説明

骨盤矯正クッション

【課題】骨盤を締め付ける機能があり、座った状態で腰仙角を正しい角度に保持する骨盤矯正クッションを提供することである。
【解決手段】凹状に形成された弾性体からなる骨盤載置部の座面背中側に、仙骨7の腰仙角8を保持するための支持部を設けた中材を、生地にて外装したクッションとする。この構成により、座った状態で腰仙角8を正しい角度に保持しながら骨盤5を締め付け、骨盤5の歪み、緩みを矯正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨盤の歪み、緩みを矯正するクッションに関するものである。
【背景技術】
【0002】
生活習慣において偏った悪い姿勢を取り続けたり、また加齢による筋肉の衰えなどにより骨盤に大きな負担がかかり、骨盤の歪み、緩みが生じる。特に女性の場合、出産に備えて骨盤を繋ぐ靱帯が緩みやすくなっており、出産時は恥骨結合の幅が伸びるので出産後に異常が生じやすい傾向にある。
【0003】
骨盤の歪み、緩みは下半身太りなどの肥満や腰痛、肩こり、膝痛といった関節や神経の不調、また生理痛、尿漏れ、便秘などの体調不良を招く。
【0004】
この骨盤の歪み、緩みを矯正するため、座るだけで骨盤を締め付けることができるクッションなどが市販されており、本出願人も先に、硬めの弾性体と衝撃吸収性のよい弾性体との二層構造からなる骨盤矯正クッションを提案している(特願2006−145915)。
【0005】
ところで人間の脊椎は横から見ると生理的湾曲と呼ばれる、上半身の重さを吸収するカーブ状になっており、仙骨に接する部分は腰仙角と呼ばれる角度がついていて仙骨にかかる体重を分散吸収する仕組みになっている。ところがクッションに座り続けるうち腰仙角が正しい角度に保たれなくなると、骨盤が後に倒れた状態になり、脊椎のカーブ形状が崩れ、いわゆる猫背の悪い姿勢になってしまうので、骨盤だけを締め付けても骨盤を正しい位置に戻すことは困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、前述の問題を解決するため、座った状態で腰仙角を正しい角度に保持する骨盤矯正クッションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため本発明は、骨盤を左右から締め付けるために凹状に形成された、弾性体からなる骨盤載置部の座面背中側に、仙骨の腰仙角を保持するための支持部を設けた骨盤矯正クッションとする。
【発明の効果】
【0008】
上述した構成により、座った状態で腰仙角を正しい角度に保持しながら骨盤を締め付けるので、骨盤の歪み、緩みの矯正に有効に作用する効果がある。
【発明を実施するための最良の実施の形態】
【0009】
本発明は、凹状に形成された弾性体からなる骨盤載置部の座面背中側に、仙骨の腰仙角を保持するための支持部を設けた中材を、生地にて外装した構成とする。
【実施例】
【0011】
本発明の実施の形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1は本発明品の実施形態であるクッションの外観の斜視図。図2は本発明品のクッションの中材となる骨盤載置部3の斜視図である。骨盤載置部3はポリウレタンのような弾性材から成り、尻部の幅より狭めの凹状に形成されているので、図3の模式図に示すように、クッションに座ると体重で凹状の左右の膨出部4が開くが、弾性材の戻る力により骨盤5を外側から締め付ける。
【0012】
図4は人体の脊椎、骨盤を横から見た模式図であるが、脊椎6は生理的湾曲と呼ばれるカーブ状になっていて上半身の重さを吸収しており、仙骨7に接する部分は腰仙角8と呼ばれる約30度の角度がついており、その角度によって体重が仙骨7にかかる力を分散吸収している。
【0013】
ところが椅子やクッションに座り続けると、図5で示すように仙骨7が後に倒れてきて、腰仙角8の角度が狂い、同時に脊椎6のカーブの形状も崩れて、いわゆる猫背の姿勢になる。そのため仙骨7に上半身の体重が過度に加わり、限界を超えると腰痛を引き起こす要因にもなる。
【0014】
しかし図6で示すように本発明品を使用すれば、仙骨支持部9が仙骨7を支えるので腰仙角8は正しい角度に保たれ、正しい姿勢を持続できるので骨盤の矯正はもとより腰痛の予防にも有効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明品のクッションの外観の斜視図
【図2】発明品のクッションの中材となる骨盤載置部の斜視図。
【図3】発明品の骨盤締め付けの状態をしめす横断面模式図。
【図4】人体の脊椎、骨盤を横から見た模式図。
【図5】骨盤が後に倒れた状態を横から見た模式図。
【図6】発明品使用時の脊椎、骨盤を横から見た模式図。
【符号の説明】
1 クッション
2 生地
3 骨盤載置部
4 膨出部
5 骨盤
6 脊椎
7 仙骨
8 腰仙角
9 仙骨支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨盤を左右から締め付けるために凹状に形成された、弾性体からなる骨盤載置部の座面背中側に、仙骨の腰仙角を保持するための支持部を設けたことを特徴とする骨盤矯正クッション。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−126025(P2008−126025A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−339174(P2006−339174)
【出願日】平成18年11月18日(2006.11.18)
【出願人】(501156280)
【Fターム(参考)】