説明

騒音防止及び/又は摩擦軽減特性を有する水性分散塗料組成物

ゴム及びポリマー基材用の水性分散塗料はポリシロキサンと硬化性ポリウレタンのブレンド及び様々な添加剤、例えばウレタン架橋剤、耐熱性フィラー等々を含有する。水性分散塗料は、塗布された基材が物体に接触し又は移動する際の異音を低減し、物体との初期静摩擦係数を長期にわたって維持する。所望される最終用途は、ドア、トランク、及び他の収容部のための車両用ウェザーストリップ上の塗膜としての用途である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ウェザーストリップ等のゴム又はポリマー基材の塗料として塗布した場合に物体との接触時の基材の騒音(異音、ノイズ)量を低減し、また物体との初期静摩擦係数を長期にわたって維持する、有機溶剤を実質的に含まない水性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ウェザーストリップは、風、雨、雪、霙等の外的要因に対する障壁を提供するが、車両の内部の騒音レベルを一般には消さず、それに寄与することさえあった。よって、車両はしばしば40dBAを軽く越える内部騒音レベルを有していた。
自動車用ウェザーストリップのような車両用ウェザーストリップには、数年間、最初は溶剤担持ウレタン系、より最近は水性ウレタン系が塗布されている。かかる塗膜は、様々な自動車性能試験(相手先ブランド製造(OEM)に応じて変動)に合格しなければならないが、一般に望ましくない騒音レベルを有している。更に、ウェザーストリップの表面に移動し最終的には除去され摩擦係数を増大させるワックス又はシリコーンのような様々なフィラーを含んでいるので、低摩擦係数(COF)の保持は一般にはできない。
【0003】
特開昭61−155432号公報要約は、塗料組成物の主要成分として硬化性ポリウレタン、硬化性シリコーン及び接着付与剤を使用することにより、物体、特に非極性ゴムのような高分子弾性体の表面に塗布した場合に、その弾性体の接着性、潤滑性、撥水性、凍結抵抗性、耐摩耗性等を改善するとされる塗料組成物の取得に関する。
特開昭61−155431号公報要約は、塗料組成物の主要成分として硬化性ポリウレタン、ポリオルガノシロキサン及び接着付与剤を使用することにより、EPTゴムのような非極性高分子弾性体の表面に塗布した場合に、その接着性、潤滑性、撥水性、耐摩耗性、凍結抵抗性等を改善することができるとされる塗料組成物の取得に関する。
特開昭61−138636号公報要約は、多価イソシアナートとポリオールからなる硬化性ポリウレタンと硬化性シリコーンを塗膜形成成分として含み、一塗布処理によって堅牢な接着をもたらし、優れた滑り性、撥水性、防音特性及び耐摩耗性を有するとされる表面を形成する組成物の提供に関する。
【0004】
特開昭58−071233号公報要約は、ポリウレタン塗料材料を特定の配合で用いたポリマーを含む表面処理剤を使用して被覆定着膜を形成することにより、摩擦音を防止し、滑動抵抗及び摩耗を改善するものである。
米国特許第6742784号は自走車両用のウェザーストリップ又はグラスランに関する。ウェザーストリップはエラストマーから形成された本体を有する。ウェザーストリップ以外の部分が摺動可能に接触しうる摺動可能な接触部は、本体に固定して形成され、親水性と吸水性の少なくとも一を有する材料を含んでいる。摺動可能な接触部は、本体と一体で一部品構造を形成していてもよく、摺動可能な接触部はエラストマーから形成され、本体のエラストマーと摺動可能な接触部が親水性と吸水性の少なくとも一つを有する材料を含んでいる。
【発明の開示】
【0005】
ゴム又はポリマーの塗料としての水性分散組成物は、約50重量%から約85重量%の量で少なくとも一種のポリシロキサン自体と、上記ポリシロキサンの全てと上記ポリウレタンポリマーの全ての全重量に対して約15重量%から約50重量%の量で脂肪族ジイソシアナートから誘導された少なくとも一種の熱硬化性ポリウレタンを含むポリマーブレンドを含む。高い耐熱性高分子量ポリオレフィンポリマーのような様々なフィラーが、少なくとも一種のポリシロキサン及び少なくとも一種の熱硬化性ポリウレタンのようなポリマー固形物の全重量に対して、約5から約35重量部の量で導入される。様々なポリアミド、シリカ、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーンゴム粉末及びセラミックスフィアのような他のフィラーは一般にドライノイズ値を減少させるがウェットノイズ値は一般には減少させない。得られる分散塗料は実質的に有機溶剤を含有せず、EPDMウェザーストリップのようなポリマー又はゴム基材への塗布時に約38dBA未満まで車両の内部ノイズレベルを低下させる。塗料はまた、典型的な塗布ウェザーストリップと異なり経時的に増大しない低摩擦表面をもたらす。
【0006】
本発明の物理的水性分散塗料組成物は、好ましくは式:

(上式中、R及びRは独立して、メチル基と共に1から約4の炭素原子を有するアルキルである)を有する少なくとも一の繰り返し単位を有する水性分散体の形態の、少なくとも一種のポリシロキサンを含んでいる。従って、(ポリジメチルシロキサン)が好ましいポリシロキサンである。一又は複数種のポリシロキサンが耐摩耗性を付与し、塗料が基材に塗布され硬化したときに摩擦係数値を減じる。適切な数平均分子量は一般に約100000から約500000、望ましくは約200000から約400000の範囲である。かかるポリシロキサンは当該分野でまた文献から知られ、市販されており、一般に約20重量%から約50重量%、望ましくは約25重量%から約40重量%の固形含量を有している。
【0007】
本発明のポリシロキサンはアミン末端基を実質的に含んでいない。つまり、全てのポリシロキサンポリマーの合計重量の一般に約10重量%未満、望ましくは約5重量%未満、好ましくは約2重量%又は約1重量%未満がその上にアミン基を有している。ポリシロキサンポリマーはその上にアミン末端基を有していないのが最も好ましい。一又は複数種のポリシロキサン全てと一又は複数種のポリウレタン自体の全ての全重量に対して、少なくとも一種のポリシロキサン自体の全量、つまり全ポリマー自体(100%固形物で水含まず)、つまり全ポリウレタンポリマー(100%固形物で水を含まず)は、一般に約50重量%又は約53重量%から約85重量%、望ましくは約55重量%から約80重量%、好ましくは約60重量%から約75重量%である。
【0008】
好ましくは水性分散体の形態の様々な一又は複数種のポリウレタンは、風、雨、霙、及び雪等の気候要因に対する構造一体性及び耐久性、並びに極度の低温及び高温に対する耐久性をもたらす。かかるポリウレタンは市販されており、一又は複数種のポリイソシアナートと一又は複数種のヒドロキシル末端中間体、例えばポリカーボネート中間体、ポリエステル中間体、又はポリエーテル中間体、又はそれらの組合せから誘導され、ポリカーボネート中間体が好ましい。
【0009】
二量体ジオールカーボネートとも呼ばれるポリカーボネートは、当該分野においてまた文献から知られており、カーボネート基、つまり

によって互いに結合しており、約1から約20の炭素原子を有する一又は複数種の炭化水素基を含んでおり、ビスフェノールAが非常に一般的で望ましい基である。望ましくは、ポリカーボネートは、ビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、3,3-ビス(パラ-ヒドロキシフェニル)フタリド、又はビスヒドロキシフェニルフルオレンのような一又は複数種の芳香族ジオールから調製される。ポリカーボネートは、界面、溶液又は溶融プロセスのような幾つかの既知の方法の何れかによって原料から調製することができる。よく知られているように、適切な連鎖停止剤及び/又は分岐剤を用いて、所望の分子量と分岐度を得ることができる。ポリカーボネートは、ポリカーボネートコポリマー又はヘテロポリマーがホモポリマーよりも望ましい場合には、二種以上の異なった芳香族ジオール、又は芳香族ジオールとグリコール、又はヒドロキシル末端又は酸末端ポリエステル、又は二塩基酸から誘導することができる。
【0010】
ポリエーテル中間体は当該分野においてまた文献からよく知られており、一般に繰り返し単位-R-O-を有しており、ここで、Rは1から6の炭素原子を有するアルキレン基であり、2又は3の炭素原子、つまりエチレン又はプロピレンが好ましい。水担持ポリウレタン分散体の例及びその調製方法は当該分野においてまた文献から知られており、同じものが、出典明示によりここに完全に援用される米国特許第5312865号;同第5555686号;同第5696291号;同第4876302号;及び同第4567228号に記載されている。一般に、親水性ポリエーテルウレタンは、少なくとも二、好ましくは三のヒドロキシル基、2000から約20000、望ましくは約2000から約5000、好ましくは約4000から約5000の範囲の数平均分子量を有し、1:1から4:1のランダムエチレンオキシドをエチレンオキシド:より高次のアルキレンオキシドのモル比で有するポリエーテルポリオールを調製することができる。アルキレンオキシドは、プロピレンオキシド(PO)、ブチレンオキシド、ペンチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、トリメチレンオキシド、テトラメチレンオキシド、及びその混合物から選択することができる。親水性ポリオールは好ましくは例えば約50%から約70%のEOと約30%から約50%のPOを含むポリオキシエチレン--プロピレンポリオールである。特に好ましいポリエーテルトリオールはおよそ68%のEOとおよそ32%のPOを含むものである。得られたポリオールの親水性が顕著に悪影響を受けない限り、親水性ポリオールの調製に別のEO:PO比を使用することができる。
【0011】
様々なヒドロキシル末端ポリエステルは、式:

の連鎖を含み、一般に、約2から約10又は約20の炭素原子を有するジカルボン酸又はその無水物と、約2から約20の炭素原子(約2から約6又は約8の炭素原子が好ましい)を有するジオールとの反応によって作製される。ジカルボン酸及びその無水物の例には、マレイン酸、無水マレイン酸、コハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クロレンド酸、1,2,4-ブタン-トリカルボン酸、フタル酸、フタル酸異性体、無水フタル酸、フマル酸、二量体脂肪酸、例えばオレイン酸等、及びその混合物が含まれる。ジオールの例には、様々なアルキレングリコール、例えばエチレングリコール、1,2-及び1,3-プロピレングリコール、1,2-、1,3-、1,4-、及び2,3-ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、及び他のグリコール、例えばビスフェノール-A、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール(1,4-ビス-ヒドロキシメチルシクロヘキサン)、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、カプロラクトンジオール、ダイマー酸ジオール、ヒドロキシル化ビスフェノール、ハロゲン化ジオール等、及びその混合物が含まれる。好ましいジオールには一般にエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及びヘキサンジオールが含まれる。
【0012】
本発明のヒドロキシル末端ポリウレタン中間体は、ポリウレタンの水中への分散性を改善するために他の親水性基をまた含み得る。かかる親水性基は一般に骨格鎖にペンダントした状態であり、ヒドロキシル基、カルボキシル基等を含み、架橋することができ、ウレタンの硬化を生じる。ヒドロキシル基の例はよく知られており、出典明示により完全にここに援用されるポリエステル中間体の形成に関して上述したグリコールが含まれる。カルボキシル基の例はまた当該分野でまた文献において知られており、一般式(HO)xQ(COOH)yを有するヒドロキシ-カルボン酸を含み、ここでQは1から12の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状炭化水素基、x及びyは独立して1から3である。かかるヒドロキシ-カルボン酸の例には、限定されるものではないが、クエン酸、ジメチロールプロパン酸(DMPA)、ジメチロールブタン酸(DMBA)、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、ジヒドロキシリンゴ酸、ジヒドロキシ酒石酸等、及びその混合物が含まれる。
【0013】
一又は複数種のヒドロキシル末端中間体と反応させられる様々なイソシアナートは、好ましくはポリウレタンに良好な耐候性を付与する脂環式ジイソシアナートである。4から約20の炭素原子を有するかかる適切なジイソシアナートの例には、4,4'-ジイソシアン酸ジシクロヘキシルメタン(H12MDI)、3,5,5-トリメチル-1-イソシアナト-3-イソシアナトメチルシクロヘキサン(ジイソシアン酸イソホロン)又はIPDI、イソシアン酸テトラメチレン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソシアン酸ヘキサメチレン(HDI)、及びジイソシアン酸ドデカメチレンが含まれる。勿論、トリ又はテトライソシアナートが利用される場合は、ポリウレタンの架橋を生じる。
【0014】
本発明に使用されるポリウレタンの形成は、その調製方法と共に、当該分野においてまた文献でよく知られており、また市販されている。よって、反応は、通常はメチルエチルケトン、又はn-メチルピロリドン等の有機溶剤中で実施される。中和剤が望ましくは加えられ、ポリウレタンを更に水適合性にする。中和剤には、アミン、例えばN-メチルモルホリン、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、モルホリンジメチルイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等、及びその混合物が含まれる。鎖延長が通常は望ましく、様々なジオールが使用できるが、合計約2から約20炭素原子を有するジアミンが望ましい。例には、エチレンジアミン、1,6-ジアミノヘキサン、ピペラジン、トリス(2-アミノエチル)アミン及びアミン末端ポリエーテル、及びその混合物等が含まれる。水は一般に中和後に加えられる。ついで、有機溶剤は、蒸発、抽出技術の使用等のような様々な既知の技術によって除去することができ、その結果、高分子量の水性ポリウレタンが得られる。
【0015】
本発明のポリウレタンの数平均分子量は一般には約50000から約500000の範囲であり、約150000から約400000が好ましい。水中のウレタン固形物の量は一般には約20重量%から約50重量%、望ましくは約25重量%から約40重量%である。ポリカーボネート系ポリウレタンが好ましい。
本発明の水性分散組成物に使用される一又は複数種のポリウレタン自体、つまり全ポリマー(100%固形物で水なし)の量は、ポリマーの全ての全重量に対して、つまり一又は複数種のポリシロキサン固形物及び一又は複数種のポリウレタンの全重量に対して、一般には約15%から約50重量%、好ましくは約20%から約45重量%、好ましくは約25%から約40重量%である。
【0016】
様々な添加剤が何らかの有機溶媒を含みうるが、任意の一又は複数種の溶媒の全量は低く、つまり、その中の様々な添加剤を含んだ水性分散組成物の全重量に対して約7重量%未満、望ましくは約5重量%未満、好ましくは約2重量%未満である。よって、本発明の水性分散組成物は環境に優しくしかもゴム又はポリマー基材に塗布した場合には低騒音、低摩擦係数である。
【0017】
本発明のポリウレタンは、水性分散組成物が基材に塗布された後に架橋されてもよい。架橋又は硬化とは、個々のポリウレタン鎖が少なくとも一つ、好ましくは少なくとも二つの他の異なるポリウレタン鎖にその末端以外の点で化学的に結合していることを意味する。本発明の好ましい架橋機構は、ポリウレタンの一又は複数のペンダントカルボン酸基を通してなされる。適切な架橋剤には、当該分野においてまた文献で知られている様々なカルボジイミドが含まれる。あるいは、トリメチロールプロパン-トリス-(B-(N-アジリジニル)プロピオナート)、及びペンタエルスリトール-トリス-(B-(N-アジリジニル)プロピオナート)のような様々なアジリジンを使用することができる。カルボジイミド及びポリアジリジン架橋剤が望ましく、約50℃から約200℃、望ましくは約80℃から約190℃の温度で、約2から約30分のような比較的短い時間で硬化する。当然ながら、架橋反応は、水性分散組成物が最終基材に塗布されるまで行ってはならない。架橋剤の量は、ポリシロキサン-ポリウレタン分散組成物の全重量に対して、一般的には約0.5重量%から約10重量%、望ましくは約1重量%から約5重量%の範囲である。
【0018】
本発明の重要な側面は、一又は複数種のポリオレフィン、好ましくはポリエチレン、例えば粉末結晶性高温耐性ポリエチレンの使用であり、それらは自動車用ウェザーストリップのような車両シールに塗布したときにドライノイズレベル及びウェットノイズレベル双方を低下させるためである。かかるポリエチレンは市販されており、よって当該分野においてまた文献によって知られている。上記ポリエチレンのようなポリオレフィンの量は、水と溶媒を含まない一又は複数種のポリシロキサン自体及び一又は複数種のポリウレタン自体の100重量部に対して一般的に約5又は約8から約35重量部、望ましくは約10又は約15から約25又は約30重量部の範囲である。好ましいポリエチレンの重量平均分子量は一般には非常に高く、約200万から約500万、望ましくは約300万から約400万の範囲であり、よって超高分子量ポリエチレンとして分類することができる。ポリエチレン粉末のサイズは、平均粒子直径が約20から約50ミクロンと変化しうる。
【0019】
様々な添加剤、例えばフィラー、セラミックスフィア、光沢調整剤、顔料、レオロジー改変剤、湿潤剤等を使用して、水性分散組成物及び/又はその硬化塗膜に様々な性質を付与することができる。
フィラーはコストを低下させ、しばしばCOF及びノイズ(騒音)を低下させるために使用される。望ましくは、フィラーは、様々なポリマー、例えばナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィン、及びシリコーンゴム粉末である。これらのフィラーは本発明の乾燥水性分散塗料の摩擦係数を低減させるのに役立つ。しかしながら、ノイズ低減に関しては、それらは一般的にドライノイズ特性に関して改善された結果を示すのみである。
【0020】
ハロゲン化ポリマーは、一般には、ウェットでもドライでも、ノイズレベルを減少させないことが分かっており、通常は費用が嵩むので、避けられる。かかるポリマーには、ポリ塩化ビニル、及び様々なフルオロカーボンポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、及びポリクロロトリフルオロエチレンが含まれる。利用される場合には、その量は少なく、例えば、一又は複数種のポリシロキサン自体と一又は複数種のポリウレタン自体の全100重量部に対して、一般には約10重量部未満、望ましくは約5重量部未満、好ましくは2又は1重量部未満、好ましくはゼロ、つまり0重量部である。
【0021】
避けられる化合物の他のクラスは様々な接着付与剤であり、それらは低摩擦係数値を破壊し、粘着性があり、金属、プラスチック等について速やかな放出性をもたらさず、ちりやほこりを付着させるためである。避けられる接着付与剤の例には、様々な芳香族及び脂肪族炭化水素樹脂、様々なロジン、例えばトールオイルロジン及びロジンのエステル、パインタール、様々なフェノール樹脂、様々なアルキルフェノールホルムアルデヒド等が含まれる。使用されるその量は非常に少なく、一又は複数種のポリシロキサン自体と一又は複数種のポリウレタン自体の全100重量部に対して、一般には約10重量部未満又は約5重量部未満、望ましくは約2重量部未満、好ましくは約1重量部未満、又はゼロ、つまり0重量部である。
【0022】
フィラーの他のクラスには、一般には増量剤として使用されるセラミックスフィアが含まれ、同じものが当該分野においてまた文献で知られている。適切なスフィアには約1から約12ミクロンの平均直径を有するセラミックビーズが含まれる。その量は上記一又は複数種のポリシロキサン自体と上記一又は複数種のポリウレタン自体の全100重量部に対して、一般には約10又は約20から約35又は約40重量部である。
一又は複数種のポリシロキサン自体と一又は複数種のポリウレタン自体の全100重量部に対して約2又は約4重量部から約7又は約9重量部の量の様々な光沢調整剤を、硬化した塗膜の光沢を低下させるために利用することができる。例えば様々な合成ワックス被覆シリカのような、適切な光沢調整剤は当該分野においてまた文献で知られている。
【0023】
塗布された塗膜が一般にポリマー基材の色に合致しうるように様々な顔料を使用することがしばしば望ましい。ウェザーストリップシールはしばしば黒であるので、様々な黒色顔料分散体を利用することができ、その大半は当該分野においてまた文献で知られている様々なカーボンブラックである。そのような顔料の量は、一又は複数種のポリシロキサン自体と一又は複数種のポリウレタン自体の全100重量部に対して約0.1から約5.0重量部のように変化しうる。
基材に塗布したときに水性分散塗料組成物が落ち、たまり、垂れ又は流れないように維持し、またポリマー粒子を水中に分散させたままに保つために、レオロジー調整剤又は増粘剤がしばしば利用される。無数のタイプの市販増粘剤を、一又は複数種のポリシロキサン自体と一又は複数種のポリウレタン自体の全100重量部に対して約0.5又は1.5から約2.5又は約3重量部の量で使用することができる。
【0024】
レオロジー添加剤にはまた数多くの湿潤剤が含まれ、フッ素化アニオン性界面活性剤が一般的に望ましい。水性分散塗料組成物の特定の製剤に応じて、量は、一又は複数種のポリシロキサン自体と一又は複数種のポリウレタン自体の全100重量部に対して、約0.05から約0.5重量部のように大きく変化しうる。
本発明の水性分散組成物は、ポリシロキサン水性分散体とポリウレタン水性分散体を一緒に加えて混合することによって作製される。いで、光沢調整剤を加えて、剪断下でブレンドすることができる。ついで、残りの成分を、別個に又は全部一緒にして添加し、混合し、必要となるまで保存できる。基材への塗布前に、例えば浸漬法又はブラシ塗りのような任意の一般的な形で(スプレー法が好ましい)、架橋剤を場合によっては水性分散塗料の全重量に対して約1重量%から約5重量%の量で添加される。
【0025】
基材は、低摩擦係数皮膜が塗布される任意のゴム又はポリマーであり、及び/又は物体との接触時に、例えば一般には約42dBA以下、望ましくは約40dBA以下、好ましくは約39dBA以下、より好ましくは36dBA以下の、低レベルのノイズを発することが望ましい最終用途を有する基材である。ウェット及びドライ双方の条件について、良好な低ノイズ値を得る本発明に加えて、重要な側面は、良好な安定性値が得られることである。つまり、本発明の製剤がウェザーストリップ基材に塗布された場合、経時的な摩擦係数は増加するのではなく、驚いたことにまた意外にも低減する。ASTM試験法D−1894−95での本発明の組成物の初期静摩擦係数値は一般に非常に低く、例えば約0.40以下、望ましくは約0.35以下、好ましくは0.32以下である。このような値は実際には時間と共に減少し、本発明の重要な側面は、エージング時に本発明の組成物が、12週間後、16週間後、20週間後、28週間後、更には40週間後に、初期値よりも低い低静摩擦係数を有することである。これは、これまでは先行技術の塗料は必ず増加していたので、非常に独特のものである。同様に、動摩擦係数値は時間と共に落ち、初期値に上昇するまで、ASTM試験法D−1894−95で数ヶ月かかった。よって、静試験、動試験共に、摩擦係数値は時間と共に安定化されるが、従来の塗膜では、経時的な増加が常に一般的に得られることを示している。様々な基材はその全表面に完全に塗布され得るが、一般的には塗装された金属又はプラスチックに接触し、及び/又は低摩擦係数での係合を必要とする表面に部分的にのみ塗布される。基材には様々なゴム、つまりエラストマー、例えば限定するものではないが、天然ゴム、ブタジエン、イソプレン、ブタジエン及びスチレンから誘導されたもの、並びにエチレン-プロピレン-ジエンゴムが含まれる。ポリマー基材には、限定するものではないが、様々なアクリル、様々なビニル又はビニリデンポリマー、例えばポリ塩化ビニル及びポリスチレン、様々なタイプのポリアミド、様々なタイプのポリエステル、様々なタイプのポリウレタン、様々なタイプのポリオレフィン、様々なタイプの熱可塑性オレフィン、及び様々なタイプの熱可塑性エラストマー又は加硫物、熱可塑性ポリウレタンが含まれる。組成物の好ましい最終用途は、金属又はプラスチックの物体又は部品に対するその振動によって一般的に生じる騒音を減少させるために車両用ウェザーストリップに塗布することである。車両には様々なタイプのトラック、例えば小型トラック、バン、スポーツ用多目的車、自動車等が含まれる。ウェザーストリップには車両に使用される任意のウェザーストリップ、特にドア、窓、フード、トランクリッドのシールに使用されるウェザーストリップが含まれる。
【0026】
図面において、一般的にEPDMから形成されたウェザーストリップ10は、ドアのフランジのような車両部分に固定される本体締結部12を含む。EPDMスポンジバルブ16はドアフレームのような車両の本体部に係合又は接触しウェザーシールをつくり出す。本発明の水性塗料組成物18は、車両の本体に接触するスポンジバルブ16に塗布される。
本発明は、本発明を例証するもので限定するものではない次の実施例を参照してよく理解されるであろう。
【実施例】
【0027】
本発明の水性分散塗料は、水系組成物であり、溶剤は存在しても非常に少量を含んでいるだけなので、環境にやさしい。それらは、車両にウェザーストリップとして使用した場合に低摩擦係数値と低ノイズ値を示す。
被覆したゴム製ウェザーストリップをゼネラルモーター試験法、つまりGM9842P Rev.Aに従って試験した。試験の説明は次の通りである:
【0028】
GM技術規格,試験方法,GM9842P,RevA.
1.範囲
この説明書は動的接触状態にある2つの類似又は非類似の材料の音響出力を評価し、ランク付けする試験を記述する。
注意:説明書中の如何なるものも、特別な例外が認められない限り、適用される法律と規則に取って代わるものではない。
注意:英語と母国語の間に矛盾がある場合は、英語が優先する。
【0029】
2.参照
注意:特段の特定がない限り、最新の承認された規格だけが適用可能である。
2.1 基準
適用なし
2.2 GM
GM9840P GM9842P
【0030】
3.試験装置
3.1 遮音
室内雰囲気の音圧を最大30dB(A)レベルまで減少させることができる半無響室(固定機器で操作される振動系)。また、該半無響室では、特定された温度と湿度の限界まで空調を行うことができる(セクション5.1)。
3.2 振動系
正弦及びランダム仕様を可能にする振動系(セクション5.3)。選択される振動系は通常は電気力学的なタイプのものであるが、試験される部品の音響測定の干渉を最小限にするように低ノイズ発生が可能な他のタイプを含みうる。
3.3 測定系
加重安定平均音響圧レベル(SPL)及び20Hzから20kHz周波数範囲にわたる1/3オクターブ帯域周波数ドメインチャートを生じる較正ANSI1型マイク及び音響データ獲得システム(SDAS)。該システムは、後日の音声再生のために試験中の部品の音響出力をデジタルファイルに記録する機能を更に提供するものでなければならない。
3.4 固定機器
固定システムは車両部品に材料を密接させ、屈曲させ、取付けることを可能にしなければならない。
【0031】
4.試験材料
4.1 試験被検査物
3種の被検査物が試験されなければならない。被検査物は、部品の使用に適切で互いに許容可能な150mm長のゴム、プラスチック又は基材の個々の切片又は切断部である。接触する表面は、可能な場合は、実際の使用状態の形状及び表面を近似し、被検査物のありうるずれ又は干渉力に順応させる。
【0032】
5 試験方法
5.1 規格試験条件
別段の指定が無い限り、規格試験環境は21±1℃及び75±5%相対湿度とする。別段の指定が無い限り、規格試験表面はDuPont・RK8010A・Clearcoatとする。圧縮高さは部品提供時に特定されなければならず、部品図面上の名目値から導かれなければならない。
5.2 較正及び雰囲気ノイズの記録
測定に先立ち、マイクと音響データ獲得システムは、NISTトレース可能1kHz音質修正器を用いて調整されなければならない。94dBの振幅及び104dBの振幅の調整音質ポイントを使用する。これらの結果は報告書に記入されなければならない。マイクを150mmの試験界面長に調節する。この距離はこれらの試験期間の間一定のままとし、試験報告書で文書化されなければならない。試験サンプルの接触に先立ち、特定された正弦又はランダム振動特性を用いて振動システムを作動させ、雰囲気ノイズを10秒間記録する。この値は30dB(A)を越えてはならず、報告書で文書化されなければならない。これは各試験時間の前又は振動パラメータが変更される場合に、実施されなければならない。雰囲気ノイズスペクトルは報告書の一部となる。
5.3 振動特性
次の表(表1及び2)はサンプル試験に対する正弦及びランダム振動特性を特定する。


5.4 サンプルの準備
全ての表面を清浄にし、汚れや油を除去する。全ての試験サンプル又は部品を水で清浄にし、ついで雰囲気温度で12時間乾燥させる。ガラス、塗料又は金属面は、別に合意がない限り、試験前にイソプロピルアルコールで清浄にする。
5.5 ドライ界面試験
音響解析システム及び振動機構を作動し、デジタル周波数ドメインファイルとして10秒間出力を記録する。最小3通りの読みのために2回繰り返す。読み取りの間の間隔は2分とする。読み取りは、振動開始時、開始から2分、開始から4分でなされる。ノイズデータが不安定である場合は、試験期間を延長できる。全部で3つの部品サンプルに対して繰り返し、各サンプルに対して3回測定する。
5.6 ウェット界面試験
ピペットを用いて、界面に2±0.25mLの蒸留水を添加する。セクション5.5に記載されたようにして出力を記録する。
(オプション)長期間耐久性試験
場合によっては、試験サンプルは、長期間の音響特性を評価するために拡大サイクル数又は期間の間、ドライ界面形態で振動させることが可能である。
【0033】
6 評価及び評点付け
6.1
結果は、3回(初期、2分、4分)の安定したdB(A)(20マイクロパスカルベースに対する)での平均振幅読み値の平均からの計算値として報告する。
6.2
GM9842Pの試験は、3つの提出されたウェザーストリップ被検査物の各一に対する12回(4回のランダム-ドライ、4回のランダム-ウェット、4回の正弦-ドライ、4回の正弦-ウェット)の値の合計となる。

6.3
40dB(A)より大きい値は許容できないと考えられる。
7 レポート
次の情報が報告されなければならない:試験ラボは周波数スパンに渡って1/3オクターブの最小分解能を持つ周波数ドメインスペクトルを提供しなければならない。終了レポートは雰囲気ノイズ測定、温度及び相対湿度条件、及びNIST較正証明書の写しを更に文書化する。カウンター表面、振動周波数、ストローク長、屈曲度合い又は正常な力の負荷、試験期間、サンプルと接触する表面(乾燥、湿っている等)間の界面の状態が報告されなければならない。
【0034】
8 承認されたソース
承認されたソースの技術資格がこの説明に必要とされる。この説明書番号が付されたGM法人マテリアルファイルに列挙されたソースのみ、この説明書の要件に合致するものとして技術的に資格が付与される。ソースはオンラインのMATSPCシステムを通じて入手できる。
9 安全
この方法は危険な材料、操作、装置を含む場合がある。この方法はその使用に伴う全ての安全性の問題に対処することを提案してはいない。適切な安全及び健康習慣を確立し使用前の規制上の制限の適用性を決定するのは、この方法の使用者の責任である。
9 記号化体系
この試験手法は他の文献、図面、VTS、CTS等々において「GM9842Pの試験」と呼ばれる。
【0035】
10 リリース及び改訂
10.1 リリース
この標準はCustom Acoustic Research and Environmental Screening Test Laboratories(ESTL)の協力で開発された。
標準は1997年12月にウェザーストリップ専門家チームによって最初につくられ、1998年9月に最初に刊行された。
10.2 改訂

【0036】
実施例A
製剤Aは、EPDMウェザーストリップ基材に塗布したときに低ウェット及びドライノイズレベルをつくり出す本発明の水性分散塗料に関する。全ての実施例において利用したウェザーストリップは、図面に示したような典型的なEPDM組成物を含む典型的な彫刻スポンジバルブ主要ドアシールとして記載されている。

ポリウレタン分散体及びポリシロキサン又はシリコーン樹脂分散体を容器に加え、およそ1/2重量の湿潤剤と共におよそ15分間、混合した。シリカ光沢調整剤をついで加え、空圧式Hochmeyerブレードを使用しておよそ15分間中程度の剪断下で混合した。ついで、残りの成分を任意の順で加え、混合しながら配合した。様々な成分を全て添加したところで、混合物を更におよそ20分間、混合した後、濾過し、保存のためにパッケージ化した。使用前に、およそ3重量%のカルボジイミド架橋剤を混合しながら加えた。架橋剤をまた次の実施例の全てにおいて利用した。ついで、混合した塗料組成物をTurboスプレー又はHVLPスプレーガンを使用してEPDM基材に塗布した。典型的な塗布粘度はZahn#3カップで20から約50秒の範囲であった。塗料組成物の全固形含量は一般に約30重量%から約35重量%であり、乾燥塗料又は膜厚は約0.2から約0.6milであった。
【0037】
ついで、塗布された基材をGM試験法GM9842P,Rev Aによって試験した。表1にまとめた次のデータが得られた。

上記データから明らかなように、良好な低dBA値がランダムウェット及びドライ試験で得られ、非常に良好なデータがウェット及びドライ正弦試験で得られた。
【0038】
実施例B、C、D、及びE
本発明の更なる水性分散塗料の製剤を次のようにまとめる:

製剤BからEを、実施例Aについて記載したようにして調製し、同じタイプのウェザーストリップ基材で同じGM試験法で試験した。

上から明らかなように、非常に良好な低dBA読み値が、ウェット及びドライ正弦試験並びにウェット及びドライランダム試験に関して得られた。
表1及び表2について比較すると、表3は、上記の同じGM試験法及びEPDMウェザーストリップ基材を利用して得たデータを示す。ロードコーポレーションの製品#1、#2、及び#3を対照品として利用し、ノイズレベルについて試験した。

表3から明らかなように、ランダムウェット並びにウェット正弦試験の双方に関して非常に高いdBA値が得られた。相対して、製剤AからEについて上述したデータは意外にも低い値を達成しか達成しておらず、これは、ある場合には50%以上低かった。
【0039】
実施例F及びG
製剤F及びGは、一般に異なったポリシロキサンを製剤F並びに製剤Gにおいて利用し、製剤Gが約3重量部のポリエチレンを更に含めた以外は、製剤Aと同様である。

三種の市販品、つまり競合品#1及び#2並びにロード製品#3をまた同時に試験した。

表4から明らかなように、本発明の製剤F及びGは、ウェットランダム値及びウェット正弦試験値についてさえ低ノイズ値を与えるが、市販品は非常に高いノイズ値を与えた。
【0040】
実施例H、I、J、及びK
ウェザーストリップのための塗料に関して更なる製剤を、次の通り、記載する。

実施例Aについて記載した方法によって製剤H、I、J、及びKを調製し、実施例Aに記載したものと同じタイプの基材について同じGM試験によって試験した。ノイズの結果を表5にまとめる。

表5から明らかなように、様々な試験で非常に低いdBAノイズレベルが再度得られた。更に、ウェット試験に関しては、特にランダムウェット試験に関して、製剤Hを除いて、38dBA以下の値が容易に得られた。実施例Hは、良好なランダムウェット特性を得るためには、約3重量%のPE粉末との併用で、一般的に多い量、つまり50重量%を越えるシリコーン樹脂が所望されることを実証している。
【0041】
実施例L、M、及びN
本発明の水性分散組成物を静摩擦係数及び動摩擦係数の長期の保持についてまた試験した。かかる水性分散組成物に対する製剤を、異なったフィラーを利用したが良好な安定性値と同様にまた良好な低dBAが得られた製剤L、M、及びNとして記載する。

上記成分を混合して上記製剤を形成し、GM9842P,Rev.Aに従ってEPDMウェザーストリップ基材に塗布する直前に、製剤全重量の3重量%の上記架橋剤を加えて混合する。
ノイズレベル、光沢、摩擦係数についての試験値を表6にまとめる。

データから明らかなように、ウェットランダム試験を含み、また一度、優れた低ノイズdBAが得られた。
【0042】
製剤L及びNを、静摩擦係数について時間の関数としてASTM試験D1894−95に従って試験した。結果は次の通りであった。

上から明らかなように、様々な標示された週数での経時的な標準摩擦係数は、初期摩擦係数よりも常に低かった。経時的に一貫したCOFは、ドアシール上の氷の放出を良好にし、よごれの付着を少なく維持するのに重要である。
特許法に従って、ベストモードと好ましい実施態様を記載したが、本発明の範囲は、それらに限定されることはなく、むしろ添付の特許請求の範囲による。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図面は本発明の塗料をその上に有する典型的な車両用ウェザーストリップの断面図に関する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも一種のポリシロキサンの水性分散体とb)少なくとも一種のポリウレタンの水性分散体を含有し、上記少なくとも一種のポリシロキサンポリマー自体と上記少なくとも一種のポリウレタンポリマー自体の全固形重量に対して、上記少なくとも一種のポリシロキサンポリマー自体の量が約50重量%から約85重量%の範囲であり、上記少なくとも一種のポリウレタン自体の量が約15重量%から約50重量%の範囲であり、該ポリウレタンは少なくとも一種の脂肪族又は脂環式ジイソシアナートから誘導され、該ポリウレタンは熱硬化性であり;更にc)ポリオレフィンを、上記一又は複数種のポリシロキサン自体と上記一又は複数種のポリウレタン自体の全100重量部に対して約5重量部から約35重量部の量で含有するポリマーブレンド
を含有する水性分散組成物であって;
上記水性分散体は上記分散組成物の全重量に対して約7重量%以下の有機溶剤を含み;
上記ポリマーブレンドは、上記少なくとも一種のポリウレタン自体と上記少なくとも一種のポリシロキサン自体の全100重量部に対して約10重量部未満の接着付与剤を含み;
上記ポリマーブレンドは、上記少なくとも一種のポリウレタン自体と上記少なくとも一種のポリシロキサン自体の全100重量部に対して約10重量部未満のハロゲン含有ポリマーを含む水性分散組成物。
【請求項2】
上記少なくとも一種のポリシロキサンポリマー自体と少なくとも一種のポリウレタンポリマー自体の全重量に対して、上記ポリシロキサン自体の量が約55重量%から約80重量%であり、上記ポリウレタン自体の量が約20重量%から約45重量%である請求項1に記載の水性分散組成物。
【請求項3】
上記ポリオレフィンが約10重量部から約30重量部の量でポリエチレンを含有し、上記ポリウレタンがポリエーテル中間体から誘導されている請求項2に記載の水性分散組成物。
【請求項4】
上記ポリエチレンの重量平均分子量が約200万から約500万であり;上記接着付与剤が約5重量部未満であり;上記ハロゲン含有ポリマーの量が約5重量部未満である請求項3に記載の水性分散組成物。
【請求項5】
上記ポリシロキサンがポリ(ジメチルシロキサン)を含み、アミン末端基を有するポリシロキサンの量が全ポリシロキサンの全重量に対して約10重量%以下であり、上記ポリエチレンの量が約15重量部から約25重量部であり、有機溶剤の量が約5重量%以下であり;上記接着付与剤の量が1重量部未満であり;上記ハロゲン化ポリマーの量が1重量部未満である請求項4に記載の水性分散組成物。
【請求項6】
上記少なくとも一種のポリシロキサン自体と上記少なくとも一種のポリウレタン自体の全重量に対して、上記ポリシロキサン自体の量が約60重量%から約75重量%であり、上記ポリウレタン自体の量が約25重量%から約40重量%であり;上記ポリエチレンが約300万から約400万の重量平均分子量を有する請求項5に記載の水性分散組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の乾燥水性組成物が少なくとも部分的に塗布されるポリマー又はゴム基材であって、GM試験法GM9842P,Rev.Aによる該基材のウェットランダムノイズレベルが約42dBA以下である基材。
【請求項8】
請求項3に記載の乾燥水性組成物が少なくとも部分的に塗布されるポリマー又はゴム基材であって、上記基材がゴム、アクリル、ビニル又はビニリデンポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、熱可塑性オレフィン、又は熱可塑性加硫物、又はその組合せであり;上記基材のウェットランダムノイズレベルがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約40dBA以下である基材。
【請求項9】
請求項5に記載の乾燥水性組成物が少なくとも部分的に塗布されるポリマー又はゴム基材であって、上記基材がゴム、アクリル、ビニル又はビニリデンポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、熱可塑性オレフィン、又は熱可塑性加硫物、又はその組合せであり、上記基材のウェットランダムノイズレベルがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約38dBA以下であり、上記基材はASTM・D1894−95で約0.40以下の初期静摩擦係数値を有している基材。
【請求項10】
請求項6に記載の乾燥水性組成物が少なくとも部分的に塗布されるポリマー又はゴム基材であって、上記基材はエチレン-プロピレン-ジエンゴム、熱可塑性エラストマー、又は熱可塑性オレフィン、又はその組合せであり、上記基材の上記ウェットランダムノイズレベルがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約36dBA以下であり、上記基材はASTM・D1894−95で約0.32以下の初期静摩擦係数値を有している基材。
【請求項11】
車両用のウェザーストリップであって、該ウェザーストリップは請求項1に記載の乾燥水性組成物が少なくとも部分的に塗布され、上記基材の上記ウェットランダムノイズレベルがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約42dBA以下であるウェザーストリップ。
【請求項12】
車両用のウェザーストリップであって、該ウェザーストリップは請求項3に記載の乾燥水性組成物が少なくとも部分的に塗布され、上記基材の上記ウェットランダムノイズレベルがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約40dBA以下であるウェザーストリップ。
【請求項13】
車両用のウェザーストリップであって、該ウェザーストリップは請求項5に記載の乾燥水性組成物が少なくとも部分的に塗布され、上記ウェザーストリップがゴム、アクリレート、ポリアミド、ウレタン、又はその組合せを含み、上記基材のウェットランダムノイズレベルがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約38dBA以下であるウェザーストリップ。
【請求項14】
車両用のウェザーストリップであって、該ウェザーストリップは請求項7に記載の乾燥水性組成物が少なくとも部分的に塗布され、上記ウェザーストリップがゴム、アクリル、ポリアミド、ウレタン、又はその組合せを含み、上記基材のウェットランダムノイズレベルがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約36dBA以下であるウェザーストリップ。
【請求項15】
上記ウェザーストリップがASTM・D1894−95で約0.40以下の初期静摩擦係数値を有している請求項11に記載のウェザーストリップ。
【請求項16】
上記ウェザーストリップがASTM・D1894−95で約0.35以下の初期静摩擦係数値を有している請求項12に記載のウェザーストリップ。
【請求項17】
上記ウェザーストリップがASTM・D1894−95で約0.32以下の初期静摩擦係数値を有しており、静摩擦係数が少なくとも約40週間維持される請求項14に記載のウェザーストリップ。
【請求項18】
ウェザーストリップ基材を有し、該ウェザーストリップ基材はポリマー組成物が塗布されたその表面を少なくとも有し、
上記ポリマー組成物は、上記少なくとも一種のポリシロキサンポリマー自体と上記少なくとも一種のポリウレタンポリマーの全重量に対して、約50重量%から約85重量%の少なくとも一種のポリシロキサンポリマーと、約15重量%から約50重量%の少なくとも一種のポリウレタンを含有し、上記ポリウレタンは少なくとも一種の脂肪族又は脂環式ジイソシアナートから誘導され、上記ポリウレタンは熱硬化性であり;更に上記一又は複数種のポリシロキサンと上記一又は複数種のポリウレタンの全100重量部に対して約5重量部から約35重量部のポリオレフィンを含有し;
上記ポリマー組成物は、上記一又は複数種のポリウレタン自体と上記一又は複数種のポリシロキサン自体の全100重量部に対して約10重量部未満の接着付与剤を含み;
上記ポリマー組成物は、上記一又は複数種のポリウレタン自体と上記一又は複数種のポリシロキサン自体の全100重量部に対して約10重量部未満のハロゲン含有ポリマーを含む低騒音車両用ウェザーストリップ。
【請求項19】
上記ポリシロキサンの量が約55重量%から約80重量%であり、上記ポリウレタンの量が約20重量%から約45重量%であり;上記ポリウレタンがポリエーテル中間体から誘導され;上記ポリオレフィンが、上記一又は複数種のポリシロキサンと上記一又は複数種のポリウレタンの全100重量部に対して約10から約30重量部の量でポリエチレンを含有する請求項18に記載の車両用ウェザーストリップ。
【請求項20】
上記ポリシロキサンの量が約60重量%から約75重量%であり、ポリウレタン自体の量が約25重量%から約40重量%であり;上記ポリシロキサンがポリ(ジメチルシロキサン)を含み、上記ポリエチレンが約200万から約500万の重量平均分子量を有し、上記接着付与剤の量が2重量部以下であり;上記ハロゲン化ポリマーの量が1重量部以下である請求項19に記載の車両用ウェザーストリップ。
【請求項21】
上記ウェザーストリップがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約42dBA以下のノイズレベルを有する請求項18に記載の車両用ウェザーストリップ。
【請求項22】
上記ウェザーストリップがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約40dBA以下のウェットランダムノイズレベルを有し、上記ポリマー基材が、アクリレート、ビニル又はビニリデンポリマー、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフィン、熱可塑性オレフィン、又は熱可塑性加硫物、又はその組合せである請求項19に記載の車両用ウェザーストリップ。
【請求項23】
上記ウェザーストリップがGM試験法GM9842P,Rev.Aで約36dBA以下のウェットランダムノイズレベルを有し、上記基材が、ゴム、熱可塑性エラストマー、アクリル、ポリアミド、ウレタン、又はその組合せを含む請求項20に記載の車両用ウェザーストリップ。
【請求項24】
上記ウェザーストリップがASTM・D1894−95で約0.40以下の初期静摩擦係数値を有している請求項18に記載の車両用ウェザーストリップ。
【請求項25】
上記ウェザーストリップがASTM・D1894−95で約0.35以下の初期静摩擦係数値を有している請求項20に記載の車両用ウェザーストリップ。
【請求項26】
上記ウェザーストリップがASTM・D1894−95で約0.35以下の初期静摩擦係数値を有している請求項21に記載の車両用ウェザーストリップ。
【請求項27】
上記ウェザーストリップがASTM・D1894−95で約0.32以下の初期静摩擦係数値を有しており、静摩擦係数が少なくとも約40週間維持される請求項23に記載の車両用ウェザーストリップ。

【図1】
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【公表番号】特表2009−520082(P2009−520082A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545926(P2008−545926)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【国際出願番号】PCT/US2006/061828
【国際公開番号】WO2007/070771
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(507381329)ロード コーポレーション (8)
【Fターム(参考)】