説明

駐車管理装置

【課題】設置することが容易であり、しかも修繕や保守点検が容易な駐車管理装置を提供すること。
【解決手段】モータ7の動力で開閉可能なロック板を動作させるロック板駆動機構3を有する駐車管理装置1において、ロック板2が配設される側をロック板駆動機構3の側面との間で分離・結合可能に構成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に設置される自動車等の駐車管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ロック板の開閉動作によって車両を拘束する駐車管理装置では、ロック板が固定される軸の両端は基台等に配設される支持部によって支持されている。この際、支持部としては基台等と別体のものが用いられるため、該支持部を基台等に対して強固に固定することが必要とされる。従来から、これら支持部の固定方法として、基台等に溶接ボルトを固定し、該溶接ボルトとナットによって支持部を締結する方法が採用されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平11―125025号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているように、溶接ボルトとナットを用いて支持部を固定する場合、溶接ボルトが折れ易くなると共に、コストが上昇してしまう。そこで、本発明者は、かかる問題を解決するために、六角ボルトを用いて、支持部を基台等に固定する方法を考えた。しかしながら、このような固定方法を採用すると、六角ボルトの先端が基台等から下方に突出してしまい、その結果、該突出した六角ボルトが駐車管理装置の設置の際に邪魔になり、該駐車管理装置の設置に手間がかかってしまうといった問題が生ずる。
【0005】
また、駐車管理装置は屋外に設置されるため、従来からいたづらや故障対策が重要課題となっている。従来の駐車管理装置は、いたづらや故障により動作しなくなった場合や保守点検を行う際に、きわめて長時間を要している。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、設置することが容易であり、しかも修繕や保守点検が容易な駐車管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一面は、モータの動力で開閉可能なロック板を動作させるロック板駆動機構を有する駐車管理装置において、ロック板が配設される側をロック板駆動機構の側面との間で分離・結合可能に構成したものである。
【0008】
また、ロック板が配設される側には、ロック板とロック板駆動機構とは反対側にロック板から突出する回転軸と、ロック板が配設されるロック板ベース組とが設置されるものとするのが好ましい。
【0009】
また、ロック板駆動機構は、その側方に壁部を備えており、壁部をロック板と共に回転するロック板回転軸を支持する支持部として機能させると共に、該壁部をロック板ベース組の境として、ロック板駆動機構とロック板ベース組とを互いの側面で分離・結合可能に構成するのが好ましい。
【0010】
また、壁部は、ロック板駆動機構を構成するベース部において下方から上方に向かって立ち上がるように形成されており、ロック板駆動機構の内部に砂や埃の侵入を防止する防砂壁としての機能を果たすものとするのが好ましい。
【0011】
また、ロック板駆動機構は、ロック板に係脱できる回転軸を有し、その回転軸に対しロック板を分離可能に構成するのが好ましい。
【0012】
また、本発明の一面は、モータの動力で開閉可能なロック板を動作させるロック板駆動機構を有する駐車管理装置において、ロック板と共に回転するロック板回転軸を、ロック板駆動機構に備えられると共にモータの動力が伝達される第1のロック板回転軸と、ロック板に固定される第2のロック板回転軸との2つの軸に分割することにより、ロック板駆動機構と、ロック板とを互いの側面で分離・結合可能に構成したものである。
【0013】
また、第1のロック板回転軸は、ロック板と回転の周方向に遊びをもって係合しているものとするのが好ましい。
【0014】
また、ロック板駆動機構は、その側方に壁部を備えると共に、ロック板は地上に固定されるロック板ベース組に配設されており、壁部をロック板ベース組との境として、ロック板駆動機構をロック板ベース組と分離・結合可能に構成するのが好ましい。
【0015】
また、壁部は第1のロック板回転軸を支持する支持部として機能するものとするのが好ましい。
【0016】
また、壁部は、ロック板駆動機構を構成するベース部において下方から上方に向かって立ち上がるように形成されており、ロック板駆動機構の内部に砂や埃の侵入を防止する防砂壁としての機能を果たしているものとするのが好ましい。
【0017】
また、ロック板駆動機構は、100mm以上150mm以下の範囲内における幅寸法を有するものとするのが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、設置することが容易であり、しかも修繕や保守点検が容易な駐車管理装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態に係る駐車管理装置1について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、駐車管理装置1を含む駐車管理システムの基本構成を示す斜視図である。
【0021】
図1に示すように、駐車管理システムは、駐車管理装置1を含むシステムである。駐車管理装置1は、駐車車両の退出を禁止する開閉可能なロック板2を駆動させるロック板駆動機構3と、ロック板2が備えられた基台ユニット4と、を主な構成要素としている。駐車管理システムは、駐車管理装置1に加え、地中内に埋設されるループセンサー等からなる車両感知器5と、この車両感知器5の信号を受けてロック板駆動機構3を制御するコントロール部6A等が組み込まれた制御部6B等を有している。
【0022】
図2は、本発明の一実施の形態に係る駐車管理装置1のロック板駆動機構3および基台ユニット4の平面図である。図3は、図2のロック板駆動機構3および基台ユニット4を矢示I方向から見た正面図である。図4は、駐車管理装置1中のロック板駆動機構3と基台ユニット4とを分離した状態を示す分解斜視図である。図5は、駐車管理装置1のロック板駆動機構3および基台ユニット4の平面透視図である。図6は、図5のロック板駆動機構3および基台ユニット4を矢示II方向から見た背面透視図である。図7は、図5のロック板駆動機構3を矢示III方向から透視して見た側面図である。図8は、駐車管理装置1のロック板駆動機構3および基台ユニット4の基本構成を示す分解斜視図である。図9は、ロック板駆動機構3の分解斜視図である。なお、以下の説明において、ロック板2においてロック板駆動機構3が設けられている側(図2の左端側)を一端側、ロック板2においてロック板駆動機構3とは反対側(図2の右端側)を他端側と規定する。
【0023】
図2および図3に示すように、駐車管理装置1は、後述するモータ7の動力で開閉可能なロック板2を動作させるロック板駆動機構3を備えており、該ロック板2を開くこと、すなわち上方に起き上がらせることによって車両の退出を禁止し、車両を機械的に拘束する装置である。図4に示すように、このロック板駆動機構3は、基台ユニット4と分離可能に一体化されている。ここで、基台ユニット4とは、第3回転軸22を含むロック板駆動機構3以外の部分に当たる。この駐車管理装置1に使用されるロック板駆動機構3の基本構成は、図5から図9に示すように、モータ7と、このモータ7の動力をロック板2に伝える歯車輪列等からなる動力伝達機構と、この動力伝達機構中に入れられるリンク機構とラチェット機構とからなる。なお、ロック板駆動機構3は、短手方向において、駐車場に敷かれる白線6C(図1参照)と同程度の寸法となる約150mmの幅寸法を有するように設計されている。なお、ロック板駆動機構3の短手方向の幅寸法は、150mmに限定されるものではなく、100mm以上150mm以下の範囲内の幅寸法に設計することが可能である。
【0024】
ここで、図5から図9に示すように、モータ7には、モータ7への通電をオンした時、このモータ7の回転を減速する減速用ギアボックス8が固定されている。なお、この実施の形態では、減速用ギアボックス8によってモータ7の回転を減速させており、一種のギヤードモータとなっている。
【0025】
一方、歯車輪列は、モータ7の出力軸となる第1回転軸9の先端に固定された出力ギヤ10と、この出力ギヤ10と噛み合い、回転を減速する大径の第1のギヤ11と、この第1のギヤ11と一体回転する第2回転軸12とから構成される。すなわち、第2回転軸12、並びに、第1のギヤ11および後述するラチェットカム19にキー溝(図示省略)を設け、これらのキー溝(図示省略)にキー(図示省略)嵌合することによって、第1のギヤ11は第2回転軸12に固定され、第2回転軸12と一体回転する。この歯車輪列によって減速されたモータ7の回転は、後述するリンク機構を介して最終的にロック板2に伝達される。
【0026】
ロック板駆動機構3には、この歯車輪列に続いてリンク機構が設けられている。以下、リンク機構の詳細については、主に図8および図9を参照しながら説明する。リンク機構は、第1のギヤ11と、この第1のギヤ11に設けられる係止軸13と、この係止軸13に係止されるリンク14と、リンク14に設けられる長穴15(図7、図8および図9参照)内を相対移動可能に係合するように第2のギヤとなるラチェットギヤ16に設けられる係合軸17と、ラチェットギヤ16とから構成される。
【0027】
上述したリンク14には、係合軸17が係合する長穴15の他に、第1のギヤ11の係止軸13が嵌入し、係止軸13を支点としてリンク14が回動可能とされる係止孔14aが設けられている。長穴15は、係合軸17によって押圧される押圧部15aを有している。なお、リンク14は、全体として、への字状に曲げられている。
【0028】
そして、この駐車管理装置1の動力伝達機構中には、モータ7の回転をロック板2に伝えるための以上のような歯車輪列およびリンク機構に加え、さらに、ラチェット機構と、ロック板2を開き方向に付勢する付勢部材と、ロック板2を閉じ方向に引っ張る引張部材とが組み込まれている。
【0029】
以下、ラチェット機構の詳細について、主に図8および図9を参照しながら説明する。ラチェット機構は、第1のギヤ11に固定されたラチェットカム19と、このラチェットカム19のレバー当接面19a(図9参照)に当接するラチェットレバー20と、このラチェットレバー20と一体動作するラチェット爪21と、ラチェット爪21が係合するラチェットギヤ16と、このラチェットギヤ16が固定される第1のロック板回転軸となる第3回転軸22と、ラチェットレバー20に一端が係止されるラチェットバネ23と、ラチェット爪21の回動支点となるラチェット軸24と、このラチェット軸24の両端部分を支持し、第3回転軸22を周方向に回動可能に軸支するラチェットステー25とから主として構成されている。なお、上述した、ラチェットバネ23の一端はラチェットレバー20に設けられる係止孔20bに引っ掛けられる。また、第1のギヤ11とラチェットカム19は、複数のピン(図示省略)で互いに固定され一体化されている。
【0030】
なお、上述した、ラチェットギヤ16は、ラチェット爪21が噛合するラチェット歯部16aと、第3回転軸22と一体回転するようにキーが入れられるキー溝16bと、第3回転軸22が貫通する貫通孔16cを有する。そして、ラチェットギヤ16のラチェット歯部16aは、全周ではなく、外周の一部に設けられており、その設置部位は扇形状とされている。また、ラチェット爪21は、ラチェット軸24が貫通する支持孔21aと、ラチェットレバー20をその上部にねじ止めするための2つのねじ孔21b,21bを有している。そして、ラチェット爪21は、ラチェット軸24によってラチェットステー25に回動可能に保持される。
【0031】
また、ラチェットステー25は、2つの腕部25a,25a(図9参照)と、ダンパーゴム34に載置される載置部25b(図9参照)とから主に構成される。そして、ラチェットステー25には、ラチェット軸24を挿通し、支持する支持孔25c(図9参照)と、第3回転軸22が挿通される挿通孔25d(図9参照)とが設けられている。
【0032】
なお、ロック板2は、第3回転軸22と同一軸線上で回転する第2のロック板回転軸となる第4回転軸26に一体回転可能に取り付けられている。すなわち、ロック板2のロック板回転軸は、第1のロック板回転軸となる第3回転軸22と第2のロック板回転軸となる第4回転軸26との2つの回転軸を有している。このロック板回転軸は、後述する台部61の面に対して平行になっている。第4回転軸26の他端は、ロック板2から他端側に向かって突出している。一方、第3回転軸22の一端はベアリング27a(図9参照)を介して支持ユニット27(図9参照)に回転可能に支持されている。また、第3回転軸22の他端は断面が略小判形状をした係合挿入部28とされると共に、その他端部近傍はベアリング29a(図9参照)を介して後述するベース部32の壁部32aに回動可能に支持されている。すなわち、第3回転軸22は、係合挿入部28が壁部32aから他端側に突出するように、支持ユニット27および該壁部32aに支持されている。
【0033】
ロック板2を駆動する第3回転軸22をロック板2の開き方向(=起立方向)に常時付勢する付勢部材は、第3回転軸22に挿入される駆動バネ30で構成されている。この駆動バネ30は、その一端がラチェットギヤ16に設けられるバネ当接軸31に当接し、他端が後述するベース部32の表面に当接するように組み込まれる。なお、この取り付けは、ラチェットギヤ16と遊びを持って一体回転するロック板2が、開き方向に付勢されるように行われる。すなわち、ロック板2が閉じた場合、駆動バネ30が強く巻きしめられ、その結果、強い付勢力でもってロック板2を開かせようとするのである。
【0034】
モータ7と歯車輪列等の動力伝達機構は、ロック板駆動機構3のベースを構成し地上に固定されるベース部32に配設される。以下では、ベース部32の詳細について図9を参照しながら説明する。ベース部32は矩形状の平板を略L字状に折り曲げた形態を有している。このため、ベース部32は、その他端側に壁部32aを有する。このように、壁部32aは、ベース部32において下方から上方に向かって立ち上がるように形成されており、ロック板駆動機構3の内部に砂や埃の侵入を防止する防砂壁としての機能を果たしている。また、壁部32aには、第3回転軸22が挿通される円形の円形孔32bが設けられている。さらに、円形孔32bの側方には、円形孔32bより小径の穴32d,32dが横並びに2つ設けられている。また、壁部32aにおける他方の端部側にも、穴32dと同程度の直径を有する穴32eが横並びに2つ設けられている。また、ベース部32の地面と平行となる底部32fの一端部側に四角状の貫通孔32gが設けられている。
【0035】
また、図8および図9に示すように、ラチェットステー25とベース部32との間には、ラチェットステー25の回動を弾性的に支持する略直方体形状のダンパーゴム34が介在される。このダンパーゴム34はラチェットステー25の載置部25bの下に配置される。
【0036】
モータ7は、モータフレーム45(図9参照)に取り付けられる。このモータフレーム45は、ベース部32の一端側に配置される第1のフレーム板45a(図9参照)と、ベース部32の他端側に配置される第2のフレーム板45b(図9参照)とから構成されている。モータ7は、第1のフレーム板45aと第2のフレーム板45bとによって狭持される形で、ベース部32に配設される。これら第1のフレーム板45aおよび第2のフレーム板45bのそれぞれには、第2回転軸12を回転可能に支持するベアリング46,46(図9参照)が固定されている。また、第2のフレーム板45bには、ベアリング46が取り付けられる円形孔45cを中心として略半円弧状に切り欠かれた半円弧穴45d(図9参照)が形成されている。さらに、第1のフレーム板45aの下端部近傍には、上述した2つの穴32eと対応するように、のぞき穴45e,45eが横並びに2つ設けられている。また、第2のフレーム板45bの下端部近傍にも、2つの穴32eと対応するように、のぞき穴45f,45fが横並びに2つ設けられている。
【0037】
ラチェットバネ23は、その一端がラチェットレバー20の係止孔20bに引っ掛けられると共に、その他端は第1のフレーム板45から他端側に向かって突出する不図示の突出部に引っ掛けられる。このため、ラチェット爪21は、ラチェットバネ23によってベース部32側に向かって引っ張り力を受ける。このようにラチェット爪21の先端側がベース部32側に引っ張られることによって、ラチェット爪21とラチェットギヤ16とがしっかり噛合することとなる。
【0038】
ロック板2を閉じ方向(=倒れ方向)に引っ張る引張部材は、その一端が第1のギヤ11から一端側に向かって突出する突出軸11aに引っ掛けられるコイルバネ50で構成されている。この突出軸11aは、第1のフレーム板45aの半円弧穴45dに挿通されている。また、コイルバネ50の他端は、ベース部32に配設される矩形状の矩形フレーム51に形成される引掛穴51aに引っ掛けられる。このため、コイルバネ50は、後述するように、駆動バネ30の付勢力とは逆方向に向かってリンク14を引っ張ることとなる。したがって、閉動作におけるモータ7の駆動をコイルバネ50によって助けることが可能となる。
【0039】
また、歯車輪列等の動力伝達機構が配設されたベース部32上には、メインカバー36が被せられる。メインカバー36の他端側の側壁36aには、上方に向かって凸状に切り欠かれた凸切欠部36bが形成されている。また、メインカバー36は、側壁36aが壁部32aの他端側を覆うようにベース部32上に被せられる。
【0040】
第2回転軸12の先端には、遮光板組47が取り付けられている。遮光板組47は、先端が略90度に折り曲げられた遮光板48と、遮光板48の中央に設けられる不図示の孔に嵌合されるセンサーボス49(図9参照)とから構成される。そして、図9等に示すように、第2回転軸12の先端側には、略L字状に折り曲げられたフレーム部52が配設され、その内部には、それぞれ受発光素子からなる前限センサ53と後限センサ54が取り付けられたセンサ体55が備えられている。センサ体55は、前限センサ53および後限センサ54を遮光板48の先端が第2回転軸12の回転によって横切るようにフレーム部52の内部に取り付けられている。2つのセンサ53,54は、略180度対称位置に設けられ、ロック板2の全開位置と全閉位置に対応した第1のギヤ11の回転位置を検知するものとなっている。
【0041】
また、ベース部32の底部32fに設けられる四角状の貫通孔32g(図9参照)を跨ぐように、接続配線部57が設置されている(図4参照)。配線接続部57は平板を略U字状に折り曲げた配線フレーム57a上に各種配線が接続される配線基板57bを固定することにより構成される。また、ベース部32におけるダンパーゴム34の一端側には、制御部58が配設されている(図4参照)。制御部58は、制御回路基板58a(図9参照)と、該制御回路基板58aをカバーする上下に3つに分割された基板カバー58b(図9参照)とから構成される。なお、制御回路基板58aは雨水等が付いても容易に乾くように縦形に設置される。
【0042】
次に、基台ユニット4の構成について、図2から図6並びに図8を参照しながら、特に、図4、図8を参照しながら詳述する。
【0043】
基台ユニット4は、ロック板2と、第4回転軸26と、ロック板2が配設されるロック板ベース組60とから主に構成されている。図4に示すように、基台ユニット4は、ロック板駆動機構3に対して分離可能となっており、該基台ユニット4とロック板駆動機構3とはネジ止めにより一体化可能な構成となっている。
【0044】
図8に示すように、ロック板ベース組60は、台部61と、踏み台部62と、ロック板2を一定の上昇位置で止めるストッパ63と、第4回転軸26の他端を回転可能に支持するベアリングユニット64と、このベアリングユニット64部分に設けられるサイドカバー65とで主に構成される。
【0045】
図8に示すように、台部61は、地上に固定される略矩形状の平板部61aと、平板部61aの一端部から上方に向かって立ち上がる側板部61bとを備えている。側板部61bは、メインカバー36の凸切欠部36bに嵌め合わさるように、略凸状に形成されている。また、側板部61bには、壁部32aの円形孔32bに挿通された第3回転軸22が挿入される円形孔61cが設けられている。さらに、側板部61bの両端部近傍には、壁部32aに設けられる穴32d,32eと対応するように、円形の穴61d,61eがそれぞれ横並びに2つずつ設けられている。そして、穴32dおよび穴61dにネジを螺入させると共に、穴32eおよび穴61eにネジを羅入させることによって、壁部32aと側板部61bとが固定される。この際、壁部32aから他端側に突出している第3回転軸22の係合挿入部28は円形孔61cに挿入される。
【0046】
踏み台部62は、平板部61a上に配置される。この踏み台部62は、ロック板2側に向かって高さが徐々に高くなるように傾斜している。この傾斜によって車両のタイヤが駐車管理装置1に乗り上げやすくしている。ストッパ63は、平板部61aの両端部近傍に配置される。ベアリングユニット64は、平板部61aの他端部近傍に配置され、第4回転軸26の他端側を回転可能に支持する。このため、ロック板2は、その他端のみが回転可能に支持された状態でロック板ベース組60に配設される。なお、第4回転軸26は、断面円筒状のパイプとなっており、第3回転軸近傍まで伸びている。このため、ロック板2の全体的な強度を高めており、しかもロック板2が軽いものとなる。この結果、ロック板2の駆動機構、例えばモータ7等を小型で低価格なものとできると共に設置作業がし易いものとなる。なお、第4回転軸24をロック板2の他端側の一部のみに配置するようにしても良い。
【0047】
また、ロック板2は、台形の平面形状を有しており、その一端側の側方には、係合挿入部28が挿入される係合孔66が設けられている(図4および図8等参照)。係合孔66は、係合挿入部28の形状と同様に略小判形状となっているが、係合挿入部28が周方向に遊び隙間を持つように係合挿入部28より周方向に大きな形状に形成されている。この係合孔66には、壁部32aに支持され、かつ側板部61bの円形孔61cに挿通された係合挿入部28が挿入される。すなわち、ロック板2は、その一端が壁部32aに支持されると共に、その他端がベアリングユニット64に支持される。
【0048】
次に、ロック板駆動機構3および基台ユニット4の設置方法について説明する。
【0049】
図4に示すように、ロック板駆動機構3と基台ユニット4とは、分離可能に構成されている。このため、ロック板駆動機構3と基台ユニット4とは、別個に設置することができる。まず、台部61を地面に固定させて、ロック板ベース組60を駐車場の所定の位置に設置する。例えば、側板部61bが駐車場の白線6C(図1参照)に対して垂直かつ接するように、ロック板ベース組60を配置する。そして、第4回転軸26の他端を、サイドカバー65の側板に略U字状に切り欠かれた切欠部65aを介して、ベアリングユニット64に支持させる。これにより、ロック板2は、その他端側がベアリングユニット64に支持された状態でロック板ベース組60に配置される。なお、ロック板ベース組60の台部61が、車両の進入方向幅に関して従来より短く設定されているので、ロック板ベース組60の重量はかなり軽くなり設置しやすいものとなっている。
【0050】
次に、ロック板駆動機構3をロック板ベース組60の一端側に位置する白線6C上にかつ白線6Cに沿うように配置させる。この際、第3回転軸22の係合挿入部28を、側板部61bの円形孔61cに挿通させると共に、係合孔66内に挿入させる。このように、第3回転軸22をロック板2に対して連結させることにより、ロック板2の両端はベアリングユニット64および壁部32aによって支持される。次に、壁部32aに設けられる穴32d,32eの位置が、側板部61bに設けられる穴61d,61eの位置と一致するように、基台ユニット4に対してロック板駆動機構3の位置調整をする。穴32d,32eと穴61d,61eの位置がそれぞれ一致したら、穴32dおよび穴61dにネジ67(図4参照)を螺入させると共に、穴32eおよび穴61eにネジ68(図4参照)を羅入させることによって、壁部a32と側板部61bとを固定する。この際、図4に示すように、ネジ67は、ラチェット機構の他端側の上方から穴32dおよび穴61dの近傍に位置させられた後、穴32dおよび穴61dに螺入される。一方、ネジ68は、ロック板駆動機構3の一端側から、第1のフレーム板45aおよび第2のフレームにそれぞれ2つずつ設けられているのぞき穴45e,45eおよびのぞき穴45f,45fを介して、穴32eおよび穴61eの近傍に位置させられた後、穴32eおよび穴61eに螺入される。このとき、ネジ67,68の先端は、側板部61bの他端側からほんのわずか突出または他端側の面と面一になるようにされている。次に、歯車輪列等の動力伝達機構の上からメインカバー36を被せ、ロック板駆動機構3を地面に固定する。以上のようにして、ロック板駆動機構3および基台ユニット4は駐車場に設置される。
【0051】
次に、このように構成された駐車管理装置1の動作を説明する。なお、本実施の形態では車高の高い車が入庫してきた場合について説明する。
【0052】
図10は、駐車管理装置1の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、ロック板2が下限位置(閉じ状態)にきているときの状態を示す図である。図11は、駐車管理装置1の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、ロック板2が上限位置(開き状態)にきており、引掛穴51aと突出軸11aとを結ぶ線と、突出軸11aと第2回転軸12とを結ぶ線とからなる角度が90度に近くなった状態を示す図である。図12は、駐車管理装置1の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、第1のギヤ11が後限位置にきて停止したときの状態を示す図である。
【0053】
車両が駐車場に入庫すると、ループセンサーからなる車両感知器5が車両を感知する。その感知により時間計測が開始される。そして、所定時間が経過した後、柱状の制御部6Bに設けられる料金表示窓に基本料金が表示される。
【0054】
なお、車両が駐車場に入庫する際、ロック板2は図10に示すように、斜め下方に傾いていて、その先端は地面等の固定物に当接している。すなわち、ロック板2は閉じ状態となっている。この状態では、係合孔66の遊び隙間の存在により、ロック板2はその重力で地面等に当接している。係合孔66に設けられている遊び隙間の存在により、ロック板2は人の力で重力に打ち勝ってわずかに開くことができる。このわずかな開きは、ロック板2と地面等に人の手や足が挟み込まれ、手や足が負傷するのを防止する。また、台部61の車両進入方向の幅が小さくされているのでロック板2の先端が台部61に衝突することがなくなり、金属間の衝撃音の発生が防止され、夜間の騒音問題が生じにくくなる。
【0055】
ロック板2が閉じ状態のときのラチェット機構の関係は、図10に示す関係となっており、ロック板2を駆動させる第3回転軸22に対しロック板2の開方向に常時働く駆動バネ30の付勢力を、増速となる歯車輪列の抵抗で受けている。なお、このときラチェットギヤ16の係合軸17とリンク14との関係は、ラチェットギヤ16の力が第1のギヤ11に伝わりにくい関係となっている。すなわち、第2回転軸12、係止軸13および係合軸17が略同一直線上に位置している。しかも、リンク14の長さ方向と第3回転軸22との交角(係合軸17を交点とした角度)が30度程度と小さくなっている。このため、ロック板2および駆動バネ30からの回転力が第3回転軸22を中心に働いたとしても、第2回転軸12を中心とした回転力としては伝わりにくい。駆動バネ30は、ロック板2が閉じられているときが、開き方向に最も強く付勢するものとなっているが、その強い付勢力に十分耐え、ロック板2を閉じ状態に維持できるものとなっている。
【0056】
他方、このとき、コイルバネ50の両端が引っ掛けられている突出軸11aと引掛穴51aとの距離は小さいものとなっている。このため、コイルバネ50は縮んだ状態となっており、該コイルバネ50からの引張力は作用しない。さらに、図10に示すように、ラチェットレバー20の一端は扇状のラチェットカム19の円形外周面によって上限位置まで押し上げられており、ラチェット爪21はラチェットギヤ16と噛合わない関係となっている。
【0057】
ここで、車両の駐車が確認され、モータ7が動作し始めると、モータ7の動力は、ロック板駆動機構3の歯車輪列を介して減速されながら第2回転軸12に伝えられる。この第2回転軸12の回転と共に、遮光板48が回転する。すなわち、遮光板48が前限センサ53の位置から後限センサ54の位置へ向かって回動して行く。
【0058】
そして、モータ7の動作開始により、第1のギヤ11が図10の矢示A方向に動いて行く。第1のギヤ11の動作開始により、ラチェットカム19も矢示A方向に回転し始める。そして、ラチェットカム19が矢示A方向に回転すると、係止軸13および突出軸11aが図10で右方向に駆動されていく。すると、ラチェットギヤ16は、その動きに追従して図10の矢示B方向に回動していく。これは、ラチェットギヤ16が駆動バネ30から常時矢示B方向の付勢力を受けているためである。すなわち、リンク14の押圧部15aがラチェットギヤ16の係合軸17の矢示B方向の回転を阻止しているが、リンク14が図10で右方向に移動するため、ラチェットギヤ16はそのリンク14の動きに追従して矢示B方向に回動することとなるわけである。また、第1のギヤ11が駆動バネ30から受ける力の方が、第1のギヤ11がコイルバネ50から受ける引張力よりも大きいためでもある。すなわち、駆動バネ30の付勢力をコイルバネ50の付勢力よりも大きくなるように設定している。一方、ラチェットカム19が矢示A方向に回転していくと、突出軸11aと引掛穴51aとの距離は大きくなっていく。これにより、第1のギヤ11にはコイルバネ50の長手方向(図11の矢示C方向)に向かう引張力が強く作用し始める。すなわち、駆動バネ30の付勢力の一部がコイルバネ50において引張力として蓄積される。
【0059】
駆動バネ30の付勢力を受けてラチェットギヤ16が図10の矢示B方向に回動していくと、ロック板2は開方向に回動していく。本実施の形態では車高の高い車両が入庫しているため、ロック板2は上限位置まで開き、その状態を維持する。この上限位置は、ロック板2の根元側において湾曲するように曲げられた曲げ部2aの先端がストッパ63に突き当たることで達成される(図11および図12参照)。なお、車高の低い車両が入庫した場合、ロック板2は車両の底についたままの状態を維持するが、本実施の形態ではその詳細な説明は省略する。ロック板2が開方向に回動していく場合、上述したように、第1のギヤ11は矢示A方向に回転している。このため、突出軸11aと引掛穴51aとの距離は大きくなっていく。すなわち、コイルバネ50の一端が突出軸11aによって図10の右方向に引っ張られていく。
【0060】
このように、コイルバネ50の一端が図10の右方向に引っ張られていくと、図11に示すように、引掛穴51aと突出軸11aとを結ぶ線と、突出軸11aと第2回転軸12とからなる角度が90度に近い状態となる。この状態では、コイルバネ50の力は第1のギヤ11に最も伝わりやすい関係となっている。しかしながら、第1のギヤ11が、コイルバネ50から受ける引っ張り力よりも、駆動バネ30から受ける力の方が大きいため、モータ7が駆動停止した場合にも第1のギヤ11が図11における矢示D方向に回転することはない。
【0061】
さらに、第1のギヤ11が図11における矢示A方向に回転すると、図12に示すように、ラチェットレバー20の一端がラチェットカム19の円形外周面との接触から解放される。これにより、ラチェットレバー20の先端は図12における下方に移動し、ラチェット爪21は図12の時計回り方向に回転する。その結果、ラチェット爪21はラチェットギヤ16と噛合する。したがって、ラチェットギヤ16すなわちロック板2の図11の矢示F方向(B方向と逆方向)への回転はラチェット爪21で阻止される。すなわち、図12示すように、ロック板2が上限位置まで開いた状態で、かつラチェット爪21がラチェットギヤ16と噛合した状態となる。この際、ラチェット爪21は、ラチェットギヤ16におけるラチェット歯部16aの図12における左方の部位に噛合している。一方、リンク14はさらに図11から右方向に移動するため、係合軸17は長穴15の押圧部15aとの当接から解放される。また、この状態では、突出軸11a、第2回転軸12および引掛穴51aは略同一直線上に位置しているため、コイルバネ50の矢示C方向への引張力は第1のギヤ11に伝わりにくい関係となっている。このように、ロック板2が上限位置まで開くと共に、ラチェット爪21がラチェットギヤ16と噛合した状態が、ロック板2によって入庫した車両の退出が阻止されている状態である。
【0062】
なお、ラチェット爪21とラチェットギヤ16とが噛合すると同時にモータ7の回転が停止する。この噛合位置の検出すなわちモータ7の回転停止は、遮光板48を後限センサ54が検出することにより行っている。また、モータ7の回転は、外部等から負荷を受けることが無いので極めてスムーズなものとなっている。モータ7の回転が停止すると、第1のギヤ11およびラチェットカム19は、モータ7に対しては増速となる歯車輪列により、その位置にロックされる。
【0063】
そして、基本時間が経過すると、追加料金を加算した金額が料金表示窓に表示される。なお、基本時間、基本料金、追加時間及び追加料金の各時間単位と各料金単位は、目的に応じ自由に設定できる。柱状の制御部6Bに設けられる硬貨投入口に硬貨が投入されると、この制御部6B内のコントロール部の検知機能により検知され、その硬貨金額を料金表示窓の金額から差し引く。そして、表示料金が零になると、制御部6Bから信号を出し、モータ7を動作させ、ロック板2を閉方向に駆動させる。
【0064】
このとき、モータ7の動力は、ロック板駆動機構3の歯車輪列を介して減速されラチェットカム19に伝えられ、ラチェットカム19は、図12に示す矢示D方向に回転する。すると、ラチェットレバー20がラチェットカム19によって、図12の矢示E方向に押し上げられ、ラチェット爪21がラチェットギヤ16から外れる。この結果、ラチェットギヤ16が回転可能となり、ロック板2も閉じ方向に駆動可能となる。しかし、まだ、リンク14の押圧部15aが係合軸17に当接していないため、ロック板2は開状態をしばらく維持する。
【0065】
また、第1のギヤ11が図12に示す矢示D方向に回転すると、引掛穴51aと突出軸11aとを結ぶ線と、突出軸11aと第2回転軸12とを結ぶ線とからなる角度が大きくなっていき、コイルバネ50の引張力が第2回転軸12に伝わりやすい関係へと移行してゆく。そのため、モータ7の動力をコイルバネ50の引張力によって助けることができ、より効率良く、ロック板2を閉じ方向に動作させることができる。
【0066】
その後、図11の状態となると、長穴15の押圧部15aが係合軸17に当接し、ラチェットギヤ16を図11の矢示F方向へ押していく。この結果、ロック板2が駆動バネ30の付勢力に抗して閉じていく。なお、図11の状態では、リンク機構は、第1のギヤ11の回転力がリンク14を介して、ラチェットギヤ16に伝わり易い構成となっている。すなわち、係止軸13と係合軸17とを結ぶ線と、ラチェットギヤ16の回転支点と係合軸17とを結ぶ線とからなる角度が90度に近い角度となっており、モータ7の動力によって、効率良く、ロック板2を閉じ方向に動作させることができる状態となっている。さらに、このとき、引掛穴51aと突出軸11aとを結ぶ線と、突出軸11aと第2回転軸12とからなる角度が90度に近い角度となっている。このため、コイルバネ50の引張力が第2回転軸12に最も伝わりやすい関係となっている。したがって、図11の状態では、モータ7の動力をコイルバネ50の引張力によって最も助けることができ、最も効率良く、ロック板2を閉じ方向に動作させることができる。その後、モータ7の動力およびコイルバネ50の引張力によりロック板2は閉方向に移動し、該ロック板2は図10に示す閉じ状態となる。
【0067】
また、閉じ付近では、第1のギヤ11からの伝達効率が悪くなり、伝えられる力が小さくなると共に変位量が少なくなる。このため、閉じ付近では、ロック板2は、低速かつ低トルクにて動作することとなる。
【0068】
ロック板2が閉状態の下限にくると、前限センサ53により得られる信号により、モータ7をオフし、ロック板2の閉動作の完了後の位置保持を行う。このように、ロック板2を閉状態とすることにより、入庫した車両の退出を可能とする。
【0069】
以上のように構成された駐車管理装置1では、第3回転軸22は、ベアリング29aを介してベース部32の壁部32aに回動可能に支持されている。このため、ベース部32の壁部32aをロック板回転軸の支持部として機能せることができる。したがって、第3回転軸22の支持部をベース部32と個別に設ける必要がなくなる。このため、部品点数が減少し、ロック板駆動機構3のコンパクト化を図ることが可能となると共に、容易に設置可能な駐車管理装置を提供することが可能となる。さらに、ロック板駆動機構3と台部61とが分離・結合可能に構成されているため、ロック板駆動機構3と、基台ユニット4とを別個に設置することが可能となり、駐車管理装置1の設置のさらなる容易化を図ることが可能となる。また、ロック板駆動機構3と、基台ユニット4とを別個に製造することが可能となるため、製造工程の容易化を図ることができると共に、コストの削減を図ることが可能となる。
【0070】
また、駐車管理装置1では、壁部32aは、ベース部32において下方から上方に向かって立ち上がるように形成されており、ロック板駆動機構3の内部に砂や埃の侵入を防止する防砂壁としての機能を果たしている。このため、ロック板駆動機構3の内部に砂や埃が侵入するのを確実に防止することが可能となる。その結果、ロック板駆動機構3の寿命を伸ばすことが可能となる。
【0071】
また、駐車管理装置1では、第3回転軸22と、第4回転軸26とは、係合挿入部28を係合孔66に係合させることで、互いに動力伝達が可能なように連結されている。このため、モータ7の動力をロック板2に確実に伝達することが可能となる。
【0072】
また、駐車管理装置1では、ロック板駆動機構3と基台ユニット4とは、それぞれが備える壁部32aと側板部61bとを境として、分離・結合可能に構成されている。このため、駐車管理装置1の設置時に、ロック板駆動機構3と基台ユニット4とをネジ止め等の各種方法によって容易に一体化させることが可能となる。
【0073】
また、ロック板駆動機構3では、第1のフレーム板45aおよび第2のフレーム板45bのそれぞれには、のぞき穴45e,45eおよびのぞき穴45f,45fが設けられている。したがって、のぞき穴45e,45fを介して、ロック板駆動機構3の一端側から該ロック板駆動機構3と基台ユニット4とをネジ68によって一体化することが可能となる。このため、複雑な機構を有するロック板駆動機構3を基台ユニット4と容易に一体化することが可能となる。
【0074】
さらに、ロック板駆動機構3は、その短手方向が100mm以上150mm以下の範囲内における幅寸法を有するため、ロック板駆動機構3を駐車場にて一般的に敷かれる白線6Cの幅寸法と同程度もしくはそれより小さくすることが可能となる。したがって、ロック板駆動機構3を白線6C上に配置することができ、駐車場のスペースを有効に活用することが可能となる。
【0075】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。例えば、駐車管理装置1として、車両感知器5やループセンサー6のいずれか一方または両者を含むものとしても良い。また、モータ7の動力で開閉可能なロック板2を動作させるロック板駆動機構3を有する駐車管理装置1において、ロック板2が配設される側をロック板駆動機構3の側面との間で分離・結合可能に構成するものとしても良い。さらには、モータ7の動力で開閉可能なロック板2を動作させるロック板駆動機構3を有する駐車管理装置1において、ロック板2と共に回転するロック板回転軸を、ロック板駆動機構3に備えられると共にモータ7の動力が伝達される第3回転軸22と、ロック板2に固定される第4回転軸26との2つの軸に分割することにより、ロック板駆動機構3と、ロック板2とを互いの側面で分離・結合可能に構成するものとしても良い。
【0076】
また、上述の実施の形態では、ロック板駆動機構3と基台ユニット4とは、壁部32aと側板部61bを境として一体化されているが、このような形態に限定されることはなく、例えば、ロック板駆動機構3と基台ユニット4との間に、金属板をハット状の形態に折り曲げた接続部材等を介在させて両者を一体化させるようにしても良い。
【0077】
また、上述の実施の形態では、ロック板駆動機構3と基台ユニット4とをネジ止めによって一体化させているが、一体化の方法はネジ止めに限定されるものではなく、例えば、溶接等の他の方法で一体化させるようにしても良い。
【0078】
また、上述の実施の形態では、基台ユニット4を地面等に固定させた後、ロック板駆動機構3を設置しているが、逆に、まずロック板駆動機構3を地面等に固定させた後、基台ユニット4をロック板駆動機構3に対して固定するようにしても良い。
【0079】
また、上述の実施の形態では、ロック板2をリンク機構を介して動作させているが、モータ7からの動力をすべて輪列機構を介してロック板2に伝えるものとしても良い。また、動力源としてはモータではなく、ソレノイド等の他の動力源としても良い。
【0080】
また、上述の実施の形態では、ロック板駆動機構3の側面で、基台ユニット4側と分離・結合可能に構成したが、分離・結合部分をロック板駆動機構3の下面としても良い。また、第3回転軸22をロック板駆動機構3より突出させているが、ロック板2の側をロック板駆動機構3側に突出させるようにして、ロック板2とロック板駆動機構3とを係合させるようにしても良い。
【0081】
また、上述の実施の形態では、ベース部32の壁部32aを第3回転軸22の支持部として機能させているが、このように壁部32aを支持部として機能させることに限定されず、例えば、メインカバー36の他端側の側壁36a等の他の部材を支持部として機能させるようにしても良い。この場合、ベース部32に壁部32aを設けない構成としても良い。
【0082】
また、上述の実施の形態では、壁部32aはベース部32の他端側のみに設けられているが、他端側のみでなく、一端側等の他の部分にも壁部を設け、防砂壁としての機能を持たせるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の一実施の形態に係る駐車管理装置を含む駐車管理システムの基本構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る駐車管理装置のロック板駆動機構および基台ユニットの平面図である。
【図3】図2のロック板駆動機構および基台ユニットを図2の矢示I方向から見た正面図である。
【図4】図2に示す駐車管理装置中のロック板駆動機構と基台ユニットとを分離した状態を示す分解斜視図である。
【図5】図2に示す駐車管理装置のロック板駆動機構および基台ユニットの平面透視図である。
【図6】図5のロック板駆動機構および基台ユニットを図5の矢示II方向から見た背面透視図である。
【図7】図5のロック板駆動機構3を図5の矢示III方向から透視して見た側面図である。
【図8】図2に示す駐車管理装置のロック板駆動機構および基台ユニットの基本構成を示す分解斜視図である。
【図9】図2に示す駐車管理装置のロック板駆動機構の分解斜視図である。
【図10】図2に示す駐車管理装置の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、ロック板が下限位置(閉じ状態)にきているときの状態を示す図である。
【図11】図2に示す駐車管理装置の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、ロック板が上限位置(開き状態)にきており、引掛穴と突出軸とを結ぶ線と、突出軸と第2回転軸とを結ぶ線とからなる角度が90度に近くなった状態を示す図である。
【図12】図2に示す駐車管理装置の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、第1のギヤが後限位置にきて停止したときの状態を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
1…駐車管理装置
2…ロック板
3…ロック板駆動機構
4…基台ユニット
6C…白線
7…モータ
22…第3回転軸(第1のロック板回転軸)
26…第4回転軸(第2のロック板回転軸)
32…ベース部
32a…壁部
60…ロック板ベース組

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの動力で開閉可能なロック板を動作させるロック板駆動機構を有する駐車管理装置において、
上記ロック板が配設される側を上記ロック板駆動機構の側面との間で分離・結合可能に構成したことを特徴とする駐車管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の駐車管理装置おいて、前記ロック板が配設される側には、前記ロック板と前記ロック板駆動機構とは反対側に前記ロック板から突出する回転軸と、前記ロック板が配設されるロック板ベース組とが設置されることを特徴とする駐車管理装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の駐車管理装置おいて、
前記ロック板駆動機構は、その側方に壁部を備えており、
上記壁部を前記ロック板と共に回転するロック板回転軸を支持する支持部として機能させると共に、該壁部を前記ロック板ベース組の境として、前記ロック板駆動機構と前記ロック板ベース組とを互いの側面で分離・結合可能に構成したことを特徴とする駐車管理装置。
【請求項4】
請求項3記載の駐車管理装置おいて、前記壁部は、前記ロック板駆動機構を構成するベース部において下方から上方に向かって立ち上がるように形成されており、前記ロック板駆動機構の内部に砂や埃の侵入を防止する防砂壁としての機能を果たしていることを特徴とする駐車管理装置。
【請求項5】
請求項1,2,3または4記載の駐車管理装置おいて、前記ロック板駆動機構は、前記ロック板に係脱できる回転軸を有し、その回転軸に対し前記ロック板を分離可能に構成していることを特徴とする駐車管理装置。
【請求項6】
モータの動力で開閉可能なロック板を動作させるロック板駆動機構を有する駐車管理装置において、
上記ロック板と共に回転するロック板回転軸を、上記ロック板駆動機構に備えられると共に上記モータの動力が伝達される第1のロック板回転軸と、上記ロック板に固定される第2のロック板回転軸との2つの軸に分割することにより、上記ロック板駆動機構と、上記ロック板とを互いの側面で分離・結合可能に構成したことを特徴とする駐車管理装置。
【請求項7】
請求項6記載の駐車管理装置おいて、前記第1のロック板回転軸は、前記ロック板と回転の周方向に遊びをもって係合していることを特徴とする駐車管理装置。
【請求項8】
請求項6または7記載の駐車管理装置おいて、前記ロック板駆動機構は、その側方に壁部を備えると共に、前記ロック板は地上に固定されるロック板ベース組に配設されており、
上記壁部を上記ロック板ベース組との境として、前記ロック板駆動機構を上記ロック板ベース組と分離・結合可能に構成したことを特徴とする駐車管理装置。
【請求項9】
請求項8記載の駐車管理装置おいて、前記壁部は前記第1のロック板回転軸を支持する支持部として機能することを特徴とする駐車管理装置。
【請求項10】
請求項8または9記載の駐車管理装置おいて、前記壁部は、前記ロック板駆動機構を構成するベース部において下方から上方に向かって立ち上がるように形成されており、前記ロック板駆動機構の内部に砂や埃の侵入を防止する防砂壁としての機能を果たしていることを特徴とする駐車管理装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項記載の駐車管理装置おいて、前記ロック板駆動機構は、100mm以上150mm以下の範囲内における幅寸法を有することを特徴とする駐車管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−70980(P2010−70980A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−239905(P2008−239905)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(503253079)株式会社サニカ (20)