説明

骨再生材料およびその製造方法

【課題】第8燐酸カルシウム(OCP)とアルギン酸ナトリウムとを反応させて得た複合体について、操作性、形態付与性に優れながら細胞接着性に優れた成形体になる骨再生材料を簡単に提供する。
【解決手段】OCPとアルギン酸ナトリウムとを反応させて得た複合体を、遠心分離機を用いて4.1×10−3MPaまたは3.7×10−2MPaの圧力で加圧し、これによって平均細孔容積が5.820cm/gから6.160cm/gの範囲の多孔質細孔を有していて、操作性、形態付与性に優れながら細胞接着性に優れた骨再生材料としての成形体を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムを用いて生体親和性、細胞接着性に優れた骨再生材料およびその製造方法の技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH):以下「HA」と略記する)の前駆体である第8燐酸カルシウム(Ca(PO・5HO:以下「OCP」と略記する)は、優れた骨伝導能を有すること(非特許文献1)、破骨細胞による吸収性を有すること(非特許文献2)、そして用量依存的に骨芽細胞の分化を促進すること(非特許文献3)が知られている。そしてOCPとコラーゲンとの複合体は、形態付与性を備えた骨再生材料(人工骨材)であることが知られている(例えば特許文献1参照)。また、HAの前駆体である非晶質燐酸カルシウム(Ca(PO・nHO:以下「ACP」と略記する)についてもOCPと同様の性質があることが報告されている(非特許文献4参照)。さらにまた、同じくHAの前駆体である第二燐酸カルシウム(第2燐酸カルシウム無水物(CaHPO:以下「DCPA」と略記する)あるいは第2燐酸カルシウム2水和物(CaHPO・2HO:以下「DCPD」と略記する))についてもOCPと同様の性質があることが報告されている(特許文献2及び非特許文献5参照)。
【特許文献1】特開2006−167445号公報
【特許文献2】特許第2788721号公報
【非特許文献1】Suzuki O. et al.,Tohoku J.Eng.Med.,164:37−50,1991.
【非特許文献2】Imaizumi H. et al.,Calcif.Tissue Int.78:45−54,2006.
【非特許文献3】Anada T. et al.,Tissue Eng.,2008 in press.
【非特許文献4】Meyer JL,Eanes ED,CTI 1978
【非特許文献5】Eidelman N. et al.,Calcif Tissue Int.,41:18−26,1987
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが前記OCPのコラーゲンとの複合体についてみたときに、前記特許文献1に記載の製造方法では、適切な強度を有し、かつ細胞の増殖に適した平均細孔容積の多孔質細孔を有するように製造するのは困難であり、実用化するにはさらに細胞接着性を高めるための検討が必要であり、ここに本発明が解決せんとする課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムと、水溶性高分子または多糖類のなかから選択される少なくとも一種類の化合物とからなる複合体であって、該複合体に、4.1×10−3MPaから、3.7×10−2MPaと1.0×10−1MPaとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する圧力の範囲で加圧して成形した成形体であることを特徴とする骨再生材料である。
請求項2の発明は、ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムと、水溶性高分子または多糖類のなかから選択される少なくとも一種類の化合物とからなる複合体であって、該複合体を、4.747cm/gと5.820cm/gとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する平均細孔容積から6.160cm/gの範囲の平均細孔容積の多孔質細孔を有するように加圧して成形した成形体であることを特徴とする骨再生材料である。
請求項3の発明は、加圧は遠心分離によるものであることを特徴とする請求項1または2記載の骨再生材料である。
請求項4の発明は、ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムは、第8燐酸カルシウム、非晶質燐酸カルシウム、第二燐酸カルシウムの少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の骨再生材料である。
請求項5の発明は、ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムと、水溶性高分子または多糖類のなかから選択される少なくとも一種類の化合物とからなる複合体からなり、該複合体に、4.1×10−3MPaから、3.7×10−2MPaと1.0×10−1MPaとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する圧力の範囲で加圧して成形体を得ることを特徴とする骨再生材料の製造方法である。
請求項6の発明は、ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムと、水溶性高分子または多糖類のなかから選択される少なくとも一種類の化合物とからなる複合体からなり、該複合体を、4.747cm/gと5.820cm/gとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する平均細孔容積から6.160cm/gの範囲の平均細孔容積の多孔質細孔を有するように加圧して成型体を得ることを特徴とする骨再生材料の製造方法である。
請求項7の発明は、加圧は遠心分離によるものであることを特徴とする請求項4または5記載の骨再生材料の製造方法である。
請求項8の発明は、ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムは、第8燐酸カルシウム、非晶質燐酸カルシウム、第二燐酸カルシウムの少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の骨再生材料の製造方法である。
【発明の効果】
【0005】
請求項1、2、5または6の発明とすることにより、ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムの水溶性高分子または多糖類との複合体について、操作性、形態付与性に優れながら、細胞接着性に優れた成形体になる骨再生材料を簡単に提供することができる。
請求項3または7の発明とすることにより、遠心分離という簡単な操作で形態付与性を付与した成形体ができることになる。
請求項4または8の発明とすることにより、入手が容易なHAの前駆体である燐酸カルシウムを用いて細胞接着性に優れた成形体になる骨再生材料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、HAの前駆体である燐酸カルシウムについて、アルギン酸やコラーゲンに代表される水溶性高分子、多糖類の中から選択される少なくとも1種類の化合物と複合体を生成し、該複合体について加圧することで操作性、形態付与性に優れた骨再生材料を生成できるものであり、この場合に、加圧する際の圧力は、3.7×10−2MPaと1.0×10−1MPaとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する圧力から4.1×10−3MPaの範囲である。圧力が4.1×10−3MPaよりも小さいと、成形体はボソボソ感が強く脆いものになって形態付与性が乏しくて実用性に欠ける。また3.7×10−2MPaと1.0×10−1MPaとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する圧力を越えると成形体が密になりすぎて細孔の径が小さくなって細胞が入りづらく細胞接着性が低下する。
【0007】
一方、前記複合材は、前記加圧することで多孔質細孔を有した成形体になるが、この場合、多孔質細孔は、4.747cm/gと5.820cm/gとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する平均細孔容積から6.160cm/gの範囲であり、6.160cm/gよりも大きいと、成形体はボソボソ感が強く脆いものになって形態付与性が乏しくて実用性に欠け、また4.747cm/gと5.820cm/gとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する平均細孔容積よりも小さいと成形体が密になりすぎて細孔の径が小さくなって細胞が入りづらく細胞接着性が低下する。
【0008】
これらにおいて加圧手段としては遠心分離機やプレス機等の汎用される適宜の加圧手段を採用できるが、遠心分離機による場合、内部に至るまで均一的な加圧ができることになって好適である。
また、HAの前駆体である燐酸カルシウムは、前述したOCP、ACP、DCPAあるいはDCPDの化合物に代表され、これらHAの前駆体である燐酸カルシウムから選択される少なくとも1種類の化合物と水溶性高分子または多糖類とを反応させて複合体を生成することになるが、水溶性高分子としては、例えば、コラーゲン、ポリエチレングリコール、ポリリジン及びポリグルタミン酸等があり、また多糖類としては、例えばアルギン酸、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸等がある。そしてこれらから選択された少なくとも1種類の化合物と前述したHAの前駆体である燐酸カルシウムとの複合体を形成することになるが、取り扱い易いという観点から、水溶性高分子または多糖類は、ナトリウム塩、またはカリウム塩として反応に用いることが好ましい。
好適な複合体の生成方法は、主に、水溶性高分子または多糖類の水溶液に、カルシウム溶液及びリン酸溶液を添加し、水溶性高分子または多糖類にHAの前駆体である燐酸カルシウムを析出させる方法が挙げられる。HAの前駆体である燐酸カルシウムの析出条件は、当業者により適宜設定できるものであり、例えば、OCPの析出条件は、Y. Honda et. al. Journal of Biomedical Materials Research Part B, DOP 10.1002/jbmb, page 281−289を参考にすることができる。尚、上述の加圧が遠心分離である場合は、この方法で生成された複合体の脱水行程も兼ねることができる。
【実施例】
【0009】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定して解釈してはならない。
【0010】
<実施例1>
アルギン酸ナトリウム(0.2wt%)のリン酸緩衝液溶液を調製した。次いで、この溶液を70℃に保ちつつ、この溶液に0.08mol/Lの酢酸カルシウム水溶液を一定速度で滴下した。その後、析出したスラリーを純水で懸濁した後、3,000rpm、5分の条件で4回遠心分離することにより、スラリーを精製した。この精製物に純水を加えて再度懸濁させた。この懸濁物を、1,000rpm、5分の条件(4.1×10−3MPaに相当)で遠心分離(微量高速冷却遠心機MX−301S、遠心半径:8.1cm、株式会社トミー精工製)して加圧成形して成形体を得た。そして、この成形体を直径4mm、厚さ0.5mmの専用の型枠で型抜き成型した。この成型物を約12時間凍結乾燥(EYELA,FDU−1200型)した。この凍結乾燥物を、120℃、2時間で、乾熱滅菌することにより、OCP/アルギン酸複合体の目的とする成形体を製造した。
【0011】
<実施例2>
遠心分離の条件を、1,000rpmから3,000rpm(3.7×10−2MPaに相当)としたこと以外は、実施例1と同様にOCP/アルギン酸複合体の成形体を製造した。
【0012】
<比較例1>
加圧成形時の遠心分離条件を、1,000rpmから5,000rpm(1.0×10−1MPaに相当)としたこと以外は、実施例1と同様にOCP/アルギン酸複合体の成形体を製造した。
【0013】
<比較例2>
加圧成形時の遠心分離条件を、1,000rpmから10,000rpm(4.1×10−1MPaに相当)としたこと以外は、実施例1と同様にOCP/アルギン酸複合体の成形体を製造した。
【0014】
<比較例3>
加圧成形時の遠心分離条件を、1,000rpmから15,000rpm(9.2×10−1MPaに相当)としたこと以外は、実施例1と同様にOCP/アルギン酸複合体の成形体を製造した。
【0015】
以上の実施例1並びに2、及び比較例1〜3の製造条件は、表1の通りとなる。以下、これらの実施例及び比較例を0.2系と称す。尚、実施例1並びに2、及び比較例1〜3で得られた成形体は、全てOCP/アルギン酸複合体であることを、FT−IR(FREEXACT−II,HORIBA)測定と、XRD(MiniFlex,株式会社リガク)測定により確認した。
【0016】
【表1】

【0017】
<実施例3>
アルギン酸ナトリウムの濃度を0.2wt%から、0.4wt%にした以外は実施例1と同様に行った。
【0018】
<実施例4>
アルギン酸ナトリウムの濃度を0.2wt%から、0.4wt%にした以外は実施例2と同様に行った。
【0019】
<比較例4>
アルギン酸ナトリウムの濃度を0.2wt%から、0.4wt%にした以外は比較例1と同様に行った。
【0020】
<比較例5>
アルギン酸ナトリウムの濃度を0.2wt%から、0.4wt%にした以外は比較例2と同様に行った。
【0021】
<比較例6>
アルギン酸ナトリウムの濃度を0.2wt%から、0.4wt%にした以外は比較例3と同様に行った。
【0022】
以上の実施例3並びに4、及び比較例4〜6の製造条件は、表2の通りとなる。以下、これらの実施例及び比較例を0.4系と称す。尚、実施例3並びに4、及び比較例4〜6で得られた成形体は、全てOCP/アルギン酸複合体であることを、FT−IR、(FREEXACT−II,HORIBA)測定と、XRD(MiNiFlex,株式会社リガク)測定により確認した。
【0023】
【表2】

【0024】
<実験例1:SEM観察>
各実施例及び比較例のOCP/アルギン酸複合体の成形体の断面の構造を評価した。具体的には、実施例2、比較例1及び比較例2のOCP/アルギン酸複合体の成形体を、技工用メスで切断した。この切断面の構造について、SEM観察(e−SEM,株式会社マルトー)により評価した。
【0025】
図1は、実施例2、比較例1及び比較例2のOCP/アルギン酸複合体の成形体の切断面のSEM画像(500倍)である。高倍率の観察においては、明確な違いは確認できないが、実施例2のOCP/アルギン酸複合体の成型体は、空隙のある部位と、密で空隙のない部位が確認された。一方、比較例1及び比較例2のOCP/アルギン酸複合体の成型体は、ある程度、空隙の分布が、均等になっていることが確認された。
【0026】
図2は、実施例2、比較例1及び比較例2のOCP/アルギン酸複合体の成形体の切断面のSEM画像(100倍)である。実施例2のOCP/アルギン酸複合体の成形体は、その構造が、密な部分と、疎な部分が混在したものであることが確認できた。一方、比較例1及び比較例2のOCP/アルギン酸複合体の成形体は、構造が全体的に密になっているのが確認できた。
【0027】
<実験例2:細胞接着性の評価>
各実施例及び比較例のOCP/アルギン酸複合体の成形体の細胞接着性を評価した。具体的には、24ウェルの細胞非接着性プレートの各ウェルに、実施例1〜4及び比較例1〜6のOCP/アルギン酸複合体の成形体をそれぞれ載置した。4.0×10cell/200μLに調製した骨芽細胞様細胞(マウス骨髄由来間質細胞株:ST−2)の細胞懸濁液(培地:Minimum Essential Medium,Eagle使用)を、各ウェルに200μLずつ播種した。37℃、5%CO環境下で、100rpmで6時間振盪させた後、3日間細胞培養を行った。そして、cell counting kit−8(同仁化学株式会社)にて細胞数を計測し、複合体の成型体の細胞接着性を評価した。
【0028】
その結果を図3に示す。図3の結果によれば、細胞の接着性は、0.2系、0.4系ともに、実施例と比較例とから明らかなように、実施例2および4と比較例1および4とのあいだに差があることが認められ、これを加圧する際の圧力でみた場合には、3.7×10−2MPaと1.0×10−1MPaとのあいだに差があり、これは加圧する際の圧力が大きくなると、成形した成形体の細孔(空隙)が小さくなって密になり、この結果、細胞が入りづらくなって細胞の接着性が阻害されることによるものと推定される。このことは、細胞の入りやすい径の細孔を与えるための大きい方の加圧条件が3.7×10−2MPaと1.0×10−1MPaとのあいだにあり、この結果、加圧条件は、から4.1×10−3MPaから、3.7×10−2MPaと1.0×10−1MPaとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する圧力の範囲で加圧するものとなる。
るといえる。
【0029】
<実験例3:構造評価>
実施例及び比較例のOCP/アルギン酸複合体の成形体の平均細孔容積を水銀圧入法(全自動細孔分布測定装置:PoreMaster 60 ユアサアイオニクス株式会社製)により評価した。その結果を表3に示す。
【0030】
【表3】

【0031】
表3の結果から、加圧して成形される多孔質細孔は、平均細孔容積として4.747cm/gと5.820cm/gとのあいだに細胞が入りやすい径の細孔を形成するところがあり、ここから平均細孔容積が6.160cm/gの範囲までが形態安定性があって細胞の入りやすい多孔質細孔を形成するものであると言える。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施例2、比較例1、2で成形した成形体の切断面の500倍の電子顕微鏡写真図である。
【図2】実施例2、比較例1、2で成形した成形体の切断面の100倍の電子顕微鏡写真図である。
【図3】各実施例、比較例で成形した成形体に骨芽細胞様細胞を培養したときの細胞数を示すグラフ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムと、水溶性高分子または多糖類のなかから選択される少なくとも一種類の化合物とからなる複合体であって、該複合体に、4.1×10−3MPaから、3.7×10−2MPaと1.0×10−1MPaとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する圧力の範囲で加圧して成形した成形体であることを特徴とする骨再生材料。
【請求項2】
ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムと、水溶性高分子または多糖類のなかから選択される少なくとも一種類の化合物とからなる複合体であって、該複合体を、4.747cm/gと5.820cm/gとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する平均細孔容積から6.160cm/gの範囲の平均細孔容積の多孔質細孔を有するように加圧して成形した成形体であることを特徴とする骨再生材料。
【請求項3】
加圧は遠心分離によるものであることを特徴とする請求項1または2記載の骨再生材料。
【請求項4】
ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムは、第8燐酸カルシウム、非晶質燐酸カルシウム、第二燐酸カルシウムの少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の骨再生材料。
【請求項5】
ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムと、水溶性高分子または多糖類のなかから選択される少なくとも一種類の化合物とからなる複合体からなり、該複合体に、4.1×10−3MPaから、3.7×10−2MPaと1.0×10−1MPaとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する圧力の範囲で加圧して成形体を得ることを特徴とする骨再生材料の製造方法。
【請求項6】
ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムと、水溶性高分子または多糖類のなかから選択される少なくとも一種類の化合物とからなる複合体からなり、該複合体を、4.747cm/gと5.820cm/gとのあいだにある細胞が入りやすい径の細孔を形成する平均細孔容積から6.160cm/gの範囲の平均細孔容積の多孔質細孔を有するように加圧して成形体を得ることを特徴とする骨再生材料の製造方法。
【請求項7】
加圧は遠心分離によるものであることを特徴とする請求項5または6記載の骨再生材料の製造方法。
【請求項8】
ハイドロキシアパタイトの前駆体である燐酸カルシウムは、第8燐酸カルシウム、非晶質燐酸カルシウム、第二燐酸カルシウムの少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする請求項5乃至7の何れか1記載の骨再生材料の製造方法。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−254547(P2009−254547A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106640(P2008−106640)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】