説明

骨インプラントに用いるための多孔構造上の酸化ジルコニウム

【課題】1又は2以上の材料が堆積されているオープンセル構造を有する複合材料を提供する。
【解決手段】組成物(組織)、該組成物で構成される医療用インプラント、及び該組成物の製造方法が記載されている。この組成物は、少なくとも一部の表面が暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムを有する多孔性のオープンセル網状組織を備える複合材料である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、1又は2以上の材料が堆積されているオープンセル構造を有する複合材料に関する。この複合材料は、特に、骨インプラントの使用に適用可能であるが、他の応用にも使用できる。
【背景技術】
【0002】
網状骨用の置換材料に対する継続的な必要性があり、特に、このような材料はセル及び組織の受容体である。網状骨の置換材料は、新しい骨の成長のみならず血行再建も可能とする多孔性骨格を提供して、該多孔性骨格により骨幹細胞及び成長促進要素用の対応したサイト(部位)が提供されることが望まれている。しかしながら、移植には、天然材料を得るための外科手術が必要であり、実行可能な合成材料が望まれる。それ故、好適な合成網状骨置換材料は、これらの目的に有益である。移植網状骨の動作を再現するために、この材料の物理的特徴を合成材料で再生することが期待されている。それ故、このような材料はいずれも、強度があり、生体適合性を有し、生体力学的要求及び天然材料の性能に適合し、血行再建及び骨の再生を促進する多孔性骨格を有するべきものである。この後者の2つの処理(血行再建及び骨の再生)を行うには、骨成長の中及び置換材料の上で相当の程度で発生することが重要である。
【0003】
多孔質材の空隙及び間質は、骨成長のための表面を提供し、これにより、何等かの理由によって失われたボーンセグメントの代換え又は義関節全体に用いられる永久埋込用の理想的な骨固定を提供する。このインプラントは、人工股関節、人工膝関節等といった従来型の全体関節置換術、又は人工器官のような従来型の部分関節置換術であり得る。当技術分野において重量な多くの特徴が知られている。これらには、多孔性、生体適合性、周囲の骨との密着性、骨成長を可能にする適切な早期安定性が含まれる。理想的な多孔質置換材料は、良好な強度、特に、良好な亀裂抵抗及び衝撃抵抗、その骨に対する整合性を有するべきものである。この材料は、正確な寸法のインプラントの容易かつ単純な製造に適し、及び、材料の厚膜又は薄膜での作製を許容すべきものである。
【0004】
継続的な成長のための重要な要件の1つは、インプラント材料が健康な骨の近くに配置されることである。実際、インプラント内の骨の存在により、健康な骨組織と物理的接触するように配置されたときに、インプラントの多孔構造における骨伝導又は骨成長を促進させる性質が実証される。まず、インプラントと結合するセルは骨に変換され、そして、再生骨の前面がインプラント中に進行していく。
【0005】
骨成長の促進に必要な適正な物理的性質を有する合成多孔インプラントを開発及び作製するために多くの努力がなされてきた。金属、セラミック、ポリマー、又は複合材料の多孔表面を有するインプラントが、最近20年に亘って広範囲に研究されてきた。
【0006】
多孔生体材料用に最も一般的に使用される物質は、カルシウムヒドロキシアパタイト(HA)であり、骨で最も多い化学成分である。インプラント用に多孔形態で頻繁に用いられる他の非金属材には、セラミックリン酸三カルシウム(TCP)、アルミン酸カルシウム、アルミナ、カーボン;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリオキシメチレン(デルリン(登録商標))を含む種々のポリマー;強化セラミックポリマー又は、セラミックコーティングポリマーが含まれる。残念なことに、セラミックは、強度はあるが、非常にもろく、負荷の元で容易に破砕され;ポリマーは、良好な延性を有しているが、極度で脆弱である。これらの材料の性質が、臨床の歯科及び整形外科の応用をまさに制限するおそれがある。
【0007】
一方、金属は、高い強度と良好な延性とを兼ね備え、インプラント用の魅力的な候補である(そして耐力のかかる分野に対して最も適している)。多くの歯科及び整形外科のインプラントは、金属、その多くは、チタン、又はステンレス鋼若しくはビタリウム(コバルト−クロム−モリブデン)のような様々な合金、を含有する。セラミック膜金属も使用され、典型的にはチタン上のHA又はTCPである。加えて、様々な金属は、ワイヤ、管組織、放射線不透過性マーカーといった生体用部材の内部で使用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、多くの既存の金属生体材料は、骨インプラント用として最も望まれている多孔構造の作製には容易に役立たない。これらの材料(例えば、ステンレス鋼、コバルトベース合金)は、金属的に完全な状態での滑らかなバルク形状が要求されているときに必要な性質及び生体適合性を示す。骨格組織に相互接続するための多孔又は表面テクスチャー形状を得るために必要な機械加工又は他の処理は、上述の性質及び生体適合性に有害な影響を与えるおそれがあり、材料の失敗に終わるおそれさえある。例えば、歯科のインプラントの場合に見られるように、チタンの六方晶構造は、亀裂及び破砕の影響を受けやすい。いくつかの多孔性金属材料(例えば、フレーム溶射又はプラズマ溶射チタン、多孔の焼結粉体金属材料)は、良好な成長及び融合を十分に確保するようには網状骨の構造に適合しない。さらに、現状使用されている大部分の金属及び合金は、生体環境においてある程度の腐食を受ける。最後に、金属の高い密度は、重量の観点から望ましくない。
【0009】
米国特許第5,282,861号明細書に記載されている、網状のオープンセルカーボン発泡体を導入して生じる多孔インプラントの改良における著しいステップは、化学気相堆積(CVD)処理によってタリウムに浸透させることである。この米国特許明細書は、骨又は組織に近い位置に配置される場合に、当初は関節としての役割を果たし、そして通常の組織を再生するための足場として機能する新しい生体材料を教示している。この米国特許明細書の材料は、正確に制御可能な形状を有するとともに、同時にセル及び骨の成長のための最適なマトリックス(母体)を提供する、インプラント様式のための必要性を満たす。多孔性金属構造の物理的及び力学的性質は、特定の応用に対しては近いうちに特に調整され得る。この材料は整形外科において最大限応用されることが期待されているが、この新しいインプラント材料は、歯槽堤の増強、歯周治療、及び他の応用における使用の可能性を有している。自家移植片用の有効な代換物となれば、これらの移植片を埋め込むための外科手術の必要性が低減される。
【0010】
従来技術におけるオープンセル構造は、タンタルで作られている。現状の整形外科インプラントは、チタン又はコバルトクロム合金、又は、最近では、ジルコニウム合金で作られている。チタン又はコバルトクロム合金とともにタンタルを使用すると、ガルバニック作用がもたらされる可能性があり、その影響は現状ではわかっていない。整形外科産業で現在使用されている、合金で作られた多孔構造は、既存の合金システムに安全に組み入れられるという大きな利点がある。しかしながら、従来技術のオープンセル構造は、所定のインプラント応用に対しては強度不足という欠点がある。多孔インプラント構造の強度が改良された場合には、多孔インプラント構造の技術水準の改良がなされ得る。このことは、人工股関節、人工膝関節等といった従来におけるインプラントのみならず、脊柱を構成する椎骨体部用の代換物のような特定の応用に対しての幅広い使用を容易化しうる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、組成物(組織)、該組成物で構成される医療用インプラント、及び該組成物の製造方法を対象とする。この組成物は、少なくとも一部の表面が暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムを有する多孔性のオープンセル網状組織を備える複合材料である。オープンセル網状組織を備える基材は、所与の応用に対して好適な強度を有する任意の材料を備えていてもよい。非限定的な実施例には、金属、カーボン発泡体、又はポリマー材料が含まれる。
【0012】
本発明の一側面において、実質的に剛性のある(硬い)材料で形成される網状オープンセル基材を備える複合材料があり、前記基材は、相互接続された連続的な通路(チャネル)と、暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムの表面層を有する相互接続網状組織を備える。
【0013】
複合材料の一実施の形態において、表面層は前記相互接続網状組織を実質的に覆っている。複合材料の他の実施の形態において、発泡体材料は、炭素質材料である。複合材料のさらに他の実施の形態において、前記炭素質材料は、グラファイトである。複合材料の他の実施の形態において、前記発泡体材料は、ポリマー材料である。一実施の形態において、前記ポリマー材料は、ポリエチレンを備える。他の実施の形態において、前記ポリマー材料は、ポリプロピレンを備える。他の実施の形態において、前記ポリマー材料は、ポリプロピレン及びポリエチレンのいずれをも備える。複合材料の他の実施の形態において、前記発泡体材料は、セラミック、金属、及び金属合金で構成される群から選択される。複合材料の他の実施の形態において、前記材料は、第二基材材料をさらに備え、該第二基材材料は前記オープンセル基材に接着されている。
【0014】
本発明の他の側面において、網状オープンセル構造を備える材料を提供して、前記基材上にジルコニウム又はジルコニウム合金の層を堆積する段階;前記層を暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムに酸化する段階、を備える、複合材料の製造方法がある。
【0015】
前記方法の一実施の形態において、前記堆積する段階は、化学気相堆積又は物理気相堆積又はその両方を備える。前記方法の他の実施の形態において、前記酸化する段階は、空気、スチーム、若しくは水酸化、又は、これらの組合せを用いて、酸化する段階を備える。前記方法のさらに他の実施の形態において、前記酸化する段階は、酸素含有大気を有する炉内で酸化する段階を備える。
【0016】
本発明の他の側面において、網状オープンセル構造を有する材料を提供する段階と、前記基材上にジルコニウム又はジルコニウム合金の層を物理的に形成する段階と、前記層を暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムに酸化する段階、を備える、複合材料の製造方法がある。
【0017】
前記方法の一実施の形態において、前記物理的に形成する段階は、直接鋳造処理を備える。前記方法の他の実施の形態において、前記物理的に形成する段階は、拡散接着層を形成する処理を備える。
【0018】
本発明の他の側面において、複合材料を備える医療用インプラントがあり、前記複合材料は、実質的に剛性のある発泡体材料で形成される網状オープンセル基材を備え、前記基材は、相互接続された連続する通路を有する相互接続網状組織と、暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムの表面層を備える。
【0019】
医療用インプラントの特定の実施の形態において、前記医療用インプラントは、人工股関節である。他の実施の形態において、前記医療用インプラントは、人工膝関節である。他の実施の形態において、前記医療用インプラントは、人工脊髄である。さらに他の実施の形態において、前記医療用インプラントは、人工脊髄であって、この脊髄のインプラントは、椎骨体部である。他の実施の形態において、前記医療用インプラントは、骨移植片である。
【0020】
前述の記載は、後述の本発明の詳細な説明がより明確に理解されるように、本発明の特色及び技術的利点をむしろ広く概説している。本発明の請求項の主題を形成する本発明のさらなる特色及び利点は、以下に記載される。開示された概念及び特定の実施の形態は、本発明の同一の目的を実行するために、他の構造に修正又は設計するための基礎として容易に活用し得るということを理解すべきである。このような均等な製造物は、添付の請求項に説明されているように本発明から分離されないということも理解すべきである。本発明の特色であると考えられる新規な特色は、その組織及び作動方法のいずれについても、さらなる目的及び利点を伴い、添付の図面とともに考慮したときに、後述の説明に基づいてより明瞭に理解されるであろう。しかしながら、それぞれの形態は例示及び説明の目的でのみ提供され、本発明の制限を確定することを意図していないということは、明確に理解されなければならない。
【0021】
本発明のさらに完全な理解のために、添付の図面とともに下記の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明のオープンセル構造の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書において、単数の名詞の記載は、単数形及び複数形のいずれをも含み、1又は2以上を意味している。
【0024】
新しい材料は、損傷された人体組織用に、革新的で生態適合性のより増大した代換物の設計を可能にする。本発明において、例えば、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、アーク堆積といった任意の複数の公知の技術によって、網状オープンセルカーボン発泡体に、ジルコニウム又はジルコニウム合金が浸透する。そして、ジルコニウム又はジルコニウム合金は、暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムに酸化される。この酸化ジルコニウムは、セラミック及び金属の有益な性質との最適な組合せを有し、一方これらからのいずれもからの不利益を、例えあるにしても、ほとんど受けない。加えて、この組成物の物理的製造は、例えば、直接鋳造又は拡散接着層の形成を含む他の可能な方法及び技術であってもよい。
【0025】
多孔の基材材料は、多孔のオープンセル網状組織を有する任意の材料であってもよい。全体が参照として本明細書に組み込まれる米国特許番号第5,282,861号明細書に記載されているような、カーボン発泡体は、その一つの例である。他の可能な基材材料には、ポリマー材料、金属合金を含む金属材料、及びセラミック材料が含まれる。基材に必要とされることは、オープンセルの多孔網状組織を有し、生成物に適切な構造的完全性を与えるような十分な強度を有することだけである。この基材は、従来型インプラントの構造上強度を保持するが、同一の従来型インプラントに比して軽量である。これらの多孔基材は、任意の好適な技術で作製されてもよい。いくつかの例には、これに限定されるものではないが、(i)気泡を液状モノマー又は熱ポリマーに導入して作製して網状組織に形成されたポリマー発泡体、(ii)粉末冶金法で作製され、1又は2以上の成分の選択浸出を含み又は含まない、金属発泡体、(iii)(物理又は化学)気相堆積処理又は電気的堆積処理を用いてオープンセルポリマー発泡体基材をコーティングすることで作製される、金属又はセラミック発泡体、(iv)フレーム溶射又はプラズマ溶射により製造された金属又はセラミック発泡体、が含まれる。
【0026】
図1は、堆積された酸化ジルコニウム及びその合金を備える本発明のオープンセル構造(1)の概略説明図である。開口(4)は、構造材料(7)によって接続されている。それ故、この構造は、内側表面(11)(内側セル及び接続通路の表面)及び外部表面(15)(外部に面した表面)を備える。周囲の骨又は組織との初期接触は、前記構造の外側表面を介して主として生じるが、骨及び組織の内側及び外側への成長は、内側表面とその周囲の骨及び組織との間の物理的接触でも生じる。材料及び作製処理のいずれにおいても利用できる変数によって、骨の代用として所与の応用に対する複数の性質(例えば、強度、剛性、密度、重量)を同時に最適化することが可能となる。
【0027】
本明細書で説明しているオープンセルの主要な利点は、表面材料を塗布する前に、基材材料を単に成形するだけで、ほとんど任意の形状、簡易又は複雑な形状に容易に成形可能であるということである。このことは、特定の応用及び位置に対するインプラントの正確な輪郭形成を容易にする。配置の正確さが増し、バルク変移が抑制される。加えて、外科手術で必要な任意の最終的な任意の成形/調整が、外科手術の時に使用できる従来型の歯科又は整形外科装置を用いて完成装置になされるであろう。
【0028】
インプラントが設計され得る場合に、骨折治癒機転及び長期の安定性のための最適な状態は、安定した固定のために必要な全ての接合部分に沿って静止を可能とするように適合し得、これにより、リモデリング(改造)処理の全ての外部影響を(可能な最大限まで)除外して、局所的な圧力/ひずみ領域の制御を可能にする。
【0029】
移植(インプランテーション)及び初期の組織内部成長に続いて、発泡体装置は、保持力の必要なく配置される場所にとどまり、正確な輪郭形成の反映及び線維性血管性組織の急速な成長により損傷が抑制される。骨とインプラントとの接着により、インプラントが安定し、ルースニング(弛緩)が妨げられる。それ故、これらのインプラントは、他の手段(縫合糸又はセメント)で適所に保持する必要がなく、むしろ、自然な骨同士の接合部の成長が、インプラント自体の性質によって促進される。しかしながら、後述の移植期間において、組織の内部成長は、実質的な成長が生じるまで、装置保持に寄与する要因ではない。
【0030】
一実施の形態において、カーボン発泡体基材は、化学気相堆積(CVD)によって浸透される。生成された、軽量で強度を有する多孔構造は、自然な網状骨を再現し、骨の組込のため、又はセル及び組織の受容のため、母体(マトリクス)として作用する。マトリクスの細孔は、終端(デッドエンド)のない、連続的で一様な通路を形成するために、互いに接続されている。この接続された細孔の入り組んだ網状組織は、セル及び組織の成長、脈管化、及び新しい骨の堆積を促進するために、最適な浸透性及び高い表面領域を提供する。
【0031】
この複合材料は、物理気相堆積によって形成されてもよい。あるいは、組成物の物理的製造方法は、他の可能な予備の経路であり、このような技術には、例えば、直接鋳造又は拡散接着層の形成がある。当業者に公知であるこれら又は他の方法も、本発明の一部である。
【0032】
生成物は、骨又は組織の近くに配置されたとき、当初は関節としての役割を果たし、そして通常の組織を再生するための足場として機能する例外的な生体材料である。この組成物は、正確に制御可能な形状を有すると同時に、セル及び骨の成長のための最適なマトリクスを提供するというインプラントの様式に対する必要性を満足する。加えて、多孔の金属構造の物理的及び機械的特性は、間近の特定の応用に対して調整されうる。この新しいインプラントは、歯槽堤の増強、歯周治療、及び整形外科再生における使用の可能性を有している。自家移植片の有効な代換物となるので、これらの移植片を埋め込むための外科手術の必要性が低減される。このインプラントは、整形外科の応用にも、同様に有用である。
【0033】
本発明は、伝染性の状態に直面する場合であっても組織及び骨の成長を誘起する能力のため、歯の置換にも用いられる。例えば、人工歯(義歯)は、オープンセルのタンタルの幹(ステム)に接合されて、顎の適切な寸法の孔に位置している。ゴムは、人工歯を支持して、いくつかのステムにシールを形成することができる。
【0034】
酸化ジルコニウムは、高い強度と高い耐摩耗性のため、表面材料として選択される。本発明の主題である組成物の酸化ジルコニウムの表面は、これがなければ基材材料と接触するおそれのある基材と任意の体液との間の生体適合性のある内部セラミック障壁の提供にも有用である。それ故、酸化ジルコニウム表面が、イオン化及び誘導摩耗の腐食されることなく、インプラント組成物の寿命及び生体適合性のいずれもが増大する。
【0035】
加えて、基材金属中のジルコニウムの存在下で、本来の位置で酸化ジルコニウムを形成するには、酸化被覆法の下での基板中への酸素の拡散が含まれる。これは、基板が金属又は金属合金を含む場合に、有用である。ジルコニウム中の合金組成の酸素は、金属基材の強度、特に疲労強度を増大させる。疲労荷重への耐性は、多くのインプラントの応用において、重要なものである。それ故、酸化ジルコニウム表面の形成は、摩耗、摩擦、腐食への耐性を高めるだけでなく、強度の観点からインプラント装置の機械的完全性も向上する。
【0036】
網状骨又は海綿骨は、主応力のラインに沿うように向けられて相互接続された小柱で画定される空地(オープンスペース)で形成される多孔の立体骨組構造で構成される。微細構造のレベルでは、この小柱は、層板骨の層で構成されている。網状骨は、機械的性質に異方性がある。すなわち、異なる方向に沿って、構造上異なる振る舞いをする。主要通路の軸に沿って、網状骨は、極限荷重での張力下で突発的な脆性破壊を伴う弾性的挙動を示す。作用線が骨の通路軸に関してゆがんでいる張力が付与されたとき、応力−ゆがみ曲線は、塑性変形に対して放物線となり、エネルギー吸収が大きくなる。それ故、所定の正反射方向に平行に荷重がかかっている場合には、他の方向に荷重がかかっている場合に比べて、堅い(高い引張率と圧縮率を有する)が、低いひずみで壊れやすい。これらの特性は、衝撃を吸収して関節の接合表面の近くに荷重を分散するのに役立つため、重要である。
【0037】
それ故、網状骨の代用として用いられる任意の材料は、弾性変形及び荷重分散を許容しなければならない。加えて、この材料は、特に関節軟骨の支持構造の表面近くに配置される場合に、関節表面の局所的な圧力が増大して表面の摩耗又は損傷をもたらす虞のある荷重集中を発生させてはならない。
【0038】
骨性、又は骨のインプラント用の材料は、圧力遮蔽をもたらす圧力の自己集中を避ける一方、剛性を有し、圧力耐性を有していなければならない。また、骨性インプラントは、骨の再ミネラル強化を妨げないように、骨の中に理想的に存在して、これによる自然作用で身体に骨が継ぎ足されるべきである。このインプラントは、正確に整形することができ、最適な接合部分及び性能のために配置できるものであるべきである。最終的に、非吸収性は、耐力の生じる分野で利用されるインプラントに対して、及び/又は、完全な骨の成長が可能ではない分野で利用されるインプラントに対して、有益な性質である。
【0039】
多孔インプラントが完全に相互接続されることは、性能向上に役立つ。細孔と、孤立した終端ポケットとの間の収縮は、組織を成長させるための血管のサポートを制限し得るためである。成長する骨細胞(ボーンセル)の虚血は、インプラントの失敗をもたらす。不完全な脈管化又は新生血管の減少は、インプラントの細菌定着に対する脆弱さを増大もさせる。通気孔の完全に欠乏したインプラントは、異常な石灰化、圧力遮へい、低い疲労強度、及び/又はバルク変異、ももたらす。
【0040】
本発明のオープンセルの金属構造は、一様で連続的な、密接に相互接続している、三次元多孔性を提供する。この構造は、自然の網状骨に非常に近い構造である。この方法をとれば、他の多孔性の金属インプラント材料よりも優れたものとなる。その「多孔性」は、真に完全な開放多孔率(オープンポロシティ)をもたらさない表面処理のいくつかの形態を経て人工的に製造される。これらの方法の実施例には、巨視的な多孔質コーティング(例えば、金属のマイクロスフェア、又は、焼結ワイヤ、さもなければバルク表面に付着するワイヤ)、微視的な表面多孔性(例えば、バルク表面上にフレーム溶射又はプラズマ溶射された金属粉末粒子)、バルク表面に機械加工制御された表面むら(アンジュレーション)を備える。
【0041】
所定の多孔セラミック材料は、十分な多孔率(例えば、ヒドロキシアパタイト用のリプラマイン形状の処理)を提供するものの、上述したように金属よりも特性が劣る。オープンセルの金属構造は、他の多孔インプラントのように、骨伝導性を有する。
【0042】
十分な石灰化を許容することは、骨代換材料に要求されるさらに非常に重要な特性である。この骨形成における密に組織化する処理は、複雑な処理であり、十分には理解されていない。しかしながら、適切な細孔のサイズとなるような石灰化のための所定の必須条件は、推定上、相互接続の間のサイズ75μmの範囲で150μmより大きい。細孔の直径200μmは、人間の骨単位骨の平均直径に相当し、一方、細孔の直径500μmは、改造(リモデリング)された網状骨に相当する。本発明のオープンセルの金属構造は、実質的に任意の所望な多孔率及び細孔のサイズに作製可能であり、それ故、成長及び石灰化のための最適な母体を提供するために、周囲の自然の骨に完全に適合させることができる。このような、緊密な適合及び柔軟性は、他の多孔インプラント材料では通常得られない。
【0043】
インプラントに関して、圧力遮へいを引き起こす可能性が考慮されなければならない。ウォルフの法則によれば、骨は必要とされるところ(すなわち、圧力が存在するところ)に成長する。骨に対する圧力は、通常、骨の成長を促す。インプラントがあれば、接合部分のリモデリングを制御するインプラントの周囲の組織中に生成される主要な圧力/ひずみ領域となる。上述の領域の骨に以前印加されていた圧力を非常に堅いインプラントが伝えるときに、圧力遮へいが発生する。このことは、石灰化の抑制及び成長骨の熟成、及び/又は、既存の自然の骨の吸収をひきおこす。
【0044】
そして、圧力遮へいにより生じる骨の吸収及び弱体化を避けるため、インプラントは、その構造、成長骨、及び周囲の骨全体に亘って、理想的に圧力を分配するべきである。金属は自然の骨よりも強いため、通常であれば骨が配置される部位での局所的な荷重及び圧力の大部分を金属インプラント自体に集中させて発生させ、これにより、実質的に最適な圧力を保持するのに役立つこれらの力が既存の骨及び新たな骨に付与されなくなるという点で、この性質は金属インプラントに対する懸案事項となると思われる。
【0045】
しかしながら、本発明のオープンセルの金属構造の特有の構造及び性質は、この障害を完全に避けることができる。堆積した薄膜は、多孔の金属本体(ボディ)中のアレイとして作動し、その例外的な機械的性質をその構造全体に付与する。この作用の結果の1つは、負担荷重が本体全体に分散されるということである。オープンセルの金属骨インプラントの場合、圧力は成長する新しい骨及び周囲の既存の骨のいずれにも同様に分散され、それにより、新旧いずれの骨にも、必要とされる通常の健全な力が供給される。
【0046】
実際、作製過程中においてオープンセルの金属構造を良好に調整することで、インプラントは、間近な特定の利用の必要性に基づいて、所与の方向に圧力を分散するように設計できる。インプラントへの再生骨の接着も、インプラントの中及び周りの骨に圧力を直接移すのに役立つ。この生物機能の共有は、インプラント/骨構造の組成物の性質の結果である。他の多孔インプラント材料に対するこれらの金属構造における利点は、この分野において特に強力である。セラミックは、第一に十分な機械的性質に欠けており、現状のインプラント材料は、セラミック及び金属のいずれも、本明細書で説明しているような金属構造の特性を有してはいない。
【0047】
本発明において、有用な耐熱性構造は、少量のジルコニウム及びジルコニウム合金を網状(多孔性)ガラス質構造に化学気相堆積及び物理気相堆積する堆積技術で作られることが好ましい。この構造はカーボン発泡体であることが好ましいが、オープンセル、多孔網状組織を有する任意の他の材料であってもよい。得られた本体の密度は、十分な密度(フルデンシティ)よりも実質的に低い意図的に維持され、非常に好適な特性を有する構造がもたらされる。実施の形態において、全ての靱帯(リガメント)上に一様な薄膜を設けるようにCVDによって所望の材料に浸透する、低密度のカーボン発泡体を用いることが好ましい。これらの薄膜は、非常に軽量で、前記靱帯に対して特有の強さ及び硬さを提供する。薄いCVD膜は、バルク材料よりもより高い機械的特性を提供できる。このような準ハニカム材料は、著しく高い特定の強さ及び硬さを有する。
【0048】
この処理は、本体を十分にち密にすることも可能ではあり、有用な部分はそのように作製し得るが、そのようにち密にするための試みではない。本発明において、薄膜はオープンセルの多孔基材の表面上に位置し、薄膜の特異な性質を利用する。非常に高多孔及び微小な細孔サイズのカーボンを使用することで、薄膜の特性のみらならず、ショートビームの特性をも活用できる。
【0049】
作製された構造の構造的完全性は、オープンセル多孔基材によってよりもむしろ、堆積薄膜自体によって提供されることが許容される。これらの膜は、基材材料よりも高い弾性率を有しうる。堆積膜は非常に薄く短いため、高い強度を示し、非常に良好なファイバ又はフィラメントで得られる高い強度に似ている。これらの機械的荷重の支持(サポート)は、基材材料の中で失敗が発生しないことを保証する。
【0050】
この基材材料は、カーボン発泡体、ポリエチレン又はポリプロピレンのようなポリマーであってもよい。この材料は、金属又はセラミックであってもよい。要求される唯一のことは、基板が網状のオープンセル多孔網状組織を有することである。
【0051】
オープンセル多孔網状組織には、ジルコニウム金属又はジルコニウム合金が浸透する。そして、このジルコニウム金属又はジルコニウム合金は、暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムに酸化される。この生成された軽量の、強い、多孔構造の、自然な網状骨の微小構造の再現物は、骨に組み込むための母材又はセル及び組織の受容体として作用する。母材の細孔は、終端のない連続的で一様な通路を形成するために互いに接続されている。細孔を相互接続したこの網状組織は、セル及び組織の成長、脈管化、及び新しい骨の堆積を促進するために、最適な浸透性及び高い表面領域を提供する。
【0052】
この結果物は、骨又は組織の近くに配置されたときに、当初は関節としての役割を果たし、そして通常の組織を再生するための足場として機能する、新規の生体材料である。この新しい生体材料は、正確に制御可能な形状を有すると同時に、高強度の内部表面を有するのと同様にセル及び骨の成長のための最適なマトリクスを提供するというインプラントの様式に対する必要性を満足する。加えて、多孔構造の物理的及び機械的特性は、間近での特定の応用に対して調整されうる。この新しいインプラントは、歯槽堤の増強、歯周治療、及び整形外科再生における使用の可能性(ポテンシャル)を有している。自家移植片の有効な代換物となるので、これらの移植片を埋め込むための外科手術の必要性が低減される。このインプラントは、整形外科の応用にも、同様に有用である。
【0053】
ジルコニウムは、その良好な機械的特性、優れた耐腐食性、実証された生体適合性に基づいて、選択材料として使用される。加えて、ジルコニウムは、暗藍色及び黒色の酸化ジルコニウムに酸化されるという優れた特性を有する。低腐食性と結合した、優れた組織受容体の早期の徴候によって、特定の外科的材料としての酸化ジルコニウムの使用に導入され、様々な応用における使用により、優れた従来型及び非従来型の人工器官(プロテーゼ)装置をもたらす。
【0054】
ジルコニウム又はジルコニウム合金は、酸化に先立って網状オープンセルに堆積される。金属合金の人工関節の基材における所望の表面に亘って連続的及び有用なジルコニウム酸化膜を形成するために、ジルコニウム合金は、任意の量のジルコニウムを有することができるが、約80重量%から約100重量%のジルコニウムを含有することが好ましい。しかしながら、より少ない量のジルコニウムを有する合金を用いてもよい。酸素、ニオブ、及びタンタルは、共通の合金エレメントであり、場合によってハフニウムを含む。イットリウムもまた、合金の酸化中に強化イットリア安定化ジルコニア酸化膜の形成を促進するために、ジルコニウムと合金される。このようなジルコニウム含有合金は、冶金技術において公知の従来型の方法によって、一般的に形成できるが、複数の好適な合金が商業的に利用可能である。このような材料の非限定的な実施例は、2.5%のニオビウムを有するジルコニウムからなるもの(Zircadyne 705として商業的に知られる)、純粋なジルコニウムからなるもの(Zircadyne 702として商業的に知られる)、及び微小な量の他の成分を含む他の様々なジルコニウム合金(Zircalloyとして知られる商業的製品のようなもの)からなる材料を含む。
【0055】
当技術分野で公知の任意の様々な堆積方法は、ジルコニウム又はジルコニウム合金の表面層の形成に用いることができる。これらには、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、又は、これらの組合せが含まれる。CVD処理は、ジルコニウムを含有するガス状又は液状前駆体を含んでいてもよい。この使用される前駆体は、有機金属型であってもよいし、無機化合物であってもよい。この前駆体は、多孔基材上に金属ジルコニウムを形成するように分解される。PVD処理は、真空中のジルコニウム合金の蒸着と、これに続く多孔基材上への蒸気の凝縮とを含んでいてもよい。この蒸着は、合金を加熱すること(そして溶解物を形成すること)、合金に不活性ガスとともにスパッタリングすること、又はアーク放電することによって行うことができる。多孔基材上のジルコニウム合金の電気化学的堆積は、多孔基材上に堆積金属ジルコニウムを堆積するためにジルコニウム塩が分解された溶融塩電解を用いることによっても達成できる。
【0056】
加えて、他の作製方法も可能である。ジルコニウム又はジルコニウム合金の多孔構造の物理的構成は、公知の直接鋳造方法を用いて達成することができる。あるいは、鋳造多孔構造は、上述したように、ジルコニウム又はジルコニウム合金で覆うようにしてもよい。構成用の他の方法には、ジルコニウム又はジルコニウム合金を備える金属層、又は、上述したように、ジルコニウム又はジルコニウム合金で覆った金属層、を備えるオープンセル多孔構造を構築するための拡散接着金属層(シート又はプレート)を含む。あるいは、多孔構造は、製造される。あるいは、多孔構造は、当技術分野で公知の方法を用いて金属粒子又はジルコニウム又はジルコニウム合金のビーズを焼結することによって、又は、上述したように、金属粒子又はビーズを焼結した後これらをジルコニウム又はジルコニウム合金でコーティングすることによって、形成され得る。
【0057】
一旦堆積した後、ジルコニウム又はジルコニウム合金層は、暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムに酸化される。そして、この層は、その表面上に酸化ジルコニウムの硬く接着された拡散接着膜の自然な(インサイチュな)形成を引き起こす処理状態にさらされる。この処理状態には、例えば、空気、スチーム、若しくは水酸化、又は塩浴中での酸化が含まれる。これらの処理により、人工関節基材の表面に、薄く、硬く、高密度の、暗藍色又は黒色の低摩擦で耐摩耗性の酸化ジルコニウム膜、又は、典型的に数ミクロン(10−6メートル)のオーダーの厚さの膜が、理想的に提供される。この膜の下で、酸化処理による拡散酸化は、基礎をなす基材金属の硬さ及び強さを増大させる。
【0058】
このエア、スチーム、及び水酸化処理は、現在失効しているWatsonの米国特許第2,987,352号明細書に記載され、その教示内容は、全体説明を介して参照として組み込まれる。空気酸化処理は、単斜晶形態に強く指向された硬く接着した黒色又は暗藍色の酸化ジルコニウム層を提供する。酸化処理が過剰に継続された場合には、前記膜は白色化して金属基材から分離する。この酸化段階は、空気、スチーム、又は熱湯のいずれかの中で行われる。簡便にするために、金属の人工関節の基材は、(空気といった)酸素含有雰囲気を有した炉内に配置されて、典型的に華氏700度−1100度で約6時間まで加熱されうる。しかしながら、他の温度及び時間の組合せも可能である。より高い温度が用いられた場合、酸化時間は、白色酸化物の形成を避けるために減少するべきである。
【0059】
暗藍色のジルコニウム酸化層が最大約5ミクロン程度の範囲で形成されることが好ましい。しかしながら、特定の利用状況によっては、より大きな厚さが望まれる場合もある。例えば、炉の空気酸化を華氏1000度で3時間行うと、Zircadyne 705上に約4−5ミクロン厚さの酸化膜が形成される。酸化時間及び酸化温度の増大によって、この厚さは増大するが、膜完全性は低下する。例えば、華氏1300度で1時間であれば厚さ約14ミクロンの酸化膜が形成されるが、華氏1000度で21時間であれば厚さ約9ミクロンの酸化膜が形成される。もちろん、前記表面上には薄い酸化物だけが必要であるので、非常に小さい寸法変化、典型的には人工関節の厚さに亘って10ミクロン未満、が発生する。一般に、より薄い膜(1−4μm)は、より良好な接着強度を有する。
【0060】
ジルコニウム酸化膜を金属合金人工関節に適用するために使用され得る塩浴方法の1つは、Haygarthの米国特許第4,671,824号明細書の方法であり、その教示内容は、全体説明を介して参照として組み込まれる。この塩浴方法は、類似で、僅かに耐摩耗性の高い暗藍色又は黒色のジルコニウム酸化膜を提供する。この方法は、溶融塩浴中のジルコニウムを酸化できる酸化物の存在を必要とする。この溶融塩は、塩化物、硝酸塩、シアン化物、及びその類似物を含む。この酸化物、炭酸ナトリウムは、最大約5重量%の少量で存在している。炭酸ナトリウムの添加物は、前記塩の融点を低下させる。空気酸化中において、酸化率は溶融塩浴の温度に比例し、‘824号の特許では、550℃−800℃(1022℃−1470℃)の範囲であることが好ましい。しかしながら、前記浴中の酸素レベルが低下していると、空気酸化炉で同一の時間及び温度で行うよりも薄い膜が形成される。華氏1290度で四時間の塩浴処理によって、概略7ミクロンの厚さの酸化膜が製造される。
【0061】
炉内の空気酸化又は塩浴酸化のいずれが使用されても、ジルコニウム酸化膜は、硬さにおいて非常に類似している。例えば、鍛造されたZircadyne 705(Zr,2−3重量%Nb)の人工関節基材が酸化された場合、その表面の硬さは、本来の金属表面の200ヌープ硬さよりも劇的に増大する。塩浴又は空気酸化処理のいずれかによって酸化された暗藍色のジルコニウム酸化表面の表面硬さは、略1700−2000ヌープ硬さである。
【0062】
本発明及びその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲によって画定された本発明から離れることなく、様々な変形、置換及び修正ができるということが理解されるべきである。さらに、本出願の範囲は、本明細書に記載の、処理、機械、製造物、組成物、手段、方法及び段階における、特定の実施の形態に限定することを意図していない。この開示に基づいて、処理、機械、製造物、組成物、手段、方法、又は段階は、現存しているもの、又は、本明細書に記載の実施の形態に相当するような実質的に同一の機能を行い、又は、実質的に同一の結果を得るような、後に開発されるべきもの、を活用し得るということが容易に理解されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、処理、機械、製造物、組成物、手段、方法、又は段階といったこれらの範囲内のものを含むことが意図されている。
【符号の説明】
【0063】
1 オープンセル構造
4 開口
7 構造材料
11 内側表面
15 外側表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に剛性のある軽量の発泡体材料で形成され、相互接続された連続的な通路を有する相互接続網状組織を備える、網状オープンセル基材と、
暗藍色又は黒色の酸化ジルコニウムの表面と、
を特徴とする複合材料。

【図1】
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【公開番号】特開2013−59673(P2013−59673A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−97(P2013−97)
【出願日】平成25年1月4日(2013.1.4)
【分割の表示】特願2006−545374(P2006−545374)の分割
【原出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(397071355)スミス アンド ネフュー インコーポレーテッド (186)
【Fターム(参考)】