説明

骨格モデル及び人体モデル

【課題】本発明は、胸骨をリフトアップすることができる骨格モデル及び人体モデルを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、胸骨をリフトアップするシミュレーションに用いられる骨格モデル1であって、所定間隔を空けて対向する脊柱モデル10及び胸骨モデル40と、骨格モデル1の長手方向に沿って複数設けられ、脊柱モデル10及び胸骨モデル40に対して回動自在に連結された肋骨モデル20と、を備えており、胸骨モデル40をリフトアップすることにより、肋骨モデル20が脊柱モデル10と胸骨モデル40に対して回動して、脊柱モデル10と胸骨モデル40との間隔が大きくなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の骨格モデルであり、特に、胸骨モデルをリフトアップして、心臓等の肋骨に囲まれた空間における手術をシミュレートできることを特徴とする。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献に開示されるように、人工胴体の形態からなるハウジングと、そのハウジングに収納される器官等と、その器官に加わる力をシミュレートする機器とから構成される、医学的訓練を目的としたシミュレーション装置がある。
これによれば、例えば、ハウジングを介して、ハウジング内に収納された器官に、腹腔鏡器具で穿刺することをシミュレートすることができ、腹部内の臓器に穿刺する訓練ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2007−528029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシミュレーション装置では、リフトアップ装置により胸骨をリフトアップする作業、つまり、胸骨のリフトアップにより肋骨を持ち上げるとともに、肋骨と肋骨に隣接する臓器との間に隙間を作る作業をシミュレートすることができなかった。
【0005】
また、従来のシミュレーション装置によれば、胸骨のリフトアップをシミュレーションすることができなかったため、それ以後の処理、例えば、肋骨と肋骨に隣接する臓器との間の隙間に内視鏡を挿入する等の作業もシミュレーションすることができなかった。
【0006】
よって、従来のシミュレーション装置によれば、胸骨のリフトアップ及びそれに付随する手術について、手術手技の訓練や手術前のシミュレーションをすることができないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、前記問題に鑑みて、胸骨をリフトアップすることができる骨格モデルおよびその骨格モデルを備えた人体モデルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明に係る骨格モデルは、胸骨をリフトアップするシミュレーションに用いられる骨格モデルであって、所定間隔を空けて対向する胸椎モデル及び胸骨モデルと、前記骨格モデルの長手方向に沿って複数設けられ、前記胸椎モデル及び胸骨モデルに対して回動自在に連結された一対の肋骨モデルと、を備えており、前記胸骨モデルをリフトアップすることにより、前記肋骨モデルが前記胸椎モデル及び前記胸骨モデルに対して回動して、前記胸椎モデルと前記胸骨モデルとの間隔が大きくなることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る骨格モデルによれば、胸骨モデルをリフトアップすることにより、胸椎モデルと胸骨モデルとを連結する一対の肋骨モデルが回動し、胸椎モデルと胸骨モデルとの間隔が大きくなる。よって、胸骨のリフトアップについての手術手技の訓練や手術前のシミュレーションをすることが可能となる。
【0010】
また、本発明に係る骨格モデルは、前記肋骨モデルが、前記胸椎モデル及び前記胸骨モデルに対して回動自在にそれぞれ独立して連結された複数の第1肋骨モデルによって構成された上部肋骨モデルと、一端部が前記胸椎モデルに対して回動自在に連結され、他端部が前記胸骨モデルに対して回動自在に連結された第2肋骨モデルと、一端部が前記胸椎モデルに対して回動自在に連結され、他端部が前記第2肋骨モデルに対してそれぞれ独立に回動自在に連結された複数の第3肋骨モデルとによって構成された中部肋骨モデルと、を備えていることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、肋骨モデルは、上部肋骨モデルを構成する複数の第1肋骨モデルと、中部肋骨モデルを構成する第2肋骨モデルと複数の第3肋骨モデルとから構成される。そして、第1肋骨モデルと第2肋骨モデルは、胸椎モデルと胸骨モデルに対して回動自在に連結しており、また、第3肋骨モデルは、胸椎モデルと第2肋骨モデルに対して回動自在に連結している。よって、肋骨モデルを構成する第1肋骨モデル〜第3肋骨モデルを回動させて、胸椎モデルと胸骨モデルとの間隔が大きくすることが可能となる。
【0012】
また、本発明に係る骨格モデルは、前記胸椎モデルは、その両側に設けられた複数の第1孔部を有し、前記第1肋骨モデルと前記第2肋骨モデルと前記第3肋骨モデルは、その一端部に設けられ、前記第1孔部に挿入される第1軸部を有し、前記胸骨モデルは、その両側に設けられた複数の第2孔部を有し、前記第1肋骨モデルと前記第2肋骨モデルは、その他端部に設けられ、前記第2孔部に挿入される第2軸部を有し、前記第2肋骨モデルは、前記第3肋骨モデルの他端部に対応する箇所に設けられた第3孔部を有し、前記第3肋骨モデルは、その他端部に設けられ、前記第3孔部に挿入される第3軸部を有することを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、第1肋骨モデルと第2肋骨モデルは、一端部に設けられた第1軸部を胸椎モデルの第1孔部に挿入するとともに、他端部に設けられた第2軸部を胸骨モデルの第2孔部に挿入することによって、第1肋骨モデルと第2肋骨モデルとが、胸椎モデルと胸骨モデルとに回動可能に連結することが可能となる。
また、第3肋骨モデルは、一端部に設けられた第1軸部を胸椎モデルの第1孔部に挿入するとともに、他端部に設けられた第3軸部を第2肋骨モデルに設けられた第3孔部に挿入することにより、胸椎モデルと第2肋骨モデルとに回動可能に連結することが可能となる。
【0014】
また、本発明に係る骨格モデルは、前記第1孔部と前記第2孔部と前記第3孔部は、前記骨格モデルの幅方向に向かって穿設された円柱状の孔であり、前記第1孔部に挿入される前記第1軸部と、前記第2孔部に挿入される前記第2軸部と、前記第3孔部に挿入される前記第3軸部とのそれぞれが、骨格モデルの幅方向に対して平行となることを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、第1軸部と第2軸部又は第3軸部とを介して、胸椎モデルと胸骨モデルに連結する第1肋骨モデル〜第3肋骨モデルが、骨格モデルの幅方向を回転軸として、回動することが可能となる。また、胸骨モデルをリフトアップした場合には、第1肋骨モデル〜第3肋骨モデルのそれぞれが、同時に骨格モデルの幅方向を回転軸として回動することが可能となる。
【0016】
また、本発明に係る骨格モデルは、前記胸椎モデルが、その両側に設けられた前記第1孔部同士を連通させる第1凹部と、前記第1凹部に挿入された前記第1軸部同士を連結する第1連結部材と、をさらに有し、前記胸骨モデルは、その両側に設けられた前記第2孔部同士を連通させる第2凹部と、前記第2凹部に挿入された前記第2軸部同士を連結する第2連結部材と、をさらに有することを特徴とする。
【0017】
このような構成によれば、第1凹部によって、胸椎モデルの両側に形成された第1孔部同士が連通するため、その第1孔部に挿入する第1軸部が第1凹部内に進入可能となる。また、第1凹部内に進入する第1軸部同士を第1連結部材により連結すると、胸椎モデルの両側に配置された一対の第1肋骨モデル〜第3肋骨モデルとを連結することが可能となる。
また同様に、第2凹部によって、胸骨モデルの両側の第2孔部同士が連通し、第2軸部が第2凹部内に進入可能となるとともに、第2軸部同士を第2連結部材により連結すると、胸骨モデルの両側に配置された一対の第1肋骨モデルと第2肋骨モデルとを連結することが可能となる。
よって、第1連結部材と第2連結部材により、第1軸部と第2軸部とが第1孔部または第2孔部から離脱することを回避できるとともに、両側に配置された一対の第1肋骨モデル〜第3肋骨モデル同士が連結し、左右側の肋骨部が連動し、スムーズな回動を促すことができる。
【0018】
また、本発明に係る骨格モデルは、前記胸椎モデルが、その両側を連通する第1軸受部と、前記第1軸受部に挿入され、前記胸椎モデルの両側に配置された一対の前記第1肋骨モデルと前記第2肋骨モデルと前記第3肋骨モデルとの一端部同士を連結する胸椎側軸部と、を有し、前記胸骨モデルは、その両側を連通する第2軸受部と、前記第2軸受部に挿入され、前記胸骨モデルの両側に配置された一対の前記第1肋骨モデルと前記第2肋骨モデルの他端部同士を連結する胸骨側軸部と、を有していることを特徴とする。
【0019】
このような構成によれば、胸椎モデルには、両側を連通する第1軸受部が形成されており、また、その第1軸受部に胸椎側軸部を挿通させ、胸椎モデルの両側にある第1肋骨モデル〜第3肋骨モデルに連結させることにより、両側にある第1肋骨モデル〜第3肋骨モデル同士を一体化することができる。
同様に、胸骨モデルには、両側を連通する第2軸受け部が形成されており、その第2軸受部に胸骨軸部を挿通させて、胸骨モデルの両側にある第1肋骨モデルと第2肋骨モデルとに連結し、胸椎モデルの両側にある第1肋骨モデルと第2肋骨モデルとを一体化することができる。
したがって、両側に配置された一対の第1肋骨モデル〜第3肋骨モデル同士が連結し、左右側の肋骨部が連動し、スムーズな回動を促すことができる。
【0020】
また、本発明に係る骨格モデルは、前記第1軸受部と前記第2軸受部は、骨格モデルの幅方向に向かって穿設された円柱状の孔であり、前記第1軸受部に挿入される前記胸椎側軸部と前記第2軸受部に挿入される前記胸骨側軸部とが、骨格モデルの幅方向に対して平行となることを特徴とする。
【0021】
このような構成によれば、胸椎側軸部と胸骨側軸部を介して、胸椎モデルと胸骨モデルに連結する第1肋骨モデル〜第3肋骨モデルが、骨格モデルの幅方向を回転軸として、回動することが可能となる。また、胸骨モデルをリフトアップした場合には、第1肋骨モデル〜第3肋骨モデルのそれぞれが、同時に骨格モデルの幅方向を回転軸として回動することが可能となる。
【0022】
また、本発明に係る骨格モデルは、前記肋骨モデルが、前記胸椎モデルのみに連結された第4肋骨モデルによって構成された下部肋骨モデルをさらに備えていることを特徴とする。
【0023】
このような構成によれば、肋骨モデルが下部肋骨モデルを有するため、実際の肋骨と同等な形状の骨格モデルを提供することができる。
【0024】
また、本発明に係る人体モデルは、前記する骨格モデルと、前記骨格モデルの前記胸椎モデルと前記胸椎モデルとの間に収納された臓器モデルとを備えていること、または、前記臓器モデルが、肺モデル、心臓モデル及び肝臓モデルのうちいずれか一つ以上を有することを特徴とする。
【0025】
本発明に係る人体モデルによれば、骨格モデル内に肺モデル、心臓モデル及び肝臓モデル等の臓器モデルが収納されているため、胸骨のリフトアップのみならず、それ以後の処理である臓器の隙間に内視鏡を挿入する等の作業の手術手技の訓練や手術前のシミュレーションをすることが可能となる。
【0026】
また、本発明に係る人体モデルは、前記臓器モデルが、横隔膜モデルを有し、前記横隔膜モデルは、前記肋骨モデルに固定されていることを特徴する。
このような構成によれば、本発明に係る人体モデルによれば、胸骨のリフトアップ後の横隔膜の切断する作業の手術手技の訓練や手術前のシミュレーションがすることが可能となる。
【0027】
また、本発明に係る前記横隔膜モデルは、柔軟性がある材料によって構成されており、前記肝臓モデルが接触すると、前記肝臓モデルの形状に変形することを特徴する。
【0028】
このような構成であれば、骨格モデルに横隔膜モデルを固定して、胸骨のリフトアップ後に横隔膜を切断する作業を行った場合に、横隔膜が下部側に捲るように落ち、横隔膜の背後側に位置する臓器が開放されて、内視鏡を挿入する作業の手術手技の訓練が容易となる。
【発明の効果】
【0029】
以上、本発明の骨格モデルによれば、胸骨をリフトアップすることができる骨格モデルを提供することができ、胸骨をリフトアップの手術手技のトレーニングや手術前のシミュレーションをすることが可能となる。また、本発明の人体モデルによれば、胸骨のリフトアップに付随する手術について、手術手技の訓練や手術前のシミュレーションをすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態における骨格モデルを備えた人体モデルの全体を正面視した場合の正面図である。
【図2】図1に示す骨格モデルを背面側から見た場合の背面図である。
【図3】本発明の実施形態における骨格モデルから左部第1肋骨部モデルを分解した場合を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における胸骨モデルの一部を背面側から見た場合の背面図である。
【図5】図4に示す胸骨モデルをA―A線で切り、その端面を上部側から見た場合における断面図である。
【図6】本発明の実施形態における人体モデルを載置枠に載置した場合を側面側から見た場合の側面図である。
【図7】図6に示す人体モデルをリフトアップ装置でリフトアップした場合を側面から見た場合の側面図である。
【図8】図7に示すリフトアップされた人体モデルを、人体モデルの下部側から見た場合の側面図である。
【図9】他の実施形態における胸骨モデルの一部を背面側から見た場合の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
つぎに、本発明の実施形態の骨格モデル1を備えた人体モデル100について、図面を参照しながら説明する。
人体モデル100は、図1に示すように、骨格の模型である骨格モデル1と、臓器のモデルである臓器モデル50とを備えており、出術手技の訓練や手術前のシミュレーションをするために用いられる模型である。
【0032】
(骨格モデル1)
骨格モデル1は、図1及び図2に示すように、脊柱モデル10と、脊柱モデル10に対向する胸骨モデル40と、脊柱モデル10の左右の両側に連結する肋骨モデル20とを備えている。
なお、本実施形態の骨格モデル1の各構成は、実際の人体の脊柱と肋骨と胸骨のデータを基に、液状の紫外線硬化樹脂を光造形装置の紫外線レーザーを使用し、硬化・積層させて製造する光造形により形成されたモデルである。よって、骨格モデル1は、実際の人体と同じ形状に形成されている。
また、骨格モデル1の各構成は、樹脂により形成されているため、基本的には、荷重がかかると変形しやすいという特性を有しているものとして説明する。以下、各構成の詳細について説明する。
【0033】
(脊柱モデル10)
脊柱モデル10は、図2及び図3に示すように、複数の脊椎骨からなる脊椎と、その複数の脊椎骨の間に介在する複数の椎間板とからなる脊柱の一部を示す模型であり、背面側に緩やかな凸となるように湾曲して上下方向に延びる円柱部材からなっている。
また、脊柱モデル10は、後記する肋骨モデル20や胸骨モデル40に比べ、相対的に太く形成されている。よって、荷重がかかっても、変形し難くなっており、かつ、連結する肋骨モデル20や胸骨モデル40を支持可能となっている。
【0034】
脊柱モデル10は、図2に示すように、上部側に位置する頚椎の模型である頚椎モデル11と、頚椎モデル11の下部側に位置する胸椎の模型である胸椎モデル12と、胸椎モデル12の下部側に位置する腰椎の模型である腰椎モデル13とが一体的に形成されている。
また、頚椎モデル11と胸椎モデル12と腰椎モデル13とのそれぞれは、脊椎を構成する椎骨の模型である椎骨モデル10aを複数個有しており、胸椎モデル12は、12個の椎骨モデル10aを有している。なお、頚椎モデル11と腰椎モデル13とは、椎骨モデル10aの個数について特に限定されない。
【0035】
(胸椎モデル12)
胸椎モデル12は、図3に示すように、両側に第1孔部14が12個ずつ形成されている。具体的に、第1孔部14は、図3に示すように、骨格モデル1の左右である幅方向に向かって穿設された円柱状の孔であって、胸椎モデル12を構成する12個の椎骨モデル10aのそれぞれに対応するように、椎骨モデル10aの側部12a、12aに一つずつ形成されている。また、椎骨モデル10aの側部12a、12aに形成された第1孔部14同士が、同軸上となるように形成されている。
【0036】
(胸骨モデル40)
胸骨モデル40は、図1及び図3に示すように、上下方向に延びる人体の胸骨の模型であって、胸椎モデル12に対して正面側に対向して配置されている。
胸骨モデル40は、両側である側部40b、40bに、骨格モデル1の長手方向に配列した6個の第2孔部41が形成されている。この第2孔部41は、図4に示すように、胸骨モデル40の側部40bから、骨格モデル1の左右である幅方向に向かって穿設された円柱状の孔である。また、胸骨モデル40の側部40b、40bの両側に形成された第2孔部41同士は、同軸上となるように形成されている。
【0037】
ここで、胸椎モデル12の第1孔部14と胸骨モデル40の第2孔部41とが形成された位置は、後記する肋骨モデル20が連結する位置に相当し、前記したが実際の人体のデータを基に形成されている。よって、胸骨モデル40の第2孔部41は、図3に示すように、胸椎モデル12の第1孔部14に比べて、人体モデル100の下部側に位置している。
【0038】
また、胸骨モデル40は、胸骨モデル40の背面側に形成された凹みである凹部42と、その凹部42内に格納される連結部材43とを備えている。
凹部42は、胸骨モデル40の背面側に形成された凹みであり、胸骨モデル40の側部40b、40bに形成されて同軸上にある第2孔部41、41・・・の間に設けられており、同軸上にある第2孔部41、41同士を連通可能に形成されている。これにより、第2孔部41、41を介して、後記する第1肋骨モデル24aの第2軸部26aと第2肋骨モデル27aの第2軸部29aとの端部が、凹部42内に進入することが可能となる。
連結部材43は、筒状部材であって、内径が第2軸部26a、29aの外径と同径若しくは小さい径に形成されている。両側から凹部42内に進出している第2軸部26a、29aの端部同士を挿入して、左右の肋骨モデルを連結している。
【0039】
(肋骨モデル20)
肋骨モデル20は、図1〜図3に示すように、胸椎の側部から延出する第1肋骨〜第12肋骨と、第1肋骨〜第10肋骨と胸骨とを連結する肋軟骨とが一体に形成された模型であって、胸椎モデル12を中心に略左右対称となるように構成されている。また、肋骨モデル20は、上部肋骨モデル21と中部肋骨モデル22と下部肋骨モデル23とから構成されている。
【0040】
(上部肋骨モデル21)
上部肋骨モデル21は、胸椎モデル12を中心として、略左右対称の形状を有する一対の第1肋骨モデル24a、24aが上下方向に並列に5つ配列して構成されており、人体の第1肋骨〜第5肋骨と肋軟骨とがそれぞれ一体的に形成された模型である。
【0041】
具体的に、第1肋骨モデル24aは、図3に示すように、湾曲するように形成されている。また、第1肋骨モデル24aは、左右側に凸となるように、胸椎モデル12を中心として左右対称に配置されて、一対の第1肋骨モデル24a、24aを構成している。
そして、この第1肋骨モデル24aは、図3に示すように、脊柱モデル10や胸骨モデル40に比べて細く形成されているとともに、荷重がかかった場合、脊柱モデル10や胸骨モデル40に比べ、変形し易く構成されている。
また、第1肋骨モデル24aは、一端部25に第1軸部25aが形成されており、他端部26に第2軸部26aが形成されている。この第1軸部25aは、胸椎モデル12の側部12aに形成された第1孔部14に挿入して回動自在に軸支される軸部である。
そして、第1軸部25aは、胸椎モデル12の第1孔部14に挿入して軸支され、第1肋骨モデル24aが胸椎モデル12に回動可能に連結している。また、第1軸部25aが挿入される胸椎モデル12の第1孔部14は、骨格モデル1の幅方向に向かって穿設された円柱状の孔であるため、第1軸部25aは、骨格モデル1の幅方向に対して平行となるとともに、骨格モデルの幅方向を回転軸として回動することとなる。
【0042】
一方、第2軸部26aは、胸骨モデル40の側部40bに形成された第2孔部41に回動自在に軸支される軸部である。また、第2軸部26aは、胸骨モデル40の第2孔部41に挿入通過させた場合、第2孔部41を通過して後記する凹部42内に進出可能な長さに形成されている(図4及び図5参照)。
そして、第2軸部26aが第2孔部41に挿入されており、凹部42内で連結部材43により連結している。これにより、左右の両側に配置された第1肋骨モデル24a同士が連動するとともに、第1肋骨モデル24aが胸骨モデル40に回動可能に連結している。
また、第2軸部26aが挿入される胸骨モデル40の第2孔部41は、骨格モデル1の幅方向に向かって穿設された円柱状の孔であるため、第2軸部26aは、骨格モデル1の幅方向に対して平行となるとともに、骨格モデルの幅方向を回転軸として回動することとなる。
【0043】
そして、第2孔部41の方が第1孔部14に比べて、人体モデル100の下部側に位置しているため、側面視した場合、第1肋骨モデル24aの他端部26の方が、一端部25に比べ、人体モデル100の下部側に傾倒した状態で、胸椎モデル12と胸骨モデル40に連結している。
【0044】
(中部肋骨モデル22)
中部肋骨モデル22は、図3に示すように、胸椎モデル12を中心として、略左右対称の形状を有する一対の第2肋骨モデル27a、27aと、それぞれが胸椎モデル12を中心として略左右対称の形状を有する一対の第3肋骨モデル30a、30aが上下方向に並列に4つ配列して構成される。
なお、一対の第2肋骨モデル27a、27aは、人体の第10肋骨と肋軟骨とが一体に形成された模型であって、上下方向に並列に4つ配列する一対の第3肋骨モデル30a、30aは、人体の第6肋骨〜第9肋骨と肋軟骨とがそれぞれ一体的に形成された模型である。
【0045】
具体的には、第2肋骨モデル27aは、図3に示すように、一端側が湾曲しているとともに、他端側にかけて上部側に延出するように形成されている。また、第2肋骨モデル27aは、一端部28に第1軸部28aが形成されており、他端部29に第2軸部29aが形成されている。
そして、第2肋骨モデル27aの第1軸部28aを胸椎モデル12の上部から10個目に形成された第1孔部14に挿入するとともに、第2軸部29aが胸骨モデル40の最下部の第2孔部41に挿入して、第2肋骨モデル27aが胸椎モデル12と胸骨モデル40とに連結する。
これにより、第2肋骨モデル27aが左右側に凸となるように、胸椎モデル12を中心として左右対称に配置されて、一対の第2肋骨モデル27a、27aが構成されている。
なお、第2肋骨モデル27aに形成された第1軸部28aと第2軸部29aとは、第1肋骨モデル24aに形成された第1軸部25aと第2軸部26bと同じ構成である。
【0046】
また、第2肋骨モデル27aの側部であって、第3肋骨モデル30aの他端部32に対応する箇所に、第3孔部29bが4つ形成されている。この第3孔部29bは、骨格モデル1の左右である幅方向に向かって穿設された円柱状の孔である。
【0047】
第3肋骨モデル30aは、湾曲するように形成されており、一端部31に第1軸部31aが形成され、他端部32に第3軸部32aが形成されている。
この第3肋骨モデル30aの第1軸部31aは、胸椎モデル12の側部12aに形成された第1孔部14に挿入して回動自在に軸支される軸部であり、一方で、第3軸部32aは、第2肋骨モデル27aに形成された第3孔部29bに挿入して回動自在に軸支される軸部である。
そして、第3肋骨モデル30aの第1軸部31aを第1孔部14aに挿入するとともに、第3軸部32aを第3孔部29bに挿入して、第2肋骨モデル27aが胸椎モデル12と第2肋骨モデルとに回動可能に連結することとなる。
ここで、第3軸部32aが挿入される第2肋骨モデル27aの第3孔部29bは、骨格モデル1の幅方向に向かって穿設された円柱状の孔であるため、第3軸部32aは、骨格モデル1の幅方向に対して平行となり、第3肋骨モデル30aは、骨格モデルの幅方向を回転軸として回動することとなる。
【0048】
(下部肋骨モデル23)
下部肋骨モデル23は、図1〜図3に示すように、人体の第11肋骨と第12肋骨の模型であり、中部肋骨モデル22の下部側に配置されて、胸椎モデル12にのみ連結する一対の第4肋骨モデル33a、33aが、胸椎の上下方向に2個配列して構成されている。
この第4肋骨モデル33aは、胸椎モデル12と連結する一端部31に図示しない第1軸部が形成されており、胸椎モデル12と連結している。なお、第4肋骨モデル33aに形成された図示しない第1軸部は、第1肋骨モデル24aに形成された第1軸部25aと同じ構成である。
【0049】
(臓器モデル50)
次に、臓器モデル50について説明する。臓器モデル50は、図1及び図2に示すように、骨格モデル1に形成された臓器空間2の上部左右側に配置される肺モデル51a、51aと、胸骨モデル40の背面側に配置された心臓モデル52と、心臓モデル52の下部側であって、臓器空間2を塞ぐように設けられる横隔膜モデル53と、横隔膜モデル53の下部側に配置される肝臓モデル54(図8参照)とを備えている。
また、肺モデル51a、51aと、心臓モデル52と、肝臓モデル54とは、それぞれ図示しない固定ベルトを有し、骨格モデル1の背面側の脊柱モデル10に固定されている。また、横隔膜モデル53は、柔軟性ある材料から形成されているとともに、図示しない固定ベルトを備えており、中部肋骨モデル22の胸椎モデル12側及び胸骨モデル40側と剣状突起40cに着脱自在に固定されている。なお、横隔膜モデル53は、中部肋骨モデル22の胸骨モデル40側及び下部肋骨モデル23に着脱自在に固定されてもよい。
また、手術手技の訓練や手術前のシミュレーションをする際に、人体の臓器に近い感覚が得られるように、横隔膜モデル53以外の臓器モデル50を構成する各臓器モデルについても、柔軟性がある材料から形成されていることが好ましい。
なお、本発明は、臓器モデル50を構成する各臓器について、実施形態で説明するものに限定されない。
【0050】
(人体モデル100の使用方法)
次に、骨格モデル1を備えた人体モデル100を用いて、内視鏡による冠動脈バイパス手術のトレーニング方法の一部について、図面を参照しながら説明する。なお、冠動脈とは、心臓を取り囲むように冠状に走る動脈である。
【0051】
まず、トレーニングを行なう下準備として、図6に示すように、人体モデル100の脊柱モデル10側を下側に向け、リフトアップ装置200の載置枠201の両端に、脊柱モデル10の両端部である頚椎モデル11と腰椎モデル13を載置させる。
【0052】
(胸骨リフトアップ)
そして、図6に示すように、人体モデル100の胸骨モデル40の剣状突起40cに、リフトアップ装置200のフック部202を係止させて、フック部202に接続する支持部203を上昇させて、胸骨モデル40を持ち上げる。
【0053】
また、持ち上げられた胸骨モデル40に連結する第1肋骨モデル24aの他端部26側及び第2肋骨モデル27aの他端部29側は、図7に示すように、回動しながら胸骨モデル40とともに上昇する。
そして、他端部26、29側が上昇することにより、胸椎モデル12に連結する第1肋骨モデル24aの一端部25と、第2肋骨モデル27aの一端部28とが回動する。
これによって、リフトアップ前は、他端部26側が人体モデル100の下部側に傾倒するように、連結していた第1肋骨モデル24aと第2肋骨モデル27aとが垂直に起き上がることとなる。
【0054】
また、第2肋骨モデル27aに他端部32が連結する第3肋骨モデル32aについても、第2肋骨モデル27aの動きに併せて持ち上がり、胸椎モデル12に連結する一端部25も回動して、第3肋骨モデル30aが垂直に起き上がることとなる。
【0055】
また、第1肋骨モデル24aと第2肋骨モデル27aと第3肋骨モデル30aのそれぞれは、骨格モデルの幅方向を回転軸として回動し、同じ回動方向である。よって、胸骨モデル40を持ち上げた場合の作用が働いた場合、第1肋骨モデル24aと第2肋骨モデル27aと第3肋骨モデル30aは、同時に回動することとなる。
【0056】
以上より、リフトアップされたことにより、図7に示すように、胸骨モデル40とともに、胸骨モデル40に連結する第1肋骨モデル24aの他端部26側と第2肋骨モデル27aの他端部29側も、リフトアップ前に比べて上昇し、胸骨モデル40と脊柱モデル10との間隔を大きくすることができる。
また、横隔膜モデル53以外の臓器モデル50は、背面側である脊柱モデル10に固定されているため、胸骨モデル40及び肋骨モデル20の他端部26、29側と、各臓器モデルとの間には、図7に示すように、隙間Bが形成されることとなる。
【0057】
(横隔膜切開)
また、リフトアップのつぎは、図7に示すように、胸骨モデル40のリフトアップに伴って上昇した横隔膜モデル53の切開作業を行なう。
ここで、図8に示すように、横隔膜モデル53は、図示しない固定ベルトにより、胸骨モデル40の剣状突起40cに固定されているため、図示しない固定ベルトを切り落とし、横隔膜モデル53の上部側を胸骨モデル40から取り外す。
ここで、横隔膜モデル53は柔軟性ある材料から構成されているため、横隔膜モデル53の上部側は、下側に位置する肝臓モデル54に覆いかぶさるように、落ちることとなり、横隔膜モデル53の後方側に位置する隙間Bが解放することとなる。
そして、内視鏡を胸骨モデル40と横隔膜モデル53の間に内視鏡を挿入させて、検査する心臓の冠動脈の位置に内視鏡を移動させることを行なう。
【0058】
以上、本発明の実施形態の骨格モデル1について、その構成及び使用方法を説明したが、骨格モデル1によれば、リフトアップ装置200により、人体の胸骨をリフトアップするシミュレーションを行なうことが可能となる。
よって、胸骨のリフトアップを行うとともに、肋骨と横隔膜との間に内視鏡を挿入する等の手術手技のトレーニングや手術前のシミュレーションをすることができる。
【0059】
また、実施形態の胸骨モデル40の連結部材43は、両側から凹部42内に進入する第1肋骨モデルと第2肋骨モデルの第2軸部同士を連結するため、肋骨モデルが胸骨モデル40から離脱しにくくなるとともに、左右側の第1肋骨モデルと第2肋骨モデル同士が連動してスムーズに回動することが可能となる。
【0060】
なお、本発明は、実施形態で示した骨格モデル1に限るものではない。たとえば、実施形態の骨格モデル1においては、胸椎モデル12に形成された第1孔部のみであったが、胸骨モデル40と同様に、胸椎モデル12に凹部42を形成するとともに、連結部材43を設けても良い。これによれば、肋骨モデル20が胸椎モデル12から離脱しにくくなるとともに、左右の肋骨モデルとの連動をさらに良くすることが可能となる。
一方で、胸骨モデル40は、第2孔部41のみが形成されていてもよく、当該構成であっても肋骨モデル20と胸骨モデル40とを連結することが可能だからである。
【0061】
また、連結部材43を用いる代わりに、第2軸部の周面に溝を形成するとともに、その溝にCリングまたはEリングを嵌合させてもよい。これによれば、離脱することを回避することが可能となる。
【0062】
その他、実施形態における第1軸部25a、28a、31aと第2軸部26a、29aが肋骨モデル20に形成され、この肋骨モデルに接続する胸骨モデル40に第1孔部14、胸椎モデル12側に第2孔部41が形成されていたが、本発明はこれに限られない。
たとえば、第1軸部25a、28a、31aが胸椎モデル12側に形成され、第2軸部26a、29aが胸骨モデル40側に形成されて、第1孔部14と第2孔部41が肋骨モデル20に形成されてもよい。
【0063】
また、実施形態において、胸骨モデル40は、第2孔部41と凹部42と連結部材43とを備えていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、図9に示すように、胸骨モデル40が、第1軸受部44と胸椎側軸部45とを有していてもよい。この第1軸受部44は、胸骨モデル40の両側を貫孔する円柱状の孔であり、胸椎側軸部45は、第1軸受部44内に挿入可能な円柱状の部材である。また、胸椎側軸部45には、両端側の端面に、第1肋骨モデル24aの第2軸部26a、若しくは、第2肋骨モデル27aの第2軸部29aが挿入されて嵌合する図示しない孔部が形成されている。
【0064】
この第1軸受部44と胸椎側軸部45によれば、胸椎側軸部45を第1軸受部44内に挿入するとともに、胸骨モデル40の両側に配置される一対の第1肋骨モデル24a、24aの第2軸部26aを、胸椎側軸部45の図示しない孔部に勘合させることにより、一対の第1肋骨モデル24a、24aを胸骨モデル40に回動可能に連結することができる。また、一対の第1肋骨モデル24a、24aは、胸椎側軸部45により一体化するため、左右に配置された一対の第1肋骨モデル24a、24aが連動してスムーズに回動することが可能となる。
【0065】
なお、実施形態の骨格モデル1は、光造形により形成されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。また、各構成の原料についても、特に限定されるものではない。
【0066】
また、実施形態の骨格モデル1は、第1孔部14に挿入される第1軸部25a、第2孔部41に挿入される第2軸部26a及び第3孔部29bに挿入される第3軸部32aは、それぞれが、骨格モデル1の幅方向に対して平行であり、骨格モデル1の幅方向を回転軸として同時に回動するようになっているが、本発明はこれに限定されない。骨格モデル1の各部材は、シリコーン等の変形可能な樹脂で成形されているので、例えば、第3孔部29bに挿入される第3軸部32aが、骨格モデル1の幅方向に対して平行でなかったとしても、第3軸部32aだけでなく、第3肋骨モデル30a、さらには、第2肋骨モデル27aや第3孔部29bが変形するため、回動させることができる。
【0067】
また、実施形態の骨格モデル1は、上部肋骨モデル21が人体の第1肋骨〜第5肋骨の模型であって、中部肋骨モデル22が人体の第6肋骨〜第9肋骨の模型となっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、上部肋骨モデル21を、人体の第1肋骨〜第6肋骨の模型とし、中部肋骨モデル22を、人体の第7肋骨〜第9肋骨の模型としてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 骨格モデル
10 脊柱モデル
11 頚椎モデル
12 胸椎モデル
13 腰椎モデル
14 第1孔部
20 肋骨モデル
24a 第1肋骨モデル
25a、28a、31a 第1軸部
26a、29a 第2軸部
27a 第2肋骨モデル
29b 第3孔部
30a 第3肋骨モデル
32a 第3軸部
33a 第4肋骨モデル
40 胸骨モデル
41 第2孔部
42 凹部
43 連結部材
44 第1軸受部
45 胸椎側軸部
50 臓器モデル
51a、51a 肺モデル
52 心臓モデル
53 横隔膜モデル
54 肝臓モデル
100 人体モデル
200 リフトアップ装置
201 載置枠
202 フック部
203 支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シミュレーションに用いられる骨格モデルであって、
所定間隔を空けて対向する胸椎モデル及び胸骨モデルと、
前記骨格モデルの長手方向に沿って複数設けられ、前記胸椎モデル及び胸骨モデルに対して回動自在に連結された肋骨モデルと、を備えており、
前記胸骨モデルをリフトアップすることにより、前記肋骨モデルが前記胸椎モデル及び前記胸骨モデルに対して回動して、前記胸椎モデルと前記胸骨モデルとの間隔が大きくなることを特徴とする骨格モデル。
【請求項2】
前記肋骨モデルは、
前記胸椎モデル及び前記胸骨モデルに対して回動自在にそれぞれ独立して連結された複数の第1肋骨モデルによって構成された上部肋骨モデルと、
一端部が前記胸椎モデルに対して回動自在に連結され、他端部が前記胸骨モデルに対して回動自在に連結された第2肋骨モデルと、一端部が前記胸椎モデルに対して回動自在に連結され、他端部が前記第2肋骨モデルに対してそれぞれ独立に回動自在に連結された複数の第3肋骨モデルとによって構成された中部肋骨モデルと、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の骨格モデル。
【請求項3】
前記胸椎モデルは、その両側に設けられた複数の第1孔部を有し、
前記第1肋骨モデルと前記第2肋骨モデルと前記第3肋骨モデルは、その一端部に設けられ、前記第1孔部に挿入される第1軸部を有し、
前記胸骨モデルは、その両側に設けられた複数の第2孔部を有し、
前記第1肋骨モデルと前記第2肋骨モデルは、その他端部に設けられ、前記第2孔部に挿入される第2軸部を有し、
前記第2肋骨モデルは、前記第3肋骨モデルの他端部に対応する箇所に設けられた第3孔部を有し、
前記第3肋骨モデルは、その他端部に設けられ、前記第3孔部に挿入される第3軸部を有することを特徴とする請求項2に記載の骨格モデル。
【請求項4】
前記第1孔部と前記第2孔部と前記第3孔部は、前記骨格モデルの幅方向に向かって穿設された円柱状の孔であり、
前記第1孔部に挿入される前記第1軸部と、前記第2孔部に挿入される前記第2軸部と、前記第3孔部に挿入される前記第3軸部とのそれぞれが、骨格モデルの幅方向に対して平行となることを特徴とする請求項3に記載の骨格モデル。
【請求項5】
前記胸椎モデルは、その両側に設けられた前記第1孔部同士を連通させる第1凹部と、前記第1凹部に挿入された前記第1軸部同士を連結する第1連結部材と、をさらに有し、
前記胸骨モデルは、その両側に設けられた前記第2孔部同士を連通させる第2凹部と、前記第2凹部に挿入された前記第2軸部同士を連結する第2連結部材と、をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の骨格モデル。
【請求項6】
前記胸椎モデルは、その両側を連通する第1軸受部と、前記第1軸受部に挿入され、前記胸椎モデルの両側に配置された前記第1肋骨モデルと前記第2肋骨モデルと前記第3肋骨モデルとの一端部同士を連結する胸椎側軸部と、を有し、
前記胸骨モデルは、その両側を連通する第2軸受部と、前記第2軸受部に挿入され、前記胸骨モデルの両側に配置された前記第1肋骨モデルと前記第2肋骨モデルの他端部同士を連結する胸骨側軸部と、を有していることを特徴とする請求項2に記載の骨格モデル。
【請求項7】
前記第1軸受部と前記第2軸受部は、骨格モデルの幅方向に向かって穿設された円柱状の孔であり、
前記第1軸受部に挿入される前記胸椎側軸部と前記第2軸受部に挿入される前記胸骨側軸部とが、骨格モデルの幅方向に対して平行となることを特徴とする請求項6に記載の骨格モデル。
【請求項8】
前記肋骨モデルは、前記胸椎モデルのみに連結された第4肋骨モデルによって構成された下部肋骨モデルをさらに備えていることを特徴とする請求項2乃至請求項7のいずれか一つに記載の骨格モデル。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一つ記載の骨格モデルと、
前記骨格モデルの前記胸椎モデルと前記胸椎モデルとの間に収納された臓器モデルと、を備えていることを特徴とする人体モデル。
【請求項10】
前記臓器モデルは、肺モデル、心臓モデル及び肝臓モデルのうちいずれか一つ以上を有することを特徴とする請求項9に記載の人体モデル。
【請求項11】
前記臓器モデルは、横隔膜モデルを有し、
前記横隔膜モデルは、前記肋骨モデルに固定されていることを特徴とする請求項9に記載の人体モデル。
【請求項12】
前記横隔膜モデルは、柔軟性がある材料によって構成されていることを特徴とする請求項11に記載の人体モデル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−203699(P2011−203699A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73675(P2010−73675)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】