骨部整形用ガイド器具
【課題】角度変更が容易で、小型の角度調節部を備えた骨部整形用ガイド器具を提供する。
【解決手段】骨部の整形に際して、整形すべき骨部90の基準部位98に配置される本体10と、基準部位98に対して所定の角度で延在できる角度規定部20とを有して成る骨部整形用ガイド器具1であって、前記角度規定部20は、支持部40によって前記本体10に軸回転可能に軸支され、前記支持部40を中心とした前記本体10と前記角度規定部20との開き角度は、角度調節部30により調節され、前記角度調節部30が、前記本体10と前記角度規定部20との間に配置された偏心カムを有し、前記偏心カムを回転させて前記本体10と前記角度規定部20との間隔を変化させることにより前記開き角度を調節することを特徴とする。
【解決手段】骨部の整形に際して、整形すべき骨部90の基準部位98に配置される本体10と、基準部位98に対して所定の角度で延在できる角度規定部20とを有して成る骨部整形用ガイド器具1であって、前記角度規定部20は、支持部40によって前記本体10に軸回転可能に軸支され、前記支持部40を中心とした前記本体10と前記角度規定部20との開き角度は、角度調節部30により調節され、前記角度調節部30が、前記本体10と前記角度規定部20との間に配置された偏心カムを有し、前記偏心カムを回転させて前記本体10と前記角度規定部20との間隔を変化させることにより前記開き角度を調節することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨を整形する際に骨切り面を決定するのに使用される器具に関し、特に、体部の基準部位に対して所望の角度を有する規定面又は規定線を定める器具に関する。
【背景技術】
【0002】
人工膝関節は、大腿骨遠位部に固定される大腿骨コンポーネントと、脛骨近位部に固定される脛骨コンポーネントを含んでいる。これらのコンポーネントを設置する前に、大腿骨遠位部及び脛骨近位部を骨切りして所定形状に整形するが、コンポーネントを最適位置に設置するためには、厳密な骨切り精度が求められる。
【0003】
図8及び図9に示す大腿骨遠位部の整形例では、大腿骨90の遠位部92を、5面の骨切り面(図中A〜E)で骨切りしている。骨切りの順番としては、大腿骨90の軸Iにほぼ直交する面Aと軸Iとほぼ平行する面Bとを骨切りし、その後に面C〜Eを骨切りする。面Aと面Bは、他の面C〜Eの基準となるため、正確な向きで骨切りする必要がある。そこで、大腿骨90の基準となる面や線に基づいて、骨切り面を正確に規定できる骨部整形用ガイド器具が使用される。
【0004】
面Bの骨切りには、図10に示すような骨部整形用ガイド器具1002と、図11に示すようなカットガイド2024とを使用する。ガイド器具1002により大腿骨90に対して所望の角度にカットガイドホルダー2020を位置決めし、その後にカットガイドホルダー2020にカットガイド2024を取り付けて面Bの骨切りを行う。
【0005】
図10のガイド器具1002は、大腿骨90の内側顆94の後面と外側顆96の後面とを結んだ面(内外顆外面98)に設置するガイドゲージ2010と、ガイドケージ2010にねじ止めされるガイドバー2030と、ガイドバー2030をスライド挿入する溝を備えたカットガイドホルダー2020とを含んでいる。所望の位置と角度に位置決めされたカットガイドホルダー2020は、ピン1050で大腿骨90に固定される。その後、ガイドゲージ2010とガイドバー2030を取り外し、ガイドバー2030が挿入されていたカットガイドホルダー2020の溝に、代わりにカットガイド2024のガイドバー2026をスライド挿入する(図11)。カットガイド2024のスリット2028で切刃をガイドして、面Bを骨切りする。
【0006】
内外顆外面98に対する面Bの角度を変更するには、図10のガイド器具1002のガイドゲージ2010を変更する。図10では、内外顆外面98とカットガイドホルダー2020の上面2022とが3°外旋するように設計されたガイドゲージ2010を使用した例である。カットガイドホルダー2020の上面2022が、カットガイド2024のスリット2028と平行になるように設計されているので、結果的には、内外顆外面98とスリット2028との角度、すなわち内外顆外面98と面Bとの角度が3°外旋する。
【0007】
面Aの骨切りには、図12に示すような骨部整形用ガイド器具1001を使用する。ガイド器具1001は、大腿骨90の遠位部92から大腿骨90の軸Iに沿って挿入されるロッド1010と、ロッド1010を挿通する筒状のロッドガイド1014と、ロッドガイド1014に支持部1040で軸支された角度規定部1032と、支持部1040を中心としてロッドガイド1014と角度規定部1032との成す角度を調節するための角度調節部1030とを有している。また、角度規定部1032の端面近傍には、2本の接続シャフト1026が挿入固定され、その2本の接続シャフト1026の間をアタッチメント1028で繋ぎ、そのアタッチメント1028にポール1024の一端を固定し、そしてポール1024の他端にカットガイド1020を固定している。カットガイド1020は、切刃をガイドするスリット1022が形成されており、このスリット1022に沿って面Aを骨切りする。
【0008】
角度調節部1030は、角度規定部1032に形成された略5角形の窓部1034と、窓部の内側に付された目盛1036と、目盛1036と対向するようにロッドガイド1014に取り付けられてインジケータ1012とから主に構成されている。
角度調節部1030を使ってロッド1010とカットガイド1020との角度を調節するには、インジケータ1012を目盛1036の所望の位置に合わせる。インジケータ1012を合わせる目盛1036の位置によって、角度規定部1032は、支持部1040を中心にしてr1又はr2のいずれかの方向に回転し、それに伴ってカットガイド1020もR1又はR2のいずれかの方向に回転する。結果として、ロッドガイド1014に挿入されたロッド1010の軸(すなわち、大腿骨90の軸I)に対して、カットガイド1020のスリット1022を回転させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
また、図10のような骨部整形用ガイド器具1002では、内外顆外面98に対する面Bの角度を変更する場合には、設定角度の異なるガイドゲージ2010に交換する必要があり、手術中の作業が煩雑であった。
【0010】
図12のような骨部整形用ガイド器具1001では、ロッド1010とカットガイド1020の間の角度を小さい角度ピッチ、例えば1°ピッチでの角度調節をするためには、支持部1040と目盛1036との距離を長くする必要がある。しかしながら、近年の最小侵襲手術(MIS:Minimally Invasive Surgery)では、切開部から挿入する器具の寸法を小さくすることが求められる。よって、図12のような角度調節部1030より小型の角度調節部が求められる。
【0011】
そこで、本発明では、角度変更が容易で、小型の角度調節部を備えた骨部整形用ガイド器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は骨部の整形に際して、整形すべき骨部の基準部位に配置される本体と、基準部位に対して所定の角度で延在できる角度規定部とを有して成る骨部整形用ガイド器具であって、前記角度規定部は、支持部によって前記本体に軸回転可能に軸支され、前記支持部を中心とした前記本体と前記角度規定部との開き角度は、角度調節部により調節され、前記角度調節部が、前記本体と前記角度規定部との間に配置された偏心カムを有し、前記偏心カムを回転させて前記本体と前記角度規定部との間隔を変化させることにより前記開き角度を調節することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の骨部整形用ガイド器具は、偏心カムを回転するだけで角度を変更できるので、図10のようなガイドゲージ2010を交換する必要がなく、簡便な角度変更が可能である。また、本発明の骨部整形用ガイド器具は、角度調節部に偏心カムを使用することにより、図12よりも小型の角度調節部にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1
図1〜図4は、実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具1であり、内外側顆後面98を基準部位として図8及び図9の面Bの骨切り面を規定するものである。なお、図1では、面Aで骨切りした後にガイド器具1を使用する例を示しているが、面Aを骨切りする前に使用することもできる。
【0015】
ガイド器具1は、大腿骨90の内外側顆後面98に合わせて設置される本体10と、内外側顆後面98に対して角度を規定するための角度規定部20と、本体10と角度規定部20とを軸回転可能に軸支する支持部40と、本体10と角度規定部20との間の角度を調節するための角度調整部30と、を含んでいる。
本実施の形態のガイド器具1は、従来の骨部整形用ガイド器具1002(図10)には存在しなかった角度調整部30を有しているので、内外側顆後面98と角度規定部10との間の角度調節が容易である。
【0016】
本体10は、ガイド器具1を内外側顆後面98に対して位置決めするための部材であり、本実施の形態では、内外側顆後面98に接触させるプレート12である。ガイド器具1は、このプレート12の内外側顆後面98に接触させる面(これをプレート主面12cと称する)を基準にして設置される。
【0017】
角度規定部20は、骨切りする面Bの方向を決定するための規定面20cを有している。本実施の形態では、規定面20cに対して垂直方向28にガイドバー26を形成している。ガイドバー26にピンガイド60(図1参照)をスライド挿入し、そのピンガイド60の貫通孔62に沿って大腿骨90の遠位部92にピンを打ち込めば、ピンは規定面20cに対して所定の向きに固定される。2つの貫通孔62を使って2本のピンを打ち込み、その2本のピンに切刃ガイド用スリットを備えたカットガイド(図示せず)を挿入することにより、最終的に面Bの方向を決定する。このようにして、角度規定部20の規定面20cに対して面Bを決定する。
【0018】
支持部40は、プレート12に形成された軸穴14及び角度規定部20の軸穴24に、支持軸44を挿入して構成される。支持軸44は、角度規定部20をプレート12に軸支している。すなわち、角度規定部20は、支持部40を中心としてプレート12に対して軸回転が可能である。本実施の形態では、プレート12の軸穴14はプレート12の端部近傍に形成され、また角度規定部20の軸穴24も角度規定部20の端部近傍に形成されている。このように、角度規定部20の端部が支持部40によってプレート12の端部に軸支されていると、支持部40と角度変換部30との距離を離すことができ、プレート12のプレート主面12cと角度規定部20の規定面20cとの成す角度θ(図3参照)の変化間隔(ピッチ)を小さくすることができる。なお、本明細書では角度θを「開き角度θ」と称する。
【0019】
角度調整部30は、外周面321及びカム軸面322を有する偏心カム32と、外周面321を受容するために角度規定部20に形成された開口部(カム用穴16)と、カム軸面322を受容するためにプレート12に形成された開口部(カム用フレーム22)とから主に構成される。本明細書で使用する偏心カム32は、直径の異なる2つの円筒状部材を、その底面の円の中心点がずれる(すなわち偏心する)ように結合したものである。また、偏心カム32の「外周面321」とは、大径の円筒状部材の側面を指し、「カム軸面322」とは、小径の円筒状部材の側面を指している。角度規定部20のカム用穴16は、偏心カム32の外周面321を挿入でき、且つ外周面321を摺動可能な寸法形状に形成されている。カム用フレーム22は窓部22aを有する略長矩形の枠状部材であり、長辺が本体のプレート主面12cと平行な方向に、また短辺がプレート主面12と垂直な方向に向けられている。窓部22aの短辺方向は、偏心カム32のカム軸面322を挿入でき、且つカム軸面322を回転できるような寸法に設定されている。
【0020】
本実施の形態では、角度調節部30は、プレート12の自由端と支持部40との間に配置されている。ここで「自由端」とは、支持部40により固定された端部(固定端)に対して、固定されていない端部を指している。角度調節部30がプレート12の自由端と支持部40との間に配置されている(すなわち、角度調節部30が角度規定部20の自由端と支持部40との間に配置されていることにもなる)ので、プレート12及び角度規定部20の角度調節部30を設置するためにプレート12及び角度規定部20の寸法を大きくする必要がなく、ガイド器具1を小型化するのに適している。さらに、角度調節部30をプレート12及び角度規定部20の自由端に近い位置に形成すれば、支持部40と角度調節部30との距離が大きくなり、開き角度θのピッチを小さくするのに有利である。
【0021】
図5A〜図5Dを参照して、偏心カム32を用いた角度調節部30の動作を説明する。この例では、左脚の大腿骨90の遠位部92を骨切りするガイド器具1を例示しており、外旋方向に角度を付けることを前提としている。
【0022】
図5Aは、開き角度θ0が0°の状態、すなわちプレート12のプレート主面12cと角度規定部20の規定面20cとが平行な状態を示している。カム軸面322の底面の中心O1(本明細書では「軸中心O1」と称する)と外周面321の底面の中心O2(本明細書では「カム中心O2」と称する)とを結んだ線OLが、プレート12のプレート主面12cに対して垂直になるように、そして、軸中心O1がカム中心O2とプレート12との間に位置するように、偏心カム32の回転位置を調節している。この状態を、カム中心O2から軸中心O1を通って偏心カム32のカム軸面322まで延ばした矢印Y0(本明細書では「カム方向Y0」と称する)を用いて表現すれば、Y0がプレート12のプレート主面12cに対して垂直な状態と説明することができる。
また、図5Aの状態は、角度規定部20の自由端がプレート12から最も離れた状態であり、これは、線OLと外周面321との交点のうち、プレート12から遠い点と、プレート12のプレート主面12cとの距離d0(本明細書では「カム高さd0」と称する)が最も大きい状態であることを意味している。
【0023】
図5Bは、偏心カム32のカム方向Y1を、図5AのY0から時計回りに角度φ1だけ回転した状態である。この回転により、カム高さd1は、d0よりも小さくなり、角度規定部20の自由端がプレート12に近づく。その結果、開き角度θ1は図5Aのθ0=0°から変化する。ここで、角度規定部20の自由端がプレート12に近づくように回転したときを「正方向」の回転であるとすれば、開き角度θ1は0°より大きくなる。これは、面Bの方向を外旋することに相当する。
【0024】
図5Cは、偏心カム32のカム方向Y2を、図5AのY0から時計回りに角度φ2(φ1<φ2)だけ回転した状態であり、図5Dは偏心カム32のカム方向Y3を、図5AのY0から時計回りに角度φ3(φ2<φ3)だけ回転した状態である。これらの回転により、カム高さd2及びd3は、d1>d2>d3の順にさらに小さくなり、角度規定部20の自由端も、さらにプレート12に近づく。そして、開き角度θ2及びθ3は、θ1<θ2<θ3の順に大きくなり、それに伴って面Bの外旋角度もさらに大きくなる。
【0025】
上述のように、図5A〜図5Dに示した角度調整部30は、左脚の大腿骨90を骨切りするのに適したものである。本実施の形態の角度調整部30を、右脚の大腿骨90用に変更するのであれば、図5Aのように開き角度がθ0=0°の状態で、図5Aとは逆にカム高さd0が最小になるように設計すればよい。つまり、図5Aのカム方向Y0を逆向き(180°回転させた状態)に配置したときに、開き角度がθ0=0°となるように設計すればよい。
右脚用に変更する別の方法としては、プレート12と角度規定部20とを軸支する端部(固定端)と、自由端との形成位置を入れ替えることにより、カム方向やカム高さを変更することなく、右脚用の角度調整部30にすることができる。
【0026】
また、右脚・左脚兼用の角度調整部30にするには、図5Aのように開き角度がθ0=0°の状態で、カム高さd0が、最大と最小の中間値になるように設計すればよい。つまり、図5Aのカム方向Y0を90°回転させた状態に配置したときに、開き角度がθ0=0°となるように設計すればよい。これにより、開き角度θ=0°の状態からカムの回転方向を変えることによって、角度規定部20の自由端をプレート12に近づけることも、離すこともできるようになり、左右脚両用の角度調整部30が得られる。
【0027】
角度規定部20のカム用穴16は、偏心カム32を仮固定できるロック機構50(図3参照)を備えることができる。本明細書における「ロック機構50」とは、偏心カム32を回転させたい方向に一定以上の応力をかけるとロックが外れて偏心カム32が回転し、回転が完了したときには再度ロックがかかって偏心カム32が回転しないようにするための機構である。このロック機構50により、偏心カム32が所定の位置まで回転した状態を保持することができる。ロック機構50には、例えばボールプランジャ等の公知の技術を利用することができる。なお、ロック機構50にボールプランジャを使用した場合には、図4に図示するように、偏心カム32の外径部321の外周にディンプル(くぼみ)34を備えると、ボールプランジャのボールがこのディンプル34に嵌り合って、偏心カム32を確実にロックできるので好ましい。ディンプル34の形成位置は、偏心カム32が所望の位置でロックされるように決定するのが好ましい。
【0028】
角度調整部30は、開き角度θを1°ピッチで調節可能であるのが好ましく、面Bの外旋角度を、一般的な手術で必要と考えられている1°ピッチで調節できるようになる。このとき、偏心カム32が1°ピッチでロックされるようにすれば、開き角度θが調節しやすくなるのでより好ましい。ロック位置を調節するには、開き角度θが1°変化するのに対応する偏心カム32の位置を算出し、その算出位置においてロック機構50(例えばボールプランジャ)がディンプル34に嵌合するように、ディンプル34を形成すればよい。
【0029】
プレート12は、大腿骨90の内側顆94と接触する内側プレート12a及び外側顆96と接触する外側プレート12bの2つに分離しているのが好ましい。手術の際には、プレート12a、12bの間のくぼみに、大腿骨90の遠位部92に付着した靱帯を位置させることで、靱帯を傷つけずにプレート主面12cを内外側顆後面98に接触させることができる。
【0030】
図4の偏心カム32には、外周面321側にダイヤル36が固定されている。このダイヤル36には、図1のように偏心カム32を回転させたときの開き角度θの変化を示す目盛や、偏心カム32を回転するときの滑り防止溝を形成することができる。
【0031】
本実施の形態のガイド器具1は、図1で使用したピンガイド60の代わりに、図10のカットガイドホルダー2020を使用し、図11のカットガイド2024をカットガイドホルダー2020に固定することもできる。
【0032】
プレート12、角度規定部20、支持軸44、偏心カム32及びダイヤル36は、生体に対して安全で滅菌可能な材料、例えばステンレスやチタン等の金属材料から形成することができる。
【0033】
実施の形態2
図6及び図7は、実施の形態2に係る骨部整形用ガイド器具101であり、大腿骨90の軸Iを基準部位として図8及び図9の面Aの骨切り面を規定するものである。
【0034】
ガイド器具101は、大腿骨90の軸Iに合わせて設置される本体110と、大腿骨90の軸Iに対して角度を規定するための角度規定部120と、本体110と角度規定部120とを軸回転可能に軸支する支持部140と、本体110と角度規定部120との間の角度を調節するための角度調整部130と、を含んでいる。
従来の骨部整形用ガイド器具1001(図12)では、角度調節部1030の大きな窓部1034によって角度を調節するのに対して、本実施の形態のガイド器具101では、偏心カム132によって角度を調節するので、角度調節部130を小型にすることができる。
【0035】
本体110は、ガイド器具101を大腿骨90の軸Iに対して位置決めするための部材である。本実施の形態では、本体110は、大腿骨90の遠位部92から軸Iに沿って挿入するロッド112を挿通固定可能な筒状のロッドガイド118である。ガイド器具101は、このロッド112の軸(ロッド軸)112cを基準にして設置される。
【0036】
角度規定部120は、骨切りする面Aの方向を決定するための規定面120cを有している。本実施の形態では、規定面120cと平行に2つの穴128を形成し、その穴に2本の接続シャフト166を挿入している。2本の接続シャフト166の間をアタッチメント168で繋ぎ、そのアタッチメントにポール164の一端を固定する。ポール162の他端に、切刃ガイド用スリット162を備えたカットガイド160を固定することにより、最終的に面Bの方向を決定する。このようにして、角度規定部120の規定面120cに対して面Aを決定する。
【0037】
支持部140は、ロッドガイド118に形成した軸穴114及び角度規定部120の軸穴124に、支持軸144を挿入して構成される。支持軸144は、角度規定部120をロッドガイド118に軸支している。すなわち、角度規定部120は、支持部140を中心としてロッドガイド118に対して軸回転が可能である。本実施の形態では、ロッドガイド118の軸穴114はロッドガイド118の端部近傍に形成され、また角度規定部120の軸穴124も角度規定部120の端面近傍に形成されている。このように、角度規定部120の端面近傍が支持部140によってロッドガイド118の端部に軸支されていると、支持部140と角度変換部130との距離を離すことができ、ロッドガイド118に挿通されたロッド112のロッド軸112cと角度規定部120の規定面120cとの成す角度(開き角度)のピッチを小さくすることができる。
【0038】
角度調整部130は、外周面1321及びカム軸面1322を有する偏心カム132と、外周面1321を受容するために角度規定部120のカムホルダ126に形成された開口部(カム用穴122)と、カム軸面1322を受容するためにロッドガイド118に形成された開口部(カム用スロット116)と、とから主に構成される。角度規定部120のカム用穴122は、偏心カム132の外周面1321を挿入でき、且つ外周面1321を摺動可能な寸法形状に形成されている。ロッドガイド118のカム用スロット116は、一方向に長く伸びた狭幅の長方形の開口であり、その長手方向がシャフト軸112cと平行な方向に向けられている。カム用スロット116の幅は、偏心カム132のカム軸面1322を挿入でき、且つカム軸面1322を回転できるような寸法に設定されている。
【0039】
本実施の形態では、角度調節部130は、ロッドガイド118の自由端と支持部140との間に配置されている。角度調節部130がロッドガイド118の自由端と支持部140との間に配置されている(すなわち、角度調節部130が角度規定部120の自由端と支持部140との間に配置されていることにもなる)ので、角度調節部130を設置するためにロッドガイド118及び角度規定部120の寸法を大きくする必要がなく、ガイド器具101を小型化するのに適している。さらに、角度調節部130をロッドガイド118及び角度規定部120の自由端に近い位置に形成すれば、支持部140と角度調節部130との距離が大きくなり、開き角度のピッチを小さくするのに有利である。
【0040】
本実施の形態では、実施の形態1と比較すると、角度規定部120の基準面120cと本体120の基準線(=ロッド軸112c)との開き角度が、初期状態において90°である点は異なるものの、角度調節部130の偏心カム132による角度変更の基本的な動作は、実施の形態1で説明した図5A〜5Dと同様である。
【0041】
また、本実施の形態のガイド器具101は、実施の形態1と同様に、ロック機構50を備えることができる。また、外周面1321の外周に、ロック機構50と嵌り合うディンプル134を備えるのが好ましい。
【0042】
角度調整部130は、開き角度を1°ピッチで調節可能であるのが好ましく、面Aの外旋角度を、一般的な手術で必要と考えられている1°ピッチで調節できるようになる。このとき、偏心カム132が1°ピッチでロックされるようにすれば、開き角度が調節しやすくなるのでより好ましい。ロック位置を調節するには、開き角度が1°変化するのに対応するようにディンプル134を形成すればよい。
【0043】
図7の偏心カム132には、外周面1321側にダイヤル136が固定されている。このダイヤル136には、偏心カム132を回転させたときの開き角度の変化を示す目盛や、偏心カム132を回転するときの滑り防止溝を形成することができる。
【0044】
ロッド112、ロッドガイド118、角度規定部120(カットガイド160、ポール164、接続シャフト166、アタッチメント168等)、支持軸144、偏心カム132及びダイヤル136は、生体に対して安全で滅菌可能な材料、例えばステンレスやチタン等の金属材料から形成することができる。
【0045】
本発明の骨部整形用ガイド器具は、実施の形態1及び2に示した骨部整形用ガイド器具1、101の他にも様々な骨部整形に使用できるガイド器具を含む。例えば、大腿骨の大転子骨折の場合、大腿骨近位部の外側から大転子頸部を通って大転子まで挿通するヒップスクリューを挿入して骨折部を固定する手術に使用できるガイド部材がある。ヒップスクリューの挿入方向を正確に規定するために、ヒップスクリューの挿入に先立って正確な挿入方向を規定するガイドピンを挿入するが、本発明の骨部整形用ガイド器具は、このガイドピンを大腿骨の軸に対して所定の角度(例えば125°〜145°)で挿入するときの角度規定用ガイド器具として好適である。また、別の例では、骨盤の臼蓋をリーマで切削する際に、体軸に対するリーマの保持角度を規定するのに、本発明の骨部整形用ガイド器具は好適である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】大腿骨遠位部に固定した実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具の概略斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具の背面側からの概略斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具の概略背面図である。
【図4】実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具の概略分解斜視図である。
【図5A】偏心カムを用いた角度調節部の動作を説明するための概略部分背面図である。
【図5B】偏心カムを用いた角度調節部の動作を説明するための概略部分背面図である。
【図5C】偏心カムを用いた角度調節部の動作を説明するための概略部分背面図である。
【図5D】偏心カムを用いた角度調節部の動作を説明するための概略部分背面図である。
【図6】大腿骨遠位部に固定した実施の形態2に係る骨部整形用ガイド器具の概略斜視図である。
【図7】実施の形態2に係る骨部整形用ガイド器具の概略分解斜視図である。
【図8】人工膝関節を設置する前の大腿骨遠位部の整形例を示す概略斜視図である。
【図9】人工膝関節を設置する前の大腿骨遠位部の整形例を示す概略側面図である。
【図10】大腿骨遠位部の骨切りに使用される別の骨部整形用ガイド器具の従来例を示す概略正面図である。
【図11】図4の別の骨部整形用ガイド器具にカットガイドを固定した状態を示す概略斜視図である。
【図12】大腿骨遠位部の骨切りに使用される骨部整形用ガイド器具の従来例を示す概略正面図である。
【符号の説明】
【0047】
1、101 骨部整形用ガイド器具、 10、110 本体、 12 プレート、 20、120 角度規定部、 30、130 角度調節部、 32、132 偏心カム、 40、140 支持部、 34 ディンプル、 50 ロック機構、 60 ピンガイド、 90 大腿骨、 98 内外顆後面、 112 ロッド、160 カットガイド、 θ 開き角度、 I 大腿骨の軸、 O1 軸中心、 O2 カム中心
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨を整形する際に骨切り面を決定するのに使用される器具に関し、特に、体部の基準部位に対して所望の角度を有する規定面又は規定線を定める器具に関する。
【背景技術】
【0002】
人工膝関節は、大腿骨遠位部に固定される大腿骨コンポーネントと、脛骨近位部に固定される脛骨コンポーネントを含んでいる。これらのコンポーネントを設置する前に、大腿骨遠位部及び脛骨近位部を骨切りして所定形状に整形するが、コンポーネントを最適位置に設置するためには、厳密な骨切り精度が求められる。
【0003】
図8及び図9に示す大腿骨遠位部の整形例では、大腿骨90の遠位部92を、5面の骨切り面(図中A〜E)で骨切りしている。骨切りの順番としては、大腿骨90の軸Iにほぼ直交する面Aと軸Iとほぼ平行する面Bとを骨切りし、その後に面C〜Eを骨切りする。面Aと面Bは、他の面C〜Eの基準となるため、正確な向きで骨切りする必要がある。そこで、大腿骨90の基準となる面や線に基づいて、骨切り面を正確に規定できる骨部整形用ガイド器具が使用される。
【0004】
面Bの骨切りには、図10に示すような骨部整形用ガイド器具1002と、図11に示すようなカットガイド2024とを使用する。ガイド器具1002により大腿骨90に対して所望の角度にカットガイドホルダー2020を位置決めし、その後にカットガイドホルダー2020にカットガイド2024を取り付けて面Bの骨切りを行う。
【0005】
図10のガイド器具1002は、大腿骨90の内側顆94の後面と外側顆96の後面とを結んだ面(内外顆外面98)に設置するガイドゲージ2010と、ガイドケージ2010にねじ止めされるガイドバー2030と、ガイドバー2030をスライド挿入する溝を備えたカットガイドホルダー2020とを含んでいる。所望の位置と角度に位置決めされたカットガイドホルダー2020は、ピン1050で大腿骨90に固定される。その後、ガイドゲージ2010とガイドバー2030を取り外し、ガイドバー2030が挿入されていたカットガイドホルダー2020の溝に、代わりにカットガイド2024のガイドバー2026をスライド挿入する(図11)。カットガイド2024のスリット2028で切刃をガイドして、面Bを骨切りする。
【0006】
内外顆外面98に対する面Bの角度を変更するには、図10のガイド器具1002のガイドゲージ2010を変更する。図10では、内外顆外面98とカットガイドホルダー2020の上面2022とが3°外旋するように設計されたガイドゲージ2010を使用した例である。カットガイドホルダー2020の上面2022が、カットガイド2024のスリット2028と平行になるように設計されているので、結果的には、内外顆外面98とスリット2028との角度、すなわち内外顆外面98と面Bとの角度が3°外旋する。
【0007】
面Aの骨切りには、図12に示すような骨部整形用ガイド器具1001を使用する。ガイド器具1001は、大腿骨90の遠位部92から大腿骨90の軸Iに沿って挿入されるロッド1010と、ロッド1010を挿通する筒状のロッドガイド1014と、ロッドガイド1014に支持部1040で軸支された角度規定部1032と、支持部1040を中心としてロッドガイド1014と角度規定部1032との成す角度を調節するための角度調節部1030とを有している。また、角度規定部1032の端面近傍には、2本の接続シャフト1026が挿入固定され、その2本の接続シャフト1026の間をアタッチメント1028で繋ぎ、そのアタッチメント1028にポール1024の一端を固定し、そしてポール1024の他端にカットガイド1020を固定している。カットガイド1020は、切刃をガイドするスリット1022が形成されており、このスリット1022に沿って面Aを骨切りする。
【0008】
角度調節部1030は、角度規定部1032に形成された略5角形の窓部1034と、窓部の内側に付された目盛1036と、目盛1036と対向するようにロッドガイド1014に取り付けられてインジケータ1012とから主に構成されている。
角度調節部1030を使ってロッド1010とカットガイド1020との角度を調節するには、インジケータ1012を目盛1036の所望の位置に合わせる。インジケータ1012を合わせる目盛1036の位置によって、角度規定部1032は、支持部1040を中心にしてr1又はr2のいずれかの方向に回転し、それに伴ってカットガイド1020もR1又はR2のいずれかの方向に回転する。結果として、ロッドガイド1014に挿入されたロッド1010の軸(すなわち、大腿骨90の軸I)に対して、カットガイド1020のスリット1022を回転させることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
また、図10のような骨部整形用ガイド器具1002では、内外顆外面98に対する面Bの角度を変更する場合には、設定角度の異なるガイドゲージ2010に交換する必要があり、手術中の作業が煩雑であった。
【0010】
図12のような骨部整形用ガイド器具1001では、ロッド1010とカットガイド1020の間の角度を小さい角度ピッチ、例えば1°ピッチでの角度調節をするためには、支持部1040と目盛1036との距離を長くする必要がある。しかしながら、近年の最小侵襲手術(MIS:Minimally Invasive Surgery)では、切開部から挿入する器具の寸法を小さくすることが求められる。よって、図12のような角度調節部1030より小型の角度調節部が求められる。
【0011】
そこで、本発明では、角度変更が容易で、小型の角度調節部を備えた骨部整形用ガイド器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は骨部の整形に際して、整形すべき骨部の基準部位に配置される本体と、基準部位に対して所定の角度で延在できる角度規定部とを有して成る骨部整形用ガイド器具であって、前記角度規定部は、支持部によって前記本体に軸回転可能に軸支され、前記支持部を中心とした前記本体と前記角度規定部との開き角度は、角度調節部により調節され、前記角度調節部が、前記本体と前記角度規定部との間に配置された偏心カムを有し、前記偏心カムを回転させて前記本体と前記角度規定部との間隔を変化させることにより前記開き角度を調節することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の骨部整形用ガイド器具は、偏心カムを回転するだけで角度を変更できるので、図10のようなガイドゲージ2010を交換する必要がなく、簡便な角度変更が可能である。また、本発明の骨部整形用ガイド器具は、角度調節部に偏心カムを使用することにより、図12よりも小型の角度調節部にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
実施の形態1
図1〜図4は、実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具1であり、内外側顆後面98を基準部位として図8及び図9の面Bの骨切り面を規定するものである。なお、図1では、面Aで骨切りした後にガイド器具1を使用する例を示しているが、面Aを骨切りする前に使用することもできる。
【0015】
ガイド器具1は、大腿骨90の内外側顆後面98に合わせて設置される本体10と、内外側顆後面98に対して角度を規定するための角度規定部20と、本体10と角度規定部20とを軸回転可能に軸支する支持部40と、本体10と角度規定部20との間の角度を調節するための角度調整部30と、を含んでいる。
本実施の形態のガイド器具1は、従来の骨部整形用ガイド器具1002(図10)には存在しなかった角度調整部30を有しているので、内外側顆後面98と角度規定部10との間の角度調節が容易である。
【0016】
本体10は、ガイド器具1を内外側顆後面98に対して位置決めするための部材であり、本実施の形態では、内外側顆後面98に接触させるプレート12である。ガイド器具1は、このプレート12の内外側顆後面98に接触させる面(これをプレート主面12cと称する)を基準にして設置される。
【0017】
角度規定部20は、骨切りする面Bの方向を決定するための規定面20cを有している。本実施の形態では、規定面20cに対して垂直方向28にガイドバー26を形成している。ガイドバー26にピンガイド60(図1参照)をスライド挿入し、そのピンガイド60の貫通孔62に沿って大腿骨90の遠位部92にピンを打ち込めば、ピンは規定面20cに対して所定の向きに固定される。2つの貫通孔62を使って2本のピンを打ち込み、その2本のピンに切刃ガイド用スリットを備えたカットガイド(図示せず)を挿入することにより、最終的に面Bの方向を決定する。このようにして、角度規定部20の規定面20cに対して面Bを決定する。
【0018】
支持部40は、プレート12に形成された軸穴14及び角度規定部20の軸穴24に、支持軸44を挿入して構成される。支持軸44は、角度規定部20をプレート12に軸支している。すなわち、角度規定部20は、支持部40を中心としてプレート12に対して軸回転が可能である。本実施の形態では、プレート12の軸穴14はプレート12の端部近傍に形成され、また角度規定部20の軸穴24も角度規定部20の端部近傍に形成されている。このように、角度規定部20の端部が支持部40によってプレート12の端部に軸支されていると、支持部40と角度変換部30との距離を離すことができ、プレート12のプレート主面12cと角度規定部20の規定面20cとの成す角度θ(図3参照)の変化間隔(ピッチ)を小さくすることができる。なお、本明細書では角度θを「開き角度θ」と称する。
【0019】
角度調整部30は、外周面321及びカム軸面322を有する偏心カム32と、外周面321を受容するために角度規定部20に形成された開口部(カム用穴16)と、カム軸面322を受容するためにプレート12に形成された開口部(カム用フレーム22)とから主に構成される。本明細書で使用する偏心カム32は、直径の異なる2つの円筒状部材を、その底面の円の中心点がずれる(すなわち偏心する)ように結合したものである。また、偏心カム32の「外周面321」とは、大径の円筒状部材の側面を指し、「カム軸面322」とは、小径の円筒状部材の側面を指している。角度規定部20のカム用穴16は、偏心カム32の外周面321を挿入でき、且つ外周面321を摺動可能な寸法形状に形成されている。カム用フレーム22は窓部22aを有する略長矩形の枠状部材であり、長辺が本体のプレート主面12cと平行な方向に、また短辺がプレート主面12と垂直な方向に向けられている。窓部22aの短辺方向は、偏心カム32のカム軸面322を挿入でき、且つカム軸面322を回転できるような寸法に設定されている。
【0020】
本実施の形態では、角度調節部30は、プレート12の自由端と支持部40との間に配置されている。ここで「自由端」とは、支持部40により固定された端部(固定端)に対して、固定されていない端部を指している。角度調節部30がプレート12の自由端と支持部40との間に配置されている(すなわち、角度調節部30が角度規定部20の自由端と支持部40との間に配置されていることにもなる)ので、プレート12及び角度規定部20の角度調節部30を設置するためにプレート12及び角度規定部20の寸法を大きくする必要がなく、ガイド器具1を小型化するのに適している。さらに、角度調節部30をプレート12及び角度規定部20の自由端に近い位置に形成すれば、支持部40と角度調節部30との距離が大きくなり、開き角度θのピッチを小さくするのに有利である。
【0021】
図5A〜図5Dを参照して、偏心カム32を用いた角度調節部30の動作を説明する。この例では、左脚の大腿骨90の遠位部92を骨切りするガイド器具1を例示しており、外旋方向に角度を付けることを前提としている。
【0022】
図5Aは、開き角度θ0が0°の状態、すなわちプレート12のプレート主面12cと角度規定部20の規定面20cとが平行な状態を示している。カム軸面322の底面の中心O1(本明細書では「軸中心O1」と称する)と外周面321の底面の中心O2(本明細書では「カム中心O2」と称する)とを結んだ線OLが、プレート12のプレート主面12cに対して垂直になるように、そして、軸中心O1がカム中心O2とプレート12との間に位置するように、偏心カム32の回転位置を調節している。この状態を、カム中心O2から軸中心O1を通って偏心カム32のカム軸面322まで延ばした矢印Y0(本明細書では「カム方向Y0」と称する)を用いて表現すれば、Y0がプレート12のプレート主面12cに対して垂直な状態と説明することができる。
また、図5Aの状態は、角度規定部20の自由端がプレート12から最も離れた状態であり、これは、線OLと外周面321との交点のうち、プレート12から遠い点と、プレート12のプレート主面12cとの距離d0(本明細書では「カム高さd0」と称する)が最も大きい状態であることを意味している。
【0023】
図5Bは、偏心カム32のカム方向Y1を、図5AのY0から時計回りに角度φ1だけ回転した状態である。この回転により、カム高さd1は、d0よりも小さくなり、角度規定部20の自由端がプレート12に近づく。その結果、開き角度θ1は図5Aのθ0=0°から変化する。ここで、角度規定部20の自由端がプレート12に近づくように回転したときを「正方向」の回転であるとすれば、開き角度θ1は0°より大きくなる。これは、面Bの方向を外旋することに相当する。
【0024】
図5Cは、偏心カム32のカム方向Y2を、図5AのY0から時計回りに角度φ2(φ1<φ2)だけ回転した状態であり、図5Dは偏心カム32のカム方向Y3を、図5AのY0から時計回りに角度φ3(φ2<φ3)だけ回転した状態である。これらの回転により、カム高さd2及びd3は、d1>d2>d3の順にさらに小さくなり、角度規定部20の自由端も、さらにプレート12に近づく。そして、開き角度θ2及びθ3は、θ1<θ2<θ3の順に大きくなり、それに伴って面Bの外旋角度もさらに大きくなる。
【0025】
上述のように、図5A〜図5Dに示した角度調整部30は、左脚の大腿骨90を骨切りするのに適したものである。本実施の形態の角度調整部30を、右脚の大腿骨90用に変更するのであれば、図5Aのように開き角度がθ0=0°の状態で、図5Aとは逆にカム高さd0が最小になるように設計すればよい。つまり、図5Aのカム方向Y0を逆向き(180°回転させた状態)に配置したときに、開き角度がθ0=0°となるように設計すればよい。
右脚用に変更する別の方法としては、プレート12と角度規定部20とを軸支する端部(固定端)と、自由端との形成位置を入れ替えることにより、カム方向やカム高さを変更することなく、右脚用の角度調整部30にすることができる。
【0026】
また、右脚・左脚兼用の角度調整部30にするには、図5Aのように開き角度がθ0=0°の状態で、カム高さd0が、最大と最小の中間値になるように設計すればよい。つまり、図5Aのカム方向Y0を90°回転させた状態に配置したときに、開き角度がθ0=0°となるように設計すればよい。これにより、開き角度θ=0°の状態からカムの回転方向を変えることによって、角度規定部20の自由端をプレート12に近づけることも、離すこともできるようになり、左右脚両用の角度調整部30が得られる。
【0027】
角度規定部20のカム用穴16は、偏心カム32を仮固定できるロック機構50(図3参照)を備えることができる。本明細書における「ロック機構50」とは、偏心カム32を回転させたい方向に一定以上の応力をかけるとロックが外れて偏心カム32が回転し、回転が完了したときには再度ロックがかかって偏心カム32が回転しないようにするための機構である。このロック機構50により、偏心カム32が所定の位置まで回転した状態を保持することができる。ロック機構50には、例えばボールプランジャ等の公知の技術を利用することができる。なお、ロック機構50にボールプランジャを使用した場合には、図4に図示するように、偏心カム32の外径部321の外周にディンプル(くぼみ)34を備えると、ボールプランジャのボールがこのディンプル34に嵌り合って、偏心カム32を確実にロックできるので好ましい。ディンプル34の形成位置は、偏心カム32が所望の位置でロックされるように決定するのが好ましい。
【0028】
角度調整部30は、開き角度θを1°ピッチで調節可能であるのが好ましく、面Bの外旋角度を、一般的な手術で必要と考えられている1°ピッチで調節できるようになる。このとき、偏心カム32が1°ピッチでロックされるようにすれば、開き角度θが調節しやすくなるのでより好ましい。ロック位置を調節するには、開き角度θが1°変化するのに対応する偏心カム32の位置を算出し、その算出位置においてロック機構50(例えばボールプランジャ)がディンプル34に嵌合するように、ディンプル34を形成すればよい。
【0029】
プレート12は、大腿骨90の内側顆94と接触する内側プレート12a及び外側顆96と接触する外側プレート12bの2つに分離しているのが好ましい。手術の際には、プレート12a、12bの間のくぼみに、大腿骨90の遠位部92に付着した靱帯を位置させることで、靱帯を傷つけずにプレート主面12cを内外側顆後面98に接触させることができる。
【0030】
図4の偏心カム32には、外周面321側にダイヤル36が固定されている。このダイヤル36には、図1のように偏心カム32を回転させたときの開き角度θの変化を示す目盛や、偏心カム32を回転するときの滑り防止溝を形成することができる。
【0031】
本実施の形態のガイド器具1は、図1で使用したピンガイド60の代わりに、図10のカットガイドホルダー2020を使用し、図11のカットガイド2024をカットガイドホルダー2020に固定することもできる。
【0032】
プレート12、角度規定部20、支持軸44、偏心カム32及びダイヤル36は、生体に対して安全で滅菌可能な材料、例えばステンレスやチタン等の金属材料から形成することができる。
【0033】
実施の形態2
図6及び図7は、実施の形態2に係る骨部整形用ガイド器具101であり、大腿骨90の軸Iを基準部位として図8及び図9の面Aの骨切り面を規定するものである。
【0034】
ガイド器具101は、大腿骨90の軸Iに合わせて設置される本体110と、大腿骨90の軸Iに対して角度を規定するための角度規定部120と、本体110と角度規定部120とを軸回転可能に軸支する支持部140と、本体110と角度規定部120との間の角度を調節するための角度調整部130と、を含んでいる。
従来の骨部整形用ガイド器具1001(図12)では、角度調節部1030の大きな窓部1034によって角度を調節するのに対して、本実施の形態のガイド器具101では、偏心カム132によって角度を調節するので、角度調節部130を小型にすることができる。
【0035】
本体110は、ガイド器具101を大腿骨90の軸Iに対して位置決めするための部材である。本実施の形態では、本体110は、大腿骨90の遠位部92から軸Iに沿って挿入するロッド112を挿通固定可能な筒状のロッドガイド118である。ガイド器具101は、このロッド112の軸(ロッド軸)112cを基準にして設置される。
【0036】
角度規定部120は、骨切りする面Aの方向を決定するための規定面120cを有している。本実施の形態では、規定面120cと平行に2つの穴128を形成し、その穴に2本の接続シャフト166を挿入している。2本の接続シャフト166の間をアタッチメント168で繋ぎ、そのアタッチメントにポール164の一端を固定する。ポール162の他端に、切刃ガイド用スリット162を備えたカットガイド160を固定することにより、最終的に面Bの方向を決定する。このようにして、角度規定部120の規定面120cに対して面Aを決定する。
【0037】
支持部140は、ロッドガイド118に形成した軸穴114及び角度規定部120の軸穴124に、支持軸144を挿入して構成される。支持軸144は、角度規定部120をロッドガイド118に軸支している。すなわち、角度規定部120は、支持部140を中心としてロッドガイド118に対して軸回転が可能である。本実施の形態では、ロッドガイド118の軸穴114はロッドガイド118の端部近傍に形成され、また角度規定部120の軸穴124も角度規定部120の端面近傍に形成されている。このように、角度規定部120の端面近傍が支持部140によってロッドガイド118の端部に軸支されていると、支持部140と角度変換部130との距離を離すことができ、ロッドガイド118に挿通されたロッド112のロッド軸112cと角度規定部120の規定面120cとの成す角度(開き角度)のピッチを小さくすることができる。
【0038】
角度調整部130は、外周面1321及びカム軸面1322を有する偏心カム132と、外周面1321を受容するために角度規定部120のカムホルダ126に形成された開口部(カム用穴122)と、カム軸面1322を受容するためにロッドガイド118に形成された開口部(カム用スロット116)と、とから主に構成される。角度規定部120のカム用穴122は、偏心カム132の外周面1321を挿入でき、且つ外周面1321を摺動可能な寸法形状に形成されている。ロッドガイド118のカム用スロット116は、一方向に長く伸びた狭幅の長方形の開口であり、その長手方向がシャフト軸112cと平行な方向に向けられている。カム用スロット116の幅は、偏心カム132のカム軸面1322を挿入でき、且つカム軸面1322を回転できるような寸法に設定されている。
【0039】
本実施の形態では、角度調節部130は、ロッドガイド118の自由端と支持部140との間に配置されている。角度調節部130がロッドガイド118の自由端と支持部140との間に配置されている(すなわち、角度調節部130が角度規定部120の自由端と支持部140との間に配置されていることにもなる)ので、角度調節部130を設置するためにロッドガイド118及び角度規定部120の寸法を大きくする必要がなく、ガイド器具101を小型化するのに適している。さらに、角度調節部130をロッドガイド118及び角度規定部120の自由端に近い位置に形成すれば、支持部140と角度調節部130との距離が大きくなり、開き角度のピッチを小さくするのに有利である。
【0040】
本実施の形態では、実施の形態1と比較すると、角度規定部120の基準面120cと本体120の基準線(=ロッド軸112c)との開き角度が、初期状態において90°である点は異なるものの、角度調節部130の偏心カム132による角度変更の基本的な動作は、実施の形態1で説明した図5A〜5Dと同様である。
【0041】
また、本実施の形態のガイド器具101は、実施の形態1と同様に、ロック機構50を備えることができる。また、外周面1321の外周に、ロック機構50と嵌り合うディンプル134を備えるのが好ましい。
【0042】
角度調整部130は、開き角度を1°ピッチで調節可能であるのが好ましく、面Aの外旋角度を、一般的な手術で必要と考えられている1°ピッチで調節できるようになる。このとき、偏心カム132が1°ピッチでロックされるようにすれば、開き角度が調節しやすくなるのでより好ましい。ロック位置を調節するには、開き角度が1°変化するのに対応するようにディンプル134を形成すればよい。
【0043】
図7の偏心カム132には、外周面1321側にダイヤル136が固定されている。このダイヤル136には、偏心カム132を回転させたときの開き角度の変化を示す目盛や、偏心カム132を回転するときの滑り防止溝を形成することができる。
【0044】
ロッド112、ロッドガイド118、角度規定部120(カットガイド160、ポール164、接続シャフト166、アタッチメント168等)、支持軸144、偏心カム132及びダイヤル136は、生体に対して安全で滅菌可能な材料、例えばステンレスやチタン等の金属材料から形成することができる。
【0045】
本発明の骨部整形用ガイド器具は、実施の形態1及び2に示した骨部整形用ガイド器具1、101の他にも様々な骨部整形に使用できるガイド器具を含む。例えば、大腿骨の大転子骨折の場合、大腿骨近位部の外側から大転子頸部を通って大転子まで挿通するヒップスクリューを挿入して骨折部を固定する手術に使用できるガイド部材がある。ヒップスクリューの挿入方向を正確に規定するために、ヒップスクリューの挿入に先立って正確な挿入方向を規定するガイドピンを挿入するが、本発明の骨部整形用ガイド器具は、このガイドピンを大腿骨の軸に対して所定の角度(例えば125°〜145°)で挿入するときの角度規定用ガイド器具として好適である。また、別の例では、骨盤の臼蓋をリーマで切削する際に、体軸に対するリーマの保持角度を規定するのに、本発明の骨部整形用ガイド器具は好適である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】大腿骨遠位部に固定した実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具の概略斜視図である。
【図2】実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具の背面側からの概略斜視図である。
【図3】実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具の概略背面図である。
【図4】実施の形態1に係る骨部整形用ガイド器具の概略分解斜視図である。
【図5A】偏心カムを用いた角度調節部の動作を説明するための概略部分背面図である。
【図5B】偏心カムを用いた角度調節部の動作を説明するための概略部分背面図である。
【図5C】偏心カムを用いた角度調節部の動作を説明するための概略部分背面図である。
【図5D】偏心カムを用いた角度調節部の動作を説明するための概略部分背面図である。
【図6】大腿骨遠位部に固定した実施の形態2に係る骨部整形用ガイド器具の概略斜視図である。
【図7】実施の形態2に係る骨部整形用ガイド器具の概略分解斜視図である。
【図8】人工膝関節を設置する前の大腿骨遠位部の整形例を示す概略斜視図である。
【図9】人工膝関節を設置する前の大腿骨遠位部の整形例を示す概略側面図である。
【図10】大腿骨遠位部の骨切りに使用される別の骨部整形用ガイド器具の従来例を示す概略正面図である。
【図11】図4の別の骨部整形用ガイド器具にカットガイドを固定した状態を示す概略斜視図である。
【図12】大腿骨遠位部の骨切りに使用される骨部整形用ガイド器具の従来例を示す概略正面図である。
【符号の説明】
【0047】
1、101 骨部整形用ガイド器具、 10、110 本体、 12 プレート、 20、120 角度規定部、 30、130 角度調節部、 32、132 偏心カム、 40、140 支持部、 34 ディンプル、 50 ロック機構、 60 ピンガイド、 90 大腿骨、 98 内外顆後面、 112 ロッド、160 カットガイド、 θ 開き角度、 I 大腿骨の軸、 O1 軸中心、 O2 カム中心
【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨部の整形に際して、整形すべき骨部の基準部位に配置される本体と、基準部位に対して所定の角度で延在できる角度規定部とを有して成る骨部整形用ガイド器具であって、
前記角度規定部は、支持部によって前記本体に軸回転可能に軸支され、
前記支持部を中心とした前記本体と前記角度規定部との開き角度は、角度調節部により調節され、
前記角度調節部が、前記本体と前記角度規定部との間に配置された偏心カムを有し、
前記偏心カムを回転させて前記本体と前記角度規定部との間隔を変化させることにより前記開き角度を調節することを特徴とする骨部整形用ガイド器具。
【請求項2】
前記角度規定部の端部が、前記支持部によって前記本体に軸支されていることを特徴とする請求項1に記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項3】
前記角度調節部が、前記本体の自由端と前記支持部との間に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項4】
前記偏心カムの外周面が、前記角度規定部又は前記本体のいずれか一方に形成された開口部に摺動可能に挿通され、
前記偏心カムのカム軸面が前記角度規定部又は前記本体の他方に形成された開口部に挿通され、
前記外周面の中心点であるカム中心と前記カム軸面の中心点である軸中心とを結ぶ線が前記本体に対して垂直で、前記カム中心と前記本体との間に前記軸中心が位置したときに、前記開き角度が0°であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項5】
前記角度調節部が、前記偏心カムをロックするロック機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項6】
前記骨部整形用ガイド器具が、大腿骨遠位部を大腿骨の軸と直交する方向の骨切りに際して使用され、
前記基準部位が大腿骨の軸であり、
前記本体が、大腿骨遠位部の骨端部から前記大腿骨の軸に沿って挿入されるロッドを挿通固定可能な筒状のロッドガイドであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項7】
前記骨部整形用ガイド器具が、大腿骨遠位部の前面を大腿骨の軸と平行方向の骨切りに際して使用され、
前記基準部位が大腿骨遠位部の内外顆後面であり、
前記本体が、前記内外顆後面に合わせて配置されるプレートであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項8】
前記角度規定部が、大腿骨遠位部の骨切り面を規定するカットガイド、又は前記カットガイドの位置決めに使用する部材を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項1】
骨部の整形に際して、整形すべき骨部の基準部位に配置される本体と、基準部位に対して所定の角度で延在できる角度規定部とを有して成る骨部整形用ガイド器具であって、
前記角度規定部は、支持部によって前記本体に軸回転可能に軸支され、
前記支持部を中心とした前記本体と前記角度規定部との開き角度は、角度調節部により調節され、
前記角度調節部が、前記本体と前記角度規定部との間に配置された偏心カムを有し、
前記偏心カムを回転させて前記本体と前記角度規定部との間隔を変化させることにより前記開き角度を調節することを特徴とする骨部整形用ガイド器具。
【請求項2】
前記角度規定部の端部が、前記支持部によって前記本体に軸支されていることを特徴とする請求項1に記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項3】
前記角度調節部が、前記本体の自由端と前記支持部との間に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項4】
前記偏心カムの外周面が、前記角度規定部又は前記本体のいずれか一方に形成された開口部に摺動可能に挿通され、
前記偏心カムのカム軸面が前記角度規定部又は前記本体の他方に形成された開口部に挿通され、
前記外周面の中心点であるカム中心と前記カム軸面の中心点である軸中心とを結ぶ線が前記本体に対して垂直で、前記カム中心と前記本体との間に前記軸中心が位置したときに、前記開き角度が0°であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項5】
前記角度調節部が、前記偏心カムをロックするロック機構を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項6】
前記骨部整形用ガイド器具が、大腿骨遠位部を大腿骨の軸と直交する方向の骨切りに際して使用され、
前記基準部位が大腿骨の軸であり、
前記本体が、大腿骨遠位部の骨端部から前記大腿骨の軸に沿って挿入されるロッドを挿通固定可能な筒状のロッドガイドであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項7】
前記骨部整形用ガイド器具が、大腿骨遠位部の前面を大腿骨の軸と平行方向の骨切りに際して使用され、
前記基準部位が大腿骨遠位部の内外顆後面であり、
前記本体が、前記内外顆後面に合わせて配置されるプレートであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の骨部整形用ガイド器具。
【請求項8】
前記角度規定部が、大腿骨遠位部の骨切り面を規定するカットガイド、又は前記カットガイドの位置決めに使用する部材を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の骨部整形用ガイド器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−6066(P2009−6066A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−172477(P2007−172477)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(504418084)日本メディカルマテリアル株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(504418084)日本メディカルマテリアル株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
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