説明

骨再建用多孔性バイオセラミック組成物

本発明は、骨再建用多孔性バイオセラミック組成物及びその製造方法に関する。三次元足場材(scaffold)は、新規のマイクロ及びマクロアーキテクチャーを用いて製造された。デキストリン、デキストラン、ゼラチン及びバイオミネラル(CaCO3)粉末を主成分とした多孔性足場材は、加熱及び凍結乾燥法によって製造された。種々の組成における多孔性足場材(20、30重量%のゼラチン、20、40重量%のデキストリン、30、40、50、60重量%のデキストランをCaCO3 50g(定量)で結合)の製造。足場材特性は、X線回折(XRD)、示差走査熱量測定(DSC)、走査型電子顕微鏡(SEM)及び圧縮試験によって特徴付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨足場材用多孔性組成物に関するものであって、より詳しくは、本発明は良好な機械的特性を有する優れた生体適合性、生体親和性及び生理活性を有する骨足場材用多孔性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
組織又は臓器再建は、古代から現代まで手術の最終的な目標であった。生物材料が、医療器具の構造部品として、疾患、外傷及び障害の治療に広範囲に使われる。最も著しい進歩は、いわゆる生理活性材料の発展を通じてなされた。これらの生理活性材料は、宿主組織と相互作用することで治癒プロセスを補助し向上させる。
【0003】
CaCO3がセラミックブロック、顆粒又はCaCO3セメントの形として骨再建用に用いられてきたが、デキストリン、ゼラチン、デキストラン無しの単独では弱いバイオセラミックであるため、ヒトの体において主に荷重のかかるインプラントとしてそれ自体を用いることはできない。デキストリンが用いられたのは、非常に堅く硬質であり、そしてより粘着性があり、より速く凝固するためである。足場材を生産するプロセスは如何なる精巧な機器も使用しない単純なものであり、足場材は4-5日以内に準備を整えることが可能である。高温又はガンマ放射線暴露のいずれかによって容易に殺菌され、これらの技術のうちの1つによっては影響を受けない。この足場材は、IIIカテゴリーの医療器具に分類されることから永続使用のための医療器具であり、血流にも中枢神経系にも直接接触しないが、生物学的影響を強く与えたり、全て又は一部が吸収されたりする。
【0004】
最も広く研究されている硬組織工学的アプローチのうちの1つは、細胞と生分解性足場材との間の相互作用を利用することによって、失われた組織又は損傷した組織を再生させようとしている。この戦略は、通常、移植の前に三次元高分子マトリクス(足場材)中への細胞の播種とインビトロでの培養が伴う。生体再吸収性足場材は、生体適合性及び多孔性であって、迅速な血管新生と新しく形成された組織の成長を促進するネットワークに相互に連結したものでなければならない。
【0005】
様々な原料の炭酸カルシウムが以前は使用されていた。ある原料は石灰岩、サンゴであり、それらはバランス生態系において見られる。海洋礁由来の天然サンゴの外骨格は、炭酸カルシウムから成る。それは、1970年代中頃に骨移植片の代用として導入され、様々な整形外科的及び頭蓋顔面の骨欠損を治療するために、臨床的に使用されてきた。この種のサンゴは、絶滅危険種であることに加えて、非常に高価なものであり、時には採集することが非常に高価である。石灰岩は、生体鉱物であるサンゴとは異なり、深い海底から集める岩である。これらの材料の優れた骨-結合能力については周知であるが、それらはもろくて、圧縮応力に対する抵抗性は貧弱である。上記原料に従属するものを最小にする目的で、容易に利用可能なザルガイの殻を使用する。本発明の多孔性バイオセラミック組成物は、優れた骨結合能力、丈夫さ及び圧縮応力に対する良好な抵抗性を有する。
【0006】
デキストリンと組み合わせた炭酸カルシウムを基礎としたセラミックが、この研究の新技術として用いられた。ゼラチン及びデキストランは、この構成成分におけるさらに2つの材料であり、足場材をサポートするものである。
【0007】
調製された多孔性三次元足場材は、主にザルガイの殻(CaCO3)とデキストリンを含み、加熱及び凍結乾燥法によって処理される。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、高い機械的特性を有する骨足場材用多孔性組成物を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、ヒトの体に適当なサイズの孔及び孔隙率と適用可能な機械的特性とを有する骨足場材用多孔性組成物であって、その大きな特異的表面積によって速い組織反応と骨結合を促進するものを提供する。
【0010】
本発明の他の目的は、温度差による如何なる問題も生じない骨足場材用多孔性組成物を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、ヒトの体におけるその溶解率及び生物学的特性を制御可能な骨足場材用多孔性組成物を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、その製造方法を提供することである。本発明の方法によれば、上記多孔性組成物の基質の孔隙率は、適切に調節可能である。
【0013】
これら及び他の目的を達成するために、本発明は骨足場材用多孔性組成物を提供する。本発明による多孔性組成物には、ザルガイの殻粉末、デキストリン、ゼラチン及びデキストランの混合物が含まれている。
【0014】
好ましくは、多孔性組成物の基質における孔の平均サイズは、20-400nmの間にある。
【0015】
本発明は、骨足場材用多孔性組成物を調製する方法も提供する。本発明の方法には、次の工程:(a)脱イオン熱水中にゼラチン、デキストラン及びデキストリンを溶解すること、(b)混合物を撹拌すること、(c)ザルガイの殻粉末を上記混合物に加えること、(d)上記混合物を成形されたワックスブロックに注ぐこと、(e)上記混合物を室温で乾燥させること、f)上記成形されたワックスブロックを除去し、足場材を得ることが含まれる。
【0016】
本発明は、骨足場材用多孔性組成物を調製するための他の方法も提供する。本発明の方法には、次の工程a)脱イオン熱水中にゼラチン、デキストラン及びデキストリンを溶解し、ザルガイの殻粉末を混合物に加えること、(b)上記混合物を撹拌すること、(c)上記混合物を成形されたワックスブロックに注ぐこと、(d)上記混合物を凍結乾燥機内にて乾燥させることが含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1(a)-(c)は、種々のサイズ及び均一内部を有するマクロ-マイクロ孔を含む足場材(サンプル334)を図示する。
【図2】図2は、種々のサイズ及び均一内部を有するマクロ-マイクロ孔を含む足場材(サンプル334)を図示する。
【図3】図3は、種々のサイズ及び均一内部を有するマクロ-マイクロ孔(孔のサイズは、20から400nmの間と推定されるもの)を含む足場材(サンプル352)を図示する。
【図4】図4は、体積に対して高い表面積を生じさせるのに好ましい、孔の直径が小さいサンプル262を図示する。
【図5】図5は、Phenom SEMを用いた孔(凍結乾燥法によって調製された足場材の孔)の孔隙率及び相互結合性を図示する。
【図6】図6は、DSCであって、温度対熱流を2つのサンプル(サンプル262と334)に関して図示する。
【図7】図7は、DSCであって、温度対熱流を1つのサンプル(サンプル352)に関して図示する。
【図8】図8は、製品(サンプル352)の典型的なXRDパターンを図示する。
【図9】図9は、製品(サンプル262)の典型的なXRDパターンを図示する。
【図10】図10は、全サンプルにおける吸水量を示しているグラフを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のより完全な理解及びそれに付随する利点の多くは、以下の詳細な説明及び添付図面を参照することでよりよく理解できる。以下の実施例は例証として引用される。従って、それによって本発明の範囲を制限すべきではない。
【実施例】
【0019】
足場材調製用材料
ゼラチン
骨の有機相から抽出される天然タンパク質であるゼラチンは、コラーゲンよりも非常に安価で、液体として非常に容易に入手可能である。それは、高分子ネットワークを形成するために水に溶解し架橋する必要がある。使用するゼラチンは、ウシの皮膚由来であった。ゼラチンは、足場材の糊性、硬度及び剛性を高めるために用いる。ゼラチンは、加熱又は凍結乾燥工程の間に生じるアミノ酸鎖の変化によって機械強度を提供する。
【0020】
デキストラン
デキストランは、その生体適合性、生分解性、非免疫原性及び非抗原性特性のため、生理的に無害なバイオポリマーである。デキストランは、足場材の孔隙率を増加させるために用いられる。
【0021】
デキストリン
デキストリンは、低分子量の単純な炭水化物である。デキストリンが産業において広く用いられるのは、それらが無毒性で且つ安価だからである。デキストリンは粘着性であり、急速な凝固能を一般的な澱粉糊(未処理澱粉により形成されたもの)よりも有する。溶解後は、元に戻り、ゲルを形成する傾向があり、最終的には非常に硬く、硬質になる。
【0022】
ザルガイの殻(アナダラ グラノサ(Anadara granosa))粉末
ザルガイはウェットマーケットから収集し、粉末は殻から全ての不要物を除去した後、調製した。
【0023】
足場材調製
ザルガイの殻粉末の調製
この研究は、組織工学用足場材としてザルガイ(アナダラ グラノサ)から得られた新規の三次元バイオマトリクスを導入する。上記殻由来の粉末は、Zuki et al. (2004)によって記載されている方法であって、30分間殻を煮沸した後、全ての不要物の除去を伴う方法に従って調製された。上記殻が完全に白くなるまで、殻を徹底的にきれいにした。上記殻の接合境界における黒い線も取り除いた。上記殻は、全ての残留物を除去するために数分間再び煮沸し、40℃で一晩、オーブンにおいて乾燥させた。ザルガイの殻は、ワーリング(warring)ブレンダー(Blendor(登録商標), HCB 550, USA)を用いて粉末状に変わるまで挽いた。上記粉末を90μmのふるい(ステンレス製のふるい(Retsch, Germany))を使用)にかけ、使用前に100℃、数時間の加熱によって殺菌した。
【0024】
足場材の調製
4つの粉末混合物を実験用に調製した。それは、ザルガイの殻粉末(50g)、ゼラチン(20及び30重量%)、デキストラン(20、30、40、50及び60重量%)、デキストリン(20、40及び60重量%)をからなっていた。
【0025】
様々な組成のゼラチン、デキストラン、デキストリンを有する5つの異なるタイプの足場材(番号:334、352、262、226、244)を調製した。5つの足場材は、以下の濃度に基づいて調製した:
足場材334: 50gのcs、3Ogのゲル、3Ogのデキストラン、40gのデキストリン
足場材352: 5Ogのcs、3Ogのゲル、5Ogのデキストラン、2Ogのデキストリン
足場材262: 5Ogのcs、2Ogのゲル、6Ogのデキストラン、2Ogのデキストリン
足場材226: 50gのcs、2Ogのゲル、2Ogのデキストラン、6Ogのデキストリン
足場材244: 5Ogのcs、2Ogのゲル、4Ogのデキストラン、40gのデキストリン
要所
cs = ザルガイの殻
gel = ゼラチン
【0026】
加熱法によって調製された足場材
3つの材料(ゼラチン、デキストラン、デキストリン)の粉末は、加熱破砕攪拌機(Wiggen Hauser(登録商標) Heating Stirring)を用いて、70-80℃、2時間、脱イオン熱水に溶解し、最後にザルガイの殻粉末を混合物に加えた。混合物のペーストを、骨欠損の形状に応じて設計したワックスブロックに注ぎ、乾燥のため一晩、室温(27℃)で放置した。24時間後、上記ワックスを除去し、足場材を放置し、同じ温度で1-2日間、乾燥し続けた。そして、上記足場材をオーブンにおいて2日間、60℃で乾燥させた。上記足場材は硬くなり、後日使用するための滅菌の準備が整う。
【0027】
凍結乾燥法によって調製された足場材
4つの粉末(ザルガイの殻粉末、ゼラチン、デキストラン、デキストリン)は、攪拌機を用いて50℃、60分間、脱イオン水と共に混合し、材料を均質化した。ペーストを型に注ぎ、即座に-80℃のディープフリーザーに移した(24時間)。ブロックを除去し、足場材を凍結乾燥機を用いて48時間、-50℃で乾燥させた。乾燥足場材は、殺菌用の清潔な場所に保存した。
【0028】
足場材の特性評価
環境制御型(Environmenta)走査電子顕微鏡(ESEM)
環境制御型走査電子顕微鏡(Philips XL30 ESEM)分析から、足場材は種々のサイズのマクロ-マイクロ孔を含むことが明らかにされ、均一内部が示された。孔のサイズ、それらの分布、そして孔間の相互結合性もESEMを使用して分析した。直径が小さい孔は、体積当たりの表面積が高くなるものが好ましいが、上記孔サイズは懸濁液中の細胞の直径よりも大きいもの(典型的には(typicaly)10μm)に限られる(図1-5)。
【0029】
分解様式
足場材の分解様式は、10日間水中に浸漬することによって評価した。これは、数日間の液系における足場材の保全性を評価するためであった。上記足場材は、ほとんど眼に見える表面分解なしに10日を超える期間持ちこたえた。質的に、上記足場材は試験全体にわたって一様に堅く丈夫であることが認められた。分解率は、組織再生に適切な率へ調節可能でなければならない。10日間の評価の後、足場材の保全性は、試験全体にわたって強いままである。
【0030】
機械的試験
圧縮試験は、lnstron 4302を用いて乾燥及び湿潤状態の足場材において行われた。1-kN ロードセルを用いる汎用機械的試験機(Canton)。1つのサンプルに対する各タイプを試験した。各セットにおいて、多くのサンプルを種々のサイズ及び形状に調製したが、圧縮を用いて種々のジオメトリー及びディメンションに製造した方形(以下の表1に示す)である点を除けば、ほとんど骨のようであった。種々のジオメトリー及びディメンションの足場材の剛性は、応力域の突端において評価した。降伏強度は、応力-歪(MPa)に関する降伏点において得られた。
【0031】
【表1】

表1:乾燥及び湿潤足場材の強さ。
【0032】
示差走査熱量測定(DSC)
種々の比率の足場材サンプルを示差走査熱量測定(DSC)にて分析した。粉末の熱転移は、METTLER TOLEDO(DSC822e Swizzerland)を用いて分析した。典型的には、5mgの3つのサンプルを評価した。それらを室温(25℃)から250℃(10℃/分の割合)まで走査した。
【0033】
DSCを用いて、足場材製造用粉末の熱転移を分析した。観察された第2ピークは、ザルガイの殻粉末の結晶子についての融解に起因するものとすることができ、サンプルに対して観察された第1ピークは、3つの粉末を指す。上記熱特性が足場材の熱特性であり、100℃の第1ピークと第2ピークを有するサンプルであった。それは、良好な混成能であり、材料間に新規な結合を形成していることも示した(図6-7)。
【0034】
X線回折解析
広角X線回折によるX線回折解析試験を常温にて行い、結晶性-非晶性の性質を特徴づけ、結晶相の存在を同定した。0から70度までの回折角を有する回折計システムX’PERTPRO Philips PW3040/60(XRD)を用いる。足場材を分析前に挽いた。40kVの加速電圧及び30mAを分析に用いた。
【0035】
XRDを用いてCaCO3の結晶性/非晶性の性質を特徴づけ、結晶相の存在を同定した。主なCaCO3反射ピーク(例:1000超のものや500と1000の間のもの)がこれらナノCaCO3粒子のX線回折パターンに存在し、一般的な第2相(例:ゼラチン、デキストリン、デキストラン)は見つからないことから、CaCO3の相組成が確認された(図8-9)。
【0036】
吸水試験
サンプルを種々の量のコポリマー溶液(ポリ(L-ラクチド)PLA及びポリカプロラクトンPCLをジクロロメタン(CH2CI2)無毒性溶液に溶解して作製した溶液)に浸潤させ、よく蒸発させた。種々のタイプの足場材を10分間水に浸漬し、吸水量を評価した。足場材を10分間水に浸漬し乾燥させた後、最後の10分間浸漬を行った。
【0037】
足場材を10分間水に浸漬し、凍結法にて吸水量を評価した。
【0038】
図10の結果から、使用したコポリマーの量をより多く得ることで、吸水に対する耐性がより良好になることが明らかになる。最初の10分後、グループ244(11.428)、352(7.547)について浸漬した足場材系列は、グループ334(5.172)、226(7.692)、262(6.25)によって浸漬した足場材系列よりも耐性であった。
【0039】
本発明は、このように記載されているが、様々な方法にて変更させても同じであることは明らかであろう。かかる変更は本発明の範囲内であるとみなすべきであり、当業者にとって明らかである、かかる修正態様の全ては以下の特許請求の範囲内であることを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ザルガイの殻粉末、デキストリン、ゼラチン及びデキストランの混合物を含む骨再建用三次元足場材のための多孔性組成物。
【請求項2】
前記組成物が50gのザルガイの殻粉末、30gのゼラチン、30gのデキストラン及び40gのデキストリンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の多孔性組成物。
【請求項3】
前記組成物が50gのザルガイの殻粉末、30gのゼラチン、50gのデキストラン及び20gのデキストリンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の多孔性組成物。
【請求項4】
前記組成物が50gのザルガイの殻粉末、20gのゼラチン、60gのデキストラン及び20gのデキストリンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の多孔性組成物。
【請求項5】
前記組成物が50gのザルガイの殻粉末、20gのゼラチン、20gのデキストラン及び60gのデキストリンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の多孔性組成物。
【請求項6】
前記組成物が50gのザルガイの殻粉末、20gのゼラチン、40gのデキストラン及び40gのデキストリンを含むことを特徴とする、請求項1に記載の多孔性組成物。
【請求項7】
三次元足場材のための多孔性組成物の調製方法であって、次の工程:
(a)脱イオン熱水にゼラチン、デキストラン及びデキストリンを溶解すること、
(b)混合物を撹拌すること、
(c)ザルガイの殻粉末を前記混合物に加えること、
(d)前記混合物を成形されたワックスブロックに注ぐこと、
(e)前記混合物を乾燥させること、
(f)前記成形されたワックスブロックを除去し、足場材(scafflold)を取得すること、
(g)前記足場材を乾燥させること、
を含む方法。
【請求項8】
工程(a)において前記脱イオン熱水が70-80℃の温度であり、前記工程(a)は2時間実行されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
工程(d)において前記ワックスブロックの形状及びサイズが骨欠損の形状及びサイズに応じた設計であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
工程(e)が一晩、室温及び常圧にて前記混合物を放置することによって達成されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
工程(f)の前記足場材を室温で1又は2日間乾燥させ、次に前記足場材を60℃のオーブンで2日間乾燥させることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
三次元足場材のための多孔性組成物の調製方法であって、次の工程:
(a)脱イオン熱水にザルガイの殻粉末、ゼラチン、デキストラン及びデキストリンを溶解すること、
(b)混合物を撹拌すること、
(c)前記混合物を成形されたワックスブロックに注ぐこと、
(d)凍結乾燥機内にて前記混合物を乾燥させること、
を含む方法。
【請求項13】
工程(a)において前記脱イオン熱水の温度が60℃であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程(b)において前記工程を攪拌機にて60分間実行し、材料を均質化することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
工程(d)においてディープフリーザーの温度が-80℃であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
工程(d)を24時間実行することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記足場材を凍結乾燥機を用いて24時間、-50℃にて更に乾燥することを特徴とする、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−514488(P2012−514488A)
【公表日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544390(P2011−544390)
【出願日】平成21年6月9日(2009.6.9)
【国際出願番号】PCT/MY2009/000069
【国際公開番号】WO2010/077128
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(511161052)マレーシアプトラ大学 (1)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITI PUTRA MALAYSIA
【住所又は居所原語表記】43400 UPM, Serdang, Selangor (MY)
【Fターム(参考)】