説明

駐車装置

【課題】 車両を駐車させる駐車装置を提供する。
【解決手段】
従来の駐車装置に変わって、上下方向に多段に積み重なった複数の駐車空間を形成する主要な構造体である主構造体と、車両を搭載可能な複数のパレットと、複数の前記パレットを複数の駐車空間の間で各々に昇降可能な昇降機器と、車両のための充電用の電力を出力できる電源機器と、前記パレットの各々ごとに対応して設けられ前記電源機器から出力された電力を前記パレットに搭載された車両に給電する複数の充電回路と、を備え、前記電源機器が複数のパレットの中からパレットを選択させて給電開始の指示を受けつけると選択された前記パレットに搭載された車両へ前記充電回路を介して給電を開始する、ものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を駐車させる駐車装置に係る。特に、電気自動車を含む車両を駐車させる駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の車両を駐車させるのに駐車装置を用いることがある。
駐車装置は、車両を入出庫空間と駐車空間との間で移動させて駐車させる。
例えば、駐車装置は、メリーゴーランド方式駐車装置、エレベータ方式駐車装置、エレベータ・スライド方式駐車装置、平面往復方式駐車装置、運搬格納方式駐車装置、二段方式・多段方式駐車装置がある。
例えば、メリーゴーランド方式駐車装置では、上下に配された1対のスプロケットに掛け渡されたチェーンに所定の間隔で吊られたケージに車両を駐車させる。電動機がスプロケットを回転駆動する。複数のケージの上部が駐車空間を形成する。例えば、最下端に位置するケージの上部が入出庫空間を形成する。
例えば、エレベータ方式駐車装置では、垂直になった昇降路に沿って上下方向に多段の駐車空間を配し、車両を載せたケージを昇降路の中に昇降させて、車両をケージから駐車空間に移載し、駐車させる。電動機は、ケージを吊るケーブルを巻上げ、巻き下げする。さらに、他の電動機が、車両をケージと駐車空間との間で移動させる。例えば、昇降路の最下端が入出庫空間を形成する。
例えば、エレベータ・スライド方式駐車装置では、駐車空間を垂直方向と水平方向に多段に配列し、車両を搬送台車に乗せて入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。例えば、入出庫空間を地上に形成し、駐車装置を地下に配する。
例えば、平面往復方式駐車装置では、駐車空間を水平に配列し、搬送台車が車両を入出庫空間と駐車空間の横との間で搬送し、車両を搬送台車と駐車空間との間で移載する。電動機が、搬送台車を移動させる。他の電動機が、車両を搬送台車と駐車空間との間で移動させる。例えば、入出庫空間を地上に形成し、駐車装置を地下に配する。
例えば、運搬格納方式駐車装置では、車両を載せる複数のパレットを碁盤目状に配列し、複数のパレットを水平方向に循環できる。電動機が複数のパレットを間欠的に循環する。他の電動機が、車両を入出庫空間とパレットとの間で移載する。例えば、入出庫空間を地上に形成し、駐車装置を地下に配する。
例えば、二段方式・多段方式駐車装置では、上下方向に多段に積み重ねられた複数の駐車空間を配列し、パレットを複数の駐車空間の間で移動させ、パレットに車両を搭載する。地面と平面を一致する駐車空間は入出庫空間を兼ねる。
【0003】
一方、車両の電動化が加速している。これらの車両を電動車両と総称する。
電動車両には、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、電気自動車、電動バイク、等がある。
電動車両は、交流電気を給電されるタイプと直流電気を給電されるタイプがある。
そこで、駐車している間に、電動車両に給電することが考えられる。
電動車両には、外部から給電して車載バッテリーを充電するタイプのものがある。
それらの電動車両は、給電のための給電プラグ受を持つ。
急速充電器の給電プラグや100/200V等の電源コンセントに充電ケーブルを接続し充電ケーブルの給電プラグを電動車両の給電プラグ受に接続することで充電を行う。
【0004】
車両を駐車させている際に、充電用ケーブルを用いて車両に充電用電力を給電することが考えられる。
例えば、車両を二段方式・多段方式駐車装置に駐車させているときに、電源機器から伸びる充電ケーブルの給電プラグを車両の給電プラグ受に連結して、駐車中に電源機器から車両へ給電する。
この様な場合に、駐車機器の作動に伴って充電ケーブルが他の機器に絡まないように工夫をする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、車両を駐車させる駐車装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る車両を駐車させる駐車装置であって、上下方向に多段に積み重なった複数の駐車空間を形成する主要な構造体である主構造体と、車両を搭載可能な複数のパレットと、複数の前記パレットを複数の駐車空間の間で各々に昇降可能な昇降機器と、車両のための充電用の電力を出力できる電源機器と、前記パレットの各々ごとに対応して設けられ前記電源機器から出力された電力を前記パレットに搭載された車両に給電する複数の充電回路と、を備え、前記電源機器が複数のパレットの中からパレットを選択させて給電開始の指示を受けつけると選択された前記パレットに搭載された車両へ前記充電回路を介して給電を開始する、ものとする。
【0007】
上記本発明の構成により、主構造体が、上下方向に多段に積み重なった複数の駐車空間を形成する主要な構造体である。複数のパレットが、車両を搭載可能である。昇降機器が、複数の前記パレットを複数の駐車空間の間で各々に昇降可能である。電源機器が、車両のための充電用の電力を出力できる。複数の充電回路が、前記パレットの各々ごとに対応して設けられ前記電源機器から出力された電力を前記パレットに搭載された車両に給電する。前記電源機器が、複数のパレットの中からパレットを選択させて給電開始の指示を受けつけると選択された前記パレットに搭載された車両へ前記充電回路を介して給電を開始する。
その結果、充電の必要な車両に充電用の電力を給電できる。
【0008】
以下に、本発明の実施形態に係る駐車装置を説明する。本発明は、以下に記載した実施形態のいずれか、またはそれらの中の二つ以上が組み合わされた態様を含む。
【0009】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して選択された前記パレットに搭載された車両へ給電する電力の電流値を検出し前記電流値が給電開始時の電流値に所定の割合を掛けた電流値である目標電流値を下回ると給電を停止する。
上記の実施形態の構成により、前記電源機器が、複数の前記パレットの各々ごとに、前記充電回路を介して選択された前記パレットに搭載された車両へ給電する電力の電流値を検出し、前記電流値が給電開始時の電流値に所定の割合を掛けた電流値である目標電流値を下回ると給電を停止する。
その結果、車両が満充電に近づくと給電を停止できる。
【0010】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して車両の充電状況を取得し取得した充電状況を表示する。
上記の実施形態の構成により、前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して車両の充電状況を取得し取得した充電状況を表示する。
その結果、充電中の充電状況を把握できる。
【0011】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して前記パレットに搭載された車両へ給電する電力の電流値を検出し所定時間内の前記電流値の変動幅が予め設定された変動幅である設定変動幅を越えたときに給電を停止する。
上記の実施形態の構成により、前記電源機器が、複数の前記パレットの各々ごとに、前記充電回路を介して前記パレットに搭載された車両へ給電する電力の電流値を検出検出し、所定時間内の前記電流値の変動幅が予め設定された変動幅である設定変動幅を越えたときに給電を停止する。
その結果、給電中に異常がおこったときに給電を停止できる。
【0012】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記昇降機器が作動することを検知すると前記充電回路を介して前記パレットに搭載された車両への給電を停止する。
上記の実施形態の構成により、前記電源機器が、複数の前記パレットの各々ごとに、前記昇降機器が作動することを検知すると前記充電回路を介して前記パレットに搭載された車両への給電を停止する。
その結果、充電回路の絡まり等の不測の事態に対応して給電を停止する。
【0013】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記パレットに搭載された車両に前記充電回路を介して電力を給電するときに給電中を示す給電信号を出力する。
上記の実施形態の構成により、前記電源機器が、複数の前記パレットの各々ごとに、前記パレットに搭載された車両に前記充電回路を介して電力を給電するときに給電中を示す給電信号を出力する。
その結果、給電信号を用いて昇降機器にインターロックを掛ける等の制御信号に用いることをできる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
複数のパレットを複数の駐車空間の間で昇降させて、電源機器が充電回路を介して複数のパレットに搭載される車両に充電用の電力を給電し、複数のパレットの中からパレットを選択させて給電開始の指示を受けつけるときに選択された前記パレットに搭載された車両へ前記充電回路を介して給電を開始する様にしたので、充電の必要な車両に充電用の電力を給電できる。
また、前記パレットの各々ごとに車両へ給電する電力の電力値が給電開始時の電流値に所定の割合を掛けた目標電流値を下回ると給電を停止する様にしたので、車両が満充電に近づくと給電を停止できる。
また、複数の前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して車両の充電状況を取得し取得した充電状況を表示する様にしたので、充電中の充電状況を把握できる。
また、前記パレットの各々ごとに車両へ給電する電力の電流値の変動が所定の変動幅を越えると給電を停止する様にしたので、給電中に異常がおこったときに給電を停止できる。
また、昇降機器が作動することを検知して車両への給電を停止する様にしたので、充電回路の絡まり等の不測の事態に対応して給電を停止する。
また、前記パレットに搭載された車両に前記充電回路を介して電力を給電するときに給電中を示す給電信号を出力する様にしたので、給電信号を用いて昇降機器にインターロックを掛ける等の制御信号に用いることをできる。
従って、車両を駐車させる駐車装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る駐車装置の平面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る駐車装置の側面図である。
【図4】本発明の実施形態に係るパレットの斜視図、部分拡大図である。
【図5】本発明の実施形態に係る電源機器の正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る電源機器の内部正面図である。
【図7】各種形式の駐車装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を基に、説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る駐車装置の正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る駐車装置の平面図である。図3は、本発明の実施形態に係る駐車装置の側面図である。図4は、本発明の実施形態に係るパレットの斜視図、部分拡大図である。図5は、本発明の実施形態に係る電源機器の正面図である。図6は、本発明の実施形態に係る電源機器の内部正面図である。
本発明の実施形態にかかる駐車装置は、給電プラグ受を持った車両5を駐車させる装置である。
車両5は、直流または交流の電気を給電される自動車である。
例えば、車両5は、電気を給電され、電気または液体燃料で動くハイブリッド自動車である。
例えば、車両5は、電気を給電され、電気のみで動く自動車である。
車両5は、後述する充電ケーブル510を備品として備えていても良い。
【0017】
本発明の実施形態にかかる駐車装置は、主構造体100と複数のパレット200と昇降機器300と電源機器400と複数の充電回路500とで構成される。
以下では、説明の便宜上、駐車する車両5の前後左右を駐車装置の前後左右と仮に呼ぶ。
【0018】
主構造体100は、上下方向に多段に積み重なった複数の駐車空間を形成する主要な構造体である。
例えば、主構造体100は、図1乃至3に示す構造体である。
主構造体100は、駐車空間の左右に配置される複数の門型構造体で構成される。
隣り合った駐車空間の左右に配置される門型構造体110は、互いを兼ねてもよい。
後述する昇降機器300が、門型構造体110の上部に配される。
【0019】
パレット200は、車両を搭載可能な構造体である。
パレット200が、パレット本体210と充電ケーブルガイド220とで構成される。
パレット本体210は、車両の4輪を支持できる構造体である。
例えば、パレット本体210は、左右1対のタイヤ支持構造211と前後1対の梁構造212とで構成される。
左右1対のタイヤ支持構造211は、車両の左タイヤと左タイヤとを前後方向に転動自在に各々に案内し各々に支持する。
前後1対の梁構造212は、左右1対のタイヤ支持構造211の前方と後方との各々を支持する梁である。
後述する昇降機器300が、前後1対の梁構造の左端部と右端部とを支持し、上下方向に昇降される。
【0020】
充電ケーブルガイド220は、パレット本体210の周辺部に設けられ、充電ケーブルを案内できる構造部である。
充電ケーブルガイド220が、パレット本体210に支持され充電ケーブルを巻き掛けられ可能な筒状形状Kを形成してもよい。
充電ケーブルガイド220が、パレット本体に少なくとも一端を支持される回転軸222と回転軸222の回りに回転自在に支持され筒状形状Kを形成する筒状部材223とで構成されてもよい。
回転軸222が一端をパレット本体に支持され他端を自由端とする様に片持ち支持され、充電ケーブルガイド220が回転軸222の他端の側に当接可能な当接部材224を持っていてもよい。
充電ケーブルガイド220がパレット本体210に少なくとも一端を固定される複数の回転軸222と複数の回転軸の回りに回転自在に各々に支持され筒状形状を形成する複数の筒状部材223とを持っていてもよい。
充電ケーブルガイド220がパレット本体210に少なくとも一端を固定される2個の回転軸222と2個の回転軸の回りに回転自在に各々に支持され筒状形状を形成する2個の筒状部材223とを持っていてもよい。
【0021】
例えば、充電ケーブルガイド220は、ガイド基礎部材221と筒状部材223とで構成される。
例えば、充電ケーブルガイド220は、ガイド基礎部材221と回転軸222と筒状部材223と当接部材224とで構成される。
ガイド基礎部材221は、パレット本体210に固定される部材である。
回転軸222は、一端をガイド基礎部材221に固定され片持ち支持される軸体である。
筒状部材223は、回転軸222に回転自在に支持される部材である。例えば、筒状部材223は筒状部223aと根本フランジ部223bと先端プランジ部223cとで構成される。根本フランジ部223bは、筒状部223aの根本に固定されるフランジ状の部材である。先端プランジ部223cは、筒状部223aの先端に固定されるフランジ状の部材である。
当接部材224は、揺動自在にガイド基礎部材221に固定され、回転軸222の他端に当接する当接姿勢と回転軸222の他端から離れる離間姿勢との間で姿勢を変化させることをできる部材である。
【0022】
昇降機器300は、パレット200を複数の駐車空間の間で昇降可能な機器である。
例えば、昇降機器300は、昇降チェーンとチェーンスプロケットとモータとで構成されてもよい。
昇降チェーンがパレット本体210の梁構造212を吊り、チェーンスプロケットに巻きかけられる。
チェーンスプロケットがモータにより正転、逆転できる。
例えば、モータがチェーンスプロケットを正転すると、パレット200が上昇する。モータがチェーンスプロケットを逆転すると、パレット200が下降する。
【0023】
電源機器400は、車両5のための充電用の電力を出力できる機器である。
電源機器400は、充電回路500を介してパレット200に搭載された車両5に充電用の電力を給電する。
例えば、電源機器400は、後述する充電ケーブル510を介して車両5へ供給する電力を給電する電気機器である。
例えば、電源機器400は、100Vまたは200Vの交流、他の電圧の直流を出力する。
電源機器400は、操作盤本体410と操作盤面420と配電盤430とで構成される。
操作盤本体410は、電源機器の本体であって、配電盤430を内部に格納し、操作盤面420を表側の面に固定される。
【0024】
操作盤面420は、操作する者に操作させる盤面である。
操作盤面420は、制御ボード421と表示パネル422とテンキーボード423とスタート釦424と取消釦425と非常停止釦426とキースイッチ427とで構成される。
制御ボード421は、ハードウエアまたはソフトウエアにより制御ロジックを実現するボードである。
表示パネル422は、各種の文字、数字を表示するパネルである。
テンキーボード423は、操作する者に各種データを入力させるキーボードである。例えば、テンキーボード423は、数字を入力させる。
スタート釦424は、制御ロジックの開始を指示する釦である。
取消釦425は、入力したデータを取り消す釦である。
非常停止釦426は、非常停止を指示させる釦である。
キースイッチ427は、電源機器400を作動状態にするため、または入力受付状態にさせるためのスイッチである。キーをキースイッチ427に差込み回転することにより作動状態にする、または入力受付状態にさせる。
【0025】
配電盤430は、リレー回路431とブレーカー432と電磁開閉器433と端子盤434と電流計435とで構成される。
リレー回路431は、制御ボード421により駆動され電磁開閉器433等を作動させるリレーである。
ブレーカー432は、充電用電力を給電するためのブレーカである。例えば、ブレーカ432は、漏電ブレーカである。
電磁開閉器433は充電用電力の給電を導通、遮断をする開閉器である。
端子盤434は、入出力端子である。例えば、端子盤434は、後述する充電ケーブル510の電源側端子に導通する端子を持つ。例えば、端子盤434は、後述する給電信号を出力する端子を持つ。例えば、端子盤434は、昇降機器のモータの動力線に設けられた電流計に繋がる端子をもつ。
電流計435は、充電用電力の電流を検知する計測器である。
【0026】
充電回路500は、パレットの各々ごとに対応して設けられ電源機器から出力された電力をパレットに搭載された車両に給電する回路である。
充電回路500は、充電ケーブル510で構成されてもよい。
充電ケーブル510は、車両へ電力を給電するための電気機器である。
充電ケーブル510は、充電ケーブル本体511と給電プラグ512と電源側端子513とで構成される。
充電ケーブル本体511は、電力を導く電気ケーブルである。
給電プラグ512は、充電ケーブル本体511の一端に電気的に導通し、車両の給電プラグ受に電気的に連結するプラグである。
電源側端子513は、充電ケーブル本体511の他端に電気的に導通し、電源機器400に電気的に連結する端子である。
充電ケーブル510が充電ケーブルガイド220に案内されると、充電ケーブル510の一方の端部のある側がパレット200の上方へ位置し、充電ケーブル510の他方の端部のある側がパレット200の下方へ垂れて、他方の端部にある電源側端子530が電源機器400に電気的に連結する。
【0027】
以下に、電源機器を詳述する。
複数のパレット200には、各々ごとに異なるパレット番号が付される。
電源機器400が、複数のパレット200の中からパレット200を選択させて、給電開始の指示を受けつけると選択されたパレット200に搭載された車両へ充電回路500を介して給電を開始する。
例えば、操作する者が、操作キーをキースイッチ427に刺して回転させた後で、テンキーボード423にパレット番号をインプットする。表示パネル422に表示されたパレット番号を確認した後で、スタート釦424を押す。
電源機器400は、スタート釦424を押されると、インプットされたパレット番号を付されたパレット200に搭載された車両へ充電回路500を介して給電を開始する。
【0028】
電源機器400が、パレット200の各々ごとに、充電回路500を介して選択されたパレット200に搭載された車両へ給電する電力の電流値を検出し、電流値が給電開始時の電流値に所定の割合を掛けた電流値である目標電流値を下回ると給電を停止する。
例えば、電源機器400は、電流計435を用いてパレット200の各々ごとにパレット200に搭載する車両5に充電回路500を介して給電する電力の電流値を検出する。
電源機器400が、パレット200に搭載した車両5に給電を開始するときに、電流計435の検知した電流値を記憶する。
電源機器400が、パレット200に搭載する車両5に充電回路500を介して給電する際に、電流計435を用いて計測した電流値が記憶した電流値に所定の割合を掛けた目標電流値を下回ると、電気開閉器433を開いて給電を停止する。
この様にすると、所定の割合を適切に設定することにより、車両をほぼ満充電の状態にすることをできる。
【0029】
電源機器400が、複数のパレットの各々ごとに、充電回路500を介して車両の充電状況を取得し取得した充電状況を表示する。
例えば、電源機器400が車両の給電プラグ受の通信用端子から充電回路500を介して充電状況に関する通信データを取得する。通信データから充電状況を生成し、充電状況を表示する。
例えば、電源機器400は、電流値と残り充電時間とを対応テーブルを予め記憶し、複数のパレット200の各々毎に、充電回路500を流れる電流値を検知し、検知した電流値に対応する残り充電時間又は充電率を表示する。
例えば、電源機器400は、電流値または所定時間当たりの電流値の変化値と残り充電時間または充電率との対応テーブルを予め記憶し、複数のパレット200の各々毎に、充電回路500を流れる電流値を検知し、検知した電流値または所定時間当たりの電流値の変化値に対応する残り充電時間又は充電率を表示する。
例えば、電源機器400は、電流値または所定時間当たりの電流値の変化値と残り充電時間又は充電率との対応テーブルを予め記憶し、複数のパレット200の各々毎に、充電開始時には想定される最長の充電残り時間を表示し、その後で充電回路500を流れる電流値を検知し、検知した電流値または所定時間当たりの電流値の変化値に対応する残り充電時間または充電率を表示する。
【0030】
電源機器400が、複数のパレットの各々ごとに、充電回路500を介してパレットに搭載された車両へ給電する電力の電流値を検出し所定時間内の電流値の変動幅が予め設定された変動幅である設定変動幅を越えたときに給電を停止する。
例えば、電源機器400は、電流計435を用いてパレット200の各々ごとにパレット200に搭載する車両5に充電回路500を介して給電する電力の電流値を検出する。
所定時間と設定変動華とを予め設定する。
所定時間内の電流値の変動幅が設定変動華を越えたときに給電を停止する。
この様にすると、予期しない充電回路の断線、または漏電等があったときに、すみやかに給電を停止できる。
【0031】
電源機器400が、複数のパレットの各々ごとに昇降機器が作動することを検知すると充電回路を介してパレットに搭載された車両への給電を停止する、
例えば、電源機器400は、昇降機器300のモータの動力線に設けられた電流計を持ち、電流計が電流値を検知すると昇降機器が作動すると判断する。
また、電源機器400は、昇降機器300を制御する制御盤から作動信号を入力する。
複数の昇降機器は、複数のパレットを各々に昇降させる。
昇降機器が作動することを検知すると充電回路500を介して作動することを検知した昇降機器300が昇降させるパレット200に搭載された車両5への給電を停止する。
【0032】
電源機器400が、複数のパレットの各々ごとに、パレットに搭載された車両に充電回路を介して電力を給電するときに給電中を示す給電信号を出力する、
例えば、昇降機器を制御する制御盤が給電信号を入力する。制御盤は、給電信号が給電中であることを示しているときに、昇降機器がパレットを昇降させるのをおこなわず、操作する者にその旨を伝える。
【0033】
本発明の実施形態に係る駐車装置は、その構成により、以下の効果を有する。
複数のパレット200を複数の駐車空間の間で昇降させて、電源機器400が充電回路500を介して複数のパレット200に搭載される車両に充電用の電力を給電し、複数のパレット200の中からパレット200を選択させて給電開始の指示を受けつけるときに選択されたパレット200に搭載された車両へ充電回路を介して給電を開始する様にしたので、充電の必要な車両に充電用の電力を給電できる。
また、パレット200の各々ごとに、車両へ給電する電力の電力値が給電開始時の電流値に所定の割合を掛けた目標電流値を下回ると給電を停止する様にしたので、車両5が満充電に近づくと給電を停止できる。
また、複数のパレット200の各々ごとに、充電回路500を介して車両5の充電状況を取得し取得した充電状況を表示する様にしたので、充電中の充電状況を把握できる。
また、パレット200の各々ごとに、車両5へ給電する電力の電流値の変動が所定の変動幅を越えると給電を停止する様にしたので、給電中に異常がおこったときに給電を停止できる。
また、昇降機器300が作動することを検知して車両5への給電を停止する様にしたので、充電回路500の絡まり等の不測の事態に対応して給電を停止する。
また、パレット200に搭載された車両5に充電回路500を介して電力を給電するときに給電中を示す給電信号を出力する様にしたので、給電信号を用いて昇降機器300にインターロックを掛ける等の制御信号に用いることをできる。
【0034】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
充電ケーブルの電源端子を直接に電源機器に導通させるとして説明したが、これに限定されない。例えば、電源機器から主構造部までを固定配線とし、パレットが駐車空間に位置すると固定配線と充電ケーブルとを端子により導通する様にしてもよい。
二段・多段式駐車装置に本願を適用する例で説明したがこれに限定されず、他の形式の駐車機構に本願の発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
K 筒状形状
5 車両
100 主構造体
110 門型構造体
200 パレット
210 パレット本体
211 タイヤ支持構造
212 梁構造
220 充電ケーブルガイド
221 ガイド基礎部材
222 回転軸
223 筒状部材
223a 筒状部
223b 根本フランジ部
223c 先端プランジ部
224 当接部材
300 昇降機器
400 電源機器
410 操作盤本体
420 操作盤面
421 制御ボード
422 表示パネル
423 テンキーボード
424 スタート釦
425 取消釦
426 非常停止釦
427 キースイッチ
430 配電盤
431 リレー回路
432 ブレーカー
433 電磁開閉器
434 端子盤
435 電流計
500 充電回路
510 充電ケーブル
511 充電ケーブル本体
512 給電プラグ
513 電源側端子
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】特開平05−256038号
【特許文献2】特開平04−366283号
【特許文献3】特開平05−227668号
【特許文献4】特開平06−57086号
【特許文献5】特開平06−67987号
【特許文献6】特開平06−81507号
【特許文献7】特開平06−121407号
【特許文献8】特開平06−318288号
【特許文献9】特開平07−004095号
【特許文献10】特開平10−030354号
【特許文献11】特開平10−124719号
【特許文献12】特開平11−086058号
【特許文献13】特開平11−152925号
【特許文献14】特開2001−312772号
【特許文献15】特開2001−359203号
【特許文献16】特開2002−004620号
【特許文献17】実開平06−028124号
【特許文献18】実開平06−035535号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を駐車させる駐車装置であって、
上下方向に多段に積み重なった複数の駐車空間を形成する主要な構造体である主構造体と、
車両を搭載可能な複数のパレットと、
複数の前記パレットを複数の駐車空間の間で各々に昇降可能な昇降機器と、
車両のための充電用の電力を出力できる電源機器と、
前記パレットの各々ごとに対応して設けられ前記電源機器から出力された電力を前記パレットに搭載された車両に給電する複数の充電回路と、
を備え、
前記電源機器が複数のパレットの中からパレットを選択させて給電開始の指示を受けつけると選択された前記パレットに搭載された車両へ前記充電回路を介して給電を開始する、
ことを特徴とする駐車装置。
【請求項2】
前記電源機器が前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して選択された前記パレットに搭載された車両へ給電する電力の電流値を検出し前記電流値が給電開始時の電流値に所定の割合を掛けた電流値である目標電流値を下回ると給電を停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項3】
前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して車両の充電状況を取得し取得した充電状況を表示する、
ことを特徴とする請求項2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して前記パレットに搭載された車両へ給電する電力の電流値を検出し所定時間内の前記電流値の変動幅が予め設定された変動幅である設定変動幅を越えたときに給電を停止する、
ことを特徴とする請求項3に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記昇降機器が作動することを検知すると前記充電回路を介して前記パレットに搭載された車両への給電を停止する、
ことを特徴とする請求項4に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記パレットに搭載された車両に前記充電回路を介して電力を給電するときに給電中を示す給電信号を出力する、
ことを特徴とする請求項5に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して車両の充電状況を取得し取得した充電状況を表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項8】
前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記充電回路を介して前記パレットに搭載された車両へ給電する電力の電流値を検出し所定時間内の前記電流値の変動幅が予め設定された変動幅である設定変動幅を越えたときに給電を停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項9】
前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記昇降機器が作動することを検知すると前記充電回路を介して前記パレットに搭載された車両への給電を停止する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。
【請求項10】
前記電源機器が複数の前記パレットの各々ごとに前記パレットに搭載された車両に前記充電回路を介して電力を給電するときに給電中を示す給電信号を出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の駐車装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−41779(P2012−41779A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185671(P2010−185671)
【出願日】平成22年8月21日(2010.8.21)
【出願人】(000198363)IHI運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】