説明

駐車装置

【課題】 電気自動車に給電するのに対応した駐車装置を提供する。
【解決手段】
従来の駐車装置に変わって、上下方向に離して配された1対のスプロケットに巻き掛けられた無端チェーンと複数の主務チェーンアタッチメントと複数のケージ軸受とを有する主務チェーンと、複数の前記ケージ軸受に回転自在に各々に吊られた複数のケージと、複数の前記ケージ軸受と同軸に相対回転でき互いの間で電気的に導通できる複数のスリップリング電気機器と、複数のスリップリング電気機器と前記ケージに乗った車両とを導通できる複数の給電回路と、前記主務チェーンに固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動する導電線を有し複数の前記スリップリング電気機器に導通する導電回路と、電源の電力を前記導電回路に給電する電源機構と、を備えるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電プラグ受を持った車両を駐車させる駐車装置に係る。特に、給電プラグ受を持った電気自動車を含む車両を駐車させる駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両を駐車させるのに駐車装置を用いることがある。
駐車機構は、車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動させて駐車させる。
例えば、駐車機構は、メリーゴーランド方式駐車機構、エレベータ方式駐車機構、エレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構、運搬格納方式駐車機構、二段方式・多段方式駐車機構がある。
例えば、メリーゴーランド方式駐車機構では、上下に配された1対のスプロケットに掛け渡されたチェーンに所定の間隔で吊られたケージに車両を駐車させる。電動機がスプロケットを回転駆動する。
【0003】
一方、車両の電動化が加速している。これらの車両を電動車両と総称する。
電動車両には、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、電動バイク、等がある。
電動車両は、交流電気を給電されるタイプと直流電気を給電されるタイプがある。
そこで、駐車している間に、電動車両に給電することが考えられる。
電動車両には、外部から給電して車載バッテリーを充電するタイプのものがある。
それらの電動車両は、給電のための給電プラグ受を持つ。
急速充電器の給電プラグや100/200V等の電源コンセントに充電ケーブルを接続し充電ケーブルの給電プラグを電動車両の給電プラグ受に接続することで充電を行う。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、給電プラグ受を持った車両を駐車させる駐車装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明に係る給電プラグ受を持った車両を駐車させる駐車装置であって、主要な構造体である主構造体と、前記主構造体に水平にした各々の回転軸を前後方向に延ばして互いに平行にし上下方向に離して配された1対のスプロケットである上スプロケットと下スプロケットと、前記上スプロケットと前記下スプロケットとに巻き掛けられた無端チェーンと前記無端チェーンの長手方向に沿って所定の間隔で配される複数の主務チェーンアタッチメントと複数の前記主務チェーンアタッチメントに前記無端チェーンから離れた位置に各々に支持される複数のケージ軸受とを有する主務チェーンと、複数の前記ケージ軸受に回転自在に各々に吊られ車両を搭載可能な複数のケージと、複数の前記ケージ軸受の回転軸の回りに相対回転でき互いの間で電気的に導通できる1対の電気機器である第一電気機器と第二電気機器とを各々に持ち前記第一電気機器を前記ケージに支持され前記第二電気機器を前記主務チェーンに支持された複数のスリップリング電気機器と、複数の前記第一電気機器に電気的に各々に接続し前記ケージに乗った車両の給電プラグ受に給電可能な電力を各々に出力できる複数の給電回路と、前記主務チェーンに固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動する導電線を有し複数の前記第二電気機器に電気的に各々に導通する導電回路と、電源の電力を前記導電回路に給電する電源機構と、を備え、前記上スプロケットと前記下スプロケットとの間に前記ケージの上下移動する空間である左右1対の上下移動空間をもつ、ものとした。
【0006】
上記本発明の構成により、主構造体は、主要な構造体である。1対のスプロケットである上スプロケットと下スプロケットとが、前記主構造体に水平にした各々の回転軸を前後方向に延ばして互いに平行にし上下方向に離して配される。主務チェーンが、前記上スプロケットと前記下スプロケットとに巻きかけられた無端チェーンと前記無端チェーンの長手方向に沿って所定の間隔で配される複数の主務チェーンアタッチメントと複数の前記主務チェーンアタッチメントに前記無端チェーンから離れた位置に各々に支持される複数のケージ軸受とを有する。複数のケージが、複数の前記ケージ軸受に回転自在に各々に吊られ車両を搭載可能である。複数のスリップリング電気機器が、複数の前記ケージ軸受の回転軸の回りに相対回転でき互いの間で電気的に導通できる1対の電気機器である第一電気機器と第二電気機器とを各々に持ち前記第一電気機器を前記ケージに支持され前記第二電気機器を前記主務チェーンに支持される。複数の給電回路が、複数の前記第一電気機器に電気的に各々に接続し前記ケージに乗った車両の給電プラグ受に給電可能な電力を各々に出力できる。導電回路が、前記主務チェーンに固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動する導電線を有し複数の前記第二電気機器に電気的に各々に導通する。電源機構が、電源の電力を前記導電回路に給電する。前記上スプロケットと前記下スプロケットとの間に前記ケージの上下移動する空間である左右1対の上下移動空間をもつ。
その結果、前記スプロケットを回転して車両の乗った前記ケージを上下1対のスプロケットに挟まれた左右1対の上下移動空間の中で上昇または下降させるとき、または停止させているときに、電源の電力を前記電源機構と前記導電回路と前記スリップリング電気機器と前記給電回路とを経由して前記ケージに乗せた車両の給電プラグ受に給電できる。
【0007】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0008】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記電源機構が、前記上スプロケットと前記下スプロケットとに挟まれる空間に配置され上下方向に延びた直線状の給電用の導電性架線と、前記主務チェーンに前記無端チェーンの延びる方向に沿って所定の間隔で配される様に各々に固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動し前記導電性架線から摺動しつつ電気を集電し集電した電力を前記導電回路に給電できる複数の集電器と、電源の電力を前記導電性架線に給電する電源回路とを有し、1対の前記スプロケットが回転するときに複数の前記集電器のうちの少なくともどれか一つの集電器が前記導電性架線に常に接触して摺動する。
上記の実施形態の構成により、前記電源機構が導電性架線と複数の集電器と電源回路とを有する。直線状の給電用の導電性架線が、前記上スプロケットと前記下スプロケットとに挟まれる位置に配置され上下方向に延びる。複数の集電器が、前記主務チェーンに前記無端チェーンの延びる方向に沿って所定の間隔で配される様に各々に固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動し前記導電性架線から摺動しつつ電気を集電し集電した電力を前記導電回路に給電できる。電源回路が、電源の電力を前記導電性架線に給電する。1対の前記スプロケットが回転するときに複数の前記集電器のうちの少なくともどれか一つの集電器が前記導電性架線に常に接触して摺動する。
その結果、前記スプロケットを回転させるときに電源の電力が前記導電性架線と前記集電器と前記導電回路と前記スリップリング電気機器と給電回路とを順に経由してケージに乗せた車両の給電プラグ受に給電できる。
【0009】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記給電回路が一方の端部を前記第一電気機器に電気的に接続され前記ケージに乗った車両の上方から垂れ下がる給電ケーブルを有し、
前記給電ケーブルの他方の端部から前記ケージに乗った車両の給電プラグ受へ給電可能な電力を出力できる。
上記の実施形態の構成により、前記給電ケーブルが、一方の端部を前記第一電気機器に電気的に接続され前記ケージに乗った車両の上方から垂れ下がる。前記給電ケーブルの他方の端部から前記ケージに乗った車両の給電プラグ受へ給電可能な電力を出力できる。
その結果、ケージに車両が乗り込むときに邪魔にならず、前記ケージに乗せた車両の姿勢または給電プラグ受の位置にかかわらず、容易に給電プラグ受に給電できる。
【0010】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記ケージが、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せるパレットと、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺が前記パレットの1対の短辺の側を各々に支える前後1対のハンガーと、前後1対の前記ハンガーの上の辺に各々に連結し前後1対の端部を前後1対の前記ケージ軸受に回転自在に各々に支持されるケージ吊軸と、前記ケージ吊軸に並行して前後1対のハンガーに掛け渡された案内部材と、を有し、前記給電ケーブルが前記案内部材に前後方向に移動自在に案内される。
上記の実施形態の構成により、前記ケージが前記パレットと1対の前記ハンガーとケージ吊り軸と案内部材とを有する。前記パレットが、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せる。前後1対のハンガーが、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺が前記パレットの1対の短辺の側を各々に支える。ケージ吊軸が、前後1対の前記ハンガーの上の辺に各々に連結し前後1対の端部を前後1対の前記ケージ軸受に回転自在に各々に支持される。案内部材が、前記ケージ吊軸に並行して前後1対のハンガーに掛け渡される。前記給電ケーブルが、前記案内部材に前後方向に移動自在に案内される。
その結果、ケージの上方から吊り下げられた給電ケーブルが前後方向に移動し、前記ケージに乗せた車両の姿勢または給電プラグ受の位置にかかわらず、容易に給電プラグ受に給電できる。
【0011】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記ケージが、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せるパレットと、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺が前記パレットの1対の短辺の側を各々に支える前後1対のハンガーと、前後1対の前記ハンガーの上の辺に各々に連結し前後1対の端部を前後1対の前記ケージ軸受に回転自在に各々に支持されるケージ吊軸と、前記ケージ吊軸に垂直軸回りに回転自在に固定された回転レバーと、を有し、前記給電ケーブルが前記回転レバーから垂れ下がる。
上記の実施形態の構成により、前記ケージが前記パレットと1対の前記ハンガーとケージ吊り軸と回転レバーとを有する。前記パレットが、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せる。前後1対のハンガーが、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺が前記パレットの1対の短辺の側を各々に支える。ケージ吊軸が、前後1対の前記ハンガーの上の辺に各々に連結し前後1対の端部を前後1対の前記ケージ軸受に回転自在に各々に支持される。回転レバーが、前記ケージ吊軸に垂直軸回りに回転自在に固定される。前記給電ケーブルが、前記回転レバーから垂れ下がる。
その結果、ケージが支持する前記パレットを垂直軸回りに旋回させた際に、給電ケーブルが邪魔にならず、容易に給電プラグ受に給電できる。
【0012】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記電源機構が、前記無端チェーンに沿って配線されて少なくとも一部を前記主務チェーンに固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動し前記導電回路に電気的に接続された給電用の導電性架線と、前記主構造体に固定され前記導電性架線に摺動しつつ電力を給電できる集電器と、電源の動力を前記集電器に給電できる電源回路と、を有し、1対の前記スプロケットが回転するときに、前記導電性架線が主務チェーンと共に一定の無限軌道に倣って移動し、前記集電器が前記導電性架線に摺動して電力を給電する。
上記の実施形態の構成により、前記電源機構が、導電性架線と集電器電源回路と、を有する。給電用の導電性架線が、前記無端チェーンに沿って配線されて少なくとも一部を前記主務チェーンに固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動し前記導電回路に電気的に接続される。集電器が、前記主構造体に固定され前記導電性架線に摺動しつつ電力を給電できる。電源回路が、電源の動力を前記集電器に給電できる。
その結果、前記スプロケットを回転させるときに電源の電力が前記集電器と前記導電性架線と前記導電回路と前記スリップリング電気機器と給電回路とを経由してケージに乗せた車両の給電プラグ受に給電できる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
上下1対の前記スプロケットとに前記無端チェーンを巻き掛けて、前記無端チェーンに所定の間隔で配された前記主務チェーンアタッチメントの先端に設けた前記ケージ軸受に車両を搭載できる前記ケージを吊り、複数のケージを左右1対の上下移動空間の一方の空間を上昇させ他方の空間を下降させ、前記ケージ軸受と同軸に前記スリップリング電気機器を設け、一部を前記無端チェーンに沿って配線され前記スリップリング電気機器に電気的に接続された前記導電回路に前記電源機構から電力を給電し、前記スリップリング電気機器から前記ケージに乗った車両の給電プラグ受に給電できる様にしたので、前記スプロケットを回転して車両の乗った前記ケージを上下1対のスプロケットに挟まれた左右1対の上下移動空間の中で上昇または下降させるとき、または停止させているときに、電源の電力を前記電源機構と前記導電回路と前記スリップリング電気機器と給電回路とを順に経由してケージに乗せた車両の給電プラグ受に給電できる。
また、電源からの電力を上下1対の前記スプロケットに挟まれる空間に配され上下方向に延びた導電性架線から前記無端チェーンに沿って所定の間隔で配された複数の集電器のうちの少なくとも一つの前記集電器に給電し、前記集電器導から前記導電回路に給電できる様にしたので、前記スプロケットを回転させるときに電源の電力が前記導電性架線と前記集電器と前記導電回路と前記スリップリング電気機器と給電回路とを順に経由してケージに乗せた車両の給電プラグ受に給電できる。
また、前記スリップリング電気機器から延びた前記給電ケーブルがケージに乗せた車両の上方から垂れ下がり、前記給電ケーブルから前記ケージに乗った車両の給電プラグ受へ給電できる様にしたので、ケージに車両が乗り込むときに邪魔にならず、前記ケージに乗せた車両の姿勢または給電プラグ受の位置にかかわらず、容易に給電プラグ受に給電できる。
また、前記パレットと1対の前記ハンガーとケージ吊り軸とでできたケージのケージ吊り軸に沿って1対の前記ハンガーに掛け渡された案内部材が給電ケーブルを前後方向に移動自在に案内する様にしたので、ケージの上方から吊り下げられた給電ケーブルが前後方向に移動し、前記ケージに乗せた車両の姿勢または給電プラグ受の位置にかかわらず、容易に給電プラグ受に給電できる。
また、ケージ吊り軸に垂直軸回りに回転自在に固定された回転レバーから給電ケーブルを吊り下げる様にしたので、ケージが支持する前記パレットを垂直軸回りに旋回させた際に、給電ケーブルが邪魔にならない。
また、電源からの電力を主構造体に固定された集電器に給電し、集電器から前記無端チェーンに沿って配線されて少なくとも一部を前記主務チェーンに固定された給電用の導電性架線に給電し、前記導電性架線から前記導電回路に給電きる様にしたので、前記スプロケットを回転させるときに電源の電力が前記集電器と前記導電性架線と前記導電回路と前記スリップリング電気機器と給電回路とを順に経由してケージに乗せた車両の給電プラグ受に給電できる。
従って、給電プラグ受を持った車両を駐車させる駐車装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の電力系統図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の斜視図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の部分詳細図1である。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の部分詳細図2である。
【図5】本発明の第一の実施形態に係るケージその1の斜視図である。
【図6】本発明の第一の実施形態に係るケージその2の斜視図である。
【図7】本発明の第一の実施形態に係るケージその2の側面図である。
【図8】本発明の第一の実施形態に係るケージその3の斜視図である。
【図9】本発明の第一の実施形態に係るケージその3の側面図1である。
【図10】本発明の第一の実施形態に係るケージその3の側面図2である。
【図11】本発明の第一の実施形態に係るケージその3の平面図である。
【図12】本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の電力系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
本発明の実施形態にかかる駐車装置は、給電プラグ受を持った車両を駐車させる装置である。
車両5は、直流または交流の電気を給電される自動車である。
例えば、車両5は、電気を給電され、電気または液体燃料で動くハイブリッド自動車である。
例えば、車両5は、電気を給電され、電気のみで動く自動車である。
【0016】
最初に、本発明の第一の実施形態にかかる駐車装置を説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の電力系統図である。図2は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の斜視図である。図3は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の部分詳細図1である。図4は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の部分詳細図2である。図5は、本発明の第一の実施形態に係るケージその1の斜視図である。図6は、本発明の第一の実施形態に係るケージその2の斜視図である。図7は、本発明の第一の実施形態に係るケージその2の側面図である。図8は、本発明の第一の実施形態に係るケージその3の斜視図である。図9は、本発明の第一の実施形態に係るケージその3の側面図1である。図10は、本発明の第一の実施形態に係るケージその3の側面図2である。図11は、本発明の第一の実施形態に係るケージその3の平面図である。
【0017】
本発明の第一の実施形態にかかる駐車装置は、給電プラグ受を持った車両5を駐車させる装置であって、主構造体10と1対のスプロケット20と主務チェーン30と複数のケージ40と複数のスリップリング電気機器50と複数の給電回路60と導電回路70と電源機構80と旋回機器90とで構成される。
例えば、第一の実施形態にかかる駐車装置は、主構造体10と前後1対の上スプロケット21と前後1対の下スプロケット22と前後1対の主務チェーン30と複数のケージ40と複数のスリップリング電気機器50と複数の給電回路60と導電回路70と電源機構80と旋回機器90とで構成される。
1対のスプロケット20である上スプロケット21と下スプロケット22との間にケージ40の上下移動する空間である左右1対の上下移動空間Hをもつ。
【0018】
主構造体10は、駐車装置の主要な構造体である。
例えば、主構造体10は、図2に示す様に縦長の構造体である。
主構造体10は、後述する1対のスプロケット20を回転自在に支持し、主務チェーン30を上下方向に移動自在に案内し、下スプロケットを下方にテイクアップして上スプロケットを回転駆動する。
【0019】
1対のスプロケット20は、主構造体に水平にした各々の回転軸を前後方向に延ばして互いに平行にし上下方向に離して配され、上スプロケット21と下スプロケット22とで構成される。
例えば、1対のスプロケット20は、主構造体に水平にした各々の回転軸を前後方向に延ばして互いに平行にし上下方向に離して配され、前後1対の上スプロケット21と前後1対の下スプロケット22とで構成される。
【0020】
主務チェーン30は、上スプロケット21と下スプロケット22とに巻き掛けられる。
主務チェーン30は、無端チェーン31と複数の主務チェーンアタッチメント32と複数のケージ軸受33とで構成される。
無端チェーン31は、上スプロケット21と下スプロケット22とに巻き掛けられる。
例えば、1対の無端チェーン31が、前後1対の上スプロケット21と前後下スプロケット22とに各々に巻き掛けられる。
複数の主務チェーンアタッチメント32が、無端チェーン31の長手方向に沿って所定の間隔で配される。
ケージ軸受33が、主務チェーンアタッチメント32に無端チェーンから離れた位置に支持される。
【0021】
ケージ40は、ケージ軸受33に回転自在に車両5を搭載可能な機構である。
ケージ40は、パレット41と前後1対のハンガー42とケージ吊軸43とで構成される。
パレット41は、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せることをできる。
前後1対のハンガー42は、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺がパレットの1対の短辺の側を各々に支える。
ケージ吊軸43は、前後1対のハンガー42の上の辺に各々に連結し前後1対の端部を前後1対のケージ軸受33に回転自在に各々に支持される。
【0022】
スリップリング電気機器50は、ケージ軸受33の回転軸の回りに相対回転でき互いの間で電気的に導通できる1対の電気機器である第一電気機器51と第二電気機器52とを各々に持ち、第一電気機器51をケージ40に支持され、第二電気機器52を主務チェーン30に支持される。
例えば、第一電気機器51はスリップリング側の電気機器であり。第二電気機器52はブラシ側の電気機器である。
第一電気機器51は、給電ケーブル61に電気的に接続される。
第二電気機器52は、配電線72に電気的に接続される。
図3は、第一電気機器51がケージ吊軸43に固定され、第二電気機器52が主務チェーンアタッチメント32に固定されるのを示す。
【0023】
給電回路60は、第一電気機器51に電気的に接続し、ケージ40に乗った車両5の給電プラグ受に給電可能な電力を出力できる回路である。
例えば、給電回路60は、給電ケーブル61と差込口62と給電ケーブル接続箱63とで構成される。
給電ケーブル61は、一方の端部を第一電気機器51に電気的に接続されケージ40に乗った車両5の上方から垂れ下がる。
給電ケーブル61の他方の端部からケージ40に乗った車両5の給電プラグ受へ給電可能な電力を出力できる。
給電ケーブル61の他方の端部から前記ケージに乗った車両の給電プラグ受へ、車両充電ケーブルを介して、給電可能である。
車両充電ケーブルは、給電プラグ64と電源側差込プラグ65と充電ケーブル66とで構成される。給電プラグ64は車両の給電プラグ受に抜き差しできるプラグである。電源側差込プラグ65は差込口62に抜き差しできるプラグである。充電ケーブル66は、給電プラグ64と電源側差込プラグ65とを電気的に接続するケーブルである。電源側差込プラグ65は一般家屋の100Vコンセントに抜き刺しすることもできる。
給電ケーブル接続箱53は、給電ケーブル61の途中に設けられる。
給電ケーブル接続箱53は、給電回路及び車両充電ケーブルの過電流と短絡保護の機能と車両への給電制御の機能とを持つ電気機器である。
また、例えば、給電回路60は、給電ケーブル61と給電プラグ64と給電ケーブル接続箱63とで構成される。
この様にすると、車両充電ケーブルを用いずに、直接に車両の給電プラグ受に給電できる。
【0024】
導電回路70は、複数の第二電気機器に電気的に各々に導通する回路である。
導電回路70は、導電線71を備える。
例えば、導電回路70は、導電線71と配電線72と導電線固定具73とで構成される。
導電線71は、主務チェーン30に固定されて無端チェーン31の循環移動と共に循環移動する。
配電線72は、導電線71から電気的に分岐し第二電気機器52に電気的に接続される。
導電線固定具73は、導電線71を主務チェーン30に固定する部材である。
例えば、導電線固定具73は導電線71を無端チェーン31に固定する。
無端チェーン31が循環移動すると、導電線固定具73に引っ張られて循環移動する。
【0025】
電源機構80は、電源の電力を導電回路70に給電する機器である。
電源機構80は、導電性架線81と複数の集電器82と電源回路83とで構成される。
導電性架線81は、上スプロケット21と下スプロケット22とに挟まれる空間に配置され、上下方向に延びた直線状の給電用の架線である。
集電器82は、主務チェーン30に無端チェーン31の延びる方向に沿って所定の間隔で配される様に固定され無端チェーン31の循環移動と共に循環移動し導電性架線81から摺動しつつ電気を集電し集電した電力を導電回路70に給電できる機器である。
電源回路83は、電源の電力を導電性架線81に給電する回路である。
1対のスプロケット20が回転するときに複数の集電器82のうちの少なくともどれか一つの集電器82が導電性架線81に常に接触して摺動する。
【0026】
旋回機器90は、パレット41の前後方向を入れ替えるために、パレット41を旋回させる機構である。
旋回機器90は、パレット41を持ち上げて前後1対のハンガー42から外し、パレット41を180度旋回させてから降ろし、パレット41を前後1対のハンガー42に支持させる。
図7は、ケージ40の下方に位置する旋回機器90を示す。
【0027】
以下に、給電回路60をケージ40に支持させる2つの構造を、図を基に、説明する。
最初に、第一の構造を説明する。
図5は、第一の構造を示す。
第一の構造では、ケージ40は、案内部材44を備える。
案内部材44は、ケージ吊軸43に並行して前後1対のハンガー42に掛け渡された部材である。
例えば、案内部材44は、ケージ吊軸43に並行して前後1対のハンガー42に掛け渡された棒状の部材である。
給電ケーブル61が、案内部材44に長手方向へ移動自在に吊られる。
給電ケーブル61が、案内部材44に前後方向に移動自在に案内される。
車両5をケージ40に乗せると、車両充電ケーブルの給電プラグ65を差込口62に差し込み、車両充電ケーブルの給電プラグ65を車両の給電プラグ受に差し込む。
【0028】
次に、第二の構造を説明する。
図6、図7は、第二の構造を示す。
第二の構造では、ケージ40は、回転レバー45を備える。
回転レバー45は、ケージ吊軸43に垂直軸回りに回転自在に固定されたレバーである。
給電ケーブル61が回転レバー45から垂れ下がる。
車両5をケージ40に乗せると、車両充電ケーブルの給電プラグ65を差込口に差し込み、車両充電ケーブルの給電プラグ65を車両の給電プラグ受に差し込む。
【0029】
図8乃至11は、第三の構造を示す。
第三の構造では、ケージ40は、1対の給電スタンド46を備える。
ケージ40は、パレット41がハンガー42から脱着可能になっている。
1対の給電スタンド46が、パレット41の左右の縁部に設けられる。
1対の給電スタンド46は、旋回機器90の旋回中心を境として点対象になる様に設けられる。
給電回路60は、1対の給電ケーブル61と1対の差込口62と給電ケーブル接続箱63と1対の中間コネクタ67と1対の中間ケーブル68とで構成する。
中間コネクタ67は、第一中間コネクタ67aと第二中間コネクタ67bとで構成され、第一中間コネクタ67aと第二中間コネクタ67bとを接触して電力を通電させ、第一中間コネクタ67aと第二中間コネクタ67bとを分離して電力を遮断する。
【0030】
1対の給電ケーブル61と給電ケーブル接続箱63と1対の第一中間コネクタ67aとが、ハンガー42に固定される。
1対の第一中間コネクタ67aは、旋回機器90の旋回中心を境として点対称になる様に1対のハンガー42に各々に固定される。
例えば、1対の第一中間コネクタ67aのうちの一方の第一中間コネクタ67aが1対のハンガーのうちの一方のハンガー42のパレット41を支える箇所に固定され、1対の第一中間コネクタ67aのうちの他方の第一中間コネクタ67aが1対のハンガー42のうちの他方のハンガー42のパレット41を支える箇所に固定される。
1対の給電ケーブルが、第一電気機器51と1対の第一中間コネクタ67aとを電気的に各々に接続する。
【0031】
1対の第二中間コネクタ67bと1対の中間ケーブル68と1対の差込口62とがパレット41に各々に固定される。
1対の差込口62が、1対の給電スタンド46の頂部に固定される。
1対の第二中間コネクタ67bが、パレット41の1対の第一中間コネクタ67aに対応する位置に固定される。
1対の中間ケーブル68が、1対の1対の第二中間コネクタ67bと1対の差込口62とを電気的に接続する。
パレット41をハンガー42から外して持ち上げると、第一中間コネクタ67aと第二中間コネクタ67bとが分離して電力を遮断する。
パレット41をハンガー42に乗せると、第一中間コネクタ67aと第二中間コネクタ67bとが接触して電力を通電させ、差込口62から給電可能な電力を出力する。
パレット41を前後方向を逆にするように旋回させても、1対の差込口62から給電用の電力を出力できる。
【0032】
次に、本発明の第二の実施形態にかかる駐車装置を説明する。
図12は、本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の電力系統図である。
本発明の第二の実施形態にかかる駐車装置は、給電プラグ受を持った車両を駐車させる装置であって、主構造体10と1対のスプロケット20と主務チェーン30と複数のケージ40と複数のスリップリング電気機器50と複数の給電回路60と導電回路70と電源機構80と旋回機器90とで構成される。
例えば、第二の実施形態にかかる駐車装置は、主構造体10と前後1対の上スプロケット21と前後1対の下スプロケット22と前後1対の主務チェーン30と複数のケージ40と複数のスリップリング電気機器50と複数の給電回路60と導電回路70と電源機構80と旋回機器90とで構成される。
【0033】
主構造体10と前後1対の上スプロケット21と前後1対の下スプロケット22と前後1対の主務チェーン30と複数のケージ40と複数のスリップリング電気機器50と複数の給電回路60と導電回路70の構造は、第一の実施形態にかかる駐車装置のものと同じなので、説明を省略する。
【0034】
電源機構80は、電源の電力を導電回路70に給電する機器である。
電源機構80は、導電性架線84と集電器85と電源回路83と導電性架線固定具86とで構成される。
導電性架線84は、無端チェーン31に沿って配線されて、少なくとも一部を主務チェーンに固定されて無端チェーンの循環移動と共に循環移動し導電回路70に電気的に接続された給電用の導電性架線を持つ。
集電器85、主構造体10に固定され導電性架線に摺動しつつ電力を給電できる機器である。
電源回路83は、電源の電力を導電性架線に給電する回路である。
導電性架線固定具86は、導電性架線84を主務チェーン30に固定する器具である。
1対のスプロケットが回転するときに無端チェーン31の循環移動に伴って導電性架線84が循環移動する。
【0035】
また、本発明の実施形態に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
上下1対のスプロケット20に無端チェーン31を巻き掛けて、無端チェーン31に所定の間隔で配された主務チェーンアタッチメント32の先端に設けたケージ軸受33に車両5を搭載できるケージ40を吊り、複数のケージ40を左右1対の上下移動空間Hの一方の空間を上昇させ他方の空間を下降させ、ケージ軸受33と同軸にスリップリング電気機器50を設け、一部を無端チェーン31に沿って配線されスリップリング電気機器50に電気的に接続された導電回路70に電源機構80から電力を給電し、スリップリング電気機器50からケージ40に乗った車両5の給電プラグ受に給電できる電力を出力できる様にしたので、スプロケット20を回転して車両5の乗ったケージ40を上下1対のスプロケット20に挟まれた左右1対の上下移動空間Hの中で上昇または下降させるとき、または停止させているときに、電源の電力を電源機構80と導電回路70とスリップリング電気機器50と給電回路60と車両集電ケーブルとを順に経由してケージ40に乗せた車両5の給電プラグ受に給電できる。
また、電源からの電力を上下1対のスプロケット20に挟まれる空間に配され上下方向に延びた導電性架線81から無端チェーン31に沿って所定の間隔で配された複数の集電器82のうちの少なくとも一つの集電器82に給電し、集電器82から導電回路70に給電できる様にしたので、スプロケット20を回転させるときに電源の電力が導電性架線81と集電器82と導電回路70とスリップリング電気機器50と給電回路60と車両充電ケーブルとを順に経由してケージ40に乗せた車両5の給電プラグ受に給電できる。
また、スリップリング電気機器50から延びた給電ケーブル61がケージ40に乗せた車両5の上方から垂れ下がり、給電ケーブル61からケージ40に乗った車両5の給電プラグ受へ給電できる様にしたので、ケージ40に車両が乗り込むときに邪魔にならず、ケージ40に乗せた車両5の姿勢または給電プラグ受の位置にかかわらず、給電回路60と車両充電ケーブルとを順に介して容易に給電プラグ受に給電できる。
また、パレット41と1対のハンガー42とケージ吊り軸43とでできたケージ40のケージ吊り軸43に沿って1対のハンガーに掛け渡された案内部材44が給電ケーブル61を前後方向に移動自在に案内する様にしたので、ケージ40の上方から吊り下げられた給電ケーブル61が前後方向に移動し、ケージ40に乗せた車両5の姿勢または給電プラグ受の位置にかかわらず、容易に給電プラグ受に給電できる。
また、ケージ吊り軸43に垂直軸回りに回転自在に固定された回転レバー45から給電ケーブル61を吊り下げる様にしたので、ケージ40が支持するパレット41を垂直軸回りに旋回させた際に、給電ケーブル61が邪魔にならない。
また、電源からの電力を主構造体10に固定された集電器85に給電し、集電器85から無端チェーン31に沿って配線されて少なくとも一部を主務チェーンに固定された給電用の導電性架線84に給電し、導電性架線84から導電回路70に給電きる様にしたので、スプロケット20を回転させるときに電源の電力が集電器85と導電性架線84と導電回路70とスリップリング電気機器50と給電回路60と車両充電ケーブルとを順に経由してケージ40に乗せた車両5の給電プラグ受に給電できる。
【0036】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
実施形態の説明では、給電に必要な動力と信号のすべてを電源機構と導電回路とスリップリング電気機器と給電回路を経由して給電プラグ受に電気的に接続することを前提に説明したが、これに限定されず。例えば、動力と信号の一部とを電源機構と導電回路とスリップリング電気機器と給電回路を経由して給電プラグ受に電気的に接続してもよい。また、動力とのみを電源機構と導電回路とスリップリング電気機器と給電回路を経由して給電プラグ受に電気的に接続してもよい。この際に、必要な信号の一部または前部を無線、赤外線等のワイヤレス方式により電気的に接続してもよい。
実施形態の説明では、導電回路に電力を給電するのに、電源回路が導電性架線と集電器とを組み合わせたものを使用する例で説明したがこれに限定されず、例えば、電源からの電力を電線で直接に導電回路に繋いでもよい。この場合は、電線が引きちぎられない様にスプロケットを正転、逆転を繰り返してケージを移動させる。
【符号の説明】
【0037】
H 上下移動空間
5 車両
10 主構造体
20 スプロケット
21 上スプロケット
22 下スプロケット
30 主務チェーン
31 無端チェーン
32 主務チェーンアタッチメント
33 ケージ軸受
40 ケージ
41 パレット
42 ハンガー
43 ケージ吊軸
44 案内部材
45 回転レバー
46 給電スタンド
50 スリップリング電気機器
51 第一電気機器
52 第二電気機器
60 給電回路
61 給電ケーブル
62 差込口
63 給電ケーブル接続箱
64 電源側差込プラグ
65 給電プラグ
66 充電ケーブル
67 給電コネクタ
67a 第一給電コネクタ
67b 第二給電コネクタ
68 中間ケーブル
70 導電回路
71 導電線
72 配電線
73 導電線固定具
80 電源機構
81 導電性架線
82 集電器
83 電源回路
84 導電性架線
85 集電器
90 旋回機器
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】
【特許文献1】特開平05−256038号
【特許文献2】特開平04−366283号
【特許文献3】特開平05−227668号
【特許文献4】特開平06−57086号
【特許文献5】特開平06−67987号
【特許文献6】特開平06−81507号
【特許文献7】特開平06−121407号
【特許文献8】特開平06−318288号
【特許文献9】特開平07−004095号
【特許文献10】特開平10−030354号
【特許文献11】特開平10−124719号
【特許文献12】特開平11−086058号
【特許文献13】特開平11−152925号
【特許文献14】特開2001−312772号
【特許文献15】特開2001−359203号
【特許文献16】特開2002−004620号
【特許文献17】実開平06−028124号
【特許文献18】実開平06−035535号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電プラグ受を持った車両を駐車させる駐車装置であって、
主要な構造体である主構造体と、
前記主構造体に水平にした各々の回転軸を前後方向に延ばして互いに平行にし上下方向に離して配された1対のスプロケットである上スプロケットと下スプロケットと、
前記上スプロケットと前記下スプロケットとに巻き掛けられた無端チェーンと前記無端チェーンの長手方向に沿って所定の間隔で配される複数の主務チェーンアタッチメントと複数の前記主務チェーンアタッチメントに前記無端チェーンから離れた位置に各々に支持される複数のケージ軸受とを有する主務チェーンと、
複数の前記ケージ軸受に回転自在に各々に吊られ車両を搭載可能な複数のケージと、
複数の前記ケージ軸受の回転軸の回りに相対回転でき互いの間で電気的に導通できる1対の電気機器である第一電気機器と第二電気機器とを各々に持ち前記第一電気機器を前記ケージに支持され前記第二電気機器を前記主務チェーンに支持された複数のスリップリング電気機器と、
複数の前記第一電気機器に電気的に各々に接続し前記ケージに乗った車両の給電プラグ受に給電可能な電力を各々に出力できる複数の給電回路と、
前記主務チェーンに固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動する導電線を有し複数の前記第二電気機器に電気的に各々に導通する導電回路と、
電源の電力を前記導電回路に給電する電源機構と、
を備え、
前記上スプロケットと前記下スプロケットとの間に前記ケージの上下移動する空間である左右1対の上下移動空間をもつ、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記電源機構が、前記上スプロケットと前記下スプロケットとに挟まれる空間に配置され上下方向に延びた直線状の給電用の導電性架線と、前記主務チェーンに前記無端チェーンの延びる方向に沿って所定の間隔で配される様に各々に固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動し前記導電性架線から摺動しつつ電気を集電し集電した電力を前記導電回路に給電できる複数の集電器と、電源の電力を前記導電性架線に給電する電源回路とを有し、
1対の前記スプロケットが回転するときに複数の前記集電器のうちの少なくともどれか一つの集電器が前記導電性架線に常に接触して摺動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記給電回路が一方の端部を前記第一電気機器に電気的に接続され前記ケージに乗った車両の上方から垂れ下がる給電ケーブルを有し、
前記給電ケーブルの他方の端部から前記ケージに乗った車両の給電プラグ受へ給電可能な電力を出力できる、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記ケージが、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せるパレットと、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺が前記パレットの1対の短辺の側を各々に支える前後1対のハンガーと、前後1対の前記ハンガーの上の辺に各々に連結し前後1対の端部を前後1対の前記ケージ軸受に回転自在に各々に支持されるケージ吊軸と、前記ケージ吊軸に並行して前後1対のハンガーに掛け渡された案内部材と、を有し、
前記給電ケーブルが前記案内部材に前後方向に移動自在に案内される、
ことを特徴とする請求項3に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記ケージが、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せるパレットと、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺が前記パレットの1対の短辺の側を各々に支える前後1対のハンガーと、前後1対の前記ハンガーの上の辺に各々に連結し前後1対の端部を前後1対の前記ケージ軸受に回転自在に各々に支持されるケージ吊軸と、前記ケージ吊軸に垂直軸回りに回転自在に固定された回転レバーと、を有し、
前記給電ケーブルが前記回転レバーから垂れ下がる、
ことを特徴とする請求項3に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記電源機構が、前記無端チェーンに沿って配線されて少なくとも一部を前記主務チェーンに固定されて前記無端チェーンの循環移動と共に循環移動し前記導電回路に電気的に接続された給電用の導電性架線と、前記主構造体に固定され前記導電性架線に摺動しつつ電力を給電できる集電器と、電源の動力を前記集電器に給電できる電源回路と、を有し、
1対の前記スプロケットが回転するときに、前記導電性架線が主務チェーンと共に一定の無限軌道に倣って移動し、前記集電器が前記導電性架線に摺動して電力を給電する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記給電回路が一方の端部を前記第一電気機器に電気的に接続され前記ケージに乗った車両の上方から垂れ下がる給電ケーブルを有し、
前記給電ケーブルの他方の端部から前記ケージに乗った車両の給電プラグ受へ給電可能な電力を出力できる、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記ケージが、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せるパレットと、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺が前記パレットの1対の短辺の側を各々に支える前後1対のハンガーと、前後1対の前記ハンガーの上の辺に各々に連結し前後1対の端部を前後1対の前記ケージ軸受に回転自在に各々に支持されるケージ吊軸と、前記ケージ吊軸に並行して前後1対のハンガーに掛け渡された案内部材と、を有し、
前記給電ケーブルが前記案内部材に前後方向に移動自在に案内される、
ことを特徴とする請求項7に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記ケージが、上から見て略長方形の板構造体であり上面に車両を乗せるパレットと、前から見て略矩形の枠構造体であり下方の辺が前記パレットの1対の短辺の側を各々に支える前後1対のハンガーと、前後1対の前記ハンガーの上の辺に各々に連結し前後1対の端部を前後1対の前記ケージ軸受に回転自在に各々に支持されるケージ吊軸と、前記ケージ吊軸に垂直軸回りに回転自在に固定された回転レバーと、を有し、
前記給電ケーブルが前記回転レバーから垂れ下がる、
ことを特徴とする請求項7に記載の駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−47233(P2011−47233A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198143(P2009−198143)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】