骨のための固定装置および椎間インプラント装置を移植する方法
【課題】骨のための改良された固定装置(100)を提供する。
【解決手段】固定装置(100)は、1つ以上の骨(40,42)に固定され、かつ骨ねじ(30)を受け入れるための少なくとも1つのボア(2′)を含む部材(1)を備え、少なくとも1つのボアは第1の雌ねじ部分(22′)を有する。ボアから骨に挿入するための骨ねじは、少なくとも1つのボアの雌ねじ部分と協働するように配置された第1の雄ねじ部分(32)を有する第1の軸部と、ボアに形成されたストップに係合するように配置されたキャッチをもたらすために軸部よりも直径が大きい頭部(36)とを含む。骨ねじはさらに、頭部のキャッチと第1の軸部の雄ねじ部分(32)との間に延在する逃げ溝(34a)を有する第2の軸部を含む。逃げ溝によって、2つのねじ山部分が離れることが可能になり、隣接する骨、すなわち椎骨体内部で骨ねじが緩んだ際に、骨ねじがボアから外れることが防止される。
【解決手段】固定装置(100)は、1つ以上の骨(40,42)に固定され、かつ骨ねじ(30)を受け入れるための少なくとも1つのボア(2′)を含む部材(1)を備え、少なくとも1つのボアは第1の雌ねじ部分(22′)を有する。ボアから骨に挿入するための骨ねじは、少なくとも1つのボアの雌ねじ部分と協働するように配置された第1の雄ねじ部分(32)を有する第1の軸部と、ボアに形成されたストップに係合するように配置されたキャッチをもたらすために軸部よりも直径が大きい頭部(36)とを含む。骨ねじはさらに、頭部のキャッチと第1の軸部の雄ねじ部分(32)との間に延在する逃げ溝(34a)を有する第2の軸部を含む。逃げ溝によって、2つのねじ山部分が離れることが可能になり、隣接する骨、すなわち椎骨体内部で骨ねじが緩んだ際に、骨ねじがボアから外れることが防止される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の骨同士の間に固定または柔軟接続をもたらすのに用いられる固定装置に関する。本発明は特に椎間インプラント装置に関し、上側の椎骨体および下側の椎骨体のエンドプレートにそれぞれ係合するための上面および下面と、側壁と、少なくとも1つのボアとを有する装置本体を含み、ボアは側壁に形成され、椎骨体に挿入される固定要素である骨ねじを受け入れる。
【背景技術】
【0002】
骨ねじは典型的に、隣接する椎骨体に固定されるように配置された雄ねじ部分を有する軸部と、装置本体のボアに形成されたストップに係合するように配置されたキャッチをもたらすために軸部よりも直径が大きい頭部とを有する。
【0003】
特許文献1は、上側、下側、および前面を有する本体を含む椎間インプラント装置を開示しており、骨ねじをそれぞれ収容するのに適した4個のボア孔が前面に形成されている。本体は、生体適合性プラスチック材料で形成され得る。装置に剛性および強度を与えるため、金属材料、たとえばチタニウムまたはチタニウム合金からなる小さなフロントプレートが前面に取付けられる。プラスチック本体のそれぞれのボア孔の位置に対応する4個のボア孔がフロントプレートに形成される。各骨ねじは、フロントプレートのボア孔から挿入し、プラスチック本体のボア孔を通って延在することもできる。
【0004】
フロントプレートのボア孔には、雌ねじが設けられる。これらの雌ねじは、骨ねじのそれぞれの頭部に設けられた雄ねじに対応する。固定および締付を可能にするために、ねじ切りした頭部は円錐形状であり、したがって骨ねじの軸部に向かって先細りである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開番号第2006/0085071A1号
【特許文献2】米国特許出願公開番号第2003/0181981A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構造に関して生じ得る問題点は、ねじが緩み、椎骨体に作用する外部の力によってゆっくりと外れ、深刻な損傷をたとえば隣接する血管に与え、インプラント全体の緩みに繋がり得るという点である。このため特許文献1は、フロントプレートに固定プレートを取付けることをさらに提案している。固定プレートは、フロントプレートのボア孔のそれぞれの開口部を覆い、そこに挿入された骨ねじを固定する。その結果、骨ねじが外れたり脱落したりする恐れがない。
【0007】
上記の椎間インプラント装置を実現するのに用いられる部品数が増加し、装置の寸法が不利に大きくなり得る。さらに、骨ねじが脱落しないように固定するために、医師によって付加的なねじ込みステップを行なわなければならない。
【0008】
特許文献2は、側壁で構成されるケージを含む体内インプラント装置を示す。しかし、ケージの側壁に設けられた孔またはボアは、そこに挿入される骨ねじを収容するようには示されていない。
【0009】
したがって本発明の目的は、改良された椎間インプラント装置を提供することであり、2つの椎骨体の間に装置を挿入する処理を簡略化し、一旦装置が設置されると外部の力に対する固定性を高め、使用部材を効果的に小型化し、および/または骨ねじが緩んだ場合に骨ねじが外れたり脱落したりすることを防ぐ。
【課題を解決するための手段】
【0010】
当該目的は、添付の請求項1または18に係る特徴の組合せを含む固定装置によって達成される。有利な局面および実施形態が添付の請求項から明らかである。
【0011】
本固定装置は、椎骨体などの隣接する骨に挿入される固定要素である骨ねじを、たとえ緩んだとしても、所定の位置に保持し得る機構を提供するように配置される。この目的のため、骨ねじの軸は2つの部分、すなわち雄ねじ部分が設けられた一方の部分と、逃げ溝が設けられた別の部分とを有する。
【0012】
雄ねじ部分は、装置本体に設けられたボアの雌ねじ部分に係合し得る。逃げ部分を有する軸部は、骨ねじの頭部と、雄ねじ部分を有する軸部との間に延在する。
【0013】
したがって骨ねじは、まずその雄ねじ部分によってボアの雌ねじ部分にねじ込むことができる。次に骨ねじをさらにねじ込んだ後、装置本体のボア内の雌ねじの長手方向の長さ全体が逃げ溝に対向すると、逃げ溝のため、雄ねじ部分が雌ねじ部分から離れる。
【0014】
しかし、骨ねじの雄ねじの不完全ねじ部が、ボアの雌ねじ部分のねじ山入口に対して角度差を有するように、たとえば約90〜約270度で固定要素の回転を続けることがさらに可能である。したがって、骨、たとえば椎骨体に固定された骨ねじが時間とともに緩んだとしても、不完全ねじ部の位置における雄ねじの螺旋状突起部が、たとえば90〜270度の角度差によって、ボアの開口部を取囲む端面に当接する。その結果、装置本体は、骨またはこの例では椎骨体の内部の所定位置に保持されるように、骨ねじを付勢させる。
【0015】
本発明に係る、代替的であるが同様の局面によれば、骨ねじは、頭部において第2の雄ねじ部分を有する。この第2の雄ねじ部分は雌ねじ部分と協働し、第1の雄ねじ部分、すなわち骨ねじ山は骨材と協働する。第2のねじ山がボア内の雌ねじ部分から離れたときに頭部を受け入れるために、雌ねじ部分に隣接するボアの内部に円筒状の案内部分が形成される。
【0016】
第2のねじ山の不完全ねじ部における螺旋状突起部の当接の原理は、第1の局面と同様である。すなわち、第2の雄ねじ部分から離れた後、不完全ねじ部の雌ねじのねじ山入口に対してたとえば90〜270度の角度差がある場合、突起部はボアの内側のそれぞれの端面に当接する。したがって、第1の局面と同程度に骨ねじの脱落を防ぐことが出来る。
【0017】
ここに提案した固定装置は、1つ以上の隣接する骨に固定される部材と、固定要素である骨ねじとを含む。一実施形態において、この部材は、隣接する椎骨体同士を接続するのに用いられるケージとして実現し得る。
【0018】
しかし当該装置は、このようなケージによる椎間板の置換に関する用途に限定されない。他の実施形態によれば、当該部材は、脊柱骨および他の骨の別の領域を固定または安定化させるために、用途に応じてプレート状、スリーブ状、または他のいずれかの適切な形状を有し得る。
【0019】
骨ねじを用いて頚椎を固定するためのプレート、または胸腰椎骨を水平に固定するためのプレートを有するいくつかの他の固定装置が提供される。他のあらゆる種類のプレートアセンブリも包含される。
【0020】
本固定装置のさらなる特徴および利点は、添付の図面と合わせて以下の詳細な説明を参照すれば明らかになり、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施形態に係る椎間インプラント装置の分解斜視図である。
【図2】図1に係る装置の平面図である。
【図3A】図1に係る装置を2個の椎骨体の間に挿入する手順の概略図である。
【図3B】図1に係る装置を2個の椎骨体の間に挿入する手順の概略図である。
【図4】第2の実施形態に係る装置本体に、逃げ溝を有する固定要素を挿入するステップを3つの断面図で概略的に示す図である。
【図5】図4と同様であるが、第3の実施形態に従って逃げ溝の直径を大きくした図である。
【図6】図4と同様であるが、図1〜図3に示す実施形態に関する図である。
【図7A】ロック前に締付状態が実現されている、第1の実施形態に従ってボアに挿入される固定要素の部分拡大分解斜視図である。
【図7B】図7Aに示す状態に存在する、固定要素の雄ねじの不完全ねじ部と装置本体のボアの雌ねじのねじ山入口との相対的な向きを示す概略図である。
【図8A】図7Aと同様であるが、ロック後の状態、すなわち90度〜270度さらに回転させた図である。
【図8B】図7Bと同様であるが、図8Aの状態に示すロック状態での回転に起因する不完全ねじ部とねじ山入口との角度差を示す図である。
【図9】本発明の代替的な実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明に係る固定装置の第1の実施形態を示す分解斜視図であり、この例では椎間インプラント装置100を示す。図2はその平面図である。装置100は、ケージの形態の装置本体1を含む。ケージは、チタニウム、チタニウム合金、またはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの生体性適合材料からなり、1つ以上の内部中空空間を囲むほぼ鉛直な側壁を有する。当該空間は、ケージ1の上面3aと下面3bとに向かって開口する。
【0023】
ケージ1の側壁は、一体に形成された前面壁4、背面壁5、右側壁6、および左側壁7で構成され、右側壁および左側壁は、前面壁と背面壁とを互いに接続する。前面壁4はケージ1の前方壁であり、背面壁5はケージ1の後方壁である。
【0024】
ケージ1は、背面壁5から前面壁4に向かって円弧形状に延在する2つの内壁8および9によって剛性がさらに安定化される。両方の内壁は、矢状面Sについて対称である。
【0025】
さらに2つの内壁10および11が存在し、背面壁から右側壁6および左側壁7に向かってそれぞれ延在する。内壁8および9と同様、内壁10および11は、矢状面Sについて対称である。内壁8〜11の各々は矢状面Sに向かって凹んだ円弧形状であるが、左側6および右側壁7はそれに対して凸である。この側壁および内壁の配置によって、ケージと骨との界面において最適な負荷伝達が生じることがわかっている。
【0026】
側壁および内壁によって規定される5つの空間は、骨グラフト材料で充填されるように設計される。さらに、各壁の上端および下端すなわちケージ1の上面および下面を、隣接する椎骨体40および42のエンドプレートに容易に挿入できるようにするために、当該上面および下面に小さな歯16が設けられる。一連の小さな歯の形状は、壁の形状に直接対応し、隣接する椎骨体に解剖学的に適合する、すなわち応力およびねじり分布の良好な安定性をもたらすようにさらに最適化される。
【0027】
ケージ1は、3つのボア2a,2b,2cも有し、各々が骨ねじを受け入れる、または収容する。ボア2aから2cはケージ1の前面壁4に配置され、中央の1つのボア2bは下方に傾斜し、2つの端のボア2aおよび2cは上方に傾斜する。逆の場合、すなわち中央のボア2bが上方に傾斜し、2つの端のボア2aおよび2cが下方に傾斜するように配置してもよい。図2の上面からわかるように、ボア2aおよび2cは、それぞれケージ1の上面3aに向かう開口部18aおよび18cを有する。内壁8〜11の特殊な形状および配置によって、3つのボアの各々は、(横断面に対してそれぞれ傾斜しつつ)これらの内壁8〜11によって限定されるそれぞれ別個の内部空間に向かっても開口する。
【0028】
椎間板の置換を意図するケージへの本用途については、45度±20度という傾斜角度を典型的に定め得る。固定プレートに利用する場合は、約90度±30度の傾斜角度を典型的に採用する。しかし、本発明は上記の具体的な値または範囲に限定されない。
【0029】
ボアの開口部22aおよび22cは、ケージ1の内部空間に向かって傾斜した前面壁4の内面の一部を構成するそれぞれの端面20aおよび20cに設けられる。端面20aおよび20cは、ボア2a〜2cのそれぞれの長手軸にほぼ垂直に配向される。以下で詳細に述べるように、端面は、骨ねじ30a〜30cに形成された逃げ溝に向かって突出する不完全ねじ部の突起部のための当接領域を形成する。
【0030】
図3Aおよび図3Bは、隣接する2つの椎骨体40および42の間へのケージ1の挿入を示す。この目的のため、ケージ1の両側、すなわち右側壁6および左側壁7内部に保持
スロット14が設けられる。保持スロット14は細長く、ケージ1の横断面Tにおいて延在する。ケージ1の挿入を容易にする保持器具による係合が、当該スロットによって可能になる。この実施形態では、ケージ1は、前方腰椎体間固定用ケージ(ALIFケージ)を示し、たとえば椎間板を置換するために、腰椎の隣接する2つの椎骨の間に前方からケージが導入される。
【0031】
ケージ1が椎骨体40および42の間に適切に位置決めされると、骨ねじ30a〜30cがそれぞれボア2a〜2cに挿入され、椎骨体40および42のエンドプレートにねじ込まれる(図3B)。説明のため、図4の実施形態ではボア2′および対応する骨ねじ30′の構造を簡略化して示す。同じ参照符号は、図面において同じまたは同様の部材を示す。
【0032】
本実施形態に係る骨ねじ30′(最初に図4の上部参照)は本質的に3つの部分、すなわち頭部36、骨ねじ山を規定する第1の(ねじ切りした)軸部、および逃げ溝34aを含む第2の軸部からなる。第1の軸部は、椎骨体40および42の隣接するエンドプレートの骨材に穿孔し切り込まれるように設計された雄ねじ32を有する。雄ねじ32は、螺旋状溝39および螺旋状突起部38によって形成される。
【0033】
第2の軸部は、雄ねじの不完全ねじ部から頭部36に向かって延在する逃げ溝34aを有する。第2の軸部の直径は、本実施形態では雄ねじ部分32のコア径31、すなわち雄ねじの螺旋状溝について測定した直径とほぼ同じである。換言すれば、逃げ溝34aの直径は、雄ねじ32を構成する螺旋状突起部38の直径(外径)よりも小さい。
【0034】
骨ねじは、雌ねじ部分22および円筒状の案内部分52を有する前面壁4に形成されたボア2′にまず挿入される。円筒状の案内部分52は、骨ねじの頭部36を収容するように配置され、それぞれの直径は、適切な案内を行なうためにほぼ同じである。さらに、案内部分52の直径は雌ねじ部分22の直径よりも大きく、両方の部分の間の移行部分は円錐形のストップ50によって示される。ストップ50は、締付状態に至ると、骨ねじ30′の頭部36に形成された対応する円錐形のキャッチ35と係合し得る(図4の下側部分)。
【0035】
骨ねじの雄ねじ32およびボアの雌ねじ22は互いに係合するように設けられる。したがって、骨ねじを雌ねじ22によってねじ込むことができる(図4の中央部分)。逃げ溝34の長手方向の長さは、雌ねじ22の長手方向の長さとほぼ同じである。より正確には、逃げ溝のこの長さは、ストップ50と、ケージ1の前面壁4の端面20′に向かう開口部18′との間の距離とほぼ同じである。その結果、キャッチ35がストップ50に当接すると、ねじ山部分22および32は離れる。
【0036】
さらにねじ込むと、ケージ1は椎骨体40および42のエンドプレートに対して締付られる。しかし、さらにねじ込むことによって、不完全ねじ部における螺旋状突起部37が、雌ねじ22のねじ山入口54(すなわち開口部18′に入る雌ねじの溝)に対して角度差を有することにもつながる。したがって、さらにねじ込む(骨ねじ30′を回転させる)と、不完全ねじ部における雄ねじ32の螺旋状突起部37が端面20′に当接する。
【0037】
図5は、本発明の代替的な実施形態を、同様に簡略化した構造で示す。同じ参照符号は同じまたは同様の部材を示す。本実施形態では、骨ねじ30″の頭部36は先の第2の実施形態と比べて著しく短い。挿入後に骨ねじを安定して案内する際に生じる不具合は、逃げ溝34bの特徴によって埋め合わされる。本実施形態では、逃げ溝の直径はねじ山部分32のコア径31よりも大きい。
【0038】
しかし、逃げ溝34bの直径は、実際にはねじ山部分32の螺旋状突起部のために外径よりも小さく、逃げ溝がボア2″の雌ねじ部分を通過する恐れがある。その結果、逃げ溝34bは、骨ねじの密着案内機能を果たすためにボアの雌ねじ部分の対応する突起部(詳細には図示せず)に密接する。換言すれば、雌ねじ部分22は案内部分52bとしても機能する。符号52a(図5の上側部分)は、短い頭部36の座部を示すにすぎない。
【0039】
図6は、図1〜図3に示した第1の実施形態に関する骨ねじ機構の対応構造を示す。同じ参照符号は同じまたは同様の部材を示す。骨ねじを挿入するステップ(59)と、骨ねじ30a〜30cをボア2a〜2cの雌ねじ部分によってねじ込むステップ(60)と、図4について上記で説明したのと同じように骨ねじをさらに回転させて(61)ロックするステップとを示す。キャッチ35を介して頭部36に、および雄ねじ部分を介して骨ねじ30a〜30cの第1の軸部に作用する力F1およびF2も示す(図6の下部)。
【0040】
図7A、図7B、図8A、および図8Bは、第1の実施形態に係る椎間インプラント装置100を固定またはロックするための動作を示す。この具体的な実施形態では六角形の骨ねじを採用し、六角形のレンチキーを用いて図7Aおよび図8Bに示すように骨ねじ30cをねじ込む。図7Aは、キャッチ35がストップ50に当接し、逃げ溝34cが前面壁4内のボア2cの雌ねじ部分22cの全体にわたって延在する状態を示す。したがって、さらにねじ込むと締付が生じる。
【0041】
さらなる締付と同時に、たとえば85度で骨ねじ30cをさらに回転させるステップ(61)によって、(断面図のため図7および図8では見えない)ねじ山入口54に対して、雄ねじ部分32の不完全ねじ部における螺旋状突起部37がたとえば85度の角度差で配向される。図7Bおよび図8Bの概略的な略図に配向を示す。骨ねじを緩めると、骨ねじ30cが外れるように作用するいずれかの力によって、突起部37は、不完全ねじ部がボア2cのねじ山入口54に合わないかぎり、前面壁の端面20cにより一層当接することになる。したがって、本実施形態によって固定機能が得られる。
【0042】
図9は代替的な実施形態を示す。同じ参照符号は、先の実施形態に示したのと同じまたは同様の部分および部材を示す。1つの相違点は、骨ねじに逃げ溝がない点である。しかし、骨ねじ300に、より詳細には骨ねじの頭部36に第2のねじ山部分330を設けることによって、ねじの脱落防止または固定機構が実現される。ケージの前面壁400(または骨固定プレートを考える場合は、プレートアセンブリのプレート400)に形成されたボア200は、第1の雌ねじ部分220と、雌ねじ部分に隣接した円筒状の案内部分520とを有する。本実施形態では、骨ねじ300の第2の雄ねじ部分330は頭部の雌ねじ部分と協働し、第1の雄ねじ部分(骨ねじ山)32は、隣接する骨の骨材と協働するに過ぎない。
【0043】
この理由により、骨ねじの軸部を受け入れるための狭い開口部180には、ねじ山は設けられない。
【0044】
固定機構は以下のとおりである。骨ねじをケージの前面壁400またはプレートのボア200にねじ込んだ後、第2のねじ山部分(頭部ねじ山)330がボア200の雌ねじ220によってねじ込まれる。頭部ねじ山のねじ山長さL1は、円筒状の案内部分520の長さと同じであるため、キャッチ35がストップ50にちょうど当接すると、雄ねじ330は雌ねじ220から離れる。
【0045】
案内部分520の円筒状の対称性によって、骨ねじはボア内で自由に回転可能である。したがって、隣接する骨材に、たとえば80度または90度〜270度または280度で骨ねじ山をより深くさらにねじ込むと、キャッチがストップに対してさらに締付られる。
これにより、頭部ねじ山330の不完全ねじ部における螺旋状突起部37は、ボア200内の雌ねじ220のねじ山入口に対して角度差を有する。その結果、突起部37が、雌ねじ220と円筒形の案内部分520との間の移行部分において、ボア内の対応する端面201に当接する。
【0046】
その結果、ねじが骨材中でたとえ緩んだとしても、ねじはケージまたはプレートから容易に脱落するおそれがない。頭部は円筒状の案内部分520内に確実に保持される。
【0047】
本発明は、ここに説明した詳細な特徴によって限定されるものではないと考えられるべきである。上記の実施形態にさまざまな変更を適用することは、発明の範囲内である。たとえば、当該分野で周知の、六角形の頭部ねじ以外の機構およびツールによって骨ねじを骨材にねじ込んでもよい。またたとえば、ケージおよびねじに採用される材料は、特定の必要に応じて選択してもよい。
【0048】
またさらに、3本の骨ねじを収容するための3つのボアを採用する実施形態が応力およびねじり分布に最適な設計をもたらすとわかっており、そのように説明したが、2つ、4つ、またはそれ以上のボアおよび骨ねじを採用する他の設計を採用してもよい。また本発明は、本実施形態に示したケージの内壁および外壁の特定の配置に限定されない。特に本発明は、骨プレートまたは同様の骨固定装置に関する用途を包含する。
【符号の説明】
【0049】
2′ ボア、4 前面壁、18′ 開口部、20′ 端面、22 雌ねじ部分、30′
骨ねじ、31 コア径、32 雄ねじ部分、34a 逃げ溝、35 移行部分、36 頭部、37 螺旋状突起部、38 螺旋状突起部、39 螺旋状溝、40,42 椎骨体、50 ストップ、52 案内部分、54 ねじ山入口。
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の骨同士の間に固定または柔軟接続をもたらすのに用いられる固定装置に関する。本発明は特に椎間インプラント装置に関し、上側の椎骨体および下側の椎骨体のエンドプレートにそれぞれ係合するための上面および下面と、側壁と、少なくとも1つのボアとを有する装置本体を含み、ボアは側壁に形成され、椎骨体に挿入される固定要素である骨ねじを受け入れる。
【背景技術】
【0002】
骨ねじは典型的に、隣接する椎骨体に固定されるように配置された雄ねじ部分を有する軸部と、装置本体のボアに形成されたストップに係合するように配置されたキャッチをもたらすために軸部よりも直径が大きい頭部とを有する。
【0003】
特許文献1は、上側、下側、および前面を有する本体を含む椎間インプラント装置を開示しており、骨ねじをそれぞれ収容するのに適した4個のボア孔が前面に形成されている。本体は、生体適合性プラスチック材料で形成され得る。装置に剛性および強度を与えるため、金属材料、たとえばチタニウムまたはチタニウム合金からなる小さなフロントプレートが前面に取付けられる。プラスチック本体のそれぞれのボア孔の位置に対応する4個のボア孔がフロントプレートに形成される。各骨ねじは、フロントプレートのボア孔から挿入し、プラスチック本体のボア孔を通って延在することもできる。
【0004】
フロントプレートのボア孔には、雌ねじが設けられる。これらの雌ねじは、骨ねじのそれぞれの頭部に設けられた雄ねじに対応する。固定および締付を可能にするために、ねじ切りした頭部は円錐形状であり、したがって骨ねじの軸部に向かって先細りである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開番号第2006/0085071A1号
【特許文献2】米国特許出願公開番号第2003/0181981A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構造に関して生じ得る問題点は、ねじが緩み、椎骨体に作用する外部の力によってゆっくりと外れ、深刻な損傷をたとえば隣接する血管に与え、インプラント全体の緩みに繋がり得るという点である。このため特許文献1は、フロントプレートに固定プレートを取付けることをさらに提案している。固定プレートは、フロントプレートのボア孔のそれぞれの開口部を覆い、そこに挿入された骨ねじを固定する。その結果、骨ねじが外れたり脱落したりする恐れがない。
【0007】
上記の椎間インプラント装置を実現するのに用いられる部品数が増加し、装置の寸法が不利に大きくなり得る。さらに、骨ねじが脱落しないように固定するために、医師によって付加的なねじ込みステップを行なわなければならない。
【0008】
特許文献2は、側壁で構成されるケージを含む体内インプラント装置を示す。しかし、ケージの側壁に設けられた孔またはボアは、そこに挿入される骨ねじを収容するようには示されていない。
【0009】
したがって本発明の目的は、改良された椎間インプラント装置を提供することであり、2つの椎骨体の間に装置を挿入する処理を簡略化し、一旦装置が設置されると外部の力に対する固定性を高め、使用部材を効果的に小型化し、および/または骨ねじが緩んだ場合に骨ねじが外れたり脱落したりすることを防ぐ。
【課題を解決するための手段】
【0010】
当該目的は、添付の請求項1または18に係る特徴の組合せを含む固定装置によって達成される。有利な局面および実施形態が添付の請求項から明らかである。
【0011】
本固定装置は、椎骨体などの隣接する骨に挿入される固定要素である骨ねじを、たとえ緩んだとしても、所定の位置に保持し得る機構を提供するように配置される。この目的のため、骨ねじの軸は2つの部分、すなわち雄ねじ部分が設けられた一方の部分と、逃げ溝が設けられた別の部分とを有する。
【0012】
雄ねじ部分は、装置本体に設けられたボアの雌ねじ部分に係合し得る。逃げ部分を有する軸部は、骨ねじの頭部と、雄ねじ部分を有する軸部との間に延在する。
【0013】
したがって骨ねじは、まずその雄ねじ部分によってボアの雌ねじ部分にねじ込むことができる。次に骨ねじをさらにねじ込んだ後、装置本体のボア内の雌ねじの長手方向の長さ全体が逃げ溝に対向すると、逃げ溝のため、雄ねじ部分が雌ねじ部分から離れる。
【0014】
しかし、骨ねじの雄ねじの不完全ねじ部が、ボアの雌ねじ部分のねじ山入口に対して角度差を有するように、たとえば約90〜約270度で固定要素の回転を続けることがさらに可能である。したがって、骨、たとえば椎骨体に固定された骨ねじが時間とともに緩んだとしても、不完全ねじ部の位置における雄ねじの螺旋状突起部が、たとえば90〜270度の角度差によって、ボアの開口部を取囲む端面に当接する。その結果、装置本体は、骨またはこの例では椎骨体の内部の所定位置に保持されるように、骨ねじを付勢させる。
【0015】
本発明に係る、代替的であるが同様の局面によれば、骨ねじは、頭部において第2の雄ねじ部分を有する。この第2の雄ねじ部分は雌ねじ部分と協働し、第1の雄ねじ部分、すなわち骨ねじ山は骨材と協働する。第2のねじ山がボア内の雌ねじ部分から離れたときに頭部を受け入れるために、雌ねじ部分に隣接するボアの内部に円筒状の案内部分が形成される。
【0016】
第2のねじ山の不完全ねじ部における螺旋状突起部の当接の原理は、第1の局面と同様である。すなわち、第2の雄ねじ部分から離れた後、不完全ねじ部の雌ねじのねじ山入口に対してたとえば90〜270度の角度差がある場合、突起部はボアの内側のそれぞれの端面に当接する。したがって、第1の局面と同程度に骨ねじの脱落を防ぐことが出来る。
【0017】
ここに提案した固定装置は、1つ以上の隣接する骨に固定される部材と、固定要素である骨ねじとを含む。一実施形態において、この部材は、隣接する椎骨体同士を接続するのに用いられるケージとして実現し得る。
【0018】
しかし当該装置は、このようなケージによる椎間板の置換に関する用途に限定されない。他の実施形態によれば、当該部材は、脊柱骨および他の骨の別の領域を固定または安定化させるために、用途に応じてプレート状、スリーブ状、または他のいずれかの適切な形状を有し得る。
【0019】
骨ねじを用いて頚椎を固定するためのプレート、または胸腰椎骨を水平に固定するためのプレートを有するいくつかの他の固定装置が提供される。他のあらゆる種類のプレートアセンブリも包含される。
【0020】
本固定装置のさらなる特徴および利点は、添付の図面と合わせて以下の詳細な説明を参照すれば明らかになり、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施形態に係る椎間インプラント装置の分解斜視図である。
【図2】図1に係る装置の平面図である。
【図3A】図1に係る装置を2個の椎骨体の間に挿入する手順の概略図である。
【図3B】図1に係る装置を2個の椎骨体の間に挿入する手順の概略図である。
【図4】第2の実施形態に係る装置本体に、逃げ溝を有する固定要素を挿入するステップを3つの断面図で概略的に示す図である。
【図5】図4と同様であるが、第3の実施形態に従って逃げ溝の直径を大きくした図である。
【図6】図4と同様であるが、図1〜図3に示す実施形態に関する図である。
【図7A】ロック前に締付状態が実現されている、第1の実施形態に従ってボアに挿入される固定要素の部分拡大分解斜視図である。
【図7B】図7Aに示す状態に存在する、固定要素の雄ねじの不完全ねじ部と装置本体のボアの雌ねじのねじ山入口との相対的な向きを示す概略図である。
【図8A】図7Aと同様であるが、ロック後の状態、すなわち90度〜270度さらに回転させた図である。
【図8B】図7Bと同様であるが、図8Aの状態に示すロック状態での回転に起因する不完全ねじ部とねじ山入口との角度差を示す図である。
【図9】本発明の代替的な実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明に係る固定装置の第1の実施形態を示す分解斜視図であり、この例では椎間インプラント装置100を示す。図2はその平面図である。装置100は、ケージの形態の装置本体1を含む。ケージは、チタニウム、チタニウム合金、またはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)などの生体性適合材料からなり、1つ以上の内部中空空間を囲むほぼ鉛直な側壁を有する。当該空間は、ケージ1の上面3aと下面3bとに向かって開口する。
【0023】
ケージ1の側壁は、一体に形成された前面壁4、背面壁5、右側壁6、および左側壁7で構成され、右側壁および左側壁は、前面壁と背面壁とを互いに接続する。前面壁4はケージ1の前方壁であり、背面壁5はケージ1の後方壁である。
【0024】
ケージ1は、背面壁5から前面壁4に向かって円弧形状に延在する2つの内壁8および9によって剛性がさらに安定化される。両方の内壁は、矢状面Sについて対称である。
【0025】
さらに2つの内壁10および11が存在し、背面壁から右側壁6および左側壁7に向かってそれぞれ延在する。内壁8および9と同様、内壁10および11は、矢状面Sについて対称である。内壁8〜11の各々は矢状面Sに向かって凹んだ円弧形状であるが、左側6および右側壁7はそれに対して凸である。この側壁および内壁の配置によって、ケージと骨との界面において最適な負荷伝達が生じることがわかっている。
【0026】
側壁および内壁によって規定される5つの空間は、骨グラフト材料で充填されるように設計される。さらに、各壁の上端および下端すなわちケージ1の上面および下面を、隣接する椎骨体40および42のエンドプレートに容易に挿入できるようにするために、当該上面および下面に小さな歯16が設けられる。一連の小さな歯の形状は、壁の形状に直接対応し、隣接する椎骨体に解剖学的に適合する、すなわち応力およびねじり分布の良好な安定性をもたらすようにさらに最適化される。
【0027】
ケージ1は、3つのボア2a,2b,2cも有し、各々が骨ねじを受け入れる、または収容する。ボア2aから2cはケージ1の前面壁4に配置され、中央の1つのボア2bは下方に傾斜し、2つの端のボア2aおよび2cは上方に傾斜する。逆の場合、すなわち中央のボア2bが上方に傾斜し、2つの端のボア2aおよび2cが下方に傾斜するように配置してもよい。図2の上面からわかるように、ボア2aおよび2cは、それぞれケージ1の上面3aに向かう開口部18aおよび18cを有する。内壁8〜11の特殊な形状および配置によって、3つのボアの各々は、(横断面に対してそれぞれ傾斜しつつ)これらの内壁8〜11によって限定されるそれぞれ別個の内部空間に向かっても開口する。
【0028】
椎間板の置換を意図するケージへの本用途については、45度±20度という傾斜角度を典型的に定め得る。固定プレートに利用する場合は、約90度±30度の傾斜角度を典型的に採用する。しかし、本発明は上記の具体的な値または範囲に限定されない。
【0029】
ボアの開口部22aおよび22cは、ケージ1の内部空間に向かって傾斜した前面壁4の内面の一部を構成するそれぞれの端面20aおよび20cに設けられる。端面20aおよび20cは、ボア2a〜2cのそれぞれの長手軸にほぼ垂直に配向される。以下で詳細に述べるように、端面は、骨ねじ30a〜30cに形成された逃げ溝に向かって突出する不完全ねじ部の突起部のための当接領域を形成する。
【0030】
図3Aおよび図3Bは、隣接する2つの椎骨体40および42の間へのケージ1の挿入を示す。この目的のため、ケージ1の両側、すなわち右側壁6および左側壁7内部に保持
スロット14が設けられる。保持スロット14は細長く、ケージ1の横断面Tにおいて延在する。ケージ1の挿入を容易にする保持器具による係合が、当該スロットによって可能になる。この実施形態では、ケージ1は、前方腰椎体間固定用ケージ(ALIFケージ)を示し、たとえば椎間板を置換するために、腰椎の隣接する2つの椎骨の間に前方からケージが導入される。
【0031】
ケージ1が椎骨体40および42の間に適切に位置決めされると、骨ねじ30a〜30cがそれぞれボア2a〜2cに挿入され、椎骨体40および42のエンドプレートにねじ込まれる(図3B)。説明のため、図4の実施形態ではボア2′および対応する骨ねじ30′の構造を簡略化して示す。同じ参照符号は、図面において同じまたは同様の部材を示す。
【0032】
本実施形態に係る骨ねじ30′(最初に図4の上部参照)は本質的に3つの部分、すなわち頭部36、骨ねじ山を規定する第1の(ねじ切りした)軸部、および逃げ溝34aを含む第2の軸部からなる。第1の軸部は、椎骨体40および42の隣接するエンドプレートの骨材に穿孔し切り込まれるように設計された雄ねじ32を有する。雄ねじ32は、螺旋状溝39および螺旋状突起部38によって形成される。
【0033】
第2の軸部は、雄ねじの不完全ねじ部から頭部36に向かって延在する逃げ溝34aを有する。第2の軸部の直径は、本実施形態では雄ねじ部分32のコア径31、すなわち雄ねじの螺旋状溝について測定した直径とほぼ同じである。換言すれば、逃げ溝34aの直径は、雄ねじ32を構成する螺旋状突起部38の直径(外径)よりも小さい。
【0034】
骨ねじは、雌ねじ部分22および円筒状の案内部分52を有する前面壁4に形成されたボア2′にまず挿入される。円筒状の案内部分52は、骨ねじの頭部36を収容するように配置され、それぞれの直径は、適切な案内を行なうためにほぼ同じである。さらに、案内部分52の直径は雌ねじ部分22の直径よりも大きく、両方の部分の間の移行部分は円錐形のストップ50によって示される。ストップ50は、締付状態に至ると、骨ねじ30′の頭部36に形成された対応する円錐形のキャッチ35と係合し得る(図4の下側部分)。
【0035】
骨ねじの雄ねじ32およびボアの雌ねじ22は互いに係合するように設けられる。したがって、骨ねじを雌ねじ22によってねじ込むことができる(図4の中央部分)。逃げ溝34の長手方向の長さは、雌ねじ22の長手方向の長さとほぼ同じである。より正確には、逃げ溝のこの長さは、ストップ50と、ケージ1の前面壁4の端面20′に向かう開口部18′との間の距離とほぼ同じである。その結果、キャッチ35がストップ50に当接すると、ねじ山部分22および32は離れる。
【0036】
さらにねじ込むと、ケージ1は椎骨体40および42のエンドプレートに対して締付られる。しかし、さらにねじ込むことによって、不完全ねじ部における螺旋状突起部37が、雌ねじ22のねじ山入口54(すなわち開口部18′に入る雌ねじの溝)に対して角度差を有することにもつながる。したがって、さらにねじ込む(骨ねじ30′を回転させる)と、不完全ねじ部における雄ねじ32の螺旋状突起部37が端面20′に当接する。
【0037】
図5は、本発明の代替的な実施形態を、同様に簡略化した構造で示す。同じ参照符号は同じまたは同様の部材を示す。本実施形態では、骨ねじ30″の頭部36は先の第2の実施形態と比べて著しく短い。挿入後に骨ねじを安定して案内する際に生じる不具合は、逃げ溝34bの特徴によって埋め合わされる。本実施形態では、逃げ溝の直径はねじ山部分32のコア径31よりも大きい。
【0038】
しかし、逃げ溝34bの直径は、実際にはねじ山部分32の螺旋状突起部のために外径よりも小さく、逃げ溝がボア2″の雌ねじ部分を通過する恐れがある。その結果、逃げ溝34bは、骨ねじの密着案内機能を果たすためにボアの雌ねじ部分の対応する突起部(詳細には図示せず)に密接する。換言すれば、雌ねじ部分22は案内部分52bとしても機能する。符号52a(図5の上側部分)は、短い頭部36の座部を示すにすぎない。
【0039】
図6は、図1〜図3に示した第1の実施形態に関する骨ねじ機構の対応構造を示す。同じ参照符号は同じまたは同様の部材を示す。骨ねじを挿入するステップ(59)と、骨ねじ30a〜30cをボア2a〜2cの雌ねじ部分によってねじ込むステップ(60)と、図4について上記で説明したのと同じように骨ねじをさらに回転させて(61)ロックするステップとを示す。キャッチ35を介して頭部36に、および雄ねじ部分を介して骨ねじ30a〜30cの第1の軸部に作用する力F1およびF2も示す(図6の下部)。
【0040】
図7A、図7B、図8A、および図8Bは、第1の実施形態に係る椎間インプラント装置100を固定またはロックするための動作を示す。この具体的な実施形態では六角形の骨ねじを採用し、六角形のレンチキーを用いて図7Aおよび図8Bに示すように骨ねじ30cをねじ込む。図7Aは、キャッチ35がストップ50に当接し、逃げ溝34cが前面壁4内のボア2cの雌ねじ部分22cの全体にわたって延在する状態を示す。したがって、さらにねじ込むと締付が生じる。
【0041】
さらなる締付と同時に、たとえば85度で骨ねじ30cをさらに回転させるステップ(61)によって、(断面図のため図7および図8では見えない)ねじ山入口54に対して、雄ねじ部分32の不完全ねじ部における螺旋状突起部37がたとえば85度の角度差で配向される。図7Bおよび図8Bの概略的な略図に配向を示す。骨ねじを緩めると、骨ねじ30cが外れるように作用するいずれかの力によって、突起部37は、不完全ねじ部がボア2cのねじ山入口54に合わないかぎり、前面壁の端面20cにより一層当接することになる。したがって、本実施形態によって固定機能が得られる。
【0042】
図9は代替的な実施形態を示す。同じ参照符号は、先の実施形態に示したのと同じまたは同様の部分および部材を示す。1つの相違点は、骨ねじに逃げ溝がない点である。しかし、骨ねじ300に、より詳細には骨ねじの頭部36に第2のねじ山部分330を設けることによって、ねじの脱落防止または固定機構が実現される。ケージの前面壁400(または骨固定プレートを考える場合は、プレートアセンブリのプレート400)に形成されたボア200は、第1の雌ねじ部分220と、雌ねじ部分に隣接した円筒状の案内部分520とを有する。本実施形態では、骨ねじ300の第2の雄ねじ部分330は頭部の雌ねじ部分と協働し、第1の雄ねじ部分(骨ねじ山)32は、隣接する骨の骨材と協働するに過ぎない。
【0043】
この理由により、骨ねじの軸部を受け入れるための狭い開口部180には、ねじ山は設けられない。
【0044】
固定機構は以下のとおりである。骨ねじをケージの前面壁400またはプレートのボア200にねじ込んだ後、第2のねじ山部分(頭部ねじ山)330がボア200の雌ねじ220によってねじ込まれる。頭部ねじ山のねじ山長さL1は、円筒状の案内部分520の長さと同じであるため、キャッチ35がストップ50にちょうど当接すると、雄ねじ330は雌ねじ220から離れる。
【0045】
案内部分520の円筒状の対称性によって、骨ねじはボア内で自由に回転可能である。したがって、隣接する骨材に、たとえば80度または90度〜270度または280度で骨ねじ山をより深くさらにねじ込むと、キャッチがストップに対してさらに締付られる。
これにより、頭部ねじ山330の不完全ねじ部における螺旋状突起部37は、ボア200内の雌ねじ220のねじ山入口に対して角度差を有する。その結果、突起部37が、雌ねじ220と円筒形の案内部分520との間の移行部分において、ボア内の対応する端面201に当接する。
【0046】
その結果、ねじが骨材中でたとえ緩んだとしても、ねじはケージまたはプレートから容易に脱落するおそれがない。頭部は円筒状の案内部分520内に確実に保持される。
【0047】
本発明は、ここに説明した詳細な特徴によって限定されるものではないと考えられるべきである。上記の実施形態にさまざまな変更を適用することは、発明の範囲内である。たとえば、当該分野で周知の、六角形の頭部ねじ以外の機構およびツールによって骨ねじを骨材にねじ込んでもよい。またたとえば、ケージおよびねじに採用される材料は、特定の必要に応じて選択してもよい。
【0048】
またさらに、3本の骨ねじを収容するための3つのボアを採用する実施形態が応力およびねじり分布に最適な設計をもたらすとわかっており、そのように説明したが、2つ、4つ、またはそれ以上のボアおよび骨ねじを採用する他の設計を採用してもよい。また本発明は、本実施形態に示したケージの内壁および外壁の特定の配置に限定されない。特に本発明は、骨プレートまたは同様の骨固定装置に関する用途を包含する。
【符号の説明】
【0049】
2′ ボア、4 前面壁、18′ 開口部、20′ 端面、22 雌ねじ部分、30′
骨ねじ、31 コア径、32 雄ねじ部分、34a 逃げ溝、35 移行部分、36 頭部、37 螺旋状突起部、38 螺旋状突起部、39 螺旋状溝、40,42 椎骨体、50 ストップ、52 案内部分、54 ねじ山入口。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨(40,42)のための固定装置(100)であって、
1つ以上の骨に固定され、骨ねじ(30)を受け入れるための少なくとも1つのボア(2a〜2c,2′,2″)を有する部材(1)を備え、前記少なくとも1つのボアは第1の雌ねじ部分(22a〜22c,22)を有し、
ボア(2)から骨に挿入するための骨ねじ(30)は、
少なくとも1つのボアの雌ねじ部分(22a〜22c,22)と協働するように配置された第1の雄ねじ部分(32)を有する第1の軸部と、
軸部よりも直径が大きく、ボアに形成されたストップ(50)に係合するように配置されたキャッチ(35)を有する頭部(36)と、
頭部のキャッチ(35)および第1の軸部の雄ねじ部分(32)の間に延在する逃げ溝(34a〜34c)を有する第2の軸部とを含む、固定装置(100)。
【請求項2】
椎間インプラント装置として配置された請求項1に係る固定装置であって、部材(1)は、上側椎骨体(40)および下側椎骨体(42)のエンドプレートにそれぞれ係合する上面(3a)および下面(3b)と、少なくとも1つのボアが形成される側壁(4)とを含む装置本体を備える、固定装置。
【請求項3】
骨ねじ(30)の第2の軸部は、ボアの第1の雌ねじ部分の内径よりも外径が小さい、請求項1または2に記載の固定装置。
【請求項4】
逃げ溝(34a)によって規定される第2の軸部の長さは、ボアの第1の雌ねじ部分(22a〜22c,22)の長さにほぼ等しい、請求項1から3のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項5】
第1の軸部の雄ねじ部分(32)は螺旋状突起部(38)を有し、
第1の軸部の雄ねじ部分(32)と第2の軸部の逃げ溝(34a)との間の移行部分に不完全ねじ部が設けられ、
不完全ねじ部に設けられた螺旋状突起部(38)は、頭部(36)のキャッチ(35)がボア内に形成されたストップ(50)に当接すると、ボアの開口部(18a〜18c,18,18′)を取り囲む装置本体の端面(20a〜20c,20′)に当接するように配置される、請求項1から4のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項6】
逃げ溝(34a)によって規定される第2の軸部の外径は、第1の軸部の外径よりも小さい,請求項1から5のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項7】
第2の軸部の逃げ溝(34a)の外径は、第1の軸部のコア部分の直径に等しい、またはそれよりも大きい、請求項6に記載の固定装置。
【請求項8】
第2の軸部の逃げ溝(34a)はねじ切りされておらず、ほぼ円筒形状を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項9】
ボア(2a〜2c,2′,2″)は円筒状の案内部分(52)をさらに有し、案内部分(52)はストップに隣接して延在し、骨ねじの頭部(36)を受け入れるためにボアの雌ねじ部分(22a〜22c,22′)よりも直径が大きい、請求項1から8のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項10】
装置本体は、前記骨ねじの3つに関連付けられる前記ボアの3つを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項11】
前記装置は椎間インプラント装置であり、
前記3つのボアは、装置本体の側壁の一部を構成する前面壁(4)に配置される、請求項10に記載の固定装置。
【請求項12】
前面壁(4)は、2つの第1の円弧状鉛直内壁(8,9)を介して背面壁(5)にさらに接続される、請求項11に記載の固定装置。
【請求項13】
側壁の一部を構成する左側壁(6)および右側壁(7)は、2つの第2の円弧状内壁(10,11)を介して背面壁(5)に各々接続される、請求項12に記載の固定装置。
【請求項14】
3つのボアの各々は、装置本体の分離内部空間に向かって開口し、内部空間は、隣接する椎骨体のエンドプレートに向かって開口し、かつ、
(a) 2つの第1の円弧状内壁(8,9)同士の間の空間、
(b) 2つの第1の円弧状内壁の一方(8)と、2つの第2の円弧状内壁の左側壁(10)との間の空間、および
(c) 2つの第1の円弧状内壁の他方(9)と2つの第2の円弧状内壁の右側壁(11)との間の空間のうちの1つである、請求項13に記載の固定装置。
【請求項15】
装置本体の上面(3a)および下面(3c)には、骨ねじによって締付られると隣接する椎骨体(40,42)のエンドプレートに埋め込まれる小さな歯(16)が設けられる、請求項2から14のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項16】
前方腰椎体間固定(ALIF)装置として配置される、請求項1から15のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項17】
隣接する骨同士を互いに固定するためのプレートアセンブリとして配置され、部材(1)はプレートである、請求項1または3から10のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項18】
骨のための固定装置(100)であって、
1つ以上の骨に固定され、骨ねじ(300)を受け入れるための少なくとも1つのボア(200)を有する部材(400)を備え、少なくとも1つのボア(200)は、第1の雌ねじ部分(220)と、雌ねじ部分に隣接する円筒状の案内部分(520)とを含み、
ボアから骨に挿入するための前記骨ねじは、
骨材、少なくとも1つのボアの雌ねじ部分と協働するように配置された第1の雄ねじ部分(32)を有する軸部と、
ボア(200)に形成されたストップ(50)に係合するように配置されたキャッチ(35)をもたらすために軸部よりも直径が大きい軸部(36)と、
第1の雌ねじ部分(220)と協働するように配置され、かつボア(200)に骨ねじ(300)をねじ込んだ後、キャッチ(35)がストップ(50)と係合すると、円筒状の案内部分(520)によって受け入れられる第2の雄ねじ部分(330)とを含む、固定装置(100)。
【請求項19】
椎間インプラント装置(100)を2つの隣接する椎骨体(40,42)の間に移植する方法であって、
装置本体を2つの隣接する椎骨体(40,42)の間に挿入するステップを備え、装置本体は、上側椎骨体(40)と下側椎骨体(42)のエンドプレートにそれぞれ係合する上面および下面と、側壁(4)と、骨ねじ(30)を受け入れるために側壁に形成され、かつ第1の雌ねじ部分(22a〜22c,22′)を有する少なくとも1つのボア(2a〜2c,2′,2″)とを含み、さらに、
骨ねじをボアに取付けるステップを備え、骨ねじは、少なくとも1つのボアの雌ねじ部分(22a〜22c,22′)と協働するように配置された第1の雄ねじ部分(32)を有する第1の軸部と、ボアに形成されたストップ(50)に係合するように配置されたキャッチ(35)をもたらすために軸部よりも直径が大きい頭部(36)と、頭部(36)のキャッチ(35)および第1の軸部の雄ねじ部分(32)の間に延在する逃げ溝(34a)を有する第2の軸部とを含み、さらに、
(a)キャッチがストップに当接し、かつ(b)逃げ溝(34a)によって両方のねじ山が互いから離れるまで、雄ねじ部分(32)が雌ねじ部分(22a〜22c,22′)によってねじ込まれるように骨ねじ(30)をねじ込むステップと、
骨ねじ(30)が緩むまたは落下することを防ぐために、90〜270度さらにねじ込むステップとを備える、方法。
【請求項1】
骨(40,42)のための固定装置(100)であって、
1つ以上の骨に固定され、骨ねじ(30)を受け入れるための少なくとも1つのボア(2a〜2c,2′,2″)を有する部材(1)を備え、前記少なくとも1つのボアは第1の雌ねじ部分(22a〜22c,22)を有し、
ボア(2)から骨に挿入するための骨ねじ(30)は、
少なくとも1つのボアの雌ねじ部分(22a〜22c,22)と協働するように配置された第1の雄ねじ部分(32)を有する第1の軸部と、
軸部よりも直径が大きく、ボアに形成されたストップ(50)に係合するように配置されたキャッチ(35)を有する頭部(36)と、
頭部のキャッチ(35)および第1の軸部の雄ねじ部分(32)の間に延在する逃げ溝(34a〜34c)を有する第2の軸部とを含む、固定装置(100)。
【請求項2】
椎間インプラント装置として配置された請求項1に係る固定装置であって、部材(1)は、上側椎骨体(40)および下側椎骨体(42)のエンドプレートにそれぞれ係合する上面(3a)および下面(3b)と、少なくとも1つのボアが形成される側壁(4)とを含む装置本体を備える、固定装置。
【請求項3】
骨ねじ(30)の第2の軸部は、ボアの第1の雌ねじ部分の内径よりも外径が小さい、請求項1または2に記載の固定装置。
【請求項4】
逃げ溝(34a)によって規定される第2の軸部の長さは、ボアの第1の雌ねじ部分(22a〜22c,22)の長さにほぼ等しい、請求項1から3のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項5】
第1の軸部の雄ねじ部分(32)は螺旋状突起部(38)を有し、
第1の軸部の雄ねじ部分(32)と第2の軸部の逃げ溝(34a)との間の移行部分に不完全ねじ部が設けられ、
不完全ねじ部に設けられた螺旋状突起部(38)は、頭部(36)のキャッチ(35)がボア内に形成されたストップ(50)に当接すると、ボアの開口部(18a〜18c,18,18′)を取り囲む装置本体の端面(20a〜20c,20′)に当接するように配置される、請求項1から4のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項6】
逃げ溝(34a)によって規定される第2の軸部の外径は、第1の軸部の外径よりも小さい,請求項1から5のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項7】
第2の軸部の逃げ溝(34a)の外径は、第1の軸部のコア部分の直径に等しい、またはそれよりも大きい、請求項6に記載の固定装置。
【請求項8】
第2の軸部の逃げ溝(34a)はねじ切りされておらず、ほぼ円筒形状を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項9】
ボア(2a〜2c,2′,2″)は円筒状の案内部分(52)をさらに有し、案内部分(52)はストップに隣接して延在し、骨ねじの頭部(36)を受け入れるためにボアの雌ねじ部分(22a〜22c,22′)よりも直径が大きい、請求項1から8のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項10】
装置本体は、前記骨ねじの3つに関連付けられる前記ボアの3つを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項11】
前記装置は椎間インプラント装置であり、
前記3つのボアは、装置本体の側壁の一部を構成する前面壁(4)に配置される、請求項10に記載の固定装置。
【請求項12】
前面壁(4)は、2つの第1の円弧状鉛直内壁(8,9)を介して背面壁(5)にさらに接続される、請求項11に記載の固定装置。
【請求項13】
側壁の一部を構成する左側壁(6)および右側壁(7)は、2つの第2の円弧状内壁(10,11)を介して背面壁(5)に各々接続される、請求項12に記載の固定装置。
【請求項14】
3つのボアの各々は、装置本体の分離内部空間に向かって開口し、内部空間は、隣接する椎骨体のエンドプレートに向かって開口し、かつ、
(a) 2つの第1の円弧状内壁(8,9)同士の間の空間、
(b) 2つの第1の円弧状内壁の一方(8)と、2つの第2の円弧状内壁の左側壁(10)との間の空間、および
(c) 2つの第1の円弧状内壁の他方(9)と2つの第2の円弧状内壁の右側壁(11)との間の空間のうちの1つである、請求項13に記載の固定装置。
【請求項15】
装置本体の上面(3a)および下面(3c)には、骨ねじによって締付られると隣接する椎骨体(40,42)のエンドプレートに埋め込まれる小さな歯(16)が設けられる、請求項2から14のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項16】
前方腰椎体間固定(ALIF)装置として配置される、請求項1から15のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項17】
隣接する骨同士を互いに固定するためのプレートアセンブリとして配置され、部材(1)はプレートである、請求項1または3から10のいずれか1項に記載の固定装置。
【請求項18】
骨のための固定装置(100)であって、
1つ以上の骨に固定され、骨ねじ(300)を受け入れるための少なくとも1つのボア(200)を有する部材(400)を備え、少なくとも1つのボア(200)は、第1の雌ねじ部分(220)と、雌ねじ部分に隣接する円筒状の案内部分(520)とを含み、
ボアから骨に挿入するための前記骨ねじは、
骨材、少なくとも1つのボアの雌ねじ部分と協働するように配置された第1の雄ねじ部分(32)を有する軸部と、
ボア(200)に形成されたストップ(50)に係合するように配置されたキャッチ(35)をもたらすために軸部よりも直径が大きい軸部(36)と、
第1の雌ねじ部分(220)と協働するように配置され、かつボア(200)に骨ねじ(300)をねじ込んだ後、キャッチ(35)がストップ(50)と係合すると、円筒状の案内部分(520)によって受け入れられる第2の雄ねじ部分(330)とを含む、固定装置(100)。
【請求項19】
椎間インプラント装置(100)を2つの隣接する椎骨体(40,42)の間に移植する方法であって、
装置本体を2つの隣接する椎骨体(40,42)の間に挿入するステップを備え、装置本体は、上側椎骨体(40)と下側椎骨体(42)のエンドプレートにそれぞれ係合する上面および下面と、側壁(4)と、骨ねじ(30)を受け入れるために側壁に形成され、かつ第1の雌ねじ部分(22a〜22c,22′)を有する少なくとも1つのボア(2a〜2c,2′,2″)とを含み、さらに、
骨ねじをボアに取付けるステップを備え、骨ねじは、少なくとも1つのボアの雌ねじ部分(22a〜22c,22′)と協働するように配置された第1の雄ねじ部分(32)を有する第1の軸部と、ボアに形成されたストップ(50)に係合するように配置されたキャッチ(35)をもたらすために軸部よりも直径が大きい頭部(36)と、頭部(36)のキャッチ(35)および第1の軸部の雄ねじ部分(32)の間に延在する逃げ溝(34a)を有する第2の軸部とを含み、さらに、
(a)キャッチがストップに当接し、かつ(b)逃げ溝(34a)によって両方のねじ山が互いから離れるまで、雄ねじ部分(32)が雌ねじ部分(22a〜22c,22′)によってねじ込まれるように骨ねじ(30)をねじ込むステップと、
骨ねじ(30)が緩むまたは落下することを防ぐために、90〜270度さらにねじ込むステップとを備える、方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【公開番号】特開2013−106979(P2013−106979A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−44313(P2013−44313)
【出願日】平成25年3月6日(2013.3.6)
【分割の表示】特願2008−189839(P2008−189839)の分割
【原出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年3月6日(2013.3.6)
【分割の表示】特願2008−189839(P2008−189839)の分割
【原出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(511211737)ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
【Fターム(参考)】
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