説明

駐車場管理システム

【課題】 利用客が利用する施設の駐車場を効率良く管理する。
【解決手段】 リーダライタ2A,2B及びICカード3を設け、百貨店などの施設に備えられている駐車場への入場時に利用客がICカード3をリーダライタ2Aに近づけるとリーダライタ2Aは時計IC21Dの時刻データを読み取りICカードに施設利用開始時間を記録しかつ入門ゲート4を開放する。これにより利用客は駐車場に車を入場し駐車できる。その後、利用客が百貨店で買い物をしその代金支払い時にはICカードに施設利用情報が記録される。そして、利用客が駐車場から車を退場する際にその施設利用情報が記録されたICカードをリーダライタ2Bに近づけるとリーダライタ2Bは精算処理を行った後、出門ゲート5を開放する。これにより利用客は駐車場から退場できる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、百貨店やレストランなどの施設に備えられている駐車場の管理を行う駐車場管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】百貨店などに車で出かけて買い物を行う場合には、その百貨店に備えられている駐車場に車を駐車することになるが、通常その駐車料金は利用頻度に応じて管理されている。こうした駐車場にはゲート式及びタワー式の2つの形態の駐車場がある。ゲート式の駐車場の場合には、入場時にゲートで駐車券が発券される。利用客はその駐車券を受け取って買い物をし、その代金支払い時にレジでその駐車券を渡すと、代わりに駐車場のゲートを開けるためのコインが利用客に渡される。そして買い物が済んだ利用客が駐車場に戻りゲートの付近に設置されているゲート駆動機にそのコインを投入すると、ゲートが開かれ利用客の車が駐車場から退場できるようになっている。
【0003】一方、タワー式の駐車場の場合は、管理者がタワーを操作して入場車と退場車とを整理しており、入場した利用客に対しては入場券を発券する。そして利用客が買い物などをして駐車場から退場するときにその入場券と買い物を行った証を示すレシートを管理者に提示すると、管理者はそのレシートに基づいて駐車料金を精算するとともに、その後タワーを操作して駐車場から該当の車を取り出し利用客に渡すようにしている。即ち、このような駐車場の各管理方法は、何れも入場時に駐車券を発券し、利用客が買い物などを行った後の退場時には施設の利用料金などに基づいて精算処理を行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した駐車場の各管理方法では、駐車場を管理するための人件費がかかるという問題がある。また、百貨店などでレシートを用いて精算する方式では自身が買い物をせずに拾ったレシートで精算したり、或いは他の人から貰ったレシートで精算したりすることが可能であるため、こうした無効駐車の対応策が検討されている。また、レジで駐車券を精算する方式では、精算を忘れると割引無しの駐車料金が請求されたり、また駐車場からレジまで戻ったりしなければならないという問題もある。さらに、頻繁に利用する施設であっても施設側では利用客の利用頻度がわからないため、こうした施設を頻繁に利用する利用客であっても駐車場の予約ができないという問題もある。したがって本発明の目的は、利用客が利用する施設の駐車場を効率良く管理することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために本発明は、少なくとも施設を利用する利用客固有のIDが記憶されたICカードと、ICカードに対し情報の記録及び再生を行うリーダライタとから構成され、施設に設けられている駐車場の管理を行う駐車場管理システムであって、ICカードは施設の利用開始時に開始情報が記憶され、かつ施設の利用時に利用情報が記憶される領域を有し、リーダライタはICカードに記憶された開始情報及び利用情報に基づいて駐車場の駐車管理を行うものである。また、駐車場には車が入場する入門ゲートと車が退場する出門ゲートとが設けられ、リーダライタは駐車場への車の入場時にICカードが近づけられると時計手段の時刻データを読み取ってICカードに開始情報を記録しかつ入門ゲートを開放する一方、駐車場に入場した車の退場時に利用情報が記録されたICカードが近づけられると精算処理を行い出門ゲートを開放するものである。また、駐車場には車が駐車される駐車領域を管理する駐車管理装置が設けられ、リーダライタは駐車場への車の入場時にICカードが近づけられるとICカードに開始情報と、駐車管理装置から入力した駐車領域番号とを記録する一方、駐車場に入場した車の退場時に利用情報が記録されたICカードが近づけられると精算処理を行いかつ駐車管理装置に対し駐車領域番号を送信し、利用客の車を出口に移動させるものである。また、IDと利用情報とに基づいて各利用客の利用状況を管理する管理装置を設け、管理装置は利用客の利用頻度に応じて駐車場の予約を行うものである。また、ICカードにはプリペイドデータが記録され、リーダライタは駐車場からの車の退場時にICカードの開始情報と時計手段の時刻データとから駐車場の利用時間を演算し、この利用時間が所定の許容時間を超過した場合は超過時間に相当する料金をプリペイドデータから徴収するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る駐車場管理システムの構成を示すブロック図である。この駐車場管理システムは、ICカードを利用したシステムであり、百貨店やレストランなどの施設に備えられている駐車場の管理を行うものである。ここで図1(a)に示す駐車場管理システムはゲート式駐車場に適用したシステムであり、駐車場管理装置1と、入門ゲート4に接続され入門ゲート4付近に配置されるリーダライタ2Aと、出門ゲート5に接続され出門ゲート5付近に配置されるリーダライタ2Bと、各リーダライタ2A,2Bから非接触で情報の記録・再生が行われるICカード3とからなる。また、図1(b)に示す駐車場管理システムはタワー式駐車場に適用したシステムであり、駐車場管理装置1と、リーダライタ2と、リーダライタ2から同様に非接触で情報の記録・再生が行われるICカード3とからなる。
【0007】図2は、リーダライタ2の構成を示すブロック図である。リーダライタ2は、共通制御部21と、ICカード3の後述するIDなどの情報を入力してその正当性を確認するICC制御部22と、無線送受信部23と、アンテナ24とからなる。ここで、共通制御部21には、CPU21A、メモリ21B、I/O21C及び時計IC21Dが設けられている。CPU21AはICC制御部22によりICカード3の正当性が確認されるとI/O21Cを制御し、I/O21Cに接続される入門ゲート4または出門ゲート4の開放を行う。これにより、施設の利用客の車の駐車場への入場または退場が行われる。
【0008】図3は、ICカード3の構成を示すブロック図である。ICカード3はCPU31、メモリ32、無線送受信部33及びアンテナ34からなる。ICカード3のメモリ32には、カード固有の属性を記憶保持する第1の領域32Aが設けられ、第1の領域32AにはカードID,発行年月日,カードを発行した発行機のID,及びカードの有効期間が格納されている。また、メモリ32にはカード所有者の属性を記憶保持する第2の領域32Bが設けられ、第2の領域32Bには、所有者がその施設の利用会員であることを示すメンバーID,所有者の氏名,住所,電話番号及び生年月日が格納される。さらに、メモリ32にはデータを記憶保持する第3の領域32Cが設けられ、その第3の領域32Cには、精算データ,ポイントデータ,プリペイドデータ,駐車時間データが格納され、さらにタワー式駐車場の場合は駐車位置データが格納される。
【0009】このようなICカード3を所持した利用客が百貨店等に車で買い物に出かけ、その百貨店の例えばゲート式駐車場へ入場する場合は、図1(a)に示すリーダライタ2AにそのICカード3を近づける。すると、ICカード3とリーダライタ2Aとが無線接続され、リーダライタ2AのICC制御部22はアンテナ24及び無線送受信部23を介しICカード3との無線接続を認識する。この場合、ICC制御部22は無線送受信部23及びアンテナ24を介しICカード3に対してメモリ32の格納データの出力要求を行う。これにより、ICカード3のCPU31はメモリ32の格納データを読み出し無線送受信部33及びアンテナ34を介してリーダライタ2Aへ送信する。ICカード3の送信データは、リーダライタ2Aのアンテナ24,無線送受信部23を介してICC制御部22に伝達され、ICC制御部22によりそのICカード3のデータの正当性がチェックされる。
【0010】ICC制御部22によるチェックの結果、ICカード3の正当性が認識されると、その情報は共通制御部21のCPU21Aに伝達される。この場合、CPU21Aは時計21Dの現時刻を読み出し、ICC制御部22,無線送受信部23及びアンテナ24を介しその時刻データをICカード3へ送ってICカード3のメモリ32に駐車場への入場開始時間として記憶させるとともに、I/O21Cを駆動してこれに接続される入門ゲート4を開放する。これにより利用客の車が駐車場へ入場できる。
【0011】こうして利用客が駐車場へ入場し車を駐車した後、利用客は百貨店で買い物を行う。そして、買い物の際の代金支払い時に、レジに設けられている図示しないリーダライタにそのICカード3を近づけると、そのリーダライタによりその百貨店が利用されたことを示す施設利用情報が書き込まれる。こうして買い物が終了した利用客が駐車場から退場する際にそのカード3を出門ゲート5の近傍のリーダライタ2Bに近づける。すると、カードリーダ2BはICカード3に施設利用情報が記録されているか否かを判断し、これが記録されていれば次にICカード3の入場開始時間と時計21Dの現時刻から駐車時間を算出してその駐車時間が許容時間内にあればI/O21Cを駆動して出門ゲート5を開放する。これにより利用客の車が駐車場から退場できる。なお、駐車時間が許容時間を越えていれば、予めカード3に記憶されているプリペイドデータから超過時間相当額を減じた後、出門ゲート5を開放する。
【0012】このように本管理システムは、ICカード3及びリーダライタ2を設け、リーダライタ2がカード3に駐車場入場時間や施設利用情報を記録するとともに、リーダライタ2のICC制御部22がカード3の記憶情報をチェックして駐車場のゲート4,5を自動的に開放させるようにしたものである。したがって、駐車場の係員が不要になり、かつ無効駐車も防止できることから利用客が利用する施設の駐車場を効率良く管理できるとともに、利用客の駐車時の不便を解消することができる。なお、この場合、各リーダライタ2に、図1(a)のように駐車場管理装置1を接続し、各リーダライタ2は読み取ったカード情報をI/O21Cを介して駐車場管理装置1に送り、駐車場管理装置1にカード情報の正否をチェックさせ、そのチェック結果を入力してゲート4,5を開放制御するようにしても良い。
【0013】次に図1(a)に示すゲート式駐車場の管理システムの要部動作を図4のフローチャートに基づいて説明する。百貨店などの施設の利用客がその施設の駐車場の入門ゲート4に到着したときにその施設の会員カードを所持していれば、ステップS1の「会員?」は「Y」と判定される。この場合、その利用客が前記会員カードであるICカード3をリーダライタ2Aに近づけると(ステップS2)、リーダライタ2Aではカードデータのチェックを行う。そして、そのチェックの結果、正規なカードと判定されステップS3の「カードチェックOK?」の判定が「Y」となると、リーダライタ2AはステップS4でICカード3に駐車場への入場時間などを記録し、かつステップS5で入門ゲート4を開放する。これにより、利用客は駐車場へ入場して車を駐車し、買い物などを行う。そして、買い物の際の代金支払い時に、レジに設けられている図示しないリーダライタにそのICカード3を近づけると、そのリーダライタによりその百貨店が利用されたことを示す施設利用情報が時計21Dの現時刻とともに書き込まれる。
【0014】一方、利用客が会員カードを所持していない場合や、その会員カードのチェックの結果、正規なカードと判定されない場合は、ステップS6で暫定カードがリーダライタ2Aから発行され、かつその暫定カードにステップS4で駐車場入場時間などが記録された後、ステップS5で入門ゲート4が開放される。この場合、利用客はその暫定カードを受け取って駐車場へ入場し、駐車場に車を駐車したのち百貨店などの施設で買い物などを行う。
【0015】ここで、利用客の要望により、利用客の所持する暫定カードは、利用客の買い物の代金の支払い時に新たな会員カードに代えられ発行される。その会員カードには、上述したようにカードID,発行年月日,カードを発行した発行機のID,及びカードの有効期間が格納される。また、メンバーID,氏名,住所,電話番号及び生年月日が格納される。さらに、暫定カードに記録されていた駐車場入場時間などのデータも格納される。さらにまた、施設利用情報及びその利用時刻も記録される。なお、利用客が利用する施設がスポーツセンタなどの場合は、その暫定カードは受付時に新規会員カードとして発行され、その新規会員カードには上記と同様のデータが格納される。
【0016】その後、買い物などが終了した利用客が駐車場から退場する際にそのカード3をステップS7で出門ゲート5の近傍のリーダライタ2Bに近づける。すると、カードリーダ2BはステップS8でそのICカード3のメモリ32に施設利用情報が記録済み否かを判断する。ここで、そのICカード3に施設利用情報が記録されていれば、リーダライタ2BはステップS9でICカード3に記録されている入場開始時間と時計21Dの現時刻から駐車場の利用時間を計算する。次にリーダライタ2BはステップS10でそのICカード3が会員カードか否かをメモリ32に記憶されているメンバーIDをチェックすることにより判断し、会員カードの場合はステップS9で計算された駐車場利用時間が予め定めた許容時間内にあるか否か判断する。そして、その利用客の駐車場利用時間が許容時間内にあり、ステップS11の「利用時間OK?」の判定が「Y」となると、リーダライタ2BはステップS12で出門ゲート5を開放する。これにより利用客の車は駐車場から退場できる。
【0017】一方、リーダライタ2Bに近づけたカードに施設利用情報が記憶されていない場合は、会員カードであってもその利用客の駐車料金は現金で支払われるか、或いはカードに記録されたプリペイドデータから支払われる。その結果、ステップS13でその精算処理が行われる。また、ステップS10での判断の結果、会員カードではなく暫定カードの場合も同様の精算処理がステップS13で実行される。即ち、買い物を行ったが暫定カードから会員カードに代えない利用客の駐車料金、及び買い物を行わない暫定カードの利用客の駐車料金は現金で支払われ、ステップS13でその精算処理が行われる。さらに、施設利用情報が記録された会員カードであっても駐車場利用時間が許容時間を経過し、ステップS11の「利用時間OK?」が「N」となる場合は、カード3に記憶されたプリペイドデータから超過分の駐車料金を支払う精算処理をステップS13で実行する。そして、ステップS13での精算処理が終了すると、対象のカードが会員カードか否かの判定をステップS14で行い、会員カードの場合は直ちにステップS12で出門ゲート5を開放し、暫定カードの場合はステップS15でそのカードを回収した後、ステップS12で出門ゲート5を開放する。
【0018】次に図1(b)に示すタワー式駐車場の管理システムの動作を図5のフローチャートに基づいて説明する。タワー式駐車場はゲート式駐車場とは異なり、利用客の車をタワー内に安全に誘導するための管理者が必要である。この場合、利用客は管理者の誘導にしたがってタワー内のゴンドラ(車の駐車領域)に車を止める。ここで、その利用客が施設の会員カードを所持している場合は、ステップS21の「会員?」の判定は「Y」となる。この場合、その利用客がそのICカード3をタワー近傍に配置されているリーダライタ2に近づけると(ステップS22)、リーダライタ2ではカードデータのチェックを行う。そして、そのチェックの結果、正規なカードと判定されステップS23の「カードチェックOK?」の判定が「Y」となると、リーダライタ2はステップS24でICカード3にタワー番号,ゴンドラ番号及び入場時間を記録する。こうして、利用客の車が駐車場に駐車され、利用客は百貨店などの施設で買い物を行う。そして、その代金支払い時にはカード3には上述した施設利用情報が記録される。
【0019】また、会員カードを所持しない場合や、カードチェックの結果、正規なカードと判定されない場合は、ステップS25で暫定カードがリーダライタ2Aから発行され、かつその暫定カードにステップS24でタワー番号,ゴンドラ番号及び入場時間が記録される。ここで、利用客の要望により、利用客の所持する暫定カードは、利用客の買い物の代金の支払い時にゲート式駐車場の場合と同様、新たな会員カードに代えられ発行され、暫定カードに記録されていたデータがその新規会員カードにコピーされるとともに、施設利用情報も記録される。
【0020】その後、買い物などが終了した利用客が駐車場から退場する際にそのカード3をステップS26でタワー近傍のリーダライタ2に近づける。すると、カードリーダ2はステップS27でそのICカード3のメモリ32に施設利用情報が記録済み否かを判断する。ここで、そのICカード3に施設利用情報が記録されていれば、リーダライタ2は上述したゲート式駐車場の場合と同様、ステップS28でICカード3に記録されている入場開始時間と時計21Dの現時刻から駐車場の利用時間を計算する。次にリーダライタ2はステップS29でそのICカード3が会員カードか否かを判断し、会員カードの場合は駐車場利用時間が予め定めた許容時間内にあるか否か判断する。そして、その利用客の駐車場利用時間が許容時間内にあり、ステップS30の判定が「Y」となると、リーダライタ2はステップS31でカード3に記録されているタワー番号及びゴンドラ番号等のカードデータをI/O21Cを介し駐車場管理装置1へ送信する。
【0021】駐車場管理装置1はカードデータを受信すると、タワー番号及びゴンドラ番号で示される該当タワーの該当ゴンドラが出口位置に達するように該当タワーの回転を制御する。これにより、該当ゴンドラに駐車中の利用客の車が駐車場の出口に導かれ、利用客は駐車場から退場することができる。ここで、タワー式駐車場では、出口と入口は同一であるため、その出入口付近にセンサを設けそのセンサ出力を駐車場管理装置1に接続しておけば、駐車場管理装置1は入場車と退場車を効率よく振り分けることができる。
【0022】一方、リーダライタ2に近づけたカードに施設利用情報が記憶されていない場合は、会員カードであってもその利用客の駐車料金は現金で支払われるか、或いはカードに記録されたプリペイドデータから支払われる。その結果、ステップS32でリーダライタ2によりその精算処理が行われる。また、ステップS29での判断の結果、会員カードではなく暫定カードの場合も同様の精算処理がステップS32で実行される。即ち、買い物を行ったが暫定カードから会員カードに代えない利用客の駐車料金、及び買い物を行わない暫定カードの利用客の駐車料金は現金で支払われ、ステップS32でその精算処理が行われる。さらに、施設利用情報が記録された会員カードであっても駐車場利用時間が許容時間を経過した場合は、カード3に記憶されたプリペイドデータから超過分の駐車料金を支払う精算処理がステップS32で実行される。そして、ステップS32での精算処理が終了すると、対象のカードが会員カードか否かの判定をステップS33で行い、会員カードの場合は直ちにステップS31でカードデータを駐車場管理装置1に送信し、暫定カードの場合はステップS34でそのカードを回収した後、ステップS31でカードデータを駐車場管理装置1に送信する。
【0023】なお、上記の各例では、ICカード3には買い物の代金支払いの際に施設利用情報を記録しているが、ICカード3をプリペイドカードまたはクレジットカードとし、買い物の支払い代金を直接そのカード3から減じるようにしても良い。また、図1(a),(b)に示す駐車場管理装置1には各利用客の利用情報の履歴が図示しないメモリに記憶されている。ここで、駐車場管理装置1はその利用履歴に基づいて各利用客の利用頻度を演算し、その利用頻度を各利用客のIDまたは各カードのIDと対にメモリに記憶する。そして、利用客から駐車場の予約があった場合は、メモリの該当利用客IDに対応する利用頻度を読み出し、利用頻度の多い利用客に対しては駐車の予約を行うようにしている。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ICカード及びリーダライタとを設け、ICカードに百貨店などの施設の利用開始時に開始情報を記憶しかつ施設の利用時に利用情報を記憶するとともに、リーダライタはICカードに記憶された開始情報及び利用情報に基づいて自動的に駐車場の駐車管理を行うようにしたので、駐車場の係員が不要になり、かつ無効駐車も防止できることから利用客が利用する施設の駐車場を効率良く管理することができる。また、駐車場への車の入場時にICカードが近づけられるとリーダライタは時計手段の時刻データを読み取ってICカードに開始情報を記録しかつ入門ゲートを開放する一方、駐車場に入場した車の退場時に利用情報が記録されたICカードが近づけられると精算処理を行い出門ゲートを開放するようにしたので、ゲート式駐車場を利用する利用客の駐車時の不便を解消できる。また、駐車場への車の入場時にICカードが近づけられるとリーダライタはICカードに開始情報と、駐車領域番号とを記録する一方、駐車場に入場した車の退場時に利用情報が記録されたICカードが近づけられると精算処理を行いかつ駐車管理装置に対し駐車領域番号を送信し、利用客の車を出口に移動させるようにしたので、タワー式駐車場を利用する利用客の駐車時の不便を解消できる。また、IDと利用情報とに基づいて利用客の駐車場の予約を管理するようにしたので、頻繁に施設を利用しかつその駐車場に駐車するような利用客は容易にその駐車場を予約することができる。また、駐車場からの車の退場時にICカードの開始情報と時計ICの時刻データとから駐車場の利用時間を演算し、この利用時間が所定の許容時間を超過した場合は超過時間に相当する料金をプリペイドデータから徴収するようにしたので、駐車料金を的確に徴収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る駐車場管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 上記システムを構成するリーダライタのブロック図である。
【図3】 上記システムを構成するICカードのブロック図である。
【図4】 ゲート式駐車場を管理するシステムの動作を示すフローチャートである。
【図5】 タワー式駐車場を管理するシステムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…駐車場管理装置、2,2A,2B…リーダライタ、3…ICカード、4…入門ゲート、5…出門ゲート、21…共通制御部、21A,31…CPU、21B,32…メモリ、21C…I/O、21D…時計IC、22…ICC制御部、23,33…無線送受信部、24,34…アンテナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 少なくとも施設を利用する利用客固有のIDが記憶されたICカードと、前記ICカードに対し情報の記録及び再生を行うリーダライタとから構成され、前記施設に設けられ前記利用客の車が駐車される駐車場の管理を行う駐車場管理システムであって、前記ICカードは前記施設の利用開始時に開始情報が記憶され、かつ前記施設の利用時に利用情報が記憶される領域を有し、前記リーダライタは、前記ICカードに記憶された開始情報及び利用情報に基づいて前記駐車場の駐車管理を行うことを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項2】 請求項1において、駐車場には車が入場する入門ゲートと車が退場する出門ゲートとが設けられ、前記リーダライタは時計手段を有し、駐車場への車の入場時に前記ICカードが近づけられると前記時計手段の時刻データを読み取って該ICカードに前記開始情報を記録しかつ前記入門ゲートを開放する一方、駐車場に入場した車の退場時に前記利用情報が記録された前記ICカードが近づけられると精算処理を行いかつ前記出門ゲートを開放することを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項3】 請求項1において、駐車場には車が駐車される駐車領域を管理する駐車管理装置が設けられ、前記リーダライタは時計手段を有し、駐車場への車の入場時に前記ICカードが近づけられると前記時計手段の時刻データを読み取って該ICカードに前記開始情報を記録しかつ前記駐車管理装置から入力した前記駐車領域の番号を示す駐車領域番号を記録する一方、駐車場に入場した車の退場時に前記利用情報が記録された前記ICカードが近づけられると精算処理を行いかつ前記駐車管理装置に対し前記駐車領域番号を送信し、前記利用客の車を出口に移動させることを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項4】 請求項1において、前記IDと利用情報とに基づいて各利用客の利用状況を管理する管理装置を設け、前記管理装置は利用客の利用頻度に応じて前記駐車場の予約を行うことを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項5】 請求項1において、前記ICカードにはプリペイドデータが記録され、前記リーダライタは時計手段を有し、駐車場からの車の退場時に前記ICカードの開始情報と前記時計手段の時刻データとから駐車場の利用時間を演算し、この利用時間が所定の許容時間を超過した場合は超過時間に相当する料金を前記プリペイドデータから徴収することを特徴とする駐車場管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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