説明

駐車装置

【課題】 簡易な構成で車両に給電するのに適した駐車装置を提供しようとする。
【解決手段】
従来の駐車装置に変わって、複数のパレットと入出庫空間と複数の駐車空間と搬送機器と前記入出庫空間、前記入出庫空間の真下に位置する空間又は複数の前記駐車空間のうちのいずれか一個の空間で前記パレットを停留させる停留空間の下方に設けられる基礎構造と複数の中継機器と給電機器とを備え、前記中継機器が中継端子と前記中継端子に電気的に接続されて給電された電力を前記パレットに乗せた車両に中継可能な中継回路とを有し、前記給電機器が給電端子と電力を給電可能な給電回路とを有し、前記給電端子と前記停留空間に停留する前記パレットに固定される中継端子である給電対象中継端子とを接触式または非接触式により電気的に接続できる、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を駐車させる駐車装置に係る。特に、車両に給電する構造に特徴のある駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両を駐車させるために機械式駐車装置が用いられる。
例えば、機械式駐車装置の採用する駐車機構は、メリーゴーランド方式駐車機構、エレベータ方式駐車機構、エレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構、搬送格納方式駐車機構、二段方式・多段方式駐車機構がある。
例えば、メリーゴーランド方式駐車機構では、上下に配された1対のスプロケットに掛け渡されたチェーンに所定の間隔で吊られたケージに車両を駐車させる。電動機がスプロケットを回転駆動し、複数の駐車空間がチェーンの軌跡に沿って循環移動する。
例えば、エレベータ方式駐車機構では、垂直になった昇降路に沿って上下方向に多段の駐車空間を配し、車両を載せたケージを昇降路の中に昇降させて、車両をケージから駐車空間に移載し、駐車させる。電動機は、ケージを吊るケーブルを巻上げ、巻き下げする。さらに、他の電動機が、車両をケージと駐車空間との間で移動させる。
例えば、エレベータ・スライド方式駐車機構では、駐車空間を垂直方向と水平方向に多段に配列し、車両を搬送台車に乗せて入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。
例えば、平面往復方式駐車機構では、駐車空間を水平に配列し、搬送台車が車両を入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。
例えば、運搬格納方式駐車機構では、車両を載せる複数のパレットを碁盤目状に配列し、複数のパレットを水平方向に循環できる。電動機が複数のパレットを間欠的に循環する。
例えば、多段方式駐車機構では、車両を載せる複数のパレットを多段に重ねる。
【0003】
近年、化石燃料をエネルギー源とする車両の他に、電気をエネルギー源とする車両が使用される。
電気自動車は、電気をエネルギー源とする車両のひとつである。
電気自動車は、二次電池に溜めた電気を使用して走行する。
そこで、駐車中に二次電池を充電したいという要請があった。
しかし、駐車する車両の全てが電気自動車ではないし、電気自動車の一部が駐車時に給電を希望する。
また、給電に要する時間は駐車時間よりも短い場合もある。
また、給電に使用する給電回路は性能を発揮するために十分な管理が必要である。
【0004】
充電には、通常充電タイプと急速充電タイプとがある。
例えば、通常充電タイプは、家庭コンセントからの電力を電源とするもので、必要量の充電をするのに数時間を要することもある。
例えば、急速充電は、専用の電源と専用の充電機器からの電力を電源とするもので、必要量の充電をするのに数十分を要することもある。
例えば、駐車装置で急速充電をおこなう場合は、1台の車両を充電するのに駐車装置の稼働に必要な電源容量と同程度の電源容量を必要とする。従って、装置全体の電源容量を大きくしない限り、1台の車両を急速充電する最中は、駐車装置の入出庫作業を一時中断する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、簡易な構成で車両に給電するのに適した駐車装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る給電を受け付け可能な複数の車両を駐車させる駐車装置を、複数の車両を各々に搭載できる複数のパレットと、車両が入庫または出庫するための空間である入出庫空間と、複数の前記パレットを駐車のために各々に置くことをできる複数の空間である複数の駐車空間と、前記パレットを前記入出庫空間と複数の前記駐車空間のうちの一つの前記駐車空間との間で搬送できる搬送機器と、前記入出庫空間、前記入出庫空間の真下に位置する空間又は複数の前記駐車空間のうちのいずれか一個の空間であり車両に給電するために前記パレットを停留させる停留空間の下方又は周辺に設けられる基礎構造と、複数の前記パレットに各々に固定され給電された電力を前記パレットに乗った車両へ各々に中継可能な複数の中継機器と、前記基礎構造に固定され前記停留空間に停留する前記パレットに固定される前記中継機器に電力を給電できる前記給電機器と、を備え、前記中継機器が電気用の端子である中継端子と前記中継端子に電気的に接続されて前記中継端子に給電された電力を前記パレットに乗せた車両に中継可能な中継回路とを有し、
前記給電機器が電気用の端子である給電端子と前記給電端子へ電力を給電可能な給電回路とを有し、前記給電端子と前記停留空間に停留する前記パレットに固定される中継端子である給電対象中継端子とを接触式または非接触式により電気的に接続できる、ものとした。
【0007】
上記本発明の構成により、複数のパレットが、複数の車両を各々に搭載できる。入出庫空間が、車両が入庫または出庫するための空間である。複数の駐車空間が、複数の前記パレットを駐車のために各々に置くことをできる複数の空間である。搬送機器が、前記パレットを前記入出庫空間と複数の前記駐車空間のうちの一つの前記駐車空間との間で搬送できる。基礎構造が、前記入出庫空間、前記入出庫空間の真下に位置する空間又は複数の前記駐車空間のうちのいずれか一個の空間であり車両に給電するために前記パレットを停留させる停留空間の下方又は周辺に設けられる。複数の中継機器が、複数の前記パレットに各々に固定され給電された電力を前記パレットに乗った車両へ各々に中継可能である。前記給電機器が、前記基礎構造に固定され前記停留空間に停留する前記パレットに固定される前記中継機器に電力を給電できる。前記中継機器が、電気用の端子である中継端子と前記中継端子に電気的に接続されて前記中継端子に給電された電力を前記パレットに乗せた車両に中継可能な中継回路とを有する。前記給電機器が、電気用の端子である給電端子と前記給電端子へ電力を給電可能な給電回路とを有する。前記給電端子と前記停留空間に停留する前記パレットに固定される中継端子である給電対象中継端子とを接触式または非接触式により電気的に接続できる。
その結果、入出庫空間でパレットに車両を乗せて駐車空間に駐車させる形式の駐車装置の主要な構造に大きな変更を与えずに、車両への給電能力を持った駐車装置を提供できる。
【0008】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0009】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記中継端子が前記パレットの下面に固定され、
前記給電機器が前記給電端子と前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる給電端子支持機構を有する。
上記の実施形態の構成により、前記中継端子が前記パレットの下面に固定される。前記給電機器の給電端子支持機構が、前記給電端子と前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる。
その結果、駐車装置の構造にほとんど変更を加えずに、前記給電機器を前記停留空間の下方に納めることができる。
【0010】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記入出庫空間の上方に垂直に延びる昇降空間に沿って左右に多段に並ぶ複数の駐車空間に複数のパレットを各々に配置して支持できる複数の駐車棚を有する主構造体と、を備え、前記停留空間が前記入出庫空間に一致し、前記搬送機器は前記パレットを支持するリフトケージと前記リフトケージを前記昇降空間の中で昇降自在に吊ることをできる索状体と前記索状体を巻上げまたは巻き下げできる巻上機器とを有し、前記リフトケージを前記入出庫空間に停止させるときに、前記給電端子と前記リフトケージに支持される前記パレットに固定される前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる。
上記の実施形態の構成により、主構造体の複数の駐車棚が、前記入出庫空間の上方に垂直に延びる昇降空間に沿って左右に多段に並ぶ複数の駐車空間に複数のパレットを各々に配置して支持できる。前記搬送機器は前記パレットを支持するリフトケージと前記リフトケージを前記昇降空間の中で昇降自在に吊ることをできる索状体と前記索状体を巻上げまたは巻き下げできる巻上機器とを有する。前記リフトケージを前記入出庫空間に停止させるときに、前記給電端子と前記リフトケージに支持される前記パレットに固定される前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる。
その結果、いわゆるエレベータ方式駐車装置の構造にほとんど変更を加えずに、前記給電機器を前記停留空間の下方に納めることができる。
【0011】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、 前記中継端子が前記パレットの下面に固定され、前記給電端子支持機構が前記給電端子を上下方向に移動させて前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続または遮断できる。
上記の実施形態の構成により、前記中継端子が前記パレットの下面に固定され、前記給電端子支持機構が前記給電端子を上下方向に移動させて前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続または遮断できる。
その結果、前記パレットの下面に前記中継端子を固定し、前記入出庫空間に停留させたパレットの下面に固定した前記中継端子と前記給電端子とを上下方向に移動させて電気的に接続または遮断できる様にしたので、駐車装置の構造にほとんど変更を加えずに、前記給電機器を前記停留空間の下方に納めることができる。
【0012】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、複数の車両に互いを識別できる様に各々に対応する複数の識別コードを取り扱って駐車装置を制御する制御機器と、を備え、前記制御機器が、車両毎に車両への給電を希望する旨の意思表示である給電予約を各々に受け付け、前記給電予約を受け付けた車両に対応する前記識別コードを前記待機テーブルに追記式に記録し、前記待機テーブルに記録された複数の前記識別コードのうちから一つの前記識別コードを選択して抽出し、抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットを前記停留空間へ移動させてまたは抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットが前記停留空間に停留していることを確認して前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続して、車両に給電を開始して所定の条件を満足すると給電を終了し、給電を終了した車両の前記識別コードを前記待機テーブルから削除する。
上記の実施形態の構成により、制御機器が、複数の車両に互いを識別できる様に各々に対応する複数の識別コードを取り扱って駐車装置を制御する。車両毎に車両への給電を希望する旨の意思表示である給電予約を各々に受け付ける。前記給電予約を受け付けた車両に対応する前記識別コードを前記待機テーブルに追記式に記録する。前記待機テーブルに記録された複数の前記識別コードのうちから一つの前記識別コードを選択して抽出する。抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットを前記停留空間へ移動させてまたは抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットが前記停留空間に停留していることを確認して前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続する。車両に給電を開始して所定の条件を満足すると給電を終了する。給電を終了した車両の前記識別コードを前記待機テーブルから削除する。
その結果、給電予約を受け付けて、前記給電予約を受けた車両に給電することをできる。
【0013】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記制御機器が、予め所定の時間帯を給電時間帯として選択して記録され、時刻が前記給電時間帯に該当するときに、抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットを前記停留空間へ移動させてまたは抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットが前記停留空間に停留していることを確認して前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続して、車両に給電を開始する。
上記の実施形態の構成により、予め所定の時間帯を給電時間帯として選択して記録される。時刻が前記給電時間帯に該当するときに、抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットを前記停留空間へ移動させてまたは抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットが前記停留空間に停留していることを確認して前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続する。車両に給電を開始する。
その結果、予め設定した時間帯に、前記待機テーブルから前記識別コードを選択して抽出し、抽出した識別コードに対応する車両に給電する様にしたので、前記搬送機器が入出庫のために稼働しないときに車両に給電することをできる。
【0014】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記制御機器が、車両を載せた前記パレットに固定される前記中継端子を介して前記パレットに搭載された車両の充電状態に対応する状態データを取得し、前記状態データを前記識別コードに関連づけて記憶機器に記録し、前記待機テーブルに記録された複数の前記識別コードのうちから一つの前記識別コードを抽出する際に前記記憶機器に記録された前記状態データを参酌して抽出する前記識別コードを選択する。
上記の実施形態の構成により、車両を載せた前記パレットに固定される前記中継端子を介して前記パレットに搭載された車両の充電状態に対応する状態データを取得する。前記状態データを前記識別コードに関連づけて記憶機器に記録する。前記待機テーブルに記録された複数の前記識別コードのうちから一つの前記識別コードを抽出する際に前記記憶機器に記録された前記状態データを参酌して抽出する前記識別コードを選択する。
その結果、入庫する際に中継端子を介して充電状態に対応する状態データを取得し、前記待機テーブルから前記識別コードを抽出する際に前記状態データを参酌する様にしたので、給電予約を受けた複数の車両の充電状態を考慮して給電する順番を決めることができる。
【0015】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、 前記中継端子が前記パレットの下面に固定され、前記給電機器が前記給電端子を傾斜した移動線に倣って上下方向に移動させて前記給電端子と前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる給電端子支持機構を有する。
上記の実施形態の構成により、前記中継端子が前記パレットの下面に固定され、前記給電機器の給電端子支持機構が、前記給電端子を傾斜した移動線に倣って上下方向に移動させて前記給電端子と前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる
その結果、駐車装置の構造にほとんど変更を加えずに、前記給電機器を前記停留空間の下方に納めることができる
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
前記搬送機器が車両を搭載した前記パレットを前記入出庫空間と前記駐車空間との間で搬送し前記駐車空間に駐車させ、前記停留空間を前記入出庫空間、前記入出庫空間の真下に位置する空間又は複数の前記駐車空間のうちのいずれかに設け、前記停留空間の下方又は周辺の基礎構造に給電機器を設け、前記停留空間に停留した前記パレットに固定された中継端子と給電機器の給電端子とを電気的接続し、前記パレットに搭載した車両に電力を給電する様にしたので、入出庫空間でパレットに車両を乗せて駐車空間に駐車させる形式の駐車装置の主要な構造に大きな変更を与えずに、車両への給電能力を持った駐車装置を提供できる。
また、前記パレットの下面に前記中継端子を固定し、前記入出庫空間に停留させたパレットの下面に固定した前記中継端子と前記給電端子とを電気的に接続または遮断できる様にしたので、駐車装置の構造に大きな変更を加えずに、前記給電機器を前記停留空間の下方に納めることができる。
また、複数の駐車棚とリフトケージと索状体と巻上機器とで構成されるいわゆるエレベータ方式駐車装置において、前記入出庫空間に停留させたパレットの下面に固定した前記中継端子と前記給電端子とを電気的に接続または遮断できる様にしたので、いわゆるエレベータ方式駐車装置の構造に大きな変更を加えずに、前記給電機器を前記停留空間の下方又は周辺に納めることができる。
また、前記パレットの下面に前記中継端子を固定し、前記入出庫空間に停留させたパレットの下面に固定した前記中継端子と前記給電端子とを上下方向に移動させて電気的に接続または遮断できる様にしたので、駐車装置の構造にほとんど変更を加えずに、前記給電機器を前記停留空間の下方に納めることができる。
また、車両に前記識別コードを付けて、前記給電予約を受け付けると車両の前記識別コードを前記待機テーブルに追記することを繰り返した後で、前記待機テーブルから前記識別コードを選択して抽出し、抽出した識別コードに対応する車両に給電し、給電を完了するとその車両の識別コードを前記待機テーブルから削除する様にしたので、給電予約を受け付けて、給電予約を受けた車両に給電することをできる。
また、所定の時間帯に、前記待機テーブルから前記識別コードを選択して抽出し、抽出した識別コードに対応する車両に給電する様にしたので、前記搬送機器が入出庫のために稼働しないときに車両に給電することをできる。
また、入庫する際に中継端子を介して充電状態に対応する状態データを取得し、前記待機テーブルから前記識別コードを抽出する際に前記状態データを参酌する様にしたので、給電予約を受けた複数の車両の充電状態を考慮して給電する順番を決めることができる。
また、前記パレットの下面に前記中継端子を固定し、前記入出庫空間に停留させたパレットの下面に固定した前記中継端子と前記給電端子とを傾斜した移動線に倣って上下移動して電気的に接続または遮断できる様にしたので、駐車装置の構造にほとんど変更を加えずに、前記給電機器を前記停留空間の下方に納めることができる。
従って、簡易な構成で車両に給電するのに適した駐車装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車装置の正面外面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る駐車装置のA−A断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る駐車装置の部分斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係る駐車装置の部分図である。
【図5】本発明の実施形態に係る駐車装置の電気系統図である。
【図6】本発明の実施形態に係る駐車装置の操作フロー図その1である。
【図7】本発明の実施形態に係る駐車装置の操作フロー図その2である。
【図8】本発明の実施形態に係る駐車装置の機能ブロック図である。
【図9】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の正面図である。
【図10】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の部分正面図である。
【図11】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の部分詳細図である。
【図12】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の平面図である。
【図13】本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の正面図その1である。
【図14】本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の正面図その2である。
【図15】本発明の第二の実施形態に係る駐車装置のB−B断面図である。
【図16】本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の平面図である。
【図17】本発明の第三の実施形態に係る駐車装置の正面図である。
【図18】本発明の第四の実施形態に係る駐車装置の平面図と側面断面図である。
【図19】本発明の第五の実施形態に係る駐車装置の正面断面図である。
【図20】本発明の第六の実施形態に係る駐車装置の正面断面図である。
【図21】本発明の第七の実施形態に係る駐車装置の側面断面図である。
【図22】本発明の第八の実施形態に係る駐車装置の側面断面図である。
【図23】本発明の第九の実施形態に係る駐車装置の平面図である。
【図24】複数の方式の駐車装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
最初に、本発明の実施形態にかかる駐車装置を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置の正面外面図である。図2は、本発明の実施形態に係る駐車装置のA−A断面図である。図3は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分斜視図である。図4は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分図である。図5は、本発明の実施形態に係る駐車装置の電気系統図である。図6は、本発明の実施形態に係る駐車装置の操作フロー図その1である。図7は、本発明の実施形態に係る駐車装置の操作フロー図その2である。図8は、本発明の実施形態に係る駐車装置の機能ブロック図である。
図3、図12、図16、図18は、パレット10の一部を切り欠いている。
図4は、給電端子の一部を切り欠いている。
【0020】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、給電を受け付け可能な複数の車両5を駐車させる装置であって、複数のパレット10と入出庫空間20と複数の駐車空間30と搬送機器40と基礎構造50と複数の中継機器60と給電機器70と主構造体80と制御機器90とで構成される。
説明のための図では、エレベータ方式駐車機構を採用する駐車装置に本願発明を適用する場合を例にして示している。
【0021】
パレット10は、車両5を搭載できるものである。
例えば、駐車装置がエレベータ方式駐車機構を採用する場合は、パレット10は、板部材と複数の矩形断面部材と4個の車輪とを組み合わせた構造である。板部材は、上から見て長方形の輪郭をもち、車両5のタイヤが転がって乗る2つの溝状の折り曲げ部と車両5の左右のタイヤを挟む左右1対の山状の折り曲げ部とを形成する様に折り曲げされてできている。複数の矩形断面部材が、曲げ強度を補強するために板部材の裏側に溶接またはボルト結合される。4つの車輪が板部材の四隅に配される。4つの車輪は、パレット10に搭載された車両5の左右方向に転動できる様に、板構造に固定される。
【0022】
入出庫空間20は、車両5が入庫または出庫するための空間である。
駐車装置がメリーゴーランド方式駐車機構を採用する場合、入出庫空間20は循環移動する駐車空間のうちの最下部に位置する駐車空間に一致する。
駐車装置がエレベータ方式駐車機構を採用する場合、入出庫空間20は昇降空間の下部、昇降空間の中間部または昇降空間の上部である。
駐車装置がエレベータ方式駐車機構、エレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構、搬送格納方式駐車機構を地下に設ける場合に、入出庫空間20は車両を受け入れて、地下に下降させるための車両の走行する道路面に一致する箇所にある。
【0023】
駐車空間30は、パレット10を駐車のために各々に置くことをできる空間である。
例えば、駐車装置がメリーゴーランド方式駐車機構を採用する場合、駐車空間30は、上下のスプロケットに掛け渡されたチェーンに吊られて循環移動する空間である。
例えば、駐車装置が、エレベータ方式駐車機構を採用する場合は、駐車空間は昇降空間の左右に多段に積み上げられた空間である。
例えば、駐車装置がエレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構を採用する場合は、駐車空間30は、搬送路の左右に搬送方向に沿って並べられた空間である。
例えば、駐車装置が搬送格納方式駐車機構を採用する場合は、水平方向に循環移動する空間である。
【0024】
搬送機器40は、パレット10を入出庫空間20と複数の駐車空間30のうちの一つの駐車空間30との間で搬送できる機器である。
駐車装置がメリーゴーランド方式駐車機構を採用する場合、搬送機器40は、複数のパレット10を支持するケージと上下1対のスプロケットと上下1対のスプロケットに巻き掛けられ所定の間隔でケージを吊るチェーンとスプロケットを回転させる回転機器である。
【0025】
駐車装置がエレベータ方式駐車機構を採用する場合、搬送機器40は、リフトケージ41と索状体42と巻上機器43と移載機器44とで構成される。
リフトケージ41は、車両5を搭載するパレット10を支持する機構である。
索状体42は、リフトケージ41を昇降空間Hの中を昇降自在に吊ることをできる機械要素である。
例えば、索状体42は、ワイヤ、チェーン、ベルト、等の紐状のものである。
巻上機器43は、索状体42を巻上げまたは巻き下げできる機器である。
移載機器44は、一つの駐車空間30の横に停止したリフトケージ41と駐車空間30との間で車両5を移載できる機器である。
【0026】
駐車装置が地下に置いたエレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構を採用する場合、搬送機器40は、地上に位置する入出庫空間と地下の駐車空間との間でパレット10を昇降させる昇降機器とパレットを乗せて水平に並んだ複数の駐車空間に沿って搬送する搬送台車と一つの駐車空間の横に停止した搬送台車と駐車空間との間でパレット10を移載する移載機器とで構成される。
【0027】
駐車装置が地下に置いた運搬格納方式駐車機構を採用する場合、搬送機器40は、地上に位置する入出庫空間と地下の駐車空間との間でパレット10を昇降させる昇降機器と碁盤目状に配列し複数のパレットを水平方向に循環する循環機器とで構成される。
【0028】
基礎構造50は、入出庫空間20、入出庫空間20の真下に位置する空間又は複数の駐車空間30のうちのいずれか一個の空間であり車両に給電するためにパレットを停留させる停留空間21の下方又は周辺に設けられる構造である。
例えば、駐車装置がメリーゴーランド方式駐車機構を採用する場合、停留空間21は循環移動する複数の駐車空間30の内の最下部に位置する駐車空間30に一致する。
例えば、駐車装置がエレベータ方式駐車機構を採用する場合、停留空間21は昇降空間の最下部に位置する。
例えば、駐車装置が地下に置いたエレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構を採用する場合は、停留空間21は、パレットを地上に位置する入出庫空間20から地下へおろす昇降空間の最下部に位置する。
例えば、駐車装置が地下に置いた運搬格納方式駐車機構を採用する場合、停留空間21は、パレットを地上に位置する入出庫空間20から地下へおろす昇降空間の最下部に位置する。
例えば、駐車装置が二段方式・多段方式駐車機構を採用する場合、停留空間は最下層の駐車空間30に一致する。
【0029】
例えば、基礎構造50は、ピット51と支持架台52とで構成される。
ピット51は、停留空間21の下方又は周辺に設けられる窪みである。
支持架台52は、ピット51に据え付けられ、給電端子71を支持する機構である。
例えば、支持架台52は、停留空間21に停留するパレット10に固定される中継端子61の直下に据え付けられる。
【0030】
中継機器60は、パレット10に固定され給電された電力をパレット10に乗った車両5へ各々に中継可能な機器である。
中継機器60は、中継端子61と中継回路62とで構成される。
中継端子61は、電気用の端子である。
中継端子61は、パレット10の下面に固定されてもよい。
【0031】
電気用の端子は、オスメス関係にある他の端子と電気的に接続され、電気を伝達する電気要素である。中継端子61は、電力用端子と通信用端子とが含まれる。電力用端子は、電力用の電気を流す。通信用端子は、通信用の電気を流す。通信の電気は、車両の充電状態等に対応するデータを乗せる。中継端子61は、接触式端子または非接触式端子である。
例えば、中継端子61は、パレット10の中央部の山状の折り曲げ部の下面に固定される。中継端子61の電気的接合部は下方へ向いている。
例えば、中継端子61は、パレット10の中央部の山状の折り曲げ部の下面に固定される。中継端子61の電気的接合部は前後左右の方向のうちの一方へ向いている。
図4は、給電端子71と中継端子61との電気的に接続される様子を示す。
【0032】
中継回路62は、中継端子61に電気的に接続されて中継端子61に給電された電力をパレットに乗せた車両に中継可能な回路である。
例えば、中継回路62は、一端が中継端子に電気的に接続され、他端を車両の充電プラグ受に脱着可能に電気的に接続される。
【0033】
中継機器60は、中継端子61と中継回路62と充電端子63とで構成されてもよい。
中継回路62は、一端を中継端子61に電気的に接続され他端を充電端子63に電気的に接続される。充電端子63は、パレットの縁部の山状の折り曲げ部に固定される。充電端子63の電気的接合部は上方へ向いている。
車両に搭載される充電ケーブル6が、充電端子63と車両の給電プラグ受とを電気的に接続する。
電力用電気は、中継端子61から中継回路62へ流れ、車両5に供給される。通信用電気は、中継端子61を介して、後述する給電コントローラ73と車両5との間でデータを通信するのに用いられる。
【0034】
給電機器70は、基礎構造50に固定され停留空間21に停留するパレット10に固定される中継機器60に電力を給電できる機器である。
給電機器70は、給電端子71と給電回路72とで構成される。
給電端子71は、電気用の端子である。
給電回路72は、給電端子71へ電力を給電可能な電気回路である
【0035】
給電端子71は、基礎構造50に支持され給電用の端子である。端子は、他の端子と電気的に接続され、電気を伝達する電気要素である。給電端子71は、中継端子61に電気的に接合する。電力用端子は、電力用の電気を流す。通信用端子は、通信用の電気を流す。通信の電気は、車両の充電状態等に対応するデータを乗せる。給電端子71は、接触式端子または非接触式端子である。
【0036】
給電回路72は、給電端子71に電気的に接続された回路である。
給電回路72は、外部から電力を供給され、交流または直流の電力用電気と通信用電気とを給電端子71に供給する。
【0037】
給電機器70は、給電端子71と給電回路72と給電コントローラ73と給電端子支持機構74とで構成されてもいよい。
給電コントローラ73は、中継機器60を介して車両への給電をコントロールする機器である。
給電コントローラ73は、車両のバッテリの過充電・過加熱等を防止しつつ、バッテリの充電特性に対応して給電する電流・電圧をコントロールする。
【0038】
ここで、説明の便宜上、停留空間21に停留するパレット10に固定される中継端子61を給電対象中継端子61aと呼称する。
【0039】
給電端子支持機構74は、給電端子71と給電対象中継端子61aとを電気的に接続または遮断できる機器である。
例えば、給電端子支持機構74は、パレット10の下方又は前後左右のうちの一方から給電端子71と給電対象中継端子61aとを電気的に接続または遮断できる。
例えば、給電端子支持機構74は、給電端子71を水平方向へ所定の範囲で移動自在に支持し、上方へ所定の付勢力で給電端子71を付勢する機構である。
図4は、給電端子支持機構74に相当するばね機構が、給電端子71を水平方向へ所定の範囲で移動自在に支持し、上方へ所定の付勢力で給電端子71を付勢する様子を示している。
この様にすると、パレット10が上方から下降すると給電対象中継端子61aが給電端子71に合体し、パレット10が停留空間21に停止すると給電対象中継端子61aが給電端子71に電気的に接続される。
【0040】
給電端子支持機構74は、給電端子71を上下方向に移動させて、給電端子71を給電対象中継端子61aに電気的に接続または遮断できる機器であってもよい。
給電端子支持機構74は、給電端子71を上下方向に移動させて、パレット10の下方から給電端子71を給電対象中継端子61aに電気的に接続または遮断できる機器であってもよい。
給電端子支持機構74は、給電端子71を傾斜した移動線に倣って上下方向に移動させて給電端子71と給電対象中継端子61aとを電気的に接続または遮断できてもよい。
給電端子支持機構74は、給電端子71を傾斜した移動線に倣ってパレットの下方から上下方向に移動させて給電端子71と給電対象中継端子61aとを電気的に接続または遮断できてもよい。
後述する第一乃至第三の実施形態にかかる駐車装置の説明において、詳細な構造を後述する。
【0041】
主構造体80は、駐車装置の主要な構造体である。
駐車装置がエレベータ方式駐車機構を採用する場合に、主構造体80は複数の駐車棚81を有する構造体であってもよい。
複数の駐車棚81は、入出庫空間20の上方に垂直に延びる昇降空間Hに沿って左右に多段に並ぶ複数の駐車空間30に複数のパレット10を各々に配置して支持できる機構である。
主構造体80は、複数の駐車棚81と鋼材構造82とで構成されてもよい。
鋼材構造82は、鋼材で構成され、複数の駐車棚81と搬送機器40を支持する構造である。
【0042】
制御機器90は、駐車装置を制御する機器である。
制御機器90は、駆動ドライバ91とコントローラ92と操作盤93とで構成されてもよい。
駆動ドライバ91は、搬送機器40を作動させる電動機を駆動させるドライバである。
コントローラ92は、CPUを内蔵し給電コントローラ73、駆動ドライバ91、操作盤93及び補機(図示せず)を制御する機器である。
コントローラ92は、駆動ドライバ91と給電コントローラ73への通電を選択的にオン/オフしてもよい。
操作盤93は、オペレータ、車両の運転手と情報交換するインターフェースである。
図5は、駐車装置の電気系統図である。
【0043】
コントローラの操作フローのうち本願に関係する操作フローを、図を基に説明する。
操作フローは、予約給電操作フローと予約給電運転フローを含む。
【0044】
予約給電操作フローS10は、安全確認S11とカード/暗証コード入力S12と入庫or出庫?S13と入庫S20と出庫S30とで構成される。
【0045】
(安全確認)S11
駐車装置の作動を安全に出来るかを確認する。
【0046】
(カード/暗証コード入力)S12
カードの挿入または暗証コードの入力を要求し、カードの読み取りまたは暗証コードの取り込みをおこなう。
【0047】
(入庫or出庫?)S13
入庫要求か出庫要求かを確認し、入庫要求の場合に入庫フローS20を実行する。
出庫要求の場合に出庫フローS30を実行する。
【0048】
入庫フローS20は、給電問い合わせS21と給電予約?S22と給電予約S23とスタートS24と入庫空間へ到着S25と入庫S26と充電ケーブルをセットS27と扉開S28とを含む。
【0049】
(給電問い合わせ)S21
操作盤93を介して給電予約をするか否かを問い合わせる。
【0050】
(給電予約?)S22
給電予約があるときは、給電予約S23を実行する。
給電予約がないときは、スタートS24を実行する。
【0051】
(給電予約)S23
給電予約を車両に対応して記憶する。
【0052】
(スタート)S24
入庫手順の実行をスタートする。
【0053】
(入庫空間へ到着)S25
車両5が入庫空間へ到着するのを待つ。
【0054】
(入庫)S26
車両が入庫空間へ入庫するのを誘導する。
【0055】
(充電ケーブルをセット)S27
給電予約があったときに、充電ケーブルを車両とパレット10に接続する。
例えば、備え付けの充電ケーブルを車両とパレット10に接続する様に、オペレータまたは運転手を誘導する。
【0056】
(扉閉)S28
入庫空間の人間の不在を確認して、入庫空間の扉を閉じる。
この後、入庫手順を実行する。
【0057】
出庫フローS30は、給電予約車S31と充電量の確認S32と充電量の表示S33とスタートS34と入庫空間へ到着S35と充電ケーブルを外すS36と出庫S37と扉閉S38とを含む。
【0058】
(給電予約車)S31
出庫要求のあった車両が給電予約のあったか否かを確認する。
給電予約のあったときは、充電量の確認S32を実行する。
給電予約のなかったときは、スタートS34を実行する。
【0059】
(充電量の確認)S32
車両に対応して記録された充電量を確認する。
【0060】
(スタート)S34
出庫手順の実行をスタートする。
【0061】
(出庫空間へ到着)S35
車両5が出庫空間へ到着するのを誘導する。
【0062】
(充電ケーブルを外す)S36
給電予約があったときに、備え付けの充電ケーブルを車両とパレット10に外す。
例えば、備え付けの充電ケーブルを車両とパレット10に外す様に、オペレータまたは運転手を誘導する。
【0063】
(出庫)S37
車両5の出庫を誘導する。
【0064】
(扉閉)S38
車両の出庫を確認して扉を閉じる。
【0065】
次に、予約充電運用フローS40を、図を基に、説明する。
【0066】
予約給電運用フローS40は、給電時間帯か?S41と給電予約有り?S42と入出庫有り?S43と給電予約車呼出S44とパレット停留完了確認S45と給電開始S46と給電完了S47と給電キャンセルS50とを含む。
【0067】
(給電時間帯か?)S41
時刻が給電時間帯な否かを確認する。
時刻が給電時間帯であるときは、給電予約有り?S42に実行する。
時刻が給電時間帯でないときは、給電キャンセルS50を実行する。
【0068】
(給電予約有り?)S42
給電予約が有るか否かを確認する。
給電予約があるときに入出庫有り?S43を実行する。
【0069】
(入出庫有り?)S43
入出庫要求があるか否かを確認する。
入出庫要求がないとにきに、次の手順を実行する。
入出庫要求があるときに、給電キャンセルS50を実行する。
【0070】
(給電予約車呼出)S44
給電予約のある車両を停留空間21へ運搬する手順を実行し、次の手順を実施する。
【0071】
(パレット停留完了確認)S45
呼びだされたパレットが停留空間21に停止するのを確認し、次の手順を実施する。
【0072】
(給電開始)S46
給電を開始する。
【0073】
(給電完了)S47
給電が完了するのを確認する。
給電中に入出庫あり?S43を適時実施する。
給電が完了すると元に戻る
【0074】
(給電キャンセル)S50
給電手順を中止する。
【0075】
制御機器90は、複数の車両の各々に互いを識別できる様に対応する複数の識別コードを取り扱って駐車装置を制御してもよい。
制御機器90は、入出庫指令のない時間に、車両への給電作業を給電予約に基づいて実施してもよい。
制御機器90は、車両毎に車両5への給電を希望する旨の意思表示である給電予約を各々に受け付け、給電予約を受け付けた車両5に対応する識別コードを待機テーブルに追記式に記録し、待機テーブルに記録された複数の識別コードのうちから一つの識別コードを選択して抽出し、給電端子71を抽出した識別コードに対応する車両の搭載されたパレット10に支持された中継端子61に電気的に接続して車両に給電を開始して所定の条件を満足すると給電を終了し、給電を終了した車両の識別コードを待機テーブルから削除してもよい。
【0076】
制御機器90は、車両5毎に車両5への給電を希望する旨の意思表示である給電予約を各々に受け付け、給電予約を受け付けた車両5に対応する識別コードを待機テーブルに追記式に記録し、待機テーブルに記録された複数の識別コードのうちから一つの識別コードを選択して抽出し、抽出した識別コードに対応する車両5を搭載したパレット10を停留空間21へ移動させてまたは抽出した識別コードに対応する車両5を搭載したパレット10が停留空間21に停留していることを確認して給電端子71を給電対象中継端子61aに電気的に接続して、車両に給電を開始して所定の条件を満足すると給電を終了し、給電を終了した車両の識別コードを待機テーブルから削除してもよい。
【0077】
待機テーブルに記録された複数の識別コードのうちから一つの識別コードを所定の手順に基づき選択して抽出する。
例えば、待機テーブルに記録された複数の識別コードのうちから一つの識別コードを早く給電予約した順番に選択して抽出する。
【0078】
制御機器90が、予め所定の時間帯を給電時間帯として選択して記録され、時刻が給電時間帯に該当するときに、抽出した識別コードに対応する車両を搭載したパレットを停留空間へ移動させてまたは抽出した識別コードに対応する車両を搭載したパレットが停留空間に停留していることを確認して給電端子を給電対象中継端子に電気的に接続して、車両に給電を開始してもよい。
例えば、給電時間帯は、入出庫要求の頻度の少ない時間帯である。
【0079】
制御機器90が、車両5を載せたパレット10の中継端子61を介してパレット10に搭載された車両5の充電状態に対応する状態データを取得し、状態データを識別コードに関連づけて記憶機器に記録し、待機テーブルに記録された複数の識別コードのうちから一つの識別コードを抽出する際に記憶機器に記録された状態データを参酌して抽出する識別コードを選択してもよい。
状態データは、車両の充電の程度を表す数値(例えば、百分率)である充電率を含む。例えば、車両の充電が完全に十分なとき充電率は100%、完全に空のときは充電率は0%である。
記憶機器に記録された状態データを参酌して所定の手順に従って抽出する識別コードを選択してもよい。
例えば、充電率が所定の値(例えば、90%)を越える車の給電予約を後回しにして、所定の値を下回る複数の車に対応する識別コードの中から早い給電予約の順に1つの識別コードを選択して抽出する。
【0080】
以下に、制御機器90の機能ブロックを説明する。
図8は、制御機器90の機能ブロック部の一例を示す。
機能ブロック図は、入庫受付機能F10と駐車機能F11と出庫受付機能F12と出庫機能F13と給電予約受付機能F20と識別コード記録機能F21と識別コード抽出機能F30とパレット搬送機能F31と給電機能F32と識別コード削除機能F33と情報データ取得機能F34とで構成される。
制御機器90は、CPUと記憶機器とインターフェースとで構成される。CPUに組み込まれたソフトウエアは、駐車装置に機能ブロックの機能を実施させる。
操作盤93、駆動ドライバ91と給電コントローラ73とに繋がる。
【0081】
入庫受付機能F10は、操作盤93を介して入庫の意志の表示を受ける機能である。入庫の意志の表示を受けると入庫情報を駐車機能へ送る。
入庫情報は、車種、駐車料金の種別、駐車する駐車棚81、等である。
【0082】
駐車機能F11は、入庫情報を基に、車両5を出庫させる機能である。車両5の搭載されたパレット10を入出庫空間20から駐車棚81へ移動する。搬送機器40を用いて、車両5を搭載したパレット10を入出庫空間20から駐車棚81の横へ移動し移載位置へ位置させる。パレット10を駐車棚81へ移載する。
【0083】
出庫受付機能F12は、出庫の意志の表示を受け付ける機能である。出庫の意志の表示を受けると、出庫情報を出庫機能へ送る。
出庫情報は、出庫する車両5、出庫する車両5を搭載したパレット10を置く駐車棚81、等である。
【0084】
出庫機能F13は、出庫情報を基に車両5を出庫させる機能である。
搬送機器40を用いて、車両5を搭載したパレット10を駐車空間30から入出庫空間20へ移動させる。
【0085】
給電予約受付機能F20は、給電の意思表示を受け付ける機能である。給電の予約の意思を受け付けると給電情報を識別コード記録機能へ送る。
給電情報は、給電の予約の意思の表示のあった車両5に関する情報である。
【0086】
識別コード記録機能F21は、識別コードを待機テーブルに記録する機能である。給電の予約の意思の表示のあった車両5に対応する識別コードを待機テーブルに追記的に記録する。
【0087】
識別コード抽出機能F30は、待機テーブルから識別コードを選択し抽出する機能である。
例えば、待機テーブルに記録された早い順に識別コードを選択して抽出する。
識別コード抽出機能は、待機テーブルから識別コードを充電情報を参酌して選択し抽出してもよい。
また例えば、待機テーブルを充電率が所定の値を越える第一グループと充電率が所定の値を下回る第二グループとのグループ分けして、第二グループの中で記録された早い順に識別コードを選択して抽出する。
【0088】
パレット搬送機能F31は、抽出した識別コードに対応する車両を搭載したパレットを停留空間へ移動させてまたは抽出した識別コードに対応する車両を搭載したパレットが停留空間21に停留していることを確認して機能である。
抽出した識別コードに対応する車両5を搭載したパレット10を停留空間21へ移動させる。
または、抽出した識別コードに対応する車両5を搭載したパレット10が停留空間21に停留していることを確認する。
【0089】
給電機能F32は、車両5に給電する機能である。
給電端子71を中継端子61へ電気的に接続する。
給電コントローラ73が給電回路72と給電端子71と中継端子61と中継回路62と充電ケーブル6とを介して車両5に給電する。
給電コントローラ73は、通信用電気を介して車両の充電情報を取得する。
所定の条件を満足すると給電を停止し、識別コード削除機能へ給電停止を知らせる。
【0090】
識別コード削除機構F33は、待機テーブルから給電を終了した識別コードを削除する機能である。
待機テーブルから給電を終了した識別コードを削除する。
【0091】
状態データ取得機能F34は、入庫した車両5の充電状態に対応する状態データを取得記憶機器に記録する機能である。
車両5から中継端子61を介して車両5の充電状態に対応する状態データを取得し、識別データに関連させて状態データを記憶機器に記録する。
例えば、入出庫空間20に位置する車両5から状態データを取得する。
例えば、駐車棚81に位置する車両5から状態データを取得する。
【0092】
次に、本発明の第一の実施形態にかかる駐車装置を、図を基に、説明する。
図9は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の正面図である。図10は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の部分正面図である。図11は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の部分詳細図である。図12は、本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の平面図である。
【0093】
第一の実施形態に係る駐車装置は、エレベータ方式駐車機構を備えた駐車装置に本願の発明を適用したものである。
【0094】
第一の実施形態に係る駐車装置は、給電を受け付け可能な複数の車両5を駐車させる装置であって、複数のパレット10と入出庫空間20と複数の駐車空間30と搬送機器40と基礎構造50と複数の中継機器60と給電機器70と主構造体80と制御機器90とで構成される。
本発明の実施形態にかかる駐車装置を説明する記載と同じ点は省略して、異なる点を説明する。
【0095】
主構造体80は、入出庫空間の上方に垂直に延びる昇降空間に沿って左右に多段に並ぶ複数の駐車空間に複数のパレットを各々に配置して支持できる複数の駐車棚81を有する

搬送機器40は、パレット10を支持するリフトケージ41とリフトケージ41を昇降空間Hの中を昇降自在に吊ることをできる索状体42と索状体42を巻上げまたは巻き下げできる巻上機器43と移載機器44とを備える。
停留空間21は、入出庫空間20と一致する。
リフトケージ41を入出庫空間20に停止させるときに、給電端子71と給電対象中継端子61aとを電気的に接続または遮断できる。
リフトケージ41を入出庫空間20に停止させるときに、パレット10の下方から給電端子71と給電対象中継端子61aとを電気的に接続または遮断できてもよい
移載機器44は、リフトケージ41に搭載され、パレットをリフトケージ41と駐車棚81との間で移載し、パレット10をリフトケージ10の上で旋回させる機器である。
【0096】
中継端子61は、パレット10の下面に固定され、電気的接合部は下方へ向いている。
給電端子71の電気的接合部は、上方へ向いている。
給電機器70が、給電端子71と給電対象中継端子61aとを電気的に接続または遮断できる給電端子支持機構74を有する。
例えば、給電端子支持機構74は、給電端子を上下方向に移動させて給電端子を給電対象中継端子に電気的に接続または遮断できる。
例えば、給電端子支持機構74は、給電端子をパレット10の下方から上下方向に移動させて給電端子を給電対象中継端子に電気的に接続または遮断できる。
図11は、給電端支持機構74の具体例を示す。
給電端子支持機構74は、直動機構を用いて給電端子71を所定のストロークSだけ上下方向に移動できる。
給電端子支持機構74は、支持架台52に固定され、電気的接合面が上方へ向く様に、給電端子71を支持する。
パレット10が昇降空間Hを下降して停留空間21に停止する。
給電端子支持機構74が給電端子71をストロークSの最下部から最上部へ移動すると、給電端子71と中継端子61とが電気的に接合する。
給電端子支持機構74は、図11に示す直動機構の先端に図4に示すばねを用いた支持機構と付勢機構とを組み合わせたものであってもよい。
【0097】
給電端子71と給電回路72と給電端子支持機構74とで組み合わされた2組を停留空間21に停留するパレット10の前後に各々に配置してもよい。
【0098】
次に、本発明の第二の実施形態にかかる駐車装置を、図を基に、説明する。
図13は、本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の正面図その1である。図14は、本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の正面図その2である。図15は、本発明の第二の実施形態に係る駐車装置のB−B断面図である。図16は、本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の平面図である。
【0099】
第二の実施形態に係る駐車装置は、エレベータ方式駐車機構を備えた駐車装置に本願の発明を適用したものである。
【0100】
第二の実施形態に係る駐車装置は、給電を受け付け可能な複数の車両5を駐車させる装置であって、複数のパレット10と入出庫空間20と複数の駐車空間30と搬送機器40と基礎構造50と複数の中継機器60と給電機器70と主構造体80と制御機器90とで構成される。
本発明の実施形態にかかる駐車装置を説明する記載と同じ点は省略して、異なる点を説明する。
駐車装置は、入庫の際に、入出庫空間20に入庫したパレット10を入出庫空間20で90度に旋回させて、昇降空間Hを昇降させる。
駐車装置は、出庫の際に、昇降空間Hを下降したパレット10を入出庫空間20で90度に旋回させ、車両を出庫させる。
【0101】
複数のパレット10と入出庫空間20と複数の駐車空間30と搬送機器40の構造は第一に実施形態にかかる駐車装置のものと同じなので、説明を省略する。
【0102】
中継機器60と給電機器70との構造は、第一の実施形態にかかる駐車装置のものと同じなので、説明を省略する。
基礎構造50は、入出庫空間20での入出庫する姿勢にあるパレット10の下方に設けられる。
【0103】
次に、本発明の第三の実施形態にかかる駐車装置を、図を基に、説明する。
図17は、本発明の第三の実施形態に係る駐車装置の正面図である。
【0104】
第三の実施形態に係る駐車装置は、エレベータ方式駐車機構を備えた駐車装置に本願の発明を適用したものである。
【0105】
第三の実施形態に係る駐車装置は、給電を受け付け可能な複数の車両5を駐車させる装置であって、複数のパレット10と入出庫空間20と複数の駐車空間30と搬送機器40と基礎構造50と複数の中継機器60と給電機器70と主構造体80と制御機器90とで構成される。
第三の実施形態に係る駐車装置は、給電端機構70を除き第一乃至第二の実施形態にかかる駐車装置と同じであるので、異なる点を説明する。
【0106】
給電機器70は、給電端子71と給電回路72と給電コントローラ73と給電端子支持機構74と給電端子カバー75とで構成される。
給電端子71と給電回路72と給電コントローラ73は、第二の実施形態のものとおなじなので、説明を省略する。
【0107】
給電端子支持機構74は、給電端子71を傾斜した移動線に倣って上下方向に移動させて給電端子71と給電対象中継端子61aとを電気的に接続または遮断できる。
例えば、給電端子支持機構74は、給電端子71を傾斜した移動線に倣ってパレット10の下方から上下方向に移動させて給電端子71と給電対象中継端子61aとを電気的に接続または遮断できる。
給電端子カバー75は、給電端子71を覆うカバー構造である。
上から見て、給電端子が傾斜した移動線の最下部に位置するときに、給電端子カバー75に隠れる。
この様にすると、埃等が給電端子71に付着しにくくなる。
また、雨水が給電端子71に付着しにくくなる。
【0108】
以下に、基礎構造50と中継機器60と給電機器70の組合せの他の形式を、第四乃至第八の実施形態を例に説明する。
【0109】
図18は、本発明の第四の実施形態に係る駐車装置の平面図と側面断面図である。
図18は、中継端子61が見える様にパレット10の側部の一部を切り欠いている。
基礎構造50は、停留空間21の周辺に設けられる。
基礎構造50は、入出庫空間20の床面を形成する。
中継機器60は、パレット10の下面に固定される。
中継端子61は、パレット10の左右に一方の縁部の山状の折り曲げ部の下面に固定される。中継端子61の電気的接合部が前方または後方へ向いている。
給電機器70は、基礎構造50に固定される。
給電端子支持機構74が、入出庫空間20の床面に固定される。
給電端子71の電気的接合部が、中継端子61の電気的接合部に対面する。
給電機器70が、給電端子71を水平方向に移動させて給電端子71を給電対象中継端子61aに電気的に接続または遮断できる。
【0110】
図19は、本発明の第五の実施形態に係る駐車装置の正面断面図である。
基礎構造50は、停留空間21の下方に設けられる。
基礎構造50は、ピット51と支持架台52とで構成される。
中継機器60は、パレット10の下面に固定される。
中継端子61は、パレット10の車両5のタイヤが走行する部分の下面に固定される。 中継端子61の電気的接合部がパレット10の中心軸に向く方向へ向いている。
給電機器70は、基礎構造50に固定される。
支持架台52が、給電端子支持機構74を支持する。
給電端子71の電気的接合部が、中継端子61の電気的接合部に対面する。
給電機器70が、給電端子71を水平方向に移動させて給電端子71を給電対象中継端子61aに電気的に接続または遮断できる。
【0111】
図20は、本発明の第六の実施形態に係る駐車装置の正面断面図である。
基礎構造50は、停留空間21の周辺に設けられる。
基礎構造50は、ピット51と支持架台52とで構成される。
中継機器60は、パレット10の下面に固定される。
中継端子61は、パレット10の車両5のタイヤが走行する面を形成する板構造の下面に固定される。 中継端子61の電気的接合部が、パレット10の外側へ向いている。
給電機器70は、基礎構造50に固定される。
支持架台52が、給電端子支持機構74を支持する。
給電端子71の電気的接合部が、中継端子61の電気的接合部に対面する。
給電機器70が、給電端子71を水平方向に移動させて給電端子71を給電対象中継端子61aに電気的に接続または遮断できる。
【0112】
図21は、本発明の第七の実施形態に係る駐車装置の側面断面図である。
基礎構造50は、停留空間21の下方に設けられる。
基礎構造50は、ピット51と支持架台52とで構成される。
中継機器60は、パレット10の下面に固定される。
中継端子61は、パレット10の車両5のタイヤが走行する部分の下面に固定される。 中継端子61の電気的接合部が、パレット10の前方または後方へ向いている。
給電機器70は、基礎構造50に固定される。
支持架台52が、給電端子支持機構74を支持する。
給電端子71の電気的接合部が、中継端子61の電気的接合部に対面する。
給電機器70が、給電端子71を水平方向に移動させて給電端子71を給電対象中継端子61aに電気的に接続または遮断できる。
【0113】
図22は、本発明の第八の実施形態に係る駐車装置の側面断面図である。
基礎構造50は、停留空間21の周辺に設けられる。
基礎構造50は、ピット51と支持架台52とで構成される。
中継機器60は、パレット10の下面に固定される。
中継端子61は、パレット10の車両5のタイヤが走行する部分の下面に固定される。 中継端子61の電気的接合部が、パレット10の前方または後方へ向いている。
給電機器70は、基礎構造50に固定される。
支持架台52が、給電端子支持機構74を支持する。
給電端子71の電気的接合部が、中継端子61の電気的接合部に対面する。
給電機器70が、給電端子71を水平方向に移動させて給電端子71を給電対象中継端子61aに電気的に接続または遮断できる。
【0114】
次に、本発明の第九の実施形態にかかる駐車装置を、図を基に、説明する。
図23は、本発明の第九の実施形態に係る駐車装置の平面図である。
図23において、左図は車両の走行レベルの様子を示し、右図は地下に納められる駐車機構を示す。
【0115】
第九の実施形態に係る駐車装置は、平面往復方式駐車機構を備えた駐車装置に本願の発明を適用したものである。
【0116】
第九の実施形態に係る駐車装置は、給電を受け付け可能な複数の車両5を駐車させる装置であって、複数のパレット10と入出庫空間20と複数の駐車空間30と搬送機器40と基礎構造50と複数の中継機器60と給電機器70と主構造体80と制御機器90とで構成される。
本発明の実施形態にかかる駐車装置を説明する記載と同じ点は省略して、異なる点を説明する。
【0117】
停留空間21が、入出庫空間21の真下に位置する空間である。
搬送機器40が、昇降機器と搬送台車とで構成される。
昇降機器が、パレットを入出庫空間と駐車空間の納められる空間の間で昇降させる。
昇降機器がパレットを降下させると、パレットは停留空間に位置する。
【0118】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
搬送機器40が車両5を搭載したパレット10を入出庫空間20と駐車空間30との間で搬送し駐車空間30に駐車させ、停留空間21を入出庫空間20、入出庫空間20の真下に位置する空間又は複数の駐車空間30のうちのいずれかに設け、停留空間21の下方又は周辺の基礎構造50に給電機器70を設け、停留空間21に停留したパレット10に固定された中継端子61と給電機器70の給電端子71とを電気的接続し、パレット10に搭載した車両5に電力を給電する様にしたので、入出庫空間20でパレットに車両を乗せて駐車空間30に駐車させる形式の駐車機構の主要な構造に大きな変更を与えずに、車両5への給電能力を持った駐車装置を提供できる。
また、パレット10の下面に中継端子を固定し、入出庫空間20に停留させたパレット10の下面に固定した中継端子61と給電端子71とを下方から電気的に接続または遮断できる様にしたので、駐車装置の構造にほとんど変更を加えずに、給電機器70を停留空間21の下方に納めることができる。
また、複数の駐車棚81とリフトケージ41と索状体42と巻上機器43とで構成されるいわゆるエレベータ方式駐車機構において、入出庫空間20に停留させたパレット10の下面に固定した中継端子61と給電端子71とを下方から電気的に接続または遮断できる様にしたので、いわゆるエレベータ方式駐車機構の構造にほとんど変更を加えずに、給電機器70を停留空間21の下方に納めることができる。
また、パレット10の下面に中継端子61を固定し、入出庫空間20に停留させたパレット10の下面に固定した中継端子61と給電端子71とを下方から上下方向に移動させて電気的に接続または遮断できる様にしたので、駐車装置の構造にほとんど変更を加えずに、給電機器70を停留空間21の下方に納めることができる。
また、車両5に識別コードを付けて、給電予約を受け付けると車両5の識別コードを待機テーブルに追記することを繰り返した後で、待機テーブルから識別コードを選択して抽出し、抽出した識別コードに対応する車両5に給電し、給電を完了するとその車両の識別コードを待機テーブルから削除する様にしたので、給電予約を受け付けて、給電予約を受けた車両に給電することをできる。
また、入出庫指令の頻度の少ない所定の時間帯に、待機テーブルから識別コードを選択して抽出し、抽出した識別コードに対応する車両に給電する様にしたので、搬送機器40が入出庫のために稼働しないときに車両5に給電することをできる。
また、入庫する際に中継端子61を介して充電状態に対応する状態データを取得し、待機テーブルから識別コードを抽出する際に状態データを参酌する様にしたので、給電予約を受けた複数の車両の充電状態を考慮して給電する順番を決めることができる。
また、パレット10の下面に中継端子を固定し、入出庫空間20に停留させたパレット10の下面に固定した中継端子61と給電端子71とを下方から傾斜した移動線に倣って上下移動して電気的に接続または遮断できる様にしたので、駐車装置の構造にほとんど変更を加えずに、給電機器70を停留空間の下方に納めることができる。
また、給電端子の上方に給電端子カバーを設けたので、給電端子が埃で汚れたり、雨水が付着したりするのを簡易に防止できる。
また、給電端子71と中継端子61とを電気的に遮断している間に、充電ケーブルをパレットと車両との間に設置できる。
【0119】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
車載搭載された充電ケーブルを用いて車両の給電プラグ受と充電端子とを電気的に接続することを前提に説明したがこれに限定されず、例えば、中継回路が車両の給電プラグ受に直接に接続されてもよい。
【符号の説明】
【0120】
H 昇降空間
5 車両
6 充電ケーブル
10 パレット
20 入出庫空間
21 停留空間
30 駐車空間
40 搬送機器
41 リフトケージ
42 索状体
43 巻上機器
44 移載機器
50 基礎構造
51 ピット
52 支持架台
60 中継機器
61 中継端子
61a 給電対象中継端子
62 中継回路
63 充電端子
70 給電機器
71 給電端子
72 給電回路
73 給電コントローラ
74 給電端子支持機構
75 給電端子カバー
80 主構造体
81 駐車棚
82 鋼材構造
90 制御機器
91 駆動ドライバ
92 コントローラ
93 操作盤
【先行技術文献】
【特許文献】
【0121】
【特許文献1】特許第2908939号
【特許文献2】特許第2908940号
【特許文献3】特開2001−359203号
【特許文献4】特開2002−004620号
【特許文献3】特開平06−028124号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電を受け付け可能な複数の車両を駐車させる駐車装置であって、
複数の車両を各々に搭載できる複数のパレットと、
車両が入庫または出庫するための空間である入出庫空間と、
複数の前記パレットを駐車のために各々に置くことをできる複数の空間である複数の駐車空間と、
前記パレットを前記入出庫空間と複数の前記駐車空間のうちの一つの前記駐車空間との間で搬送できる搬送機器と、
前記入出庫空間、前記入出庫空間の真下に位置する空間又は複数の前記駐車空間のうちのいずれか一個の空間であり車両に給電するために前記パレットを停留させる停留空間の下方又は周辺に設けられる基礎構造と、
複数の前記パレットに各々に固定され給電された電力を前記パレットに乗った車両へ各々に中継可能な複数の中継機器と、
前記基礎構造に固定され前記停留空間に停留する前記パレットに固定される前記中継機器に電力を給電できる前記給電機器と、
を備え、
前記中継機器が電気用の端子である中継端子と前記中継端子に電気的に接続されて前記中継端子に給電された電力を前記パレットに乗せた車両に中継可能な中継回路とを有し、
前記給電機器が電気用の端子である給電端子と前記給電端子へ電力を給電可能な給電回路とを有し、
前記給電端子と前記停留空間に停留する前記パレットに固定される中継端子である給電対象中継端子とを接触式または非接触式により電気的に接続できる、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記中継端子が前記パレットの下面に固定され、
前記給電機器が前記給電端子と前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる給電端子支持機構を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記入出庫空間の上方に垂直に延びる昇降空間に沿って左右に多段に並ぶ複数の駐車空間に複数のパレットを各々に配置して支持できる複数の駐車棚を有する主構造体と、
を備え、
前記停留空間が前記入出庫空間に一致し、
前記搬送機器は前記パレットを支持するリフトケージと前記リフトケージを前記昇降空間の中で昇降自在に吊ることをできる索状体と前記索状体を巻上げまたは巻き下げできる巻上機器とを有し、
前記リフトケージを前記入出庫空間に停止させるときに、前記給電端子と前記リフトケージに支持される前記パレットに固定される前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記給電端子支持機構が前記給電端子を上下方向に移動させて前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続または遮断できる、
ことを特徴とする請求項3に記載の駐車装置。
【請求項5】
複数の車両に互いを識別できる様に各々に対応する複数の識別コードを取り扱って駐車装置を制御する制御機器と、
を備え、
前記制御機器が、車両毎に車両への給電を希望する旨の意思表示である給電予約を各々に受け付け、前記給電予約を受け付けた車両に対応する前記識別コードを前記待機テーブルに追記式に記録し、前記待機テーブルに記録された複数の前記識別コードのうちから一つの前記識別コードを選択して抽出し、抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットを前記停留空間へ移動させてまたは抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットが前記停留空間に停留していることを確認して前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続して、車両に給電を開始して所定の条件を満足すると給電を終了し、給電を終了した車両の前記識別コードを前記待機テーブルから削除する、
ことを特徴とする請求項4に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記制御機器が、予め所定の時間帯を給電時間帯として選択して記録され、時刻が前記給電時間帯に該当するときに、抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットを前記停留空間へ移動させてまたは抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットが前記停留空間に停留していることを確認して前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続して、車両に給電を開始する、
ことを特徴とする請求項5に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記制御機器が、車両を載せた前記パレットに固定される前記中継端子を介して前記パレットに搭載された車両の充電状態に対応する状態データを取得し、前記状態データを前記識別コードに関連づけて記憶機器に記録し、前記待機テーブルに記録された複数の前記識別コードのうちから一つの前記識別コードを抽出する際に前記記憶機器に記録された前記状態データを参酌して抽出する前記識別コードを選択する、
ことを特徴とする請求項6に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記給電端子支持機構は、前記給電端子を傾斜した移動線に倣って上下方向に移動させて前記給電端子と前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる、
ことを特徴とする請求項7に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記中継端子が前記パレットの下面に固定され、
前記給電機器が前記給電端子を上下方向に移動させて前記給電端子と前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる給電端子支持機構を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項10】
複数の車両に互いを識別できる様に各々に対応する複数の識別コードを取り扱って駐車装置を制御する制御機器と、
を備え、
前記制御機器が、車両毎に車両への給電を希望する旨の意思表示である給電予約を各々に受け付け、前記給電予約を受け付けた車両に対応する前記識別コードを前記待機テーブルに追記式に記録し、前記待機テーブルに記録された複数の前記識別コードのうちから一つの前記識別コードを選択して抽出し、抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットを前記停留空間へ移動させてまたは抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットが前記停留空間に停留していることを確認して前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続して、車両に給電を開始して所定の条件を満足すると給電を終了し、給電を終了した車両の前記識別コードを前記待機テーブルから削除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項11】
前記制御機器が、予め所定の時間帯を給電時間帯として選択して記録され、時刻が前記給電時間帯に該当するときに、抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットを前記停留空間へ移動させてまたは抽出した前記識別コードに対応する車両を搭載した前記パレットが前記停留空間に停留していることを確認して前記給電端子を前記給電対象中継端子に電気的に接続して、車両に給電を開始する、
ことを特徴とする請求項10に記載の駐車装置。
【請求項12】
前記制御機器が、車両を載せた前記パレットに固定される前記中継端子を介して前記パレットに搭載された車両の充電状態に対応する状態データを取得し、前記状態データを前記識別コードに関連づけて記憶機器に記録し、前記待機テーブルに記録された複数の前記識別コードのうちから一つの前記識別コードを抽出する際に前記記憶機器に記録された前記状態データを参酌して抽出する前記識別コードを選択する、
ことを特徴とする請求項10に記載の駐車装置。
【請求項13】
前記中継端子が前記パレットの下面に固定され、
前記給電機器が前記給電端子を傾斜した移動線に倣って下前記パレットの方から上下方向に移動させて前記給電端子と前記給電対象中継端子とを電気的に接続または遮断できる給電端子支持機構を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−52470(P2011−52470A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203177(P2009−203177)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】