説明

駐車装置

【課題】 電池を持つ電動車両を含む車両を駐車させる駐車装置を提供する。
【解決手段】
従来の駐車装置に変わって、電源機器と、前記電源機器から給電される電力により作動する電動機を有し前記電動機に駆動されて車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動させて駐車させる駐車機構と、前記電源機器に電気的に接続される電力制御機器と、前記駐車空間に駐車した電動車両と前記電力制御機器とを電気的に接続する電力回路と、を備え、前記電力制御機器が前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池を持つ電動車両を含む車両を駐車させる駐車装置に係る。
【背景技術】
【0002】
複数の車両を駐車させるのに駐車機構を備えた駐車装置を用いることがある。
駐車機構は、電動機と駐車空間と入出庫空間とで構成される。
電動機は、電源を動力源として動力を出力する。
駐車機構は、電動機に駆動されて車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動させて駐車させる。
例えば、駐車機構は、メリーゴーランド方式駐車機構、エレベータ方式駐車機構、エレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構、運搬格納方式駐車機構、二段方式・多段方式駐車機構がある。
例えば、メリーゴーランド方式駐車機構では、上下に配された1対のスプロケットに掛け渡されたチェーンに所定の間隔で吊られたケージに車両を駐車させる。電動機がスプロケットを回転駆動する。複数のケージの上部が駐車空間を形成する。例えば、最下端に位置するケージの上部が入出庫空間を形成する。
例えば、エレベータ方式駐車機構では、垂直になった昇降路に沿って上下方向に多段の駐車空間を配し、車両を載せたケージを昇降路の中に昇降させて、車両をケージから駐車空間に移載し、駐車させる。電動機は、ケージを吊るケーブルを巻上げ、巻き下げする。さらに、他の電動機が、車両をケージと駐車空間との間で移動させる。例えば、昇降路の最下端が入出庫空間を形成する。
例えば、エレベータ・スライド方式駐車機構では、駐車空間を垂直方向と水平方向に多段に配列し、車両を搬送台車に乗せて入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。例えば、入出庫空間を地上に形成し、駐車機構を地下に配する。
例えば、平面往復方式駐車機構では、駐車空間を水平に配列し、搬送台車が車両を入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。例えば、入出庫空間を地上に形成し、駐車機構を地下に配する。
例えば、運搬格納方式駐車機構では、車両を載せる複数のパレットを碁盤目状に配列し、複数のパレットを水平方向に循環できる。電動機が複数のパレットを間欠的に循環する。他の電動機が、車両を入出庫空間とパレットとの間で移載する。例えば、入出庫空間を地上に形成し、駐車機構を地下に配する。
【0003】
一方、車両の電動化が加速している。これらの車両を電動車両と総称する。
電動車両には、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、電動バイク、燃料電池自動車、その他がある。
電動車両は、交流電気を給電されるタイプと直流電気を給電されるタイプがある。
そこで、駐車している間に、電動車両に給電することが考えられる。
電動車両には、外部から給電して車載バッテリーを充電するタイプのものがある。
それらの電動車両は、給電のための給電プラグ受を持つ。
急速充電器の給電プラグや100/200V等の電源コンセントに充電専用ケーブルを接続し充電専用ケーブルの給電プラグを電動車両の給電プラグ受に接続することで充電を行う。
【0004】
電動車両は、容量の大きな電池を内蔵する。電池は、蓄電池、燃料電池等である。
電動車両の普及が進むと、市外に多くの電動車両が存在することとなる。
例えば、駐車装置には複数の電動車両が駐車する。
複数の電動車両に各々に内蔵される各々の電池から出力できる電力の総計は、駐車装置を動かすための電力に匹敵する。
停電等があったときに、駐車装置に駐車した電動車両の内蔵する電池の出力する電力を利用できれば、駐車装置を動かすことをできる。
また、駐車装置が車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動するにの、加速運転・一定速度運転・減速運転・停止運転を繰り返し、消費電力が大きく変動する。特に、加速運転するときに、商用電力を大きく消費する。消費電力がピーク状に大きくなるときに、駐車装置に駐車した電動車両の電池に蓄電された電力を利用できれば、商用電力のピーク的な消費を抑えることをできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、社会状況の変化に対応して電動車両を含む車両を駐車させる駐車装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る電池を持つ電動車両を含む車両を駐車させる駐車装置であって、電源機器と、前記電源機器から給電される電力により作動する電動機を有し前記電動機に駆動されて車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動させて駐車させる駐車機構と、前記電源機器に電気的に接続される電力制御機器と、前記駐車空間に駐車した電動車両と前記電力制御機器とを電気的に接続する電力回路と、を備え、前記電力制御機器が前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する、ものとした。
【0007】
上記本発明の構成により、駐車機構が、前記電源機器から給電される電力により作動する電動機を有し、前記電動機に駆動されて車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動させて駐車させる。電力制御機器が、前記電源機器に電気的に接続される。電力回路が、前記駐車空間に駐車した電動車両と前記電力制御機器とを電気的に接続する。前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力制御機器が前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する。
その結果、駐車空間に駐車した電動車両が電池から出力する電力により電動機を作動させて、車両を入出庫できる。
【0008】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0009】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記電力制御機器が前記電動機の消費電力が所定の電力を越えようとするときに前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する。
上記の実施形態の構成により、前記電動機の消費電力が所定の電力を越えようとするときに、前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力制御機器が前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する。
その結果、電源機器の消費電力が少なくてすむ。
【0010】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記電力制御機器が停電時に前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する。
上記の実施形態の構成により、停電時に前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力制御機器が前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する。
その結果、停電時でも車両を入庫でき、または出庫できる。
【0011】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、電動車両が電池と前記電池の出力する電力で走行する走行機器と前記電池に充電する電力を外部から給電される電気コネクタ受とを持ち、前記電気コネクタ受が前記電力回路に電気的に接続可能であり、前記電池から放電する電力を前記電気コネクタ受を通過して外部へ出力できる。
上記の実施形態の構成により、走行機器が前記電池の出力する電力で走行する。電気コネクタ受が、前記電力回路に電気的に接続可能である。前記電池から放電する電力を前記電気コネクタ受を通過して外部へ出力できる。
その結果、前記駐車機構が前記電池の蓄電する電力を利用できる。
【0012】
上記目的を達成するため、本発明に係る電動車両であって、電池と、前記電池の出力する電力で走行する走行機器と、前記電池に充電する電力を外部から給電される電気コネクタ受と、を備え、前記電池から放電する電力を前記電気コネクタ受を通過して外部へ出力できる、ものとした。
【0013】
上記本発明の構成により、走行機器が、前記電池の出力する電力で走行する。電気コネクタ受が、前記電池に充電する電力を外部から給電される。前記電池の放電する電力を前記電気コネクタ受を通過して外部へ出力できる。
その結果、外部が、前記電池の蓄電する電力を利用できる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
前記電動機が前記電源機器から給電される電力により作動し、前記電動機により駆動されて車両を前記駐車機器の前記入出庫空間と前記駐車空間との間で移動させて前記駐車空間に駐車させ、前記駐車空間に駐車する電動車両が電池から出力させた電力を前記電源機器に給電できる様にしたので、前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から出力する電力により前記電動機を作動させて、車両を入庫でき、または出庫できる。
また、前記電動機の消費電力が所定の電力を越えようとするときに、前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から出力する電力を前記電源機器に給電する様にしたので、前記電源機器の消費電力が少なくてすむ。
また、停電時に前記駐車空間に駐車した前記電動車両が前記電池から出力する電力を前記電源機器に給電する様にしたので、停電時でも車両を入庫でき、または出庫できる。
また、電動車両の内蔵する前記電池から出力する電力を前記電気コネクタ受を通過して外部へ出力できる様にしたので、前記電池の出力する電力を外部で利用できる。
従って、社会状況の変化に対応した駐車装置を提供できる。
【0015】
以上説明したように、本発明に係る電動車両は、その構成により、以下の効果を有する。
電動車両の内蔵する前記電池の放電する電力を前記電気コネクタ受を経由して外部へ給電できる様にしたので、外部機器が前記電池から出力する電力を利用できる。
従って、さらに使いやすい電動車両を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係る電動車両の電力系統図である。
【図2】本発明の実施形態に係るコネクタの概念図である。
【図3】本発明の実施形態に係る駐車装置の概念図である。
【図4】本発明の実施形態に係る駐車装置の部分概念図である。
【図5】本発明の実施形態に係る駐車装置の電力系統図である。
【図6】本発明の実施形態に係る駐車装置の機能ブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る駐車装置の作動説明図である。
【図8】各種方式の駐車機構の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
本発明の実施形態にかかる駐車装置は、電池を持つ電動車両を含む車両を駐車させる駐車装置である。
電動車両10は、直流または交流の電気を給電される自動車である。
例えば、電動車両10は、電気または液体燃料で動くハイブリッド自動車である。
例えば、電動車両10は、電気を給電され、電気または液体燃料で動くプラグインハイブリッド自動車である。
例えば、電動車両10は、電気を給電され、電気のみで動く自動車である。
例えば、電動車両10は、燃料電池の出力する電気で動く自動車である。
例えば、電動車両10は、電気で動く二輪車である。
【0018】
最初に、本発明の実施形態にかかる電動車両10を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動車両の電力系統図である。図2は、本発明の実施形態に係るコネクタの概念図である。
図では、仮に電動車両が電気自動車であるとして、説明する。
【0019】
電動車両10は、電力で動くことをできる車両であって、電池11と走行機器12と電気コネクタ受13とで構成される。
電動車両10は、電池11と走行機器12と電気コネクタ受13と放電ドライバ14と放電回路18とで構成されてもよい。
例えば、電動車両10は、電池11と走行機器12と電気コネクタ受13と放電ドライバ14と充電ドライバ15と充放電コントローラ16と充電回路17と放電回路18とで構成される。
【0020】
電池11は、電力を出力でき、電動車両に内蔵される。
例えば、電池11は、蓄電池、燃料電池である。
【0021】
走行機器12は、電池11の出力する電力で走行する機器である。
運転手の操作に従って、車両を走行させる。
【0022】
電池11の放電する電力を電気コネクタ受13を通過して外部へ出力できる。
電気コネクタ受13は、後述する電気コネクタ51を脱着させ、電気的に接続または遮断できる。
電気コネクタ受13は、電池11に充電する電力を外部から給電されるためのコネクタであってもよい。
例えば、電気コネクタ受13は、動力用端子受13aと制御用端子受13bとを持つ。
動力用端子受13aは、後述する動力用端子51aを接合して電気的に接続され、動力用端子51aから離間して電気的に遮断される。
制御用端子受13bは、後述する制御用端子51bを接合して電気的に接続され、制御用端子51bから離間して電気的に遮断される。
【0023】
放電ドライバ14は、電池11を放電させる電気機器である。
放電ドライバ14は、電池11の電気的特性に合わせて電力を放電させる。
【0024】
充電ドライバ15は、電池11に充電させる電気機器である。
充電ドライバ15は、電池11の電気的特性に合わせて供給される電力を電池11に充電させる。
【0025】
充放電コントローラ16は、制御回路19を介して、放電ドライバ14と放電回路18とを制御する。
充放電コントローラ16は、制御回路19を介して、放電ドライバ14と充電ドライバ15と充電回路17と放電回路18とを制御してもよい。
例えば、充放電コントローラ16は、モードを放電モードにすることをできる。
例えば、充放電コントローラ16は、モードを充電モードと放電モードとにすることをできる。
充放電コントローラ16は、コンピュータを内蔵し、放電機能F21と充電機能F22とを実行する。
(放電モード)
充放電コントローラ16は、放電機能F21を実行する。
放電機能F21は、充電回路17を切り離した後、放電回路18を接続して、放電ドライバ14を制御して、電池11を放電させ放電した電力を電気コネクタ受13を通過して出力させる。
(充電モード)
充放電コントローラ16は、充電機能F22を実行する。
充電機能F22は、放電回路18を切り離した後、充電回路17を接続して、充電ドライバ15を制御して、電気コネクタ受13を通過して入力した電力を電池11に充電させる。
【0026】
充電回路17は、充電する電力を電気コネクタ受13から電池11へ導く電気回路である。
充電ドライバ15は、充電回路17の途中に設けられる。
充電モードであるときに、充放電コントローラ16は、途中のスイッチを操作して電力が充電回路17を流れる様にする。
【0027】
放電回路18は、電池11の放電した電力を電池11から電気コネクタ受13へ導く電気回路である。
放電ドライバ14は、放電回路18の途中に設けられる。
放電モードであるときに、充放電コントローラ16は、途中のスイッチを操作して電力が放電回路18を流れる様にする。
【0028】
充電回路17と放電回路18とは一部を共通の回路を有していてもよい。
例えば、外部から電気コネクタ受13の動力用端子受13aを通過して入力した電力が充電回路17を流れる。放電回路18を流れた電力が、電気コネクタ受13の動力用端子受13aを通過して外部へ出力する。
【0029】
制御回路19は、制御信号が流れる回路である。
例えば、外部から電気コネクタ受13の制御用端子受13bを通過して入力した制御用信号が、制御回路19を経由して充放電コントローラ16へ入力される。
例えば、充放電コントローラ16から出力した制御信号が、制御回路19を経由して電気コネクタ受13の制御用端子受13bを通過して外部へ出力する。
例えば、充放電コントローラ16から出力した制御信号が制御回路19を経由して放電ドライバ14と充電ドライバ15とへ流れる。
制御信号は、コマンド信号、センサ信号、通信用信号、等である。
【0030】
次に、本発明の実施形態にかかる駐車装置を、図を基に、説明する。
図3は、本発明の実施形態に係る駐車装置の概念図である。図4は、本発明の実施形態に係る駐車装置の部分概念図である。図5は、本発明の実施形態に係る駐車装置の電力系統図である。図6は、本発明の実施形態に係る駐車装置の機能ブロック図である。図7は、本発明の実施形態に係る駐車装置の作動説明図である。
以下では、説明の便宜のために、仮に、駐車機構がエレベータ方式駐車機構であるとして説明する。
説明の容易のために、仮に電源は交流三相200Vの商用電源であるとして、また電動車両は単相交流100Vの電力を給電される電動車両であるとして、説明する。
【0031】
本発明の実施形態にかかる駐車装置は、電源機器20と駐車機構30と電力制御機器40と電力回路50とで構成される。
【0032】
電源機器20は、駐車機構30に電力を供給する電気機器である。
電源機器20は、商用電源を受け、駐車機構30に電力を供給してもよい。
例えば、電源機器20は、電源回路21と電力計22と駆動ドライバ23とで構成される。
電源回路21は、電力を導く電気回路である。
商用電源から供給させた電力が電源回路21を流れる。
【0033】
電力計22は、電源回路21を流れる電力を計測する機器である。
例えば、電力計22は、電源回路21を流れる商用電源の消費電力を計測する。
【0034】
駆動ドライバ23は、後述する電動機31を駆動する電気機器である。
駆動ドライバ23は、電力を入力されて、電動機31の回転数を制御する。
【0035】
駐車機構30は、車両を駐車させる機構である。
駐車機構30は、電動機31と駐車空間32と入出庫空間33とを備え、電動機31に駆動されて車両を入出庫空間33と駐車空間32との間で移動させて駐車させる。
例えば、駐車機構30は、電動機31と駐車空間32と入出庫空間33とパレット34とリフトケージ35と牽引索36と巻上機37と補機38とで構成される。
【0036】
電動機31は、電源機器20から給電される電力により作動する電気機器である。
例えば、電動機31は、駆動ドライバ23から電力を供給されて、後述する巻上機37を回転駆動する。
【0037】
駐車空間32は、車両を駐車のために置く空間である。
例えば、複数の駐車空間32が、後述する昇降路Hの左右に多段に重なる。
複数の駐車空間32は、後述するパレット34を支持する駐車棚を各々に備える。
【0038】
入出庫空間33は、車両を入庫させる空間または車両を出庫させる空間である。
例えば、入出庫空間33は、後述する昇降路Hの下部に位置する。
【0039】
パレット34は、車両を乗せる構造体である。
例えば、構造体は、上から見て略四辺形の構造体である。
構造体の上面は、車両の左側及び右側の1対の縁部で盛り上がり、1対の縁部に挟まれて車両のタイヤが転がる走行面を形成する。
【0040】
リフトケージ35は、パレット34を乗せて昇降路Hを昇降可能な構造体である。
また、リフトケージ35は、駐車空間32の横に位置した際にパレット34を駐車空間32とリフトケージ35との間で移載できる。
【0041】
牽引索36は、リフトケージ35を昇降路Hの中で昇降自在に吊る索である。
例えば、牽引索36は、ケーブル、チェーン等である。
【0042】
巻上機37は、電動機31により駆動され、牽引索36を巻上げ、または巻き下げする機械である。牽引索36を巻上げ、または巻き下げすると、リフトケージ35を昇降路Hの中で昇降させることをできる。
【0043】
補機38は、駐車機構30に設けられるその他の機器である。
例えば、補機38は、入出庫空間の扉機構、照明、その他である。
【0044】
電力制御機器40は、電源機器20に電気的に接続される。
電力制御機器40が、駐車空間32に駐車した電動車両10が電池から放電する電力を電力回路50を経由して受けて電源機器20に給電する。
電力制御機器40が、電動機31の消費電力が所定の電力を越えようとするときに、駐車空間32に駐車した電動車両10が電池11から放電する電力を電力回路50を経由して受けて電源機器20に給電してもよい。
電力制御機器40が、停電時に、駐車空間32に駐車した電動車両10が電池11から放電する電力を電力回路50を経由して受けて電源機器20に給電してもよい。
電力制御機器40は、電源機器20に電気的に接続され、受電ドライバ41と受電回路44とで構成される。
例えば、電力制御機器40は、電源機器20に電気的に接続され、受電ドライバ41と給電ドライバ42と受給電コントローラ43と受電回路44と給電回路45とで構成される。
例えば、電力制御機器40は、受電機能F11と給電機能F12と入庫機能F13と出庫機能F14とを実行できる。
【0045】
受電ドライバ41は、受電回路44の途中に設けられ、電動車両10が電池11から出力した電力を電力回路50を経由して受けて電源機器20に給電する。
受電ドライバ41は、電動車両10から電力回路50を経由して受電した電力の交流/直流、電圧、等を電源回路21に流れる電力に一致させて電源回路21に給電してもよい。
例えば、受電ドライバ41は、電動車両10から電力回路50を経由して受電した電力の交流100Vに変換させて電源回路21に給電してもよい。
受電ドライバ41は、電動車両10から電力回路50を経由して受電した電力の交流/直流、電圧、等を駆動ドライバ23に流れる電力に一致させて駆動ドライバ23に給電してもよい。
例えば、受電ドライバ41は、電動車両10から電力回路50を経由して受電した電力を駆動ドライバの内部電圧に一致する直流の電力に変換させて駆動ドライバ23に給電する。
【0046】
給電ドライバ42は、給電回路45の途中に設けられ、電力回路50を経由して電動車両10に給電する電気機器である。
給電ドライバ42は、電源回路21から電力を入力し、交流/直流、電圧等を電動車両10に一致させて電動車両10に給電する。
例えば、給電ドライバ42は、電源回路21から交流200Vの電力を入力し、交流100Vに変換し交流100Vを電動車両10に給電する。
例えば、給電ドライバ42は、電源回路21から交流200Vの電力を入力し、直流に変換し直流を電動車両10に給電する。
【0047】
受給電コントローラ43は、受電ドライバ41と受電回路44とを制御して、受電機能F11を実行するコントローラである。
例えば、受給電コントローラ43は、受電ドライバ41と給電ドライバ42と受電回路44と給電回路45とを制御して、受電機能F11と給電機能F12と入庫機能F13と出庫機能F14とを実行する。
【0048】
受電機能F11は、駐車空間32に駐車する電動車両10が電池11から出力する電力を電力回路50を経由して受けて電源機器20に給電する機能である。
給電機能F12は、電源機器から電力を受電して、電力回路50を経由して駐車空間32に駐車した電動車両10に給電する機能である。
入庫機能F13は、入出庫空間33に入庫した車両を複数の駐車空間32のうちのひとつの駐車空間に移動させる機能である。
出庫機能F14は、出庫を要求された車両を駐車空間32から入出庫空間33に移動させる機能である。
【0049】
受電回路44は、電力回路50と電源機器20とを電気的に接続して、電力を電力回路50から電源機器20へ流す回路である。
例えば、受電回路44は、電力回路50と電源回路21とを電気的に接続し、電力を電力回路50から電源回路21へ流す。
例えば、受電回路44は、電力回路50と駆動ドライバ23とを電気的に接続し、電力を電力回路50から駆動ドライバ23へ流す。
受電回路44は、受給電コントローラ43に制御される開閉器を備える。
【0050】
給電回路45は、電力回路50と電源機器20とを電気的に接続して、電力を電源機器20から電力回路50へ流す回路である。
例えば、給電回路45は、電力回路50と電源回路21とを電気的に接続し、電力を電源回路21から電力回路50へ流す。
給電回路45は、受給電コントローラ43に制御される開閉器を備える。
【0051】
電力回路50は、駐車空間に駐車した電動車両10と電力制御機器40とを電気的に接続する電気回路である。
例えば、電力回路50は、複数の電気コネクタ51と複数の充電ケーブル52と複数の充電コネクタ53と複数の充電コネクタ受54と複数の中継コネクタ受55と複数の中継コネクタ56と複数の中継ケーブル57とで構成される。
電気コネクタ51と充電ケーブル52と充電コネクタ53とが一体となって、充電専用ケーブルとなっていてもよい。
【0052】
電気コネクタ51は、電気コネクタ受13に脱着可能なコネクタである。
電気コネクタ51を電気コネクタ受13に着けると、電気コネクタ51の動力用端子51aと電気コネクタ受13の動力用端子受13aとが電気的に接続され、電気コネクタ51の制御用端子51bと電気コネクタ受13の制御用端子受13bとが電気的に接続される。
【0053】
充電ケーブル52は、電気コネクタ51と充電コネクタ53とを電気的に接続する電気ケーブルである。
【0054】
充電コネクタ53は、充電コネクタ受54に脱着可能なコネクタである。
充電コネクタ受54と中継コネクタ受55とはパレット34に固定される。
充電コネクタ受54と中継コネクタ受55とは電気的に接続される。
【0055】
中継コネクタ受55は、中継コネクタ56に脱着可能なコネクタである。
【0056】
中継コネクタ56は、駐車空間32に固定される。
1つの駐車空間32に固定される中継コネクタ56は、その駐車空間32に置かれるパレット34に固定される中継コネクタ受55に電気的に接続される。
そのパレット34がその駐車空間32から移動すると、その中継コネクタ56はそのパレット34に固定される中継コネクタ受55から外れる。
【0057】
中継ケーブル57は、中継コネクタ56と電力制御機器40とを電気的に接続する電気ケーブルである。
【0058】
次に、本発明の実施形態にかかる駐車装置の運用方法を、図を基に、説明する。
図6は、本発明の実施形態にかかる駐車装置の機能ブロック図である。
【0059】
駐車装置の運用方法は、入庫工程と出庫工程と給電工程と受電工程とで構成される。
【0060】
(入庫工程)
入庫工程は、入出庫空間33に入庫した車両を駐車空間32に移動させる工程である。
車両が、入出庫空間33に置いたリフトケージ35に搭載された空のパレット34に自走して乗る。
リフトケージ35を、昇降路Hの中を上昇させ、一つの駐車空間32の横に停止する。
車の乗ったパレット34を駐車空間32に移載する。
【0061】
(出庫工程)
出庫工程は、出庫要求のあった車両を駐車空間32から入出庫空間33へ移動させ、車を入出庫空間33から自走して出庫させる工程である。
リフトケージ35を出庫要求のある車両のある駐車空間32の横に位置させる。
出庫要求のある車両を乗せるパレット34を駐車空間32からリフトケージ35に移載する。
リフトケージ35を昇降路Hの中を降下させて、入出庫空間33に位置させる。
車両をリフトケージ35に搭載したパレット34から自走して降ろす。
【0062】
(給電工程)
給電工程は、駐車した電動車両10に給電して、電池11に充電させる工程である。
電力制御機器40が、電力回路50を経由して電動車両10の充放電コントローラ16に通信して、充放電コントローラ16を充電モードにする。
電力制御機器40が、受電回路44を切り離した後、給電回路45を接続して、給電ドライバ42を作動させて電力を電力回路50に給電する。
【0063】
(受電工程)
給電工程は、駐車した電動車両10に電池から電力を出力させて、出力した電力を受電する工程である。
電池が蓄電池である場合、給電工程は、駐車した電動車両10に電池から電力を放電させて、放電した電力を受電する。
電池が燃料電池である場合、給電工程は、駐車した電動車両10に燃料電池から電力を出力させて、出力した電力を受電する。
電力制御機器40が、電力回路50を経由して電動車両10の充放電コントローラ16に通信して、充放電コントローラ16を放電モードにする。
電力制御機器40が、給電回路45を切り離した後、受電回路44を接続して、受電ドライバ41を作動させて、電力回路50を経由して受けた電力を電源機器20に出力する。
【0064】
商用電源が停電状態になったときに、受電工程と入庫工程または出庫工程を同時に実施する。
この様にすると、停電時であっても車両を出庫でき、また車両を入庫できる。
【0065】
入庫工程また出庫工程を実行中に、電動機の消費電力が所定の電力を越えようとするときに受電工程を実行する。
例えば、電力計22の出力が所定の値に達すると、受電工程を実施し、電力計22の出力が所定の値を越えないようにする。
例えば、所定の値は、駐車機構30が車両を一定速度で移動させるときの電力である。
電力回路を経由して駐車空間に駐車した電動車両に出力させた電力を受電し電源機器に給電する。
この様にすると、駐車機構30が車両を加速させるときに消費電力のピーク的な増加が生じない。
【0066】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
電動機31が電源機器20から給電される電力により作動し、電動機31により駆動されて車両を駐車機器30の入出庫空間33と駐車空間32との間で移動させて駐車空間32に駐車させ、電力制御機器40が電力回路50を通じて駐車空間32に駐車する電動車両10が電池11から出力させた電力を電力回路50を経由して受けて電源機器20に給電できる様にしたので、駐車空間32に駐車した電動車両10が出力する電力により電動機を作動させて、駐車機構30を駆動し車両を入出庫できる。
また、電池が蓄電池である場合に、駐車空間32に駐車した電動車両10が蓄電している電力により電動機を作動させて、駐車機構30を駆動し車両を入出庫できる。
また、電動機31の消費電力が所定の電力を越えようとするときに、駐車空間32に駐車した電動車両10の出力する電力を電源機器20に給電する様にしたので、電源機器に入力する商用電力の消費電力が少なくてすむ。
また、所定の電力を電動機31が車両を一定速度で移動させるときに消費電力として設定し、電動機31の消費電力が所定の電力を越えようとするときに、駐車空間32に駐車した電動車両10の出力する電力を電源機器20に給電する様にしたので、商用電源のピーク消費電力を低く押さえることができる。
また、停電時に、電源機器20に電力を供給する商用電力が駐車空間32に駐車した電動車両10の出力する電力を電源機器20に給電する様にしたので、停電時にも車両の入出庫させことをできる。
また、電動車両10の内蔵する電池の出力する電力を電気コネクタ受13を経由して外部へ給電できる様にしたので、駐車機構が電池の出力する電力を利用できる。
また、電池が蓄電池である場合に、駐車機構が電池の蓄電する電力を利用できる。
【0067】
また、本発明に係る電動車両は、その構成により、以下の効果を有する。
電動車両10の内蔵する電池11の出力する電力を電気コネクタ受13を経由して外部へ給電できる様にしたので、外部機器が電池の出力する電力を利用できる。
また、電池11が蓄電池である場合に、外部機器が電池の蓄電する電力を利用できる。
【0068】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
駐車機構の形式として、メリーゴーランド方式駐車機構、エレベータ方式駐車機構、エレベータ・スライド方式駐車機構、平面往復方式駐車機構、運搬格納方式駐車機構、二段方式・多段方式駐車機構とがあると説明したが、本願の発明を適応する対象としてこれらに限定されない。
【符号の説明】
【0069】
H 昇降路
10 電動車両
11 電池
12 走行機器
13 電気コネクタ受
13a 動力用端子受
13b 制御用端子受
14 放電ドライバ
15 充電ドライバ
16 充放電コントローラ
17 充電回路
18 放電回路
19 制御回路
20 電源機器
21 電源回路
22 電力計
23 駆動ドライバ
30 駐車機構
31 電動機
32 駐車空間
33 入出庫空間
34 パレット
35 リフトケージ
36 牽引索
37 巻上機
38 補機
40 電力制御機器
41 受電ドライバ
42 給電ドライバ
43 受給電コントローラ
44 受電回路
45 給電回路
50 電力回路
51 電気コネクタ
51a動力用端子
51b制御用端子
52 充電ケーブル
53 充電コネクタ
54 充電コネクタ受
55 中継コネクタ受
56 中継コネクタ
57 中継ケーブル
F11 受電機能
F12 給電機能
F13 入庫機能
F14 出庫機能
F21 放電機能
F22 充電機能
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開平05−256038号
【特許文献2】特開平04−366283号
【特許文献3】特開平05−227668号
【特許文献4】特開平06−57086号
【特許文献5】特開平06−67987号
【特許文献6】特開平06−81507号
【特許文献7】特開平06−121407号
【特許文献8】特開平06−318288号
【特許文献9】特開平07−004095号
【特許文献10】特開平10−030354号
【特許文献11】特開平10−124719号
【特許文献12】特開平11−086058号
【特許文献13】特開平11−152925号
【特許文献14】特開2001−312772号
【特許文献15】特開2001−359203号
【特許文献16】特開2002−004620号
【特許文献17】実開平06−028124号
【特許文献18】実開平06−035535号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を持つ電動車両を含む車両を駐車させる駐車装置であって、
電源機器と、
前記電源機器から給電される電力により作動する電動機を有し前記電動機に駆動されて車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動させて駐車させる駐車機構と、
前記電源機器に電気的に接続される電力制御機器と、
前記駐車空間に駐車した電動車両と前記電力制御機器とを電気的に接続する電力回路と、
を備え、
前記電力制御機器が前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記電力制御機器が前記電動機の消費電力が所定の電力を越えようとするときに前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記電力制御機器が停電時に前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
電動車両が電池と前記電池の出力する電力で走行する走行機器と前記電池に充電する電力を外部から給電される電気コネクタ受とを持ち、
前記電気コネクタ受が前記電力回路に電気的に接続可能であり、
前記電池から放電する電力を前記電気コネクタ受を通過して外部へ出力できる、
ことを特徴とする請求項3に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記電力制御機器が停電時に前記駐車空間に駐車した電動車両が電池から放電する電力を前記電力回路を経由して受けて前記電源機器に給電する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記電動車両が電池と前記電池の出力する電力で走行する走行機器と前記電池に充電する電力を外部から給電されるための電気コネクタ受とを持ち、
前記電気コネクタ受が前記電力回路に電気的に接続可能であり、
前記電池から放電する電力を前記電気コネクタ受を通過して外部へ出力できる、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項7】
電動車両であって、
電池と、
前記電池の出力する電力で走行する走行機器と、
前記電池に充電する電力を外部から給電される電気コネクタ受と、
を備え、
前記電池から放電する電力を前記電気コネクタ受を通過して外部へ出力できる、
ことを特徴とする電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−94433(P2011−94433A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251539(P2009−251539)
【出願日】平成21年10月31日(2009.10.31)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】