説明

骨成長誘導物質の運搬および送達用組成物、およびその組成物の製造および適用方法

本発明の様々な実施形態は、骨成長誘導物質を(例えば、生骨及び(又は)他の骨格組織に向けて、欠陥などを修復するために)送達するための組成物に関する。より詳細には、本発明の様々な実施形態は、(限定はされないが)脱鉱骨基質(DBM:脱鉱骨マトリックス)や、皮質−海綿様骨チップ(CCC:cortical−cancellous bone chips)を含む骨治療物質(例えば、骨誘導及び(又は)骨伝導物質)の送達メカニズムに関する。本発明の様々な実施形態によるある組成物は、生理学的に受容可能な生分解性担体、骨誘導物質及び(又は)骨伝導物質(例えば、DBMおよびCCC)の混合物を含んでいてもよい。このように、組成物は(例えば、欠陥のある骨組織及び(又は)他の生組織に適用して)、新しい骨の形成を促進することができる。本発明の他の実施形態は、組成物の調製とそのような組成物の使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な実施形態は、骨治療物質を(例えば、生骨及び(又は)他の骨格組織に向けて、欠陥などを修復するために)送達するための組成物に関する。より詳細には、本発明の様々な実施形態は、(限定はされないが)脱鉱骨基質(DBM:脱鉱骨マトリックス)や、皮質−海綿様骨チップ(CCC:cortical−cancellous bone chips)を含む骨治療物質(例えば、骨誘導及び(又は)骨伝導物質)の送達メカニズムに関する。本発明の様々な実施形態による物質は、生理学的に受容可能な生分解性担体と、骨誘導物質及び(又は)骨伝導物質(例えば、DBMおよびCCC)との混合物を含んでいてもよい。このように、組成物は(例えば、欠陥のある骨組織及び(又は)他の生組織に適用して)、新しい骨の形成を促進することができる。本発明の他の実施形態は、組成物の調製とそのような組成物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
骨欠陥の修復を容易にすることを目的とした化合物はこれまでにも開示されている。同様に、薬物および他の治療剤の送達のための担体(この担体は、ポリ(エチレングリコール)の中央ブロックを含むマクロマーである)として機能しうる組成物もこれまでに開示されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本願の目的において、「骨治療物質(または「骨治療因子」)」という用語は、骨の成長を促進する物質のことをいう。骨治療物質または因子としては、(限定はされないが)骨誘導物質、骨伝導物質、骨形成物質および骨促進物質が挙げられる。さらに、骨治療物質または因子としては、(限定はされないが)BMP2、BMP4およびBMP7などの骨形態形成タンパク質(BMP)(OP1);DBM、血小板由来増殖因子(PDGF);インスリン様増殖因子IおよびII(IGF−I、IGF−II);線維芽細胞増殖因子(FGF);形質転換成長因子β(TGF−β);多血小板血漿(PRP);血管内皮増殖因子(VEGF);成長ホルモン;小ペプチド;遺伝子;幹細胞、自己骨、同種骨、骨髄、生体高分子およびバイオセラミクスが挙げられる。
【0004】
さらに、本願の目的において、用語「骨誘導剤」(または「骨誘導物質」)は、異所性骨形成を誘導する能力を有した物質のことをいう。骨誘導物質としては、(限定はされないが)、DBM、BMP2、BMP4およびBMP7が挙げられる。
【0005】
さらに、本願の目的において、用語「骨伝導剤」(または「骨伝導物質」)は、異所性骨形成能力を有しないものの、骨芽細胞に対して、新しい骨の付着、増殖、及び(又は)合成を行うための表面を提供する物質のことをいう。骨伝導物質としては(限定はされないが)、CCC;ヒドロキシアパタイト(HA);リン酸三カルシウム(TCP);HA/TCP混合物;他のリン酸カルシウム;炭酸カルシウム;硫酸カルシウム;コラーゲン(collogen);およびDBMが挙げられる。
【0006】
またさらに、本願の目的において、用語「骨形成因子」(または「骨形成物質」)とは、骨治癒細胞の増殖を提供し、支援する物質のことをいう。骨形成物質としては(限定はされないが)、自家海綿骨、骨髄、骨膜、および幹細胞が挙げられる。
【0007】
またさらに、本願の目的において、用語「骨促進剤」(または「骨促進物質」)は、骨修復の天然のカスケードを強化または加速する物質のことをいう。骨形成物質としては(限定はされないが)、PRP、FGF類、TGF−β、PDGF、VEGFが挙げられる。
【0008】
またさらに、本願の目的において、用語「患者」とは、本発明の組成物、担体及び(又は)骨治療物質を移植する任意の動物(例えば、ヒト、哺乳動物、脊椎動物)のことをいう。
【0009】
開示した利点および改良のうち、本発明の他の目的および利点については、添付の図面と合わせて、以下の説明から明らかになるであろう。図面は、本明細書の一部を構成し、本発明の説明的実施形態を含み、その様々な目的および特徴を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の詳細な実施形態を開示するが、開示する実施形態は、様々な形態で具現してもよい本発明を説明するものにすぎない。さらに、本発明の様々な実施形態に関連して提供するそれぞれの実施例は、説明的なものであり、限定的なものではない。さらに、図面は必ずしも等縮尺では描かれておらず、いくつかの特徴は、特定の要素の詳細を示すために誇張されている場合もある。したがって、本明細書中に開示する特定の構造上および機能上の詳細は、限定的なものと解釈すべきでなく、単に、本発明を様々に実施するために当業者に教示を与えるための代表的な原理であるとみなすべきである。
【0011】
DBMは、骨のタンパク質成分である。DBMは、提供骨組織から、まず皮質骨を所望の粒径に粉砕し、次に塩酸中で骨粒子からミネラルを除去し、最後に脱鉱粒子を凍結乾燥して水を除去することにより調製する。
【0012】
皮質海綿骨チップは、皮質および海綿骨から製粉または粉砕した皮質および海綿骨粒子の混合物である。
【0013】
脱鉱同種移植骨チップは典型的には、貯蔵寿命を長くするために、凍結乾燥されて無菌の形態で入手可能である。ここでいう組成物の脱鉱骨成分とは、既知のタイプの粉砕または粉末化された物質のことであり、既知の手順に従って調製される。「脱鉱骨マトリックス」という用語は、比較的細かい粉末から粗い粒子やさらに大きなチップに及ぶ、広範な平均粒径をもつ骨粒子を含む。したがって、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、本発明の組成物内に存在する骨粉末は、約100〜約1,200μm、または約125〜850μmの平均粒径の範囲のものであってよい。
【0014】
一般に、ヒト同種骨組織は、骨粉末の供給源として好ましいかもしれない。
【0015】
担体として用いるマクロマーは、水溶性ブロック少なくとも1種と、少なくとも1種の生分解性ブロックと、重合可能基少なくとも1種とを含んでいてもよい。少なくとも1種の生分解性ブロックは、カーボネート基またはエステル基を含んでいてもよい。重合後に生分解性物質を得るために、各重合可能基は、少なくとも1種の生分解性結合または基によって、マクロマー上のあらゆる他の重合可能基から分離する必要があるかもしれない。
【0016】
1つの例(限定的ではなく説明的な意味の例として)において、少なくともマクロマーの一部分が、1つを越える反応性基を含み、架橋剤として機能してもよく、その結果、マクロマーは架橋されてゲルを形成してもよい。必要とされるミネラル部分は、マクロマーの性質とその溶液中での濃度によって異なり、マクロマー溶液中における架橋剤の割合は、マクロマー溶液の100%であってもよい。
【0017】
ある均一(フリーラジカル)重合反応においては、各重合可能基は鎖内に重合するので、マクロマーにつき1よりわずかに多い反応性基(すなわち、平均して約1.02重合可能基)を用いることにより、架橋ハイドロゲルを生産することができる。しかしながら、より高い比率で用いてもよく、優れたゲルは、分子の殆どまたは全てが2つ以上の反応性二重結合を有するポリマー混合物中において得てもよい。水溶性ブロックの一例であるポロキサミンは、4つのアームを有し、したがって、4つの重合可能基を含むように容易に修飾可能である。
【0018】
本明細書において、「生体適合性」物質とは、激しく激化する反応ではなく、(最悪でも)軽度の、大抵は一過性の移植応答しか刺激しないもののことをいう。
【0019】
本明細書において用いる「生分解性」物質とは、正常なインビボ(in vivo)生理学的条件下において、代謝及び(又は)分泌されうる成分に分解するもののことをいう。
【0020】
本明細書において用いられる「ブロック」とは、サブユニット組成が隣接領域とは異なるマクロマーの領域のことをいう。ブロックは典型的には、非分解性物質に対しては約1,000個以下まで、分解性物質に対しては上限はない、複数のサブユニットを含む。下限については、ブロックのサイズは典型的には、その機能に依存し、最小の大きさは、機能を遂行するのに十分な大きさである。マクロマー上の水溶性を与えるブロックの場合、例えば、400ダルトン以上、600ダルトン以上、少なくとも1,000ダルトンであってもよく、あるいは、2,000〜40,000ダルトンの範囲であってもよい。分解可能な結合に対しては、ブロックの最小の大きさは、機能に対する適当な分解性の単一結合である。一例において(限定的ではなく説明的な意味の例として)、ブロックの大きさは、2〜40基、または3〜20基である。反応性基は、いくつかの目的に対するブロックと考えることができ、そのようなブロック内の典型的なユニット数は1であるが、例えば2〜5であってもよい。
【0021】
本明細書において用いるカーボネートは、−O−C(O)−O−の構造を持つ官能基である。カーボネート出発物質は、トリメチレンカーボネート(TMC)のように環状であってもよいし、あるいは、ジメチルカーボネート(CHO−C(O)−OCH)のように線形であってもよい。重合可能なマクロマーへの取り込み後、カーボネートは少なくとも部分的にR−O−C(=O)−O−R’(式中、RおよびR’は、マクロマーの他の成分である)として存在しうる。
【0022】
本明細書において用いるエステルとは、−O−C(O)−R−O−(式中、Rは線形、分岐または環状アルキル基である)の構造を有する反復単位のことをいう。
【0023】
本明細書において用いるハイドロゲルは、有機ポリマー(天然または合成)が、共有結合、イオン結合または水素結合によって架橋されて、水分子を捕捉した3次元の開格子を作りゲルを形成する場合に形成される物質である。
【0024】
本明細書において用いる「水溶性」とは、約0℃〜50℃の範囲の温度において、水溶液中において少なくとも1グラム/リットルの溶解性として定義される。水溶液には、少量の水溶性有機溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アルコール類、アセトン、及び(又は)グライムが含まれていてもよい。
【0025】
ブロックマクロマーの種類
一般に、マクロマーは一例として(限定的ではなく説明的な意味の例として)、生分解性ブロックと、水溶性ブロックと、重合可能基少なくとも1種とを含むブロックマクロマーであってもよい。1つの例において(限定的ではなく説明的な意味の例として)、マクロマーは、平均して少なくとも1.02重合可能基を含むものであってもよく、平均して1マクロマーあたり少なくとも2つの重合可能基を含んでいてもよい。重合可能基の平均数は、例えば、マクロマーを異なる量の重合可能基と混合することによって得ることができる。
【0026】
個々のブロックは、ジブロック、トリブロック、およびマルチブロックマクロマーを含む、様々な種類のブロックマクロマーを形成するように構成することができる。重合可能基は、生分解性ブロックに直接結合してもよいし、あるいは水溶性非分解性ブロックを介して間接的に結合してもよく、重合可能基同士が生分解性ブロックによって分離されるように結合してもよい。例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、マクロマーが生分解性ブロックに連結された水溶性ブロックを含む場合、一方の重合可能基を水溶性ブロックに結合させて、他方を生分解性ブロックに結合させてもよい。いずれの重合可能基も、少なくとも1種の分解可能な結合によって水溶性ブロックに連結させることができる。
【0027】
ジブロックマクロマーは、生分解性ブロックに連結された水溶性ブロックを含んでいてもよく、一方端または両端が重合可能基でキャップされている。トリブロックマクロマーは、中央水溶性ブロックと外側生分解性ブロックを含んでいてもよく、一方端または両端が重合可能基でキャップされている。あるいは、中央ブロックが生分解性ブロックであり、外側ブロックが水溶性であってもよい。マルチブロックマクロマーは、線形に連結された水溶性ブロックおよび生体適合性ブロックの1つ以上を含んでいてもよい。あるいは、マルチブロックマクロマーは、ブラシ状、櫛状、樹状または星状のコポリマーであってもよい。骨格が水溶性ブロックからなる場合には、バックボーンに付いた分枝またはグラフトの少なくとも1つが生分解性ブロックであってもよい。あるいは、バックボーンが生分解性ブロックからなる場合には、生分解性ブロックも水溶性でなければ、バックボーンに付いた分枝またはグラフトの少なくとも1つが水溶性ブロックであってもよい。別の実施形態において、多価アルコールなどの多官能性化合物は、複数の高分子ブロックに連結されていてもよいが、該高分子ブロックの少なくとも1つが水溶性であり、少なくとも1つが生分解性であるとよい。
【0028】
一般に、生分解性にしようとするマクロマーのあらゆる調製物は、各重合可能基が他の重合可能基から、生分解性の1つまたはそれ以上の結合によって分離されるように構築する必要があるかもしれない。非生分解性物質は必ずしもこの制約は受けないかもしれない。
【0029】
当業者であれば、個々のブロックが均一の組成を持っていてもよいし、あるいはある範囲の分子量を持っていてもよいし、最終ハイドロゲル上で特に所望の特性を与えながらも、マクロマーの必要な特性を保持する比較的短い鎖または個々の種の組み合わせであってもよいことを認識しているであろう。ここでいうブロックの長さは、マクロマー全体の水溶性を維持する制約に従う、単一単位(例えば、生分解性部分における)からオリゴマーブロックなどの数個の繰り返し単位、さらには高分子ブロックなどの多くの反復単位の間で変化してもよい。
【0030】
以下の考察および実施例において、マクロマーは、大抵は、xxKZn(xxは、特記しないかぎりポリエチレングリコール(PEG)であるバックボーンポリマーの分子量を示す桁、Kは千ダルトン単位であり、次にここではZで示す生分解性結合を示す文字がくる。ここでZは、L、G、D、CまたはTのうちの1つ以上であってよく、Lは乳酸、Gはグリコール酸、Dはジオキサノン、Cはカプロラクトン、Tはトリメチレンカーボネート、nはブロック中の分解性基の平均数である)の形のコードによって表す。分子の末端は特記しない限り、アクリルエステル基である。このことは、末尾にA2を付けて示すこともある。
【0031】
生分解性基は、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)(カーボネートまたはエステルだけでなく)、ヒドロキシ酸、オルトエステル、酸無水物または他の合成または半合成分解性結合であってもよいが、マクロマーの目的とする用途に対する十分な程度の分解性を有する場合には、天然物質を生分解性部分のなかで用いてもよい。このような生分解性基は、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、天然または非天然のアミノ酸、炭水化物残基、および他の天然の結合を含んでもよい。生分解時間は、このような結合を加水分解する酵素の局所利用性によって制御することができる。このような酵素の利用性は、当該技術から、あるいは常套的な実験によって確認することができる。
【0032】
水溶性領域
適切な水溶性高分子ブロックとしては、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)、部分的または完全に加水分解されたポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド)−コ−ポリ(プロピレンオキシド)ブロックコポリマー(ポリオキサマーとメロキサポール)、ポロキサミン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースやメチルヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキル化セルロース、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、多糖、またはFicoll(登録商標)などの炭水化物、ポリスクロース、ヒアルロン酸、デキストラン、硫酸コンドロイチン、ヘパリン、またはアルギン酸塩、およびゼラチン、コラーゲン、アルブミンもしくはオボアルブミンなどのタンパク質から調製されたものが挙げられる。
【0033】
溶解性ポリマーブロックは、本質的に生分解性であってもよいし、あるいは体内においては難生分解性または効果的に非生分解性のものであってよい。後の2つのケースにおいて、溶解性ブロックは、排泄を可能にするように十分に低分子量であってもよい。ヒト(または使用対象とする他の種)における排泄を可能にする最大の分子量は、ポリマーの種類によって変わるが、大抵の場合、約40,000ダルトン以下である。ポリペプチド、ポリヌクレオチド、および分解性多糖を含む、水溶性の天然ポリマーおよび合成の均等物または誘導体を用いてもよい。
【0034】
水溶性ブロックは、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、少なくとも600ダルトン、2,000ダルトン以上、あるいは少なくとも3,000ダルトンの分子量を有する単一のブロックであってもよい。あるいは、水溶性ブロックは、他の基によって接合した2つ以上の水溶性ブロックでもよい。このような接合基は、生分解性結合、重合可能な結合、またはその両方を含んでいてもよい。例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、マレイン酸、フマル酸、またはアコニット酸などの不飽和カルボン酸を、下記に記載する分解性基によってエステル化してもよく、そのような連結基は、その一方端または両端において、ポリエチレングリコールなどの親水性基と共役していてもよい。別の実施形態において、2つ以上のPEG分子を、カーボネート結合を含む生分解性結合で接合して、次に重合可能基で末端をキャップしてもよい。
【0035】
生分解性ブロック
生分解性ブロックは、インビボ条件において加水分解可能なものであってもよい。少なくとも1種の生分解性領域はカーボネートまたはエステル結合であってもよい。追加の生分解性ポリマーブロックは、ヒドロキシ酸のポリマーもしくはオリゴマーや非毒性で体内の正常な代謝物として存在する物質を産出する他の生物学的に分解可能なポリマーを含んでいてもよい。有用なポリ(ヒドロキシ酸)としては、ポリ(グリコール酸)、ポリ(DL−乳酸)およびポリ(L−乳酸)が挙げられる。他の有用な物質としては、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(酸無水物)、ポリ(オルトエステル)およびポリ(リン酸エステル)などのポリカーボネートが挙げられる。例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、ポリ(イプシロン−カプロラクトン)、ポリ(デルタ−バレロラクトン)、ポリ(ガンマ−ブチロラクトン)およびポリ(ベータ−ヒドロキシブチレート)などのポリラクトンも有用である。
【0036】
生分解性領域は、エステル、ペプチド、酸無水物、オルトエステルおよびリン酸エステル結合などの生分解を受けやすい結合を用いて、モノマー、オリゴマー及び(又は)ポリマーから構築してもよい。
【0037】
生分解性基の総量を変え、カーボネートまたはエステル結合(比較的ゆっくりと加水分解する)の数と、低ヒドロキシ酸結合(特に、比較的迅速に加水分解するグリコライドまたはラクタイド)の数の比を選択することにより、マクロマーから形成されるハイドロゲルの分解時間を制御してもよい。
【0038】
カーボネート
マクロマーを作成するために、任意のカーボネートを用いることができる。そのようなカーボネートとしては、(限定はされないが)脂肪族カーボネート(例えば、最大の生体適合性のために)が挙げられる。例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、トリメチレンカーボネートおよびジメチルカーボネートが脂肪族カーボネートの例である。ジアルキルカーボネートとポリマーの水酸基を平衡化することにより形成されたアルコールの蒸留による除去により、低級ジアルキルカーボネートをバックボーンポリマーに接合する。
【0039】
他の有用なカーボネートは、水の放出なしにヒドロキシ末端ポリマーと反応しうる環状カーボネートである。適切な環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート(1,3−ジオキソラン−2−オン)、プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン)、トリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)およびテトラメチレンカーボネート(1,3−ジオキセパン−2−オン)が挙げられる。いつくかの反応条件下においては、オルトカーボネートが反応してカーボネートを与えること、あるいは、Timberlakeらの米国特許第4,330,481号記載のように、カーボネートがオルトカーボネート中間体を介して多価アルコールと反応することが可能である。したがって、あるオルトカーボネート、とりわけ二環式オルトカーボネートは、カーボネートを連結したマクロマーを形成するための適切な出発物資となりうる。
【0040】
あるいは、バックボーンポリマーを含む適当なジオールまたは多価アルコールは、従来技術に記載のようにクロロホルメートを形成するように、ホスゲンによって活性化してもよいし、これらの活性化合物をヒドロキシル基などの適切な基を含むバックボーンポリマーと混合して、カーボネート結合を含むマクロマーを形成するようにしてもよい。
【0041】
これらの全ての材料は、本発明における「カーボネート」である。
【0042】
適切なジオキサノンには、ジオキサノン(p−ジオキサノン;1,4−ジオキサン−2−オン;2−ケト−1,4−ジオキサン)、ならびに密接に関連する物質1,4−ジオキソラン−2−オン、1,4−ジオキセパン−2−オンおよび1,5−ジオキセパン−2−オンが含まれる。低級アルキル、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)C−Cアルキル、これらの化合物の誘導体、たとえば2−メチルp−ジオキサノン(乳酸の環状O−ヒドロキシエチルエーテル)も含意する。
【0043】
重合可能基
本願で用いる「重合可能基」には、(a)自発的に、あるいは光、熱または他の活性化条件もしくは試薬の影響下で反応して、マクロマー鎖同士を結合する共有結合高分子構造を形成する官能基(以下、「マクロマー−マクロマー官能基」とも呼ぶ)、及び(又は)(b)マクロマーの溶液をゲルに変換するための反応性官能基が含まれる。
【0044】
マクロマーが2つ以上のマクロマー−マクロマー官能基を含む場合、これらの基によって形成される高分子構造は、マクロマー鎖の間に架橋を形成し、非流体ゲルである三次元ネットワークをもたらす。
【0045】
適切なマクロマー−マクロマー官能基としては、エチレン系基(例えば、ビニル、アリル、アクリロイル、シンナモイル、フマロイル、スチリル)、エポキシド、ラクトン(例えば、ラクタイド、グリコライド、カプロラクトン、バレロラクトン、ジオキサノン)、ラクタム(ベータ−ラクタム、ガンマ−ラクタムおよびデルタ−ラクタム、ガンマ−ブチロラクタム、デルタ−カプロラクタム)が挙げられる。
【0046】
反応性官能基は、求核性、求電子性、酸化性またはラジカル条件下において、化学パートナーと反応して、カップリング反応においてその化学パートナーと結合した二重結合を形成する基である。
【0047】
適切な反応性官能基としては、活性化されたエステル(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)、求電子炭素中心(トシレートやメシレートなど)、共役エチレン系基(アクリロイル、メタクリロイルなど)、イソシアネート、イソチオシアネート、オキシラン、アジリジン、環状イミド(マレイミドなど)、スルフヒドリルが挙げられる。適切な化学パートナーとしては、アミン、アルコール、チオールが挙げられる。
【0048】
いくつかの実施形態において、反応性官能基および化学パートナーは、異なるマクロマー鎖上に存在していてもよく、溶液のゲル化が望まれる場合には、成分同士を混合してもよい。他の実施形態において、反応性官能基および化学パートナーは、いずれも同じマクロマー鎖上に存在してもよく、ゲル化を行うために、酸化性、酸性、ラジカル性などの活性化条件がさらに必要とされるかもしれない。
【0049】
重合可能基は、マクロマーの1つまたはそれ以上の末端に位置してもよく、あるいは重合可能基は、マクロマー内に位置していてもよい。
【0050】
重合は、限定はされないが、光重合、化学または熱フリーラジカル重合、酸化還元反応、カチオン重合、および活性基(例えばイソシアネートなど)の化学反応を含む、任意の便利な反応によって開始することができる。重合は光開始剤を用いて開始させてもよい。UV光の照射によってフリーラジカルまたはカチオンを発生する光開始剤は、当業者にとっては周知である。フリーラジカルは、特定の染料および化学化合物のフォトン吸収から、比較的穏和に形成することもできる。重合可能基は、フリーラジカル重合によって重合可能なものであってもよい。有用な重合可能基としては、限定はされないが、アクリレートジアクリレート、オリゴアクリレート、メタクリレート、ジメタクリレート、オリゴメタクリレート、シンナメート、ジシンナメート、オリゴシンナメート、および他の生物学的に許容される光重合可能基が挙げられる。
【0051】
これらの基は、UV(紫外)およびIR(赤外)光、長波長紫外光(LWUV)または可視光を含む光の照射によってフリーラジカルを発生する光開始剤を用いて重合させることができる。特に、LWUVおよび可視光は、短波長のUV光よりも組織および他の生体物質に損傷をもたらしにくいかもしれない。有用な光開始剤は、細胞毒を持たず、短時間(例えば分または秒)の間にマクロマーの重合を開始するために用いることができる。
【0052】
染料(例えば、アミンなどの共触媒との組み合わせ)に光(例えば、可視またはLWUV光)を照射すると、フリーラジカルが発生することがある。染料による光の吸収により、染料は、三重項状態をとり、この三重項状態は次に、直接あるいはアミンなどの適切な電子移動剤または共触媒を介して、アミンと反応して、重合を開始するフリーラジカルを形成する。重合は、約200〜1,200nmの波長、例えば、長波長紫外領域または可視領域、例えば、少なくとも約320nm以上、例えば、約365〜550nmの光の照射によって開始してもよい。
【0053】
光重合のために数多くの染料を用いることができる。適切な染料は当業者に周知である。このような染料としては、限定はされないが、エリスロシン、フォロキサイム、ローズベンガル、チオニン、カンファーキノン、エチルエオシン、エオシン、メチレンブルー、リボフラビン、2,2−ジメチル−2−フェニルアセトフェノン、2−メトキシ−2−フェニルラクトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、他のアセトフェノン誘導体、およびカンファーキノンが挙げられる。適切な共開始剤としては、限定はされないが、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、N−ベンジルエタノールアミン、N−イソプロピルベンジルアミンなどのアミン類が挙げられる。トリエタノールアミンを共開始剤として使用してもよい。
【0054】
適当な化学、熱および酸化還元系によって、開始剤分子内のフリーラジカルの生成により、不飽和基の重合を開始させ、続いて、これらのフリーラジカルが不飽和基に移動されて、連鎖反応が始まる。過酸化物および他の過酸素化合物がこの点に関して周知であり、化学または熱開始剤として考慮することができる。アゾビスブチロニトリルは化学開始剤である。遷移金属、特に鉄と、過酸素および随意でグルクロン酸などの安定化剤との組み合わせにより、フリーラジカルを生成させて、サイクル酸化還元により重合を開始することができる。
【0055】
化学または酸化還元系を、光開始系と組み合わせることが有効であることは、国際公開第96/29370号にも開示されており、本発明のマクロマーの多くの用途に対する開始系として使用することができる。国際公開第96/29370号の教示は、参照により本願に組み入れる。
【0056】
他のタイプの結合反応を有するマクロマーを使用することもできる。例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、アミンを末端とするマクロマーを構築してもよく、このアミンは求核基とみなし、イソシアネートを末端とするように別のマクロマーを構築し、このイソシアネートを反応性官能基と見なしてもよい。混合により、これらの物質は自発的に反応してゲルを形成することになると考えられる。あるいは、イソシアネートを末端とするマクロマーを重合させて、ジアミンおよびトリアミンの混合物を用いて架橋してもよい。このような反応は、光開始反応よりも制御が難しいかもしれないが、移植のためのゲルの大量体外生産のために用いることができるかもしれない(例えば、おそらく薬物送達システム)。他の反応物のペアとしては、限定はされないが、マレイミドとアミンまたはスルフヒドリル、あるいはオキシランとアミン、スルフヒドリルまたはヒドロキシルが挙げられる。
【0057】
好ましいマクロマー
マクロマーは、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)約0.3重量%〜20重量%のカーボネート残基またはエステル残基、約0.5%〜15%のカーボネートまたはエステル残基、あるいは約1%〜5%のカーボネートまたはエステル残基を含んでいてもよい。ヒドロキシ酸残基が望ましいような実施形態において、マクロマーは、カーボネートまたはエステル1残基あたり、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)約0.1〜10残基、約0.2〜5、あるいはマクロマーあたり1またはそれ以上の上記残基を含んでいてもよい。
【0058】
他の例(限定的ではなく説明的な意味の例として)において、マクロマーは、コアと、コアの各端部の延長部と、各延長部上のエンドキャップとを含んでいてもよい。コアは親水性ポリマーまたはオリゴマーのいずれであってもよく、各延長部は1つ以上のカーボネートまたはエステル結合を含む生分解性オリゴマーであってよく;各エンドキャップは、マクロマーを架橋することのできる1つまたはそれ以上の官能基を含んでいてもよい。コアは、約400〜40,000Daの分子量を有する親水性ポリ(エチレングリコール)オリゴマーを含んでいてもよく、各延長部は、カーボネートとエステルから選ばれる1〜10個の残基を含んでいてもよく、さらに随意で1〜5個のヒドロキシ酸残基(例えば、アルファ−ヒドロキシ酸残基)が含まれていてもよく、延長部内のすべての残基の総量は、マクロマーの水溶性を保つために十分に少ない(典型的には、マクロマーの重量の約20%未満(例えば、10%以下))。
【0059】
各エンドキャップは、重合可能基を含んでいてもよい。このような基は、フリーラジカル(均一的)重合可能である。このような基は、マクロマーを架橋及び(又は)重合させることのできる、(例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として))約50〜300Daの分子量を有する、エチレン不飽和(すなわち、炭素間二重結合を含む)であってもよい。他の例(限定的ではなく説明的な意味の例として)は、約25,000Daの分子量のポリ(エチレングリコール)オリゴマーから成るコア;単独、またはヒドロキシ酸オリゴマーからなる延長部と組み合わせて、約200〜1,000Daの分子量を有するポリカーボネートまたはポリ(ジオキサン)オリゴマーを含む延長部;およびアクリレート部分から成るエンドキャップ(分子量約55Da)を組み合わせている。
【0060】
マクロマー合成
マクロマーは、当業者に周知の手段を用いて合成することができる。一般的な合成方法は、文献、例えばHubbellらに付与された米国特許第5,410,016号、Rosensaftらに付与された米国特許第4,243,775号、およびChurchillらに付与された米国特許第4,526,938号に記載されている。これらの引例は参照により本願に組み入れる。
【0061】
例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、ポリエチレングリコールバックボーンを、トリメチレンカーボネート(TMC)または同様のカーボネートと、オクタン酸錫などのLewis酸触媒の共存下で反応させて、TMC−ポリエチレングリコールテルポリマーを形成してもよい。TMC−PEGポリマーは、乳酸塩基などの追加の分解可能な基によって随意でさらに誘導化してもよい。その後、末端のヒドロキシル基を第三級アミンの共存下に塩化アクリロイルと反応させて、ポリマーをアクリレート末端基によってエンドキャップしてもよい。同様のカップリング化学を、他の水溶性ブロック、生分解性ブロック及び(又は)重合可能基(特にヒドロキシル基を含むもの)を含むマクロマーに対しても利用することができる。
【0062】
ポリエチレングリコールを、酸性触媒の共存下でTMCおよびヒドロキシ酸と反応させる場合には、反応は同時または連続のいずれで行ってもよい。以下の例に示すように、同時反応では3つの成分の少なくとも部分的なランダムコポリマーができる。PEGをTMCと反応させた後にヒドロキシ酸を連続付加すると、TMCの内部ブロックと、PEGの1つまたはそれ以上のブロックが生成しがちであるが、大部分のヒドロキシ酸を(TMC、PEG)領域の端部に有し、TMCに由来する結合によって結合された、統計的に1つを越えるPEG残基を含むことになる。TMCおよび他のカーボネート基は、合成中に「バック・バイティング(back−biting)」によって再構成される傾向を有し、このことが、複数のPEG分子が同じマクロマー内に組み込まれる理由となっている。ヒドロキシ酸が乳酸の場合のように、二級ヒドロキシルを含む場合には、再構成の傾向は低減するかもしれない。
【0063】
原理的に、分解可能なブロックまたは領域は、別々に合成してからバックボーン領域にカップリングしてもよい。実務上は、有用な物質を得るためにこのより複雑な反応は必要ないように思われる。
【0064】
連続付加
一例において(限定的ではなく説明的な意味の例として)、カーボネートを含むマクロマーへの生分解性基の連続付加を、反応性末端基でキャップした後のマクロマーの生分解性を高めるために用いてもよい。
【0065】
例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、トリメチレンカーボネート(TMC)をポリエチレングリコール(PEG)と反応させると、得られるブロックポリマー内のTMC結合は、PEGの末端連結種を形成し、セグメント化されたポリマー、すなわち1つまたはそれ以上の隣接するTMC結合によってカップリングされたPEGが生成することが分かっている。TMCセグメントの長さは様々であり、統計的分布を示すと考えられている。カップリングは、TMCのカーボネートサブユニットを介しても達成可能である。これらのセグメント化されたPEG/TMCブロックポリマーは、PEGジオールを開始剤として使った際の、TMC重合プロセス中のTMCセグメントのカーボネート結合を伴う交差エステル化反応の結果として生成すると考えられている。同様の挙動が、他のポリアルキレングリコール開始剤を用いた場合にも予想される。末端の連結は、TMCをPEGと反応させている間に開始してもよく、末端連結の完了と平衡達成は、溶液粘度の増加の休止によって観察可能である。
【0066】
次に、第1の反応工程の産物を、(例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として))塩化アクリロイルなどの反応性末端キャッピング物質と反応させる場合、相当の比率のマクロマー末端基がPEGヒドロキシルとなり、反応性基が非分解性PEG分子の一方末端に直接付加することになる。PEG/TMCセグメント化ブロックポリマーのこのような反応は、他の加水分解可能なZ単位のセグメント(例えば、ラクテート、グリコレート、1,4−ジオキサノン、ジオキセパノン、カプロラクトン)を、PEG/TMCセグメント化ブロックポリマーのいずれかの端部にさらに付加することにより防止することができる。付加セグメントと、PEG/TMCブロックポリマーとのある程度のスクランブリングが予想されるが、適当な反応条件を用いることにより、最小に抑えることができる。次に、基本となるPEG/TMCセグメント化ポリマーまたはさらに反応したPEG/TMC/Zセグメント化テルポリマーは、反応性末端基(アクリレートなど)を付加することにより、架橋可能なマクロマーを形成して、反応官能性を有するマクロマーを提供するようにさらに反応させてもよい。これに続く水性環境における末端基の反応により、生体吸収性ハイドロゲルが得られる。ポロキサマーなどの別のポリアルキレングリコール(PAG)を用いた場合には、同様のセグメント化構造が予想される。
【0067】
ブロックポリマーおよびマクロマーは、調節可能な溶解性および溶液粘度特性を有していてもよい。ハイドロゲルは、調節可能な係数および分解速度を有していてもよい。水中の所与の溶液濃度に対して、粘度は、末端連結の程度、TMC(および他の疎水性種)セグメントの長さ、および初発PAGの分子量に影響される。ハイドロゲルの係数は、架橋間の分子量によって影響される。ハイドロゲル分解速度は、架橋可能な末端基を加えてマクロマーを形成するる前に、第2のより加水分解しやすいコモノマー(例えば、ラクテート、グリコレート、1,4−ジオキサノン)を、基本のPAG/TMCブロックポリマーの端部上にセグメントとして加えることにより、調節することができる。
【0068】
本明細書に記載のこれらの構造のいくつかについて以下に示す。PEG、ラクテートおよびアクリレート単位は、単に説明の目的で用いられている。
【0069】
いくつかの基本構造:
(CH−−CH−−O)=PEG反復単位=(PEG)
(CO−−(CH−−O)=TMC反復単位=(TMC)
(CO−−CH(CH)−−O)=ラクテート反復単位=(LA)
−−CO−CH=CH=アクリレート末端基=AA
セグメント化PEG/TMCブロックポリマー:
HO−−(CO−−(CH−−O)−−[(CH−−CH−−O)−−(CO−−(CH−−O)−−HまたはHO−−(TMC)−−[(PEG)−−(TMC)−−H
セグメント化PEG/TMC/ラクテートテルポリマー:
HO−−(CH(CH)−−CO)−−O−−(CO−−(CH−−O)−−[(CH−−CH−−O)−−(CO−−(CH−−O)−−(CO−−CH(CH)−−O)−−HまたはHO−−(LA)−−(TMC)−−[(PEG)−−(TMC)−−(LA)−−H
セグメント化PEG/TMCマクロマー(アクリル化):
CH=CH−−CO−−O−−(CO−−(CH−−O)y[(CH−−CH−−O)−−(CO−−(CH−−O)−−CO−CH=CHまたはAA−−(TMC)−−[(PEG)−−(TMC)−−AA
セグメント化PEG/TMC/ラクテートテルポリマーマクロマー(アクリル化):
AA−−(LA)−−(TMC)−−[(PEG)−−(TMC)−−(LA)−AA
(式中、AAは、アクリレート末端基を示す)
出願人は、適切な担体の1つとして、Genzyme社(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)から市販されているFocalSeal(登録商標)−S封止剤を見出した。出願人は、FocalSeal(登録商標)−S封止剤が、PEG、トリメチレンカーボネート(TMC)およびポリ(乳酸)のマクロマーを、アクリルエステル末端基とともに含む水性溶液であると理解している。上述のように、組成物は、光開始剤のような開始剤を含んでいても含んでいなくてもよい。
【0070】
組成物の調製および使用
さらに別の実施形態において、安定性を高めるように、組成物は保存および使用前に凍結してもよい。
【0071】
さらに別の実施形態において、組成物は、最初は乾燥製品としておいて、使用前に水または他の溶液でもどすようにしてもよい。組成物は、最初に水で製造されている場合には、空気乾燥または凍結乾燥によって乾燥させてもよい。別の実施形態において、組成物は乾燥状態で混合してもよい。
【0072】
パテのコンシステンシー(consistency)を回復するために、滅菌水、生理食塩水、乳酸化リンガー溶液などの液体を用いて戻すとよい。もどすための液体もまた、移植中または移植後にパテを重合可能とする物質を含んでいてもよい。
【0073】
組成物の1つまたはそれ以上の特性を向上及び(又は)強化するために、組成物は適当な添加剤を(有効量で)含んでいてもよい。完全なリストではないが、このような添加剤の例としては、組成物の生物活性効果を高めるもの、重合を開始させるもの、重合の速度を制御するもの、組成物を扱いやすくするもの、または組成物のプロセシングを高めるものが挙げられる。例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、組成物にヒアルロン酸を加えることにより、組成物の粘度が高まり、扱いやすくすることができる。他の例において(限定的ではなく説明的な意味の例として)、tert−ブタノールを加えてプロセシングを高めてもよいが、これはこの物質が凍結乾燥手順を向上させるためである。
【0074】
組成物には薬物などの治療剤も含まれていてもよい。組成物には、限定はされないが、タンパク質(例えば、骨形態形成タンパク質、遺伝子配列及び(又は)肝細胞)を含む他の生物活性剤も含まれていてよい。
【0075】
組成物は、ミネラル(例えば、カルシウム、リン酸塩など)、生物マクロ分子(コラーゲン、ヒアルロン酸など)、および重合剤(例えば、光化学、酸化還元(化学的)など)を含んでいてもよい。製造中に添加することが最良な添加剤もあれば、移植直前に添加することが最良の添加剤(例えば、幹細胞、遺伝子配列など)もある。
【0076】
重合は手術室内(手術台または手術部位自体)で行ってもよい。重合は遠隔地(すなわち、製造場所)において行い、続いて加工してもよい。
【0077】
別の実施形態において、組成物及び(又は)担体及び(又は)骨治療物質は、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として):(a)粉末;(b)ドウまたはペースト;(c)固体または半固体(semi−sold)(例えば、平坦なシートなどの任意の所望の形状)、及び(又は)(d)粒子の形態をとることができる。
【0078】
別の実施形態において、組成物及び(又は)担体及び(又は)骨治療物質は、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として):(a)繊維;(b)布(非織物、ガーゼを含む);(c)フィルム;及び(又は)(d)モノリシックの形態をとることができる。
【0079】
別の実施形態において、組成物及び(又は)担体及び(又は)骨治療物質(例えば、ペプチド)は、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、(a)物理的混和、(b)共有結合;(c)イオン結合;及び(又は)(d)物理的取り込みによって取り込み可能である。
【0080】
別の実施形態において、組成物及び(又は)担体及び(又は)骨治療物質は、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、(a)流体と混合した後に移植すること、及び(又は)(b)乾燥状態で移植(例えば、欠陥を充填)してから、流体で水和させることによって使用することができる。
【0081】
別の実施形態において、組成物及び(又は)担体及び(又は)骨治療物質は、別の移植片(例えば、脊椎ケージ、ネジ、膝/腰インプラント、歯周インプラント及び(又は)頭蓋インプラント)へのコーティングまたはアジュバントとして用いてもよい。
【0082】
別の実施形態において、組成物及び(又は)担体及び(又は)骨治療物質は、異所において骨を成長させるために用いてもよい(例えば、製品がそれ自体で用いられる場合(例えば、脊椎固定術中にケージを用いない場合など))。
【0083】
別の実施形態において、組成物は予め選択された形状に重合させてもよい。重合は、手術室外(例えば、製造場所)で、及び(又は)移植前(例えば、最終移植部位に配置する直前に、すなわち、重合は手術室内の卓上で行う)に手術室内で、及び(又は)体内の骨欠陥の実際部位において(例えば、粉末形状の組成物を骨欠陥内に配置し、組成物が環境から水分を取り込むようにしてもよい)行われうる。
【0084】
別の実施形態において、予め形成されたハイドロゲル+DBM+CCCを再水和するために、任意の望ましい希釈剤を用いることができる。
【0085】
別の実施形態において、前記組成物の物理的および化学的様相の少なくとも1つを改質するための添加剤は、限定はされないが、(a)安定剤(例えば、照射損傷から組成物を守るため);(b)増粘剤;及び(又は)(c)改質剤から成る群より選ぶことができる。
【0086】
別の実施形態において、前記組成物の生物学的様相を改質するための添加剤は、限定はされないが、(a)治療剤;(b)生物活性剤;(c)ミネラル;(d)1つまたはそれ以上の生物マクロ分子;及び(又は)(e)血漿を含む群より選ぶことができる。
【0087】
別の実施形態において、与える照射は、限定はされないが、可視光、ガンマ照射を含む群より選択される。
【0088】
別の実施形態において、生物流体は、(限定はされないが)血液および血漿を含んでいてもよい。
【0089】
重合は、光化学手段によって、酸化還元のような非光化学的(フェントン化学)及び(又は)熱的開始(過酸化物など)によって開始することができる。光化学開始剤としては、限定はされないが、エオシンY、イルガキュアなどの可視光および紫外光感受性化合物が挙げられる。
【0090】
組成物は、棒状、シート、球形、円盤状、フリース、粉末、泡などの所望の形状に重合してもよい。重合した組成物(手術室外で製造される場合には)は、さらに乾燥させて、移植前にも再水和するようにしてもよい。
【0091】
再水和の間、組成物は繋留の目的で、定位置に僅かに膨張する製品を与えるよう設設計することもできる。再水和は、移植の直前の流体(例えば、血液(例えば、患者自身の血液)、幹細胞及び(又は)別の薬剤や他の外的由来薬剤)の取り込みも可能にするかもしれない。乾燥産物は再水和によって適用中に粘着特性も示すことがある。
【0092】
組成物は、新しい骨の形成を誘導するように、欠陥骨組織および他の生組織に適用してもよい。
【0093】
担体は生体適合性、生分解性、重合可能および少なくとも実質的に水溶性のマクロマーからなる群より選択してもよい。マクロマーは、水溶性ブロック少なくとも1種、少なくとも1種の生分解性ブロック、および重合可能基少なくとも1種を含むブロックコポリマーであってよい。少なくとも1種の生分解性ブロックは、カーボネート基またはエステル基に基づく結合を含んでいてもよく、マクロマーは、カーボネート基またはエステル基に加えて他の分解可能な結合または基を含んでいてもよい。
【0094】
1つの実施形態において、マクロマーは、長波長紫外光または可視光励起の影響下においてフリーラジカル開始剤を用いて重合させてもよい。生分解は、延長オリゴマー内の結合部において起こり、その結果フラグメントが生成する。フラグメントは毒性を持たず、正常な生理的プロセスによって体内から除去される。
【0095】
適当な水溶性高分子ブロックとしては、本明細書に列挙したものの中でも、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレンオキシド)から調製したものが挙げられる。
【0096】
少なくとも1種の生分解性領域は、カーボネートまたはエステル結合であってもよい。生分解性高分子ブロックは、ヒドロキシ酸のポリマーまたはオリゴマー、あるいは、非毒性であるか体内に正常な代謝物として存在する物質を産生する他の生分解性ポリマーを含んでいてもよい。そのようなポリ(ヒドロキシ酸)は、ポリ(グリコール酸)、ポリ(DL−乳酸)およびポリ(L−乳酸)である。
【0097】
有用なカーボネートは、脂肪族カーボネート(例えば、最大限の生物適合性のために)である。例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、トリメチレンカーボネートおよびジメチルカーボネートが、脂肪族カーボネートの例として挙げられる。
【0098】
1つの実施形態において、組成物は、マクロマー、骨誘導物質および骨伝導物質を含んでいてもよい。別の実施形態において、骨伝導物質および骨誘導物質は、はっきりと区別できる物質である。別の実施形態において、骨誘導物質と骨伝導物質は、DBMとCCCである。別の実施形態において、マクロマーは、担体の製造時またはin situ送達後に重合される。この場合、重合は、光重合、化学または熱フリーラジカル重合、酸化還元反応、カチオン重合、および活性基(例えば、イソシアネートなど)の化学反応を含む、任意の都合のよい反応によって開始することができる。1つの例(限定的ではなく説明的な意味の例として)において、重合は、マクロマー、骨誘導剤および骨伝導剤とともに、組成物内に取り込んでもよいエオシンYなどの光開始剤を用いて開始させてもよい。
【0099】
別の実施形態において、骨誘導物質及び(又は)骨伝導物質をマクロマーに添加してもよく、光開始剤が混合物に含まれていてもよい。混合物は、注射可能で成形可能なパテをもたらす粘性かつ粘着性の塊を形成してもよい。組成物は、その安定性を維持し、パテの保存中の劣化を防ぐために、約−40℃において保存し、光を遮断してもよい。外科手術に用いる場合、光重合の開始後、同種移植片パテを半固体の塊にしてもよい。架橋反応の速度は、光の強度と露光時間に依存する。例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、手術室光による照射は、マクロマーをある程度架橋するのに十分かもしれない。
【0100】
別の実施形態において、重合は可撓性の半固体同種移植片を形成するために製造中に行ってもよい。前述の別の実施形態において、マクロマーとDBMとCCMからなり、架橋剤(光開始剤など)を含まず、したがってそのような物質の欠如により半固体の塊に重合しないような、注射可能かつ成形可能な同種移植片パテを調合してもよい。
【0101】
別の実施形態において、PEG(ポリエチレングリコール)を水溶性中央ブロックとして用いる場合、マクロマーにおいて用いられるPEGの平均分子量は、例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、20,000ダルトンとすることができる。マクロマー内の各PEGに対して、PEGとトリポリマーを形成する、約12個のTMC(トリメチレンカーボネート)単位と4個のLA(ラクテート)単位とが存在する。PEG/TMC/LAトリポリマーの末端は、アクリルエステル末端基によってキャップされていてもよい。
【0102】
担体として用いるのに適したマクロマー、その調製方法、およびその使用方法が、米国特許第5,900,245号、第6,083,524号、および第6,177,095号に記載されており、それらのすべては参照により本願の開示に組み込む。しかしながら、本願出願人は、本明細書記載の組成物が、前記米国特許第5,900,245号および第6,177,095号に開示されているプライマー組成物の調製および適用によることなく有効であることを見出した。
【実施例】
【0103】
実施例1
3.377グラムのグリセロール(Aldrich)と、2.1298グラムの脱鉱骨マトリックス(TBI DBMロット番号990768、Exactech、フロリダ州ゲインズビル)とを、グリセロール/DBM比が61.4%/38.6%となるように混合した。得られたパテを60分間室温に静置し、評価した。パテはオイル状のコンシステンシーを有し、室温で総計3時間保存した後にもこの特性は残っていた。
【0104】
実施例2
3.4007グラムのPluronic−127溶液(40℃、20%脱イオン水中)と、1.6046グラムの脱鉱骨マトリックス(DBM)とを、Pluronic溶液/DBM比が67.9/32.1%となるように混合した。得られたパテを3時間室温に静置し、コンシステンシーを評価した。パテは小球内にロールした場合になめらかで可塑性があった。圧力をかけて球形のパテを圧迫しても亀裂の兆候は見られなかった。
【0105】
実施例3
3.3635グラムの調合したFocalSeal(登録商標)−S(FS−S)封止剤マクロマー溶液(Focal社製、10%濃度)と、1.6061グラムの脱鉱骨マトリックス(DBM)とを、FS−S/DBM比が67.7/32.3%となるように混合した。得られたパテを60分間室温に静置し、コンシステンシーを評価した。パテは滑らかであった。小球内にロールしたところ、接着性と可塑性を示した。圧力をかけて球形のパテを圧迫しても「ドライエッジ」の兆候は認められなかった。
【0106】
実施例4
3.3654グラムの調合したFocalSeal(登録商標)−S封止剤マクロマー溶液(Focal社製、10%濃度)と、0.7022グラムの脱鉱骨マトリックス(DBM)と、1.7988グラムの骨チップ(Exactech社製、TBIロット番号12003476)とを、FocalSeal(登録商標)−S封止剤/DBM/骨チップ比が57.3%/12.0%/30.7%となるように混合した。得られたパテを3時間室温に静置し、コンシステンシーを評価した。パテは圧力をかけて球形のパテを圧迫したところ乾燥しており、ドライエッジによる亀裂を生じた。
【0107】
実施例5
3.5865グラムの調合したFocalSeal(登録商標)−S(FS−S)封止剤マクロマー溶液(Focal社製、10%濃度)と、0.7002グラムの脱鉱骨マトリックス(DBM)と、1.7922グラムの骨チップ(Exactech社製、TBIロット番号12003476)とを、FS−S/DBM/骨チップ比が59.0%/11.5%/29.5%となるように混合した。得られたパテを3時間室温に静置し、コンシステンシーを評価した。パテは圧力をかけて球形のパテを圧迫したところ乾燥しており亀裂を生じたものの、バインダーとしての接着性が2%FS−Sの増加で改善していた。
【0108】
実施例6
3.581グラムの調合したFocalSeal(登録商標)−S(FS−S)封止剤マクロマー溶液(Focal社製、10%濃度)と、1.5032グラムの脱鉱骨マトリックス(DBM)とを、FS−S/DBM比が70.0%/30.0%となるように混合した。得られたパテを3時間室温に静置し、コンシステンシーを評価した。パテは可塑性かつ接着性であり、圧力をかけて球形のパテを圧迫してもドライエッジを形成しなかった。
【0109】
実施例7
3.334グラムの調合したFocalSeal(登録商標)−S(FS−S)封止剤マクロマー溶液(Focal社製、10%濃度)と、0.5981グラムのDBMと、1.5O56グラムの骨チップとを、FocalSeal(登録商標)−S封止剤/DBM/骨チップ比が61.3%/11.0%/27.7%となるように混合した。得られたパテを3時間室温に静置し、コンシステンシーを評価した。パテは可塑性かつ接着性であったが、圧力をかけて球形のパテを圧迫したところドライエッジが認められた。
【0110】
【表1】

【0111】
実施例8〜12
10%の調合FocalSeal(登録商標)−S封止剤を、表2に示した量の固形分0〜40%のDBMと混合して取り扱った。約0.7グラムから0.85グラムの不透明な調合物を15mm ID×5mmの深さのTeflon(登録商標)鋳型に移し、可視光で80秒間照射して組成物を重合させた。ゲルをリン酸バッファ(pH=7.4、37℃)中で約16日間かけて水和させ、水分取り込み%を測定した。
【0112】
【表2】

【0113】
重合前のパテの取扱観察
10%DBMは予想通り最も柔らかかったが、わずかに粘着性のコンシステンシーを有しており作業性に優れていた。スパチュラを用いた成型のための材料移動。
【0114】
20%DBMの場合には、調合物の密度が高いために、より硬く、粒子の分布がより均一であった。より柔らかく、わずかな流動性を示した。スパチュラを用いた成型のための材料移動。
【0115】
30%DBMは硬いパテ状の材料であった。重合前に成形しやすく、形状を維持していた。
【0116】
40%DBMは硬いパテ状の材料であった。30%DBMよりも硬く、重合前に成形可能で、その形状を維持していた。
【0117】
実施例13
10%FocalSeal(登録商標)−S封止剤マクロマー(Focal社製、ロット番号052300SF)溶液をPBS中で調製した。2.1671グラムのこのマクロマー溶液を0.8960グラムのDBM(Exactech社製、TBIロット番号990768/19)と混合し、60分間室温で放置した。約12×50mgのサンプルをシャーレに移し、パテを凍結乾燥した。得られた乾燥混合物をシャーレから取り出し、数滴の脱イオン水で湿らせ、小球内にロールし、さらに数滴の水を加えることにより、所望のコンシステンシーが達成されるまで水和させた。パテは接着性と可塑性を有していた。
【0118】
実施例14
1.5015gのDBMと、0.3499gの乾燥20KTLA2マクロマー粉末とを15mLのNalgene容器内に量り入れ、次に3.5mLのPBSバッファを加えた。キャップ付瓶内で、スパチュラを用いて成分を混合し、室温で5分間放置して、マクロマーを完全に水和させた。次に、得られた骨パテを、手袋をはめた手でさらに物理的に混合した。骨パテは非常に接着性が高く、球内にロールした場合も形状を保っていた。水和マクロマー内にゲル粒子は認められなかった。
【0119】
実施例15
実施例14を光重合可能なグラフトに変えられることを示すために、以下の実験を行った。
【0120】
実施例14で得られた骨パテを、0.6mLの濃縮PBSバッファ(総グラフトあたり約0.054トリエタノールアミン、0.08gリン酸カリウムおよび40ppmエオシンYを含む)とさらに混合した。濃縮バッファは、均一なピンク色のパテが得られるまでグラフトに混合した。パテを可視光で40秒間照射して、マクロマーの光重合を誘引した(450〜550nm、キセノン光源)。次に、パテを反転させて、他方の面をさらに40秒間照射して、重合プロセスを繰り返した。得られたグラフトは可塑性のハイドロゲルであり、その形状を維持していた。
【0121】
実施例16
重合の他の様式を、DBMを含むグラフトに対して使用してもよい。例えば(限定的ではなく説明的な意味の例として)、重合は熱開始によって開始させてもよい。固形分が0.147グラムで、5.88mgの過酸化ベンゾイルを含む0.700gのマクロマー溶液を調製した。次に、粒径が0.5より大きく1.18mmよりも小さい0.1039g(10.4重量%)の骨チップと、粒径が0.5mm未満の0.1959g(19.6重量%)のDBM(脱鉱骨物質)とを溶液に導入した。得られた濃いスラリーを12mm×2.5mmの円盤状に成形し、凍結乾燥した。凍結乾燥後、成形円盤中のマクロマーの架橋を、真空下、50℃において10時間かけて開始させた。得られた物質は単一の接着性可撓性マトリックスを形成していた。マトリックスは水中で再水和可能であり、フラグメント化や崩壊することなく容易に操作できた。室温におけるDBM/骨チップ/ハイドロゲルマトリックスの再乾燥および再膨潤は容易であった。
【0122】
実施例17
マクロマー担体とともに調合された場合に、ヒトDBMがその骨誘導能を維持するかどうかを確かめるために、以下の研究を行った。
【0123】
AATB認定組織バンク、国際組織バンク(TBI、バッチ番号SF9904005045、カリフォルニア州San Rafael)によって提供されたヒトDBMを、無菌処理し凍結乾燥した。DBMの平均粒径は、125〜1,000μmであった。Focal社(マサチューセッツ州レキシントン)より提供された無菌担体は、分子量が20,000のポリエチレングリコールをベースとするマクロマーであった。DBM粉末を10重量%のマクロマー溶液と無菌リン酸バッファ中で、20、30および40重量%の3つの濃度で混合した。対照には、TBI DBM単独、およびマクロマー担体単独が含まれた。すべての材料は、予め無菌ゼラチンカプセル(サイズ番号5、バッチ番号07.039.90、Torpac、Inc.、ニュージャージー州フェアフィールド)(15mgサンプル/カプセル)に充填し、手術までの間−20℃で保存した。
【0124】
免疫不全をもつ5匹のマウスをそれぞれの種類に対して使用した(nu/nuマウス;Harlan Labs、インディアナ州インディアナポリス)。手術前にマウスをビバリウム内で5日間順応させた。各マウスに対し、各腓腹筋に1つずつ、同一の2つの移植片を与え、結果として1種類あたり10個の移植片となるようにした。手術は、サン・アントニオにあるテキサス大学ヘルスサイエンスセンター(UTHSCSA)のInstitutional Animal Care and Use Committeeによって検閲、許可されたプロトコール番号01056−34−01 B2に従って行った。
【0125】
ラットDBMを用いた公開されている研究では、骨誘導が28日以内に起こると示されている。しかしながら、ヒトDBMを用いた多くの研究では、骨誘導はもっとゆっくりと起こり、28日目でさえ見られない場合もあることが分かっている。そのため、多くの研究所では、ヒトDBMを移植した組織については、移植から35日目以降に調べている。ドナー間の違いだけでなく、一部にはプロセッシングの違いによって、ヒトDBM調製物における著しい変動が見られる。28日目において骨誘導能を示さない多くの調製物が、56日目では骨誘導性であることがわかった。
【0126】
手術後28日目において、1種類あたり1マウスから移植組織を回収し、担体が再吸収されているか、および有害な組織反応が起こっていないかどうかを判定した。組織を緩衝化ホルマリン中に固定し、ノースイーストオハイオ大学医学部に送って、末梢骨定量的CT(pQCT)骨ミネラル解析を行った。次に、これらの組織を組織試験のためにサン・アントニオに送った。
【0127】
手術後56日目に、1種類あたり残りの4匹のマウスを安楽死させた。移植組織を回収し、X線で調べた。回収した組織を常套的な光学顕微鏡用に加工し、組織分析を行った。パラフィン切片をヘマトキシリンとエオシンで染色した。
【0128】
材料の骨誘導能力は、ASTM F04.47.01「Draft Guidance on in vivo Testing for Osteoinduction Ability」に記載されているように判定した。各移植片について、1つの代表的な切片に対して評定を行った。切片は、理想的には移植組織の中央から、最も表面積の大きいものとして選択した。観察の向きを決めるために頸骨と腓骨を用いたのは、これらの骨が断面に存在するからである。両方の骨の断面が存在しない場合、あるいは、それらが楕円形の様相を示す場合には、その切片は排除した。この要件により、観察者は、確実にすべての小骨が骨ではなく移植片によるものであるようにすることもできた。
【0129】
以下の評定系を用いた:
0 DBMなし、小骨なし
1 DBMのみ
2 DBMと、1つの新しい小骨
3 DBMと、2つの新しい小骨
4 DBMと、全切片をカバーする小骨
結果
手術から28日目において、ミネラルに対する走査が陽性であったため、pQCTからは3つの調合物すべてが骨誘導性であることが証明された。しかしながら、標本の組織検査では、1つの20%DBM試験サンプルを除いて骨の存在を示すことはできなかったことから、pQCTは再鉱化DBMの存在を明らかにしたと示唆される。すべてのマクロマー担体は28日までに完全に再吸収されていた。移植組織におい病原性の証拠は全く見られなかったことから、ポリエチレングリコールに基づくマクロマー担体が生体適合性であることが分かった。
【0130】
56日目において、TBI DBMおよびDBM/マクロマー調合物は、骨誘導性(図1)であった。TBI DBMおよび30%DBM試験群の骨誘導能に違いは認められなかったことから、30%DBMを含む調合物がTBI DBM対照と同等に有効であることが分かった。
【0131】
すべての移植組織は正常であった(図2a、2b、2c)。使用した組織片に関係なく、有害な組織反応の証拠は全く見られなかった。小骨は、骨梁と造血髄とを囲む環状の皮質骨を有する典型的な様相を有していた。あらゆる場合において、処理に関係なく、マクロマーは完全に再吸収されていた。
【0132】
考察と結論
上記の結果から、本例において使用したマクロマーは安全かつ有効なDBMの担体であることが分かる。担体は再吸収され、移植された組織中で有害な反応を起こすことなく、ヒトDBMによる骨誘導を阻害することもない。DBMの最適濃度は30%であった。これはおそらくは、担体内の骨分の特異的充填特性によるものと考えられる。しかしながら、20%および40%のDBM調合物でも56日目において骨誘導性となり、1つの20%DBMサンプルでは28日目に新しい骨の形成を誘導することができた。20%および40%DBM移植片を受けたマウスにおける骨誘導は、対照マウスにおいて観察されるほどに高くはなかったものの、30%DBM試験群のマウスにおけるものとは対照的であった。このことから、非常に高い骨誘導能を有するDBM調合物を使用する場合には特に、20%〜40%が許容範囲であることが示唆される。調合物を作成するために用いたTBI DBMについてはこれまでには調べられておらず、これが実際にそれ自体で骨誘導性なのかどうかは、本研究前には知られていなかった。
【0133】
実施例18
新規の再吸収可能ポリマーを用いた後側方固定術:ウサギモデルにおける評価
序論:自家移植骨がいまだに脊椎固定術に対して最も基準になる移植材料であるものの、移植片回収後の罹患率がいまだ問題として残っている。凍結した同種移植骨が新鮮な自家移植片に対する1つの代替を与えるものの、その使用には、予期できない臨床的結果と、疾病の伝播という潜在的な問題が伴う。同種移植骨に代わる安全かつ有効な代替術が必要とされている。理想的には、この材料が同種移植の場合に見られるのと同等の融合速度を与えることである。実際のところ、自家移植片の供給が限られているか、骨治療性の弱い自家移植片しか供給できない患者における融合速度を最適化するために、骨移植片伸展剤としてこの材料を用いる方がより現実的かもしれない。この目的のために、新規の再吸収可能なポリマー担体(マクロマー;Genzyme Biosurgery、マサチューセッツ州レキシントン)と脱鉱骨マトリックス(DBM)とを組み合わせることにより、新しい骨移植片代替材料が開発されている。この研究の具体的な目的は、(1)ポリマー−DBM産物がインビボにおいて骨誘導性であることを確かめること、および(2)新しい移植片代替品が、後側方固定術において独立した移植片材料または骨移植片伸展剤として有効であることを確かめることであった。
【0134】
方法:18匹のオスのニュージーランド白ウサギに対して、公開されている技術を用いてL5〜L6において、両側横突間突起融合(bilateral intertransverse process fusion)を行った。すべての外科的手順は、Institutional Animal Care and Use Committee によって検閲され承認された。融合部位に、自家皮質海綿骨(n=6)、ウサギDBMを含むマクロマー(n=6)、あるいは自家移植または同種移植ウサギ骨のいずれかと1:1で組み合わせたマクロマー−DBM(1群あたりn=3)を移植した。
【0135】
骨誘導性を調べるために、DBM粉末を含む筋肉内移植片と、水和状態にあるマクロマー−DBM(湿マクロマー−DBM)または凍結乾燥状態にあるマクロマー−DBM(乾燥マクロマー−DBM)とを、9匹のウサギの大腿四頭筋内に双方向に配置した(1移植片あたりn=6サンプル)。
【0136】
手術の5週間後に動物を安楽死させた。筋肉標本を摘出してマイクロラジオグラフィーキャビネット内でX線撮影した。鉱化作用が確認された場合には、筋肉標本をアルコール中で固定して、異所性骨化があるかどうかを確認するための非脱灰組織検査用に加工した。腰椎を一括して回収し、二面(前後、側方)でX線撮影を行った。機械的試験用の標本については、筋肉と血管をすべて無くした。手術した高さにある面関節を骨鉗子によって除去し、L5およびL6脊椎が後側方融合塊によってのみ接合されるように、外科用メスを用いて椎間板を分割した。L6脊椎を歯科用セメント内に入れ、L5脊椎にはMTSフレーム内の非束縛固定物に取り付けられた金属ピンを貫通させた。その後、負荷弛緩のデータを連続的に記録しながら、負荷制御下に非破壊機械的検査を行った。剛性データを最後の3周期に対して60〜120Nの負荷の間で計算し、結果を各標本について平均化した。
【0137】
X線撮影データをカイ二乗分析によって分析した。生体力学的データを一方向変数解析(ANOVA)によって解析した。p<0.05の有意水準をすべての分析に対して用いた。
【0138】
結果:手術後の回復は、これらの動物においては概して優れていた。移植片材料の使用に伴う合併症は、自身のもの、または自己移植片もしくは同種移植片と組み合わせた場合のいずれの使用に対しても見られなかった。
【0139】
マクロマー−DBM混合物は、筋肉内において骨誘導性であることがわかった。鉱化作用のX線撮影による証拠は、湿潤および乾燥調合物を移植した部位のすべてにおいて見られた(表3)。鉱化作用は正の対照(ウサギDBM粉末を移植した筋肉)においても見られた。組織学的検査から、生きた新しい骨が形成されていること、および移植部位内で活発な再構成が行われていることが確認された。
【0140】
公開されている様々な研究で予測されているように、融合のX線撮影による証拠は、約60%の自家移植片対照において見られた。違いは統計的有意には達していなかったものの(すべての比較に対してp>0.05)、すべての移植片代替物は、少なくとも自家移植片と同等には機能した(表4)。
(表3)
DBMおよびマクロマー−DBMを移植した筋肉内領域における鉱化作用のマイクロラジオグラフィーによる証拠
【0141】
【表3】

【0142】
(表4)
L5〜L6横突間間隙における融合のX線撮影による証拠
左側および右側は各動物に対して独立して評定した。
【0143】
【表4】

【0144】
生体力学的試験のデータを図3に示す(機械的試験の結果を示す;データは、1群あたりn6(マクロマー−DBM−自家移植片およびマクロマー−DBM−同種移植片に対してはn=3)の標本に対する平均(SD)剛性を示す)。X線撮影データのように、代替移植片は、このモデルにおいては少なくとも自家移植片と同等に機能していた。データが広範に分布しているため、許容される統計的検出力を達成することは、1処理あたりにn=6程度の大きさの群でさえ難しかったが、マクロマー−DBM群は、自家移植片の対照に比べて、より高い剛性値に向かう強い傾向を示した(p=0.083)。
【0145】
考察:再吸収可能なポリマー担体、マクロマーをDBMと組み合わせて用いることにより、最も基準となる自家移植片対照と少なくとも同等のX線撮影および機械的試験結果がもたらされるようである。新しい処理が自家移植よりも「有意に良好である」ということを確定することがそもそも難しいことを考えると、樹立した動物モデルにおけるこれらの予備データは非常に有望である。自家移植片に対する代替物または移植片伸展剤のいずれかとしてのこの材料の使用について、引き続いて調査していくことは当然である。結局のところ、効力が分かっている既製の骨移植片代替物の使用は、脊椎固定術を受ける患者に対して、よりよい結果を与えると言い換えることができる。
【0146】
実施例19
ヌードラット頸骨欠陥モデルにおける脱鉱骨マトリックスの評価
序論:脱鉱骨マトリックス(DBM)は、骨の再生に有益であることが分かっており、多くの骨格部位における臨床用骨移植片代替物として受け入れられるようになってきている。DBMを用いた骨誘導は、従来は非骨格部位において研究されてきた。しかしながら、いくつかの研究がDBMの誘導能力に疑問をなげかけた。DBMに誘導性がないのは、調製と滅菌の結果かもしれない。この予備的研究では、ヌードラット頸骨欠陥モデルを用いて市販のDBM調製物の骨部位における骨誘導能力を評価する。
【0147】
方法:11〜12週齢のオス胸腺欠損NIH−RNU(ヌード)ラット(国立ガン研究所、マサチューセッツ州)を倫理的承認に従って用いた。臨界的大きさの欠陥(長さ8mm×幅3mm)を、MCL取付部とは離れた頸骨の前内側面に形成した。後方および前側方の皮質はそのままにしておいた。欠陥をDBM(Exactech社、フロリダ州)(1群につきn=4)(表5;3〜9群)で充填した。自家移植片および空の欠陥群を正および負の対照に含めた。1および3週間目に動物を安楽死させ、全無傷の頸骨をX線撮影し、カンチレバー曲げにおいて機械的に調べた(3週目のサンプルのみ)。頸骨をホルマリン中に固定し、ギ酸で脱灰し、切片にしてH&Eで染色した。組織検査では、欠陥の中央において3人の観察者によって盲検的に評価した。機械的データは、一方向ANOVA(Windows(登録商標)用SPSS)を用いて解析した。
【0148】
【表5】

【0149】
重要な結果:X線写真から空欠陥は治癒されなかったことが確認された。第4〜9群におけるX線写真の様相の変動は顕著であった。3週目における機械的試験からは、自家移植片群が、より高い破壊加重を有するものの統計的には有意でないことが示された。自家移植片群における剛性は、他の全ての群と比べて大きかった(p<0.05)。
【0150】
組織検査では、DBMで処理した欠陥において1週目には新しい骨の形成は全く見られなかった(第4、5、6群)。新しい骨の形成は、DBM処理欠陥において3週目までに認められた(図4a)。自家移植片で充填した欠陥においては、1週目において新しい骨の形成が見られた(図4b)。不活性DBM群(図4c)、空欠陥(図4d)または担体単独においては、どの時点でも新しい骨の形成は見られなかった。これらの結果は、3週目における軟骨内骨化から明らかなように、光活性化された試料がより強い誘導能を有していることを示した(図4e)。担体が単独またはDBM(活性または不活性)と組み合わせて存在していても、初期有害反応は一切示さなかった。特徴的な無細胞様相をもつ残存脱鉱骨は、1週目および3週目における、ほとんど再吸収していない欠陥において顕著であり、破骨活性の証拠となる。
【0151】
考察:脱鉱骨はUristによって報告されて以来、臨床上長く使用されている。DBMは、潜在的な新しいマトリックスを与えるだけでなく、骨形成に関与することも知られている多数の骨誘導タンパク質を含んでいる。これは、単一の骨誘導タンパク質を使用するよりも大きな利益をもたらす。DBMに対するインビボ反応の多様性は組織学的に報告されているが、骨格部位におけるこの予備的研究において確認した。
【0152】
対照、DBMおよび不活性化DBMは予想どおりに機能していた。本研究において開発した機械的試験のプロトコールでは、欠陥の上面に引っ張り荷重を与え、自家移植片の剛性がより高いことを実証した。このことは、1週目および3週目における新しい骨の形成の組織学的観察と一致する。これらの結果は、本質的に予備的なものではあるが、DBMおよび担体の骨誘導のためのヌードラット骨格モデルの使用を支持するものである。
【0153】
本発明の実施形態を多数記載したが、これらの実施形態は説明的なものにすぎず、限定するものではなく、当業者にとっては多くの改変が明らかであろうことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】図1は、DBM制御に対する骨誘導スコアおよびDBMの濃度の関数としての棒グラフを示す。
【図2a】図2aは、移植されたマクロマー単独の組織像を示す。
【図2b】図2bは、マクロマー中のTBI DBMの組織像を示す。
【図2c】図2cは、マクロマー中の30%DBMの組織像を示す。
【図3】図3は、機械的試験の結果の棒グラフを示す。
【図4】図4は、上記開示した実施例19に関する結果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体および骨治療物質を含む組成物において、この記担体が、(a)水溶性ブロックおよび(b)(i)カーボネート基またはエステル基に基づく結合を含む生分解性ブロックおよび(ii)重合可能基のうちの少なくとも一方を含むマクロマーであることを特徴とする、上記組成物。
【請求項2】
前記前記組成物が、(a)水性混合物および(b)非水和状態のいずれか一方の形態である、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
骨治療物質が、(a)脱鉱骨マトリックス;および(b)皮質海綿状骨チップから成る群より選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項4】
骨治療物質が、(a)骨誘導剤、(b)骨伝導剤、(c)骨形成因子、および(d)骨促進剤からなる群より選択される、請求項2記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、脊椎動物中に移植された後に、前記組成物の実質的に体積全体にわたり新しい骨によって再吸収され、そして置換される、請求項2記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の実質的に体積全体にわたり新しい骨によって前記組成物が再吸収され、そして置換されるように、それぞれの有効量を与えるために骨治療物質に対する担体の比率が、選択される、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
組成物の実質的に体積全体にわたり新しい骨によって前記組成物が再吸収され、そして置換されるように、有効な量で骨治療物質が提供される、請求項5記載の組成物。
【請求項8】
脊椎動物が哺乳動物である、請求項5記載の組成物。
【請求項9】
哺乳動物がヒトである、請求項8記載の組成物。
【請求項10】
重合可能基とのポリマー形成反応を誘導する開始剤をさらに含む、請求項2記載の組成物。
【請求項11】
開始剤が担体に含まれる、請求項10記載の組成物。
【請求項12】
開始剤が、(a)光開始剤;(b)熱開始剤;および(c)化学開始剤からなる群より選択される、請求項10記載の組成物。
【請求項13】
光開始剤がエオシンYである、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
化学開始剤が過酸化物である、請求項12記載の組成物。
【請求項15】
(a)光重合;(b)化学フリーラジカル重合;(c)熱フリーラジカル重合;(d)酸化還元反応;(e)カチオン重合;および(f)活性基の化学反応からなる群より選択される反応によって重合が開始される、請求項2記載の組成物。
【請求項16】
担体が、遷移金属、過酸化物および安定化剤のフリーラジカルを発生する組み合わせをさらに含む、請求項2記載の組成物。
【請求項17】
マクロマーが、(a)ポリ(エチレングリコール);(b)トリメチレンカーボネート部分;(c)乳酸エステル部分;(d)アクリルエステル部分;および(e)その組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項2記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物の物理的および化学的様相の少なくとも1つを改質するための添加剤をさらに含む、請求項2記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物の生物学的様相を改質するための添加剤をさらに含む、請求項2記載の組成物。
【請求項20】
水溶性ブロックが、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(エチレンオキシド)からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項21】
生分解性ブロックが、ヒドロキシ酸のポリマーおよびオリゴマーを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項22】
エステル基が、グリコール酸、DL−乳酸およびL−乳酸から成る群より選択されるヒドロキシ酸部分を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項23】
カーボネート基が、トリメチレンカーボネートおよびジメチルカーボネートのうちの少なくとも1つから誘導される基から選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項24】
重合可能基が、(a)自発的に、あるいは光、熱または他の活性化条件もしくは試薬の影響下で反応して、マクロマーの鎖同士を互いに結合させる共有結合高分子構造を形成するマクロマー−マクロマー官能基、および(b)マクロマーの溶液をゲルに変換する反応性官能基のうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項25】
マクロマー−マクロマー官能基が、(a)エチレン基、(b)エポキシド、(c)ラクタム、および(d)ラクトンから成る群より選択される、請求項24記載の組成物。
【請求項26】
反応性官能基が、(a)活性化エステル;(b)電子求引性炭素中心;(c)共役エチレン基;(d)イソシアネート;(e)イソチオシアネート;(f)オキシラン;(g)アジリジン;(h)環状イミド;(i)スルフヒドリル;および(j)その組み合わせから成る群より選択される、請求項24記載の組成物。
【請求項27】
担体および骨治療物質を混合する工程を含む組成物の製造方法において、この担体が、(a)水溶性ブロックおよび(b)(i)カーボネート基またはエステル基に基づく結合を含む生分解性ブロックおよび(ii)重合可能基のうちの少なくとも一方を含むマクロマーであることを特徴とする、上記組成物の製造方法。
【請求項28】
前記組成物が、(a)水性混合物および(b)非水和状態のいずれか一方の形態である、請求項27記載の製造方法。
【請求項29】
骨治療物質が、(a)脱鉱骨マトリックス;および(b)皮質海綿状骨チップから成る群より選択される、請求項28記載の製造方法。
【請求項30】
骨治療物質が、(a)骨誘導剤、(b)骨伝導剤、(c)骨形成因子、および(d)骨促進剤から成る群より選択される、請求項28記載の製造方法。
【請求項31】
組成物が、脊椎動物中に移植された後に、前記組成物の実質的に体積全体にわたり新しい骨によって再吸収され、そして置換される、請求項28記載の製造方法。
【請求項32】
組成物の実質的に体積全体にわたり新しい骨によって前記組成物が再吸収され、そして置換されるように、それぞれの有効量を与えるために骨治療物質に対する担体の比率が選択される、請求項31記載の製造方法。
【請求項33】
組成物の実質的に体積全体にわたり新しい骨によって前記組成物が再吸収され、そして置換されるように、有効な量で骨治療物質が提供される、請求項31記載の製造方法。
【請求項34】
脊椎動物が哺乳動物である、請求項31記載の製造方法。
【請求項35】
哺乳動物がヒトである、請求項34記載の製造方法。
【請求項36】
重合可能基とのポリマー形成反応を誘導する開始剤を前記組成物の中に含有させる工程をさらに含む、請求項28記載の製造方法。
【請求項37】
開始剤を担体中に含有させる工程をさらに含む、請求項36記載の製造方法。
【請求項38】
開始剤が、(a)光開始剤;(b)熱開始剤;および(c)化学開始剤からなる群より選択される、請求項36記載の製造方法。
【請求項39】
光開始剤がエオシンYである、請求項38記載の製造方法。
【請求項40】
化学開始剤が過酸化物である、請求項38記載の製造方法。
【請求項41】
担体を照射する工程をさらに含む、請求項28記載の製造方法。
【請求項42】
(a)光重合;(b)化学フリーラジカル重合;(c)熱フリーラジカル重合;(d)酸化還元反応;(e)カチオン重合;および(f)活性基の化学反応からなる群より選択される反応によって重合を開始する工程をさらに含む、請求項28記載の製造方法。
【請求項43】
担体が、遷移金属、過酸化物および安定化剤のフリーラジカルを発生する組み合わせをさらに含む、請求項28記載の製造方法。
【請求項44】
マクロマーが、(a)ポリ(エチレングリコール);(b)トリメチレンカーボネート部分;(c)乳酸エステル部分;(d)アクリルエステル部分;および(e)その組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項28記載の製造方法。
【請求項45】
前記組成物の物理的および化学的様相の少なくとも1つを改質するための添加剤を組成物中に含有させる工程をさらに含む、請求項28記載の製造方法。
【請求項46】
前記組成物の生物学的様相を改質するための添加剤を組成物中に含有させる工程をさらに含む、請求項28記載の製造方法。
【請求項47】
水溶性ブロックが、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(エチレンオキシド)からなる群より選択される、請求項27記載の製造方法。
【請求項48】
生分解性ブロックが、ヒドロキシ酸のポリマーおよびオリゴマーを含む、請求項27記載の製造方法。
【請求項49】
エステル基が、グリコール酸、DL−乳酸およびL−乳酸から成る群より選択されるヒドロキシ酸部分を含む、請求項27記載の製造方法。
【請求項50】
カーボネート基が、トリメチレンカーボネートおよびジメチルカーボネートのうちの少なくとも1つから誘導される基から選択される、請求項27記載の製造方法。
【請求項51】
重合可能基が、(a)自発的に、あるいは光、熱または他の活性化条件もしくは試薬の影響下で反応して、マクロマーの鎖同士を互いに結合させる共有結合高分子構造を形成するマクロマー−マクロマー官能基、および(b)マクロマーの溶液をゲルに変換する反応性官能基のうちの少なくとも1つを含む、請求項27記載の製造方法。
【請求項52】
マクロマー−マクロマー官能基が、(a)エチレン基、(b)エポキシド、(c)ラクタム、および(d)ラクトンから成る群より選択される、請求項51記載の製造方法。
【請求項53】
反応性官能基が、(a)活性化エステル;(b)電子求引性炭素中心;(c)共役エチレン基;(d)イソシアネート;(e)イソチオシアネート;(f)オキシラン;(g)アジリジン;(h)環状イミド;(i)スルフヒドリル;および(j)その組み合わせから成る群より選択される、請求項51記載の製造方法。
【請求項54】
患者における欠陥の部位に、担体および骨治療物質を含む組成物を移植する工程を含む、患者の骨欠陥の治療方法において、この担体が、(a)水溶性ブロックおよび(b)(i)カーボネート基またはエステル基に基づく結合を含む生分解性ブロックおよび(ii)重合可能基のうちの少なくとも一方を含むマクロマーである、上記治療方法。
【請求項55】
前記組成物が、(a)水性混合物および(b)非水和状態のいずれか一方の形態である、請求項54記載の治療方法。
【請求項56】
骨治療物質が、(a)脱鉱骨マトリックス;および(b)皮質海綿状骨チップから成る群より選択される、請求項55記載の治療方法。
【請求項57】
骨治療物質が、(a)骨誘導剤、(b)骨伝導剤、(c)骨形成因子、および(d)骨促進剤からなる群より選択される、請求項55記載の治療方法。
【請求項58】
前記組成物が、脊椎動物中に移植された後に、前記組成物の実質的に体積全体にわたり新しい骨によって再吸収され、そして置換される、請求項55記載の治療方法。
【請求項59】
組成物の実質的に体積全体にわたり新しい骨によって前記組成物が再吸収され、そして置換されるように、それぞれの有効量を与えるために骨治療物質に対する担体の比率が選択される、請求項58記載の治療方法。
【請求項60】
組成物の実質的に体積全体にわたり新しい骨によって前記組成物が再吸収され、そして置換されるように、有効な量で骨治療物質が提供される、請求項58記載の治療方法。
【請求項61】
患者が哺乳動物である、請求項58記載の治療方法。
【請求項62】
哺乳動物がヒトである、請求項61記載の治療方法。
【請求項63】
重合可能基とのポリマー形成反応を誘導する開始剤を前記組成物の中に含有させる工程をさらに含む、請求項55記載の治療方法。
【請求項64】
開始剤を担体中に含有させる工程をさらに含む、請求項63記載の治療方法。
【請求項65】
開始剤が、(a)光開始剤;(b)熱開始剤;および(c)化学開始剤からなる群より選択される、請求項63記載の治療方法。
【請求項66】
光開始剤がエオシンYである、請求項65記載の治療方法。
【請求項67】
化学開始剤が過酸化物である、請求項65記載の治療方法。
【請求項68】
担体を照射する工程をさらに含む、請求項55記載の治療方法。
【請求項69】
(a)光重合;(b)化学フリーラジカル重合;(c)熱フリーラジカル重合;(d)酸化還元反応;(e)カチオン重合;および(f)活性基の化学反応からなる群より選択される反応によって重合を開始する工程をさらに含む、請求項55記載の治療方法。
【請求項70】
担体が、遷移金属、過酸化物および安定化剤のフリーラジカルを発生する組み合わせをさらに含む、請求項55記載の治療方法。
【請求項71】
マクロマーが、(a)ポリ(エチレングリコール);(b)トリメチレンカーボネート部分;(c)乳酸エステル部分;(d)アクリルエステル部分;および(e)その組み合わせのうちの少なくとも1つを含む、請求項55記載の治療方法。
【請求項72】
前記組成物の物理的および化学的様相の少なくとも1つを改質するための添加剤を組成物中に含有させる工程をさらに含む、請求項55記載の治療方法。
【請求項73】
前記組成物の生物学的様相を改質するための添加剤を組成物中に含有させる工程をさらに含む、請求項55記載の治療方法。
【請求項74】
水溶性ブロックが、ポリ(エチレングリコール)およびポリ(エチレンオキシド)からなる群より選択される、請求項54記載の治療方法。
【請求項75】
生分解性ブロックが、ヒドロキシ酸のポリマーおよびオリゴマーを含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項76】
エステル基が、グリコール酸、DL−乳酸およびL−乳酸から成る群より選択されるヒドロキシ酸部分を含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項77】
カーボネート基が、トリメチレンカーボネートおよびジメチルカーボネートのうちの少なくとも1つから誘導される基から選択される、請求項54記載の治療方法。
【請求項78】
重合可能基が、(a)自発的に、あるいは光、熱または他の活性化条件もしくは試薬の影響下で反応して、マクロマーの鎖同士を互いに結合させる共有結合高分子構造を形成するマクロマー−マクロマー官能基、および(b)マクロマーの溶液をゲルに変換する反応性官能基のうちの少なくとも1つを含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項79】
マクロマー−マクロマー官能基が、(a)エチレン基、(b)エポキシド、(c)ラクタム、および(d)ラクトンより成る群から選択される、請求項78記載の治療方法。
【請求項80】
反応性官能基が、(a)活性化エステル;(b)電子求引性炭素中心;(c)共役エチレン基;(d)イソシアネート;(e)イソチオシアネート;(f)オキシラン;(g)アジリジン;(h)環状イミド;(i)スルフヒドリル;および(j)その組み合わせから成る群より選択される、請求項78記載の治療方法。
【請求項81】
骨欠陥の部位における重合工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項82】
手術室内での重合工程をさらに含む、請求項81記載の治療方法。
【請求項83】
移植時の重合工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項84】
手術室から離れた場所での重合工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項85】
手術室から離れた場所が、前記組成物の製造場所である、請求項84記載の治療方法。
【請求項86】
前記組成物の製造時における重合工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項87】
(a)乾燥、(b)乾式混合、(c)凍結乾燥、および(d)造粒から成る群より選択される少なくとも1種の工程によって前記組成物を加工する工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項88】
担体が非水和状態にあり、そして担体の溶液を形成するのに十分な量の液体を該非水和状態に添加する、請求項54記載の治療方法。
【請求項89】
液体が、(a)滅菌水、(b)生理食塩水、(c)乳酸化リンガー溶液、および(d)生物流体からなる群より選択される、請求項88記載の治療方法。
【請求項90】
液体が、重合を促進する1つまたはそれ以上の成分を含む、請求項88記載の治療方法。
【請求項91】
前記組成物が非水和状態にあって、組成物の水和混合物を形成させるのに十分な量の液体を該非水和状態に添加する、請求項54記載の治療方法。
【請求項92】
液体が、(a)滅菌水、(b)生理食塩水、(c)乳酸化リンガー溶液、および(d)生物流体からなる群より選択される、請求項91記載の治療方法。
【請求項93】
液体が、重合を促進する1つまたはそれ以上の成分を含む、請求項91記載の治療方法。
【請求項94】
前記組成物が、(a)粉末、(b)ドウ、(c)ペースト、(d)固体、(e)半固体、(f)粒子、(g)繊維、(h)布、(i)フィルム、および(j)モノリシックからなる群より選ばれる形態をとる、請求項54記載の治療方法。
【請求項95】
(a)物理的混合、(b)共有結合、(c)イオン結合、および(d)物理的取り込みからなる群より選ばれる少なくとも1種の工程によって前記組成物を加工する工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項96】
前記組成物を流体と混合し、その後移植する工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項97】
乾燥組成物を移植し、その後流体で水和する工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項98】
移植片の被覆として組成物を用いる工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項99】
移植片が、(a)脊椎ケージ、(b)ネジ、(c)膝/腰インプラント、(d)歯周インプラント、および(e)頭蓋インプラントからなる群より選択される、請求項98記載の治療方法。
【請求項100】
移植前に患者の体外で骨を成長させるために前記組成物を用いる工程をさらに含む、請求項54記載の治療方法。
【請求項101】
骨をバイオリアクタ内において患者の体外で成長させる、請求項100記載の治療方法。
【請求項102】
患者の異所部位において、担体および骨治療物質を含む組成物を移植する工程を含む、患者の骨を成長させる方法において、この担体が、(a)水溶性ブロックおよび(b)(i)カーボネート基またはエステル基に基づく結合を含む生分解性ブロックおよび(ii)重合可能基のうちの少なくとも一方を含むマクロマーである、上記骨を成長させる方法。
【請求項103】
前記組成物が、(a)水性混合物および(b)非水和状態のいずれか一方の形態である、請求項102記載の方法。
【請求項104】
担体および骨治療物質を含む組成物において、この担体が、水溶性ブロック少なくとも1種、カーボネート基またはエステル基に基づく結合を含む生分解性ブロック少なくとも1種および重合可能基少なくとも1種を含むマクロマーであることを特徴とする、上記組成物。
【請求項105】
前記組成物が、(a)水性混合物および(b)非水和状態のいずれか一方の形態である、請求項104記載の組成物。
【請求項106】
担体および骨治療物質を混合する工程を含む、組成物の製造方法において、この担体が、水溶性ブロック少なくとも1種、カーボネート基またはエステル基に基づく結合を含む生分解性ブロック少なくとも1種、および重合可能基少なくとも1種を含むマクロマーであることを特徴とする、上記組成物の製造方法。
【請求項107】
前記組成物が、(a)水性混合物および(b)非水和状態のいずれか一方の形態である、請求項106記載の製造方法。
【請求項108】
患者の欠陥の部位に、担体および骨治療物質を含む組成物を移植する工程を含む、患者の骨欠陥の治療方法において、この担体が、水溶性ブロック少なくとも1種、カーボネート基またはエステル基に基づく結合を含む生分解性ブロック少なくとも1種、および重合可能基少なくとも1種を含むマクロマーであることを特徴とする、患者の骨欠陥の治療方法。
【請求項109】
前記組成物が、(a)水性混合物および(b)非水和状態のいずれか一方の形態である、請求項108記載の治療方法。
【請求項110】
患者の異所部位に、担体および骨治療物質を含む組成物を移植する工程を含む、患者の骨を成長させる方法において、この担体が、水溶性ブロック少なくとも1種、カーボネート基またはエステル基に基づく結合を含む生分解性ブロック少なくとも1種、および重合可能基少なくとも1種を含むマクロマーであることを特徴とする、患者の骨を成長させる方法。
【請求項111】
前記組成物が、(a)水性混合物および(b)非水和状態のいずれか一方の形態である、請求項110記載の成長させる方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−500978(P2006−500978A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−529897(P2004−529897)
【出願日】平成15年8月20日(2003.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2003/026422
【国際公開番号】WO2004/017915
【国際公開日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【出願人】(501441669)イグザクテック・インコーポレイテッド (3)
【出願人】(593119583)ジェンザイム・コーポレイション (17)
【氏名又は名称原語表記】Genzyme Corporation
【Fターム(参考)】