説明

骨盤組織感染症および外傷の治療用経膣組成物

経膣投与による骨盤組織感染症の治療および/または予防に使用するための医薬組成物は、抗生物質と薬学上許容される担体または希釈剤とを含んでなる。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
発明の分野
本発明は、経膣または経直腸投与に適する医薬組成物、そのような医薬組成物のキット、および医薬組成物の経膣または経直腸投与を含む医学的治療法に関する。
【0002】
背景技術
中絶誘発および不成功妊娠の子宮内容除去は、著しい罹病率と関連する。これは、子宮穿孔および感染のような関連合併症のためである。
【0003】
手術前に投与されるプロスタグランジンは、子宮頸部を柔軟にして外傷を軽減する。ここ十年、膣内投与されるミソプロストール(misoprostol)は、その室温安定性の故ににプロスタグランジン剤として世界的に好ましいとされてきた。これは、Royal College of Obstetricians and Gynaecologist(RCOG)が術前の子宮頸部プライミングに推奨している薬剤のひとつである。
【0004】
RCOGはまた、中絶を受ける女性は全て、クラミジアおよび/または嫌気性細菌などの感染症を治療するかまたはそのような感染症のスクリーニングを受けて治療すべきことを推奨している。
【0005】
生殖器クラミジア・トラコマティス感染は、性的活動性を有する最若年層(16〜19歳女性および20〜24歳男性)に最もよく見られる。1999年、英国尿生殖器クリニックは、約57,000の生殖器感染症の新症例を報告した(約33,000の女性症例および約24,000の男性症例)。この感染は通常、他の性行為感染症、とくに淋病とともに起きる。治療に選択できるものとしては、ドキシサイクリン(Doxycycline)またはアジスロマイシン(Azithromycin)が挙げられるが、前者では不十分な患者コンプライアンスが関連する。アジスロマイシンの使用は、男性および女性の双方に適用できる。
【0006】
アジスロマイシンは、組織特異的抗生物質であるという点で特有である。他の経口投与される抗生物質群と異なり、これは胃腸管から血流に、そして組織および感染病巣中に速やかに吸収される。近年のメタ分析研究はこれまで、単回1グラム用量として経口投与した場合、そのクラミジア感染症治療効果および患者の寛容はドキシサイクリンの1週間クールのそれと同様であることを示している。アジスロマイシンの単回経口投与法はより魅力的であるが、女性の25%は副作用を経験すると思われる。
【0007】
アジスロマイシンは、呼吸器系、皮膚および軟組織の感染症の経口的治療用として認可されている。婦人科領域では、クラミジア・トラコマティスによる単純生殖器感染症のために認可されている。1980年代に、PLIVAおよびファイザーはアジスロマイシンの最初の特許保護特権をベルギーで最初に、そしてその後世界的に獲得した。これは1980年代に、Sumamedとして最初に登録された。
【0008】
関連する高効能にも関わらず、アジスロマイシン投与の他の非侵襲的ルートの研究は試みられなかった。唯一の試みのアジスロマイシンの経直腸投与の結果はネガティブであった。ネガティブの結果であるためにこの研究グループは報告を著すことはできなかった。彼らはこの研究を基にして、経直腸投与されたアジスロマイシンの生物学的有効性(バイオアベイラビリティー)はおそらく限られた吸収のために変動が大きく低いと結論づけた(George Melnik et al. Bioavailability of azithromycin when delivered rectally. 第19回International Congress of Chemotherapy、モントリオール、1995で発表)。この生物学的有効性の変動は、他の非経口的投与はいずれも非実用的と考えられたことを意味した。
これらの問題の解決策が探求されてきた。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第一の態様によれば、経膣投与による骨盤組織感染症の治療および/または予防に使用するための医薬組成物が提供され、この組成物は抗生物質および薬学上許容される担体または希釈剤を含んでなる。
【0010】
本発明の第二の態様によれば、
(a)抗生物質、および、
(b)プロスタグランジン
を混合してまたは別々に含んでなる、医薬組成物が提供される。
【0011】
本発明の第二の態様による組成物は、好ましくは、経膣および/または経直腸投与による婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するためのものである。
【0012】
本発明によればさらに、
(a)抗生物質、
(b)プロスタグランジンおよび
(c)それを必要とする患者への(a)および(b)の同時、連続的または別々の投与のための説明書
を含んでなる、キットが提供される。
【0013】
キットは、好ましくは、経膣および/または経直腸投与による婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するためのものである。
【0014】
本発明によればまた、経膣および/または経直腸投与による骨盤組織感染の治療および/または予防に使用するための薬剤の製造における、本発明の第一の態様による組成物の使用が提供される。
【0015】
本発明によればまた、経膣および/または経直腸投与による婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するための薬剤の製造における、本発明の第二の態様による組成物の使用が提供される。
【0016】
本発明によればまた、経膣および/または経直腸投与による婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するための薬剤の製造における、本発明によるキットの使用が提供される。
【0017】
本発明によればさらに、本発明によるキットまたは本発明の第二の態様による組成物の製造における抗生物質の使用が提供され、該キットまたは組成物は経膣および/または経直腸投与による婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するためのものである。
【0018】
本発明によればさらに、経膣または経直腸投与による骨盤組織感染症の治療および/または予防に使用するための本発明の第一の態様による組成物の製造における、抗生物質の使用が提供される。
【0019】
本発明によればまた、本発明によるキットまたは本発明の第二の態様による組成物の製造におけるプロスタグランジンの使用が提供され、該キットまたは組成物は経膣および/または経直腸投与による婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するためのものである。
【0020】
本発明の第三の態様によれば、骨盤組織感染症の治療および/または予防の方法であって、そのような治療を必要とする患者に治療上有効な量の抗生物質を経膣または経直腸投与することを含んでなる方法が提供される。
【0021】
本発明の第四の態様によれば、婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減の方法であって、そのような治療を必要とする患者に治療上有効な量の抗生物質およびプロスタグランジンを経膣または経直腸投与することを含んでなる方法が提供される。
【発明の具体的説明】
【0022】
驚くべきことに、抗生物質を経膣投与することによって骨盤組織への有意なレベルの吸収が達成されることが見出された。これらはクラミジア感染症の治療を必要とする組織である。子宮頸部を柔軟にするために手術前に与えられるミソプロストールの場合のように、投与ルートを変えることによって抗生物質の使用に伴う副作用を軽減することが可能であると思われる。
【0023】
これは、次の公衆衛生の二つの分野に関係するために重要である。
1)経子宮頸部的処置法、とくに中絶誘発および不成功妊娠の子宮内容除去、および
2)感染の予防、とくに骨盤感染、とりわけ性行為感染症の予防。
【0024】
RCOGのガイドラインによれば、検出されないクラミジア感染の可能性に対処するために女性は子宮頸部柔軟剤および抗生物質を必要とする。本発明の第二の態様による組成物の利点は、これがこれら二つの処置を一つにして、コンプライアンスを向上させ、患者のためにより便利なことである。
【0025】
本発明の第一の態様による組成物は、無痛剤、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)および/または局所麻酔薬を任意にさらに含んでなる。適切な無痛剤の例としては、ジクロフェナック(diclofenac)のようなNSAIDまたはパラセタモル(paracetamol)のような薬剤が挙げられる。適切な局所麻酔薬としては、リグノカイン(lignocaine)、ブピバカイン(bupivacaine)またはロピバカイン(ropiracaine)が挙げられる。
【0026】
本発明に使用される抗生物質は好ましくはアジスロマイシンであるが、メトロニダゾール(metronidazole)などの他の抗生物質との組み合わせも含み得る。プロスタグランジンは好ましくはミソプロストールであるが、セルバゲム(cervagem)を含み得る。
【0027】
本発明において使用される抗生物質の量は、好ましくは250〜1000ミリグラム、より好ましくは500〜1000ミリグラムのアジスロマイシンである。本発明において使用されるプロスタグランジンの量は、50〜1000マイクログラム、より好ましくは100〜800マイクログラムのミソプロストールである。
【0028】
本発明の第二の態様による組成物はまた、好ましくは薬学上許容される担体または希釈剤を含む。
【0029】
本発明による組成物は、経膣および/または経直腸投与に適するように製剤化される。それぞれ、任意に、錠剤、ペッサリー、座剤、クリーム、ゲル、生物粘着性除放性製剤および/または軟膏などの剤形にされる。本発明による組成物において使用される薬学上許容される担体または希釈剤の例としては、セルロース、セルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、ポリエチレングリコールおよび植物油が挙げられる。
【0030】
本発明の組成物が座剤の場合、座剤は座剤用の従来の薬学上許容される担体または希釈剤を用いて従来の方法で調製することができる。
【0031】
そのような座剤のための薬学上許容される担体または希釈剤に含まれ得るものには、オリーブ油、トウモロコシ油、ひまし油、綿実油、胚芽付きコムギからの油、カカオ油、牛脂、豚脂、羊脂、亀脂、スクアレンまたは硬化油のような動物および植物由来の油脂、ワセリン(商標)、白色軟パラフィン、固体パラフィン、液体パラフィン、無水ラノリンまたはシリコン油のような鉱物からの油脂、ホホバ油、カルナウバ蝋、黄蜂蝋またはラノリンのような蝋、または直鎖飽和脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸またはステアリン酸)または直鎖不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノール酸またはリノレン酸)などの中級または高級脂肪酸のモノ、ジまたはトリグリセリドのような部分合成または完全合成グリセリン脂肪酸エステルがある。市販されている製品の例としては、Witepsol[Dynamitnobel社製、C12〜C18の飽和脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの混合物、より具体的にはWitepsol Hシリーズ(例えば、Witepsol H5、H12、H19、H32、H35、H37、H39、H42、H175またはH185)、Witepsol Wシリーズ(例えば、Witepsol W25、W31、W35またはW45)、Witepsol Eシリーズ(例えば、Witepsol E75、E76、E79またはE85)またはWitepsol Sシリーズ(例えば、Witepsol S52、S55またはS58)が含まれる];Pharmasol(日本油脂(株)社製);イソカカオ(花王石鹸(株)社製);SB(鐘淵化学(株)社製および太洋油脂(株)社製;C12〜C18の飽和脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの混合物、より具体的にはSB-H、SB-EまたはSB-AMが含まれる);Nopata(ヘンケル社製);Sapoyer(Gattfords社製;C10〜C18の飽和脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの混合物、具体的にはSapoyer NA、Sapoyer OS、Sapoyer AS、Sapoyer BS、Sapoyer BMまたはSapoyer DMが含まれる);Masaesthalinum(Dynamitnobel社製;C10〜C18の飽和脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの混合物、より具体的にはMasaesthalinum A、AB、B、BB、BC、BCF、C、D、EまたはBDおよびMasaasthalinum 299が含まれる);またはMigriol 810またはMigriol 812(Dynamitnobel社製;C8〜C12の飽和脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリ−グリセリドの混合物、より具体的には上記の部分または完全合成グリセリン脂肪酸エステルが取り込まれた場合にそれらの一つまたはそれ以上が任意に取り込まれてもよい)が挙げられる。さらに、ポリエチレングリコールまたはポリオキシエチレンアルコールのような他の合成製品も例として挙げられる。
【0032】
座剤には、必要であれば、保存料、安定剤、表面活性剤、芳香剤、pH調整剤または精製水を添加してもよい。
【0033】
座剤は、室温で固体であって体温で融ける直腸座剤、本発明の組成物を液体基剤に溶解または懸濁することによって調製できる軟膏または液体浣腸剤、直腸投与用ソフトカプセル、または直腸投与用の注射液などの種々の剤形であり得る。
【0034】
本発明による組成物およびキットは、経膣投与用のものが好ましい。同様に、本発明の方法は、経膣投与を含むものが好ましい。
【0035】
本発明は、骨盤組織の感染の治療に用いることができる。骨盤組織には、子宮頸部、子宮内膜、卵管および/または子宮傍結合組織が含まれる。本発明によって治療できる感染症には、クラミジア感染症、淋病および膣トリコモナスなどの性行為感染症が含まれる。
【0036】
本発明の第二の態様による組成物および本発明によるキットは、好ましくは、尿生殖器路または下方腸の外科的手術を受けようとする患者への経膣および/または直腸投与による使用のためのものである。同様に、本発明の第四の態様による方法は、好ましくは、婦人科的手術を受けようとする患者への治療投与を含んでなる。そのような手術の例としては、外科的および薬物による中絶、不成功妊娠の子宮内容排出および子宮外妊娠で行なわれる経子宮頸部的手術が挙げられる。
【0037】
本発明のキットの抗生物質およびプロスタグランジンは、婦人科的手術の結果起きる外科的外傷を軽減するために、同時に、連続してまたは別々に投与することができる。連続的とは、有効成分(抗生物質およびプロスタグランジン)を順次に投与することを意味する。所望される効果は別々に投与した場合でもなお達成されるが、好ましくは、約12時間以内の間隔、より好ましくは約2時間以内の間隔、最も好ましくは約30分間以内の間隔をおいて投与される。
【0038】
本発明は、任意に、ヒトまたは動物、とくにヒトまたは哺乳動物を治療対象とすることができる。
【0039】
本発明によるキットにおいて、抗生物質およびプロスタグランジンは好ましくは、抗生物質またはプロスタグランジンのいずれかが薬学上許容される担体または希釈剤と組み合わさった薬学上許容される組成物の形で提供される。
【0040】
適切な製剤の例としては、アジスロマイシン1000mgをポリエチレングリコールまたはWitepsolのような担体とともに含んでなるペッサリー、アジスロマイシン1000mgをポリエチレングリコールまたはココアバターまたはWitepsolのような担体とともに含んでなる座薬製剤;ミソプロストール800マイクログラムをヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはWitepsolまたは遊離脂肪酸硬脂基剤などの担体とともに含んでなるプロスタグランジン(本発明によるキットにおいて使用のもの)のペッサリー製剤;ミソプロストール800マイクログラムをヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリエチレングリコールまたはWitepsolなどの担体とともに含んでなるプロスタグランジン(本発明によるキットにおいて使用のもの)の座薬製剤;ミソプロストール800マイクログラムおよびアジスロマイシン1000mgをWitepsolまたはポリエチレングリコールなどの担体とともに含んでなるプロスタグランジンおよび抗生物質のペッサリー製剤;ミソプロストール800マイクログラムおよびアジスロマイシン1000mgをヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはWitepsolとともに含んでなるプロスタグランジンおよび抗生物質の座薬製剤が挙げられる。そのような製剤の調製法は、とくに実施例1の開示に基づいて、当業者には周知であろう。
【0041】
本発明は以下の実施例によって説明されるが、これらは本出願の請求の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0042】
実施例1
アジスロマイシン500mgおよびミソプロストール400mcgのペッサリー製剤の例:
【0043】
【表1】

ペッサリー製剤を表1に示した成分を用いて調製した。ミソプロストール錠剤はブレンダ−を用いて粉砕した。得られた粉末を乳鉢に入れてアジスロマイシンとともに微細粉末にした。よく混合した後、溶解したWitepsolを加えて、よく攪拌した。次いで、混合物を100個の3g型に注いで固めた。
【0044】
試験研究例I
この試験研究は、良性の原因による子宮摘出術を受ける閉経期前の女性について行なった。患者10人にアジスロマイシン錠(ジスロマックス、ファイザー製)を遅くとも手術前18時間に経口または経膣投与して、次いで、子宮摘出試料からの生体組織を得た。次いで、アジスロマイシンの子宮内膜、子宮頸部および卵管レベルを、この組織特異的抗生物質に適切な方法であるミクロコッカス・ルテウスATCC 9341を指示菌とする寒天ウェル拡散バイオアッセイ法を用いる組織薬物速度論を用いて測定した(Girard AE et al. 1987. Pharmacokinetics and in-vivo studies with azithromycin (CP-62.993), a new macrolide with extended half-life and excellent tissue distribution. Antimicrobial Agents and Chemotherapy. 31: 1948-54)。先の研究で、1kg組織当たり2.0mg以上のアジスロマイシンレベルが有意であると定義された。
【0045】
表2は、各患者について投与経路および血清および組織試料を採取した投与後の時間を示す。アジスロマイシン濃度は、血清試料および子宮内膜、子宮頸部および卵管組織試料について得られたものである。
【0046】
【表2】

【0047】
患者番号6は、治療に適合しなかった。錠剤(そのまままたは部分溶解)は膣内に見られなかった。彼女は医者の助言に反して子宮摘出の2日後に自ら退院した。
【0048】
表2のデータは、アジスロマイシンの経膣投与は治療24時間後ですら有意なレベルでその抗生物質が骨盤組織に存在するという驚くべき結果を示している。
【0049】
ジスロマックスは経口投与用に製剤化されてることから、経膣投与用に製剤化された本発明の第一の態様による組成物の使用はより改善された結果をもたらすであろうことが期待されることは、注目すべきである。
【0050】
試験研究例II
この試験研究は、外科的妊娠終結処置を受ける女性13人について行なわれた。アジスロマイシンおよびミソプロストールの特別製剤は上記のようにペッサリーに成型された。ペッサリーは、外科的妊娠終結処置2〜4時間前に投与された。生検試料を子宮頸部および子宮内膜から得た。加えて、血中レベルを調べた。結果を表3に示す。
【0051】
【表3】

【0052】
これらの結果は、表2のデータと比較して組織におけるアジスロマイシンが極めて高レベルであることを明らかに示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経膣投与による骨盤組織感染症の治療および/または予防に使用するための医薬組成物であって、抗生物質と薬学上許容される担体または希釈剤とを含んでなる、組成物。
【請求項2】
無痛剤、非ステロイド系抗炎症薬、および/または局所麻酔薬を含んでなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
性行為感染症の治療に使用するための、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
抗生物質が、必要に応じてメトロニダゾールと併せて、アジスロマイシンを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
子宮頸部、子宮内膜、卵管および/または子宮傍結合組織の治療に使用するための、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
経膣および/または経直腸投与による、骨盤組織感染症の治療および/または予防に使用するための薬剤の製造における、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項7】
(a)抗生物質、および、
(b)プロスタグランジン
を混合してまたは別々に含んでなる、医薬組成物。
【請求項8】
経膣および/または経直腸投与、好ましくは経膣投与により使用するための、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するための、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
薬学上許容される担体または希釈剤を含んでなる、請求項7〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
プロスタグランジンが、必要に応じてセルバゲムと併せた、ミソプロストールである、請求項7〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
抗生物質が、必要に応じてメトロニダゾールと併せて、アジスロマイシンを含む、請求項7〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
子宮頸部、子宮内膜、卵管および/または子宮傍結合組織の治療および/または予防に使用するための、請求項7〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
経膣および/または経直腸投与による婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するための薬剤の製造における、請求項7〜13のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項15】
(a)抗生物質、
(b)プロスタグランジンおよび
(c)それを必要とする患者への(a)および(b)の同時、連続的または別々の投与のための説明書
を含んでなる、キット。
【請求項16】
経膣および/または経直腸投与により使用するための、請求項15に記載のキット。
【請求項17】
婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するための、請求項15または16に記載のキット。
【請求項18】
(a)および(b)がそれぞれ薬学上許容される担体または希釈剤を含んでなる、請求項15〜17のいずれか一項に記載のキット。
【請求項19】
経膣および/または経直腸投与による、婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するための薬剤の製造における、請求項15〜18のいずれか一項に記載のキットの使用。
【請求項20】
請求項15〜18のいずれか一項に記載のキットの製造または請求項7〜13のいずれか一項に記載の組成物の製造における抗生物質の使用であって、該キットまたは組成物が経膣および/または経直腸投与による婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するためのものである、使用。
【請求項21】
経膣または経直腸投与による骨盤組織感染症の治療および/または予防に使用するための請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物の製造における、抗生物質の使用。
【請求項22】
請求項15〜18のいずれか一項に記載のキットの製造または請求項7〜13のいずれか一項に記載の組成物の製造におけるプロスタグランジンの使用であって、該キットまたは組成物が経膣および/または経直腸投与による婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷の軽減に使用するためのものである、使用。
【請求項23】
骨盤組織感染症の治療および/または予防の方法であって、そのような治療を必要とする患者に治療上有効な量の抗生物質を経膣または経直腸投与することを含んでなる、方法。
【請求項24】
感染症が性行為感染症である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
抗生物質が、必要に応じてメトロニダゾールと併せて、アジスロマイシンを含む、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
感染組織が子宮頸部、子宮内膜、卵管および/または子宮傍結合組織である、請求項23〜25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
婦人科的手術の結果として起きる外科的外傷を軽減する方法であって、そのような治療を必要とする患者に治療上有効な量の抗生物質およびプロスタグランジンを含んでなる組成物を、経膣または経直腸投与することを含んでなる、方法。
【請求項28】
婦人科的手術を受けようとする患者に組成物を投与することを含んでなる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
手術が外科的または薬物による中絶、不成功妊娠の子宮内容物除去、および/または子宮外妊娠でなされる経子宮頸部的手術を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
組成物が薬学上許容される担体または希釈剤を含んでなる、請求項27〜29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
プロスタグランジンが、必要に応じてセルバゲムと併せた、ミソプロストールである、請求項27〜30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
抗生物質が、必要に応じてメトロニダゾールと併せて、アジスロマイシンを含む、請求項27〜31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
患者がヒトまたは動物、特にヒトまたは哺乳動物である、請求項23〜32のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2007−516198(P2007−516198A)
【公表日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518336(P2006−518336)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国際出願番号】PCT/GB2004/002867
【国際公開番号】WO2005/004880
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(506005411)
【氏名又は名称原語表記】HAZEM EL−REFAEY
【Fターム(参考)】