて、前記事前精算機若しくは管理PCに各々の事前精算機の個々の位置情報登録手段を有し、前記駐車位置情報出力手段による出力情報には駐車位置の絶対位置情報か、または/及び、当該操作を実行した事前精算機からの相対位置情報を出力することを特徴としている。
【0016】
(4) また、本発明の請求項4に係る駐車場管理システムは、前記(1)ないし(3)の駐車場管理システムおいて、前記事前精算機の個々の位置情報は、駐車場内のエレベータや階段や出入り口等の設備情報との位置関係も含まれ、前記相対位置情報は、駐車場内の移動経路に設置されたエレベータや階段や出入り口等の設備情報を経由して表すことを特徴としている。
【0017】
上記(1)から(4)で述べた請求項1〜4に係る手段によれば、多数の駐車スペースを有する大規模駐車場において、利用者が駐車車両の位置を失念してしまった場合でも、利用者に駐車位置情報を提供でき、駐車場内を徘徊して駐車車両を探すといった不都合な事態を生じさせることがなく、利用者にとって頗る利便性の高い駐車場が実現することを可能にしている。
【0018】
また、上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、更にその情報を利用者に保持させることも可能であり、加えて、この様な利便性の向上するシステムを従来のシステムに対してコストアップ無しに実現することを可能にしている。
【0019】
また、上記(3)で述べた請求項3に係る手段によれば、事前精算機から駐車位置までのルートが示されるため、利用者が容易に駐車車両の位置を知ることが可能となる。
【0020】
更に、上記(4)で述べた請求項4に係る手段によれば、駐車場内の移動経路に設置されたエレベータや階段や出入り口等の設備情報を経由して表すことで、利用者に駐車車両への最短ルートの提供を簡単に示すことが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
以上述べた次第で、本発明に係る駐車場管理システムによれば、多数の駐車スペースを有する大規模駐車場において、利用者が駐車スペースの位置を失念してしまった場合でも、簡単な操作で駐車スペース情報、即ち、位置情報を提供でき、更にその情報を利用者に保持させることも可能であり、加えて、この様な利便性の向上するシステムを従来のシステムに対してコストアップ無しに実現することが出来る経済性も備えるものであって、大規模なショッピングモールの駐車場や、空港に隣接した駐車場や、複数階に渡って駐車場フロアが設置されている駐車場の管理システムとして、頗る好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの大規模駐車場の概要図。
【図2】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車場の入口出口機器構成図。
【図3A】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車場の平面図。
【図3B】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車場の平面図。
【図4】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車券発行機のブロック図。
【図5】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの料金精算機のブロック図。
【図6】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車スペース撮像用カメラのブロック図。
【図7】(1)と(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車データ図。
【図8】(1)と(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車券の概観図。
【図9】(1)と(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの領収証の概観図。
【図10】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの事前精算機の概観図。
【図11A】(1)、(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの事前精算機の表示画面の説明図。
【図11B】(3)、(4)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの事前精算機の表示画面の説明図。
【図12】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの入場車路の動作フロー図。
【図13】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの出場車路の動作フロー図。
【図14】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの事前精算機の動作フロー図。
【図15】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車位置情報生成動作フロー図。
【図16】(1)、(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車スペース撮像用カメラの撮像した画像の説明図。
【図17】(1)、(2)、(3)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの在車テーブルの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る駐車場管理システムの実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明の実施例に係る駐車場管理システムが利用される大規模駐車場の概要図である。この実施例は地上4階建ての自走式立体駐車場10であり、1階に車両の入口20と出口30が設置され、入口20には駐車券発行機21とゲート開閉機22が設置され、出場口30には出口精算機31とゲート開閉機32が設置されていて、駐車場内の数箇所(階段踊り場、各階のエレベータホール等)や、更に近隣のショッピングモールとの連絡通路11等には複数の事前精算機60…が配備されている。
【0024】
図2は本発明の一実施例に係る駐車場管理システムが実施されている駐車場10の入出口20と30および一部駐車場内部の機器構成を示す機器構成図である。図2において、本発明の実施形態による駐車場管理システムが設置された駐車場10には、駐車場10に入場する車両CRLが通過する入場車路20A、駐車場10から出場する車両CRTが通過する出場車路30A、および駐車場10内において入場車両CRL…を駐車させる複数の駐車エリアCE…が設けられている。入場車路20Aの両側にはアイランド20L,20Rがそれぞれ設けられている。出場車路20Aの両側にもアイランド30L,30Rがそれぞれ設けられている。
【0025】
更に、本発明に係る駐車場管理システムは、図2に示すように、第1の入口ループコイル23A、第2の入口ループコイル23B、発光部24Aと受光部24Bとを有する入口トリガーセンサ(図示省略)、駐車券発行機21、入口ゲート開閉機22、および入口撮像装置25を備えている。第1の入口ループコイル23Aおよび第2の入口ループコイル23Bは入場車路20Aに埋設されている。また、入口トリガーセンサの受光部24B、駐車券発行機21、入口ゲート開閉機22、および入口撮像装置25は、入場車路20Aの車両進行方向右側のアイランド20R上に、車両進行方向においてこの順番で設置されている。一方、入口トリガーセンサの発光部24Aは、入場車路20Aの車両進行方向左側のアイランド20L上において、上記の受光部24Bと対向する位置に設置されている。
【0026】
上述した第1の入口ループコイル23Aは、入場車両CRLの金属部分を検知するセンサとして機能する。入場車両CRLが第1の入口ループコイル23A上に達すると、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号が変化する。また、第1の入口ループコイル23Aはケーブル等を介して駐車券発行機21に接続されており、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号は駐車券発行機21に入力される。上述した第2の入口ループコイル23Bも第1の入口ループコイル23Aと同様の機能を有する。
【0027】
上記の駐車券発行機21は、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号の変化を検出することにより、入場車両CRLが入場車路20Aに進入したことを認識し、これに応じて駐車券CK(図8参照)の発行処理等を行う。駐車券発行機21により発行された駐車券CKを利用者が抜き取ったとき、駐車券発行機21はゲート開信号を出力する。即ち、駐車券発行機21は入口ゲート開閉機22にケーブル等を介して接続されており、駐車券発行機21から出力されたゲート開信号は入口ゲート開閉機22に入力され、入口ゲート開閉機22はゲート開信号に従って入口ゲートバー22Tを上げる。その後、入場車両CRLが入場車路20Aを進行して、入場車路20Aを通過し切ったとき、駐車券発行機21は、その旨を、第2の入口ループコイル23Bから出力される高周波信号の変化を検出することにより認識し、ゲート閉信号を入口ゲート開閉機22に出力する。これに応じ、入口ゲート開閉機22は入口ゲートバー22Tを下げる。
【0028】
また、入口撮像装置25は入口トリガーセンサ24Bおよび駐車券発行機21とそれぞれケーブル等を介して接続されている。入口撮像装置25は、駐車券発行機21からトリガー受付許可信号を受け取ってからトリガー受付禁止信号を受け取るまでの間に限り、入口トリガーセンサ24Bからトリガー信号を受信したタイミングで入場車両CRLのナンバープレートNP(図16参照)を撮像する。トリガー信号は、入口トリガーセンサの発光部24Aから受光部24Bに向けて発せられている赤外線ビームが、入場車両CRLにより遮られたときに出力される。また、入口撮像装置25は、ナンバープレートNPの撮像により得られたナンバープレート画像に対して画像認識処理を行い、入場車両CRLの車両ナンバーを認識し、この認識した車両ナンバー(車両特定情報)を駐車券発行機21に出力する。
【0029】
更に、本発明に係る駐車場管理システムは、図2に示すように、第1の出口ループコイル33A、第2の出口ループコイル33B、発光部34Aと受光部34Bとを有する出口トリガーセンサ(図示省略)、出口精算機31、出口ゲート開閉機32、および出口撮像装置35を出場車路30Aに備えている。第1の出口ループコイル33Aおよび第2の出口ループコイル33Bは出場車路30Aに埋設されている。出口トリガーセンサの受光部34B、出口精算機31、出口ゲート開閉機32、および出口撮像装置35は、出場車路30Aの車両進行方向右側のアイランド30R上に、車両進行方向においてこの順番で設置されている。また、出口トリガーセンサの発光部34Aは、出場車路30Aの車両進行方向左側のアイランド30L上において、受光部34Bと対向する位置に設置されている。
【0030】
第1の出口ループコイル33Aは、前述した第1の入口ループコイル23Aと同様な機能を有し、出口精算機31にケーブル等を介して接続されており、第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号は出口精算機31に入力される。第2の出口ループコイル33Bも第1の出口ループコイル33Aと同様の機能を有する。
【0031】
上述した出口精算機31は、第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号の変化を検出することにより、出場車両CRTが出場車路30Aに進入したことを認識し、これに応じて精算処理等を行う。精算処理が完了したとき、出口精算機32はゲート開信号を出力する。出口精算機31は出口ゲート開閉機32にケーブル等を介して接続されており、出口精算機31から出力されたゲート開信号は出口ゲート開閉機32に入力され、出口ゲート開閉機32はゲート開信号に従って出口ゲートバー32Tを上げる。その後、出場車両CRTが出場車路30Aを進行して、出場車路30Aを通過し切ったとき、出口精算機31は、その旨を、第2の出口ループコイル33Bから出力される高周波信号の変化を検出することにより認識し、ゲート閉信号を出口ゲート開閉機32に出力する。これに応じ、出口ゲート開閉機32は出口ゲートバー32Tを下げる。
【0032】
また、上記の出口撮像装置35は、出口トリガーセンサ33Bおよび出口精算機31とそれぞれケーブル等を介して接続されている。この出口撮像装置35は、出口精算機31からトリガー受付許可信号を受け取ってからトリガー受付禁止信号を受け取るまでの間に限り、出口トリガーセンサ34Bからトリガー信号を受け取ったタイミングで出場車両CRTのナンバープレートNP(図16参照)の撮像を行う。尚、トリガー信号は、上記の出口トリガーセンサの発光部34Aから受光部33Bに向けて発せられている赤外線ビームが、出場車両CRTにより遮られたときに出力される。
【0033】
次に、本発明に係る駐車場管理システムは前述した事前精算機60…を備えている。事前精算機60…は、図1に示すように駐車場10内において、例えば利用者用の通路やエレベータホール等、これから出場しようとする利用者が利用しやすい場所に複数設置されている。これから出場しようとする利用者は事前精算機60により駐車料金の精算を行うことができ、事前精算機60により精算を済ませた後は、出場時に出口精算機31により精算を行う必要がなくなる。
【0034】
また、本発明に係る駐車場管理システムは、図2に記載の如く管理用パーソナルコンピュータ(管理PC41)、サーバ42、およびデータベース43を備えている。これ等管理PC41、サーバ42およびデータベース43は、駐車場10内に設けられた管理室40内に設けられている。管理PC41は、駐車券発行機21、入口撮像装置25、出口精算機31、出口撮像装置35および各事前精算機60…と、ケーブルを介してそれぞれ接続されており、管理PC41、駐車券発行機21、入口撮像装置25、出口精算機31、出口撮像装置35および各事前精算機60…により、LAN(LocalArea Network)が形成されている。
【0035】
これにより、上記の管理PC41、駐車券発行機21、入口撮像装置25、出口精算機31、出口撮像装置35および各事前精算機60…はそれぞれ相互に情報通信を行うことができる。また、上記のデータべース43には、契約車の車両ナンバーが記憶されており、管理PC41およびサーバ42は必要に応じてデータベース43に記憶された契約車の車両ナンバーを参照することができる。更に、管理PC41またはサーバ42等には、未精算の車両CRの車両ナンバーとそれに関連する駐車情報、例えば駐車券番号・入場時刻などが記憶され、事前精算が済んだ入場車両CRLの車両ナンバー、出場済みの出場車両CRTの駐車券番号等も記憶される。
【0036】
更に、本発明の駐車場管理システムは、図2と図3に示すように、駐車エリアCEの各駐車スペースTS…(駐車ます)毎に、駐車スペースTS…の数だけ設置された多数の駐車位置センサ50…と、駐車場各フロアの要所毎に設置された複数の駐車スペース撮像カメラ51…を有しており、これらも詳細には図示しないが夫々のコントローラや専用のネットワークを介して、最終的に管理PC41、サーバ42およびデータベース43に接続されている。
【0037】
(駐車券発行機21の構成)
図4は前述した駐車券発行機21の構造を示している。図4に示すように、駐車券発行機21は、CPU21A(Central Processing Unit)およびメモリ21Bを有し、これらはバス21Cを介して相互に接続されている。更に、駐車券発行機21は、カードリーダ/ライタ21E、駐車券発行釦21F、設定器21G、車両センサ21H、I/O信号端子21J(入出力端子)、表示器21K、スピーカ21L、インターホン21M、第1の通信部21N、第2の通信部21P等を備え、これらはインターフェース21Dおよびバス21Cを介してCPU21Aおよびメモリ21Bに接続されている。また、車両センサ21Hは、当該駐車券発行機21が設置された入場車路20A(図2参照)に埋設された第1の入口ループコイル23A、および、第2の入口ループコイル23Bにそれぞれ接続されている。更に、第1の通信部21AはLAN100に接続され、第2の通信部21Pは当該駐車券発行機21が設置された入場車路20Aに配置された入口撮像装置25に接続され、I/O信号端子21Jは当該駐車券発行機21が設置された入場車路20Aに配置された入口ゲート開閉機22に接続されている。
【0038】
(出口精算機31・事前精算機60の構成)
図5は出口精算機31および事前精算機60の構造を示している。図5に示すように、出口精算機31は、CPU31Aおよびメモリ31Bを有し、これらはバス31Cを介して相互に接続されている。更に、出口精算機31は、カードリーダ/ライタ31E、表示器31F、設定器31G、車両センサ31H、I/O信号端子31J(入出力端子)、取消釦31K、領収証発行釦31L、インターホン31M、領収証プリンタ31N、コインセレクタ31P、硬貨払い出し装置31Q、紙幣リーダ31R、スピーカ31S、ドア開センサ31T、第1の通信部31U、第2の通信部等を備え、これらはインターフェース31Dおよびバス31Cを介してCPU31Aおよびメモリ31Bに接続されている。
【0039】
また、上記の車両センサ31Hは、当該出口精算機31が設置された出場車路30Aに埋設されている第1の出口ループコイル33Aおよび第2の出口ループコイル33Bにそれぞれ接続されている。更に、第1の通信部31UはLANに接続され、第2の通信部31Vは当該出口精算機31が設置された出場車路30Aに配置された出口撮像装置35に接続され、I/O信号端子31Jは当該出口精算機31が設置された出場車路30Aに配置された出口ゲート開閉機32に接続されている。
【0040】
一方、事前精算機60は、出口精算機31と類似する構成を有する。すなわち、事前精算機60は、図5に示す出口精算機31が有する構成要素のうち、車両センサ31H、I/O信号端子31Jおよび第2の通信部31Vから成る専用要素EX以外の構成要素を備え、更に、精算開始釦60Gおよび人感センサ60Sを備えている。
【0041】
(駐車スペース撮像用カメラ51の構成)
図6は駐車スペース撮像用カメラ51の構造を示している。図6に示すように、駐車スペース撮像用カメラ51は、CPU51Aおよびメモリ51Bを有し、これらはバス51Cを介して相互に接続されている。更に、駐車スペース撮像用カメラ51は、撮像部51E、パン・チルト・ズーム駆動部51F、パン・チルト・ズーム検出部51G、画像送信部51H、データ送受信部51Jを備え、これらはインターフェース51Dおよびバス51Cを介してCPU51Aおよびメモリ51Bに接続されている。また、上記の画像送信部51Hとデータ送受信部51JはLAN100に接続され、当該駐車スペース撮像用カメラ51の画像と情報を前述した管理PC41との間で送受信できるようにネットワーク構成が成されている。
【0042】
図3は駐車場10の平面図を示している。図3(A)は地上一階であり、図2で示した入場車路20Aと出場車路30Aと管理室40を含み、更に駐車エリアCEには多数の駐車スペースTS…が区画され、個々の駐車スペースTS…には各々アドレス(A1、A2…)が割り振られている。また各駐車スペースTS…には、図2で示した駐車位置センサ50…が夫々駐車スペースTS…の数だけ設置されており、駐車スペースTS…に進入して駐車する車両CRを即座に検出できるようになっている。この駐車位置センサ50は超音波式のセンサが各フロアの天井から吊り下げられて設置されているが、赤外線式のセンサであっても良い。
【0043】
また、図3では駐車エリアCEの通路の要所毎にカメラ51…が設置されているが、各々が前記図6で示した駐車スペース撮像用カメラ51であり、図では1フロアーに4台設置され、図示しないネットワークを介して管理PC41に接続されている。
【0044】
図3(B)は地上二階(以降)のフロアの構成を示しており、地上一階と異なるのは入場車路20Aと出場車路30Aと管理室40を有しておらず、その代わりに駐車スペースTS…が多数区画されている。それ以外は図3(A)で示した地上一階の構成とほぼ同じであり、図3(A)(B)とも、更に各所に複数の事前精算機60…が配備されており、利用者が駐車した駐車車両CR(図16参照)に戻る前に料金精算処理を済ませておけば、出口車路30Aに進行した際に精算処理が不要となり、出口渋滞の様な事態を回避できる様に成っている。
【0045】
(入場・出場処理の説明)
図12は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの入場車路20Aに設けられた上記各装置の動作フローを示したものであって、先ず駐車券発行機21の動作を図2並びに図4の記載と共に説明すると、駐車券発行機21は、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号を監視している。入場車路20Aに進入した入場車両CRLが第1の入口ループコイル23A上に達すると、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号が変化する。駐車券発行機21はステップS1でこの高周波信号の変化を車両センサ21Hで検出し、入場車両CRLが入場車路20Aに進入したことを認識する。
【0046】
続いて、駐車券発行機21は、ステップS2でトリガー受付許可信号を入口撮像装置25に出力する。トリガー受付許可信号を受け取った入口撮像装置25は、トリガーセンサから出力されるトリガー信号を待つ。入場車両CRLが入口トリガーセンサの発光部24Aから受光部24Bに発せられている赤外線ビームを遮ったとき、トリガーセンサからトリガー信号が出力される。これに応じ、入口撮像装置21は入場車両CRLのナンバープレートNPを撮像し、こにより得られたナンバープレート画像に対して画像認識処理を行い、入場車両CRLの車両ナンバーを認識し、ステップS3でこの認識した車両ナンバー(車両特定情報)を駐車券発行機21に送信する。
【0047】
更に、入口撮像装置25は、認識した車両ナンバーを管理PC41に送信し、当該車両ナンバーの付された入場車両CRLが契約車(駐車場等の定期利用契約をしている利用者の車両)か否かを管理PC41に問い合わせ、管理PC41からの返答に基づいて、当該車両ナンバーの付された入場車両CRLが契約車か否かを示す認識結果情報を生成し、この認識結果情報を駐車券発行機21に送信する。駐車券発行機21は入口撮像装置25から車両ナンバーおよび認識結果情報を受信し、続いて、駐車券発行機21は、ステップS4に進んで認識結果情報に基づいて入場車両CRLが契約車であるか否かを判断する。入場車両CRLが契約車でない場合には、ステップS5に進んで駐車券発行機21は、例えば「釦を押して駐車券をお取り下さい。」などの音声ガイドをスピーカ21Lから出力し、同時に、表示器21Kに文字やアニメーションでその旨を表示出力する。
【0048】
駐車場等の定期利用契約をしていない利用者が、ステップS6で駐車券発行機21の駐車券発行釦21Fを押下すると、これがCPU21Aによって認識される。これに応じて、駐車券発行機21は、新しい駐車券CK(図8参照)を利用者に発行する。
【0049】
駐車券発行機21は、ステップS7で上記の新しい駐車券CKの発行を例えば次のように行う。すなわち、ここで用いられる図8に記載の駐車券CKは、紙製の磁気式駐車券であり、例えば表面に磁気ストライプ部STが形成された紙片により構成されている。磁気ストライプ部STには情報を符号化して記録することができ、記録した情報を消去し、書き換えることができる。
【0050】
新しい駐車券CKとして発行する前の駐車券には、磁気ストライプ部STには入場情報も出場情報も記録されていない。駐車券発行機21は、図7(1)に示すように、このような駐車券CKの磁気ストライプ部STに、IDコードや、今回の駐車場利用に係る入場情報T2、および今回の入場車両CRLの車両ナンバー等が記録される。
【0051】
また、図8に示す様に、上記の駐車券CKには、当該駐車券CKが今回の駐車場利用に係る駐車券として駐車場10で使用可能であることを視認可能に示す駐車場10の番号(駐車場No)T1、駐車場利用に係る入場情報の一部であるT2には、車両入場年月日および車両入場時分が印字されている。また、入場車両CRLの車両ナンバーは、入口撮像装置25から受け取った入場車両CRLの車両ナンバーである。なお、駐車券CKに記録する車両ナンバーT3は、入場車両CRLのナンバープレートNPに実際に記載されたすべての情報でなくてもよく、例えば4桁の一連番号だけを抽出して駐車券CKに記録してもよい。
【0052】
ステップS8で利用者が駐車券CKを駐車券発行機21から抜き取ったとき、続いて、ステップS9に進んで駐車券発行機21は入口ゲート開閉機22にゲート開信号を出力し、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Tを上げる。続いて、入場車両CRLは、入場車路20Aを駐車場エリアCEに向けて通過する間、まず第2の入口ループコイル23B上に達し、次に第2の入口ループコイル23B上から離れる。駐車券発行機21は、この間において第2の入口ループコイル23Bから出力される高周波信号の変化を検出し、ステップS10で入場車両CRLが入場車路20Aを通過し切ったことを認識する。
【0053】
続いて、駐車券発行機21は、ステップS11で入口ゲート開閉機22にゲート閉信号を出力し、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Tを下げる。次いで、駐車券発行機21は、ステップS12で入口撮像装置25にトリガー受付禁止信号を出力すると共に、今回発行した駐車券CKの番号、今回の駐車場利用に係る車両入場年月日、車両入場時分、車両ナンバー等を管理PC41に送信する。そして、これらの情報は必要に応じて管理PC41から出口精算機31、事前精算機60等に配信される。
【0054】
なお、入場車両CRLが契約車である場合には、駐車券発行機21は駐車券CKを発行せず、直ちに入口ゲート開閉機22を制御してゲートバー22Tを上げる。また、利用者がステップS6で駐車券発行釦を押下せずに、ステップS13で定期券を駐車券発行機21に挿入した場合には、駐車券発行機21はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を駐車券発行機21の挿入口(図示せず)へ返却し、その定期券を利用者が抜取ったのを検出してからゲートバー22Tを上げる。
【0055】
定期券は駐車場等の定期利用契約をした利用者に渡されるものであり、このような利用者の入場車両CRLは契約車として直ちに入場が許されるのであるが、ナンバープレートNPの撮像が違法なナンバー目隠しフィルタの装着などでうまくいかなかった場合や、契約後初めて入場する場合などの例外的な場合には、利用者は定期券を駐車券発行機21に挿入し、返却を受けてから入場する。
【0056】
図13は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの出場車路30Aにおける動作フローを示したものであって、先ず駐車券CKを利用して駐車料金の精算を行う場合における出口精算機31の動作について図2並びに図5の記載と共に説明すると、出口精算機31は、ステップS21で第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号を監視している。出場車路30Aに進入した出場車両CRTが第1の出口ループコイル33A上に達すると、第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号が変化する。出口精算機31はこの高周波信号の変化を車両センサ31Hにより検出し、出場車両CRTが出場車路30Aに進入したことを認識する。
【0057】
続いて、出口精算機31は、ステップS22でトリガー受付許可信号を出口撮像装置35に出力する。トリガー受付許可信号を受け取った出口撮像装置35は、入口撮像装置25と同様の動作を行って出場車両CRTのナンバープレートNPを撮像し、これにより得られたナンバープレート画像に対して画像認識処理を行い、出場車両CRTの車両ナンバーを認識し、この認識した車両ナンバーをステップS23で出口精算機31に出力する。更に、出口撮像装置31は、認識した車両ナンバーを管理PC41に送信し、ステップS24で当該車両ナンバーの付された出場車両CRTが、契約車(定期車)か、又は、事前精算機60により精算済みの車両(以下、これを「精算済み一般車」という。)か、又は、契約車でも精算済み一般車でもない車両(以下、これを「未精算一般車」という。)か等を管理PC41に問い合わせる。
【0058】
そして、出口撮像装置31は、管理PC41からの返答に基づいて、当該車両ナンバーの付された出場車両CRTが契約車か、精算済み一般車両か、未精算一般車かを示す認識結果情報を生成し、この認識結果情報を出口精算機31に送信する。出口精算機31は出口撮像装置35から車両ナンバーおよび認識結果情報を受信し、続いて、出口精算機31は、認識結果情報に基づいて出場車両が契約車か、精算済み一般車両か、未精算一般車かを判断する。出場車両CRTが未精算一般車である場合には、出口精算機31は、次のステップS25で例えば「駐車券を入れて精算して下さい」などの音声ガイドをスピーカ31Sから出力し、同時に表示器31Fに文字やアニメーションでその旨を表示出力する。
【0059】
一方、出場車両CRTが未精算一般車であると判断された場合、利用者は、ステップS26で今回の駐車場利用に係る駐車券CKを出口精算機31の挿入口31Z(図11参照)に挿入し、出口精算機31はこの駐車券CKを受け取り、当該駐車券CKを受け取った出口精算機31は、ステップS28で駐車料金の精算処理を行う。具体的には、出口精算機31は、当該駐車券CKの磁気ストライプ部STに記録された車両入場年月日および車両入場時分を読み取り、これらを現在時刻と比較して駐車時間を算出し、予め設定された料金体系に従って駐車料金を算出し、その駐車料金の支払いを利用者に要求し、利用者からこの駐車料金の支払いを受ける。
【0060】
続いて、ステップS29に進んで、出口精算機31は出口ゲート開閉機32にゲート開信号を出力し、出口ゲート開閉機32Tのゲートバーを上げる。続いて、出場車両CRTは、出場車路30Aを駐車場外に向けて通過する間、まず第2の出口ループコイル33B上に達し、次に第2の出口ループコイル33B上から離れる。出口精算機31は、この間において次のステップS30に進んで、第2の出口ループコイル33Bから出力される高周波信号の変化を検出し、出場車両CRTが出場車路30Aを通過し切ったことを認識する。
【0061】
続いて、次のステップS31に進んで、出口精算機31は、出口ゲート開閉機32にゲート閉信号を出力し、出口ゲート開閉機32のゲートバー32Tを下げる。続いて、出口精算機31は、ステップS32で出口撮像装置35にトリガー受付禁止信号を出力すると共に、今回精算した駐車券の番号、今回の駐車場利用に係る精算年月日、精算時分、車両ナンバー等を管理PC41に送信する。管理PC41は、今回精算した駐車券番号を、出場済み駐車券番号として管理PC41またはサーバ42等に登録する。また、出場済み駐車券番号を出口精算機31及び事前精算機60に送信して、保持させてもよい。
【0062】
尚、ステップS24で出場車両CRTが契約車であると判断された場合には、出口精算機31は精算処理を行わずにステップS29に進んで、直ちに出口ゲート開閉機32を制御してゲートバー32Tを上げる。また、出場車両CRTが、事前精算機60により精算済みの車両である精算済み一般車であると判断された場合には、出口精算機31は、同様にステップS29に進んで精算処理を行わずに直ちに出口ゲート開閉機32を制御してゲートバー32Tを上げる。
【0063】
もっとも、ナンバープレートNPの撮影がうまくいかなかった場合など例外的な場合には、事前精算機60により精算を済ませたにもかかわらず、出口精算機31が利用者に図8に記載の駐車券CKの挿入を要求することがある。この場合には、利用者は、事前精算機60により精算を済ませて返却された駐車券CKを、出口精算機31に挿入する。出口精算機31は、当該駐車券CKを受け取り、当該駐車券CKの磁気ストライプ部STに記録されているIDコードが、精算済みを示すIDコードであり、当該駐車券CKの磁気ストライプ部STに記録されている駐車場番号が当該駐車場の駐車場番号と同一であり、かつ、当該駐車券の磁気ストライプ部に記録されている駐車券番号が、出場済み駐車券番号として登録されていない場合には、当該駐車券CKは適正に精算が済んでいると判断し、当該駐車券CKを利用者に返却してからゲートバー32Tを上げる。
【0064】
また、ステップS33で利用者が定期券を出口精算機31に挿入した場合には、出口精算機31はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を出口精算機31の挿入口31Zへ返却し、ステップS28でその定期券を利用者が抜取ったのを検出してからゲートバー32Tを上げる。定期券は駐車場等の定期利用契約をした利用者に渡されるものであり、このような利用者の車両は契約車として直ちに出場が許されるのであるが、ナンバープレートNPの撮像が違法なナンバー目隠しフィルタの装着などでうまくいかなかった場合などの例外的な場合には、利用者は定期券を出口精算機31に挿入し、返却を受けてから出場する。
【0065】
(事前精算機60の精算処理)
図14に示すステップS41で事前精算機60の人感センサ60S(図5参照)が利用者の接近を検知したとき、またはステップS42で利用者が図5に示す精算開始釦60Gを押下したとき、事前精算機60は、ステップS43で利用者に駐車券CKの挿入を案内し、その後は出口精算機31の処理と同様の処理を行う。すなわち、事前精算機60は、IDコードを入場情報から出場情報への書換え、その他に入場年月日、時分情報を精算年月日、時分情報に書き換える。事前精算機60から利用者に返却された駐車券CKの磁気ストライプ部STには、図7(2)に示す各種の情報が記録されている。また、精算処理が完了した後、事前精算機60は、今回精算した駐車券CKの番号、今回の駐車場利用に係る精算年月日、精算時分、車両ナンバー等を管理PC41に送信する。なお、事前精算機60は通常は定期券の受付は行わない。また、事前精算機60は、上記図14に示したステップS41〜S61の処理を行うが、その料金精算処理についての詳細な説明は、前述の出口精算機31の精算動作と同様であるため、省略する。
【0066】
(駐車スペース撮像用カメラ51の処理)
次に、図2ならびに図6の記載に従って、駐車スペース撮像用カメラ51の動作を説明すると、図2において各駐車スペースCE…のフロアーの天井より吊り下げられた超音波式センサ50…が、ほぼリアルタイムに駐車スペースCEへの駐車車両CRの出入りの有無を感知でき、その状態を管理室40の管理PC41に逐次送信しているが、駐車場10に入場した入場車両CRLが、例えば図3Bに示した2階の「A3」で示した駐車スペースCEに進入して駐車したとすると、その駐車スペースCEの上方に設置された超音波式センサ50が車両在りの検知信号を出力し、その情報はすぐさま管理PC41で検出される。
【0067】
管理PC41は2階の「A3」の駐車スペースCEをカバーすることが出来るカメラ(この場合は2階のカメラ51−1)に、当該駐車スペースCEを撮像する様指令を発信する。この状態は、まず図16(1)で示した様な画角で画像がカメラ51−1によって得られるが、まだ画像の撮像と送信はおこなわれていない。カメラ51−1は図6に示したデータ送受信部51Jで管理PC41の指令を受信し、撮像すべき画角を予め「A3」の駐車スペースCEの場合としてメモリ51Bに設定してある条件から決定して、当該駐車スペース「A3」の位置に向けて自身のパン・チルト・ズーム駆動部51Fを動作させ、自身のパン・チルト・ズーム検出部51Gの出力する位相データ(各回動部の位相角度)を検出しながら、前記駆動部51Fを駆動制御して、「A3」の位置の駐車車両CRの前面(通路RH側の面)に画角とフォーカスを合わせる。そこで得られた画像をキャプチャー(画面をデジタル情報に変換)し、画像送信部51Hより2階の「A3」のアドレスの画像である情報を付与して管理PC41に送信する。この際の画像を図16(2)に示す。なお、この動作は昨今の360度全周囲カメラと言われる様なタイプのカメラであれば、実施が可能である。
【0068】
(管理PC41の処理)
上記の管理PC41はその画像を受信して画像DBに記録する。また、管理PC41はその画像に含まれるナンバープレートNPの情報を読み取り(ナンバープレートパターンを切り出し、内部の各文字を抽出し、更に各文字を認識する)、ナンバープレート文字情報を生成する。生成したナンバー文字情報で、在車DBを検索し、該当する駐車車両CR(同じナンバー文字情報の車両)を選定する。
【0069】
すでに在車DBに記録されていたその車両の情報に加えて、前記の駐車位置情報(2階のA3)を在車DBに追記する。これにより、各駐車車両CR…の入場時刻、駐車券番号、ナンバープレート文字情報、駐車スペースの位置情報(以下位置情報と言う)などが紐付けされることになる。
【0070】
図17に本発明の実施例の在車DBに記録された在車テーブルの一例を示す。図17(1)は駐車車両CRが入場した時点で新規の駐車券Noの駐車車両CRのデータ「駐車券No12345;駐車場No01…」等が在車テーブルに追記され、その中には前述のとおりナンバープレート文字情報も含まれているが、稀にそのナンバープレート文字情報のうちの一部が判読不可能である場合もある。その様な場合には*(アスタリスク)マークを付与しておいたり、若しくは誤判読したまま記録されることも稀にある。
【0071】
また、図17(2)は駐車スペースCEに駐車車両CRが進入して駐車した時点の在車テーブルの更新状態であり、前述の通り駐車した車両の駐車位置センサの応答によってその駐車スペースCEの画像をズームアップして撮像し、その画像が管理PC41に送信され、管理PC41でナンバープレートNPを再度判読し、ナンバー文字情報が合致する(若しくは判読不可能以外が合致する)在車テーブルの駐車位置情報に、駐車位置センサ50の応答したアドレス(駐車位置センサ50毎に駐車スペースTSと同じアドレスが割り振られている)を駐車位置情報に記録する。同時に、ナンバー文字情報の判読不可部分を含めて、ナンバー文字情報を自動更新(上書き)する。
【0072】
(事前精算機60の処理)
利用者が駐車場10のどこかの駐車位置(駐車スペースTS)に駐車車両CRを停めて、用を足してから駐車場10に戻った際に、どこに駐車いていたのかが判らなくなることがあるが、本発明の実施例ではこれを対策するために、利用者に事前精算機60で精算した際に、若しくは精算の有無に関わらず、駐車位置情報の案内をする機能を事前精算機60において実現している。図10は本発明の実施例に係る駐車場管理システムで使用する事前精算機60の一実施例を示した概観図である。尚、利用者に対して、前記図12のフローチャートのステップS7で発行された駐車券CKは、例えば図8(1)の状態である。
【0073】
図10に示した事前精算機60において、60Aは案内画面、60Bは操作パネル、60Cは駐車券CK(図8参照)の挿入口/取出口、60Eは紙幣挿入/払出口のシャッター、60Fは硬貨投入口、60Gは精算開始釦、60Hは領収証釦、60Iは係員呼出釦、60Jは釣銭/領収証取出口、60Kは精算取消釦を示す。
【0074】
本発明の第1の実施例では、上記図8の(1)に示した駐車券CKを利用者が駐車場10内若しくは近傍に設置された事前精算機60に挿入して駐車料金を精算すると、図8(2)の状態となり、駐車券CKに精算時印字文字TZが印字されるが、その中に駐車位置情報THを含めることで、利用者に駐車位置を知らせることが出来る。図8(2)では、「2−A3」が「2階のA3」のアドレスという意味で、利用者はこれを保持して自分の車両の駐車位置を容易に探すことが出来る。なお、駐車券CKの下半分の余白部か、若しくは駐車券CKの裏面等には、この表示内容に関する解説、意味などが予め印刷文字で表示されていることが望ましい。
【0075】
本発明の第2の実施例では、前記の駐車券CKを事前精算機60に挿入する際、その案内を図11A,Bの(1)〜(4)に示す様に、事前精算機60の表示画面60A上に表示することで、利用者に駐車位置を知らせることが出来る。図11A(1)では、駐車券CKを入れる前の待機画面61Aの状態を示したものであるが、図10で示した事前精算機60の前面に設けた精算開始釦60Gを押下した時の状態か、若しくは事前精算機60の前面に設けた人感センサ60S(図5参照)が人を感知した状態のときの画面を示している。ここで画面右側の操作ボタンエリアSWTには、駐車位置検索とナンバー入力精算の各キーSW1,SW2が画面上で表示され、この位置を押下(タッチ)することで次の表示画面に移行するタッチパネル式表示装置が搭載されている。
【0076】
利用者が駐車位置検索キーSW1を押下した場合、画面60Aは図11A(2)の画面61Bに移行し、テンキーTKとその他のキーSW3が表示され、上部には入力したナンバーの数値NBが表示される。この画面で図のようにテンキーTKで「4249」を入力すると、図のように上部にも4249の数値NBが表示され、OKキーB1を押下すると次の画面に移行する。
【0077】
図11B(3)の画面61Cは、その時点で駐車場10内に駐車中の「4249」の車両CRのナンバー情報を表示している。これは利用者が車両ナンバーを確定した段階で、事前精算機60は管理PC41の在車DBにアクセスし、当該ナンバーの車両CRの情報を入手する。この様に複数の同一の一連番号(4桁ナンバー)の車両が複数存在した場合には、その中から利用者の車両のナンバーを見つけ出し、その番号の部分を押下し、OKキーC1を押下すれば、また次の画面に移行するが、表示数が多い場合には次キーC2、前キーC3の押下で画面を複数ページに渡って表示することも可能である。
【0078】
図11B(4)の画面61Dには、利用者が選択したナンバーの車両CRの、駐車位置K1、ナンバー情報K2、入場時刻K3と、精算した場合(後述)は精算時刻K4が表示されるが、これ等の表示は、OKキーD1の押下で初期の図11A(1)画面に戻り、印刷キーD2の押下では後述する印刷へと移行する。また、図11A(1)でナンバー入力精算を選択してキーSW2を押下した場合には、図11A(2)〜図11B(3)と画面が移行し、次いでに駐車料金が表示されてその料金を支払うと、その後に図11B(4)の画面に移行する。この状態は駐車券CKを用いずに精算することを意味し、利用者が駐車券CKを駐車車両CRの中に置き忘れてしまっても、駐車車両CRに戻らずに先に事前精算が可能で、なおかつ駐車車両CRの駐車位置を表示することで、利用者が駐車車両CRの駐車位置に速やかにたどり着くことを可能としており、駐車券CKが無いままで事前精算が出来るという利便性は、本発明の別の特徴といえる。
【0079】
なお、本発明の第1の実施例の手順で図11A(1)の画面61Aで利用者が駐車券CKを挿入した場合には、駐車券CKから読み取った駐車券番号によって事前精算機60は管理PC41に照会して在車DBを検索し、該当する駐車券番号の在車情報をすぐさま得ることが出来る。よって、その入場時刻から精算料金を算出し、利用者が精算を終えるとその後図11B(4)の画面に移行させても良い。
【0080】
更に第3の実施例として、図11B(4)に記載の印刷キーD2を押下した場合、図9(1)に示す領収証UTを発行する機能を有している。この領収証UTには、下部に駐車位置情報として「駐車位置2−A3」の印字PSがあり、この領収証UTを持っていれば利用者が駐車位置の表示内容を忘れてしまい、再度事前精算機60に戻るようなことが回避できる。なお、ここで表示する駐車位置は絶対表示と称して、駐車場10の配置図などから、どこにそのアドレスの駐車位置があるかが解る様になっており、更に駐車場内の柱や路面にも、区画(A,B,C…)や各駐車位置の数字(1,2,3…)がペイントされていたり掲示されたりしている。
【0081】
ここまでの事前精算機60の動作を、図14のフローチャートにおいて示している。加えて、第4の実施例として、本発明の事前精算機60は図9(2)に示すような領収証UEを発行する機能を有している。この機能は予め設定して図9(1)の表示か(2)の表示にするかを選択すればよいが、利用者に選択できるような選択ボタン(タッチパネル上の選択キー)を設けても良い。図9(2)では駐車位置情報として、「2−A3」,若しくは「2階A区画3番」といった絶対位置表示PTで示すだけではなく、その下側に表示した様な、「2番エレベータで2階へ上り、左折して左側6番目の駐車スペースです」という相対位置表示PXを行うことで、更に利用者に気配りをした表示が可能となっている。
【0082】
この相対位置表示PXは、今事前精算した時の事前精算機60が、図3(A)の2番エレベータの前の事前精算機60で精算もしくは前述の駐車位置検索をした場合であり、当該事前精算機60はその設置位置情報を個々にメモリに記憶されており、駐車位置が決定した際には、当該事前精算機60から駐車位置までの最短経路もしくは推奨する経路を相対位置表示PXとして割り出す機能を有している。これを領収証UFにプリントし、利用者が当該事前精算機60の設置された位置から駐車位置までの経路を丁寧に示しているものである。
【0083】
図15には上記相対位置情報の生成のサブルーチンフローチャートを示している。相対位置情報生成動作はまずステップS71で絶対位置情報(2−A3など)を在車テーブルから抽出し、次のステップS72でこの操作が行われている事前精算機60の設置位置(現在位置)情報を、事前精算機60のメモリから抽出し、次いでステップS73でまず同フロアかどうかを判定し、異なるフロアである場合には、ステップS74に進んで最も近い昇降手段情報を別途記憶された駐車場レイアウトDB(設定DB)から抽出し、その後、ステップS75に進んでその昇降手段に対応するコメントを生成して一時記録する。
【0084】
この場合、最も近い2番エレベータ(図3A・BのエレベータNo.2)で、目的とする2階フロアへ上がるという情報が生成され、更に案内用の文言として「2番エレベータで2階へ上がり」までが生成され、このコメントがメモリに一時記録される。次は、ステップS76で同フロアと同じ条件となるが、最も近い方向転換部の情報が前記駐車場レイアウトDBより抽出されるが、この場合はすぐに左折する曲がり角があることが抽出される。次に、ステップS77に進んで案内用の文言として「左折して」が生成されて、このコメントがメモリに一時記録される。
【0085】
その次に、ステップS78に進んで、すでに絶対位置で示した駐車位置と同列若しくは別途設定した同一ブロックであれば、ステップS79に進んで駐車位置方向の抽出に移行するが、未だ同列などでなければ、ステップS76に戻って、再度最も近い方向転換部の情報を抽出してそのコメントを生成して一時記憶する。例えば、「突き当たりを右に」などが生成される。
【0086】
同列まで達していれば、ステップS80で駐車位置方向のコメントを一時記録し、後はステップS81で目的とする駐車位置までの距離として、何番目の駐車スペースかという情報で利用者に提供すればよい。この際のコメントもステップS82で「6番目」が生成されて、一時記録される。
【0087】
最終的には、ステップS83でこれらの一時記録された生成コメントを生成順に並べ、最後に定型の文言として「〜の駐車スペースです。」を追加して、全コメントを生成し、元のフローに戻る。
【0088】
この相対位置表示にあたっては、文字表示数が多いため、必然的に小さい文字表示にならざるを得ないことに鑑み、本発明では更に駐車位置情報をQRコードで表示し、図10(4)の案内画面60Dの一部にこのQRコードを表示させ、利用者が保持する携帯電話のQRコード読み取り機能によって利用者に提示する手段も追加出来るように考慮され、QRコード生成部を事前精算機60のCPU内に設けている。
【0089】
なお、事前精算機60の設置位置情報を管理PC41に記憶しておき、各事前精算機60に配信したり、事前精算機60での駐車位置検索動作の過程で、その都度管理PC41から自位置の情報を受信するような方法も可能である。更に、管理PC41において前述の相対位置表示の文言まで生成して事前精算機60に送信することも可能である。もちろん、この相対位置表示を事前精算機60の画面60Aで表示しても良いし、駐車券CKに印字して示すことも本発明の技術に含まれることは言うまでも無い。
【0090】
以上の様にして従来より利用されてきた事前精算機60とその領収証UT,UEのプリント機能を利用して、駐車位置案内システムが実現できることが本発明の最もメリットとなる事柄であり、別途表示装置を設けたり、プリンターを設ける必要が無いため、この様な大規模駐車場における案内システムにしては安価に構成することが可能となる。
【0091】
なお、本発明の実施例で説明した駐車場管理機器の構成は一例であり、特に事前精算機60はセントラルペイシステムとして利用者が車両に乗らずに精算できる機器であればよく、出口精算機31に変えて出口通過機(ラグタイムリーダ)を使用したり、有人の出口レジシステムなどと組み合わせての利用も考えれられる。
【0092】
いずれにせよ上記に述べた本発明の実施形態は本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限りこれらの態様に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明に係る駐車場管理システムの技術は、大規模なショッピングモールの駐車場や、空港に隣接した駐車場や、複数階に渡って駐車場フロアが設置されている駐車場の監視システムとして利用されることが見込まれるものである。
【符号の説明】
【0094】
10 駐車場
21 駐車券発行機
31 出口精算機
25,31 (入口・出口)撮像装置
CE 駐車エリア
TS 駐車スペース
CR 駐車車両
CRL 入場車両
CRT 出場車両
41 管理PC
50 駐車位置センサ
51 駐車スペース撮像用カメラ
60 事前精算機
【技術分野】
【0001】
本発明は、大規模な駐車場で、利用者に駐車スペースの位置を案内するための技術に関するものであって、具体的には、多数の駐車スペースを有する大規模駐車場において、利用者が駐車スペースの位置を失念してしまった場合でも、簡単な操作で駐車スペース情報を提供できるように工夫した駐車場管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
大規模な駐車場において、利用者が自分の車を駐車させた駐車スペースの位置を失念してしまう場合があるが、この様な場合でも、容易に駐車スペースを確認することを可能にしたシステムとして、従来より、以下の如き各種方式のものが存在する。
【0003】
例えば特許文献1には、媒体への記録方式として、大規模な駐車場で利用者が駐車位置に戻るときに駐車位置まで迷わず容易に到着できるように、駐車位置データが書き込まれた非接触ICカードをゲートに設けられた非接触ICカード検知部に検知させて、表示用矢印による指示音声による誘導によって、駐車位置まで利用者を誘導する駐車位置案内システムが開示されている。
【0004】
また、例えば特許文献2では同様の課題に対して、上記媒体への記録方式として、駐車券に自車情報記憶手段と自車情報案内手段と駐車情報受信手段を備え、駐車券発行時刻記録手段は駐車券を発行した時刻を自車情報記憶手段及び駐車情報記憶装置に記録し、駐車位置判定手段は、車両検出手段から送られてくるデータを用いて、駐車場に入場した車両がどの駐車領域に駐車したか判定して、結果を駐車情報記憶手段に記録し、駐車情報記憶手段の内容は規定されたタイミングで駐車情報送信手段によって駐車情報受信手段に送られ、駐車情報受信手段は自車情報記憶手段に駐車位置情報を記録し、自車情報記憶手段の内容は自車情報案内手段によって確認することができるように構成した駐車位置確認装置が開示されている。
【0005】
また、例えば特許文献3では同様の課題に対して、ナンバープレー認識方式として、駐車場の入口ゲートには撮像装置が設けられ、この撮像装置により車両のナンバープレートの車番が撮像され、その車番が駐車券発行装置の発行する駐車券に記録される。駐車場内には撮像装置が設けられ、これらの撮像装置が車両のナンバープレートから車番を識別し、車両がどのブロックに駐車されたかを確認する。その後、駐車場へ戻って来た運転者が自車位置確認装置に駐車券を挿入すると、撮像装置で確認された結果に基づき車両の位置が表示されるように構成した、確認装置が開示されている。
【0006】
また、例えば特許文献4では同様の課題に対して、画像追尾方式として、駐車フロアを撮像カメラによって撮像し、この駐車場画像を画像処理装置で所定時間毎に取り込むと共に画像処理して移動中の車両を検知し、検知された前記車両の位置情報に基づいて、その位置に対応した位置を管理コンピュータの駐車場マップ上に登録し、駐車場マップを前記所定時間毎に更新しながら車両の位置をトラッキングして、駐車位置及び空車位置を管理する技術が開示されている。
【0007】
また、例えば特許文献5では同様の課題に対して、駐車券に印字する方式として、空車区画を分かりやすく案内して効率よい入庫を行い、出庫に際して駐車位置を見失うことのない駐車管理システムを提供するために、駐車区画数に対応する数のセンサを備えて入出庫車を検出し、検出信号をI/Fを介してコンピュータに入力して解析し、電光掲示板等の表示装置に満車又は空車の表示、空車の場合は空き車庫の番号も表示し、更に、発券機により階ごとの空き車庫の番号を印字した駐車整理券を発券するか、又は、空き車庫にマークを付した駐車場案内図を記載した駐車整理券を発券するように構成した技術が開示されている。
【0008】
更に、例えば特許文献6では同様の課題に対して、駐車位置表示する方式として、駐車場内での車両を特定し、駐車位置を認識するため、駐車場に駐車される車両の位置を認識する駐車位置認識装置に、駐車場内に設置されてナンバープレートから進入車両を特定する車両特定装置と駐車場のフロアを周期的に撮像する撮像カメラとが設けられ、トラッキング認識装置は撮像カメラの撮像を基に、車両をほぼ平面的形状にパターン化して車両パターンの特徴を抽出しかつその移動経路を追跡し、新たな撮像の位置と前の撮像の位置とが一致する場合にその車両の位置を駐車位置として認識し、車両・駐車位置照合装置は、車両特定装置の位置で認識された車両パターン特徴と駐車位置で認識された車両パターン特徴とが一致するものを検索し、駐車位置とナンバープレートとを照合して特定車両の駐車位置を求めるというものであり、外部からナンバープレート情報の入力を基に、これに対応する車両の駐車位置を求め、その駐車位置を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−216297号公報
【特許文献2】特開平10−116399号公報
【特許文献3】特開2000−56493号公報
【特許文献4】特開平4−290199号公報
【特許文献5】特開平10−124581号公報
【特許文献6】特開平8−96297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、前記特許文献1に記載の駐車位置案内システムには、高価な非接触ICカードを利用しているため、初期導入費用やランニングコストも高くなるといった問題があり、また、前記特許文献2に記載の駐車位置確認装置には、非接触ICカードよりも更に高価な電池駆動式の通信機能とデータ記憶機能を持った端末であり、券媒体としての安価な駐車券では実現できないといった問題点を備えていた。
【0011】
更に、前記特許文献3に記載の自車位置確認装置には、自車位置確認装置が必要でコストアップは避けられず、表示方法としてもブロック毎の駐車位置のみの表示のため詳細な駐車位置は利用者が自分で探さなければならず、利用者にとって利便性の良いシステムとは言い難いといった問題点があり、また、前記特許文献4に記載の管理装置には、駐車場全体画像で車両の移動を追尾して車両の実駐車時間を計測する技術であり、大規模駐車場で利用者が駐車した場所を見つけ出すのを補助するといった技術に関するものではないといった問題点を有し、また、前記特許文献5に記載の駐車場管理システムでは、必ずしも利用者が推奨された空き車庫に駐車するとは限らないし、複数の空きの場合にはその何れかに駐車したのかを後で失念するという問題点の解消には至っていないといった問題を有していた。
【0012】
また、前記特許文献6に記載の駐車位置認識装置には、利用者に必ずナンバープレートの入力を求めるという煩雑さがある。更に、駐車位置を表示して音声案内しても、利用者が駐車位置にたどり着くまでにまた忘れてしまうこともあり、利用者にとって完全に利便性を向上させた発明とは言い難い。また、多目的ターミナルや空きスペース表示板を設けることで、管理機器全体のコストが上昇してしまうという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1) 上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項1に係る駐車場管理システムは、駐車場入口で入場する車両に入場時刻を記録した駐車券を発行する駐車券発行機と、駐車場入口で車両のナンバーを撮像するシステムと、駐車スペースに駐車した車両のナンバーを撮像するカメラと、駐車場内や駐車場の近隣で駐車料金の精算が可能な事前精算機と、駐車場入口の車両のナンバーの画像と駐車スペースに駐車した車両のナンバーの画像を少なくとも一時的に保管するサーバと、車両のナンバー画像からナンバー情報を読み取るナンバー読み取りシステムとを有する駐車場管理システムであって、
前記ナンバー情報に紐付けして駐車スペースの各々の駐車位置情報を記録し、前記事前精算機で駐車車両を特定する情報の入力とともに、駐車位置情報出力要求があった場合に、前記駐車位置情報を出力する駐車位置情報出力手段を有することを特徴としている。
【0014】
(2) また、本発明の請求項2に係る駐車場管理システムは、前記(1)の駐車場管理システムおいて、前記駐車車両を特定する情報の入力および駐車位置情報出力要求は、利用者が前記事前精算機のキー入力装置からの車両ナンバー情報の入力、若しくは、前記駐車券発行機が発行した駐車券の読み込み、のいずれかに続く駐車位置情報出力要求入力によって行われ、前記駐車位置情報出力手段は、前記事前精算機の表示画面に表示された駐車位置を示す情報の表示出力か、または/及び、前記事前精算機に読み込まれた駐車券への駐車位置を示す情報の印字出力か、または/及び、前記事前精算機のレシートプリンタによる駐車位置を示す情報の印字出力であることを特徴としている。
【0015】
(3) また、本発明の請求項3に係る駐車場管理システムは、前記(1)または(2)に記載の駐車場管理システムおいて、前記事前精算機若しくは管理PCに各々の事前精算機の個々の位置情報登録手段を有し、前記駐車位置情報出力手段による出力情報には駐車位置の絶対位置情報か、または/及び、当該操作を実行した事前精算機からの相対位置情報を出力することを特徴としている。
【0016】
(4) また、本発明の請求項4に係る駐車場管理システムは、前記(1)ないし(3)の駐車場管理システムおいて、前記事前精算機の個々の位置情報は、駐車場内のエレベータや階段や出入り口等の設備情報との位置関係も含まれ、前記相対位置情報は、駐車場内の移動経路に設置されたエレベータや階段や出入り口等の設備情報を経由して表すことを特徴としている。
【0017】
上記(1)から(4)で述べた請求項1〜4に係る手段によれば、多数の駐車スペースを有する大規模駐車場において、利用者が駐車車両の位置を失念してしまった場合でも、利用者に駐車位置情報を提供でき、駐車場内を徘徊して駐車車両を探すといった不都合な事態を生じさせることがなく、利用者にとって頗る利便性の高い駐車場が実現することを可能にしている。
【0018】
また、上記(2)で述べた請求項2に係る手段によれば、更にその情報を利用者に保持させることも可能であり、加えて、この様な利便性の向上するシステムを従来のシステムに対してコストアップ無しに実現することを可能にしている。
【0019】
また、上記(3)で述べた請求項3に係る手段によれば、事前精算機から駐車位置までのルートが示されるため、利用者が容易に駐車車両の位置を知ることが可能となる。
【0020】
更に、上記(4)で述べた請求項4に係る手段によれば、駐車場内の移動経路に設置されたエレベータや階段や出入り口等の設備情報を経由して表すことで、利用者に駐車車両への最短ルートの提供を簡単に示すことが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
以上述べた次第で、本発明に係る駐車場管理システムによれば、多数の駐車スペースを有する大規模駐車場において、利用者が駐車スペースの位置を失念してしまった場合でも、簡単な操作で駐車スペース情報、即ち、位置情報を提供でき、更にその情報を利用者に保持させることも可能であり、加えて、この様な利便性の向上するシステムを従来のシステムに対してコストアップ無しに実現することが出来る経済性も備えるものであって、大規模なショッピングモールの駐車場や、空港に隣接した駐車場や、複数階に渡って駐車場フロアが設置されている駐車場の管理システムとして、頗る好適なものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの大規模駐車場の概要図。
【図2】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車場の入口出口機器構成図。
【図3A】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車場の平面図。
【図3B】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車場の平面図。
【図4】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車券発行機のブロック図。
【図5】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの料金精算機のブロック図。
【図6】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車スペース撮像用カメラのブロック図。
【図7】(1)と(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車データ図。
【図8】(1)と(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車券の概観図。
【図9】(1)と(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの領収証の概観図。
【図10】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの事前精算機の概観図。
【図11A】(1)、(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの事前精算機の表示画面の説明図。
【図11B】(3)、(4)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの事前精算機の表示画面の説明図。
【図12】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの入場車路の動作フロー図。
【図13】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの出場車路の動作フロー図。
【図14】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの事前精算機の動作フロー図。
【図15】本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車位置情報生成動作フロー図。
【図16】(1)、(2)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの駐車スペース撮像用カメラの撮像した画像の説明図。
【図17】(1)、(2)、(3)は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの在車テーブルの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明に係る駐車場管理システムの実施の形態を図面と共に説明すると、図1は本発明の実施例に係る駐車場管理システムが利用される大規模駐車場の概要図である。この実施例は地上4階建ての自走式立体駐車場10であり、1階に車両の入口20と出口30が設置され、入口20には駐車券発行機21とゲート開閉機22が設置され、出場口30には出口精算機31とゲート開閉機32が設置されていて、駐車場内の数箇所(階段踊り場、各階のエレベータホール等)や、更に近隣のショッピングモールとの連絡通路11等には複数の事前精算機60…が配備されている。
【0024】
図2は本発明の一実施例に係る駐車場管理システムが実施されている駐車場10の入出口20と30および一部駐車場内部の機器構成を示す機器構成図である。図2において、本発明の実施形態による駐車場管理システムが設置された駐車場10には、駐車場10に入場する車両CRLが通過する入場車路20A、駐車場10から出場する車両CRTが通過する出場車路30A、および駐車場10内において入場車両CRL…を駐車させる複数の駐車エリアCE…が設けられている。入場車路20Aの両側にはアイランド20L,20Rがそれぞれ設けられている。出場車路20Aの両側にもアイランド30L,30Rがそれぞれ設けられている。
【0025】
更に、本発明に係る駐車場管理システムは、図2に示すように、第1の入口ループコイル23A、第2の入口ループコイル23B、発光部24Aと受光部24Bとを有する入口トリガーセンサ(図示省略)、駐車券発行機21、入口ゲート開閉機22、および入口撮像装置25を備えている。第1の入口ループコイル23Aおよび第2の入口ループコイル23Bは入場車路20Aに埋設されている。また、入口トリガーセンサの受光部24B、駐車券発行機21、入口ゲート開閉機22、および入口撮像装置25は、入場車路20Aの車両進行方向右側のアイランド20R上に、車両進行方向においてこの順番で設置されている。一方、入口トリガーセンサの発光部24Aは、入場車路20Aの車両進行方向左側のアイランド20L上において、上記の受光部24Bと対向する位置に設置されている。
【0026】
上述した第1の入口ループコイル23Aは、入場車両CRLの金属部分を検知するセンサとして機能する。入場車両CRLが第1の入口ループコイル23A上に達すると、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号が変化する。また、第1の入口ループコイル23Aはケーブル等を介して駐車券発行機21に接続されており、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号は駐車券発行機21に入力される。上述した第2の入口ループコイル23Bも第1の入口ループコイル23Aと同様の機能を有する。
【0027】
上記の駐車券発行機21は、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号の変化を検出することにより、入場車両CRLが入場車路20Aに進入したことを認識し、これに応じて駐車券CK(図8参照)の発行処理等を行う。駐車券発行機21により発行された駐車券CKを利用者が抜き取ったとき、駐車券発行機21はゲート開信号を出力する。即ち、駐車券発行機21は入口ゲート開閉機22にケーブル等を介して接続されており、駐車券発行機21から出力されたゲート開信号は入口ゲート開閉機22に入力され、入口ゲート開閉機22はゲート開信号に従って入口ゲートバー22Tを上げる。その後、入場車両CRLが入場車路20Aを進行して、入場車路20Aを通過し切ったとき、駐車券発行機21は、その旨を、第2の入口ループコイル23Bから出力される高周波信号の変化を検出することにより認識し、ゲート閉信号を入口ゲート開閉機22に出力する。これに応じ、入口ゲート開閉機22は入口ゲートバー22Tを下げる。
【0028】
また、入口撮像装置25は入口トリガーセンサ24Bおよび駐車券発行機21とそれぞれケーブル等を介して接続されている。入口撮像装置25は、駐車券発行機21からトリガー受付許可信号を受け取ってからトリガー受付禁止信号を受け取るまでの間に限り、入口トリガーセンサ24Bからトリガー信号を受信したタイミングで入場車両CRLのナンバープレートNP(図16参照)を撮像する。トリガー信号は、入口トリガーセンサの発光部24Aから受光部24Bに向けて発せられている赤外線ビームが、入場車両CRLにより遮られたときに出力される。また、入口撮像装置25は、ナンバープレートNPの撮像により得られたナンバープレート画像に対して画像認識処理を行い、入場車両CRLの車両ナンバーを認識し、この認識した車両ナンバー(車両特定情報)を駐車券発行機21に出力する。
【0029】
更に、本発明に係る駐車場管理システムは、図2に示すように、第1の出口ループコイル33A、第2の出口ループコイル33B、発光部34Aと受光部34Bとを有する出口トリガーセンサ(図示省略)、出口精算機31、出口ゲート開閉機32、および出口撮像装置35を出場車路30Aに備えている。第1の出口ループコイル33Aおよび第2の出口ループコイル33Bは出場車路30Aに埋設されている。出口トリガーセンサの受光部34B、出口精算機31、出口ゲート開閉機32、および出口撮像装置35は、出場車路30Aの車両進行方向右側のアイランド30R上に、車両進行方向においてこの順番で設置されている。また、出口トリガーセンサの発光部34Aは、出場車路30Aの車両進行方向左側のアイランド30L上において、受光部34Bと対向する位置に設置されている。
【0030】
第1の出口ループコイル33Aは、前述した第1の入口ループコイル23Aと同様な機能を有し、出口精算機31にケーブル等を介して接続されており、第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号は出口精算機31に入力される。第2の出口ループコイル33Bも第1の出口ループコイル33Aと同様の機能を有する。
【0031】
上述した出口精算機31は、第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号の変化を検出することにより、出場車両CRTが出場車路30Aに進入したことを認識し、これに応じて精算処理等を行う。精算処理が完了したとき、出口精算機32はゲート開信号を出力する。出口精算機31は出口ゲート開閉機32にケーブル等を介して接続されており、出口精算機31から出力されたゲート開信号は出口ゲート開閉機32に入力され、出口ゲート開閉機32はゲート開信号に従って出口ゲートバー32Tを上げる。その後、出場車両CRTが出場車路30Aを進行して、出場車路30Aを通過し切ったとき、出口精算機31は、その旨を、第2の出口ループコイル33Bから出力される高周波信号の変化を検出することにより認識し、ゲート閉信号を出口ゲート開閉機32に出力する。これに応じ、出口ゲート開閉機32は出口ゲートバー32Tを下げる。
【0032】
また、上記の出口撮像装置35は、出口トリガーセンサ33Bおよび出口精算機31とそれぞれケーブル等を介して接続されている。この出口撮像装置35は、出口精算機31からトリガー受付許可信号を受け取ってからトリガー受付禁止信号を受け取るまでの間に限り、出口トリガーセンサ34Bからトリガー信号を受け取ったタイミングで出場車両CRTのナンバープレートNP(図16参照)の撮像を行う。尚、トリガー信号は、上記の出口トリガーセンサの発光部34Aから受光部33Bに向けて発せられている赤外線ビームが、出場車両CRTにより遮られたときに出力される。
【0033】
次に、本発明に係る駐車場管理システムは前述した事前精算機60…を備えている。事前精算機60…は、図1に示すように駐車場10内において、例えば利用者用の通路やエレベータホール等、これから出場しようとする利用者が利用しやすい場所に複数設置されている。これから出場しようとする利用者は事前精算機60により駐車料金の精算を行うことができ、事前精算機60により精算を済ませた後は、出場時に出口精算機31により精算を行う必要がなくなる。
【0034】
また、本発明に係る駐車場管理システムは、図2に記載の如く管理用パーソナルコンピュータ(管理PC41)、サーバ42、およびデータベース43を備えている。これ等管理PC41、サーバ42およびデータベース43は、駐車場10内に設けられた管理室40内に設けられている。管理PC41は、駐車券発行機21、入口撮像装置25、出口精算機31、出口撮像装置35および各事前精算機60…と、ケーブルを介してそれぞれ接続されており、管理PC41、駐車券発行機21、入口撮像装置25、出口精算機31、出口撮像装置35および各事前精算機60…により、LAN(LocalArea Network)が形成されている。
【0035】
これにより、上記の管理PC41、駐車券発行機21、入口撮像装置25、出口精算機31、出口撮像装置35および各事前精算機60…はそれぞれ相互に情報通信を行うことができる。また、上記のデータべース43には、契約車の車両ナンバーが記憶されており、管理PC41およびサーバ42は必要に応じてデータベース43に記憶された契約車の車両ナンバーを参照することができる。更に、管理PC41またはサーバ42等には、未精算の車両CRの車両ナンバーとそれに関連する駐車情報、例えば駐車券番号・入場時刻などが記憶され、事前精算が済んだ入場車両CRLの車両ナンバー、出場済みの出場車両CRTの駐車券番号等も記憶される。
【0036】
更に、本発明の駐車場管理システムは、図2と図3に示すように、駐車エリアCEの各駐車スペースTS…(駐車ます)毎に、駐車スペースTS…の数だけ設置された多数の駐車位置センサ50…と、駐車場各フロアの要所毎に設置された複数の駐車スペース撮像カメラ51…を有しており、これらも詳細には図示しないが夫々のコントローラや専用のネットワークを介して、最終的に管理PC41、サーバ42およびデータベース43に接続されている。
【0037】
(駐車券発行機21の構成)
図4は前述した駐車券発行機21の構造を示している。図4に示すように、駐車券発行機21は、CPU21A(Central Processing Unit)およびメモリ21Bを有し、これらはバス21Cを介して相互に接続されている。更に、駐車券発行機21は、カードリーダ/ライタ21E、駐車券発行釦21F、設定器21G、車両センサ21H、I/O信号端子21J(入出力端子)、表示器21K、スピーカ21L、インターホン21M、第1の通信部21N、第2の通信部21P等を備え、これらはインターフェース21Dおよびバス21Cを介してCPU21Aおよびメモリ21Bに接続されている。また、車両センサ21Hは、当該駐車券発行機21が設置された入場車路20A(図2参照)に埋設された第1の入口ループコイル23A、および、第2の入口ループコイル23Bにそれぞれ接続されている。更に、第1の通信部21AはLAN100に接続され、第2の通信部21Pは当該駐車券発行機21が設置された入場車路20Aに配置された入口撮像装置25に接続され、I/O信号端子21Jは当該駐車券発行機21が設置された入場車路20Aに配置された入口ゲート開閉機22に接続されている。
【0038】
(出口精算機31・事前精算機60の構成)
図5は出口精算機31および事前精算機60の構造を示している。図5に示すように、出口精算機31は、CPU31Aおよびメモリ31Bを有し、これらはバス31Cを介して相互に接続されている。更に、出口精算機31は、カードリーダ/ライタ31E、表示器31F、設定器31G、車両センサ31H、I/O信号端子31J(入出力端子)、取消釦31K、領収証発行釦31L、インターホン31M、領収証プリンタ31N、コインセレクタ31P、硬貨払い出し装置31Q、紙幣リーダ31R、スピーカ31S、ドア開センサ31T、第1の通信部31U、第2の通信部等を備え、これらはインターフェース31Dおよびバス31Cを介してCPU31Aおよびメモリ31Bに接続されている。
【0039】
また、上記の車両センサ31Hは、当該出口精算機31が設置された出場車路30Aに埋設されている第1の出口ループコイル33Aおよび第2の出口ループコイル33Bにそれぞれ接続されている。更に、第1の通信部31UはLANに接続され、第2の通信部31Vは当該出口精算機31が設置された出場車路30Aに配置された出口撮像装置35に接続され、I/O信号端子31Jは当該出口精算機31が設置された出場車路30Aに配置された出口ゲート開閉機32に接続されている。
【0040】
一方、事前精算機60は、出口精算機31と類似する構成を有する。すなわち、事前精算機60は、図5に示す出口精算機31が有する構成要素のうち、車両センサ31H、I/O信号端子31Jおよび第2の通信部31Vから成る専用要素EX以外の構成要素を備え、更に、精算開始釦60Gおよび人感センサ60Sを備えている。
【0041】
(駐車スペース撮像用カメラ51の構成)
図6は駐車スペース撮像用カメラ51の構造を示している。図6に示すように、駐車スペース撮像用カメラ51は、CPU51Aおよびメモリ51Bを有し、これらはバス51Cを介して相互に接続されている。更に、駐車スペース撮像用カメラ51は、撮像部51E、パン・チルト・ズーム駆動部51F、パン・チルト・ズーム検出部51G、画像送信部51H、データ送受信部51Jを備え、これらはインターフェース51Dおよびバス51Cを介してCPU51Aおよびメモリ51Bに接続されている。また、上記の画像送信部51Hとデータ送受信部51JはLAN100に接続され、当該駐車スペース撮像用カメラ51の画像と情報を前述した管理PC41との間で送受信できるようにネットワーク構成が成されている。
【0042】
図3は駐車場10の平面図を示している。図3(A)は地上一階であり、図2で示した入場車路20Aと出場車路30Aと管理室40を含み、更に駐車エリアCEには多数の駐車スペースTS…が区画され、個々の駐車スペースTS…には各々アドレス(A1、A2…)が割り振られている。また各駐車スペースTS…には、図2で示した駐車位置センサ50…が夫々駐車スペースTS…の数だけ設置されており、駐車スペースTS…に進入して駐車する車両CRを即座に検出できるようになっている。この駐車位置センサ50は超音波式のセンサが各フロアの天井から吊り下げられて設置されているが、赤外線式のセンサであっても良い。
【0043】
また、図3では駐車エリアCEの通路の要所毎にカメラ51…が設置されているが、各々が前記図6で示した駐車スペース撮像用カメラ51であり、図では1フロアーに4台設置され、図示しないネットワークを介して管理PC41に接続されている。
【0044】
図3(B)は地上二階(以降)のフロアの構成を示しており、地上一階と異なるのは入場車路20Aと出場車路30Aと管理室40を有しておらず、その代わりに駐車スペースTS…が多数区画されている。それ以外は図3(A)で示した地上一階の構成とほぼ同じであり、図3(A)(B)とも、更に各所に複数の事前精算機60…が配備されており、利用者が駐車した駐車車両CR(図16参照)に戻る前に料金精算処理を済ませておけば、出口車路30Aに進行した際に精算処理が不要となり、出口渋滞の様な事態を回避できる様に成っている。
【0045】
(入場・出場処理の説明)
図12は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの入場車路20Aに設けられた上記各装置の動作フローを示したものであって、先ず駐車券発行機21の動作を図2並びに図4の記載と共に説明すると、駐車券発行機21は、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号を監視している。入場車路20Aに進入した入場車両CRLが第1の入口ループコイル23A上に達すると、第1の入口ループコイル23Aから出力される高周波信号が変化する。駐車券発行機21はステップS1でこの高周波信号の変化を車両センサ21Hで検出し、入場車両CRLが入場車路20Aに進入したことを認識する。
【0046】
続いて、駐車券発行機21は、ステップS2でトリガー受付許可信号を入口撮像装置25に出力する。トリガー受付許可信号を受け取った入口撮像装置25は、トリガーセンサから出力されるトリガー信号を待つ。入場車両CRLが入口トリガーセンサの発光部24Aから受光部24Bに発せられている赤外線ビームを遮ったとき、トリガーセンサからトリガー信号が出力される。これに応じ、入口撮像装置21は入場車両CRLのナンバープレートNPを撮像し、こにより得られたナンバープレート画像に対して画像認識処理を行い、入場車両CRLの車両ナンバーを認識し、ステップS3でこの認識した車両ナンバー(車両特定情報)を駐車券発行機21に送信する。
【0047】
更に、入口撮像装置25は、認識した車両ナンバーを管理PC41に送信し、当該車両ナンバーの付された入場車両CRLが契約車(駐車場等の定期利用契約をしている利用者の車両)か否かを管理PC41に問い合わせ、管理PC41からの返答に基づいて、当該車両ナンバーの付された入場車両CRLが契約車か否かを示す認識結果情報を生成し、この認識結果情報を駐車券発行機21に送信する。駐車券発行機21は入口撮像装置25から車両ナンバーおよび認識結果情報を受信し、続いて、駐車券発行機21は、ステップS4に進んで認識結果情報に基づいて入場車両CRLが契約車であるか否かを判断する。入場車両CRLが契約車でない場合には、ステップS5に進んで駐車券発行機21は、例えば「釦を押して駐車券をお取り下さい。」などの音声ガイドをスピーカ21Lから出力し、同時に、表示器21Kに文字やアニメーションでその旨を表示出力する。
【0048】
駐車場等の定期利用契約をしていない利用者が、ステップS6で駐車券発行機21の駐車券発行釦21Fを押下すると、これがCPU21Aによって認識される。これに応じて、駐車券発行機21は、新しい駐車券CK(図8参照)を利用者に発行する。
【0049】
駐車券発行機21は、ステップS7で上記の新しい駐車券CKの発行を例えば次のように行う。すなわち、ここで用いられる図8に記載の駐車券CKは、紙製の磁気式駐車券であり、例えば表面に磁気ストライプ部STが形成された紙片により構成されている。磁気ストライプ部STには情報を符号化して記録することができ、記録した情報を消去し、書き換えることができる。
【0050】
新しい駐車券CKとして発行する前の駐車券には、磁気ストライプ部STには入場情報も出場情報も記録されていない。駐車券発行機21は、図7(1)に示すように、このような駐車券CKの磁気ストライプ部STに、IDコードや、今回の駐車場利用に係る入場情報T2、および今回の入場車両CRLの車両ナンバー等が記録される。
【0051】
また、図8に示す様に、上記の駐車券CKには、当該駐車券CKが今回の駐車場利用に係る駐車券として駐車場10で使用可能であることを視認可能に示す駐車場10の番号(駐車場No)T1、駐車場利用に係る入場情報の一部であるT2には、車両入場年月日および車両入場時分が印字されている。また、入場車両CRLの車両ナンバーは、入口撮像装置25から受け取った入場車両CRLの車両ナンバーである。なお、駐車券CKに記録する車両ナンバーT3は、入場車両CRLのナンバープレートNPに実際に記載されたすべての情報でなくてもよく、例えば4桁の一連番号だけを抽出して駐車券CKに記録してもよい。
【0052】
ステップS8で利用者が駐車券CKを駐車券発行機21から抜き取ったとき、続いて、ステップS9に進んで駐車券発行機21は入口ゲート開閉機22にゲート開信号を出力し、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Tを上げる。続いて、入場車両CRLは、入場車路20Aを駐車場エリアCEに向けて通過する間、まず第2の入口ループコイル23B上に達し、次に第2の入口ループコイル23B上から離れる。駐車券発行機21は、この間において第2の入口ループコイル23Bから出力される高周波信号の変化を検出し、ステップS10で入場車両CRLが入場車路20Aを通過し切ったことを認識する。
【0053】
続いて、駐車券発行機21は、ステップS11で入口ゲート開閉機22にゲート閉信号を出力し、入口ゲート開閉機22のゲートバー22Tを下げる。次いで、駐車券発行機21は、ステップS12で入口撮像装置25にトリガー受付禁止信号を出力すると共に、今回発行した駐車券CKの番号、今回の駐車場利用に係る車両入場年月日、車両入場時分、車両ナンバー等を管理PC41に送信する。そして、これらの情報は必要に応じて管理PC41から出口精算機31、事前精算機60等に配信される。
【0054】
なお、入場車両CRLが契約車である場合には、駐車券発行機21は駐車券CKを発行せず、直ちに入口ゲート開閉機22を制御してゲートバー22Tを上げる。また、利用者がステップS6で駐車券発行釦を押下せずに、ステップS13で定期券を駐車券発行機21に挿入した場合には、駐車券発行機21はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を駐車券発行機21の挿入口(図示せず)へ返却し、その定期券を利用者が抜取ったのを検出してからゲートバー22Tを上げる。
【0055】
定期券は駐車場等の定期利用契約をした利用者に渡されるものであり、このような利用者の入場車両CRLは契約車として直ちに入場が許されるのであるが、ナンバープレートNPの撮像が違法なナンバー目隠しフィルタの装着などでうまくいかなかった場合や、契約後初めて入場する場合などの例外的な場合には、利用者は定期券を駐車券発行機21に挿入し、返却を受けてから入場する。
【0056】
図13は本発明の実施例に係る駐車場管理システムの出場車路30Aにおける動作フローを示したものであって、先ず駐車券CKを利用して駐車料金の精算を行う場合における出口精算機31の動作について図2並びに図5の記載と共に説明すると、出口精算機31は、ステップS21で第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号を監視している。出場車路30Aに進入した出場車両CRTが第1の出口ループコイル33A上に達すると、第1の出口ループコイル33Aから出力される高周波信号が変化する。出口精算機31はこの高周波信号の変化を車両センサ31Hにより検出し、出場車両CRTが出場車路30Aに進入したことを認識する。
【0057】
続いて、出口精算機31は、ステップS22でトリガー受付許可信号を出口撮像装置35に出力する。トリガー受付許可信号を受け取った出口撮像装置35は、入口撮像装置25と同様の動作を行って出場車両CRTのナンバープレートNPを撮像し、これにより得られたナンバープレート画像に対して画像認識処理を行い、出場車両CRTの車両ナンバーを認識し、この認識した車両ナンバーをステップS23で出口精算機31に出力する。更に、出口撮像装置31は、認識した車両ナンバーを管理PC41に送信し、ステップS24で当該車両ナンバーの付された出場車両CRTが、契約車(定期車)か、又は、事前精算機60により精算済みの車両(以下、これを「精算済み一般車」という。)か、又は、契約車でも精算済み一般車でもない車両(以下、これを「未精算一般車」という。)か等を管理PC41に問い合わせる。
【0058】
そして、出口撮像装置31は、管理PC41からの返答に基づいて、当該車両ナンバーの付された出場車両CRTが契約車か、精算済み一般車両か、未精算一般車かを示す認識結果情報を生成し、この認識結果情報を出口精算機31に送信する。出口精算機31は出口撮像装置35から車両ナンバーおよび認識結果情報を受信し、続いて、出口精算機31は、認識結果情報に基づいて出場車両が契約車か、精算済み一般車両か、未精算一般車かを判断する。出場車両CRTが未精算一般車である場合には、出口精算機31は、次のステップS25で例えば「駐車券を入れて精算して下さい」などの音声ガイドをスピーカ31Sから出力し、同時に表示器31Fに文字やアニメーションでその旨を表示出力する。
【0059】
一方、出場車両CRTが未精算一般車であると判断された場合、利用者は、ステップS26で今回の駐車場利用に係る駐車券CKを出口精算機31の挿入口31Z(図11参照)に挿入し、出口精算機31はこの駐車券CKを受け取り、当該駐車券CKを受け取った出口精算機31は、ステップS28で駐車料金の精算処理を行う。具体的には、出口精算機31は、当該駐車券CKの磁気ストライプ部STに記録された車両入場年月日および車両入場時分を読み取り、これらを現在時刻と比較して駐車時間を算出し、予め設定された料金体系に従って駐車料金を算出し、その駐車料金の支払いを利用者に要求し、利用者からこの駐車料金の支払いを受ける。
【0060】
続いて、ステップS29に進んで、出口精算機31は出口ゲート開閉機32にゲート開信号を出力し、出口ゲート開閉機32Tのゲートバーを上げる。続いて、出場車両CRTは、出場車路30Aを駐車場外に向けて通過する間、まず第2の出口ループコイル33B上に達し、次に第2の出口ループコイル33B上から離れる。出口精算機31は、この間において次のステップS30に進んで、第2の出口ループコイル33Bから出力される高周波信号の変化を検出し、出場車両CRTが出場車路30Aを通過し切ったことを認識する。
【0061】
続いて、次のステップS31に進んで、出口精算機31は、出口ゲート開閉機32にゲート閉信号を出力し、出口ゲート開閉機32のゲートバー32Tを下げる。続いて、出口精算機31は、ステップS32で出口撮像装置35にトリガー受付禁止信号を出力すると共に、今回精算した駐車券の番号、今回の駐車場利用に係る精算年月日、精算時分、車両ナンバー等を管理PC41に送信する。管理PC41は、今回精算した駐車券番号を、出場済み駐車券番号として管理PC41またはサーバ42等に登録する。また、出場済み駐車券番号を出口精算機31及び事前精算機60に送信して、保持させてもよい。
【0062】
尚、ステップS24で出場車両CRTが契約車であると判断された場合には、出口精算機31は精算処理を行わずにステップS29に進んで、直ちに出口ゲート開閉機32を制御してゲートバー32Tを上げる。また、出場車両CRTが、事前精算機60により精算済みの車両である精算済み一般車であると判断された場合には、出口精算機31は、同様にステップS29に進んで精算処理を行わずに直ちに出口ゲート開閉機32を制御してゲートバー32Tを上げる。
【0063】
もっとも、ナンバープレートNPの撮影がうまくいかなかった場合など例外的な場合には、事前精算機60により精算を済ませたにもかかわらず、出口精算機31が利用者に図8に記載の駐車券CKの挿入を要求することがある。この場合には、利用者は、事前精算機60により精算を済ませて返却された駐車券CKを、出口精算機31に挿入する。出口精算機31は、当該駐車券CKを受け取り、当該駐車券CKの磁気ストライプ部STに記録されているIDコードが、精算済みを示すIDコードであり、当該駐車券CKの磁気ストライプ部STに記録されている駐車場番号が当該駐車場の駐車場番号と同一であり、かつ、当該駐車券の磁気ストライプ部に記録されている駐車券番号が、出場済み駐車券番号として登録されていない場合には、当該駐車券CKは適正に精算が済んでいると判断し、当該駐車券CKを利用者に返却してからゲートバー32Tを上げる。
【0064】
また、ステップS33で利用者が定期券を出口精算機31に挿入した場合には、出口精算機31はその定期券を読み取り、所定の処理(有効日付の確認等)を行った後、この定期券を出口精算機31の挿入口31Zへ返却し、ステップS28でその定期券を利用者が抜取ったのを検出してからゲートバー32Tを上げる。定期券は駐車場等の定期利用契約をした利用者に渡されるものであり、このような利用者の車両は契約車として直ちに出場が許されるのであるが、ナンバープレートNPの撮像が違法なナンバー目隠しフィルタの装着などでうまくいかなかった場合などの例外的な場合には、利用者は定期券を出口精算機31に挿入し、返却を受けてから出場する。
【0065】
(事前精算機60の精算処理)
図14に示すステップS41で事前精算機60の人感センサ60S(図5参照)が利用者の接近を検知したとき、またはステップS42で利用者が図5に示す精算開始釦60Gを押下したとき、事前精算機60は、ステップS43で利用者に駐車券CKの挿入を案内し、その後は出口精算機31の処理と同様の処理を行う。すなわち、事前精算機60は、IDコードを入場情報から出場情報への書換え、その他に入場年月日、時分情報を精算年月日、時分情報に書き換える。事前精算機60から利用者に返却された駐車券CKの磁気ストライプ部STには、図7(2)に示す各種の情報が記録されている。また、精算処理が完了した後、事前精算機60は、今回精算した駐車券CKの番号、今回の駐車場利用に係る精算年月日、精算時分、車両ナンバー等を管理PC41に送信する。なお、事前精算機60は通常は定期券の受付は行わない。また、事前精算機60は、上記図14に示したステップS41〜S61の処理を行うが、その料金精算処理についての詳細な説明は、前述の出口精算機31の精算動作と同様であるため、省略する。
【0066】
(駐車スペース撮像用カメラ51の処理)
次に、図2ならびに図6の記載に従って、駐車スペース撮像用カメラ51の動作を説明すると、図2において各駐車スペースCE…のフロアーの天井より吊り下げられた超音波式センサ50…が、ほぼリアルタイムに駐車スペースCEへの駐車車両CRの出入りの有無を感知でき、その状態を管理室40の管理PC41に逐次送信しているが、駐車場10に入場した入場車両CRLが、例えば図3Bに示した2階の「A3」で示した駐車スペースCEに進入して駐車したとすると、その駐車スペースCEの上方に設置された超音波式センサ50が車両在りの検知信号を出力し、その情報はすぐさま管理PC41で検出される。
【0067】
管理PC41は2階の「A3」の駐車スペースCEをカバーすることが出来るカメラ(この場合は2階のカメラ51−1)に、当該駐車スペースCEを撮像する様指令を発信する。この状態は、まず図16(1)で示した様な画角で画像がカメラ51−1によって得られるが、まだ画像の撮像と送信はおこなわれていない。カメラ51−1は図6に示したデータ送受信部51Jで管理PC41の指令を受信し、撮像すべき画角を予め「A3」の駐車スペースCEの場合としてメモリ51Bに設定してある条件から決定して、当該駐車スペース「A3」の位置に向けて自身のパン・チルト・ズーム駆動部51Fを動作させ、自身のパン・チルト・ズーム検出部51Gの出力する位相データ(各回動部の位相角度)を検出しながら、前記駆動部51Fを駆動制御して、「A3」の位置の駐車車両CRの前面(通路RH側の面)に画角とフォーカスを合わせる。そこで得られた画像をキャプチャー(画面をデジタル情報に変換)し、画像送信部51Hより2階の「A3」のアドレスの画像である情報を付与して管理PC41に送信する。この際の画像を図16(2)に示す。なお、この動作は昨今の360度全周囲カメラと言われる様なタイプのカメラであれば、実施が可能である。
【0068】
(管理PC41の処理)
上記の管理PC41はその画像を受信して画像DBに記録する。また、管理PC41はその画像に含まれるナンバープレートNPの情報を読み取り(ナンバープレートパターンを切り出し、内部の各文字を抽出し、更に各文字を認識する)、ナンバープレート文字情報を生成する。生成したナンバー文字情報で、在車DBを検索し、該当する駐車車両CR(同じナンバー文字情報の車両)を選定する。
【0069】
すでに在車DBに記録されていたその車両の情報に加えて、前記の駐車位置情報(2階のA3)を在車DBに追記する。これにより、各駐車車両CR…の入場時刻、駐車券番号、ナンバープレート文字情報、駐車スペースの位置情報(以下位置情報と言う)などが紐付けされることになる。
【0070】
図17に本発明の実施例の在車DBに記録された在車テーブルの一例を示す。図17(1)は駐車車両CRが入場した時点で新規の駐車券Noの駐車車両CRのデータ「駐車券No12345;駐車場No01…」等が在車テーブルに追記され、その中には前述のとおりナンバープレート文字情報も含まれているが、稀にそのナンバープレート文字情報のうちの一部が判読不可能である場合もある。その様な場合には*(アスタリスク)マークを付与しておいたり、若しくは誤判読したまま記録されることも稀にある。
【0071】
また、図17(2)は駐車スペースCEに駐車車両CRが進入して駐車した時点の在車テーブルの更新状態であり、前述の通り駐車した車両の駐車位置センサの応答によってその駐車スペースCEの画像をズームアップして撮像し、その画像が管理PC41に送信され、管理PC41でナンバープレートNPを再度判読し、ナンバー文字情報が合致する(若しくは判読不可能以外が合致する)在車テーブルの駐車位置情報に、駐車位置センサ50の応答したアドレス(駐車位置センサ50毎に駐車スペースTSと同じアドレスが割り振られている)を駐車位置情報に記録する。同時に、ナンバー文字情報の判読不可部分を含めて、ナンバー文字情報を自動更新(上書き)する。
【0072】
(事前精算機60の処理)
利用者が駐車場10のどこかの駐車位置(駐車スペースTS)に駐車車両CRを停めて、用を足してから駐車場10に戻った際に、どこに駐車いていたのかが判らなくなることがあるが、本発明の実施例ではこれを対策するために、利用者に事前精算機60で精算した際に、若しくは精算の有無に関わらず、駐車位置情報の案内をする機能を事前精算機60において実現している。図10は本発明の実施例に係る駐車場管理システムで使用する事前精算機60の一実施例を示した概観図である。尚、利用者に対して、前記図12のフローチャートのステップS7で発行された駐車券CKは、例えば図8(1)の状態である。
【0073】
図10に示した事前精算機60において、60Aは案内画面、60Bは操作パネル、60Cは駐車券CK(図8参照)の挿入口/取出口、60Eは紙幣挿入/払出口のシャッター、60Fは硬貨投入口、60Gは精算開始釦、60Hは領収証釦、60Iは係員呼出釦、60Jは釣銭/領収証取出口、60Kは精算取消釦を示す。
【0074】
本発明の第1の実施例では、上記図8の(1)に示した駐車券CKを利用者が駐車場10内若しくは近傍に設置された事前精算機60に挿入して駐車料金を精算すると、図8(2)の状態となり、駐車券CKに精算時印字文字TZが印字されるが、その中に駐車位置情報THを含めることで、利用者に駐車位置を知らせることが出来る。図8(2)では、「2−A3」が「2階のA3」のアドレスという意味で、利用者はこれを保持して自分の車両の駐車位置を容易に探すことが出来る。なお、駐車券CKの下半分の余白部か、若しくは駐車券CKの裏面等には、この表示内容に関する解説、意味などが予め印刷文字で表示されていることが望ましい。
【0075】
本発明の第2の実施例では、前記の駐車券CKを事前精算機60に挿入する際、その案内を図11A,Bの(1)〜(4)に示す様に、事前精算機60の表示画面60A上に表示することで、利用者に駐車位置を知らせることが出来る。図11A(1)では、駐車券CKを入れる前の待機画面61Aの状態を示したものであるが、図10で示した事前精算機60の前面に設けた精算開始釦60Gを押下した時の状態か、若しくは事前精算機60の前面に設けた人感センサ60S(図5参照)が人を感知した状態のときの画面を示している。ここで画面右側の操作ボタンエリアSWTには、駐車位置検索とナンバー入力精算の各キーSW1,SW2が画面上で表示され、この位置を押下(タッチ)することで次の表示画面に移行するタッチパネル式表示装置が搭載されている。
【0076】
利用者が駐車位置検索キーSW1を押下した場合、画面60Aは図11A(2)の画面61Bに移行し、テンキーTKとその他のキーSW3が表示され、上部には入力したナンバーの数値NBが表示される。この画面で図のようにテンキーTKで「4249」を入力すると、図のように上部にも4249の数値NBが表示され、OKキーB1を押下すると次の画面に移行する。
【0077】
図11B(3)の画面61Cは、その時点で駐車場10内に駐車中の「4249」の車両CRのナンバー情報を表示している。これは利用者が車両ナンバーを確定した段階で、事前精算機60は管理PC41の在車DBにアクセスし、当該ナンバーの車両CRの情報を入手する。この様に複数の同一の一連番号(4桁ナンバー)の車両が複数存在した場合には、その中から利用者の車両のナンバーを見つけ出し、その番号の部分を押下し、OKキーC1を押下すれば、また次の画面に移行するが、表示数が多い場合には次キーC2、前キーC3の押下で画面を複数ページに渡って表示することも可能である。
【0078】
図11B(4)の画面61Dには、利用者が選択したナンバーの車両CRの、駐車位置K1、ナンバー情報K2、入場時刻K3と、精算した場合(後述)は精算時刻K4が表示されるが、これ等の表示は、OKキーD1の押下で初期の図11A(1)画面に戻り、印刷キーD2の押下では後述する印刷へと移行する。また、図11A(1)でナンバー入力精算を選択してキーSW2を押下した場合には、図11A(2)〜図11B(3)と画面が移行し、次いでに駐車料金が表示されてその料金を支払うと、その後に図11B(4)の画面に移行する。この状態は駐車券CKを用いずに精算することを意味し、利用者が駐車券CKを駐車車両CRの中に置き忘れてしまっても、駐車車両CRに戻らずに先に事前精算が可能で、なおかつ駐車車両CRの駐車位置を表示することで、利用者が駐車車両CRの駐車位置に速やかにたどり着くことを可能としており、駐車券CKが無いままで事前精算が出来るという利便性は、本発明の別の特徴といえる。
【0079】
なお、本発明の第1の実施例の手順で図11A(1)の画面61Aで利用者が駐車券CKを挿入した場合には、駐車券CKから読み取った駐車券番号によって事前精算機60は管理PC41に照会して在車DBを検索し、該当する駐車券番号の在車情報をすぐさま得ることが出来る。よって、その入場時刻から精算料金を算出し、利用者が精算を終えるとその後図11B(4)の画面に移行させても良い。
【0080】
更に第3の実施例として、図11B(4)に記載の印刷キーD2を押下した場合、図9(1)に示す領収証UTを発行する機能を有している。この領収証UTには、下部に駐車位置情報として「駐車位置2−A3」の印字PSがあり、この領収証UTを持っていれば利用者が駐車位置の表示内容を忘れてしまい、再度事前精算機60に戻るようなことが回避できる。なお、ここで表示する駐車位置は絶対表示と称して、駐車場10の配置図などから、どこにそのアドレスの駐車位置があるかが解る様になっており、更に駐車場内の柱や路面にも、区画(A,B,C…)や各駐車位置の数字(1,2,3…)がペイントされていたり掲示されたりしている。
【0081】
ここまでの事前精算機60の動作を、図14のフローチャートにおいて示している。加えて、第4の実施例として、本発明の事前精算機60は図9(2)に示すような領収証UEを発行する機能を有している。この機能は予め設定して図9(1)の表示か(2)の表示にするかを選択すればよいが、利用者に選択できるような選択ボタン(タッチパネル上の選択キー)を設けても良い。図9(2)では駐車位置情報として、「2−A3」,若しくは「2階A区画3番」といった絶対位置表示PTで示すだけではなく、その下側に表示した様な、「2番エレベータで2階へ上り、左折して左側6番目の駐車スペースです」という相対位置表示PXを行うことで、更に利用者に気配りをした表示が可能となっている。
【0082】
この相対位置表示PXは、今事前精算した時の事前精算機60が、図3(A)の2番エレベータの前の事前精算機60で精算もしくは前述の駐車位置検索をした場合であり、当該事前精算機60はその設置位置情報を個々にメモリに記憶されており、駐車位置が決定した際には、当該事前精算機60から駐車位置までの最短経路もしくは推奨する経路を相対位置表示PXとして割り出す機能を有している。これを領収証UFにプリントし、利用者が当該事前精算機60の設置された位置から駐車位置までの経路を丁寧に示しているものである。
【0083】
図15には上記相対位置情報の生成のサブルーチンフローチャートを示している。相対位置情報生成動作はまずステップS71で絶対位置情報(2−A3など)を在車テーブルから抽出し、次のステップS72でこの操作が行われている事前精算機60の設置位置(現在位置)情報を、事前精算機60のメモリから抽出し、次いでステップS73でまず同フロアかどうかを判定し、異なるフロアである場合には、ステップS74に進んで最も近い昇降手段情報を別途記憶された駐車場レイアウトDB(設定DB)から抽出し、その後、ステップS75に進んでその昇降手段に対応するコメントを生成して一時記録する。
【0084】
この場合、最も近い2番エレベータ(図3A・BのエレベータNo.2)で、目的とする2階フロアへ上がるという情報が生成され、更に案内用の文言として「2番エレベータで2階へ上がり」までが生成され、このコメントがメモリに一時記録される。次は、ステップS76で同フロアと同じ条件となるが、最も近い方向転換部の情報が前記駐車場レイアウトDBより抽出されるが、この場合はすぐに左折する曲がり角があることが抽出される。次に、ステップS77に進んで案内用の文言として「左折して」が生成されて、このコメントがメモリに一時記録される。
【0085】
その次に、ステップS78に進んで、すでに絶対位置で示した駐車位置と同列若しくは別途設定した同一ブロックであれば、ステップS79に進んで駐車位置方向の抽出に移行するが、未だ同列などでなければ、ステップS76に戻って、再度最も近い方向転換部の情報を抽出してそのコメントを生成して一時記憶する。例えば、「突き当たりを右に」などが生成される。
【0086】
同列まで達していれば、ステップS80で駐車位置方向のコメントを一時記録し、後はステップS81で目的とする駐車位置までの距離として、何番目の駐車スペースかという情報で利用者に提供すればよい。この際のコメントもステップS82で「6番目」が生成されて、一時記録される。
【0087】
最終的には、ステップS83でこれらの一時記録された生成コメントを生成順に並べ、最後に定型の文言として「〜の駐車スペースです。」を追加して、全コメントを生成し、元のフローに戻る。
【0088】
この相対位置表示にあたっては、文字表示数が多いため、必然的に小さい文字表示にならざるを得ないことに鑑み、本発明では更に駐車位置情報をQRコードで表示し、図10(4)の案内画面60Dの一部にこのQRコードを表示させ、利用者が保持する携帯電話のQRコード読み取り機能によって利用者に提示する手段も追加出来るように考慮され、QRコード生成部を事前精算機60のCPU内に設けている。
【0089】
なお、事前精算機60の設置位置情報を管理PC41に記憶しておき、各事前精算機60に配信したり、事前精算機60での駐車位置検索動作の過程で、その都度管理PC41から自位置の情報を受信するような方法も可能である。更に、管理PC41において前述の相対位置表示の文言まで生成して事前精算機60に送信することも可能である。もちろん、この相対位置表示を事前精算機60の画面60Aで表示しても良いし、駐車券CKに印字して示すことも本発明の技術に含まれることは言うまでも無い。
【0090】
以上の様にして従来より利用されてきた事前精算機60とその領収証UT,UEのプリント機能を利用して、駐車位置案内システムが実現できることが本発明の最もメリットとなる事柄であり、別途表示装置を設けたり、プリンターを設ける必要が無いため、この様な大規模駐車場における案内システムにしては安価に構成することが可能となる。
【0091】
なお、本発明の実施例で説明した駐車場管理機器の構成は一例であり、特に事前精算機60はセントラルペイシステムとして利用者が車両に乗らずに精算できる機器であればよく、出口精算機31に変えて出口通過機(ラグタイムリーダ)を使用したり、有人の出口レジシステムなどと組み合わせての利用も考えれられる。
【0092】
いずれにせよ上記に述べた本発明の実施形態は本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限りこれらの態様に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明に係る駐車場管理システムの技術は、大規模なショッピングモールの駐車場や、空港に隣接した駐車場や、複数階に渡って駐車場フロアが設置されている駐車場の監視システムとして利用されることが見込まれるものである。
【符号の説明】
【0094】
10 駐車場
21 駐車券発行機
31 出口精算機
25,31 (入口・出口)撮像装置
CE 駐車エリア
TS 駐車スペース
CR 駐車車両
CRL 入場車両
CRT 出場車両
41 管理PC
50 駐車位置センサ
51 駐車スペース撮像用カメラ
60 事前精算機
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場入口で入場する車両に入場時刻を記録した駐車券を発行する駐車券発行機と、駐車場入口で車両のナンバーを撮像するシステムと、駐車スペースに駐車した車両のナンバーを撮像するカメラと、駐車場内や駐車場の近隣で駐車料金の精算が可能な事前精算機と、駐車場入口の車両のナンバーの画像と駐車スペースに駐車した車両のナンバーの画像を少なくとも一時的に保管するサーバと、車両のナンバー画像からナンバー情報を読み取るナンバー読み取りシステムとを有する駐車場管理システムであって、
前記ナンバー情報に紐付けして駐車スペースの各々の駐車位置情報を記録し、前記事前精算機で駐車車両を特定する情報の入力とともに、駐車位置情報出力要求があった場合に、前記駐車位置情報を出力する駐車位置情報出力手段を有することを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項2】
前記駐車車両を特定する情報の入力および駐車位置情報出力要求は、利用者が前記事前精算機のキー入力装置からの車両ナンバー情報の入力、若しくは、前記駐車券発行機が発行した駐車券の読み込み、のいずれかに続く駐車位置情報出力要求入力によって行われ、前記駐車位置情報出力手段は、前記事前精算機の表示画面に表示された駐車位置を示す情報の表示出力か、または/及び、前記事前精算機に読み込まれた駐車券への駐車位置を示す情報の印字出力か、または/及び、前記事前精算機のレシートプリンタによる駐車位置を示す情報の印字出力であることを特徴とする請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記事前精算機若しくは管理PCに各々の事前精算機の個々の位置情報登録手段を有し、前記駐車位置情報出力手段による出力情報には駐車位置の絶対位置情報か、または/及び、当該操作を実行した事前精算機からの相対位置情報を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記事前精算機の個々の位置情報は、駐車場内のエレベータや階段や出入り口等の設備情報との位置関係も含まれ、前記相対位置情報は、駐車場内の移動経路に設置されたエレベータや階段や出入り口等の設備情報を経由して表すことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の駐車場管理システム。
【請求項1】
駐車場入口で入場する車両に入場時刻を記録した駐車券を発行する駐車券発行機と、駐車場入口で車両のナンバーを撮像するシステムと、駐車スペースに駐車した車両のナンバーを撮像するカメラと、駐車場内や駐車場の近隣で駐車料金の精算が可能な事前精算機と、駐車場入口の車両のナンバーの画像と駐車スペースに駐車した車両のナンバーの画像を少なくとも一時的に保管するサーバと、車両のナンバー画像からナンバー情報を読み取るナンバー読み取りシステムとを有する駐車場管理システムであって、
前記ナンバー情報に紐付けして駐車スペースの各々の駐車位置情報を記録し、前記事前精算機で駐車車両を特定する情報の入力とともに、駐車位置情報出力要求があった場合に、前記駐車位置情報を出力する駐車位置情報出力手段を有することを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項2】
前記駐車車両を特定する情報の入力および駐車位置情報出力要求は、利用者が前記事前精算機のキー入力装置からの車両ナンバー情報の入力、若しくは、前記駐車券発行機が発行した駐車券の読み込み、のいずれかに続く駐車位置情報出力要求入力によって行われ、前記駐車位置情報出力手段は、前記事前精算機の表示画面に表示された駐車位置を示す情報の表示出力か、または/及び、前記事前精算機に読み込まれた駐車券への駐車位置を示す情報の印字出力か、または/及び、前記事前精算機のレシートプリンタによる駐車位置を示す情報の印字出力であることを特徴とする請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記事前精算機若しくは管理PCに各々の事前精算機の個々の位置情報登録手段を有し、前記駐車位置情報出力手段による出力情報には駐車位置の絶対位置情報か、または/及び、当該操作を実行した事前精算機からの相対位置情報を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記事前精算機の個々の位置情報は、駐車場内のエレベータや階段や出入り口等の設備情報との位置関係も含まれ、前記相対位置情報は、駐車場内の移動経路に設置されたエレベータや階段や出入り口等の設備情報を経由して表すことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の駐車場管理システム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−253295(P2011−253295A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126001(P2010−126001)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】
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