説明

駐車支援装置

【課題】表示手段において路面の状況を容易に把握しながら車体を目標位置において精度高く停車させ得る駐車支援装置を構成する。
【解決手段】車体を駐車目標エリアFに導入する駐車支援制御を行う際に駐車目標エリアFに最終停車目標位置Pxが設定されると、車体に備えたカメラで進行方向の路面を撮影した撮影画像をモニタ21に表示し、モニタ21に表示された撮影画像には指標Qが表示される。この指標Qは、車体が最終停車目標位置Pxに到達した際に、車体のバンパーの上側の輪郭30Eの形状に合致する形状で、最終停車目標位置Pxに対応する位置に重畳表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車支援装置に関し、詳しくは、車体に備えたカメラ等で路面等が撮影された撮影画像をモニタ等の表示手段に表示し、この撮影画像の路面に指標を重畳表示し、このように表示される指標に向けて車体を移動させることにより駐車目標に車体を誘導する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のように構成された駐車支援装置としては特許文献1には、車体に備えたカメラの撮影画像をモニタに表示する画像処理系を備え、モニタに表示される撮影画像の路面(文献中では地面)にライン状のガイド情報を表示し、車体の現在位置に対応する枠状の指標が表示される。ガイド情報に指標を合致させるように車体を進行させることで車体を駐車位置に誘導する制御形態が記載されている。
【0003】
具体的な制御形態として、ユーザによって駐車位置が設定された場合には、車体を駐車位置に誘導する進路が演算によって求められ、モニタには進路上で車体が停止すべき地面にガイド情報が表示される。また、モニタの撮影画像に重畳するように指標が表示され、車体を移動させた場合には、路面上に表示されている撮影画像に表示されている指標との相対的な位置関係が変化する。そして、車体の移動によりガイド情報を取り囲む位置関係となるように相対的な位置関係を設定して停止することで車体が進路上の目標位置において目標とする姿勢に達する。これを1回もしくは複数回行うことにより車体を駐車位置に導入できることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4414959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される制御を行うものでは、指標を表示するためのデータを保存する必要がある。また、駐車支援制御の実行時にはデータをモニタに表示するための処理ステップを必要とし、モニタに対して指標が継続的に表示されるため、この指標が路面を遮ることになり路面の窪み等の状況をモニタの表示から把握し難いことも考えられた。
【0006】
特許文献1に示されるように、モニタに表示されるガイド情報と指標とを合致させるように車体の走行を行うものでは、車体の停止位置の精度を高めるものであり、この有効な面を損なうことなく駐車支援を実現する装置が求められている。
【0007】
本発明の目的は、表示手段において路面の状況を容易に把握しながら車体を目標位置において精度高く停車させ得る駐車支援装置を合理的に構成する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、車体の進行方向の路面を撮影する車載型の撮影手段と、前記撮影手段が撮影した撮影画像を表示する表示手段と、車体を目標位置に誘導する誘導経路を設定する誘導経路設定手段と、前記誘導経路上の目標位置に対応した指標を生成して前記撮影画像に表示する指標生成手段とを備えると共に、
前記指標生成手段は、車体が前記目標位置に到達した時点で前記撮影画像に含まれる車体の一部の輪郭に合致する形状となる前記指標を生成する点にある。
【0009】
この構成によると、表示手段に表示される撮影画像の路面上に指標が表示され、撮影画像には車体の一部の画像が表示される。この車体の一部の画像は、撮影手段で撮影された撮影画像の下端側に対して自然に写り込むものであり、例えば、撮影画像の中央位置に何らかの情報を表示するものと比較すると、撮影画像の路面を覆うものではなく、路面の状況の把握を容易にする。そして、車体を誘導経路に沿って目標位置に誘導する際には、車体の一部の画像の輪郭とが合致するタイミングで車体を停車させることで適正な位置で停車することが可能となる。
その結果、表示手段において路面の状況を容易に把握しながら車体を目標位置において精度高く停車させ得る駐車支援装置が合理的に構成された。特に、運転者が操舵を行いながら車体を進行させて目標位置に誘導する場合には、車体の一部の画像の輪郭と指標とを合致させることにより、車体を目標位置に対し目標となる姿勢で精度高く停車させることが可能となる。
【0010】
本発明は、前記車体の一部がバンパーであり、前記指標生成手段は、前記車体が前記目標位置にある状況で前記撮影画像に含まれるバンパーの画像の輪郭に沿う形状の指標を、前記撮影画像に対応する仮想空間において前記目標位置の路面の上方で前記バンパーの高さに生成し前記撮影画像に表示しても良い。
【0011】
これによると、表示手段に表示される撮影画像に対し目標位置の路面の上方でバンパーの高さに生成した指標が表示される。車体を進行させ目標位置に接近した場合には、表示手段の撮影画像には目標位置の上方の空間に指標が表示されることになる。つまり、指標は路面上の空間に浮かぶ形態で表示されため、車体を移動させた場合には、この指標と背景との関係が変化するものとなるが、操舵により指標とバンパーの画像の輪郭とを合致させることにより、車体を目標位置に誘導できる。
【0012】
本発明は、前記車体の一部がバンパーであり、前記指標生成手段は、前記車体が前記目標位置にある状況で前記撮影画像に含まれるバンパーの画像の輪郭を前記撮影手段の位置から前記路面に投影した位置に生成し前記撮影画像に表示しても良い。
【0013】
これによると、表示手段に表示される撮影画像において目標位置を基準にして車体の位置と反対側の路面に対して指標が表示される。車体を進行させて目標位置に接近した場合には、表示手段の撮影画像の路面には、車体の移動方向の下流側に指標が表示されることになる。つまり、指標は路面上において目標位置と離間した位置に表示されることになるが、この指標とバンパーの輪郭とを合致させるように操舵を行うことにより、車体を目標位置に誘導できる。
【0014】
本発明は、前記誘導経路設定手段は、前記車体を停車した状態で駐車目標エリアが設定されることにより、駐車目標エリアと車体との位置関係から前記誘導経路を設定すると共に、
前記指標生成手段は、操舵の切返しを行うことなく前記駐車目標エリアに誘導できる誘導経路が設定された場合には前記駐車目標エリアで車体を停車すべき位置を目標位置として前記指標を生成し、前記駐車目標エリアに対して操舵の切返しを必要とする誘導経路が設定された場合には、この切返し位置と、前記駐車目標エリアで車体を停車すべき位置とを目標位置として前記指標を生成しても良い。
【0015】
これによると、停車状態で駐車目標エリアを設定することにより、誘導経路設定手段が誘導経路を設定し、このように設定された誘導経路に基づいて指標生成手段が目標位置に対応して指標を生成する。つまり、停車状態で駐車目標エリアを設定することにより自動的な処理により目標位置が設定され、目標位置に対応した指標が設定される。
【0016】
本発明は、前記撮影手段が広角レンズを備えることにより、前記撮影画像の上部領域が上に凸状となるように湾曲して表示され、前記指標生成手段は、前記指標が前記撮影画像の上部領域に表示される際でも元の形状を変形せず、車体との距離に対応した拡大率で表示しても良い。
【0017】
広角レンズで撮影された撮影画像は、上部側が上に凸状となるように湾曲し、下部側が凹状なる(下に突出する形状となる)ように湾曲して表示される。このように湾曲にして表示される撮影画像に指標を重畳して表示する場合には、撮影画像に表示される背景との違和感をなくすために指標の形状を背景に沿って湾曲するように変形して表示することも考えられるが、このように湾曲させた場合には指標の形状が車体の一部の輪郭と異なるものに見えるため指標として認識し難い不都合を招くものである。
これに対して指標が撮影画像の上部に表示される場合でも元の形状を変形させない場合には、目標位置との距離によって表示されるサイズは変化するものであるが、車体の一部の輪郭に合致する形状であるので、指標であることを視覚によって容易に認識できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】車体の構成を示す斜視図である。
【図2】車内のパネル部等を示す斜視図である。
【図3】前部カメラの位置を示す車体前部の斜視図である。
【図4】車体の構成の概略を示す平面図である。
【図5】制御系のブロック回路図である。
【図6】車体を直接誘導制御により誘導する経路を示す図である。
【図7】車体を切返し誘導制御により誘導する経路を示す図である。
【図8】駐車目標エリアの設定開始時のモニタの表示を示す図である。
【図9】駐車目標エリアの設定完了時のモニタの表示を示す図である。
【図10】モニタに表示された指標の形状を示す図である。
【図11】空間表示処理により表示される指標を説明する図である。
【図12】路面表示処理により表示される指標を説明する図である。
【図13】切返し誘導制御の開始時のモニタの表示を示す図である。
【図14】第1停車目標位置に車体が達した際のモニタを示す図である。
【図15】第1停車目標位置に車体が達した後のモニタを示す図である。
【図16】第2停車目標位置に対応する指標が表示されたモニタを示す図である。
【図17】最終停車目標位置に対応する指標が表示されたモニタを示す図である。
【図18】最終停車目標位置に車体が接近した際のモニタを示す図である。
【図19】最終停車目標位置に車体が達した際のモニタを示す図である。
【図20】駐車支援制御の概要を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、乗用車として構成される車両の車体30を自動操舵を含む誘導制御により駐車目標エリアF(目標位置の一例)に誘導する駐車支援装置を説明する。
【0020】
図1〜図4に示すように、車体30は、前車輪31及び後車輪32を有し、ルーム内には運転座席33とステアリングホイール34とが備えられ、その前部にメータ類を有したパネル35が配置され、運転座席33の側部に変速を行うシフトレバー36が配置されている。
【0021】
ステアリングホイール34は、回転操作力を前車輪31に伝えて駆動操舵を行うパワーステアリングユニットPSと連動している。車体前部にはエンジンEと、このエンジンEからの動力を変速して前車輪31に伝えるにトルクコンバータやCVT(continuously variable transmission)等で成る変速機構Tとを配置している。運転座席33の前方には走行速度を制御するアクセルペダル37と、前車輪31と後車輪32とのブレーキ装置BKを操作して前車輪31、後車輪32に制動力を作用させるブレーキペダル38とが並列配置されている。
【0022】
運転座席33の近傍のコンソールの上部位置には、表示手段として表示面にタッチパネル21Tが形成されたモニタ21が備えられている。モニタ21は、バックライトを備えた液晶式のものである。もちろん、プラズマ表示型のものやCRT型のものであっても良い。また、タッチパネル21Tは、指などによる接触位置をロケーションデータとして出力することができる感圧式や静電式の指示入力装置である。モニタ21にはスピーカ22も備えられているが、スピーカ22はドアの内側など、他の場所に備えられても良い。尚、モニタ21はナビゲーションシステムの表示装置として用いるものを兼用しているが、駐車支援のために専用のものを備えても良い。
【0023】
本実施形態では、車体周辺の路面を含む情景を撮影する撮影手段として、車体30の後端でバンパー30Bの上方位置に後部カメラ23Rが備えられ、車体30の前端でバンパー30Bの上方位置に前部カメラ23Fが備えられている。カメラ23(後部カメラ23Rと前部カメラ23Fとの総称)はCCD(charge coupled device)やCIS(CMOS image sensor)などの撮像素子を内蔵するデジタルカメラであり、撮影した情報を動画情報としてリアルタイムに出力する。カメラ23は、広角レンズを有しており、水平方向に120〜180度の視野角が確保されている。また、カメラ23は、光軸に約30度程度の俯角を有して設置され、車体30の後方8m程度までの領域を撮影可能である。
【0024】
車体30には運転操作や移動状態を検出するための各種センサが備えられている。具体的に説明すると、ステアリングホイール34の操作系にはステアリング操作方向(操舵方向)と操作量(操舵量)とを計測するステアリングセンサ24を備えている。シフトレバー36の操作系にはシフト位置を判別するシフト位置センサ25を備えている。アクセルペダル37の操作系には操作量を計測するアクセルセンサ26を備えている。前記ブレーキペダル38の操作系には操作の有無を検出するブレーキセンサ27を備えている。
【0025】
後車輪32の近傍には後車輪32の回転量から車体30の移動量を計測する移動距離センサ28が備えられている。尚、この移動距離センサ28として、変速機構Tの回転系の回転量から移動量を取得するものを用いても良い。また、この移動距離センサ28は、前車輪31の回転量を計測するものでも良く、フォトインタラプタ型やピックアップ型のセンサを用いることが可能である。
【0026】
〔制御系の構成〕
車体30の中央部には、本発明の駐車支援装置の中核をなすECU20が配置されている。このECU20は、図5に示すように、情報の入出力を行うようにセンサ入力インターフェース19aと通信インターフェース19bとで成るインターフェースを備えると共に、このインターフェースを介して得られる情報を処理するマイクロプロセッサや、DSP(digital signal processor)が備えられている。
【0027】
センサ入力インターフェース19aは、運転操作や移動状態を検出するためのステアリングセンサ24等の各種センサからの情報を取得し、通信インターフェース19bはタッチパネル21T、カメラ23、パワーステアリングユニットPS、変速機構T、ブレーキ装置BKとの間で通信を行う。また、モニタ21に対しては画像処理モジュール8aを介して画像が出力され、スピーカ22に対しては音声処理モジュール8bを介して音声が出力される。
【0028】
本発明の駐車支援装置は、図5に示す如く、センサ入力インターフェース19aを介して信号を取得する系と、通信インターフェース19bを介して情報のアクセスを行う信号を取得する系と、画像処理モジュール8aと、音声処理モジュール8bとが備えられている。更に、この駐車支援装置は、撮影画像取得部1と、駐車目標エリア設定部2と、誘導モード設定部3と、誘導制御部4と、停車指標生成部5(停車指標生成手段の一例)と、位置情報取得部6と、画像処理モジュール8aと、音声処理モジュール8bとを備えている。この接続は、例えば、マイクロプロセッサ内外のデータバス、アドレスバス、コントロールバスなどを介して行われる。
【0029】
また、撮影画像取得部1、駐車目標エリア設定部2、誘導モード設定部3、誘導制御部4、停車指標生成部5、位置情報取得部6、画像処理モジュール8a、音声処理モジュール8b夫々はソフトウエアで構成されるものであるが、例えば、ソフトウエアとハードウエアとの組み合わせで構成されるものであっても、ハードウエアのみで構成されるものでも良い。
【0030】
撮影画像取得部1は、カメラ23によって撮影された画像データを設定されたインターバル(例えば、1秒間に数コマ以上)で取得する。取得した画像情報は画像処理モジュール8aにより動画としてモニタ21に表示される。尚、後部カメラ23Rの撮影画像をモニタ21に表示する場合には、撮影画像から左右を入れ替えた鏡面反転画像が生成され表示される。これにより、運転者はルームミラーによって車体後方を確認する際と同様の感覚でモニタ21に表示された撮影画像から情報を把握できることになる。
【0031】
駐車目標エリア設定部2は、撮影画像取得部1で取得された撮影画像から自動的な処理と人為的な操作とから駐車目標エリアFを設定する。尚、この実施の形態では駐車目標エリアFとして路面に記された2つの区画線W(駐車区画線)によって挟まれる領域が駐車目標エリアFにとして想定され、運転者が確認することにより駐車目標エリアFが設定される。
【0032】
この駐車目標エリア設定部2の具体的な処理形態を以下に説明する。駐車目標エリアFを設定する場合には、車体30を駐車目標とするエリアの近傍に停車させ、シフトレバー36をリバースに設定する。これにより駐車目標エリア設定部2が、カメラ23で撮影された車体後方周辺の撮影画像を図8に示す如くモニタ21に表示し、この撮影画像に、左右一対の注目領域イメージVがスーパーインポーズ等の処理によって重畳表示される。尚、注目領域イメージVは駐車目標エリア設定部2が生成して撮影画像に重畳表示する。
【0033】
この表示状態において、ステアリングホイール34の操作を行うことにより、このステアリングホイール34の操作量に対応した距離だけ注目領域イメージVが移動する。この移動により図9に示す如く、注目領域イメージVが区画線Wに重複する位置に達すると、駐車目標エリア設定部2が画像処理により区画線Wの位置を認識し、この区画線Wに挟まれる領域に枠状エリアFxを表示する。このように表示された枠状エリアFxが駐車すべき領域である場合には、モニタ21の確定ボタン41に運転者が指を接触させる等の確定操作を行うことで枠状エリアFxが駐車目標エリアF(図6、図7を参照)としてECU20の不揮発性メモリ等に記憶される。また、図9に示すように2本の区画線Wに挟まれる領域に車止め10が存在する場合には、この車止めを画像処理によって抽出し、駐車目標エリアFの選択の精度を高めるように処理形態を設定しても良い。
【0034】
尚、枠状エリアFxを設定する操作形態は、これに限るものではなく、枠状エリアFxを画面に表示し、運転者がタッチパネル21Tに指を接触させてスイッチ類を操作することや、枠状エリアFxを指でドラッグする形態で移動させ、運転者が望む領域に達した時点で確定ボタン41を操作して駐車目標エリアFを確定させるもの等、処理形態はどのようなものであっても良い。このように確定した駐車目標エリアFはモニタ21に対して継続的に表示されることになる。
【0035】
誘導モード設定部3は、誘導経路設定手段3Aと停車位置設定手段3Bとで構成されている。そして、誘導経路設定手段3Aは、停車位置から駐車目標エリアFに対して車体30を、切返すことなく後進させて直接的に誘導する「直接誘導制御」と、停車位置から駐車目標エリアFに対してステアリングホイール34の切返し操作により車体30を誘導する「切返し誘導制御」との何れか一方を設定する。
【0036】
この誘導経路設定手段3Aの処理形態の概要として、誘導経路設定手段3Aは、車体30の現在の停車位置と駐車目標エリアとから、車体30を後進させて駐車目標エリアFに誘導するための仮想誘導経路を複数想定する。この複数の仮想誘導経路は、操舵角や操舵タイミングが異なるものであり、この複数の仮想誘導経路のうちの1つでも、車体30のボディが駐車目標エリアFの側方に張り出すことなく(図6〜図9に示す区画線Wと重複する位置を通過することなく)誘導できるものが存在すれば、「直接誘導制御」を設定する。そして、図6に示すように、その仮想誘導経路を直接誘導経路Jに設定すると共に、停車位置設定手段3Bが、直接誘導経路Jは、車体30の後端の現在位置P0から駐車目標エリアFにおいて停車すべき最終停車目標位置Pxの間に設定する。
【0037】
これとは逆に、想定した複数の仮想誘導経路の全てに沿って車体30を移動させた場合に、車体30のボディが駐車目標エリアFの側方に張り出すことを判定した場合には、誘導経路設定手段3Aが「切返し誘導制御」を設定すると共に、図7に示す間接誘導経路Kを設定する。
【0038】
この「切返し誘導制御」における間接誘導経路Kを例に挙げると、図7に示す如く、間接誘導経路Kは、車体30の後端の現在位置P0から駐車目標エリアFにおいて停車すべき最終停車目標位置Pxの間に形成される第1誘導経路K1と、第2誘導経路K2と、第3誘導経路K3とで構成される。また、停車位置設定手段3Bは、第1誘導経路K1と第2誘導経路K2と間に第1停車目標位置P1を設定し、第2誘導経路K2と第3誘導経路K3との間に第2停車目標位置P2を設定する。更に、第3誘導経路K3の終端位置に最終停車目標位置Pxを設定する。
【0039】
誘導制御部4は、直接誘導制御手段4Aと切返し誘導制御手段4Bとで構成されている。そして、直接誘導制御手段4Aは、「直接誘導制御」において、位置情報取得部6で取得した位置情報に基づいて車体30の現在位置を参照しながら、直接誘導経路Jに沿うようにパワーステアリングユニットPSを制御し、自動操舵により車体30を後進させる制御を実行する。
【0040】
切返し誘導制御手段4Bは、「切返し誘導制御」において、位置情報取得部6で取得した位置情報に基づいて車体30の現在位置を参照しながら、間接誘導経路Kに沿うようにパワーステアリングユニットPSを制御し、自動操舵により車体30を進行(後進又は前進)させる制御を実行する。
【0041】
このように車体30を自動操舵により進行させる際にはブレーキペダル38の操作で運転者による速度調整が可能となる。また、間接誘導経路Kは、第1誘導経路K1と、第2誘導経路K2と、第3誘導経路K3とで構成されているため、「切返し誘導制御」の実行時には第1停車目標位置P1と第2停車目標位置P2とにおいて運転者がブレーキペダル38の操作で停車を行い、運転者がシフトレバー36の操作で進行方向の切り換えを行うことになる。
【0042】
特に、直接誘導制御手段4Aと切返し誘導制御手段4Bとの何れが実行される際にも、必要なメッセージがモニタ21に表示されると共に、このメッセージがスピーカ22から音声で出力される。
【0043】
停車位置イメージ生成手段としての停車指標生成部5は、目標位置Pと対応する位置に指標Qを表示する。具体的に説明すると、前述した直接誘導経路Jが設定された場合には駐車目標エリアFにおいて車体30が停車すべき最終停車目標位置Px(目標位置Pの一例)に対応する指標Q(図17、図18を参照)を撮影画像に重畳表示する。また、前述した間接誘導経路Kが設定された場合には、図13に示すように、最初に車体30を停車させるべき第1停車目標位置P1(目標位置Pの一例)と、次に車体30を停車させるべき第2停車目標位置P2(目標位置Pの一例)等に対応する指標Qを撮影画像に重畳表示し(図13、図18を参照)、更に、駐車目標エリアFにおいて車体30が停車すべき最終停車目標位置Pxに対応する指標Q(図17、図18を参照)を撮影画像に重畳表示する。この間接誘導経路Kが設定され、車体30を移動させる場合には車体30が停車目標位置(切返し位置)に達するまでは次の指標Qを表示しない処理が行われる。
【0044】
尚、最終停車目標位置Pxと第1停車目標位置P1と第2停車目標位置P2とは、本発明の目標位置Pの下位に含まれる概念である。
【0045】
位置情報取得部6は、車体30の移動時に、車体30の誘導に必要な車体30の現在位置の情報と、車体30に対する駐車目標エリアFの相対位置の情報とを取得する。つまり、位置情報取得部6では車体30の移動に伴って変化する車体30の位置情報を検出する車両位置検出処理と、車体30の移動に伴って変化する駐車目標エリアFとの相対的な位置関係を検出する駐車目標エリア検出処理とを行う。これらの処理はカメラ23で撮影された撮影画像から画像処理により取得した情報と、移動距離センサ28で取得する車体30の移動量と、ステアリングセンサ24で計測されるステアリングホイール34の操舵量とに基づいて行われる。
【0046】
〔停車指標生成部の処理形態〕
本発明の駐車支援装置では、指標Qの形状と表示形態とに特徴を有している。つまり、停車指標生成部5は、車体30が目標位置Pに到達した時点で撮影画像に写り込んでいる(撮影画像に含まれる)バンパー30B(車体の一部の一例)の上側の輪郭30Eと合致する形状の指標Qを生成し、モニタ21に表示する。
【0047】
前述したようにカメラ23には広角レンズが備えられているため、撮影画像の下側領域に写り込んでいるバンパー30Bの上側に輪郭30Eは凹状に湾曲するライン状に表示される。また、停車指標生成部5は、モニタ21の画面中に車体30から目標位置Pに対応する位置に指標Qを表示するため、車体30との距離に対応した拡大率で指標Qを表示することになる。つまり、遠方に存在する目標位置Pに対応する指標Qは画面に小さく表示され、車体30との距離が短いほど大きく表示され、遠方に存在する指標Qは画面の上部領域に表示される。
【0048】
カメラ23には広角レンズが備えられているため、画面の上部領域の画像は上に凸状となる形状に湾曲することになる。従って、車体30から遠方に存在する指標Qは、画面の上部領域に表示されることになり、この指標Qも例えば、図10に示す如く、上に凸状となる形状に湾曲させることが視覚的に無理がない。しかしながら、指標Qを上に凸状となる形状で表示した場合には、バンパー30Bの上側に輪郭30Eに対応しないものとなり、運転者がバンパー30Bの上側に輪郭30Eに合致させるべき対象として認識し難いものとなる。このような理由から、モニタ21の上側に指標Qを表示する場合には、停車指標生成部5が指標Qの元の形状を変形させずにバンパー30Bの上側に輪郭30Eに沿うように凹状に表示する。
【0049】
特に、停車指標生成部5による指標Qの具体的な表示形態として、空間表示処理と、路面表示処理との何れか一方の処理が行われる。空間表示処理とは、例えば、図11(a)に示すように、最終停車目標位置Pxに到達した車体30のバンパー30Bの上側の輪郭30Eの合致する形状で、このバンパー30Bが存在する高さに指標Qを表示するように仮想空間に指標Qが描画される処理である。
【0050】
この空間表示処理では、同図に示す如く指標Qが最終停車目標位置Px(目標位置Pの一例)に対応した空間(最終停車目標位置Pxの直上位置)に表示されるため、車体30の移動を開始する以前には、図11(b)に示すように、現実の最終停車目標位置Pxより離間した位置(車体を基準として車体から離れる位置)に表示される。そして、車体30を移動させて最終停車目標位置Pxに接近するほど、図11(c)に示すように、指標Qの表示位置が最終停車目標位置Pxに接近するように路面Gに対して指標Qの表示位置が変化する。そして、車体30が最終停車目標位置Pxに到達した時点で指標Qがバンパー30Bの輪郭30Eと合致する。
【0051】
この空間表示処理では、初期に表示された指標Qから路面Gにおける最終停車目標位置Px位置の把握が困難であるため、この指標Qの直下の路面に指標Qに対応する影Qsを表示する処理が行われる。この影Qsは、指標Qと同じ色相又は近似する色相で、指標Qより輝度を低下させたものである。また、指標Qは点滅させる形態で表示させるものでも良く、この点滅と連係して影Qsの濃淡が変化する表示形態でも良い。尚、指標Qと影Qsとを異なる色相で表示しても良い。
【0052】
また、路面表示処理とは、図12(a)に示すように最終停車目標位置Px(目標位置Pの一例)に到達した車体30のバンパー30Bの上側の輪郭30Eを路面Gに投影した位置に指標Qが存在するように、撮影画像の路面Gに指標Qが描画される処理である。
【0053】
この路面表示処理では、指標Qが最終停車目標位置Pxの路面Gに表示されるものであるが、この指標Qの表示位置はカメラ23の位置からバンパー30Bの上面の輪郭30Eを路面Gに投影した位置、つまり、車体30の端部(例えば、後端)より少し後方に表示される。従って、目標位置に向けて車体30を移動させる際には、図12(b)、図12(c)に示すように、路面Gと指標Qとの相対的な位置関係は変化することはない。そして、車体30が目標位置に到達した時点で指標Qがバンパー30Bの輪郭30Eと合致する。
【0054】
本発明の駐車支援装置では、「直接誘導制御」と「切返し誘導制御」の何れの誘導制御であってもモニタ21に表示される指標Qの表示形態に特徴を有するものであり、その制御の概要を「切返し誘導制御」を例に挙げて以下に説明する、
【0055】
〔駐車支援制御(切返し誘導制御)〕
この制御の概要を図20のフローチャートに示しており、図7に示される間接誘導経路Kにおいて「切返し誘導制御」により車体30を駐車目標エリアFに誘導する際の初期のモニタ21の表示内容を図13に示している。この制御では、モニタ21に対してカメラ23の撮影画像を表示すると共に、この撮影画像に対して指標Qを重畳表示することで、車体30を目標位置に対して精度高く停車できるようにしている。以下には、自動操舵により車体30の移動させる制御形態を示しているが、運転者がステアリングホイール34を人為操作して車体30を移動させる際にも指標Qを表示することも可能である。
【0056】
特に、この駐車支援制御では、指標Qを前述した空間表示処理により表示しており、この表示により指標Qとこの指標Qの影Qsとが撮影画像に重畳表示されることになる。
【0057】
駐車支援制御を行う場合には、前述した操作により駐車目標エリア設定部2が駐車目標エリアFを設定した後に、誘導モード設定部3の誘導経路設定手段3Aが間接誘導経路Kを設定する。そして、間接誘導経路Kが設定された場合に実行される誘導制御が「切返し誘導制御」であることの報知と、車体30の移動を促す報知が行われる(#101、#102ステップ)。
【0058】
このような報知は、例えば、図13に示す如く、モニタ21に対して「切返し位置までバックして下さい」とのメッセージが表示されると同時に、このメッセージがスピーカ22から音声で出力される。特に、制御の初期には第1誘導経路K1に沿って車体30を移動させることになるので、車体30の移動を促すメッセージとして出力される「切返し位置」とは第1停車目標位置P1のことである。
【0059】
この制御の初期には、モニタ21に撮影画像が表示され、このモニタ21に表示されている撮影画像に対して、停車指標生成部5が、図13に示す如く、第1停車目標位置P1に対応した位置に指標Qと、この指標Qの影Qsとを重畳表示する処理が行われ、直接誘導制御手段4Aによる「切返し誘導制御」が実行される(#103〜#105ステップ)。
【0060】
#105ステップの「切返し誘導制御」では、駐車目標エリアFを設定した直後に実行されるので、モニタ21には既に車体後方周辺の撮影画像が表示された状態にある。このため、「切返し誘導制御」の実行開始時には指標Qだけが表示される。また、駐車目標エリアFを設定する際にはブレーキペダル38が踏み込まれた状態にあるので、運転者のブレーキペダル38の踏み込み量を調節する操作により車体30の後進が開始され、この後進の際にブレーキペダル38の操作によって移動速度の調節が可能となる。尚、このように車体30を後進させる際にアクセルペダル37を操作しても良い。
【0061】
このように「切返し誘導制御」の実行に伴い車体30の後進が開始されると、位置情報取得部6が車体30の位置情報を取得し、切返し誘導制御手段4BがパワーステアリングユニットPSを制御して自動操舵により第1誘導経路K1に沿って車体30を移動させることになる。
【0062】
この自動操舵により第1誘導経路K1に沿って車体30を後進させる際には、車体30の移動に伴い位置情報取得部6で取得した位置情報に基づいて操舵量の調整が行われると共に、指標Qとこの指標Qの影Qsとの表示位置と表示サイズとが演算によって求められ、撮影画像に更新するように重畳表示される。このように第1誘導経路K1に沿って車体30を移動させる自動操舵が行われることにより、車体30は第1停車目標位置P1に接近する。
【0063】
そして、モニタ21に表示されている指標Qに対してバンパー30Bの上側の輪郭30Eが一致するタイミングに達すると、停車を促す報知が行われる。この報知は、図14に示す如くモニタ21に対して「停車して下さい」とのメッセージが表示されると同時に、このメッセージがスピーカ22から音声で出力される。
【0064】
停車を促す報知として、例えば、車体30が第1停車目標位置P1に到達する以前に、目標位置(切返し位置)に到達した時点で停車する必要があることを伝えるメッセージであっても良い。つまり、「切返し誘導制御」では位置情報取得部6で取得した位置情報に基づいて停車すべき報知を行うことになるため、報知のタイミングには多少の誤差を含むことになる。従って、目標位置(切返し位置)に達する以前に目標位置(切返し位置)に接近していることを運転者に認識させ、この後に運転者が指標Q等に基づいて目標位置に到達したことを判断し、車体30を停車させることが停止位置の精度を高める面で好ましい。
【0065】
このような報知と、モニタ21表示されている指標Qとに基づいて運転者がブレーキペダル38を操作して車体30を停車させることで第1停車目標位置P1において精度高く停車できる。次に、シフトレバー36をドライブ位置(前進位置)にセットし、車体30の移動を促す報知が行われる(#106〜#109・#102ステップ)。
【0066】
この前進を促す報知は、図15に示す如くモニタ21に対して、例えば、「シフトをDにセットし、切返し位置まで前進させて下さい」とのメッセージが表示されると同時に、このメッセージがスピーカ22から音声で出力される。
【0067】
次に、シフトレバー36がD(ドライブ)にセットされることにより、前部カメラ23Fの撮影画像がモニタ21に表示されると共に、図16に示すように、撮影画像に対して指標Qとこの指標Qの影Qsとを重畳表示され、「切返し誘導制御」が継続的に実行される。この制御においても、運転者のブレーキペダル38の踏み込み量を調節する操作により車体30の前進が開始され、この前進の際にブレーキペダル38の操作によって移動速度の調節が可能となる。この車体30の前進においても位置情報取得部6が車体30の位置情報を取得し、切返し誘導制御手段4BがパワーステアリングユニットPSを制御して自動操舵により第2誘導経路K2に沿って車体30を移動させる(#103〜#105ステップ)。
【0068】
このように車体30を前進させる際に、図7に示す如く、本来、車体30の後端位置に対応して停車目標位置P’が設定されるものであるが、この車体30の後端側の停車目標位置P’を基準にして車体30の前端側に第2停車目標位置P2に対応する位置に指標Qが表示される。この移動時においても指標Qとこの指標Qの影Qsとの表示位置と表示サイズとが演算によって求められ、撮影画像に更新するように重畳表示される。このように第2誘導経路K2に沿って車体30を移動させる自動操舵が行われることにより、車体30は第2停車目標位置P2に接近する。
【0069】
このように車体30を前進させる制御においても、前述した制御と同様に、モニタ21に表示されている第2停車目標位置P2に対応して表示されている指標Qに対してバンパー30Bの上側の輪郭30Eが一致するタイミングに達すると、停車を促す報知が行われる。この報知は、図面には示していないが前述と同様にモニタ21に対して「停車して下さい」とのメッセージが表示されると同時に、このメッセージがスピーカ22から音声で出力される。
【0070】
そして、運転者がブレーキペダル38を操作して車体30を停車させた場合には、次に、車体30の後進を促す報知(図示せず)が行われる(#106〜#108、#102ステップ)。この報知においても、シフトレバー36をリバースR(後進位置)にセットする必要がある旨のメッセージが、前述報知と同様にモニタ21とスピーカ22から出力されることになる。
【0071】
次に、シフトレバー36がR(リバース)にセットされることにより、図17に示すように、後部カメラ23Rの撮影画像がモニタ21に表示されると共に、撮影画像に対して指標Qとこの指標Qの影Qsとを重畳表示され、「切返し誘導制御」が継続的に実行されることになる。そして、運転者のブレーキペダル38の踏み込み量を調節する操作により車体30の後進が開始され、この後進の際にブレーキペダル38の操作によって移動速度の調節が可能となる。この車体30の後進においても位置情報取得部6が車体30の位置情報を取得し、切返し誘導制御手段4BがパワーステアリングユニットPSを制御して自動操舵により第3誘導経路K3に沿って車体30を移動させ、モニタ21には図17に示すように撮影画像に指標Qと影Qsとが重畳表示される(#103〜#105ステップ)。
【0072】
この、車体30を後進させる制御においても、図19に示すように、モニタ21に表示されている最終停車目標位置Pxに対応して表示されている指標Qに対してバンパー30Bの上側の輪郭30Eが一致するタイミングに達すると、停車を促す報知が行われ、車体30を停車させ、所定の操作(例えば、モニタ21に表示されるスイッチ等)を操作することにより制御は終了する(#108、109ステップ)。この報知は、同図に示す如くモニタ21に対して「停車して下さい」とのメッセージが表示されると同時に、このメッセージがスピーカ22から音声で出力されることになる。
【0073】
また、「直接誘導制御」で車体30を駐車目標エリアFに誘導する際の制御形態は説明していないが、この「直接誘導制御」でも図17〜図19と同様にモニタ21に対して指標Qが表示されることになる。
【0074】
〔実施形態の効果〕
このように本発明の駐車支援装置では、「直接誘導制御」と「切返し誘導制御」の何れの誘導制御であっても、モニタ21に対して進行方向の路面の撮影画像が表示され、この撮影画像に対し目標位置Pに対応した指標Qが表示される。この指標Qとバンパー30Bの上側の輪郭30Eとが合致する状態に達した時点で運転者が車体30の進行を停止することにより、車体30を目標位置に精度高く停車させることが可能となる。
【0075】
〔別実施形態〕
本発明は、上記した実施形態以外に以下のように構成しても良い。
【0076】
(a)カメラ23の撮影画像に含まれる車体30の一部としてバンパー以外に、車体のボデーの一部であって良く、トーイングフック等の一部であっても良い。また、前部カメラ23Fの撮影画像に含まれる車体の一部として、フロントグリルやトーイングフック等の一部であっても良い。
【0077】
(b)直接誘導経路J又は間接誘導経路Kが設定された際には、最終停車目標位置Pxや第1停車目標位置P1等の目標位置Pに対応した指標Qをモニタ21の撮影画像に重畳表示するだけの処理を行うように誘導制御部4の制御形態を設定しても良い。このように制御形態を設定することにより、運転者が人為的にステアリングホイール34を操作し、指標Qとバンパー30Bの上側の輪郭30Eとを合致させるように操舵を行うことにより、駐車目標エリアFに車体30に対して精度高く車体30を導入できるものとなる。
【0078】
(c)停車指標生成部5により指標Qの表示形態として、空間表示処理と、路面表示処理との何れかを人為的に選択できるように制御形態を設定する。このように制御形態を設定することにより、運転者の運転に必要とする形態で指標Qを表示できることになる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、駐車時に車体を目標位置まで移動させて停車させる際に、目標位置で高い精度で車体を停車させる制御に利用できる。
【符号の説明】
【0080】
5 指標生成手段(停車指標生成部)
3A 誘導経路設定手段
21 表示手段(モニタ)
23 撮影手段(カメラ)
30 車体
30B 車体の一部・バンパー
30E 輪郭
F 駐車目標エリア
G 路面
J 誘導経路(直接誘導経路)
K 誘導経路(間接誘導経路)
Q 指標
P 目標位置
P1 目標位置(第1停車目標位置)
P2 目標位置(第2停車目標位置)
Px 目標位置(最終停車目標位置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の進行方向の路面を撮影する車載型の撮影手段と、前記撮影手段が撮影した撮影画像を表示する表示手段と、車体を目標位置に誘導する誘導経路を設定する誘導経路設定手段と、前記誘導経路上の目標位置に対応した指標を生成して前記撮影画像に表示する指標生成手段とを備えると共に、
前記指標生成手段は、車体が前記目標位置に到達した時点で前記撮影画像に含まれる車体の一部の輪郭に合致する形状となる前記指標を生成する駐車支援装置。
【請求項2】
前記車体の一部がバンパーであり、前記指標生成手段は、前記車体が前記目標位置にある状況で前記撮影画像に含まれるバンパーの画像の輪郭に沿う形状の指標を、前記撮影画像に対応する仮想空間において前記目標位置の路面の上方で前記バンパーの高さに生成し前記撮影画像に表示する請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記車体の一部がバンパーであり、前記指標生成手段は、前記車体が前記目標位置にある状況で前記撮影画像に含まれるバンパーの画像の輪郭を前記撮影手段の位置から前記路面に投影した位置に生成し前記撮影画像に表示する請求項1記載の駐車支援装置。
【請求項4】
前記誘導経路設定手段は、前記車体を停車した状態で駐車目標エリアが設定されることにより、駐車目標エリアと車体との位置関係から前記誘導経路を設定すると共に、
前記指標生成手段は、操舵の切返しを行うことなく前記駐車目標エリアに誘導できる誘導経路が設定された場合には前記駐車目標エリアで車体を停車すべき位置を目標位置として前記指標を生成し、前記駐車目標エリアに対して操舵の切返しを必要とする誘導経路が設定された場合には、この切返し位置と、前記駐車目標エリアで車体を停車すべき位置とを目標位置として前記指標を生成する請求項1〜3のいずれか一項に記載の駐車支援装置。
【請求項5】
前記撮影手段が広角レンズを備えることにより、前記撮影画像の上部領域が上に凸状となるように湾曲して表示され、前記指標生成手段は、前記指標が前記撮影画像の上部領域に表示される際でも元の形状を変形せず、車体との距離に対応した拡大率で表示する請求項1〜4のいずれか一項に記載の駐車支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−1041(P2012−1041A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−135953(P2010−135953)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】