骨を通して器具を誘導するシステム及び方法
【課題】所定の湾曲経路を予測可能に辿る経路を骨の内部に作り出すシステム及び方法を提供する。
【解決手段】骨の内部に経路を形成するシステム及び方法が、トロカールであって、近位端と、遠位端と、該トロカールの中心軸に沿って設けられた中央チャネルとを有するトロカールを含む。トロカールは、該トロカールの遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含む。本システムは、中央チャネル内に受け入れられるサイズになっている湾曲可能なカニューレであって、半径方向開口部から横方向外向きに、トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端を含む、湾曲可能なカニューレを含む。湾曲可能なカニューレは、中央通路であって、プローブが該中央通路を通って湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を有する。
【解決手段】骨の内部に経路を形成するシステム及び方法が、トロカールであって、近位端と、遠位端と、該トロカールの中心軸に沿って設けられた中央チャネルとを有するトロカールを含む。トロカールは、該トロカールの遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含む。本システムは、中央チャネル内に受け入れられるサイズになっている湾曲可能なカニューレであって、半径方向開口部から横方向外向きに、トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端を含む、湾曲可能なカニューレを含む。湾曲可能なカニューレは、中央通路であって、プローブが該中央通路を通って湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明は、概して、組織を通る通路を作り出すことに関し、より詳細には、骨の内部に湾曲路を作ることに関する。
【0002】
[著作権保護を受ける資料の通知]
本特許文献中の資料の一部は、米国及びその他の国の著作権法に従って著作権保護を受ける。著作権者は、米国特許商標庁の一般公開ファイル又は記録内に表されている通りに特許文献又は特許開示を第三者が複製することに異議を唱えないが、それ以外はいかなる場合も全ての著作権を留保する。著作権者は、限定するわけではないが米国特許法施行規則§1.14に従う諸権利を含め、この特許文献を秘密裏に保持しておく諸権利のいずれも放棄するものではない。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
近年、椎体形成術及び椎骨形成術において用いられる手術手技を通じて、低侵襲性手段によって椎体にアクセスする技法が開発されてきている。椎弓根を通って椎体の側部/前部の内部へ向かって脊椎の椎骨分節にアクセスすることは、治療装置(例えば骨セメント送達装置及び/又はRFプローブ)を椎骨の内部に配置する主要な方法であるが、プローブを椎骨の後正中線部内に配置することは困難である。さらに、直線状のアクセス路では脊椎のS1分節の後正中線部にアクセスすることは困難である。プローブは好ましくは、S1椎体の後部及び腰椎分節内の同じ標的領域に誘導することが可能である必要がある。加えて、頚椎及び胸椎内の脊椎分節も標的にすることが可能であることが意図される。
【0004】
腰椎体又はS1椎体の後正中線部内に治療装置を正確かつ予測可能に配置するには、該装置又はプローブが様々な密度の骨を通って上記領域に誘導される必要がある。しかしながら、骨の密度が様々であることにより、骨の内部でプローブを誘導すること、及び椎体の後正中線部内でのプローブの位置決めを確実にすることは困難である。
【0005】
現在の組織吸引技法には、ガイド針の位置を変更することなくガイド針を通して幾つかの吸引物を取り込むことを可能にする同心型針電極システムを必要とする。しかしながら、このシステムに伴う問題は、内側針を損傷部位へ最初に通した後、続く針の通過が当該塊内の同じ経路を辿る傾向があるため、診断用の細胞ではなく、血液しか得られないことである。
【0006】
科学論文である非特許文献1が、幾つかの吸引生検を可能にするために側部から出る同心型針電極の使用を記載している。ガイド針が遠位先端から1cmのところに側穴を有している。この新しいガイド針を通してより小さな針を前進させると、この小さな針はガイドの内側の斜面によって偏向することで側穴を通って出る。この側部から出る針は骨吸引針を偏向させることができるが、この針が側穴から組織部位へ直線方向に出ることは保証しない。組織吸引針は、針から出ると、組織の密度及び針固有の材料強度に応じて直線経路から逸れることになる。これが、この装置が克服することのできない固有の問題である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Kopecky他著、「Side-Exiting Coaxial Needle for Aspiration Biopsy」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の一つの目的は、所定の湾曲経路を予測可能に辿る経路を骨の内部に作り出すシステム及び方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、RF双極プローブのような可撓性治療器具を骨の内部で展開及び誘導するシステム及び方法に関する。以下に記載のシステム及び方法は主として、脊椎の椎骨の一部分を通って骨を誘導することに関し、特に、椎骨の一部分のBVNを治療することに関するが、本発明の新規の態様は、身体のいかなる組織分節にも適用することができることを理解されたい。
【0010】
本発明の第1の新規の原理は、様々な密度の海綿骨の内部で湾曲部又は角度の付いた部分を誘導することができること、及び誘導された湾曲部又は角度の付いた部分の端に直線状チャネルを作ることができることである。幾つかのシステムを説明する。
【0011】
1つの態様は、外側の皮質骨領域及び内側の海綿骨領域を有する椎体を治療目的で処置するとともに、外側の皮質骨領域から内側の海綿骨領域に延びる神経幹(trunk)と、該神経幹から延びてBVN分岐点を画定する神経枝(branches)とを有するBVNを治療目的で処置する方法であって、a)エネルギー装置を椎体に挿入するステップと、b)BVNを除神経する(denervate:麻痺させる)ために、BVN分岐点と外側の皮質骨領域との間の椎体の内側の海綿骨領域内(BVN分岐点と外側の皮質骨領域は除外する)にエネルギーを排他的に投入するステップとを含む方法である。
【0012】
本発明の別の態様では、入れ子式チューブ(tube-within-tube:二重チューブ)の実施の形態は、直線状カニューレから展開する展開可能な湾曲したニチノール製チューブを有する。ニチノール製チューブは、直線状カニューレから完全に展開すると、約0度〜約180度、より具体的には約45度〜約110度の角度範囲を形成するように予め湾曲している。湾曲の設計は、可撓性要素(治療装置を搬送する)がニチノール製チューブの展開の角度範囲にわたって進むことができるようなものである。湾曲したニチノール製チューブにより、骨の内部の湾曲部を通って、可撓性要素を意図しない方向へ逸らすことなく誘導することが可能である。海綿骨の密度は人によって様々である。したがって、様々な密度の海綿骨の内部に湾曲チャネルを作ることは、治療装置が湾曲チャネルを進もうとするときに、概して予測可能に又は正確に治療装置を支持及び保持しない。本発明によれば、可撓性要素は湾曲したニチノール製チューブを通して骨の内部に展開され、このチューブは要素が湾曲部を横断する際に要素を支持する。要素は、チューブから離れるときに、標的ゾーンに向かって直線方向に離れる。この設計により、ユーザーが、海綿骨の密度に関係なく、標的ゾーンに向けて予測可能にかつ正確に可撓性要素を展開することが可能となる。
【0013】
本発明の一態様は、骨の内部に経路を形成するシステムである。本システムは、中央チャネルと遠位先端の開口部とを有するトロカールと、上記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに遠位開口部に送達されるカニューレとを含む。カニューレは予成形湾曲部を有する偏向可能な先端を有しているため、該先端は、トロカールを通って送達されている間は真っ直ぐとなり、トロカールの遠位開口部から出て該開口部を越えて延びると予成形湾曲部に戻ることで、偏向可能な先端の予成形湾曲部に対応する湾曲経路を骨の内部に作り出す。カニューレは、中央通路であって、治療装置が該中央通路を通って湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を含む。
【0014】
1つの実施の形態では、本システムは、トロカール内に導入されるように構成されている直線状スタイレットを更に含み、その場合、直線状スタイレットは、トロカールが骨の内部の治療位置まで送達される際にトロカールの遠位開口部を越えて延びることで骨に穿孔するように構成されている鋭利な遠位先端を含む。
【0015】
本システムは、カニューレ内に導入されるように構成されている矯正用(straightening)スタイレットを更に含むことができ、その場合、矯正用スタイレットは、トロカール内に位置決めされたときにカニューレの遠位先端を真っ直ぐに矯正するように構成されている剛性構造を含む。
【0016】
代替的な一実施の形態では、矯正用スタイレットは、骨に穿孔するための鋭利な遠位端を更に含み、矯正用スタイレット及びカニューレは、トロカールが骨の内部に送達される際に、直線状スタイレットの代わりにトロカール内に導入される。
【0017】
好ましい一実施の形態では、本システムは、湾曲カニューレの中央通路の内部に適合するサイズになっている外径を有する湾曲スタイレットを更に含む。湾曲スタイレットは、湾曲カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて延びる間は、湾曲カニューレ内に導入されるように構成されており、骨の内部に送達される間は、湾曲カニューレの遠位開口部を塞ぐように構成されている。好ましくは、湾曲スタイレットは、湾曲カニューレの湾曲部に対応する湾曲した遠位端を有する。
【0018】
湾曲スタイレットもまた、カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて送達される際に湾曲カニューレを越えて延びることで骨に穿孔するように構成されている鋭利な遠位先端を有する。湾曲スタイレットはまた、好ましくは、トロカールの遠位開口部を越えて骨の内部に送達される際に湾曲スタイレットのアールを更に支持及び維持するように構成されている角度付き遠位先端を含む。
【0019】
好ましくは、湾曲スタイレット及び湾曲カニューレは、湾曲スタイレットの湾曲部と湾曲カニューレの湾曲部とを位置合わせする嵌合近位端を有する。
【0020】
1つの実施の形態では、本システムは、湾曲スタイレットを取り外した後でカニューレ内に導入されるように構成されている直線状の経路形成用(channeling)スタイレットを更に含み、その場合、直線状の経路形成用スタイレットは、湾曲カニューレを誘導するように柔軟に変形可能であるが、湾曲カニューレを出ると直線形状を保ち、また、その場合、直線状の経路形成用スタイレットは、完全に延びた場合に湾曲カニューレの遠位端を越えて直線経路を形成するように湾曲カニューレよりも長さが長い。
【0021】
別の態様は、患者の体内の治療位置まで骨の内部に経路を形成する方法である。本方法は、中央チャネルと遠位先端の開口部とを有するトロカールを、治療位置にあるか又は治療位置の近くにある骨の領域の内部に挿入するステップと、上記中央チャネルを通して上記遠位開口部までカニューレを送達するステップであって、その場合、カニューレは、予成形湾曲部を有する偏向可能な先端を有しているため、該先端は、トロカールを通って送達される間は真っ直ぐとなり、トロカールを出るとその予成形湾曲に戻る、ステップと、偏向可能な先端の予成形湾曲部に対応する湾曲経路を骨の内部に作り出すようにトロカールの遠位開口部を越えてカニューレを延ばすステップとを含む。最終的に、治療装置は、上記カニューレ内の中央通路を通って湾曲経路を越えて治療位置まで送達される。
【0022】
1つの実施の形態では、トロカールを骨の領域の内部に挿入するステップは、スタイレットがトロカールの遠位開口部を越えて延びるようにスタイレットをトロカールに挿入するステップと、トロカールが治療位置まで送達される際にスタイレットが骨に穿孔するようにスタイレット及びトロカールを同時に骨の領域の内部に挿入するステップとを含む。
【0023】
別の実施の形態では、中央チャネルを通してカニューレを送達するステップは、カニューレの中央通路に矯正用スタイレットを挿入するステップであって、その場合、矯正用スタイレットは、カニューレの湾曲した遠位先端を真っ直ぐに矯正するように構成されている剛性構造を含む、ステップと、矯正用スタイレット及び被矯正カニューレを同時にトロカールに挿入するステップとを含む。
【0024】
代替的な一実施の形態では、矯正用スタイレットは、骨に穿孔するための鋭利な遠位端を更に有し、その場合、矯正用スタイレット及びカニューレは、トロカールが骨の内部へ送達される際にトロカールとともに同時に導入される。
【0025】
また別の実施の形態では、遠位開口部を越えてカニューレを延ばすステップは、湾曲スタイレットの遠位先端が湾曲カニューレの少なくとも遠位開口部に延びるように湾曲カニューレの中央通路に湾曲スタイレットを挿入するステップによって、かつ、骨の内部へ送達される間、湾曲スタイレットが湾曲カニューレの遠位開口部を塞ぐように、トロカールの遠位端から湾曲カニューレ及び湾曲スタイレットを同時に延ばすステップによって行われる。
【0026】
好ましい実施の形態では、湾曲スタイレットは、湾曲カニューレの湾曲部に対応する湾曲した遠位端を有し、その場合、湾曲スタイレットは、湾曲カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて延びる際に湾曲カニューレの湾曲形状を強める。湾曲スタイレットは、中央通路内を前進させられるような鋭利な遠位先端を有しており、そのため、湾曲カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて送達される際に湾曲スタイレットが骨に穿孔するように、カニューレの遠位開口部を越えて延びる。
【0027】
更なるステップでは、湾曲スタイレットを湾曲カニューレから取り外し、該カニューレの湾曲した遠位端に直線状の経路形成用スタイレットを挿入する。直線状の経路形成用スタイレットは、湾曲カニューレを進むように柔軟に変形可能であるが、湾曲カニューレを出ると直線形状を保つ。直線状の経路形成用スタイレットは、湾曲カニューレの遠位先端を超えて直線チャネルを作るように湾曲カニューレよりも長い。
【0028】
好ましい実施の形態では、トロカールは皮質骨領域を通して椎骨の海綿骨領域の内部に挿入され、湾曲カニューレは、海綿骨領域の少なくとも一部を通って、治療位置にあるか又は治療位置の近くにある位置まで延びる。好ましい治療位置は椎骨のBVNを含み、該BVNの少なくとも一部を除神経するように治療がその治療位置まで送達される。1つの実施の形態では、集中させた治療用熱をBVNの隔離領域まで送達することによってBVNの一部を除神経する。別の実施の形態では、作用物質を治療領域に送達してその領域に対する治療を隔離することによってBVNの一部を除神経する。好ましくは、治療をBVNの1つ又は複数の神経枝の下流にあるBVNの位置に集中させる。
【0029】
別の態様は、骨の内部に経路を形成するキットである。本キットは、中央チャネルと遠位先端の開口部とを有するトロカールと、上記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに上記遠位開口部に送達される一組のカニューレから選択されるカニューレとを含む。カニューレは、予成形湾曲部を有する偏向可能な遠位先端を有しており、そのため、該先端は、トロカールを通って送達される間は真っ直ぐとなり、トロカールの遠位開口部を出て該開口部を越えて延びるとその予成形湾曲に戻ることで、偏向可能な先端の予成形湾曲部に対応する湾曲経路を骨の内部に作り出す。カニューレは、中央通路であって、治療装置が該中央通路を通って湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を含み、その場合、一組のカニューレは、遠位先端に様々な予成形湾曲部を有する1つ又は複数のカニューレを含む。
【0030】
好ましい実施の形態では、1つ又は複数のカニューレは、遠位先端に様々な予成形アールを有する。加えて、1つ又は複数のカニューレはそれぞれ、トロカールの中央チャネルに対して様々な角度で終端する遠位先端を有する。遠位先端の長さもまた様々とすることができる。トロカールの中央チャネルに対する遠位先端の角度は、0度〜180度まで様々とすることができる。
【0031】
本キットは、トロカール内に設置されるように構成されている直線状スタイレットであって、トロカールが骨の内部の治療位置まで送達される際にトロカールの遠位開口部を越えて延びて骨に穿孔するように構成されている鋭利な遠位先端を有する直線状スタイレットを更に含むことができる。
【0032】
好ましい実施の形態では、本キットは、湾曲カニューレの中央通路内に適合するサイズになっている外側半径を有する一組の湾曲スタイレットを含み、その場合、各湾曲スタイレットは、湾曲カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて延びる間、湾曲カニューレ内に導入されるように構成されている。湾曲スタイレットは、骨の内部に送達される間、湾曲カニューレの遠位開口部を塞ぐように構成されている。各湾曲スタイレットは、一組の湾曲カニューレの中の整合する湾曲カニューレの湾曲部に対応する様々な湾曲した遠位端を有する。湾曲スタイレットは、カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて送達される際に湾曲カニューレを越えて延びて骨に穿孔するように構成されている鋭利な遠位先端を有する。
【0033】
別の実施の形態では、本キットは、一組の直線状の経路形成用スタイレットを含み、その場合、一組の該スタイレットのうちの一方は、湾曲スタイレットを取り外した後でカニューレ内に導入されるように構成されている。直線状の経路形成用スタイレットは、湾曲カニューレを進むように柔軟に変形可能であるが、湾曲カニューレを出ると直線形状を保つ。直線状の経路形成用スタイレットのそれぞれは湾曲カニューレよりも長い様々な長さを有しており、そのため、該直線状の経路形成用スタイレットは、完全に延びると湾曲カニューレの遠位端を越えて所定の長さの直線経路を作る。
【0034】
別の態様は、骨の内部に経路を形成するシステムであって、近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、近位端から遠位端に向かって延びている、トロカールを有する。トロカールは、該トロカールの遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は中央チャネルと連通する。本システムは上記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、近位端から上記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレを含む。湾曲可能なカニューレは、半径方向開口部から横方向外向きに、トロカールから離れるように延びる湾曲経路内を延びるように構成されている湾曲可能な遠位端と、中央通路であって、プローブが該中央通路を通って湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路とを含む。
【0035】
更なる態様は、脊椎治療システムであって、近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、近位端から遠位端に向かって延びており、該トロカールは、該トロカールの遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は中央チャネルと連通し、該トロカールは、皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に展開するように構成されている、トロカールと、上記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、近位端から上記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、該湾曲可能なカニューレは、中央通路と、半径方向開口部から横方向外向きに、トロカールから離れるように延びる湾曲経路を延びるように構成されている湾曲可能な遠位端とを含み、湾曲経路は、椎体の海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、湾曲可能なカニューレと、中央通路を通して湾曲経路を越えた位置まで送達されるように構成されている治療プローブと、を含む、脊椎治療システムである。
【0036】
別の態様は、患者の体内の治療位置まで骨の内部に経路を形成する方法であって、治療位置の近くの骨の領域の内部にトロカールを挿入するステップであって、トロカールは、近位端と、遠位端と、近位端及び遠位端間に設けられている中央チャネルとを有し、トロカールは、該トロカールの遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は中央チャネルと連通する、ステップと、上記中央チャネルを通して上記半径方向開口部に湾曲可能なカニューレを送達するステップと、半径方向開口部から横方向外向きに、トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に湾曲可能なカニューレを展開するステップと、を含む方法である。
【0037】
本発明の更なる態様は、本明細書の以下の部分において明らかとなり、その場合、詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態を十分に開示するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0038】
本発明は、単に説明目的である添付の図面の参照によって、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出すシステムを示す図である。
【図2】図1のシステムの断面図である。
【図3】皮質シェルを貫通する経路があけられた椎体の断面図である。
【図4A】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4B】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4C】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4D】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4E】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4F】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図5】本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出す代替的なシステムを示す図である。
【図6】椎体の内部に導入されている、図5のシステムを示す図である。
【図7A】本発明による湾曲スタイレットを示す図である。
【図7B】本発明による湾曲スタイレットを示す図である。
【図8】本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出すシステムの斜視図である。
【図9】図8のシステムの分解図である。
【図10A】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図10B】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図10C】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図10D】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図10E】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図11】椎体の内部へのシステムの導入時の、図8のシステムの近位端の断面図である。
【図12】椎体の内部へのシステムの導入時の、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図13】椎体の内部への湾曲可能なカニューレの展開後の、図8のシステムの近位端の断面図である。
【図14】椎体の内部への湾曲可能なカニューレの展開後の、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図15】駆動ナットが後退した、図8のシステムの近位端の断面図である。
【図16】椎体の内部へのプローブの展開後の、図8のシステムの近位端の断面図である。
【図17】椎体の内部へのプローブの展開後の、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図18A】湾曲可能なカニューレが収容位置にある、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図18B】湾曲可能なカニューレが展開位置にある、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図19A】本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出す代替的なシステムの斜視図である。
【図19B】展開した態様の図19Aのシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
説明目的で、図面をより具体的に参照すると、本発明は、図1〜図19Bにおいて概ね示されている装置で具現されている。本明細書に開示されているような基本概念から逸脱することなく、本装置が形態及び部品細部に関して様々であってもよいこと、並びに、本方法が特定のステップ及び順序に関して様々であってもよいことが理解されるであろう。
【0041】
入れ子式チューブ
図1及び図2は、骨を通って経路を形成するシステムすなわちキット10を含む、本発明の第1の実施形態を示す。本システムは針トロカール20(器具セットの本体)を含む。トロカール20は、その近位端32にあるハンドル24と、トロカール20の遠位端22まで貫通する中央内腔36とを有する細長いシャフト28を含む。中央内腔36は概して、システム10における他の器具が患者内の治療領域まで摺動可能に導入されることを可能にするサイズになっている。システム10は、軟組織及び皮質シェルを貫通して初期経路を作って海綿骨へのアクセスを可能にするのに針トロカール20とともに用いられる鋭利な先端付き針84をその遠位端に有する直線状スタイレット80と、骨/組織の内部に湾曲経路を作る/維持するのに用いられる湾曲カニューレ50とを更に含む。湾曲部を真っ直ぐに矯正するとともに、湾曲カニューレ50を針トロカール20に装填するのに矯正用スタイレット40が用いられる。骨/組織の内部に湾曲経路を作るのに湾曲スタイレット60が湾曲カニューレ50と併用され、湾曲カニューレ50によって作られた湾曲経路の端を越えて(RFプローブ100のような)治療装置のための作業用チャネルを作るのに経路形成用スタイレット90が用いられる。
【0042】
記載の手術用装置及び手術用システムを用いて、数多くのタイプの治療装置を身体の様々な領域に送達することができる。本発明の装置及びシステムは、骨を通って誘導する際に特に有用であるが、軟組織又は体内のチャネルすなわち内腔(特に或る内腔が別の内腔から分岐し得る場所)を通って誘導するのにも用いることができることが理解される。
【0043】
以下の例は、椎体の内部に湾曲した骨経路を作り出すために、より詳細には、脊椎の内部の標的領域にアクセスするのに椎弓根を通るアプローチ(transpedicular approach)を介して骨経路を作るために適用されるシステム10を示す。特に、システム10は、治療装置を送達して骨内神経、特に椎体神経(BVN)を治療するか又は除去するのに用いることができる。本システム及び本方法は、BVNにアクセスする際に有意な利点を与えるが、本発明のシステム10は、身体の任意の部分に骨経路を作るのに同様に用いることができることが理解されるであろう。
【0044】
図3は、椎骨120の断面図を示す。近年、ヒトの椎体の内部に多量の骨内神経122及び神経枝130(「椎体神経」)が存在することが同定された。椎体神経122は、該神経122に沿った位置に少なくとも1つの出口点142を有し、この出口点142において神経122は椎体126を出て椎孔132に入る。
【0045】
好ましくは、椎体神経は出口点142にあるか又は出口点142に非常に近接している。したがって、BVN122の標的領域は、骨の海綿状部分124内に(すなわち外側の皮質骨領域128の内部に)、かつ、(例えば神経122に沿った地点A及びB間に)複数の神経枝130を有するBVN122の分岐点Jに近接して位置している。この領域における治療は、系全体を除神経するか又は系全体に影響を及ぼすのにBVN122の1つの部分のみを効果的に治療しさえすればよいことから有利である。通常、この実施形態による治療は、椎体の前端及び後端間の60%(地点A)〜90%(地点B)の距離に位置する椎体の領域に焦点を合わせることによって行うことができる。対照的に、分岐点Jよりも下流の位置におけるBVN122の治療には、各神経枝130の除神経が必要となる。
【0046】
BVNにアクセスする1つのアプローチでは、手術用器具によって患者の皮膚に貫入し、次いで、該手術用器具を用いて、所望の椎体神経に、すなわち経皮的にアクセスする。1つの実施形態では、椎骨皮質に貫入してBVN122にアクセスするのに椎弓根を通るアプローチが用いられる。横突起134と棘突起136との間には、椎弓根138を通って椎体126の海綿骨領域124に至ることで、神経122の基部にあるか又は該基部の近くにある領域にアクセスするための通路140が作られる。神経にアクセスするのに後外側からのアプローチ(図示せず)も用いることができることが理解される。
【0047】
図4A〜図4Fは、本発明のシステム10を用いてBVNにアクセスする好ましい方法を示す。最初に、直線状スタイレット80を、針トロカール20の近位端32にある孔26に挿入する。近位止め部82がトロカール20のハンドル24に当接するまで、直線状スタイレット80をトロカール20の中央内腔36(図2を参照のこと)内を下方に前進させ、当接した地点で直線状スタイレットの遠位先端84がトロカール20の遠位端22から突き出る。直線状スタイレット80の先端84は好ましくは、軟組織及び骨に穿孔するための鋭利な先端を含む。
【0048】
ここで図4Aを参照すると、アセンブリ(トロカール20及び直線状スタイラス80)を、軟組織を通って骨の表面まで前進させる。適切な位置合わせが確定されると、アセンブリを、椎弓根138の皮質シェルを貫通して骨の海綿状内部構造部124まで前進させる。
【0049】
適切な深さに達した後、トロカール20を椎骨120の内部に固定したまま、直線状スタイレット80をトロカール20から取り外す。矯正用スタイレット40を、湾曲カニューレ50の近位孔52(図2を参照のこと)に挿入し、該スタイレット40の止め部42が湾曲カニューレ50の近位端まで当接するまで湾曲カニューレの中央内腔に沿って前進させる。これにより、直線状スタイレットの遠位先端が湾曲カニューレ50の湾曲セクション56に押し通されて該湾曲部56を真っ直ぐに矯正する。直線状スタイレットは硬い非柔軟性材料を含み、湾曲カニューレ50の遠位端56は柔軟であるが記憶保持する材料(例えばニチノール、成形PEEK等)を含むことが想定され、そのため、湾曲セクション56は、矯正用スタイレット40が導入されると該スタイレットの剛性に屈するが、スタイレット40が取り外されると該湾曲セクションの元の湾曲形状を保つ。
【0050】
図4Bに示されているように、矯正用スタイレット40が固定され、湾曲カニューレ50が真っ直ぐになると、矯正用スタイレット40及び湾曲カニューレ50を針トロカール20に挿入して固定する。湾曲カニューレ50の上部58の平坦部と、針トロカール20のハンドル24に垂直に固定された位置合わせピンとを位置合わせすることによって、適正な位置合わせ(例えば、回転防止、展開時の湾曲方向の向き)を維持する。湾曲カニューレ50が固定されると、湾曲カニューレ50をトロカール20内に固定したまま、矯正用スタイレット40を取り外す。
【0051】
図4Cを参照すると、次いで、小管68を、近位側から遠位側へ遠位先端64に向けてそのシャフト上で又は遠位先端64から近位側へ近位端62に向けてそのシャフト上で摺動させることによって、湾曲スタイレット60を真っ直ぐに矯正する。湾曲した遠位先端66が真っ直ぐに矯正され、小管68の内側に完全に後退すると、湾曲スタイレット60を湾曲カニューレ50(依然として針トロカール20内にある)の近位孔52に挿入する。湾曲スタイレット60が湾曲カニューレ50内へ前進する際に、小管68は止め部55(図4Cを参照のこと)と合わさる。湾曲スタイレット60が前進し続けると、小管68は湾曲カニューレ50のハンドルの内部に保持される。これにより、スタイレット60の湾曲部を湾曲カニューレ50の内部に露出させることが可能となる。最大限の力を生むには、2つの部品(50及び60)の湾曲部を位置合わせせねばならない。位置合わせを確実にするために、湾曲スタイレット60のキャップは、湾曲カニューレ50の近位端の位置合わせノッチ52と係合する位置合わせピン70を有する。
【0052】
スタイレット60が完全に着座し、湾曲カニューレ50と位置合わせされると、湾曲スタイレット60の先端が湾曲カニューレ50の先端から約1/16インチ〜3/16インチだけ突出する。この突出は、展開時に湾曲部をその姿勢の方向に追いやる助けとなる。
【0053】
ここで図4Dを参照すると、湾曲スタイレット60と湾曲カニューレ50が係合した状態で、湾曲カニューレ50の頂部にある係止(ロック)ナット58を反時計回りに回転させると、カニューレ50及びスタイレット60を針トロカール20に対して前進させることができ、それによって、近位端52が係止ナット58に当接することで、湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60をトロカール20の遠位開口部を越えて前進させて、海綿骨領域124の内部に湾曲経路を作り出す。湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60は、前進するにつれて、好ましくは、海綿骨を通って0.4インチ〜1.0インチの半径で湾曲し、5度〜110度の角度まで弧をなす。湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60が目的角度まで展開すると、湾曲カニューレ50の頂部にある係止ナットが針トロカール20と係合して、湾曲スタイレットと湾曲カニューレのアセンブリのいかなる更なる前進も止める。
【0054】
図7A及び図7Bを参照すると、図7A及び図7Bは、2つの角度を有するように形成されている、湾曲スタイレット60の先端を示す。適切な方向への湾曲部の展開を助けるために、湾曲スタイレット60の湾曲部66は所定の向きに或る形状とされている。湾曲部72の内側の角度は、湾曲部74の外側の角度よりも小さい。この角度差は、骨が湾曲面74の外側に押し当たることで展開時に湾曲アールが確実に維持されるため、スタイレット50とカニューレ60のアセンブリが骨の内部で湾曲することを助ける。
【0055】
ここで図4Eを参照すると、次いで、湾曲スタイレット60を取り外し、経路形成用スタイレット90に置き換える。経路形成用スタイレット90の先端94を、湾曲カニューレ50の端54を越えて対象の標的治療ゾーンに向けて前進させる。
【0056】
ここで図4Fを参照すると、経路形成用スタイレット90が標的治療ゾーンに達すると、経路形成用スタイレット90を取り外すことで作業用チャネル146を形成する。チャネル140は概して、椎弓根138の皮質骨を横断する第1の部分142と、これに続く湾曲経路144とを有する。これらのセクションは湾曲カニューレ50が占めるため、該カニューレ50を通して給送される治療装置は、カニューレ50の湾曲部を辿らざるを得ず、別の方向に逸れることがない。チャネルは、治療装置を治療部位Tに向けて更に前進させるために、海綿骨124の内部に直線延長部146を更に含むことができる。
【0057】
トロカール20及び湾曲カニューレ50が依然として適所にある状態で、治療装置(例えば、細長い可撓性カテーテル110の遠位端104にアクティブな要素102を有する、図2に示されている治療プローブ100)が、標的治療位置Tまで送達され、局部治療を行う。
【0058】
好ましい実施形態では、アクティブな要素102を治療部位まで送達してアクティブにすることで、治療処置エネルギーを送達する。治療プローブは、神経122を刺激又は除去するために治療レベルの熱を送達する双極電極106及び108を有するRF送達プローブを含むことができる。
【0059】
任意の数の治療モダリティーを治療処置のために治療部位に送達することができることが理解される。例えば、治療は単極RF又は三極RF、超音波、放射線、蒸気、マイクロ波、レーザー又は他の加熱手段の影響を受けさせることができる。加えて、治療装置は、例えば骨セメントである作用物質又は他の治療薬を治療部位Tに投入する流体送達カテーテルを含んでいてもよい。代替的に、BVNの局部治療のために極低温冷却を送達してもよい。さらに、治療は、BVNを切除又は除神経することが可能な任意の機械的破壊手段及び/又は除去手段の影響を受けさせてもよい。例えば、視力矯正手術の技術分野において一般に用いられている切刃、バー(bur)又は機械作動式カッターを用いて、BVNの除神経に効果を与えてもよい。
【0060】
BVNの治療に加えて、又はBVNの治療とは別に、センサーを治療領域に送達して、該領域における神経伝導を術前又は術後に測定してもよい。この構成では、センサーを可撓性プローブの遠位先端に載せて送達してもよく、該可撓性プローブは治療要素を有していてもよく又は有していなくてもよい。
【0061】
治療の目的は、BVNを除神経するための、標的の神経若しくは組織の除去若しくは壊死であってもよく、又は程度が幾分軽い治療であってもよい。例えば、治療のエネルギー又は周波数は、神経を刺激して神経がシグナル(例えば痛みを示すシグナル)を伝達するのを阻害するのにちょうど十分なものとすることができる。
【0062】
治療が完了すると、プローブ100を引き抜く。次いで、湾曲カニューレ50を針トロカール20内に引っ込める。次いで、湾曲カニューレ50とともに針トロカール20を取り出し、医師が処方するようにアクセス部位を閉じる。
【0063】
上記システム10では、湾曲カニューレ50の湾曲部56及び湾曲スタイレット60の湾曲部66の設計は、(例えば治療装置を搬送する)可撓性要素を湾曲カニューレ50のニチノール製チューブの展開の角度範囲にわたって誘導することができるようなものとなっている。湾曲したニチノール製チューブ50は、可撓性要素を、意図しない方向に向かって逸らすことなく骨の内部の湾曲部を通って誘導することを可能にする。海綿骨の密度は人によって様々である。したがって、様々な密度の海綿骨124の内部に湾曲チャネルを作ることは、治療装置が湾曲チャネルを進もうとするとき、概して予測可能に又は正確に治療装置を支持及び収容しない。
【0064】
本発明のシステム10を用いて、治療装置100を湾曲カニューレ50の湾曲したニチノール製チューブを通して骨の内部に展開させる。湾曲カニューレ50は、要素が湾曲部を横断する際該要素を支持する。治療装置は、チューブから離れるときに、経路146に沿って標的ゾーンに向かって直線方向に離れる。これにより、海綿骨の密度に関係なく、ユーザーが治療装置を標的ゾーンTに向けて予測可能かつ正確に展開することが可能となる。
【0065】
幾つかの実施形態では、直径の大きなニチノール製チューブを用いて達成することができる曲率半径よりも小さい曲率半径が有利である場合がある。これを達成するために、湾曲カニューレ50の湾曲チューブは、幾つかの形態のうちの1つを呈することができる。1つの実施形態では、チューブ50は、特定の湾曲部において熱硬化することができる硬質ポリマーから形成される。ポリマーが所望の湾曲部を保持することが不可能であれば、ニチノール製又は他の適切な材料製の付加的なスタイレット(例えば湾曲スタイレット60)をポリマー製チューブと併用して所望の湾曲部を達成することもできる。提案されるこの材料の組み合わせは、所望の湾曲部を達成するために複数の異なる直径の数多くの又は多様な材料を包含することができる。これらの組み合わせは、最終的な外部要素(例えばトロカール20)が内部要素から「離脱可能」であり、かつ、所望の治療装置100を治療領域Tまで通すことを可能にするのに十分な内径を有することを確実にするためだけに必要である。
【0066】
湾曲カニューレ50の代替的な実施形態では、チューブの壁(特に曲部の外側アール)に或るパターンの起伏又は切込み(図示せず)を有するニチノール製チューブを含んでもよい。或るパターンの切込み又は起伏により、チューブの壁の完全性を損ねることなく固体チューブが曲がることができるであろうよりもタイトなアールになるようにチューブが曲がることが可能となる。
【0067】
図5は、手順に必要とされるステップの数を減らすのに用いることができる、本発明のシステムすなわちキット200の第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、針トロカール20と、針トロカール20及び湾曲カニューレ50とともに用いられて、軟組織及び皮質シェルを通る初期経路を作ることで海綿骨へのアクセスを可能にする矯正用スタイレット40と、湾曲カニューレ50と併用されて、骨/組織の内部に湾曲経路を作る湾曲スタイレット60と、湾曲スタイレットによって作られた湾曲経路の端を越えて、プローブのための作業用チャネルを作るのに用いられる経路形成用スタイレット90とを含む。
【0068】
本発明による1つの方法では、矯正用スタイレット40を湾曲カニューレ50に挿入して固定する。この実施形態では、矯正用スタイレット40は、骨に貫入するように設計されている鋭利な先端46を有する。矯正用スタイレット40が固定され、湾曲カニューレ50が真っ直ぐになると、矯正用スタイレット40及び湾曲カニューレ50を針トロカール20に挿入して固定する。この実施形態では、矯正用スタイレット40の鋭利な先端46をトロカール20の遠位端22から突き出させるまで、湾曲カニューレ50及び矯正用スタイレット40をトロカール20のシャフト28に挿入する。湾曲カニューレ50の上部にある平坦部と、針トロカール20のハンドル内に垂直に固定されたピンとを位置合わせすることによって、適切な位置合わせが維持される。
【0069】
ここで図6を参照すると、湾曲カニューレ50が固定されると、アセンブリ(トロカール20、湾曲カニューレ50及び矯正用スタイレット40)を、軟組織を貫通して骨の表面まで前進させる。椎骨120の椎弓根138にて適切な配置が見つかった後、アセンブリ(トロカール20、湾曲カニューレ50及び矯正用スタイレット40)を、皮質シェル128を通って骨の海綿状内部構造部124の内部に前進させる。
【0070】
適切な深さに達した後、矯正用スタイレット40を取り外す。次いで、小管68を遠位先端64に向けてそのシャフト上で摺動させることによって、湾曲スタイレット60を真っ直ぐに矯正する。湾曲した遠位先端66を真っ直ぐに矯正し、小管68の内部に完全に後退させ、次いで、湾曲スタイレット60を湾曲カニューレ50(依然として針トロカール20の内部にある)に挿入する。湾曲スタイレット60が湾曲カニューレ50内に挿入されると、小管68が止め部55(図4Cを参照のこと)と合わさる。湾曲スタイレット60が前進し続けると、小管68は湾曲カニューレ50のハンドルの内部に保持される。これにより、スタイレット60の湾曲部を湾曲カニューレ50の内部に露出させることが可能となる。
【0071】
最大の力を生じさせるために、2つの部品(50及び60)の湾曲部が位置合わせされることが好ましい。位置合わせを確実にするために、湾曲スタイレット60のキャップが、湾曲カニューレ50の頂部のノッチと係合する位置合わせピンを有する。
【0072】
スタイレット60が完全に着座し、湾曲カニューレ50と位置合わせされると、湾曲スタイレット60の先端が、湾曲カニューレ50の先端から約1/16インチ〜3/16インチだけ突出する。この突出は、展開時に湾曲カニューレ50をその姿勢の方向に追いやる助けとなる。湾曲スタイレット60及び湾曲カニューレ50が係合すると、湾曲カニューレ50の頂部にある係止ナットを反時計回りに回転させて、(図4Dに示されているように)カニューレ50及びスタイレット60を針トロカール20に対して前進させる。湾曲カニューレ及び湾曲スタイレットは、前進するにつれて、治療位置Tに向かう湾曲経路を作り出す。湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60が目的角度まで展開すると、湾曲カニューレ50の頂部にある係止ナットが針トロカール20と係合して、湾曲スタイレットと湾曲カニューレのアセンブリのいかなる更なる前進をも止める。
【0073】
次いで、湾曲スタイレット60を取り外し、経路形成用スタイレット90に置き換える。経路形成用スタイレット90を湾曲カニューレ50の端を越えて(図4Eを参照のこと)、対象の標的治療ゾーンに向けて前進させることで、挿入すべきアクティブな要素のための作業用チャネルを作る。経路形成用スタイレット80が標的治療ゾーンに達すると、該経路形成用スタイレットを取り外し、治療装置100に置き換える。治療装置100は、治療部位Tに送達されてアクティブになる。
【0074】
治療が完了すると、治療装置100を引き抜く。次いで、湾曲カニューレ50を針トロカール20内に引っ込める。次いで、湾曲カニューレ50とともに針トロカール20を取り外し、医師が処方するようにアクセス部位を閉じる。
【0075】
図7A及び図7Bは、湾曲スタイレット60(近位端は図示せず)用のニチノール製ワイヤーの詳細図を示す。ワイヤーは、一定の直径D及び長さLSを有するシャフト78を含み、直径D及び長さLSは用途と治療位置までの所望の深さとに応じて様々とすることができる。ワイヤーは、シャフトに対して角度θで遠位先端64の方向を変更するアールrを有するように湾曲している予成形遠位先端を有する。図7Aに示されているように、角度θは約110度であるものと示されている。しかしながら、予成形先端は数度(軸からの僅かな偏向)〜180度(例えば、近位端へ向かって戻るように方向付ける)までの範囲の角度を有していてもよいことが理解される。
【0076】
遠位先端64を詳細に示す図7Bに示されているように、該先端は、シャフト78から離れるように延びている遠位延長部LTを有していてもよい。アールrを辿る経路に沿った経路形成を促すために、遠位先端64は、2段平面であるベベル面74及び72を有して構成されている。平面74は角度βでオフセットされており、平面72は角度αでオフセットされている。最先端のこの構成により、スタイレット及び/又は湾曲カニューレが、骨を通って該スタイレット及び/又は該カニューレの特定の湾曲部に関連する経路の内部を進むことが可能となる。
【0077】
図7A及び図7Bに示されている例では、湾曲スタイレット60は、シャフト長さLSが約3.6インチであり、直径Dが約0.040インチであり、遠位先端の長さLTが0.125インチであり、アールrが0.40インチであり、角度βが35度であり、角度αが31度である。上記寸法は単に説明のためのものであって、解剖学的構造や組織タイプに応じて様々であってもよいことに留意すべきである。
【0078】
上記実施形態は全て、身体の種々の領域を治療する器具のキットとして提供され得ることが理解される。例えば、トロカール20に対する治療装置の位置、向き及び角度は、増分が様々である一組の器具を提供することによって様々とすることができる。これは、湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60の湾曲部56、66を変えることによって達成することができる。湾曲部は、曲率半径r、挿入深さ(シャフトの長さLS及び先端の長さLT)、並びに/又はトロカール20の中央穴に対する最終出口角度θを変えることによって変えることができる。したがって、形成される必要のある経路を生体構造が示すとおりに、医師は、頚椎分節とは対照的に腰椎分節を治療するための異なるキットを選択することができる。
【0079】
したがって、種々の脊椎分節を治療する場合、椎骨(又は治療される他の領域)に適合するようにキットのセットを選択することができる。例えば、腰椎の場合にBVN分岐点に又はBVN分岐点の近くに治療装置を送達することは、頚椎の場合とは異なる角度となり得、また、患者によって様々である場合がある。このセットは、手術中にキットから選択されてもよく、又は手術前の診断評価(例えば標的領域の放射線画像形成)により選択されてもよい。
【0080】
窓付きチューブ内チューブ(Tube in Windowed Tube)
図8〜図18Bは、本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出すシステム201を示す。図8は、患者の体内での展開の準備が整った状態のシステム201の斜視図を示す。システム201は、細長い送達チューブ204に連結されている近位端ハウジング202を有する誘導針/トロカール210を含む。遠位端先端208は、椎体のような骨塊の少なくとも一部に入り、該骨塊の少なくとも一部を通って送達するのを容易にするために、鋭利な、かつ/又はベベル面先端を有する。
【0081】
アセンブリの近位端(駆動ナット270)は、トロカール210がマレット等を用いてタッピングされて適所にくることを可能にする硬い剛性材料を含んでいてもよい。
【0082】
チューブ本体204は、遠位先端208にごく近接して又は遠位先端208に配置された側方に位置決めされた半径方向開口部又は窓212を含む。窓212は、チューブ204の中央チャネル218からの半径方向のアクセスを提供し、それにより、器具又はプローブ(例えばプローブ250の遠位端)がチューブ軸又は中央チャネル218に対して(例えば非軸方向に)或る角度で送達され得る。
【0083】
図9は、患者内に送達する前のシステム201の分解図を示す。トロカール210は、図8に示されているアセンブリ全体として、標的治療部位近くの位置に導入されることが好ましいが、トロカールをそれ自体だけでその位置に導入してもよく、その場合、トロカール210が適所にきてから付加的な構成部材が位置決めされることも理解される。そのような構成では、骨片又は他の組織物質が中央チャネル218に入らないよう、孔212を塞ぐようにスタイレット(図示せず)をトロカール204のチャネル218の下方へ位置決めすることができる。スタイレットは、トロカール210をタッピングして適所にくることを可能にするように硬い幅広の近位端を有することができる。
【0084】
トロカールのハウジング202の近位端206は、トロカールのチャネル218と連通する、中心に位置付けられたカウンターボア又は凹部216を含む。トロカールの凹部216は、該トロカールの凹部216及びトロカールの中央チャネル218内での湾曲可能なカニューレ230の配置及び往復動を可能にする。湾曲可能なカニューレ230は、該湾曲可能なカニューレ230の近位本体246の周りに螺合する止めナット240を介してトロカール凹部216内の特定位置で適所に保持されることができる。湾曲可能なカニューレ230はまた、カニューレのチャネル245と中心方向に位置合わせされる中央凹部268を近位本体246内に含む。中央凹部268及びカニューレチャネル245は、駆動ナット270にねじ込まれるプローブ250を受け入れて該プローブ250の往復動を可能にするように構成されている。
【0085】
図10A〜図10Eは、本発明による、展開の種々の段階にあるシステム201を概略的に示す。図11、図13、図15及び図16は、図10A〜図10Eにおいて具体的に示されている種々の段階によるシステム201の近位端の断面図を示す。これに対応して、図12、図14は、図10A〜図10Eにおいて具体的に示されている種々の段階によるシステム201の遠位端の拡大図を示す。
【0086】
図11は、患者の体内の所望の治療位置へのトロカール210の挿入前又は挿入時の、非展開状態にあるシステム201の近位端の断面図を示す。椎体120への送達のために(例えばBVNにアクセスするために)、トロカール210を、(図3に示されているように)チャネル140を介して椎弓根138を通って送達することができる。チャネル140は予め穿孔された穴であってもよく、又は鋭利な先端208を骨に挿入することによって作り出されてもよい。挿入を容易にするために、駆動ナット270のキャップ290の近位面292が剛性材料(例えばステンレス鋼等)を含んでいてもよく、それにより、マレット又は同様の器具を面292に衝当させることでトロカール本体204を適所へとタッピングすることができる。
【0087】
トロカール210の挿入時、止めナット240を湾曲可能なカニューレ230の近位本体246の雄ねじ248に沿って遠位方向に螺合させて、トロカール凹部216の遠位方向下方へのカニューレ230の動きを制限する。この制限された動きは、トロカール210が送達されている間、カニューレ230の遠位端232が尚早に展開しないようにする。
【0088】
図12に示されているように、湾曲可能なカニューレ230の遠位先端233は、カニューレチューブ244とともに連続したカニューレチャネル245を提供するように、中央穴をそれぞれが有する一連の筒状の結合リンク234を含む。カニューレチャネル245は、近位本体246のカニューレの中央凹部268から先端233にある遠位リンク232に延びている。遠位リンク232は、下記に詳述するように、湾曲可能なカニューレ230が骨を通る経路を作り出すのを容易にするためのベベル面先端233を含む。遠位リンク232はまた、湾曲可能なカニューレ230の剛性前縁を提供するべく、硬い材料、例えばステンレス鋼等を含んでいてもよい。
【0089】
結合リンク234はコード242によって一緒に保持されており、該コード242は湾曲可能なカニューレ230の近位本体246から延出し、遠位リンク232にある孔236で終端している。コード242の遠位端は、孔236の表面を保持して遠位リンク232内にコードを保持するカウンターボア、カウンターシンク等の内部に配置されているボール238で終端している。
【0090】
ここで図10Bを参照すると、トロカール210が適所にくると、止めナット240が、湾曲可能なカニューレ230の近位端246の雄ねじ248に沿って近位方向に螺合して、凹部214内での遠位方向下方へのカニューレ230の動きを可能にする。
【0091】
次いで、図13の断面図に示されているように、湾曲可能なカニューレ230の近位本体246をトロカール凹部216内で下方に展開させることができる。椎体の骨塊(又は他の骨塊)による抵抗がある可能性があるため、トロカールをハウジング202に保持したまま、(例えばマレット等を用いて)キャップ290の近位面をたたくことによってカニューレ230を下方にタッピングすることができる。近位本体246の動きにより、チューブ244がトロカール本体204のチャネル218内で遠位方向に押される。これにより、図14に示されているように、前縁232及び後続の結合リンク234がチューブ204の半径方向窓212から押し出される。開口部又は窓212の遠位端が斜面209を含んでいることで、トロカールのチューブ204の中心軸に対して適切な角度で、トロカールの遠位端にて捕捉されることなく又は動かなくなることなく、前縁232が窓212から出易くなる。
【0092】
斜面209に加え、コード242が与える張力によって、遠位先端233が湾曲した経路を辿ることが容易となり、これにより、張力が印加されると結合リンク232、234が押されて弧状になる。コード242は、上記張力を印加するためのプルコードとして働くように、雄ねじダイアル212(図8を参照のこと)に連結されている。ダイアル212を、雌ねじアーム214内で時計回り又は反時計回りに回して、コード242の張力を増加又は弛緩させることによって、遠位先端233の操作を行いつつ、湾曲カニューレ230をトロカール本体204の下方へ前進させて窓212から出すことができる(例えば、張力増加はより鋭利なアールをもたらし、張力減少はより緩やかなアールをもたらすか又は全くアールをもたらさない)。
【0093】
あるいは、コード242は、予成形湾曲形状でチューブ244及びリンク232、234を締め付けるニチノール製ワイヤーのような記憶材料を含んでいてもよい。この構成のコード246は延びて、湾曲可能なカニューレ230をチャネル218内へ真っ直ぐな形態で送達して該チャネル内に収容することを可能にし、チャネル218内に拘束されなくなると後退して、窓212を出ると湾曲経路を進む。
【0094】
図13及び図14に示されているように、湾曲可能なカニューレ230は、近位端246が凹部216の底部に配置され、遠位先端233が骨を通って治療部位に(後続リンク234とともに)湾曲経路を形成する展開姿勢で完全に展開する。この形態では、プローブ250は、近位端246にある止め部258によって遠位の動きを抑制されている駆動ナット270の内部に螺合しているため、湾曲カニューレ230に対して(遠位方向の)軸方向の動きを抑制される。
【0095】
図15に示されているように、駆動ナット270は、該駆動ナットを回転させることによって、湾曲可能なカニューレ230及びプローブ近位本体254に対して上昇させる(キャビティ268から近位方向に前進させる)ことができる。プローブ250の近位本体254は、駆動ナット270の遠位凹部における雌ねじ262と嵌合する雄ねじ256を含む。ねじパターン256/262は好ましくは、駆動ナット270の回転が湾曲カニューレ230の回転をもたらさないように、止めナット240と湾曲可能なカニューレ230の近位端246との間のねじパターンの逆(例えば右ねじ対左ねじ)とすることができる。
【0096】
さらに、プローブ250の近位端254は複数の縦溝(groves)264を含み、これらの縦溝264のうちの少なくとも1つは、湾曲可能なカニューレ230のキー266と相互作用する。この相互作用により、湾曲可能なカニューレ230とともに近位本体264が軸方向に動くことのみが可能となり、湾曲可能なカニューレ230とともに近位本体264が回転することが制限される。したがって、駆動ナット270の回転は該駆動ナット270の近位の移動のみをもたらす。図15に見られるように、この時点で、プローブ近位本体254がキャビティ268内を下方に自由に移動する。
【0097】
ここで図16及び図17を参照すると、完全に展開した状態のシステム201が示されており、この状態は、プローブ250の遠位シャフトが湾曲可能なカニューレの中央チャネル245の遠位端233を越えて前進した状態である。これは、湾曲可能なカニューレ230のキャビティ268内で近位本体254を前進させることによって達成される。好ましくはキャップ290をタッピングすることによって、近位本体254及び駆動ナット270がキャビティ268内を1つのユニットとして前進し、それにより、プローブ先端274を前進させてカニューレ230から出し、組織/骨を通って体内の所望の治療位置又は診断位置に至らせる衝撃力を提供する。
【0098】
代替的な実施形態では、(図1のキット10に示されているスタイレット90のような)経路形成用スタイレットを用いて、治療装置又は診断装置用のプローブを展開させる前に、湾曲可能なカニューレ230によって作られた湾曲経路の端を越えて作業用チャネルを作ってもよい。
【0099】
プローブ250の遠位先端274が所望の位置に位置決めされると、標的組織の治療を行うことができる。図17に示されているように、プローブ遠位端274は、治療量のRFエネルギーを標的位置まで送達するように構成されている第1の電極274を含むことができる。図17に示されている構成では、プローブは好ましくは、戻り電極276を有する双極プローブを備えるが、プローブ250は本明細書に記載の任意の治療器具を備え得ることが理解される。
【0100】
キャップ290は、プローブ250に連結するための電源(例えばバッテリー)及びコンセント(図示せず)を含む(例えば自給式ユニット)ように更に構成することができ、これによって、治療レベルのエネルギーを組織に送達するようにエネルギーを供給する。この形態では、キャップ290は、本発明に従って椎体のBVNを除神経するために、特異的に測定された1つ又は複数の計量投与量のエネルギーを送達するのに十分な電力を有していてもよい。
【0101】
キャップ290は好ましくは、本発明の用途又はステップ手順に応じて交換可能であるべき駆動ナット270にねじ込まれる(又は別様に解放可能に連結される)。例えば、システム201を骨の内部へ推し進めるのに用いられる強化/硬化表面292を有するキャップ290を、プローブ250用の継手(図示せず)、内部電源(図示せず)、又は組織の或る領域の治療及び/若しくは診断のためにエネルギーを送達する外部電源/制御装置(図示せず)用の継手を有する別のキャップに置き換えることができる。流体及び/又は作用物質を標的組織に送達させる実施形態の場合、キャップ290を、1つ又は複数の流体送達チャネルを有するプローブを通して流体の送達を容易にするように構成することができる。
【0102】
図18A及び図18Bはそれぞれ、湾曲可能なカニューレ230が収容位置及び展開位置にある、システム201の遠位端の側面図である。遠位リンク232及び後続リンク234は、カニューレの遠位端が一方向に湾曲することを可能にする結合面/連動面を有するように構成されている。結合対のより遠位のリンクは、その近位のリンクにおける対応凹部237と結合する延長部235を有する。これにより、図18Bに示されているようにこれらのリンクが互いに対して回転して、湾曲した遠位端を形成することが可能となる。
【0103】
図19A及び図19Bは、骨を通って湾曲チャネルを作り出す代替的なシステム300を示す。システム300は筒状のトロカール本体302を含み、該筒状のトロカール本体の近位端(図示せず)は、本明細書中に開示されている装置10、200又は201について前述した近位端のいずれかの一部又は全てを含むことができる。遠位先端334は、骨を通って前進するための前縁面と、トロカール本体302の中央チャネルへのアクセスを可能にする半径方向窓又は側方窓304とを含む。窓304は、遠位先端334に近接した短い距離のところに位置決めされている。
【0104】
湾曲可能なカニューレ322が、トロカール302内に位置決めされており、この湾曲可能なカニューレ322は、リンク機構326を介して枢動可能なアーム310に連結されている遠位端324を有する。湾曲可能なカニューレの近位端(図示せず)は、本明細書に開示した装置10、200又は201について前述した近位端のいずれかの一部又は全てを含むことができる。枢動可能なアーム310は、トロカール334の遠位先端334にあるか又は遠位先端334の近くの位置にあるジョイント314に枢動可能に連結されている第1の端を有する。収容形態(図19Aに示されている)では、枢動可能なアームは、トロカール302内の、ピボット314から半径方向開口部又は窓304に近接して延在しているスロット306内に軸方向に横倒するように構成されている。アーム310の近位(収容されている場合)端312はリンク機構326に連結される。
【0105】
図19Bに示されているように、カニューレ322を単にトロカール302の遠位方向に下方に前進させることによって、該カニューレ322を窓304から横方向外向きに前進させることができる。枢動可能なアーム310は、カニューレの湾曲可能な端320の動きを(アーム310の長さによって決まる)特定のアールの湾曲経路に制約する。枢動可能なアームが完全に回転すると(図19Bでは約90度で示されているが、そのような角度は任意の所望の量であるように指定し得る)、カニューレ端320が、トロカールから外向きに所望の治療部位に向かって湾曲経路を作る。(図1の湾曲スタイレット60、経路形成用スタイレット90又はプローブ100のような)プローブ、スタイレット又は同様の装置を、遠位端320の開口部に位置決めして、組織又は骨をカニューレに入らせることなく、湾曲した穴を作り出すのを容易にしてもよい。次いで、プローブ、治療装置/診断装置を、カニューレ端320を通して、トロカール本体302から軸外の組織/骨の領域まで経路付けてもよい。
【0106】
上記システム201、300は、身体の種々の領域を治療するための器具のキットとして提供し得ることが理解される。例えば、トロカールに対する治療装置の位置、向き及び角度は、様々な増分で器具のセットを提供することによって様々とすることができる。これは、湾曲可能なカニューレ230、320の湾曲部を変えることによって達成することができる。湾曲部は、トロカールの中央穴に対する曲率半径、挿入深さ(シャフトの長さ及び先端の長さ)、及び/又は最終出口角度を変えることによって変えることができる。したがって、形成される必要のある経路を生体構造が示すとおりに、医師は、頚椎分節とは対照的に腰椎分節を治療するための異なるキットを選択することができる。
【0107】
上記に詳述したシステム10、200、201及び300における器具のそれぞれは、治療領域/診断領域(例えば骨内神経幹)へのアクセスを提供するのに所望又は所要の任意の長さ、形状又は直径を有することができ、それによって、標的領域の効果的な治療/診断が容易になることが理解される。例えば、治療すべき骨内神経のサイズと、骨内神経にアクセスするための骨(例えば椎弓根138)内の通路のサイズと、骨、したがって骨内神経の位置とが、個々の器具の所望のサイズ及び形状を決める際に役立ち得る因子である。
【0108】
上述のシステム10、200、201及び300は、標的領域を治療処置するための数多くの異なる治療モダリティーとともに用いることができる。例えば、1つの実施形態では、米国特許第6,699,242号(その全体が参照により本明細書に援用される)に記載されているように、熱を生成するよう、標的領域(例えばBVN)の組織を除去する態様でシステム100、200、20及び300における治療装置又はプローブを操作することが望ましい。
【0109】
別の実施形態では、治療装置は、治療処置をもたらすように構成されており、この治療処置は、神経を除去することなく神経伝導を阻害すること、すなわち、熱処置を神経に(例えば温熱治療、作用物質等を介して)施し、その結果、組織を壊死させることなくBVNの除神経をもたらすことを目的とする。これは、除去に必要とされるよりも少ない量であるが、或る量の一時的又は永続的な除神経を達成するのに十分な量のエネルギー又は作用物質の組織部位への(曝露時間が短い、濃度が低い、強度が低い等の形態のいずれかでの)送達により達成することができる。
【0110】
本明細書に記載されているプローブは、組織の領域の治療と関係がないか又は該治療と関係する組織の領域を診断するための診断装置(例えば超音波、カメラ等)のような非治療的な装置を含み得ることが更に想定される。
【0111】
上記に詳述したシステム10、200、201及び300のいずれの個々の要素も、適用可能な場合は交換可能に用いられてもよいことも理解される。例えば、湾曲可能なカニューレ230、320が骨の内部へ推し進められている間、該カニューレに更なる湾曲付勢を与えるために、システム10及び200において示されている湾曲スタイレット60をシステム201及び300のプローブの代わりに一時的に実装することができる。さらに、経路形成用スタイレット90を用いて、湾曲可能なカニューレ230、320によって提供される湾曲経路を越えてチャネルを更に作り出すことができる。
【0112】
したがって、以上のように、本発明は特に以下の非自明な実施形態を含む。
【0113】
1.骨の内部に経路を形成するシステムであって、
近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、
前記中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、前記近位端から前記遠位端に向かって延びており、
該トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通する、トロカールと、
前記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、前記近位端から前記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、
該湾曲可能なカニューレは、前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端を含み、
該湾曲可能なカニューレは、中央通路であって、プローブが該中央通路を通って前記湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を含む、湾曲可能なカニューレと、
を含む、システム。
【0114】
2.前記トロカールは、骨に穿孔して骨を通る直線経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を更に有する、実施形態1によるシステム。
【0115】
3.前記湾曲可能なカニューレは、骨に穿孔して、前記トロカールによって作り出された直線経路から延びる湾曲経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を有する、実施形態2によるシステム。
【0116】
4.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端は、真っ直ぐな態様で前記トロカールを通して送達されるとともに、前記中心軸に対して或る角度で前記半径方向開口部から外向きに湾曲した態様で展開されるように変形可能である、実施形態1によるシステム。
【0117】
5.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に連結されているプルコードであって、前記トロカールの前記近位端まで延びるプルコードを更に含み、
前記プルコードは、前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端に引張力を加えて前記湾曲可能なカニューレを付勢して湾曲した態様にするように構成されている、実施形態4によるシステム。
【0118】
6.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に加えられる前記引張力は、前記湾曲可能なカニューレを所望の経路に沿って導くように前記トロカールの前記近位端から制御することができる、実施形態5によるシステム。
【0119】
7.前記湾曲可能なカニューレの遠位端は、関節式に連結して湾曲形状になるように構成されている複数の結合リンクを備える、実施形態4によるシステム。
【0120】
8.前記トロカールの前記中央チャネルは、前記半径方向窓につながる斜面で終端し、前記斜面は前記窓から外方向への前記湾曲可能なカニューレの展開を容易にする、実施形態4によるシステム。
【0121】
9.前記湾曲可能なカニューレは近位本体を備える近位端を含み、
前記トロカールの前記近位端はハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記湾曲可能なカニューレの前記近位本体の往復動を可能にするように構成されている近位凹部を有し、
前記近位凹部は前記中央チャネルと連通する、実施形態1によるシステム。
【0122】
10.前記湾曲可能なカニューレの近位本体は、前記トロカールの前記ハウジング内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成される、実施形態9によるシステム。
【0123】
11.前記カニューレの前記中央チャネル内に適合するサイズになっているプローブを更に含み、
前記プローブは、前記カニューレの前記近位本体内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている近位端を含む、実施形態10によるシステム。
【0124】
12.前記湾曲可能なカニューレに連結されている駆動ナットを更に含み、
前記駆動ナットは、前記トロカール、前記湾曲可能なカニューレ又は前記プローブのうちの1つ又は複数を、骨を通して前進させるための衝撃力を加えるのに適した硬化近位面を含む、実施形態11によるシステム。
【0125】
13.前記駆動ナットは、前記プローブの前記近位端を収容するように構成されているねじ切り遠位凹部を含む、実施形態12によるシステム。
【0126】
14.前記駆動ナットの前記近位面は交換可能なキャップを備え、
前記交換可能なキャップは、治療エネルギーを供給するよう前記プローブへのアクセスを提供するように構成されている、実施形態12によるシステム。
【0127】
15.患者の体内の治療位置まで骨の内部に経路を形成する方法であって、
前記治療位置の近くの骨の領域の内部に、トロカールであって、
前記トロカールは、近位端と、遠位端と、前記近位端及び前記遠位端間に設けられている中央チャネルとを有し、
前記トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通する、トロカールを挿入するステップと、
前記中央チャネルを通して前記半径方向開口部に湾曲可能なカニューレを送達することと、
前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に前記湾曲可能なカニューレを展開するステップと、
を含む方法。
【0128】
16.前記湾曲可能なカニューレ内の中央通路を通して前記湾曲経路を越えて治療位置に治療装置を送達するステップを更に含む、実施形態15による方法。
【0129】
17.前記治療位置に治療量の熱エネルギーを送達するステップを更に含む、実施形態16による方法。
【0130】
18.骨の領域の内部にトロカールを挿入するステップは、
皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に前記トロカールを展開させるステップを含み、
前記湾曲経路は前記椎体の前記海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、実施形態17による方法。
【0131】
19.前記湾曲可能なカニューレの遠位先端に連結されているプルコードを介して前記湾曲可能なカニューレを導くことで、前記湾曲可能なカニューレを前記湾曲経路内で付勢するステップを更に含む、実施形態16による方法。
【0132】
20.前記治療位置は前記椎体に関連するBVNを含み、前記方法は、
前記治療位置に前記熱エネルギーを送達することで、前記BVNの少なくとも一部を除神経するステップを更に含む、実施形態18による方法。
【0133】
21.脊椎治療システムであって、
近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、
前記中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、前記近位端から前記遠位端に向かって延びており、
該トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通し、
該トロカールは、皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に展開するように構成されている、トロカールと、
前記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、前記近位端から前記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、
該湾曲可能なカニューレは、中央通路と、前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端とを含み、
前記湾曲経路は、前記椎体の前記海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、湾曲可能なカニューレと、
前記中央通路を通して前記湾曲経路を越えた位置まで送達されるように構成されている治療プローブと、
を含む、脊椎治療システム。
【0134】
22.前記トロカールは、骨に穿孔して骨を通る直線経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を更に含む、実施形態21によるシステム。
【0135】
23.前記湾曲可能なカニューレは、骨に穿孔して、前記トロカールによって作り出された直線経路から延びる湾曲経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を含む、実施形態22によるシステム。
【0136】
24.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端は、真っ直ぐな態様で前記トロカールを通して送達されるとともに、前記中心軸に対して或る角度で前記半径方向開口部から外向きに湾曲した態様で展開されるように変形可能である、実施形態21によるシステム。
【0137】
25.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に連結されているプルコードであって、前記トロカールの前記近位端まで延びるプルコードを更に含み、
前記プルコードは、前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端に引張力を加えて前記湾曲可能なカニューレを付勢して湾曲した態様にするように構成されている、実施形態24によるシステム。
【0138】
26.前記湾曲可能なカニューレの遠位端は、関節式に連結して湾曲形状になるように構成されている複数の結合リンクを備える、実施形態24によるシステム。
【0139】
27.前記湾曲可能なカニューレは近位本体を備える近位端を含み、
前記トロカールの前記近位端はハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記湾曲可能なカニューレの前記近位本体の往復動を可能にするように構成されている近位凹部を有し、
前記近位凹部は前記中央チャネルと連通する、実施形態21によるシステム。
【0140】
28.前記湾曲可能なカニューレの近位本体は、前記トロカールの前記ハウジング内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている、実施形態27によるシステム。
【0141】
29.前記プローブは、前記カニューレの前記近位本体内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている近位端を含む、実施形態28によるシステム。
【0142】
30.前記湾曲可能なカニューレに連結されている駆動ナットを更に含み、
前記駆動ナットは、前記トロカール、前記湾曲可能なカニューレ又は前記プローブのうちの1つ又は複数を、骨を通して前進させるための衝撃力を加えるのに適した硬化近位面を含み、
前記駆動ナットは、前記プローブの前記近位端を収容するように構成されているねじ切り遠位凹部を含み、
前記プローブは、前記駆動ナットに対する前記プローブの制御された移動を可能にするように前記遠位凹部と嵌合するねじ山を含む、実施形態29によるシステム。
【0143】
31.前記駆動ナットの前記近位面は交換可能なキャップを備え、
前記交換可能なキャップは治療エネルギーを供給するよう前記プローブへのアクセスを提供するように構成されている、実施形態30によるシステム。
【0144】
上記の説明には多くの詳細が含まれているが、これらの詳細は本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、単に本発明の現時点で好ましい実施形態の幾つかの説明を与えるものと解釈すべきである。したがって、本発明の範囲は、当業者にとって自明となるであろう他の実施形態を完全に包含すること、したがって、添付の特許請求の範囲以外のいかなるものによっても制限されないものとすることが理解され、特許請求の範囲において、単数で示された要素への言及は、その旨はっきりと述べられていない限り、「1つであり1つだけ」であることを意味することを意図するのではなく、「1つ又は複数」を意味することを意図する。当業者に既知である上述の好ましい実施形態の要素に対する全ての構造的、化学的及び機能的な均等物は、参照により本明細書に明確に援用され、かつ本特許請求の範囲によって包含されることが意図される。さらに、装置又は方法が本発明が解決しようとするあらゆる課題に対処する必要はなく、あらゆる課題が本特許請求の範囲によって包含される必要もない。さらに、本開示における要素、構成部材又は方法ステップはいずれも、該要素、該構成部材又は該方法ステップが特許請求の範囲に明確に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に提供されないことを意図する。ここでの特許請求の範囲のいかなる要素も、該要素に「〜する手段」という句を用いて明確に記載されていない限り、米国特許法第112条の第6パラグラフの規定に基づいて解釈されないものとする。
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明は、概して、組織を通る通路を作り出すことに関し、より詳細には、骨の内部に湾曲路を作ることに関する。
【0002】
[著作権保護を受ける資料の通知]
本特許文献中の資料の一部は、米国及びその他の国の著作権法に従って著作権保護を受ける。著作権者は、米国特許商標庁の一般公開ファイル又は記録内に表されている通りに特許文献又は特許開示を第三者が複製することに異議を唱えないが、それ以外はいかなる場合も全ての著作権を留保する。著作権者は、限定するわけではないが米国特許法施行規則§1.14に従う諸権利を含め、この特許文献を秘密裏に保持しておく諸権利のいずれも放棄するものではない。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
近年、椎体形成術及び椎骨形成術において用いられる手術手技を通じて、低侵襲性手段によって椎体にアクセスする技法が開発されてきている。椎弓根を通って椎体の側部/前部の内部へ向かって脊椎の椎骨分節にアクセスすることは、治療装置(例えば骨セメント送達装置及び/又はRFプローブ)を椎骨の内部に配置する主要な方法であるが、プローブを椎骨の後正中線部内に配置することは困難である。さらに、直線状のアクセス路では脊椎のS1分節の後正中線部にアクセスすることは困難である。プローブは好ましくは、S1椎体の後部及び腰椎分節内の同じ標的領域に誘導することが可能である必要がある。加えて、頚椎及び胸椎内の脊椎分節も標的にすることが可能であることが意図される。
【0004】
腰椎体又はS1椎体の後正中線部内に治療装置を正確かつ予測可能に配置するには、該装置又はプローブが様々な密度の骨を通って上記領域に誘導される必要がある。しかしながら、骨の密度が様々であることにより、骨の内部でプローブを誘導すること、及び椎体の後正中線部内でのプローブの位置決めを確実にすることは困難である。
【0005】
現在の組織吸引技法には、ガイド針の位置を変更することなくガイド針を通して幾つかの吸引物を取り込むことを可能にする同心型針電極システムを必要とする。しかしながら、このシステムに伴う問題は、内側針を損傷部位へ最初に通した後、続く針の通過が当該塊内の同じ経路を辿る傾向があるため、診断用の細胞ではなく、血液しか得られないことである。
【0006】
科学論文である非特許文献1が、幾つかの吸引生検を可能にするために側部から出る同心型針電極の使用を記載している。ガイド針が遠位先端から1cmのところに側穴を有している。この新しいガイド針を通してより小さな針を前進させると、この小さな針はガイドの内側の斜面によって偏向することで側穴を通って出る。この側部から出る針は骨吸引針を偏向させることができるが、この針が側穴から組織部位へ直線方向に出ることは保証しない。組織吸引針は、針から出ると、組織の密度及び針固有の材料強度に応じて直線経路から逸れることになる。これが、この装置が克服することのできない固有の問題である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Kopecky他著、「Side-Exiting Coaxial Needle for Aspiration Biopsy」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の一つの目的は、所定の湾曲経路を予測可能に辿る経路を骨の内部に作り出すシステム及び方法である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、RF双極プローブのような可撓性治療器具を骨の内部で展開及び誘導するシステム及び方法に関する。以下に記載のシステム及び方法は主として、脊椎の椎骨の一部分を通って骨を誘導することに関し、特に、椎骨の一部分のBVNを治療することに関するが、本発明の新規の態様は、身体のいかなる組織分節にも適用することができることを理解されたい。
【0010】
本発明の第1の新規の原理は、様々な密度の海綿骨の内部で湾曲部又は角度の付いた部分を誘導することができること、及び誘導された湾曲部又は角度の付いた部分の端に直線状チャネルを作ることができることである。幾つかのシステムを説明する。
【0011】
1つの態様は、外側の皮質骨領域及び内側の海綿骨領域を有する椎体を治療目的で処置するとともに、外側の皮質骨領域から内側の海綿骨領域に延びる神経幹(trunk)と、該神経幹から延びてBVN分岐点を画定する神経枝(branches)とを有するBVNを治療目的で処置する方法であって、a)エネルギー装置を椎体に挿入するステップと、b)BVNを除神経する(denervate:麻痺させる)ために、BVN分岐点と外側の皮質骨領域との間の椎体の内側の海綿骨領域内(BVN分岐点と外側の皮質骨領域は除外する)にエネルギーを排他的に投入するステップとを含む方法である。
【0012】
本発明の別の態様では、入れ子式チューブ(tube-within-tube:二重チューブ)の実施の形態は、直線状カニューレから展開する展開可能な湾曲したニチノール製チューブを有する。ニチノール製チューブは、直線状カニューレから完全に展開すると、約0度〜約180度、より具体的には約45度〜約110度の角度範囲を形成するように予め湾曲している。湾曲の設計は、可撓性要素(治療装置を搬送する)がニチノール製チューブの展開の角度範囲にわたって進むことができるようなものである。湾曲したニチノール製チューブにより、骨の内部の湾曲部を通って、可撓性要素を意図しない方向へ逸らすことなく誘導することが可能である。海綿骨の密度は人によって様々である。したがって、様々な密度の海綿骨の内部に湾曲チャネルを作ることは、治療装置が湾曲チャネルを進もうとするときに、概して予測可能に又は正確に治療装置を支持及び保持しない。本発明によれば、可撓性要素は湾曲したニチノール製チューブを通して骨の内部に展開され、このチューブは要素が湾曲部を横断する際に要素を支持する。要素は、チューブから離れるときに、標的ゾーンに向かって直線方向に離れる。この設計により、ユーザーが、海綿骨の密度に関係なく、標的ゾーンに向けて予測可能にかつ正確に可撓性要素を展開することが可能となる。
【0013】
本発明の一態様は、骨の内部に経路を形成するシステムである。本システムは、中央チャネルと遠位先端の開口部とを有するトロカールと、上記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに遠位開口部に送達されるカニューレとを含む。カニューレは予成形湾曲部を有する偏向可能な先端を有しているため、該先端は、トロカールを通って送達されている間は真っ直ぐとなり、トロカールの遠位開口部から出て該開口部を越えて延びると予成形湾曲部に戻ることで、偏向可能な先端の予成形湾曲部に対応する湾曲経路を骨の内部に作り出す。カニューレは、中央通路であって、治療装置が該中央通路を通って湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を含む。
【0014】
1つの実施の形態では、本システムは、トロカール内に導入されるように構成されている直線状スタイレットを更に含み、その場合、直線状スタイレットは、トロカールが骨の内部の治療位置まで送達される際にトロカールの遠位開口部を越えて延びることで骨に穿孔するように構成されている鋭利な遠位先端を含む。
【0015】
本システムは、カニューレ内に導入されるように構成されている矯正用(straightening)スタイレットを更に含むことができ、その場合、矯正用スタイレットは、トロカール内に位置決めされたときにカニューレの遠位先端を真っ直ぐに矯正するように構成されている剛性構造を含む。
【0016】
代替的な一実施の形態では、矯正用スタイレットは、骨に穿孔するための鋭利な遠位端を更に含み、矯正用スタイレット及びカニューレは、トロカールが骨の内部に送達される際に、直線状スタイレットの代わりにトロカール内に導入される。
【0017】
好ましい一実施の形態では、本システムは、湾曲カニューレの中央通路の内部に適合するサイズになっている外径を有する湾曲スタイレットを更に含む。湾曲スタイレットは、湾曲カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて延びる間は、湾曲カニューレ内に導入されるように構成されており、骨の内部に送達される間は、湾曲カニューレの遠位開口部を塞ぐように構成されている。好ましくは、湾曲スタイレットは、湾曲カニューレの湾曲部に対応する湾曲した遠位端を有する。
【0018】
湾曲スタイレットもまた、カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて送達される際に湾曲カニューレを越えて延びることで骨に穿孔するように構成されている鋭利な遠位先端を有する。湾曲スタイレットはまた、好ましくは、トロカールの遠位開口部を越えて骨の内部に送達される際に湾曲スタイレットのアールを更に支持及び維持するように構成されている角度付き遠位先端を含む。
【0019】
好ましくは、湾曲スタイレット及び湾曲カニューレは、湾曲スタイレットの湾曲部と湾曲カニューレの湾曲部とを位置合わせする嵌合近位端を有する。
【0020】
1つの実施の形態では、本システムは、湾曲スタイレットを取り外した後でカニューレ内に導入されるように構成されている直線状の経路形成用(channeling)スタイレットを更に含み、その場合、直線状の経路形成用スタイレットは、湾曲カニューレを誘導するように柔軟に変形可能であるが、湾曲カニューレを出ると直線形状を保ち、また、その場合、直線状の経路形成用スタイレットは、完全に延びた場合に湾曲カニューレの遠位端を越えて直線経路を形成するように湾曲カニューレよりも長さが長い。
【0021】
別の態様は、患者の体内の治療位置まで骨の内部に経路を形成する方法である。本方法は、中央チャネルと遠位先端の開口部とを有するトロカールを、治療位置にあるか又は治療位置の近くにある骨の領域の内部に挿入するステップと、上記中央チャネルを通して上記遠位開口部までカニューレを送達するステップであって、その場合、カニューレは、予成形湾曲部を有する偏向可能な先端を有しているため、該先端は、トロカールを通って送達される間は真っ直ぐとなり、トロカールを出るとその予成形湾曲に戻る、ステップと、偏向可能な先端の予成形湾曲部に対応する湾曲経路を骨の内部に作り出すようにトロカールの遠位開口部を越えてカニューレを延ばすステップとを含む。最終的に、治療装置は、上記カニューレ内の中央通路を通って湾曲経路を越えて治療位置まで送達される。
【0022】
1つの実施の形態では、トロカールを骨の領域の内部に挿入するステップは、スタイレットがトロカールの遠位開口部を越えて延びるようにスタイレットをトロカールに挿入するステップと、トロカールが治療位置まで送達される際にスタイレットが骨に穿孔するようにスタイレット及びトロカールを同時に骨の領域の内部に挿入するステップとを含む。
【0023】
別の実施の形態では、中央チャネルを通してカニューレを送達するステップは、カニューレの中央通路に矯正用スタイレットを挿入するステップであって、その場合、矯正用スタイレットは、カニューレの湾曲した遠位先端を真っ直ぐに矯正するように構成されている剛性構造を含む、ステップと、矯正用スタイレット及び被矯正カニューレを同時にトロカールに挿入するステップとを含む。
【0024】
代替的な一実施の形態では、矯正用スタイレットは、骨に穿孔するための鋭利な遠位端を更に有し、その場合、矯正用スタイレット及びカニューレは、トロカールが骨の内部へ送達される際にトロカールとともに同時に導入される。
【0025】
また別の実施の形態では、遠位開口部を越えてカニューレを延ばすステップは、湾曲スタイレットの遠位先端が湾曲カニューレの少なくとも遠位開口部に延びるように湾曲カニューレの中央通路に湾曲スタイレットを挿入するステップによって、かつ、骨の内部へ送達される間、湾曲スタイレットが湾曲カニューレの遠位開口部を塞ぐように、トロカールの遠位端から湾曲カニューレ及び湾曲スタイレットを同時に延ばすステップによって行われる。
【0026】
好ましい実施の形態では、湾曲スタイレットは、湾曲カニューレの湾曲部に対応する湾曲した遠位端を有し、その場合、湾曲スタイレットは、湾曲カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて延びる際に湾曲カニューレの湾曲形状を強める。湾曲スタイレットは、中央通路内を前進させられるような鋭利な遠位先端を有しており、そのため、湾曲カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて送達される際に湾曲スタイレットが骨に穿孔するように、カニューレの遠位開口部を越えて延びる。
【0027】
更なるステップでは、湾曲スタイレットを湾曲カニューレから取り外し、該カニューレの湾曲した遠位端に直線状の経路形成用スタイレットを挿入する。直線状の経路形成用スタイレットは、湾曲カニューレを進むように柔軟に変形可能であるが、湾曲カニューレを出ると直線形状を保つ。直線状の経路形成用スタイレットは、湾曲カニューレの遠位先端を超えて直線チャネルを作るように湾曲カニューレよりも長い。
【0028】
好ましい実施の形態では、トロカールは皮質骨領域を通して椎骨の海綿骨領域の内部に挿入され、湾曲カニューレは、海綿骨領域の少なくとも一部を通って、治療位置にあるか又は治療位置の近くにある位置まで延びる。好ましい治療位置は椎骨のBVNを含み、該BVNの少なくとも一部を除神経するように治療がその治療位置まで送達される。1つの実施の形態では、集中させた治療用熱をBVNの隔離領域まで送達することによってBVNの一部を除神経する。別の実施の形態では、作用物質を治療領域に送達してその領域に対する治療を隔離することによってBVNの一部を除神経する。好ましくは、治療をBVNの1つ又は複数の神経枝の下流にあるBVNの位置に集中させる。
【0029】
別の態様は、骨の内部に経路を形成するキットである。本キットは、中央チャネルと遠位先端の開口部とを有するトロカールと、上記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに上記遠位開口部に送達される一組のカニューレから選択されるカニューレとを含む。カニューレは、予成形湾曲部を有する偏向可能な遠位先端を有しており、そのため、該先端は、トロカールを通って送達される間は真っ直ぐとなり、トロカールの遠位開口部を出て該開口部を越えて延びるとその予成形湾曲に戻ることで、偏向可能な先端の予成形湾曲部に対応する湾曲経路を骨の内部に作り出す。カニューレは、中央通路であって、治療装置が該中央通路を通って湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を含み、その場合、一組のカニューレは、遠位先端に様々な予成形湾曲部を有する1つ又は複数のカニューレを含む。
【0030】
好ましい実施の形態では、1つ又は複数のカニューレは、遠位先端に様々な予成形アールを有する。加えて、1つ又は複数のカニューレはそれぞれ、トロカールの中央チャネルに対して様々な角度で終端する遠位先端を有する。遠位先端の長さもまた様々とすることができる。トロカールの中央チャネルに対する遠位先端の角度は、0度〜180度まで様々とすることができる。
【0031】
本キットは、トロカール内に設置されるように構成されている直線状スタイレットであって、トロカールが骨の内部の治療位置まで送達される際にトロカールの遠位開口部を越えて延びて骨に穿孔するように構成されている鋭利な遠位先端を有する直線状スタイレットを更に含むことができる。
【0032】
好ましい実施の形態では、本キットは、湾曲カニューレの中央通路内に適合するサイズになっている外側半径を有する一組の湾曲スタイレットを含み、その場合、各湾曲スタイレットは、湾曲カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて延びる間、湾曲カニューレ内に導入されるように構成されている。湾曲スタイレットは、骨の内部に送達される間、湾曲カニューレの遠位開口部を塞ぐように構成されている。各湾曲スタイレットは、一組の湾曲カニューレの中の整合する湾曲カニューレの湾曲部に対応する様々な湾曲した遠位端を有する。湾曲スタイレットは、カニューレがトロカールの遠位開口部を越えて送達される際に湾曲カニューレを越えて延びて骨に穿孔するように構成されている鋭利な遠位先端を有する。
【0033】
別の実施の形態では、本キットは、一組の直線状の経路形成用スタイレットを含み、その場合、一組の該スタイレットのうちの一方は、湾曲スタイレットを取り外した後でカニューレ内に導入されるように構成されている。直線状の経路形成用スタイレットは、湾曲カニューレを進むように柔軟に変形可能であるが、湾曲カニューレを出ると直線形状を保つ。直線状の経路形成用スタイレットのそれぞれは湾曲カニューレよりも長い様々な長さを有しており、そのため、該直線状の経路形成用スタイレットは、完全に延びると湾曲カニューレの遠位端を越えて所定の長さの直線経路を作る。
【0034】
別の態様は、骨の内部に経路を形成するシステムであって、近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、近位端から遠位端に向かって延びている、トロカールを有する。トロカールは、該トロカールの遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は中央チャネルと連通する。本システムは上記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、近位端から上記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレを含む。湾曲可能なカニューレは、半径方向開口部から横方向外向きに、トロカールから離れるように延びる湾曲経路内を延びるように構成されている湾曲可能な遠位端と、中央通路であって、プローブが該中央通路を通って湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路とを含む。
【0035】
更なる態様は、脊椎治療システムであって、近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、近位端から遠位端に向かって延びており、該トロカールは、該トロカールの遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は中央チャネルと連通し、該トロカールは、皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に展開するように構成されている、トロカールと、上記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、近位端から上記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、該湾曲可能なカニューレは、中央通路と、半径方向開口部から横方向外向きに、トロカールから離れるように延びる湾曲経路を延びるように構成されている湾曲可能な遠位端とを含み、湾曲経路は、椎体の海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、湾曲可能なカニューレと、中央通路を通して湾曲経路を越えた位置まで送達されるように構成されている治療プローブと、を含む、脊椎治療システムである。
【0036】
別の態様は、患者の体内の治療位置まで骨の内部に経路を形成する方法であって、治療位置の近くの骨の領域の内部にトロカールを挿入するステップであって、トロカールは、近位端と、遠位端と、近位端及び遠位端間に設けられている中央チャネルとを有し、トロカールは、該トロカールの遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は中央チャネルと連通する、ステップと、上記中央チャネルを通して上記半径方向開口部に湾曲可能なカニューレを送達するステップと、半径方向開口部から横方向外向きに、トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に湾曲可能なカニューレを展開するステップと、を含む方法である。
【0037】
本発明の更なる態様は、本明細書の以下の部分において明らかとなり、その場合、詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態を十分に開示するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【0038】
本発明は、単に説明目的である添付の図面の参照によって、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出すシステムを示す図である。
【図2】図1のシステムの断面図である。
【図3】皮質シェルを貫通する経路があけられた椎体の断面図である。
【図4A】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4B】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4C】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4D】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4E】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図4F】本発明のシステムを用いてBVNにアクセスする方法を示す図である。
【図5】本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出す代替的なシステムを示す図である。
【図6】椎体の内部に導入されている、図5のシステムを示す図である。
【図7A】本発明による湾曲スタイレットを示す図である。
【図7B】本発明による湾曲スタイレットを示す図である。
【図8】本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出すシステムの斜視図である。
【図9】図8のシステムの分解図である。
【図10A】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図10B】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図10C】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図10D】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図10E】手順中の、展開の種々の段階のうちの1つにおける、図8のシステムの概略図である。
【図11】椎体の内部へのシステムの導入時の、図8のシステムの近位端の断面図である。
【図12】椎体の内部へのシステムの導入時の、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図13】椎体の内部への湾曲可能なカニューレの展開後の、図8のシステムの近位端の断面図である。
【図14】椎体の内部への湾曲可能なカニューレの展開後の、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図15】駆動ナットが後退した、図8のシステムの近位端の断面図である。
【図16】椎体の内部へのプローブの展開後の、図8のシステムの近位端の断面図である。
【図17】椎体の内部へのプローブの展開後の、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図18A】湾曲可能なカニューレが収容位置にある、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図18B】湾曲可能なカニューレが展開位置にある、図8のシステムの遠位端の側面図である。
【図19A】本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出す代替的なシステムの斜視図である。
【図19B】展開した態様の図19Aのシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
説明目的で、図面をより具体的に参照すると、本発明は、図1〜図19Bにおいて概ね示されている装置で具現されている。本明細書に開示されているような基本概念から逸脱することなく、本装置が形態及び部品細部に関して様々であってもよいこと、並びに、本方法が特定のステップ及び順序に関して様々であってもよいことが理解されるであろう。
【0041】
入れ子式チューブ
図1及び図2は、骨を通って経路を形成するシステムすなわちキット10を含む、本発明の第1の実施形態を示す。本システムは針トロカール20(器具セットの本体)を含む。トロカール20は、その近位端32にあるハンドル24と、トロカール20の遠位端22まで貫通する中央内腔36とを有する細長いシャフト28を含む。中央内腔36は概して、システム10における他の器具が患者内の治療領域まで摺動可能に導入されることを可能にするサイズになっている。システム10は、軟組織及び皮質シェルを貫通して初期経路を作って海綿骨へのアクセスを可能にするのに針トロカール20とともに用いられる鋭利な先端付き針84をその遠位端に有する直線状スタイレット80と、骨/組織の内部に湾曲経路を作る/維持するのに用いられる湾曲カニューレ50とを更に含む。湾曲部を真っ直ぐに矯正するとともに、湾曲カニューレ50を針トロカール20に装填するのに矯正用スタイレット40が用いられる。骨/組織の内部に湾曲経路を作るのに湾曲スタイレット60が湾曲カニューレ50と併用され、湾曲カニューレ50によって作られた湾曲経路の端を越えて(RFプローブ100のような)治療装置のための作業用チャネルを作るのに経路形成用スタイレット90が用いられる。
【0042】
記載の手術用装置及び手術用システムを用いて、数多くのタイプの治療装置を身体の様々な領域に送達することができる。本発明の装置及びシステムは、骨を通って誘導する際に特に有用であるが、軟組織又は体内のチャネルすなわち内腔(特に或る内腔が別の内腔から分岐し得る場所)を通って誘導するのにも用いることができることが理解される。
【0043】
以下の例は、椎体の内部に湾曲した骨経路を作り出すために、より詳細には、脊椎の内部の標的領域にアクセスするのに椎弓根を通るアプローチ(transpedicular approach)を介して骨経路を作るために適用されるシステム10を示す。特に、システム10は、治療装置を送達して骨内神経、特に椎体神経(BVN)を治療するか又は除去するのに用いることができる。本システム及び本方法は、BVNにアクセスする際に有意な利点を与えるが、本発明のシステム10は、身体の任意の部分に骨経路を作るのに同様に用いることができることが理解されるであろう。
【0044】
図3は、椎骨120の断面図を示す。近年、ヒトの椎体の内部に多量の骨内神経122及び神経枝130(「椎体神経」)が存在することが同定された。椎体神経122は、該神経122に沿った位置に少なくとも1つの出口点142を有し、この出口点142において神経122は椎体126を出て椎孔132に入る。
【0045】
好ましくは、椎体神経は出口点142にあるか又は出口点142に非常に近接している。したがって、BVN122の標的領域は、骨の海綿状部分124内に(すなわち外側の皮質骨領域128の内部に)、かつ、(例えば神経122に沿った地点A及びB間に)複数の神経枝130を有するBVN122の分岐点Jに近接して位置している。この領域における治療は、系全体を除神経するか又は系全体に影響を及ぼすのにBVN122の1つの部分のみを効果的に治療しさえすればよいことから有利である。通常、この実施形態による治療は、椎体の前端及び後端間の60%(地点A)〜90%(地点B)の距離に位置する椎体の領域に焦点を合わせることによって行うことができる。対照的に、分岐点Jよりも下流の位置におけるBVN122の治療には、各神経枝130の除神経が必要となる。
【0046】
BVNにアクセスする1つのアプローチでは、手術用器具によって患者の皮膚に貫入し、次いで、該手術用器具を用いて、所望の椎体神経に、すなわち経皮的にアクセスする。1つの実施形態では、椎骨皮質に貫入してBVN122にアクセスするのに椎弓根を通るアプローチが用いられる。横突起134と棘突起136との間には、椎弓根138を通って椎体126の海綿骨領域124に至ることで、神経122の基部にあるか又は該基部の近くにある領域にアクセスするための通路140が作られる。神経にアクセスするのに後外側からのアプローチ(図示せず)も用いることができることが理解される。
【0047】
図4A〜図4Fは、本発明のシステム10を用いてBVNにアクセスする好ましい方法を示す。最初に、直線状スタイレット80を、針トロカール20の近位端32にある孔26に挿入する。近位止め部82がトロカール20のハンドル24に当接するまで、直線状スタイレット80をトロカール20の中央内腔36(図2を参照のこと)内を下方に前進させ、当接した地点で直線状スタイレットの遠位先端84がトロカール20の遠位端22から突き出る。直線状スタイレット80の先端84は好ましくは、軟組織及び骨に穿孔するための鋭利な先端を含む。
【0048】
ここで図4Aを参照すると、アセンブリ(トロカール20及び直線状スタイラス80)を、軟組織を通って骨の表面まで前進させる。適切な位置合わせが確定されると、アセンブリを、椎弓根138の皮質シェルを貫通して骨の海綿状内部構造部124まで前進させる。
【0049】
適切な深さに達した後、トロカール20を椎骨120の内部に固定したまま、直線状スタイレット80をトロカール20から取り外す。矯正用スタイレット40を、湾曲カニューレ50の近位孔52(図2を参照のこと)に挿入し、該スタイレット40の止め部42が湾曲カニューレ50の近位端まで当接するまで湾曲カニューレの中央内腔に沿って前進させる。これにより、直線状スタイレットの遠位先端が湾曲カニューレ50の湾曲セクション56に押し通されて該湾曲部56を真っ直ぐに矯正する。直線状スタイレットは硬い非柔軟性材料を含み、湾曲カニューレ50の遠位端56は柔軟であるが記憶保持する材料(例えばニチノール、成形PEEK等)を含むことが想定され、そのため、湾曲セクション56は、矯正用スタイレット40が導入されると該スタイレットの剛性に屈するが、スタイレット40が取り外されると該湾曲セクションの元の湾曲形状を保つ。
【0050】
図4Bに示されているように、矯正用スタイレット40が固定され、湾曲カニューレ50が真っ直ぐになると、矯正用スタイレット40及び湾曲カニューレ50を針トロカール20に挿入して固定する。湾曲カニューレ50の上部58の平坦部と、針トロカール20のハンドル24に垂直に固定された位置合わせピンとを位置合わせすることによって、適正な位置合わせ(例えば、回転防止、展開時の湾曲方向の向き)を維持する。湾曲カニューレ50が固定されると、湾曲カニューレ50をトロカール20内に固定したまま、矯正用スタイレット40を取り外す。
【0051】
図4Cを参照すると、次いで、小管68を、近位側から遠位側へ遠位先端64に向けてそのシャフト上で又は遠位先端64から近位側へ近位端62に向けてそのシャフト上で摺動させることによって、湾曲スタイレット60を真っ直ぐに矯正する。湾曲した遠位先端66が真っ直ぐに矯正され、小管68の内側に完全に後退すると、湾曲スタイレット60を湾曲カニューレ50(依然として針トロカール20内にある)の近位孔52に挿入する。湾曲スタイレット60が湾曲カニューレ50内へ前進する際に、小管68は止め部55(図4Cを参照のこと)と合わさる。湾曲スタイレット60が前進し続けると、小管68は湾曲カニューレ50のハンドルの内部に保持される。これにより、スタイレット60の湾曲部を湾曲カニューレ50の内部に露出させることが可能となる。最大限の力を生むには、2つの部品(50及び60)の湾曲部を位置合わせせねばならない。位置合わせを確実にするために、湾曲スタイレット60のキャップは、湾曲カニューレ50の近位端の位置合わせノッチ52と係合する位置合わせピン70を有する。
【0052】
スタイレット60が完全に着座し、湾曲カニューレ50と位置合わせされると、湾曲スタイレット60の先端が湾曲カニューレ50の先端から約1/16インチ〜3/16インチだけ突出する。この突出は、展開時に湾曲部をその姿勢の方向に追いやる助けとなる。
【0053】
ここで図4Dを参照すると、湾曲スタイレット60と湾曲カニューレ50が係合した状態で、湾曲カニューレ50の頂部にある係止(ロック)ナット58を反時計回りに回転させると、カニューレ50及びスタイレット60を針トロカール20に対して前進させることができ、それによって、近位端52が係止ナット58に当接することで、湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60をトロカール20の遠位開口部を越えて前進させて、海綿骨領域124の内部に湾曲経路を作り出す。湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60は、前進するにつれて、好ましくは、海綿骨を通って0.4インチ〜1.0インチの半径で湾曲し、5度〜110度の角度まで弧をなす。湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60が目的角度まで展開すると、湾曲カニューレ50の頂部にある係止ナットが針トロカール20と係合して、湾曲スタイレットと湾曲カニューレのアセンブリのいかなる更なる前進も止める。
【0054】
図7A及び図7Bを参照すると、図7A及び図7Bは、2つの角度を有するように形成されている、湾曲スタイレット60の先端を示す。適切な方向への湾曲部の展開を助けるために、湾曲スタイレット60の湾曲部66は所定の向きに或る形状とされている。湾曲部72の内側の角度は、湾曲部74の外側の角度よりも小さい。この角度差は、骨が湾曲面74の外側に押し当たることで展開時に湾曲アールが確実に維持されるため、スタイレット50とカニューレ60のアセンブリが骨の内部で湾曲することを助ける。
【0055】
ここで図4Eを参照すると、次いで、湾曲スタイレット60を取り外し、経路形成用スタイレット90に置き換える。経路形成用スタイレット90の先端94を、湾曲カニューレ50の端54を越えて対象の標的治療ゾーンに向けて前進させる。
【0056】
ここで図4Fを参照すると、経路形成用スタイレット90が標的治療ゾーンに達すると、経路形成用スタイレット90を取り外すことで作業用チャネル146を形成する。チャネル140は概して、椎弓根138の皮質骨を横断する第1の部分142と、これに続く湾曲経路144とを有する。これらのセクションは湾曲カニューレ50が占めるため、該カニューレ50を通して給送される治療装置は、カニューレ50の湾曲部を辿らざるを得ず、別の方向に逸れることがない。チャネルは、治療装置を治療部位Tに向けて更に前進させるために、海綿骨124の内部に直線延長部146を更に含むことができる。
【0057】
トロカール20及び湾曲カニューレ50が依然として適所にある状態で、治療装置(例えば、細長い可撓性カテーテル110の遠位端104にアクティブな要素102を有する、図2に示されている治療プローブ100)が、標的治療位置Tまで送達され、局部治療を行う。
【0058】
好ましい実施形態では、アクティブな要素102を治療部位まで送達してアクティブにすることで、治療処置エネルギーを送達する。治療プローブは、神経122を刺激又は除去するために治療レベルの熱を送達する双極電極106及び108を有するRF送達プローブを含むことができる。
【0059】
任意の数の治療モダリティーを治療処置のために治療部位に送達することができることが理解される。例えば、治療は単極RF又は三極RF、超音波、放射線、蒸気、マイクロ波、レーザー又は他の加熱手段の影響を受けさせることができる。加えて、治療装置は、例えば骨セメントである作用物質又は他の治療薬を治療部位Tに投入する流体送達カテーテルを含んでいてもよい。代替的に、BVNの局部治療のために極低温冷却を送達してもよい。さらに、治療は、BVNを切除又は除神経することが可能な任意の機械的破壊手段及び/又は除去手段の影響を受けさせてもよい。例えば、視力矯正手術の技術分野において一般に用いられている切刃、バー(bur)又は機械作動式カッターを用いて、BVNの除神経に効果を与えてもよい。
【0060】
BVNの治療に加えて、又はBVNの治療とは別に、センサーを治療領域に送達して、該領域における神経伝導を術前又は術後に測定してもよい。この構成では、センサーを可撓性プローブの遠位先端に載せて送達してもよく、該可撓性プローブは治療要素を有していてもよく又は有していなくてもよい。
【0061】
治療の目的は、BVNを除神経するための、標的の神経若しくは組織の除去若しくは壊死であってもよく、又は程度が幾分軽い治療であってもよい。例えば、治療のエネルギー又は周波数は、神経を刺激して神経がシグナル(例えば痛みを示すシグナル)を伝達するのを阻害するのにちょうど十分なものとすることができる。
【0062】
治療が完了すると、プローブ100を引き抜く。次いで、湾曲カニューレ50を針トロカール20内に引っ込める。次いで、湾曲カニューレ50とともに針トロカール20を取り出し、医師が処方するようにアクセス部位を閉じる。
【0063】
上記システム10では、湾曲カニューレ50の湾曲部56及び湾曲スタイレット60の湾曲部66の設計は、(例えば治療装置を搬送する)可撓性要素を湾曲カニューレ50のニチノール製チューブの展開の角度範囲にわたって誘導することができるようなものとなっている。湾曲したニチノール製チューブ50は、可撓性要素を、意図しない方向に向かって逸らすことなく骨の内部の湾曲部を通って誘導することを可能にする。海綿骨の密度は人によって様々である。したがって、様々な密度の海綿骨124の内部に湾曲チャネルを作ることは、治療装置が湾曲チャネルを進もうとするとき、概して予測可能に又は正確に治療装置を支持及び収容しない。
【0064】
本発明のシステム10を用いて、治療装置100を湾曲カニューレ50の湾曲したニチノール製チューブを通して骨の内部に展開させる。湾曲カニューレ50は、要素が湾曲部を横断する際該要素を支持する。治療装置は、チューブから離れるときに、経路146に沿って標的ゾーンに向かって直線方向に離れる。これにより、海綿骨の密度に関係なく、ユーザーが治療装置を標的ゾーンTに向けて予測可能かつ正確に展開することが可能となる。
【0065】
幾つかの実施形態では、直径の大きなニチノール製チューブを用いて達成することができる曲率半径よりも小さい曲率半径が有利である場合がある。これを達成するために、湾曲カニューレ50の湾曲チューブは、幾つかの形態のうちの1つを呈することができる。1つの実施形態では、チューブ50は、特定の湾曲部において熱硬化することができる硬質ポリマーから形成される。ポリマーが所望の湾曲部を保持することが不可能であれば、ニチノール製又は他の適切な材料製の付加的なスタイレット(例えば湾曲スタイレット60)をポリマー製チューブと併用して所望の湾曲部を達成することもできる。提案されるこの材料の組み合わせは、所望の湾曲部を達成するために複数の異なる直径の数多くの又は多様な材料を包含することができる。これらの組み合わせは、最終的な外部要素(例えばトロカール20)が内部要素から「離脱可能」であり、かつ、所望の治療装置100を治療領域Tまで通すことを可能にするのに十分な内径を有することを確実にするためだけに必要である。
【0066】
湾曲カニューレ50の代替的な実施形態では、チューブの壁(特に曲部の外側アール)に或るパターンの起伏又は切込み(図示せず)を有するニチノール製チューブを含んでもよい。或るパターンの切込み又は起伏により、チューブの壁の完全性を損ねることなく固体チューブが曲がることができるであろうよりもタイトなアールになるようにチューブが曲がることが可能となる。
【0067】
図5は、手順に必要とされるステップの数を減らすのに用いることができる、本発明のシステムすなわちキット200の第2の実施形態を示す。第2の実施形態は、針トロカール20と、針トロカール20及び湾曲カニューレ50とともに用いられて、軟組織及び皮質シェルを通る初期経路を作ることで海綿骨へのアクセスを可能にする矯正用スタイレット40と、湾曲カニューレ50と併用されて、骨/組織の内部に湾曲経路を作る湾曲スタイレット60と、湾曲スタイレットによって作られた湾曲経路の端を越えて、プローブのための作業用チャネルを作るのに用いられる経路形成用スタイレット90とを含む。
【0068】
本発明による1つの方法では、矯正用スタイレット40を湾曲カニューレ50に挿入して固定する。この実施形態では、矯正用スタイレット40は、骨に貫入するように設計されている鋭利な先端46を有する。矯正用スタイレット40が固定され、湾曲カニューレ50が真っ直ぐになると、矯正用スタイレット40及び湾曲カニューレ50を針トロカール20に挿入して固定する。この実施形態では、矯正用スタイレット40の鋭利な先端46をトロカール20の遠位端22から突き出させるまで、湾曲カニューレ50及び矯正用スタイレット40をトロカール20のシャフト28に挿入する。湾曲カニューレ50の上部にある平坦部と、針トロカール20のハンドル内に垂直に固定されたピンとを位置合わせすることによって、適切な位置合わせが維持される。
【0069】
ここで図6を参照すると、湾曲カニューレ50が固定されると、アセンブリ(トロカール20、湾曲カニューレ50及び矯正用スタイレット40)を、軟組織を貫通して骨の表面まで前進させる。椎骨120の椎弓根138にて適切な配置が見つかった後、アセンブリ(トロカール20、湾曲カニューレ50及び矯正用スタイレット40)を、皮質シェル128を通って骨の海綿状内部構造部124の内部に前進させる。
【0070】
適切な深さに達した後、矯正用スタイレット40を取り外す。次いで、小管68を遠位先端64に向けてそのシャフト上で摺動させることによって、湾曲スタイレット60を真っ直ぐに矯正する。湾曲した遠位先端66を真っ直ぐに矯正し、小管68の内部に完全に後退させ、次いで、湾曲スタイレット60を湾曲カニューレ50(依然として針トロカール20の内部にある)に挿入する。湾曲スタイレット60が湾曲カニューレ50内に挿入されると、小管68が止め部55(図4Cを参照のこと)と合わさる。湾曲スタイレット60が前進し続けると、小管68は湾曲カニューレ50のハンドルの内部に保持される。これにより、スタイレット60の湾曲部を湾曲カニューレ50の内部に露出させることが可能となる。
【0071】
最大の力を生じさせるために、2つの部品(50及び60)の湾曲部が位置合わせされることが好ましい。位置合わせを確実にするために、湾曲スタイレット60のキャップが、湾曲カニューレ50の頂部のノッチと係合する位置合わせピンを有する。
【0072】
スタイレット60が完全に着座し、湾曲カニューレ50と位置合わせされると、湾曲スタイレット60の先端が、湾曲カニューレ50の先端から約1/16インチ〜3/16インチだけ突出する。この突出は、展開時に湾曲カニューレ50をその姿勢の方向に追いやる助けとなる。湾曲スタイレット60及び湾曲カニューレ50が係合すると、湾曲カニューレ50の頂部にある係止ナットを反時計回りに回転させて、(図4Dに示されているように)カニューレ50及びスタイレット60を針トロカール20に対して前進させる。湾曲カニューレ及び湾曲スタイレットは、前進するにつれて、治療位置Tに向かう湾曲経路を作り出す。湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60が目的角度まで展開すると、湾曲カニューレ50の頂部にある係止ナットが針トロカール20と係合して、湾曲スタイレットと湾曲カニューレのアセンブリのいかなる更なる前進をも止める。
【0073】
次いで、湾曲スタイレット60を取り外し、経路形成用スタイレット90に置き換える。経路形成用スタイレット90を湾曲カニューレ50の端を越えて(図4Eを参照のこと)、対象の標的治療ゾーンに向けて前進させることで、挿入すべきアクティブな要素のための作業用チャネルを作る。経路形成用スタイレット80が標的治療ゾーンに達すると、該経路形成用スタイレットを取り外し、治療装置100に置き換える。治療装置100は、治療部位Tに送達されてアクティブになる。
【0074】
治療が完了すると、治療装置100を引き抜く。次いで、湾曲カニューレ50を針トロカール20内に引っ込める。次いで、湾曲カニューレ50とともに針トロカール20を取り外し、医師が処方するようにアクセス部位を閉じる。
【0075】
図7A及び図7Bは、湾曲スタイレット60(近位端は図示せず)用のニチノール製ワイヤーの詳細図を示す。ワイヤーは、一定の直径D及び長さLSを有するシャフト78を含み、直径D及び長さLSは用途と治療位置までの所望の深さとに応じて様々とすることができる。ワイヤーは、シャフトに対して角度θで遠位先端64の方向を変更するアールrを有するように湾曲している予成形遠位先端を有する。図7Aに示されているように、角度θは約110度であるものと示されている。しかしながら、予成形先端は数度(軸からの僅かな偏向)〜180度(例えば、近位端へ向かって戻るように方向付ける)までの範囲の角度を有していてもよいことが理解される。
【0076】
遠位先端64を詳細に示す図7Bに示されているように、該先端は、シャフト78から離れるように延びている遠位延長部LTを有していてもよい。アールrを辿る経路に沿った経路形成を促すために、遠位先端64は、2段平面であるベベル面74及び72を有して構成されている。平面74は角度βでオフセットされており、平面72は角度αでオフセットされている。最先端のこの構成により、スタイレット及び/又は湾曲カニューレが、骨を通って該スタイレット及び/又は該カニューレの特定の湾曲部に関連する経路の内部を進むことが可能となる。
【0077】
図7A及び図7Bに示されている例では、湾曲スタイレット60は、シャフト長さLSが約3.6インチであり、直径Dが約0.040インチであり、遠位先端の長さLTが0.125インチであり、アールrが0.40インチであり、角度βが35度であり、角度αが31度である。上記寸法は単に説明のためのものであって、解剖学的構造や組織タイプに応じて様々であってもよいことに留意すべきである。
【0078】
上記実施形態は全て、身体の種々の領域を治療する器具のキットとして提供され得ることが理解される。例えば、トロカール20に対する治療装置の位置、向き及び角度は、増分が様々である一組の器具を提供することによって様々とすることができる。これは、湾曲カニューレ50及び湾曲スタイレット60の湾曲部56、66を変えることによって達成することができる。湾曲部は、曲率半径r、挿入深さ(シャフトの長さLS及び先端の長さLT)、並びに/又はトロカール20の中央穴に対する最終出口角度θを変えることによって変えることができる。したがって、形成される必要のある経路を生体構造が示すとおりに、医師は、頚椎分節とは対照的に腰椎分節を治療するための異なるキットを選択することができる。
【0079】
したがって、種々の脊椎分節を治療する場合、椎骨(又は治療される他の領域)に適合するようにキットのセットを選択することができる。例えば、腰椎の場合にBVN分岐点に又はBVN分岐点の近くに治療装置を送達することは、頚椎の場合とは異なる角度となり得、また、患者によって様々である場合がある。このセットは、手術中にキットから選択されてもよく、又は手術前の診断評価(例えば標的領域の放射線画像形成)により選択されてもよい。
【0080】
窓付きチューブ内チューブ(Tube in Windowed Tube)
図8〜図18Bは、本発明による、骨の内部に湾曲経路を作り出すシステム201を示す。図8は、患者の体内での展開の準備が整った状態のシステム201の斜視図を示す。システム201は、細長い送達チューブ204に連結されている近位端ハウジング202を有する誘導針/トロカール210を含む。遠位端先端208は、椎体のような骨塊の少なくとも一部に入り、該骨塊の少なくとも一部を通って送達するのを容易にするために、鋭利な、かつ/又はベベル面先端を有する。
【0081】
アセンブリの近位端(駆動ナット270)は、トロカール210がマレット等を用いてタッピングされて適所にくることを可能にする硬い剛性材料を含んでいてもよい。
【0082】
チューブ本体204は、遠位先端208にごく近接して又は遠位先端208に配置された側方に位置決めされた半径方向開口部又は窓212を含む。窓212は、チューブ204の中央チャネル218からの半径方向のアクセスを提供し、それにより、器具又はプローブ(例えばプローブ250の遠位端)がチューブ軸又は中央チャネル218に対して(例えば非軸方向に)或る角度で送達され得る。
【0083】
図9は、患者内に送達する前のシステム201の分解図を示す。トロカール210は、図8に示されているアセンブリ全体として、標的治療部位近くの位置に導入されることが好ましいが、トロカールをそれ自体だけでその位置に導入してもよく、その場合、トロカール210が適所にきてから付加的な構成部材が位置決めされることも理解される。そのような構成では、骨片又は他の組織物質が中央チャネル218に入らないよう、孔212を塞ぐようにスタイレット(図示せず)をトロカール204のチャネル218の下方へ位置決めすることができる。スタイレットは、トロカール210をタッピングして適所にくることを可能にするように硬い幅広の近位端を有することができる。
【0084】
トロカールのハウジング202の近位端206は、トロカールのチャネル218と連通する、中心に位置付けられたカウンターボア又は凹部216を含む。トロカールの凹部216は、該トロカールの凹部216及びトロカールの中央チャネル218内での湾曲可能なカニューレ230の配置及び往復動を可能にする。湾曲可能なカニューレ230は、該湾曲可能なカニューレ230の近位本体246の周りに螺合する止めナット240を介してトロカール凹部216内の特定位置で適所に保持されることができる。湾曲可能なカニューレ230はまた、カニューレのチャネル245と中心方向に位置合わせされる中央凹部268を近位本体246内に含む。中央凹部268及びカニューレチャネル245は、駆動ナット270にねじ込まれるプローブ250を受け入れて該プローブ250の往復動を可能にするように構成されている。
【0085】
図10A〜図10Eは、本発明による、展開の種々の段階にあるシステム201を概略的に示す。図11、図13、図15及び図16は、図10A〜図10Eにおいて具体的に示されている種々の段階によるシステム201の近位端の断面図を示す。これに対応して、図12、図14は、図10A〜図10Eにおいて具体的に示されている種々の段階によるシステム201の遠位端の拡大図を示す。
【0086】
図11は、患者の体内の所望の治療位置へのトロカール210の挿入前又は挿入時の、非展開状態にあるシステム201の近位端の断面図を示す。椎体120への送達のために(例えばBVNにアクセスするために)、トロカール210を、(図3に示されているように)チャネル140を介して椎弓根138を通って送達することができる。チャネル140は予め穿孔された穴であってもよく、又は鋭利な先端208を骨に挿入することによって作り出されてもよい。挿入を容易にするために、駆動ナット270のキャップ290の近位面292が剛性材料(例えばステンレス鋼等)を含んでいてもよく、それにより、マレット又は同様の器具を面292に衝当させることでトロカール本体204を適所へとタッピングすることができる。
【0087】
トロカール210の挿入時、止めナット240を湾曲可能なカニューレ230の近位本体246の雄ねじ248に沿って遠位方向に螺合させて、トロカール凹部216の遠位方向下方へのカニューレ230の動きを制限する。この制限された動きは、トロカール210が送達されている間、カニューレ230の遠位端232が尚早に展開しないようにする。
【0088】
図12に示されているように、湾曲可能なカニューレ230の遠位先端233は、カニューレチューブ244とともに連続したカニューレチャネル245を提供するように、中央穴をそれぞれが有する一連の筒状の結合リンク234を含む。カニューレチャネル245は、近位本体246のカニューレの中央凹部268から先端233にある遠位リンク232に延びている。遠位リンク232は、下記に詳述するように、湾曲可能なカニューレ230が骨を通る経路を作り出すのを容易にするためのベベル面先端233を含む。遠位リンク232はまた、湾曲可能なカニューレ230の剛性前縁を提供するべく、硬い材料、例えばステンレス鋼等を含んでいてもよい。
【0089】
結合リンク234はコード242によって一緒に保持されており、該コード242は湾曲可能なカニューレ230の近位本体246から延出し、遠位リンク232にある孔236で終端している。コード242の遠位端は、孔236の表面を保持して遠位リンク232内にコードを保持するカウンターボア、カウンターシンク等の内部に配置されているボール238で終端している。
【0090】
ここで図10Bを参照すると、トロカール210が適所にくると、止めナット240が、湾曲可能なカニューレ230の近位端246の雄ねじ248に沿って近位方向に螺合して、凹部214内での遠位方向下方へのカニューレ230の動きを可能にする。
【0091】
次いで、図13の断面図に示されているように、湾曲可能なカニューレ230の近位本体246をトロカール凹部216内で下方に展開させることができる。椎体の骨塊(又は他の骨塊)による抵抗がある可能性があるため、トロカールをハウジング202に保持したまま、(例えばマレット等を用いて)キャップ290の近位面をたたくことによってカニューレ230を下方にタッピングすることができる。近位本体246の動きにより、チューブ244がトロカール本体204のチャネル218内で遠位方向に押される。これにより、図14に示されているように、前縁232及び後続の結合リンク234がチューブ204の半径方向窓212から押し出される。開口部又は窓212の遠位端が斜面209を含んでいることで、トロカールのチューブ204の中心軸に対して適切な角度で、トロカールの遠位端にて捕捉されることなく又は動かなくなることなく、前縁232が窓212から出易くなる。
【0092】
斜面209に加え、コード242が与える張力によって、遠位先端233が湾曲した経路を辿ることが容易となり、これにより、張力が印加されると結合リンク232、234が押されて弧状になる。コード242は、上記張力を印加するためのプルコードとして働くように、雄ねじダイアル212(図8を参照のこと)に連結されている。ダイアル212を、雌ねじアーム214内で時計回り又は反時計回りに回して、コード242の張力を増加又は弛緩させることによって、遠位先端233の操作を行いつつ、湾曲カニューレ230をトロカール本体204の下方へ前進させて窓212から出すことができる(例えば、張力増加はより鋭利なアールをもたらし、張力減少はより緩やかなアールをもたらすか又は全くアールをもたらさない)。
【0093】
あるいは、コード242は、予成形湾曲形状でチューブ244及びリンク232、234を締め付けるニチノール製ワイヤーのような記憶材料を含んでいてもよい。この構成のコード246は延びて、湾曲可能なカニューレ230をチャネル218内へ真っ直ぐな形態で送達して該チャネル内に収容することを可能にし、チャネル218内に拘束されなくなると後退して、窓212を出ると湾曲経路を進む。
【0094】
図13及び図14に示されているように、湾曲可能なカニューレ230は、近位端246が凹部216の底部に配置され、遠位先端233が骨を通って治療部位に(後続リンク234とともに)湾曲経路を形成する展開姿勢で完全に展開する。この形態では、プローブ250は、近位端246にある止め部258によって遠位の動きを抑制されている駆動ナット270の内部に螺合しているため、湾曲カニューレ230に対して(遠位方向の)軸方向の動きを抑制される。
【0095】
図15に示されているように、駆動ナット270は、該駆動ナットを回転させることによって、湾曲可能なカニューレ230及びプローブ近位本体254に対して上昇させる(キャビティ268から近位方向に前進させる)ことができる。プローブ250の近位本体254は、駆動ナット270の遠位凹部における雌ねじ262と嵌合する雄ねじ256を含む。ねじパターン256/262は好ましくは、駆動ナット270の回転が湾曲カニューレ230の回転をもたらさないように、止めナット240と湾曲可能なカニューレ230の近位端246との間のねじパターンの逆(例えば右ねじ対左ねじ)とすることができる。
【0096】
さらに、プローブ250の近位端254は複数の縦溝(groves)264を含み、これらの縦溝264のうちの少なくとも1つは、湾曲可能なカニューレ230のキー266と相互作用する。この相互作用により、湾曲可能なカニューレ230とともに近位本体264が軸方向に動くことのみが可能となり、湾曲可能なカニューレ230とともに近位本体264が回転することが制限される。したがって、駆動ナット270の回転は該駆動ナット270の近位の移動のみをもたらす。図15に見られるように、この時点で、プローブ近位本体254がキャビティ268内を下方に自由に移動する。
【0097】
ここで図16及び図17を参照すると、完全に展開した状態のシステム201が示されており、この状態は、プローブ250の遠位シャフトが湾曲可能なカニューレの中央チャネル245の遠位端233を越えて前進した状態である。これは、湾曲可能なカニューレ230のキャビティ268内で近位本体254を前進させることによって達成される。好ましくはキャップ290をタッピングすることによって、近位本体254及び駆動ナット270がキャビティ268内を1つのユニットとして前進し、それにより、プローブ先端274を前進させてカニューレ230から出し、組織/骨を通って体内の所望の治療位置又は診断位置に至らせる衝撃力を提供する。
【0098】
代替的な実施形態では、(図1のキット10に示されているスタイレット90のような)経路形成用スタイレットを用いて、治療装置又は診断装置用のプローブを展開させる前に、湾曲可能なカニューレ230によって作られた湾曲経路の端を越えて作業用チャネルを作ってもよい。
【0099】
プローブ250の遠位先端274が所望の位置に位置決めされると、標的組織の治療を行うことができる。図17に示されているように、プローブ遠位端274は、治療量のRFエネルギーを標的位置まで送達するように構成されている第1の電極274を含むことができる。図17に示されている構成では、プローブは好ましくは、戻り電極276を有する双極プローブを備えるが、プローブ250は本明細書に記載の任意の治療器具を備え得ることが理解される。
【0100】
キャップ290は、プローブ250に連結するための電源(例えばバッテリー)及びコンセント(図示せず)を含む(例えば自給式ユニット)ように更に構成することができ、これによって、治療レベルのエネルギーを組織に送達するようにエネルギーを供給する。この形態では、キャップ290は、本発明に従って椎体のBVNを除神経するために、特異的に測定された1つ又は複数の計量投与量のエネルギーを送達するのに十分な電力を有していてもよい。
【0101】
キャップ290は好ましくは、本発明の用途又はステップ手順に応じて交換可能であるべき駆動ナット270にねじ込まれる(又は別様に解放可能に連結される)。例えば、システム201を骨の内部へ推し進めるのに用いられる強化/硬化表面292を有するキャップ290を、プローブ250用の継手(図示せず)、内部電源(図示せず)、又は組織の或る領域の治療及び/若しくは診断のためにエネルギーを送達する外部電源/制御装置(図示せず)用の継手を有する別のキャップに置き換えることができる。流体及び/又は作用物質を標的組織に送達させる実施形態の場合、キャップ290を、1つ又は複数の流体送達チャネルを有するプローブを通して流体の送達を容易にするように構成することができる。
【0102】
図18A及び図18Bはそれぞれ、湾曲可能なカニューレ230が収容位置及び展開位置にある、システム201の遠位端の側面図である。遠位リンク232及び後続リンク234は、カニューレの遠位端が一方向に湾曲することを可能にする結合面/連動面を有するように構成されている。結合対のより遠位のリンクは、その近位のリンクにおける対応凹部237と結合する延長部235を有する。これにより、図18Bに示されているようにこれらのリンクが互いに対して回転して、湾曲した遠位端を形成することが可能となる。
【0103】
図19A及び図19Bは、骨を通って湾曲チャネルを作り出す代替的なシステム300を示す。システム300は筒状のトロカール本体302を含み、該筒状のトロカール本体の近位端(図示せず)は、本明細書中に開示されている装置10、200又は201について前述した近位端のいずれかの一部又は全てを含むことができる。遠位先端334は、骨を通って前進するための前縁面と、トロカール本体302の中央チャネルへのアクセスを可能にする半径方向窓又は側方窓304とを含む。窓304は、遠位先端334に近接した短い距離のところに位置決めされている。
【0104】
湾曲可能なカニューレ322が、トロカール302内に位置決めされており、この湾曲可能なカニューレ322は、リンク機構326を介して枢動可能なアーム310に連結されている遠位端324を有する。湾曲可能なカニューレの近位端(図示せず)は、本明細書に開示した装置10、200又は201について前述した近位端のいずれかの一部又は全てを含むことができる。枢動可能なアーム310は、トロカール334の遠位先端334にあるか又は遠位先端334の近くの位置にあるジョイント314に枢動可能に連結されている第1の端を有する。収容形態(図19Aに示されている)では、枢動可能なアームは、トロカール302内の、ピボット314から半径方向開口部又は窓304に近接して延在しているスロット306内に軸方向に横倒するように構成されている。アーム310の近位(収容されている場合)端312はリンク機構326に連結される。
【0105】
図19Bに示されているように、カニューレ322を単にトロカール302の遠位方向に下方に前進させることによって、該カニューレ322を窓304から横方向外向きに前進させることができる。枢動可能なアーム310は、カニューレの湾曲可能な端320の動きを(アーム310の長さによって決まる)特定のアールの湾曲経路に制約する。枢動可能なアームが完全に回転すると(図19Bでは約90度で示されているが、そのような角度は任意の所望の量であるように指定し得る)、カニューレ端320が、トロカールから外向きに所望の治療部位に向かって湾曲経路を作る。(図1の湾曲スタイレット60、経路形成用スタイレット90又はプローブ100のような)プローブ、スタイレット又は同様の装置を、遠位端320の開口部に位置決めして、組織又は骨をカニューレに入らせることなく、湾曲した穴を作り出すのを容易にしてもよい。次いで、プローブ、治療装置/診断装置を、カニューレ端320を通して、トロカール本体302から軸外の組織/骨の領域まで経路付けてもよい。
【0106】
上記システム201、300は、身体の種々の領域を治療するための器具のキットとして提供し得ることが理解される。例えば、トロカールに対する治療装置の位置、向き及び角度は、様々な増分で器具のセットを提供することによって様々とすることができる。これは、湾曲可能なカニューレ230、320の湾曲部を変えることによって達成することができる。湾曲部は、トロカールの中央穴に対する曲率半径、挿入深さ(シャフトの長さ及び先端の長さ)、及び/又は最終出口角度を変えることによって変えることができる。したがって、形成される必要のある経路を生体構造が示すとおりに、医師は、頚椎分節とは対照的に腰椎分節を治療するための異なるキットを選択することができる。
【0107】
上記に詳述したシステム10、200、201及び300における器具のそれぞれは、治療領域/診断領域(例えば骨内神経幹)へのアクセスを提供するのに所望又は所要の任意の長さ、形状又は直径を有することができ、それによって、標的領域の効果的な治療/診断が容易になることが理解される。例えば、治療すべき骨内神経のサイズと、骨内神経にアクセスするための骨(例えば椎弓根138)内の通路のサイズと、骨、したがって骨内神経の位置とが、個々の器具の所望のサイズ及び形状を決める際に役立ち得る因子である。
【0108】
上述のシステム10、200、201及び300は、標的領域を治療処置するための数多くの異なる治療モダリティーとともに用いることができる。例えば、1つの実施形態では、米国特許第6,699,242号(その全体が参照により本明細書に援用される)に記載されているように、熱を生成するよう、標的領域(例えばBVN)の組織を除去する態様でシステム100、200、20及び300における治療装置又はプローブを操作することが望ましい。
【0109】
別の実施形態では、治療装置は、治療処置をもたらすように構成されており、この治療処置は、神経を除去することなく神経伝導を阻害すること、すなわち、熱処置を神経に(例えば温熱治療、作用物質等を介して)施し、その結果、組織を壊死させることなくBVNの除神経をもたらすことを目的とする。これは、除去に必要とされるよりも少ない量であるが、或る量の一時的又は永続的な除神経を達成するのに十分な量のエネルギー又は作用物質の組織部位への(曝露時間が短い、濃度が低い、強度が低い等の形態のいずれかでの)送達により達成することができる。
【0110】
本明細書に記載されているプローブは、組織の領域の治療と関係がないか又は該治療と関係する組織の領域を診断するための診断装置(例えば超音波、カメラ等)のような非治療的な装置を含み得ることが更に想定される。
【0111】
上記に詳述したシステム10、200、201及び300のいずれの個々の要素も、適用可能な場合は交換可能に用いられてもよいことも理解される。例えば、湾曲可能なカニューレ230、320が骨の内部へ推し進められている間、該カニューレに更なる湾曲付勢を与えるために、システム10及び200において示されている湾曲スタイレット60をシステム201及び300のプローブの代わりに一時的に実装することができる。さらに、経路形成用スタイレット90を用いて、湾曲可能なカニューレ230、320によって提供される湾曲経路を越えてチャネルを更に作り出すことができる。
【0112】
したがって、以上のように、本発明は特に以下の非自明な実施形態を含む。
【0113】
1.骨の内部に経路を形成するシステムであって、
近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、
前記中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、前記近位端から前記遠位端に向かって延びており、
該トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通する、トロカールと、
前記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、前記近位端から前記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、
該湾曲可能なカニューレは、前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端を含み、
該湾曲可能なカニューレは、中央通路であって、プローブが該中央通路を通って前記湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を含む、湾曲可能なカニューレと、
を含む、システム。
【0114】
2.前記トロカールは、骨に穿孔して骨を通る直線経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を更に有する、実施形態1によるシステム。
【0115】
3.前記湾曲可能なカニューレは、骨に穿孔して、前記トロカールによって作り出された直線経路から延びる湾曲経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を有する、実施形態2によるシステム。
【0116】
4.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端は、真っ直ぐな態様で前記トロカールを通して送達されるとともに、前記中心軸に対して或る角度で前記半径方向開口部から外向きに湾曲した態様で展開されるように変形可能である、実施形態1によるシステム。
【0117】
5.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に連結されているプルコードであって、前記トロカールの前記近位端まで延びるプルコードを更に含み、
前記プルコードは、前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端に引張力を加えて前記湾曲可能なカニューレを付勢して湾曲した態様にするように構成されている、実施形態4によるシステム。
【0118】
6.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に加えられる前記引張力は、前記湾曲可能なカニューレを所望の経路に沿って導くように前記トロカールの前記近位端から制御することができる、実施形態5によるシステム。
【0119】
7.前記湾曲可能なカニューレの遠位端は、関節式に連結して湾曲形状になるように構成されている複数の結合リンクを備える、実施形態4によるシステム。
【0120】
8.前記トロカールの前記中央チャネルは、前記半径方向窓につながる斜面で終端し、前記斜面は前記窓から外方向への前記湾曲可能なカニューレの展開を容易にする、実施形態4によるシステム。
【0121】
9.前記湾曲可能なカニューレは近位本体を備える近位端を含み、
前記トロカールの前記近位端はハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記湾曲可能なカニューレの前記近位本体の往復動を可能にするように構成されている近位凹部を有し、
前記近位凹部は前記中央チャネルと連通する、実施形態1によるシステム。
【0122】
10.前記湾曲可能なカニューレの近位本体は、前記トロカールの前記ハウジング内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成される、実施形態9によるシステム。
【0123】
11.前記カニューレの前記中央チャネル内に適合するサイズになっているプローブを更に含み、
前記プローブは、前記カニューレの前記近位本体内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている近位端を含む、実施形態10によるシステム。
【0124】
12.前記湾曲可能なカニューレに連結されている駆動ナットを更に含み、
前記駆動ナットは、前記トロカール、前記湾曲可能なカニューレ又は前記プローブのうちの1つ又は複数を、骨を通して前進させるための衝撃力を加えるのに適した硬化近位面を含む、実施形態11によるシステム。
【0125】
13.前記駆動ナットは、前記プローブの前記近位端を収容するように構成されているねじ切り遠位凹部を含む、実施形態12によるシステム。
【0126】
14.前記駆動ナットの前記近位面は交換可能なキャップを備え、
前記交換可能なキャップは、治療エネルギーを供給するよう前記プローブへのアクセスを提供するように構成されている、実施形態12によるシステム。
【0127】
15.患者の体内の治療位置まで骨の内部に経路を形成する方法であって、
前記治療位置の近くの骨の領域の内部に、トロカールであって、
前記トロカールは、近位端と、遠位端と、前記近位端及び前記遠位端間に設けられている中央チャネルとを有し、
前記トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通する、トロカールを挿入するステップと、
前記中央チャネルを通して前記半径方向開口部に湾曲可能なカニューレを送達することと、
前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に前記湾曲可能なカニューレを展開するステップと、
を含む方法。
【0128】
16.前記湾曲可能なカニューレ内の中央通路を通して前記湾曲経路を越えて治療位置に治療装置を送達するステップを更に含む、実施形態15による方法。
【0129】
17.前記治療位置に治療量の熱エネルギーを送達するステップを更に含む、実施形態16による方法。
【0130】
18.骨の領域の内部にトロカールを挿入するステップは、
皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に前記トロカールを展開させるステップを含み、
前記湾曲経路は前記椎体の前記海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、実施形態17による方法。
【0131】
19.前記湾曲可能なカニューレの遠位先端に連結されているプルコードを介して前記湾曲可能なカニューレを導くことで、前記湾曲可能なカニューレを前記湾曲経路内で付勢するステップを更に含む、実施形態16による方法。
【0132】
20.前記治療位置は前記椎体に関連するBVNを含み、前記方法は、
前記治療位置に前記熱エネルギーを送達することで、前記BVNの少なくとも一部を除神経するステップを更に含む、実施形態18による方法。
【0133】
21.脊椎治療システムであって、
近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、
前記中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、前記近位端から前記遠位端に向かって延びており、
該トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通し、
該トロカールは、皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に展開するように構成されている、トロカールと、
前記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、前記近位端から前記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、
該湾曲可能なカニューレは、中央通路と、前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端とを含み、
前記湾曲経路は、前記椎体の前記海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、湾曲可能なカニューレと、
前記中央通路を通して前記湾曲経路を越えた位置まで送達されるように構成されている治療プローブと、
を含む、脊椎治療システム。
【0134】
22.前記トロカールは、骨に穿孔して骨を通る直線経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を更に含む、実施形態21によるシステム。
【0135】
23.前記湾曲可能なカニューレは、骨に穿孔して、前記トロカールによって作り出された直線経路から延びる湾曲経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を含む、実施形態22によるシステム。
【0136】
24.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端は、真っ直ぐな態様で前記トロカールを通して送達されるとともに、前記中心軸に対して或る角度で前記半径方向開口部から外向きに湾曲した態様で展開されるように変形可能である、実施形態21によるシステム。
【0137】
25.前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に連結されているプルコードであって、前記トロカールの前記近位端まで延びるプルコードを更に含み、
前記プルコードは、前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端に引張力を加えて前記湾曲可能なカニューレを付勢して湾曲した態様にするように構成されている、実施形態24によるシステム。
【0138】
26.前記湾曲可能なカニューレの遠位端は、関節式に連結して湾曲形状になるように構成されている複数の結合リンクを備える、実施形態24によるシステム。
【0139】
27.前記湾曲可能なカニューレは近位本体を備える近位端を含み、
前記トロカールの前記近位端はハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記湾曲可能なカニューレの前記近位本体の往復動を可能にするように構成されている近位凹部を有し、
前記近位凹部は前記中央チャネルと連通する、実施形態21によるシステム。
【0140】
28.前記湾曲可能なカニューレの近位本体は、前記トロカールの前記ハウジング内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている、実施形態27によるシステム。
【0141】
29.前記プローブは、前記カニューレの前記近位本体内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている近位端を含む、実施形態28によるシステム。
【0142】
30.前記湾曲可能なカニューレに連結されている駆動ナットを更に含み、
前記駆動ナットは、前記トロカール、前記湾曲可能なカニューレ又は前記プローブのうちの1つ又は複数を、骨を通して前進させるための衝撃力を加えるのに適した硬化近位面を含み、
前記駆動ナットは、前記プローブの前記近位端を収容するように構成されているねじ切り遠位凹部を含み、
前記プローブは、前記駆動ナットに対する前記プローブの制御された移動を可能にするように前記遠位凹部と嵌合するねじ山を含む、実施形態29によるシステム。
【0143】
31.前記駆動ナットの前記近位面は交換可能なキャップを備え、
前記交換可能なキャップは治療エネルギーを供給するよう前記プローブへのアクセスを提供するように構成されている、実施形態30によるシステム。
【0144】
上記の説明には多くの詳細が含まれているが、これらの詳細は本発明の範囲を制限するものと解釈されるべきではなく、単に本発明の現時点で好ましい実施形態の幾つかの説明を与えるものと解釈すべきである。したがって、本発明の範囲は、当業者にとって自明となるであろう他の実施形態を完全に包含すること、したがって、添付の特許請求の範囲以外のいかなるものによっても制限されないものとすることが理解され、特許請求の範囲において、単数で示された要素への言及は、その旨はっきりと述べられていない限り、「1つであり1つだけ」であることを意味することを意図するのではなく、「1つ又は複数」を意味することを意図する。当業者に既知である上述の好ましい実施形態の要素に対する全ての構造的、化学的及び機能的な均等物は、参照により本明細書に明確に援用され、かつ本特許請求の範囲によって包含されることが意図される。さらに、装置又は方法が本発明が解決しようとするあらゆる課題に対処する必要はなく、あらゆる課題が本特許請求の範囲によって包含される必要もない。さらに、本開示における要素、構成部材又は方法ステップはいずれも、該要素、該構成部材又は該方法ステップが特許請求の範囲に明確に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に提供されないことを意図する。ここでの特許請求の範囲のいかなる要素も、該要素に「〜する手段」という句を用いて明確に記載されていない限り、米国特許法第112条の第6パラグラフの規定に基づいて解釈されないものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の内部に経路を形成するシステムであって、
近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、
前記中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、前記近位端から前記遠位端に向かって延びており、
該トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通する、トロカールと、
前記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、前記近位端から前記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、
該湾曲可能なカニューレは、前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端を含み、
該湾曲可能なカニューレは、中央通路であって、プローブが該中央通路を通って前記湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を含む、湾曲可能なカニューレと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記トロカールは、骨に穿孔して骨を通る直線経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記湾曲可能なカニューレは、骨に穿孔して、前記トロカールによって作り出された直線経路から延びる湾曲経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端は、真っ直ぐな態様で前記トロカールを通して送達されるとともに、前記中心軸に対して或る角度で前記半径方向開口部から外向きに湾曲した態様で展開されるように変形可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に連結されているプルコードであって、前記トロカールの前記近位端まで延びるプルコードを更に含み、
前記プルコードは、前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端に引張力を加えて前記湾曲可能なカニューレを付勢して湾曲した態様にするように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に加えられる前記引張力は、前記湾曲可能なカニューレを所望の経路に沿って導くように前記トロカールの前記近位端から制御することができる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記湾曲可能なカニューレの遠位端は、関節式に連結して湾曲形状になるように構成されている複数の結合リンクを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記トロカールの前記中央チャネルは、前記半径方向窓につながる斜面で終端し、前記斜面は前記窓から外方向への前記湾曲可能なカニューレの展開を容易にする、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記湾曲可能なカニューレは近位本体を備える近位端を含み、
前記トロカールの前記近位端はハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記湾曲可能なカニューレの前記近位本体の往復動を可能にするように構成されている近位凹部を有し、
前記近位凹部は前記中央チャネルと連通する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記湾曲可能なカニューレの近位本体は、前記トロカールの前記ハウジング内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記カニューレの前記中央チャネル内に適合するサイズになっているプローブを更に含み、
前記プローブは、前記カニューレの前記近位本体内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている近位端を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記湾曲可能なカニューレに連結されている駆動ナットを更に含み、
前記駆動ナットは、前記トロカール、前記湾曲可能なカニューレ又は前記プローブのうちの1つ又は複数を、骨を通して前進させるための衝撃力を加えるのに適した硬化近位面を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記駆動ナットは、前記プローブの前記近位端を収容するように構成されているねじ切り遠位凹部を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記駆動ナットの前記近位面は交換可能なキャップを備え、
前記交換可能なキャップは、治療エネルギーを供給するよう前記プローブへのアクセスを提供するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
患者の体内の治療位置まで骨の内部に経路を形成する方法であって、
前記治療位置の近くの骨の領域の内部に、トロカールであって、
前記トロカールは、近位端と、遠位端と、前記近位端及び前記遠位端間に設けられている中央チャネルとを有し、
前記トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通する、トロカールを挿入するステップと、
前記中央チャネルを通して前記半径方向開口部に湾曲可能なカニューレを送達することと、
前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に前記湾曲可能なカニューレを展開するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記湾曲可能なカニューレ内の中央通路を通して前記湾曲経路を越えて治療位置に治療装置を送達するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記治療位置に治療量の熱エネルギーを送達するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
骨の領域の内部にトロカールを挿入するステップは、
皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に前記トロカールを展開させるステップを含み、
前記湾曲経路は前記椎体の前記海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記湾曲可能なカニューレの遠位先端に連結されているプルコードを介して前記湾曲可能なカニューレを導くことで、前記湾曲可能なカニューレを前記湾曲経路内で付勢するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記治療位置は前記椎体に関連するBVNを含み、前記方法は、
前記治療位置に前記熱エネルギーを送達することで、前記BVNの少なくとも一部を除神経するステップを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
脊椎治療システムであって、
近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、
前記中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、前記近位端から前記遠位端に向かって延びており、
該トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通し、
該トロカールは、皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に展開するように構成されている、トロカールと、
前記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、前記近位端から前記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、
該湾曲可能なカニューレは、中央通路と、前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端とを含み、
前記湾曲経路は、前記椎体の前記海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、湾曲可能なカニューレと、
前記中央通路を通して前記湾曲経路を越えた位置まで送達されるように構成されている治療プローブと、
を含む、脊椎治療システム。
【請求項22】
前記トロカールは、骨に穿孔して骨を通る直線経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を更に含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記湾曲可能なカニューレは、骨に穿孔して、前記トロカールによって作り出された直線経路から延びる湾曲経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端は、真っ直ぐな態様で前記トロカールを通して送達されるとともに、前記中心軸に対して或る角度で前記半径方向開口部から外向きに湾曲した態様で展開されるように変形可能である、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に連結されているプルコードであって、前記トロカールの前記近位端まで延びるプルコードを更に含み、
前記プルコードは、前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端に引張力を加えて前記湾曲可能なカニューレを付勢して湾曲した態様にするように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記湾曲可能なカニューレの遠位端は、関節式に連結して湾曲形状になるように構成されている複数の結合リンクを備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記湾曲可能なカニューレは近位本体を備える近位端を含み、
前記トロカールの前記近位端はハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記湾曲可能なカニューレの前記近位本体の往復動を可能にするように構成されている近位凹部を有し、
前記近位凹部は前記中央チャネルと連通する、請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記湾曲可能なカニューレの近位本体は、前記トロカールの前記ハウジング内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記プローブは、前記カニューレの前記近位本体内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている近位端を含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記湾曲可能なカニューレに連結されている駆動ナットを更に含み、
前記駆動ナットは、前記トロカール、前記湾曲可能なカニューレ又は前記プローブのうちの1つ又は複数を、骨を通して前進させるための衝撃力を加えるのに適した硬化近位面を含み、
前記駆動ナットは、前記プローブの前記近位端を収容するように構成されているねじ切り遠位凹部を含み、
前記プローブは、前記駆動ナットに対する前記プローブの制御された移動を可能にするように前記遠位凹部と嵌合するねじ山を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記駆動ナットの前記近位面は交換可能なキャップを備え、
前記交換可能なキャップは治療エネルギーを供給するよう前記プローブへのアクセスを提供するように構成されている、請求項30に記載のシステム。
【請求項1】
骨の内部に経路を形成するシステムであって、
近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、
前記中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、前記近位端から前記遠位端に向かって延びており、
該トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通する、トロカールと、
前記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、前記近位端から前記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、
該湾曲可能なカニューレは、前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端を含み、
該湾曲可能なカニューレは、中央通路であって、プローブが該中央通路を通って前記湾曲経路を越えた位置まで送達されることを可能にするように構成されている直径を有する中央通路を含む、湾曲可能なカニューレと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記トロカールは、骨に穿孔して骨を通る直線経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記湾曲可能なカニューレは、骨に穿孔して、前記トロカールによって作り出された直線経路から延びる湾曲経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端は、真っ直ぐな態様で前記トロカールを通して送達されるとともに、前記中心軸に対して或る角度で前記半径方向開口部から外向きに湾曲した態様で展開されるように変形可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に連結されているプルコードであって、前記トロカールの前記近位端まで延びるプルコードを更に含み、
前記プルコードは、前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端に引張力を加えて前記湾曲可能なカニューレを付勢して湾曲した態様にするように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に加えられる前記引張力は、前記湾曲可能なカニューレを所望の経路に沿って導くように前記トロカールの前記近位端から制御することができる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記湾曲可能なカニューレの遠位端は、関節式に連結して湾曲形状になるように構成されている複数の結合リンクを備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記トロカールの前記中央チャネルは、前記半径方向窓につながる斜面で終端し、前記斜面は前記窓から外方向への前記湾曲可能なカニューレの展開を容易にする、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記湾曲可能なカニューレは近位本体を備える近位端を含み、
前記トロカールの前記近位端はハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記湾曲可能なカニューレの前記近位本体の往復動を可能にするように構成されている近位凹部を有し、
前記近位凹部は前記中央チャネルと連通する、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記湾曲可能なカニューレの近位本体は、前記トロカールの前記ハウジング内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記カニューレの前記中央チャネル内に適合するサイズになっているプローブを更に含み、
前記プローブは、前記カニューレの前記近位本体内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている近位端を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記湾曲可能なカニューレに連結されている駆動ナットを更に含み、
前記駆動ナットは、前記トロカール、前記湾曲可能なカニューレ又は前記プローブのうちの1つ又は複数を、骨を通して前進させるための衝撃力を加えるのに適した硬化近位面を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記駆動ナットは、前記プローブの前記近位端を収容するように構成されているねじ切り遠位凹部を含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記駆動ナットの前記近位面は交換可能なキャップを備え、
前記交換可能なキャップは、治療エネルギーを供給するよう前記プローブへのアクセスを提供するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
患者の体内の治療位置まで骨の内部に経路を形成する方法であって、
前記治療位置の近くの骨の領域の内部に、トロカールであって、
前記トロカールは、近位端と、遠位端と、前記近位端及び前記遠位端間に設けられている中央チャネルとを有し、
前記トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通する、トロカールを挿入するステップと、
前記中央チャネルを通して前記半径方向開口部に湾曲可能なカニューレを送達することと、
前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に前記湾曲可能なカニューレを展開するステップと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記湾曲可能なカニューレ内の中央通路を通して前記湾曲経路を越えて治療位置に治療装置を送達するステップを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記治療位置に治療量の熱エネルギーを送達するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
骨の領域の内部にトロカールを挿入するステップは、
皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に前記トロカールを展開させるステップを含み、
前記湾曲経路は前記椎体の前記海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記湾曲可能なカニューレの遠位先端に連結されているプルコードを介して前記湾曲可能なカニューレを導くことで、前記湾曲可能なカニューレを前記湾曲経路内で付勢するステップを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記治療位置は前記椎体に関連するBVNを含み、前記方法は、
前記治療位置に前記熱エネルギーを送達することで、前記BVNの少なくとも一部を除神経するステップを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
脊椎治療システムであって、
近位端と、遠位端と、中央チャネルとを有するトロカールであって、
前記中央チャネルは、該トロカールの中心軸に沿って設けられ、前記近位端から前記遠位端に向かって延びており、
該トロカールは、該トロカールの前記遠位端にあるか又は該遠位端の近くにある半径方向開口部を含み、該半径方向開口部は前記中央チャネルと連通し、
該トロカールは、皮質骨領域を通して椎体の海綿骨領域の内部に展開するように構成されている、トロカールと、
前記中央チャネル内に受け入れられるサイズになっているとともに、前記近位端から前記半径方向開口部に向けて送達される湾曲可能なカニューレであって、
該湾曲可能なカニューレは、中央通路と、前記半径方向開口部から横方向外向きに、前記トロカールから離れるように延びる湾曲経路内に延びるように構成されている湾曲可能な遠位端とを含み、
前記湾曲経路は、前記椎体の前記海綿骨領域の少なくとも一部を通って作り出される、湾曲可能なカニューレと、
前記中央通路を通して前記湾曲経路を越えた位置まで送達されるように構成されている治療プローブと、
を含む、脊椎治療システム。
【請求項22】
前記トロカールは、骨に穿孔して骨を通る直線経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を更に含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記湾曲可能なカニューレは、骨に穿孔して、前記トロカールによって作り出された直線経路から延びる湾曲経路を作り出すように構成されている鋭利な遠位先端を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端は、真っ直ぐな態様で前記トロカールを通して送達されるとともに、前記中心軸に対して或る角度で前記半径方向開口部から外向きに湾曲した態様で展開されるように変形可能である、請求項21に記載のシステム。
【請求項25】
前記湾曲可能なカニューレの前記遠位先端に連結されているプルコードであって、前記トロカールの前記近位端まで延びるプルコードを更に含み、
前記プルコードは、前記湾曲可能なカニューレの前記遠位端に引張力を加えて前記湾曲可能なカニューレを付勢して湾曲した態様にするように構成されている、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記湾曲可能なカニューレの遠位端は、関節式に連結して湾曲形状になるように構成されている複数の結合リンクを備える、請求項24に記載のシステム。
【請求項27】
前記湾曲可能なカニューレは近位本体を備える近位端を含み、
前記トロカールの前記近位端はハウジングを備え、
前記ハウジングは、前記湾曲可能なカニューレの前記近位本体の往復動を可能にするように構成されている近位凹部を有し、
前記近位凹部は前記中央チャネルと連通する、請求項21に記載のシステム。
【請求項28】
前記湾曲可能なカニューレの近位本体は、前記トロカールの前記ハウジング内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記プローブは、前記カニューレの前記近位本体内での移動に対して解放可能に拘束されるように構成されている近位端を含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記湾曲可能なカニューレに連結されている駆動ナットを更に含み、
前記駆動ナットは、前記トロカール、前記湾曲可能なカニューレ又は前記プローブのうちの1つ又は複数を、骨を通して前進させるための衝撃力を加えるのに適した硬化近位面を含み、
前記駆動ナットは、前記プローブの前記近位端を収容するように構成されているねじ切り遠位凹部を含み、
前記プローブは、前記駆動ナットに対する前記プローブの制御された移動を可能にするように前記遠位凹部と嵌合するねじ山を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記駆動ナットの前記近位面は交換可能なキャップを備え、
前記交換可能なキャップは治療エネルギーを供給するよう前記プローブへのアクセスを提供するように構成されている、請求項30に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図10E】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【公開番号】特開2013−59688(P2013−59688A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−1951(P2013−1951)
【出願日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【分割の表示】特願2012−548169(P2012−548169)の分割
【原出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(511070455)リリーバント メドシステムズ、インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【分割の表示】特願2012−548169(P2012−548169)の分割
【原出願日】平成23年1月7日(2011.1.7)
【出願人】(511070455)リリーバント メドシステムズ、インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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