説明

駐車管理装置

【課題】駐車管理装置の使用コストの削減を図ると共に、ロック板を駆動させるロック板駆動機構の小型化を図ること。
【解決手段】モータ7によって開閉されるロック板2を動作させるロック板駆動機構3を有する駐車管理装置1において、ロック板駆動機構3は、ロック板を開き方向に動作させるように付勢する第1の付勢部材30と、ロック板2を閉じ方向に動作させるように付勢する第2の付勢部材50と、を備え、モータ7の動力と第2の付勢部材50の付勢力とで第1の付勢部材30の付勢力に抗してロック板を閉じ方向に動作させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に設置される自動車等の駐車管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、駐車する車両等を機械的に拘束し、料金の支払い等によりその拘束を解く駐車管理装置が知られている。この駐車管理装置としては、駐車した車両の下方からロック板を上昇させて車両の出車を防止し、正規の駐車料金を払うとそのロック板を下降させて出車を可能とさせるものが存在している。
【0003】
特許文献1には、付勢部材の付勢力を利用してロック板を上昇させる駐車管理装置が開示されている。また、この駐車管理装置では、ロック板の下降動作は、付勢部材の付勢力に抗してモータを作動させることで行われている。
【0004】
【特許文献1】特開平11―125025号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1に開示されている駐車管理装置では、ロック板の下降動作を行うためには、付勢部材の付勢力に打ち勝つだけの動力をモータに加えなければならず、モータを駆動させるのに大きな電力が必要となる。したがって、モータを大型化する必要が生じ、その結果、ロック板を駆動させるロック板駆動機構が大型化してしまう。また、モータの大型化に伴って消費電力が大きくなり、駐車管理装置を作動させるためのコストが上昇してしまう。
【0006】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用コストの削減を図ると共に、ロック板を駆動させるロック板駆動機構の小型化を図ることが可能な駐車管理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一側面は、モータによって開閉されるロック板を動作させるロック板駆動機構を有する駐車管理装置において、ロック板駆動機構は、ロック板を開き方向に動作させるように付勢する第1の付勢部材と、ロック板を閉じ方向に動作させるように付勢する第2の付勢部材と、を備え、モータの動力と第2の付勢部材の付勢力とで第1の付勢部材の付勢力に抗してロック板を閉じ方向に動作させるものである。
【0008】
また、ロック板の開き動作中に、第1の付勢部材の付勢力を利用して、ロック板を閉じ方向に付勢するためのエネルギーを第2の付勢部材に蓄積させるようにするのが好ましい。
【0009】
さらに、第1の付勢部材をロック板の開き方向の動力源とし、第1の付勢部材の付勢力を、第2の付勢部材の付勢力よりも大きくするのが好ましい。
【0010】
さらに、ロック板駆動機構は、ロック板の開き動作の際、第1の付勢部材の付勢力によって所定方向に回転すると共に、ロック板の閉じ動作の際、モータの動力によって所定方向と反対方向に回転する大径ギヤを備え、第2の付勢部材の一端は、大径ギヤに取り付けられており、大径ギヤが所定方向に回転すると、第2の付勢部材にはロック板を閉じ方向に付勢するためのエネルギーが蓄積され、大径ギヤが反対方向に回転する際、第2の付勢部材は大径ギヤを反対方向に回転させるように付勢するものとするのが好ましい。
【0011】
さらに、ロック板駆動機構は、ロック板と一体に回転するラチェットギヤと、大径ギヤに一端が取り付けられ他端がラチェットギヤに取り付けられるリンクとを備え、第2の付勢部材の付勢力はラチェットギヤとリンクを介して、ロック板に伝達されるものとするのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、駐車管理装置の使用コストの削減を図ることができると共に、ロック板を駆動させるロック板駆動機構の小型化を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態に係る駐車管理装置1について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
図1は、駐車管理装置1を含む駐車管理システムの基本構成を示す斜視図である。
【0015】
図1に示すように、駐車管理システムは、駐車管理装置1を含むシステムである。駐車管理装置1は、駐車車両の退出を禁止する開閉可能なロック板2を駆動させるロック板駆動機構3と、ロック板2が備えられた基台ユニット4と、を主な構成要素としている。駐車管理システムは、駐車管理装置1に加え、地中内に埋設されるループセンサー等からなる車両感知器5と、この車両感知器5の信号を受けてロック板駆動機構3を制御するコントロール部6A等が組み込まれた制御部6B等を有している。
【0016】
図2は、本発明の一実施の形態に係る駐車管理装置1のロック板駆動機構3および基台ユニット4の平面図である。図3は、図2のロック板駆動機構3および基台ユニット4を矢示I方向から見た正面図である。図4は、駐車管理装置1中のロック板駆動機構3と基台ユニット4とを分離した状態を示す分解斜視図である。図5は、駐車管理装置1のロック板駆動機構3および基台ユニット4の平面透視図である。図6は、図5のロック板駆動機構3および基台ユニット4を矢示II方向から見た背面透視図である。図7は、図5のロック板駆動機構3を矢示III方向から透視して見た側面図である。図8は、駐車管理装置1のロック板駆動機構3および基台ユニット4の基本構成を示す分解斜視図である。図9は、ロック板駆動機構3の分解斜視図である。なお、以下の説明において、ロック板2においてロック板駆動機構3が設けられている側(図2の左端側)を一端側、ロック板2においてロック板駆動機構3とは反対側(図2の右端側)を他端側と規定する。
【0017】
図2および図3に示すように、駐車管理装置1は、後述するモータ7によって開閉されるロック板2を動作させるロック板駆動機構3を備えており、該ロック板2を開くこと、すなわち上方に起き上がらせることによって車両の退出を禁止し、車両を機械的に拘束する装置である。図4に示すように、このロック板駆動機構3は、基台ユニット4と分離可能に一体化されている。ここで、基台ユニット4とは、第3回転軸22を含むロック板駆動機構3以外の部分に当たる。この駐車管理装置1に使用されるロック板駆動機構3の基本構成は、図5から図9に示すように、モータ7と、このモータ7の動力をロック板2に伝える歯車輪列等からなる動力伝達機構と、この動力伝達機構中に入れられるリンク機構とラチェット機構とからなる。なお、ロック板駆動機構3は、短手方向において、駐車場に敷かれる白線6C(図1参照)と同程度の寸法となる約150mmの幅寸法を有するように設計されている。なお、ロック板駆動機構3の短手方向の幅寸法は、150mmに限定されるものではなく、100mm以上150mm以下の範囲内の幅寸法に設計することが可能である。
【0018】
ここで、図5から図9に示すように、モータ7には、モータ7への通電をオンした時、このモータ7の回転を減速する減速用ギヤボックス8が固定されている。なお、この実施の形態では、減速用ギヤボックス8によってモータ7の回転を減速させており、一種のギヤードモータとなっている。
【0019】
一方、歯車輪列は、モータ7の出力軸となる第1回転軸9の先端に固定された出力ギヤ10と、この出力ギヤ10と噛み合い、回転を減速する大径ギヤとなる第1のギヤ11と、この第1のギヤ11と一体回転する第2回転軸12とから構成される。すなわち、第2回転軸12、並びに、第1のギヤ11および後述するラチェットカム19にキー溝(図示省略)を設け、これらのキー溝(図示省略)にキー(図示省略)嵌合することによって、第1のギヤ11は第2回転軸12に固定され、第2回転軸12と一体回転する。この歯車輪列によって減速されたモータ7の回転は、後述するリンク機構を介して最終的にロック板2に伝達される。
【0020】
ロック板駆動機構3には、この歯車輪列に続いてリンク機構が設けられている。以下、リンク機構の詳細については、主に図8および図9を参照しながら説明する。リンク機構は、第1のギヤ11と、この第1のギヤ11に設けられる係止軸13と、この係止軸13に係止されるリンク14と、リンク14に設けられる長穴15(図7、図8および図9参照)内を相対移動可能に係合するように第2のギヤとなるラチェットギヤ16に設けられる係合軸17と、ラチェットギヤ16とから構成される。
【0021】
上述したリンク14には、係合軸17が係合する長穴15の他に、第1のギヤ11の係止軸13が嵌入し、係止軸13を支点としてリンク14が回動可能とされる係止孔14aが設けられている。長穴15は、係合軸17によって押圧される押圧部15aを有している。なお、リンク14は、全体として、への字状に曲げられている。
【0022】
そして、この駐車管理装置1の動力伝達機構中には、モータ7の回転をロック板2に伝えるための以上のような歯車輪列およびリンク機構に加え、さらに、ラチェット機構と、ロック板2を開き方向に付勢する第1の付勢部材となる駆動バネ30(詳細は後述)と、ロック板2を閉じ方向に付勢する第2の付勢部材となるコイルバネ50(詳細は後述)とが組み込まれている。
【0023】
以下、ラチェット機構の詳細について、主に図8および図9を参照しながら説明する。ラチェット機構は、第1のギヤ11に固定されたラチェットカム19と、このラチェットカム19のレバー当接面19a(図9参照)に当接するラチェットレバー20と、このラチェットレバー20と一体動作するラチェット爪21と、ラチェット爪21が係合するラチェットギヤ16と、このラチェットギヤ16が固定される第1のロック板回転軸となる第3回転軸22と、ラチェットレバー20に一端が係止されるラチェットバネ23と、ラチェット爪21の回動支点となるラチェット軸24と、このラチェット軸24の両端部分を支持し、第3回転軸22を周方向に回動可能に軸支するラチェットステー25とから主として構成されている。なお、上述した、ラチェットバネ23の一端はラチェットレバー20に設けられる係止孔20bに引っ掛けられる。また、第1のギヤ11とラチェットカム19は、複数のピン(図示省略)で互いに固定され一体化されている。
【0024】
なお、上述した、ラチェットギヤ16は、ラチェット爪21が噛合するラチェット歯部16aと、第3回転軸22と一体回転するようにキーが入れられるキー溝16bと、第3回転軸22が貫通する貫通孔16cを有する。そして、ラチェットギヤ16のラチェット歯部16aは、全周ではなく、外周の一部に設けられており、その設置部位は扇形状とされている。また、ラチェット爪21は、ラチェット軸24が貫通する支持孔21aと、ラチェットレバー20をその上部にねじ止めするための2つのねじ孔21b,21bを有している。そして、ラチェット爪21は、ラチェット軸24によってラチェットステー25に回動可能に保持される。
【0025】
また、ラチェットステー25は、2つの腕部25a,25a(図9参照)と、ダンパーゴム34に載置される載置部25b(図9参照)とから主に構成される。そして、ラチェットステー25には、ラチェット軸24を挿通し、支持する支持孔25c(図9参照)と、第3回転軸22が挿通される挿通孔25d(図9参照)とが設けられている。
【0026】
なお、ロック板2は、第3回転軸22と同一軸線上で回転する第2のロック板回転軸となる第4回転軸26に一体回転可能に取り付けられている。すなわち、ロック板2のロック板回転軸は、第1のロック板回転軸となる第3回転軸22と第2のロック板回転軸となる第4回転軸26との2つの回転軸を有している。このロック板回転軸は、後述する台部61の面に対して平行になっている。第4回転軸26の他端は、ロック板2から他端側に向かって突出している。一方、第3回転軸22の一端はベアリング27a(図9参照)を介して支持ユニット27(図9参照)に回転可能に支持されている。また、第3回転軸22の他端は断面が略小判形状をした係合挿入部28とされると共に、その他端部近傍はベアリング29a(図9参照)を介して後述するベース部32の壁部32aに回動可能に支持されている。すなわち、第3回転軸22は、係合挿入部28が壁部32aから他端側に突出するように、支持ユニット27および該壁部32aに支持されている。
【0027】
ロック板2を駆動する第3回転軸22をロック板2の開き方向(=起立方向)に常時付勢する第1の付勢部材は、第3回転軸22に挿入される駆動バネ30で構成されている。この駆動バネ30は、その一端がラチェットギヤ16に設けられるバネ当接軸31に当接し、他端が後述するベース部32の表面に当接するように組み込まれる。なお、この取り付けは、ラチェットギヤ16と遊びを持って一体回転するロック板2が、開き方向に付勢されるように行われる。すなわち、ロック板2が閉じた場合、駆動バネ30が強く巻きしめられ、その結果、強い付勢力でもってロック板2を開かせようとするのである。
【0028】
モータ7と歯車輪列等の動力伝達機構は、ロック板駆動機構3のベースを構成し地上に固定されるベース部32に配設される。以下では、ベース部32の詳細について図9を参照しながら説明する。ベース部32は矩形状の平板を略L字状に折り曲げた形態を有している。このため、ベース部32は、その他端側に壁部32aを有する。このように、壁部32aは、ベース部32において下方から上方に向かって立ち上がるように形成されており、ロック板駆動機構3の内部に砂や埃の侵入を防止する防砂壁としての機能を果たしている。また、壁部32aには、第3回転軸22が挿通される円形の円形孔32bが設けられている。さらに、円形孔32bの側方には、円形孔32bより小径の穴32d,32dが横並びに2つ設けられている。また、壁部32aにおける他方の端部側にも、穴32dと同程度の直径を有する穴32eが横並びに2つ設けられている。また、ベース部32の地面と平行となる底部32fの一端部側に四角状の貫通孔32gが設けられている。
【0029】
また、図8および図9に示すように、ラチェットステー25とベース部32との間には、ラチェットステー25の回動を弾性的に支持する略直方体形状のダンパーゴム34が介在される。このダンパーゴム34はラチェットステー25の載置部25bの下に配置される。
【0030】
モータ7は、モータフレーム45(図9参照)に取り付けられる。このモータフレーム45は、ベース部32の一端側に配置される第1のフレーム板45a(図9参照)と、ベース部32の他端側に配置される第2のフレーム板45b(図9参照)とから構成されている。モータ7は、第1のフレーム板45aと第2のフレーム板45bとによって狭持される形で、ベース部32に配設される。これら第1のフレーム板45aおよび第2のフレーム板45bのそれぞれには、第2回転軸12を回転可能に支持するベアリング46,46(図9参照)が固定されている。また、第2のフレーム板45bには、ベアリング46が取り付けられる円形孔45cを中心として略半円弧状に切り欠かれた半円弧穴45d(図9参照)が形成されている。さらに、第1のフレーム板45aの下端部近傍には、上述した2つの穴32eと対応するように、のぞき穴45e,45eが横並びに2つ設けられている。また、第2のフレーム板45bの下端部近傍にも、2つの穴32eと対応するように、のぞき穴45f,45fが横並びに2つ設けられている。
【0031】
ラチェットバネ23は、その一端がラチェットレバー20の係止孔20bに引っ掛けられると共に、その他端は第1のフレーム板45から他端側に向かって突出する不図示の突出部に引っ掛けられる。このため、ラチェット爪21は、ラチェットバネ23によってベース部32側に向かって引っ張り力を受ける。このようにラチェット爪21の先端側がベース部32側に引っ張られることによって、ラチェット爪21とラチェットギヤ16とがしっかり噛合することとなる。
【0032】
ロック板2を閉じ方向(=倒れ方向)に付勢する第2の付勢部材は、その一端が第1のギヤ11から一端側に向かって突出する突出軸11aに引っ掛けられるコイルバネ50で構成されている。このコイルバネ50は、引張力を作用させるためのバネ部材となっている。この突出軸11aは、第1のフレーム板45aの半円弧穴45dに挿通されている。また、コイルバネ50の他端は、ベース部32に配設される矩形状の矩形フレーム51に形成される引掛穴51aに引っ掛けられる。このため、コイルバネ50は、後述するように、駆動バネ30の付勢力とは逆方向に向かってリンク14を引っ張ることとなる。したがって、閉動作におけるモータ7の駆動をコイルバネ50によって助けることが可能となる。
【0033】
また、歯車輪列等の動力伝達機構が配設されたベース部32上には、メインカバー36が被せられる。メインカバー36の他端側の側壁36aには、上方に向かって凸状に切り欠かれた凸切欠部36bが形成されている。また、メインカバー36は、側壁36aが壁部32aの他端側を覆うようにベース部32上に被せられる。
【0034】
第2回転軸12の先端には、遮光板組47が取り付けられている。遮光板組47は、先端が略90度に折り曲げられた遮光板48と、遮光板48の中央に設けられる不図示の孔に嵌合されるセンサーボス49(図9参照)とから構成される。そして、図9等に示すように、第2回転軸12の先端側には、略L字状に折り曲げられたフレーム部52が配設され、その内部には、それぞれ受発光素子からなる前限センサ53と後限センサ54が取り付けられたセンサ体55が備えられている。センサ体55は、前限センサ53および後限センサ54を遮光板48の先端が第2回転軸12の回転によって横切るようにフレーム部52の内部に取り付けられている。2つのセンサ53,54は、略180度対称位置に設けられ、ロック板2の全開位置と全閉位置に対応した第1のギヤ11の回転位置を検知するものとなっている。
【0035】
また、ベース部32の底部32fに設けられる四角状の貫通孔32g(図9参照)を跨ぐように、接続配線部57が設置されている(図4参照)。配線接続部57は平板を略U字状に折り曲げた配線フレーム57a上に各種配線が接続される配線基板57bを固定することにより構成される。また、ベース部32におけるダンパーゴム34の一端側には、制御部58が配設されている(図4参照)。制御部58は、制御回路基板58a(図9参照)と、該制御回路基板58aをカバーする上下に3つに分割された基板カバー58b(図9参照)とから構成される。なお、制御回路基板58aは雨水等が付いても容易に乾くように縦形に設置される。
【0036】
次に、基台ユニット4の構成について、図2から図6並びに図8を参照しながら、特に、図4、図8を参照しながら詳述する。
【0037】
基台ユニット4は、ロック板2と、第4回転軸26と、ロック板2が配設されるロック板ベース組60とから主に構成されている。図4に示すように、基台ユニット4は、ロック板駆動機構3に対して分離可能となっており、該基台ユニット4とロック板駆動機構3とはネジ止めにより一体化可能な構成となっている。
【0038】
図8に示すように、ロック板ベース組60は、台部61と、踏み台部62と、ロック板2を一定の上昇位置で止めるストッパ63と、第4回転軸26の他端を回転可能に支持するベアリングユニット64と、このベアリングユニット64部分に設けられるサイドカバー65とで主に構成される。
【0039】
図8に示すように、台部61は、地上に固定される略矩形状の平板部61aと、平板部61aの一端部から上方に向かって立ち上がる側板部61bとを備えている。側板部61bは、メインカバー36の凸切欠部36bに嵌め合わさるように、略凸状に形成されている。また、側板部61bには、壁部32aの円形孔32bに挿通された第3回転軸22が挿入される円形孔61cが設けられている。さらに、側板部61bの両端部近傍には、壁部32aに設けられる穴32d,32eと対応するように、円形の穴61d,61eがそれぞれ横並びに2つずつ設けられている。そして、穴32dおよび穴61dにネジを螺入させると共に、穴32eおよび穴61eにネジを羅入させることによって、壁部32aと側板部61bとが固定される。この際、壁部32aから他端側に突出している第3回転軸22の係合挿入部28は円形孔61cに挿入される。
【0040】
踏み台部62は、平板部61a上に配置される。この踏み台部62は、ロック板2側に向かって高さが徐々に高くなるように傾斜している。この傾斜によって車両のタイヤが駐車管理装置1に乗り上げやすくしている。ストッパ63は、平板部61aの両端部近傍に配置される。ベアリングユニット64は、平板部61aの他端部近傍に配置され、第4回転軸26の他端側を回転可能に支持する。このため、ロック板2は、その他端のみが回転可能に支持された状態でロック板ベース組60に配設される。なお、第4回転軸26は、断面円筒状のパイプとなっており、第3回転軸近傍まで伸びている。このため、ロック板2の全体的な強度を高めており、しかもロック板2が軽いものとなる。この結果、ロック板2の駆動機構、例えばモータ7等を小型で低価格なものとできると共に設置作業がし易いものとなる。なお、第4回転軸24をロック板2の他端側の一部のみに配置するようにしても良い。
【0041】
また、ロック板2は、台形の平面形状を有しており、その一端側の側方には、係合挿入部28が挿入される係合孔66が設けられている(図4および図8等参照)。係合孔66は、係合挿入部28の形状と同様に略小判形状となっているが、係合挿入部28が周方向に遊び隙間を持つように係合挿入部28より周方向に大きな形状に形成されている。この係合孔66には、壁部32aに支持され、かつ側板部61bの円形孔61cに挿通された係合挿入部28が挿入される。すなわち、ロック板2は、その一端が壁部32aに支持されると共に、その他端がベアリングユニット64に支持される。
【0042】
次に、ロック板駆動機構3および基台ユニット4の設置方法について説明する。
【0043】
図4に示すように、ロック板駆動機構3と基台ユニット4とは、分離可能に構成されている。このため、ロック板駆動機構3と基台ユニット4とは、別個に設置することができる。まず、台部61を地面に固定させて、ロック板ベース組60を駐車場の所定の位置に設置する。例えば、側板部61bが駐車場の白線6C(図1参照)に対して垂直かつ接するように、ロック板ベース組60を配置する。そして、第4回転軸26の他端を、サイドカバー65の側板に略U字状に切り欠かれた切欠部65aを介して、ベアリングユニット64に支持させる。これにより、ロック板2は、その他端側がベアリングユニット64に支持された状態でロック板ベース組60に配置される。なお、ロック板ベース組60の台部61が、車両の進入方向幅に関して従来より短く設定されているので、ロック板ベース組60の重量はかなり軽くなり設置しやすいものとなっている。
【0044】
次に、ロック板駆動機構3をロック板ベース組60の一端側に位置する白線6C上にかつ白線6Cに沿うように配置させる。この際、第3回転軸22の係合挿入部28を、側板部61bの円形孔61cに挿通させると共に、係合孔66内に挿入させる。このように、第3回転軸22をロック板2に対して連結させることにより、ロック板2の両端はベアリングユニット64および壁部32aによって支持される。次に、壁部32aに設けられる穴32d,32eの位置が、側板部61bに設けられる穴61d,61eの位置と一致するように、基台ユニット4に対してロック板駆動機構3の位置調整をする。穴32d,32eと穴61d,61eの位置がそれぞれ一致したら、穴32dおよび穴61dにネジ67(図4参照)を螺入させると共に、穴32eおよび穴61eにネジ68(図4参照)を羅入させることによって、壁部a32と側板部61bとを固定する。この際、図4に示すように、ネジ67は、ラチェット機構の他端側の上方から穴32dおよび穴61dの近傍に位置させられた後、穴32dおよび穴61dに螺入される。一方、ネジ68は、ロック板駆動機構3の一端側から、第1のフレーム板45aおよび第2のフレームにそれぞれ2つずつ設けられているのぞき穴45e,45eおよびのぞき穴45f,45fを介して、穴32eおよび穴61eの近傍に位置させられた後、穴32eおよび穴61eに螺入される。このとき、ネジ67,68の先端は、側板部61bの他端側からほんのわずか突出または他端側の面と面一になるようにされている。次に、歯車輪列等の動力伝達機構の上からメインカバー36を被せ、ロック板駆動機構3を地面に固定する。以上のようにして、ロック板駆動機構3および基台ユニット4は駐車場に設置される。
【0045】
次に、このように構成された駐車管理装置1の動作を説明する。なお、本実施の形態では車高の高い車が入庫してきた場合について説明する。
【0046】
図10は、駐車管理装置1の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、ロック板2が下限位置(閉じ状態)にきているときの状態を示す図である。図11は、駐車管理装置1の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、ロック板2が上限位置(開き状態)にきており、引掛穴51aと突出軸11aとを結ぶ線と、突出軸11aと第2回転軸12とを結ぶ線とからなる角度が90度に近くなった状態を示す図である。図12は、駐車管理装置1の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、第1のギヤ11が後限位置にきて停止したときの状態を示す図である。
【0047】
車両が駐車場に入庫すると、ループセンサーからなる車両感知器5が車両を感知する。その感知により時間計測が開始される。そして、所定時間が経過した後、柱状の制御部6Bに設けられる料金表示窓に基本料金が表示される。
【0048】
なお、車両が駐車場に入庫する際、ロック板2は図10に示すように、斜め下方に傾いていて、その先端は地面等の固定物に当接している。すなわち、ロック板2は閉じ状態となっている。この状態では、係合孔66の遊び隙間の存在により、ロック板2はその重力で地面等に当接している。係合孔66に設けられている遊び隙間の存在により、ロック板2は人の力で重力に打ち勝ってわずかに開くことができる。このわずかな開きは、ロック板2と地面等に人の手や足が挟み込まれ、手や足が負傷するのを防止する。また、台部61の車両進入方向の幅が小さくされているのでロック板2の先端が台部61に衝突することがなくなり、金属間の衝撃音の発生が防止され、夜間の騒音問題が生じにくくなる。
【0049】
ロック板2が閉じ状態のときのラチェット機構の関係は、図10に示す関係となっており、ロック板2を駆動させる第3回転軸22に対しロック板2の開方向に常時働く駆動バネ30の付勢力を、増速となる歯車輪列の抵抗で受けている。なお、このときラチェットギヤ16の係合軸17とリンク14との関係は、ラチェットギヤ16の力が第1のギヤ11に伝わりにくい関係となっている。すなわち、第2回転軸12、係止軸13および係合軸17が略同一直線上に位置している。しかも、リンク14の長さ方向と第3回転軸22との交角(係合軸17を交点とした角度)が30度程度と小さくなっている。このため、ロック板2および駆動バネ30からの回転力が第3回転軸22を中心に働いたとしても、第2回転軸12を中心とした回転力としては伝わりにくい。駆動バネ30は、ロック板2が閉じられているときが、開き方向に最も強く付勢するものとなっているが、その強い付勢力に十分耐え、ロック板2を閉じ状態に維持できるものとなっている。
【0050】
他方、このとき、コイルバネ50の両端が引っ掛けられている突出軸11aと引掛穴51aとの距離は小さいものとなっている。このため、コイルバネ50は縮んだ状態となっており、該コイルバネ50からの引張力は作用しない。さらに、図10に示すように、ラチェットレバー20の一端は扇状のラチェットカム19の円形外周面によって上限位置まで押し上げられており、ラチェット爪21はラチェットギヤ16と噛合わない関係となっている。
【0051】
ここで、車両の駐車が確認され、モータ7が動作し始めると、モータ7の動力は、ロック板駆動機構3の歯車輪列を介して減速されながら第2回転軸12に伝えられる。この第2回転軸12の回転と共に、遮光板48が回転する。すなわち、遮光板48が前限センサ53の位置から後限センサ54の位置へ向かって回動して行く。
【0052】
そして、モータ7の動作開始により、第1のギヤ11が所定方向となる図10の矢示A方向に動いて行く。第1のギヤ11の動作開始により、ラチェットカム19も矢示A方向に回転し始める。そして、ラチェットカム19が矢示A方向に回転すると、係止軸13および突出軸11aが図10で右方向に駆動されていく。すると、ラチェットギヤ16は、その動きに追従して図10の矢示B方向に回動していく。これは、ラチェットギヤ16が駆動バネ30から常時矢示B方向の付勢力を受けているためである。すなわち、リンク14の押圧部15aがラチェットギヤ16の係合軸17の矢示B方向の回転を阻止しているが、リンク14が図10で右方向に移動するため、ラチェットギヤ16はそのリンク14の動きに追従して矢示B方向に回動することとなるわけである。また、第1のギヤ11が駆動バネ30から受ける力の方が、第1のギヤ11がコイルバネ50から受ける引張力よりも大きいためでもある。すなわち、駆動バネ30の付勢力をコイルバネ50の付勢力よりも大きくなるように設定している。一方、ラチェットカム19が矢示A方向に回転していくと、突出軸11aと引掛穴51aとの距離は大きくなっていく。これにより、第1のギヤ11にはコイルバネ50の長手方向(図11の矢示C方向)に向かう引張力が強く作用し始める。すなわち、ロック板の開き動作中に、駆動バネ30の付勢力を利用して、引張力を作用させるためのエネルギーをコイルバネ50に蓄積させることができる。換言すると、駆動バネ30に蓄積されている付勢力としてのエネルギーの一部がコイルバネ50において引張力を作用させるためのエネルギーに変換される。
【0053】
駆動バネ30の付勢力を受けてラチェットギヤ16が図10の矢示B方向に回動していくと、ロック板2は開方向に回動していく。本実施の形態では車高の高い車両が入庫しているため、ロック板2は上限位置まで開き、その状態を維持する。この上限位置は、ロック板2の根元側において湾曲するように曲げられた曲げ部2aの先端がストッパ63に突き当たることで達成される(図11および図12参照)。なお、車高の低い車両が入庫した場合、ロック板2は車両の底についたままの状態を維持するが、本実施の形態ではその詳細な説明は省略する。ロック板2が開方向に回動していく場合、上述したように、第1のギヤ11は矢示A方向に回転している。このため、突出軸11aと引掛穴51aとの距離は大きくなっていく。すなわち、コイルバネ50の一端が突出軸11aによって図10の右方向に引っ張られていく。
【0054】
このように、コイルバネ50の一端が図10の右方向に引っ張られていくと、図11に示すように、引掛穴51aと突出軸11aとを結ぶ線と、突出軸11aと第2回転軸12とからなる角度が90度に近い状態となる。この状態では、コイルバネ50の力は第1のギヤ11に最も伝わりやすい関係となっている。しかしながら、第1のギヤ11が、コイルバネ50から受ける引っ張り力よりも、駆動バネ30から受ける力の方が大きいため、モータ7が駆動停止した場合にも第1のギヤ11が所定方向とは反対方向となる図11における矢示D方向に回転することはない。
【0055】
さらに、第1のギヤ11が図11における矢示A方向に回転すると、図12に示すように、ラチェットレバー20の一端がラチェットカム19の円形外周面との接触から解放される。これにより、ラチェットレバー20の先端は図12における下方に移動し、ラチェット爪21は図12の時計回り方向に回転する。その結果、ラチェット爪21はラチェットギヤ16と噛合する。したがって、ラチェットギヤ16すなわちロック板2の図11の矢示F方向(B方向と逆方向)への回転はラチェット爪21で阻止される。すなわち、図12示すように、ロック板2が上限位置まで開いた状態で、かつラチェット爪21がラチェットギヤ16と噛合した状態となる。この際、ラチェット爪21は、ラチェットギヤ16におけるラチェット歯部16aの図12における左方の部位に噛合している。一方、リンク14はさらに図11から右方向に移動するため、係合軸17は長穴15の押圧部15aとの当接から解放される。また、この状態では、突出軸11a、第2回転軸12および引掛穴51aは略同一直線上に位置しているため、コイルバネ50の矢示C方向への引張力は第1のギヤ11に伝わりにくい関係となっている。このように、ロック板2が上限位置まで開くと共に、ラチェット爪21がラチェットギヤ16と噛合した状態が、ロック板2によって入庫した車両の退出が阻止されている状態である。
【0056】
なお、ラチェット爪21とラチェットギヤ16とが噛合すると同時にモータ7の回転が停止する。この噛合位置の検出すなわちモータ7の回転停止は、遮光板48を後限センサ54が検出することにより行っている。また、モータ7の回転は、外部等から負荷を受けることが無いので極めてスムーズなものとなっている。モータ7の回転が停止すると、第1のギヤ11およびラチェットカム19は、モータ7に対しては増速となる歯車輪列により、その位置にロックされる。
【0057】
そして、基本時間が経過すると、追加料金を加算した金額が料金表示窓に表示される。なお、基本時間、基本料金、追加時間及び追加料金の各時間単位と各料金単位は、目的に応じ自由に設定できる。柱状の制御部6Bに設けられる硬貨投入口に硬貨が投入されると、この制御部6B内のコントロール部の検知機能により検知され、その硬貨金額を料金表示窓の金額から差し引く。そして、表示料金が零になると、制御部6Bから信号を出し、モータ7を動作させ、ロック板2を閉方向に駆動させる。
【0058】
このとき、モータ7の動力は、ロック板駆動機構3の歯車輪列を介して減速されラチェットカム19に伝えられ、ラチェットカム19は、図12に示す矢示D方向に回転する。すると、ラチェットレバー20がラチェットカム19によって、図12の矢示E方向に押し上げられ、ラチェット爪21がラチェットギヤ16から外れる。この結果、ラチェットギヤ16が回転可能となり、ロック板2も閉じ方向に駆動可能となる。しかし、まだ、リンク14の押圧部15aが係合軸17に当接していないため、ロック板2は開状態をしばらく維持する。
【0059】
また、第1のギヤ11が図12に示す矢示D方向に回転すると、引掛穴51aと突出軸11aとを結ぶ線と、突出軸11aと第2回転軸12とを結ぶ線とからなる角度が大きくなっていき、コイルバネ50の引張力が第2回転軸12に伝わりやすい関係へと移行してゆく。そのため、モータ7の動力をコイルバネ50の引張力によって助けることができ、より効率良く、ロック板2を閉じ方向に動作させることができる。
【0060】
その後、図11の状態となると、長穴15の押圧部15aが係合軸17に当接し、ラチェットギヤ16を図11の矢示F方向へ押していく。この結果、ロック板2が駆動バネ30の付勢力に抗して閉じていく。なお、図11の状態では、リンク機構は、第1のギヤ11の回転力がリンク14を介して、ラチェットギヤ16に伝わり易い構成となっている。すなわち、係止軸13と係合軸17とを結ぶ線と、ラチェットギヤ16の回転支点と係合軸17とを結ぶ線とからなる角度が90度に近い角度となっており、モータ7の動力によって、効率良く、ロック板2を閉じ方向に動作させることができる状態となっている。さらに、このとき、引掛穴51aと突出軸11aとを結ぶ線と、突出軸11aと第2回転軸12とからなる角度が90度に近い角度となっている。このため、コイルバネ50の引張力が第2回転軸12に最も伝わりやすい関係となっている。したがって、図11の状態では、モータ7の動力をコイルバネ50の引張力によって最も助けることができ、最も効率良く、ロック板2を閉じ方向に動作させることができる。そして、モータ7の動力およびコイルバネ50の引張力によりロック板2は閉方向に移動し、該ロック板2は図10に示す閉じ状態となる。
【0061】
また、閉じ付近では、第1のギヤ11からの伝達効率が悪くなり、伝えられる力が小さくなると共に変位量が少なくなる。このため、閉じ付近では、ロック板2は、低速かつ低トルクにて動作することとなる。
【0062】
ロック板2が閉状態の下限にくると、前限センサ53により得られる信号により、モータ7をオフし、ロック板2の閉動作の完了後の位置保持を行う。このように、ロック板2を閉状態とすることにより、入庫した車両の退出を可能とする。
【0063】
以上のように構成された駐車管理装置1では、ロック板2を閉じ方向に動作させる力をモータ7の力とコイルバネ50の引張力(付勢力)の合計力としている。このため、ロック板2を閉じ方向に動作させる際の、モータ7の負担を軽減させることが可能となる。したがって、モータ7の小型化を図ることが可能となり、その結果、ロック板駆動機構3の小型化を図ることが可能となる。また、モータ7の負担を軽減できるため、小電力化となり、駐車管理装置1の使用コストの削減を図ることが可能となる。
【0064】
また、駐車管理装置1では、ロック板2が開き動作を行う際に、駆動バネ30の付勢力を利用して、コイルバネ50に引張力を作用させるためのエネルギーを蓄積させることができる。このため、巻きしめられた駆動バネ30に蓄積されているエネルギーの一部を、引張力を作用させるようなコイルバネ50のエネルギーに変換することが可能となる。したがって、外的な動力を必要とせずに、コイルバネ50に引張力を作用させることが可能となる。また、駆動バネ30のエネルギーを利用して、コイルバネ50に引張力を働かせているため、効率良く、コイルバネ50に引張力を働かせることが可能となる。
【0065】
また、駐車管理装置1では、ロック板2が開き動作を行う際の駆動バネ30の付勢力は、コイルバネ50の引張力よりも大きくなるように設定されている。このため、ロック板2にコイルバネ50の引張力が作用しているときでも、ロック板2を上限位置まで開くことが可能となる。
【0066】
また、駐車管理装置1では、コイルバネ50の一端は、第1のギヤ11に設けられる突出軸11aに引っ掛けられている。このため、駆動バネ30の付勢力により第1のギヤ11が図11の矢示A方向へ回転すると、コイルバネ50に引張力を作用させるためのエネルギーが蓄積される。したがって、第1のギヤ11が図11の矢示D方向に回転する際、コイルバネ50の引張力が第1のギヤ11に作用することとなり、ロック板2を閉じ方向に動作させるモータ7の動力不足をコイルバネ50の引張力で補うことが可能となる。
【0067】
また、駐車管理装置1では、コイルバネ50の引張力はラチェットギヤ16とリンク14を介して、第1のギヤ11からロック板2に伝達される。このため、コイルバネ50の引張力を確実にロック板2に作用させることが可能となる。
【0068】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は上述の形態に限定されることなく、種々変形した形態にて実施可能である。
【0069】
上述の実施の形態では、モータ7によって開閉されるロック板2を動作させるロック板駆動機構3を有する駐車管理装置1において、ロック板駆動機構3は、ロック板2を開き方向に動作させるように付勢する駆動バネ30と、ロック板2を閉じ方向に動作させるように付勢するコイルバネ50と、を備え、モータ7の動力とコイルバネ50の付勢力とで駆動バネ30の付勢力に抗してロック板2を閉じ方向に動作させるようにしている。ここで、第1の付勢部材となる駆動バネ30はロック板2の開き方向の動力源となっているが、他の動力源と協働して開き方向の力をロック板2に与えるようにしても良い。また、モータ7ではなく油圧などで動作する駐車管理装置にも本発明を適用可能である。
【0070】
また、上述の実施の形態では、第2の付勢部材として、引張力を作用させるコイルバネ50が採用されているが、第2の付勢部材は引張力を作用させるバネ部材に限定されるものではなく、例えば、圧縮力を作用させるバネ部材を採用しても良いし、他の弾性部材を採用するようにしても良い。また、第1の付勢部材としては、巻きバネである駆動バネ30を使用しているが、ロック板2を開方向に付勢する引っ張りコイルバネとしたり、他の弾性部材としても良い。
【0071】
また、上述の実施の形態では、ロック板2をリンク機構を介して動作させているが、モータ7からの動力をすべて輪列機構を介してロック板2に伝えるものとしても良い。また、動力源としてはモータではなく、ソレノイド等の他の動力源としても良い。
【0072】
また、上述の実施の形態では、コイルバネ50の一端は第1のギヤ11に設けられる突出軸11aに引っ掛けられているが、コイルバネ50の一端を第1のギヤ11ではなく、例えば、リンク14等の他の部材に取り付けるようにしても良い。
【0073】
また、駐車管理装置としては、ロック板2と、ロック板2を動作させるロック板駆動機構3を有するものであれば成立する。すなわち、ロック板2以外の基台ユニット4は必須の構成ではない。しかし、ロック板ベース組60などを含む基台ユニット4とするのが好ましい。また、駐車管理装置としては、車両感知機5やコントロール部6Aや制御部6Bを含む構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施の形態に係る駐車管理装置を含む駐車管理システムの基本構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る駐車管理装置のロック板駆動機構および基台ユニットの平面図である。
【図3】図2のロック板駆動機構および基台ユニットを図2の矢示I方向から見た正面図である。
【図4】図2に示す駐車管理装置中のロック板駆動機構と基台ユニットとを分離した状態を示す分解斜視図である。
【図5】図2に示す駐車管理装置のロック板駆動機構および基台ユニットの平面透視図である。
【図6】図5のロック板駆動機構および基台ユニットを図5の矢示II方向から見た背面透視図である。
【図7】図5のロック板駆動機構3を図5の矢示III方向から透視して見た側面図である。
【図8】図2に示す駐車管理装置のロック板駆動機構および基台ユニットの基本構成を示す分解斜視図である。
【図9】図2に示す駐車管理装置のロック板駆動機構の分解斜視図である。
【図10】図2に示す駐車管理装置の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、ロック板が下限位置(閉じ状態)にきているときの状態を示す図である。
【図11】図2に示す駐車管理装置の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、ロック板が上限位置(開き状態)にきており、引掛穴と突出軸とを結ぶ線と、突出軸と第2回転軸とを結ぶ線とからなる角度が90度に近くなった状態を示す図である。
【図12】図2に示す駐車管理装置の動力伝達機構の動作を説明するための図であり、第1のギヤが後限位置にきて停止したときの状態を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1…駐車管理装置
2…ロック板
3…ロック板駆動機構
7…モータ
11…大径ギヤ(第1のギヤ)
14…リンク
16…ラチェットギヤ
30…駆動バネ(第1の付勢部材)
50…コイルバネ(第2の付勢部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータによって開閉されるロック板を動作させるロック板駆動機構を有する駐車管理装置において、
上記ロック板駆動機構は、
上記ロック板を開き方向に動作させるように付勢する第1の付勢部材と、
上記ロック板を閉じ方向に動作させるように付勢する第2の付勢部材と、
を備え、
上記モータの動力と上記第2の付勢部材の付勢力とで上記第1の付勢部材の付勢力に抗して上記ロック板を閉じ方向に動作させることを特徴とする駐車管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の駐車管理装置において、前記ロック板の開き動作中に、前記第1の付勢部材の付勢力を利用して、前記ロック板を閉じ方向に付勢するためのエネルギーを前記第2の付勢部材に蓄積させることを特徴とする駐車管理装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の駐車管理装置において、前記第1の付勢部材を前記ロック板の開き方向の動力源とし、前記第1の付勢部材の付勢力を、前記第2の付勢部材の付勢力よりも大きくしたことを特徴とする駐車管理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項記載の駐車管理装置において、
前記ロック板駆動機構は、
前記ロック板の開き動作の際、前記第1の付勢部材の付勢力によって所定方向に回転すると共に、前記ロック板の閉じ動作の際、前記モータの動力によって上記所定方向と反対方向に回転する大径ギヤを備え、
前記第2の付勢部材の一端は、上記大径ギヤに取り付けられており、上記大径ギヤが上記所定方向に回転すると、前記第2の付勢部材には前記ロック板を閉じ方向に付勢するためのエネルギーが蓄積され、上記大径ギヤが上記反対方向に回転する際、前記第2の付勢部材は上記大径ギヤを上記反対方向に回転させるように付勢することを特徴とする駐車管理装置。
【請求項5】
請求項4記載の駐車管理装置において、
前記ロック板駆動機構は、
さらに、前記ロック板と一体に回転するラチェットギヤと、
前記大径ギヤに一端が取り付けられ他端が上記ラチェットギヤに取り付けられるリンクとを備え、
前記第2の付勢部材の付勢力は上記ラチェットギヤと上記リンクを介して、前記ロック板に伝達されることを特徴とする駐車管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−77663(P2010−77663A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246651(P2008−246651)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(503253079)株式会社サニカ (20)