説明

骨密度の改善剤

【課題】 骨密度の改善を目的とした医薬品または食品を提供することにある。
【解決手段】 ウナギの肝(きも)を有効成分とする骨密度の改善製剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
骨密度の改善を目的とした医薬品または食品に関する。
【背景技術】
【0002】
骨密度の治療薬や健康食品としてはエルカルシトニン、エムカルシトニン薬剤やカルシウムやビタミンDが用いられているが、その選択枝は少なく、新たな骨密度を改善するものの開発が望まれている。エルカルシトニンはうなぎの肝から抽出し合成したものが使われ、現在注射薬として利用されている。
【0003】
ウナギの肝(きも)は、ウナギの肉を蒲焼などに利用する際に取り除くウナギの内臓の総称である。通常、「きも吸い」(ウナギのきも入りのお吸い物)や「きも焼き」(ウナギ肝を串刺しにして焼いたもの)に利用される。ウナギの肝(きも)とカルシウムの混合したものが骨密度の改善、治療に有効であるという報告は全くない。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
骨密度の改善を目的とした医薬品または食品を提供することにある。
従来の骨密度の治療薬には注射薬があり、注射の痛みや、注射をするのに病院や医院まで行かなくてはならないので患者の負担となるとともに、注射の間隔によりその効果が出にくいという状況がある。本発明はいつでもどこでも簡単に摂取できるようにして患者に負担をかけず骨密度の改善ができる。
改善ができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ウナギの肝(きも)とカルシウムとの組み合わせにより顕著な骨密度を改善することがわかった。すなわち、本発明は、ウナギの肝(きも)とカルシウムを有効成分とする骨密度の改善を目的とする製剤を提供する。
注射薬の場合多くの場合毎日注射をすることは難しくそのため数日の間隔になる。そのためその有効成分を血中に安定して維持することが難しく効果が持続できない。本製品は飲用として毎日数回に分けて飲むことで血液中の肝の成分を維持することが容易にできる。これにより作用が従来の注射のように患者に容易に負担をかけずにその効果を維持できる。
このうなぎの肝を常備いつでも摂取可能にすることで容易に摂取できる。
【発明実施の形態】
【0006】
本発明に関わるウナギの肝(きも)は、ウナギの肉を蒲焼などに利用する際に取り除くウナギの内臓部分をさす。生のまま利用してもよく、乾燥した後用いてもよい。また必要に応じて粉砕、加熱、抽出などの操作を加えたものを用いることもできる。
【0007】
本発明に関わる骨密度を改善制剤を製造するには、上記の方法で製造したウナギの肝(きも)またはその抽出物を用い、常法に従って公知の無毒性担体と組み合わせて製剤化すればよい。本発明に関わる骨密度の改善製剤は、種々の剤型での投与が可能であり、例えば、経口投与剤としては粉体、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、ソフトカプセル剤、ドリンク剤等の固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等が挙げられ、非経口投与剤としては、注射剤のほか、坐剤、噴霧剤、経皮吸収剤等が挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調整することができる。上記の無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、アルブミン、水、生理食塩水等が挙げられる。また、組み合わせるカルシウムとしては粉末から液化(微細化しカルシウムを液に混合したもの)などその形状にはこだわらずまた精製したもの、およびカルシウム混入したものを一緒に肝と混ぜたもの、および別に摂取しても良い。必要に応じて、安定化剤、滑剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤等の慣用の添加剤を適宜添加することができる。本発明に関わる骨密度を改善製剤において、ウナギの肝(きも)の投与量は、患者の年齢、体重、症状、疾患の程度、投与スケジュール、製剤形態などにより、適宜選択・決定されるが、例えば、一日あたり0.01−10g/kg体重程度とされ、一日数回に分けて投与してもよい。
【0008】
また、本発明に関わるウナギの肝(きも)は、食経験も豊富なことから安全性が高く、骨密度の改善を目的として、機能性食品として摂取することもできる。本発明に関わるウナギの肝(きも)を含有することを特徴とする機能性食品は、特定保健用食品、栄養機能性食品、又は健康食品として位置づけることができる。機能性食品としては、上記の方法で製造したウナギの肝(きも)または抽出物をそのまま用いる他、例えば、適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、食用に適した形態、例えば、粉体、顆粒状、粒状、錠剤、カプセル剤、ペースト状、液状等に形成したものを用いることができる。この機能性食品は、そのまま食用に供してもよく、また種々の食品(例えばハム、ソーセージ、かまぼこ、ちくわ、パン、バター、粉乳、菓子など)に添加して使用したり、水、酒類、果汁、牛乳、清涼飲料水等の飲物に添加して使用してもよい。かかる食品の形態における本発明のウナギの肝(きも)の摂取量は、対象の年齢、体重、症状、摂取スケジュール、製剤形態などにより、適宜選択・決定されるが、例えば、一日あたり0.01−10g/kg体重程度とされる。
【実施例】
【0009】
以下に本発明をより詳細に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
【0010】
実施例 ウナギ肝(きも)粉末の骨密度の改善作用
ウナギの肝(きも)粉末は特開2004−173644に示した方法によって作製した。簡潔に記すと、ウナギの肝(きも)を取り出し胃内容物を除去した後、熱湯に五分間漬け、その後、氷冷水で冷却した。その後水とともに粉砕した。粉砕物を凍結乾燥し粉末を得た。これをカプセルにうなぎの肝135mgと調整剤としてビール酵母60mgを1カプセルに充填して1カプセルとしたものを毎日午前中2カプセル、午後2カプセル、そしてカルシウムとしてうなぎの骨1/2匹分を朝1回、夜1回合計2回で約1匹分を摂取した。
【0011】
検査は検査開始時 77歳女性に2006年3月18日16時48分検査結果
Zスコア 89%、Tスコア 58% 骨密度0.376g/cm
【表1】

【0012】
検査終了時 2006年10月2日16時1分
Zスコア 95%、Tスコア 62% 骨密度0.404g/cm
【表2】

医療法人千清会 鈴木脳神経外科調べ
上記データから2006年3月19日から2006年10月2日までで骨密度として0.376g/cm2から0.404g/cm2へ、同じ年の骨密度と比較して89%から95%の改善がみられた。
【0013】
この結果より、半年間で6%の改善効果があらわれた。これによりウナギ肝(きも)粉末とカルシウムの投与による用量依存的な骨密度を改善する効果が示された。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、うなぎの肝(きも)を有効成分とする骨密度改善製剤を目的とした医薬品または食品を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
うなぎの肝にカルシウムを加えた医薬品、または食品
【請求項2】
うなぎの肝を粉末、液状、ゼリー状、カプセル状、粒状、顆粒状、その他に加工したものにカルシウムを加えた粉末、液状、ゼリー状、カプセル状、粒状、顆粒状、その他に加工したもの。
【請求項3】
うなぎの肝を含む粉末、液状、ゼリー状、カプセル状、粒状、顆粒状、その他に加工したものにカルシウムを加えた粉末、液状、ゼリー状、カプセル状、粒状、顆粒状、その他に加工したもの。
【請求項4】
うなぎの肝を含む粉末、液状、ゼリー状、カプセル状、粒状、顆粒状、その他に加工したものにカルシウムを加えた粉末、液状、ゼリー状、カプセル状、粒状、顆粒状、その他に加工したもの、さらにビタミンD、KやIF3などを加えたもの。
【請求項5】
上記のものにうなぎの骨およびうなぎの骨を粉末上に加工したものを加えたもの。

【公開番号】特開2008−195700(P2008−195700A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−60868(P2007−60868)
【出願日】平成19年2月10日(2007.2.10)
【出願人】(300076688)有限会社湘南予防医科学研究所 (54)
【出願人】(302064049)
【Fターム(参考)】