説明

駐車装置

【課題】 車両を駐車させる際に車両に給電するのに適した駐車装置を提供する。
【解決手段】
従来複数の駐車装置に変わって、車両を搭載可能なパレット構造体と前記パレット構造体に固定され受電用の接点を各々に下方に向けた複数の受電端子をもつ受電機器とを有するパレットと、前記パレットをX軸に沿って移動させることをでき、または前記パレットをY軸に沿って移動させることをできる移動機器と、少なくとも1つの駐車空間に配置され給電用の接点を各々に上方に向ける複数の給電端子を持つ給電機器と前記給電機器に電力を供給する電力供給回路とを有する電源機器と、を備え、前記パレットを前記給電機器を配置された前記駐車空間に停止させると前記給電機器の前記給電端子と前記受電機器の前記受電端子とが電気的に接続される、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を駐車させる駐車装置に係る。特に、給電を受け付ける車両を含む車両を駐車させる駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両を駐車させるのに駐車機構を備える駐車装置を用いることがある。
駐車装置は、車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動させて駐車させる。
例えば、駐車装置は、平面移動方式駐車装置、平面往復方式駐車装置、水平循環方式駐車装置がある。
例えば、平面移動方式駐車装置では、床面上に碁盤の目状に設置されたパレットに車両を搭載し、パレットを前後あるいは左右にレールや溝を利用して移動させる。
例えば、エレベータ方式駐車装置では、垂直になった昇降路に沿って上下方向に多段の駐車空間を配し、車両を載せたケージを昇降路の中に昇降させて、車両をケージから駐車空間に移載し、駐車させる。電動機は、ケージを吊るケーブルを巻上げ、巻き下げする。さらに、他の電動機が、車両をケージと駐車空間との間で移動させる。例えば、昇降路の最下端が入出庫空間を形成する。
例えば、エレベータ・スライド方式駐車装置では、駐車空間を垂直方向と水平方向に多段に配列し、車両を搬送台車に乗せて入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。例えば、入出庫空間を地上に形成し、駐車装置を地下に配する。
例えば、平面往復方式駐車装置では、駐車空間を水平に配列し、搬送台車が車両を入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。
例えば、水平循環方式駐車装置では、車両を載せる複数のパレットを碁盤目状に配列し、複数のパレットを水平方向に循環できる。電動機が複数のパレットを間欠的に循環する。他の電動機が、車両を入出庫空間とパレットとの間で移載する。例えば、入出庫空間を地上に形成し、駐車装置を地下に配する。
複数の駐車空間は、水平面上で互いに直交するX軸とY軸とに沿って所定の間隔で配置される。
平面移動方式駐車装置の複数の駐車空間は、水平面上で互いに直交するX軸とY軸とに沿って碁盤の目状に配置される。
【0003】
一方、車両の電動化が加速している。これらの車両を電動車両と総称する。
電動車両には、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、電動バイク、等がある。
そこで、駐車している間に、電動車両に給電することが考えられる。
電動車両には、外部から給電して車載バッテリーを充電するタイプのものがある。
それらの電動車両は、給電のための給電プラグ受を持つ。
急速充電器の給電プラグや100/200V等の電源コンセントに充電ケーブルを接続し充電ケーブルの給電プラグを電動車両の給電プラグ受に接続することで充電を行う。
【0004】
車両をパレットに載せて車両を取り扱う形式の駐車機構を採用する駐車装置では、パレットに車両側中継端子を設け、パレットに乗せた車両の給電プラグ受と車両側中継端子とを充電ケーブルで電気的に接続して、駐車時間中に車両を充電することが考えられる。
【0005】
電源機器は、給電機器を介してパレットに電力を給電する。
パレットがX軸とY軸とに沿って所定の間隔で配置された駐車空間を順に移動するので、給電機器からパレットへ給電するのに工夫が必要であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、車両を駐車させる際に車両に給電するのに適した駐車装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る水平面上で互いに直交するX軸とY軸とに沿って所定の間隔で配置された複数の駐車空間に給電を受け付ける車両を含む車両を駐車させる駐車装置を、車両を搭載可能なパレット構造体と前記パレット構造体に固定され受電用の接点を各々に下方に向けた複数の受電端子をもつ受電機器とを有するパレットと、前記パレットをX軸に沿って移動させることをでき、または前記パレットをY軸に沿って移動させることをできる移動機器と、少なくとも1つの駐車空間に配置され給電用の接点を各々に上方に向ける複数の給電端子を持つ給電機器と前記給電機器に電力を供給する電力供給回路とを有する電源機器と、を備え、前記パレットを前記給電機器を配置された前記駐車空間に停止させると前記給電機器の前記給電端子と前記受電機器の前記受電端子とが電気的に接続される。
【0008】
上記本発明の構成により、駐車装置が、水平面上で互いに直交するX軸とY軸とに沿って所定の間隔で配置された複数の駐車空間に給電を受け付ける車両を含む車両を駐車させる。パレットのパレット構造体が、車両を搭載可能な構造体である。受電機器が、前記パレット構造体に固定され受電用の接点を各々に下方に向けた複数の受電端子をもつ。移動機器が、前記パレットをX軸に沿って移動させることをでき、または前記パレットをY軸に沿って移動させることをできる。給電機器が、少なくとも1つの駐車空間に配置され給電用の接点を各々に上方に向ける複数の給電端子を持つ。電力供給回路が、前記給電機器に電力を供給する。前記パレットを前記給電機器を配置された前記駐車空間に停止させると前記給電機器の前記給電端子と前記受電機器の前記受電端子とが電気的に接続される。
その結果、電源機器が給電機器から駐車空間に停止したパレットの受電機器へ給電し、パレットに搭載された車両へ給電できる。
【0009】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0010】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記給電機器が上から見て複数の前記給電端子を前記X軸と前記Y軸とに斜めに交差する仮想の軸線に沿って所定の間隔を隔てて並べる様に前記駐車空間に配置され、前記受電機器が前記パレットを前記駐車空間に停止させると上から見て複数の前記受電端子を複数の給電端子に各々に対向させる様に前記パレット構造体に固定される。
上記の実施形態の構成により、前記給電機器が上から見て複数の前記給電端子を前記X軸と前記Y軸とに斜めに交差する仮想の軸線に沿って所定の間隔を隔てて並べる様に前記駐車空間に配置される。前記受電機器が前記パレットを前記駐車空間に停止させると上から見て複数の前記受電端子を複数の給電端子に各々に対向する様に前記パレット構造体に固定される。
その結果、前記パレットがX軸に沿って移動し、又は前記パレットがY軸に沿って移動するときに、複数の給電端子と複数の受電端子とが短絡せずに電気的に接続し又は遮断する。
【0011】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記給電機器または前記受電機器が前記受電端子または前記給電端子の少なくとも一方の端子を他方の端子の側へ付勢する付勢機構を有し、前記受電端子の複数の接点または前記給電端子の複数の接点の少なくとも一方の複数の接点が他方の接点に向かって中心部が盛り上がった凸の形状を各々にもつ。
上記の実施形態の構成により、前記給電機器または前記受電機器が前記受電端子または前記給電端子の少なくとも一方の端子を他方の端子の側へ付勢する付勢機構を有する。前記受電端子の複数の接点または前記給電端子の複数の接点の少なくとも一方の複数の接点が他方の接点に向かって中心部が盛り上がった凸の形状を各々にもつ。
その結果、前記パレットがX軸に沿って移動し、又は前記パレットがY軸に沿って移動するときに、複数の給電端子と複数の受電端子とが安定して電気的に接続し又は遮断する。
【0012】
以上説明したように、本発明に係る駐車装置の制御方法は、その構成により、以下の効果を有する。
複数の駐車空間がX軸とY軸とに沿って所定の間隔で配置され、移動機器がパレットをX軸またはY軸に沿って移動し、駐車空間に複数の給電端子が接点を上方に向けて配置され、パレットに複数の受電端子が接点を下方に向けて設けられ、前記パレットが駐車空間に停止されると前記給電端子と前記受電端子とが電気的に接続される様にしたので、電源機器が給電機器から駐車空間に停止したパレットの受電機器へ給電し、パレットに搭載された車両へ給電できる。
また、複数の給電端子が前記X軸と前記Y軸とに斜めに交差する仮想の軸線に沿って所定の間隔を隔てて並び、前記パレットを前記駐車空間に停止させると上から見て複数の前記受電端子が複数の給電端子に各々に対向する様にしたので、前記パレットがX軸に沿って移動し、又は前記パレットがY軸に沿って移動するときに、複数の給電端子と複数の受電端子とが短絡せずに電気的に接続し又は遮断する。
また、前記受電端子または前記給電端子の少なくとも一方の端子を他方の端子の側へ付勢し、受電端子の複数の接点または前記給電端子の複数の接点の少なくとも一方の複数の接点が他方の接点に向かって凸の形状を各々にもつ様にしたので、前記パレットがX軸に沿って移動し、又は前記パレットがY軸に沿って移動するときに、複数の給電端子と複数の受電端子とが安定して電気的に接続し又は遮断する。
従って、車両を駐車させる際に車両に給電するのに適した駐車装置とその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車装置の平面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る駐車装置の側面図である。
【図3】本発明の第一の実施形態に係る駐車装置の部分図である。
【図4】本発明の第二の実施形態に係る駐車装置の部分図である。
【図5】本発明の第三の実施形態に係る駐車装置の部分図である。
【図6】各種形式の駐車装置の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置の平面図である。図2は、本発明の実施形態に係る駐車装置の側面図である。
本発明の実施形態にかかる駐車装置は、水平面上で互いに直交するX軸とY軸とに沿って所定の間隔で配置された複数の駐車空間Pに給電を受け付ける車両を含む車両を駐車させる。
例えば、駐車装置は、水平面上で互いに直交するX軸とY軸とに沿って碁盤の目状に配置された複数の駐車空間Pに給電を受け付ける車両を含む車両を駐車させる。
例えば、X軸は車両の前後方向に延びた軸に相当し、Y軸は車両の左右方向に延びた軸に相当する。
車両が電動車両である場合、車両5は充電ケーブル6により電力を給電される。
充電ケーブル6は、車両5に積まれていてもよい。
充電ケーブル6は、駐車装置に備えられていてもよい。
充電ケーブル6は、1対のプラグと充電ケーブル本体とで構成される。
1対のプラグが充電ケーブル本体の両端に各々に電気的に接続される。
パレット100は、車両5を搭載可能であり、少なくとも駐車空間Pに置かれたときに、後述する給電機器310から電力を給電される。
【0015】
本発明の実施形態にかかる駐車装置は、パレット100と移動機器200と電源機器300とで構成される。
駐車装置は、複数のパレット100と移動機器200と電源機器300とで構成されてもよい。
図1は、X軸方向に3列、Y軸方向に3列に並んだ9個の駐車空間Pをもつ水平操作方式駐車装置を示す。
9個の駐車空間Pと8個のパレットとを備える水平操作方式駐車装置に、本願の発明を適用した例で説明する。
【0016】
パレット100は、パレット構造体110と受電機器120とで構成される。
パレット100は、パレット構造体110と受電機器120と車両側中継機器130とで構成されてもよい。
パレット構造体110は、車両を搭載可能な構造体である。
例えば、パレット構造体110は、上から見て略長方形の構造体であって、車両の車輪を転動させる走行面をもつ。
左右1対の走行面が、略長方形の長辺に沿って延びる。
受電機器120は、パレット構造体110に固定され、受電用の接点Sを各々に下方に向けた複数の受電端子121をもつ機器である。
例えば、受電機器120は、パレット構造体110に固定され、受電用の接点を各々に下方に向けた2個の受電端子121をもつ。
例えば、受電機器120は、複数の受電端子121と端子付勢機構(図示せず)とで構成される。
例えば、受電機器120は、2個の受電端子121と端子付勢機構(図示せず)とで構成される。
例えば、単相の交流が、2個の受電端子121と2個の給電端子311との間で、伝達される。
端子付勢機構は、受電端子121を給電端子の側へ付勢する機構である。
車両側中継機器130は、充電ケーブル6を介して車両へ給電するための機器である。
例えば、車両側中継機器130は、中継端子を上に向けてパレット100の上面に設けられる。
充電ケーブル6の一方のプラグが、中継端子130に電気的に接続できる。
【0017】
移動機器200は、パレット100をX軸に沿って移動させることをでき、またはパレットをY軸に沿って移動させることをできる機構である。
例えば、移動機器200は、駆動ローラによってパレット100をささえ、駆動ローラを回転させてパレット100を水平移動させる。
駆動ローラの回転軸を垂直軸回りに回転させることをできる。
駆動ローラの接線方向をX軸に沿う様にして駆動ローラを回転させると、パレット100がX軸に沿って移動する。
駆動ローラの接線方向をY軸に沿う様にして駆動ローラを回転させると、パレット100がY軸に沿って移動する。
例えば、移動機器200は、X軸方向移動機器とY軸方向移動機器とで構成される。
X軸方向移動機器は、パレット100をX軸に沿って移動させる機器である。
Y軸方向移動機器は、パレット100をY軸に添って移動させる機器である。
【0018】
電源機器300は、受電機器120に給電するための機器であり、少なくとも1つの駐車空間に配置され、給電機器310と電力供給回路320とで構成される。
給電機器310は、給電用の接点を各々に上方に向ける複数の給電端子311を持つ。
給電機器310は、複数の給電端子311と端子付勢機構312とで構成されてもよい。
端子付勢機構312は、給電端子311を受電端子121の側へ付勢する機構である。
電力供給回路320は、給電機器310に電力を供給する。
【0019】
給電機器310が上から見て複数の給電端子311をX軸とY軸とに斜めに交差する仮想の軸線Gに沿って所定の間隔を隔てて並べる様に駐車空間Pに配置され、受電機器120がパレット100を駐車空間Pに停止させると上から見て複数の受電端子121を複数の給電端子311に各々に対向させる様にパレット構造体110に固定されてもよい。
視線をX軸に沿う様に給電機器310を見て隙間が複数の給電端子311の互いの間に見え、さらに、視線をY軸に沿う様に給電機器310を見て隙間が複数の給電端子311の互いの間に見える様に 複数の給電端子311が配置される。
視線をX軸に沿う様に受電機器120を見て隙間が複数の受電端子121の互いの間に見え、さらに、視線をY軸に沿う様に受電機器120を見て隙間が複数の受電端子121の互いの間に見える様に 複数の受電端子121が配置される。
例えば、給電機器310が上から見て複数の給電端子311をX軸とY軸とに45度の角度で交差する仮想の軸線Gに沿って所定の間隔を隔てて並べる様に駐車空間Pに配置され、受電機器120がパレット100を駐車空間Pに停止させると上から見て複数の受電端子121を複数の給電端子311に各々に対向させる様にパレット構造体110に固定されてもよい。
例えば、給電機器310が上から見て複数の給電端子311をX軸とY軸とに30度〜60度のうちの一つの角度で交差する仮想の軸線Gに沿って所定の間隔を隔てて並べる様に駐車空間Pに配置され、受電機器120がパレット100を駐車空間Pに停止させると上から見て複数の受電端子121を複数の給電端子311に各々に対向させる様にパレット構造体110に固定されてもよい。
例えば、複数の給電端子311と複数の受電端子121とをX軸に視線を平行にして見ると、複数の給電端子311と複数の受電端子121との各々の接触する複数の接触領域が間に隙間を空けており、複数の給電端子311と複数の受電端子121とをY軸に視線を平行にして見ると、複数の給電端子311と複数の受電端子121との各々の接触する複数の接触領域が間に隙間を空けている。
【0020】
受電端子の複数の接点または給電端子の複数の接点の少なくとも一方の複数の接点が他方の接点に向かって中心部が盛り上がった凸の形状を各々にもってもよい。
例えば、受電端子の複数の接点または給電端子の複数の接点の少なくとも一方の複数の接点が他方の接点に向かって凸の球形状を各々にもってもよい。
例えば、受電端子の複数の接点または給電端子の複数の接点の少なくとも一方の複数の接点が他方の接点に向かって中心部が盛り上がった凸の台形状を各々にもってもよい。
【0021】
以下に給電機器の構造を、図を基に、詳述する。
図3は、第一の実施形態にかかる駐車装置の部分図である。
受電機器120は、2個の受電端子121で構成される。
受電端子121が給電端子311に向かって凸の球形の輪郭をもつ。
受電端子121と車両側中継機器130の中継端子とが電気的に接続される。
給電機器310は、2個の給電端子311と端子付勢機構312と給電端子基礎313とで構成される。
給電端子311は、受電端子121に向かって凸の球形の輪郭をもつ。
端子付勢機構312は、給電端子311を受電端子121の側に付勢するばねである。
給電端子基礎313は、駐車空間Pの底面に固定され、給電端子311と端子付勢機構312とを支持する基礎構造である。
給電端子311は、給電端子基礎313に上下方向に移動自在に案内される。
【0022】
図4は、第二の実施形態にかかる駐車装置の部分図である。
受電機器120は、2個の受電端子121で構成される。
受電端子121が給電端子311に向かって端面を向け周囲を斜めに切り掛かれた円筒状の形状をもつ。
受電端子121と車両側中継機器130の中継端子とが電気的に接続される。
給電機器310は、2個の給電端子311と端子付勢機構312と給電端子基礎313とで構成される。
給電端子311は、受電端子121に向かって端面を向け周囲を斜めに切り掛かれた円筒状の輪郭をもつ。
端子付勢機構312は、給電端子311を受電端子121の側に付勢するばねである。
給電端子基礎313は、駐車空間Pの底面に固定され、給電端子311と端子付勢機構312とを支持する基礎構造である。
給電端子311は、給電端子基礎313に上下方向に移動自在に案内される。
【0023】
図5は、第三の実施形態にかかる駐車装置の部分図である。
受電機器120は、2個の受電端子121で構成される。
受電端子121が給電端子311に向かって端面を向ける棒状の形状をもつ。
受電端子121と車両側中継機器130の中継端子とが電気的に接続される。
給電機器310は、2個の給電端子311と端子付勢機構312と給電端子基礎313とで構成される。
給電端子311は、受電端子121に向かって端面を向け周囲を斜めに切り掛かれた円筒状の輪郭をもつ。
端子付勢機構312は、給電端子311を受電端子121の側に付勢するばねである。
給電端子基礎313は、駐車空間Pの底面に固定され、給電端子311と端子付勢機構312とを支持する基礎構造である。
給電端子311は、給電端子基礎313に上下方向に移動自在に案内される。
給電端子311が受電端子121に向かって端面を向ける棒状の形状をもち、受電端子121は、給電端子311に向かって端面を向け周囲を斜めに切り掛かれた円筒状の輪郭をもっていてもよい。
【0024】
本発明の実施形態にかかる駐車装置の作用を、図を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる駐車装置の平面図である。
駐車装置は、駐車空間Pの数にひとつ足りない数のパレットを備える。
例えば、給電機器310が中央の駐車空間Pに設けられ、全てのパレット100が、受電機器120を各々に設けられる。
移動機器200がパレット100をX軸に沿って一つの駐車空間Pから隣り合った駐車空間Pへ移動する。
パレット100が中央の駐車空間Pに停止すると、2個の給電端子311と2個の受電端子121とが電気的に接続する。
電力供給回路320から電気が供給され、給電機器310と受電機器120と車両側中継機器130と充電ケーブル6を介して車両に給電される。
移動機器200がパレット100をX軸に沿って一つの駐車空間Pから隣り合った駐車空間Pへ移動する。
給電端子311と受電端子121との接続が遮断される。
移動機器200がパレット100をX軸に沿って一つの駐車空間Pから隣あった駐車空間Pへ移動する際に、複数の給電端子311と複数の受電端子121とが予期しない短絡をすることがなく、電気的に接続しまたは断絶する。
【0025】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
複数の駐車空間PがX軸とY軸とに沿って碁盤の目状に配置され、移動機器200がパレット100をX軸またはY軸に沿って移動し、駐車空間Pに複数の給電端子311が接点を上方に向けて配置され、パレット100に複数の受電端子121が接点を下方に向けて設けられ、パレット100が駐車空間Pに停止されると給電端子311と受電端子121とが電気的に接続される様にしたので、電源機器300が給電機器310から駐車空間Pに停止したパレット100の受電機器120へ給電し、パレット100に搭載された車両5へ給電できる。
また、複数の給電端子311がX軸とY軸とに斜めに交差する仮想の軸線Gに所定の間隔を隔てて並び、パレット100を駐車空間Pに停止させると上から見て複数の受電端子121が複数の給電端子311に各々に対向する様にしたので、パレット100がX軸に沿って移動し、又はパレット100がY軸に沿って移動するときに、複数の給電端子311と複数の受電端子121とが短絡せずに電気的に接続し又は遮断する。
また、複数の給電端子311がX軸とY軸とに45度で交差する仮想の軸線Gに所定の間隔を隔てて並び、パレット100を駐車空間Pに停止させると上から見て複数の受電端子121が複数の給電端子311に各々に対向する様にしたので、パレット100がX軸に沿って移動し、又はパレット100がY軸に沿って移動するときに、複数の給電端子311と複数の受電端子121とが短絡せずに電気的に接続し又は遮断する。
また、受電端子121または給電端子311の少なくとも一方の端子を他方の端子の側へ付勢し、受電端子121の複数の接点または給電端子311の複数の接点の少なくとも一方の複数の接点が他方の接点に向かって凸の形状を各々にもつ様にしたので、パレット100がX軸に沿って移動し、又はパレットがY軸に沿って移動するときに、複数の給電端子311と複数の受電端子121とが安定して電気的に接続し又は遮断する。
走行方向に対して接点を斜めに配置する特徴をもつ上記の構造を採用したので、従来一方向の移動であれば2つの接点を走行方向に2箇所並べればよかったが、前後左右の方向に移動する場合は、2つの接点のどちらもおなじように駐車空間にて接触させることができる。
【0026】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
平面移動方式駐車装置に本願を適用する例で説明したがこれに限定されない。例えば、平面移動方式駐車装置、平面往復方式駐車装置、水平循環方式駐車装置に本願を適用してもよい。
給電機器310が2個の給電端子311を備え、受電機器120が2個の受電端子121を備える例で説明したが、これに限定されない。例えば、3個以上の給電端子311、3個以上の受電端子121を備えてもよい。
【符号の説明】
【0027】
P 駐車空間
G 仮想の軸線
S 接点
5 車両
6 充電ケーブル
100 パレット
110 パレット構造体
120 受電機器
121 受電端子
130 車両側中継機器
200 移動機器
300 電源機器
310 給電機器
311 給電端子
312 端子付勢機構
320 電力供給回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】特開2010−70985号
【特許文献2】特開昭63−74804号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平面上で互いに直交するX軸とY軸とに沿って所定の間隔で配置された複数の駐車空間に給電を受け付ける車両を含む車両を駐車させる駐車装置であって、
車両を搭載可能なパレット構造体と前記パレット構造体に固定され受電用の接点を各々に下方に向けた複数の受電端子をもつ受電機器とを有するパレットと、
前記パレットをX軸に沿って移動させることをでき、または前記パレットをY軸に沿って移動させることをできる移動機器と、
少なくとも1つの駐車空間に配置され給電用の接点を各々に上方に向ける複数の給電端子を持つ給電機器と前記給電機器に電力を供給する電力供給回路とを有する電源機器と、
を備え、
前記パレットを前記給電機器を配置された前記駐車空間に停止させると前記給電機器の前記給電端子と前記受電機器の前記受電端子とが電気的に接続される、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記給電機器が上から見て複数の前記給電端子を前記X軸と前記Y軸とに斜めに交差する仮想の軸線に沿って所定の間隔を隔てて並べる様に前記駐車空間に配置され、
前記受電機器が前記パレットを前記駐車空間に停止させると上から見て複数の前記受電端子を複数の給電端子に各々に対向させる様に前記パレット構造体に固定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記給電機器または前記受電機器が前記受電端子または前記給電端子の少なくとも一方の端子を他方の端子の側へ付勢する付勢機構を有し、
前記受電端子の複数の接点または前記給電端子の複数の接点の少なくとも一方の複数の接点が他方の接点に向かって中心部が盛り上がった凸の形状を各々にもつ、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−41702(P2012−41702A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182638(P2010−182638)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】