説明

駐輪装置

【課題】臨機応変にガイドラックの取付態様を変えることが可能であり、駐輪できる二輪車の台数を多くしつつもハンドル間の干渉を防ぐような駐輪装置を提供する。
【解決手段】駐輪装置10は、設置面に設置され、長尺状をなす架台20と、架台20に対して固定される固定部材40と、固定部材40のうち架台20から離間する側に取り付けられると共に車輪が挿入されて当該車輪を保持するガイドラック60と、架台20に対して長手方向における固定部材40の取り付け位置を調整する取付位置調整手段21aと、架台20に対するガイドラック60の設置面に平行な方向における取付角度を調整する取付角度調整手段42aと、を具備し、固定部材40およびガイドラック60は、架台20の長手方向に沿って、複数取り付けることを可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車等のような二輪車を駐輪させるための駐輪装置に関する。
【背景技術】
【0002】
駅前等の駐輪スペースには、自転車等を始めとする二輪車用の駐輪装置が設置されている場合がある。かかる駐輪装置は、自転車等の車輪をロックする機構を備えると共に、自転車を支持して自転車の転倒を防止するようにしている。この駐輪装置は、駅前等の駐輪スペース以外にも、マンションの駐輪スペース、各種公共機関、スーパー等の駐輪スペース等のような、自転車等の車両を駐車させる駐輪スペースがある各場所に設置されつつある。このような駐輪装置の例としては、特許文献1に示すものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−15507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示されている駐輪装置においては、駐輪スペースの有効活用が難しい、という問題がある。すなわち、特許文献1に開示の駐輪装置では、ラックユニットの架台に対する取付位置は予め定まった位置となっており、そのピッチも予め定まっている。そのため、設置される駐輪スペースに応じて、臨機応変にラックユニットの取付態様を変えることは困難である。
【0005】
また、駐輪装置においては、できるだけ多くの台数の自転車を駐輪できるのが好ましい一方で、隣り合う自転車におけるハンドルの干渉を防ぐ必要がある。しかしながら、特許文献1に開示されているものでは、駐輪できる自転車の台数を多くしつつも、隣り合う自転車間のハンドルの干渉を防ぐように、ラックユニットの取付態様を変えることは困難である。
【0006】
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、設置される駐輪スペースに応じて、臨機応変にガイドラックの取付態様を変えることが可能であること、および駐輪できる二輪車の台数を多くしつつもハンドル間の干渉を防ぐようなガイドラックの取付態様を実現できることのうち、少なくとも一つを実現可能な駐輪装置を提供しよう、とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の駐輪装置の第1の側面は、二輪車の車輪を保持することにより、二輪車を駐輪させる駐輪装置であって、設置面に設置され、長尺状をなす架台と、架台に対して固定される固定部材と、固定部材のうち架台から離間する側に取り付けられると共に車輪が挿入されて当該車輪を保持するガイドラックと、架台に対して長手方向における固定部材の取り付け位置を調整する取付位置調整手段と、架台に対するガイドラックの設置面に平行な方向における取付角度を調整する取付角度調整手段と、を具備し、固定部材およびガイドラックは、架台の長手方向に沿って、複数取り付けることを可能としているものである。
【0008】
このように構成する場合、取付位置調整手段によって、架台の長手方向における固定部材の取付位置を調整することが可能となる。そのため、複数のガイドラックを固定部材を介して取り付ける場合に、その取付ピッチを調整することが可能となる。また、取付角度調整手段によって、ガイドラックの取付角度を調整することが可能となる。そのため、たとえば架台の長手方向に対してガイドラックを斜めに取り付けることにより、駐輪装置を設置するスペースが狭い場合等においても、二輪車を駐輪させることが可能となる。このように、駐輪装置を設置する場所に応じて、ガイドラックの取付態様を適切なものとすることが可能となり、駐輪装置を設置するスペースの有効活用を図ることが可能となる。すなわち、本発明によると、駐輪装置が設置される駐輪スペースに応じて、臨機応変にガイドラックの取付態様を変えることが可能となる。また、本発明によると、駐輪できる二輪車の台数を多くしつつもハンドル間の干渉を防ぐようなガイドラックの取付態様を実現可能となる。
【0009】
また、本発明の駐輪装置の他の側面は、上述の発明に加えて更に、架台に対し、当該架台と交差する方向であってガイドラックの長手方向に沿う当該ガイドラックの取付位置を調整する前後位置調整手段を具備する、ことが好ましい。
【0010】
このように構成する場合には、前後位置調整手段によって、ガイドラックの長手方向に沿う取付位置を調整することが可能となる。そのため、隣り合う二輪車の間において、架台の短手方向(二輪車の前後方向)における車輪の位置を架台の短手方向(前後方向)に交互にずらして駐輪させることも可能となり、そのような駐輪を行える場合には、隣り合う二輪車の間で、ハンドル等の突出部位が互いに干渉するのを防ぐことが可能となる。すなわち、隣り合う二輪車の間の間隔が狭い場合であっても、ハンドル同士が干渉するのを防ぐような駐輪形態とすることが可能となり、駐輪装置が設置されるスペースの有効活用を図ることが可能となる。
【0011】
さらに、本発明の駐輪装置の他の側面は、上述の各発明に加えて更に、ガイドラックは、その長手方向が架台の長手方向に対して交差する向きに取り付けられると共に、ガイドラックと固定部材との間には、取付フレームを位置させることが可能であり、当該取付フレームをガイドラックと固定部材との間に位置させる場合には、それを位置させない場合と比較して、架台に対して設置面から離間する離間方向におけるガイドラックの取付位置が変更され、ガイドラックの長手方向の一端側には固定部材が位置すると共に、ガイドラックの長手方向の他端側かつ架台と対向する部位には台座部が設けられ、取付フレームをガイドラックと固定部材との間に位置させない場合には、離間方向における台座部の位置は架台と同一に設けられる、ことが好ましい。
【0012】
このように構成する場合には、取付フレームをガイドラックと固定部材との間に位置させない場合には、離間方向における台座部の位置は架台と同一に設けられるため、駐輪装置の設置の安定化を図ることが可能となる。すなわち、この場合には、架台が設置面に接触するのみならず、台座部も設置面に接触する状態となるため、駐輪装置の設置の安定化を図ることが可能となる。
【0013】
また、取付フレームをガイドラックと固定部材との間に位置させる場合と、位置させない場合とでは、ガイドラックの設置面からの距離は異なるものとなる。そのため、たとえば隣り合うガイドラックの間で設置面からの距離を異なるものとすることが可能となり、その場合には、隣り合う二輪車同士の間の設置面からの距離が異なるため、ハンドル同士の干渉を防ぐことが可能となる。それにより、駐輪装置が設置されるスペースの有効活用を図ることが可能となる。
【0014】
また、本発明の駐輪装置の他の側面は、上述の各発明に加えて更に、固定部材は円盤状の固定用円盤であり、架台には、当該架台の長手方向に沿って所定のピッチで挿通孔が設けられていて、固定用円盤の外周側には、所定の角度毎に貫通孔が設けられていて、取付位置調整手段は、挿通孔と、貫通孔と、架台の長手方向における複数の挿通孔の中から選択された挿通孔と貫通孔との間に挿通させる挿通部材とによって構成され、取付角度調整手段は、挿通孔と、貫通孔と、固定用円盤の周方向における複数の貫通孔の中から選択された貫通孔と挿通孔との間に挿通させる挿通部材とによって構成される、ことが好ましい。
【0015】
このように構成する場合には、複数の挿通孔から挿通部材を挿通させるべき挿通孔を選択し、加えて複数の貫通孔の間から挿通部材を挿通させるべき貫通孔を選択することにより、ガイドラックの取付ピッチおよびガイドラックの取付角度を所望のものとすることが可能となる。そのため、取付ピッチおよび取付角度の調整が容易に行える。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、設置される駐輪スペースに応じて、臨機応変に取付フレームの取付態様を変えることが可能となる。また、駐輪できる二輪車の台数を多くしつつもハンドル間の干渉を防ぐような取付フレームの取付態様を実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態に係る駐輪装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1の駐輪装置の構成を示す正面図である。
【図3】図1の駐輪装置における挿通孔の位置関係を示す図である。
【図4】図1の駐輪装置におけるガイドラックの構成を示す正面断面図である。
【図5】図1の駐輪装置におけるガイドラックの構成を示す側面断面図である。
【図6】図1の駐輪装置におけるガイドラックの取付態様を示す平面図である。
【図7】従来の駐輪装置の構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本実施の形態における駐輪装置10について、図面に従って説明する。なお、以下の説明においては、架台20の長手方向は図1等におけるX方向に対応し、架台20の幅方向は図1等におけるY方向に対応し、取付フレーム50等の高さ方向は図1等におけるZ方向(請求項でいう離間方向)に対応する。
【0019】
図1は、駐輪装置10の基本的な構成を示す分解斜視図である。また、図2は、駐輪装置10の正面図である。図1、図2に示すように、駐輪装置10は、架台20と、ラックユニット30とを有している。また、ラックユニット30は、固定用円盤40と、取付フレーム50と、ガイドラック60と、車輪ロック装置70とを有している。なお、ラックユニット30は、取付フレーム50を有しないものとすることも可能である。以下の説明においては、ラックユニット30の中で、取付フレーム50を有する状態のものを高ラックユニットと称呼し、取付フレーム50を有しない状態のものを低ラックユニットと称呼する場合があるが、両者を総称する場合には、単にラックユニット30と称呼する。
【0020】
架台20は、所定の厚みの金属板を、樋形状に折り曲げたものである。すなわち、架台20には固定部21と、この固定部21の幅方向の両端側から折れ曲がる一対の脚部22とが設けられている。なお、図1等から明らかなように、脚部22の幅寸法よりも、固定部21の幅寸法の方が、はるかに大きく設けられている。
【0021】
上述の固定部21には、挿通孔21aが設けられている。挿通孔21aは、後述するネジが差し込まれる孔であり、請求項でいう取付位置調整手段の主構成要素に対応する。なお、取付位置調整手段は、挿通孔21aのみならず、後述する貫通孔42aと、挿通孔21aと貫通孔42aとに挿通されるネジ(挿通部材の一例に対応)も構成要素となる。この挿通孔21aは複数設けられているが、本実施の形態では、挿通孔21aは、ある規則性を有する配列となっている。具体的には、図3に示すように、幅方向(Y方向)において離間している2つの挿通孔21aを選ぶとき、選ばれた2つの挿通孔21aの中心間の間隔を間隔Lとすると、選ばれたそれぞれの挿通孔21aの中心から間隔Lだけ離れた位置に、別の挿通孔21aが存在している。そのため、選ばれた2つの挿通孔21aの中心と、それら2つの挿通孔21aから間隔Lだけ離間する別の挿通孔21aの中心とを結ぶと、正方形を形成することが可能となっている。
【0022】
なお、図3に示すように、Y方向における挿通孔21aの間隔Lに対して、X方向における隣り合う2つの挿通孔21aの間隔はL/2となっている。そのため、隣り合う2つの挿通孔21aの間隔がLである場合と比較して、ラックユニット30間のピッチの調整を、より細かく行うことが可能となっている。ただし、X方向において隣り合う2つの挿通孔21aの間隔はL/2に限られるものではなく、Nを3以上の整数とすると、L/Nとすることが可能であり、またX方向において隣り合う2つの挿通孔21aの間隔をLとすることも可能である。
【0023】
また、固定用円盤40は、請求項における固定部材の一例に対応する。この固定用円盤40は、図1に示すように、その外観が円盤状をなしている部材である。この固定用円盤40には、フレーム固定部41と、フランジ部42とが設けられている。フレーム固定部41は、取付フレーム50を固定する部分であり、フランジ部42よりも高さ方向(Z方向)における寸法が高くなるように設けられていて、ネジ(図示省略)を捻じ込んでも、その先端が固定部21から離間するように設けられている。また、フレーム固定部41には、取付フレーム50を固定するための孔部41aが設けられている。なお、図1に示す固定用円盤40においては、孔部41aは、フレーム固定部41に合計4か所設けられている。また、図1に示す固定用円盤40においては、固定用円盤40を架台20の固定部21に固定する際の基準となる貫通孔42aを示すマーキング43が設けられている。
【0024】
また、フランジ部42は、フレーム固定部41の周囲に設けられたリング状の部分である。このフランジ部42には、複数の貫通孔42aが所定の間隔をあけて設けられている。貫通孔42aは、請求項でいう取付角度調整手段の主構成要素に対応する。なお、取付角度調整手段は、貫通孔42aのみならず、挿通孔21aと、挿通孔21aと貫通孔42aとに挿通されるネジ(挿通部材の一例に対応)も構成要素となる。
【0025】
なお、本実施の形態においては、固定用円盤40の中心Oから貫通孔42aの中心までの距離はL/√2となっている(図3参照)。また、本実施の形態では、上述した正方形を形成する4つの挿通孔21aに対応する位置に、4つの貫通孔42aが存在している。すなわち、互いにLだけ離れた4つの貫通孔42aをフランジ部42において選択することが可能であり、それら4つの貫通孔42aを結ぶと正方形を形成することが可能となっている。
【0026】
なお、ラックユニット30の架台20に対する取付角度を変更するためには、貫通孔42aは少なくとも8個以上存在することが必要である。ただし、8個以上であれば、貫通孔42aの個数は問わない。本実施の形態におけるものは、図1に示すように貫通孔42aが15度間隔で合計24個存在していて、取付角度の変更をより細かく行うことが可能となっている。また、上述した挿通孔21aはネジ山が形成されていても良いが、たとえばドリルビスのような、挿通孔21aにネジ山を形成することが可能なネジを捻じ込んで、固定用円盤40を架台20に取り付けるようにしても良い。
【0027】
また、図1、図2に示すように、固定用円盤40には、取付フレーム50が取り付けられる。取付フレーム50は、板状部材の折り曲げおよび組み付けによって、筒状に形成されている。なお、図1に示すものでは、側面の一方側が開放している筒状部材に、側板を取り付けることにより、上端および下端が開放した筒状の取付フレーム50が形成されている。
【0028】
取付フレーム50の下端側には、当該取付フレーム50の長手に対して直交する向きに延伸する下側フランジ部51が設けられていて、上述した固定用円盤40に対する接触面積を広げるようにしている。この下側フランジ部51には、ネジが挿通する取付孔51aが設けられていて、この取付孔51aは上述した固定用円盤40の孔部41aに対応する位置に設けられている。そのため、ネジを捻じ込むことにより、固定用円盤40に対して取付フレーム50を固定することが可能となっている。
【0029】
また、取付フレーム50の上端側には、上述した下側フランジ部51と同様の上側フランジ部52が設けられていて、この上側フランジ部52にも取付孔52aが形成されている。そして、この取付孔52aを介して、ガイドラック60の樋状フレーム61(後述)を取付フレーム50に固定することを可能としている。
【0030】
なお、上述した固定用円盤40の孔部41aにおいても上述した挿通孔21aと同様に、ネジ山が形成されていても良く、たとえばドリルビスのようなネジ山を形成することが可能なネジを捻じ込んで、取付フレーム50を固定用円盤40に対して固定するようにしても良い。同じく、樋状フレーム61の孔部611aにおいてもネジ山が形成されていても良く、たとえばドリルビスのようなネジ山を形成することが可能なネジを捻じ込んで、ガイドラック60を取付フレーム50に対して固定するようにしても良い。なお、孔部611aは、請求項でいう前後位置調整手段の主構成要素に対応する。なお、前後位置調整手段は、孔部611aのみならず、取付孔52aと、取付孔52aと孔部611aとに挿通されるネジ(挿通部材の一例に対応)も構成要素となる。
【0031】
図1、図2に示すように、取付フレーム50の上端側には、ガイドラック60が取り付けられる。ガイドラック60は、樋状フレーム61と、車輪ガイド62と、台座部63とを有している。樋状フレーム61は、金属板を樋形状に折り曲げる等によって形成された部材である。この樋状フレーム61は、図1および図4に示すように、底壁部611と、この底壁部611の幅方向の両端側から上方に向かって延伸する一対の側壁部612とを有している。また、図4に示すように、樋状フレーム61には、強度確保や安全性等の点から、側壁部612の上端側から外側かつ底壁部611に平行な向きに向かって折り曲げられる外延部613が設けられていて、この外延部613の延出の端部からさらに下方に向かって下延部614が設けられている。
【0032】
樋状フレーム61の底壁部611には、孔部611aが設けられている。この孔部611aは、上述の取付孔52aを挿通したネジを捻じ込んで、ガイドラック60を取付フレーム50に取り付けるための孔である。この孔部611aは、本実施の形態では少なくとも6個以上設けられている。すなわち、図1に示すように、底壁部611には、樋状フレーム61の長手方向に沿う孔部611aが2列設けられていて、それぞれの列においては、孔部611aは3個以上設けられている。また、2つの列の間の間隔は、取付孔52aの間隔に対応している。そのため、取付フレーム50に対するガイドラック60の取付位置を適宜変更可能となっている。なお、孔部611aの個数は、6個以上であれば、どのような個数であっても良い。
【0033】
また、図4に示すように、樋状フレーム61の側壁部612および外延部613には、複数のスリット615が設けられている。複数のスリット615は、車輪ガイド62のリブ622の個数に対応する個数だけ設けられていて、そのピッチもリブ622のピッチに対応するものとなっている。すなわち、図4に示すように、スリット615の存在により、樋状フレーム61と車輪ガイド62のリブ622とが干渉するのを防止している。なお、車輪ガイド62が樋状フレーム61の長手方向の一端側に取り付けられる関係上、スリット615は樋状フレーム61の長手方向の一端側に片寄るように設けられている。
【0034】
また、図1に示すように、樋状フレーム61の底壁部611のうち他端側には、配線孔616が設けられている。配線孔616は、車輪ロック装置70への通電のための配線64を通すための孔である。さらに、樋状フレーム61の側壁部612のうち他端側(奥側)かつ下方側の部位には、孔部612aが設けられている。この孔部612aには、後述する台座部63の貫通孔633aを挿通したネジが固定される。なお、この孔部612aにおいても上述した挿通孔21a等と同様に、ネジ山が形成されていても良く、たとえばドリルビスのようなネジ山を形成することが可能なネジを捻じ込んで、台座部63を樋状フレーム61に対して固定するようにしても良い。
【0035】
また、図1に示すように、車輪ガイド62は、樋状フレーム61の長手方向の一端側に取り付けられ、本実施の形態では樋状フレーム61の長手方向の中途部分にまで到達している。この車輪ガイド62は、たとえば樹脂を材質として形成されていて、その側壁621からは、複数のリブ622が突出して設けられている。そして、このリブ622の存在により、車輪ガイド62の強度を向上させている。
【0036】
図4に示すように、リブ622には、底壁部611と側壁部612により囲まれる凹嵌部617に入り込む下方リブ部622aと、下方リブ部622aよりも上方に位置し、凹嵌部617から突出している上方リブ部622bとが設けられている。上方リブ部622bは、下方リブ部622aよりも幅広に設けられていて、側壁部612の曲げに対する強度を確保するように構成されている。また、図4に示すように、リブ622のうち、上方リブ部622bと下方リブ部622aとの境界部分には、上述したスリット615に入り込む、湾曲部622cが設けられている。すなわち、図4に示すように、樋状フレーム61にスリット615が存在せず、そのためリブ622に湾曲部622cが存在しないとする場合、車輪等から受ける外力で側壁部612が曲げられると、その曲げによって図4に示す変曲点A付近において応力集中が生じる。そして、この応力集中によって、リブ622が破損し、ひいては側壁部612が破損する等の事態が引き起こされかねない。しかしながら、図4に示すような湾曲部622cが存在する場合、応力が分散され、変曲点A付近のような応力集中が生じるのを防ぐことが可能となっている。
【0037】
また、図4に示すように、車輪ガイド62のうち、底壁620および側壁621で囲まれる部分は、車輪が位置して保持される車輪保持部623となっている。なお、この車輪保持部623は、後述するような幅の広い車輪(タイヤ)の挿入に対応する幅寸法を有するように構成されている。図5に示すように、車輪保持部623には、外れ防止部624が設けられている。外れ防止部624は、車輪保持部623の一端側の挿入口625から車輪保持部623に挿入された車輪が、再び挿入口625から出てしまうのを防止する部分である。この外れ防止部624は、挿入口625側から他端側(奥側)に向かうにつれて底壁620から起伏部分が隆起することによって形成されている。ここで、起伏部分の形状は、挿入口625側から奥側(他端側)に向かうと急激に高さが高くなるように設けられていて、その後なだらかに高さが低くなり、さらに奥側(他端側)では車輪ガイド62の他端側までの間で高さが変わらない平坦部分を有するように形成されている。
【0038】
ここで、図4に示すように、車輪保持部623の内部の外れ防止部624の凹凸形状により、車輪保持部623の内部には、幅広ガイド部626と幅狭ガイド部627とが存在している。幅広ガイド部626は、たとえばマウンテンバイク等の車輪等のような、幅の広い車輪(タイヤ)の保持に対応したものであり、側壁621から連なる外れ防止部624の上面側の湾曲形状によって構成されている。
【0039】
また、幅狭ガイド部627は、上記のマウンテンバイク等のような幅の広いものよりも車輪(タイヤ)の幅が狭いもの(たとえば一般的なシティサイクルやロードレーサのような幅狭の車輪(タイヤ))を保持するための部分である。この幅狭ガイド部627は、幅広ガイド部626よりも底壁620側に向かって窪む凹形状に形成されていて、幅広の車輪(タイヤ)が入り込むことができないように設けられている。そして、凹形状の幅狭ガイド部627に入り込んだ車輪(タイヤ)は、この幅狭ガイド部627の側壁に当接することにより、車輪(タイヤ)が車輪保持部623内で傾く角度を小さくするようにしている。なお、車輪(タイヤ)が傾く角度を小さくすることは、車輪ガイド62の側壁621に作用する荷重を小さくすることにつながる。
【0040】
また、図1に示すように、台座部63は、樋状フレーム61の底壁部611の下面側かつ他端側(奥側)に取り付けられている。この台座部63は、上方側が開放している有底の箱形状に設けられている。また、台座部63の一端側の側壁631には、配線孔632が設けられている。それにより、車輪ロック装置70への送電用の配線64を、この配線孔632を介して車輪ロック装置70側に向けて挿通させることを可能としている。
【0041】
また、台座部63のうち樋状フレーム61の側壁部612の外側に当接する側壁633には、貫通孔633aが設けられている。貫通孔633aは、側壁633のうち上方側に設けられていて、かつ上述の孔部612aに対応する位置に設けられている。そして、この貫通孔633aにネジを挿通させて、孔部612aにネジをねじ込むことにより、台座部63を樋状フレーム61に取り付けることを可能としている。
【0042】
また、図5に示すように、樋状フレーム61に台座部63が取り付けられ、かつ取付フレーム50を省略した取付状態においては、台座部63の底壁634の下面は、架台20の脚部22の下端部と、同一の高さ位置となるように設けられている。それにより、設置面に駐輪装置10を取り付ける場合において、台座部63は、駐輪装置10の取付状態の安定化に寄与するものとなっている。
【0043】
また、図1に示すように、車輪ロック装置70は、ハウジング71の内部から一対のロックアーム(図示省略)を出入可能としている。一対のロックアームは、ハウジング71の内部から互いに近接する向きに移動することを可能としていて、かかる移動により車輪をロックすることを可能としている。また、車輪ロック装置70は、車輪検出ペダル72を具備している。この車輪検出ペダル72に車輪が接触して当該車輪検出ペダル72が押下させられると、不図示の制御部に検出信号が送信される。それによって、制御部は、不図示のモータを駆動させ、そのモータの駆動によってハウジング71からロックアームが飛び出す。
【0044】
<駐輪装置10を設置する際の組み立て作業について>
以上のような構成の駐輪装置10を設置する際の組み立て作業について、以下に説明する。なお、以下に述べる組み立て作業は一例であり、その他の順序にて、駐輪装置10を組み立てるようにしても良い。たとえば先にラックユニット30を組み立て、その後に、固定用円盤40を介して架台20にラックユニット30を固定するようにしても良い。
【0045】
駐輪装置10を設置する場合、設置する位置および向きが定められたものとなるようにして、架台20を設置面に設置する。その後に、架台20に対して、固定用円盤40を取り付ける。ここで、本実施の形態では、挿通孔21aは、L/2のピッチでX方向における取付位置を調整可能としている。そのため、架台20の長手方向に沿って存在する複数の挿通孔21aの中から、固定用円盤40を取り付けるべき挿通孔21aを選択する。
【0046】
また、本実施の形態では、貫通孔42aは15度間隔で、固定用円盤40の取付角度を調整可能としている。そのため、ラックユニット30の取付角度を考慮して、固定用円盤40に存在する複数の貫通孔42aの中から、ネジを挿通させるべき貫通孔42aを選択する。そして、選択された挿通孔21aと、選択された貫通孔42aとの位置合わせを行い、それらの間でネジを挿通させてネジを捻じ込むことにより、架台20に対して固定用円盤40が固定される。
【0047】
この後に、取付フレーム50を用いる場合(高ラックユニットとなる場合)には、孔部41aに取付孔51aの位置合わせを行い、この位置合わせの後にネジを挿通させて、ネジを捻じ込む。それにより、取付フレーム50が固定用円盤40に対して固定される。続いて、樋状フレーム61の長手方向に沿って存在する複数の孔部611aの中から、ネジを挿通させるべきものを選択する。そして、選択された孔部611aと取付孔52aとの間で位置合わせを行い、それらの間でネジを挿通させてネジを捻じ込む。それにより、取付フレーム50に対して樋状フレーム61が固定され、このときラックユニット30は高ラックユニットとなる。
【0048】
また、取付フレーム50を用いない場合(低ラックユニットとなる場合)には、樋状フレーム61の長手方向に沿って存在する複数の孔部611aの中から、ネジを挿通させるべきものを選択する。そして、選択された孔部611aと孔部41aとの間で位置合わせを行い、それらの間でネジを挿通させてネジを捻じ込む。それにより、固定用円盤40に対して樋状フレーム61が固定され、このときラックユニット30は低ラックユニットとなる。
【0049】
この後に、リブ622をスリット615に挿通させて車輪ガイド62を樋状フレーム61に取り付け、車輪ロック装置70を樋状フレーム61に取り付け、さらに配線64を車輪ロック装置70に接続した後に、配線64を配線孔632に挿通させる状態で、台座部63を樋状フレーム61に取り付ける。それにより、駐輪装置10が完成する。
【0050】
ここで、上述の作業を行った後の、ガイドラック60(ラックユニット30)の取り付けの態様を図6に示す。図6における左側に示すガイドラック60(ラックユニット30)は、架台20の長手方向(X方向)に対して略45度をなすように取り付けられている。これに対して、図6における右側のガイドラック60(ラックユニット30)は、架台20の短手方向(Y方向)に沿うように取り付けられている。本実施の形態では、このような取付態様が可能となっている。
【0051】
加えて、本実施の形態においては、ガイドラック60(ラックユニット30)が架台20の短手方向(Y方向)の一端側に向かって突出するものと、ガイドラック60(ラックユニット30)が架台20の短手方向(Y方向)の他端側に向かって突出するものとが隣り合うような取付態様も可能となっている。
【0052】
<駐輪装置10での車輪の保持について>
以上のような駐輪装置10における、車輪の保持について以下に述べる。まず、車輪を挿入口625から車輪ガイド62の車輪保持部623に挿入する。このとき、車輪の幅により、車輪は幅広ガイド部626か、または幅狭ガイド部627のいずれかに位置する状態となる。また、車輪が車輪保持部623に挿入されると、外れ防止部624の凹凸形状により、一度挿入された車輪が再び挿入口625から出てしまうのが防止される。
【0053】
また、外れ防止部624の凸部を車輪の接地部分が乗り越えた後に、車輪の奥側の所定部位が車輪検出ペダル72を押下する。すると、不図示の制御部に検出信号が送信され、それにより制御部は、不図示のモータを駆動させ、そのモータの駆動によってハウジング71からロックアームが飛び出し、一対のロックアームの先端が車輪のリムよりも内径側に位置する。それにより、車輪がロックされる。なお、車輪のロックを解除する場合には、ロック解除のための所定の操作を行うことにより、不図示の制御部がモータを駆動させて、ロックアームがハウジング71に向けて退避させられる。それにより、車輪のロックが解除される。
【0054】
<効果>
以上のような構成の駐輪装置10によれば、固定用円盤40を取り付けるべき挿通孔21aを選択することによって、架台20に対し、その長手方向(X方向)における固定用円盤40の取付位置を調整することが可能となる。そのため、複数のラックユニット30(ガイドラック60)を固定用円盤40を介して取り付ける場合に、その取付ピッチを調整することが可能となる。
【0055】
加えて、本実施の形態の駐輪装置10によれば、選択された挿通孔21aに対して、さらに固定用円盤40の周方向において貫通孔42aを選択することによって、ラックユニット30(ガイドラック60)の取付角度を調整することが可能となる。そのため、たとえば架台20の長手方向に対してラックユニット30(ガイドラック60)を斜めに取り付けることも可能となり、その場合には、駐輪装置10を設置するスペースが狭い場合等においても、二輪車を駐輪させることが可能となる。
【0056】
このように、駐輪装置10を設置する場所に応じて、ガイドラック60の取付態様を適切なものとすることが可能となり、駐輪装置10を設置するスペースの有効活用を図ることが可能となる。すなわち、本発明によると、駐輪装置10が設置される駐輪スペースに応じて、臨機応変にガイドラック60の取付態様を変えることが可能となる。また、本発明によると、駐輪できる自転車等のような二輪車の台数を多くしつつも、それらのハンドル間の干渉を防ぐようなガイドラック60の取付態様を実現可能となる。
【0057】
ここで、従来の駐輪装置の構成を、図7に示す。図7に示すように、従来の駐輪装置においては、架台が2本存在しており、しかもガイドラック60の取付ピッチおよび取付角度は固定となっている。このため、駐輪装置が設置される駐輪スペースに応じた設置ができない状態となっている。加えて、架台が2本存在しているため、それらの取り付けにも手間取るものとなっている。特に、従来の駐輪装置においては、配線は奥側の架台の内部を通るように設けられているため、その設置に手間がかかるものとなっている。これに対して、本実施の形態の駐輪装置10では、上述のように駐輪装置10が設置される駐輪スペースに応じて、臨機応変にガイドラック60の取付態様を変えることが可能となっている。加えて、架台20が1本のみであり、配線64は架台20の内部を通す必要がないため、設置に要する作業を大幅に削減することが可能となっている。
【0058】
また、本実施の形態においては、樋状フレーム61の底壁部611には、当該樋状フレーム61の長手方向(Y方向)に沿って、複数の孔部611aが設けられている。そのため、取付孔52aまたは孔部41aへの固定のためにネジを挿通させるべき孔部611aを選択することにより、架台20の短手方向(Y方向)を始めとする、架台20の長手方向(X方向)と交差する向きにおいて、ガイドラック60の取付位置を適宜変更することが可能となる。
【0059】
なお、上述の孔部611aの選択により、たとえば、ガイドラック60の長手方向が、架台の短手方向(Y方向)に沿うように取り付けた場合においては、隣り合う二輪車の間において、架台の短手方向(二輪車の前後方向)における車輪の位置を短手方向(Y方向)に交互にずらして駐輪させることも可能となり、そのような駐輪を行える場合には、隣り合う二輪車の間で、ハンドル等の突出部位が互いに干渉するのを防ぐことが可能となる。すなわち、隣り合う二輪車の間の間隔が狭い場合であっても、ハンドル同士が干渉するのを防ぐような駐輪形態とすることが可能となり、駐輪装置10が設置されるスペースの有効活用を図ることが可能となる。
【0060】
さらに、本実施の形態では、取付フレーム50をガイドラック60と固定用円盤40との間に位置させない場合(低ラックユニットの場合)には、離間方向における台座部63の位置は架台20と同一に設けられる。そのため、駐輪装置10の設置の安定化を図ることが可能となる。すなわち、低ラックユニットの場合には、架台20が設置面に接触するのみならず、台座部63も設置面に接触する状態となるため、駐輪装置10の設置の安定化を図ることが可能となる。
【0061】
また、本実施の形態においては、高ラックユニットの場合と、低ラックユニットの場合とでは、ガイドラック60の設置面からの距離(高さ)は異なるものとなる。そのため、たとえば隣り合うガイドラック60の間で設置面からの距離を異なるものとすることが可能となり、その場合には、隣り合う二輪車同士の間の設置面からの距離が異なるため、ハンドル同士の干渉を防ぐことが可能となる。それにより、駐輪装置10が設置されるスペースの有効活用を図ることが可能となる。
【0062】
また、本実施の形態においては、複数の挿通孔21aからネジを挿通させるべき挿通孔21aを選択するだけで、ガイドラック60の取付ピッチの調整が可能となる。そのため、ガイドラック60の取付ピッチの調整が容易となる。加えて、複数の貫通孔42aからネジを挿通させるべき貫通孔42aを選択するだけで、ガイドラック60の取付角度の調整が可能となる。そのため、ガイドラック60の取付角度の調整が容易となる。
【0063】
<変形例について>
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、これら以外にも、種々変形可能となっている。以下、それについて説明する。
【0064】
上述の実施の形態においては、架台20に固定用円盤40が取り付けられ、この固定用円盤40を介して、ガイドラック60の取付ピッチおよび取付角度を調整可能としている。しかしながら、たとえば高ラックユニットを構成する場合においては、取付フレーム50を架台20に直接取り付けると共に、取付フレーム50とガイドラック60の間に固定用円盤40を位置させるようにしても良い。この場合であっても、架台20の挿通孔21aへの取り付けに対応するように、取付フレーム50の取付孔51aを形成しておくことにより、架台20に対する取付フレーム50の取付位置を調整することが可能となる。
【0065】
また、固定用円盤40が取付フレーム50に固定されるように、固定用円盤40の貫通孔42aと、取付フレーム50の取付孔52aとを形成しておくようにすれば、取付孔52aと共にネジを挿通させるべき貫通孔42aを選ぶだけで、ガイドラック60の取付角度を容易に調整することが可能となる。なお、さらなる変形例としては、樋状フレーム61の孔部611aへの取り付けに対応するように、固定用円盤40の貫通孔42aを形成すれば、孔部611aと共にネジを挿通させるべき貫通孔42aを選ぶだけで、ガイドラック60の取付角度を容易に調整することが可能となる。
【0066】
また、上述の実施の形態においては、挿通孔21aと貫通孔42aとを選択して、ネジによって固定する場合、それぞれ4つの挿通孔21aと貫通孔42aとが選択され、それらの挿通孔21aおよび貫通孔42aの孔の中心を結ぶと正方形が描かれる状態となっている。しかしながら、架台20に対する固定用円盤40の固定は、これに限られるものではなく、架台20に対する固定用円盤40の取付位置が適宜選択可能であり、かつ架台20に対して固定用円盤40の取付角度を変更可能な状態であれば、挿通孔21aと貫通孔42aの位置関係は特に問わない。その一例としては、挿通孔21aの中心をL/2のピッチでX方向に形成した場合において、挿通孔21aの中心のY方向における間隔をL・√3/2とし、さらに固定用円盤40の中心から貫通孔42aの中心までの距離をL・√3/3とするものがある。この場合には、3つの挿通孔21aと貫通孔42aとを選択し、選択された挿通孔21aおよび貫通孔42aの孔の中心を結ぶと正三角形が描かれる状態となる。
【0067】
また、上述の実施の形態においては、挿通孔21aおよび貫通孔42aにネジを挿通させ、このネジを捻じ込むことによって固定用円盤40を架台20に取付固定するように構成されている。しかしながら、架台20に対する固定用円盤40の取付固定は、これに限られるものではない。たとえば、架台20にレール状の溝部を形成し、固定用円盤40にはレール状の溝部に嵌まり込む突起状部分を設けるようにする。そして、固定用円盤40を架台20のレール状の溝部に沿ってスライドさせつつ、所望の位置において別途の係止部材にて架台20に対して固定用円盤40を固定させるようにしても良い。
【0068】
また、架台20に対する固定用円盤40の取付角度の調整も、上述のようなネジを挿通させるべき貫通孔42aの選択に限られるものではない。たとえば、フランジ部42に対してフレーム固定部41が回転可能となるように設け、このフレーム固定部41をフランジ部42に対して回転させた後に、ネジ等の締め付けによってフレーム固定部41の回転を阻止するようにして、架台20に対する固定用円盤40の取付角度を調整するように構成しても良い。
【0069】
また、上述の実施の形態では、駐輪装置10は、主に自転車の車輪を保持する場合について説明している。しかしながら、駐輪装置10は、自転車の車輪を保持する場合には限られず、有するものであれば、いかなるものであっても良い。他のものとしては、自動二輪車、原動機付き自転車、一輪車、車椅子等がある。
【符号の説明】
【0070】
10…駐輪装置
20…架台
21…固定部
21a…挿通孔(取付位置調整手段の一部、取付角度調整手段の一部の一例に対応)
22…脚部
30…ラックユニット
40…固定用円盤(固定部材の一例に対応)
41…フレーム固定部
41a…孔部
42…フランジ部
42a…貫通孔(取付位置調整手段の一部、取付角度調整手段の一部の一例に対応)
50…取付フレーム
51…下側フランジ部
51a…取付孔
52a…取付孔(前後位置調整手段の一部の一例に対応)
52…上側フランジ部
60…ガイドラック
61…樋状フレーム
62…車輪ガイド
63…台座部
70…車輪ロック装置
71…ハウジング
72…車輪検出ペダル
611…底壁部
611a…孔部(前後位置調整手段の一部の一例に対応)
612…側壁部
613…外延部
614…下延部
615…スリット
616…配線孔
617…凹嵌部
620,634…底壁
621,631,633…側壁
622…リブ
622c…湾曲部
623…車輪保持部
624…外れ防止部
625…挿入口
626…幅広ガイド部
627…幅狭ガイド部
632…配線孔
633a 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車の車輪を保持することにより、前記二輪車を駐輪させる駐輪装置であって、
設置面に設置され、長尺状をなす架台と、
前記架台に対して固定される固定部材と、
前記固定部材のうち前記架台から離間する側に取り付けられると共に前記車輪が挿入されて当該車輪を保持するガイドラックと、
前記架台に対して前記長手方向における前記固定部材の取り付け位置を調整する取付位置調整手段と、
前記架台に対する前記ガイドラックの前記設置面に平行な方向における取付角度を調整する取付角度調整手段と、
を具備し、
前記固定部材および前記ガイドラックは、前記架台の前記長手方向に沿って、複数取り付けることを可能としている、
ことを特徴とする駐輪装置。
【請求項2】
請求項1記載の駐輪装置であって、
前記架台に対し、当該架台と交差する方向であって前記ガイドラックの長手方向に沿う当該ガイドラックの取付位置を調整する前後位置調整手段を具備する、
ことを特徴とする駐輪装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の駐輪装置であって、
前記ガイドラックは、その長手方向が前記架台の長手方向に対して交差する向きに取り付けられると共に、
前記ガイドラックと前記固定部材との間には、取付フレームを位置させることが可能であり、当該取付フレームを前記ガイドラックと前記固定部材との間に位置させる場合には、それを位置させない場合と比較して、前記架台に対して前記設置面から離間する離間方向における前記ガイドラックの取付位置が変更され、
前記ガイドラックの長手方向の一端側には前記固定部材が位置すると共に、
前記ガイドラックの長手方向の他端側かつ前記架台と対向する部位には台座部が設けられ、
前記取付フレームを前記ガイドラックと前記固定部材との間に位置させない場合には、前記離間方向における前記台座部の位置は前記架台と同一に設けられる、
ことを特徴とする駐輪装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の駐輪装置であって、
前記固定部材は円盤状の固定用円盤であり、
前記架台には、当該架台の長手方向に沿って所定のピッチで挿通孔が設けられていて、
前記固定用円盤の外周側には、所定の角度毎に貫通孔が設けられていて、
前記取付位置調整手段は、前記挿通孔と、前記貫通孔と、前記架台の長手方向における複数の前記挿通孔の中から選択された前記挿通孔と前記貫通孔との間に挿通させる挿通部材とによって構成され、
前記取付角度調整手段は、前記挿通孔と、前記貫通孔と、前記固定用円盤の周方向における複数の前記貫通孔の中から選択された前記貫通孔と前記挿通孔との間に挿通させる前記挿通部材とによって構成される、
ことを特徴とする駐輪装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−171370(P2012−171370A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31977(P2011−31977)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(503253079)株式会社サニカ (20)