説明

骨盤サポートバンド付きズボン

【課題】骨盤サポートバンド付きズボンであって、このタイプのズボンの利点をそのまま活かしつつ、骨盤サポートバンドによる骨盤の締めつけ力調整や使用者の体格に応じたバンド周長の調整を行える骨盤サポートバンド付きズボンを提供する。
【解決手段】ズボン本体1と、ズボン本体穿き口11に接続された環状サポートバンド吊り下げ布部2と、布部2の下端部に接続されて吊り下げられた環状骨盤サポートバンド3とを有し、吊り下げ布部2は一部において左右分割部分23を含み、骨盤サポートバンド3は左右分割部分23に連続する左右分割部分36を含み、分割部分36にはバンド3の周長を調節して分割部分36の左側部分361及び右側部分362を互いに連結する連結具(フックf付きフック支持部33及びリングr付きリング支持部341〜343)が設けられている骨盤サポートバンド付きズボンA。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の下半身に装着するズボン、特に、骨盤サポートバンドを備えた新規なズボンに関する。
【背景技術】
【0002】
腰痛に苦しむ、所謂腰痛持ちの人のためのサポータとして、或いは、各種運動や作業( 例えば人の介護) 等による腰痛の発生を抑制しようとする人のためのサポータとして、人体の骨盤周囲に装着する骨盤サポータが種々開発、提案されてきた。
【0003】
例えば、実用新案登録第3094642号公報は、腰部に装着する腰バンドを開示している。
【0004】
しかしこのような骨盤サポータは、ズボン、スカート等の通常の衣類とは別個のものとして製作され、使用される、構造が大がかりなものであったため、それなりの使用効果が認められるものの、例えば次ような点で使用しずらい面があった。すなわち、
(1) それを装着した上からさらに、ズボン等を穿くと、外見上膨らみが目立つなど、外見上の体裁が悪くなる、
(2) それを装着すると、動きづらくなり、それを装着した上からさらにズボン等を穿くと、さらに動きづらくなる、
(3) 骨盤サポータを装着したうえに、ズボン等を穿かなければならず、それだけ骨盤サポータの装着、使用が面倒である、
等の点から使用しずい面があった。
【0005】
この点、特許第3769582号公報には、人体の下半身に穿いて装着するズボン本体と、該ズボン本体の内部に配置され、ズボン本体穿き口に上端部が接続された環状のサポートバンド吊り下げ布部と、該環状サポートバンド吊り下げ布部の下端部に上端部が接続されて吊り下げられ、下端部が自由下端部とされた伸縮性を有する環状の骨盤サポートバンドとを有し、該ズボン本体の人体への穿き装着により該骨盤サポートバンドを該人体の骨盤周囲に囲繞装着可能である骨盤サポートバンド付きズボンが記載されている。
【0006】
この骨盤サポート付きズボンによると、ズボン本体を穿くことで、骨盤サポートバンドを、外見上目立たないように、簡易に骨盤周囲に囲繞装着して使用できる。
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3094642号公報
【特許文献2】特許第3769582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように特許第3769582号公報に記載された骨盤サポートバンド付きズボンはそれなりの利点があるが、環状骨盤サポートバンドによる骨盤の締めつけ力を調整したり、環状骨盤サポートバンドの周長を使用者の体格にあわせて調節することができれば、かかる骨盤サポート付きズボンは一層便利で使い易いものになる。
【0009】
そこで本発明は、人体の下半身に穿いて装着するズボン本体と、該ズボン本体の内部に配置され、ズボン本体穿き口に上端部が接続された環状のサポートバンド吊り下げ布部と、該環状サポートバンド吊り下げ布部の下端部に上端部が接続されて吊り下げられ、下端部が自由下端部とされた伸縮性を有する環状の骨盤サポートバンドとを有し、該ズボン本体の人体への穿き装着により該骨盤サポートバンドを該人体の骨盤周囲に囲繞装着可能である骨盤サポートバンド付きズボンであって、このタイプのズボンの利点をそのまま活かしつつ、骨盤サポートバンドによる使用者骨盤の締め付け力調整や使用者の体格に応じた骨盤サポートバンド周長の調整を行うことができ、それだけ使用し易い骨盤サポートバンド付きズボンを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は前記課題を解決するため、人体の下半身に穿いて装着するズボン本体と、該ズボン本体の内部に配置され、ズボン本体穿き口に上端部が接続された環状のサポートバンド吊り下げ布部と、該環状サポートバンド吊り下げ布部の下端部に上端部が接続されて吊り下げられ、下端部が自由下端部とされた伸縮性を有する環状の骨盤サポートバンドとを有し、該ズボン本体の人体への穿き装着により該骨盤サポートバンドを該人体の骨盤周囲に囲繞装着可能である骨盤サポートバンド付きズボンであって、前記サポートバンド吊り下げ布部はその周長方向における一部において上側から前記骨盤サポートバンドへ向け延びる吊り下げ布左右分割部分を含んでおり、前記骨盤サポートバンドは該吊り下げ布左右分割部分に連続して上端部から自由下端部へ延びるバンド左右分割部分を含んでおり、該吊り下げ布左右分割部分の左側部分に前記バンド左右分割部分の左側部分が、該吊り下げ布左右分割部分の右側部分に前記バンド左右分割部分の右側部分がそれぞれ連続しており、該バンド左右分割部分には前記骨盤サポートバンドの周長を調節して該バンド左右分割部分の左側部分及び右側部分を互いに連結するための連結具が設けられており、該骨盤サポートバンドの周長が該連結具により調節された環状状態で前記ズボン本体の人体への穿き装着により該骨盤サポートバンドを該人体の骨盤周囲に囲繞装着可能である骨盤サポートバンド付きズボンを提供する。
【0011】
本発明に係るズボンには、例えば、スーツ用ズボン、通勤、通学等に穿く一般的なズボン、各種運動用ズボン、各種作業用ズボン等の各種の長ズボン又は短ズボン等が含まれ、さらには、運動等に使用するスパッツのようなものも本発明に係るズボンに含まれる。
【0012】
本発明に係る骨盤サポートバンド付きズボンによると、それに設けられている骨盤サポートバンドは、サポートバンド吊り下げ布部を介してズボン本体の穿き口に接続されているから、ズボン本体を穿いて装着することで、該ズボン本体を装着できるとともに併せて骨盤サポートバンドを骨盤周囲に簡易に囲繞装着して使用できる。
【0013】
骨盤サポートバンドは伸縮性のある構造簡単に済む環状バンド形態のものであり、これが構造簡単に済むサポートバンド吊り下げ布部を介してズボン本体の穿き口に接続されているだけであるから、骨盤サポートバンドの装着は、従来の大がかりな構造の腰部サポータ等と比べると、外見上目立たないように、外見体裁よく装着使用でき、また、それほど動きづらさを招くことなく装着使用できる。
本発明に係る骨盤サポートバンド付きズボンは洗濯して再使用することも可能である。
【0014】
サポートバンド吊り下げ布部は、環状に形成されているので、本発明に係るズボンを装着したとき、骨盤サポートバンドの位置を安定させ、骨盤サポートバンドをより容易、確実に人体骨盤周囲に囲繞装着できる。
【0015】
また、本発明に係る骨盤サポートバンド付きズボンにおいては、サポートバンド吊り下げ布部及び骨盤サポートバンドはいずれも環状のものではあるが、サポートバンド吊り下げ布部はその周長方向における一部において上側から(すなわち布部の上端部或いは上下端部間の中程部分から下へ)前記骨盤サポートバンドへ向け延びる吊り下げ布左右分割部分を含んでおり、骨盤サポートバンドは該吊り下げ布左右分割部分に連続して上端部から自由下端部へ延びるバンド左右分割部分を含んでおり、該吊り下げ布左右分割部分の左側部分に前記バンド左右分割部分の左側部分が、該吊り下げ布左右分割部分の右側部分に前記バンド左右分割部分の右側部分がそれぞれ連続しており、該バンド左右分割部分には前記骨盤サポートバンドの周長を調節して該バンド左右分割部分の左側部分及び右側部分を互いに連結するための連結具が設けられている。
【0016】
従って、骨盤サポートバンドの左右分割部分に設けられた前記連結具により該バンドの周長を骨盤締めつけ力の調整のためや、使用者の体格にあわせて調節し、そのように周長が調節された環状状態でズボン本体の人体への穿き装着により該骨盤サポートバンドを該人体の骨盤周囲に所望の状態で囲繞装着することができる。
【0017】
このように本発明に係る骨盤サポートバンド付きズボンは、骨盤サポートバンドによる使用者骨盤の締め付け力調整や使用者の体格に応じた骨盤サポートバンド周長の調整を行うことができ、それにより、一層便利で使い易いものとなっている。
【0018】
なお、ここで「吊り下げ布左右分割部分」、「吊り下げ布左右分割部分の左側部分」、「吊り下げ布左右分割部分の右側部分」における「左」、「右」とは、該吊り下げ布左右分割部分をズボンの外側から見たときの左、右を指している。
「バンド左右分割部分」、「バンド左右分割部分の左側部分」、「バンド左右分割部分の右側部分」における「左」、「右」についても、該バンド分割部分をズボンの外側から見たときの左、右を指している。
【0019】
前記サポートバンド吊り下げ布部は、本発明に係るズボンを使い易くするうえで、ズボン装着者の体格に応じて伸縮可能である伸縮性の布部としてもよい。
また、本発明に係るズボンを使い易くするうえで、また、骨盤サポートバンドの位置を安定させるうえで、サポートバンド吊り下げ布部下端部の周方向長さを骨盤サポートバンド上端部の周方向長さにあわせてもよい。
【0020】
また、サポートバンド吊り下げ布部は、発汗時等のムレを抑制するために例えばメッシュ状の通気性を有する布部としてもよい。
骨盤サポートバンドは、同じく発汗時等のムレを抑制するために例えば貫通通気孔を分散形成したものとしてもよい。
【0021】
骨盤サポートバンドは該バンドのズボン本体内での位置決めのために紐でズボン本体に連結してもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように本発明によると、人体の下半身に穿いて装着するズボン本体と、該ズボン本体の内部に配置され、ズボン本体穿き口に上端部が接続された環状のサポートバンド吊り下げ布部と、該環状サポートバンド吊り下げ布部の下端部に上端部が接続されて吊り下げられ、下端部が自由下端部とされた伸縮性を有する環状の骨盤サポートバンドとを有し、該ズボン本体の人体への穿き装着により該骨盤サポートバンドを該人体の骨盤周囲に囲繞装着可能である骨盤サポートバンド付きズボンであって、このタイプのズボンの利点をそのまま活かしつつ、さらに骨盤サポートバンドによる使用者骨盤の締め付け力調整や使用者の体格に応じた骨盤サポートバンド周長の調整を行うことができ、それだけ使用し易い骨盤サポートバンド付きズボンを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るズボンの1例である、様々の用途に使える長ズボンAの外観正面図である。図2は、該ズボンを裏返した状態のズボン正面側の図であり、図3は該ズボンを裏返した状態のズボン背面側(臀部側)の図である。
【0024】
図示のズボンAは、ズボン本体1が比較的柔軟なズボン材料から形成されており、外出衣、各種運動、病人や老人の介護作業等の各種作業などに適するものである。
【0025】
このズボンAは、ズボン本体1、ズボン本体内部に配置されてズボン本体1に接続されたサポートバンド吊り下げ布部2及び布部2に接続された骨盤サポートバンド3を含むものである。
ズボン本体1の穿き口11には、伸縮性部材111が縫着されているとともに絞り紐112を通してある。
【0026】
サポートバンド吊り下げ布部2は、メッシュ状の通気性、伸縮性、柔軟性を有する布部であり、全体が環状を呈しており、上端部21がズボン本体穿き口11の内周部位に縫着にて接続されている。
【0027】
骨盤サポートバンド3は、環状を呈しており、伸縮性を有するバンドであり、本例では、ゴム紐に糸を巻き付けた伸縮性紐を編成して形成したものである。骨盤サポートバンド3は、上端部31がサポートバンド吊り下げ布部2の下端部22に縫着にて接続され、該布部2から吊り下げられており、下端部32は自由下端部とされている。
骨盤サポートバンド3にはバンド表裏面に貫通する通気孔30を多数分散形成してある。
【0028】
サポートバンド吊り下げ布部2の下端部22の周方向長さは、骨盤サポートバンド3の上端部31の周方向長さにあわせてある。
また、骨盤サポートバンド3の後部(臀部側)は該バンドのズボン本体1内での位置決めのために紐35でズボン本体1に連結してある(図3参照)。紐35はバンド3の左右部分をズボン本体1へ連結するもの等でもよい。
【0029】
このズボンAのサポートバンド吊り下げ布部2及び骨盤サポートバンド3はいずれも基本的には環状に形成されているが、このズボンAにおいては次のようにして骨盤サポートバンド3の周長を調整できるようにしてある。
【0030】
これにつき、以下図4、図5等を参照して説明する。図4はズボンAの上部を拡大して、且つ、ズボン本体1の前側a1を一部切欠して示す図である。図5は図4と同様の図であるが、後述する吊り下げ布左右分割部23の左側部分231及びバンド左右分割部分36における左側部分361の端部を捲って示す図である。
【0031】
図4、図5等に示すように、サポートバンド吊り下げ布部2は、その周長方向における一部(本例ではズボン本体1の前側a1に隣り合う前側部分)において、上端部から骨盤サポートバンド3へ向け延びる吊り下げ布左右分割部分23を含んでいる。骨盤サポートバンド3は該吊り下げ布左右分割部分23に連続して上端部から自由下端部へ延びるバンド左右分割部分36を含んでいる。
【0032】
吊り下げ布左右分割部分23の左側部分231にバンド左右分割部分36の左側部分361が、吊り下げ布左右分割部分23の右側部分232にバンド左右分割部分36の右側部分362がそれぞれ連続している。さらにバンド左右分割部分36には骨盤サポートバンド3の周長を調節して該バンド左右分割部分の左側部分361及び右側部分362を互いに連結するための連結具が設けられている。
【0033】
該連結具は、図4、図5から分かるように、バンド左右分割部分36の左側部分361端部の内面に逢着された一本のフック支持部33と、バンド左右分割部分36の右側部分362の端部とそれに続く部分の外面(ズボン本体前側部分a1の内面に対向する面)に逢着された3本のリング支持部341、342、343を含んでいる。リング支持部341、342、343は所定の間隔をおいて逢着されている。
【0034】
フック支持部33には複数本のフックfが逢着されている。リング支持部341、342、343のそれぞれにはフックfの数と同数のリングrが該フックに対応する高さ位置に逢着されている。
【0035】
フック支持部33のフックfはリング支持部341、342、343のうちいずれのリングrにも脱離可能に係合することができる。
図1、図2、図4にはフック支持部33のフックfを一番端にあるリング支持部341のリングrに係合させた状態が示されている。
なお、図6はズボン本体1の前側a1及び後ろ側(臀部側)a2、サポートバンドつり下げ布部2、骨盤サポートバンド3、それに設けられたフック支持部33、リング支持部341、342、343、フックf、リングr 等相互の位置関係を概略的に示している。
【0036】
図1、図2、図4に示される連結状態のとき、環状骨盤サポートバンド3の周長が一番長いものとなる。また、この状態において、サポートバンド吊り下げ布部2下端部の周囲方向長さは環状骨盤サポートバンド3の周長に実質上一致している。
さらに、図1、図2、図4に示される連結状態のとき、吊り下げ布左右分割部分23の左側部分231の端部と右側部分232の端部とは相互に僅かに重なり配置され、バンド左右分割部分36の左側部分361の端部と右側部分362の端部も相互に僅かに重なり配置される。
【0037】
フックfをリング支持部342或いは343のリングrに係合させて、より周長の短い環状骨盤サポートバンド3を設定することもできる。
【0038】
以上説明した骨盤サポートバンド付きズボンAによると、骨盤サポートバンド3は、サポートバンド吊り下げ布部2を介してズボン本体1の穿き口11に接続されているから、図7に示すように、使用者Bは、ズボン本体1を穿いて装着することで、該ズボン本体1を装着できるとともに、併せて、フック支持部33とリング支持部341、343又は343とで予め環状とした骨盤サポートバンド3を骨盤周囲に簡易に囲繞装着して使用できる。
【0039】
骨盤サポートバンド3は伸縮性のある構造簡単に済む環状バンド形態のものであり、これが構造簡単に済むサポートバンド吊り下げ布部3を介してズボン本体1の穿き口11に接続されているだけであるから、骨盤サポートバンド3の装着は、従来の大がかりな構造の腰部サポータ等と比べると、外見上目立たないように、外見体裁よく装着使用でき、また、それほど動きづらさを招くことなく装着使用できる。
【0040】
また、サポートバンド吊り下げ布部2は、環状に形成した伸縮性を有する布部であるから、骨盤サポートバンド3を人体骨盤周囲に容易に、精度よく、囲繞装着でき、また、ズボン装着者の体の動きに合わせて伸縮するので、骨盤サポートバンド3を設けてある割りにはズボンAの穿き心地がよいという利点もある。
【0041】
また、ズボンAにおいては、サポートバンド吊り下げ布部2及び骨盤サポートバンド3はいずれも環状のものではあるが、サポートバンド吊り下げ布部2はその周長方向における一部において上端部から骨盤サポートバンド3へ向け延びる吊り下げ布左右分割部分23を含んでおり、骨盤サポートバンド3は該部分23に連続して上端部から自由下端部へ延びるバンド左右分割部分36を含んでおり、バンド左右分割部分36にはフック支持部33及び複数のリング支持部341、342、343を含む連結具が設けてあり、該フック支持部33のフックfをリング支持部341、342、343のいずれかのリングrに係合させることで、そのリング支持部の位置に応じた周長の環状骨盤サポートバンド3を得ることができる。
【0042】
従って、骨盤サポートバンド3の左右分割部分36に設けられた前記の連結具により該バンド3の周長を調整して、使用者骨盤の締め付け力を調整したり、使用者の体格にあわせた周長の骨盤サポートバンド3を設定したりすることができ、そのように周長が調節された状態でズボン本体1の人体への穿き装着により該骨盤サポートバンド3を該人体の骨盤周囲に所望の状態で囲繞装着することができる。
【0043】
このように骨盤サポートバンド付きズボンAは、骨盤サポートバンド3による骨盤締め付け力を調整したり、使用者の体格に応じた骨盤サポートバンド周長を得たりすることができ、それにより、一層便利で使い易いものとなっている。
【0044】
さらに、サポートバンド吊り下げ布部2はメッシュ状の通気性を有する布部であり、骨盤サポートバンド3には多数の通気孔30を形成してあるから、発汗時等のムレを抑制することができる。
また、骨盤サポートバンド付きズボンAは洗濯して再使用することも可能である。
【0045】
以上説明した骨盤サポートバンド付きズボンAは、所謂腰痛持ちの人の腰痛抑制、或いは腰痛持ちであった人の腰痛再発の抑制、各種運動や作業( 例えば人の介護) 等を行う人の腰痛発生の抑制等に利用することができる。
【0046】
なお、以上説明した実施形態では、連結具としてフック支持部33とリング支持部341、342、343とを含むものを用いたが、連結具は、所謂面状ファスナを利用したもの、紐を利用したもの、スライドファスナを利用したもの等各種のものを採用できる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、骨盤サポートバンドを簡易に装着できる骨盤サポートバンド付きズボンの提供に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る骨盤サポートバンド付きズボンの1例の外観正面図である。
【図2】図1に示すズボンを裏返した状態のズボン正面側の図である。
【図3】図1に示すズボンを裏返した状態のズボン背面側(臀部側)の図である。
【図4】図1に示すズボンの上部を拡大して、且つ、ズボン本体の前側部分を一部切欠して示す図である。
【図5】図1に示すズボンの上部を拡大して、且つ、ズボン本体の前側部分を一部切欠して、さらにバンド左右分割部分における左側部分の端部を捲って示す図である。
【図6】ズボン本体の前側及び後ろ側(臀部側)、サポートバンドつり下げ布部、骨盤サポートバンド、それに設けられたフック支持部及びリング支持部、さらにフック、リング等の相互の位置関係を概略的に示す図である。
【図7】図1に示すズボンの使用状態例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
A 骨盤サポートバンド付きズボン
1 ズボン本体
11 ズボン本体の穿き口
111 伸縮性部材
112 絞り紐
2 サポートバンド吊り下げ布部
21 布部2の上端部
22 布部2の下端部
23 吊り下げ布左右分割部分
231 分割部分23の左側部分
232 分割部分23の右側部分
3 骨盤サポートバンド
30 バンド3の通気孔
31 バンド3の上端部
32 バンド3の下端部
33 フック支持部
f フック
341、342、343 リング支持部
r リング
35 紐
36 バンド左右分割部分
361 部分36の左側部分
362 部分36の右側部分
B ズボン装着者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の下半身に穿いて装着するズボン本体と、該ズボン本体の内部に配置され、ズボン本体穿き口に上端部が接続された環状のサポートバンド吊り下げ布部と、該環状サポートバンド吊り下げ布部の下端部に上端部が接続されて吊り下げられ、下端部が自由下端部とされた伸縮性を有する環状の骨盤サポートバンドとを有し、該ズボン本体の人体への穿き装着により該骨盤サポートバンドを該人体の骨盤周囲に囲繞装着可能である骨盤サポートバンド付きズボンであって、前記サポートバンド吊り下げ布部はその周長方向における一部において上側から前記骨盤サポートバンドへ向け延びる吊り下げ布左右分割部分を含んでおり、前記骨盤サポートバンドは該吊り下げ布左右分割部分に連続して上端部から自由下端部へ延びるバンド左右分割部分を含んでおり、該吊り下げ布左右分割部分の左側部分に前記バンド左右分割部分の左側部分が、該吊り下げ布左右分割部分の右側部分に前記バンド左右分割部分の右側部分がそれぞれ連続しており、該バンド左右分割部分には前記骨盤サポートバンドの周長を調節して該バンド左右分割部分の左側部分及び右側部分を互いに連結するための連結具が設けられており、該骨盤サポートバンドの周長が該連結具により調節された環状状態で前記ズボン本体の人体への穿き装着により該骨盤サポートバンドを該人体の骨盤周囲に囲繞装着可能であることを特徴とする骨盤サポートバンド付きズボン。
【請求項2】
前記サポートバンド吊り下げ布部はズボン装着者の体格に応じて伸縮可能である伸縮性の布部である請求項1記載の骨盤サポートバンド付きズボン。
【請求項3】
前記サポートバンド吊り下げ布部下端部の周方向長さは前記骨盤サポートバンド上端部の周方向長さにあわせてある請求項1又は2記載の骨盤サポートバンド付きズボン。
【請求項4】
前記サポートバンド吊り下げ布部は、メッシュ状の通気性を有する布部であり、前記骨盤サポートバンドには貫通通気孔を分散形成してある請求項1、2又は3記載の骨盤サポートバンド付きズボン。
【請求項5】
前記骨盤サポートバンドは該バンドのズボン本体内での位置決めのために紐でズボン本体に連結してある請求項1、2、3又は4記載の骨盤サポートバンド付きズボン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−196089(P2008−196089A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−34447(P2007−34447)
【出願日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(390018131)株式会社新和 (12)
【Fターム(参考)】