説明

駐車装置

【課題】簡易な構成によりコンパクト化に容易な駐車装置とそれに用いる可動床装置とを提供する。
【解決手段】駐車機構と、入出庫空間に固定床面Rを形成する固定床と、入出庫空間に上から見て固定床面Rとパレット213との隙間Sを埋めることをできる可動床面Tを形成する可動床装置と、を備え、前記可動床装置が互いの回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて配置される1対の第一スプロケットと互いの回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて回転軸の高さを一致する高さに配される1対の第二スプロケットとスプロケットに順に各々に掛け渡される1対のチェーンと前記チェーンの長手方向に沿って並列する様に1対の箇所を各々に固定される複数の床板とを有し、複数の前記床板の上面が可動床面Tを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を駐車させる駐車装置駐車装置とそれに用いる可動床装置とに係る。
【背景技術】
【0002】
車両を駐車させるために駐車装置を用いる。
駐車装置には、機械式駐車装置と自走式駐車装置とがある。
機械式駐車装置は、構造体と構造体に内蔵される駐車機構とで構成される。
自走式駐車装置は、構造体と構造体に内蔵される自走用車路とで構成される。
例えば、機械式駐車装置の採用する駐車機構は、メリーゴーランド方式駐車機構、エレベータ方式駐車機構、エレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構、搬送格納方式駐車機構、二段方式・多段方式駐車機構がある。
例えば、メリーゴーランド方式駐車機構では、上下に配された1対のスプロケットに掛け渡されたチェーンに所定の間隔で吊られたケージに車両を駐車させる。電動機がスプロケットを回転駆動し、複数の駐車空間がチェーンの軌跡に沿って循環移動する。
例えば、エレベータ方式駐車機構では、垂直になった昇降路に沿って上下方向に多段の駐車空間を配し、車両を載せたケージを昇降路の中に昇降させて、車両をケージから駐車空間に移載し、駐車させる。電動機は、ケージを吊るケーブルを巻上げ、巻き下げする。さらに、他の電動機が、車両をケージと駐車空間との間で移動させる。
例えば、エレベータ・スライド方式駐車機構では、駐車空間を垂直方向と水平方向に多段に配列し、車両を搬送台車に乗せて入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。
例えば、平面往復方式駐車機構では、駐車空間を水平に配列し、搬送台車が車両を入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。
例えば、運搬格納方式駐車機構では、車両を載せる複数のパレットを碁盤目状に配列し、複数のパレットを水平方向に循環できる。電動機が複数のパレットを間欠的に循環する。
例えば、多段方式駐車機構では、車両を載せる複数のパレットを多段に重ねる。
【0003】
機械式駐車装置は、車両を搭載可能なパレットをパレットに車両を乗せまたは降ろさせるための入出庫空間と車両を駐車させる駐車空間と間で移動させる。
運転手が、入出庫空間で、車両へ乗り降りをする。
一般に、入出庫空間には運転手が歩行するための床面が形成される。
床面は固定床面と可動床面とで構成される。
固定床が固定床面を形成する。
パレットと固定床との緩衝を回避するために、上から見て固定床とパレットとの間に隙間を設ける。
隙間の寸法と形状は、パレットと固定床との緩衝を防ぐのに必要な寸法と形状である。
特に、駐車装置が入出庫空間でパレットを垂直軸まわりに旋回できる機能をもつ場合には、上から見て固定床とパレットとの隙間の寸法と形状は大きくなる。
可動床面は、入出庫空間で上から見て固定床とパレットとの隙間を埋めることをできる。
例えば、可動床装置は、可動床面の姿勢を稼働姿勢と退避姿勢との間で変化させる。
稼働姿勢では、可動床面が入出庫空間で上から見て固定床とパレットとの隙間を埋める。
退避姿勢では、可動床面が入出庫空間で上から見て固定床とパレットとの隙間を空ける様に退避する。例えば、可動床面が固定床面の下へ退避する。
上から見て前記固定床と前記パレットとの隙間が大きいときはその隙間を埋める可動床面が大きくなる。
可動床面が大きいと、可動床面を下に隠すために固定床面も大きくなる。
そのために、入出庫空間の床面が大きくなる。
入出庫空間の大きさは、車両の入出庫に必要な空間の大きさに一致するのが好ましい。
入出庫空間が必要以上に大きくなると、駐車装置の敷地面積をコンパクトにするのが難しくなる。
例えば、建物に内蔵する駐車装置であるばあい、駐車装置をコンパクトにすると建物の居住空間をコンパクトにした分だけ広くできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成によりコンパクト化の容易な駐車装置とそれに用いる可動床装置とを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置を、車両を搭載可能なパレットを該パレットに車両を乗せまたは降ろさせるための入出庫空間と車両を駐車させる駐車空間と間で移動させる駐車機構と、入出庫空間に上から見て前記パレットの置かれる空間を避けて設けられる固定床面を形成する固定床と、入出庫空間に上から見て前記固定床面と前記パレットとの隙間を埋めることをできる可動床面を形成する可動床装置と、を備え、前記可動床装置が互いの回転軸である第一回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて配置される1対の第一スプロケットと互いの回転軸である第二回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さに一致する高さに配される1対の第二スプロケットと1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットとに順に各々に掛け渡される1対のチェーンと前記チェーンの長手方向に沿って並ぶ様に1対の前記チェーンに間隔を隔てる1対の箇所を各々に固定される複数の床板とを有し、複数の前記床板の上面が前記可動床面を形成する、ものとした。
【0006】
上記本発明の構成により、駐車機構は、車両を搭載可能なパレットを該パレットに車両を乗せまたは降ろさせるための入出庫空間と車両を駐車させる駐車空間と間で移動させる。前記固定床が、入出庫空間に上から見て前記パレットの置かれる空間を避けて設けられる固定床面を形成する。前記可動床装置が、入出庫空間に上から見て前記固定床面と前記パレットとの隙間を埋めることをできる可動床面を形成する。前記可動床装置が1対の第一スプロケットと1対の第二スプロケットと1対の前記第一スプロケットと1対のチェーンと複数の床板とを有する。1対の前記第一スプロケットが、互いの回転軸である第一回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて配置される。1対の前記第二スプロケットが、互いの回転軸である第二回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さに一致する高さに配される1対の前記チェーンが、1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットとに順に各々に掛け渡される。複数の前記床板が、前記チェーンの長手方向に沿って並ぶ様に1対の前記チェーンに間隔を隔てる1対の箇所を各々に固定される。複数の前記床板の上面が前記可動床面を形成する。
その結果、可動床面が前記パレットと前記固定床との隙間を埋めて、スプロケットを回転させると前記可動床面を前記固定床面と前記パレットとの隙間から移動させることをできる。
【0007】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0008】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記可動床装置が互いの回転軸である1対の第三回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さまたは前記第二回転軸の高さより低い位置に配される1対の第三スプロケットを有し、1対の前記チェーンが1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットと1対の前記第三スプロケットとに順に各々に掛け渡される。
上記の実施形態の構成により、前記可動床装置の1対の第三スプロケットが、互いの回転軸である1対の前記第三回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第二回転軸の高さより低い位置に配される。1対の前記チェーンが1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットと1対の前記第三スプロケットとに順に各々に掛け渡される。
その結果、可動床装置の前記チェーンの長手方向に沿った寸法を小さくできる。
【0009】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、上から見て複数の前記床板の上面が形成する前記可動床面の一部が入出庫空間に置かれるパレットの下側へ潜り込むことをできる。
上記の実施形態の構成により、上から見て複数の前記床板の上面が形成する前記可動床面の一部が入出庫空間に置かれるパレットの下側へ潜り込むことをできる。
その結果、上から見て前記パレットと前記可動床面との間に隙間がなくなる。
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を搭載できるパレットに車両を乗せまたは降ろさせるための空間である入出庫空間に上から見て前記パレットの置かれる空間を避けて設けられる固定床面と前記パレットとの隙間を埋めることをできる可動床面を形成する可動床装置を、互いの回転軸である第一回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて配置される1対の第一スプロケットと、互いの回転軸である第二回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さに一致する高さに配される1対の第二スプロケットと、1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットとに順に各々に掛け渡される1対のチェーンと、前記チェーンの長手方向に沿って並ぶ様に1対の前記チェーンに間隔を隔てる1対の箇所を各々に固定される複数の床板と、
を備え、複数の前記床板の上面が前記可動床面を形成する、ものとした。
【0011】
上記本発明の構成により、1対の前記第一スプロケットが、互いの回転軸である第一回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて配置される1対の前記第二スプロケットが、互いの回転軸である第二回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さに一致する高さに配される。1対の前記チェーンが、1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットとに順に各々に掛け渡される。複数の前記床板が、前記チェーンの長手方向に沿って並ぶ様に1対の前記チェーンに間隔を隔てる1対の箇所を各々に固定される。複数の前記床板の上面が前記可動床面を形成する。
その結果、前記可動床面が前記パレットと前記固定床との隙間を埋めて、スプロケットを回転させると前記可動床面を前記固定床面と前記パレットとの隙間から移動させることをできる。
【0012】
以下に、本発明の実施形態に係る可動床装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0013】
本発明の実施形態に係る可動床装置は、互いの回転軸である1対の第三回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さまたは前記第二回転軸の高さより低い位置に配される1対の第三スプロケットと、を備え、1対の前記チェーンが1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットと1対の前記第三スプロケットとに順に各々に掛け渡される。
上記の実施形態の構成により、1対の前記第三スプロケットが、互いの回転軸である1対の前記第三回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第二回転軸の高さより低い位置に配される。1対の前記チェーンが、1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットと1対の前記第三スプロケットとに順に各々に掛け渡される。
その結果、可動床装置の前記チェーンの長手方向に沿った寸法を小さくできる。
【0014】
本発明の実施形態に係る可動床装置は、上から見て複数の前記床板の上面が形成する前記可動床面の一部が入出庫空間に置かれるパレットの下側へ潜り込むことをできる。
上記の実施形態の構成により、上から見て複数の前記床板の上面が形成する前記可動床面の一部が入出庫空間に置かれるパレットの下側へ潜り込むことをできる。
その結果、上から見て前記パレットと前記可動床面との間に隙間がなくなる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明に係る駐車装置とそれに用いる可動床装置は、その構成により、以下の効果を有する。
パレットに車両を乗せまたは降ろさせるための空間である入出庫空間に上から見て前記パレットの置かれる空間を避けて設けられる固定床面と前記パレットとの隙間を埋めることをできる可動床面を形成するために、可動床面を形成するために複数の床板を1対のチェーンにチェーンの長手方向に並ぶ様に並べて固定し、1対のチェーンを1対の第一スプロケットと1対の第二スプロケットに掛け渡す様にしたので、可動床面が前記パレットと前記固定床との隙間を埋めて、スプロケットを回転させると前記可動床面を前記固定床面と前記パレットとの隙間から移動させることをできる。
また、1対の前記第三スプロケットの回転軸を前記第一回転軸または前記第二回転軸の高さより低い位置に配して、1対の前記チェーンを1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットと1対の前記第三スプロケットとに順に各々に掛け渡す様にしたで、可動床装置の前記チェーンの長手方向に沿った寸法を小さくできる。
また、上から見て複数の前記床板の上面が形成する前記可動床面の一部が入出庫空間に置かれるパレットの下側へ潜り込む様にしたので、上から見て前記パレットと前記可動床面との間に隙間がなくなる。
従って、簡易な構成によりコンパクト化の容易な駐車装置とそれに用いる可動床装置とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る駐車装置のA−A矢視図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置のB−B矢視図その1である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置のB−B矢視図その2である。
【図5】本発明の第一の実施形態に係る可動床装置の平面図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係る可動床装置の側面図である。
【図7】本発明の第二の実施形態に係る可動床装置の側面図である。
【図8】本発明の第三の実施形態に係る可動床装置の側面図である。
【図9】他の実施形態にかかる駐車機構の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
最初に、本発明の第一の実施形態にかかる駐車装置とそれに用いる可動床装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る駐車装置のA−A矢視図である。図3は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置のB−B矢視図その1である。図4は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置のB−B矢視図その2である。図5は、本発明の第一の実施形態に係る可動床装置の平面図である。図6は、本発明の第一の実施形態に係る可動床装置の側面図である。
以下では、説明の便宜上、エレベータ方式駐車機構に本願の発明を適用した場合を例に説明する。
【0019】
本発明の第一の実施形態にかかる駐車装置は、電源機器100と駐車機構200と固定床300と可動床装置400とで構成される。
【0020】
電源機器100は、所定の定格電力容量を設定され電気を給電できる機器である。
電源機器100は、後述する駐車機構200と可動床装置400とに電気を給電可能である。
【0021】
駐車機構200は、車両50を搭載可能なパレット213をパレット213に車両50を乗せまたは降ろさせるための入出庫空間212と車両50を駐車させる駐車空間211と間で移動させる機構である。
例えば、駐車機構200は、複数の車両を入出庫空間212と複数の駐車空間211との間で移動し複数の駐車空間211に各々に駐車させる機器である。
例えば、駐車機構200は、複数の駐車空間211と入出庫空間212と複数のパレット213と駐車機構構造214と昇降機器215と横行機器216と旋回機器117とで構成される。
駐車空間211は、車両50を駐車させる空間である。
複数の駐車空間211は、昇降路Hの左右に多段に並ぶ。
入出庫空間212は、車両を入庫させる空間または車両を出庫させる空間である。
パレット213は、車両を載せる構造体である。
複数のパレット213が、複数の駐車空間211に各々に置かれる。
パレット213は、上から見て四辺形の板構造である。
駐車機構構造214は、駐車機構200の主構造体であり、駐車空間211と入出庫空間212とを形成する。
昇降機器215は、パレット213を複数の駐車空間211のうちの一つの駐車空間211と入出庫空間212との間で移動させる機構である。
横行機器216は、パレット213を昇降機器215と駐車空間211との間で横行させる機器である。
旋回機器217は、昇降機器215に設けられ、パレット213を垂直軸の回りに旋回させ、車両の向きを変える機器である。
旋回機器217は、ピンを設けられたターンテーブルを持つ。
ターンテーブルは、上位置と中位置と下位置との間で位置を変化できる。
ターンテーブルが上位置にいるときに、パレット213を乗せて旋回させることをできる。
ターンテーブルが中位置にいるときに、ピンをパレット213に係合させて横行させることをできる。
ターンテーブルが下位置にいるときに、ターンテーブルを空回りさせて、ピンの位置を変えることをできる。
図1は、昇降機器215が車両を載せたパレット213を昇降路Hの中で昇降させる様子を示している。
【0022】
固定床300は、入出庫空間212に上から見てパレット213の置かれる空間を避けて設けられる固定床面Rを形成するものである。
旋回機器217がパレット213を垂直軸のまわりに90度の角度で旋回できる場合に、固定床面Rは上から見てパレット213の輪郭よりも僅かに大きな形状とその形状を980度旋回させた形状とを切り欠かれた面をもつ。
図3、図4は、固定床面Rは、十字状の形状を切り欠かれる。
【0023】
可動床装置400は、入出庫空間212に上から見て固定床面Rとパレット213との隙間Sを埋めることをできる可動床面Tを形成する装置である。
図4は、上から見て、可動床面Tがパレット213と固定床面Rとの隙間Sを埋めている様子を示す。
可動床装置400は、可動床面Tの姿勢を稼働姿勢と退避姿勢との間で変化させる。
稼働姿勢では、可動床面Tがパレット213と固定床面Rとの隙間Sを埋める。
退避姿勢では、可動床面Tが固定床面Rの下に退避し、パレット213と固定床面Rとの隙間Sを空ける。
可動床装置400は、1対の第一スプロケット411と1対の第二スプロケット412と1対のチェーン420と複数の床板430と床板支持部材440と可動床駆動機構450とで構成される。
1対の第一スプロケット411は、互いの回転軸である第一回転軸Q1を同一軸線上に一致させて、所定の間隔を隔てて配置される。第一スプロケット411は 互いの回転軸である第一回転軸Q1を同一軸線上に一致させる。1対の第一スプロケット411は、所定の間隔を隔てて配置される。
1対の第二スプロケット412は、互いの回転軸である第二回転軸Q2を同一軸線上に一致させて、所定の間隔を隔てて第一回転軸Q1の高さに一致する高さに配される。
第二スプロケット412は、互いの回転軸である第二回転軸Q2を同一軸線上に一致させる。1対の第二スプロケット412は、所定の間隔を隔てて第一回転軸Q1の高さに一致する高さに配される。
1対のチェーン420は、1対の第一スプロケット411と1対の第二スプロケット412とに順に各々に掛け渡される。
複数の床板330は、チェーン420の長手方向に沿って並ぶ様に、1対のチェーン420に間隔を隔てる1対の箇所を各々に固定される。
並ぶ複数の床板330の上面が、可動床面Tを形成する。
例えば、床板330は、矩形の断面をもつ棒状の部材である。複数の床板430は、棒状の部材の長手方向をチェーンの長手方向に交差させ、チェーンの長手方向に並ぶ。
床板支持部材440は、並列に並んだ複数の床板430をチェーン420の長手方向に摺動自在に支持する部材である。
可動床駆動機構450は、第一スプロケット411または第二スプロケット412のうちのひとつを回転駆動する機構である。
可動床駆動機構450がスプロケットを一方の回転方向に回転させると、可動床面Tが稼働姿勢になる。可動床駆動機構450がスプロケットを他方の回転方向に回転させると、可動床面Tが退避姿勢になる。
図6の上図は、稼働姿勢になった可動床面Tを示す。
図6の下部は、退避姿勢になった可動床面Tを示す。
【0024】
上から見て複数の床板430の上面が形成する可動床面Tの一部が入出庫空間212に置かれるパレット213の下側へ潜り込むことをできてもよい。
この様にすると、車両の運転手等が物を落としたときでも、物を可動床面Tの下に落とすのを防止できる。
【0025】
次に、本発明の第二の実施形態にかかる駐車装置とそれに用いる可動床装置を、図を基に、説明する。
図7は、本発明の第二の実施形態に係る可動床装置の側面図である。
【0026】
本発明の第二の実施形態にかかる駐車装置は、電源機器100と駐車機構200と固定床300と可動床装置400とで構成される。
本発明の第二の実施形態にかかる駐車装置の主要な構造は、第一の実施形態にかかる駐車装置のものと同じなので、異なる点のみを説明する。
【0027】
本発明の第二の実施形態にかかる駐車装置は、電源機器100と駐車機構200と固定床300と可動床装置400とで構成される。
電源機器100と駐車機構200と固定床300の構造は、第一の実施形態にかかる駐車装置のものと同じである。
【0028】
可動床装置400は、入出庫空間に上から見て固定床面とパレットとの隙間を埋めることをできる可動床面を形成する装置である。
可動床装置400は、1対の第一スプロケット411と1対の第二スプロケット412と1対の第三スプロケット413と1対のチェーン420と複数の床板430と床板支持部材440とで構成される。
1対の第一スプロケット411は、互いの回転軸である第一回転軸Q1を同一軸線上に一致させて、所定の間隔を隔てて配置される。第一スプロケット411は、互いの回転軸である第一回転軸Q1を同一軸線上に一致させる。1対の第一スプロケット411は、所定の間隔を隔てて配置される。
1対の第二スプロケット412は、互いの回転軸である第二回転軸Q2を同一軸線上に一致させて、所定の間隔を隔てて第一回転軸Q1の高さに一致する高さに配される。
第二スプロケット412は、互いの回転軸である第二回転軸Q2を同一軸線上に一致させる。1対の第二スプロケット412は、所定の間隔を隔てて第一回転軸Q1の高さに一致する高さに配される。
1対の第三スプロケット413は、互いの回転軸である1対の第三回転軸Q3を同一軸線上に一致させて、所定の間隔を隔てて第一回転軸Q1の高さまたは第二回転軸Q2の高さより低い位置に配される。第三スプロケット413は、互いの回転軸である1対の第三回転軸Q3を同一軸線上に一致させる。1対の第三スプロケット413は、所定の間隔を隔てて第一回転軸Q1の高さまたは第二回転軸Q2の高さより低い位置に配される。
1対のチェーン420は、1対の第一スプロケット411と1対の第二スプロケット412と1対の第三スプロケット413とに順に各々に掛け渡される。
複数の床板430は、チェーン420の長手方向に沿って並ぶ様に、1対のチェーン420に間隔を隔てる1対の箇所を各々に固定される。
並ぶ複数の床板430の上面が、可動床面Tを形成する。
床板支持部材440は、並列に並んだ複数の床板430をチェーン420の長手方向に摺動自在に支持する部材である。
可動床駆動機構450は、第一スプロケット411、第二スプロケット412またはダ第三スプロケット413のうちのひとつを回転駆動する機構である。
図7は、1対の第三スプロケット413が、1対の第二スプロケット412の下方に位置する様子を示す。
図7の実線は、稼働姿勢になった可動床面Tを示す。
図7の破線は、退避姿勢になった可動床面Tを示す。
【0029】
次に、本発明の第三の実施形態にかかる駐車装置とそれに用いる可動床装置を、図を基に、説明する。
図8は、本発明の第三の実施形態に係る駐車装置のB−B矢視図である。
【0030】
本発明の第三の実施形態にかかる駐車装置は、電源機器100と駐車機構200と固定床300と可動床装置400とで構成される。
本発明の第三の実施形態にかかる駐車装置の主要な構造は、第一または第二の実施形態にかかる駐車装置のものと同じなので、異なる点のみを説明する。
【0031】
本発明の第三の実施形態にかかる駐車装置は、電源機器100と駐車機構200と固定床300と可動床装置400とで構成される。
電源機器100と駐車機構200と可動床装置400の構造は、第一の実施形態にかかる駐車装置のものと同じである。
【0032】
固定床300は、入出庫空間に上から見てパレット213の置かれる空間を避けて設けられる固定床面Rを形成するものである。
固定床面Rは上から見てパレット213の輪郭よりも大きな形状を切り欠かれた面をもつ。
上から見て、可動床装置400の形成する可動床面Tが、パレット213と固定床面Rとの隙間Sを塞ぐ。
【0033】
本発明の実施形態に係る駐車装置とそれに用いる可動床装置は、その構成により、以下の効果を有する。
パレット213に車両を乗せまたは降ろさせるための空間である入出庫空間212に上から見てパレット213の置かれる空間を避けて設けられる固定床面Rとパレット213との隙間を埋めることをできる可動床面Tを形成するために、可動床面Tを形成するために複数の床板430を1対のチェーン420にチェーン420の長手方向に並ぶ様に並べて固定し、1対のチェーン420を1対の第一スプロケット411と1対の第二スプロケット412に掛け渡す様にしたので、上から見て可動床面Tがパレット213と固定床面Rとの隙間Sを埋めて、スプロケットを回転させると可動床面Tを固定床面Rとパレット213との隙間Sから移動させることをできる。
また、1対の第三スプロケット413の回転軸Q3を第一回転軸Q1または第二回転軸Q2の高さより低い位置に配して、1対のチェーン420を1対の第一スプロケット411と1対の第二スプロケット412と1対の第三スプロケット413とに順に各々に掛け渡す様にしたで、
可動床装置400のチェーン420の長手方向に沿った寸法を小さくできる。
また、上から見て並列した複数の床板430の上面が形成する可動床面Tの一部が入出庫空間212に置かれるパレット213の下側へ潜り込む様にしたので、上から見てパレット213と可動床面Tとの間に隙間がなくなる。
【0034】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
エレベータ式駐車機構に本願の発明を適用する例で説明したが、これに限定されず、他の形式の駐車機構の入出庫空間に固定床と可動床装置とを設けてもよい。
また、旋回機器217は昇降機器215に設けられる例で説明したが、例えば、旋回機器217は入出庫空間212に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0035】
Q1 第一回転軸
Q2 第二回転軸
Q3 第三回転軸
R 固定床面
S 固定床面とパレットとの隙間
T 可動床面
100 電源機器
200 駐車機構
211 駐車空間
212 入出庫空間
213 パレット
214 駐車機構構造
215 昇降機器
216 横行機器
217 旋回機器
300 固定床
400 可動床装置
411 第一スプロケット
412 第二スプロケット
413 第三スプロケット
420 チェーン
430 床板
440 床板支持部材
450 可動床駆動機構
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特開2005−248566
【特許文献2】特開平6−136984

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車させる駐車装置であって、
車両を搭載可能なパレットを該パレットに車両を乗せまたは降ろさせるための入出庫空間と車両を駐車させる駐車空間と間で移動させる駐車機構と、
入出庫空間に上から見て前記パレットの置かれる空間を避けて設けられる固定床面を形成する固定床と、
入出庫空間に上から見て前記固定床面と前記パレットとの隙間を埋めることをできる可動床面を形成する可動床装置と、
を備え、
前記可動床装置が互いの回転軸である第一回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて配置される1対の第一スプロケットと互いの回転軸である第二回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さに一致する高さに配される1対の第二スプロケットと1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットとに順に各々に掛け渡される1対のチェーンと前記チェーンの長手方向に沿って並列する様に1対の前記チェーンに間隔を隔てる1対の箇所を各々に固定される複数の床板とを有し、
並列した複数の前記床板の上面が前記可動床面を形成する、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記可動床装置が互いの回転軸である1対の第三回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さまたは前記第二回転軸の高さより低い位置に配される1対の第三スプロケットを有し、
1対の前記チェーンが1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットと1対の前記第三スプロケットとに順に各々に掛け渡される、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
上から見て並列した複数の前記床板の上面が形成する前記可動床面の一部が入出庫空間に置かれるパレットの下側へ潜り込むことをできる、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
車両を搭載できるパレットに車両を乗せまたは降ろさせるための空間である入出庫空間に上から見て前記パレットの置かれる空間を避けて設けられる固定床面と前記パレットとの隙間を埋めることをできる可動床面を形成する可動床装置であって、
互いの回転軸である第一回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて配置される1対の第一スプロケットと、
互いの回転軸である第二回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さに一致する高さに配される1対の第二スプロケットと、
1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットとに順に各々に掛け渡される1対のチェーンと、
前記チェーンの長手方向に沿って並列する様に1対の前記チェーンに間隔を隔てる1対の箇所を各々に固定される複数の床板と、
を備え、
並列した複数の前記床板の上面が前記可動床面を形成する、
ことを特徴とする可動床装置。
【請求項5】
互いの回転軸である1対の第三回転軸を同一軸線上に一致させて所定の間隔を隔てて前記第一回転軸の高さまたは前記第二回転軸の高さより低い位置に配される1対の第三スプロケットと、
を備え、
1対の前記チェーンが1対の前記第一スプロケットと1対の前記第二スプロケットと1対の前記第三スプロケットとに順に各々に掛け渡される、
ことを特徴とする請求項4に記載の可動床装置。
【請求項6】
上から見て並列した複数の前記床板の上面が形成する前記可動床面の一部が入出庫空間に置かれるパレットの下側へ潜り込むことをできる、
ことを特徴とする請求項5に記載の可動床装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−190597(P2011−190597A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56831(P2010−56831)
【出願日】平成22年3月13日(2010.3.13)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)