説明

骨代謝障害および腎障害の治療を目的としたSalonumGlaucophyllum由来エキスの使用

ヒトにおける骨または筋骨格代謝障害または腎機能不全を予防または治療するために1つの方法が提供される。約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%含むSolanum glaucophyllumの植物エキスの有効量の投与と組み合わせたカルシウム含有またはカルシウム強化食餌を、それを必要とする対象に対して提供することを含む。前記Solanum glaucophyllum植物エキスの有効量およびカルシウム源を含む、ヒトにおける骨または筋骨格系代謝障害または腎機能障害を予防または治療するために設計された食品または食餌組成物および栄養補助食品も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は栄養の分野、およびより具体的には、ヒトの中等度から重度の特定の骨または筋骨格系代謝の問題の予防または治療の栄養的アプローチに言及する。
【背景技術】
【0002】
最近数十年間の間に人口、特に欧米人口における平均年齢および平均寿命は一定して上昇し続け、今や65歳以上、75歳以上、さらには85歳以上の者はそれぞれ世界人口に相当な割合を占めている。専門家は、欧米諸国では今後20年間にこの人口区分が20%まで上昇し、平行して関連する社会的なまたは健康上の懸念の増加を明らかに発生させる状況につながると予測している。
【0003】
この特定の人口区分の健康状態の進展については、たとえば糖尿病、アルツハイマー病または軽度から重度の抑うつ気分、精神または認知または記憶能力障害などの老化関連問題、および今やますます高頻度に生じるオステオペニア、老人性骨粗鬆症または閉経後骨粗鬆症などの骨代謝障害などの、身体的または精神的問題または障害の急激な増加が指摘されている。
【0004】
数多くの手法が提唱されており、加齢関連および閉経後骨量減少の予防が推し進められている。今日までに知られている抗骨粗鬆症薬はビスホスホネート化合物、合成エストロゲン、ビタミンD、ビタミンD誘導体およびビタミンD代謝物などを含む。
【0005】
患者に対するビタミンの投与については、ビタミンDが腸管内のカルシウム取り込みおよびその骨沈着および骨からの可動化をある程度制御することのできる活性代謝物に原位置で徐々に変換されることが知られている。
【0006】
しかし、ビタミンD代謝物およびその合成類似物の投与の好ましくない欠点は、特に薬物投与と高カルシウム血症、すなわち異常かつ毒性である高血中カルシウム濃度のリスクの間の狭い治療域である。
【0007】
しかし、この治療法が適切であるか否かについては、たとえばその治療法で用いる活性化合物を調製するための費用といったさらなる因子に依存している。したがって、ビタミンD代謝物またはその合成類似体を用いた上述の費用対効果の高い治療法に対する障害は、ビタミンD代謝物の安価な供給または調製である。
【0008】
最近、Herbonis AGに特許されたPCT/EP2008/003191は、閉経後骨粗鬆症などの骨障害の治療において、活性ビタミンDの投与の欠点または好ましくない副作用の全てではなくとも大部分を克服するよう設計された解決策を提案している。
【0009】
この文書は、特定のビタミンD代謝物、すなわちその代表的な例の1つがl,25−ジヒドロキシ−ビタミン−D−1β−グルコピラノシドである1,25−ジヒドロキシ−ビタミン−D配糖体、およびケルセチン配糖体の含量が強化されたSolanum glaucophyllumの植物エキスを調製および精製するための方法に言及し:本文脈において、用語「強化」は少なくとも300ppm、好ましくは最小500から2000ppmまでの前記ビタミンD代謝物および少なくとも10%、好ましくは最小15%から20%までのケルセチン配糖体を含む高度に精製された植物エキスに適用される。
【0010】
そのような濃縮されかつ高度に精製された植物エキスは、ヒトおよび動物における骨量減少疾患の治療に有用な医薬組成物の調製に適していると記載されるが、今のところ、医師または獣医師はまだこれらのヒトに対する天然活性成分の投与を、目的とする骨量減少疾患を予防するためにも治療するためにも処方することができない。
【0011】
今日、老人性骨粗鬆症は、医療業界にとっての増大する医学的および社会的懸念を、特に後者が高齢者集団におけるその予防を実践しなければならない場合に典型的に表し:さらなる身体的または精神的問題が同時に頻繁に現れるにつれ、自己治療について懸念される人々にとって依拠することが極めて困難となる。結果的に用量は不適切であることが多く;推奨される日常投与は全く従われないことが多く、また結局は全般的な健康状態がますます損なわれる。
【0012】
この場合も、主な障害は適切な費用の管理および有効な予防または治療の達成であり、これは前記の高齢者集団におけるオステオペニアまたは骨粗鬆症などの「軽度」の問題を考慮する時さらにより当てはまる。
【0013】
本発明は、ビタミンD代謝物といった高い効力の有効成分を、たとえば老人性骨粗鬆症などの健康上の問題に直面する広範囲の集団に対して投与する非常に簡便、安価かつ有効な方法を医療業界に対して提供するという利点を有する。
【0014】
本発明は、上述の問題に対し、治療的な手法とは逆の「栄養的手法」、より具体的には専用の食品または食餌組成物、専用の栄養補助食品の形態にある独自の解決策、および関連する予防法および治療法を提供する。実際、本発明は、老化に関連する問題によってわずかに影響されるのか強く影響されるのかに関わらず、懸念される人々の通常の生活習慣に完全に適合する活性成分を投与する方法の容易な日常的準備を可能とする。
【0015】
本発明は、本明細書で以下に提供する請求項に定義される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、ヒトにおける骨または筋骨格代謝障害または腎機能障害を予防または治療するための方法であって、約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の天然混合物を約0.8から約2.2重量%含むSolanum glaucophyllumの植物エキスの有効量の投与と組み合わせたカルシウム含有またはカルシウム強化食餌をそれを必要とする対象に対して提供することを含む方法を提供する。
【0017】
さらに本発明は、ヒトにおける骨または筋骨格代謝障害または腎機能障害を予防または治療するために有用な食餌または食品組成物の調製における約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%含むSolanum glaucophyllumの植物エキスの使用を提供する。
【0018】
またさらに本発明は、ヒトにおける骨または筋骨格代謝障害または腎機能障害を予防または治療するために設計された食品または食餌組成物であって、約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%を含むSolanum glaucophyllumの植物エキスの有効量およびカルシウム源を含む食品または食餌組成物を提供する。
【0019】
最終的に本発明は、ヒトにおける骨または筋骨格代謝障害または腎機能障害を予防または治療するために設計された栄養補助食品であって、約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%を含むSolanum glaucophyllumの植物エキスの有効量および任意にカルシウム源を含む栄養補助食品を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施例1によるSolanum glaucophyllumエキス(Solbone A(登録商標)として識別)の対応する1回用量10および20mg/kg体重をそれぞれ4頭の山羊に適用した。その後、適用前、および適用後96時間に渡って定期的に採取した血液サンプルを、1,25−ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH)と呼ぶ)の定量分析に付した。対応する結果を、上記の期間中の1,25(OH)の血漿分布を示す図1に報告する。
【図2】本明細書の上述の血液サンプルを用いて、血清カルシウム(Serum Calcium)測定も平行して実施した。対応する結果は図2に報告し、かつ血漿中のカルシウム分布に対するエキス効果を例示した。
【図3】実施例1によるSolanum glaucophyllumエキス(SolboneA(登録商標)として識別)の対応する1回用量10および20mg/体重をそれぞれ各投与群の5頭の乳牛に適用した。適用前、および適用後10日間に渡って定期的に採取した血液サンプルをその後1,25(OH)の定量分析に付した。図3は、上記の期間にわたる1,25(OH)の用量依存的増加およびその排出の提示を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に従って言及される植物エキスは、植物Solanum glaucophyllumの乾燥した葉より、特別に選択した水と有機溶媒の混合液による原材料の浸漬またはパーコレーションを最初の手順として含むしかるべき専用の方法によって調製される。次に生成するエキスを保護剤および緩衝剤と混合し、乾燥してあらかじめ決定した乾物含量とし、任意に滅菌した後イオン交換カラムを通過させる。
【0022】
関連溶離液を最終的に濾過し、さらに中程度の温度条件を用いて乾燥または噴霧乾燥し;その後の手順では、たとえばGRASバラスト材料の添加などの不活性賦形剤の添加により生成する植物エキスを最終的に所望の有効成分含量に標準化する。
【0023】
実際にそのような植物エキスは水および食品中に通常存在する大半の液状物に非常に溶けやすい。驚くべき事に、前記植物エキスはほぼ無臭であり、かつ本発明の枠組みにおいて考慮される大半の食物または食品と良好に適合するモルトまたはカラメル様でわずかにシリアル様の味および香味を示す。
【0024】
最後に、前記エキスは、たとえば噴霧乾燥した可溶性粉末を調製する時、ツインスクリュー射出を用いてシリアルフレークを調製する時または果物または野菜ジュースと混合する時など、大半の有用な食品成分と共に調整または処理されるとき十分に安定であることが立証されている(以下に言及する安定性試験を参照)。
【0025】
本明細書で以下に示す薬物動態試験によって確認されるように、前記Solanum glaucophyllum植物エキスは、そのバイオアベイラビリティを考慮する場合、その有効成分、またすなわち1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体を、特に有効な方法で送達するという利点も有する。特にこれらの実験は、血中カルシウムおよびリン濃度の用量依存的な増加、すなわち骨粗鬆症の予防にとって必要な条件に導く際の、本発明によるSolanum glaucophyllumエキスの投与の有効性を証明している。
【0026】
これらの実験は、前述のSolanum glaucophyllumエキスを適用することにより個人に対して1,25−ジヒドロキシビタミンD、すなわちビタミンDの活性代謝物を有効に供給することができることをさらに示している。
【0027】
実際に、腎臓はビタミンDを活性型、すなわち1,25−ジヒドロキシビタミンDに転換する唯一の身体組織である。したがって、腎機能障害に罹患した患者においては、この代謝的変換は起こり得ず:Solanum glaucophyllumエキスは、実際にこの欠乏を有効に回避することができる活性型ビタミンD代謝物の供給源となる。
【0028】
本発明によると、Solanum glaucophyllum植物エキスは、その中の重要な有効成分に相当する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体およびケルセチンの混合物を約0.8から約2.2、たとえば1.0または1.5、2.0または2.2重量%含む。より重要であるのは、約1:100から1:200、たとえば1:100、1:120、1:140、1:150、1:160、1:180または1:200の比率で存在するこれらの成分の具体的な比率の調節である。最終的な植物エキス中の前記活性成分の濃度および比率のモニタリングおよび調節はいずれも決定的に重要である。
【0029】
そのような植物エキスは任意の野生品種、または栽培品種が上記活性成分の最低限の含有量を示す場合は栽培品種から調製することができる。2009年6月22日付の欧州連合植物品種認証第EU25476号による「HERVIT」という呼称を有するSolanum glaucophyllum Desf.が今日達成可能な最高の濃度を提供するので、特に適した品種はこれによって代表される。
【0030】
本明細書の上記に簡単に開示される調整方法によって、Solanum glaucophyllumにとって真正(固有)のアルカロイドが含まれないか、または、換言すれば、検出レベルを明らかに下回る植物エキスを得ることが可能となるため、前記エキスが過量または制御不可能な量の前記アルカロイドによる好ましくない副作用を示すことがないかまたはその疑いがない。
【0031】
前記植物エキス中にはケルセチン配糖体も存在し、前述の1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体と共に原位置で作用し;それらは主としてルチン、アピオシルルチン、ヒペロシド、イソケルシトリンおよび他の微量ケルセチンオリゴ配糖体を含む。
【0032】
本発明は、それを必要とする対象に提供することを含み:本発明が考慮する骨代謝障害とりわけオステオペニア、閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、骨成長の速い時期における骨発達不全および極度の運動労作による骨量減少といったヒトにおける骨または筋骨格系代謝障害を予防または治療するかまたは腎機能障害を矯正するための方法を提供している。
【0033】
筋骨格系障害を治療または予防することは、本質的には筋骨格系質量または機能を促進または維持することを意味する。
【0034】
ヒトにおける腎機能不全を治療または予防することについては、本発明は身体への必須活性ビタミンD代謝物の送達を可能とすることにより、主としてビタミンD抵抗性くる病および腎不全を考慮する。障害された腎臓は血漿中を循環する前駆体から必須ビタミンDを産生することができないので、このことは決定的に重要な利点を示す。
【0035】
さらに本発明は、カルシウム含有またはカルシウム強化食餌、実際には好ましくは食用有機または無機カルシウム塩、有機または無機食用カルシウム複合体および特に炭酸カルシウム、特に活性ドロマイト中の炭酸マグネシウムカルシウム、カルシウムカゼイン塩、グルクロン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウムまたはカゼインから選択される規定の量の食用(生体利用可能)カルシウム源を含有する任意の簡便な固形またや液状食品を、前記の植物エキスと共にそれを必要とする者に対して提供する。
【0036】
本明細書において、用語「食餌」は対象、たとえば老人性骨粗鬆症に罹患した者などに提案されかつ炭水化物、脂肪、タンパク質、無機質および水などのあらゆる必要な栄養素を提供し、当然ながら前記の者の健康状態に適合された完全な日常の食餌を意味する。
【0037】
体重が約65kgである対象に対して約5から200mg、好ましくは約10から100mgの割合で含有された1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体およびケルセチン配糖体の混合物の一定量を、上述のようにSolanum glaucophyllum植物エキスの形態で1日を通して(例:3から4食)提供する食餌については良好な結果が認められている。
【0038】
前記の植物エキスと同時に1日に提供されるカルシウムの量は、体重約65kgの対象に対して通常約400から1600mg、好ましくは約400から1200mgであり、したがって当然ながら考慮する食品中にすでに存在するカルシウムの量、および選択されるカルシウム源の種類によって異なる。
【0039】
対象および検討する食事の種類に応じて、Solanum glaucophyllum植物エキスは同時に、すなわち食事中に、また好ましくは食事のうち最も魅力的な部分に加えるかまたは連続して投与することができ、その場合好ましくは栄養補助食品として投与する(以下を参照のこと)。
【0040】
本発明によると、ほとんどあらゆる食品および食餌組成物は、年齢、投与法または治療する患者の健康状態に適合されれば所望の効果を達成するのに適しており、かつスープまたはブイヨンなどの高温の液状食品、ミルクやフルーツジュースなどの高温または冷蔵飲料を含んでもよい。適切な固形または半固形食品として、すりつぶした野菜、ヨーグルト、フレッシュチーズ、プリンまたはプディングなどの乳製品、シリアルバーまたはシリアルフレークなどのシリアルベースの食品などを考慮してもよい。
【0041】
そのような幅広い選択肢は、懸念される者にとって魅力的であり続け、またその結果として、本明細書の上述の活性成分が毎日適切に摂取または投与される事を保証する、ほとんど無限の範囲の食事を1日、1週間または全治療期間を通して提案する可能性を提供する。
【0042】
その結果、本発明は、約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体およびケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%含み、かつ本明細書で上記に強調する条件を満たすSolanum glaucophyllum植物エキスを添加された任意の食品または食餌組成物も目的として有する。
【0043】
前記の食品または食餌組成物に次いで、本発明はさらに上記の文脈で言及されるSolanum glaucophyllum植物エキスの有効量を含む、ヒトにおける骨または筋骨格系代謝障害または腎機能障害を予防または治療するために設計された栄養補助食品を目的として有する。
【0044】
前記の栄養補助食品は、たとえば1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体およびケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%含む既定の量のSolanum glaucophyllumを含むデンプンベースまたはデキストロースまたはデキストリンまたはセルロースベースの粉末などの食用とすることができる。
【0045】
後者はそのまま保存することも、また単に食べる前に簡便な食品または飲料に添加することも可能であり:代替的に粉末状の栄養補助食品を錠剤、また好ましくは、その後に別の飲料と共に提案する食用カプセルの調製に用いることもできる。
【0046】
以下に示す実施例は、単に本発明に従って用いることのできる数多くの多様な食品または栄養補助食品の一部の例示を構成する。
【実施例1】
【0047】
(Solanum glaucophyllum植物エキスの調製)
(a.浸漬法変法)
Solanum glaucophyllumの乾燥葉バッチを選択し、5から12L/kgの水/エタノール混合液を用いて40〜60℃で約24時間振盪しながら浸漬している。
【0048】
貯蔵庫の入手可能の乾燥葉材料の多様なバッチにおける1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体の含量についての過去の分析的評価より、体積85/15**の水/エタノール混合液を調製するに至った。適切な混合液を使用することにより、所望のビタミンD誘導体含量(本実施例においては約100ppm)および1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の比率の達成が可能となる。液状物分画を分離して取り置く一方で、2回目の24時間の浸漬を繰り返した。
【0049】
**約20から40%エタノールを含む混合物を用いて同様の結果が達成されている。)
【0050】
次に、捕集された水/エタノールエキスを合わせ、さらに0.25重量%の比率のアスコルビン酸を加え、特にこの場合に食用に適した酸であるクエン酸によって同混合物のpHを5〜6.5に調節した。
【0051】
次に、安定化したエキスを濾過し、さらに真空乾燥技術により乾物重量約30から50%まで濃縮し、さらに生成した濃縮物をそのH型に平衡させた陽イオン交換樹脂上に注いだ。
【0052】
捕集した溶離物を濾過し、その後UHT滅菌に付した(125℃で3秒)。1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体およびケルセチン配糖体含量を分析的に評価した後、植物エキスの活性成分である1,25−ジヒドロキシビタミンDの最終含量100ppmを安定化させる為に、滅菌した材料に特定の量の賦形剤、好ましくはマルトデキストリン、乳糖またはコーンスターチを加えた。
【0053】
標準化混合物は、最終的に通常の噴霧乾燥機中で噴霧乾燥または真空乾燥させ、所望の粉末状Solanum glaucophyllum植物エキスを得る。
【0054】
(b.パーコレーション変法)
Solanum glaucophyllumの乾燥葉バッチ(上記を参照)を選択し、水およびエタノールの85/15**体積混合物を用いて、35〜45℃のパーコレーションに付している。パーコレーションは、サイクル法で4から6個の容器を用いて通常の器具で実施した。1重量部の乾燥葉に対して8から12、たとえば10重量部の比率の溶媒を適用し、2から4時間かけてパーコレーションを続行した。
【0055】
**約20から40%エタノールを含む混合物を用いて同様の結果が達成されている。)
【0056】
パーコレーションされたエキスは、最終的に上記の浸漬手順に従って達成されたものと同様の比率の1,25−ジヒドロキシビタミンDとケルセチン配糖体約100ppmの最終植物エキスを達成するために、その後浸漬変法と同じ手順に付した。
【実施例2】
【0057】
(カルシウム強化ミルク)
カルシウム強化ミルクは、室温で水道水10Lと部分脱脂粉乳1200gおよび炭酸カルシウムマグネシウム(活性ドロマイト)40gを混合することにより調製した。その後、実施例1の植物エキス20gを再溶解したミルクに徐々に注ぎ入れ、さらに生成した液状物をそれぞれ約250mLに分注し、最終的に冷蔵庫に保存した。
【0058】
分注した再溶解ミルクは、老人性骨粗鬆症、オステオペニアに罹患しているかまたは罹患している疑いのある者または閉経後の女性に推奨される適切な1日用量の半分に相当する植物エキス500mgを含む。
【0059】
再溶解ミルクは味および風味の点で十分に許容できることが認められた。その者の個人的な味覚に応じて砂糖、ココアパウダー又は可溶性コーヒー粉末をこれに加えてもよく;また前記ミルクまたはミルクベース飲料は要請に応じて加熱してもよい。
【実施例3】
【0060】
(カルシウム強化オレンジジュース)
市販のオレンジジュース(1L)に、活性ドロマイト4gおよび実施例1の植物エキス0.25gを撹拌しながら添加し、最終的に冷蔵庫に保存した。
【0061】
前記オレンジジュースの分注約250mLは、老人性骨粗鬆症、オステオペニアに罹患しているかまたは罹患している疑いのある者または閉経後の女性に適した植物エキスの適切な1日用量の半分を提供している。
【0062】
後者は朝食または昼食に推奨され;典型的なオレンジの味および香味はこれら2つの成分の添加によって影響されない。
【実施例4】
【0063】
(ブイヨンパウダー)
乾燥粉末形態にある市販のブイヨン(1kg)を、実施例1による植物エキス50gと混合した。
【0064】
約80℃の湯150mLを上記の粉末2gに注ぐことにより、たとえばチーズ、フレッシュチーズ、ヨーグルトまたはミルクベースのデザートクリームなどのカルシウム含有食品と対抗することのできる昼食を調製するのに適した清澄なブイヨンが提供される。このような食事は、老人性骨粗鬆症、オステオペニアに罹患しているか罹患が疑われる者または閉経後女性に提案することができる。
【実施例5】
【0065】
(カルシウム含有シリアルバー)
射出成形シリアルバーを調製する為の組成物は、以下の材料によって得ることができる:
成分 重量部(g)
高フルクトースコーンシロップ 400
オーツ麦/ふすま 100
マルトデキストリン 100
粉末スキムミルク 100
米粉 50
シリアルクリスプ 150
市販のビタミンプレミックス 10
市販のアーモンドペースト 20
市販のミネラルプレミックス 10
市販のバニラフレーバー 10
実施例1の植物エキス 5
【0066】
標準的な射出成形プロセスで得られたシリアルバーはそれぞれ重量が10gであり、かつ実施例1の植物エキス約50mgを消費者に提供する。ニーズ(スポーツ選手)または懸念される者の健康状態(例:老化または閉経後状態)に応じて、1日用量は1から3、さらには4本のシリアルバーを含んでもよい。
【実施例6】
【0067】
(朝食用シリアルフレーク)
射出成形シリアルフレークを調製する為の組成物は、以下の材料によって得ることができる:
−小麦粉(全粒粉)
−米粉
−コーンシロップ
−大麦モルトエキス
−炭酸カルシウム
−市販のミネラル混合物(緩衝剤を含む)
−市販のビタミン混合物(抗酸化剤を含む)
【0068】
実施例1の植物エキスの既定量を添加することは、異なる方法によって達成することができ:前記エキスをまずシュークロースシロップに溶解し、後者を上記の組成物に添加し、最終的にツインスクリュー射出に付した後、乾燥してカルシウム含有、または添加した量によっては、カルシウム強化シリアルフレークを得ることができる。
【0069】
代替的に、前記エキスをまずシュークロースシロップに溶解し、さらにシリアルフレークが射出される際、乾燥する前に最終的に後者をこれに噴霧する。
【0070】
いずれの場合においても、典型的な「朝食用シリアルフレーク」の味および香味は前記植物エキスの添加によって影響されない。
【0071】
懸念される者の特定の治療法または食餌に応じて、上記のシリアルフレークと共に食べるミルクまたはヨーグルトまたはフレッシュチーズを含む朝食メニューを提案することができる。
【実施例7】
【0072】
(カルシウムを含有する栄養補助食品)
実施例1の植物エキスをそれぞれ50mg含む食用セルロースカプセル(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)は、以下の成分を含む充填剤を用いて製造されている:
−乾燥ヨーグルト粉末
−無水デキストロース
−バレイショデンプン
−微結晶性セルロース
−実施例1の植物エキス
【0073】
ニーズ(スポーツ選手)または懸念される者の健康状態(例:老化または閉経後状態)に応じて、1日用量は1から3、さらには4個のカプセルを含んでもよい。
【実施例8】
【0074】
(食品または飲料の安定性試験)
実施例1のSolanum glaucophyllumエキスの少量を、多様な市販の液状物または食品に、室温または数例では加熱しながら攪拌して添加し、その後それぞれ約4℃で、粉末については約37℃で長期間保存した。それらよりサンプルを定期的に採取し(0日、7日、など)、さらに最終的に、1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体の含有量の定量測定に付した。
【0075】
以下の表は、対応する分析結果を要約したものであり、これらは当初添加したSolanum glaucophyllumエキス(Solbone)の量を%で表示している(±15%)。
【0076】
【表1】

【0077】
【表2】

【0078】
これらの表は、試験したSolanum glaucophyllumエキスが最も多く遭遇する食品または飲料においてどの程度まで安定であるか例示する。
【実施例9】
【0079】
(大型哺乳動物における薬物動態試験)
(9.1ヤギに対する適用)
実施例1によるSolanum glaucophyllumエキス(Solbone A(登録商標)として識別)の対応する1回用量10および20mg/kg体重をそれぞれ4頭の山羊に適用した。その後、適用前、および適用後96時間に渡って定期的に採取した血液サンプルを、1,25−ジヒドロキシビタミンD(1,25(OH)と呼ぶ)の定量分析に付した。対応する結果を、上記の期間中の1,25(OH)の血漿分布を示す図1に報告する。
【0080】
本明細書の上述の血液サンプルを用いて、血清カルシウム(Serum Calcium)測定も平行して実施した。対応する結果は図2に報告し、かつ血漿中のカルシウム分布に対するエキス効果を例示した。
【0081】
(9.2乳牛への適用)
実施例1によるSolanum glaucophyllumエキス(SolboneA(登録商標)として識別)の対応する1回用量10および20mg/体重をそれぞれ各投与群の5頭の乳牛に適用した。適用前、および適用後10日間に渡って定期的に採取した血液サンプルをその後1,25(OH)の定量分析に付した。図3は、上記の期間にわたる1,25(OH)の用量依存的増加およびその排出の提示を提供する。
【0082】
以下の表は、この実験における血清カルシウムおよびリンのレベルを示し、かつSolanum glaucophyllumエキスの投与による血液中の塩量の有意な増加を証明する。さらにこの実験は、腎疾患において腎臓が十分な量の活性型ビタミンDを産生できない場合、または加齢によりエストロゲン酸性が低下している場合に、本発明のSolanum glaucophyllumエキスが必須ビタミンD代謝物を身体に送達することができる事も証明する(図3も参照)。
【0083】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおける骨または筋骨格代謝障害または腎機能障害を予防または治療するための方法であって、約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%含むSolanum glaucophyllumの植物エキスの有効量の投与と組み合わせたカルシウム含有またはカルシウム強化食餌をそれを必要とする対象に対して提供することを含む前記方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記骨代謝障害がオステオペニア、閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、骨成長の速い時期における骨発達不全および極度の運動労作による骨量減少から選択される前記方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、筋骨格質量または機能を促進または維持することを含む前記方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記腎機能障害がビタミンD抵抗性くる病および腎不全より選択される前記方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の方法であって、Solanum glaucophyllumが任意の野生または栽培品種、特に2009年6月22日付の欧州連合植物品種認証第EU25473号による「HERVIT」という呼称を有するSolanum glaucophyllum Desf.から選択される前記方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の方法であって、Solanum glaucophyllum植物エキスがSolanum glaucophyllumの真正のアルカロイドを含まない前記方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の方法であって、ケルセチン配糖体がルチン、アピオシルルチン、ヒペロシド、イソケルシトリンおよびその他の微量ケルセチンオリゴ配糖体を含む前記方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の方法であって、食用有機または無機カルシウム塩、有機または無機食用カルシウム複合体から選択される源よりカルシウムが供給される前記方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の方法であって、前記カルシウム含有またはカルシウム強化食餌が炭水化物、脂肪、タンパク質、無機質および水などのあらゆる必要な栄養素を提供する日常食餌でありかつ前記対象に対して提供される前記の1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体およびケルセチン配糖体の混合物の前記1日用量が体重約65kgの対象に対して約5から200mg、好ましくは約10から100mgである前記方法。
【請求項10】
請求項1から8のいずれかに記載の方法であって、前記カルシウム含有またはカルシウム強化食餌が前記対象に対して炭水化物、脂肪、タンパク質、無機質および水などのあらゆる必要な栄養素を提供する日常食餌でありかつ前記対象に対して提供される前記のカルシウムの1日用量が体重約65kgの対象に対して約400から1600mg、好ましくは約400から1200mgである前記方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の方法であって、前記の1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体およびケルセチン配糖体の混合物を含む前記のSolanum glaucophyllum植物エキスの量が前記対象に対して前記食餌と同時にまたは連続して投与される前記方法。
【請求項12】
ヒトにおける骨または筋骨格代謝障害または腎機能障害を予防または治療するために有用な食餌または食品組成物の調製における約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%含むSolanum glaucophyllumの植物エキスの使用。
【請求項13】
ヒトにおける骨または筋骨格代謝障害または腎機能障害を予防または治療するために設計された食品または食餌組成物であって、約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%を含むSolanum glaucophyllumの植物エキスの有効量およびカルシウム源を含む前記食品または食餌組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の食品または食餌組成物であって、骨代謝障害がオステオペニア、閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、骨成長の速い時期における骨発達不全および極度の運動労作による骨量減少から選択される前記食品または食餌組成物。
【請求項15】
請求項13に記載の食品または食餌組成物であって、筋骨格質量または機能を促進または維持することを目的として設計された前記食品または食餌組成物。
【請求項16】
請求項13に記載の食品または食餌組成物であって、前記腎機能障害がビタミンD抵抗性くる病および腎不全より選択される前記食品または食餌組成物。
【請求項17】
請求項13から16のいずれかに記載の食品または食餌組成物であって、Solanum glaucophyllumが任意の野生または栽培品種、特に2009年6月22日付の欧州連合植物品種認証第EU25473号による「HERVIT」の呼称を有するSolanum glaucophyllum Desf.から選択される食品または食餌組成物。
【請求項18】
請求項13から17のいずれかに記載の食品または食餌組成物であって、Solanum glaucophyllum植物エキスがSolanum glaucophyllumの真正のアルカロイドを含まない前記食品または食餌組成物。
【請求項19】
請求項13から18のいずれかに記載の食品または食餌組成物であって、ケルセチン配糖体がルチン、アピオシルルチン、ヒペロシド、ケルセチン、イソケルシトリンおよびその他の微量ケルセチンオリゴ配糖体を含む前記食品または食餌組成物。
【請求項20】
請求項13から19に記載の食品または食餌組成物であって、連日投与のために設計されかつ後者がさらに炭水化物、脂肪、タンパク質および無機質などのあらゆる必要な栄養素を前記対象に対して提供する前記食品または食餌組成物。
【請求項21】
請求項13から20のいずれかに記載の食品または食餌組成物であって、経腸または非経口投与に適した前記食品または食餌組成物。
【請求項22】
請求項13から21のいずれかに記載の食品または食餌組成物であって、前記対象に対して日常的に提供される1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体およびケルセチン配糖体の混合物の前記用量が体重約65kgの対象に対して約5から200mg、好ましくは約10から100mgである前記食品または食餌組成物。
【請求項23】
請求項13から21のいずれかに記載の食品または食餌組成物であって、前記対象に対して連日提供される前記のカルシウムの用量が体重約65kgの対象に対して約400から1600mg、好ましくは約400から1200mgである前記食品または食餌組成物。
【請求項24】
請求項13から23のいずれかに記載の食品または食餌組成物であって、前記カルシウム源が食用有機および無機カルシウム塩、有機および無機食用カルシウム複合体、特に活性ドロマイト中の炭酸マグネシウムカルシウム、カルシウムカゼイン塩、グルクロン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウムまたはカゼインから選択される前記食品または食餌組成物。
【請求項25】
ヒトにおける骨または筋骨格代謝障害または腎機能障害を予防または治療するために設計された栄養補助食品であって、約1:100から1:200重量部の比率で存在する1,25−ジヒドロキシビタミンD配糖体とケルセチン配糖体の混合物を約0.8から約2.2重量%を含むSolanum glaucophyllumの植物エキスの有効量を含む前記栄養補助食品。
【請求項26】
請求項25に記載の栄養補助食品であって、骨代謝障害がオステオペニア、閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、骨成長の速い時期における骨発達不全および極度の運動労作による骨量減少から選択される前記栄養補助食品。
【請求項27】
請求項25に記載の栄養補助食品であって、筋骨格質量または機能を促進または維持することを目的として設計された前記栄養補助食品。
【請求項28】
請求項25に記載の栄養補助食品であって、腎機能障害がビタミンD抵抗性くる病および腎不全より選択される前記栄養補助食品。
【請求項29】
請求項23から28のいずれかに記載の栄養補助食品であって、Solanum glaucophyllumが任意の野生または栽培品種、特に2009年6月22日付の欧州連合植物品種認証第EU25473号による「HERVIT」の呼称を有するSolanum glaucophyllum Desf.から選択される前記栄養補助食品。
【請求項30】
請求項23から29のいずれかに記載の食品または栄養補助食品であって、Solanum glaucophyllum植物エキスがSolanum glaucophyllumの真正のアルカロイドを含まない前記食品または栄養補助食品。
【請求項31】
請求項23から30のいずれかに記載の食品または栄養補助食品であって、ケルセチン配糖体がルチン、アピオシルルチン、ヒペロシド、イソケルシトリンおよびその他の微量ケルセチンオリゴ配糖体を含む前記食品または栄養補助食品。
【請求項32】
請求項23から31のいずれかに記載の栄養補助食品であって、カルシウム源をさらに含む前記栄養補助食品。
【請求項33】
請求項32に記載の栄養補助食品であって、前記カルシウム源が食用有機および無機カルシウム塩、有機および無機食用カルシウム複合体、いわゆる炭酸カルシウム、特に活性ドロマイト中の炭酸マグネシウムカルシウム、カルシウムカゼイン塩、グルクロン酸カルシウム、乳酸カルシウム、クエン酸カルシウムまたはカゼインから選択される前記栄養補助食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−508338(P2013−508338A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534684(P2012−534684)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065784
【国際公開番号】WO2011/048136
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(510279066)ヘルボニス アクチェンゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】